(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】PCB固定子および可変周波数ドライブを有するアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス
(51)【国際特許分類】
H02K 11/33 20160101AFI20230302BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
H02K11/33
H02K9/06 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539763
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 US2021012954
(87)【国際公開番号】W WO2021146139
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522257436
【氏名又は名称】インフィナイタム エレクトリック,インク.
【氏名又は名称原語表記】INFINITUM ELECTRIC,INC.
【住所又は居所原語表記】700 Jeffrey Way,Suite 200,Round Rock,TX 78665 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ゲデス-ピント,パウロ
(72)【発明者】
【氏名】リー,リッチ
(72)【発明者】
【氏名】パーク,ジェラード
(72)【発明者】
【氏名】シュラー,ベン
(72)【発明者】
【氏名】プレストン,マーク
(72)【発明者】
【氏名】グレイ,マイケル
【テーマコード(参考)】
5H609
5H611
【Fターム(参考)】
5H609PP02
5H609QQ02
5H609RR03
5H609RR35
5H611TT01
(57)【要約】
【構成】
アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスまたはシステムは軸線、PCB固定子、およびそれぞれ永久磁石を有する回転子を有する。これら回転子はPCB固定子を中心として回転する。VFD構成素子を有する可変周波数ドライブ(VFD)については、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに結合する。匡体には、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDが共に匡体内に実装されるように、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDを収容する。さらに、冷却システムを匡体に実装し、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDを冷却する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線、プリント回路基板(PCB)固定子、およびそれぞれが永久磁石(PM)を有する複数の回転子を有し、これら回転子が前記PCB固定子に対して前記軸線を中心にして回転するアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスと、
前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに結合したVFD構成素子を有する可変周波数駆動装置(VFD)と、
前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを収容し、前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを一緒に実装する筐体と、
前記筐体内に実装されて前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを冷却する冷却システムと、
を有することを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記冷却システムが、前記システムを冷却する羽根を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記筐体が、軸方向長さ、および前記軸線に対してこの軸方向長さよりも大きい半径方向幅を有し、前記筐体が軸方向に見た場合に実質的に矩形形状を有する請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記半径方向幅の前記軸方向長さに対する比が約2:1~約20:1の範囲にあり、そして前記筐体の、軸方向に見た場合の形状が実質的に正方形である請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記軸線に対して、前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの周囲にかつこのデバイスに対してほぼ同一平面上にVFD構成素子が設けられた請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記VFD構成素子が整流器モジュール、直流(DC)母線、インバータモジュール、制御モジュールおよび入/出力(I/O)モジュールを有する請求項に記載1のシステム。
【請求項7】
前記VFD構成素子がラインインダクタを有する請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記インバータモジュールがワイドバンドギャップスイッチングデバイスを有する請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記整流器モジュールおよびDC母線が第1プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有し、前記インバータモジュールおよび制御モジュールが第2のPCBAを有し、前記I/Oモジュールが第3のPCBAを有する請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記VFD構成素子が前記第1、第2および第3のPCBAとは別なアセンブリとしてラインインダクタを有する請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記第3のPCBAに結合される請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記整流器モジュール、DC母線、インバータモジュールおよび制御モジュールが第1のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有し、そして前記I/Oモジュールが第2のPCBAを有する請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記第2のPCBAに結合される請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記整流器モジュール、DC母線、インバータモジュール、制御モジュールおよびI/Oモジュールが共通のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有する請求項6に記載のシステム。
【請求項15】
前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記共通のPCBAに結合される請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記筐体が、前記アクシアルフィール回転エネルギーデバイスおよびVFD用のハウジングをそれぞれ有する請求項1に記載のシステム。
【請求項17】
前記ハウジングは実質的に軸方向に整合され、相互に結合される請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
軸方向スペースによって前記ハウジングが軸方向に離間され、冷却デバイスがこの軸方向スペース内に設けられ、そして前記VFDハウジングが前記VFDにアクセスできる構成のアクセスポートを有する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記冷却デバイスが、前記回転子間に位置して前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの前記ハウジング内で第1空気流を循環させる構成の第1羽根、および、前記ハウジング間の前記軸方向スペース内に位置して前記VFDに隣接する前記軸方向スペースの内外に半径方向空気流を循環させる構成の第2羽根を有する請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
各ハウジングが、これらハウジング間の前記軸方向スペース内に延入するフィンを有する請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
