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特表2023-509596体腔拡張装置付きの可視化診療システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】体腔拡張装置付きの可視化診療システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
A61B1/00 715
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538948
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 CN2020141172
(87)【国際公開番号】W WO2021139575
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】202010019834.2
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511051616
【氏名又は名称】チョウ,シン
【氏名又は名称原語表記】ZHOU,Xing
【住所又は居所原語表記】A601,Guangzhou International Business Incubator,Guangzhou Science Park,Guangzhou,Guangdong 510663,China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,シン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA04
4C161AA16
4C161BB07
4C161CC06
4C161FF35
4C161HH05
4C161HH56
4C161JJ02
4C161LL02
(57)【要約】
本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、体腔拡張機構、観察機構、回路システム、電源システム、操作機構、及び表示システムを備える。体腔拡張機構は拡張端を備え、拡張端は操作機構の先端に設けられ、観察機構前端の体腔を拡張させ、観察機構の観察視野を拡大させることができる。観察機構は照明モジュール、レンズモジュール、信号処理モジュール及びケースを備え、照明モジュールの光照射野内でレンズモジュールによって観察された画像及びビデオが信号処理モジュールによって処理された後、回路システムによって表示システムに出力されて表示され、照明モジュール、レンズモジュール及び回路システムが接続してからケース内に密閉して取り付けられる。観察機構前端の体腔が拡張されているため、レンズモジュールの観察視野がより広くなり、臨床での観察効果がより高くなる。本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、観察とともに手術器具をシースチューブから体内に入れることができ、観察しながら生検採取、電気切開、電気凝固、切除等各種の手術処置を行うことができ、臨床での使用が非常に便利である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
体腔拡張機構(1)、観察機構(2)、回路システム(3)、電源システム(104)、操作機構(5)、及び表示システム(102)を備える体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)であって、
A、前記体腔拡張機構(1)は拡張端(11)を備え、前記拡張端(11)は前記操作機構(5)の先端(5-1)に設けられ、前記観察機構(2)前端の体腔を拡張させ、前記観察機構(2)の観察視野を拡大させることができ、
B、前記観察機構(2)は照明モジュール(21)、レンズモジュール(22)、信号処理モジュール(23)及びケース(24)を備え、前記照明モジュール(21)の光照射野内で前記レンズモジュール(22)によって観察された画像及びビデオが前記信号処理モジュール(23)によって処理された後、前記回路システム(3)によって前記表示システム(102)に出力されて表示され、前記照明モジュール(21)、前記レンズモジュール(22)及び前記回路システム(3)が接続してから前記ケース(24)内に密閉して取り付けられ、
C、前記観察機構(2)、前記表示システム(102)は前記回路システム(3)を介して前記電源システム(104)に接続されることを特徴とする、体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項2】
前記拡張端(11)は拡張メッシュ(11-1)であることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項3】
前記レンズモジュール(22)のカメラ(22-1)が前記拡張メッシュ(11-1)の後端に設けられ、前記拡張メッシュ(11-1)が前記カメラ(22-1)の視野内にあることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項4】
前記レンズモジュール(22)のカメラ(22-1)が前記拡張メッシュ(11-1)の内部に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項5】
前記レンズモジュール(22)のカメラ(22-1)の観察方向が調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項6】
前記カメラ(22-1)の観察方向を調節する調節機構(22-11)が前記操作機構(5)のハンドル(52)に設けられることを特徴とする、請求項5に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項7】
前記拡張端(11)の作動部位方向が調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項8】
前記拡張端(11)の作動部位方向を調節する揺動機構(11-4)が前記ハンドル(52)に設けられることを特徴とする、請求項7に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項9】
前記レンズモジュール(22)のカメラ(22-1)の観察方向と前記拡張端(11)の作動部位方向が同時に調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項10】
前記体腔拡張機構(1)はシースチューブ(12)をさらに備え、前記拡張メッシュ(11-1)が前記シースチューブ(12)内に圧縮可能であり、前記シースチューブ(12)が後方へ撤去されて拘束が解除された後、前記拡張メッシュ(11)は圧縮前の形状に完全に又は実質的に回復することができることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項11】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は負圧吸引機構(4)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項12】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)の前記負圧吸引機構(4)は、吸引入口(41)、吸引出口(42)及び吸引チャネル(43)を備え、
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)のシースチューブ(12)はダブルルーメンチューブであり、1つのルーメンチューブに前記観察機構(2)が設けられ得、もう1つのルーメンチューブは前記吸引チャネル(43)を構成するか又は前記吸引チャネル(43)が設けられ、前記吸引入口(41)が前記シースチューブ(12)の先端に設けられ、前記負圧吸引機構(4)の吸引出口(42)が前記シースチューブ(12)の後端に設けられることを特徴とする、請求項11に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項13】
前記負圧吸引機構(4)に負圧状態を制御可能な負圧制御スイッチ(44)が設けられることを特徴とする、請求項11に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項14】
