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特表2023-509658手術アクチュエータ、手術ツールおよび手術ロボット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】手術アクチュエータ、手術ツールおよび手術ロボット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/29 20060101AFI20230302BHJP
   A61B 34/30 20160101ALI20230302BHJP
   B25J 11/00 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61B17/29
A61B34/30
B25J11/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540622
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 CN2020138011
(87)【国際公開番号】W WO2021136004
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】201911393792.2
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911392107.4
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911392141.1
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911391781.0
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911391778.9
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519069305
【氏名又は名称】北京▲術▼▲鋭▼技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Surgerii Technology Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】Room 106,Building 2,Tiandilinfeng,1 Yong Tai Zhuang North Road,Haidian Beijing China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】徐 凱
(72)【発明者】
【氏名】任 義唐
【テーマコード(参考)】
3C707
4C160
【Fターム(参考)】
3C707AS35
4C160BB23
4C160FF12
4C160GG02
(57)【要約】
本開示は、医療器具の分野に関わるものであり、支持部、クランプ部、駆動部、およびシール材を備える手術アクチュエータを開示する。支持部は、内部空洞を備え、クランプ部は、少なくとも部分的に移動可能に支持部の遠位端に設けられ、駆動部は、支持部の内部空洞に摺動可能に設けられてクランプ部の近位端に接続され、シール材は、第1の端部で駆動部にシール接続されるとともに、第2の端部で支持部にシール接続され、シール材の少なくとも一部が変形可能である。これにより、密封性能に優れ、洗浄・消毒を繰り返して使用できる手術アクチュエータを提供し、さらに良好な絶縁性能を有し、小型化のメリットを両立できる手術アクチュエータ、手術ツールおよび手術ロボットを提供することを目的とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空洞を備える支持部と、
前記支持部の遠位端に少なくとも部分的に移動可能に設けられるクランプ部と、
前記支持部の内部空洞に摺動可能に設けられて前記クランプ部の近位端に接続される駆動部と、
第1の端部で前記駆動部にシール接続されるとともに、第2の端部で前記支持部にシール接続され、少なくとも一部が変形可能であるシール材と、
を備える手術アクチュエータ。
【請求項2】
前記クランプ部は、第1のクランプ部材と、第1のクランプ部材と協働可能な第2のクランプ部材とを備え、
前記駆動部は、駆動ワイヤを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の手術アクチュエータ。
【請求項3】
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第1の駆動部接続ピンを介して前記第2のクランプ部材に接続され、前記第1の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第2のクランプ部材に対する駆動力を伝達することを特徴とする請求項2に記載の手術アクチュエータ。
【請求項4】
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第2の駆動部接続ピンを介して前記第1のクランプ部材に接続され、前記第2の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第1のクランプ部材に対する駆動力を伝達することを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項5】
前記駆動部は、第1のリンクと第2のリンクとを備え、
前記第1のリンクと前記第2のリンクの内端部は、互いにヒンジジョイントで接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記第1のリンクと前記第2のリンクとのヒンジジョイント部に接続され、
前記第1のリンクおよび前記第2のリンクの外端部は、それぞれ対応する前記第1の駆動部接続ピンおよび前記第2の駆動部接続ピンに接続され、前記第2の駆動部接続ピンおよび前記第1の駆動部接続ピンは、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材を前記駆動ワイヤの駆動によって互いに近接または離間移動させるように、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材にそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載の手術アクチュエータ。
【請求項6】
前記駆動部は、スライド体をさらに備え、
前記スライド体は、前記支持部の前記内部空洞に摺動可能に設けられ、前記スライド体の遠位端は、前記駆動部接続ピンに接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記スライド体を前記支持部内で往復運動させるように、前記スライド体の近位端に接続されている
ことを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に固定的に設けられ、前記第2のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項8】
前記支持部は、少なくとも一対の支持部スライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝に摺動可能に挿設されている
ことを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項9】
前記第2のクランプ部材は、クランプと、前記クランプを接続して支持するクランプ支持部材とを備え、前記クランプ支持部材は、前記第2のクランプ部材の近位端の両側に対称的に設けられ、前記クランプ支持部材は、回動接続ピンを介して前記支持部に枢着され、
前記クランプ支持部材は、クランプスライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝および前記クランプスライド溝に摺動可能に挿設されている
ことを特徴とする請求項8に記載の手術アクチュエータ。
【請求項10】
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、回動接続ピンを介して前記支持部の遠位端に枢着されていることを特徴とする請求項4に記載の手術アクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動ワイヤの近位端は、前記第2のクランプ部材と前記駆動ワイヤとの間に導電通路を形成するように、給電装置に接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の手術アクチュエータ。
【請求項12】
前記第1のクランプ部材は、前記第1のクランプ部材と他の給電装置との間に他の導電通路を形成するように、前記他の給電装置に接続され、
前記導電通路および前記他の導電通路は、互いに絶縁されている
ことを特徴とする請求項11に記載の手術アクチュエータ。
【請求項13】
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材の少なくとも一方と前記支持部との間には、前記第1のクランプ部材と前記第2のクランプ部材とを互いに絶縁させるように、絶縁部が設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載の手術アクチュエータ。
【請求項14】
前記シール材は、第1の端部で前記スライド体の近位端の外周にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の近位端にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の内壁にシール接合されている
ことを特徴とする請求項6に記載の手術アクチュエータ。
【請求項15】
前記シール材の第1の端部および/または第2の端部の外周に締め付けるカラーをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の手術アクチュエータ。
【請求項16】
前記スライド体は、スライドレバーおよびピン接続部をさらに備え、
前記シール材は、第1の端部で前記スライドレバーの外周の少なくとも一部にシール被覆されている
ことを特徴とする請求項14に記載の手術アクチュエータ。
【請求項17】
前記シール材は、内筒部と、外筒部と、前記内筒部および前記外筒部を接続する遷移部とを備え、前記内筒部の遠位端は、前記第1の端部を形成し、前記外筒部の遠位端は、前記第2の端部を形成する
ことを特徴とする請求項1に記載の手術アクチュエータ。
【請求項18】
前記シール材の少なくとも一部は、弾性の材料または可撓性の材料を備えることを特徴とする請求項1に記載の手術アクチュエータ。
【請求項19】
伝動部と、手術ツールアーム体と、請求項1に記載の手術アクチュエータとを備える手術ツールであって、
前記手術アクチュエータは、前記手術ツールアーム体の遠位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体の近位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体および/または手術アクチュエータを運動駆動する
ことを特徴とする手術ツール。
【請求項20】
少なくとも1つの制御装置と、少なくとも1つの手術台車と、少なくとも1つのロボットアームと、少なくとも1つの手術ツールと、少なくとも1つの請求項1に記載の手術アクチュエータとを備える手術ロボットであって、
少なくとも1つの前記ロボットアームは、少なくとも1つの前記手術台車に設けられ、少なくとも1つの前記手術ツールは、少なくとも1つの前記ロボットアームの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記手術アクチュエータは、少なくとも1つの前記手術ツールの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記制御装置は、少なくとも1つの前記手術ツールおよび/または少なくとも1つの前記手術アクチュエータの運動を制御する
ことを特徴とする手術ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医療器具の分野に関わるものであり、特に、手術アクチュエータ、手術ツールおよび手術ロボットに関わるものである。
【背景技術】
【0002】
低侵襲の医療プログラムでは、手術ツールが使用されることが多く、手術ツールには、クランプ、切断ツール、または持針器などの様々な手術アクチュエータが含まれる。手術ツールは、機能的に、帯電の手術ツールまたは非帯電の手術ツールにさらに分けられ、帯電の手術ツール、例えば双極または単極の電気手術ツールを含む。手術アクチュエータは、通常、手術ツールの末端に取り付けられ、手術アクチュエータは、患者の小さな切り口または自然な開口部に直接的に挿入またはスリーブで挿入し、その後、対応する手術操作を完了する。
【0003】
従来の手術ツールは、使い捨て手術ツールと繰り返し型手術ツールに分けられ、使い捨て手術ツールの多くは、高分子材料とステンレス材料を結合しているが、ステンレスは、脱落するリスクがあり、手術に事故を引き起こしやすい。繰り返し型手術ツールの本体は、一般的にステンレス材料を採用し、製品が破損しにくく、繰り返し消毒して使用することができるが、手術後のリサイクル作業が複雑で、後期の消毒滅菌が徹底しなければ、二次汚染と感染などの問題を引き起こしやすい。
【0004】
従来の繰り返し型手術ツールは、消毒滅菌時に手術ツールの部品を取り外すか洗浄通路を通じて消毒することが多く、前者の洗浄方式は、コストが高く、工程が複雑で、摩耗と部品の緩みをもたらしやすい。後者の洗浄方式は、通路が長いので、きれいに洗いにくく、消毒が不徹底になりやすく、残留物が発生するとともに発見されにくく、後々の二次汚染につながりやすい。
【発明の概要】
【0005】
いくつかの実施例において、本開示は、内部空洞を備える支持部と、支持部の遠位端に少なくとも部分的に移動可能に設けられるクランプ部と、支持部の内部空洞に摺動可能に設けられてクランプ部の近位端に接続される駆動部と、第1の端部で駆動部にシール接続されるとともに、第2の端部で支持部にシール接続され、少なくとも一部が変形可能であるシール材とを備える例示的な手術アクチュエータを提供する。
【0006】
また、いくつかの実施例において、本開示は、駆動部と、手術ツールアーム体と、上述の技術案における手術アクチュエータとを備える手術ツールを提供する。手術アクチュエータは、手術ツールアーム体の遠位端に設けられ、駆動部は、手術ツールアーム体の近位端に設けられ、駆動部は、手術ツールアーム体または手術アクチュエータを運動駆動するために用いられる。
【0007】
また、いくつかの実施例において、本開示は、少なくとも1つの制御装置と、少なくとも1つの手術台車と、少なくとも1つのロボットアームと、少なくとも1つの手術ツールと、少なくとも1つの上記の技術案における手術アクチュエータとを備える手術ロボットを提供する。少なくとも1つのロボットアームは、少なくとも1つの手術台車に設けられ、少なくとも1つの手術ツールは、少なくとも1つのロボットアームの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの手術アクチュエータは、少なくとも1つの手術ツールの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの制御装置は、少なくとも1つの手術ツールおよび/または少なくとも1つの手術アクチュエータの運動を制御するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本開示の実施例における技術案をより明確に説明するために、本開示の実施例の説明において必要とされる図面について簡単に説明するが、以下に説明する図面は、本開示のいくつかの実施例のみを示しており、当業者にとって、創造的な労働を行わずに、本開示の実施例の内容およびこれらの図面に基づいて他の実施例を得ることもできる。
図1図1は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの立体構造の概略図を示す。
図2図2は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの左視図を示す。
図3図3は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの軸方向断面図を示す。
図4図4は、本開示のいくつかの実施例に係る第1のクランプ部材および支持部の断面図を示す。
図5図5は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部の斜視図を示す。
図6図6は、本開示の他のいくつかの実施例に係る支持部の斜視図を示す。
図7図7は、本開示のいくつかの実施例に係る第2のクランプ部材の斜視図を示す。
図8図8は、本開示のいくつかの実施例に係るスライド体の側面図を示す。
図9図9は、本開示のいくつかの実施例に係るシール材の斜視図を示す。
図10図10は、本開示のいくつかの実施例に係る2つのクランプが開いたときの断面図を示す。
図11図11は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの斜視図を示す。
図12図12は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの断面図を示す。
図13図13は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの部分構造の斜視図を示す。
図14図14は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの斜視図を示す。
図15図15は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの断面図を示す。
図16図16は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの部分構造の斜視図を示す。
図17図17は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部と駆動部との協働の斜視図を示す。