冷却デバイスが、前記軸線に対して、前記ハウジング間の前記軸方向スペースに半径方向に出入りする空気流を循環させる構成の羽根およびバッフルを有する請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記空気バッフルが、前記筐体の外側に沿ってかつその周囲に軸方向に延在する軸方向構成素子であって、前記軸方向構成素子と前記筐体との間に軸方向空気流路を形成する軸方向構成素子を有し、この空気バッフルは更に半径方向構成素子を有し、この半径方向構成素子は、該半径方向構成素子と前記ハウジングの間に半径方向空気流路を形成するように、前記ハウジング間の前記軸方向スペース内において半径方向に延在する請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記冷却デバイスが、半径方向において第1組の前記半径方向空気流路に流入し、第2組の半径方向空気流路を流れる空気流を循環させる構成であり、かつこの空気流が軸方向において前記軸方向空気流路から流出する請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記冷却デバイスが、前記軸方向空気流路に軸方向において流入し、すべての半径方向空気流路に流れる空気流を循環させるように構成され、この空気流が前記システムから半径方向において流出する請求項22に記載のシステム。
【請求項25】
前記冷却デバイスが、第1組の前記軸方向空気流路に軸方向において流入し、前記半径方向空気流路に流れる空気流を循環させるように構成され、この空気流が第2組の軸方向空気流路から軸方向において流出する請求項22に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2020年1月14日を出願日する米国仮出願第62/960,974号の優先権を主張とする2020年8月21日を出願日とする米国特許出願第16/999,837号の継続出願である2021年1月11日を出願日とする米国特許出願第17/145,675号の優先権を主張する出願で、各明細書の記載を全体として援用する出願である。
【技術分野】
【0002】
本開示は全体として電動機に、具体的にはプリント回路基板(PCB)固定子および可変周波数ドライブとともにアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスを有するエレクトリックコミュテーテドモーター(ECM)を使用対象とするシステム、方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
多くの永久磁石(PM)モーターは60Hzや50Hzの交流(AC)電源に直接接続した設定で動作する設計ではない。一部のPMモーターの場合、この動作を行うためにVFD(可変周波数ドライブ)を使用できる。一般的に、PMモーターは別なVFDに接続する。一部の場合、モーターおよびVFDは所謂ECMと呼ばれる構成を形成する共通な筐体内に集積化するか、あるいはブラシレス直流(BLDC)モーターとして構成する。従来のECMモーターおよびBLDCモーターの場合、電気鋼固定子を積層し、かつ銅コイルを予め成形するかランダムに巻き付けた伝統的なラジアルフラックス構成を取る。
【0004】
USP10,141,803、同10,135,310、同10,340,760、同10,141,804および同10,186,922(いずれも全体を本明細書に援用する)に開示されている電動機などの、プリント回路基板(PCB)固定子構造を使用するアクシアルフラックス電動機も作動するためにVFDを使用している。従来のラジアルフラックスPMモーターと比較した場合アスペクト比が実質的に異なるため(直径に対して長さがかなり短いため)、アクシアルフラックスPMモーターの場合、従来のラジアルフラックスPMモーターでは考えられない方法でVFDを実装している。従って、アクシアルフラックスECM設計における改善が関心の対象になり続けている。
【発明の概要】
【0005】
以下、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスまたはシステム(axial field rotary energy device or system)の実施態様を開示する。例えば、このシステムはアクシス(軸)、PCB固定子およびそれぞれ永久磁石(PM)を有する回転子で構成できる。回転子はPCB固定子に対する軸を中心にして回転できる。いずれもアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに結合した可変周波数駆動装置(VFD)素子を有する。筐体(enclosure)には、アクシアルフィールド回転デバイスおよびVFDが共に筐体内に実装されるように、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDを収容できる。さらに、冷却システムを筐体内に実装し、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDを冷却できるように構成できる。
【0006】
これら実施態様の上記目的を含む目的および作用効果については、当業者ならば、添付の特許請求の範囲および図面を参照して以下の詳細な説明を読めば明らかになるはずである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第10,141,803号
【特許文献2】米国特許第10,135,310号
【特許文献3】米国特許第10,340,760号
【特許文献4】米国特許第10,141,804号
【特許文献5】米国特許第10,186,922号
【図面の簡単な説明】
【0008】
上記実施態様の各特徴および各作用効果をより詳しく理解するためには、添付図面に示す実施態様を参照してより具体的な説明を読まれたい。なお、添付図面は一部の実施態様を示すもので、発明の範囲を制限するものではない。同様な作用効果をもつ他の実施態様も可能であるからである。
【0009】
なお、図面に示す細部および/または特徴の一部については、図示を明瞭にするために縮尺に準じていない。
【0010】
【
図1】
図1は、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよびVFDを有するシステムの実施態様を示す概略図である。
【
図2A-B】
図2Aおよび
図2Bは、VFD実装システムの、その筐体のそれぞれ非駆動端部および駆動端部からみた等角投影図である。
【
図3】
図3は、内部構成素子を示すためにカバーを取り外したVFD実装システムの一実施態様を示す等角投影図である。
【
図4】
図4は、構成素子の一部を示すVFD実装システムの別な実施態様を示す概略正面図である。
【
図5】
図5は、デバイスおよびVFDを別な筐体に収容したVFD実装システムの一実施態様を示す断面等角投影図である。
【
図6A-D】
図6A~
図6Dは、VFDモジュールを示すVFD筐体の別な実施態様の概略正面図である。
【
図7A-B】
図7Aおよび
図7Bは、VFDモジュール間の接続の実施態様を示す概略図である。
【
図8A-B】
図8Aおよび
図8Bは、第1および第2の冷却空気流れ設定(構成)を示す
図3のVFD実装システムの実施態様の断面図である。
【
図9】
図9は、一つの空気流れ設定を示す
図5のVFD実装システムの一実施態様の断面図である。
【
図11】
図11は、一つの冷却用空気流れ設定を示すVFD実装システムの一つの実施態様の断面図である。
【
図12】
図12は、別な冷却用空気流れ設定を示すVFD実装システムの別の実施態様の断面図である。
【
図13】
図13は、VFD実装システムのための羽根の一つの実施態様の簡略化した正面図である。
【
図14】
図14は、
図3に示すVFD実装システム用の筐体の一実施態様を示す部分等角投影図である。
【
図15】
図15、空気ダクトの出入り口を備えたVFD実装システムの一実施態様を示す概略等角投影図である。
【
図16】
図16は、空気ダクトの出入り口および熱交換機を備えたVFD実装システムの別な実施態様を示す概略等角投影図である。
【0011】
異なる図面における同じ参照符号は同様な、あるいは同一の素子などを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、永久磁石(PM)を有するアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス、少なくとも一つのプリント回路基板(PCB)固定子、可変周波数ドライブ(VFD)、入出力用(I/O)インターフェース、および例えば共通の筐体内に物理的に実装する他のシステム素子を有するシステムの実施態様を示す。以下、これらシステムについては、VFD実装システムと呼ぶこともあり、あるいはモーターVFDアセンブリ等と呼ぶことがある。なお、これらシステムにおけるアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスは、モーターとして動作でき、あるいは発電機として動作できる。
【0013】
図1は、VFD実装システム100の一実施態様を示す全体的な概略図である。図示のように、PMアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110は、ラインインダクタ130を介してVFD120のインバータモジュール121に結合できる。一部の実施態様では、このラインインダクタ130によってデバイス110に供給される電流内のリップルを抑制できる。別な実施態様では、ラインインダクタ130を使用しなくてもよく、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110をVFD120のインバータモジュール121に直接接続できる。
図1に示す実施例では、3相モーターを3相インバータに接続しているが、他の相構成も可能であり、例示すると、1相、2相、4相、5相または6相デバイスを挙げることができる。
【0014】
