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特表2023-509707AXLデコイ受容体を使用する腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】AXLデコイ受容体を使用する腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/17 20060101AFI20230302BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20230302BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230302BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 31/47 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20230302BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20230302BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20230302BHJP
   C07K 16/00 20060101ALI20230302BHJP
   C07K 14/705 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
A61K38/17 100
A61P13/12
A61P35/00
A61P43/00 121
A61K31/47
A61K39/395 Y
A61K47/68
C07K19/00 ZNA
C07K16/00
C07K14/705
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541228
(86)(22)【出願日】2021-01-05
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 US2021012176
(87)【国際公開番号】W WO2021141892
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/957,622
(32)【優先日】2020-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522265866
【氏名又は名称】アラヴィヴ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ARAVIVE INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】マッキンタイア,ゲイル
(72)【発明者】
【氏名】ボニファシオ,ローラ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C076CC17
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA01
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA22
4C084BA23
4C084CA18
4C084CA53
4C084DA39
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA811
4C084ZA812
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZC751
4C085AA33
4C085BB11
4C085BB36
4C085BB42
4C085CC22
4C085DD62
4C085EE03
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086ZA81
4C086ZB26
4C086ZC75
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA50
4H045DA75
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
治療用量のカボザンチニブと組み合わせて、例えばAXLおよびそのリガンドGAS6の間の結合相互作用の阻害により、AXLタンパク質活性を阻害する治療用量の医薬組成物を投与することによる哺乳動物において進行性腎明細胞癌(RCC)を処置するための組成物および方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カボザンチニブを単独で投与された患者と比較して安定した疾患/奏効およびより長い無増悪生存期間を達成するように決定されたレジメンにしたがってカボザンチニブと組み合わせた可溶性AXLポリペプチドを投与することを含む、患者において進行性腎明細胞癌(ccRCC)を処置する方法。
【請求項2】
前記可溶性AXLポリペプチドおよびカボザンチニブの効果が相乗的である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記患者が以前の抗血管新生療法を受けている、請求項1~2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記以前の抗血管新生療法が、アキシチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、ベバシズマブ、インターロイキン、インターフェロン-α、ペグインターフェロン、ニボルマブ、およびアテゾリズマブからなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記可溶性AXLバリアントポリペプチドが、AXL膜貫通ドメインを欠いており;機能的なフィブロネクチン(FN)ドメインを欠いており;1つまたは1つより多くのIg1ドメインおよび、任意選択的に、1つまたは1つより多くのIg2ドメインを有し;かつ:
1)Gly32Ser、Asp87Gly、Val92Ala、およびGly127Arg、
2)Glu26Gly、Val79Met、Val92Ala、およびGly127Glu;ならびに
3)Gly32Ser、Ala72Val、Asp87Gly、Val92Ala、およびGly127Arg
からなる群から選択される野生型AXL配列(配列番号1)のアミノ酸修飾のセットを有し;前記改変が、増殖停止特異的タンパク質6(GAS6)に対する前記AXLポリペプチドの結合の親和性を増加させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記可溶性AXLバリアントポリペプチドがFc領域に融合している、請求項1~5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記患者に投与される前記可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量が、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0mg/kg、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、約13.0、約13.5、約14.0、約14.5、約15.0、約15.5、約16.0、約16.5、約17.0、約17.5、約18.0、約18.5、約19.0mg/kg、約19.5、約20.0mg/kg、約25.0mg/、および約30.0mg/kgからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