前記負圧制御スイッチ(44)が前記操作機構(5)のハンドル(52)に設けられることを特徴とする、請求項13に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項15】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は洗浄機構(6)をさらに備え、少なくとも1つの前記洗浄機構(6)の出水口(61)が前記レンズモジュール(22)のカメラ(22-1)の先端にあることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項16】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)のシースチューブ(12)はトリプルルーメンチューブであり、第1のルーメンチューブに前記観察機構(2)が設けられ、第2のルーメンチューブは前記吸引チャネル(43)を構成するか又は前記吸引チャネル(43)が設けられ、第3のルーメンチューブは前記洗浄機構(6)の給水路(63)を構成するか又は手術器具の出し入れに使用され、前記洗浄機構(6)の給水口(62)が前記シースチューブ(12)の後端に設けられることを特徴とする、請求項15に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項17】
前記洗浄機構(6)に洗浄水を制御するフラッシングスイッチ(64)が設けられることを特徴とする、請求項15に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項18】
前記フラッシングスイッチ(64)が前記操作機構(5)のハンドル(52)に設けられることを特徴とする、請求項17に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項19】
前記体腔拡張機構(1)の拡張メッシュ(11-1)はワイヤから作られている編組メッシュであることを特徴とする、請求項2に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項20】
前記拡張メッシュ(11-1)は様々な幾何学的形状を有することを特徴とする、請求項2に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項21】
前記拡張メッシュ(11-1)は医療用弾性材料から作られていることを特徴とする、請求項2に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項22】
前記拡張メッシュ(11-1)は医療用弾性ステンレス鋼又は医療用チタンニッケル形状記憶合金から作られていることを特徴とする、請求項21に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項23】
前記拡張メッシュ(11-1)は医療用透明弾性高分子材料から作られていることを特徴とする、請求項21に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項24】
前記観察機構(2)の保護フード(20)にコーティングが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項25】
前記観察機構(2)は少なくとも2つのカメラ(22-1)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項26】
少なくとも1つの前記カメラ(22-1)が前記操作機構(5)の先端(5-1)に設けられることを特徴とする、請求項25に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項27】
少なくとも1つの前記カメラ(22-1)が前記操作機構(5)の側面(5-5)に設けられることを特徴とする、請求項25に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項28】
2つ以上の前記カメラ(22-1)の観察領域が繋がる又は部分的に重なることができることを特徴とする、請求項25に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項29】
前記観察機構(2)は器具チャネル(25)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項30】
前記回路システム(3)にはホストに接続される電気的インタフェース(31)が設けられることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項31】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は電子保護機構(30)を備え、前記電子保護機構(30)は前記観察モジュール(2)及び/又は前記回路システム(3)の外部に設けられ、前記観察モジュール(2)及び/又は前記回路システム(3)の電子素子を水分や気体から遮断して、絶縁保護することを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項32】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は識別システム(8)をさらに備えることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項33】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は洗浄システム(106)をさらに備え、前記洗浄システム(106)の給水口(106-1)が水路(106-4)を介して輸液ボトル・バック(7)に接続され、前記洗浄システム(106)の出水口(106-2)が水路(106-4)を介して前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)の洗浄機構(6)の給水口(62)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項34】
前記洗浄システム(106)が蠕動ポンプ(106-3)で駆動されることを特徴とする、請求項33に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【請求項35】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)は負圧吸引器(105)をさらに備え、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム(100)の負圧吸引機構(4)の吸引出口(42)が前記負圧吸引器(105)に接続されることを特徴とする、請求項1に記載の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、腔鏡手術器具に関し、特に、腔鏡手術に使用される体腔拡張装置付きの可視化診療システムに関する。
【背景技術】
【0002】
腔鏡技術の発展につれて、胃鏡、腸鏡、子宮鏡、生検、人工流産手術等、腔鏡下で実施できる検査や手術は非常に多くなっている。
【0003】
従来、腹腔鏡、胸腔鏡、子宮鏡等の各種の鏡を人体に挿入し、レンズによる直視観察下で検査や手術を行うことが一般的である。手術創を小さくするように、通常、手術による切開は極力小さくされており、この理由から、関連する鏡及び手術器具の直径も比較的小さくされている。
【0004】
しかし、人体内の組織及び臓器は柔軟なものであるため、外力が加わっていなければ、子宮、胃、腸管等の組織及び臓器の体腔は通常閉合されている。これにより、小径の腔鏡器具を体腔内に入れた後、前端の組織が陥没するので、特に子宮、腸管等の体腔の場合は、腔鏡前端の観察領域が非常に小さくなり、臨床での観察効果が良好でないことが多い。
【0005】
したがって、より良好な臨床観察効果を得るように、従来の腔鏡診療設備をさらに改善する必要がある。また、従来技術において、観察と施術過程が分離されていることが多く、臨床処置中に、異なる器具を交換して操作する必要があり、特に生検採取や、レーザー切除等の場合は、非常に不便である。したがって、従来の腔鏡診療設備の機能をさらに改善して統合させる必要がある。
【発明の概要】
【0006】
本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、観察システムの先端に設けられる拡張機構の拡張端によって、観察システムの先端を拡張させることができ、これにより、観察視野を効果的に拡大するという目的が達成され、臨床での観察効果が非常に良好である。
【0007】
本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの特徴は以下のとおりである。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は、体腔拡張機構1、観察機構2、回路システム3、電源システム104、操作機構5、及び表示システム102を備え、
