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特表2023-509625機械的ロック装置とともに配置されるパネル及びプルグリップを備えるセット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】機械的ロック装置とともに配置されるパネル及びプルグリップを備えるセット
(51)【国際特許分類】
   F16B 12/02 20060101AFI20230302BHJP
   A47B 95/02 20060101ALI20230302BHJP
   A47B 88/919 20170101ALI20230302BHJP
   F16B 21/08 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
F16B12/02 B
A47B95/02 501A
A47B95/02 503E
A47B95/02 505Z
A47B88/919
F16B21/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539767
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-07-25
(86)【国際出願番号】 SE2021050010
(87)【国際公開番号】W WO2021145813
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】2050013-8
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】ヨーアン、スベンソン
【テーマコード(参考)】
3B160
3J024
3J037
【Fターム(参考)】
3B160AA03
3B160AB11
3B160AB61
3B160DA22
3B160DA53
3B160DA58
3J024AA43
3J024BA02
3J024BA05
3J024BB02
3J024BB04
3J024CA12
3J037AA02
3J037BA01
3J037BA02
3J037BB02
3J037GA08
(57)【要約】
構成要素(1)、パネル(2)、及び前記構成要素(1)を前記パネル(2)にロックするための機械的ロック装置を含むセットが記述される。前記構成要素(1)は第1エッジ面(11)を含み、前記パネル(2)は第2エッジ面(21)を含む。前記機械的ロック装置は前記第2エッジ面(21)においてロック溝(3)を含み、前記ロック溝(3)は少なくとも一つの舌部溝(4)を含み、前記機械的ロック装置は、前記第1エッジ面(11)において少なくとも1つのロック要素(5)を備え、前記ロック要素(5)は、少なくとも1つの挿入溝(6)と、前記挿入溝(6)に位置する可撓性舌部(7)とを含む、ことをそのセットは特徴とする。前記可撓性舌部(7)は、前記第2エッジ面(21)に垂直な第1方向(D1)への前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)のロックのため前記舌部溝(4)と協働するように構成され、前記構成要素(1)は押し出し構成要素である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構成要素(1)、パネル(2)、及び前記構成要素(1)を前記パネル(2)にロックするための機械的ロック装置を含むセットであって、前記構成要素(1)は第1エッジ面(11)を含み、前記パネル(2)は第2エッジ面(21)を含み、
前記機械的ロック装置は前記第2エッジ面(21)においてロック溝(3)を含み、前記ロック溝(3)は少なくとも一つの舌部溝(4)を含み、
前記機械的ロック装置は、前記第1エッジ面(11)において少なくとも1つのロック要素(5)を備え、前記ロック要素(5)は、少なくとも1つの挿入溝(6)と、前記挿入溝(6)に位置する可撓性舌部(7)とを含み、
前記可撓性舌部(7)は、前記第2エッジ面(21)に垂直な第1方向(D1)における前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)のロックのため前記舌部溝(4)と協働するように構成され、
前記構成要素(1)は、前記第1方向(D1)に垂直であり且つ前記第2エッジ面(21)に平行な押出方向に沿って一定の断面を有する押し出し構成要素であり、
前記ロック溝(3)は、第1側壁(60)、反対側の第2側壁(61)、及び前記第1側壁(60)と前記第2側壁(61)との間に延びる底面(9)を含み、
前記舌部溝(4)は、前記第1側壁(60)において及び/又は前記第2側壁(61)において位置する、
ことを特徴とするセット。
【請求項2】
前記構成要素(1)は、アルミニウム材料などの金属で、又は熱可塑性材料などのプラスチックで、作られる、請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記ロック要素(5)はネック部(51)を備え、前記ネック部(51)は、前記挿入溝(6)と前記第1エッジ面(11)との間に位置する、請求項1又は2に記載のセット。
