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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】アンカ機構を備えたカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/04 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
A61M25/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540425
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-07-14
(86)【国際出願番号】 US2020070925
(87)【国際公開番号】W WO2021138631
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/955,651
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/119,366
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マリーナリック・ジェイミー・リン
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・エメリウス
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
(72)【発明者】
【氏名】ロペズ・サイモン
(72)【発明者】
【氏名】スアレス・ポール
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA05
4C267BB02
4C267BB11
4C267BB12
4C267BB26
4C267BB40
4C267CC08
4C267EE03
4C267HH08
(57)【要約】
カテーテルは、カテーテル本体と、長手方向軸に沿って延びる細長い部材を含む遠位先端セクションと、を含む。アンカ機構は、第1の構成において、細長い部材の外面に沿って、かつ/又は細長い部材内に配置することができる。第2の構成では、アンカ機構は、長手方向軸に対して半径方向外向きに延びて、遠位先端セクションの少なくとも一部を取り囲むように構成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルであって、
カテーテル本体と、
長手方向軸に沿って延びる細長い部材を備える遠位先端セクションと、
第1の構成で、前記細長い部材の外面に沿って、かつ/又は前記細長い部材内に配置されたアンカ機構であって、第2の構成で、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに延び、前記遠位先端セクションの少なくとも一部を取り囲むように構成されている、アンカ機構と、を備える、カテーテル。
【請求項2】
前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクション上の、又は前記遠位先端セクションに隣接する前記カテーテルの遠位端を出て、1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成する1つ又は2つ以上のワイヤであって、前記1つ又は2つ以上のワイヤの遠位端が前記遠位先端セクションに固定的に取り付けられている、1つ又は2つ以上のワイヤと、
前記1つ又は2つ以上のワイヤ及び/或いは前記遠位先端セクションを引き、前記アンカ機構を前記第1の構成から前記第2の構成に移行させるように構成されたプラーワイヤと、を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
第1の構成から第2の構成に移行する前記アンカ機構が、前記カテーテルを前記第2の構成で外向きに湾曲又は屈曲させ、血管壁に所定の力を送達させる、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記1つ又は2つ以上のワイヤが、前記血管壁に対して固定するために、前記カテーテルの外面の片側のみに非対称に位置付けられている、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記第2の構成にある前記1つ又は2つ以上のワイヤが、前記カテーテルの外径よりも少なくとも4倍大きい直径を備える、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクション上の、又は前記遠位先端セクションに隣接する前記カテーテルの開口部を出るシースと、
1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成するように前記第1の構成と前記第2の構成との間でシースの中及び外に伸縮する伸長可能部材であって、前記伸長可能部材の遠位端が前記遠位先端セクションに固定的に取り付けられている、伸長可能部材と、を備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
第1の距離で前記シースを近位に動かすこと及び/又は前記伸長可能部材を遠位に動かすことが、前記伸長可能部材を、前記カテーテルの外径よりも大きい対応する直径の1つ又は2つ以上の拡張状態の間で半径方向外向きに拡張させる、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項8】
前記開口部が、前記カテーテルの外面に一方向弁を形成するスリットを含む、請求項6に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクションに隣接する複数の拡張可能部材であって、空隙がそれぞれの拡張可能部材の間に位置付けられている、複数の拡張可能部材を備え、
拡張可能部材の近位の前記カテーテル本体の部分を、前記遠位先端セクションが比較的静止している間に移動させることが、それぞれの拡張可能部材を、前記カテーテル本体の外径よりも大きい前記第2の構成に半径方向外向きに拡張させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記拡張可能部材の各々が、前記第2の構成でバルーン式に外向きに拡張して、多孔性アンカバルーンを形成する、請求項9に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記アンカ機構が、
前記カテーテル本体に沿って遠位方向で軸方向に延び、前記遠位先端セクションにおいて、又は前記遠位先端セクションに隣接して、固定的に取り付けられて終端する複数のワイヤ部材を備え、前記複数のワイヤ部材を押すことが、前記ワイヤ部材を、その他のものから外向きに離して、前記第2の構成へと拡張させる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項12】
前記複数のワイヤ部材が、前記カテーテル本体内から、前記カテーテル本体の管腔内の開口部を通って延びている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項13】
前記カテーテル本体が、少なくとも2つの内側管腔を備え、前記2つの内側管腔のうちの少なくとも1つが、前記複数のワイヤ部材の遠位端を固定的に受容するように構成されている、請求項11に記載のカテーテル。
【請求項14】
前記細長い部材が、前記細長い部材の外面に配置された円周方向の開口部を備え、前記アンカ機構が、前記細長い部材の前記円周方向の開口部から外向きに半径方向に延びるように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項15】
前記アンカ機構が可変ループラッソを備え、前記アンカ機構が、前記可変ループラッソを形成し、前記第1の構成から前記第2の構成に移動するときにカテーテル管腔から前記カテーテルの外面の開口部を通って伸長可能な1つ又は2つ以上のワイヤを備える、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項16】
前記アンカ機構が、円形、スパイラル、又は螺旋の形態を備え、前記第2の構成で前記カテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを備え、それによって、前記アンカ機構が前記カテーテルの長手方向軸と軸方向に整列する、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記アンカ機構が、円形、スパイラル、又は螺旋の形態を備え、前記第2の構成で前記カテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを備え、それによって、前記アンカ機構が、前記カテーテルの外面の片側のみに取り付けられ、前記血管壁に対して押し付けられる、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記アンカ機構が、前記カテーテルの外面に接続された1つ又は2つ以上のストリップを備え、前記1つ又は2つ以上のストリップは、前記遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分がその近位方向の前記カテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜かれるときに、束ねられて外向きに延びるように構成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記1つ又は2つ以上のストリップが、前記カテーテルの外面の複数のスリットを通って外向きに伸長可能である、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記1つ又は2つ以上のストリップが、前記1つ又は2つ以上のストリップに動作可能に接続されたエンドユーザによって作動可能な1つ又は2つ以上のプル部材によって前記第2の構成へと作動される、請求項18に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カテーテルを患者の血管内に固定するためのシステム及び手法に関する。
【背景技術】
【0002】
カテーテル技術は、他の用途の中でも、多くの異常を診断するため、血管疾患を治療するため、血管介入を実行するため、血管閉塞するためのデバイスを送達するため、かつ、組織に薬剤を局所的に送達するために広く利用されている。カテーテル先端の安定性は、前述のタイプのカテーテルのいずれかに関連付けられた特定の処置の成功にとって重要になり得る。
【0003】
例えば、冠動脈血管形成術において、ガイドカテーテルを用いたステント留置は、ガイドワイヤ又は介入デバイスカテーテルが、狭窄病変を通って前進するときに、又は狭窄病変を通って前進しようとする試みが行われるときに、病変によって生じる抵抗よって、カテーテルによる後退につながる可能性がある。十分な固定がないと、他の問題の中でもとりわけ、病変を横断するための繰り返しの試みが必要になる可能性がある。
【0004】
更に、頸動脈病変では、ガイドカテーテルが血管開口部から後退する傾向があるため、鋭角はステント送達を複雑にする可能性がある。
【0005】
最後に、電極カテーテルは、心臓内の電気的活動を刺激及びマッピングし、異常な電気的活動の部位を切除するために使用されてきた。使用にあたり、電極カテーテルは、主要な静脈又は動脈、例えば大腿静脈の中に挿入され、次いで対象となる心房/心室の中に案内される。心臓内では、カテーテル先端の正確な位置及び向きを制御する能力が重要である。したがって、電極カテーテルの不安定性は、関連する処置の結果(例えば、心臓マッピングの信頼できない結果)に影響を与える可能性があり、そのため、特定の処置の成功には重要になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の解決策は、これら及び他の当技術分野の問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本開示の発明者は、冠状静脈洞壁などの血管壁に効果的に固定することができるカテーテルが必要であることを認識している。いくつかの例では、カテーテルが開示されている。いくつかの例では、カテーテルは、カテーテル本体と、長手方向軸に沿って延びる細長い部材を備える遠位先端セクションと、を含むことができる。アンカ機構は、第1の構成では、細長い部材の外面に沿って、かつ/又は細長い部材の中に配置することができる。第2の構成では、アンカ機構は、遠位先端セクションの少なくとも一部分を取り囲むように、長手方向軸に対して半径方向外向きに延びるように構成されている。
【0008】
いくつかの例では、カテーテルの遠位端を遠位先端セクション上で、又はそれに隣接して出て、1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成する1つ又は2つ以上のワイヤが含まれ得る。1つ又は2つ以上のワイヤの遠位端は、遠位先端セクションに固定的に取り付けることができる。プラーワイヤは、1つ又は2つ以上のワイヤ及び/或いは遠位先端セクションを引いて、アンカ機構を第1の構成から第2の構成に移行させるように構成することができる。
【0009】
いくつかの例では、アンカ機構は、1つ又は2つ以上のワイヤを引っ張り、対応する1つ又は2つ以上のワイヤの遠位端と近位端との間の距離を効果的に減少させるプラーワイヤによって作動される。
【0010】
いくつかの例では、プラーワイヤが中立場所にあるとき、1つ又は2つ以上のワイヤがカテーテル本体に沿って軸方向に整列される。
【0011】
いくつかの例では、第1の構成から第2の構成に移行するアンカ機構が、カテーテルを第2の構成で外向きに湾曲させるか又は屈曲させ、血管壁に所定の力を送達させる。
【0012】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤアンカの1つ又は2つ以上のワイヤは、形状固定されたものである。
【0013】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、血管壁に対して固定するために、カテーテルの外面の片側のみに非対称に位置付けられている。
【0014】
いくつかの例では、第2の構成にある1つ又は2つ以上のワイヤは、カテーテルの外径より少なくとも2倍大きい直径を含む。
【0015】
