IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トレルボルグ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図1
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図2
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図3
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図4
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図5
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図6
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図7
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図8
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図9
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図10
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図11
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図12
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図13
  • 特表-スポーク付きロータリシール 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】スポーク付きロータリシール
(51)【国際特許分類】
   F16J 15/3224 20160101AFI20230302BHJP
   F16J 3/02 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
F16J15/3224
F16J3/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539135
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-06-23
(86)【国際出願番号】 US2020067457
(87)【国際公開番号】W WO2021141813
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/957,602
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】320000539
【氏名又は名称】トレルボルグ シーリング ソリューションズ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100163061
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】シトコ,マーク・シー
【テーマコード(参考)】
3J006
3J045
【Fターム(参考)】
3J006AB10
3J006AE07
3J006AE14
3J006AE40
3J006CA03
3J045AA06
3J045AA10
3J045BA03
3J045CA11
3J045EA10
(57)【要約】
内側部材、外側部材、および内側部材と外側部材とを接続する接続部材を有するシール本体を含む、シャフトを密封するためのシール。シールはまた、シール本体に接続された少なくとも1つのスポークを含む。少なくとも1つのスポークは、シール本体を補剛するように構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを密封するためのシールであって、
内側部材、外側部材、および前記内側部材と前記外側部材とを接続する接続部材を有するシール本体と、
前記シール本体に接続された少なくとも1つのスポークであって、前記シール本体を補剛するように構成されている、少なくとも1つのスポークと、
を備える、シール。
【請求項2】
前記内側部材が、動的に動くように構成された動的部材であり、前記外側部材が、固定されたままでいるように構成された静的部材である、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記接続部材および前記少なくとも1つのスポークが、前記内側部材が動的に撓むのを可能にしかつ前記シールが回転するのを防ぐように一緒に構成される、請求項2に記載のシール。
【請求項4】
前記シール本体が、前記シャフトと一緒に完全に回転することなしに前記シャフトの回転方向において動的に撓むように構成される、請求項3に記載のシール。