図1において、VFD120は整流器モジュール122、DC母線モジュール123、インバータモジュール121、および制御モジュール124で構成できる。整流器モジュール122としては、一例として、ダイオードなどの受動デバイスまたは(IGBT、MOSFETなどの)能動スイッチングデバイスを有し、入ってくる交流(AC)を直流(DC)に変換する全波整流器を挙げることができる。DC母線123については、安定な電圧をインバータモジュール121に供給できるサイズのコンデンサの群で構成できる。インバータモジュールを例示すると、6パルス3相ブリッジを挙げることができ、このブリッジにはアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110が必要とする周波数においてDCをACに変換するパルス幅変調(PWM)スキームによって制御されるIGBTやMOSFETなどの能動スイッチングデバイスを使用できる。なお、他のインバータ技術も使用でき、3相中性点クランプ(NPC)インバータを例示できる。VFD120への入力は一般に60Hzまたは50Hzであるが、VFD120の出力周波数は例えばゼロに近い周波数から数百Hzや数千Hzに至る場合がある。一部の実施態様では、VFD実装システム100に供給される電力はDCでもよく、この場合整流器モジュール122は使用しない。一例としてPWM周波数が(100kHz以上などの)高周波である実施態様を挙げると、インバータモジュール122は炭化ケイ素や窒化ガリウムMOSFETなどの広帯域ギャップ(WBG)デバイスで構成できる。
【0015】
図1に示すVFD実装システム100については、VFD120の各モジュールへ信号を送り、かつこれらモジュールからの信号を受信する制御モジュール124を組み込むことができる。これら信号については、デジタル信号などの外部の信号源から受信し、VFDをオンオフするか、システムは参照速度を与えることができるアナログ電圧信号などの外部信号源から受信することができる。これら信号がVFD120の出力周波数、従ってアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110の速度を制御できる。また、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110にVFD120によって供給される電流および電圧も制御できるため、所望のトルク特性を実現できる。例えば、一定の速度範囲にわたって所定のトルク条件で動作を行うことができる。
図1に、制御モジュール124とそれぞれインバータ121および整流器122との間の入出力接続ペア125および126を示す。なお、一つ以上の単独の入出力接続があってもよく、あるいは一部の実施態様では、入出力接続はなくてもよい。
【0016】
一部の実施態様では、制御モジュール124についても、別々な組の入力ライン127を介してアクシアフィールド回転エネルギーデバイス100内のセンサーにこれを接続することができる。これらセンサーとしては、一例を挙げると、VFD実装システム100を対象とする抵抗温度検出器(RTD)、熱電対、振動センサー、エンコーダおよび/または他のセンサーなどである。一部の実施態様では、これらセンサーが一つかそれ以上の測定値を制御モジュール124に送る構成を取ることができる。この制御モジュール124は一つかそれ以上の測定値の受信および処理に応じて動作することができる。例えば、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110の動作時に、これの温度に関する測定値を送信することができる。温度測定値が閾値温度レベルを超えている場合には、制御モジュール124が信号を送り、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110のパワーを下げ、これによって温度を下げることができる。場合によっては、センサーからの測定値に依拠して、制御モジュール124がアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110の動作を停止することができる。
【0017】
制御モジュール124については、記憶デバイス、処理デバイス、通信インターフェースデバイスを備えることができ、あるいはこれらを併用することも可能である。例えば、記憶デバイスには、処理デバイスによって実行された場合に、処理デバイスがその動作や機能などを実施する命令を記憶させることができる。例えば、VFD120の出力周波数を制御する信号を出力する制御スキームを実行することができる。
【0018】
処理デバイスについては、マイクロプロセッサや中央処理ユニットなどの一つかそれ以上の汎用処理デバイスを備えることができる。具体的には、処理デバイスは複合命令セット計算(CISC)を行うマイクロプロセッサ、縮小命令セット計算(RISC)を行うマイクロプロセッサ、超長命令語(VLIW)マイクロプロセッサ、あるいは他の命令セットを実行するプロセッサや複数の命令セットを実行するプロセッサでもよい。またこの処理デバイスとしては一つかそれ以上の特殊用途処理デバイス、例えば特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ、内部の 論理回路 の構造を何度も繰り返し再構成できる 半導体チップ(FPGA)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、ネットワークプロセッサなどでもよい。処理デバイスは、本明細書で説明するオペレーションやステップのうち任意のものを実行する命令を実施できる構成でもよい。
【0019】
記憶デバイスとしてはメインメモリ(例えばリードオンリーメモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、シンクロナスDRAM(SDRAM)等のダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタテックメモリ(フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、スタテックランダムアクセスメモリ(SRAM)などを使用できる。
【0020】
通信インターフェースデバイスを使用するため、VFD電圧周波数出力を命令し、かつVFDおよびアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの状態を通信するアナログ信号およびデジタル信号を送受信するVFDモジュール間におけるデータ通信が可能になる。
【0021】
制御モジュール124の一部の態様については、VFD実装システム100と監視制御/データ獲得システム(SCADA)やその他の制御システムとの間を接続する入出力(I/O)モジュール140を介して外部システムに接続することができる。このI/Oモジュール140は設定可能な制御インターフェース141を有し、このインターフェースによって一組の入力/出力接続部142を介して行う外部制御システムとの通信が容易になる。この通信インターフェースの実施態様については、限定する意図はないが例示すると、イーサネットおよび産業用イーサネット(EtherCAT、EtherNet/IP、PROFINET、POWERLINK、SERCOSIII、CC-Link IE、Modbus TCPなど)、RS485、WIFIを始めとする無線、携帯電話、Bluetoothがある。
【0022】
設定可能な制御インターフェース141も他のデジタルインターフェースおよびアナログインターフェースを備えることができ、これらインターフェースによってVFD実装システム100を0-10Vや4-20mAアナログポートなどのエンドユーザー側の制御システムに接続できる。I/Oモジュール141の制御部によってさらに別な接続を、例えば標準的なI/Oボード上部の“ドーターボード(daughter board”に行うことができる。
【0023】
I/Oモジュール140の実施態様についても、パワー接続部143を設け、VFD実装システム100を外部パワー供給部に接続することができる。本明細書に記載するように、
図1に3相AC源に接続したVFD実装システム100の一実施態様を示す。なお、このシステムの場合、単相源、多相源やDC源にも接続可能である。I/Oモジュール140は電流センサーおよび電圧センサーやVFD実装システムを対象とする調和フィルターなどの他の素子も備えることができる。
【0024】
VFD実装システム100の一部の実施態様では、パワー接続部143をVFD120の整流器モジュール122に直接接続でき、これによってI/Oモジュール140を完全にバイパスすることが可能になる。
【0025】
図1にVFD実装システム100(モーターを備える)を示したが、このシステムは発電機-VFDシステムとしても使用でき、この場合アクシアルフラックスPCB固定子PMマシン110として動作し、VFD120が外部グリッドに実装される。この場合、VFDの整流器モジュール122がIGBTやMOSFETなどの能動スイッチデバイスを備え、制御モジュール124が信号を出し、一部のバージョンでは通信ポート126によって能動整流器を制御できる。
【0026】
図2Aおよび
図2Bに、
図1に示したVFD実装システム100を備え、かつさらに筐体200を備えるシステムの一実施態様を示す。この筐体200はVFD実装システム100を収容でき、かつ(例えばシャフト210に沿って)軸方向に比較的薄くできる。筐体200は軸方向に見た場合、形状を実質的に矩形か正方形とすることができる。筐体200はその軸方向長さより半径方向に広くすることができる。一つの実施例では、筐体200はほぼ23インチ角(半径方向)で、長さ方向において3インチ(軸方向)とすることができる。なお、デバイスの電力定格およびトルク定格にもよるが、他のサイズや他のアスペクト比も適用可能である。例えば、軸方向長さに対する半径方向幅の比は約2:1~約10:1の範囲とすることができ、場合にもよるが約15:1~約20:1とすることができる。