カボザンチニブの用量が、空腹時の1日1回の、100mg、95mg、90mg、85mg、80mg、75mg、70mg、65mg、60mg、55mg、50mg、45mg、40mg、35mg、30mg、25mg、20mg、15mg、10mg、および5mgからなる群から選択される、請求項1~7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量が2週毎に与えられる15mg/kgであり、かつカボザンチニブの用量が空腹時の1日1回の60mgである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量が2週毎に与えられる20mg/kgであり、かつカボザンチニブの用量が空腹時の1日1回の60mgである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量が2週毎に与えられる25mg/kgであり、かつカボザンチニブの用量が空腹時の1日1回の60mgである、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年1月6日に出願された米国仮出願第62/957,622号の利益を主張し、該仮出願は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
配列表
本出願は、「紙コピー」(PDFファイル)の形態の配列表ならびに本出願において提出されるコンピュータ読取り可能な形態(ST25形式テキストファイル)の参照される配列(配列番号1および2)を含有するファイルを含有する。配列表は、37C.F.R.1.822において定義されるように、アミノ酸の標準的な3文字表記を使用して示される。
【0003】
連邦政府により支援された研究または開発に関する陳述
本件は、Cancer Prevention & Research Institute of Texas,New Company Product Development Award DP150127により支援された。米国テキサス州は、本出願に関して発行される任意の特許において権利を有し得る。
【0004】
技術分野
腎明細胞癌(clear cell renal cell carcinoma;ccRCC)は腎臓がんの最も一般的な形態であり、全ての症例のうちの90%より多くを占め、男性において女性におけるよりも2倍近く一般的であることが見出されている。概算で65,000の新たなccRCC症例が各年に米国(US)において診断され、診断時のメジアン年齢は65歳である。1992~2005年のSEER統計に基づいて、ccRCCの発生率は白人男性および女性においてそれぞれ1.8%および2.1%上昇し、該増加は、検出時の腫瘍の平均サイズにおける減少の結果であると決定された。小さい腫瘍の早期検出は、しかしながら、ccRCC関連死亡率における低下と関連付けられていない。過去十年における新たな療法の導入にもかかわらず、年間で13,500人の死亡が米国において生じている。これらの療法は患者のメジアン全生存期間を改善しており、該期間は現在、主に標的化全身療法の開発の進歩に起因して、2年を超えている。ステージIIIおよびIV疾患を有する患者の5年生存率はそれぞれ約69%および12%(米国がん協会)であり、肺、リンパ節、肝臓、骨および脳を含めて、遠位部位における転移が死亡の主要な原因である。
【0005】
進行性および転移性ccRCCに対する処置オプションは拡大しており、VEGFおよびその受容体を標的化する複数の抗血管新生薬物、mTOR阻害剤の他に、免疫チェックポイント阻害剤が挙げられる。10より多くの標的化された免疫療法が2005年以降に米国食品医薬品局からの承認を受けている。さらに多くが臨床試験において現在評価されており、ccRCCを有する患者のための複数のファーストおよびセカンドライン処置オプションを提供している。臨床的利益は実証されているが、これらの療法の完全奏効率は非常に低く(10%未満)、治療抵抗性の発生につれてほとんどの患者は他の処置オプションなしに非応答性となる。
【0006】
治療空間における最近の承認および進歩の結果として、ほとんどのccRCC患者は、2つの免疫療法(IO)剤または抗VEGFおよびIO剤の組合せのいずれかを用いるフロントライン併用処置を受ける。これらのオプションのうち、Keytruda(登録商標)(ペムブロリズマブ)と共にInlyta(登録商標)(アキシチニブ-小分子抗VEGF)を含有する2つのフロントラインの組合せまたは別のフロントラインIO/IOの組合せが最も一般的に使用される。2016年に、Cabometyx(商標)(カボザンチニブ(異なるチロシンキナーゼプロファイルを有するVEGFを標的化する小分子)は、以前の抗血管新生療法を受けた進行性腎細胞癌(RCC)の処置のために米国において食品医薬品局(FDA)により承認された。そのため、カボザンチニブは、標準治療として選択されるセカンドライン剤として好まれている。
【0007】
最近の進歩にもかかわらず、腎細胞癌の処置における無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率、および全生存期間という3つの有効性エンドポイントにおける改善を達成する新規の全身療法の開発に対する満たされていない必要性が依然として存在する。
【0008】
特許第13/554,954号明細書;同第13/595,936号明細書;同第13/714,875号明細書;同第13/950,111号明細書;同第14/712,731号明細書;同第14/650,852号明細書;同第14/650,854号明細書;同第14/910,565号明細書;米国特許出願公開第2011/022125号明細書;米国特許出願公開第2013/056435号明細書;米国特許出願公開第2012/069841号明細書;米国特許出願公開第2013/074809号明細書;米国特許出願公開第2013/074786号明細書;米国特許出願公開第2013/074796号明細書;米国特許出願公開第2015/0315553号明細書は、全ての教示について本明細書において参照により特に組み込まれる。
【発明の概要】
【0009】
1つの態様において、本発明は、対照と比較して安定した疾患/奏効およびより長い無増悪生存期間(PFS)を達成するように決定されたレジメンにしたがって可溶性AXLポリペプチドを投与することを含む、ヒト患者における進行性腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法を提供する。
【0010】
