(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンデリバリーシステム
(51)【国際特許分類】
A61F 13/20 20060101AFI20230302BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20230302BHJP
A61K 31/05 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61F13/20 240
A61K9/00
A61K31/05
A61F13/20 230
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541227
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-08-29
(86)【国際出願番号】 US2020067621
(87)【国際公開番号】W WO2021138532
(87)【国際公開日】2021-07-08
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522265800
【氏名又は名称】ハーフォリック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペンドルトン ニコラス パトリック
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー アルバート マイケル
(72)【発明者】
【氏名】キニー ジェイムズ
【テーマコード(参考)】
3B200
4C076
4C206
【Fターム(参考)】
3B200AA15
3B200BB21
3B200CA17
4C076AA99
4C076BB30
4C076FF68
4C206AA01
4C206AA02
4C206CA19
4C206MA01
4C206MA04
4C206MA76
4C206NA10
(57)【要約】
薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムであって、(1)先端部および円筒形外表面を有する略円筒形のタンポンと、(2)先端部から遠位の(および好ましくは先端部を露出したままの)タンポンの円筒形外表面の少なくとも一部に適用される外側デリバリーシースであって、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを備える外側デリバリーシースと、(3)タンポンおよび適用されたデリバリーシースを含有するアプリケータと、を有する、タンポンおよびデリバリーシステム。デリバリーシステムの準備方法および使用方法も開示されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬剤、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムであって、
先端部と円筒形外表面とを有する略円筒形のタンポンと、
前記先端部から遠位の前記タンポンの前記円筒形外表面の少なくとも一部に適用され、前記先端部を露出させ、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する外側デリバリー層と、
前記タンポンと前記適用された外側デリバリー層とを含むアプリケータと、を備える、タンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項2】
薬剤、ホリスティックまたは医薬コンポーネントはCBDを含む、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項3】
前記CBDコンポーネントは、前記外側デリバリー層の最大50%である、請求項2に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項4】
前記外側デリバリー層は、前記円筒形外表面の一部分に適用されたシースの形態である、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項5】
前記シースは、前記タンポンの前記円筒形外表面に巻き付けられ、それ自身に取付けられたデリバリー層材料の柔軟なシートからなる、請求項4に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項6】
前記シースは、前記タンポンに直接付着されていない、請求項5に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項7】
前記外側デリバリー層は、流体吸収のため前記タンポンが放射状に膨潤する際に流体の存在下で分離するように設計されている、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項8】
前記外側デリバリー層は、膣壁に付着するように構成されている、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項9】
前記外側デリバリー層は、前記先端部から約5~6mm遠位に位置する、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項10】
前記外側デリバリー層は、約1~100mgの前記薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを含む、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項11】
前記デリバリー層の厚さは、約1mil~4milである、請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項12】
薬学、ホリスティックまた医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムであって、