図18図18は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部の構造模式図を示す。
図19図19は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部の斜視図を示す。
図20図20は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバーの斜視図を示す。
図21図21は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの斜視図を示す。
図22図22は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの断面図を示す。
図23図23は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部と駆動部との協働の斜視図を示す。
図24図24は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部の構成概略図を示す。
図25図25は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部の斜視図を示す。
図26図26は、本開示のいくつかの実施例に係るシール材の斜視図を示す。
図27図27は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバーの斜視図を示す。
図28図28は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの斜視図を示す。
図29図29は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの断面図を示す。
図30図30は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部の構成概略図を示す。
図31図31は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部と駆動部との協働の斜視図を示す。
図32図32は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部と駆動部との協働の側面図を示す。
図33図33は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部の斜視図を示す。
図34図34は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバーの斜視図を示す。
図35図35は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの斜視図を示す。
図36図36は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの断面図を示す。
図37図37は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの部分構造の断面図を示す。
図38図38は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの部分構造の斜視図を示す。
図39図39は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの支持部の斜視図を示す。
図40図40は、本開示のいくつかの実施例に係る手術ツールの斜視図を示す。
図41図41は、本開示のいくつかの実施例に係る手術ロボットの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示により解決された技術課題、採用された技術案および達成された技術効果をより明確にするために、以下、図面に基づいて本開示の実施例における技術案をさらに詳細に説明するが、勿論、説明された実施例は、本開示の実施例の一部に過ぎず、実施例の全体ではない。本開示における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行うことなく得られる他の実施例は、いずれも本開示の保護範囲に属する。
【0010】
なお、本開示の説明において、「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「内」、「外」という用語が示す方位または位置関係は、図面に示す方位または位置関係に基づいくものであり、本開示の説明を容易にして説明を簡略化することのみを目的としており、指す装置または素子が特定の方位を有して特定の方位で構造・操作しなければならないことを示す又は暗示するものではないので、本開示に対する制限として理解されない。さらに、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的にのみ使用され、相対的な重要性を示すまたは暗示するものとして理解されない。ここで、「第1の位置」および「第2の位置」という用語は、2つの異なる位置である。
【0011】
なお、本開示の説明において、明確な規定および限定がない限り、「取り付け」、「連結」、「接続」という用語は、広義に捉えるべきであり、例えば、固定的な接続であってもよいし、取り外し可能な接続であってもよいし、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよいし、直接的に接続してもよいし、中間媒体を介して間接的に接続してもよいし、2つの素子内部の連通であってもよい。当業者にとって、上記用語の本開示での具体的な意味は、具体的な状況に応じて理解され得る。
【0012】
本開示において、操作者に近接する一端を近位端、近位部または後端、後部と定義し、手術の患者に近接する一端を遠位端、遠位部または前端、前部と定義する。
【0013】
図1図3は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ100の立体構造の概略図、左視図および軸方向断面図をそれぞれ示す。手術アクチュエータ100は、クランプ部120と、支持部110と、駆動部130と、シール材140とを備えてもよい。
【0014】
クランプ部120は、支持部110の遠位端に少なくとも部分的に移動可能に設けられ、支持部110によって支持される。図3に示すように、支持部110は、内部空洞1121を備えてもよく、駆動部130は、支持部110の内部空洞1121に移動可能に設けられるとともにクランプ部120の近位端に接続されることで、支持部110の内部での運動によってクランプ部120の少なくとも一部を支持部110の遠位端に対して移動駆動する。理解すべきところは、クランプ部120は、手術アクチュエータにおいて使用される任意の開閉可能なツール、例えば、剥離鉗子、把持鉗子、持針器および弯剪刀などであってもよい。
【0015】
シール材140は、第1の端部(例えば、近位端または図3に示すような遠位端)において駆動部130にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図3に示すような近位端)において支持部110にシール接続されてもよく、シール材140の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部130が支持部110内で相対的に移動すると、シール材140が適応的に変形することができる。シール材140は、駆動部130と支持部110およびクランプ部120との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ100の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ100の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0016】
シール材140の少なくとも一部は、ゴムや熱可塑性エラストマーなどの弾性を有する伸縮可能な材料、またはプラスチック、不織布などの可撓性材料を備えてもよい。いくつかの実施例において、図3に示すように、シール材140は、第1の端部と、第2の端部と、第1の端部と第2の端部との間の遷移部とを備えてもよい。第1の端部と第2の端部は、例えば接着、熱可塑、クリップなどよって、駆動部130の外周面と支持部110の近位端の外周面にそれぞれシール接続してもよい。遷移部の少なくとも一部は、可撓性材料を備えてもよく、または遷移部の少なくとも一部は、プリーツ部を備えてもよく、プリーツ部は、延長して展開したり、収縮して折り畳んだりすることができる。このため、駆動部130が支持部110内で移動すると、シール材140は、適応的に変形することができ、駆動部130と支持部110との間の相対運動に影響を及ぼさないシールを実現することができる。
【0017】
図5および図6は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部110の斜視図をそれぞれ示す。いくつかの実施例において、支持部110は、少なくとも一対の支持部スライド溝1122a~bを備えてもよい。図5に示すように、支持部スライド溝1122a~bは、互いに径方向に対向して軸方向に延びる一対の軸方向スライド溝であってもよい。いくつかの実施例において、図6に示すように、支持部110は、二対の支持部スライド溝1122a~bを備えてもよく、二対の支持部スライド溝1122a~bは、互いに径方向に対向して軸方向に延びる二対の軸方向スライド溝であってもよい。
【0018】
いくつかの実施例において、支持部110は、図5および図6に示すように、近位端に位置する支持コネクタ111と、支持コネクタ111の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる少なくとも1つの支持部材(例えば、一対の支持部材112a~b)とを備えてもよい。支持コネクタ111は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。その内部には、軸方向に沿って設けられる中空シュータ1123が形成されている(図4を参照してもよい)。支持部材112aと支持部材112bは、対向して設けられてもよく、支持部スライド溝1122a~bは、それぞれ支持部材112a~bに対向して形成されてもよい。支持部材112および支持コネクタ111は、固定接続してもよく、一体的に成形してもよい。いくつかの実施例において、支持部110の支持部材112は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。周方向に間隔を置いて支持部材112を設けることにより、支持部110の遠位端での透かし構造を増加させ、内部の空隙と遮蔽面積を減少させて、手術ツールの遠位端での洗浄を容易にすることができる。支持部スライド溝1122a~bは、支持部110の側壁に対向して形成されている。いくつかの実施例において、支持部110は、手術ツールの洗浄を容易にするように、間隔を置いて設けられる複数の支持部材112を備えてもよい。
【0019】
図1図3に示すように、クランプ部120は、第1のクランプ部材121と、第1のクランプ部材121と協働可能な第2のクランプ部材122とを備えてもよい。いくつかの実施例において、図1および図2に示すように、第1のクランプ部材121は、例えば溶接、接着、または一体成形によって支持部110の遠位端に固定的に設けられてもよい。第2のクランプ部材122は、例えばヒンジジョイントによって、第1のクランプ部材121または支持部110と回動可能に接続されてもよい。図4は、本開示のいくつかの実施例に係る第1のクランプ部材121および支持部110の断面図を示す。図4に示すように、第1のクランプ部材121は、支持部110の遠位端に固定的に設けられている。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材121は、支持部110と一体的に成形されてもよい。
【0020】
図7は、本開示のいくつかの実施例に係る第2のクランプ部材122の斜視図を示す。図7に示すように、第2のクランプ部材122は、クランプ1221と、クランプ1221を接続して支持する一対のクランプ支持部材1222a,1222bとを備えてもよい。一対のクランプ支持部材1222a~bは、クランプ1221の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。クランプ支持部材1222a~bの遠位端には、接続孔1224a~bがそれぞれ対向して設けられている。図7に示すように、クランプ支持部材1222a~bは、それぞれクランプスライド溝1223a~bを備えてもよい。いくつかの実施例において、クランプスライド溝1223a~bは、クランプ支持部材1222a~bに互いに対向して設けられる円弧状のスライド溝であってもよい。図7に示すように、円弧状のスライド溝の輪郭は、例えば、円弧Aであってもよい。円弧状のスライド溝の輪郭線は、1つまたは複数のアーク線からなり、アーク線の曲率を調整することで、手術ツールから出力されるクランプ力を調整することができる。当業者であれば、円弧状のスライド溝の輪郭線は、複数の直線セグメントからほぼ円弧線に形成してもよいことを理解すべきである。いくつかの実施例において、図7に示すように、クランプ支持部材1222a~bは、それぞれ接続孔1224a~bを備えてもよい。接続孔1224a~bは、以下に詳述するように、第2のクランプ部材122を取り付けるために使用してもよい。
【0021】
いくつかの実施例において、駆動部130は、図1および図3に示すように、駆動ワイヤ131を備える。いくつかの実施例において、駆動ワイヤ131は、ニッケルチタン合金ワイヤまたはスチールワイヤであってもよい。駆動ワイヤの押し引きによりクランプ部の駆動を実現し、一方のクランプを運動駆動させ他方のクランプを固定的に設けることで、駆動構造を簡素化することができる。このため、様々な低侵襲手術、特に、腔鏡手術ロボットなどの低侵襲手術ロボットに広く応用することができる。
【0022】
いくつかの実施例において、クランプ支持部材1222a~bは、図1に示すように、支持部110の外側に設けられてもよい。当業者であれば、いくつかの実施例において、クランプ支持部材1222a~bは、支持部110の内側に設けられてもよいことを理解すべきである。図2に示すように、駆動部接続ピン150は、支持部スライド溝1122a~b(図5に示すように)およびクランプスライド溝1223a~b(図7に示すように)に摺動可能に挿設されてもよい。回動接続ピン151は、その両端が支持部110の一対の支持部接続孔1124a~b(図5および図6参照)に枢着されて第2のクランプ部材122が支持部110にヒンジジョイントで接続されるように、一対の接続孔1224a~b(図7に示すように)を貫通している。駆動部接続ピン150は、駆動ワイヤ131の遠位端に接続され、駆動ワイヤ131は、支持部110の中空シュータ1123内で相対的に押し引き運動する際に、駆動部接続ピン150をクランプスライド溝1223a~bおよび支持部スライド溝1122a~bに沿って往復摺動させることによって、第2のクランプ部材122を第1のクランプ部材121に対して開閉運動させる。
【0023】
いくつかの実施例において、一対の駆動部接続ピン150は、二対の支持部スライド溝1122a~b(図6に示すように)にそれぞれ摺動可能に挿設され、その一方の駆動部接続ピン150は、クランプスライド溝1223a~bにも摺動可能に挿設されている。一対の駆動部接続ピン150は、いずれも駆動ワイヤ131の遠位端に接続されているので、駆動ワイヤ131の駆動によって、一対の駆動部接続ピン150は、支持部スライド溝1122a~bに沿って摺動可能であり、その中に、クランプスライド溝1223a~bに挿設される駆動部接続ピン150は、第2のクランプ部材122を第1のクランプ部材121に対して開閉運動させるように、支持部スライド溝1122a~bに沿って往復運動することもできる。二対の支持部スライド溝1122a~bを設けるとともにその中に駆動部接続ピン150をそれぞれ設けることにより、駆動をより安定させる。
【0024】
いくつかの実施例において、駆動部130は、図3に示すように、スライド体132をさらに備えてもよく、駆動部接続ピン150は、スライド体132の遠位端に固定的に設けられてもよい。駆動ワイヤ131の遠位端は、スライド体132の近位端に接続されている。スライド体132は、支持部110の内部空洞1121に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ131は、スライド体132を支持部110内で往復運動させる。図8は、本開示のいくつかの実施例に係るスライド体132の側面図を示す。図3および図8に示すように、シール材140は、第1の端部でスライド体132の外周面またはスライド体132の近位端の外周面にシール被覆され、第2の端部で支持部110の近位端の端部にシール被覆されてもよい。いくつかの実施例において、シール材140は、第2の端部で支持部110の近位端の内壁とシール結合するように設けられてもよい。シール材140は、駆動部130の遠位端を支持部110の中空シュータ1123に対してシールすることができる。いくつかの実施例において、スライダ132は、円柱状、立方体状、多面体状または異形構造であってもよく、駆動部接続ピン150は、スライダの径方向に沿ってスライダの遠位端に固定的に挿設されてもよいし、スライダの遠位端にそれぞれ径方向に対向して固定的に設けられる2つであってもよい。いくつかの実施例において、カラー180は、図8に示すように、シール材140の第1の端部をスライド体132の近位端に締め付けるように、シール材140の第1の端部の外周に設けられてもよい。
【0025】