【0027】
図2Aに、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの非駆動(側)端部にあるものとすることができる筐体200の正面側部230を示す。図示するように、正面のベアリングカバーはシャフト210を示すために、外してある。一部の実施態様では、このシャフト210が延在部を有し、冷却ファン、速度センサー、エンコーダなどの第2のカップリング部や装備品を取り付けることができる。また、
図2Aには、
図1に示すI/O接続部142および143に対応するI/Oパススルー部(pass-throughs)220の位置の一例も示す。一部の実施態様では、これらI/Oパススルー部220は筐体200の一つかそれ以上の横方向側部240か、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの反対側に設けることができ、あるいは筐体200の一つ以上の外部部分(例えば正面側部230にある一つのポートや一つかそれ以上の横方向側部240にある他のポートなど)に設けることができる。
図2Aに示す実施態様の場合、筐体200の4つの隅部(コーナー部)に冷却フィンブロック205を有しているが、他の実施態様では、冷却フィンブロック205はVFD実装システム100の冷却要件に応じて一つのみの隅部に設けてもよく、2つの隅部に設けてよく、あるいは3つの隅部に設けてもよい。
【0028】
図2Bに、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの駆動(側)端部であるVFD実装システム100の後側部を示す。図示のように、カップリングフランジ250を一例として示す。アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスのカップリング部は、駆動される装置の用途や形式に応じて、異なる寸法および特徴を有するものである。
【0029】
図3に、いずれも共通な筐体200内にある、整流器モジュール、DC母線、インバータモジュール、制御モジュール、I/Oモジュールおよびラインインダクタが、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110の同じ平面の周囲であって、かつ実質的にこの平面内に設けられる個別のアセンブリを構成する。この実施態様では、インバータモジュールおよび制御モジュールはプリント回路基板アセンブリ(PCBA)128内にあり、整流器モジュールおよびDC母線モジュールは別なPCBA129内にある。一方、I/Oモジュール140はそれ自身のPCBA内にある。ラインインダクタ130は別なアセンブリを構成し、このアセンブリ内でPCB135によって相互に接続する。他のモジュール構成も可能であり、例えばVFDの各モジュールを別なPCBAに設けてもよく、すべてのモジュールを一つのPCBAに設けてもよく、他の組み合わせ構成も可能である。
【0030】
図4に一例として、VFDの整流器モジュール、DC母線モジュール、インバータモジュールおよび制御モジュールをすべて一つのPCBA131内において結合したVFD実装システム100の一実施態様を示す。I/Oモジュール140は別個のPCBAに存在する。ラインインダクタ130は筐体200内で別個のアセンブリを構成し、アクシアルフラックスPCB固定子PMモーター110と実質的に同じ平面内に実装できる。
図3および
図4には6つのラインインダクタ130を備える実施態様を示すが、6つ以上のラインインダクタを備える他の実施態様も可能であり、6つ未満のラインインダクタを備えていてもよく、あるいはラインインダクタのない実施態様も可能である。
図3の実施態様では、PCBを介してラインインダクタ130を相互接続し、PCBA135とのアセンブリを形成する。なお、他の実施態様では、PCB135を使用せずに、ケーブルおよび/またはワイヤを使用してラインインダクタ130を相互接続してもよい。
【0031】
図3および
図4の実施態様では、I/Oパススルー部220の一部がI/Oモジュール140にほぼ整合している。整流器兼DC母線モジュール129に他のパススルー部がほぼ整合する。他の実施態様では、パススルーブロックは他の位置にある。
【0032】
図3および
図4に、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの周囲に、かつそのほぼ同じ平面内にVFDモジュールを設けた実施態様の実施例を示す。他の実施態様では、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスが存在する平面とは実質的に異なる面内に存在する一つのアセンブリ内にVFDモジュールを実装する。
【0033】
図5は、VFD実装システム100の一実施態様を示す断面図である。この実施例では、VFD120はアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110に軸方向に実質的に整合する筐体300に取り付ける。VFD120は軸方向にオフセットするか、あるいはデバイス110とは異なる軸方向面内に存在する。
【0034】
図5の実施態様では、一つかそれ以上のブラケット310を使用して、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200にVFD筐体300を取り付ける。これらブラケット310が、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200とVFD筐体300との間に冷却ファン320を収容するスペースを担保する。一部の実施態様では、導管330を使用し、電力ケーブル、ハーネスなどの経路になり、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスをVFDに接続する。
図5には一本の導管330を示すが、他の実施態様では2本かそれ以上の導管を使用することができる。一例として、第1導管を電力ケーブル用とし、第2導管をセンサーケーブル用することができる。筐体300については、VFDにアクセスできる着脱式の蓋302などのアクセスポートを設けることができる。
【0035】
図5のVFD実装システムの実施態様は、一例として、VFD筐体300およびアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス筐体200の両者に対して国際基準EN60529に従ってIP55の侵入保護等級を与えるものとして提供できる。他の実施態様では、IP20やIP22などの異なる侵入保護等級や、EN60529やこれと等価な国内基準に従って他の保護等級を適用することができる。
図5に示す別なVFDおよびPMアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス筐体構成も、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス筐体およびVFD筐体について異なる侵入保護等級を適用することができる。一例を挙げると、VFD筐体についてはIP55を、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス筐体についてはIP44を適用することができ、その他任意の組み合わせを適用することができる。
【0036】
図5に、別な筐体300に収容したVFDを示す。VFDモジュール(整流器、DC母線、インバータ、制御モジュール、I/Oモジュール、ラインインダクタなど)については、各種の構成を取ることができる。
図6Aに、整流器、DC母線、インバータ、制御およびI/Oの各モジュールをVFD筐体300の内側に単独のPCBA132としてまとめ、ラインインダクタが別なアセンブリ135を構成するVFDの一つの実施態様を示す。
【0037】
図6Bに、整流器、DC母線、インバータおよび制御の各モジュールを一つのPCBA131としてまとめた別な実施態様を示す。なお、I/Oモジュール140についてはそのPCBAを筐体300の別な仕切り部301内に収容する。この実施態様では、仕切り部301がVFD筐体のアクセスポートとは別にそれ自身のアクセスポート(
図5に示す蓋302など)を有するため、VFDの他のモジュールを露出することなくI/Oモジュール140にアクセスできる。
【0038】
図6Cに、インバータモジュールおよび制御モジュールを一つのPCBA128としてまとめ、整流器モジュールおよびDC母線モジュールをもう一つのPCBA129としてまとめ、I/Oモジュール140自身のPCBAを筐体300の別な仕切り部301内に収容した別な実施態様を示す。この実施態様では、仕切り部301がVFDとは別に自身のアクセスポート(
図5に示す蓋302など)を有するため、VFDの他のモジュールを露出することなくI/Oモジュール140にアクセスできる。
【0039】
図6Dに、筐体300が仕切り部301に隣接して実質的に平坦な面300aを有し、これがパススルー部220に対する取り付け面になる
図6Cに示すVFD実装システムのさらに別な実施態様を示す。この実施態様では、パススルー部220aを使用して、整流器PCBA129に接続すべきハウジング300に電力ケーブルを通すことができ、パススルー部220bを使用して、I/Oモジュール140に接続すべき仕切り部301内に信号I/Oケーブルを通すことができる。平らな面300aもI/Oモジュール140に接続したアンテナ144の取り付け面になる。このアンテナ144が無線ネットワークに接続でき、VFD実装システムに無線I/Oを与えることができる。