先端部と円筒形外表面と有する略円筒形のタンポンと、
前記タンポンの前記円筒形外表面の少なくとも一部に適用され、第1内側放射層および第2外側放射層を有し、前記第1または第2放射層の少なくとも1つが(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを含む外側デリバリーシースと、
前記タンポンおよび前記適用された外側デリバリーシースを含むアプリケータと、を備える、タンポンおよびデリバリーシステム。
【請求項13】
前記第1および第2放射層のそれぞれは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントからなり、前記第2の外側放射層は、前記第1の内側放射層よりも速く溶解するように構成される、請求項12に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項14】
前記第2外側放射層は、前記第1内側放射層と比較して、より多くの薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを備える、請求項13に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項15】
前記第2外側放射層は、前記第1内側放射層と比較して、より多くの薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを備える、請求項12に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項16】
前記第1および第2放射層のそれぞれは、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントからなり、第1および第2放射層のそれぞれについて異なる、請求項12に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項17】
前記第2外側放射層の薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントは、前記第1内側放射層と比較して、より局所的効果を有するように構成され、前記第1内側放射層の薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントは、前記第2外側放射層と比較して、より全身的効果を有するように構成される、請求項16に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項18】
前記第2外側放射層は、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントからなり、前記第1内側放射層は、前記タンポンと前記第2外側放射層との間の吸収障壁を提供するように構成される、請求項12に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項19】
前記デリバリーシースは、前記先端部を露出するように、前記タンポンの前記先端部から遠位の前記タンポン上に位置する、請求項12に記載のタンポンデリバリーシステム。
【請求項20】
薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムを構築する方法であって、
先端部と円筒形外表面と有する略円筒形のタンポンを提供するステップと、
外側デリバリーシースを前記先端部から遠位の前記タンポンの前記円筒形外表面の少なくとも一部に適用するテップであって、前記外側デリバリーシースが(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する、ステップと、
前記タンポンおよび適用された外側デリバリーシースをアプリケータに設置するステップと、を備える方法。
【請求項21】
前記適用ステップは、
(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)前記薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する柔軟な材料のウエブを提供するステップと、
前記柔軟なウエブから長方形のタブを切断するステップと、
前記長方形のタブを前記タンポンの前記円筒形外表面に巻き付けるステップと、を備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記適用ステップは、前記巻き付けステップの後に、前記長方形のタブの対向する端部を互いに付着させるステップをさらに備える、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シースは2層を有し、前記2層の少なくとも1つは、(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)前記薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記シースは2層を有し、前記2層の少なくとも1つは、(a)前記水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)前記薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記適用ステップは、前記シースを前記先端部から約5~6mm遠位に位置させる、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記シースの放射状の厚さは、約1mil~4milである、請求項20に記載の方法。
【請求項27】
薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを患者にデリバリーするための方法であって、
請求項1に記載のタンポンおよびデリバリーシステムを提供するステップと、