図10は、本開示のいくつかの実施例に係る2つのクランプが開いたときの断面図を示す。図10に示すように、スライド体132は、径方向に延びるピン接続部1321と、ピン接続部1321から近側軸方向に延びるスライドレバー1322とを備えてもよい。ピン接続部1321およびスライドレバー1322は、一体的に形成されてもよいし、例えば溶接、接着または一体成形によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。駆動部接続ピン150は、ピン接続部1321に固定的に設けられている。いくつかの実施例において、図10に示すように、スライドレバー1322および駆動ワイヤ131の外周には、シールカバー133が外挿されてもよい。図10に示すように、シールカバー133の外部の遠位端には、スリーブ134が外挿されてもよい。いくつかの実施例において、ピン接続部1321の代わりに、スリーブ134には、径方向に延びる駆動部接続ピン150が設けられてもよい。いくつかの実施例において、スリーブ134は、ピン接続部1321と一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。シール材140は、駆動部130の遠位端およびクランプ部120を支持部110の中空シュータ1123に対してシールするように、第1の端部でスリーブ134の外周面にシール外挿され、第2の端部で支持部110の近位端の端部にシール被覆されてもよい。上記の実施例において、駆動部130は、スライド体132と、駆動ワイヤ131と、シールカバー133と、スリーブ134とを備えるが、理解すべきところは、駆動部130は、全体的にまたは少なくとも部分的に一体的に成形されてもよい。いくつかの実施例において、シールカバー133およびスライドレバー1322は、手術アクチュエータが帯電して手術中の患者を焼灼することを回避するように、ゴム、プラスチックまたはセラミックなどの絶縁体であってもよい。
【0026】
図9は、本開示のいくつかの実施例に係るシール材140の斜視図を示す。図8および図9に示すように、シール材140は、内筒部141と、外筒部142と、湾曲遷移部143とを備えてもよい。内筒部141は、スライド体132の近位端(例えば、スリーブ134、シールカバー133、またはスライドレバー1322)の外周面に外挿されて支持部110の内部空洞1121に位置してもよく、内筒部141は、スライド体132の駆動によって内部空洞1121に沿って軸方向に移動可能である。外筒部142の内壁は、支持部110の近位端の外周面に封止されている。しかし、理解すべきところは、外筒部142の外壁は、支持部110の近位端の内周面にシール結合されてもよい。外筒部142は、湾曲遷移部143によって内筒部141と一体的に接続されている。これにより、シール材140は、スライド体132の遠位端とクランプ部120および駆動ワイヤ131をシール材140の遠位側に対してシールして、駆動ワイヤ131を手術界面から隔離し、手術中に患者からの体液および外部からの細菌などが孔隙を介して手術アクチュエータの内部に深く入り込むのを阻止することができる。変形可能なシール材を設けることで、スライド体と駆動ワイヤとを全体としてシール構造にすることができるので、洗浄・消毒時に手術アクチュエータを取り外さずにクランプ表面のみを洗浄することができ、洗浄が容易であり、二次感染の発生を軽減または回避することができる。
【0027】
いくつかの実施例において、図10に示すように、シール材140の内筒部141の外部には、シール材140とスライド体132とがシール締結されるようにカラー180が外挿されてもよい。カラー180を設けることにより、シール材140と駆動ワイヤ131との間のシール性をさらに保証することができる。シール材140は、伸縮運動時にスリップするリスクが軽減される。
【0028】
いくつかの実施例において、図1および図2に示すように、支持部110の近位端の外周には、保護カバー170が設けられてもよい。保護カバー170は、近位部171および遠位部172を備えてもよく、遠位部172の径方向寸法は、近位部171の径方向寸法よりも大きい。保護カバー170の遠位部172は、遠位端で収容溝を備えてもよい。保護カバー170の収容溝は、支持部110の近位端を収容して支持部110の端部に対してシールされ、保護カバー170の近位部171は、駆動ワイヤ131を収容している。保護カバー170の近位部171の端部には、駆動ワイヤ131が通過するための貫通孔が設けられてもよい。いくつかの実施例において、保護カバー170は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。保護カバー170は、手術アクチュエータが帯電して手術中の患者を灼熱させるのを回避することができる。いくつかの実施例において、保護カバー170は、手術アクチュエータと手術ツールのアーム体とを絶縁することができ、汚染物質が手術ツールの内部に侵入して洗浄が困難になることを防止できる。
【0029】
図11図12および図13は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ200の斜視図、断面図および部分構造斜視図をそれぞれ示す。
【0030】
いくつかの実施例において、手術アクチュエータ200は、クランプ部220と、支持部210と、駆動部230と、シール材240とを備えてもよい。
【0031】
クランプ部220は、図11および図13に示すように、少なくとも部分的に移動可能に支持部210の遠位端に設けられている。支持部210は、内部空洞(図示せず)を備えてもよく、駆動部230は、支持部210の内部空洞1121に摺動可能に設けられてクランプ部220の近位端に接続されることで、支持部210の内部での運動によってクランプ部220の少なくとも一部を支持部110の遠位端に対して移動させる。
【0032】
シール材240は、第1の端部(例えば、近位端または図12に示す遠位端)において駆動部230の外周面にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図12に示す近位端)において支持部210の近位端の内周面にシール接続されてもよく、シール材240の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部230が支持部210内で相対的に移動すると、シール材240が適応的に変形することができる。シール材240は、駆動部230と支持部210およびクランプ部220との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ200の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ200の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0033】
いくつかの実施例において、支持部210は、少なくとも一対の支持部スライド溝1122を備えてもよい。図11に示すように、支持部210は、二対の支持部スライド溝2122を備えてもよく、二対の支持部スライド溝2122は、互いに径方向に対向して軸方向に延びる二対の軸方向スライド溝であってもよい。いくつかの実施例において、図11に示すように、支持部210は、近位端に位置する支持コネクタ211と、支持コネクタ211の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる一対の支持部材212とを備えてもよく、支持コネクタ211は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。その内部には、軸方向に沿って設けられる中空シュータ(図示せず)が形成されている。二対の支持部スライド溝2122は、それぞれ支持部材212に対向して対称的に形成されてもよい。支持部材212および支持コネクタ211は、固定的に接続してもよく、一体的に成形してもよい。いくつかの実施例において、支持部210の支持部材212は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
【0034】
いくつかの実施例において、クランプ部220は、図11および図12に示すように、第1のクランプ部材221と、第1のクランプ部材221と協働可能な第2のクランプ部材222とを備えてもよい。第1のクランプ部材221および第2のクランプ部材222は、例えばヒンジジョイントによって、支持部210とそれぞれ回動可能に接続されてもよい。
【0035】
いくつかの実施例において、図13のように、第2のクランプ222は、クランプ2221と、一対のクランプ支持部材2222a~bとを備えてもよい。一対のクランプ支持部材2222a~bは、クランプ2221の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。クランプ支持部材2222a~bの遠位端には、それぞれ接続孔2224a~bが設けられ、クランプ支持部材2222a~bは、それぞれクランプ支持部材2222a~bに互いに対向して設けられるクランプスライド溝2223a~bを備えてもよい。クランプスライド溝2223a~bは、円弧状のスライド溝であってもよい。
【0036】
図12に示すように、第1のクランプ部材221の構成は、第2のクランプ部材222の構成に類似してもよい。第1のクランプ部材221は、クランプ2211と、一対のクランプ支持部材2212とを備えてもよい。一対のクランプ支持部材2212は、クランプ2211の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。一対のクランプ支持部材2212の間の間隔は、クランプ支持部材2212とクランプ支持部材2222a~bの間の回動ヒンジ接続が容易になるように、一対のクランプ支持部材2222a~bの間の間隔よりも大きいても小さいでもよい。一対のクランプ支持部材2212の遠位端には、それぞれ一対の接続孔2214が対向して設けられてもよく、一対のクランプ支持部材2212は、それぞれクランプスライド溝2213を備えてもよい。いくつかの実施例において、図12に示すように、クランプスライド溝2213は、円弧状のスライド溝であってもよく、一対のクランプスライド溝2213は、一対のクランプ支持部材2212に互いに対向して設けられてもよい。接続孔2214,2224a~bは、以下に詳述するように、それぞれ第1のクランプ部材221および第2のクランプ部材222を取り付けるために使用してもよい。
【0037】
いくつかの実施例において、駆動部230は、図13に示すように、駆動ワイヤ231を備える。
【0038】
いくつかの実施例において、図11に示すように、第2のクランプ部材222の一対のクランプ支持部材2222a~bは、支持部210の一対の支持部材212の内側に設けられてもよく、第1のクランプ部材221の一対のクランプ支持部材2212は、クランプ支持部材2222a~bの内側に設けられてもよい。理解すべきところは、第2のクランプ部材122の一対のクランプ支持部材2222a~bは、第1のクランプ部材221の一対のクランプ支持部材2212の内側に設けられてもよい。図11および図12に示すように、第1のクランプ部材221のクランプ2211および第2のクランプ部材222のクランプ支持部材2222a~bの大部分は、支持部材212の中心線Bの一方側に位置してもよく、第1のクランプ部材221の一対のクランプ支持部材2212の大部分および第2のクランプ部材222のクランプ2221は、中心線Bの一方側と反対側に位置してもよい。
【0039】
図11に示すように、一対の駆動部接続ピン250a~bは、支持部材212の中心線B(図12参照)の一方側と他方側に位置する二対の支持部スライド溝2122にそれぞれ摺動可能に挿設されてもよい。図12に示すように、駆動部接続ピン250bは、第2のクランプ222の一対のクランプスライド溝2223a~bに摺動可能に挿設されてもよく、駆動部接続ピン250aは、第1のクランプ221の一対のクランプスライド溝2213に摺動可能に挿設されてもよい。第1のクランプ部材221の一対の接続孔2214および第2のクランプ部材222の一対の接続孔2224a~bは、互いに位置合わせされ、回動接続ピン251は、一対の接続孔2214および一対の接続孔2224a~b(図12および図13に示すように)を径方向に貫通することができ、その両端は、第1のクランプ部材221および第2のクランプ部材222がそれぞれ支持部210にヒンジジョイントで接続されるように、支持部210における一対の支持部接続孔2124にそれぞれ枢着されてもよい。駆動部接続ピン250a~bは、駆動ワイヤ231の遠位端に接続してもよく、駆動ワイヤ231は、支持部210の中空シュータ内で相対的に押し引き運動する際に、駆動部接続ピン250bをクランプスライド溝2223a~bおよび一対の支持部スライド溝2122に沿って往復摺動させ、駆動部接続ピン250aを一対のクランプスライド溝2213および他の一対の支持部スライド溝2122に沿って往復摺動させることによって、第1のクランプ部材221および第2のクランプ部材222を互いに対して開閉運動させる。
【0040】
いくつかの実施例において、駆動部230は、図12および図13に示すように、スライド体232をさらに備えてもよく、一対の駆動部接続ピン250a~bは、スライド体232の遠位端にそれぞれ固定的に設けられてもよい。駆動ワイヤ231の遠位端は、スライド体232の近位端に接続されている。スライド体232は、支持部210の内部空洞に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ231は、スライド体232を支持部210内で往復運動させる。
【0041】
図12に示すように、シール材240は、第1の端部でスライド体232の外周面またはスライド体232の近位端の外周面または駆動ワイヤ231の遠位端の外周にシール被覆されてもよく、シール材240は、第2の端部で支持部210の近位端の内周面にシール結合されたり、第2の端部で支持部210の近位端の外周にシール被覆されたりしてもよい。シール材240は、駆動部230の遠位端を支持部210の中空シュータに対してシールすることができる。いくつかの実施例において、スライド体232は、円柱状、立方体状、多面体状、または異形構造であってもよい。一対の駆動部接続ピン250a~bは、スライド体232の横方向に沿ってスライド体232の遠位端に固定的に挿設されてもよい。いくつかの実施例において、カラー280は、図12に示すように、シール材240の第1の端部をスライド体232の近位端に締め付けるように、シール材240の第1の端部の外周に設けられてもよい。いくつかの実施例において、シール材240の第2の端部の外周には、シール材240の第2の端部を支持部210に締結するためのカラーが設けられてもよい。
【0042】
図12に示すように、シール材240は、内筒部241と、外筒部242と、湾曲遷移部243とを備えてもよい。内筒部241は、スライド体232の近位端の外周面に外挿されて支持部210の内部空洞に位置してもよく、内筒部241は、スライド体232の駆動によって内部空洞に沿って軸方向に移動可能である。外筒部242の外壁は、支持部210の近位端の内周面にシール貼着してもよい。しかし、理解すべきところは、外筒部242の内壁は、支持部210の近位端の外周面に封止されてもよい。外筒部242は、湾曲遷移部243を介して内筒部241と一体的に接続されている。これにより、シール材240は、スライド体232の遠位端とクランプ部220および駆動ワイヤ231をシール材240の遠位側に対してシールして、駆動ワイヤ231を手術界面から隔離し、手術中に患者からの体液および外部からの細菌などが孔隙を介して手術アクチュエータの内部に深く入り込むのを阻止することができる。このため、洗浄・消毒時に手術アクチュエータを取り外さずにクランプ表面のみを洗浄することができ、洗浄が容易であり、二次感染の発生を軽減または回避することができる。
【0043】
いくつかの実施例において、図12に示すように、支持部210の近位端の外周には、保護カバー270が設けられてもよい。保護カバー270は、近位部271および遠位部272を備えてもよく、遠位部272の径方向寸法は、近位部271の径方向寸法よりも大きい。保護カバー270の遠位部272は、遠位端で収容溝(図示せず)を備えてもよい。保護カバー270の収容溝は、支持部210の近位端、例えば支持コネクタ211を収容し、支持部210の端部にシールされている。当業者であれば、遠位部272および支持部210の近位端の支持コネクタ211は、ねじ接続、しまりばめ接続、溶接、接着または一体成形などで接続されてもよいことを理解すべきである。保護カバー270の近位部271は、駆動ワイヤ231を収容する。保護カバー270の近位部271の端部には、駆動ワイヤ231が通過するための貫通孔が設けられてもよい。保護カバー270は、手術アクチュエータと手術ツールのアーム体とを絶縁することができ、汚染物質が手術ツールの内部に侵入して洗浄が困難になることを防止できる。
【0044】
図14図15および図16は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ300の斜視図、断面図および部分構造斜視図をそれぞれ示す。
【0045】
いくつかの実施例において、手術アクチュエータ300は、クランプ部320と、支持部310と、駆動部330(図18参照)と、シール材340とを備えてもよい。
【0046】
クランプ部320は、図14および図15に示すように、少なくとも部分的に移動可能に支持部310の遠位端に設けられている。支持部310は、内部空洞3121を備えてもよく、駆動部330(図18参照)は、支持部310の内部空洞3121に摺動可能に設けられてクランプ部320の近位端に接続されることで、支持部310の内部での運動によってクランプ部320の少なくとも一部を支持部310の遠位端に対して移動させる。
【0047】
シール材340は、第1の端部(例えば、近位端または図15に示す遠位端)において駆動部330(図18参照)にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図15に示す近位端)において支持部310にシール接続されてもよく、シール材340の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部330が支持部310内で相対的に移動すると、シール材340が適応的に変形することができる。シール材340は、駆動部330と支持部310およびクランプ部320との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ300の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ300の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0048】
いくつかの実施例において、支持部310は、少なくとも一対の支持部スライド溝を備えてもよい。図19は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部310の斜視図を示す。図19に示すように、支持部310は、一対の支持部スライド溝3122a~bを備えてもよい。支持部スライド溝3122a~bは、互いに径方向に対向して軸方向に延びる一対の軸方向スライド溝であってもよい。