いくつかの例では、第2の構成にある1つ又は2つ以上のワイヤは、カテーテルの外径より少なくとも4倍大きい直径を含む。
【0016】
いくつかの例では、第2の構成にある1つ又は2つ以上のワイヤは、血管壁に接触する非外傷性表面を含む。
【0017】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、第2の構成からカテーテル内に戻って格納可能であることができる。
【0018】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、カテーテルの遠位端を複数回出るように構成され、先端セクションにおいて、又はそこに隣接して固定される。
【0019】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、プラーワイヤに動作可能に結合された近位ハンドルから前進することによって、第2の構成に展開される。
【0020】
いくつかの例では、アンカ機構は、遠位先端セクション上の、又はそれに隣接するカテーテルの開口部を出るシースを含む。第1の構成と第2の構成との間でシースの中及び外に伸縮して1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成する伸長可能部材を含むことができ、伸長可能部材の遠位端は、遠位先端セクションにしっかりと取り付けられる。
【0021】
いくつかの例では、シースは、伸長可能部材の外径よりも大きい内径を有する管腔を含む。
【0022】
いくつかの例では、第1の距離でシースを近位方向に移動すること、及び/又は伸長可能部材を遠位方向に移動することにより、伸長可能部材をカテーテルの外径よりも大きい、対応する直径の1つ又は2つ以上の拡張状態の間で半径方向外向きに拡張させる。
【0023】
いくつかの例では、開口部は、カテーテルの外面に一方向弁を形成するスリットを含む。
【0024】
いくつかの例では、開口部は楕円形の形状を含む。
【0025】
いくつかの例では、開口部は長方形の形状を含む。
【0026】
いくつかの例では、第2の構成にあるアンカ機構は、カテーテルの外径より少なくとも2倍大きい直径を含む。
【0027】
いくつかの例では、第2の構成にあるアンカ機構は、カテーテルの外径より少なくとも4倍大きい直径を含む。
【0028】
いくつかの例では、アンカ機構は、遠位先端セクションに隣接する複数の拡張可能部材を含む。空隙は、それぞれの拡張可能部材の間に位置付けることができる。これに関して、拡張可能部材に近位のカテーテル本体の部分を、遠位先端セクションが比較的静止している間に移動させることが、それぞれの拡張可能部材を、カテーテル本体の外径よりも大きい第2の構成に半径方向外向きに拡張させる。
【0029】
いくつかの例では、拡張可能部材の各々は、長手方向軸の周りで半径方向に連続して配置することができる。
【0030】
いくつかの例では、拡張可能部材のそれぞれは、独立して第2の構成に移動可能である。
【0031】
いくつかの例では、拡張可能部材の各々は、第2の構成へと独立して遠位に並進されるように構成されたそれぞれのプッシュワイヤを含む。
【0032】
いくつかの例では、拡張可能部材の各々は、第2の構成において同じ又は類似の直径を含む。
【0033】
いくつかの例では、拡張可能部材の各々は、第2の構成においてバルーン式に外向きに拡張して、多孔性の固定バルーンを形成する。
【0034】
いくつかの例では、拡張可能部材のそれぞれは、第2の構成において異なる直径を含む。
【0035】
いくつかの例では、拡張可能部材は集合的に実質的に平面又は平坦な形状を形成する。
【0036】
いくつかの例では、拡張可能部材は集合的に非円形の形状を形成する。
【0037】
いくつかの例では、拡張可能部材のうちの1つ又は2つ以上は、それに沿って別々に位置付けられた複数の電極を含み、複数の電極は、異なる血管深さ及び半径方向位置で同時に読み取られるように構成される。
【0038】
いくつかの例では、アンカ機構は、カテーテル本体に沿って収束から遠位に軸方向に延び、遠位先端セクションにおいて、又はそこに隣接して固定的に巻き付けられた1つ又は2つ以上の可変ループラッソで終端する複数のワイヤ部材を含む。複数のワイヤ部材を押すことで、ワイヤ部材を第2の構成へと外側に拡張させる。
【0039】
いくつかの例では、カテーテル本体の管腔内で収束から開口部を通って近位に延びるプッシャワイヤが含まれる。プッシャワイヤは、第1の構成と第2の構成との間でアンカ機構を作動するように構成されている。
【0040】
いくつかの例では、カテーテル本体の外面に沿って概して近位方向に延びるプッシャワイヤが含まれる。
【0041】
いくつかの例では、第2の構成にある複数のワイヤ部材は、複数の異なる配向及び/又は直径の間で外向きに拡張するように構成される。
【0042】
いくつかの例では、第2の構成では、複数のワイヤ部材のうちの少なくとも2つは、その他のものに対して概ね直交している。
【0043】
いくつかの例では、第2の構成では、複数のワイヤ部材のうちの少なくとも2つが、その他のものに対して概ね鈍角を形成する。
【0044】
いくつかの例では、アンカ機構は、カテーテル本体に沿って遠位に軸方向に延び、遠位先端セクションにおいて、又はそこに隣接して固定的に取り付けられて終端する複数のワイヤ部材を含む。複数のワイヤ部材を押すことにより、ワイヤ部材を、その他のものから外向きに離して、第2の構成へと拡張させる。
【0045】
いくつかの例では、複数のワイヤ部材の近位端から近位に延びるプッシャワイヤが含まれる。
【0046】
いくつかの例では、カテーテル本体の内部からカテーテル本体の管腔内の開口部を通って近位に延びるプッシャワイヤが含まれる。
【0047】
いくつかの例では、複数のワイヤ部材の各々は、第2の構成で血管壁に外向きの半径方向の力を送達し、複数のワイヤ部材の各々は、カテーテル本体の周りに半径方向に配置されている。
【0048】
いくつかの例では、複数のワイヤ部材は、概して楕円形の第1の構成で、その他のものから離れて湾曲している。
【0049】
いくつかの例では、カテーテル本体は、少なくとも2つの内側管腔を含み、2つの内側管腔のうちの少なくとも1つは、複数のワイヤ部材の遠位端を固定的に受容するように構成されている。
【0050】
いくつかの例では、細長い部材は、細長い部材の外面に配置された円周方向の開口部を含み、アンカ機構は、細長い部材の円周方向の開口部から外側に半径方向に延びるように構成されている。
【0051】
いくつかの例では、カテーテルは、カテーテル本体と、長手方向軸に沿って延びる細長い部材を含む位先端セクションと、を含むことができ、細長い部材は、細長い部材の外面に配置された円周方向の開口部を備える。アンカ機構が、第1の構成にある細長い部材内に配置されている。アンカ機構は、第2の構成にある遠位先端セクションの少なくとも一部を取り囲むために、細長い部材の円周方向の開口部から長手方向軸に対して外側に延びるように構成されている。
【0052】
いくつかの例では、アンカ機構は、管腔内の第1の構成であって、カテーテルの管腔と同一の広がりを有する第1の構成と、血管壁に対して固定するためのカテーテルの外部にある第2の構成と、のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0053】
いくつかの例では、カテーテルは1つ又は2つ以上の電極を含み、カテーテルは電極カテーテルである。
【0054】
いくつかの例では、アンカ機構は可変ループラッソを含む。
【0055】
いくつかの例では、アンカ機構は、第1の構成から第2の構成に移動するときに、カテーテルの管腔からカテーテルの外面の開口部を通って伸長可能である。
【0056】
いくつかの例では、可変ループラッソは、開口部を通って遠位方向に並進することによって、第1の構成から第2の構成に移動可能な1つ又は2つ以上のワイヤを含む。
【0057】
いくつかの例では、可変ループラッソは、可変ループラッソをニシキヘビ又はボアのようにカテーテル本体の周りで拡張及び/又は収縮させることによって、第1の構成から第2の構成に作動可能である。
【0058】
いくつかの例では、可変ループラッソは、可変直径ループを備え、かつ第2の構成で血管壁を押し付けるように構成された1つ又は2つ以上のワイヤを含む。
【0059】
いくつかの例では、可変ループラッソは、異なる直径を有する複数の異なる第2の構成の間で移動可能である。
【0060】
いくつかの例では、アンカ機構は、円形、スパイラル、又は螺旋の形態に成形され、かつ第2の構成にあるカテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを含む。
【0061】
いくつかの例では、第2の構成では、アンカ機構は、カテーテルの長手方向軸と軸方向に整列している。
【0062】
いくつかの例では、第2の構成では、アンカ機構は、血管壁に押し付けられるカテーテルの外面の片側のみに取り付けられている。
【0063】
いくつかの例では、カテーテルは、可変ループラッソに取り付けられたコイル状ワイヤを含み、コイル状ワイヤは、可変ループラッソが開口部を通って展開し、血管壁に固定されるように捻じり可能になっている。
【0064】
いくつかの例では、コイル状のワイヤは、可変ループラッソの近位端に取り付けられている。
【0065】
いくつかの例では、コイル状のワイヤは、カテーテル本体のカテーテル管腔に軸方向に接続されている。
【0066】
いくつかの例では、コイル状ワイヤはカテーテルに軸方向に接続され、コイル状ワイヤはカテーテル本体の外面に巻き付けられている。いくつかの例では、コイル状ワイヤは1つ又は2つ以上の捻りを含む。
【0067】
いくつかの例では、アンカ機構は、カテーテルの外面に接続された1つ又は2つ以上のストリップを含み、1つ又は2つ以上のストリップは、遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分が、その近位方向のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜かれるときに束ねられて外向きに延びるように構成されている。
【0068】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、カテーテルの外径の少なくとも2倍の直径まで外向きに延びるように構成される。
【0069】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、バルーンのような方法でカテーテルの少なくとも2つの対向する側に外向きに延びるように構成される。
【0070】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、カテーテルの外面の複数のスリットを通って外向きに延びるように構成される。
【0071】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、1つ又は2つ以上のストリップに動作可能に接続されたエンドユーザによって作動可能な1つ又は2つ以上のプル部材によって第2の構成へと作動される。
【0072】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、カテーテルの片側だけに位置付けられ、その片側だけで血管内に押し込まれるように構成される。
【0073】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、遠位先端セクションの複数の電極の間に位置付けられる。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも切除用電極を含む。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも記録用電極を含む。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも感知用電極を含む。
【0074】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップを取り囲む領域は、エラストマーを含む軟質で柔軟なプラスチックを含む。
【0075】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップを囲む領域は、Pebax(登録商標)を含む軟質で柔軟なプラスチック(ポリエーテルブロックアミド)を含む。
【0076】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0077】
いくつかの例では、ストリップを第2の構成に移動させるために、カテーテルが所定の距離だけ引き抜かれる。いくつかの例では、所定の距離は、第2の構成においてストリップの半径方向の広がりを伴う1:1の比率を含む。
【0078】
いくつかの例では、アンカ機構は、カテーテルの外面に接続された複数のストリップを含み、これら複数のストリップは、遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分が、その近位方向のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜かれるときに束ねられて外向きに延びるように構成されている。いくつかの例では、複数のストリップは半径方向に分離されている(例えば、カテーテルの長手方向軸の周りに半径方向に均等に分離されている)。いくつかの例では、複数のストリップは、カテーテルの外径の少なくとも2倍の直径まで外向きに延びるように構成される。いくつかの例では、複数のストリップは、バルーンのような方法でカテーテルの少なくとも2つの対向する側に外向きに延びるように構成される。いくつかの例では、複数のストリップは、カテーテルの外面の複数のスリットを通って外向きに延びるように構成される。いくつかの例では、複数のストリップは、ストリップに動作可能に接続されたエンドユーザによって作動可能な1つ又は2つ以上のプル部材によって第2の構成へと作動される。
【0079】
いくつかの例では、複数のストリップは、遠位先端セクションの複数の電極の間に位置付けられる。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも切除用電極を含む。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも記録用電極を含む。いくつかの例では、複数の電極は、少なくとも感知用電極を含む。
【0080】
いくつかの例では、領域は、複数のストリップを取り囲み、エラストマーを含む軟質で柔軟なプラスチックを含む。