アプリケータを用いて前記タンポンおよび前記外側デリバリー層を患者の膣管に挿入するステップと、を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年1月3日に出願された米国仮出願62/956,811に基づいて優先権を主張し、その全ての開示は完全に本明細書で参照により組み込まれる。
【0002】
本開示は、タンポンデリバリーシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
研究では、女性の80%が月経痛に悩まされている。女性の50%は、日常活動に影響を及ぼす多い日を経験する。女性の10%は、通常の日常生活を制限する毎月の消耗性症状がある。
【0004】
世界的視点では、各女性の生涯における月経周期は推定450周期である。各月経周期において、1箱あたり平均12ドル、平均23個のタンポンが使用される。月経周期のコストは、痛み止め薬のコストおよび激しい月経痛のために失われた労働日数のために増加する。世界的には、女性1人当たりの総コストは、年間7000ドル程度にもなる可能性がある。
【0005】
治療薬のための従来技術のタンポンデリバリーシステムが知られている。例えば、ゲーリング(Gehling)の米国特許第6,899,700号は、治療薬を含む製剤にタンポンを浸すことを開示する。このような従来技術のデリバリーシステムは、使用可能な治療薬の大きな損失をもたらしたり、タンポンの吸収特性を制限したりする可能性がある。従来技術の別のオプションは、タンポン全体を浸し、その後乾燥させることである。その結果、線維は油で飽和し(一般的CBDベースのオプションは疎水性)、これによりタンポンが水性月経液を吸収する役割を果たすことが制限される。最終的には、あるタンポンカテゴリー(すなわち、レギュラー対スーパー)の吸収性基準を満たすためにより多くの吸収性材料を必要とする。表面層を越えて繊維に含浸されたCBDオイルは、膣上皮によって溶解されないであろう。その結果、製品には、デリバリーされている用量よりも高い用量が必要となる。従来技術の別のオプションは、タンポン材料を円筒形に形成する前に、タンポン材料の表面を製剤でコーティングすることである。しかしながら、これは、その後、巻き上げられ、圧縮され、タンポン形状を作る。これは、実際には、外表面全体に治療薬を有するタンポンを生み出し、連続した内巻き層には被覆された「外側層」の割合が高くなる。W折タンポンの場合も同様であるが、この場合、タンポンが巻かれる代わりにW型に折りたたまれ、同様の結果が得られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、月経痛、子宮内膜症および他の疾患に苦しむ女性に局所的な緩和を提供するデリバリーソリューションにデバイスを展開させる信頼性のある医療デバイスの変形を提供する。デリバリー機構は、サプリメントをデリバリーしながらタンポンのコア吸収特性を可能にする;デリバリー機構は、タンポンがサプリメントを吸収するのを防ぐ;デリバリー機構は、血流へのサプリメント吸収に一致する溶解速度を提供する。アプリケータおよびタンポンは、寸法および材料において標準市場ガイドラインに従う。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様によれば、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムは、(1)先端部および円筒形外表面を有する略円筒形のタンポンと、(2)先端部から遠位のタンポンの円筒形外表面の少なくとも一部に適用される(および好ましくは先端部を露出したままにする)外側デリバリーシースであって、(a)水溶性ポリマーフィルムキャリアおよび(b)薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する構成を備える外側デリバリーシースと、(3)タンポンおよび適用されたデリバリーシースを含むアプリケータと、を有する。デリバリーシステムの準備方法および使用方法も開示されている。
【0008】
より詳細な実施形態では、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントはCBDを有する。さらに詳細な実施形態では、CBDコンポーネントは、外側デリバリーシースの最大50%である。
【0009】
代替的に、または付加的に、外側デリバリーシースは、流体吸収のためタンポンが放射状に膨潤するのを制限しないように設計されている。代替的に、または付加的に、外側デリバリーシースは、膣壁に付着するように構成される。代替的に、または付加的に、外側デリバリーシースは、先端部から約5~6mm遠位である。代替的に、または付加的に、外側デリバリーシースは、約1~100mgの薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを有する。代替的に、または付加的に、デリバリーシースの厚さは、約1mil~4milである。
【0010】
このアプローチに基づいて、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントは、適切な時期に適切な場所に発売される。薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントは、消化器系を通過しない。女性は、製品をデリバーするために自信の習慣を変える必要はない。膣管は、レセプターの最も高い濃度を有する。薬剤をレセプターに直接デリバリーすることにより、デバイスは、効果的に痛み緩和とストレス緩和をもたらす。実施形態では、CBDは、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントとして使用される。CBDは、痛み緩和とストレス緩和を効果的にもたらす患部にCBDを直接適用することにより、痙攣を助けるために用いることができる。CBDは、一部の国では、同じ制御調節がなく、市場への道筋がはるかに速い機能性食品である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態による薬学、ホリスティックまたは医薬デリバリー機構の側面図であり、デリバリー機構は、タンポンに提供され、横断面で示されるアプリケータコンポーネントに位置する。