A、前記体腔拡張機構1は拡張端11を備え、前記拡張端11は前記操作機構5の先端5-1に設けられ、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記観察機構2の観察視野を拡大させることができ、
B、前記観察機構2は照明モジュール21、レンズモジュール22、信号処理モジュール23及びケース24を備え、前記照明モジュール21の光照射野内で前記レンズモジュール22によって観察された画像及びビデオが前記信号処理モジュール23によって処理された後、前記回路システム3によって前記表示システム102に出力されて表示され、前記照明モジュール21、前記レンズモジュール22及び前記回路システム3が接続してから前記ケース24内に密閉して取り付けられ、
C、前記観察機構2、前記表示システム102は前記回路システム3を介して前記電源システム104に接続される。
【0008】
本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、前記観察機構2のカメラ22-1の先端に前記体腔拡張機構1の拡張端11が設けられ、前記拡張端11は、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記観察機構2の観察視野を拡大させることができ、特に子宮鏡、腸鏡等の検査及び施術過程に適している。使用時、本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムを体腔内に挿入し、前記拡張端11は体腔を拡張させ、前記観察機構2は拡張された領域を観察する。前記レンズモジュール22によって観察された画像及びビデオ信号が前記回路システム3によって前記表示システム102に出力されて表示される。前記観察機構2前端の体腔が拡張されているため、前記レンズモジュール22の観察視野がより広くなり、臨床での観察効果がより高くなる。
【0009】
前記観察機構2と前記体腔拡張機構1とが別々に設けられてもよいし一体化されてもよい。
【0010】
臨床使用のコストを削減するために、前記観察機構2と前記体腔拡張機構1とが別々に設けられてもよい。前記体腔拡張機構1にシースチューブ12が設けられ、前記観察機構2は密閉処理がなされ、臨床観察時、前記観察機構2を前記シースチューブ12のチャネル12-3に入れ、観察が終わったら、前記観察機構2を回収し、消毒、殺菌後に前記観察機構2を繰り返し使用することができ、単に前記体腔拡張機構1は使い捨てとなり、臨床使用のコストを大幅に削減することができる。
【0011】
前記観察機構2と前記体腔拡張機構1が一体化された場合、前記体腔拡張機構1のシースチューブは前記ケース24を構成する。前記観察機構2の照明モジュール21、前記レンズモジュール22及び前記回路システム3が前記シースチューブ12内に密閉されている。
【0012】
前記拡張端11は拡張メッシュ11-1である。前記カメラ22-1は網目状の空隙から前記拡張メッシュ11-1の後方の様子を直接観察することができ、前記拡張メッシュ11-1は透明な材料でなくても全施術過程にわたる観察と手術領域の全景観察は可能である。
【0013】
前記レンズモジュール22のカメラ22-1が前記拡張メッシュ11-1の後端に設けられ、前記拡張メッシュ11-1は前記カメラ22-1の視野内にある。
【0014】
前記カメラ22-1を後置する技術的解決手段により、前記拡張メッシュ11-1は完全に前記カメラ22-1の視野範囲内にあることが保証でき、そして前記カメラ22-1の観察角度は手術又は検査領域の前方を向く角度であるから、上述した処置中に観察死角がない。カメラ後置の技術的解決手段によって、臨床検査及び施術過程はより安全で効果的になる。
【0015】
前記レンズモジュール22のカメラ22-1は前記拡張メッシュ11-1の内部に設けられる。前記カメラ22-1が前記拡張メッシュ11-1の内部に設けられ、前記カメラ22-1の方向を調整するか、又は空間的に分布されている複数の前記カメラ22-1を設けることで、周辺組織及び臓器を空間的に立体観察することができる。
【0016】
前記レンズモジュール22のカメラ22-1の観察方向が調整可能である。前記カメラ22-1の観察方向を調節することで、周辺組織の状況を全般的に観察することができ、臨床使用における観察がより全面的である効果を有する。
【0017】
前記カメラ22-1の観察方向を調節する調節機構22-11が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記調節機構22-11が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、体外から前記カメラ22-1の観察方向を容易に調節でき、操作がより簡単になる。
【0018】
前記拡張端11の作動部位方向が調整可能である。前記拡張端11の作動部位方向は必要に応じて調整でき、周辺体腔の構造形状により良好に適合することができ、特に子宮隅部等の掃除又は観察が困難な部位の場合、臨床使用効果はより良好になる。
【0019】
前記拡張端11の作動部位方向を調節する揺動機構11-4が前記ハンドル52に設けられる。前記揺動機構11-4が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、体外から前記掻爬装置11の作動部位の作動方向を容易に調節でき、操作がより簡単になる。
【0020】
前記レンズモジュール22のカメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向が同時に調整可能である。実際の適用時、臨床医師は必要に応じて前記カメラ22-1の観察方向又は前記拡張端11の作動部位方向のいずれか一方のみを調整することができ、前記カメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向を同時に調整することもできる。
【0021】
前記カメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向を同時に調整する場合、前記調節機構22-11と前記揺動機構11-4を1つの調節機構に合併して前記ハンドル52に設けることができる。
【0022】
前記体腔拡張機構1はシースチューブ12をさらに備え、前記拡張メッシュ11-1が前記シースチューブ12内に圧縮可能であり、前記シースチューブ12が後方へ撤去されて拘束が解除された後、前記拡張メッシュ11は圧縮前の形状に完全に又は実質的に回復することができる。前記シースチューブ12はインナーシースチューブ12-1とアウターシースチューブ12-2を備え、前記拡張メッシュ11-1が前記アウターシースチューブ12-2内に圧縮される。
【0023】
前記拡張メッシュ11-1が前記シースチューブ12内に圧縮可能であり、前記シースチューブ12が後方へ撤去されて拘束が解除された後、前記拡張メッシュ11-1は圧縮前の形状に完全に又は実質的に回復することができる。臨床使用時に、前記拡張メッシュ11-1を前記シースチューブ12内に収めることができ、体腔に入れた後、前記シースチューブ12を後退させて前記拡張メッシュ11-1を解放させることで、前記拡張メッシュ11-1は展開し、前記カメラ22-1の前方又は周辺の体腔を拡張させ、観察視野を拡大させる。臨床使用中に、検査や手術の部位及び周辺組織をより良好に観察することができ、臨床使用における観察効果は非常に優れている。前記拡張メッシュ11-1の掻爬ワイヤ11-31は、ワイヤ材、細管材、シート材等の様々な形状の材料から作られてもよい。前記拡張メッシュ11-1は、体腔の形態により良好に適合するように、体腔の形状に応じて楕円体形、梨形状等の様々な幾何学的形状にすることができ、特に体腔内の掃除が困難な隅部に適している。
【0024】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は負圧吸引機構4をさらに備える。前記負圧吸引機構4によって、検査や手術中生じた血等の組織液を迅速に吸引して体外に排出することができ、臨床使用時、より鮮明に観察できる。
【0025】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100の前記負圧吸引機構4は吸引入口41、吸引出口42及び吸引チャネル43を備える。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100のシースチューブ12はダブルルーメンチューブであり、1つのルーメンチューブに前記観察機構2が設けられ得、もう1つのルーメンチューブは前記吸引チャネル43を構成するか又は前記吸引チャネル43が設けられる。前記吸引入口41は前記シースチューブ12の先端に設けられ、前記負圧吸引機構4の吸引出口42は前記シースチューブ12の後端に設けられる。二重ルーメンチャネルの設計によって、前記回路システム3を手術中に生じ得る血、組織液等の液体から遮断することができ、使用中に、短絡、漏電等の安全上の危険性をより効果的に回避でき、臨床使用過程がより安全になる。