別の態様において、本発明は、対照と比較して安定した疾患/奏効およびより長い無増悪生存期間を達成するように決定されたレジメンにしたがってカボザンチニブと組み合わせた可溶性AXLポリペプチドを投与することを含む、ヒト患者における進行性腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法を提供する。一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、カボザンチニブの治療活性に対して付加的または相乗的な利益を付与し得る。
【0011】
別の態様において、本発明は、以前の抗血管新生療法を受けたヒト患者における進行性腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法であって、カボザンチニブと組み合わせた可溶性AXLポリペプチドの投与を含み、無増悪生存期間(PFS)ならびに全生存期間(OS)および客観的奏効率(ORR)のうちの1つまたは両方が、以前の抗血管新生療法を受けた患者と比較して増大される、方法を提供する。一部の実施形態において、以前の抗血管新生療法は、アキシチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、ベバシズマブ、インターロイキン、インターフェロン-α、ペグインターフェロン、ニボルマブ、およびアテゾリズマブからなる群から選択される。一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、カボザンチニブの治療活性に対して付加的または相乗的な利益を付与し得る。
【0012】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは可溶性AXLバリアントポリペプチドであり、前記可溶性AXLバリアントポリペプチドは、AXL膜貫通ドメインを欠いており、機能的なフィブロネクチン(FN)ドメインを欠いており、1つまたは複数のIg1ドメインを有し、1つまたは複数のIg2ドメインを有し、かつ前記AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXLと比較してGAS6に対するAXLバリアントポリペプチドの結合の増加された親和性を呈する。
【0013】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは可溶性AXLバリアントポリペプチドであり、前記可溶性AXLバリアントポリペプチドは、AXL膜貫通ドメインを欠いており、機能的なフィブロネクチン(FN)ドメインを欠いており、1つのIg1ドメインを有し、機能的なIg2ドメインを欠いており、かつ前記AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXLと比較してGAS6に対するAXLバリアントポリペプチドの結合の増加された親和性を呈する。
【0014】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質である。一部の実施形態において、バリアントポリペプチドはAXL細胞内ドメインを欠いている。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは機能的なフィブロネクチン(FN)ドメインをさらに欠いており、かつ前記バリアントポリペプチドは、GAS6に対する該ポリペプチドの結合の増加された親和性を呈する。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列と比べて少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。
【0015】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)の1)15~50、2)60~120、および3)125~135からなる群から選択される領域内の少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。
【0016】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)の19位、23位、26位、27位、32位、33位、38位、44位、61位、65位、72位、74位、78位、79位、86位、87位、88位、90位、92位、97位、98位、105位、109位、112位、113位、116位、118位、もしくは127位またはこれらの組合せにおける少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。
【0017】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、1)A19T、2)T23M、3)E26G、4)E27GまたはE27K、5)G32S、6)N33S、7)T38I、8)T44A、9)H61Y、10)D65N、11)A72V、12)S74N、13)Q78E、14)V79M、15)Q86R、16)D87G、17)D88N、18)I90MまたはI90V、19)V92A、V92GまたはV92D、20)I97R、21)T98AまたはT98P、22)T105M、23)Q109R、24)V112A、25)F113L、26)H116R、27)T118A、28)G127RまたはG127E、および29)G129Eおよびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸修飾を含む。
【0018】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)バリン92;および(d)グリシン127におけるアミノ酸変化を含む。
【0019】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)アスパラギン酸87および(b)バリン92におけるアミノ酸変化を含む。
【0020】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)バリン92;(d)グリシン127および(e)アラニン72におけるアミノ酸変化を含む。
【0021】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:アラニン72におけるアミノ酸変化を含む。
【0022】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドのグリシン32残基はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87残基はグリシン残基で置き換えられており、バリン92残基はアラニン残基で置き換えられており、もしくはグリシン127残基はアルギニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0023】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチド残基のアスパラギン酸87残基はグリシン残基で置き換えられており、もしくはバリン92残基はアラニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0024】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドのアラニン72残基はバリン残基で置き換えられている。