【
図2】
図2は、アプリケータコンポーネントおよび除去コンポーネントのない、タンポンに提供される例示的な薬学、ホリスティックまたは医薬デリバリー機構の側面図である。
【
図3】
図3は、タンポンの周囲に設置される前の例示的な薬学、ホリスティックまたは医薬デリバリー機構の側面図である。
【
図4】
図4は、タンポンに位置された例示的な2層デリバリー機構の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1~3を参照すると、本開示は、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのためのタンポンおよびデリバリーシステムに関する(本開示は、このようなタンポンおよびデリバリーシステムを構築するための方法にも関し、本開示は、このようなタンポンおよびデリバリーシステムを使用するための方法にも関する)。このシステムは、略円筒形の従来のタンポン10を有する。タンポン10は、先端部12、遠位端部14および略円筒形外表面を有する。このシステムは、また、先端部から遠位(すなわち、遠位端部が外側デリバリー層から実質的に遊離している)でタンポンの円筒形外表面の一部に適用される外側デリバリー層16(またはシース)も有する。外側デリバリー層16は、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを担持する水溶性ポリマーフィルムキャリアを有する。タンポンは、また、遠位端部から延びる従来のストリング18、およびタンポン10と外側デリバリー層16とを含む従来のアプリケータアセンブリ20を有し得る。
【0013】
実施形態では、水溶性ポリマーフィルムは、タンポンの円筒形外表面に適用される前に、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントによって構成される。このような水溶性ポリマーフィルムは、ARxと呼ばれる会社の製品識別ARCare 93488非粘着溶解性フィルムから市販されることがある。
【0014】
実施形態では、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントはCBDを有する。より詳細な実施形態では、CBDコンポーネントは、外側デリバリー層の最大50%を取り込む得る。例えば、外側デリバリー層は、100ミリグラムの材料を含み得る。ここで、CBDは、デリバリー層材料の最大50ミリグラムを取り込む。
【0015】
より詳細な実施形態では、外側デリバリー層16は、円筒形外表面の一部分に適用されるシート(例えば、ウエブから切断)形態である。外側デリバリー層16は、タンポンが流体を吸収する際にタンポンの放射状膨潤を制限しないように設計されている。さらに、外側デリバリー層は、膣管内で膨張する際に膣壁に付着するように構成されている。実施形態では、外側デリバリー層16は、先端部12から約5~約6mm遠位であり、これより、適用の際にタンポン10の先端部12が膣液に露出する。実施形態では、外側デリバリー層16は、約1~約100ミリグラムの薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを含む。実施形態では、デリバリー層16の厚さは、約1mil~約4milである。
【0016】
使用に際してタンポン10およびデリバリー層16を患者の膣管に挿入する場合、露出先端部12は、膣液の吸収を可能にするように設計されている。膣管内の液体を吸収すると、タンポン10は放射状に膨潤し、これにより、デリバリー層16は、タンポンの放射状の膨潤によって外側に膨張し(放射状の膨張を可能にするために分離する)、したがって、患者の膣壁により大きく接触するようになる。デリバリー層16の構成は、デリバリー層が患者の膣壁に付着することを可能にし、これにより、患者の血流中への薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントのより効果的かつ迅速な移行が可能となる。テストは、特定の実施形態が、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントを経口的に服用するよりも5倍も効果的であり得ることを示している。さらに、薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントがCBDである場合、例えば、本デバイスは、月経痙攣の領域におけるCBDコンポーネントの血流へのデリバリーをより効果的かつ迅速に可能にする。
【0017】
外側デリバリー層の構成は、経時的に患者の体内で安全に溶解するように設計されている。テストは、外側デリバリー層16の実施形態が30分未満で効果的かつ完全に溶解することを示している。
【0018】
デバイスの実施形態は、第一に、水溶性ポリマーフィルムを有効量の薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネントで構成することによって製造されることができる。次いで、構成物は、柔軟な材料のウエブの形態(タンポンの周りに巻き付けられ、一緒にシースとして固定されることができるように十分に柔軟性がある)で硬化/硬化される。一般的には、フィルムの厚さは、1mil~4milの間であるが、最大20milの厚さであってもよい。次に、