【0040】
図6A~
図6Dに別な筐体300に取り付けるVFDのいくつかの実施態様を示したが、他の構成も可能である。例えば、VFDにラインインダクタを設けなくてもよく、あるいはVFDの各モジュールはそれ自身のPCBAを有していてもよい。
【0041】
PCB固定子とラインインダクタを相互接続するPCBとの接続を実施する際には、電気コネクタを両端に設けた状態でケーブルハーネスによって行えばよい。例えば
図7Aに示すように、ラインインダクタ130がPCB135とアセンブリを構成し、電気コネクタ180を両端に設けた状態でケーブルハーネス170を介してPCB固定子端子160にこのPCB135を接続する。なお、一部の用途では、ケーブルハーネスを固定子PCBか、あるいはラインインダクタを相互接続するPCBAのいずれかに永久的に接続することが望ましい場合がある。
図7Bに後者の実施態様を示す。図示のように、電気コネクタ180によってケーブルハーネス170を固定子端子160に結合し、はんだ付け接続部190によってインダクタPCB135に接続する。接続部はオス/メスコネクタであればよく、特殊な工具がなくてもこのコネクタは断接でき、あるいは再接続することができる。容易にはもとに戻らない永久接続部、例えばはんだ付け接続部やクリンプ加工接続部なども使用可能である。同様に、VFDのインバータモジュールの出力部とラインインダクタを相互接続するPCBAとの接続も、一例を挙げると、コネクタを両端に取り付けた状態で、あるいは一方の端部のみに取り付けた状態で(他端については、インダクタPCBAまたはインバータモジュールPCBAに永久接続しておく)ケーブルハーネスよって実施することができる。
【0042】
VFDの各種モジュールを別なPCBA内に取り付けるこれら実施態様において留意すべき点は、コネクタがケーブルハーネスの両端にある状態でケーブルハーネスによって各種のモジュールを接続している点である。あるいは、ケーブルハーネスを一端において第1のPCBAに永久接続し、コネクタが他端にある状態で第2のPCBAに接続してもよい。ラインインダクタを使用しない実施態様では、ケーブルハーネスによってインバータの出力をPCB固定子端子に接続すればよい。これらハーネスについては、コネクタを両端に、あるいは一つの端部のみに有していてもよい。さらに一部の実施態様において、各端部をはんだ付けおよび/または結合した可撓性PCBによって各種VFDモジュール、ラインインダクタおよび固定子PCB間を接続することができる。
【0043】
図8Aは、
図3に示すVFD実装システム100の一実施態様を示す断面図である。VFD120については、共通の筐体200内のアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110と同じ平面の周囲にかつ実質的にこの平面上に設けることができる。この実施態様では、ファンや羽根315などの第1の空気サーキュレータをアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの回転子を構成する2枚のディスク340間に取り付ける。回転子が回転すると、第1の羽根315によって第1の空気流350が発生し、この空気流が、筐体200の一端または両端のシャフト210に対して円周方向に配された空気取り入れ口または通風口355を介してアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに流入する。流入した空気流が2枚のディスク340間を循環するとともに、PCB固定子115の表面上を半径方向に循環する。この空気流はVFD120を収容したボリューム部305に流入し、最後に、
図8Aに示すように、筐体200の周囲の開口365から半径方向に流出する。
【0044】
一部の実施態様では、上記の第1空気流350は冷却フィンブロック205(
図3)の開口を介して4つの隅部の一つかそれ以上において半径方向に筐体200から流出する。他の実施態様では、第1空気流350は筐体200の周囲に設けた他の開口を介して半径方向に流出し、筐体200の一つの端面また両端面の開口を介して軸方向に流出する。流出態様については、これらを併用してもよい。
【0045】
一部の実施態様では、
図8Aに示すように、第2の連続した羽根345を回転子ディスク340の後側に設けることができる。回転子が回転すると、第2羽根345によって第2空気流360が発生し、筐体200の一端か両端の通風口355を介してアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに流入する。通風口355はシャフト210に対して円周方向に配すればよい。この空気流はディスク340と筐体200の隣接壁との間を循環し、VFD120を収容したボリューム部305に流入し、
図8Aに示すように、周囲の開口365を介して半径方向に筐体200から流出する。
【0046】
一部の実施態様では、第2空気流360は冷却フィンブロック205の開口を介して4つの隅部の一つかそれ以上において半径方向に筐体200から流出する(
図3)。他の実施態様では、第2空気流360は筐体200の周囲に設けた他の開口を介して半径方向に流出し、筐体200の一つの端面また両端面の開口を介して軸方向に流出する。流出態様については、これらを併用してもよい。
【0047】
図8Bに、羽根345が発生する第2空気流360が、通風口355が位置する半径よりも大きい半径においてシャフト210に対して円周方向に配した第2組の通風口356を介して筐体200に流入する別な実施態様を示す。一部の実施態様では、筐体200について、開口355と356との間に空気バッフル357を設け、通風口356を介して筐体200に流入する第2空気流360から、通風口355を介して筐体200に流入する第1空気流350を分離することができる。
【0048】
図9に、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスとは異なる軸方向平面内にVFD120を設けることができる
図5の実施態様を示す。アクシアルフィール回転エネルギーデバイスはIP55の侵入保護等級をもつ。この実施態様では、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの第1羽根315を回転子からなる2つの回転子ディスク340間に設けることができる。回転子が回転すると、第1羽根315によって第1空気流350が発生し、回転子ディスク340と静止PCB固定子115の表面との間の空気ギャップに半径方向外向きに流れる。空気流は回転子ディスク340と筐体200の内壁との間にあるスペースにおいて回転子の中心に向かって半径方向に戻り、円周方向に配した開口370を介して第1羽根315に戻る。
【0049】
図9に示す実施態様の場合、冷却ファンを備えることができる第2羽根320について、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200とVFDの筐体300との間にある軸方向スペース内においてシャフト210に結合する。第2羽根320によって第2空気流360を形成でき、この空気流がアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200と空気バッフル380との間の軸方向スペース内に半径方向に流入し、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200に取り付けたフィン390aの周囲に流れ、VFDの筐体300の外壁と空気バッフル380との間において半径方向外向きに循環した状態で、VFDの筐体300から延在するフィン390bの周囲に流れ、これによってVFD120の構成素子を冷却することを補助する。
【0050】
VFD実装システム100の冷却の必要性に応じて、
図5に示す実施態様については他の空気循環パターンも可能である。このためには、例えば冷却ファン320および空気バッフル380を再配置することができる。別な実施例として、
図10Aにアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200のごく近くに冷却ファン320を設ける別な空気循環パターンを示す。この実施例では、冷却ファン320によって空気流が発生し、VFD筐体300の半径方向外壁と空気バッフル380との間のスペースに流入し、VFD筐体300から延在するフィン390b上に流れる。この空気流は、次に、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200の外壁と空気バッフル380との間において半径方向外向きに循環し、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200から延在するフィン390a上に流れる。
【0051】
図10B(および逆の循環パターンの
図10E)に、
図5に示すVFD実装システム100を対象とする空気循環の別な実施例を示す。この実施例では、空気バッフル380がアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200の外周に沿ってかつ周囲に実質的に軸方向に延在し、筐体200の周囲に空気流路を形成する。筐体200のごく近くに設けた冷却ファン320によって空気流360が発生し、この空気流はVFD筐体300の外壁と空気バッフル380との間のスペースに流入し、フィン390b上に流れる。この空気流は筐体200の外壁と空気バッフル380との間において半径方向外向きに循環し、フィン390aの周囲に流れる。空気バッフル380によって導かれた空気流は、筐体200と空気バッフル380との間のスペースにおいて筐体200の外周に沿って実質的に軸方向に向かう。この空気流が筐体200の周囲から延在する第2組のフィン390cの周囲を循環する。次に、空気流はVFD実装システム100の駆動端部から流出する。
