(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】経膣超音波ガイド下子宮鏡下外科手術のための装置、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20230302BHJP
A61B 17/3205 20060101ALI20230302BHJP
A61B 17/42 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B17/3205
A61B17/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541215
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-07-04
(86)【国際出願番号】 US2020064108
(87)【国際公開番号】W WO2021141715
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ベグ, ニコライ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ピカリング, チャド エー.
(72)【発明者】
【氏名】クエリー, リサ エム.
(72)【発明者】
【氏名】ウィスラー, ジョーダン エー.
(72)【発明者】
【氏名】プライアー, スコット ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン, アリッサ ピー.
(72)【発明者】
【氏名】レイボウィッツ, ダリア ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ウッド, ティモシー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】マルチネク, ブラッドリー ティー.
【テーマコード(参考)】
4C160
4C601
【Fターム(参考)】
4C160HH20
4C160MM32
4C601BB03
4C601FE07
4C601FF03
4C601FF04
4C601FF11
4C601GA01
4C601GB05
4C601GB09
4C601GC02
4C601GC13
4C601GC17
(57)【要約】
超音波装置は、フレームと、超音波センサアセンブリと、を含む。フレームは、互いに離間した第1および第2のレールと、長手方向軸を画定する長手方向セクションと、を含む。長手方向セクションは、遠位端部分を有する。超音波センサアセンブリは、視野の超音波画像化を可能にするように構成されており、フレームの長手方向セクションの遠位端部分に取り付けられ、かつ視野が長手方向軸に対して斜角で配設されるように配向されている。超音波装置と、それを通して挿入可能な外科用器具と、を含む、外科用システムも提供される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波装置であって、
互いに離間した第1および第2のレールを含むフレームであって、長手方向軸を画定する長手方向セクションを画定し、前記長手方向セクションが、遠位端部分を有する、フレームと、
視野の超音波画像化を可能にするように構成された超音波センサアセンブリであって、前記フレームの前記長手方向セクションの前記遠位端部分に取り付けられ、かつ前記視野が前記長手方向軸に対して斜角で配設されるように配向されている、超音波センサアセンブリと、を備える、超音波装置。
【請求項2】
前記フレームが、前記長手方向セクションに対してある角度で配設された直立セクションをさらに含み、前記フレームが、前記直立セクションと前記長手方向セクションの近位端部分とを相互接続する屈曲部を画定する、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項3】
前記第1および第2のレールの間に配設された少なくとも1つのスペーサをさらに備え、前記少なくとも1つのスペーサが、前記第1および第2のレールを互いに固定し、かつそれらの間の間隔を維持する、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのスペーサが、前記超音波センサアセンブリと一体的に形成され、かつ前記フレームの前記長手方向セクションの前記遠位端部分に配設された遠位スペーサを含む、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項5】
前記第1および第2のレールが、実質的に平行なプレートである、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項6】
前記超音波センサアセンブリの周りに配設された滅菌バリアと、前記フレームの前記長手方向セクションの少なくとも一部分と、をさらに備える、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項7】
前記超音波センサアセンブリが、前記フレームの前記長手方向セクションの前記遠位端部分から取り外し可能である、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項8】
前記超音波センサアセンブリの周りに配設可能な滅菌バリアをさらに備え、前記滅菌バリアがその周りに配設されている前記超音波センサアセンブリが、前記フレームの前記長手方向セクションの前記遠位端部分に取り付け可能である、請求項7に記載の超音波装置。
【請求項9】
前記第1および第2のレールの間に配設されたロック機構をさらに備え、前記ロック機構が、前記第1および第2のレールの間に延在する外科用器具を、それに対して固定位置および配向において、選択的にロックするように構成されている、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項10】
前記第1および第2のレールが、前記フレームの前記長手方向セクションの長さよりも短い前記フレームの前記長手方向セクションの長さの部分に沿ったバックスパンによって、相互接続されている、請求項1に記載の超音波装置。
【請求項11】
外科用システムであって、
超音波装置であって、
互いに離間した第1および第2のレールを含むフレームであって、長手方向軸を画定する長手方向セクションを画定し、前記長手方向セクションが、遠位端部分を有する、フレームと、
視野の超音波画像化を可能にするように構成された超音波センサアセンブリであって、前記フレームの前記長手方向セクションの前記遠位端部分に取り付けられ、かつ前記視野が前記長手方向軸に対して斜角で配設されるように配向されている、超音波センサアセンブリと、
外科用器具であって、前記フレームの前記第1および第2レールの間に挿入され、それにより、前記第1および第2のレールが、前記外科用器具の横方向の動きを拘束する、外科用器具と、を含む、超音波装置を備える、外科用システム。
【請求項12】
前記超音波装置の前記フレームが、前記長手方向セクションに対してある角度で配設された直立セクションと、前記直立セクションと前記長手方向セクションの近位端部分とを相互接続する屈曲部と、をさらに含む、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項13】
前記外科用器具が、前記フレームの前記屈曲部または前記フレームの前記直立セクションにおいて、前記フレームの前記長手方向セクションの前記長手方向軸に対して平行または同軸の配向で、前記フレームの前記第1および第2のレールの間に挿入可能である、請求項12に記載の外科用システム。
【請求項14】
前記外科用器具が前記第1および第2のレールの間に挿入されると、前記第1および第2のレールが、前記外科用器具の軸方向の並進、軸方向の回転、および垂直方向の傾斜を可能にしながら、前記外科用器具の横方向の動きを拘束する、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項15】
前記第1および第2のレールの間に配設された少なくとも1つのスペーサをさらに含み、前記少なくとも1つのスペーサが、前記第1および第2のレールを互いに固定し、かつそれらの間の間隔を維持する、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項16】
前記超音波装置の前記フレームの前記第1および第2のレールが、実質的に平行なプレートである、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項17】
前記超音波センサアセンブリの周りに配設された滅菌バリアと、前記フレームの前記長手方向セクションの少なくとも一部分と、をさらに備える、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項18】
前記外科用器具が、前記第1および第2のレールの間に挿入されたとき、前記滅菌バリアの外側に留まる、請求項17に記載の外科用システム。
【請求項19】
前記第1および第2のレールの間に配設されたロック機構をさらに含み、前記ロック機構が、前記第1および第2のレールの間で、前記外科用器具を、それに対して固定位置および配向において、選択的にロックするように構成されている、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項20】
前記外科用装置が、それを通して作業器具を受容するように構成された子宮鏡である、請求項11に記載の外科用システム。
【請求項21】
外科用システムであって、
超音波装置であって、
長手方向軸を画定し、かつそれを通って同軸に延在する内腔を含む本体を有するシャフトと、
視野の超音波画像化を可能にするように構成された超音波センサアセンブリであって、前記シャフトの前記本体の遠位端部分に配設され、前記長手方向軸に対してオフセットされ、前記視野が前記長手方向軸に対してオフセットされるように配向されている、超音波センサアセンブリと、
外科用器具であって、前記シャフトの前記本体の前記内腔を通して取り外し可能に挿入されるように、かつ前記シャフトの前記本体の前記遠位端部分から遠位に延在するように構成されている外科用器具と、を含む、超音波装置を備える、外科用システム。
【請求項22】
前記シャフトが、前記本体から遠位に延在する足をさらに含み、前記超音波センサアセンブリが、前記足の中に配設されている、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項23】
前記シャフトが、前記本体から遠位に延在する脚と、前記脚の遠位端に配設された足と、をさらに含み、前記超音波センサアセンブリが、前記足の中に配設されている、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項24】
前記外科用器具が前記内腔を通して挿入され、かつ前記本体の前記遠位端部分から遠位に延在するときに、前記足の最も内側の表面と前記外科用器具の最も外側の表面との間に環状容積が画定される、請求項23に記載の外科用システム。
【請求項25】
前記超音波装置が、それを通して挿入された前記外科用器具の周りで回転可能であり、前記環状容積が、前記外科用器具に対する前記超音波装置の回転の配向にに関係なく維持されている、請求項24に記載の外科用システム。
【請求項26】
前記視野が、前記長手方向軸に対して斜角でオフセットされている、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項27】
前記視野が、前記長手方向軸に対して鋭角でオフセットされている、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項28】
前記超音波センサアセンブリが、前記シャフトの遠位面に向かって配向されており、前記遠位面が、前記内腔の開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲む、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項29】
前記超音波センサアセンブリが、前記シャフトの遠位面に向かって配向されており、前記遠位面が、凸状、円錐状、または湾曲のうちの少なくとも1つである部分を含む、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項30】
前記超音波センサアセンブリが、前記シャフトの遠位面に向かって配向されており、前記遠位面が、前記長手方向軸に対して角度を付けられている、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項31】