【請求項4】
前記構成要素(1)は、前記第1エッジ面(11)から突出する少なくとも一つのロック部分(8)を更に備え、前記ロック部分(8)は、前記第1方向(D1)と垂直である第2方向(D2)への前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)のロックのために前記ロック溝(3)の前記第1側壁(60)と協働するように構成される、請求項1~3のいずれか一項に記載のセット。
【請求項5】
前記構成要素(1)は別のロック部分(8’)を備え、当該別のロック部分(8’)は、前記第1エッジ面(11)から突出し、前記第2方向(D2)とは反対の方向への前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)のロックのために前記ロック溝(3)の前記第2側壁(61)と協働するように構成される、請求項4に記載のセット。
【請求項6】
前記ネック部(51)は、前記ロック部分(8)と前記別の前記ロック部分(8’)との間に位置する、請求項5に記載のセット。
【請求項7】
前記挿入溝(6)は、前記第1エッジ面(11)と本質的に平行であり、前記可撓性舌部(7)は、前記挿入溝(6)において変位可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載のセット。
【請求項8】
前記ロック要素(5)は、前記ロック要素(5)の底面(12)において少なくとも1つの突出部分(10)を備え、前記突出部分(10)は、前記ロック溝(3)の前記底面(9)と協働して、前記第1方向(D1)に垂直であり且つ前記第2エッジ面(21)に平行である押出方向における前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)の変位に対抗するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のセット。
【請求項9】
前記第1エッジ面(11)は、前記第1方向(D1)とは反対の方向への前記パネル(2)に対する前記構成要素(1)のロックのために前記第2エッジ面(21)と協働するように構成される、請求項1~8のいずれか一項に記載のセット。
【請求項10】
前記ロック溝(3)の前記底面(9)は、放射形状/湾曲した形状を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のセット。
【請求項11】
前記パネル(2)は、キャビネット又は引き出しのための、家具のフロントパネルである、請求項1~10のいずれか一項に記載のセット。
【請求項12】
前記構成要素(1)は、例えば取っ手などの、家具構成要素である、請求項1~11のいずれか一項に記載のセット。
【請求項13】
前記挿入溝(6)の開口部は、前記家具の前記開口方向(D3)と反対方向にある、請求項11又は12に記載のセット。
【請求項14】
前記構成要素(1)は、前記第1エッジ面(11)から突出する把持部分(30)を備える、請求項1~13のいずれか一項に記載のセット。
【請求項15】
前記第2エッジ面(21)は、前記把持部分(30)と協働するように構成される上昇部(40)を備える、請求項14に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明の実施形態は、機械的ロック装置で一緒にロックされるように構成されるパネル及び構成要素を含むセットに関する。その構成要素は、例えば取っ手などの家具構成要素であってもよく、そのパネルは、例えばキャビネットや引き出しのような家具のフロントパネルであってもよい。機械的ロック装置は、可撓性舌部を含みうる。
【背景技術】
【0002】
その開口部のための例えばキャビネットや引き出しに固定される例えば取っ手などの家具構成要素は、当技術分野で知られている。先に説明した家具構成要素は、例えばネジや接着剤で家具に固定される。これは、少なくともキャビネットや引き出しを開けるときにネジが見えてしまったり、キャビネットや引き出しに接着されている取っ手が取れてしまう可能性があったりという欠点がある。
【0003】
様々な既知の態様の上記の記述は、そのような出願人の特徴付けであり、上記の記述のいずれかが先行技術として考慮されることを認めるものではない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の少なくともある実施形態及びある態様の目的は、上述した技術及び既知技術に対する改良を提供することであり;特に、簡単に組み立てられることができ、しかも安定した美的結果を与えるセットを実現することである。
【0005】
本発明の少なくともある態様のさらなる目的は、製造すること及び使用することが容易であるロック装置を用いて組み立てられるように構成される構成要素及びパネルのセットの組み立てを容易にすることである。
【0006】
本発明の少なくともある態様のさらなる目的は、使用すること及び設置することが容易であり且つその誤った設置のリスクを低減するロック装置で組み立てられるように構成される構成要素及びパネルの組み立てを容易にすることである。
【0007】