【0081】
いくつかの例では、領域は、複数のストリップを取り囲み、Pebax(登録商標)を含む軟質で柔軟なプラスチック(例えば、ポリエーテルブロックアミド)を含む。
【0082】
いくつかの例では、複数のストリップは、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0083】
いくつかの例では、複数のストリップを第2の構成に移動させるために、カテーテルが所定の距離だけ引き抜かれる。いくつかの例では、所定の距離は、第2の構成において複数のストリップの半径方向の広がりを伴う1:1の比率を含む。
【0084】
いくつかの例では、カテーテルの遠位先端セクションは、アンカ機構を第2の構成に移動させるために格納可能になっている。本実施形態のアンカ機構は、複数の壁を含み、複数の壁のうちの第1の壁は柔軟であり、複数の壁のうちの第2の壁は、第1の壁よりも剛性のストリップとして形成され、ストリップは、遠位先端セクションが引き抜かれて、第1の壁がそれ自体でしわくちゃになるとき、外向きに拡張可能になっている。
【0085】
いくつかの例では、複数の壁は、遠位先端セクションの複数の電極の間に位置付けられる。
【0086】
いくつかの例では、第1の壁は、エラストマーを有する軟質で柔軟なプラスチックを含む。
【0087】
いくつかの例では、第1の壁は、Pebax(登録商標)を有する軟質で柔軟なプラスチック(例えば、ポリエーテルブロックアミド)を含む。
【0088】
いくつかの例では、第2の壁は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む。
【0089】
いくつかの例では、カテーテルは、カテーテルの動きを検出するためのセンサを含む。
【0090】
いくつかの例では、カテーテルは、アンカ機構が血管壁に固定されているかどうかを検出するためのセンサを含む。
【0091】
いくつかの例では、アンカ機構は、第2の構成にあるカテーテルの外径よりも大きい半径方向の広がりに拡張可能なバルーンであり、バルーンは、血管を閉塞することなく、拡張して血管壁に固定するように構成されている。
【0092】
いくつかの例では、バルーンは、第1の構成でカテーテル内で圧潰可能である。
【0093】
いくつかの例では、バルーンは、少なくとも1つの遠位先端セクション内で、又はそこに隣接するカテーテルの壁で形成された拡張可能セクションを含み、拡張可能セクションは、カテーテルの包囲壁セクションよりも軟質であり、第2の構成で、外向きに拡張して血管壁に圧力を加えるように構成される。
【0094】
いくつかの例では、バルーンは、遠位先端セクション内に、又はそれに隣接して位置付けられ、カテーテル内の圧力管腔と流体連絡している。
【0095】
いくつかの例では、バルーンは、カテーテルの片側のみから外向きに拡張するように構成されている。
【0096】
いくつかの例では、バルーンは、カテーテルの外径の少なくとも2倍の半径方向の広がりに外向きに拡張するように構成される。
【0097】
いくつかの例では、アンカ機構は、遠位先端セクションの長さに沿って拡張可能である。
【0098】
いくつかの例では、アンカ機構は、1つ又は2つ以上のワイヤを含み、これは、遠位先端セクション上の、又はそれに隣接するカテーテルの遠位端を出て、1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成する。
【0099】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤアンカの1つ又は2つ以上のワイヤは、形状固定である。
【0100】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤアンカは、血管壁に対して固定するために、カテーテルの外面の片側のみに位置付けられている。
【0101】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤアンカは、少なくとも1つのアンカバンプで膨らんだ1つ又は2つ以上のワイヤを含む。いくつかの例では、第2の構成にある少なくとも1つのアンカバンプは、カテーテルの外径より少なくとも2倍大きい直径を含む。いくつかの例では、少なくとも1つのアンカバンプは、血管壁に接触する非外傷性表面を含む。いくつかの例では、少なくとも1つのアンカバンプは、血管壁に固定するための釣り針形状の表面を含む。
【0102】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、第2の構成からカテーテル内に戻って格納可能であることができる。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、カテーテルの遠位端を複数回出るように構成され、先端セクションにおいて、又はそこに隣接して固定される。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、カテーテルの近位端に動作可能に結合された近位シャフト又は近位ハンドルから前進されることによって、第2の構成に展開される。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤは、使用の間にカテーテルのカテーテル本体に格納可能な単一プラー機構から第2の構成に展開される。
【0103】
いくつかの例では、カテーテルを治療部位の血管に固定するための方法が開示されている。本方法は、カテーテルを治療部位に送達することを含むことができ、カテーテルは、カテーテル本体と、遠位先端セクションから展開可能なアンカ機構を備える遠位先端セクションと、を含み、アンカ機構は、カテーテルの管腔の中の、又はそれと同一の広がりを有する第1の構成と、血管壁に対して固定するためにカテーテルの外部にあり、アンカ機構を展開し、アンカ機構を血管壁に固定する第2の構成と、を含む。いくつかの例では、血管壁は冠状静脈洞壁である。いくつかの例では、本方法のカテーテルは、1つ又は2つ以上の電極を含み、電極カテーテルである。
【0104】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、円形、スパイラル、又は螺旋の形態に成形され、かつ第2の構成にあるカテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを含む。
【0105】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、可変ループラッソを含む。
【0106】
いくつかの例では、本方法は、第1の構成から第2の構成にアンカ機構を展開するときに、カテーテル管腔からカテーテルの外面の開口部を通してアンカ機構を伸長することを含む。
【0107】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、1つ又は2つ以上のワイヤを備えた可変ループラッソを含む。この実施形態における方法は、開口部を通してアンカ機構を遠位に並進させることを含み、それにより、アンカ機構を第1の構成から第2の構成へと移動させる。
【0108】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、可変直径ループを備える1つ又は2つ以上のワイヤを備えた可変ループラッソを含む。この実施形態の方法は、第2の構成にある可変ループラッソによって、血管壁に押し付けることを含む。
【0109】
いくつかの例では、本方法は、異なる直径を有する複数の異なる第2の構成の間にある可変ループラッソを移動することを含む。
【0110】
いくつかの例では、本方法は、アンカ機構をカテーテルの長手方向軸と軸方向に整列させることを含む。
【0111】
いくつかの例では、本方法は、アンカ機構をカテーテルの外面の片側のみに位置付けることと、第2の構成にあるアンカ機構によって血管壁に押し付けることと、を含む。
【0112】
いくつかの例では、本方法は、可変ループラッソに取り付けられたコイル状ワイヤを取り付けることと、コイル状ワイヤを捻り、それによって、可変ループラッソを開口部を通して展開させ、血管壁に固定させることと、を含む。
【0113】
いくつかの例では、本方法は、可変ループラッソの近位端にあるコイル状のワイヤを取り付けることを含む。
【0114】
いくつかの例では、本方法は、コイル状ワイヤをカテーテル本体のカテーテル管腔に軸方向に接続することを含む。
【0115】
いくつかの例では、本方法は、コイル状ワイヤをカテーテル本体に軸方向に接続して巻き付けることを含み、コイル状ワイヤは、カテーテル本体の外面に巻き付けられている。コイル状ワイヤは、1つ又は2つ以上の捻り、及び/又はループを含むことができる。
【0116】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、カテーテルの外面に接続された1つ又は2つ以上のストリップを含む。この実施形態における方法は、遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分を、その近位のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向かって引き抜き、それによって、1つ又は2つ以上のストリップを束ねて外向きに延ばすことを含む。本方法はまた、1つ又は2つ以上のストリップを、カテーテルの外径の少なくとも2倍の直径まで外向きに延ばすことも含むことができる。本方法はまた、カテーテルの少なくとも2つの対向する側にバルーンのような方法で1つ又は2つ以上のストリップを外向きに延ばすことも含むことができる。本方法はまた、1つ又は2つ以上のストリップをカテーテルの外面の複数のスリットを通して外向きに延ばすことも含むことができる。本方法はまた、1つ又は2つ以上のストリップに動作可能に接続された1つ又は2つ以上のプル部材を引くか、又は並進することによって、1つ又は2つ以上のストリップを第2の構成に作動することも含むことができる。
【0117】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルの片側のみに1つ又は2つ以上のストリップを位置付けることと、第2の構成にあるアンカ機構の1つ又は2つ以上のストリップによって、その片側のみの血管壁に押し付けることと、を含むことができる。
【0118】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のストリップを遠位先端セクションの複数の電極の間に位置付けることを含むことができる。
【0119】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のストリップを取り囲む領域を、エラストマーを含む軟質で柔軟なプラスチックで位置付けることを含むことができる。
【0120】
いくつかの例では、本方法は、Pebax(登録商標)を含む軟質で柔軟なプラスチック(ポリエーテルブロックアミド)で1つ又は2つ以上のストリップを取り囲む領域を位置付けることを含むことができる。
【0121】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルを所定の距離だけ引き抜き、1つ又は2つ以上のストリップを第2の構成に移動させることを含むことができる。所定の距離は、第2の構成にある1つ又は2つ以上のストリップの半径方向の広がりを伴う1:1の比率を含むことができる。
【0122】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、カテーテルの外面に接続された複数のストリップを含む。本方法は、遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分を、その近位のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜き、それによって、複数のストリップを束ねて外向きに延ばすことを含むことができる。本方法はまた、複数のストリップをカテーテルの外面に沿って半径方向に分離することを含むことができる。複数のストリップは半径方向に均等に分離されることができる。本方法はまた、複数のストリップをカテーテルの外径の少なくとも2倍の直径まで外向きに延ばすことも含むことができる。本方法はまた、複数のストリップをカテーテルの少なくとも2つの対向する側にバルーンのような方法で外向きに延ばすことも含むことができる。
【0123】
いくつかの例では、本方法は、複数のストリップをカテーテルの外面の複数のスリットを通して外向きに延ばすことを含む。本方法はまた、複数のストリップに動作可能に接続された1つ又は2つ以上のプル部材を引くこと、又は並進することによって、複数のストリップを第2の構成に作動することも含むことができる。本方法はまた、カテーテルの片側のみに複数のストリップを位置付けることと、第2の構成にあるアンカ機構の複数のストリップによって、その片側のみで血管壁に押し付けることと、を含むことができる。本方法はまた、遠位先端セクションの複数の電極の間に複数のストリップを位置付けることも含むことができる。
【0124】
いくつかの例では、本方法は、エラストマーを含む軟質で柔軟なプラスチックで複数のストリップを取り囲む領域を位置付けることを含む。
【0125】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルを所定の距離引き抜くことで、複数のストリップを第2の構成に移動させることを含む。所定の距離は、第2の構成にある複数のストリップの半径方向の広がりを伴う1:1の比率を含むことができる。
【0126】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルのセンサによって、カテーテルの動きを検出することを含む。
【0127】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルのセンサによって、アンカ機構が血管壁に固定されているかどうかを検出することを含む。
【0128】
いくつかの例では、本方法は、各AC磁場は、異なる周波数にある複数のAC磁場を生成することによって、アンカ機構の位置及び配向を判定することと、遠位先端セクションの近位にある複数のセンサにおいて、AC磁場を感知し、生成された磁場及び感知された磁場を表す信号に応答して、遠位先端セクションの一部分の位置及び配向の寸法を計算することと、を含む。
【0129】