【0026】
前記負圧吸引機構4には負圧状態を制御可能な負圧制御スイッチ44が設けられる。前記負圧制御スイッチ44は前記負圧吸引機構4をオン/オフにすることができ、施術過程中に子宮内に剥離された組織や血、組織液の量に応じて前記負圧吸引機構4の負圧吸引力を調節することもできる。臨床使用時に、医師は所望の負圧吸引力に容易に調整でき、これにより、負圧吸引力が小さすぎて剥離された組織をタイムリーに吸引除去できないことや、負圧が大きすぎて子宮内膜等の組織を誤って損傷してしまうことが回避される。
【0027】
前記負圧制御スイッチ44が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記負圧制御スイッチ44が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、医療スタッフが片手で操作でき、使用過程がより便利になる。
【0028】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は洗浄機構6をさらに備え、少なくとも1つの前記洗浄機構6の出水口61が前記レンズモジュール22のカメラ22-1の先端にある。検査及び施術過程中に、前記洗浄機構6は前記カメラ22-1を洗浄して、前記カメラ22-1の先端にある血を洗浄によりタイムリーに除去することができ、観察視野が清潔に保たれることが保証される。また、前記洗浄機構6は、体腔内部をタイムリーに洗浄することもでき、特に手術部位をタイムリーに洗浄することができ、これにより、手術又は検査部位をタイムリーに観察することができ、手術又は検査過程の安全性が保証され、臨床施術過程がより安全になる。
【0029】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100のシースチューブ12はトリプルルーメンチューブであり、第1のルーメンチューブに前記観察機構2が設けられ、第2のルーメンチューブは前記吸引チャネル43を構成するか又は前記吸引チャネル43が設けられ、第3のルーメンチューブは前記洗浄機構6の給水路63を構成するか又は手術器具の出し入れに使用され、前記洗浄機構6の給水口62が前記シースチューブ12の後端に設けられる。三重ルーメンチャネルの設計によって、前記回路システム3が遮断されて保護されることが保証されるとともに、洗浄チャネルと吸引チャネルを分離させることができ、これにより、洗浄中に、吸い出した組織又は液体が子宮内に逆流することがないことをより効果的に保証でき、使用過程がより効率的で安全になる。
【0030】
前記洗浄機構6には洗浄水を制御するフラッシングスイッチ64が設けられる。前記フラッシングスイッチ64は前記洗浄機構6をオン/オフにすることができ、また洗浄水の水量と洗浄圧力を制御することができる。臨床使用中に、臨床医師は施術過程の実際の要求に応じて前記洗浄機構6をオン又はオフにし、必要に応じて適切な洗浄水の水量と圧力を選択することができ、臨床使用過程がより便利になる。
【0031】
前記フラッシングスイッチ64が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記フラッシングスイッチ64が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、医療スタッフが片手で操作でき、使用過程がより便利になる。
【0032】
前記体腔拡張機構1の拡張メッシュ11-1はワイヤから作られている編組メッシュである。柔軟な編組メッシュの設計によって、体腔へのダメージを小さくする。
【0033】
前記拡張メッシュ11-1は様々な幾何学的形状を有する。前記拡張メッシュ11-1は体腔の形状に応じて球形、楕円体形、梨形状等の様々な異なる形状にすることができる。
【0034】
前記拡張メッシュ11-1は医療用弾性材料から作られている。医療用弾性材料の弾性作用は前記拡張メッシュ11-1に優れた拡張力を提供できる。特に前記拡張メッシュ11-1が前記シースチューブ12から解放されると、弾性医療用材料から作られている前記拡張メッシュ11-1は元の形状に容易に回復できる。そして医療用弾性材料による弾性力は緩やかな力であり、前記拡張メッシュ11-1が拡張する際に優れた緩衝作用を発揮し、前記拡張メッシュ11-1の拡張が周辺組織又は臓器を誤って損傷してしまうことを防止することができる。
【0035】
前記拡張メッシュ11-1は医療用弾性ステンレス鋼又は医療用チタンニッケル形状記憶合金から作られている。ここで出願人は上記2種の医療用弾性材料のみを列挙しているが、実際の適用時、当業者は、本願の保護範囲から逸脱することなく、必要に応じて異なる医療用弾性材料を選択して製造することができる。
【0036】
前記拡張メッシュ11-1は医療用透明弾性高分子材料から作られている。前記拡張メッシュ11-1は透明な弾性医療用高分子材料から作られてもよく、弾性緩衝が保証されるとともに、前記カメラ22-1の観察経路を一切遮ることがなく、観察効果がより高くなる。
【0037】
前記観察機構2の保護フード20にコーティングが設けられる。コーティングとして疎水性コーティングを選択することができ、この場合、血等の液体は前記保護フード20上に迅速に凝縮して水滴となって滑落することができる。親水性コーティングを選択することもでき、この場合、血等の液体は前記保護フード20の表面に迅速に透明な水膜を形成し、前記カメラを遮ることがない。
【0038】
前記観察機構2は少なくとも2つのカメラ22-1を備える。前記レンズモジュール22は少なくとも2つのカメラ22-1を備えることで、従来の単レンズによる観察視野が限られている問題が効果的に解決され、施術過程における観察視野を効果的に拡大することができる。特に前記カメラ22-1を前記操作機構5の前方と側面にそれぞれ設けると、観察視野の重畳によって、前記操作機構5の周辺に立体的な観察空間を形成でき、臨床での観察効果が非常に良好である。
【0039】
少なくとも1つの前記カメラ22-1が前記操作機構5の先端5-1に設けられる。前記操作機構5の前方に設けられる前記カメラ22-1は前記操作機構5前方の領域を効果的に観察することができる。
【0040】
少なくとも1つの前記カメラ22-1が前記操作機構5の側面5-5に設けられる。前記操作機構5の側面5-5に設けられる前記カメラ22-1は前記操作機構5の側面を観察することができる。
【0041】
2つ以上の前記カメラ22-1の観察領域が繋がる又は部分的に重なることができる。前記操作機構5の先端5-1と側面5-5にそれぞれ設けられる前記カメラ22-1の観察領域が繋がると、空間的な観察視野を形成でき、臨床での観察効果がより高くなる。
【0042】
前記観察機構2は器具チャネル25をさらに備える。前記観察機構2に前記器具チャネル25を設けてもよく、前記器具チャネル25は前記給水路63として体腔内を洗浄することができ、手術器具出し入れのチャネルとすることもでき、観察とともに、組織の洗浄、生検、電気切開、電気凝固、切除等各種の手術処置を行うことができる。
【0043】
前記回路システム3にはホストに接続される電気的インタフェース31が設けられる。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は前記電気的インタフェース31を介してホスト及び電源に接続される。
【0044】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は電子保護機構30を備える。前記電子保護機構30は前記観察モジュール2及び/又は前記回路システム3の外部に設けられ、前記観察モジュール2及び/又は前記回路システム3の電子素子を水分や気体から遮断して、絶縁保護する。前記観察モジュール2及び前記回路システム3の外部に設けられる前記電子保護機構30は、前記観察モジュール2及び前記回路システム3の電子素子を水分や気体から遮断して、絶縁保護することができ、施術過程中に生じた血又は組織液が電子素子の正常な動作に影響を及ぼすのを効果的に防ぎ、手術が順調に行われることを保証し、臨床施術過程がより安全になる。
【0045】
前記電子保護機構30は、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の周辺に設けられる保護機構30-1、又は、前記回路システム3の外部に設けられる絶縁保護層30-2、又は、ハンドル52内に設けられる前記画像処理システム103を保護する絶縁接着剤層30-3である。