【0049】
いくつかの実施例において、図19に示すように、支持部310は、近位端に位置する支持コネクタ311と、支持コネクタ311の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる一対の支持部材312a~bとを備えてもよく、支持コネクタ311は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。その内部には、軸方向に沿って設けられる中空シュータ3123が形成されている。支持部スライド溝3122a~bは、それぞれ支持部材312a~bに対向して対称的に形成されてもよい。支持部材312および支持コネクタ311は、固定的に接続してもよく、一体的に成形してもよい。いくつかの実施例において、支持部310の支持部材312は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
【0050】
図15に示すように、クランプ部320は、第1のクランプ部材321と、第1のクランプ部材321と協働可能な第2のクランプ部材322とを備えてもよい。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材321は、例えば溶接、接着、または一体成形によって支持部310の遠位端に固定的に設けられてもよい。第2のクランプ部材322は、例えばヒンジジョイントにより、第1のクランプ部材321または支持部310と回動可能に接続されてもよい。図19に示すように、第1のクランプ部材321は、支持部310の支持部材312aおよび支持部材312bの一方と一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。理解すべきところは、第1のクランプ部材321は、一対の支持部材312a~bと一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。
【0051】
図17は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部320と駆動部330との協働の斜視図を示す。図17に示すように、第2のクランプ部材322は、クランプ3221と、クランプコネクタ3225と、一対のクランプ支持部材3222a,3222bとを備えてもよい。クランプコネクタ3225は、クランプ3221の近位端に一体成形または固定的に接続されてもよく、一対のクランプ支持部材3222a~bは、クランプコネクタ3225の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。クランプ3221、クランプコネクタ3225および一対のクランプ支持部材3222a~bは、一体成形または部分的に一体成形または固定的に接続されてもよい。クランプコネクタ3225には、一対の接続孔3224がそれぞれ対向して設けられてもよい。図17に示すように、クランプ支持部材3222a~bは、それぞれクランプスライド溝3223a~bを備えてもよい。いくつかの実施例において、クランプスライド溝3223a~bは、クランプ支持部材3222a~bに互いに対向して設けられる円弧状のスライド溝であってもよい。
【0052】
いくつかの実施例において、駆動部330は、図14図18に示すように、駆動ワイヤ331を備える。
【0053】
いくつかの実施例において、クランプ支持部材3222a~bは、支持部310の内側に設けられてもよい。図15および図16に示すように、駆動部接続ピン350は、支持部スライド溝3122a~b(図19に示すように)およびクランプスライド溝3223a~b(図17に示すように)に摺動可能に挿設されてもよい。回動接続ピン351は、その両端がそれぞれ支持部310の一対の支持部接続孔3124a~b(図19参照)に枢着されて第2のクランプ部材322が支持部310にヒンジジョイントで接続されるように、一対の接続孔3224(図17に示すように)を貫通している。駆動部接続ピン350は、駆動ワイヤ331の遠位端に接続され、駆動ワイヤ331は、支持部310の中空シュータ3123内で相対的に押し引き運動する際に、駆動部接続ピン350をクランプスライド溝3223a~bおよび支持部スライド溝3122a~bに沿って往復摺動させることによって、第2のクランプ部材322を第1のクランプ部材321に対して開閉運動させる。
【0054】
図18は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部330の構成概略図を示す。いくつかの実施例において、駆動部330は、図15および図18に示すように、スライド体332をさらに備えてもよく、駆動部接続ピン350は、スライド体332の遠位端に固定的に設けられてもよい。駆動ワイヤ331の遠位端は、スライド体332の近位端に接続されている。スライド体332は、支持部310の内部空洞3121に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ331は、スライド体332を支持部310内で往復運動させる。図15および図17に示すように、シール材340は、第1の端部でスライド体332の外周面またはスライド体332の近位端の外周面にシール被覆されてもよく、シール材340は、第2の端部で支持部310の近位端の内壁にシール結合されてもよい。いくつかの実施例において、シール材340は、第2の端部で支持部310の近位端の端部、例えば支持コネクタ311の外周面にシール被覆されてもよい。シール材340は、駆動部330の遠位端を支持部310の中空シュータ3123に対してシールすることができる。いくつかの実施例において、スライド体332は、円柱状、立方体状、多面体状または異形構造であってもよく、駆動部接続ピン350は、スライド体332の径方向に沿ってスライド体332の遠位端に固定的に挿設されてもよい。
【0055】
図15に示すように、スライド体332は、径方向に延びるピン接続部3321と、ピン接続部3321から近側軸方向に延びるスライドレバー3322とを備えてもよい。ピン接続部3321およびスライドレバー3322は、一体的に形成されてもよいし、例えば溶接や接着などによって互いに独立して固定的に接続されてもよい。駆動部接続ピン350は、ピン接続部3321に固定的に設けられている。いくつかの実施例において、図15および図18に示すように、スライドレバー3322および駆動ワイヤ331の外周には、スリーブ334が外挿され、スリーブ334は、ピン接続部3321と一体的に成形されてもよく、ピン接続部3321には、径方向に延びる駆動部接続ピン350が設けられている。理解すべきところは、スリーブ334およびピン接続部3321は、例えば溶接や接着などによって互いに独立して固定的に接続されてもよい。シール材340は、駆動部330の遠位端およびクランプ部320を支持部310の中空シュータ3123に対してシールするように、第1の端部でスリーブ334の外周面にシール外挿され、第2の端部で支持部310の近位端の端部にシール貼着してもよい。上記の実施例において、駆動部330は、スライド体332と、駆動ワイヤ331と、スリーブ334とを備えるが、理解すべきところは、駆動部330は、全体的にまたは少なくとも部分的に一体的に成形されてもよい。
【0056】
いくつかの実施例において、駆動ワイヤ331の近位端は、前記第2のクランプ部材322と前記駆動ワイヤ331との間に導電通路を形成するように、給電装置(図示せず)と接続されてもよい。いくつかの実施例において、スライド体332、駆動部接続ピン350および支持部材312は、いずれも金属などの導電性材料を備えてもよい。当業者であれば、スライド体332、駆動部接続ピン350および支持部材312は、導電の機能を達成するために、その表面に導電層をめっきしてもよいことを理解すべきである。駆動ワイヤ331の近位端は、給電装置に接続され、第2のクランプ部材322は、スライド体332を介して駆動ワイヤ331との間に導電通路を形成することができ、第1のクランプ部材321は、支持部材312および駆動部接続ピン350を介してこの導電通路に接続することができ、導電通路は、第1のクランプ部材321と第2のクランプ部材322に電力を供給して「単極」を形成し、これにより、電気剪断や電気切断などの操作を実現することができる。
【0057】
いくつかの実施例において、図15に示すように、駆動ワイヤ331においてスライド体332の近位端(例えば、スリーブ334またはスライドレバー3322)に位置する部分以外の部分の外周には、絶縁保護カバー333が被覆されてもよく、駆動ワイヤ331の遠位端は、絶縁保護カバー333を通してスライド体332の近位端に接続されている。絶縁保護カバー333は、手術アクチュエータの近位端の外部での導電による潜在危険性を回避することができる。
【0058】
いくつかの実施例において、支持部310の一対の支持部材312a~bの外周には、絶縁カバー390(図14参照)が被覆されてもよく、第1のクランプ部材321および第2のクランプ部材322の遠位部は、絶縁カバー390の外側に延在してもよい。絶縁カバー390は、筒状の部材であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。絶縁カバー390は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。絶縁カバー390は、手術アクチュエータの導電面積を減少させることができ、手術アクチュエータが目標組織以外の他の身体組織との間に導電通路を形成して、患者を灼熱することを回避することができる。
【0059】
図17に示すように、シール材340は、内筒部341と、外筒部342と、湾曲遷移部343とを備えてもよい。内筒部341は、スライド体332の近位端(例えば、スリーブ334またはスライドレバー3322)の外周面に外挿されて支持部310の内部空洞3121に位置してもよく、内筒部341は、スライド体132の駆動によって内部空洞3121に沿って軸方向に移動可能である。外筒部342の外壁は、支持部310の近位端の内周面にシール貼着してもよい。しかし、理解すべきところは、外筒部342の内壁は、支持部310の近位端の外周面に封止されてもよい。外筒部342は、湾曲遷移部343を介して内筒部341と一体的に接続されている。これにより、シール材340は、スライド体332の遠位端とクランプ部320および駆動ワイヤ331をシール材340の遠位側に対してシールして、駆動ワイヤ331を手術界面から隔離し、手術中に患者からの体液および外部からの細菌などが孔隙を介して手術アクチュエータの内部に深く入り込むのを阻止することができる。このため、洗浄・消毒時に手術アクチュエータを取り外さずにクランプ表面のみを洗浄することができ、洗浄が容易であり、二次感染の発生を軽減または回避することができる。
【0060】
いくつかの実施例において、図15に示すように、シール材340の内筒部341の外部には、シール材340とスライド体332とがシール締結されるように、カラー380aが外挿されてもよい。いくつかの実施例において、図15に示すように、シール材340の外筒部342の外部には、カラー380bが外挿されてもよく、カラー380bは、外筒部342が支持部310にシール締結されるように、支持部310の近位端に締結してもよい。カラー380a~bを設けることで、シール材340と駆動ワイヤ331との間およびシール材340と支持部310との間のシール性をそれぞれ保証することができ、シール材340が伸縮運動時にスリップするリスクを軽減することができる。
【0061】
図20は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバー370の斜視図を示す。いくつかの実施例において、支持部310の近位端の外周には、保護カバー370が設けられてもよい。図16および図20に示すように、保護カバー370は、近位部371および遠位部372を備えてもよく、遠位部372の径方向寸法は、近位部371の径方向寸法よりも大きい。保護カバー370の遠位部372は、遠位端で収容溝(図示せず)を備えてもよい。保護カバー370の収容溝は、支持部310の近位端を収容し、支持部310の端部に対してシールされている。当業者であれば、遠位部372および支持部310の近位端は、ねじ接続、しまりばめ接続、溶接、接着または一体成形などで接続されてもよいことを理解すべきである。保護カバー370の近位部371は、駆動ワイヤ331を収容する。保護カバー370の近位部371の端部には、駆動ワイヤ331が通過するための貫通孔3711が設けられてもよい。いくつかの実施例において、保護カバー370は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。保護カバー370は、手術アクチュエータと手術ツールのアーム体とを絶縁することができ、汚染物質が手術ツールの内部に侵入して洗浄が困難になることを防止できる。
【0062】
図21および図22は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ400の斜視図および断面図をそれぞれ示す。
【0063】
いくつかの実施例において、手術アクチュエータ400は、クランプ部420と、支持部410と、駆動部430(図25参照)と、シール材440とを備えてもよい。
【0064】
クランプ部420は、図21および図22に示すように、少なくとも部分的に移動可能に支持部410の遠位端に設けられている。支持部410は、内部空洞4121を備えてもよく、駆動部430(図25参照)は、支持部410の内部空洞4121に摺動可能に設けられてクランプ部420の近位端に接続されることで、支持部410の内部での運動によってクランプ部420の少なくとも一部を支持部410の遠位端に対して移動させる。
【0065】
シール材440は、第1の端部(例えば、近位端または図22に示す遠位端)において駆動部430にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図22に示す近位端)において支持部410にシール接続されてもよく、シール材440の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部430が支持部410内で相対的に移動すると、シール材440が適応的に変形することができる。シール材440は、駆動部430と支持部410およびクランプ部420との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ400の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ400の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0066】
いくつかの実施例において、支持部410は、少なくとも一対の支持部スライド溝を備えてもよい。図24は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部410の構成概略図を示す。図24に示すように、支持部410は、一対の支持部スライド溝4122を備えてもよい。一対の支持部スライド溝4122は、互いに径方向に対向して軸方向に延びる一対の軸方向スライド溝であってもよい。
【0067】
いくつかの実施例において、図22および図24に示すように、支持部410は、近位端に位置する支持コネクタ411と、支持コネクタ411の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる一対の支持部材412a~bとを備えてもよく、支持コネクタ411は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよく、その中に、軸方向に沿って設けられる中空シュータ4123(図24参照)が形成されている。一対の支持部スライド溝4122は、それぞれ支持部材412a~bに対向して対称的に形成されてもよい。支持部材412a~bおよび支持コネクタ411は、固定的に接続してもよく、一体的に成形されてもよい。いくつかの実施例において、支持部410の支持部材412は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
【0068】
図21に示すように、クランプ部420は、第1のクランプ部材421と、第1のクランプ部材421と協働可能な第2のクランプ部材422とを備えてもよい。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材421は、例えば溶接、接着、または一体成形などによって支持部410の遠位端に固定的に設けられてもよい。第2のクランプ部材422は、例えばヒンジジョイントで第1のクランプ部材421または支持部410と回動可能に接続されてもよい。図21に示すように、第1のクランプ部材421は、一対の支持部材412と一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。理解すべきところは、第1のクランプ部材421は、支持部410の一対の支持部材412の一方と一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。
【0069】
図23は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部420と駆動部430との協働の斜視図を示す。図23に示すように、第2のクランプ部材422は、クランプ4221と、クランプ4221を接続して支持する一対のクランプ支持部材4222a,4222bとを備えてもよい。一対のクランプ支持部材4222a~bは、クランプ4221の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。クランプ支持部材4222a~bの遠位端には、接続孔4224a~bがそれぞれ対向して設けられている。図23に示すように、クランプ支持部材4222a~bは、それぞれクランプスライド溝4223a~bを備えてもよい。いくつかの実施例において、クランプスライド溝4223a~bは、クランプ支持部材4222a~bに互いに対向して設けられる円弧状のスライド溝であってもよい。
【0070】
いくつかの実施例において、駆動部430は、図21図25に示すように、駆動ワイヤ431を備える。
【0071】