図3に示すように、ウエブは、複数の長方形タブ16′に切断される。それらの各々は、標準タンポン10の外周面に別々に巻き付けられ得る。タブ16′が従来のタンポン10の外周面に一旦巻き付けられると、タブ16′はシース16を形成し、好ましくは、タンポン10の先端部12から遠位に位置する。これにより、適用の際に、先端部12が膣管内の液体を実質的に即座に吸収し始めることができる。実施形態では、シース16のフィルムは、タンポンの周囲に自身に付着されている。これは、熱、少量の湿気、および/または接着剤を用いることによって行われ得る。実施形態では、シース16は、タンポン10に直接付着されておらず、むしろシース16は、挿入されている間タンポン表面上に留まるのに十分な強さでタンポン10に自体に付着されている。いったん挿入されると、膣液の存在下で、シース16は、タンポンから離れ、タンポンが膨張するにつれて分離する。これはタンポンへの吸収の喪失を制限するのに役立つ。
【0019】
上記システムの構築および位置決め、ならびにシース16をタンポン10に設置するプロセスは、上記の従来技術のタンポンデリバリーシステムを上回る利点を提供する。例えば、本開示の実施形態は、上記の浸漬された先行技術システムと比較して、タンポンが膣液を吸収する能力を制限しない。さらに、本開示の実施形態は、タンポン材料に埋め込まれたデリバリー材料を有しておらず、本開示の実施形態は、タンポンへのデリバリー材料の吸収を経験する可能性がはるかに低いため、本開示の実施形態は、先行技術と比較して、治療薬の用量および特性のより良好な制御を可能にし、治療薬の全身吸収の同レベルを達成しながら、必要とされる構成物/薬剤をより少なくすることを可能にする。
【0020】
シース16が従来のタンポン10の外周面に一旦適用されると、次いで、タンポンおよびシースは、従来のタンポンアプリケータデバイス20に設置され得る。
【0021】
外側デリバリー層16の厚さは、デリバリー層が溶解する速度を制御するために製造中に変化されてよい。それによって、患者への薬学、ホリスティックまたは医薬部品のデリバリー速度を制御することができる。1つの例示的な構成において、厚さの変化は、経口テストの溶解時間と直線関係を示した。フィルム厚さが47%減少すると、平均して溶解時間が44%減少した。溶解時間は、ポリマー組成、治療薬の濃度、添加剤(可塑剤、セルロースなど)の存在、フィルムへの水分取り込みおよびpHによっても影響を受ける得る。
【0022】
開示されたデリバリーシステムは、患者がデリバリーデバイスを使用して快適性を有しかつ実践できるように、従来のタンポンおよびアプリケータを使用することができるため、効果的である。
【0023】
デバイスは、タンポンの円筒形外表面エリアを包含する軸方向に位置する円筒形シース16を提供する。この円筒形外表面エリアは、タンポンが上から下へ流体を吸収し、これにより、タンポンが放射状および軸方向に膨潤するように、膣液によって活性化された所望の溶解率、および、温度や増加放射状圧縮ストレスなどの条件で使用者に目標の利益を供給する物質で構成されることができる。タンポン10の露出先端部12は、デバイスの露出先端部12を通って膣挿入されると直ちに膣液を吸収し始め、一方、シースが膣液、pHおよび他の条件への露出から十分に溶けるまで、軸方向に配置された円筒形シース16を通る液体吸収を遅らせる。タンポン10が液体を吸収し、飽和すると、膨張して、外向きの放射状の力/圧力をシース16に加え、これにより、膣上皮への付着を助けることができる。さらに、この飽和および膨潤は周囲ストレスを発揮し、これにより、膨潤シース16の破壊を助け、膣壁のより大きな表面積を上皮を介した治療薬の拡散のために可能にする。
【0024】
商業的には、タンポンはそれらの吸収性によって区別される(例えば、ライト、レギュラー、スーパー、スーパープラスおよびスーパープラスエクストラ)。これは規制された指定である。これは、一般的には、吸収性材料の量を増加させることによって達成される。これは、一般的には、製品の周囲を増加させることによって達成され、その長さは実質的には変化させないままである。さまざまなサイズのタンポン10のためのシース16のサイズを管理するためにいくつかの選択肢がある。例えば、大きめのフィルムが適用量を変更しないように、サイズごとに異なる処方を用いることができる。別の例として、フィルムは、最大の製品についてサイズ化され、重複量は、より小さな製品について増加され得る。別の例として、フィルムの長さは、適用量を制御するために、一定の表面エリアを維持するように調節されることができる。テストした試作品では、フィルム長さは、使用するタンポンブランドに応じて35~40mmの範囲にあった。一方、周囲は、「レギュラー」タンポンでは約45~50mm、「スーパー」タンポンでは約55~60mmになる。
【0025】
本開示は、デリバリー層における薬学、ホリスティックまたは医薬コンポーネント(本明細書では、治療薬またはAPIとも言う)のための多くの可能な選択肢を想定している。本開示は、以下の各グループ(薬学、医薬、およびホリスティック)について簡潔に記載し、ポリマーフィルムに含まれ得る各グループの例を提供する。
【0026】
医薬品グループは、成分潜在リストを含む。アプリケーションによっては、一つの薬学成分が別の薬学成分よりも好まれる場合がある(例えば、治療される状態に基づいて)。ただし、以下の医薬品のいずれかを高分子溶液に添加することができた。医薬品は、特定の疾病および病気の「救済」または証明された「治癒」のためにFDAが承認した医学研究に基づいて、高分子溶液において独立してまたは組み合わせて適切に使用され得る。医薬品グループは、以下のうち1つまたは2つ以上の組合せを含む。
1. 解熱剤
2. 鎮痛剤
3. 抗マラリア剤
4. 抗生物質
5. 気分安定剤
6. ホルモン補充
7. 興奮剤
8. トランキライザー
9. スタチン
10. 制酸剤
11. 逆流抑制剤
12. 泡止め剤
13. 抗ドパミン剤
14. プロトンポンプ阻害剤(PPIS)
15. H2-受容体アンタゴニスト
16. 細胞保護剤
17. プロスタグランジン製剤
18. 緩下剤
19. 鎮痙剤
20. 止痢剤
21. 胆汁酸吸収剤
22. オピオイド
23. Β-受容体遮断剤(「ベータ遮断剤」)
24. カルシウムチャネル遮断剤
25. 利尿剤
26. 強心配糖体
27. 抗不整脈剤
28. 硝酸塩
29. 抗狭心症剤