【0046】
前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の先端に保護フード20が設けられ、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の側後方にアイソレータマウント25が設けられる。前記保護フード20、前記アイソレータマウント25及び前記ケース24は接着等により密閉空間が形成されて、前記保護機構30-1を構成し、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22を人体組織から完全に遮断し、施術過程中に生じた血又は組織液が前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の正常な動作に影響しないことを保証する。
【0047】
前記回路システム3の外部全面にわたって防水及び絶縁の前記絶縁保護層30-2が設けられ、施術過程中に生じた血又は組織液によって起こり得る短絡等の不測事態を効果的に回避する。
【0048】
前記信号処理モジュール23が前記ハンドル52内に設けられる場合、前記信号処理モジュール23の周辺に接着剤充填処理を行って、前記絶縁接着剤層30-3を構成し、前記信号処理モジュール23及び周辺の前記回路システム3を完全に密閉して隔離することができ、水分や気体から遮断され、絶縁される保護目的を達成する。
【0049】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は識別システム8をさらに備える。前記識別システム8は前記操作機構5を人体に入れる深さを示すことができる。前記識別システム8は前記操作機構5の外部に設けられる目盛尺81であってもよいし、他の識別方法であってもよく、ここで出願人は一々例示しないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱するものではない。
【0050】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は洗浄システム106をさらに備える。前記洗浄システム106の給水口106-1は水路106-4を介して輸液ボトル・バック7に接続され、前記洗浄システム106の出水口106-2は水路106-4を介して前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100の洗浄機構6の給水口62に接続される。前記洗浄システム106は、検査又は施術過程中に前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100及び周辺組織をタイムリーに洗浄することができ、観察視野が清潔に保たれることが保証されるとともに、手術部位をタイムリーに洗浄することができ、検査及び施術過程中に鮮明に観察できることが保証され、臨床施術過程がより安全になる。
【0051】
前記洗浄システム106は蠕動ポンプ106-3で駆動される。前記蠕動ポンプ106-3は給水の流量及び速度をより精度よく制御することができる。当然ながら、実際の適用時、当業者は、本願の保護範囲から逸脱することなく、異なる駆動装置で前記洗浄システム106を駆動することもできる。
【0052】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は負圧吸引器105をさらに備える。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100の負圧吸引機構4の吸引出口42は前記負圧吸引器105に接続される。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100自体は前記負圧吸引器105及び洗浄システム106を備え、負圧吸引の機能と洗浄の機能が1台の設備に統合されており、1台の設備だけで直視下で人工流産の全施術過程を完了でき、外部の負圧源や外部の洗浄システムに依存する必要がなく、施術過程に対する外部環境の制約及び影響が大幅に減少され、適用範囲が非常に広い。
【0053】
臨床応用の際に、前記観察機構2を前記拡張機構1内に入れ、前記拡張メッシュ11-3を前記シースチューブ12内に収め、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100を体内に挿入し、前記シースチューブ12を後退させると、前記拡張メッシュ11-3が拡張して、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記カメラ22-1によって、周辺組織及び臓器を観察でき、必要な時は、前記器具チャネル25又は前記シースチューブ12を介して手術器具を体内に挿入して生検採取、電気切開、電気凝固、切除等各種の手術処置を行う。前記洗浄機構6によって、前記観察機構2のカメラ22-1及び体腔内をタイムリーに洗浄でき、そして前記負圧吸引機構4によって組織液、血、洗浄液等の液体をタイムリーに吸引して体外に排出する。
【0054】
本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、体腔拡張機構1、観察機構2、回路システム3、電源システム104、操作機構5、及び表示システム102を備える。前記体腔拡張機構1は拡張端11を備え、前記拡張端11は前記操作機構5の先端5-1に設けられ、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記観察機構2の観察視野を拡大させることができる。前記観察機構2は照明モジュール21、レンズモジュール22、信号処理モジュール23及びケース24を備え、前記照明モジュール21の光照射野内で前記レンズモジュール22によって観察された画像及びビデオが前記信号処理モジュール23によって処理された後、前記回路システム3によって前記表示システム102に出力されて表示され、前記照明モジュール21、前記レンズモジュール22及び前記回路システム3が接続してから前記ケース24内に密閉して取り付けられる。前記観察機構2前端の体腔が拡張されているため、前記レンズモジュール22の観察視野がより広くなり、臨床での観察効果がより高くなる。本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、観察とともに手術器具を前記シースチューブ12から体内に挿入することができ、観察しながら生検採取、電気切開、電気凝固、切除等各種の手術処置を行うことができ、臨床での使用が非常に便利である。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図1-1】図1の断面図である。
図1-2】図1-1におけるAの拡大図である。
図2】負圧吸引機構及び洗浄機構を備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図2-1】図2の断面図である。
図2-2】図2-1におけるBの拡大図である。
図2-3】図2-1におけるCの拡大図である。
図2-4】図2-1におけるDの拡大図である。
図3】観察方向が調整可能な本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図3-1】図3におけるEの拡大図である。
図3-2】拡張メッシュの方向が調整可能な本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図3-3】図3-2におけるFの拡大図である。
図3-4】観察方向と拡張メッシュの方向が同時に調整可能な本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図3-5】図3-4におけるGの拡大図である。
図4】2つのカメラを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図4-1】図4におけるHの拡大図である。
図5】観察機構が器具チャネルを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの斜視構造模式図である。
図5-1】図5におけるIの拡大図である。
図6】本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの動作原理図である。
図7】洗浄システムを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの動作原理図である。
図8】負圧吸引器を備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムの動作原理図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