前記超音波装置を前記外科用器具と結合し、前記超音波装置を前記外科用器具の周りおよび前記外科用器具に対して遠位に付勢するように構成されている付勢アセンブリをさらに備える、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項32】
前記付勢アセンブリが、前記外科用器具の周りに固定係合するように構成されたロックカラーと、前記シャフトを伸縮自在に受容するように構成された外側スリーブと、前記シャフトを遠位に付勢するために前記ロックカラーと前記シャフトとの間に配設された付勢部材と、を含む、請求項31に記載の外科用システム。
【請求項33】
前記超音波装置が、前記シャフトの前記本体の周りに配設された膨張可能なバルーンをさらに含む、請求項21に記載の外科用システム。
【請求項34】
前記超音波装置が、前記膨張可能なバルーンの遠位に位置付けられた流体出口開口部をさらに含む、請求項33に記載の外科用器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年1月7日に出願された米国仮特許出願第62/958,045号の利益および優先権を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、子宮鏡検査、より具体的には、経膣超音波ガイド下子宮鏡外科手術のための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
経膣子宮鏡検査には、子宮内処置、例えば子宮腔内で実行される処置と、壁内処置、例えば子宮壁内で実行される処置の両方が含まれる。子宮内処置は、壁内処置と比較して異なるアプローチおよび/または器具を必要とする場合があり、逆もまた同様である。同じカテゴリー内でも、子宮鏡検査処置は、例えば、実行される処置、患者の解剖学的構造、利用される技術、および/または他の考慮事項に応じて、異なるアプローチおよび/または器具を必要とする場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で使用するとき、「遠位」という用語は、ユーザからより遠くにあると説明される部分を指し、一方で、「近位」という用語は、ユーザのより近くにあると説明される部分を指す。さらに、一貫性のある範囲で、本明細書に詳述される態様のいずれかまたはすべては、本明細書に詳述される他の態様のいずれかまたはすべてと併せて使用され得る。
【0005】
本開示の態様に従って提供されるのは、超音波装置と、子宮鏡と、を含む、子宮鏡システムである。超音波装置は、近位本体と、近位本体から遠位に延在するシャフトと、超音波画像化を可能にするように構成された超音波センサアセンブリと、を含む。超音波センサアセンブリは、シャフトの遠位端部分に配設され、シャフトの遠位端部分の遠位に面する表面に向かって配向されている。子宮鏡は、超音波装置によって画定された内腔を通して、少なくとも部分的に取り外し可能に挿入されるように構成されている。子宮鏡は、子宮鏡の遠位端部分からの視覚化を可能にするように構成された光学系を含む。
【0006】
本開示の一態様では、システムは、子宮鏡によって画定された作業チャネルを通して、少なくとも部分的に取り外し可能に挿入されるように構成された作業器具をさらに含む。作業器具は、組織切除装置であり得る。
【0007】
本開示の別の態様では、少なくともシャフトは、シャフトの遠位端部分における内腔の開放遠位端までそれを通って長手方向に延在する内腔を画定する。
【0008】
本開示のさらに別の態様では、シャフトの遠位端部分は、内腔の開放遠位端を超えて遠位に延在する遠位足を含む。遠位足は、遠位に面する表面を画定する。
【0009】
本開示のさらに別の態様では、遠位に面する表面は、内腔の開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲む。
【0010】
本開示のなおさらに別の態様では、遠位に面する表面は、凸状、円錐状、または湾曲のうちの少なくとも1つである。
【0011】
本開示の別の態様では、超音波装置は、シャフトに対して移動可能である、移動可能なシースをさらに含む。そのような態様では、移動可能なシースは、それを通る内腔を画定する。
【0012】
本開示の別の態様では、移動可能なシースは、シャフトに対する移動可能なシースの旋回およびスライドを可能にするように構成されたピンスロット機構を介してシャフトに結合される。
【0013】
本開示に従って提供される子宮鏡超音波装置は、近位本体と、近位本体から遠位に延在するシャフトと、超音波センサアセンブリと、を含む。少なくともシャフトは、シャフトの遠位端部分における開放遠位端までそれを通って長手方向に延在する内腔を画定する。超音波センサアセンブリは、シャフトの遠位端部分に配設され、シャフトの遠位端部分の遠位に面する表面に向かって配向されている。超音波センサアセンブリは、超音波画像化を可能にするように構成されている。
【0014】
本開示の一態様では、シャフトおよび近位本体は、協働して内腔を画定する。
【0015】
本開示の別の態様では、シャフトの遠位端部分は、内腔の開放遠位端を超えて遠位に延在する遠位足を含む。そのような態様では、遠位足は、遠位に面する表面を画定する。
【0016】
本開示のさらに別の態様では、遠位に面する表面は、内腔の開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲む。
【0017】
本開示のさらに別の態様では、遠位に面する表面は、凸状、円錐状、または湾曲のうちの少なくとも1つである。
【0018】
本開示の別の態様では、遠位に面する表面の少なくとも一部分は、内腔を通して画定される長手方向軸に対して角度が付けられている。
【0019】
本開示のなおさらに別の態様では、シャフトの遠位端部分の遠位面は、非対称である。
【0020】
本開示に従って提供される別の子宮鏡超音波装置は、近位本体と、近位本体からシャフトの遠位端部分まで遠位に延在するシャフトと、超音波センサアセンブリと、移動可能なシースと、を含む。超音波センサアセンブリは、シャフトの遠位端部分に配設され、シャフトの遠位端部分の遠位に面する表面に向かって配向されている。超音波センサアセンブリは、超音波画像化を可能にするように構成されている。移動可能なシースは、移動可能なシースがシャフトに対して少なくとも旋回可能であるように、シャフトに結合されている。移動可能なシースは、外科用器具を少なくとも部分的に受容するように構成された、それを通る内腔を画定する。シャフトに対する移動可能なシースの角度の付けられた位置では、移動可能なシースの長手方向軸は、シャフトの長手方向軸に対してある角度で配設されている。
【0021】
本開示の一態様では、移動可能なシースは、シャフトに対して旋回および並進するように構成されている。
【0022】
本開示の別の態様では、移動可能なシースは、ピンおよびスロット機構を介してシャフトに結合されている。
【0023】
本開示のさらに別の態様では、移動可能なシースは、インライン位置から移動可能であり、移動可能なシースの長手方向軸は、シャフトの長手方向軸に対して実質的に同軸の配向で、角度を付けられた位置に配設されている。
【0024】
本開示に従って提供される超音波装置は、フレームと、超音波センサアセンブリと、を含む。フレームは、互いに離間した第1および第2のレールを含み、長手方向軸を画定し、かつ遠位端部分を有する長手方向セクションを画定する。超音波センサアセンブリは、視野の超音波画像化を可能にするように構成されており、フレームの長手方向セクションの遠位端部分に取り付けられ、かつ視野が長手方向軸に対して斜角で配設されるように配向されている。
【0025】
本開示の一態様では、フレームは、長手方向セクションに対してある角度で配設された直立セクションと、直立セクションと長手方向セクションの近位端部分とを相互接続する屈曲部と、をさらに含む。
【0026】
本開示の別の態様では、超音波装置は、第1および第2のレールを互いに固定し、かつそれらの間の間隔を維持するように構成された、第1および第2のレールの間に配設された少なくとも1つのスペーサをさらに含む。
【0027】
本開示のさらに別の態様では、少なくとも1つのスペーサは、超音波センサアセンブリと一体的に形成され、かつフレームの長手方向セクションの遠位端部分に配設された遠位スペーサを含む。
【0028】
本開示のさらに別の態様では、第1および第2のレールは、実質的に平行なプレートである。
【0029】
本開示のなおさらに別の態様では、超音波装置は、超音波センサアセンブリおよびフレームの長手方向セクションの少なくとも一部分の周りに配設された滅菌バリアをさらに含む。
【0030】
本開示の別の態様では、超音波センサアセンブリは、フレームの長手方向セクションの遠位端部分から取り外し可能である。そのような態様では、超音波センサアセンブリの周りに配設可能な滅菌バリアが提供される。滅菌バリアがその周りに配設されている超音波センサアセンブリは、フレームの長手方向セクションの遠位端部分に取り付け可能である。
【0031】
本開示の別の態様では、超音波装置は、第1および第2のレールの間に配設され、かつ外科用器具、例えば、それを通して第1および第2のレールの間に延在する作業器具を受容するように構成された子宮鏡を、それに対して固定位置および配向において、選択的にロックするように構成されたロック機構をさらに含む。
【0032】
本開示のなおさらに別の態様では、第1および第2のレールは、フレームの長手方向セクションの長さよりも短いフレームの長手方向セクションの長さの部分に沿ったバックスパンによって、相互接続されている。
【0033】
本開示に従って提供される外科用システムは、上記または本明細書の他の態様のいずれかによる超音波装置と、外科用器具、例えば、それを通して作業器具を受容するように構成され、フレームの第1および第2レールの間に挿入するように構成された子宮鏡であって、それにより、第1および第2のレールが外科用器具の横方向の動きを拘束する、子宮鏡と、を含む。
【0034】
本開示の一態様では、外科用器具は、フレームの屈曲部またはフレームの直立セクションにおいて、フレームの長手方向セクションの長手方向軸に対して平行または同軸の配向で、フレームの第1および第2のレールの間に挿入可能である。
【0035】
本開示の別の態様では、外科用器具が第1および第2のレールの間に挿入されると、第1および第2のレールは、外科用器具の軸方向の並進、軸方向の回転、および垂直方向の傾斜を可能にしながら、外科用器具の横方向の動きを拘束する。
【0036】
本開示のさらに別の態様では、超音波センサアセンブリおよび超音波装置のフレームの長手方向セクションの少なくとも一部分の周りに滅菌バリアが配設されており、その一方で、外科用器具が第1のレールと第2のレールとの間に挿入されている場合、外科用器具は、滅菌バリアの外側に留まる。
【0037】
本開示のさらに別の態様では、超音波装置は、第1および第2のレールの間に配設され、かつ第1および第2のレールの間で外科用器具を、それに対して固定位置および配向において、選択的にロックするように構成されたロック機構をさらに含む。
【0038】
本開示に従って提供される別の外科用システムは、超音波装置と、外科用器具と、を含む。超音波装置は、長手方向軸を画定し、かつそれを通って同軸に延在する内腔を含む本体を有するシャフトと、視野の超音波画像化を可能にするように構成された超音波センサアセンブリと、を含む。超音波センサアセンブリは、シャフトの本体の遠位端部分に配設され、長手方向軸に対してオフセットされ、視野が長手方向軸に対してオフセットされるように配向されている。外科用器具は、シャフトの本体の内腔を通して取り外し可能に挿入されるように、かつシャフトの本体の遠位端部分から遠位に延在するように構成されている。
【0039】
本開示の一態様では、シャフトは、本体から遠位に延在する足をさらに含む。そのような態様では、超音波センサアセンブリは、足の中に配設することができる。
【0040】
本開示の別の態様では、シャフトは、本体から遠位に延在する脚と、脚の遠位端に配設された足と、をさらに含む。そのような態様では、超音波センサアセンブリは、足の中に配設することができる。
【0041】
本開示のさらに別の態様では、外科用器具が内腔を通して挿入され、かつ本体の遠位端部分から遠位に延在するときに、足の最も内側の表面と外科用器具の最も外側の表面との間に環状容積が画定される。そのような態様では、超音波装置は、外科用器具に対する超音波装置の回転の配向に関係なく、環状容積を維持しながら、それを通して挿入された外科用器具の周りで回転可能であり得る。
【0042】
本開示のさらに別の態様では、視野は、長手方向軸に対して斜角でオフセットされており、他の態様では、長手方向軸に対して鋭角でオフセットされている。