【請求項5】
前記接続部材が、空洞を画定し、前記少なくとも1つのスポークが、前記空洞の内部に配置され、かつ、前記内側部材と前記外側部材との間に延在する、請求項1に記載のシール。
【請求項6】
前記接続部材が、C形状の断面形状を備える、請求項5に記載のシール。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスポークが、複数のスポークを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項8】
少なくとも1つのスポークが、少なくとも1つのビームを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスポークが、前記シール本体に一体化される、請求項1に記載のシール。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスポークが、前記接続部材の内部に配置されるスポーク付きインサートを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項11】
前記スポーク付きインサートが、第1のリングおよび第2のリングを含む多部品スポーク付きインサートである、請求項10に記載のシール。
【請求項12】
前記多部品スポーク付きインサートが、前記第1のリングを前記第2のリングに堅固に接続する少なくとも1つのリング接続部材をさらに含む、請求項11に記載のシール。
【請求項13】
前記多部品スポーク付きインサートが、前記第1のリングを前記第2のリングと係合させるように構成された噛合特徴の少なくとも1つの対をさらに含む、請求項11に記載のシール。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスポークが、前記外側部材に接続される単一のスポークを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項15】
シャフトを密封するための方法であって、
内側部材、外側部材、および前記内側部材と前記外側部材とを接続する接続部材を有するシール本体、ならびに少なくとも1つのスポークを備えるシールを用意することと、
前記接続部材および前記少なくとも1つのスポークが、前記内側部材が動的に撓むことを可能にしかつ前記シールが回転するのを防ぐように一緒に構成されるように、前記少なくとも1つのスポークを前記シール本体に挿入することと、
前記シールを前記シャフトに接続することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記シール本体が、前記シャフトと一緒に完全に回転することなしに前記シャフトの回転方向において動的に撓むように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記接続部材が、空洞を画定し、前記少なくとも1つのスポークが、前記空洞の内部に配置され、かつ、前記内側部材と前記外側部材との間に延在する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのスポークが、複数のスポークを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのスポークが、少なくとも1つのビームを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのスポークが、前記シール本体に一体化される、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密封デバイスに関し、より詳細には、回転シャフトおよび定置ハウジングを密封するためのロータリシールに関する。
【背景技術】
【0002】
定置ハウジングと回転シャフトとの間の流体密シールを確立するための様々なシャフトシールが、当技術分野において知られている。典型的には、シャフトシールは、シールのシールリップをシャフトと密封係合した状態に維持するのを促進するために、本体およびガーターばねを含む。そのようなシールは効果的であるが、それらは製造するのに費用がかかる。さらに、そのようなシールは、比較的大きくかつ重く、それらは典型的にはより大きな領域を占め、かつ、シャフト組立体の全体重量を増大させるので、シャフトの動作に悪影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
当技術分野において必要とされるのは、シャフトと定置ハウジングとの間に流体密シールを作り出すための、費用効率が高いシールである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、シャフトを密封するためのロータリシールを提供する。シールは、内側の動的部材と、外側の静的部材と、内側部材と外側部材との間の接続部材とを有する本体を含む。シールはまた、シール本体内にまたはシール本体の上に配置された少なくとも1つのスポークを含む。シールは、動的に撓むがシャフトと一緒に回転しないように構成される。