<実施例1 本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
図1図1-2を参照し、本実施例の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、体腔拡張機構1、観察機構2、回路システム3、電源システム104、操作機構5、及び表示システム102を備える。
【0057】
図1を参照し、前記体腔拡張機構1は拡張端11及びシースチューブ12を備え、前記シースチューブ12は前記拡張端11の後端に設けられる。前記シースチューブ12はインナーシースチューブ12-1とアウターシースチューブ12-2を備え、前記拡張メッシュ11-1は前記アウターシースチューブ12-2内に圧縮可能である。
【0058】
前記拡張端11は前記操作機構5の先端5-1に設けられ、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記観察機構2の観察視野を拡大させることができる。
【0059】
本実施例において、前記拡張端11は拡張メッシュ11-1である。前記カメラ22-1は網目状の空隙から前記拡張メッシュ11-1の後方の様子を直接観察することができ、前記拡張メッシュ11-1は透明な材料でなくても全施術過程にわたる観察と手術領域の全景観察は可能である。
【0060】
前記観察機構2は照明モジュール21、レンズモジュール22、信号処理モジュール23及びケース24を備え、前記照明モジュール21の光照射野内で前記レンズモジュール22によって観察された画像及びビデオが前記信号処理モジュール23によって処理された後、前記回路システム3によって前記表示システム102に出力されて表示され、前記照明モジュール21、前記レンズモジュール22及び前記回路システム3が接続してから前記ケース24内に密閉して取り付けられる。
【0061】
図6を参照し、前記観察機構2、前記表示システム102は前記回路システム3を介して前記電源システム104に接続される。
【0062】
図1-1と図1-2を参照し、本実施例において、前記観察機構2と前記体腔拡張機構1とが別々に設けられている。
【0063】
前記観察機構2は独立した密閉装置であり、前記体腔拡張機構1のシースチューブ12のチャネル12-3内で往復移動できる。このように観察機構2と体腔拡張機構1とを別々に設ける設計案によって、前記観察機構2は必要に応じて前記体腔拡張機構1の拡張メッシュ11-1の後端又は内部に固定でき、臨床において非常に柔軟に使用できる。そして臨床使用時に、観察が終わったら、前記観察機構2を回収し、消毒、殺菌後に前記観察機構2を繰り返し使用することができ、単に前記体腔拡張機構1は使い捨てとなり、臨床使用のコストを大幅に削減することができる。
【0064】
前記観察機構2と前記体腔拡張機構1とが一体化されてもよく、この場合、前記体腔拡張機構1のシースチューブ12は前記ケース24を構成する。前記観察機構2の照明モジュール21、前記レンズモジュール22及び前記回路システム3が前記シースチューブ12内に密閉されている。臨床使用時に、直接前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100を体内に挿入すれば観察でき、臨床使用における操作が簡単で便利である。
【0065】
本実施例において、前記レンズモジュール22のカメラ22-1が前記拡張メッシュ11-1の後端に設けられ、前記拡張メッシュ11-1は前記カメラ22-1の視野内にある。
【0066】
前記カメラ22-1を後置する技術的解決手段により、前記拡張メッシュ11-1は完全に前記カメラ22-1の視野範囲内にあることが保証でき、そして前記カメラ22-1の観察角度は手術又は検査領域の前方を向く角度であるから、上述した処置中に観察死角がない。カメラ後置の技術的解決手段によって、臨床検査及び施術過程はより安全で効果的になる。
【0067】
図1を参照し、本実施例において、前記拡張メッシュ11-1は2本のワイヤを巻回してなる網状構造である。実際の適用時、前記体腔拡張機構1の拡張メッシュ11-1はワイヤから作られている編組メッシュであってもよい。柔軟な編組メッシュの設計によって、体腔へのダメージをより小さくする。
【0068】
前記拡張メッシュ11-1は様々な幾何学的形状を有する。前記拡張メッシュ11-1は体腔の形状に応じて球形、楕円体形、梨形状等の様々な異なる形状にすることができる。
【0069】
前記拡張メッシュ11-1は医療用弾性材料から作られている。医療用弾性材料の弾性作用は前記拡張メッシュ11-1に優れた拡張力を提供できる。特に前記拡張メッシュ11-1が前記シースチューブ12から解放されると、弾性医療用材料から作られている前記拡張メッシュ11-1は元の形状に容易に回復できる。そして医療用弾性材料による弾性力は緩やかな力であり、前記拡張メッシュ11-1が拡張する際に優れた緩衝作用を発揮し、前記拡張メッシュ11-1の拡張が周辺組織又は臓器を誤って損傷してしまうことを防止することができる。
【0070】
前記拡張メッシュ11-1は医療用弾性ステンレス鋼又は医療用チタンニッケル形状記憶合金から作られている。ここで出願人は上記2種の医療用弾性材料のみを列挙しているが、実際の適用時、当業者は、本願の保護範囲から逸脱することなく、必要に応じて異なる医療用弾性材料を選択して製造することができる。
【0071】
前記拡張メッシュ11-1は医療用透明弾性高分子材料から作られている。前記拡張メッシュ11-1は透明な弾性医療用高分子材料から作られてもよく、弾性緩衝が保証されるとともに、前記カメラ22-1の観察経路を一切遮ることがなく、観察効果がより高くなる。
【0072】
前記回路システム3にはホストに接続される電気的インタフェース31が設けられる。前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は前記電気的インタフェース31を介してホスト及び電源に接続される。
【0073】
前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は識別システム8をさらに備える。前記識別システム8は前記操作機構5を人体に入れる深さを示すことができる。前記識別システム8は前記操作機構5の外部に設けられる目盛尺81であってもよいし、他の識別方法であってもよく、ここで出願人は一々例示しないが、それらはいずれも本願の保護範囲から逸脱するものではない。
【0074】
本実施例の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、前記観察機構2のカメラ22-1の先端に前記体腔拡張機構1の拡張端11が設けられ、前記拡張端11は、前記観察機構2前端の体腔を拡張させ、前記観察機構2の観察視野を拡大させることができ、特に子宮鏡、腸鏡等の検査及び施術過程に適している。使用時、本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システムを体腔内に挿入し、前記拡張端11は体腔を拡張させ、前記観察機構2は拡張された領域を観察する。前記レンズモジュール22によって観察された画像及びビデオ信号が前記回路システム3によって前記表示システム102に出力されて表示される。前記観察機構2前端の体腔が拡張されているため、前記レンズモジュール22の観察視野がより広くなり、臨床での観察効果がより高くなる。
<実施例2 負圧吸引機構及び洗浄機構を備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0075】
図2図2-4を参照し、本実施例と実施例1の相違点は、本実施例において、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は負圧吸引機構4及び洗浄機構6をさらに備える点である。
【0076】
図2-1を参照し、前記シースチューブ12はインナーシースチューブ12-1とアウターシースチューブ12-2を備え、前記拡張メッシュ11-1は前記アウターシースチューブ12-2内に圧縮可能である。前記インナーシースチューブ12-1はトリプルルーメンチューブであり、第1のルーメンチューブに前記観察機構2が設けられ、第2のルーメンチューブは前記吸引チャネル43を構成するか又は前記吸引チャネル43が設けられ、第3のルーメンチューブは前記洗浄機構6の給水路63を構成するか又は手術器具の出し入れに使用される。
【0077】
前記負圧吸引機構4は吸引入口41、吸引出口42及び吸引チャネル43を備える。前記吸引入口41は前記インナーシースチューブ12-1の先端に設けられ、前記負圧吸引機構4の吸引出口42は前記インナーシースチューブ12-1の後端に設けられる。二重ルーメンチャネルの設計によって、前記回路システム3を手術中に生じ得る血、組織液等の液体から遮断することができ、使用中に、短絡、漏電等の安全上の危険性をより効果的に回避でき、臨床使用過程がより安全になる。