【0052】
図10Cに
図5のBFD実装システム100を対象とする空気循環の別な実施例を示す。空気バッフル380がVFD筐体300の外周に沿ってかつ周囲に実質的に軸方向に延在し、VFD筐体300の周囲に空気流路を形成する。VFD筐体300のごく近くに設けた冷却ファン320によって空気流360が発生し、この空気流はPMアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの筐体200の外壁と空気バッフル380との間のスペースに流入し、フィン390aの周囲に流れる。それから、VFD筐体300の外壁と空気バッフル380との間において半径方向外向きに流れ、第1組のフィン390bの周囲に流れる。空気バッフル380によって導かれた空気流は実質的に軸方向に向きを変え、VFD筐体300と空気バッフル380との間のスペースにおいてVFD筐体300の外周に沿って実質的に軸方向に向かう。この空気流がVFD筐体300の周囲から延在する別な組のフィン390dの周囲を循環する。次に、空気流はVFD実装システム100の非駆動端部から流出する。
【0053】
図10Dに
図5のBFD実装システム100を対象とする空気循環360のさらに別な実施例を示す。空気バッフル380が筐体200およびVFD筐体300の外周に沿ってかつ周囲に実質的に軸方向に延在し、両筐体200、300の周囲に空気流路を形成する。VFD筐体300のごく近くに設けた冷却ファン320によって空気流360が発生し、この空気流は筐体200の外周と空気バッフル380との間のスペースに流入し、フィン390cの周囲に流れ、空気バッフル380によって導かれる。それから、VFD筐体200と空気バッフル380との間において半径方向内向きに流れ、フィン390aの周囲に流れる。空気は、VFD筐体300と空気バッフル380との間において半径方向外向きに流入し、フィン390bの周囲に流れる。空気バッフル380によって導かれた空気流は、VFD筐体300と空気バッフル380との間のスペースにおいてVFD筐体300の外周に沿って実質的に軸方向に向かう。この空気流がフィン390dの周囲に流れ、VFD実装システム100の非駆動端部から流出する。
【0054】
図9および
図10A~10Eに、VFD実装システム100を対象とする空気流のいくつかの可能な実施態様を示す。なお、異なる組み合わせの冷却ファン設定位置(例えば筐体200、300にごく近い位置など)、および空気バッフル形状(例えば筐体200、300または両者に沿って軸方向に延在する形状)を有する本明細書では説明を省いた他の空気循環の実施態様が可能である。これらの実施例はフィンを含むが、フィンを筐体200または300のみに設けてもよく、筐体200、300の外周にのみフィンを設けることも可能である。
【0055】
図5、
図9および
図10A~10Dの実施例は、侵入保護等級IP55に準じる筐体を備えたVFD実装システム100の実施態様を示す。IP56やIP65などの他の侵入保護等級にも適用可能である。
【0056】
図11に、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110およびVFD120を実質的に軸方向に整合させ、かつ異なる平面内に配列したVFD実装システム100の一実施態様を示す。いずれも侵入保護等級がIP20の共通の筐体200内に実装できる。この筐体200は少なくとも2つの分離したスペースを構成できる。一つのスペースにはアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス100を、そしてもう一つのスペースにはVFD120を収容できる。一部の態様では、アクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110は第1羽根315を回転子を有する2枚のディスク340の間に設けることができる。回転子が回転すると、第1羽根315によって第1空気流350が発生し、筐体200の駆動端部のシャフト210に対して円周方向に配される通風開口355aを介してアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110に流入する。この空気は2枚のディスク340間を流れ、かつPCB固定子115上を半径方向に流れ、周囲の開口365を介して半径方向に筐体200から流出する。一部の実施態様では、第2羽根320をシャフトの延長部(付け足し部)などに取り付けることができる。回転子が回転すると、第2羽根320によって第2空気流360が発生し、筐体200の非駆動端部のシャフト210に対して円周方向に配した第2組の通風開口355bを介して筐体200に流入でき、VFD120を収容するボリューム部に流入し、周囲の開口365を介して半径方向に筐体200から流出できる。
【0057】
図12に示す別な実施態様では、第1羽根315が発生する第1空気流は2つの細流(streams)である。第1細流350aは、筐体200の駆動端部のシャフト210に対して円周方向に配される通風開口355aを介してアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110に流入できる。第2細流350bは、筐体200の非駆動端部のシャフト210に対して円周方向に配される通風開口355bを介してアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス110に流入できる。これら2つの細流が第1羽根315において合流し、2枚のディスク340間を流れ、PCB固定子115の表面上を半径方向に流れ、周囲の開口365を介して半径方向に筐体200から流出できる。第2羽根320は、空気流が通風開口355bを介して筐体200に流入する際に、第1空気流の第2細流350bを第2空気流360から分離する特徴を持つ。
【0058】
図13に、いくつかの特徴を備えた第2羽根320の一実施態様を示す。この第2羽根320はハブ321を有し、このハブはアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスのシャフト延長部に取り付けるための軸方向ボアを備える。このハブ321は複数の半径方向フィン322を有し、ハブ321と同軸関係にある実質的に円筒形の管323を支持できる。円筒形管323は、羽根320の回転時に、空気を半径方向に推進する複数の半径方向フィンまたはブレード324を支持でき、これによって
図12に示す第2空気流360を発生できる。ハブ321と円筒形管323との間には円周方向のスペースがあり、これが第1空気流350bの第2細流を対象とした開口325になるため、
図12に示すように、この流れが筐体開口355bから第1羽根315に軸方向に移動できる。
【0059】
再度
図12に戻って説明すると、第2羽根320のブレード324が発生する第2空気流360は、筐体200の非駆動端部のシャフト210に対して円周方向に配される通風開口355bを介して筐体200に流入できる。次に、この空気流はVFD120を収容したボリューム部に流入し、周囲開口365を介して半径方向に筐体200から流出できる。
【0060】
これら実施態様では、侵入保護等級はIP20とすることができ、またIP22、IP32、IP44などの他の侵入保護等級でもよい。例えば、これら実施態様では、通風開口355aおよび355bに隣接してスクリーンおよび/またはルーバー(louver)を付設できる。
【0061】
これら実施態様では、第2羽根320をシャフトの延長部に取り付けることができる。他の実施態様では、筐体200に設けた電動機によって作動するファンを利用できる。このファンによって空気流360が発生する。一部の実施態様では、第2羽根320およびシャフト延長部は使用しない。
【0062】
一部の実施態様では、
図13に示す羽根320はその半径方向フィン322によって実質的に軸方向の空気流を発生できる。あるいは、半径方向ブレード324をエアフォイル(翼)として構成でき、実質的に半径方向の空気流を発生してもよく、両者を併用してもよい。
【0063】
これら実施態様では、筐体の4つの隅部のうちの一つかそれ以上の冷却フィンブロック205(例えば
図2~
図4および
図14を参照)を設けることができる。これら冷却フィンブロック205はファスナー用の機械加工した表面207(
図14)やタップをつけた孔208などの使用しているため、取り付けおよび/または整合が容易になる特徴を持つ。実施態様では、アルミや銅などの伝熱性金属のモジュラーブロック(modular block)から冷却フィンブロック205を形成できる。これらについては、例えば押し出し、鋳造や機械加工できる。冷却フィンブロック205は基部に開口またはスリット206を備えているため、回転子羽根が発生する空気流350が筐体200から流出できる。冷却フィンブロック205の少なくとも一つを取り外すことができるため、他のシステム要素をアセンブリに取り付け、別な冷却方法が使用可能になる。
【0064】
他の実施態様では、基部にスリット206のない冷却フィンブロック205を形成できる。このようなブロック205を筐体200取り付けると、筐体200の開口をその隅部で封着できる。このような実施態様の場合、筐体200の両端における