30. 血管収縮剤
31. 血管拡張剤
32. ACE反応抑制剤
33. アンジオテンシン受容体遮断剤
34. ベータ遮断剤
35. A遮断剤
36. チアジド系利尿剤
37. ループ利尿剤
38. アルドステロン反応抑制剤
39. 凝固
40. 抗凝固剤
41. ヘパリン
42. 抗血小板剤
43. 線維素溶解剤
44. 抗血友病剤
45. 止血剤
46. HMG-Coa還元酵素反応抑制剤
47. 脂質低下剤
48. 麻酔剤
49. 抗精神病剤
50. 抗うつ剤(三環系抗うつ剤、モノアミン酸化酵素阻害剤、リチウム塩、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRIS)を含む)
51. 制吐剤
52. 抗痙攣剤/抗てんかん剤
53. 抗不安剤
54. 精神安定剤
55. 運動疾患(E.G.、パーキンソン病)治療剤
56. 刺激剤(アンフェタミンを含む)
57. ベンゾジアゼピン
58. シクロピロロン
59. ドパミン拮抗剤
60. 抗ヒスタミン剤
61. カンナビノイド
62 5-HT(セロトニン)拮抗剤
63. 鎮痛剤
64. 非ステロイド性抗炎症剤(COX-2選択的阻害剤を含む)
65. 筋弛緩剤
66. 神経筋用剤
67. 抗コリンエステラーゼ
68. 気管支拡張剤
69. 鎮咳剤
70. 粘液溶解剤
71. 充血緩和剤
72. コルチコステロイド
73. ベータ2-アドレナリン作動剤
74. 抗コリン剤
75. 肥満細胞安定剤
76. ロイコトリエン拮抗剤
77. アンドロゲン
78. 抗アンドロゲン
79. エストロゲン
80. ゴナドトロピン
81. コルチコステロイド
82. ヒト成長ホルモン
83. インスリン
84. 糖尿病治療剤(スルホニル尿素剤、ビグアナイド剤/メトホルミン、チアゾリジン剤、インスリン)
85. 甲状腺ホルモン
86. 甲状腺刺激ホルモン
87. カルシトニン
88. ジホスホン酸
89. バソプレシン類似体
90. アルカリ化剤
91. キノロン系
92. コリン作動剤
93. 鎮痙剤
94 5-アルファ還元酵素阻害剤
95. 選択的アルファ1遮断剤
96 シルデナフィル
97. 受胎能投剤
98. ホルモン避妊法
99. オルメロキシフェン
100. 止血剤
101. 抗線溶剤
102. ホルモン補充療法(HRT)
103. 骨調節剤
104. ベータ受容体作動剤
105. 卵胞刺激ホルモン
106. 黄体形成ホルモン
107. LHRH
108. ガレモン酸
109. ゴナドトロピン放出阻害剤
110. プロゲストゲン
111. ドパミンアゴニスト
112. エストロゲン
113. プロスタグランジン
114. ゴナドレリン
115. クロミフェン
116. タモキシフェン
117. ジエチルスチルベストロール
118. 抗真菌剤
119. 抗らい剤
120. 抗結核剤
121. 抗マラリア剤
122. 駆虫剤
123. アメーバ駆除剤
124. 抗ウイルス剤
125. 抗原虫剤
126. プロバイオティクス
127. プレバイオティクス
128. ワクチン
129. 免疫グロブリン
130. 免疫抑制剤
131. インターフェロン
132. モノクローナル抗体
133. 抗アレルギー剤
134. 抗ヒスタミン剤
135. コルチコステロイド
136. 電解質
137. ミネラル製剤(鉄剤およびマグネシウム製剤を含む。)
138. 非経口栄養剤
139. ビタミン
140. 抗肥満剤
141. 蛋白同化剤
142. 造血剤
143. 食品医薬品
144. 細胞毒性剤
145. 治療用抗体
146. 性ホルモン
147. アロマターゼ阻害剤
148. ソマトスタチン阻害剤
149. 組換え型インターロイキン
150. G-CSF
151. エリスロポエチン
【0027】
数千種類の異なる薬剤がある一方で、市販されている薬剤は、全てAmerican Hospital Formulary Service(AHFS) Pharmacologic-Therapeutic Classification Systemの1つ以上の層に該当する。この分類は、全国の薬剤師協会であるAmerican Society of Health-System Pharmacists(ASHP)によって開発され、維持されている。分類は以下の医薬品グループを含む。
1. 抗ヒスタミン薬(医療用医薬品、クラリネックス、キシザル、OTC薬品、アレグラ、ベナドリル、クラリチン、クロルトリメトン、ジメタン、ジルテック、および、タビストを含む)
2. 抗感染症剤(ペニシリン系、抗ウイルス剤を含む)
3. 抗腫瘍剤
4. 自律神経作用剤
5. 血液誘導体
6. 血液形成・凝固・血栓症治療剤
7. 循環器官用剤(ジゴキシン、アセブトロール、プロプラノロール、リシノプリルを含む)
8. 細胞治療
9. 中枢神経系(CNS)薬剤(刺激剤、抑制剤を含む)
10. 避妊剤
11. 歯科用剤
12. 診断
13. 電解・カロリー・水分バランス
14. 酵素
15. 呼吸器官用剤
16. 眼・耳・鼻・咽喉(EENT)製剤
17. 消化器官用剤(ラベプラゾールナトリウム、ニタゾキサニド、ベバシズマブ、ニザチジンを含む)
18. 金剤
19. 重金属拮抗剤
20. ホルモンおよび合成代替物
21. 局所麻酔剤
22. 子宮収縮剤
23. 放射性薬剤
24. 血清、トキソイド、ワクチン
25. 皮膚・粘膜剤
26. 平滑筋弛緩剤(シクロベンザプリン、カリソプロドールを含む)
27. ビタミン
28. その他の治療剤
29. 医薬品補助剤
【0028】
ホリスティックグループは、成分潜在リストを有し、その中のいくつかを以下に挙げる。ホリスティックグループは、ハーブ、ビタミン、および/またはミネラル(単一または組み合わせ)添加剤を含む。添加剤は、チンキ剤;エッセンシャルオイル;植物、花または根の抽出物;細胞塩;雪の植物(sarcodes);同毒薬(nosodes);およびビタミンによる病気および/または痛み(精神的、身体的、または感情的)または不快感の治療薬である。ホリスティックグループは、自然療法医学、伝統的な漢方薬および東洋医学、アーユルベーダ医学で使用される成分を含み得る。このカテゴリーは、魚油、オメガ-3脂肪酸、グルコサミン、コンドロイチン、または亜麻仁油などの非ビタミンサプリメントも含み得る。ホリスティックグループは、以下の成分のうち1つ以上を含み得る。