【0078】
前記負圧吸引機構4には負圧状態を制御可能な負圧制御スイッチ44が設けられる。前記負圧制御スイッチ44は前記負圧吸引機構4をオン/オフにすることができ、施術過程中に子宮内に剥離された組織や血、組織液の量に応じて前記負圧吸引機構4の負圧吸引力を調節することもできる。臨床使用時に、医師は所望の負圧吸引力に容易に調整でき、これにより、負圧吸引力が小さすぎて剥離された組織をタイムリーに吸引除去できないことや、負圧が大きすぎて子宮内膜等の組織を誤って損傷してしまうことが回避される。
【0079】
前記負圧制御スイッチ44が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記負圧制御スイッチ44が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、医療スタッフが片手で操作でき、使用過程がより便利になる。
【0080】
前記洗浄機構6は出水口61、給水口62及び給水路63を備える。
【0081】
図2-1と図2-2を参照し、少なくとも1つの前記洗浄機構6の出水口61が前記レンズモジュール22のカメラ22-1の先端にある。検査及び施術過程中に、前記洗浄機構6は前記カメラ22-1を洗浄して、前記カメラ22-1の先端にある血を洗浄によりタイムリーに除去することができ、観察視野が清潔に保たれることが保証される。また、前記洗浄機構6は、体腔内部をタイムリーに洗浄することもでき、特に手術部位をタイムリーに洗浄することができ、これにより、手術又は検査部位をタイムリーに観察することができ、手術又は検査過程の安全性が保証され、臨床施術過程がより安全になる。
【0082】
前記洗浄機構6の給水口62は前記インナーシースチューブ12-1の後端に設けられる。三重ルーメンチャネルの設計によって、前記回路システム3が遮断されて保護されることが保証されるとともに、洗浄チャネルと吸引チャネルを分離させることができ、これにより、洗浄中に、吸い出した組織又は液体が子宮内に逆流することがないことをより効果的に保証でき、使用過程がより効率的で安全になる。
【0083】
前記洗浄機構6には洗浄水を制御するフラッシングスイッチ64が設けられる。前記フラッシングスイッチ64は前記洗浄機構6をオン/オフにすることができ、また洗浄水の水量と洗浄圧力を制御することができる。臨床使用中に、臨床医師は施術過程の実際の要求に応じて前記洗浄機構6をオン又はオフにし、必要に応じて適切な洗浄水の水量と圧力を選択することができ、臨床使用過程がより便利になる。
【0084】
前記フラッシングスイッチ64が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記フラッシングスイッチ64が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、医療スタッフが片手で操作でき、使用過程がより便利になる。
【0085】
図2-1、図2-3及び図2-4を参照し、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム100は電子保護機構30を備える。前記電子保護機構30は前記観察モジュール2及び/又は前記回路システム3の外部に設けられ、前記観察モジュール2及び/又は前記回路システム3の電子素子を水分や気体から遮断して、絶縁保護する。前記観察モジュール2及び前記回路システム3の外部に設けられる前記電子保護機構30は、前記観察モジュール2及び前記回路システム3の電子素子を水分や気体から遮断して、絶縁保護することができ、施術過程中に生じた血又は組織液が電子素子の正常な動作に影響を及ぼすのを効果的に防ぎ、手術が順調に行われることを保証し、臨床施術過程がより安全になる。
【0086】
前記電子保護機構30は、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の周辺に設けられる保護機構30-1、又は、前記回路システム3の外部に設けられる絶縁保護層30-2、又は、ハンドル52内に設けられる前記画像処理システム103を保護する絶縁接着剤層30-3である。
【0087】
前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の先端に保護フード20が設けられ、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の側後方にアイソレータマウント25が設けられる。前記保護フード20、前記アイソレータマウント25及び前記ケース24は接着等により密閉空間が形成されて、前記保護機構30-1を構成し、前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22を人体組織から完全に遮断し、施術過程中に生じた血又は組織液が前記照明モジュール21及び前記レンズモジュール22の正常な動作に影響しないことを保証する。
【0088】
前記回路システム3の外部全面にわたって防水及び絶縁の前記絶縁保護層30-2が設けられ、施術過程中に生じた血又は組織液によって起こり得る短絡等の不測事態を効果的に回避する。
【0089】
前記信号処理モジュール23が前記ハンドル52内に設けられる場合、前記信号処理モジュール23の周辺に接着剤充填処理を行って、前記絶縁接着剤層30-3を構成し、前記信号処理モジュール23及び周辺の前記回路システム3を完全に密閉して隔離することができ、水分や気体から遮断され、絶縁される保護目的を達成する。
【0090】
本実施例において、前記洗浄機構6は前記カメラ22-1及び体腔を洗浄することができ、前記負圧吸引機構4によって、検査や手術中に生じた組織液や血、及び洗浄液等の液体を迅速に吸引して体外に排出することができ、臨床使用時、より鮮明に観察でき、安全である。
<実施例3 観察方向が調整可能な本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0091】
図3図3-5を参照し、本実施例と実施例1の相違点は、本実施例において、前記レンズモジュール22のカメラ22-1が前記掻爬装置11の内部に設けられる点である。
【0092】
本実施例において、前記レンズモジュール22のカメラ22-1が前記掻爬装置11の内部に設けられる。
【0093】
図3図3-1を参照し、前記レンズモジュール22のカメラ22-1の観察方向が調整可能である。前記カメラ22-1の観察方向を調節することで、周辺組織の状況を全般的に観察することができ、臨床使用における観察がより全面的である効果を有する。
【0094】
前記カメラ22-1の観察方向を調節する調節機構22-11が前記操作機構5のハンドル52に設けられる。前記調節機構22-11が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、体外から前記カメラ22-1の観察方向を容易に調節でき、操作がより簡単になる。
【0095】
図3-2と図3-3を参照し、前記拡張端11の作動部位方向が調整可能である。前記拡張端11の作動部位方向は必要に応じて調整でき、周辺体腔の構造形状により良好に適合することができ、特に子宮隅部等の掃除又は観察が困難な部位の場合、臨床使用効果はより良好になる。
【0096】
前記拡張端11の作動部位方向を調節する揺動機構11-4が前記ハンドル52に設けられる。前記揺動機構11-4が前記ハンドル52に設けられることで、臨床使用時に、体外から前記掻爬装置11の作動部位の作動方向を容易に調節でき、操作がより簡単になる。
【0097】
図3-4と図3-5を参照し、前記レンズモジュール22のカメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向が同時に調整可能である。実際の適用時、臨床医師は必要に応じて前記カメラ22-1の観察方向又は前記拡張端11の作動部位方向のいずれか一方のみを調整することができ、前記カメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向を同時に調整することもできる。
【0098】
前記カメラ22-1の観察方向と前記拡張端11の作動部位方向を同時に調整する場合、前記調節機構22-11と前記揺動機構11-4を1つの調節機構に合併して前記ハンドル52に設けることができる。
【0099】
本実施例において、前記カメラ22-1の観察方向と前記拡張メッシュ11の作動部位方向が調整可能であるため、臨床使用中に、掃除及び観察が困難な隅部の場合、臨床使用効果はより良好になる。
<実施例4 複数のカメラを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0100】