説明から明らかになるこれらの及び他の目的及び利点の少なくともいくつかは、構成要素、パネル、及び構成要素をパネルにロックするための機械的ロック装置を含むセットによって達成されており、構成要素は第1エッジ面を含み、パネルは第2エッジ面を含み、機械的ロック装置は第2エッジ面にロック溝を含み、ロック溝は少なくとも一つの舌部溝を含み、機械的ロック装置は、第1エッジ面に少なくとも1つのロック要素を備え、ロック要素は、少なくとも1つの挿入溝と、挿入溝に配置された可撓性舌部とを含み、可撓性舌部は、第2エッジ面に垂直な第1方向におけるパネルに対する構成要素のロックのため舌部溝と協働するように構成され、構成要素は押し出し構成要素であることを特徴とする。
【0008】
ある態様によれば、押し出し構成要素は、第1方向に直交し且つ第2エッジ面に平行な押出方向に沿って一定の断面を有する。
【0009】
ある態様によれば、ロック溝は、第1側壁、反対側の第2側壁、及び第1側壁と第2側壁の間に延びる底面を含む。
【0010】
ある態様によれば、舌部溝は、第1側壁及び/又は第2側壁に配置される。
【0011】
ある態様によれば、構成要素は、アルミニウム材料などの金属で、又は熱可塑性材料などのプラスチックで作られる。
【0012】
ある態様によれば、ロック要素はネック部を備え、前記ネック部は、挿入溝と第1エッジ面との間に配置される。
【0013】
ある態様によれば、構成要素は、第1エッジ面から突出する少なくとも1つのロック部分を更に備え、ロック部分は、第1方向と直交する第2方向に構成要素をパネルにロックするためにロック溝の第1側壁と協働するように構成される。
【0014】
ある態様によれば、構成要素は別のロック部分を含み、当該別のロック部分は、第1エッジ面から突出し、第2方向とは反対の方向に構成要素をパネルにロックするためにロック溝の第2側壁と協働するように構成される。
【0015】
ある態様によれば、ネック部は、ロック部分と前記別のロック部分との間に配置される。
【0016】
ある態様によれば、挿入溝は、第1エッジ面と本質的に平行であり、可撓性舌部は、挿入溝において変位可能である。
【0017】
ある態様によれば、ロック要素は、ロック要素の底面において少なくとも1つの突出部分を備え、突出部分は、ロック溝の底面と協働して、第1方向に垂直であり且つ第2エッジ面に平行である押出方向におけるパネルに対する構成要素の変位に対抗するように構成される。
【0018】
ある態様によれば、第1エッジ面は、第1方向とは反対の方向へのパネルに対する構成要素のロックのために第2エッジ面と協働するように構成される。
【0019】
ある態様によれば、ロック溝の底面は、放射形状/湾曲した形状を有する。
【0020】
ある態様によれば、パネルは、キャビネット又は引き出しのための、家具のフロントパネルである。
【0021】
ある態様によれば、構成要素は、例えば取っ手などの家具構成要素である。
【0022】
ある態様によれば、挿入溝の開口部は、家具の開口方向と反対方向にある。
【0023】
ある態様によれば、構成要素は、第1エッジ面から突出する把持部分を備え、第2エッジ面は、把持部分と協働するように構成される上昇部を備える。
【0024】
ある態様によれば、少なくとも1つの突出部分は、ロック要素の底面から約0.5mm~約5mm、好ましくは約1mm~約3mm、より好ましくは約2mmの距離、延在する。
【0025】
ある態様によれば、舌部溝は、第2エッジ面から約1mm~約20mm、好ましくは約3mm~約15mm、より好ましくは約8mmの距離に配置される。
【0026】
ある態様によれば、挿入溝は、第1エッジ面から約1mm~約20mm、好ましくは約3mm~約15mm、より好ましくは約8mmの距離に配置される。
【0027】
ある態様によれば、ロック溝の開口部のエッジは面取りされている。
【0028】
ある態様によれば、ロック要素は、約4mm~約25mm、より好ましくは約8mm~約16mm、更に好ましくは約10mm~約12mmの距離内の長さを有する。
【0029】
ある態様によれば、ロック溝は、約4mm~約30mm、より好ましくは約9mm~約17mm、更に好ましくは約11mm~約13mmの深さを有する。
【0030】
ある態様によれば、ロック要素の長さは、ロック溝の深さと同じか、本質的に同じである。
【0031】
ある態様によれば、構成要素がロック部分と別のロック部分とを備える場合、ロック部分間の距離は、約3mm~約15mm、好ましくは約5mm~約10mm、より好ましくは約7mmである。
【0032】
ある態様によれば、ロック溝は、約3mm~約15mm、好ましくは約5mm~約10mm、より好ましくは約7mmの幅を有する。
【0033】
ある態様によれば、ネック部は、約0.5mm~約5mm、好ましくは約1mm~約3mm、より好ましくは約2mmの幅を有する。
【0034】
ある態様によれば、前記ロック部分間の距離及び/又はロック要素のネック部とロック部分との間の距離は、ロック溝の幅より小さいか、ロック溝の幅と本質的に同じである。
【0035】