1. イチョウ(Ginkgo biloba)
2. セイヨウオトギリソウ(Hypericum perforatum)
3. ハーブ花粉エキスNOS
4. センナアレクサンドリア(Senna alexandrina)
5. ハーブ抽出NOS
6. シミシフガラセモサ(Cimicifuga racemosa)
7. ムラサキバレンギク(Echinacea purpurea)
8. プランタゴオバタ(Plantago ovata)
9. セレノアレペンス(Serenoa repens)
10. グリシンマックス(Glycine max)
11. オエノテラビエンニス(Oenothera biennis)
12. ヴィチスヴィニフェラ(Vitis vinifera)
13. 大麻(Cannabis sativa)
14. アサ(Cannabis indica)
15. セイヨウハッカ(Mentha x piperita)
16. セイヨウカンキツ(Citrus x paradisi)
17. カノコソウ(Valeriana officinalis)
18. マリアアザミ(Silybum marianum)
19. セイヨウヤドリギ(Viscum album)
20. オオヒル(Allium sativum)
21. セイヨウニンジンボク(Vitex agnus-castus)
22. Pelargonium reniforme root
23. ジギタリス(Digitalis purpurea)
24. チョウセンニンジンNOS
25. フミン酸
26. ビタミンA、B-6、B-12、C、D、E、K
27. クロム
28. 葉酸
29. カルシウム
30. 鉄
31. 亜鉛
32. 植物、果実およびナッツチンキ剤、濃縮物またはエキス
【0029】
実施形態では、水溶性ポリマーフィルム16は、プルラン、アルギン酸ナトリウム、マルトデキストリン、ゼラチン、またはデンプンなどの天然ポリマーの組み合わせを使用して優先的に構成される。そのうちの2つ以上を組み合わせることにより、構成者は、水への溶解度、粘度、粘膜付着、膨潤、フィルム形成、および機械的特性などのいくつかの重要な特性間のバランスをとる柔軟性を可能にすることができる。これらの特性は、可塑剤および少量の界面活性剤の使用でさらに増強されることができる。しかしながら、これは、HPMC、CMC、HPC、PCL、PVA、PVP、またはPEOのような合成ポリマーの使用を制限すべきではなく、天然ポリマーとの1つ以上、またはそれと組み合わせて、一連の利点を提供し、様々な治療薬との適合性の課題または欠点およびそれらのフィルム特性への影響を克服するために特に有用であり得る。
【0030】
代表的な処方は、重量ベースで以下の組成範囲に入ることができるが、特定の治療薬の独特の必要性のために限定されるべきではない。
・治療薬 5~50%
・水溶性ポリマー 30~70%
・可塑剤 0~20%
・界面活性剤物質 0~5%
・充填剤 0~5%
【0031】
以下の表1は、ポリマーの特性および鍵となる知見の各々についての情報と共に、例示的な構成と共に使用する可能性のあるポリマーの非網羅的なリストである。
【表1】
【0032】
この表1は、次の論文Karki, et. al., Thin Films as an Emerging Platform for Drug Delivery (Asian Journal of Pharmaceutical Sciences, June 2016)に記載の情報に基づいている。もう1つの有益な論文は、Bala, et. al., Orally Dissolving Strips: A New Approach to Oral Drug Delivery System (Int J Pharm Investig Apr-Jun 2013)である。これらの論文は、それぞれ、本明細書において参照により組み込まれている。
【0033】
可塑剤の種類、割合、および化学的性質は、ポリマー水性分散体からのフィルム形成、およびその結果、フィルムの最終特性に影響し得る。実際、ポリエチレングリコール(PEG)、ジエチレングリコール(DEG)、グリセロール(GLY)、キシリトール、ソルビトール、フルクトース、およびスクロースなどのポリオールは、バイオポリマーフィルムのいくつかの特性を改善するための有効な可塑剤として考えられる。
【0034】
界面活性剤または表面活性剤は、より均質な混合物または溶液を可能にするために、分散、湿潤、可溶化、および乳化を助けるために使用され得る。これは、親水性ポリマー系における親油性治療薬の使用のような、さもなければ適合しない成分を使用する場合に特に重要である。その適切な選択は、より安定したフィルムをもたらし、水性媒体での溶解を助けるとともに、治療薬の全体的な吸収を助けることができる。使用される一般的な界面活性剤は、ラウレル硫酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸ポリオキシメチレン、ポロキサマー、ならびに、中でもTween、およびSpanタイプの製品を含むことができる。
【0035】
充填剤は、より一般的なカテゴリーであり、低濃度の添加剤の範囲を含むことができる。これらには、TiO2などの着色剤のような審美的目的のための添加剤を含むことができ、または製造中の液体フィルムのレオロジー改変のためまたは固体フィルムの安定化剤として使用することができる。これには、一連のセルロースまたはキサンタンガム、ローカストビーンガム、またはカラジーナンなどの天然ガムが含まれ得る。
【0036】
デリバリー層16の粘膜付着特性は、上記表1に示されるようなポリマー成分から生じ得る。
【0037】