いくつかの実施例において、クランプ支持部材4222a~bは、支持部410の内側に設けられてもよい。図21に示すように、駆動部接続ピン450は、一対の支持部スライド溝4122(図24に示すように)および一対のクランプスライド溝4223a~b(図23に示すように)に摺動可能に挿設されてもよい。回動接続ピン451は、その両端が支持部410の一対の支持部接続孔4124(図24参照)に枢着されて第2のクランプ部材422が支持部410にヒンジジョイントで接続されるように、一対の接続孔4224a~b(図23に示すように)を貫通している。駆動部接続ピン450は、駆動ワイヤ431の遠位端に接続され、駆動ワイヤ431は、支持部410の中空シュータ4123内で相対的に押し引き運動する際に、駆動部接続ピン450をクランプスライド溝4223a~bおよび支持部スライド溝4122に沿って往復摺動させることによって、第2のクランプ部材422を第1クランプ部材421に対して開閉運動させる。
【0072】
図25は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部430の構成概略図を示す。いくつかの実施例において、駆動部430は、図22および図25に示すように、スライド体432をさらに備えてもよく、駆動部接続ピン450は、スライド体432の遠位端に固定的に設けられてもよい。駆動ワイヤ431の遠位端は、スライド体432の近位端に接続されている。スライド体432は、支持部410の内部空洞4121に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ431は、スライド体432を支持部410内で往復運動させる。図22に示すように、シール材440は、第1の端部でスライド体432の外周面またはスライド体432の近位端の外周面にシール被覆されてもよく、シール材440は、第2の端部で支持部410の近位端の内壁にシール結合されてもよい。いくつかの実施例において、シール材440は、第2の端部で支持部410の近位端の端部、例えば支持コネクタ411の外周面にシール被覆されてもよい。シール材440は、駆動部430の遠位端を支持部410の中空シュータ4123に対してシールすることができる。いくつかの実施例において、スライド体432は、円柱状、立方体状、多面体状または異形構造であってもよく、駆動部接続ピン450は、スライド体432の径方向に沿ってスライド体432の遠位端に固定的に挿設されてもよい。
【0073】
図22および図25に示すように、スライド体432は、スライドレバー4322と、スライドレバー4322の遠位端に対称的に設けられて軸方向に延びる一対のスライド体接続部4321a~bとを備えてもよい。スライドレバー4322および一対のスライド体接続部4321a~bは、一体的に形成されてもよいし、例えば溶接や接着によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。駆動部接続ピン450は、一対のスライド体接続部4321a~bに固定的に設けられている。いくつかの実施例において、図22および図25に示すように、スライドレバー4322および駆動ワイヤ431の外周には、スリーブ434が外挿され、スリーブ434は、一対のスライド体接続部4321a~bと一体的に成形されてもよい。理解すべきところは、スリーブ434および一対のスライド体接続部4321a~bは、例えば溶接や接着によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。シール材440は、駆動部430の遠位端およびクランプ部420を支持部410の中空シュータ4123に対してシールするように、第1の端部でスリーブ434の外周面に外挿され、第2の端部で支持部410の近位端の内周面、例えば支持コネクタ411の内壁にシール貼着してもよい。上記の実施例において、駆動部430は、スライド体432と、駆動ワイヤ431と、スリーブ434とを備えるが、理解すべきところは、駆動部430は、全体的にまたは少なくとも部分的に一体的に成形されてもよい。
【0074】
いくつかの実施例において、図22に示すように、駆動ワイヤ431においてスリーブ434に位置する部分以外の部分の外周には、絶縁保護カバー431が被覆され、駆動ワイヤ433の遠位端は、絶縁保護カバー433から出てスライド体432の近位端に締結してもよく、例えば、溶接、接着、一体成形または係止締結によって接続してもよい。
【0075】
いくつかの実施例において、第1のクランプ部材421は、第1のクランプ部材421と第1の給電装置との間に第1の導電通路を形成するように、第1の給電装置(図示せず)と接続されてもよい。駆動ワイヤ431の近位端は、第2のクランプ部材422と駆動ワイヤ431との間に第2の導電通路を形成するように、第2の給電装置(図示せず)と接続されてもよい。第1の導電通路および第2の導電通路は、第1のクランプ部材421および第2のクランプ部材422が互いに接触しないときに互いに絶縁される。第1の導電通路および第2の導電通路は、それぞれ第1のクランプ部材421と第2のクランプ部材422に電力を供給して「双極」を形成し、これにより、挟持や電気凝固などの操作を実現することができる。
【0076】
いくつかの実施例において、スライド体432は、金属などの導電性材料であってもよい。当業者であれば、スライド体432は、導電の機能を達成するために、その表面に導電層をめっきしてもよいことを理解すべきである。駆動ワイヤ431の近位端は、第2の給電装置と接続され、第2のクランプ部材422は、スライド体432を介して駆動ワイヤ431との間に第2の導電通路を形成してもよい。第1の給電装置は、導線490(図22図23参照)を介して第1のクランプ部材421と第1の導電通路を直接的に形成してもよいし、或いは、第1の給電装置は、導線490を介して支持部410に電気的に接続され、支持部410は、第1のクランプ部材421に電気的に接続され、第1の導電通路を形成してもよい。第1のクランプ部材421と第2のクランプ部材422の少なくとも一方は、第1のクランプ部材421と第2のクランプ部材422とを分離時に互いに絶縁させるように、支持部410との間に絶縁部460(図21参照)を設けてもよく、第1のクランプ部材421および第2のクランプ部材422は、組織を挟持する際に両者の間に組織を介して導電通路を形成することができ、組織の挟持や電気凝固などの操作を実現することができる。
【0077】
いくつかの実施例において、第1のクランプ部材421と支持部410との間に絶縁部460が設けられてもよい。当業者であれば、支持部410は、直接的に絶縁性材料であってもよく、絶縁部460は、直接的に支持部410の一部であってもよいし、絶縁部460は、支持部410に固定的に設けられる第1の絶縁部材(図示せず)を備えてもよく、第1の絶縁部材は、第1のクランプ部材421と支持部410との絶縁を実現し、ひいては、第2のクランプ部材422との絶縁を実現するように、第1のクランプ部材421と支持部410との接続部に設けられる絶縁層または絶縁固定体を備えてもよいことを理解すべきである。第1のクランプ部材421は、支持部410に固定または一体的に成形されて設けられ、または第1の絶縁部材に固定的に設けられ、第1の給電装置は、導線490を介して第1のクランプ部材421に直接的に電気的に接続され、第1の導電通路を形成してもよい。図24に示すように、第1のクランプ部材421は、支持部410の一対の支持部材412に設けられてもよい。
【0078】
いくつかの実施例において、支持部410は、導電性材料であってもよく、第1の給電装置は、導線490を介して支持部410と導電通路を形成し、第1のクランプ部材421は、支持部410を介して第1の給電装置と第1の導電通路を形成する。第2のクランプ部材422と支持部410との間には、絶縁部460が設けられてもよい。図22および図24に示すように、絶縁部460は、支持部410の内壁に密着する支持フレーム絶縁ライナー462と、第2のクランプ部材422と支持部410との接触位置に設けられる第2の絶縁部材463とを含んでもよい。第1のクランプ部材421は、支持部材412a~bの遠位端に固定的に設けられ、または、支持部材412a~bと一体的に成形されている。支持フレーム絶縁ライナー462は、ゴム、プラスチックまたはセラミックスなどの絶縁性材料であってもよく、支持フレーム絶縁ライナー462は、第2のクランプ部材422が運動時に支持部410の内周面と接触して導電通路を形成することを防止できる。いくつかの実施例において、図24に示すように、支持フレーム絶縁ライナー462の形状は、支持部410の形状に適合してもよく、支持フレーム絶縁ライナー462は、内部空洞を有し、第2のクランプ部材422のクランプ支持部材4222a~b、スライド体432およびシール材440は、いずれも支持フレーム絶縁ライナー462の内部空洞に位置する。支持フレーム絶縁ライナー462の外壁は、支持部410の内壁に密着し、支持フレーム絶縁ライナー462には、一対の支持部スライド溝4122に対応する一対のスライド溝と、接続孔4224a~bおよび一対の支持部接続孔4124に対応する一対の接続孔とが設けられている。図23に示すように、クランプ支持部材4222a~bは、それぞれスライド体接続部4321a~bの両側に位置してもよく、駆動部接続ピン450は、スライド体接続部4321a~bに固定的に挿設され、駆動部接続ピン450の両端は、クランプスライド溝4223a~bと、支持フレーム絶縁ライナー462の一対のスライド溝と、一対の支持部スライド溝4122とにそれぞれ摺動可能に挿設されてもよい。回動接続ピン451の両端は、クランプ支持部材4222a~bおよび支持フレーム絶縁ライナー462の一対の接続孔をそれぞれ通過した後、支持部410の一対の接続孔4224a~bに挿設してもよい。理解すべきところは、支持フレーム絶縁ライナー462は、第2のクランプ部材422が支持部410の内周面と接触して導電通路を形成することを阻止できる他の如何なる構造であってもよく、本開示の範囲から逸脱しない。
【0079】
第2のクランプ部材422のクランプ支持部材4222a~bと支持部410との接触位置は、支持部410の内周面、または駆動部接続ピン450および回動接続ピン451、または支持部410の支持部スライド溝4122a~bの表面、またはクランプ支持部材4222a~bのクランプスライド溝4223a~bを含んでもよい。図23に示すように、第2の絶縁部材463は、駆動部接続ピン450と回動接続ピン451の外周または両端部の外周に被覆された接続ピンの絶縁スリーブまたは絶縁層であってもよい。理解すべきところは、いくつかの実施例において、第2の絶縁部材463は、支持部スライド溝4122a~bの表面に設けられる絶縁層であってもよい。これにより、第2のクランプ部材422と支持部410との接触位置を駆動部接続ピン450、回動接続ピン451により接続する際に両者の間の相互絶縁を保証することができる。第2のクランプ部材422は、駆動部接続ピン450、スライド体432、駆動ワイヤ431を介して第2の給電装置との間に第2の導電通路を形成してもよいし、或いは、第2のクランプ部材422は、スライド体432、駆動ワイヤ431を介して第2の給電装置との間に第2の導電通路を形成してもよい。支持フレーム絶縁ライナー462と第2の絶縁部材463との協働により、第2の導電通路と第1の導電通路とが互いに絶縁することができ、絶縁部の構造を簡素化することができ、第1のクランプ部材421と第2のクランプ部材422とがそれぞれ導電通路を形成し、二つの導電通路が互いに絶縁することができる。なお、第1のクランプ部材421、第2のクランプ部材422、駆動ワイヤ431、スライド体432、駆動部接続ピン450および回動接続ピン451は、いずれも導電性材料、例えば金属材料およびステンレス材料であってもよいし、その表面に導電層をめっきして導電機能を実現してもよい。いくつかの実施例において、駆動部接続ピン450および回動接続ピン451は、絶縁性材料であってもよい。小型の手術アクチュエータの単極または双極のツールに対して絶縁を実現することにより、手術アクチュエータの間および手術アクチュエータと手術ツールのアーム体または手術ロボットのロボットアームとの間に絶縁を形成して、手術アクチュエータ以外の場所で患者および使用者を灼傷しないことを保証し、設備などの損傷を回避する。
【0080】
いくつかの実施例において、図23に示すように、支持部410において第1のクランプ部材421から離れる端部には、環状の導電板413が設けられ、導線490が環状の導電板413に接続され、導線490の導体が環状の導電板413に接触し、電気的に接続されている。環状の導電板413を設けることで、支持部410との接触面を大きくすることができ、導線490が支持部410と導電通路を形成しやすくなる。
【0081】
図26は、本開示のいくつかの実施例に係るシール材440の斜視図を示す。図22および図26に示すように、シール材440は、内筒部441と、外筒部442と、湾曲遷移部443とを備えてもよい。内筒部441は、スライド体432の近位端(例えば、スリーブ434またはスライドレバー4322)の外周面に外挿されて支持部410の内部空洞4121に位置してもよく、内筒部441は、スライド体132の駆動によって内部空洞4121に沿って軸方向に移動可能である。外筒部442の外壁は、支持部410の近位端の内周面にシール貼着してもよいし、支持部410の近位端の外周面に封止されてもよい。いくつかの実施例において、図22に示すように、外筒部442の外壁は、支持フレーム絶縁ライナー462の近位端の内周面にシール貼着してもよい。しかし、理解すべきところは、外筒部442の内壁は、支持フレーム絶縁ライナー462の近位端の外周面に封止されてもよい。外筒部442は、湾曲遷移部443を介して内筒部441と一体的に接続されている。これにより、シール材440は、スライド体432の遠位端とクランプ部420および駆動ワイヤ431をシール材440の遠位側に対してシールして、駆動ワイヤ431を手術界面から隔離することができる。
【0082】
いくつかの実施例において、図23に示すように、シール材440の内筒部441の外部には、シール材440とスライド体432とがシール締結されるように、カラー480が外挿されてもよい。いくつかの実施例において、シール材440の外筒部442の外部には、カラー(図示せず)が外挿されてもよく、カラーは、外筒部442が支持部410にシール締結されるように、支持部410の近位端に締結してもよい。カラーを設けることで、シール材440と駆動ワイヤ431との間およびシール材440と支持部410との間のシール性をさらに保証することができ、シール材440が伸縮運動時にスリップするリスクを軽減することができる。
【0083】
図27は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバー470の斜視図を示す。いくつかの実施例において、支持部410の近位端の外周には、保護カバー470が設けられてもよい。図27に示すように、保護カバー470は、近位部471および遠位部472を備えてもよく、遠位部472の径方向寸法は、近位部471の径方向寸法よりも大きい。保護カバー470の遠位部472は、遠位端で収容溝(図示せず)を備えてもよい。保護カバー470の収容溝は、支持部410の近位端を収容し、支持部410の端部に対してシールされている。当業者であれば、遠位部472および支持部410の近位端は、ねじ接続、しまりばめ接続、溶接、接着または一体成形などで接続されてもよいことを理解すべきである。保護カバー470の近位部471は、駆動ワイヤ431を収容する。図27に示すように、保護カバー470の近位部471の端部には、駆動ワイヤ431および導線490がそれぞれ通過する駆動ワイヤ貫通孔4711および少なくとも1つの導線貫通孔4712が設けられてもよい。いくつかの実施例において、保護カバー470は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。保護カバー470は、手術アクチュエータと手術ツールのアーム体とを絶縁することができ、汚染物質が手術ツールの内部に侵入して洗浄が困難になることを防止できる。
【0084】
図28および図29は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ500の斜視図および断面図をそれぞれ示す。
【0085】
いくつかの実施例において、手術アクチュエータ500は、クランプ部520と、支持部510と、駆動部530と、シール材540とを備えてもよい。
【0086】
クランプ部520は、図28および図29に示すように、少なくとも部分的に移動可能に支持部510の遠位端に設けられている。支持部510は、内部空洞5121を備えてもよく、駆動部530(図33参照)は、支持部510の内部空洞5121に摺動可能に設けられてクランプ部520の近位端に接続されることで、支持部510の内部での運動によってクランプ部520の少なくとも一部を支持部110の遠位端に対して移動させる。
【0087】
シール材540は、第1の端部(例えば、近位端または図29に示す遠位端)において駆動部530にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図29に示す近位端)において支持部510にシール接続されてもよく、シール材540の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部530が支持部510内で相対的に移動すると、シール材540が適応的に変形することができる。シール材540は、駆動部530と支持部510およびクランプ部520との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ500の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ500の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0088】
いくつかの実施例において、支持部510は、少なくとも一対の支持部スライド溝5122を備えてもよい。図30は、本開示のいくつかの実施例に係る支持部510の構成概略図を示す。図30に示すように、支持部510は、支持部スライド溝5122a~dを備えてもよく、支持部スライド溝5122a~bおよび5122c~dは、それぞれ互いに径方向に対向して軸方向に延びる二対の軸方向スライド溝であってもよい。
【0089】