図4図4-1を参照し、本実施例と実施例1の相違点は、本実施例において、前記レンズモジュール22は少なくとも2つのカメラ22-1を備える点である。
【0101】
前記レンズモジュール22は少なくとも2つのカメラ22-1を備えることで、従来の単レンズによる観察視野が限られている問題が効果的に解決され、施術過程における観察視野を効果的に拡大することができる。特に前記カメラ22-1を前記操作機構5の前方と側面にそれぞれ設けると、観察視野の重畳によって、前記操作機構5の周辺に立体的な観察空間を形成でき、臨床での観察効果が非常に良好である。
【0102】
少なくとも1つの前記カメラ22-1が前記操作機構5の先端5-1に設けられる。前記操作機構5の前方に設けられる前記カメラ22-1は前記操作機構5前方の領域を効果的に観察することができる。
【0103】
少なくとも1つの前記カメラ22-1が前記操作機構5の側面5-5に設けられる。前記操作機構5の側面5-5に設けられる前記カメラ22-1は前記操作機構5の側面を観察することができる。
【0104】
2つ以上の前記カメラ22-1の観察領域が繋がる又は部分的に重なることができる。前記操作機構5の先端5-1と側面5-5にそれぞれ設けられる前記カメラ22-1の観察領域が繋がると、空間的な観察視野を形成でき、臨床での観察効果がより高くなる。
【0105】
本実施例において、前記レンズモジュール22は少なくとも2つのカメラ22-1を備えることで、従来の単レンズによる観察視野が限られている問題が効果的に解決され、施術過程における観察視野を効果的に拡大することができる。特に前記カメラ22-1を前記操作機構5の前方と側面にそれぞれ設けると、観察視野の重畳によって、前記操作機構5の周辺に立体的な観察空間を形成でき、臨床での観察効果が非常に良好である。
<実施例5 器具チャネルを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0106】
図5図5-1を参照し、本実施例と実施例1の相違点は、本実施例において、前記観察機構2は器具チャネル25を備える点である。
【0107】
図5図5-1を参照し、前記観察機構2には前記器具チャネル25及び前記給水路63が設けられる。手術器具を前記器具チャネル25を介して体内に挿入し、必要に応じて生検採取、電気切開、電気凝固、レーザー切除等各種の手術処置を行うことができる。前記給水路63の出水口61が前記カメラ22-1の近傍に設けられ、前記カメラ22-1及び周辺の体腔組織をタイムリーに洗浄することができる。前記負圧吸引機構4によって洗浄及び施術過程中に生じた組織液や血、及び洗浄液等の液体をタイムリーに吸引して体外に排出する。
【0108】
本実施例の体腔拡張装置付きの可視化診療システムは、効果的に観察するとともに、必要に応じて各種の手術処置を行うことができ、臨床使用範囲がより広くなる。
<実施例6 洗浄システムを備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0109】
図7を参照し、本実施例の体腔拡張装置付きの可視化診療システムと実施例1の相違点は、本実施例において、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システムは洗浄システム106をさらに備える点である。
【0110】
前記洗浄システム106の給水口106-1は水路106-4を介して輸液ボトル・バック7に接続され、前記洗浄システム106の出水口106-2は水路106-4を介して前記体腔拡張装置付きの可視化診療システムの洗浄機構6の給水口62に接続される。前記洗浄システム106は、施術過程中に、前記電子保護機構を備える体腔拡張装置付きの可視化診療システム及び周辺組織をタイムリーに洗浄することができ、観察視野が清潔に保たれることが保証されるとともに、手術部位をタイムリーに洗浄することができ、それによって、胚組織が着床部位から完全に掃除されたか否かをタイムリーに観察し、人工流産施術過程における胚組織の完全性を保証し、人工流産が完全でない事態の発生を効果的に回避し、臨床施術過程がより安全になる。
【0111】
図10を参照し、前記洗浄システム106は蠕動ポンプ106-3で駆動される。前記蠕動ポンプ106-3は給水の流量及び速度をより精度よく制御することができる。当然ながら、実際の適用時、当業者は、本願の保護範囲から逸脱することなく、異なる駆動装置で前記洗浄システム106を駆動することもできる。
【0112】
本実施例において、前記洗浄システム106は、施術過程中に、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システム及び周辺組織をタイムリーに洗浄することができ、観察視野が清潔に保たれることが保証されるとともに、手術部位をタイムリーに洗浄することができ、臨床における使用がより安全になる。
<実施例7 負圧源を備える本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム>
【0113】
図8を参照し、本実施例の直視下の人工流産掻爬システムと実施例6の相違点は、本実施例において、前記直視下の人工流産掻爬システムは負圧吸引器105をさらに備える点である。
【0114】
本実施例において、前記体腔拡張装置付きの可視化診療システムの負圧吸引機構4の吸引出口42は前記負圧吸引器105に接続される。前記洗浄システム106の給水口106-1はチューブ7-1を介して輸液ボトル・バック7に接続され、前記洗浄システム106の出水口106-2はチューブ7-1を介して前記洗浄機構6の給水口62に接続される。
【0115】
臨床使用時に、前記負圧吸引機構4の吸引出口42を前記負圧吸引器105と接続すれば、施術過程中に、前記負圧吸引器105は、手術中に剥離された組織及び生じた血を吸引し続けて体外に排出することができる。
【0116】
本実施例の体腔拡張装置付きの可視化診療システム自体は前記負圧吸引器105及び洗浄システム106を備え、負圧吸引の機能と洗浄の機能が1台の設備に統合されており、1台の設備だけで直視下で人工流産の全施術過程を完了でき、外部の負圧源や外部の洗浄システムに依存する必要がなく、施術過程に対する外部環境の制約及び影響が大幅に減少され、適用範囲が非常に広い。
【0117】
注意すべきは、本明細書に開示、説明された構造は、同じ効果を有する他の構造に置き換えられてもよく、本発明に記載の実施例は、本発明を実現する唯一の構造ではない点である。本発明の好ましい実施例を本明細書に紹介及び説明したが、これらの実施例は例示に過ぎず、本発明から逸脱することなく多くの変形、改善及び代替が可能であることが当業者には明らかである。したがって、本発明の保護範囲は本発明に添付の特許請求の範囲の精神及び範囲によって定められる。
【符号の説明】
【0118】
100:本発明の体腔拡張装置付きの可視化診療システム。
102:表示システム、104:電源システム、105:負圧吸引器、106:洗浄システム。
1:体腔拡張機構、2:観察機構、3:回路システム、4:負圧吸引機構、5:操作機構、6:洗浄機構、7:輸液ボトル・バック、8:識別システム。
11:拡張端、11-1:拡張メッシュ、11-4:揺動機構、12:シースチューブ、12-1:インナーシースチューブ、12-2:アウターシースチューブ、12-3:チャネル。
20:保護フード、21:照明モジュール、22:レンズモジュール、23:信号処理モジュール、24:ケース、25:アイソレータマウント、22-1:カメラ、22-11:調節機構。
30-1:保護機構、30-2:絶縁保護層、30-3:絶縁接着剤層。
31:電気的インタフェース。
41:吸引入口、42:吸引出口、43:吸引チャネル、44:負圧制御スイッチ。
5-1:先端、5-5:側面、52:ハンドル。
61:出水口、62:給水口、63:給水路、64:フラッシングスイッチ。
7-1:チューブ、81:目盛尺。
106-1:給水口、106-2:出水口、106-3:蠕動ポンプ、106-4:水路。
図1
図1-1】
図1-2】
図2
図2-1】
図2-2】
図2-3】
図2-4】
図3
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図3-3】
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図4
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図5
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図6
図7
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【国際調査報告】