【0005】
本発明は、1つの形態では、シャフトを密封するためのシールを対象とする。シールは、内側部材と、外側部材と、内側部材と外側部材とを接続する接続部材とを有するシール本体を含む。シールはまた、シール本体に接続された少なくとも1つのスポークを含む。少なくとも1つのスポークは、シール本体を補剛するように構成される。
【0006】
本発明は、別の形態では、シャフトを密封するための方法を対象とする。方法は、シールを用意する初期ステップを含む。シールは、内側部材と、外側部材と、内側部材と外側部材とを接続する接続部材とを有するシール本体を含む。シールはまた、少なくとも1つのスポークを含む。方法はまた、接続部材および少なくとも1つのスポークが、内側部材が動的に撓むのを可能にしかつ外側部材が回転するのを防ぐように一緒に構成されるように、少なくとも1つのスポークをシール本体に挿入することを含む。方法は、シールをシャフトに接続することをさらに含む。
【0007】
本発明の利点は、シールが、その可撓性の接続部材と比較的剛性のあるスポークとにより、可撓性でもあり剛性でもあることである。
【0008】
本発明の別の利点は、シールが、密封組立体に過度の重量を追加することまたはシールの構造的完全性を犠牲にすることなしに、動的な回転シャフトと静的な定置ハウジングとの間の領域を効果的に密封することである。
【0009】
本発明の実施形態に関する以下の説明を添付の図面と併せて参照することにより、本発明の上記その他の特徴および利点、ならびにそれらを実現する態様は、より明らかになるであろうし、本発明は、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】内部に配置されたスポークを含むスポーク付き径方向シールの一実施形態の斜視図である。
図2図1の径方向シールの別の斜視図である。
図3図2の線3-3に沿った径方向シールの断面図である。
図4】内部に配置されたスポークを含むスポーク付き径方向シールの一実施形態の斜視図である。
図5図4の線5-5に沿った径方向シールの断面図である。
図6】一体に形成されたスポークを含むスポーク付き径方向シールの別の実施形態の斜視図である。
図7】単一スポーク付きインサートを含むスポーク付き径方向シールの別の実施形態の斜視図である。
図8】スロットとスロット内に延在する突起付きの単一スポークとを含む径方向シールの別の実施形態の斜視図である。
図9】スロットとスロット内に延在するピラミッド形突起付きの単一スポークとを含む径方向シールの別の実施形態の斜視図。
図10】径方向シール内に受け入れられ得るスポークの一実施形態の斜視図である。
図11】径方向シール内に受け入れられ得る多部品スポークの一実施形態の斜視図である。
図12】径方向シール内に受け入れられ得る別の多部品スポークの一実施形態の斜視図である。
図13】径方向シール内に受け入れられ得る別の多部品スポークの一実施形態の斜視図である。
図14】外部スポークを含むスポーク付き径方向シールの別の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
いくつかの図にわたって、対応する参照文字は、対応する部品を示す。本明細書に提示された各例示は、本発明の実施形態を示すものであり、また、そのような例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0012】
次に図面を、より具体的には図1~3を参照すると、シャフトの長手軸に対して垂直な運動などの径方向運動を可能にするスポーク付きロータリシール、例えば径方向シール10の一実施形態が示されている。シール10はまた、さもなければシール10をシャフトと一緒に回転させるであろう回転運動を防ぐ。シール10は、シャフトとハウジング内の対応するボアとの間の空間を密封することができる。シール10は一般に、内側動的部材14と、外側静的部材16と、中間接続または連結部材18とを有するシール本体12を含む。シール10はまた、シール本体12内に配置された少なくとも1つのインサート20、例えばスポーク20を含む。
【0013】
シール本体12は、環状の形状であってもよい。シール本体12は、ポリマーなどの所望の材料を含むことができる。内側動的部材14は、シール10の内側に位置決めされ、かつ、シール10の内径を画定する。内側動的部材14は、シャフトと接触しかつ係合することができる。内側動的部材14は、シャフトの運動とともに移動するかまたは撓むことができる。したがって、内側部材14は、シャフトの逃げ、揺れ、角運動、振動、回転、および/または任意の他のシャフトの運動もしくは心ずれに対応するので、動的と見なされる。内側動的部材14は、シール本体12の別の部分に添着される別体のシール要素であるか、または、シール本体12の一部として一体に形成されてもよい。さらに、内側動的部材14は、内側動的部材14の上に位置する別体のシール要素26を収容してもよい。内側動的部材14は、任意の所望の断面形状を有することができる。外側静的部材16は、シール10の外側に位置決めされ、かつ、シール10の外径を画定する。外側静的部材16は、その中にシール10が配置されるボアと係合することができる。外側静的部材16は、金属リングなどの内部補強部材で補強されてもよい。外側静的部材16は、任意の所望の断面形状を有することができる。