本開示の特定の実施形態は、フィルム16の組成物の複数の層を利用することができる。例えば、
図4に示すように、例示的フィルム16は、放射状内側層16aおよび放射状外側層16bを有し得る。ここで、粘膜と最初に接触している放射状外側層16bは、放射状内側層16aよりも速く溶解するように構成される。このような放射状外側層16bは、長期緩和のためのより遅く溶解する放射状内側層16aにおける低用量の治療薬で、より迅速な初期緩和のためのより大用量の治療薬を提供し得る。別の例として、層16a、16bの一方は第1の治療薬を含むことができ、他方は第2の治療薬16a、16bを含むことができる。第1の治療薬は、より局所的な効果を有するように構成/選択され得るが、第2の治療薬は、より全身的な摂取を有するように構成/選択され得る。別の例として、放射状内側層16aは、より遅く溶解する保護層として構成され得る。この保護層は、上皮層を通る拡散の前に、より迅速に溶解する外側層16bがタンポンに吸収されるのを保護する。別の例として、内側層16aは、治療剤を含まない非吸収性(または実質的により遅い吸収性)接着剤または障壁層としてより多く使用され得る。このような非吸収性の内側層16aは、外側層16bがより遅い溶解時間を有することを可能にし、これはより長い解放機構のための選択肢となり得る。別の例として、外側層16bは、内側層16aの治療薬が製造または貯蔵/分布に必要とされるある種の特性を欠く構成物を組み込むことが困難であるか、または必要とする場合に、シース16にさらなる機械的特性を与えるように構成され得る。
【0038】
異なる層16a、16b間で種々の製剤調整を行い、溶解特性を変化させることができる。これは、ポリマーの分子量を増加させる例が機械的特性にプラスの利益をもたらすことができるが、鎖の絡み合いの増加によって部分的に溶解性の低下をもたらすことが多いことから、化学構造の固有の特性を利用することによって、または分子量または多分散性を改変することによってポリマー選択を行うことができる。代替的に、これは、可塑剤または界面活性剤のような他の添加剤の使用を介して調整することもできる。可塑剤含有量の増加は、しばしば、溶解性の負の影響を有し、一方、界面活性剤は、溶解性を助けることができるポリマーの湿潤/膨潤特性を増加させるために使用することができる。
【0039】
局所的処理剤の例としては、膣微生物を均衡させるための乳酸菌種または混合物のようなプロバイオティック、または細菌性膣炎の処理のためのメトロニダゾールまたはクリンダマイシンのような抗生物質が挙げられる。アクションの全身モードを示すことができる治療薬の例としては、鎮痛薬またはカンナビノイドが挙げられる。
【0040】
テスト
【0041】
図2および
図3を参照して、最初のテストでは、
図2に示すように、テストタンポン10の外周面の周囲を覆うPVOH水溶性ポリマーフィルム16の34mm×40mmの長方形を使用した(軸長34mm、全周長40mm)。テストサンプルは「シンギナ」として知られるタンポンテスト装置でテストした。タンポンに塗布されたフィルム16を有するタンポン10を挿入する前に模擬膣管の内面に水噴霧の最終ミストを噴霧し、噴霧したミストは、膣壁を覆う粘膜液を模擬または模倣するように意図した。次に、テスト装置は、装置をテストするためにタンポンの先端部12に流体を加え、模擬膣内の流体を吸収する際に、タンポン機能およびフィルム16の溶解の両方を観察する。観察すると、フィルム16は模擬膣壁に良好に付着し、タンポン10の吸収機能を妨げないことが分かった。タンポンは、先端部12を通して吸収可能であり、吸収された体液のいずれもタンポンから漏出しなかった。さらに、フィルム16の処方は、タンポンの放射状膨潤を妨げないようにタンポンが膨張するにつれてフィルムが分離することを可能にした。
【0042】
この装置を人間被験者で1時間テストした結果、除去前にフィルム16がほぼ完全に溶解した。
【0043】
次に、従来の「ライト」タンポンと、シートを形成するためにライトタンポンの外周に塗布された35×35mmの水溶性ポリマーフィルム16′とを用い、テストを実施した。テスターは、ライトタンポンを用いて4つの製品を作った。被験者は、1時間の時間枠を用いてタンポンをテストした。
【0044】
第3テストは、通常サイズの通常のタンポン10の外周面に塗布した20×37mmの水溶性ポリマーフィルム16′のストリップを用いて実施し、従来のプランジャー型アプリケータ20(軸長20mm×全周長37mm)内で受領した。テスト対象者は、1回に1時間タンポンをテストした。サンプルは、問題なく良好にテストされた。サンプルは、テスト対象者によって1時間使用され、フィルム16は、使用したタンポン10から完全に溶解した。
【0045】
第4テスト。豚モデルにおける経腟投与による治療薬としてイブプロフェンを用いた水溶性ポリマーフィルム製剤の1つの実施形態の薬物動態試験の結果、今日市場で広く使用されている従来の経口投与錠剤の同等の投与量を上回る全身吸収への改善がもたらされた。実際、経腟投与されたフィルムは、経口投与されたイブプロフェン錠剤のCMAX(ピーク濃度)と同等のプラズマ濃度に40%達したが、同じ4時間ウインドで65%高いCMAXと高い相対的バイオアベイラビリティに達した。これは、本発明の使用により、従来の手段に対して、はるかに低い用量の投与により、有効な用量を達成できることを示している。また、それは、本発明のこの実施形態の利点をさらに区別するであろう局所組織吸収の速度vs代替投与経路を考慮していない。これらのテストは、11milの厚さ、40mm×50mmの固体フィルムの50%濃度でイブプロフェンを含有する配合物を使用して実施され、これは、主に、上記のような天然ポリマーと、糖アルコールベースの可塑剤および非イオン性界面活性剤との組み合わせから構成された。
【0046】
上述の開示及び添付の図により本発明を記載したことから、特許請求範囲に記載された本発明の範囲から逸脱することなく、開示された様々な実施形態に修正を加えることができることは明らかであろう。
【国際調査報告】