いくつかの実施例において、図29および図30に示すように、支持部510は、近位端に位置する支持コネクタ511と、支持コネクタ511の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる一対の支持部材512a~bとを備えてもよく、支持コネクタ511は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。その内部には、軸方向に沿って設けられる中空シュータ5123が形成されている。二対の支持部スライド溝5122a~bおよび5122c~dは、それぞれ支持部材512a~bに対向して対称的に形成されてもよい。支持部材512a~bおよび支持コネクタ511は、固定的に接続してもよく、一体的に成形してもよい。いくつかの実施例において、支持部510の支持部材512は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
【0090】
図28に示すように、クランプ部520は、第1のクランプ部材521と、第1のクランプ部材521と協働可能な第2のクランプ部材522とを備えてもよい。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材521は、例えば溶接、接着、一体成形などによって支持部510の遠位端に固定的に設けられてもよい。第2のクランプ部材522は、例えばヒンジジョイントで第1のクランプ部材521または支持部510と回動可能に接続されてもよい。図28および図30に示すように、第1のクランプ部材521は、一対の支持部材512a~bと一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。理解すべきところは、第1のクランプ部材521は、支持部510の支持部材512a~bの一方と一体的に成形されてもよく、固定的に接続されてもよい。
【0091】
図31および図32は、本開示のいくつかの実施例に係るクランプ部520と駆動部530との協働の斜視図および側面図をそれぞれ示す。図31に示すように、第2のクランプ部材522は、クランプ5221と、クランプ5221を接続して支持する一対のクランプ支持部材5222a,5222bとを備えてもよい。一対のクランプ支持部材5222a~bは、クランプ5221の近位端の両側に対称的に設けられてもよい。クランプ支持部材5222a~bの遠位端には、接続孔5224a~bがそれぞれ対向して設けられている。図31に示すように、クランプ支持部材5222a~bは、それぞれクランプスライド溝5223a~bを備えてもよい。いくつかの実施例において、クランプスライド溝5223a~bは、クランプ支持部材5222a~bに互いに対向して設けられる円弧状のスライド溝であってもよい。
【0092】
図33は、本開示のいくつかの実施例に係る駆動部の斜視図を示す。図33に示すように、いくつかの実施例において、駆動部530は、駆動ワイヤ531を備える。
【0093】
いくつかの実施例において、クランプ支持部材5222a~bは、支持部510の内側に設けられてもよい。図31に示すように、一対の駆動部接続ピン550a~bは、二対の支持部スライド溝5122a~bおよび5122c~d(図30に示すように)にそれぞれ摺動可能に挿設されてもよく、駆動部接続ピン550aは、クランプスライド溝5223a~bにも摺動可能に挿設されている。回動接続ピン551は、その両端がそれぞれ支持部510の一対の支持部接続孔5124a~b(図30参照)に枢着されて第2のクランプ部材522が支持部510にヒンジジョイントで接続されるように、一対の接続孔5224a~bを貫通している。一対の駆動部接続ピン550a~bは、駆動ワイヤ531の遠位端に接続し、駆動ワイヤ531は、支持部510の中空シュータ5123内で相対的に押し引き運動する際に、駆動部接続ピン550aをクランプスライド溝5223a~bおよび一対の支持部スライド溝5122a~bに沿って往復摺動させ、駆動部接続ピン550bを他の一対のクランプスライド溝5122c~dに沿って往復摺動させることによって、第2のクランプ部材522を第1のクランプ部材521に対して開閉運動させる。
【0094】
いくつかの実施例において、駆動部530は、図29および図33に示すように、スライド体532をさらに備えてもよく、駆動部接続ピン550a~bは、スライド体532の遠位端に固定的に設けられてもよい。駆動ワイヤ531の遠位端は、スライド体532の近位端に接続されている。スライド体532は、支持部510の内部空洞5121に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ531は、スライド体532を支持部510内で往復運動させる。図29図31および図32に示すように、シール材540は、第1の端部でスライド体532の外周面またはスライド体532の近位端の外周面にシール被覆されてもよく、シール材540は、第2の端部で支持部510の近位端の内壁にシール結合されてもよい。いくつかの実施例において、シール材540は、第2の端部で支持部510の近位端の端部にシール被覆されてもよい。シール材540は、駆動部530の遠位端を支持部510の中空シュータ5123に対してシールすることができる。いくつかの実施例において、スライド体532は、円柱状、立方体状、多面体状または異形構造であってもよく、駆動部接続ピン550a~bは、スライド体532の横方向に沿って間隔を置いてスライド体532の遠位端に固定的に挿設されてもよい。
【0095】
図29および図33に示すように、スライド体532は、径方向に延びるピン接続部5321と、ピン接続部5321から近側軸方向に延びるスライドレバー5322とを備えてもよい。スライドレバー5322およびピン接続部5321は、一体的に形成されてもよいし、例えば溶接や接着によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。駆動部接続ピン550a~bは、ピン接続部5321に固定的に設けられている。いくつかの実施例において、図29および図33に示すように、スライドレバー5322および駆動ワイヤ531の外周には、スリーブ534が外挿され、スリーブ534は、一対のスライド体接続部5321a~bと一体的に成形されてもよい。理解すべきところは、スリーブ534および一対のスライド体接続部4321a~bは、例えば溶接や接着によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。シール材540は、駆動部530の遠位端およびクランプ部520を支持部510の中空シュータ5123に対してシールするように、第1の端部でスリーブ534の外周面にシール外挿され、第2の端部で支持部510の近位端の内周面にシール貼着してもよい。上記の実施例において、駆動部530は、スライド体532と、駆動ワイヤ531と、スリーブ534とを備えるが、理解すべきところは、駆動部530は、全体的にまたは少なくとも部分的に一体的に成形されてもよい。
【0096】
いくつかの実施例において、図29に示すように、駆動ワイヤ531においてスリーブ534に位置する部分以外の部分の外周には、絶縁保護カバー533が被覆され、駆動ワイヤ531の遠位端は、絶縁保護カバー533から出てスライド体532の近位端に締結してもよく、例えば、溶接、接着、一体成形または係止締結によって締結してもよい。
【0097】
いくつかの実施例において、第1のクランプ部材521は、第1のクランプ部材521と第1の給電装置との間に第1の導電通路を形成するように、第1の給電装置(図示せず)と接続されてもよい。駆動ワイヤ531の近位端は、第2のクランプ部材522と駆動ワイヤ531との間に第2の導電通路を形成するように、第2の給電装置(図示せず)と接続されてもよい。第1の導電通路および第2の導電通路は、第1のクランプ部材521および第2のクランプ部材522が互いに接触しないときに互いに絶縁される。第1の導電通路および第2の導電通路は、それぞれ第1のクランプ部材521と第2のクランプ部材522に電力を供給して「双極」を形成し、これにより、挟持や電気凝固などの操作を実現することができる。
【0098】
いくつかの実施例において、スライド体532は、金属などの導電性材料であってもよい。当業者であれば、スライド体532、導電の機能を達成するために、その表面に導電層をめっきしてもよいことを理解すべきである。駆動ワイヤ531の近位端は、第2の給電装置と接続され、第2のクランプ部材522は、スライド体532を介して駆動ワイヤ531との間に第2の導電通路を形成してもよい。第1の給電装置は、導線590を介して第1のクランプ部材521と第1の導電通路を直接的に形成してもよいし(図32参照)、或いは、第1の給電装置は、導線590を介して支持部510に電気的に接続され、支持部510は、第1のクランプ部材521に電気的に接続され、第1の導電通路を形成してもよい。第1のクランプ部材521と第2のクランプ部材522の少なくとも一方は、第1のクランプ部材521と第2のクランプ部材522とを分離時に互いに絶縁させるように、支持部510との間に絶縁部560(図28参照)を設けてもよく、第1のクランプ部材521および第2のクランプ部材522は、組織を挟持する際に両者の間に組織を介して導電通路を形成することができ、組織の挟持や電気凝固などの操作を実現することができる。
【0099】
図28に示すように、いくつかの実施例において、第1のクランプ部材521と支持部510との間に絶縁部560が設けられてもよい。当業者であれば、図31に示すように、支持部510は、直接的に絶縁性材料であってもよく、絶縁部560は、直接的に支持部510の一部であってもよいし、絶縁部560は、支持部510に固定的に設けられる第1の絶縁部材561を備えてもよいことを理解すべきである。図30および図32に示すように、第1の絶縁部材561は、第1のクランプ部材521と支持部510との絶縁を実現し、さらに第2のクランプ部材522との絶縁を実現するように、第1のクランプ部材521と支持部510との接続部に設けられる隔離絶縁層または絶縁固定部材を備えてもよい。図30に示すように、第1のクランプ部材521は、支持部510に固定または一体成形的に設けられ、または第1の絶縁部材561に固定的に設けられ、第1の給電装置は、導線590を介して第1のクランプ部材521に直接的に電気的に接続され、第1の導電通路を形成してもよい。図30に示すように、第1のクランプ部材521は、支持部510の一対の支持部材512a~bに設けられてもよい。
【0100】
いくつかの実施例において、支持部510は、導電性材料であってもよく、第1の給電装置は、導線590を介して支持部510と導電通路を形成し、第1のクランプ部材521は、支持部510を介して第1の給電装置と第1の導電通路を形成する。第2のクランプ部材522と支持部510との間には、絶縁部560が設けられてもよい。絶縁部560は、第2のクランプ部材522と支持部510との接触位置に設けられる第2の絶縁部材(図示せず)を備えてもよい。理解すべきところは、第2のクランプ部材522のクランプ支持部材5222a~bと支持部510との接触位置は、駆動部接続ピン550a~bと回動接続ピン551の両端、または支持部510の支持部スライド溝5122a~dの表面を含んでもよい。第2の絶縁部材は、第2のクランプ部材522と接触する支持部スライド溝5122a~dに設けられる絶縁部材、駆動部接続ピン550a~bおよび回動接続ピン551の両端に設けられる絶縁層、または他の接触部に設けられる絶縁層または絶縁部材を備えてもよい。これにより、第2のクランプ部材522と支持部510との間を絶縁することができ、さらに第2の導電通路と第1の導電通路との相互絶縁を実現することができ、絶縁部の構造を簡素化することができ、第1のクランプ部材521と第2のクランプ部材522とがそれぞれ導電通路を形成し、二つの導電通路が互いに絶縁することができる。なお、第1のクランプ部材521、第2のクランプ部材522、駆動ワイヤ531、スライド体532は、いずれも導電性材料、例えば金属やステンレス材料であってもよいし、その表面に導電層をめっきして導電機能を実現してもよい。いくつかの実施例において、駆動部接続ピン550a~bおよび回動接続ピン551は、導電性材料または絶縁性材料であってもよい。
【0101】
図29および図32に示すように、シール材540は、内筒部541と、外筒部542と、湾曲遷移部543とを備えてもよい。内筒部541は、スライド体532の近位端(例えば、スリーブ534またはスライドレバー5322)の外周面に外挿されて支持部510の内部空洞5121に位置してもよく、内筒部541は、スライド体532の駆動によって内部空洞5121に沿って軸方向に移動可能である。外筒部542の外壁は、支持部510の近位端の内周面にシール貼着してもよいし、支持部510の近位端の外周面に封止されてもよい。外筒部542は、湾曲遷移部543を介して内筒部541と一体的に接続されている。これにより、シール材540は、スライド体532の遠位端とクランプ部520および駆動ワイヤ531をシール材540の遠位側に対してシールして、駆動ワイヤ531を手術界面から隔離することができる。
【0102】
いくつかの実施例において、図29および図32に示すように、シール材540の内筒部541の外部には、シール材540とスライド体532とがシール締結されるように、カラー580が外挿されてもよい。いくつかの実施例において、シール材540の外筒部542の外部には、カラー(図示せず)が外挿されてもよく、カラーは、外筒部542が支持部510にシール締結されるように、支持部510の近位端に締結してもよい。カラーを設けることで、シール材540と駆動ワイヤ531との間およびシール材540と支持部510との間のシール性をさらに保証することができ、シール材540が伸縮運動時にスリップするリスクを軽減することができる。
【0103】
図34は、本開示のいくつかの実施例に係る保護カバー570の斜視図を示す。いくつかの実施例において、支持部510の近位端の外周には、保護カバー570が設けられてもよい。図34に示すように、保護カバー570は、近位部571および遠位部572を備えてもよく、遠位部572の径方向寸法は、近位部571の径方向寸法よりも大きい。保護カバー570の遠位部572は、遠位端で収容溝(図示せず)を備えてもよい。保護カバー570の収容溝は、支持部510の近位端を収容し、支持部510の端部に対してシールされている。当業者であれば、遠位部572および支持部510の近位端は、ねじ接続、しまりばめ接続、溶接、接着または一体成形などで接続されてもよいことを理解すべきである。保護カバー570の近位部571は、駆動ワイヤ531を収容する。保護カバー570の近位部571の端部には、駆動ワイヤ531および導線590がそれぞれ通過する駆動ワイヤ貫通孔5711および導線貫通孔5712が設けられてもよい。図34に示すように、導線貫通孔5712は、保護カバー570の側壁に沿って設けられる導線溝であってもよい。いくつかの実施例において、保護カバー570は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。保護カバー570は、手術アクチュエータと手術ツールのアーム体とを絶縁することができ、汚染物質が手術ツールの内部に侵入して洗浄が困難になることを防止できる。
【0104】
図35図36図37は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータ600の斜視図、断面図および部分断面図をそれぞれ示す。
【0105】
いくつかの実施例において、手術アクチュエータ600は、クランプ部620と、支持部610と、駆動部630と、シール材640とを備えてもよい。
【0106】
図35に示すように、クランプ部620は、少なくとも部分的に移動可能に支持部610の遠位端に設けられている。図38は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの部分構造の斜視図を示す。図35および図37に示すように、支持部610は、内部空洞6121を備えてもよく、駆動部630は、支持部610の内部空洞6121に摺動可能に設けられてクランプ部620の近位端に接続されることで、支持部610の内部での運動によってクランプ部620の少なくとも一部を支持部610の遠位端に対して移動させる。
【0107】
シール材640は、第1の端部(例えば、近位端または図36に示す遠位端)において駆動部630の外周面にシール接続されるとともに、第2の端部(例えば、遠位端または図36に示す近位端)において支持部610の近位端の内周面にシール接続されてもよく、シール材640の少なくとも一部が変形可能である。これにより、駆動部630が支持部610内で相対的に移動すると、シール材640が適応的に変形することができる。シール材640は、駆動部630と支持部610およびクランプ部620との間にシール隔離を形成することができ、手術中に患者からの体液、細菌、ウイルスが孔隙を通って手術アクチュエータ600の内部に入ることを阻止して、手術アクチュエータ600の繰り返し洗浄および消毒を容易にすることができる。
【0108】
図39は、本開示のいくつかの実施例に係る手術アクチュエータの支持部610の斜視図を示す。いくつかの実施例において、図39に示すように、支持部610は、近位端に位置する支持コネクタ611と、支持コネクタ611の遠位端で周方向に間隔を置いて設けられる一対の支持部材612a~bとを備えてもよく、支持コネクタ611は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。支持部材612a~bおよび支持コネクタ211は、固定的に接続してもよく、一体的に成形してもよい。支持部610の支持部材は、筒状または筒状の一部であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。
【0109】