【0043】
本開示の別の態様では、超音波センサアセンブリは、内腔の開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲むシャフトの遠位面に向かって配向されている。
【0044】
本開示のさらに別の態様では、超音波センサアセンブリは、凸面、円錐形、または湾曲面部分のうちの少なくとも1つを含むシャフトの遠位面に向かって配向されている。
【0045】
本開示の別の態様では、超音波センサアセンブリは、シャフトの遠位面に向かって配向され、遠位面は、長手方向軸に対して角度が付けられている。
【0046】
付勢アセンブリは、いくつかの態様で提供され得る。付勢アセンブリは、超音波装置を外科用器具と結合し、超音波装置を外科用器具の周りおよび外科用器具に対して遠位に付勢するように構成されている。
【0047】
付勢アセンブリは、態様では、外科用器具の周りに固定係合するように構成されたロックカラーと、シャフトを伸縮自在に受容するように構成された外側スリーブと、シャフトを遠位に付勢するためにロックカラーとシャフトとの間に配設された付勢部材と、を含み得る。
【0048】
態様では、シャフトの本体の周りに配設された膨張可能なバルーンを提供することができる。そのような態様では、超音波装置は、膨張可能なバルーンの遠位に位置付けられた流体出口開口部をさらに含み得る。
【0049】
本開示の態様に従って提供される手術方法は、超音波装置を経膣によって挿入して、超音波装置の超音波センサアセンブリを子宮の頸部の外側に隣接して位置付けることと、超音波装置の内腔を通り、子宮頸部を通って、外科用器具を子宮内に挿入することと、を含む。
【0050】
一態様では、超音波センサアセンブリを子宮の頸部の外側に隣接して位置付けることは、超音波センサアセンブリを膣円蓋と接触して位置付けることを含む。
【0051】
一態様では、本方法は、超音波センサアセンブリを使用して、子宮の少なくとも一部分の超音波画像を生成することをさらに含む。
【0052】
一態様では、本方法は、超音波装置に対して固定位置に外科用器具をロックすることをさらに含む。
【0053】
一態様では、本方法は、外科用器具を通して子宮内に作業器具を挿入することをさらに含む。
【0054】
一態様では、本方法は、子宮頸部の周りで超音波装置を回転させることをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0055】
本開示の上記および他の態様および特徴は、同様の参照番号が類似または同一の要素を識別する添付図面と併せて考慮したときに、以下の詳細な説明に照らしてより明らかになるであろう。
【0056】
【
図1】本開示による子宮鏡システムの分解斜視図である。
【
図2】
図1の子宮鏡システムの超音波装置の遠位端部分の斜視図である。
【
図3】
図1の子宮鏡システムの超音波装置の遠位端部分の別の構成の斜視図である。
【
図4】
図1の子宮鏡システムの超音波装置の遠位端部分のさらに別の構成の斜視図である。
【
図5】子宮上または子宮内で処置を実行するために膣内に位置付けられた、
図1の子宮鏡システムの側面図である。
【
図6】
図1の子宮鏡検査システムで使用するように構成された別の超音波装置の側面図である。
【
図7】子宮鏡および作業器具を利用して子宮上または子宮内で処置を実行するために膣内に位置付けられた、
図6の超音波装置の側面図である。
【
図8】
図1の子宮鏡検査システムで使用するように構成された別の超音波装置の側面図である。
【
図9】動作可能に受容された子宮鏡を含む別の超音波装置の斜視図である。
【
図10A】子宮頸部に隣接して位置付けられた
図9の超音波装置と、子宮頸部を通って子宮内への
図9の子宮鏡の漸進的な挿入とを示す斜視図である。
【
図10B】子宮頸部に隣接して位置付けられた
図9の超音波装置と、子宮頸部を通って子宮内への
図9の子宮鏡の漸進的な挿入とを示す斜視図である。
【
図10C】子宮頸部に隣接して位置付けられた
図9の超音波装置と、子宮頸部を通って子宮内への
図9の子宮鏡の漸進的な挿入とを示す斜視図である。
【
図11A】ロック機構を含む、
図9の超音波装置の近位端部分の斜視図である。
【
図11C】
図11Aのロック機構を含み、かつそれぞれロック解除およびロック状態で動作可能にその中に受容された子宮鏡を含む、
図9の超音波装置の近位端面図である。
【
図11D】
図11Aのロック機構を含み、かつそれぞれロック解除およびロック状態で動作可能にその中に受容された子宮鏡を含む、
図9の超音波装置の近位端面図である。
【
図12A】超音波センサアセンブリ上に配設された滅菌バリアを含む、本開示による別の超音波装置の分解された斜視図である。
【
図13A】超音波装置上で滅菌バリアを封止する方法を漸進的に示す上面図である。
【
図13B】超音波装置上で滅菌バリアを封止する方法を漸進的に示す上面図である。
【
図13C】超音波装置上で滅菌バリアを封止する方法を漸進的に示す上面図である。
【
図13D】超音波装置上で滅菌バリアを封止する方法を漸進的に示す上面図である。
【
図14A】動作可能に受容された子宮鏡を含む、本開示によるさらに別の超音波装置の側面図である。
【
図14B】
図14Aの、それぞれ断面線「14B-14B」および「14C-14C」に沿った横断面図である。
【
図14C】
図14Aの、それぞれ断面線「14B-14B」および「14C-14C」に沿った横断面図である。
【
図15】
図14Aの超音波装置の遠位部分の側面図であり、その周りに配設された滅菌バリアを含む。
【
図16】
図14Aの超音波装置の側面図であり、その周りに配設された滅菌バリアと、それに対して挿入され、かつ動作可能に位置付けられた子宮鏡を含む。
【
図17A】別の超音波装置の斜視図であり、子宮鏡と、それに対して挿入された作業器具と、を含む。
【
図17B】
図17Aの超音波装置の斜視図であり、子宮頸部を通って子宮内に延在する子宮鏡および作業器具を伴って、子宮頸部に隣接して位置付けられている。
【
図18】別の超音波装置の斜視図であり、子宮頸部を通って子宮内に延在する子宮鏡および作業器具を伴って、子宮頸部に隣接して位置付けられている。
【
図19】別の超音波装置の斜視図であり、子宮頸部を通って子宮内に延在する子宮鏡および作業器具を伴って、子宮頸部に隣接して位置付けられている。
【
図20】本開示で使用するために構成された例示的なロボット外科用システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1を参照すると、本開示に従って提供される子宮鏡検査システムは、一般に、作業器具100、例えば、組織切除装置、アブレーション装置、生検装置と、子宮鏡200と、超音波装置300と、を含む、参照番号10によって識別されるように示されている。超音波装置300は、子宮頸部に隣接する位置または子宮頸部に当接する位置への経膣挿入のために構成されている。子宮鏡200は、超音波装置300および子宮頸部を通して子宮に挿入されるように構成されている。作業器具100は、子宮鏡200を通して子宮内に挿入されて、子宮腔内および/または子宮壁内で外科手術を実行するように構成されている。
【0058】
作業器具100は、上述のように、組織切除装置、アブレーション装置、生検装置、または子宮上もしくは子宮内で使用するように構成された他の好適な作業器具であり得る。組織切除装置に関して、例えば、作業器具100は、ハウジング110と、シャフト120と、切断部材130と、駆動機構140と、流出ポート150と、ケーブル160と、を含む。ハウジング110は、その中に駆動機構140を収容し、ユーザが作業器具100を把持することを可能にするためのハンドルとして機能する。駆動機構140は、モータを含み、かつ切断部材130に動作可能に結合されて、シャフト120に対する切断部材130の回転および/または並進を駆動する。駆動機構140は、モータに動力を供給および制御するためにケーブル160を介して制御ユニット(図示せず)に接続するように適合されているが、作業器具100は、代替的に、電池または手動で動力を供給され得る。制御ユニット(図示せず)に組み込まれた吸引源(図示せず)、または任意の他の好適な真空生成機構もまた、以下で詳細を記載するように、作業器具100および流出管150を通して、流体、組織、および破片の抜き取りを容易にするために提供され得る。
【0059】
作業器具100のシャフト120は、ハウジング110から遠位に延在し、実施形態では、ハウジング110に対して定置されているが、他の構成も企図される。シャフト120は、その側壁を通る窓をその遠位端に向けて画定して、シャフト120内に回転可能および/または並進可能に配設され、かつ上述のように駆動機構140に動作可能に結合された切断部材130へのアクセスを提供する。切断部材130は、その内部へのアクセスを提供する開口部を画定し、開口部を取り囲む鋸歯状の切断エッジを含み得るが、他の好適な切断エッジ構成も企図される。代替的または追加的に、シャフト120は、その窓の周りに画定された切断エッジを含み得る。
【0060】
作業器具100の使用において、組織は、活性化されると、シャフト120の窓を通って切断部材130の開口部に引き込まれる。組織が切断部材130の開口部に引き込まれる際、組織は、シャフト120に対する切断部材130の回転および/または並進を介して切除され、よって、切除された組織は、流体および破片とともに、切断部材130を通して近位に引き込まれ得る。切除された組織および流体および破片は、切断部材130を通り、流出ポート150および流出チューブ(図示せず)を通って近位に引き込まれ、最終的に、流体管理システム(図示せず)の1つ以上の収集キャニスタに引き込まれる。
【0061】
図1を参照して続けると、子宮鏡200は、細長い管状部材202と、近位本体240と、を含む。子宮鏡200の細長い管状部材202は、それを通して、作業器具、例えば、作業器具100を受容するように構成された作業チャネル204を画定する。作業チャネル204は、流体流入(または流出)チャネルとしても機能し得る。代替的または追加的に、別個の流体流入(または流出)チャネルが提供され得る。細長い管状部材200は、それを通って延在する光学系210をさらに含み、細長い管状部材202の遠位端での視覚化を可能にする。
【0062】
子宮鏡200の近位本体240は、ハウジング242と、ライトポスト244と、バルブ246と、アーム248と、を含む。ライトポスト244は、ハウジング242から延在し、かつ光源に接続するように構成されており、例えば、ライトポスト244に結合され、かつ細長い管状部材202を通って延在する1つ以上の光ファイバストランド(図示せず)を介して、細長い管状部材202の遠位端を照らすように構成されている。バルブ246は、作業チャネル204と流体連通して配設され、かつ作業チャネル204への/からの流体の選択的な流入および/または流出を可能にするように構成されている。複数の流体チャネルが提供されている構成では、複数のバルブが同様に提供され得る。アーム248は、画像化装置、例えば、カメラに接続して、光学系210を介して受信された画像を撮像し、それよって、光学系210により撮像された内部手術部位の映像の表示を可能にするように構成されている。
【0063】
さらに
図1を参照すると、超音波装置300は、近位本体310と、近位本体310から遠位に延在するシャフト320と、シャフト320の遠位端部分324に配設された超音波センサアセンブリ330と、を含む。超音波装置300は、近位本体310およびシャフト320を通って画定され、かつ開放近位端342と、開放遠位端344と、を含む長手方向内腔340をさらに含む。長手方向内腔340は、シャフト320を通って画定された長手方向軸と同軸であり得るか、またはそれに対してオフセットおよび/もしくは角度が付けられ得る。長手方向内腔340は、内視鏡装置の少なくとも一部分、例えば、子宮鏡200の細長い管状部材202の通過を可能にするように構成されており、それにより、細長い管状部材202の遠位部分は、長手方向内腔340の開放遠位端344を通って、シャフト320から遠位に延在する。長手方向内腔340は、追加的または代替的に、他の器具、例えば、1つ以上の作業器具がそれを通過できるように構成することができる。
【0064】
超音波装置300の近位本体310は、例えば、ピストルスタイルのグリップ312を含むハンドルとして構成することができるが、他のハンドル構成もまた、例えば、超音波装置300の装着および/または超音波装置300を外科用ロボットアーム(