図8Aおよび
図8Bに示す通風開口355、356が必要なくなる。このような場合、アセンブリを完全に密閉でき、侵入保護等級IP55やIP56を実現できる。これら態様は、米国電気工事規程のクラス1、デビジョン1に規定されている位置などの危険な環境内にアセンブリを設置する用途などにおいて望ましい。
【0065】
図15に、筐体200の一方の側部に吸気口410を形成し、冷却空気を筐体に流入させる一実施態様を示す。例えば、筐体隅部の開口のうちの2つにダクト420を取り付けると、例えば、空気排出口430を形成できる。この空気排出口430によって、アセンブリから出てくる高温空気をビルやエアプレナムの外部などの都合のよい位置に向けることができる。一部の実施態様では、筐体200の残りの2つの隅部は蓋で封止できる。これら実施態様は他の態様でも実施でき、例えば、筐体の4つの開口すべてに、あるいは3つの開口、あるいは一つのみの開口に空気ダクトを接続できる。一部の実施態様では、冷却フィンブロックおよび空気ダクトを併用してもよく、例えばこれらを筐体の隅部に取り付ける。さらに別な実施態様では、隅部ではなく筐体の側部にある開口に空気ダクトを接続してもよい。
【0066】
図16に、筐体200の2つの隅部に第1空気ダクト420を取り付けたVFD実装システムの別な実施態様を示す。このダクトによって高温空気を熱交換器440に向けることができる。第2空気ダクト425が熱交換機440から来る冷温空気を筐体に戻すことができる。残りの2つの隅部は例えば蓋で封止できる。一部の実施態様では、熱交換機440は空気/空気熱交換機でもよく、あるいは水/空気交換機でもよい。あるいは、アセンブリを循環する空気を冷却する他の好適な冷却媒体をもつものでもよい。一部の実施態様では、別な一組のダクトを筐体の一つかそれ以上の隅部に取り付けてもよく、例えばこれらに第2熱交換器を接続してもよい。他の実施態様では、隅部ではなく、筐体の側部にある開口に空気ダクトを接続してもよい。
【0067】
上記実施態様はいずれも、冷却スキームと冷却構成を適宜併用することを可能にする構造および筐体を備えた可撓性のあるVFD実装システムを提供できるものである。実施例は、ごくわずかな可能性の組み合わせを示すものである。
【0068】
他の実施態様は以下の構成のうちの一つかそれ以上含むものである。
【0069】
1.システムであって、
【0070】
軸線、プリント回路基板(PCB)固定子、およびそれぞれが永久磁石(PM)を有する複数の回転子を有し、これら回転子が前記PCB固定子に対して前記軸線を中心にして回転するアクシアルフィールド回転エネルギーデバイスと、
【0071】
前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスに結合したVFD構成素子を有する可変周波数駆動装置(VFD)と、
【0072】
前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを収容し、前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを一緒に実装する筐体と、
【0073】
前記筐体内に実装されて前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスおよび前記VFDを冷却する冷却システムと、を有するシステム。
【0074】
2.前記冷却システムが、前記システムを冷却する羽根を有する前記システム。
【0075】
3.前記筐体が、軸方向長さ、および前記軸線に対してこの軸方向長さよりも大きい半径方向幅を有し、前記筐体が軸方向に見た場合に実質的に矩形形状を有する前記システム。
【0076】
4.前記半径方向幅の前記軸方向長さに対する比が約2:1~約20:1の範囲にあり、そして前記筐体の、軸方向に見た場合の形状が実質的に正方形である前記システム。
【0077】
5.前記軸線に対して、前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの周囲にかつこのデバイスに対してほぼ同一平面上にVFD構成素子が設けられた前記システム。
【0078】
6.前記VFD構成素子が整流器モジュール、直流(DC)母線、インバータモジュール、制御モジュールおよび入/出力(I/O)モジュールを有する前記システム。
【0079】
7.前記VFD構成素子がラインインダクタを有する前記システム。
【0080】
8.前記インバータモジュールがワイドバンドギャップスイッチングデバイスを有する前記システム。
【0081】
9.前記整流器モジュールおよびDC母線が第1プリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有し、前記インバータモジュールおよび制御モジュールが第2のPCBAを有し、前記I/Oモジュールが第3のPCBAを有する前記システム。
【0082】
10.前記VFD構成素子が前記第1、第2および第3のPCBAとは別なアセンブリとしてラインインダクタを有する前記システム。
【0083】
11.前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記第3のPCBAに結合される前記システム。
【0084】
12.前記整流器モジュール、DC母線、インバータモジュールおよび制御モジュールが第1のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有し、そして前記I/Oモジュールが第2のPCBAを有する前記システム。
【0085】
13.前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記第2のPCBAに結合される前記システム。
【0086】
14.前記整流器モジュール、DC母線、インバータモジュール、制御モジュールおよびI/Oモジュールが共通のプリント回路基板アセンブリ(PCBA)を有する前記システム。
【0087】
15.前記I/Oモジュールがカスタマイズド通信機能を行う構成のドーターPCBAを有し、このドーターPCBAは着脱自在に前記共通のPCBAに結合される前記システム。
【0088】
16.前記筐体が、前記アクシアルフィール回転エネルギーデバイスおよびVFD用のハウジングをそれぞれ有する前記システム。
【0089】
17.前記ハウジングは実質的に軸方向に整合され、相互に結合される前記システム。
【0090】
18.軸方向スペースによって前記ハウジングが軸方向に離間され、冷却デバイスがこの軸方向スペース内に設けられ、そして前記VFDハウジングが前記VFDにアクセスできる構成のアクセスポートを有する前記システム。
【0091】
19.前記冷却デバイスが、前記回転子間に位置して前記アクシアルフィールド回転エネルギーデバイスの前記ハウジング内で第1空気流を循環させる構成の第1羽根、および、前記ハウジング間の前記軸方向スペース内に位置して前記VFDに隣接する前記軸方向スペースの内外に半径方向空気流を循環させる構成の第2羽根を有する前記システム。
【0092】
20.各ハウジングが、これらハウジング間の前記軸方向スペース内に延入するフィンを有する前記システム。
【0093】
21.冷却デバイスが、前記軸線に対して、前記ハウジング間の前記軸方向スペースに半径方向に出入りする空気流を循環させる構成の羽根およびバッフルを有する前記システム。
【0094】
22.前記空気バッフルが、前記筐体の外側に沿ってかつその周囲に軸方向に延在する軸方向構成素子であって、前記軸方向構成素子と前記筐体との間に軸方向空気流路を形成する軸方向構成素子を有し、この空気バッフルは更に半径方向構成素子を有し、この半径方向構成素子は、該半径方向構成素子と前記ハウジングの間に半径方向空気流路を形成するように、前記ハウジング間の前記軸方向スペース内において半径方向に延在する前記システム。
【0095】
23.前記冷却デバイスが、半径方向において第1組の前記半径方向空気流路に流入し、第2組の半径方向空気流路を流れる空気流を循環させる構成であり、かつこの空気流が軸方向において前記軸方向空気流路から流出する前記システム。
【0096】
24.前記冷却デバイスが、前記軸方向空気流路に軸方向において流入し、すべての半径方向空気流路に流れる空気流を循環させるように構成され、この空気流が前記システムから半径方向において流出する前記システム。
【0097】
25.前記冷却デバイスが、第1組の前記軸方向空気流路に軸方向において流入し、前記半径方向空気流路に流れる空気流を循環させるように構成され、この空気流が第2組の軸方向空気流路から軸方向において流出する前記システム。
【0098】
本明細書で使用した用語は、具体的な実施例および実施態様のみを記述することを目的とし、限定を意図するものではない。また、本明細書で使用する単数表現は、特に断らない限り、複数表現も包摂するものである。用語“有する”、“備える”などは包括的な表現であり、開示した特徴、完成体、工程、操作、システム要素および/また構成素子の存在を特定するものであるが、一つかそれ以上の他の特徴、完成体、操作、システム要素、構成素子よび/またはこれらの群を排除するものではない。本明細書で使用する方法における工程、プロセスおよび操作は、特に性能順として断らない限り、説明しかつ図示した具体的の順において必ず必要であると解釈すべきではない。もちろん、付加的な、あるいは代替的な工程も利用することが可能である。
【0099】