【0025】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドのグリシン32残基はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87残基はグリシン残基で置き換えられており、バリン92残基はアラニン残基で置き換えられており、グリシン127残基はアルギニン残基で置き換えられており、もしくはアラニン72残基はバリン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0026】
一部の実施形態において、AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グルタミン酸26;(b)バリン79;(c)バリン92;および(d)グリシン127におけるアミノ酸変化を含む。
【0027】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドのグルタミン酸26残基はグリシン残基で置き換えられており、バリン79残基はメチオニン残基で置き換えられており、バリン92残基はアラニン残基で置き換えられており、もしくはグリシン127残基はアルギニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0028】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXLポリペプチド(配列番号1)のアミノ酸領域19~437、130~437、19~132、21~121、26~132、26~121および1~437からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ酸領域であって、1つまたは複数のアミノ酸修飾が前記アミノ酸領域中に存在する、前記アミノ酸領域を含む。
【0029】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72;および(d)バリン92におけるアミノ酸変化を含む。
【0030】
一部の実施形態において、AXLバリアントポリペプチドのグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、かつバリン92はアラニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0031】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインをさらに含む融合タンパク質であり、かつ前記AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72;および(d)バリン92におけるアミノ酸変化を含む。
【0032】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、かつグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、かつバリン92はアラニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0033】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、かつ前記AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72;(d)バリン92;および(e)グリシン127におけるアミノ酸変化を含む。
【0034】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、かつグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、バリン92はアラニン残基で置き換えられており、かつグリシン127はアルギニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0035】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、かつ前記AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72;(d)バリン92;および(e)グリシン127におけるアミノ酸変化を含む。
【0036】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、かつグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、バリン92はアラニン残基で置き換えられており、かつグリシン127はアルギニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0037】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、Ig2ドメインを欠いており、かつ前記AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72および(d)バリン92におけるアミノ酸変化を含む。
【0038】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、Ig2ドメインを欠いており、かつグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、かつバリン92はアラニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0039】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、Ig2ドメインを欠いており、かつ前記AXLバリアントは、野生型AXL配列(配列番号1)と比べて以下の位置:(a)グリシン32;(b)アスパラギン酸87;(c)アラニン72;(d)バリン92;および(e)グリシン127におけるアミノ酸変化を含む。
【0040】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントは、Fcドメインを含む融合タンパク質であり、機能的なFNドメインを欠いており、Ig2ドメインを欠いており、かつグリシン32はセリン残基で置き換えられており、アスパラギン酸87はグリシン残基で置き換えられており、アラニン72はバリン残基で置き換えられており、バリン92はアラニン残基で置き換えられており、かつグリシン127はアルギニン残基で置き換えられており、またはこれらの組合せが為されている。
【0041】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、GAS6に対して少なくとも約1×10-8M、1×10-9M、1×10-10M、1×10-11Mまたは1×10-12Mの親和性を有する。