図20を参照)に取り付けるための非ハンドル構成として企図される。ケーブル350は、近位本体310から延在して、超音波装置300の超音波センサアセンブリ330を、超音波コンソール(図示せず)に、例えば、超音波センサアセンブリ330からシャフト320、近位本体310、およびケーブル350を通って延在するワイヤ(図示せず)を介して、接続する。
【0065】
超音波装置300のシャフト320は、子宮頸管に隣接する位置または子宮頸部に当接する位置への経膣挿入のために構成されており、長手方向内腔340の遠位端344は、子宮頸管に向かって配向されて、子宮鏡200(または他の好適な外科用器具)の、長手方向内腔340を通る、その遠位端344を出る、子宮頸管を通る、および子宮の中への通過を可能にする。シャフト320の本体部分322は、円筒形の構成を画定し得、かつ/またはシャフト320の遠位端部分324は、非外傷性挿入を容易にするために、先細、湾曲、および/もしくは別様に非外傷的に構成され得る。
【0066】
超音波センサアセンブリ330は、組織、例えば、子宮の超音波画像化を可能にするために、1つ以上の超音波センサ332、例えば、超音波トランスデューサを含む。各超音波センサ332は、超音波、例えば高周波音波を放出し、かつ遭遇した様々な組織構造に対する超音波の反射によって生成されたエコー波を受信するように構成されている。各超音波センサ332によって受信されたエコー波は、例えば、シャフト320、近位本体310、およびケーブル350を通って延在するワイヤを介して、画像処理ユニット(図示せず)に出力される。実施形態では、超音波センサアセンブリ330は、2D超音波画像化のために構成することができる。他の実施形態では、超音波センサアセンブリ330は、超音波センサアレイを形成する複数の超音波センサ332を含み、超音波センサアレイは、円の一部分、多角形の一部分、部分的な多角形、部分的な弧状の構成、または3D超音波画像化のための3D超音波画像の再構成を可能にする他の好適な構成を画定する。このように、超音波センサアセンブリ330は、作動すると、組織、例えば、子宮頸部、子宮、および/または周囲の組織の超音波画像化を可能にする。
【0067】
図2に目を向けると、シャフト320の遠位端部分324は、長手方向内腔340の開放遠位端344の片側に突出足360を画定し、突出足360は、長手方向内腔340の遠位端344の反対側に配設された遠位面部分370と比較して、さらに遠位に突出している。突出足360は、1つ以上の湾曲したセクションを含む、湾曲した遠位向き表面362を画定する。例えば、突出足360の遠位向き表面362は、長手方向内腔340の遠位端344から遠位および外向きに延在する凹面部分と、それに続く、凹面部分から遠位および外向きに延在する凸面部分と、を含み得る。他の好適な構成も企図される。特定の構成に関係なく、超音波センサアセンブリ330は、突出足360内に位置付けられ、そのセンサ332は、遠位向き表面362に向かって配向されて、そこから超音波を放出する。突出足360は、子宮頸部に隣接してまたは当接して位置付けられるように構成されており、そのような超音波センサアセンブリ330は、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲の組織を画像化するために利用することができる。
【0068】
図3を参照すると、他の構成では、シャフト320の遠位端部分424は、長手方向内腔340の開放遠位端344を取り囲む遠位面部分470を画定する。遠位面部分470は、半径方向対称の凸状遠位向き表面472を画定するように湾曲しており、長手方向内腔340の開放遠位端344とシャフト320の遠位端部分424の外周との間の環状部分は、長手方向内腔340の開放遠位端344に隣接する表面472の部分、およびシャフト320の遠位端部分424の外周に比べて、さらに遠位に突出している。超音波センサアセンブリ430は、シャフト320の遠位端部分424に位置付けられ、遠位面部分470の一部分または全体の周りに延在し得る。超音波センサアセンブリ430のセンサ432は、表面472に向かって配向されて、そこから超音波を放出し、その結果、超音波センサアセンブリ430は、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲の組織を画像化するために利用することができる。
【0069】
図4を参照すると、他の構成では、シャフト320の遠位端部分524は、近位から遠位方向に半径方向内向きに先細になる長手方向内腔340の開放遠位端344を取り囲む遠位面部分570を画定する。よって、遠位面部分570は、遠位向き表面572を画定し、長手方向内腔340の開放遠位端344に隣接する部分は、シャフト320の遠位端部分524の外周に隣接する部分と比較して、さらに遠位に突出する。超音波センサアセンブリ530は、シャフト320の遠位端部分524に位置付けられ、(図示されているように)その全体またはその一部分のみの周りに環状に延在し得る。超音波センサアセンブリ530のセンサ532は、表面572に向かって配向されて、そこから超音波を放出し、その結果、超音波センサアセンブリ430は、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲の組織を画像化するために利用することができる。
【0070】
図5に目を向けると、使用中の子宮鏡システム10が示されており、超音波装置300は、膣管「V」を通して経膣的に挿入されて、その結果、そのシャフト320の遠位端部分324が、子宮頸部「C」に隣接してまたは当接して配設されている。この位置では、より具体的には、超音波センサアセンブリ330を含む突出足360が、子宮頸部「C」に隣接してまたは当接して位置付けられ、子宮「U」および周囲組織を含む視野「F1」の超音波画像化を可能にする。さらに、この位置では、長手方向内腔340の開放遠位端344は、子宮頸管と配向されており、細長い管状部材202は、そこから子宮頸部「C」を通って子宮「U」に延在する。このようにして、子宮鏡200は、子宮「U」内の視覚化のために、例えば、超音波画像化とともにまたは別個に、視野「F2」を提供するために利用することができる。子宮鏡200はまた、子宮「U」への流体の導入および/もしくは子宮「U」からの流体の除去、ならびに/または作業器具100、例えば、組織切除装置、アブレーション装置、生検装置などの子宮「U」の通過のために使用することができ、1つ以上の子宮鏡検査作業を、その中で(例えば、子宮「U」内で)またはそれを通して(例えば、子宮壁内で)実行する。その外部からの子宮「U」の超音波画像化および/または子宮腔内からの子宮「U」の視覚化の使用は、異なる画像化モダリティをサポートするおよび/または異なる画像化の視点を提供する器具を交換する必要なしに、様々な異なる子宮鏡検査作業を実行するための可視性を高める。
【0071】
図6および7は、本開示に従って提供される別の超音波装置600を示している。超音波装置600は、近位本体610と、近位本体610から遠位に延在するシャフト620と、シャフト620の遠位端部分624に配設された超音波センサアセンブリ630と、移動可能なシース660と、を含む。
【0072】
超音波装置600の近位本体610は、例えば、ピストルスタイルのグリップ612を含むハンドルとして構成することができるが、他のハンドル構成もまた、例えば、超音波装置600の装着および/または超音波装置600を外科用ロボットアーム(
図20を参照)に取り付けるための非ハンドル構成として企図される。ケーブル650は、近位本体610から延在して、超音波装置600の超音波センサアセンブリ630を、超音波コンソール(図示せず)に、例えば、超音波センサアセンブリ630からシャフト620、近位本体610、およびケーブル650を通って延在するワイヤ(図示せず)を介して、接続する。
【0073】
超音波装置600のシャフト620は、子宮頸部に隣接するまたは子宮頸部に当接する位置に経膣挿入するように構成されており、それによって、超音波センサアセンブリ630は、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲組織の超音波画像化を可能にするように配向される。より具体的には、シャフト620の遠位端部分624は、超音波センサアセンブリ630を含む。超音波センサアセンブリ630は、シャフト620の遠位端部分624の遠位面672に向かって配向された1つ以上の超音波センサ632を含み、それによって、超音波センサアセンブリ630を、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲の組織を画像化するために利用することができる。超音波センサアセンブリ630は、2Dおよび/または3D画像化のために構成することができる。遠位面672は、超音波画像化を容易にするために、球根状構成または任意の他の構成、例えば、上記の超音波装置に関して詳述されたものなどを画定することができる。
【0074】
超音波装置600のシャフト620は、一対の離間した側壁627ならびに開放上面および下面によって画定される中空セクション626をさらに画定する。シャフト620の中空セクション626は、その中に移動可能なシース660を受容するように構成されている。結合機構680は、移動可能なシース660をシャフト620と結合して、移動可能なシース660がインライン位置間を移動できるようにし、移動可能なシース660は、シャフト620の中空セクション626内に実質的に(例えば、+/-10%)配設され、かつシャフト620と実質的に同軸であり、角度を付けた位置にあり、シャフト620および移動可能なシース660の長手方向軸は、移動可能なシース660がシャフト620の中空セクション626から延在するように、互いに角度を付けて配設されている。インライン位置では、移動可能なシース660は、シャフト620の外側環状寸法(例えば、複数の寸法が提供される実施形態における最大、最小、または他の外側環状寸法)内に完全に配設されて、そこから突出しないようにすることができる。代替的に、移動可能なシース660は、インライン位置で、シャフト620の外側環状寸法から半径方向外向きに延在し得る。そのような実施形態では、インライン位置にある移動可能なシース660は、角度を付けた位置にある移動可能なシース660と比較して、シャフト620から半径方向外向きに最小量突出している。
【0075】
結合機構680は、例えば、長手方向に固定されたままで、シャフト620に対して移動可能なシース660の旋回を可能にするためのピン開口接続を含み得る。代替的に、図示のように、結合機構680は、シャフト620または移動可能なシース660のうちの一方と係合する1つ以上のピン682(例えば、移動可能なシース660から反対方向に半径方向外向きに延在する一対のピン682)を含むピンスロット接続と、1つ以上のピン682を受容し、かつシャフト620または移動可能なシース660のうちの他方の内部に画定された1つ以上のスロット684(例えば、各側壁627内に画定されたスロット684)と、を含み得る。このようにして、移動可能なシース660は、長手方向にスライドし、シャフト620に対してインライン位置と角度付き位置との間で旋回することができる。他の好適な結合機構680もまた企図される。
【0076】
移動可能なシース660は、例えば、結合機構680を介して局所的に、例えば、移動可能なシース660自体の操作を介して、または遠隔的に、例えば、近位本体610上に配設された1つ以上の遠隔アクチュエータ(図示せず)および関連する駆動構成要素(図示せず)、例えば、遠隔アクチュエータを結合機構680と相互接続するシャフト、ケーブル、リンケージなどの操作を介して、シャフト620に対して、移動、例えば、旋回および/または並進させることができる。さらに、結合機構680を介したシャフト620に対する移動可能なシース660の移動は、手動であるか、または、例えば、近位本体610内に配設された、または別様に位置付けられた1つ以上のモータ(図示せず)を介して動力を供給され得る。
【0077】
移動可能なシース660は、内視鏡装置、例えば、子宮鏡200の細長い管状部材202の少なくとも一部分の通過を可能にするのに十分であるように長手方向に延在する長手方向内腔662を画定し、その結果、細長い管状部材202の遠位部分が長手方向内腔662の開放遠位端664を通って、移動可能なシース660から遠位に延在する。長手方向内腔662は、追加的または代替的に、他の器具、例えば、1つ以上の作業器具がそれを通過できるように構成することができる。線形構成を画定する移動可能なシース660の代替として、移動可能なシース660は、1つ以上の方向に湾曲するか、または別様に構成することができる。
【0078】
特に