いくつかの例では、本方法は、各AC磁場が異なる周波数にある複数のAC磁場を生成することによって、遠位先端セクションの位置及び配向を判定することと、遠位先端セクションの近位にある複数のセンサにおいて、AC磁場を感知することと、生成された磁場及び感知された磁場を表す信号に応答して、遠位先端セクションの一部分の位置及び配向の寸法を計算することと、を含む。
【0130】
いくつかの例では、本方法は、少なくとも1つの磁界発生器によって、基準系を確立するために外部から印加された磁場を生成することと、遠位先端セクションの周りに単一軸コイルを備え、各単一軸コイルが、遠位先端セクションの周りの異なる、それぞれの点で固定されている複数のセンサを位置付けることと、単一軸コイルからの信号を処理することによって、単一軸コイルの寸法的、並進的、かつ配向的座標を判定することと、を含む。
【0131】
いくつかの例では、本方法は、1つ以上の電極を、前述の単一軸コイルのうちの少なくとも1つに対する既知の固定場所で遠位先端セクションに位置付けることを含み、それぞれの電極の場所は、単一軸コイルの寸法的、並進的、かつ配向的座標から導出される。
【0132】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のプラーワイヤを動かすことに応答して先端セクションを偏向させることを含む。
【0133】
いくつかの例では、本方法は、操舵アセンブリによって、1つ又は2つ以上のプラーワイヤを動かすことを含む。
【0134】
いくつかの例では、本方法は、それぞれのプラーワイヤが延びる軸外管腔の方向で先端セクションを偏向させることを含む。
【0135】
いくつかの例では、本方法は、偏向ノブを備える制御ハンドルとカテーテルを組み立てることと、偏向ノブを回転させることによって、先端セクションの先端偏向配向を調整することと、を含む。
【0136】
いくつかの例では、本方法は、約7度未満の角度で長手方向軸に対して偏向するためにプーリによって引かれた1つ又は2つ以上のプラーワイヤのセグメントを延ばすことを含む。
【0137】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構はバルーンを含み、そこでは、固定の工程は、第2の構成にあるカテーテルの外径よりも大きい半径方向の広がりまでバルーンを拡張することを更に含み、それにより、血管を閉塞することなくアンカ機構を血管壁に固定する。
【0138】
いくつかの例では、本方法は、第1の構成にあるカテーテル内のバルーンを潰すことを含むことができる。
【0139】
いくつかの例では、本方法は、遠位先端セクション内の、又はそこに隣接するカテーテルの壁の拡張可能セクションでバルーンを形成することを含むことができ、拡張可能セクションは、カテーテルの包囲壁セクションよりも軟質になっており、第2の構成で外向きに拡張して、血管壁に圧力を加えるように構成される。
【0140】
いくつかの例では、本方法は、バルーンを遠位先端セクション内に、又はそれに隣接して、カテーテル内の圧力管腔と流体連通して位置付けることを含むことができる。
【0141】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルの片側のみからバルーンを外向きに拡張することを含むことができる。
【0142】
いくつかの例では、本方法は、カテーテルの外径の少なくとも2倍の半径方向の広がりまでバルーンを外向きに拡張することを含むことができる。
【0143】
いくつかの例では、本方法は、遠位先端セクションの長さに沿ってバルーンを外向きに拡張することを含むことができる。
【0144】
いくつかの例では、本方法のアンカ機構は、1つ又は2つ以上のワイヤを含む。この実施形態における方法は、アンカ機構の1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成するために、遠位先端セクション上の、又はそこに隣接するカテーテルの遠位端を出る1つ又は2つ以上のワイヤを含む。いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のワイヤアンカの1つ又は2つ以上のワイヤを形状固定することを含むことができる。いくつかの例では、本方法は、血管壁に対して固定するために、カテーテルの外面の片側のみに1つ又は2つ以上のワイヤアンカを位置付けることを含むことができる。
【0145】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のワイヤアンカを膨らませて、少なくとも1つのアンカバンプを形成することを含むことができる。少なくとも1つのアンカバンプは、カテーテルの外径より少なくとも2倍大きい第2の構成の直径を含むことができる。少なくとも1つのアンカバンプは、血管壁に接触する非外傷性表面を含むことができる。少なくとも1つのアンカバンプは、血管壁に固定するための釣り針状表面を含むことができる。
【0146】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のワイヤを第2の構成からカテーテル内に格納することを含むことができる。
【0147】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のワイヤが、複数回カテーテルを出て、そこに戻って格納することを含むことができる。
【0148】
いくつかの例では、アンカ機構を展開する工程は、1つ又は2つ以上のワイヤをカテーテルの近位端に動作可能に結合された近位シャフト又は近位ハンドルから前進させることを含む。
【0149】
いくつかの例では、アンカ機構を展開する工程は、使用の間にカテーテルのカテーテル本体内に格納可能な単一のプラー機構から第2の構成に1つ又は2つ以上のワイヤを前進させることを含む。
【0150】
以下の本発明の実施形態の詳細な説明を図面と併せ読むことによって、本開示のより完全な理解が得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0151】
本明細書は、本明細書において説明される主題を具体的に指摘し、かつ明確にその権利を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本主題は、添付図面を伴う以下の説明からよりよく理解されるものと考えられ、様々な図面において、同様の参照符号は同様の構成要素を特定する。図面は、必ずしも縮尺どおりではなく、代わりに、本開示の原理を例解することが重視されている。図は、限定としてではなく単なる例解として、本発明のデバイスの1つ又は2つ以上の実装形態を描写している。
図1A】本開示の例示的なカテーテルの一実施形態の側面図である。
図1B図1Aの先端セクションのセクションA-Aに沿って取った拡大側面図である。
図2図1A図1Bの例示的なカテーテルの拡大前方平面図である。
図3A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図3B図3Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図4A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図4B図4Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図5A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図5B図5Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図6A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図6B図6Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図7A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図7B図7Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図8A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図8B図8Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図9A図8Aの先端セクションの代替的部分の拡大側面図である。
図9B図9Aの先端セクションの拡大断面図である。
図10A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図10B図10Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図11A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図11B図11Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図12A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図12B図12Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図13A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図13B図13Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図14】例示的な血管内で拡張された、本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図15A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図15B図15Aの先端セクションの一部分の拡大斜視図である。
図15C】第1の配向にある図15Aの先端セクションの一部分の拡大平面図である。
図15D】第2の配向にある図15Aの先端セクションの一部分の拡大平面図である。
図16】アンカ機構の一部分の拡大側面図を描いている。
図17A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の拡大上面図である。
図17B図17Aの先端セクションの一部分の拡大側面図である。
図17C図17Aの先端セクションの一部分の拡大斜視図である。
図17D】第1の配向にある図17Aの先端セクションの一部分の拡大平面図である。
図17E】第2の配向にある図17Aの先端セクションの一部分の拡大平面図である。
図18】例示的な血管内で第2の構成にあるアンカ機構の正面平面図である。
図19】組織切除の例示的な方法を示すフロー図である。
図20A】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの斜視図一部分を示している。
図20B図20Aの先端セクションの一部分の別の拡大側面図である。
図21】本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクションの一部分の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0152】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指してもよい。
【0153】
本明細書で使用するとき、「被検体」又は「患者」は、被検体又は患者からの血管を含んでおり、任意の該当するヒト患者、並びに任意の哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを指し得る。一例において、動物は、ヒトに類似したある特性を有するように特別に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、ウサギ、サルなど)であってもよい。
【0154】
本明細書で使用するとき、「操作者」は、医師、外科医、又は本開示のデバイスと共に使用される医療処置に関連する任意の他の個人若しくは器具を含んでもよい。
【0155】
本開示は、概して、使用時にカテーテルの遠位先端セクションを安定させるための1つ又は2つ以上のアンカ機構を備えたカテーテルに関する。図1A図1Bを参照すると、操舵可能な双方向電極カテーテル10が示されている。カテーテル10は、近位端及び遠位端を有する細長いカテーテル本体12と、カテーテル本体12の遠位端にある先端セクション14と、カテーテル本体12の近位端にある制御ハンドル16と、を含むことができる。図1Bは、セクションA-Aに沿って取られた先端セクション14の拡大側面図である。本体12は、単一軸又は中央管腔18を有する細長い管状構造を含むことができる。カテーテル本体12は、可撓性であることができる(例えば、曲げ可能であるが、その長さに沿って実質的に非圧縮可能である)。カテーテル本体12は、任意の好適な構造を有することができ、任意の好適な材料で作製することができる。
【0156】
先端セクション14は、長手方向軸25を備え、その軸から一方向又は双方向に偏向されることができる。先端セクション14はまた、先端セクション14の周りで選択的に位置付けられた、及び/又は分離された1つ又は2つ以上の電極19を含むことができる。先端セクション14はまた、それに沿って位置付けられ、及び/又は展開可能なアンカ機構50を含むことができる。電極カテーテルが本明細書で提供される図に示されているが、他のタイプのカテーテルが、本明細書で開示されるアンカ機構と共に使用するために企図されることが理解される。機構50は、第1の構成(例えば、潰れた構成)で、本体12内に、及び/又はそれに沿って配置することができる。機構50は、細長い部材の円周方向の開口部から長手方向軸に対して外側に延びて、第2の構成(例えば、拡張構成)にある遠位先端セクションの少なくとも一部分を取り囲むように構成することができる。
【0157】
描かれた図1A図1Bの例では、機構50は、先端セクション14において、又はその周り(例えば、その中の管腔内)を含む本体12の内部に位置付け可能であり得、展開されると、1つ又は2つ以上のワイヤ52を備えることができる。図2は、図1A図1Bのカテーテル10の拡大前方平面図である。図示されるように、ワイヤ52は、可変ラッソの形状か、そうでなければ、円形、スパイラル、又は螺旋の形態などの形状固定された構成にあることができる。図示されるように、1つ又は2つ以上のワイヤ52は、概して薄く可撓性であることができる、1つ又は2つ以上の湾曲セクション又はループ53を含むことができる。1つ又は2つ以上のループ53は、セクション14の周りに配置することができるが、ワイヤ52が対応する血管壁に接触した場合であっても、血液が流れることができる空間をそれらの間に残す。これに関して、1つ又は2つ以上のループ53を形成するワイヤ52は、血管自体の血流を閉塞することを回避しながら、血管壁への固定を容易にする。機構50の1つ又は2つ以上のループセグメント53は、軸25と軸方向に整列されるか、又は別様に配向することができる。