ある態様によれば、パネルのコアは、木質系コアであってもよく、好ましくは、MDF、HDF、OSB、WPC、合板又はパーティクルボードで作られる。また、コアは、熱硬化性プラスチック又は熱可塑性プラスチック、例えば、ビニール、PVC、PU又はPET、を含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、フィラーを含んでもよい。
【0036】
ある態様によれば、パネルは無垢材(solid wood)であることも可能である。
【0037】
ある態様によれば、パネルは、1つ以上の表面に箔又はベニヤなどの装飾層が設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
発明の実施形態が可能であるこれら及び他の態様、特徴及び利点は、添付図面を参照し、本発明の実施形態及び態様の以下の説明から明らかになり解明され、添付図面において:
図1A図1A~1Bは、非ロック位置における及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。その構成要素は、2つのロック部分を含む。
図1B図1A~1Bは、非ロック位置における及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。その構成要素は、2つのロック部分を含む。
図2A図2A~2Bは、非ロック位置における及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。その構成要素は、1つのロック部分を含む。
図2B図2A~2Bは、非ロック位置における及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。その構成要素は、1つのロック部分を含む。
図3A図3A~3Bは、非ロック位置及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。構成要素は、2つのロック部分と、第1エッジ面から突出する把持部分とを含む。第2端面は、把持部分と協働するように構成される上昇部を含む。
図3B図3A~3Bは、非ロック位置及びロック位置における構成要素及びパネルの実施形態を示す。構成要素は、2つのロック部分と、第1エッジ面から突出する把持部分とを含む。第2端面は、把持部分と協働するように構成される上昇部を含む。
図4A図4A~4Bは、未組立状態における及び組立状態における構成要素及びパネルのある実施形態を示す。構成要素は、2つのロック部分を含む。挿入溝に可撓性舌部が配置されていない。
図4B図4A~4Bは、未組立状態における及び組立状態における構成要素及びパネルのある実施形態を示す。構成要素は、2つのロック部分を含む。挿入溝に可撓性舌部が配置されていない。
図5図5は、ロック要素の拡大図であり、挿入溝に可撓性舌部が配置されている。
図6A図6A~6Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図6B図6A~6Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図7A図7A~7Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図7B図7A~7Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図8A図8A~8Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図8B図8A~8Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図9A図9A~9Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図9B図9A~9Bは、発明のある実施形態による、ロックされた位置及びロックされていない位置における構成要素及びパネルの部分斜視図を示す。
図10A図10Aは、キャビネットや引き出しの前面から見た、ロックされていない位置及びロックされた位置における構成要素及びパネルの図を示す。
図10B図10Bは、発明のある実施形態に係る構成要素の側面図を示す。
図11図11は、発明のある実施形態に係る構成要素とパネルとを含む組み立てられた引き出しの図面を示す。
図12図12は、発明のある実施形態に係る構成要素及びパネルを含む組み立てられた引き出しの側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
詳細な説明
次に、発明の具体的な実施形態が、添付図面を参照して説明される。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で具現化されうるものであり、ここに記載される実施形態に限定して解釈されるべきではない;むしろ、これらの実施形態は、この開示が徹底的かつ完全であるように提供され、当業者に発明の範囲を十分にに伝える。添付図面に示された実施形態の詳細な説明で使用される用語は、発明を限定することを意図していない。図面中、同様の番号は同様の要素を示す。
【0040】