図39に示すように、第1のクランプ部材621は、クランプ6211と、クランプ6211の両側から内側に延びる一対の第1の延在部6212a~bとを備えてもよく、第1の延在部6212a~bは、第1のクランプ621の内側に位置し、第1の延在部6212a~bは、対向して設けられる一対の接続軸貫通孔6214a~bを備えてもよい。第2のクランプ部材622は、クランプ6221と、クランプ6221の両側から内側に延びる一対の第2の延在部6222a~bとを備えてもよく、第2の延在部6222a~bは、第2のクランプ622の内側に位置し、第2の延在部6222a~bは、対向して設けられる一対の接続軸貫通孔6224a~bを備えてもよい。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材621は、軸方向に延びるクランプ溝6213を備えてもよく、第2のクランプ部材622は、軸方向に延びるクランプ溝6223を備えてもよく、クランプ溝6213およびクランプ溝6223は、対向して設けられて、クランプ溝対を形成する。図35および図38に示すように、一対の駆動部接続ピン650a~bは、第1のクランプ621の接続軸貫通孔6214a~bおよび第2のクランプ622の接続軸貫通孔6224a~b内にそれぞれ設けられてもよい。接続軸貫通孔6214a~bおよび6224a~bは、以下に詳述するように、それぞれ駆動部630と接続するために用いられる。
【0110】
いくつかの実施例において、第1のクランプ部材621および第2のクランプ部材622は、支持部610の遠位端に固定的に設けられ、第1のクランプ部材621および/または第2のクランプ部材622と支持部材612a~bの遠位端との接続部が可撓性であり、または第1のクランプ部材621および第2のクランプ部材622は、自体が可撓性である。いくつかの実施例において、図35に示すように、第1のクランプ部材621および第2のクランプ部材622は、支持部材612a~bと一体的に成形してもよい。いくつかの実施例において、第1のクランプ部材621および第2のクランプ部材622は、支持部材612a~bの遠位端にそれぞれ移動可能に設けられてもよい。第1のクランプ部材621および第2のクランプ部材622は、駆動ワイヤ631の駆動によって開閉運動して、手術アクチュエータ600の寸法を小さくすることができ、それによって、空間の小さい組織部位の手術要求を満たすことができ、従来の手術アクチュエータの寸法が大きすぎることによって生じる操作しにくい問題を解決することができる。
【0111】
いくつかの実施例において、駆動部630は、図35および図38に示すように、駆動ワイヤ631を備える。
【0112】
いくつかの実施例において、駆動部接続ピン650a~bおよび駆動ワイヤ631は、それぞれ第1のリンク635および第2のリンク636によって接続されてもよい。第1のリンク635と第2のリンク636の内端部は、互いにヒンジジョイントで接続され、駆動ワイヤ631の遠位端は、第1のリンク635と第2のリンク636とのヒンジジョイント部に接続されている。第1のリンク635および第2のリンク636の外端部は、それぞれ駆動部接続ピン650a~bに接続されることで、第1のクランプ621および第2のクランプ622を駆動ワイヤ631の駆動によって互いに近接または離間移動させることができる。
【0113】
いくつかの実施例において、駆動部接続ピン650aは、第1のクランプ部材621の接続軸貫通孔6214a~bに固定的に挿設してもよく、駆動部接続ピン650bは、第2のクランプ部材622の接続軸貫通孔6214a~bに固定的に挿設してもよく、第1のリンク635と第2のリンク636の内端部は、回動接続ピン651を介してヒンジジョイントで接続してもよく、第1のリンク635の外端部は、駆動部接続ピン650aとヒンジジョイントで接続してもよく、第2のリンク636の外端部は、駆動部接続ピン650bとヒンジジョイントで接続してもよい。回動接続ピン651は、駆動ワイヤ631の遠位端に固定的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、第1のリンク635および第2のリンク636の内端部は、駆動ワイヤ631の遠位端に直接的にヒンジジョイントで接続してもよい。駆動ワイヤ631が近位端に向かって引っ張られると、第1のクランプ部材621と第2のクランプ部材622とが互いに近接するように、第1のリンク635と第2のリンク636の外端部が互いに近接する。駆動ワイヤ631が遠位端に向かって移動すると、第1のクランプ部材621と第2のクランプ部材622とが互いに離れるように、第1のリンク635と第2のリンク636の外端部が互いに離れる。第2のクランプ部材622は、図35に示すように、運動軌跡Cが示す方向に沿って移動可能であり、第1のクランプ部材621は、運動軌跡Cが示す方向とは反対の方向に沿って移動可能である。
【0114】
いくつかの実施例において、クランプ溝6213および6223は、図39に示すように、第1のリンク635および第2のリンク636の外端部が挿入するために使用され、第1のリンク635および第2のリンク636が駆動ワイヤ631とともに往復運動するときに、第1のリンク635および第2のリンク636の外端部は、それぞれクランプ溝6213および6223内で移動することができる。クランプ溝6213および6223は、クランプ部620の横方向寸法をさらに小さくすることができる。
【0115】
いくつかの実施例において、駆動部630は、図36に示すように、スライド体632をさらに備えてもよく、第1のリンク635および第2のリンク636の内端部は、回動接続ピン651を介してスライド体232の遠位端にヒンジジョイントで接続することができる。駆動ワイヤ631の遠位端は、スライド体632の近位端に接続されている。スライド体632は、支持部610の内部空洞に摺動可能に設けられ、駆動ワイヤ631は、スライド体632を支持部610内で往復運動させる。
【0116】
いくつかの実施例において、スライド体632は、スライド体接続部6321と、スライド体接続部6321から近側軸方向に延びるスライドレバー6322とを備えてもよい。スライドレバー6322およびスライド体接続部6321は、一体的に形成されてもよいし、例えば溶接、接着または一体成形によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。回動接続ピン651は、スライド体接続部6321に固定的に設けられてもよい。いくつかの実施例において、図37に示すように、スライドレバー6322および駆動ワイヤ631の外周には、スリーブ634が外挿され、スリーブ634は、スライドレバー6322またはスライド体接続部6321と一体的に成形してもよい。理解すべきところは、スリーブ634とスライドレバー6322またはスライド体接続部6321は、例えば溶接、接着、または一体成形によって互いに独立して固定的に接続されてもよい。いくつかの実施例において、スライド体632は、ゴム、プラスチック、またはセラミックなどの絶縁体であってもよい。シール材640は、駆動部630の遠位端およびクランプ部620を支持部610の近位端内側に対してシールするように、第1の端部でスリーブ634の外周面にシール外挿され、第2の端部で支持部610の近位端の内周面にシール貼着されたり、支持部610の近位端に対してシールされたりしてもよい。上記の実施例において、駆動部630は、スライド体632と、駆動ワイヤ631と、スリーブ634とを備えるが、理解すべきところは、駆動部630は、全体的にまたは少なくとも部分的に一体的に成形されてもよい。いくつかの実施例において、スライド体632は、円柱状、立方体状、多面体状、または異形構造であってもよい。
【0117】
いくつかの実施例において、図37に示すように、駆動ワイヤ631においてスリーブ634の近位端およびスリーブ634の近位端に位置する部分以外の部分の外周には、絶縁保護カバー633が被覆されてもよく、駆動ワイヤ631の遠位端は、絶縁保護カバー633から出てスライド体632の近位端に締結してもよく、例えば、溶接、接着、一体成形または係止締結によって接続してもよい。絶縁保護カバー633は、手術中に、手術アクチュエータが帯電設備と接触しても、手術ツールのアームに電流が伝達されないことを保証でき、患者や使用者を灼傷させず、潜在危険性や設備の損傷を避けることができる。
【0118】
いくつかの実施例において、図36および図37に示すように、支持部610の近位端には、保護カバー670が設けられてもよい。保護カバー670は、近位部671および遠位部672を備えてもよく、遠位部672の径方向寸法は、近位部671の径方向寸法よりも小さい。図36に示すように、支持部610の近位端は、保護カバー670の近位部671の外周に密着して外挿されている。いくつかの実施例において、支持部610および保護カバー670は、固定的に接続されてもよいし、一体的に成形されてもよい。当業者であれば、近位部671および支持部610の近位端は、ねじ接続、しまりばめ接続、溶接、接着または一体成形などで接続されてもよいことを理解すべきである。いくつかの実施例において、図36および図37に示すように、近位部671および遠位部672は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形または多角形などであってもよく、その内部には、軸方向に沿って設けられる中空シュータ6123が形成されている。いくつかの実施例において、保護カバー670の外壁は、支持コネクタ611の内壁に密着し、保護カバー670の近位端には、駆動ワイヤ631が通過するための貫通孔が設けられていてもよく、保護カバー670の遠位端には、スライド体632および駆動ワイヤ631が摺動するように、軸方向に沿って設けられる中空シュータが形成されている。シール材640は、支持部610の近位端をシールして、駆動部630の遠位端およびクランプ部620を保護カバー670の中空シュータ6123に対してシールするように、第1の端部でスリーブ634の外周面にシール外挿され、第2の端部で保護カバー670の遠位端の外周面に密着して外挿されてもよい。
【0119】
いくつかの実施例において、保護カバー670は、セラミック材料であってもよく、絶縁性を達成するとともに、摩擦力を低減することができ、スライド体632が中空シュータ6123を摺動するのを容易にすることができる。理解すべきところは、保護カバー670は、ゴム、プラスチックなどの絶縁体であってもよい。いくつかの実施例において、図36に示すように、保護カバー670の近位端には、固定部材673が設けられ、固定部材673は、保護カバー670の近位端の端部に直接的に固定接続されてもよい。いくつかの実施例において、図36に示すように、固定部材673および保護カバー670は、1つの遷移部材674を介して固定的に接続されてもよい。固定部材673には、駆動ワイヤ631が通過するための貫通孔が設けられてもよく、固定部材673は、組織液が駆動部630の内部に侵入して洗浄が困難になることを防止するように、駆動部630の近位端に対してシールしてもよい。理解すべきところは、固定部材673は、保護カバー670と一体的に成形されてもよい。
【0120】
いくつかの実施例において、シール材640は、筒状であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形または多角形などであってもよい。シール材640の遠位端は、第1の端部を形成し、シール材640の近位端は、第2の端部を形成する。シール材640は、第1の端部でスライド体632の外周面にシール被覆され、第2の端部で保護カバー670の遠位部672の外周にシール被覆されてもよく、シール材640は、スライド体632の遠位端およびクランプ部620と駆動ワイヤ631を保護カバー670の中空シュータ6123に対してシールさせて、駆動ワイヤ631を手術界面から隔離することができる。
【0121】
いくつかの実施例において、図36に示すように、シール材640の遠位端の外部には、シール材640とスライド体632とをシール締結するように、カラー680aが外挿されてもよい。いくつかの実施例において、シール材640の近位端の外部には、カラー680bが外挿されてもよく、カラー680bは、シール材640と保護カバー670の遠位部672とをシール締結することができる。カラー680a~bを設けることで、シール材640と駆動ワイヤ631との間およびシール材640と保護カバー670との間のシール性をそれぞれ保証することができ、シール材640が伸縮運動時にスリップするリスクを軽減することができる。
【0122】
いくつかの実施例において、図36に示すように、支持部610の近位端には、マスク675が設けられてもよく、マスク675は、筒状の部材であってもよく、断面は、円形、楕円形、矩形、多角形などであってもよい。マスク675の遠位端は、保護カバー670の近位端の外周および固定部材673の外周に締結外挿され、マスク675の内壁は、固定部材673の外壁に固定的に接続され、マスク675の近位端には、駆動ワイヤ631が通過するための貫通孔が設けられている。いくつかの実施例において、マスク675は、支持部610に固定的に接続されてもよいし、一体的に成形されてもよい。マスク675は、体液が手術アクチュエータの内部に入ることをさらに回避することができる。
【0123】
図40は、本開示のいくつかの実施例に係る手術ツール10の斜視図を示す。手術ツール10は、伝動部11と、手術ツールアーム体12と、手術アクチュエータ100(または手術ツール200~600のいずれか)とを備えてもよい。図40に示すように、手術アクチュエータ100は、手術ツールアーム体12の遠位端に設けられ、伝動部11は、手術ツールアーム体12の近位端に設けられ、伝動部11は、手術アクチュエータ100における駆動ワイヤ131を運動駆動することができ、駆動ワイヤ131によってクランプ部120を運動駆動することができる。いくつかの実施例において、伝動部11は、手術ツールアーム体12を運動駆動して、手術ツールアーム体12を介して手術アクチュエータ100の姿勢を調節することもできる。
【0124】
いくつかの実施例において、伝動部11は、外部モータ駆動ユニットに接続されて駆動ワイヤを駆動できる伝動ユニットを備えてもよい。いくつかの実施例において、伝動部11は、伝動ユニットを駆動して駆動ワイヤの駆動を実現できるモータ駆動ユニットをさらに備えてもよい。
【0125】
いくつかの実施例において、手術ツールアーム体12は、剛性のアーム体であってもよい。いくつかの実施例において、手術ツールアーム体12の少なくとも一部は、可撓性であってもよく、伝動部11の駆動によって曲げ運動を起こすことができ、遠位端の手術アクチュエータの姿勢を調整することができる。
【0126】
図41は、本開示のいくつかの実施例に係る手術ロボット1の斜視図を示す。
【0127】
図41に示すように、手術ロボット1は、制御装置(図示せず)と、手術台車101と、少なくとも1つのロボットアーム102と、少なくとも1つの手術ツールまたは内視鏡10と、少なくとも1つの手術アクチュエータ100(または、手術アクチュエータ200~600のいずれか)とを備えてもよい。
【0128】
図41に示すように、少なくとも1つのロボットアーム102は、手術台車101に設けられ、手術台車101は、ロボットアーム102を支持するために用いられる。少なくとも1つの手術ツール10は、少なくとも1つのロボットアーム102の遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの手術アクチュエータ100は、少なくとも1つの手術ツール10の遠位端にそれぞれ設けられてもよい。制御装置は、ロボットアーム102と、少なくとも1つの手術ツール10および/または少なくとも1つの手術アクチュエータ100の運動とを遠隔で操作制御するために用いられる。ロボットアーム102は、少なくとも1つの可動関節1021を備えてもよく、可動関節1021によって手術ツール10の姿勢を調整することができる。当業者であれば、少なくとも1つのロボットアーム102は、複数の手術台車101にそれぞれ設けてもよいことを理解すべきである。
【0129】
また、本開示は、以下の内容を開示する。
第1項:
内部空洞を備える支持部と、
少なくとも部分的に移動可能に前記支持部の遠位端に設けられるクランプ部と、
前記支持部の内部空洞に摺動可能に設けられて前記クランプ部の近位端に接続される駆動部と、
第1の端部で前記駆動部にシール接続されるとともに、第2の端部で前記支持部にシール接続され、少なくとも一部が変形可能であるシール材と、を備える手術アクチュエータ。
【0130】
第2項:
前記クランプ部は、第1のクランプ部材と、第1のクランプ部材と協働可能な第2のクランプ部材とを備える第1項に記載の手術アクチュエータ。
【0131】
第3項:
前記駆動部は、駆動ワイヤを備える第2項に記載の手術アクチュエータ。
【0132】
第4項:
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第1の駆動部接続ピンを介して前記第2のクランプ部材に接続され、前記第1の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第2のクランプ部材に対する駆動力を伝達する第3項に記載の手術アクチュエータ。
【0133】
第5項:
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第2の駆動部接続ピンを介して前記第1のクランプ部材に接続され、前記第2の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第1のクランプ部材に対する駆動力を伝達する第4項に記載の手術アクチュエータ。
【0134】
第6項:
前記駆動部は、第1のリンクと第2のリンクとを備え、
前記第1のリンクと前記第2のリンクの内端部は、互いにヒンジジョイントで接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記第1のリンクと前記第2のリンクとのヒンジジョイント部に接続され、
前記第1のリンクおよび前記第2のリンクの外端部は、それぞれ対応する前記第1の駆動部接続ピンおよび前記第2の駆動部接続ピンに接続され、前記第2の駆動部接続ピンおよび前記第1の駆動部接続ピンは、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材を前記駆動ワイヤの駆動によって互いに近接または離間移動させるように、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材にそれぞれ接続される第5項に記載の手術アクチュエータ。
【0135】
第7項:
前記駆動部は、スライド体をさらに備え、
前記スライド体は、前記支持部の前記内部空洞に摺動可能に設けられ、前記スライド体の遠位端は、前記駆動部接続ピンに接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記スライド体を前記支持部内で往復運動させるように、前記スライド体の近位端に接続されている第4項または第5項に記載の手術アクチュエータ。