【0158】
1つ又は2つ以上のループセグメント53は、1つ又は2つ以上のループセグメント53に近接する細長いベースセグメント55に接続することができる。1つ又は2つ以上のワイヤ52によって形成される1つ又は2つ以上のループセグメント53の曲率は、操舵機構及び/又は制御機構(図示せず)を用いて調整可能であり得る(例えば、機構50の直径、ループ間の距離、第2の構成にある機構50の長さなど)。機構50の任意のループセグメント53の半径は、調整可能(例えば、7~25mm)であり得る。いくつかの例では、機構50の1つ又は2つ以上のループは、肺静脈の口又は冠状静脈洞などの構造に一致するように寸法設定することができる。1つ又は2つ以上のループセグメント53は、例えば、湾曲部分を弾性長手方向部材で内部補強して、それによって、第2の構成で、機構50を血管壁に十分に固定するようにすることから、その長さの少なくとも一部分にわたって概して一定である弾性を含むことができる。1つ又は2つ以上のループセグメント53は、概して、その近位にある1つ又は2つ以上のワイヤの残りの部分よりも厚く及び/又は堅くすることができる。
【0159】
図1A図1Bに描かれているよりも多いか、又は少ないループは、必要に応じて、又は要求に応じて提供することができる。描かれた機構50の1つ又は2つ以上のループはまた、第2の構成で血管壁に対して押すように構成された可変直径ループを含むことができる。描かれた機構50はまた、異なる直径を有する複数の異なる第2の構成間で移動するか、又は別様に調整される(例えば、異なるサイズの血管系の範囲を収容するために異なる直径間を移動する)ように構成することができる。
【0160】
図1A図2に描かれたワイヤ52は、所定の方法でスパイラル状に又は境界形成することができる。ワイヤ52は、カテーテル10の軸25に対して傾斜して配向することができる。本開示を通して、「傾斜して」という用語は、形状化された1つ又は2つ以上のワイヤ52に最もよく適合し、軸25に対して角度が付けられた空間内の平面を意味することが意図されている。平面Pと軸25との間の角度θは、約45度~105度、好ましくは約75度~105度、より好ましくは約90度の範囲であることができる。セクション14は、長手方向軸(例えば、軸25)に沿って延びる細長い部材を含むことができ、細長い部材は、細長い部材の外面に配置された円周方向の開口部22を有している。図1Bにおいて、より明確に見られるように、開口部22を設けることができ、そこから機構50が第2の構成に拡張するまで遠位方向に並進させることができる。一旦拡張されると、機構50は、冠状静脈洞壁などの血管壁に対して固定する(例えば、血管壁に押し込む)ことができる。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ52は、固定のプロセス中に血管壁との接触力を検出して、固定のために所定の力が達成されることを確実にするセンサを含むことができる。或いは、対応する血管壁の破裂を回避するため所定の力を超えないことを確実にするためにセンサを使用することができる。
【0161】
展開される前に、機構50は、カテーテル10の管腔内に収容される第1の構成にあることができる。例えば、機構50の1つ又は2つ以上のワイヤ52は、カテーテル10の管腔(例えば、管腔22)の内部に位置付けることができる。1つ又は2つ以上のワイヤ52はまた、カテーテル10と共に延びるものであり得る。特定の例では、開口部22に関連付けられた管腔は、先端セクション14においてカテーテル本体12の外面に選択的に位置付けられたスリットによって形成されることができ、それにより、そこから展開される1つ又は2つ以上のワイヤ52のための間隔を提供する。いくつかの例では、機構50は、カテーテル10の外面の片側のみに取り付けられるか、又は別様に第2の構成になることができ、それにより、一方の側の血管壁に押し付けられる。
【0162】
図3Aは、別の例示的なカテーテルの先端セクション114の一部分の拡大側面図である。図3Bは、第2の構成にある図3Aの先端セクション114の一部分の別の拡大側面図である。この例では、機構50と同様の機構150は、セクション114の外面に、又はそこに隣接して位置付けられた開口部122を介して、伸長可能及び/又は展開可能である。機構150は、前述の機構50に類似した1つ又は2つ以上のループセグメント153を形成する1つ又は2つ以上のセグメント152(例えば、ワイヤ又は他の生体適合性材料)を含むことができる。見ることができるように、1つ又は2つ以上のセグメント152は、1つ又は2つ以上のワイヤ52よりも太くすることができるが、必ずしも太くなくてもよい。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のセグメント152は、カテーテル110の管腔よりも小さい直径のカテーテル構造を含むことができる。
【0163】
見ることができるように、コイル状ワイヤ154は、機構50及び任意の対応する1つ又は2つ以上のループセグメント153の近位に取り付けることができる。コイル状のワイヤ154は、ワイヤ154を捻るか、又は他の方法で動かすことにより、機構150を開口部122を通して伸長及び/又は展開させることができるように構成されることができる。いくつかの例では、ワイヤ154を捻るか、又は他の方法で動かすことにより、図3Bのように、その1つ又は2つ以上のループ153のいずれかを含む機構150を第2の構成で血管壁に固定させることもでき、それにより、ユーザは、機構150を血管壁に対して調整可能かつ正確に押すことができる。ワイヤ154は、カテーテル110上で、又はその周りで1つ又は2つ以上の捻れを含むことができ、カテーテル110に軸方向に接続される(例えば、カテーテル110の外面に巻き付けられる)ことができる。しかしながら、ワイヤ154は、そのように制限されておらず、カテーテル110の外面及び/又は内面に、必要に応じて、又は要求に応じて、他の場所又は異なる方法で取り付けることができる。更に、いくつかの例では、機構150は、第1の構成にある細長いワイヤの捻れを第2の構成にあるコイル状ワイヤ154に追加又は除去することによって(例えば、ワイヤ154を捻るか、又はその他の方法で動かすことによって)、開口部を通して展開することができ、次に、機構150を作動して、1つ又は2つ以上のループ153を形成するか、及び/又はその他の方法で血管壁に固定する。
【0164】
図4Aは、固定前の第1の構成にある本開示の別の例示的なカテーテル210の先端セクション214の一部分の拡大側面図である。図4Bは、第2の構成にある先端セクション214の一部分の別の拡大側面図であり、ここでは、機構250が固定のために構成されている。図示されるような機構250は、カテーテル210の外面のスリット222を通って伸長可能、かつ/又は展開可能な1つ又は2つ以上のストリップを含むことができる。いくつかの例では、1つ又は2つ以上の電極が、1つ又は2つ以上のストリップ252と共に含まれることができる。1つ又は2つ以上のストリップ252は、セクション214が距離Dで短縮されている図4A図4Bの間で見られるように、遠位先端セクション214の1つ又は2つ以上の部分が、その近位方向のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜かれるときに、束になって外向きに延びるように構成することができる。距離Dは、第2の構成にある1つ又は2つ以上のストリップ252の半径方向の広がりを有する所定の比率(例えば、1:1の比率、1:2の比率など)によって選択されることを含めて、範囲を定めることができる。第2の構成に要求される外径に対応する距離Dを選択するために、必要又は要求に応じて、任意の比率が使用され得ることが理解される。1つ又は2つ以上のストリップ252は、1つ又は2つ以上のストリップ252に動作可能に接続されたエンドユーザによって作動可能な1つ又は2つ以上のプル部材によって第2の構成に作動させることができる。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ252及び/又はスリット222は、カテーテル210を中心に置くために、半径方向に等間隔のストリップであることができる。
【0165】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上のストリップ252は、カテーテル210の外径の少なくとも2倍の直径まで外向きに伸長可能であることができる。1つ又は2つ以上のストリップ252は、図示されるように、カテーテル210の片側のみに位置付けられ、また、その片側のみで血管内に押し込まれるように構成され得る。しかしながら、1つ又は2つ以上のストリップ252は、バルーンと同様に、カテーテル210の複数の側から外向きに延びるように設計され得ることが企図される。1つ又は2つ以上のストリップ252は、電極19の間に位置付けられることができ、電極は、切除用電極、記録用電極、感知用電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであり得る。いくつかの例では、カテーテル210の動き、及び/又は機構250が血管壁に固定されているかどうかを検出するために、1つ又は2つ以上の感知用電極を含むことができる。電極19によるそのような感知は、機構250が十分に固定されているか、又は不必要に動いているかどうかをエンドユーザに伝えるのに特に有利であり得る。
【0166】
1つ又は2つ以上のストリップ252を取り囲む領域は、エラストマーを含む比較的軟質の、かつ/又は柔軟なプラスチックを含むことができる。周辺領域に許容される材料には、ポリエーテルブロックアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、硬質ポリアミドブロック及び軟質ポリエーテルブロックからなるブロックコポリマーとしてのエラストマーを含み得るPebax(登録商標)のうちの1つ又は組み合わせを含むことができる。
【0167】
図5Aを参照すると、カテーテル本体12が第1の構成で示されており、一方で、図5Bは第2の構成で示されている。機構350は、図5Bにおいて、より明確に示されており、カテーテル本体12の外面を介して展開されており、カテーテル本体12の1つ又は2つ以上の部分が、その近位のカテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて距離Dで引き抜かれた後に、1つ又は2つ以上のストリップ352が束ねられ、外向きに延びている。いくつかの例では、アンカ機構350は、複数の壁352、358を含むことができる。第1の壁358は、柔軟であることができ、複数の壁の第2の壁352は、第1の壁358よりも剛性なストリップとして形成され得る。例えば、剛性が低い、柔軟な第1の壁358は、任意の低デュロメータのPebax、ウレタン、他のポリマー、及び/又は同様のものから作製することができる。他の例では、第1の壁358は、第1の壁358がそれ自体で潰れて、かつ/又はしわくちゃになることを可能にする薄壁の押出材から作製することができる。剛性材料は、PEEK、比較的高いデュロメータを含むプラスチック、ニチノールのような形状金属、通常のウレタン、Pebax及び/又は同様のものから作製することができる。
【0168】
壁352は、エラストマーを含む比較的軟質の、かつ/又は柔軟なプラスチックを含むことができる。いくつかの例では、壁352は、カテーテル310が距離Dで収縮し、それによって壁352のストリップが座屈することを可能にするために、より軟質な材料で設計されている。壁352のストリップは、その周りのセクションが距離Dだけ引き抜かれ、第1の壁358が、それ自体でしわくしゃになるときに、外向きに拡張可能であり得る。壁352に許容される材料には、ポリエーテルブロックアミド、並びに剛性ポリアミドブロック及び軟質ポリエーテルブロックからなるブロックコポリマーとしてエラストマーを含むことができるPebax(登録商標)のうちの1つ又は組み合わせを含むことができる。壁358は、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含み、より剛性であることができる。機構250と同様に、機構350は、電極19の間に位置付けることができ、電極は、切除用電極、記録用電極、感知用電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであることができる。
【0169】
図6Aを参照すると、機構450は、カテーテル本体12で潰れた第1の構成で示されている。逆に、図6Bは、第2の拡張した構成の機構450を示す。機構450は、領域452の比較的軟質セクションを通して提供されることができ、それによって、そこに加えられる圧力が、前述の軟質セクション452を外向きに拡張して及びバルーン状にすることができる。いくつかの例では、領域452の拡張可能セクションは、カテーテル本体12の包囲壁セクションよりも軟質であるカテーテル本体12の壁で形成することができる。いくつかの例では、圧力は、機構450の領域452と流体連通している管腔454を介して直接的に加えることができる。管腔454を介して領域452に圧力を加えると、機構450が、図6Bの描かれたバルーン状構成へと外向きに拡張することができる。いくつかの例では、図示されるように、片側のみで拡張を達成するために、特定の半径方向のパーセンテージ又は程度での拡張を防止するために、硬質の、又はその他のより剛性の材料が、領域452の周りに追加され得る。いくつかの例では、領域452は、カテーテル本体12の片側のみから外向きに拡張することができるが、領域452は、2つ以上の側から外向きに拡張することが企図される。
【0170】