【0014】
シール本体12の中間接続部材18は、動的部材14と静的部材16とを互いに接続または連結することができる。言い換えれば、中間接続部材18は、動的部材14と静的部材16とを互いに堅固に結合する。したがって、中間接続部材18は、動的部材14と静的部材16とを接続しかつ径方向に離間させるように、二重に機能することができる。中間接続部材18は、さもなければ動的部材14がシャフトと一緒に動くのを妨げるであろう過度の剛性をもたらすことなしに所望の流体シールが作り出され得るように、弱いリンケージの形態であってもよい。それにより、シール10は、シャフトと一緒に回転することなしに、動的に撓む、例えば潰れる、曲がる、部分的に回転する、などすることができる。中間接続部材18は、任意の所望の断面形状を有することができる。例えば、中間接続部材18は、実質的にC形状の断面形状を有してもよい。それにより、中間接続部材18は、開口空洞22を画定する一方の側、例えば凹状側と、動的部材14と静的部材16との間で外向きに湾曲する反対側、例えば凸状側とを有することができる。
【0015】
スポーク20は、シール本体12の空洞22内に配置される。より詳細には、スポーク20は、シール本体12のそれぞれの凹部24内に位置決めされる。スポーク20は、内側動的部材14と外側静的部材16との間に延在してよく、したがって、中間接続部材18によって形成された空洞22を通って延在してよい。スポーク20は、互いに円周方向に離間されてよい。スポーク20は、それらの横方向端部とそれらのそれぞれの合わせ面との間に多少の隔たりを有してもよい。スポーク20の端部と合わせ面との間のこの隔たりは、シャフトに対するシール装填プロファイルに著しく影響することなしに、シャフトの心ずれを許容することができる。シール10は、4つのスポークなどの、2つ以上のスポーク20を含むことができる。スポーク20は、任意の所望の形状および材料を含むことができる。例えば、各スポーク20は、硬質プラスチックおよび/または金属のCチャネル型ビームの形態であってもよい。さらに、各スポーク20は、シール本体12に添着される別体の要素であってもよい。
【0016】
中間接続部材18および追加されるスポーク20は、一緒に、多少の径方向運動を可能にし、例えば、動的部材14の内径が撓むことを可能にし、したがって中間接続部材18のC形状を曲げるか潰れさせ、それと同時に、シール本体12全体が回転することを防ぎもする。言い換えれば、スポーク20と接続部材18との構造的接続に起因する、動的部材14と静的部材16との間の剛的であるが部分的に動的な関係性は、シール本体12の内径のある程度限られた回転を含む多少の運動を可能にするが、シール10の外径が回転するのを防ぐ。それにより、シール10は、回転を防止されるが、シール10は、ブレークアウトトルクを限定するために、シャフトの回転方向における多少の動的撓みを受けることができる。
【0017】
次に図4~5を参照すると、スポーク付き径方向シール10Aの別の実施形態が示されており、このスポーク付き径方向シール10Aは、異なる本体形状と、密封要素26Aを受け入れる溝を含む内側静的部材14Aと、リブ付き表面輪郭を含む外側静的部材16Aとを有することを除けば、径方向シール10に実質的に類似し得る。同様の要素は、「A」系の指定を除き、同様の参照文字で識別されている。
【0018】
次に図6を参照すると、ロータリシール30の別の実施形態が示されている。ロータリシール30は、一体に形成されたスポーク40を有するモノリシックシール30である。シール30は、スポーク40が中間接続部材38内および動的部材34と静的部材36との間でシール本体32に成形されるかまたは他の方法で一体化されることを除けば、シール10に実質的に類似し得る。
【0019】
スポーク40は、シール本体32と一体化され、すなわち、シール本体32とモノリシックに形成される。スポーク40は、任意の所望の形状および材料を含むことができる。例えば、各スポーク40は、矩形の断面を有してもよい。スポーク40は、シール本体32と同じ材料を含んでもよい。シール30は、2つ、4つ、10個、またはそれより多いスポークなどの、任意の所望の数のスポーク40を含んでもよい。
【0020】
次に図7を参照すると、径方向シール50の別の実施形態が示されている。シール50は、上記で説明されたシール10、10A、30に実質的に類似し得る。シール50は、動的部材54と、静的部材56と、中間接続部材58とを有するシール本体52を含む。シール50は、シール本体52の対応する凹部64と係合する複数のスポーク62を有するスポーク付きインサート(spoked insert)60をさらに含む。