図7を参照すると、使用中、移動可能なシース660がインライン位置に配設された超音波装置600は、膣管「V」を通って経膣的に挿入され、その結果、そのシャフト620の遠位端部分624が、子宮頸部「C」に隣接して、または当接して配設される。この位置では、より具体的には、超音波センサアセンブリ630は、子宮頸部「C」に隣接してまたは当接して位置付けられ、子宮「U」および周囲組織の超音波画像化を可能にする。シャフト620がこの位置にある状態で、移動可能なシース660は、シャフト620に対して、移動、例えば、旋回および/またはスライドさせることができ、その結果、長手方向内腔662の開放遠位端664が、子宮頸部「C」に向かって配向され、かつ/または子宮頸部「C」を通って延在する。この配向では、子宮鏡200の細長い管状部材202は、移動可能なシース660を通り、子宮頸部「C」を通って、子宮「U」に挿入することができ、それにより、子宮鏡200は、超音波画像化とともにまたは超音波画像化とは別に、子宮「U」内の視覚化に利用することができる。子宮鏡200はまた、子宮「U」への流体の導入および/もしくは子宮「U」からの流体の除去、ならびに/または作業器具100、例えば、組織切除装置、アブレーション装置、生検装置などの子宮「U」の通過のために使用することができ、1つ以上の子宮鏡検査作業を、その中で(例えば、子宮「U」内で)またはそれを通して(例えば、子宮壁内で)実行する。シャフト620に対するシース660の移動可能な構成は、超音波センサアセンブリ630を第1の配向に位置付けて、超音波画像化を容易にし、かつシース660(ひいては、子宮鏡200、作業器具100、またはそれを通して挿入される他の器具)が、第2の異なる選択可能な方向に配向され、子宮「U」内へ通過して、子宮内で1つ以上の外科的作業を実行することを可能にする。
【0079】
図8に目を向けると、本開示に従って、別の超音波装置800が提供される。超音波装置800は、超音波装置600(
図6および7)に類似しており、よって、それらの違いのみを以下に詳細に説明する。超音波装置800は、近位本体810と、近位本体810から遠位に延在するシャフト820と、シャフト820の遠位端部分824に配設された超音波センサアセンブリ830と、を含む。
【0080】
超音波装置800のシャフト820は、子宮頸部に隣接するまたは子宮頸部に当接する位置に経膣挿入するように構成されており、それによって、超音波センサアセンブリ830は、例えば、子宮頸部、子宮、および周囲組織の超音波画像化を可能にするように配向される。超音波装置800のシャフト820は、一対の離間した側壁827ならびに開放上面および下面によって画定される中空セクション826を画定する。シャフト820の中空セクション826は、シャフト820の長さの一部分に沿って、またはシャフト820の実質的に全長に沿って延在し得る。
【0081】
中空セクション826は、1つ以上の外科用器具860、例えば、シース、子宮鏡、組織切除装置、アブレーション装置、生検装置、または他の好適な外科用器具を、互いに並んで、または互いに伸縮自在に、取り外し可能に受容するように構成されている。より具体的には、中空セクション826のいずれかの側に配設された側壁827は、超音波装置600に関して上記で詳述したのと同様に、シャフト620に対して1つ以上の外科用器具860の挿入、長手方向のスライド、および/または旋回をガイドする(
図6および7)一方で、異なる外科用器具860の交換可能な使用も可能にする。すなわち、超音波装置800は、超音波装置600(
図6および7)のような結合機構を含まず、よって、外科用器具860は、シャフト820の中空セクション826内で取り外し可能に受容可能である。
【0082】
図9および10A~10Cを参照すると、本開示に従って提供される別の超音波装置は、それを通して動作可能に挿入された子宮鏡200を含む、概して参照番号900によって識別されるように示されている。以下で明示的に矛盾する場合を除いて、超音波装置900は、上で詳述された超音波装置の特徴のいずれかを含み得る。
【0083】
超音波装置900は、フレーム902と、超音波センサアセンブリ930と、を含む。フレーム902は、離間して配設された一対のレール904から形成されている。レール904は、互いに対して実質的に平行な配向で、または他の任意の好適な様式で延在するプレートとして構成され得る。レール904は、屈曲部906で曲げられて、互いにある角度で配設された、より近位の直立部分910およびより遠位の長手方向部分920を画定する。角度は、構成では、約60度~約120度、他の構成では、約75度~約105度、さらに他の構成では、約90度であり得る。近位スペーサ912は、フレーム902の直立部分910で、例えば、直立部分910の近位端部分で、レール904の間に配設され、例えば、ピン、ボルト、接着剤、オーバーモールドを介して、または任意の他の好適な様式でそれらの間に固定され、その結果、レール904が互いに固定され、直立部分910に沿ったそれらの間の間隔が維持される。遠位スペーサ922は、フレーム902の長手方向部分920で、例えば、長手方向部分920の遠位端部分で、レール904の間に配設され、例えば、ピン、ボルト、接着剤、オーバーモールドを介して、または任意の他の好適な様式でそれらの間に固定され、その結果、レール904が互いに固定され、長手方向部分920に沿ったそれらの間の間隔が維持される。同様の目的のための追加または代替のスペーサも企図される。
【0084】
フレーム902の直立部分910の近位端部分は、超音波装置900の手動操作を容易にするために、その上に配設されたハンドル(例えば、上記の構成のいずれかと同様)を含み得、かつ/または支持装置「SD」の支持アーム「SA」、例えば、外科用システムのロボットアーム(
図20を参照)もしくは装着フレームの装着アーム上に装着されるように構成することができ、よって、外科医が手動で超音波装置900を操作および/または超音波装置900を手動で保持して、その位置を維持する必要がない。好適な装着ハードウェア「M」は、支持アーム「SA」と解放可能に係合する目的で、直立部分910の近位端部分と一体的に提供されるか、またはそれに取り付け可能であり得る。
【0085】
超音波センサアセンブリ930は、フレーム902の長手方向部分920の遠位端から遠位に延在し、それに固定されている。より具体的には、超音波センサアセンブリ930は、レール904間の遠位スペーサ922の係合が、フレーム902に対して超音波センサアセンブリ930も固定するように、遠位スペーサ922とともに形成、それに取り付け、もしくは別様に固定され得るか、または直接的もしくは間接的に、もしくは任意の他の好適な様式で、フレーム902に固定され得る。超音波センサアセンブリ930は、1つ以上の超音波センサ332、例えば、超音波トランスデューサを含み、組織、例えば、子宮の超音波画像化を可能にし、より具体的には、2Dおよび/または3D超音波画像化を可能にする。超音波センサアセンブリ930によってもたらされる視野は、約90度~約180度であり得、他の構成では、約120度~約150度であり得る。超音波センサアセンブリ930は、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸が視野を通って延在するか、視野の境界線に沿って延在するか、または視野からオフセットされるように配向することができる。態様では、超音波センサアセンブリ930は、超音波センサアセンブリ930から延在し、かつ視野を二等分する中心線が、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対して斜角(いくつかの態様では、鋭角)で配設されるように配向されている。他の超音波装置も同様に構成することができ、例えば、超音波画像化の視野が、超音波装置のフレームまたはシャフトに対して斜角(いくつかの態様では、鋭角)で配設されている。
【0086】
図9および10A~10Cを続けて参照すると、フレーム902の屈曲部906は、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対して実質的に同軸または平行な配向で、レール904の間に子宮鏡200の細長い管状部材202の挿入を可能にする。代替的に、子宮鏡200の細長い管状部材202は、長手方向軸に対してある角度でレール904の間に挿入することができる。挿入角度に関係なく、子宮鏡200の細長い管状部材202がレール904の間に延在している状態では、レール904は、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対する細長い管状部材202の横方向の動き(スライドまたは傾斜)を実質的に抑制するように働き、その一方で、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対する細長い管状部材202の垂直方向の移動(スライドおよび傾斜)、軸方向の回転、および軸方向のスライドを可能にする。
【0087】
図10A~10Cを参照して、最初に
図10Aを参照すると、使用中、超音波装置900のフレーム902の長手方向部分920は、まず膣管「V」を通して経膣で挿入することができ、それによって、超音波センサアセンブリ930が子宮頸部「C」に隣接または当接して位置付けられ、子宮「U」および周囲組織の超音波画像化を可能にする一方で、直立部分910は、例えば、手動操作または支持アーム「SA」への固定のために、外部に配設されたままである(
図9を参照)。次いで、子宮鏡200の細長い管状部材202は、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対して実質的に同軸または平行な配向でレール904(
図9)の間に挿入することができるが、他の好適な挿入配向も企図される。代替的に、細長い管状部材902は、挿入前にフレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対して実質的に同軸または平行な配向でレール904の間に位置付けることができ、かつフレーム902の長手方向部分920と併せて挿入することができる。これらの方法のいずれかで子宮鏡200の細長い管状部材202を挿入することは、細長い管状部材202がフレーム902内に配設され、よってこの時点で組織と実質的に相互作用しないので、患者に対する必要な挿入力および患者の不快感を実質的に低減する。
【0088】
図10Bを参照すると、超音波装置900および子宮鏡200が上記のように挿入された状態で、子宮鏡200を、超音波装置900に対して操作して、子宮頸部「C」を通って子宮「U」に挿入されるように、細長い管状部材202を位置付けることができる。これは、例えば、細長い管状部材202の遠位端が子宮頸部「C」と実質的に位置合わせされるまで、フレーム902に対して垂直に傾斜する細長い管状部材202を介して達成することができる。超音波装置900によって提供される超音波画像は、細長い管状部材202の適切な配向を確認するために利用することができる。
【0089】
図10Cに目を向けると、細長い管状部材202が上記のように配向された状態で、細長い管状部材202は、フレーム902に対して遠位に(その配向を維持して)スライドすることができ、その結果、超音波装置900によって提供される超音波画像化のガイダンスの下で、細長い管状部材202の遠位端が、子宮頸部「C」を通って子宮「U」内に延在する。次いで、視覚化、組織切除、アブレーション、生検などの1つ以上の外科的作業を、超音波装置900によって提供される超音波画像化のすべてのガイダンスの下で、子宮鏡200またはそれに挿入された作業器具100(
図1)を介して、子宮「U」内で実行することができる。
【0090】
図9と併せて
図11A~11Dを参照すると、上記で詳述したように、超音波装置900のレール904の間に子宮鏡200の細長い管状部材202が延在している状態では、レール904は、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対する細長い管状部材202の横方向の動きを実質的に抑制するように働き、その一方で、フレーム902の長手方向部分920によって画定される長手方向軸に対する細長い管状部材202の垂直方向の移動および軸方向の移動(スライドおよび回転)を可能にする。よって、子宮鏡200は、超音波装置900に対して複数の自由度を有する。しかしながら、いくつかの状況では、例えば、所望の位置および配向が達成された後、超音波装置900に対して子宮鏡200を選択的にロックすることが望ましい場合がある。より具体的には、任意の好適な位置および配向で超音波装置900に対して子宮鏡200を選択的にロックするために、ロック機構1100を提供することができる。
【0091】