ここで使用される用語は、開示の特定の態様を説明するためのものであり、開示を限定することを意図するものではない。ここで使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、文脈上明らかに異なることが示されない限り、複数形も含むことが意図される。
【0041】
「備える」という単語は、必ずしも、記載されている以外の要素やステップの存在を排除するものではなく、また、要素の前に「a」又は「an」という単語があっても、そのような要素の複数の存在を排除するものではないことに留意されるべきである。更に、任意の参照符号は特許請求の範囲を限定しないこと、例示的な態様はハードウェアとソフトウェアの両方の手段によって少なくとも部分的に実施されうること、及び複数の「手段」、「ユニット」又は「デバイス」が同じハードウェアアイテムによって表現されうることに留意されるべきである。
【0042】
ここに開示される発明の様々な態様、代替及び実施形態は、ここに記載される他の態様、代替及び実施形態の1つ又は複数と組み合わせられることが可能である。2つ以上の態様を組み合わせることが可能である。
【0043】
発明のある実施形態は、構成要素1、パネル2、及び構成要素1をパネル2にロックするための機械的ロック装置を備えるセットを含む図1A~4Bに例えば示される。構成要素1は第1エッジ面11を備え、パネル2は第2エッジ面21を備える。機械的ロック装置は、第2エッジ面21においてロック溝3を含む。ロック溝3は、少なくとも1つの舌部溝4を含む。機械式ロック装置は、第1エッジ面11において少なくとも1つのロック要素5を更に備える。ロック要素5は、少なくとも1つの挿入溝6と、挿入溝6に配置された可撓性舌部7とを含む。可撓性舌部7は、第2エッジ面21に垂直な第1方向D1におけるパネル2に対する構成要素1のロックのために舌部溝4と協働するように構成される。構成要素1は、押出構成要素である。
【0044】
押し出し構成要素1は、第1方向D1に直交し且つ第2エッジ面21に平行な押出方向に沿って、一定の断面を有していてもよい。
【0045】
ロック溝3は、第1側壁60及び対向する第2側壁61と、第1側壁60と第2側壁61との間に延在する底面9と、を含んでいてもよい。
【0046】
舌部溝4は、第1側壁60及び/又は第2側壁61に位置してもよい。
【0047】
構成要素1は、アルミニウム材料などの金属で作られてもよいし、熱可塑性材料などのプラスチックで作られてもよい。
【0048】
構成要素1が例えば木製の材料で作られていた場合、それは簡単に壊れうる。金属又はプラスチック材料から構成要素1を押し出すと、強い構成要素1がもたらされうるものであり、それは迅速な、便利な、そしてコスト効率の高い方法で製造される。
【0049】
舌部溝4は、第2エッジ面21から約1mm~約20mm、好ましくは約3mm~約15mm、より好ましくは約8mm、の距離に位置してもよい。
【0050】
パネル2は、約10mm~約30mm又は約15mm~約20mmの範囲の厚さTを有していてもよい。
【0051】
ロック要素5における挿入溝6は、第1エッジ面11から、約1mm~約20mm、好ましくは約3mm~約15mm、より好ましくは約8mm、の距離に位置してもよい。
【0052】
ロック溝3は、約3mm~約15mm、好ましくは約5mm~約10mm、より好ましくは約7mm、の幅W1を有していてもよい。
【0053】
ロック溝3は、約4mm~約30mm、より好ましくは約9mm~約17mm、更に好ましくは約11mm~約13mm、の深さYを有していてもよい。
【0054】
ロック溝3の開口部のエッジは、面取りされていてもよい。これにより、構成要素1のパネル2への組み付けやロックが容易になり、ロック溝3のエッジの割れを低減する。
【0055】
構成要素1は、少なくとも1つのロック部分8を更に含んでもよい。ロック部分8は、第1エッジ面11から突出していてもよい。ロック部分8は、第2方向D2におけるパネル2に対する構成要素1のロックのために、ロック溝3の第1側壁60と協働するように構成されてもよい。第2方向D2は、第1方向D1と直交する。構成要素1が1つのロック部分8を含むある実施形態は、図2A~2B及び図7A~7Bに示される。
【0056】
1つのロック部分8を備えるその実施形態に関し、ロック要素5とロック部分8との間の距離Xは、好ましくは約3mm~約15mmであり、好ましくは約5mm~約10mmであり、より好ましくは約7mmである。
【0057】
構成要素1は別のロック部分8’を含んでもよく、当該別のロック部分8’は第1エッジ面11から突出してもよい。ロック部分8’は、第2方向D2と反対である方向へのパネル2に対する構成要素1のロックのために、ロック溝3の第2側壁61と協働するように構成されてもよい。2つのロック部分8,8’を備える様々な実施形態が、図1A~1B、3A~4B、6A~6B及び8A~9Bに示されている。
【0058】
ロック要素5及び/又はネック部51は、第2方向D2とは反対の方向へのパネル2に対する構成要素1のロックのために、ロック溝3の第2側壁61と協働するように構成されてもよい。
【0059】
図5には、ロック要素5の拡大図が示されている。ロック要素5はネック部51を含んでいてもよく、前記ネック部51は、挿入溝6と第1エッジ面11との間に位置していてもよい。ネック部51は、約0.5mm~約5mm、好ましくは約1mm~約3mm、より好ましくは約2mm、の幅W2を有していてもよい。