あるシステム要素またはある層が他のシステム要素または層に“存在している”、“係合している”、“接続している”、あるいは“結合している”と表現した場合、これが他のシステム要素または層に直接存在、係合、接続または結合してもよく、あるいは介在するシステム要素または層が存在してもよい。対照的に、あるシステム要素が他のシステム要素または層に“直接存在する”、“直接係合している”、“直接接続している”、あるいは“直接結合している”と表現した場合、いかなるシステム要素または層も介在していない。システム要素間の関係を記述するために使用した他の用語も同様に(例えば“間”対“間に直接”、“隣接”対“直接隣接”など)解釈すべきである。本明細書に使用するように、用語“および/または”は対応するシステム要素の一つかそれ以上のうちの任意のシステム要素、そして全てのシステム要素の組み合わせを包含するものである。
【0100】
用語第1、第2、第3などは各種のシステム要素、構成素子、領域、層および/または区分を記述するために使用することができるが、これらシステム要素、構成素子、領域、層および/または区分はこれら用語によって制限を受けない。これら用語は、一つのシステム要素、構成素子、領域、層または区分を他の領域、層または区分から区別するためだけに用いられる。 “第1”、“第2”やその他の数値用語については、本明細書で使用する場合、特に断らない限り、順序や順番を含意するものではない。従って、以下に記述する第1システム要素、構成素子、領域、層または区分は、第2システム要素、構成素子、領域、層または区分としても、例示の実施態様の教示から逸脱するものではない。
【0101】
空間的に相対的な用語“内側”、“外側”、“下に”、“下方に”、“下部”、“上に”、“上部”、“頂部”、“底部”などは、図面に示すように、一つのシステム要素または特徴の別なシステム要素(複数の場合もある)または特徴部(複数の場合もある)に対する関係を記述する際の記載を容易にするために使用するものである。空間的に相対的な用語は図面に示した配向に加えて、使用時または操作時のデバイスの異なる配向を包摂するものである。例えば、図示のデバイスを上下反対にした場合に、他のシステム要素または特徴部の“下に”または“下方に”あると記載したシステム要素が、この他のシステム要素または特徴部の“上に”くることになる。それ以外にもデバイスを配向(他の配向位置に回転)させることができ、本明細書で使用する空間的に相対的な記載はこのように解釈すべきである。
【0102】
本明細書におけるこの記述では、最善の態様を始めとする実施態様を説明する実施例を使用するだけでなく、当業者に本発明を実施させることを可能にする実施例を使用する。特許を受けることが可能な範囲は特許請求の範囲に記載し、この範囲は当業者が考えだすことができる他の実施態様を包摂するものである。このような他の実施例については、請求の範囲の逐語的な言語から逸脱しない構造的要素を有している限り、あるいは請求の範囲の逐語的な言語とは実質的に差のない等価な構造的要素を有している限り、特許請求の範囲内に含まれるものである。
【0103】
以上の明細書には、具体的な実施態様を参照して本発明の技術思想を開示してきたが、当業者ならば、特許請求の範囲に記載した発明の範囲から逸脱することなく、各種の変更などを加えることができる。従って、明細書および図面については、説明を意図するもので、限定を意図するものではない。またこれらすべての変更は、本発明の範囲内に含まれるものである。
【0104】
ここで、本明細書に使用した一部の用語および語句について定義を示すことにする。用語“通信”およびその代替用語は、直接通信および間接通信の両者を包摂するものである。用語“含む”および“有する”ならびにその派生用語は、限定なしの包括を意味する。用語“または”も包括を意味し、および/または意味する。また、用語“に関連する”ならびにその派生語は、有する、に含まれる、と相互接続する、収容する、収容される、に接続する、に結合する、と通信可能である、と関係をもつ、介在する、並置する、近接する、に縛られる、持つ、特性を有する、関係をもつなどを意味する。また、成句“少なくとも一つの”はシステム要素などのリストともに使用する場合には、リスト化されたシステム要素のうちの一つかそれ以上の異なる組み合わせを使用できることを意味し、またリスト中の一つのみのシステム要素が必要なことを意味する。例えば、“A、BおよびCのうちの少なくとも一つ”は次の組み合わせ:A、B、C、AおよびB、AおよびC、BおよびC、そしてAおよびBおよびCのうちの任意のものを包摂する。
【0105】
さらに、本明細書に記載した各種の機能は、それぞれがコンピュータ読み取り可能なプログラムコードから形成され、かつコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶された一つかそれ以上のコンピュータプログラムによって実行でき、かつ支持できる。用語“アプリケーション”および“プログラム”は一つかそれ以上のコンピュータプログラム、ソフトウェアコンポーネント、一連の命令、手続き、機能、オブジェクト、クラス、インスタンス、関連データ、あるいはそのコンピュータ読み取り可能なプログラムコードでの実行できる一部を指す。用語“コンピュータ読み取り可能なプログラムコード”はソースコード、オブジェクトコードおよび実行可能コードを始めとする任意タイプのコンピュータコードを包摂する。また、用語“コンピュータ読み取り可能な媒体”はコンピュータがアクセスできる任意タイプの媒体、例えば読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、ソリッドステートドライブ(SSD)やその他のタイプのメモリを包含する。“非一時的な”コンピュータ読み取り可能な媒体には、有線通信リンク、無線通信リンク、光学通信リンクや一時的な電気信号やその他の信号を搬送するその他の通信リンクは使用しない。非一時的なコンピュータ読み取り可能な媒体には、データを永久記憶できる媒体、およびデータを記憶でき、後で上書きできる媒体、例えば書き換え可能な光ディスクまたは消去可能なメモリデバイスがある。
【0106】
また、本明細書で記載する複数のシステム要素および構成素子を記述するためにも単数表現を使用する。これは単に便宜上の措置で、本発明の範囲を全体として明らかにするためである。これに関しては、一つのまたは少なくとも一つを有すると解釈すべきで、特に断らない限り、単数表現は複数表現を含むものとする。
【0107】
本願における説明については、任意の具体的な要素、工程または機能が、特許請求の範囲に含まれる必要がある本質的な、あるいはクリティカルな要素であることを含意するものではない。請求項に記載した要旨の範囲は、許可された請求項によってのみ決定されるものである。さらに、正確な用語“するための手段”あるいは“するための工程”が明示的に特定の請求項に使用し、その後に機能を同定する分詞が続かない限り、いずれの請求項も添付請求項や請求項要素に関して35U.S.C.§112(f)を発動するものではない。
【0108】
具体的な実施態様について、作用効果、その他の作用効果、および解決すべき課題を記載してきたが、作用効果、その他の作用効果または解決すべき課題がより明瞭になる作用効果、その他の作用効果、解決すべき課題については、いずれの請求項のクリティカルで、必要な上に、神聖かつ本質的な特徴と解釈すべきではない。
【0109】
本明細書の一読後、当業者には、個別の実施態様の文脈内で明示的に示した一部の特徴も単独の実施態様に組み合わせた形で与えことができることが明らかになるはずである。逆に、単独の実施態様の文脈で簡潔さを意図して記述した各種の特徴も個別に、あるいは任意の組み合わせの形で提供できる。さらに、範囲内にある数値への言及は当該範囲内あるすべての数値を含むことを意味する。
【符号の説明】
【0110】
100 VFD実装システム
110 PMアクシアルフィールド回転エネルギーデバイス
110 アクシアルフラックスPCB固定子PMモーター
115 PCB固定子
120 VFD
121 インバータモジュール
122 整流器モジュール
123 DC母線モジュール
124 制御モジュール
125 入出力接続ペア
126 入出力接続ペア/通信ポート
127 入力ライン
128 プリント回路基板アセンブリ(PCBA)
129 PCBA
129 整流器兼DC母線モジュール
130 ラインインダクタ
131 PCBA
132 PCBA
135 PCB/PCBA
135 アセンブリ
140 入出力(I/O)モジュール
141 制御インターフェース
142 入力/出力接続部
143 パワー接続部
144 アンテナ
160 ケーブルハーネス/PCB固定子端子
170 ケーブルハーネス
180 電気コネクタ
190 接続部
200 筐体
205 冷却フィンブロック
206 スリット
207 表面
208 孔
210 シャフト
220 I/Oパススルー部
220a パススルー部
220b パススルー部
230 正面側部
240 横方向側部
250 カップリングフランジ
300 VFD筐体
300a 面
301 仕切り部
302 蓋
305 ボリューム部
310 ブラケット
315 第1羽根
320 冷却ファン
320 第2羽根
321 ハブ
322 フィン
323 円筒形管
324 ブレード
325 開口
330 導管
340 回転子/ディスク
345 第2羽根
350 第1空気流
350a 第1細流
350b 第2細流
355 通風口
355a 通風開口
355b 通風開口
356 通風口
357 空気バッフル
360 第2空気流/空気循環
365 開口
370 開口
380 空気バッフル
390a フィン
390b フィン
390c フィン
390d フィン
410 吸気口
420 ダクト
425 第2空気ダクト
430 空気排出口
440 熱交換機
【国際調査報告】