ロック機構1100は、超音波装置900のフレーム902の長手方向部分920のレール904の間に配設され、かつ一対のクランプブラケット1110と、クランプブラケット1110の下端1112aの間に延在する弾性スリング1120と、各クランプブラケット1110から外向きに延在する係合ピン1130と、ねじ1142およびカムロックレバー1144を含むカムねじアセンブリ1140と、を含む。弾性スリング1120は、スリング1120の一方または両方の端部1122からのスリング1120の伸長に弾性的に抵抗するように構成された弾性材料から形成されている。
【0092】
各クランプブラケット1110は、レール904の内向きの表面上で、フレーム902の長手方向部分920の近位端に向かって、レール904の1つに隣接して配設されているが、他の位置および/または構成も企図される。上記のように、弾性スリング1120は、クランプブラケット1110の下端1112aの間で、その遠位端に向かって延在する。支持バー1114は、各クランプブラケット1110から近位に延在する。一方または両方の支持バー1114は、その自由近位端部分にねじ山付きコネクタ1116を画定する。他の構成では、支持バー1114は省略され、ねじ山付きコネクタ1116は、クランプブラケット1110の一方または両方に画定または配設されている。ねじ山付きコネクタ1116は、支持バー1114のねじ山部分、支持バー1114自体、支持バー1114に取り付けられた雄もしくは雌のねじ山構成要素、または任意の他の好適なねじ山構成要素であり得る。1つのねじ山付きコネクタ1116のみが提供される構成では、他の支持バー1114は、ねじ山なしのコネクタ、例えば、回転可能なコネクタを含み得る。
【0093】
係合ピン1130は、クランプブラケット1110から、レール904の内面内に画定されるウェル1132内に外向きに延在する。代替的に、係合ピン1130は、クランプブラケット1110から、フレーム902の長手方向部分920の内面内に画定され、かつそれに沿って長手方向に延在する細長いチャネル内に外向きに延在し得、その結果、ロック解除状態で、ロック機構1100は、フレーム902の長手方向部分920に沿って長手方向に並進させることができる。
【0094】
図11A~11Dを続けて参照すると、
図9に関連して、カムねじアセンブリ1140は、上記のように、ねじ1142とカムロックレバー1144と、を含む。ねじ1142は、フレーム902の長手方向部分920の一方もしくは両方のレール904の上に配設され得るか、またはフレーム902の長手方向部分920の一方もしくは両方のレール904内に画定される開口もしくは長手方向スロットを通って延在し得る。いずれの構成においても、ねじ1142は、レール904に対して横方向に延在し、支持バー1114のねじ山付きコネクタ1116とねじ式に係合されている。両方の支持バー1114がねじ山付きコネクタ1116を含む構成では、ねじ1142は、ねじ山付きコネクタ1116の各々と、逆の様式で、例えば、一方が右ねじの係合を介して、他方が左ねじの係合を介して、ねじ式に係合されている。1つの支持バー1114のみがねじ山付きコネクタ1116を含む構成では、他方の支持バー1114のねじ山なしコネクタは、回転可能および/またはスライド可能にねじ1142を受容することができる。
【0095】
エンドストップワッシャ1146は、ねじ山付きコネクタ1116(および提供される場合は、ねじ山なしコネクタ)がエンドストップワッシャ1146の間に配設されるように、ねじ1142の対向する端部に向かって配設されている。エンドストップワッシャ1146は、ねじ1142に軸方向に固定することができ、かつねじ1142に対して回転可能であり得るか、または回転可能に固定することができる。ねじ1142が、フレーム902の長手方向部分920のレール904の一方または両方内に画定された開口またはスロットを通って延在する構成では、エンドストップワッシャ1146の一方または両方は、隣接するレール904の外側に配設することができる。
【0096】
カムロックレバー1144は、ピボット1148を介して、エンドストップワッシャ1146の1つに外向きに隣接して、ねじ1142の端部に旋回可能に結合されている。カムロックレバー1144は、フレーム902の長手方向部分920のレール904の外側に位置付けられ、ユーザによるその手動操作を可能にする。カムロックレバー1144は、カムロックレバー1144のロック解除位置において、カムロック機構1140のロック解除状態に対応して、カム表面1145が隣接するエンドストップワッシャ1146から変位するように、ピボット1148の周りに偏心して延在するカム表面1145を画定し、ねじ1142は回転可能であり(
図11Cを参照)、その結果、カムロックレバー1144のロック位置で、第2のカム表面1145が、隣接するエンドストップワッシャ1146と接触するように仕向けられ、カムロック機構1140のロック状態に対応する力を印加し、ねじ1142の回転が抑制される(
図11Dを参照)。カムロックレバー1144は、そのロック解除位置とロック位置との間でピボット1148を中心に旋回可能である。
【0097】
図11Cおよび11Dを参照すると、使用中、超音波装置900のフレーム902の長手方向部分920が上記のように所定の位置に挿入されて(
図10Aを参照)、子宮鏡200の細長い管状部材202は、次いで、フレーム902のレール904の間に、より具体的には、ロック機構1100のクランプブラケット1110間に横方向に、およびロック機構1100のねじ1142とスリング1120との間に垂直方向に挿入することができる。
図11Cに示されるように、この時点で、ロック機構1100は、ロック解除状態で配設され、それを通した細長い管状部材202の挿入およびその内部における細長い管状部材202の操作を可能にして、所望の配向および位置を達成する。代替的に、細長い管状部材902は、挿入前にレール904の間およびロック機構1100内に位置付けられ得、フレーム902の長手方向部分920と併せて挿入することができる。いずれの構成においても、超音波装置900が所望のように位置付けられると、細長い管状部材202は、例えば、細長い管状部材202の遠位端が子宮頸部「C」を通って子宮「U」内に挿入され、その中の所望の位置および配向に達することを可能にするために、超音波装置900に対して、例えば、遠位に進められ、回転され、かつ/または垂直に傾けられて操作され得る(
図10Bおよび10Cを参照)。ロック解除状態にあるロック機構1100は、細長い管状部材202のそのような前進、回転、および/または傾斜を可能にする。
【0098】
細長い管状部材202の所望の配向および位置が達成されると、ロック機構1100をロック状態に移行させて、それにより、細長い管状部材202を超音波装置900に対して所望の配向および位置にロックすることができる。ロック機構1100をロック状態に移行させるために、ねじ1142を、その軸を中心に回転させて、支持バー1114の一方または両方(支持バー1114の一方または両方がねじ山付きコネクタ1116を含むかどうかに応じて)を他方の支持バー1114に向かって移動させることにより、クランプブラケット1110の一方または両方の上端1112bを互いに向かって引っ張り、細長い管状部材202の反対側から細長い管状部材202の周りに係合してクランプし、よって、細長い管状部材202をロック機構1100に対して固定する。クランプブラケット1110の一方または両方の上端1112bが互いに向かって移動すると、一方または両方のクランプブラケット1110の下端1112aが互いに離れて移動し、スリング1120の付勢に抗して、スリング1120をその対向する端から弾性的に伸ばす。このようにして、ねじ1142の回転は、スリング1120の構成とともに、クランプブラケット1110を、フレーム902および互いのレール904に対してほぼ平行な配向から、フレーム902のレール904および互いに対して角度のある配向に傾け、ここで、クランプブラケット1110の上端1112b同士は、比較的接近しており、下端同士1112aは、比較的離れている。フレーム902のレール904に対するクランプブラケット1110のこの傾斜によって、係合ピン1130は、ウェル1132内およびウェル1132に対して角度を付けられ、その結果、係合ピン1130がウェル1132内で詰まり、それにより、係合ピン1130、クランプブラケット1110、ひいては、細長い管状部材202が、フレーム902のレール904に対して固定される。
【0099】
細長い管状部材202、ロック機構1100、および超音波装置900の互いに対する上記で詳述した固定が達成されると、カムロックレバー1144をロック解除位置からロック位置に旋回させて、隣接するエンドストップワッシャ1146に力を加えることができ、それにより、ロック機構1100がロック状態で固定され、細長い管状部材202が超音波装置900に対して所望の配向および位置に維持される。よって、細長い管状部材202を超音波装置900に対して固定された配向および位置に手動で維持する(または維持するために固定具または他のツールを利用する)必要がなくなる。さらに
図1および10Cを参照すると、このロックされた状態で、作業器具100は、子宮鏡200を通して(まだ挿入されていない場合)、子宮「U」に挿入され、その中で操作されて、超音波装置900によって提供される超音波画像化のすべてのガイダンスの下で、1つ以上の外科的作業を実行することができる。
【0100】
図11Cおよび11Dを続けて参照すると、例えば、子宮鏡200の取り外しを可能にするために、ロック機構のロックを解除するためには、カムロックレバー1144をロック位置からロック解除位置に旋回させて戻し、その後、ねじ1142を反対方向に回転させて、係合ピン1130をウェル1132内の詰まった係合から取り外し、スリング1120をその静止位置に弾力的に戻すことを可能にし、クランプブラケット1110を細長い管状部材202の周りの係合から解放し、それによって、再び細長い管状部材202のロック機構1100および超音波装置900に対する相対運動、例えば、近位もしくは遠位のスライド、軸方向の回転、および/または垂直方向の傾斜を可能にする。
【0101】
図12Aおよび12Bに目を向けると、本開示に従って提供される別の超音波装置は、概して参照番号1200によって識別されるように示されている。以下で明示的に矛盾する場合を除いて、超音波装置1200は、上で詳述した超音波装置900(
図9)の特徴のいずれかと類似しており、かつそれらを含み得る。よって、超音波装置1200と超音波装置900(
図9)との相違点のみを以下に詳細に説明し、類似点は要約して説明するか、または完全に省略する。
【0102】
超音波装置1200は、超音波センサアセンブリ1230と、遠位スペーサ1222と、滅菌バリア1260と、アダプタ1270と、を含む取り外し可能なアセンブリ1250を含む。取り外し可能なアセンブリ1250は、1つ以上の電線を収容する接続ケーブル1280をさらに含み、超音波センサアセンブリ1230を超音波コンソール(図示せず)に接続することを可能にする。超音波センサアセンブリ1230および遠位スペーサ1222は、ユニットとして一体的に形成され得、または遠位スペーサ1222は、超音波センサアセンブリ1230と解放可能に係合され得る。いずれの構成においても、遠位スペーサ1222は、その外面上に、例えば、そこから外向きに突出するフィンの配置などの係合特徴1223を画定するが、代替または追加の特徴、例えば、スロットも企図される。遠位スペーサ1222が超音波センサアセンブリ1230と解放可能に係合可能である構成において、様々な異なる超音波センサアセンブリ1230およびそれに対応する遠位スペーサ1222が提供され得、例えば、2D超音波、3D超音波、異なるセンサ配置などを提供するために、超音波装置1200のカスタマイズを可能にする。
【0103】
滅菌バリア1260は、超音波センサアセンブリ1230および遠位スペーサ1222を取り囲むように構成されている。滅菌バリア1260は、超音波センサアセンブリ1230の機能を備えることなく、その使用を通して、超音波センサアセンブリ1230を滅菌状態に維持する。
【0104】
アダプタ1270は、遠位スペーサ1222の係合特徴1223に対して、相補的な係合特徴1274、例えば、スロットの相補的な配置を含む内部受容領域1272を画定し、それらの間の係合を容易にする。アダプタ1270の内部受容領域1272は、より具体的には、遠位スペーサ1222を受容し、かつそれらの間の滅菌バリア1260を介して遠位スペーサ1222と係合して、それにより、滅菌バリア1260の内部を封止し、よって超音波センサアセンブリ1230の無菌性を維持するように構成されている。いくつかの構成では、遠位スペーサ1222のアダプタ1270との係合およびそれらの間の滅菌バリア1260の封止を容易にするために、固定ねじまたは他の好適な追加の係合機能が提供され得る。