図7Aを参照すると、アンカ機構550の拡大側面図が、第1の構成の予備展開で示されており、一方で、図7Bは、カテーテル本体12から展開され、容器壁に固定することが可能な、第2の構成の機構550を示している。機構550は、1つ又は2つ以上のワイヤ552を含むことができ、これらは、1つ又は2つ以上のスリット522、或いはカテーテル本体12の開口部を通って遠位に出るように成形及び構成されている。図7Bの第2の構成では、所定の距離で遠位に移動又は並進された後、1つ又は2つ以上のワイヤ552を容器壁内に押し込まれ、固定されるように構成された釣り針式アンカの形態で見ることができる。1つ又は2つ以上のワイヤ552は、展開された後、第2の構成からカテーテル本体12内に戻って格納可能であることができる。1つ又は2つ以上のワイヤ552もまた、カテーテル本体12のそれぞれのスリット522又は開口部を複数回出ることができ、先端セクションに、又はそれに隣接して固定される。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ552は、カテーテル10の近位端に動作可能に結合された近位シャフト又は近位ハンドルから前進されることによって、第2の構成に展開される。
【0171】
1つ又は2つ以上のワイヤ552は、使用されていないときに1つ又は2つ以上のワイヤ552をカテーテル本体522内に格納し、使用のためにスリット522又は開口部から展開するように構成されたプルワイヤ機構に直接的又は間接的に形状固定され、接続され得る。1つ又は2つ以上のワイヤ552が釣り針型形状で見られるが、外傷性が低い固定のための代替的なワイヤ形状が考えられる。図7Bに示すように、1つ又は2つ以上のワイヤ552を、血管壁又は多数の側に対して固定するために、カテーテル本体12の外面の片側のみに位置付けることができる。
【0172】
図8Aを参照すると、アンカ機構650の拡大側面図が、第1の構成の予備展開で示されており、一方で、図8Bは、カテーテル本体12から展開された第2の構成の機構650を示し、血管壁に固定することができる。機構650は、1つ又は2つ以上のワイヤ652を含むことができ、これらは、1つ又は2つ以上のスリット622、或いはカテーテル本体12の開口部を通って遠位に出るように成形及び構成されている。図8Bの第2の構成では、所定の距離で遠位に移動又は並進された後、1つ又は2つ以上のワイヤ652が、少なくとも1つの固定バンプで膨らんでいるのを見ることができる。図8Bの第2の構成の1つ又は2つ以上のワイヤ652の少なくとも1つの固定バンプは、カテーテル本体12の外径よりも少なくとも2倍大きな集合的直径を含むことができる。
【0173】
1つ又は2つ以上のワイヤ652の少なくとも1つの固定バンプは、固定中に血管壁に接触するように構成された非外傷性表面を含むことができる。1つ又は2つ以上のワイヤ652は、展開された後、第2の構成からカテーテル本体12内に格納することができる。1つ又は2つ以上のワイヤ652はまた、カテーテル本体12のそれぞれのスリット622又は開口部を複数回出ることができ、先端セクションに、又はそれに隣接して固定される。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ652は、カテーテル10の近位端に動作可能に結合された近位シャフト又は近位ハンドルから前進されることによって、第2の構成に展開される。
【0174】
図9Aを参照すると、アンカ機構650’の拡大側面図が示されている。特に、図9Aの機構650’は、展開及び拡張された第2の構成で示されている。1つ又は2つ以上の電極19が、スリット又は開口部622の間に設けられ、それによって、650’が、カテーテル本体12の片側のみに非対称に展開されて示されている。描かれた構成では、ワイヤ652’は、その近位端(図示せず)を遠位に移動させることによって外向きに付勢され、その結果、外側ワイヤ652’を第2の構成に座屈させるように示されている。ワイヤ652’は、1つ又は2つ以上の点(例えば、遠位スリット又は開口部622で)に固定されることができる。第1の構成と第2の構成との間で移動する際、ワイヤ652’の一部又は全部は、対応する血管壁に接触してその中に固定するように構成され得る。ワイヤ652’の拡張した直径はまた、必要に応じて、又は要求に応じて、ワイヤ652’を遠位に又は近位に並進させることによって操作されることもできる。
【0175】
有利にも、第2の構成で互いに約90度の角度Aで配向されたワイヤ652’の出口点と遠位固定点を提供することにより、ワイヤを押し出すために必要な力量は、大幅に低減され、このことは、構成間を作動させるためにより少ない力を要し、その結果、患者に伝達される低減された力で展開制御が向上することから、望ましい。角度Aで規定されるように、直交構成で配向された機構650は、必ずしも好ましくなり得ず、又は最適にもなり得ないが、図示されるように、出口点及び終点を線上に有することで、ワイヤ652’を押し下げるよりほぼ軸方向の力の伝達を形成し、その一方で、軸外での座屈をより容易にすることを理解されたい。更に、伸長したワイヤ652によって形成された放物線形状と一致する平面を有することで、カテーテルの軸とより平行にすることは、より効果的な固定をもたらすことができる。図9Bは、遠位スリット622にある、又はそこに隣接する遠位固定端部で取られた断面図であり、遠位スリット622において、又はそこに隣接して、伸長したワイヤ652’と固定された遠位端との間に規定された例示的な直交角度Aを示す。
【0176】
図10Aを参照すると、別の例示的なカテーテルの遠位先端セクション714の一部分の拡大側面図である。図10Bは、第2の構成の図10Aの先端セクション714の一部分の拡大側面図である。この実施例では、前の機構50及び150に類似した機構750は、ニシキヘビ及びボアコンストリクタに類似して、本体12の周りでその1つ又は2つ以上の可変ラッソループを拡張及び収縮させることによって展開及び展開解除され得る。機構750の遠位端756は、カテーテル本体12に取り付けられていない自由端とすることができ、一方で、近位端757は、本体12に取り付けられると共にシールされることができる。機構750は、依然として側面出口を使用することができるが、必ずしも開放通路を含み得ない。機構750は、前述の機構50及び150と同様に、1つ又は2つ以上のループセグメント753を形成する1つ又は2つ以上のセグメント752(例えば、ワイヤ又は他の生体適合性材料)を含むことができる。患者の外側では、操作者(例えば、外科医)は、対応する血管壁に対して調整可能にアンカ機構750に移動するときに、図10A図10Bの間でより明確に見られるスパイラル又はループを締め付けるように構成された、プルワイヤなどの作動機構を使用することができる。図10Aの構成は、治療部位でそこから解放されると、対応する送達機構から拡張可能であり得る。
【0177】
図11A図11Bを参照すると、別の例示的なアンカ機構750が示されている。図11Aは、固定前の第1の構成の別の例示的なカテーテル本体12及び対応する機構750の先端セクション14の一部分の拡大側面図である。図11Bは、第2の構成における先端セクション14の一部分の別の拡大側面図であり、ここでは、機構750は、半径方向に拡張されており、図9と同様に、血管壁に固定するように構成されている。図示されるような機構750は、カテーテル本体12の外面のスリット又は開口部722を通って拡張可能、かつ/又は展開可能な1つ又は2つ以上のワイヤ752を含むことができる。
【0178】
1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、束ねられ、1つ又は2つ以上の穴、細長いストリップ又は切り欠き、そこを通って1つ又は2つ以上のワイヤ部材752が展開することができるカテーテル本体12の外面に形成された柔軟な弁などのカテーテル本体12の1つ又は2つ以上の部分を通って外側に延びるように構成されることができる。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、血管に外向きの力を付与することができる。一例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752、及び概して対応するカテーテル10と組織との間の摩擦によって血管に加えられる力は、カテーテル10を所定の位置に固定し、血管内の運動に抵抗することができる。
【0179】
1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、固定のために所定の力が達成されることを確実にするために、特定の力を送達するように、及び/又は固定のプロセス中に容器壁との接触力を検出するためのセンサを含むように構成されることができる。或いは、対応する血管壁が破裂することを回避するために、所定の力が超過しないことを確実にするためにセンサが使用されることができる。機構750と共に使用するのに特に適した接触力センサが、2018年7月16日に出願された米国特許出願第16/036710号で説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0180】
いくつかの例では、1つ又は2つ以上の電極19が、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752と共に含まれることができる。1つ又は2つ以上のワイヤ部材752上に位置付けられている、この例における1つ又は2つ以上の電極は、複数の信号が血管内の内周の周りから血管内で同じか、又は同様の深さで取得されることを可能にすることができる。一例では、セクション14が引き抜かれて、セクション14を湾曲させるか、そうでない場合、屈曲させている図11A図11Bに示されるように、展開はセクション14をその近位にあるカテーテル10の1つ又は2つ以上の部分に向かって引き抜くことによって達成することができる。
【0181】
一例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、対応する1つ又は2つ以上のワイヤ部材752の遠位端と近位端との間の距離(例えば、ワイヤ部材の長さではなく最短距離)を効果的に低減するプラーワイヤを作動させることによって展開される。いくつかの例では、プラーワイヤは、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752の遠位端に接続され得る。次に、引っ張られるか、その他の方法で作動されると、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は外向きに拡張し、展開される。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752の近位部分は、カテーテル本体12に固定されることができる。これに関して、プラーワイヤが中立位置にあるとき、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、カテーテル本体12と類似したプロファイルを含むことができる(例えば、それと軸方向に整列される)。いくつかの例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、カテーテル本体12の外径の少なくとも4倍の直径まで外向きに伸長可能であり得る。
【0182】
一例では、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、カテーテル本体12を通って延び、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752に結合されたプッシャワイヤによって展開され得る。プッシャワイヤの遠位端は、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752の遠位端に固定されることができ、近位端は、対応するハンドルにおいて機構750の軸方向並進を制御することができる。この実施例における機構750の固定は、プッシャワイヤの近位端を遠位方向に押すことによって達成されることができ、これが、プッシャワイヤの長さとカテーテル本体12の内部の1つ又は2つ以上のワイヤ部材752とを半径方向外向きに拡張させる。
【0183】
1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、図示されるように、カテーテル本体12の片側のみに位置付けられることができ、また、その片側のみで血管内に押し込まれるように構成され得る。しかしながら、1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、バルーンと同様に、カテーテル本体12の複数の側から外向きに延ばされ得ることが企図される。1つ又は2つ以上のワイヤ部材752は、電極19の間に、及び/又はその周りに位置付けられることができ、電極は、切除用電極、記録用電極、感知用電極、同様のもののうちの1つ又は組み合わせであり得る。いくつかの例では、カテーテル本体12に関連付けられたカテーテル10の動きを検出するため、及び/又は機構750が血管壁に固定されているかどうかを判定するために、1つ又は2つ以上の感知用電極が含まれることができる。電極19によるそのような感知は、機構750が十分に固定されているか、又は不必要に動いているかどうかをエンドユーザへ伝える際に、特に有利になり得る。
【0184】
図12Aを参照すると、機構850を有するカテーテル本体12が第1の構成で示されており、一方で、図12Bは、第2の構成にある機構850を有するカテーテル本体12を示す。いくつかの実施例では、機構850は、第1の構成と第2の構成との間でシース部材852Aを中及び外に伸縮することができる伸長可能部材852Bを含むことができる。この点で、部材852Aは、部材852Bの外径よりも大きい内径を有する管腔を有し得る。部材852A、852Bの各々は、同じ又は異なる材料を含むことができ、それぞれが別々に作動可能であり得る。
【0185】
特に、機構850は、カテーテル本体12の外面に位置付けられた開口部822を通して展開されているように図12Bに示されている。開口部822は、カテーテル12の外面に一方向弁を形成するスリットであり得る。他の実施形態では、開口部822は、機構850の第1の構成及び第2の構成を収容するために、実質的に楕円形、長方形、又は任意の他の形状であることができる。
【0186】
いくつかの例では、部材852Aは、近位に移動される(例えば、引っ張られる)ことができ、一方で、部材852Bの遠位端は、開口部822の遠位端において固定的に取り付けられることができる。第1の距離で近位に移動する部材852A及び/又は遠位に移動する部材852Bにより、部材852Bは、カテーテル12の外径よりも大きい対応する直径の1つ又は2つ以上の拡張状態の間で半径方向外向きに拡張することができる。いくつかの例では、部材852A及び/又はカテーテル12と共に以前に収容された部材852Bの長さは、開口部822を通って、かつ対応する血管壁に半径方向外向きに解放され得る。