【0021】
スポーク付きインサート60は、中間接続部材58内に嵌入することができる。スポーク付きインサート60は、中間接続部材58内の空洞を埋める、対応するC形状を有してもよいし、有さなくてもよい。スポーク付きインサート60は、1つ、2つ、4つ、8つ、またはそれより多いスポーク62などの、任意の所望の数の突起スポーク62を有することができる。スポーク62は、インサート60の一方の側、例えば内側のみに配置されてもよい。スポーク62は、対応する形状およびサイズを有する凹部64内でシャフトに向かって径方向内方に延在する矩形の突起の形態であってよい。スポーク付きインサート60は、任意の所望の材料を含むことができる。
【0022】
次に図8を参照すると、径方向シール70の別の実施形態が示されている。シール70は、上記で説明されたシール10、10A、30、50に実質的に類似し得る。シール70は、動的部材74と、静的部材76と、中間接続部材78とを有するシール本体72を含む。シール本体72は、シール本体72の外表面を貫通して延在し得るスロット80をさらに含む。
【0023】
シール70は、複数の突起またはスポーク84を両側に有するスポーク付きインサート82をさらに含む。スポーク84は、シール本体72の対応する凹部80と係合する。スポーク付きインサート82は、中間接続部材78内に嵌入することができる。スポーク付きインサート82は、任意の所望の数の突起スポーク84を有することができる。スポーク84は、シャフトに向かって内方にかつシール本体72の外表面に向かって外方に径方向に延在する矩形の突起の形態であってよい。スポーク付きインサート82は、任意の所望の材料を含むことができる。
【0024】
次に図9を参照すると、径方向シール90の別の実施形態が示されている。シール90は、上記で説明されたシール10、10A、30、50、70に類似し得る。シール90は、動的部材94と、静的部材96と、中間接続部材98とを有するシール本体92を含む。シール本体92は、シール本体92の外表面を貫通して延在し得るスロット100をさらに含む。
【0025】
シール90は、複数の突起またはスポーク104、106を両側に有するスポーク付きインサート102をさらに含む。スポーク付きインサート102は、内方に延在する第1のスポークのセット104と、外部に延在する第2のスポークのセット106とを有することができる。第1のスポークのセット104は、第2のスポークのセット106よりも小さい。第1のスポークのセット104は、矩形の形状を有してもよい。第2のスポークのセット106は、ピラミッド形状を有してもよい。言い換えれば、第2のスポークのセット106は、歯様の輪郭を備えることができる。スポーク付きインサート102は、中間接続部材98内に嵌入することができる。スポーク付きインサート102は、任意の所望の数の突起スポーク104、106を有することができる。スポーク付きインサート102は、任意の所望の材料を含むことができる。
【0026】
次に図10を参照すると、多部品スポーク付きインサート110の一実施形態が示されている。インサート110は、上記で説明されたようにシール本体72内に嵌入され得る。インサート110は、複数のスポーク114を有する第1の内側リング112と、複数のスポーク118を有する第2の外側リング116とを含み得る。内側リング112および外側リング116は、少なくとも1つのリング接続部材120によって互いに接続され得る。少なくとも1つの接続部材120、122は、1つまたは複数の接続アーム120、122の形態であってもよい。例えば、インサート110は、相反する方向に延在する接続アーム120、122の対を有してもよい。少なくとも1つの接続アーム120、122は、内側リング112および外側リング116が互いに対して撓むことを可能にし得る。インサート110は、任意の所望の材料を含むことができる。内側リング112、外側リング116、および接続部材120は、同じ材料を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0027】
次に図11を参照すると、多部品スポーク付きインサート130の一実施形態が示されている。インサート130は、上記で説明されたようにシール本体72内に嵌入され得る。インサート130は、複数のスポーク134を有する第1の内側リング132と、複数のスポーク138を有する第2の外側リング136とを含むことができる。内側リング132および外側リング136は、互いに直接接続され得ない。代わりに、内側リング132および外側リング136は、対応する噛合特徴(mating features)140、142により、互いに取外し可能に係合可能であり得る。インサート130は、内側リング132を外側リング136に取外し可能に接続するかまたは係合させるための対応する噛合特徴140、142の少なくとも1つの対を備えることができる。例えば、インサート130は、複数の対応する噛合特徴140、142を備えてもよい。内側リング132の噛合特徴140は、チャネル、例えばU形状の溝の形態であってもよい。外側リング134の噛合特徴142は、突起の形態であってもよい。理解され得るように、噛合特徴140は、代わりに、突起の形態であってもよく、噛合特徴142は、チャネルの形態であってもよい。噛合特徴140、142の少なくとも1つの対は、内側リング132および外側リング136が互いに対して動くことを可能にすることができる。インサート130は、任意の所望の材料を含むことができる。内側リング132および外側リング136は、同じ材料を含んでもよいし、含まなくてもよい。