【0105】
アダプタ1270は、例えば、そのいずれかの側にある一対のピン1276(ピンの1つのセットのみが図示されている)または他の好適な解放可能係合機構を介して、フレーム1202の長手方向部分1220のレール1204間で係合可能であり、それにより、超音波センサアセンブリ1230の周りに封止された滅菌バリア1260を伴うフレーム1202への超音波センサアセンブリ1230の解放可能な固定を可能にする。
【0106】
図13A~13Dを参照すると、本開示に従って、超音波装置1300の超音波センサアセンブリ1330の周りに滅菌筐体を形成する方法が提供される。超音波装置1300は、上記で詳述した超音波装置900(
図9)の特徴のいずれかと類似しており、かつそれらを含み得る。よって、超音波装置1200と超音波装置900(
図9)との相違点のみを以下に詳細に説明し、類似点は要約して説明するか、または完全に省略する。
【0107】
最初に、
図13Aおよび13Bに示されるように、開放端1362と、より近い端1364と、を有する、滅菌バリア1360は、超音波装置1300の超音波センサアセンブリ1330および超音波装置1300のフレーム1302の少なくとも一部分の上で、その開放端1362によって導かれて、近位にスライドする。滅菌バリア1360は、使用中に超音波装置1300の滅菌を維持するように、超音波装置1300の全体またはその十分な遠位部分を取り囲み、かつ内包することができる。より具体的には、いくつかの構成では、滅菌バリア1360は、フレーム1302の長手方向部分1320の少なくとも大部分を取り囲み、かつ内包し、他の構成では、滅菌バリア1360は、長手方向部分1320および直立部分の少なくとも一部分(図示せず)を取り囲み、かつ内包し、さらに他の構成では、滅菌バリア1360は、長手方向部分1320および直立部分の少なくとも大部分を取り囲み、かつ内包し、さらに他の構成では、滅菌バリア1360は、フレーム1302全体を取り囲み、かつ内包する。
【0108】
図13Cを参照すると、滅菌バリア1360が上記のように位置付けられると、フレーム1302の離間したレール1304にわたって横方向に、例えば、フレーム1302の長手方向部分1320の上部および下部にわたって延在する滅菌バリア1360の部分は、シールライン「SL」に沿って、例えば、ヒートシール、超音波シール、または任意の他の好適な方法で封止される。
図13Dを参照すると、シールが形成されると、またはそれと同時もしくは重複する時間的関係で、滅菌バリア1360がシールライン「SL」に沿って切断され、それによって、フレーム1302の長手方向部分1320の離間したレール1304間の内部容積を露出するギャップ容積「GV」を画定し、その一方で、滅菌バリア1360を、超音波センサアセンブリ1330およびレール1304の各々の周りで封止された配設で維持する。よって、封止されたバリア1360は、超音波装置1300の使用を通して、離間したレール1304の間に挿入され、かつそれに関連して操作される子宮鏡200(
図9)の能力を損なうことなく、超音波センサアセンブリ1330および離間したレール1304の少なくとも一部分を、無菌状態に維持するように形成されている。
【0109】
図14A~16に目を向けると、本開示に従って提供され、かつ超音波センサアセンブリの滅菌封止を可能にして、使用中の無菌性を維持するように構成された、さらに別の超音波装置が、概して参照番号1400によって識別されるように示されている。超音波装置1400は、上記で詳述した超音波装置900(
図9)の特徴のいずれかと類似しており、かつそれらを含み得る。よって、超音波装置1400と超音波装置900(
図9)との相違点のみを以下に詳細に説明し、類似点は要約して説明するか、または完全に省略する。
【0110】
図14A~14Cを参照すると、超音波装置1400は、一対の離間したレール1404から形成されたフレーム1402と、フレーム1402の遠位端部分に配設された超音波センサアセンブリ1430と、を含む。レール1404は、屈曲部1406で曲げられて、より近位の直立部分1410およびより遠位の長手方向部分1420を画定する。長手方向部分1420は、近位セクション1424、遠位セクション1426、および近位セクション1424と遠位セクション1426との間にそれぞれ配設されたコネクタセクション1428を画定する。レール1404は、長手方向部分1420の近位セクション1424が、逆U字形の構成を画定するように(
図14Bを参照)、長手方向部分1420の近位セクション1424に沿って、その上端にわたって延在する第1のバックスパン1407を介して相互接続されており、かつ、長手方向部分1420の遠位セクション1426が、U字形の構成を画定するように(
図14Cを参照)、長手方向部分1420の遠位セクション1426に沿って、その下端にわたって延在する第2のバックスパン1408を介して相互接続されている。さらに、レール1404のうちの1つは、コネクタセクション1428に沿ってギャップ「G」を画定し、よって、コネクタセクション1428に沿って延在しないという点で不連続であり、むしろ、レール1404のうちの1つのみが、コネクタセクション1428に沿って延在する(
図15も参照)。
【0111】
図15および16をさらに参照すると、超音波装置1400は、使用中に超音波装置1400の無菌性を維持するように、超音波装置1400の全体またはその十分な遠位部分を取り囲み、かつ内包する滅菌バリア1460を受容するように構成されている。より具体的には、滅菌バリア1460は、超音波センサアセンブリ1430の周りで、フレーム1402の長手方向部分1420の遠位セクション1426、フレーム1402の長手方向部分1420のコネクタセクション1428、フレーム1402の長手方向部分1420の近位セクション1424の少なくとも一部分の周りで、その閉塞遠位端1464から近位に延在するように構成されている。
【0112】
滅菌バリア1460が超音波センサアセンブリ1430およびフレーム1402の長手方向部分1420の少なくとも一部分を取り囲み、かつ内包するにもかかわらず、子宮鏡200は、滅菌バリア1460の無菌性を損なうことなく、超音波装置1400の機能性を損なうことなく、および超音波装置1400に対する子宮鏡200の機能性または操作性を損なうことなく、依然として超音波装置1400と動作可能に結合することができる。より具体的には、
図16を参照すると、子宮鏡200をフレーム1402の長手方向部分1420と動作可能に結合するために、子宮鏡200の細長い管状部材202は、最初に、フレーム1402の長手方向部分1420に対して実質的に垂直な配向に配向され、次いで、フレーム1402のレール104の間で、ギャップ「G」を通って、長手方向部分1240のコネクタセクション1428内に横方向に移動する。滅菌バリア1460は、フレーム1402への細長い管状部材202のこの挿入を可能にするために内側に曲げられる。
【0113】
子宮鏡200の細長い管状部材202がフレーム1402の長手方向部分1240のコネクタセクション1428内に配設されると、細長い管状部材202は、例えば、
図16に示される配向から時計回り方向に、使用位置まで垂直に傾けられ得、細長い管状部材202は、フレーム1402の長手方向軸に対して斜角で配設されている。そこから、細長い管状部材をそれぞれ近位および遠位に前進および後退させ、その軸を中心に回転させ、かつ/またはその使用を容易にするためにさらに垂直に並べることができる。細長い管状部材202の垂直傾斜およびさらなる垂直傾斜の際に、細長い管状部材202のより近位の部分は、その開いた下側から長手方向部分1420の近位セクション1424に進入し(
図14Bを参照)、一方、細長い管状部材202のより遠位の部分は、その開いた上側から長手方向部分1420の遠位セクション1426に進入する(
図14Cを参照)。滅菌バリア1460は、上向きおよび下向きに曲げられて、細長い管状部材202のより近位の部分およびより遠位の部分のそれぞれのこの傾斜およびフレーム1402への挿入を可能にする。細長い管状部材202は、滅菌バリア1460を損なうことなく、フレーム1402の長手方向部分1420によって画定される長手方向軸に対して実質的に同軸の配向に傾斜し得るが、それぞれ第1および第2のバックスパン1407、1408の存在により、実質的にそれを越えて傾斜することは抑制される。
【0114】
図17Aおよび17Bを参照すると、本開示に従って提供されるさらに別の超音波装置は、概して参照番号1700によって識別されるように示されている。超音波装置1700は、上記で詳述した超音波装置300(
図1および2)の特徴のいずれかと類似しており、かつそれらを含み得る。よって、超音波装置1400と超音波装置300(
図1および2)との相違点のみを以下に詳細に説明し、類似点は要約して説明するか、または完全に省略する。
【0115】
超音波装置1700は、近位本体(図示せず)と、近位本体から遠位に延在するシャフト1720と、シャフト1720の遠位端部分に配設された超音波センサアセンブリ1730と、を含む。いくつかの構成では、近位本体が省略されている。超音波装置1700は、内視鏡装置、例えば、子宮鏡200の細長い管状部材202の少なくとも一部分の通過を可能にするように構成された、シャフト1720を通して画定された長手方向内腔1740をさらに含む。例えば、アブレーションプローブ1780などの作業器具は、子宮鏡200の細長い管状部材202を通過させることができる。
【0116】
シャフト1720の本体部分1722は、内腔1740の周りに同軸に配設された、概して円筒形の構成を画定する。シャフト1720は、その遠位端部分から遠位に延在する遠位脚1725をさらに含む。遠位脚1725は、その自由端部分に足1760を画定する。超音波センサアセンブリ1730は、足1760内に配設され、態様では、超音波センサアセンブリ1730によって生成される視野が、シャフト1720の遠位端からその長手方向軸に沿って所定の長手方向距離で中心に置かれるように、例えば、細長い管状部材202の遠位端および/またはアブレーションプローブ1780の遠位端が、子宮「U」および/または周囲組織内での操作中に視野内に維持されるように、角度を付けることができる。遠位脚1725および足1760は、シャフト1720の本体部分1722によって十分に画定される長手方向軸に対して半径方向にオフセットされた位置で、シャフト1720の本体1722の遠位端から遠位に突出し、その結果、細長い管状部材202に対する超音波装置1700の配向に関係なく、細長い管状部材202(内腔1740を通して遠位に延在する場合)と足1760との間に、環状容積が画定される。遠位脚1725および足1760は、環状容積が、シャフト1720の本体部分1722の遠位端から足1760の遠位端までの長手方向距離の少なくとも一部分に沿って、実質的に(例えば、10%以内で)一定の幅寸法を画定するように構成されている。より具体的には、環状容積は、長手方向距離の少なくとも50%、長手方向距離の少なくとも70%、または長手方向距離の少なくとも90%に沿って、実質的に(例えば、10%以内に)一定の幅を画定し得る。
【0117】
遠位脚1725および足1760が、半径方向にオフセットされた位置でシャフト1720の本体1722の遠位端からに遠位に突出する上記で詳述した構成の結果として、超音波装置1700が細長い管状部材202の周りを回転するにつれて、足1760が細長い管状部材202の周りで環状に周回し、それらの間の環状容積を維持する。使用中、
図17Bに示されるように、超音波装置1700は、シャフト1720の本体部分1722の遠位端が子宮頸部「C」に当接する状態で位置付けることができ(細長い管状部材202およびアブレーションプローブ1780の子宮頸部「C」を通した子宮「U」への挿入を可能にする)、一方で、足1760(超音波センサアセンブリ1730を含む)は、膣円蓋「VF」と接触した状態に維持されている。より具体的には、細長い管状部材202と脚1725と足1760との間に画定される環状容積は、膣管「V」内に突出する子宮頸部「C」の部分を受容し、よって、足1760が膣円蓋「VF」と接触するように延在することを可能にする。組織の接触を維持することにより、超音波センサアセンブリ1730と組織との適切な透過接触が確実なものとなり、よって超音波画像化が容易になる。超音波装置1700または本明細書に詳述される任意の他の超音波装置に関して、超音波ゲルを利用して、適切な伝達接触の維持を容易にすることができる。
【0118】