【0136】
第8項:
前記第1のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に固定的に設けられ、前記第2のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に移動可能に設けられる第4項に記載の手術アクチュエータ。
【0137】
第9項:
前記支持部は、少なくとも一対の支持部スライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝に摺動可能に挿設されている第4項に記載の手術アクチュエータ。
【0138】
第10項:
前記第2のクランプ部材は、クランプと、前記クランプを接続して支持するクランプ支持部材とを備え、前記クランプ支持部材は、前記第2のクランプ部材の近位端の両側に対称的に設けられ、前記クランプ支持部材は、回動接続ピンを介して前記支持部に枢着され、
前記クランプ支持部材は、クランプスライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝および前記クランプスライド溝に摺動可能に挿設されている第9項に記載の手術アクチュエータ。
【0139】
第11項:
前記支持部スライド溝は、前記支持部に対称的に設けられる少なくとも一対の軸方向スライド溝であり、前記クランプスライド溝は、前記クランプ支持部材に対称的に設けられる円弧状のスライド溝である第10項に記載の手術アクチュエータ。
【0140】
第12項:
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、回動接続ピンを介して前記支持部の遠位端に枢着される第5項に記載の手術アクチュエータ。
【0141】
第13項:
前記支持部は、少なくとも二対の支持部スライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンおよび第2の駆動部接続ピンは、それぞれ前記少なくとも二対の支持部スライド溝に摺動可能に挿設されている第12項に記載の手術アクチュエータ。
【0142】
第14項:
前記第1のクランプ部材は、第1のクランプと、前記第1のクランプを接続して支持する第1のクランプ支持部材とを備え、前記第1のクランプ支持部材は、前記第1のクランプの近位端の両側に対称的に設けられ、前記第1のクランプ支持部材は、回動接続ピンを介して前記支持部に枢着され、
前記第1のクランプ支持部材は、第1のクランプスライド溝を備え、少なくとも1つの前記第2の駆動部接続ピンは、一対の前記支持部スライド溝および前記第1のクランプスライド溝に摺動可能に挿設され、
前記第2のクランプ部材は、第2のクランプと、前記第2のクランプを接続して支持する第2のクランプ支持部材とを備え、前記第2のクランプ支持部材は、前記第2のクランプの近位端の両側に対称的に設けられ、前記第2のクランプ支持部材は、回動接続ピンを介して前記支持部に枢着され、
前記第2のクランプ支持部材は、第2のクランプスライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、他の一対の前記支持部スライド溝および前記クランプスライド溝に摺動可能に挿設されている第13項に記載の手術アクチュエータ。
【0143】
第15項:
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に固定的に設けられ、前記第1のクランプ部材および/または前記第2のクランプ部材と前記支持部の遠位端との接続部が可撓性であり、または前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、自体が可撓性である第6項に記載の手術アクチュエータ。
【0144】
第16項:
前記駆動ワイヤの近位端は、前記第2のクランプ部材と前記駆動ワイヤとの間に導電通路を形成するように、給電装置に接続されている第2項~第14項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0145】
第17項:前記第1のクランプ部材は、前記第1のクランプ部材と他の給電装置との間に他の導電通路を形成するように、前記他の給電装置に接続され、
前記導電通路および前記他の導電通路は、互いに絶縁されている第16項に記載の手術アクチュエータ。
【0146】
第18項:
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材の少なくとも一方と前記支持部との間には、前記第1のクランプ部材と前記第2のクランプ部材とを互いに絶縁させるように、絶縁部が設けられている第17項に記載の手術アクチュエータ。
【0147】
第19項:
前記絶縁部は、前記第1のクランプ部材と前記支持部との接続部に設けられる第1の絶縁部材を備え、または、
前記絶縁部は、前記支持部の内壁に密着する支持フレーム絶縁ライナーと、前記第2のクランプ部材と前記支持部との接触位置に設けられる第2の絶縁部材とを備える第18項に記載の手術アクチュエータ。
【0148】
第20項:
前記シール材は、第1の端部で前記スライド体の近位端の外周にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の近位端にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の内壁にシール接合されている第7項~第19項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0149】
第21項:
前記シール材の第1の端部および/または第2の端部の外周に締め付けるカラーをさらに備える第14項に記載の手術アクチュエータ。
【0150】
第22項:
前記スライド体は、スライドレバーおよびピン接続部をさらに備え、
前記シール材は、第1の端部で前記スライドレバーの外周の少なくとも一部にシール被覆されている第14項に記載の手術アクチュエータ。
【0151】
第23項:
前記シール材は、内筒部と、外筒部と、前記内筒部および前記外筒部を接続する遷移部とを備え、前記内筒部の遠位端は、前記第1の端部を形成し、前記外筒部の遠位端は、前記第2の端部を形成する第1項~第20項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0152】
第24項:
前記シール材は、筒状であり、前記シール材の遠位端は、前記第1の端部を形成し、前記シール材の近位端は、前記第2の端部を形成する第1項~第20項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0153】
第25項:保護カバーをさらに備え、
前記保護カバーは、遠位端で収容溝を備え、前記収容溝は、前記支持部の近位端の外周に密着外挿され、
前記保護カバーの近位端には、前記駆動部が通過するための貫通孔が設けられている第1項~第22項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0154】
第26項:
前記支持部の遠位端には、周方向に間隔を置いて軸方向に延びる少なくとも1つの支持部材が設けられ、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、前記支持部材の遠位端に設けられている第2項~第23項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0155】
第27項:
前記シール材の少なくとも一部は、弾性の材料または可撓性の材料を備える第1項~第24項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0156】
第28項:
前記クランプ部は、剥離鉗子、把持鉗子、持針器および弯剪刀のいずれか一つを備える第1項~第25項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【0157】
第29項:
伝動部と、手術ツールアーム体と、第1項~第26項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータとを備える手術ツールであって、
前記手術アクチュエータは、前記手術ツールアーム体の遠位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体の近位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体および/または手術アクチュエータを運動駆動する手術ツール。
【0158】
第30項:
少なくとも1つの制御装置と、少なくとも1つの手術台車と、少なくとも1つのロボットアームと、少なくとも1つの手術ツールと、少なくとも1つの第1項~第26項のいずれか1項に記載の手術アクチュエータとを備える手術ロボットであって、
少なくとも1つの前記ロボットアームは、少なくとも1つの前記手術台車に設けられ、少なくとも1つの前記手術ツールは、少なくとも1つの前記ロボットアームの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記手術アクチュエータは、少なくとも1つの前記手術ツールの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記制御装置は、少なくとも1つの前記手術ツールおよび/または少なくとも1つの前記手術アクチュエータの運動を制御する手術ロボット。
【0159】
なお、上記は、単に本開示の例示的な実施例および適用される技術原理である。当業者が分かるように、本開示は、ここでの特定の実施例に限定されるものではなく、当業者にとって、本開示の保護範囲から逸脱することなく、種々の明確な変更、再調整および置換を行うことができる。このため、以上の実施例により本開示について詳細に説明したが、本開示は、以上の実施例に限定されるものではなく、本開示の構想から逸脱することなく、さらに他の同等な実施例を含むことができ、本開示の範囲は添付の特許請求の範囲によって決定される。
図1
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【手続補正書】
【提出日】2022-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部空洞を備える支持部と、
前記支持部の遠位端に少なくとも部分的に移動可能に設けられるクランプ部と、
前記支持部の内部空洞に摺動可能に設けられて前記クランプ部の近位端に接続される駆動部と、
第1の端部で前記駆動部にシール接続されるとともに、第2の端部で前記支持部にシール接続され、少なくとも一部が変形可能であるシール材と、
を備える手術アクチュエータ。
【請求項2】
前記クランプ部は、第1のクランプ部材と、第1のクランプ部材と協働可能な第2のクランプ部材とを備え、
前記駆動部は、駆動ワイヤを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の手術アクチュエータ。
【請求項3】
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第1の駆動部接続ピンを介して前記第2のクランプ部材に接続され、前記第1の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第2のクランプ部材に対する駆動力を伝達することを特徴とする請求項2に記載の手術アクチュエータ。
【請求項4】
前記駆動ワイヤは、少なくとも1つの第2の駆動部接続ピンを介して前記第1のクランプ部材に接続され、前記第2の駆動部接続ピンは、前記駆動ワイヤの前記第1のクランプ部材に対する駆動力を伝達することを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項5】
前記駆動部は、第1のリンクと第2のリンクとを備え、
前記第1のリンクと前記第2のリンクの内端部は、互いにヒンジジョイントで接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記第1のリンクと前記第2のリンクとのヒンジジョイント部に接続され、
前記第1のリンクおよび前記第2のリンクの外端部は、それぞれ対応する前記第1の駆動部接続ピンおよび前記第2の駆動部接続ピンに接続され、前記第2の駆動部接続ピンおよび前記第1の駆動部接続ピンは、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材を前記駆動ワイヤの駆動によって互いに近接または離間移動させるように、前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材にそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項4に記載の手術アクチュエータ。
【請求項6】
前記駆動部は、スライド体をさらに備え、
前記スライド体は、前記支持部の前記内部空洞に摺動可能に設けられ、前記スライド体の遠位端は、前記駆動部接続ピンに接続され、
前記駆動ワイヤの遠位端は、前記スライド体を前記支持部内で往復運動させるように、前記スライド体の近位端に接続されている
ことを特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に固定的に設けられ、前記第2のクランプ部材は、前記支持部の遠位端に移動可能に設けられている
ことを特徴とする請求項3に記載の手術アクチュエータ。
【請求項8】
前記支持部は、少なくとも一対の支持部スライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝に摺動可能に挿設されている
ことを特徴とする請求項3~7のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項9】
前記第2のクランプ部材は、クランプと、前記クランプを接続して支持するクランプ支持部材とを備え、前記クランプ支持部材は、前記第2のクランプ部材の近位端の両側に対称的に設けられ、前記クランプ支持部材は、回動接続ピンを介して前記支持部に枢着され、
前記クランプ支持部材は、クランプスライド溝を備え、少なくとも1つの前記第1の駆動部接続ピンは、前記少なくとも一対の支持部スライド溝および前記クランプスライド溝に摺動可能に挿設されている
ことを特徴とする請求項8に記載の手術アクチュエータ。
【請求項10】
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材は、回動接続ピンを介して前記支持部の遠位端に枢着されていることを特徴とする請求項4に記載の手術アクチュエータ。
【請求項11】
前記駆動ワイヤの近位端は、前記第2のクランプ部材と前記駆動ワイヤとの間に導電通路を形成するように、給電装置に接続されている
ことを特徴とする請求項2~10のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項12】
前記第1のクランプ部材は、前記第1のクランプ部材と他の給電装置との間に他の導電通路を形成するように、前記他の給電装置に接続され、
前記導電通路および前記他の導電通路は、互いに絶縁されている
ことを特徴とする請求項11に記載の手術アクチュエータ。
【請求項13】
前記第1のクランプ部材および前記第2のクランプ部材の少なくとも一方と前記支持部との間には、前記第1のクランプ部材と前記第2のクランプ部材とを互いに絶縁させるように、絶縁部が設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載の手術アクチュエータ。
【請求項14】
前記シール材は、第1の端部で前記スライド体の近位端の外周にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の近位端にシール被覆され、あるいは、前記シール材は、第2の端部で前記支持部の内壁にシール接合されている
ことを特徴とする請求項6~13のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項15】
前記シール材の第1の端部および/または第2の端部の外周に締め付けるカラーをさらに備えることを特徴とする請求項14に記載の手術アクチュエータ。
【請求項16】
前記スライド体は、スライドレバーおよびピン接続部をさらに備え、
前記シール材は、第1の端部で前記スライドレバーの外周の少なくとも一部にシール被覆されている
ことを特徴とする請求項14または15に記載の手術アクチュエータ。
【請求項17】
前記シール材は、内筒部と、外筒部と、前記内筒部および前記外筒部を接続する遷移部とを備え、前記内筒部の遠位端は、前記第1の端部を形成し、前記外筒部の遠位端は、前記第2の端部を形成する
ことを特徴とする請求項1~16のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項18】
前記シール材の少なくとも一部は、弾性の材料または可撓性の材料を備えることを特徴とする請求項1~17のいずれか1項に記載の手術アクチュエータ。
【請求項19】
伝動部と、手術ツールアーム体と、請求項1~18のいずれか1項に記載の手術アクチュエータとを備える手術ツールであって、
前記手術アクチュエータは、前記手術ツールアーム体の遠位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体の近位端に設けられ、前記伝動部は、前記手術ツールアーム体および/または手術アクチュエータを運動駆動する
ことを特徴とする手術ツール。
【請求項20】
少なくとも1つの制御装置と、少なくとも1つの手術台車と、少なくとも1つのロボットアームと、少なくとも1つの手術ツールと、少なくとも1つの請求項1~18のいずれか1項に記載の手術アクチュエータとを備える手術ロボットであって、
少なくとも1つの前記ロボットアームは、少なくとも1つの前記手術台車に設けられ、少なくとも1つの前記手術ツールは、少なくとも1つの前記ロボットアームの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記手術アクチュエータは、少なくとも1つの前記手術ツールの遠位端にそれぞれ設けられ、少なくとも1つの前記制御装置は、少なくとも1つの前記手術ツールおよび/または少なくとも1つの前記手術アクチュエータの運動を制御する
ことを特徴とする手術ロボット。
【国際調査報告】