【0187】
いくつかの例では、機構850の第2の構成の直径は、対応する血管直径の直径と同じ大きさか、又はそれより大きくなり得る。部材852A、852Bの一方又は両方は、所定の付勢(例えば、熱セット、それと共に構成されたばね様要素を用いて、など)で形成されることができ、部材852Aが近位に引き抜かれるときに機構を半径方向外向きに拡張させるようになっている。
【0188】
開口部822上にあるか、又はそれに隣接する材料として許容できる材料は、ポリエーテルブロックアミド、並びに硬質ポリアミドブロック及び軟質ポリエーテルブロックからなるブロックコポリマーとしてエラストマーを含み得るPebax(登録商標)のうちの1つ又は組み合わせを含むことができる。本開示の以前のアンカ機構と同様に、機構850は、切除用電極、記録用電極、感知用電極などのうちの1つ又は組み合わせであり得る電極19の間に位置付けられ得る。図示されていないが、部材852A、822Bはまた、それに沿って選択的に位置付け、かつ/又は間隔を空けた電極19を含み得る。同様に、開口部822に隣接するカテーテル12の部分はまた、それに沿って選択的に位置付け、かつ/又は間隔を空けた1つ又は2つ以上の電極19も含み得る。
【0189】
図13Aを参照すると、機構950を有するカテーテル本体12が第1の構成で示されており、一方で、図13Bは、第2の構成にある機構950を有するカテーテル本体12を示す。いくつかの例では、機構950は、可撓性及び/又は拡張可能部材952A、952B、952C、952Dを含むことができる。ここでは4つの拡張可能部材が示されているが、必要に応じて、又は要求に応じて、より少ないか、又はより多くの拡張可能部材が機構950と共に含まれることができる。部材952A、952B、952C、952Dは、カテーテル本体12と一体的又は別個に形成され得る。間隙、空隙、又は空間は、それぞれの部材952A、952B、952C、952Dの間に位置付けられることができる。部材952A、952B、952C、952Dの各々は、本体12の長手方向軸を中心に半径方向に直列で配置することができる。いくつかの例では、部材952a、952B、952C、952Dの近位にある本体12の部分は、遠位先端14が比較的静止し得る間に遠位に動かされる(例えば、押される)ことができる。本体12を遠位に押すことにより、部材952A、952B、952C、952Dは、カテーテル12の外径よりも大きい対応する直径の1つ又は2つ以上の拡張状態の間で半径方向外向きに展開される。
【0190】
いくつかの例では、部材952A、952B、952C、952Dの各々は、エンドユーザによって別個に押し込まれる内側プッシュワイヤ(図示せず)を含むことができる。遠位端部材952A、952B、952C、952Dは、固定されたままであるか、又は内側停止部を含むことができ、内側停止部は、対応するプッシュワイヤがその遠位に並進するのを防止し、更に遠位に押すことで、それぞれの部材952A、952B、952C、952Dを外向きに拡張させるようになっている。この場合、本体12の全てを押すのではなく、部材952A、952B、952C、952Dの各々は、それぞれの部材952A、952B、952C、952Dに関連付けられたプッシュワイヤを遠位に動かすことによって別々に作動可能である。このことは、様々なサイズ及び形状の血管に対応して、血管壁に接触する表面の量を増やすのに有利になり得る。
【0191】
部材952A、952B、952C、952Dは、カテーテル本体12の長手方向軸の周りに半径方向に配置することができる。部材952A、952B、952C、952Dの各々は、第2の構成において異なる直径を有することができる。別の例では、部材952A、952B、952C、952Dの各々は、同じか、又は実質的に同様の直径を有することができ、バルーンのような方法で拡張して、各部材952A、952B、952C、952Dの間に形成される隙間又は空隙のために、多孔性のアンカバルーンを形成することができる。別の例では、部材952A、952B、952C、952Dは、離間することができるが、必ずしも半径方向に離間する必要はない。例えば、部材952A、952B、952C、952Dによって形成される機構950は、実質的に平面であるか、そうでなければ非円形であることができ、又はカテーテル本体12の形状とは異なる形状を有することができる。部材952A、952B、952C、952Dはまた、1つ又は2つ以上の電極を含むことができ、これらは、切除用電極、記録用電極、感知用電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであり得る。本開示の以前のアンカ機構と同様に、機構950は、電極19の間に位置付けることができ、電極19は、切除用電極、記録用電極、感知用電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであり得る。
【0192】
図14は、第2の構成で非対称に展開された機構950を示しており、そこでは、部材952Aは、血管BVに接触している。図示した構成にある部材952Aは、比較的増加した表面積に沿って血管BVに接触できることを見ることができる。更に、部材952A(及び他の図示されていない拡張可能部材)の電極は、それぞれの拡張可能部材ごとに電極ごとの複数の半径方向位置が同時に読み取られることを可能にし、それにより、所与の血管の深さにある半径方向位置の1つだけを記録する既存のカテーテルとは対照的に、感知情報の精度及び正確性を増加させる。限定するものではないが、参照を容易にするために、図14は、本開示の目的で「血管深さ」が意味することができるものの例示的な定義を示す。
【0193】
図15Aを参照すると、別の例示的なカテーテル本体12のアンカ機構1050の一部分の拡大側面図が示されている。この例では、機構1050は、その1つ又は2つ以上のループ1053が、遠位先端セクション14上で、又はそれに隣接して、比較的静止しているか、又は固定的に巻き付いているときに、プッシャワイヤ1056を介して遠位に機構1050を並進することによって作動され得る。別の例では、機構1050は、ニシキヘビ及びボアコンストリクタに類似して、本体12の周りでその1つ又は2つ以上の可変ラッソループ1053を拡張及び収縮させることによって第1の構成と第2の構成との間で作動され得る。機構1050のワイヤ1056は、カテーテル本体12の管腔内に位置付けられることができ、収束1057に達するまでカテーテル本体12の側部出口1022から遠位に出ることができる。収束1057の遠位で、一対の拡張可能部材1052A、1052Bは、先端14に向け遠位に、概ね平行に延びることができる。部材1052A、1052Bは、前述の機構50及び150と同様に、1つ又は2つ以上のループセグメント1053を形成する他の対応する部材と共に、1つ又は2つ以上のワイヤ又は他の生体適合性材料を含むことができる。別の例では、機構1050は、必ずしも本体12の管腔内に位置付けられ得ず、又は本体12の出口を通して出ることができないが、代わりに、カテーテル本体12の外面に沿って概して延びることができる。
【0194】
患者の外側では、操作者は、機構1050を押す又は引っ張ることなどによって、機構1050を作動することができ、それによって、対応する血管壁に対して調整可能にアンカ機構1050に移動するときに、図15A図15Bにより明確に見られるスパイラル又はループを締め付けることができる。特に、図15Bは、ループ1053が先端14に対して固定されるように半径方向外向きに拡張された部材1052A、1052Bを示しており、部材1052A、1052Bの近位にある機構1050の部分は、遠位に押され、血管固定のための、この半径方向に外向きの拡張を生じさせる。図15C及び図15Dは、図15Bから収束1057とループ1053との間で取った例示的な前面断面図で部材1052A、1052Bを単に示しており、そこでは、部材1052A、1052Bは、半径方向外向きに拡張されている。図15Cでは、部材1052A、1052Bは概して、他方と直交していることが分かり、一方で、図15Dでは、部材1052A、1052Bの間に約120度の角度が形成されているのを見ることができる。部材1052A、1052B間のそのような配向は、部材1052A、1052Bの近位の動き、及び捻れをもたらすループ1053上での任意の対応する作動に依存して、必要に応じて、又は要求に応じて調整されることができる。
【0195】
図16は、機構1050と同様の、アンカ機構1150の一部分の拡大側面図を示す。この例では、機構1150は、その1つ又は2つ以上の可変ラッソループ1153が、機構1050と同様に本体12の周りに固定的に巻き付くときに、機構1150を押すことか、又は引くことによって展開及び展開解除され得る。機構1150は、カテーテル本体12の管腔内に位置付けられ、カテーテル本体12の開口部1122を通って遠位に出ることができる。開口部1122の遠位において、1つ又は2つ以上の拡張可能部材1152は、先端14に向けて概ね平行に延びることができる。1つ又は2つ以上の部材1152は、前述のループセグメント1053と同様に、1つ又は2つ以上のループセグメント1153を形成する他の対応する部材と共に、1つ又は2つ以上のワイヤ又は他の生体適合性材料を含むことができる。次に、セグメント1153は、機構1150の遠位端を先端14の外面に固定することができる。患者の外側では、操作者は、機構1150を押すことで、第2の構成にある点線の拡張された部材1152’によって示されるように、機構1150を半径方向外向きに拡張させるように、機構1150を作動させることができる。
【0196】
特に、図16は、部材1152(第1の構成)と、ループ1153が先端14の周りに固定的に巻き付けられ、機構1150の半径方向に外向きの拡張を生じさせるように、部材1152が半径方向外向きに拡張された後の部材(第2の構成)1152’と、を示す。部材1152、1152’はまた、それに沿って選択的に位置付けられ、かつ/又は間隔を置いた電極も含み得る。同様に、開口部1122及び/又はループ1153に隣接するカテーテル本体12の部分はまた、それに沿って選択的に位置付けられ、かつ/又は間隔を置いた1つ又は2つ以上の電極19を含むこともでき、電極は、切除用電極、記録用電極、感知用電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであることができる。
【0197】
図17Aを参照すると、別の例示的なカテーテル本体12のアンカ機構1250の一部分の拡大上面図が示されており、そこでは、拡張可能部材1252の実線が、第1の構成に対応しており、拡張可能部材1252’の破線が、第2の拡張構成に対応している。部材1252、1252’間の上側矢印及び下側矢印は、本明細書で説明される、機構が第1の構成から第2の構成に移動するときの外向きの半径方向の拡張を示すことを意図している。図17Bは、図17AのセクションA-Aに沿って取られた、第1の潰れた構成の機構1250の拡大側面図を示す。図17Cは、それぞれの構成にある部材1252、1252’を有する機構1250の斜視図を示す。
【0198】
特に、図17A及び図17Cは、機構1250が、カテーテル本体12の管腔からカテーテル本体12の外面に位置付けられた開口部1222Aを通って延びることができることを示す。開口部1222Aは、カテーテル本体12の外面に一方向弁を形成する開口部であり得る。他の実施形態では、開口部1222Aは、実質的に楕円形、長方形、又はそこを通って延びる部材1252、1252’を収容するための任意の他の形状であることができる。部材1252、1252’の遠位端は、カテーテル本体12の端部1222Bに固定的に取り付けられることができる。
【0199】
いくつかの例では、部材1252は遠位に押されることができ、一方で、その遠位端は端部1222Bで固定的に取り付けられ、それによって、部材1252を作動することで、部材1252’としてその描写された第2の構成へ半径方向外向きに拡張させる。図17Dは、部材1252、1252’の遠位端1255を端部1222Bに固定するように、セクションA-Aに沿って取られた一例示的な側面図を示す。図示されるように、端部1255は、カテーテル本体12の外面から配向されるか、又はそうでない場合、カテーテル本体12の外面から延びて、最終的にカテーテル本体12の管腔1243に取り付けられるか、及び/又はその中に取り付けられ得る。カテーテル本体12は、複数の管腔を含み得、そこでは、管腔1243は、端部1255と固定的に取り付けられるように構成されている。端部1255は、管腔1243内にはんだ付け、溶接、接着、貼り付け、及び/又は機械的にエッチングされることができるが、コネクタの使用を含む他の取り付け具が必要又は要求に応じて企図される。いくつかの例では、部材1252、1252’は、図示された形状が対応する血管壁に半径方向外向きに屈曲するように、ヒートセット又は所定の付勢で別様に構成され得る。
【0200】
いくつかの例では、部材1252’によって示されるように、機構1250の第2の構成の直径は、対応する血管直径と同じ大きさか、又はそれより大きくなり得る。部材1252、1252’はまた、それに沿って選択的に位置付けられ、かつ/又は間隔を空けた電極1219を含み得る。同様に、開口部1222A及び/又は端部1222Bに隣接するカテーテル本体12の部分はまた、それに沿って選択的に位置付けられ、かつ/又は間隔を空けた1つ又は2つ以上の電極19を含むことができ、電極は、切除用電極、記録電極、感知電極、及び/又は同様のもののうちの1つ又は組み合わせであり得る。開口部1222A上の、又はそれに隣接する材料のための許容可能な材料は、ポリエーテルブロックアミド、並びに剛性ポリアミドブロック及び軟質ポリエーテルブロックからなるブロックコポリマーとしてエラストマーを含むことができるPebax(登録商標)のうちの1つ又は組み合わせを含むことができる。図17Eは、第2の構成にある機構1250の図を示し、同様にセクションA-Aに沿って取られており、そこでは、部材1252’は、例示的な形状へ半径方向外向きに拡張されている。
【0201】
図18を参照すると、機構1250の正面平面図が、第2の構成で、直径Dを有する例示的な血管BVの中で示されている。いくつかの例では、血管BVは、例えば、部材1252’によって、又はそれを介して形状が変化する可能性がある冠状静脈洞(CS)であり得、患者に応じて、時には管状であり、時には漏斗状になっている。血管BVはまた、サイズが変化し、比較的柔軟であり得、そのため、アンカデバイスは、十分な固定のために自然血管直径よりも大きく拡張するべきである。好ましくは、機構1250は、約2~15mmの直径Dの範囲を含むことができるが、必要に応じて又は要求に応じて、より大きい(例えば、最大25mm)か、より小さい他の直径が企図される。