図17Bを続けて参照すると、超音波装置1700は、細長い管状部材202の周りを回転して、足1760を異なる膣円蓋「VF」と接触するように位置付けることができる。超音波装置1700の様々な異なる位置は、超音波画像化を容易にするための、例えば、アブレーションプローブ1780を使用してアブレーションされる標的組織を識別するための、または他の任意の外科的作業を実行するための様々な異なる視野および/または観察視点を提供する。例えば、超音波装置1700は、所望の視野または視点および/または視点を達成するために回転して、アブレーションまたは他の外科的作業を実行している間、それらを定位置に維持することができる。代替的に、超音波装置1700を様々な異なる回転位置に回転させて、超音波コンソール(図示せず)が患者の解剖学的構造の3D画像を生成および表示できるようにすることができる。これは、ロボットによる実装(
図20を参照)で達成することができ、それにより、超音波装置1700の回転を容易に制御することができるが、手動の実装も企図されている。3D画像は、後で使用するために生成され得るか、または処置中に継続的に更新され得る。
【0119】
図18を参照すると、本開示による別の超音波装置1800は、シャフト1820と、超音波センサアセンブリ1830と、付勢アセンブリ1870と、を含む。シャフト1820および超音波センサアセンブリ1830は、超音波装置1700のシャフト1720および超音波センサアセンブリ1730(
図17Aおよび17B)のいずれかの特徴、本明細書に詳述される他の構成のいずれかの特徴、または他の好適な構成と類似し得、かつそれらを含み得る。よって、シャフト1820および超音波センサアセンブリ1830は、以下では詳細に説明されない。
【0120】
付勢アセンブリ1870は、外側スリーブ1872を含み、外側スリーブ1872は、シャフト1820の本体1822の近位端部分と、外側スリーブ1872の近位端に配設されたロックカラー1874と、ロックカラー1874と動作可能に係合された固定ねじ1876(または他の好適なロック要素)と、外側スリーブ1872内に配設され、ロックカラー1874とシャフト1820の本体1822の近位端面との間に延在して、シャフト1820の本体1822を、ロックカラー1874に対して遠位に付勢する付勢部材1878(例えば、コイルスプリング)と、を伸縮的に受容するように構成されている。シャフト1820および/または外側スリーブ1872の本体1822は、シャフト1820の本体1822の外側スリーブ1872からの完全な取り外しおよび結合解除を阻止するように構成された停止機能(明示的には図示せず)を含み得る。さらに、外側スリーブ1872、本体1822の近位端面、および/またはロックカラー1874は、外側スリーブ1872、本体1822の近位端面、および/またはロックカラー1874に対して、付勢部材1878の端部を固定するか、または別様に付勢部材1878を保持するための保持機能(明示的には図示せず)を含み得る。
【0121】
超音波装置1800のシャフト1820は、それを通して、内視鏡装置の少なくとも一部分、例えば、子宮鏡200の細長い管状部材202をスライド可能に受容するように構成された、長手方向内腔1840を画定する。付勢アセンブリ1870は、同様に、内腔1840と整列した内部通路を画定して、それを通る細長い管状部材202を受容する。付勢アセンブリ1870を通して受容された細長い管状部材202を用いて、固定ねじ1876を、ロックカラー1874を通して、細長い管状部材202に対して締めて、細長い管状部材202の周りにロックカラー1874を固定することができる。シャフト1820および付勢アセンブリ1870は、使用中、ロックカラー1874が患者の外部に留まり、その一方でシャフト1820が子宮頸部「C」に隣接する位置に経膣的に延在するように構成することができ、よって、細長い管状部材202を伴う付勢アセンブリ1870の選択的なロックおよびロック解除を可能にする。
【0122】
使用中、超音波装置1800は、シャフト1820の本体部分1822の遠位端が子宮頸部「C」に当接し、かつ細長い管状部材202(およびその中のアブレーションプローブ1780)が子宮頸部「C」を通って子宮「U」内に延在する状態で位置付けられている。挿入後、またはその前に、固定ねじ1876を、ロックカラー1874を通して、かつ細長い管状部材202に対して締めて、ロックカラー1874を細長い管状部材202の周りに固定することができる。ロックカラー1874のこのロックされた状態では、超音波装置1800は、子宮鏡200の細長い管状部材202と動作可能に結合され、その結果、超音波装置1800および細長い管状部材202は、例えば、ユーザの片手を介して(例えば、子宮鏡200のハンドルを操作する)、1つのユニットとして操作することができる。さらに、このロックされた状態では、付勢部材1878は、シャフト1820の本体1822を細長い管状部材202に対して遠位に付勢し、その結果、シャフト1820の足1860が遠位に付勢されて膣円蓋「VF」と接触し、超音波センサアセンブリ1830と組織との適切な伝達接触を確実にする。より具体的には、例えば、付勢部材1878が(その付勢に抗して)圧縮することで、子宮頸部「C」または膣円蓋「VF」に過剰な力を印加することなく、子宮内での外科的作業の実行を容易にするために、細長い管状部材202をさらに子宮「U」内に遠位に前進させることが可能となり、シャフト1820の本体1822の周りで外側スリーブ1872を遠位方向へスライドすることができるようになり、よって、シャフト1820に対する細長い管状部材202の遠位方向への移動が可能となる。加えて、超音波センサアセンブリ1830と組織との間の適切な伝達接触は、細長い管状部材202の子宮「U」からの近位の収縮にもかかわらず維持される。すなわち、細長い管状部材202が近位に後退すると、付勢部材1878は、(その付勢の下で)弾性的に伸長され、その結果、シャフト1820に対する細長い管状部材202の相対的な近位方向の並進にもかかわらず、シャフト1820が組織と接触する位置に維持される。外側スリーブ1872の長さおよび付勢部材1878の長さ(静止時の位置、完全に圧縮された位置、および/または完全に伸長された位置)は、許容される遠位前進および近位後退の量を確定するものであり、使用中に細長い管状部材202を子宮「U」に対して操作するために、必要に応じて、十分な遠位前進および近位後退を可能にするように選択することができる。
【0123】
図19を参照すると、本開示によるさらに別の超音波装置1900は、シャフト1920と、超音波センサアセンブリ1930と、閉塞アセンブリ1970と、流体供給アセンブリ1990と、を含む。超音波装置1900は、超音波装置1700の特徴のいずれか(
図17Aおよび17B)、本明細書に詳述される他の超音波装置のいずれかの特徴、または他の任意の好適な構成に類似し得、かつそれらを含み得る。よって、超音波装置1900の追加の特徴のみが、以下に詳細に説明される。
【0124】
超音波装置1900の閉塞アセンブリ1970は、シャフト1920の本体1922の周りに配設された可膨張性バルーン1972と、可膨張性流体ライン1974であって、可膨張性バルーン1972に流体結合され、かつシャフト1920を通って(またはそれに沿って)近位に延在して、膨張流体源、例えば、膨張流体リザーバ(図示せず)に接続された膨張流体ポンプに接続して、可膨張性バルーン1972の選択的膨張および収縮を可能にする可膨張性流体ライン1974と、を含む。可膨張性バルーン1972は、膣管「V」内に位置付けられた超音波装置1900を用いて、例えば、流体ライン1974を通して可膨張性バルーン1972に膨張流体をポンプ輸送することによって、可膨張性バルーン1972を膨張させることができるようにドーナツ型構成を画定しており、それにより、可膨張性バルーン1972を拡張させて、膣管「V」の内壁に封止式に係合させ、膣管「V」を閉塞させる。
【0125】
流体供給アセンブリ1990は、シャフト1920を通って(またはそれに沿って)膨張可能なバルーン1972の遠位に位置付けられた1つ以上の遠位開口部1994まで延在する注入流体導管1992を含む。注入流体導管1992は、近位に延在して、注入流体源、例えば、注入流体リザーバ(図示せず)に接続された注入流体ポンプに接続するように構成され、注入流体導管1992の遠位開口部1994を介した、膣管「V」の閉塞部分への/またはそれからの注入流体の選択的な注入または引抜きを可能にする。超音波装置1900に組み込まれた流体供給アセンブリ1990の代替として、別個の流体供給アセンブリが、例えば、超音波装置1900のシャフト1920の内腔1940を通して、または子宮鏡200の細長い管状部材202を通して挿入されて利用され得る。膣管「V」の閉塞部分への注入流体、例えば、生理食塩水または他の好適な流体のポンプ輸送は、超音波センサアセンブリ1930と組織との直接接触を必要とせずに、超音波センサアセンブリ1930から組織への超音波の通過のための伝達媒体を提供し、よって、超音波装置1900の位置決め可能性を高め、例えば、子宮「U」の超音波視覚化を可能にする。このような流体注入は、追加的または代替的に、他の目的に利用され得るか、または省略され得、それによって、可膨張性バルーン1972は、患者内の超音波装置1900の位置の安定化および維持のために使用される。
【0126】
図20に目を向けると、本開示に従って使用するように構成されたロボット外科用システム1000が示されている。本開示の理解に関係のないロボット外科用システム1000の態様および特徴は、不必要な詳細で本開示の態様および特徴を不明瞭にすることを避けるために省略されている。
【0127】
ロボット外科用システム1000は、一般に、複数のロボットアーム1002、1003と、制御装置1004と、制御装置1004に結合された操作コンソール1005と、を含む。操作コンソール1005は、特に3次元画像を表示するようにセットアップされ得るディスプレイ装置1006と、人、例えば外科医がそれによって第1の操作モードでロボットアーム1002、1003を遠隔操作し得る手動入力装置1007、1008と、を含み得る。ロボット外科用システム1000は、低侵襲的な方法で治療されるべく患者台1012に横たわっている患者1013に使用するように構成することができる。ロボット外科用システム1000は、特に制御装置1004に結合されたデータベース1014をさらに含むことができ、そこには、例えば、患者1013由来の術前データおよび/または解剖図が記憶される。
【0128】
ロボットアーム1002、1003の各々は、関節を通して接続された複数の部材と、例えば、外科用ツール「ST」であり得る、装着された装置と、を含み得る。外科用ツール「ST」は、例えば、本開示の超音波装置のいずれか、子宮鏡(または内視鏡)、作業器具などを含み得、よって、ロボット外科用システム1000に上記に詳述した機能のいずれかを提供する。
【0129】
ロボットアーム1002、1003は、制御装置1004に接続された電動装置、例えばモータにより駆動され得る。モータは、例えば、所望の作業または複数の作業を達成するための回転入力を提供するように構成された回転駆動モータであり得る。制御装置1004、例えばコンピュータは、特にコンピュータプログラムによって、ロボットアーム1002、1003、したがってそれらの搭載手術ツール「ST」が手動入力装置1007、1008各々からの対応する入力部に応じた所望の動きおよび/または機能を実行するように、モータを作動させるように構成することができる。制御装置1004は、ロボットアーム1002、1003および/またはモータの動きを調節するように構成することもできる。
【0130】
制御装置1004は、より具体的には、回転に基づいてモータの1つ以上を制御することができ、例えば、モータに関連付けられた回転位置エンコーダ(またはホール効果センサまたは他の好適な回転位置検出器)を使用して、回転位置に制御して、モータからの回転出力の程度、ひいては、提供される回転入力の程度を決定することができる。代替的または追加的に、制御装置1004は、トルク、電流に基づいて、または任意の他の好適な様式で、モータの1つ以上を制御することができる。
【0131】
本開示のいくつかの態様が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容する広い範囲として捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきであると考えられるので、本開示はこれらの実施形態に限定されるものではないことが意図される。したがって、上記の説明は、限定的であるとして解釈されるべきではなく、単に特定の態様の例示として解釈されるべきである。当業者は本明細書に添付されている特許請求の範囲の範囲および主旨内での他の修正を想定するであろう。
【国際調査報告】