【0060】
ロック要素5は、約4mm~約25mm、より好ましくは約8mm~約16mm、更に好ましくは約10mm~約12mmの距離内の長さL1を有していてもよい。
【0061】
ロック要素5の長さL1は、ロック溝3の深さYと同じであってもよいし本質的に同じであってもよい。
【0062】
挿入溝6には、可撓性舌部7が配置されていてもよい。図4A~4Bは、可撓性舌部7が挿入溝6に挿入される前の発明のある実施形態を示す。挿入溝6は、第1エッジ面11と本質的に平行であってもよく、可撓性舌部7は、そこで変位可能であってもよい。
【0063】
ロック要素5のネック部51は、ある実施形態では、ロック部分8と前記別のロック部分8’との間に位置してもよい。
【0064】
ロック部分8と前記別のロック部分8’との間の距離Zは、約3mm~約15mm、好ましくは約5mm~約10mm、より好ましくは約7mm、としてもよい。
【0065】
ある態様によれば、ネック部51の幅W2、ロック要素5とロック部分8との間の距離X、及び/又はロック部分8と前記別のロック部分8’との間の距離Zは、ロック溝3の幅W1より小さいか、又は本質的に同じである。
【0066】
ロック要素5は、ロック要素5の底面12において少なくとも1つの突出部分10を含んでもよい。突出部分10は、ロック溝3の底面9と協働して、第1方向D1に直交し且つ第2エッジ面21に平行な押出方向におけるパネル2に対する構成要素1の変位に対向するように構成されてもよい。少なくとも1つの突出部分10は、ロック要素5の底面12から約0.5mm~約5mm、好ましくは約1mm~約3mm、より好ましくは約2mm、の距離を延びていてもよい。
【0067】
第1エッジ面11は、第1方向D1とは反対の方向へのパネル2に対する構成要素1のロックのために、第2エッジ面21と協働するように構成されてもよい。
【0068】
ロック溝3の底面9は、放射形状/湾曲した形状を有していてもよい。これはロック溝3が割れるリスクを低減する。
【0069】
パネル2は、例えば、キャビネットや引き出しなどの家具のフロントパネルであってもよい。構成要素1は、例えば、取っ手などの家具構成要素であってもよい。
【0070】
挿入溝6の開口部は、家具の開口方向D3とは反対方向であってもよい。これは、挿入溝6の開口部が開口方向D3と同じ方向である場合よりも、良好なロック性能を与える。
【0071】
構成要素1は、第1エッジ面11から突出する把持部分30を含んでいてもよい。これにより、キャビネットや引き出しを開ける人の指が把持部分30の周囲を良好に把持することができるため、キャビネットや引き出しの開口が容易になる。
【0072】
第2エッジ面21は、図3A~3B及び図8A~8Bに見られるように、上昇部40を含んでいてもよい。上昇部40は、把持部分30と協働するように、さらに機械的ロック装置の安定性を更に向上させるように構成されてもよい。上昇部40は、好ましくは、約3mmの幅W3を有する。薄い上昇部40は、上昇部40が折れてパネル2から落下してしまうことをもたらしうる。
【0073】
図10Aは、引き出し又はキャビネットの前面から見た、非ロック位置及びロック位置における構成要素1及びパネル2の図を示す。ロック溝3のその実施形態は、パネル2の幅W4よりも短い長さL2を有する。
【0074】
図10Bは、構成要素1のある実施形態の側面図を示す。構成要素1のその実施形態は、パネル2の幅W4よりも短い長さL3を有するロック要素5を含んでいてもよい。
【0075】
構成要素1のその実施形態の第1及び第2の外側部分22、23は、第1エッジ面11で平坦であってもよい。ロック要素5及び/又はロック部分8は、例えばフライス加工又は鋸引きなどの機械的切断によって、第1及び/又は第2の外側部分22、23において除去されてもよい。
【0076】
図11は、組み立てられた引き出しの図を示す。その引き出しは、発明のある実施形態に係る構成要素1及びパネル2を含む。
【0077】
図12は、組み立てられた引き出しの側面図を示す。その引き出しは、発明のある実施形態に係る構成要素1とパネル2とを含み、引き出しは方向D3に開かれる。
【0078】
構成要素1のパネル2へのロックは、第1エッジ面11において、第2エッジ面21において、上昇部40において、及び/又は上昇部40と協働するように構成される把持部分30の側において、ロック溝3に接着剤を与えることによって更に強化されうる。
【0079】
パネル2のコアは、木質ベースコアであってもよく、好ましくはMDF、HDF、OSB、WPC、合板又はパーティクルボードから作られる。またコアは、熱硬化性プラスチック又は熱可塑性プラスチック、例えばビニール、PVC、PU又はPET、を含むプラスチックコアであってもよい。プラスチックコアは、フィラーを含んでいてもよい。またパネル2は無垢木材であってもよい。パネル2は、一面又は複数面において、箔やベニヤなどの装飾層が設けられてもよい。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】