【0202】
第2の構成にある機構1250は、部材1252’によって形成され、血管BVの壁に固定されている2つの拡張されたセグメントを有しているのを見ることができる。しかしながら、必要に応じて、又は要求に応じて、より多い数の、又はより少ない数の拡張されたセグメントが企図されている。いくつかの例では、カテーテル本体12の反対側の部材1252’の一部(例えば、図18の部材1252’の「上端」の反対側の下端)が、機構1250が拡張し、部材1252’が反対方向に移動した結果として、血管BVの壁に向けて移動して固定され得る。
【0203】
図19を参照すると、治療部位の血管にカテーテルを固定するための例示的な方法1900を示すフロー図が提供されている。方法1900は、本開示の任意のカテーテルを治療部位に送達する工程1910を含むことができる。工程1920は、アンカ機構を展開することを含むことができる。工程1930は、アンカ機構を血管壁に固定することを含むことができる。他の工程が、本開示を通して議論したような方法と共に含まれることができる。
【0204】
図20Aは、例示的な機構1350を備えた、本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクション分の一部の斜視図を示している。機構1350は、カバー1340に印刷された印刷電極1319A、1319Bを含むことができ、そこでは、対応する印刷電極を備えたカバー1340が、機構1350の上に位置付けられることができる。1つ又は2つ以上のトレース1370が、対応する電極1319A、1319Bと通信して提供されることができる。図20Bは、第2の構成で半径方向に拡張された機構1350を示している。図示されるような機構1350は、機構1350と共に使用されるスピンカバー1340上にフレックス回路を印刷する際に使用するのに特に有用である。
【0205】
図21は、例示的な機構1450を備えた本開示の別の例示的なカテーテルの先端セクション分の一部の斜視図を示している。機構1450は、図示されるように、同じ形状で共に束ねられた複数の絶縁されたワイヤ1412(例えば、ニチノールなどの形状記憶合金)を含むことができる。1つ又は2つ以上の導体リング1419はまた、両方の束ワイヤ1412にも共に含まれることができ、同様に、他の例示的な機構のこれまでに説明された電極と同じように機能する。
【0206】
いくつかの例では、本方法は、各AC磁場が異なる周波数にある複数のAC磁場を生成することによってアンカ機構の位置及び方向を判定することと、遠位先端セクションに近位の複数のセンサにおいてAC磁場を感知することと、生成された磁場及び感知された磁場を表す信号に応答して遠位先端セクションの一部分の位置及び配向の寸法を計算することと、を含む。いくつかの例では、本方法は、各AC磁場は異なる周波数にある複数のAC磁場を生成することによって、遠位先端セクションの位置及び向きを判定することと、遠位先端セクションに近位の複数のセンサにおいてAC磁場を感知することと、生成された磁場及び感知された磁場を表す信号に応答して遠位先端セクションの一部分の位置及び配向の寸法を計算することと、を含む。
【0207】
いくつかの例では、本方法は、少なくとも1つの磁界発生器によって、基準系を確立するために外部から印加された磁場を生成することと、遠位先端セクションの周りに単一軸コイルを備え、各単一軸コイルが、遠位先端セクションの周りの異なる、それぞれの点で固定されている、複数のセンサを位置付けることと、単一軸コイルからの信号を処理することによって、単一軸コイルの寸法的、並進的、かつ配向的座標を判定することと、を含む。いくつかの例では、本方法は、1つ以上の電極を、前述の単一軸コイルのうちの少なくとも1つに対する既知の固定場所で遠位先端セクションに位置付けることを含み、それぞれの電極の場所は、単一軸コイルの寸法的、並進的、かつ配向的座標から導出されている。これらの実施形態の特定の手段は、本明細書に添付された付録1に更に明確に記載された特徴を含むものとして理解されることができ、これには、米国特許第6,690,963号、及び米国特許第8,926,528号が含まれる。
【0208】
いくつかの例では、本方法は、1つ又は2つ以上のプラーワイヤを動かすことに応答して先端セクションを偏向させることを含む。いくつかの例では、本方法は、操舵アセンブリによって、1つ又は2つ以上のプラーワイヤを動かすことを含む。いくつかの例では、本方法は、それぞれのプラーワイヤが延びる軸外管腔の方向で先端セクション分を偏向させることを含む。いくつかの例では、本方法は、偏向ノブを備える制御ハンドルとカテーテルを組み立てることと、偏向ノブを回転させることによって、先端セクションの先端偏向配向を調整することと、を含む。いくつかの例では、本方法は、約7度未満の角度で長手方向軸に対して偏向するためにプーリによって引かれた1つ又は2つ以上のプラーワイヤのセグメントを延ばすことを含む。これらの実施形態の特定の手段は、本明細書に添付された付録1に更に明確に記載された特徴を含むものとして理解することができ、これには、米国特許第8,348,888号が含まれる。
【0209】
更に、ECG信号は、電極カテーテルの電極によって別個に評価されることができ、ユーザ又はシステムが、遠位先端セクションが組織に接触したことを判定できるようになっており、また、電極を有するそれらの実施形態では、切除治療を提供するためにどの電極を起動するかを判定するために、対応する血管壁に効果的に固定された安定したカテーテルを必要とし得る。組織との接触は、例えば、2017年3月8日に出願され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている米国特許公開第2018/0256247号に記載されているような力接触センサを使用して判定され得る。分岐した先端を有するカテーテルでの使用に特に適した接触力センサはまた、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている2018年7月16日に出願の米国特許第2020/0015693号に記載されている。
【0210】
いくつかの例では、本明細書に記載のシステム及びその使用方法は、1つ又は2つ以上の対応する電極を血管壁に固定するための1つ又は2つ以上の固定機構などのペースメーカーリード技術と共に使用されることができる。
【0211】
前述の実施形態のいずれかにおいて、アンカ機構は、カテーテルの遠位先端セクションに含まれてもよい。カテーテルはまた、カテーテルを通って長手方向に配置された1つ又は2つ以上の管腔を有する細長い本体を含んでもよい。カテーテルは、以下の方法及び変形例によって使用することができる。初めに、カテーテルは、その電極の1つ又は2つ以上が組織と接触するように操作されて、例えば、ヒトの対象など、対象の心臓に近接して、対象に挿入され得る。カテーテルは、プロセッサも含んでいる切除システムの一態様であってもよい。カテーテルの遠位先端のセクター及び対応する電極は、温度を測定し、プロセッサに温度データを提供することができる。切除エネルギは、例えば、プロセッサによって制御されるように、それにも提供され得る。図示され、以前に説明したように、1つ又は2つ以上の電極が、本明細書で論じられたカテーテルのいずれかと共に含まれ得る。
【0212】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
カテーテル本体と、
長手方向軸に沿って延びる細長い部材を備える遠位先端セクションと、
第1の構成で、前記細長い部材の外面に沿って、かつ/又は前記細長い部材内に配置されたアンカ機構であって、第2の構成で、前記長手方向軸に対して半径方向外向きに延び、前記遠位先端セクションの少なくとも一部を取り囲むように構成されている、アンカ機構と、を備える、カテーテル。
(2) 前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクション上の、又は前記遠位先端セクションに隣接する前記カテーテルの遠位端を出て、1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成する1つ又は2つ以上のワイヤであって、前記1つ又は2つ以上のワイヤの遠位端が前記遠位先端セクションに固定的に取り付けられている、1つ又は2つ以上のワイヤと、
前記1つ又は2つ以上のワイヤ及び/或いは前記遠位先端セクションを引き、前記アンカ機構を前記第1の構成から前記第2の構成に移行させるように構成されたプラーワイヤと、を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 第1の構成から第2の構成に移行する前記アンカ機構が、前記カテーテルを前記第2の構成で外向きに湾曲又は屈曲させ、血管壁に所定の力を送達させる、実施態様2に記載のカテーテル。
(4) 前記1つ又は2つ以上のワイヤが、前記血管壁に対して固定するために、前記カテーテルの外面の片側のみに非対称に位置付けられている、実施態様2に記載のカテーテル。
(5) 前記第2の構成にある前記1つ又は2つ以上のワイヤが、前記カテーテルの外径よりも少なくとも4倍大きい直径を備える、実施態様2に記載のカテーテル。
【0213】
(6) 前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクション上の、又は前記遠位先端セクションに隣接する前記カテーテルの開口部を出るシースと、
1つ又は2つ以上のワイヤアンカを形成するように前記第1の構成と前記第2の構成との間でシースの中及び外に伸縮する伸長可能部材であって、前記伸長可能部材の遠位端が前記遠位先端セクションに固定的に取り付けられている、伸長可能部材と、を備える、実施態様1に記載のカテーテル。
(7) 第1の距離で前記シースを近位に動かすこと及び/又は前記伸長可能部材を遠位に動かすことが、前記伸長可能部材を、前記カテーテルの外径よりも大きい対応する直径の1つ又は2つ以上の拡張状態の間で半径方向外向きに拡張させる、実施態様6に記載のカテーテル。
(8) 前記開口部が、前記カテーテルの外面に一方向弁を形成するスリットを含む、実施態様6に記載のカテーテル。
(9) 前記アンカ機構が、
前記遠位先端セクションに隣接する複数の拡張可能部材であって、空隙がそれぞれの拡張可能部材の間に位置付けられている、複数の拡張可能部材を備え、
拡張可能部材の近位の前記カテーテル本体の部分を、前記遠位先端セクションが比較的静止している間に移動させることが、それぞれの拡張可能部材を、前記カテーテル本体の外径よりも大きい前記第2の構成に半径方向外向きに拡張させる、実施態様1に記載のカテーテル。
(10) 前記拡張可能部材の各々が、前記第2の構成でバルーン式に外向きに拡張して、多孔性アンカバルーンを形成する、実施態様9に記載のカテーテル。
【0214】
(11) 前記アンカ機構が、
前記カテーテル本体に沿って遠位方向で軸方向に延び、前記遠位先端セクションにおいて、又は前記遠位先端セクションに隣接して、固定的に取り付けられて終端する複数のワイヤ部材を備え、前記複数のワイヤ部材を押すことが、前記ワイヤ部材を、その他のものから外向きに離して、前記第2の構成へと拡張させる、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) 前記複数のワイヤ部材が、前記カテーテル本体内から、前記カテーテル本体の管腔内の開口部を通って延びている、実施態様11に記載のカテーテル。
(13) 前記カテーテル本体が、少なくとも2つの内側管腔を備え、前記2つの内側管腔のうちの少なくとも1つが、前記複数のワイヤ部材の遠位端を固定的に受容するように構成されている、実施態様11に記載のカテーテル。
(14) 前記細長い部材が、前記細長い部材の外面に配置された円周方向の開口部を備え、前記アンカ機構が、前記細長い部材の前記円周方向の開口部から外向きに半径方向に延びるように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(15) 前記アンカ機構が可変ループラッソを備え、前記アンカ機構が、前記可変ループラッソを形成し、前記第1の構成から前記第2の構成に移動するときにカテーテル管腔から前記カテーテルの外面の開口部を通って伸長可能な1つ又は2つ以上のワイヤを備える、実施態様1に記載のカテーテル。
【0215】
(16) 前記アンカ機構が、円形、スパイラル、又は螺旋の形態を備え、前記第2の構成で前記カテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを備え、それによって、前記アンカ機構が前記カテーテルの長手方向軸と軸方向に整列する、実施態様1に記載のカテーテル。
(17) 前記アンカ機構が、円形、スパイラル、又は螺旋の形態を備え、前記第2の構成で前記カテーテルの遠位端の開口部から延びる1つ又は2つ以上のワイヤを備え、それによって、前記アンカ機構が、前記カテーテルの外面の片側のみに取り付けられ、前記血管壁に対して押し付けられる、実施態様1に記載のカテーテル。
(18) 前記アンカ機構が、前記カテーテルの外面に接続された1つ又は2つ以上のストリップを備え、前記1つ又は2つ以上のストリップは、前記遠位先端セクションの1つ又は2つ以上の部分がその近位方向の前記カテーテルの1つ又は2つ以上の部分に向けて引き抜かれるときに、束ねられて外向きに延びるように構成されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(19) 前記1つ又は2つ以上のストリップが、前記カテーテルの外面の複数のスリットを通って外向きに伸長可能である、実施態様18に記載のカテーテル。
(20) 前記1つ又は2つ以上のストリップが、前記1つ又は2つ以上のストリップに動作可能に接続されたエンドユーザによって作動可能な1つ又は2つ以上のプル部材によって前記第2の構成へと作動される、実施態様18に記載のカテーテル。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A-4B】
図5A-5B】
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図15C
図15D
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図18
図19
図20A
図20B
図21
【国際調査報告】