【0028】
次に図12を参照すると、多部品スポーク付きインサート150の一実施形態が示されている。インサート150は、上記で説明されたインサート130に実質的に類似し得る。したがって、インサート150は、それぞれのスポーク154、158を有する内側リング152および外側リング156と、対応する噛合特徴160、162の少なくとも1つの対とを含むことができる。内側リング152の各噛合特徴160は、レッジ(ledge)を画定する凹部の形態であってもよい。各噛合特徴162は、少なくとも部分的に凹部内に嵌入しかつレッジと係合する、細長い突起または段付き部材の形態であってもよい。理解され得るように、各噛合特徴160は、代わりに、細長い突起の形態であってもよく、各噛合特徴162は、凹部の形態であってもよい。
【0029】
次に図13を参照すると、多部品スポーク付きインサート170の一実施形態が示されている。インサート170は、上記で説明されたようにシール本体72内に嵌入され得る。インサート170は、複数のスポーク174を有する第1の内側リング172と、複数のスポーク178を有する第2の外側リング176とを含むことができる。内側リング172および外側リング176は、互いに直接接続されてもよいし、されなくてもよい。例えば、内側リング172および外側リング176は、対応する噛合特徴180、182の少なくとも1つの対によって互いに接続されてもよい。内側リング172は、内側リング172の本体内に部分的に延在する少なくとも1つの溝180を有することができる。外側リング176は、内側リング172の溝180内に嵌入する少なくとも1つのバーまたはアーム部材182を有することができる。
【0030】
次に図14を参照すると、径方向オイルシール200の別の実施形態が概略的な形態で示されている。シール200は、内径を画定する内側部材204と、外径を画定する外側部材206とを含む、シール本体202を有する。外側部材206は、1つまたは複数のスポーク208および外径シール210が外側部材206上に位置することを可能にする。シール200は、シャフトとハウジング212との間の空間を密封することができる。
【0031】
外径206上のスポーク208は、シール200の回転を防止する。シール200は、1つだけのスポークを含むことができる。あるいは、シール200は、複数のスポークを含んでもよい。それでもなお、シール200は、シール本体202の外径206の外周全体の周りに延在するスポーク付き部材を含んでもよい。各スポーク208は、シール200がシャフトとともに回転するのを防止されるように、シール200にいくらかの剛性を追加する。各スポーク208は、任意の所望の形状および材料を含むことができる。
【0032】
外径シール210は、ハウジング212にあるボアまたは溝214とシール本体202との間を密封する。外径シール210は、シール200の多少の運動を可能にする。例えば、外径シール210は、シャフトがシール本体202の内径204に力を伝えるときに、シール200の多少の径方向運動を可能にすることができる。外径シール210は、任意の所望の形状および材料を含むことができる。例えば、外径シール210は、X形状の断面形状を有することができる。したがって、外径シール210は、Xリングシールの形態であってもよい。
【0033】
シール10、10A、30、50、70、90は予め組み立てられてもよいし、そうでなくてもよいことが、理解されるべきである。したがって、シール10、10A、30、50、70、90のシール本体および少なくとも1つのスポークは、単一のユニットとして一緒に予め組み立てられてもよく、または、シャフトもしくは他の構成要素へのシール10、10A、30、50、70、90の設置時に使用者によって組み立てられてもよい。その点で、製造業者および/または設置者は、シール10、10A、30、50、70、90のシール本体内に少なくとも1つのスポークを組み付けるステップと、シャフトにシール10、10A、30、50、70、90を設置するステップとを含む、シャフトを密封するための方法ステップを行うことができる。
【0034】
本発明は少なくとも1つの実施形態に関して説明されたが、本発明は、本開示の精神および範囲内でさらに修正され得る。したがって、本出願は、本発明の一般原理を用いる本発明のいかなる変形形態、使用、または翻案をもカバーするように意図されている。さらに、本出願は、本発明が関係する技術分野における既知の習慣または慣例に含まれる本開示からの逸脱をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトを密封するためのシールであって、
内側部材、外側部材、および前記内側部材と前記外側部材とを接続する接続部材を有するシール本体と、
前記シール本体に接続された少なくとも1つのスポークであって、前記シール本体を補剛するように構成されており、前記シールが、径方向の軸を画定し、前記少なくとも1つのスポークが、前記径方向で最も内側の範囲および前記径方向で最も外側の範囲を含み、かつ、前記径方向で最も内側の範囲から前記径方向で最も外側の範囲まで前記径方向の軸に沿って延在する、少なくとも1つのスポークと、
を備える、シール。
【請求項2】
前記内側部材が、動的に動くように構成された動的部材であり、前記外側部材が、固定されたままでいるように構成された静的部材である、請求項1に記載のシール。
【請求項3】
前記接続部材および前記少なくとも1つのスポークが、前記内側部材が動的に撓むのを可能にしかつ前記シールが回転するのを防ぐように一緒に構成される、請求項2に記載のシール。
【請求項4】
前記シール本体が、前記シャフトと一緒に完全に回転することなしに前記シャフトの回転方向において動的に撓むように構成される、請求項3に記載のシール。
【請求項5】
前記接続部材が、空洞を画定し、前記少なくとも1つのスポークが、前記空洞の内部に配置され、かつ、前記内側部材と前記外側部材との間に延在する、請求項1に記載のシール。
【請求項6】
前記接続部材が、C形状の断面形状を備える、請求項5に記載のシール。
【請求項7】
前記少なくとも1つのスポークが、複数のスポークを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項8】
少なくとも1つのスポークが、少なくとも1つのビームを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項9】
前記少なくとも1つのスポークが、前記シール本体に一体化される、請求項1に記載のシール。
【請求項10】
前記少なくとも1つのスポークが、前記接続部材の内部に配置されるスポーク付きインサートを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項11】
前記スポーク付きインサートが、第1のリングおよび第2のリングを含む多部品スポーク付きインサートである、請求項10に記載のシール。
【請求項12】
前記多部品スポーク付きインサートが、前記第1のリングを前記第2のリングに堅固に接続する少なくとも1つのリング接続部材をさらに含む、請求項11に記載のシール。
【請求項13】
前記多部品スポーク付きインサートが、前記第1のリングを前記第2のリングと係合させるように構成された噛合特徴の少なくとも1つの対をさらに含む、請求項11に記載のシール。
【請求項14】
前記少なくとも1つのスポークが、前記外側部材に接続される単一のスポークを含む、請求項1に記載のシール。
【請求項15】
シャフトを密封するための方法であって、
内側部材、外側部材、および前記内側部材と前記外側部材とを接続する接続部材を有するシール本体、ならびに少なくとも1つのスポークを備えるシールを用意することであって、前記シールが径方向の軸を画定する、シールを用意することと、
前記接続部材および前記少なくとも1つのスポークが、前記内側部材が動的に撓むを可能にしかつ前記シールが回転するのを防ぐように一緒に構成されるように、前記少なくとも1つのスポークを前記シール本体に挿入することであって、前記少なくとも1つのスポークが、前記径方向で最も内側の範囲および前記径方向で最も外側の範囲を含み、かつ、前記径方向で最も内側の範囲から前記径方向で最も外側の範囲まで前記径方向の軸に沿って延在する、前記少なくとも1つのスポークを前記シール本体に挿入することと、
前記シールを前記シャフトに接続することと、
を含む、方法。
【請求項16】
前記シール本体が、前記シャフトと一緒に完全に回転することなしに前記シャフトの回転方向において動的に撓むように構成される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記接続部材が、空洞を画定し、前記少なくとも1つのスポークが、前記空洞の内部に配置され、かつ、前記内側部材と前記外側部材との間に延在する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つのスポークが、複数のスポークを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのスポークが、少なくとも1つのビームを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのスポークが、前記シール本体に一体化される、請求項15に記載の方法。
【国際調査報告】