【0042】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、野生型AXLポリペプチドの親和性よりも少なくとも約5倍高い、少なくとも約10倍高いまたは少なくとも約20倍高いGAS6に対する親和性を呈する。
【0043】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドはリンカーをさらに含む。一部の実施形態において、リンカーは1つまたは複数の(GLY)SER単位を含む。一部の実施形態において、リンカーは、1、2、3または5つの(GLY)SER単位を含む。一部の実施形態において、リンカーは1つの(GLY)SER単位を含む。
【0044】
一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、Fcドメイン、リンカーを含み、機能的なFNドメインを欠いており、かつ配列番号2に示されるアミノ酸配列を有する融合タンパク質(以下「AVB-S6-500)である。
【0045】
一部の実施形態において、患者に投与される可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量は、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0mg/kg、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、約13.0、約13.5、約14.0、約14.5、約15.0、約15.5、約16.0、約16.5、約17.0、約17.5、約18.0、約18.5、約19.0、約19.5、約20.0、約20.5、約21.0、約21.5、約22.0、約22.5、約23.0、約23.5、約24.0、約24.5、約25.0、約25.5、約26.0、約26.5、約27.0、約27.5、約28.0、約28.5、約29.0、約29.5、および約30.0mg/kgからなる群から選択される。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、10mg/kgの週毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、5mg/kgの週毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、2.5mg/kgの週毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、1mg/kgの週毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、25mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、20mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、15mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、10mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、5mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、2.5mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、1mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。
【0046】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドと共に患者に併用投与されるカボザンチニブの用量は、空腹時の1日1回の、100mg、95mg、90mg、85mg、80mg、75mg、70mg、65mg、60mg、55mg、50mg、45mg、40mg、35mg、30mg、25mg、20mg、15mg、10mg、および5mgからなる群から選択される。
【発明を実施するための形態】
【0047】
定義
本明細書において他に定義されなければ、本発明との関連において使用される科学技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有する。さらに、文脈により他に要求されなければ、単数形の用語は複数を含み、複数形の用語は単数を含む。一般に、本明細書に記載の細胞および組織培養、分子生物学、免疫学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質および核酸化学ならびにハイブリダイゼーションとの関連において使用される学術用語およびこれらの技術は、当該技術分野において一般的に使用され、周知のものである。他に指し示されなければ、本発明の方法および技術は一般に、当該技術分野において周知の従来法にしたがってならびに本明細書の全体を通じて参照および議論される様々な一般的なおよびより特有の参考文献に記載されるように行われる。例えば、Green and Sambrook,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,4th ed.,Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2012)(参照により本明細書に組み込まれる)を参照。酵素反応および精製技術は、当該技術分野において一般的に達成されるようにまたは本明細書に記載されるように、製造者の仕様書にしたがって行われる。本明細書に記載の分析化学、合成有機化学、ならびに医薬品および薬化学との関連において使用される学術用語ならびにこれらの実験室手順および技術は、当該技術分野において一般的に使用され、周知のものである。標準的な技術が、化学合成、化学分析、医薬的調製、製剤化、および送達、および対象の処置のために使用される。
【0048】
「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、2つまたはそれより多くのアミノ酸残基のポリマーを指すために本明細書において交換可能に使用される。該用語は、1つまたは複数のアミノ酸残基が対応する天然に存在するアミノ酸の人工的な化学的模倣物であるアミノ酸ポリマーの他に、天然に存在するアミノ酸ポリマーおよび天然に存在しないアミノ酸ポリマーに適用される。「抗体」(antibody)および「抗体」(antibodies)という用語は、本明細書において交換可能に使用され、多くの場合に抗原と称される別の分子と相互作用および/または結合する能力を有するポリペプチドを指す。抗体は、例えば、「抗原結合性ポリペプチド」または「標的分子結合性ポリペプチド」を含むことができる。本発明の抗原は、例えば、本発明において記載される任意のポリペプチドを含むことができる。
【0049】
「アミノ酸」という用語は、天然に存在するアミノ酸および合成アミノ酸の他に、天然に存在するアミノ酸と類似した方式において機能するアミノ酸アナログおよびアミノ酸模倣物を指す。天然に存在するアミノ酸は、遺伝コードによりコードされるものの他に、後に修飾されたアミノ酸、例えば、ヒドロキシプロリン、ガンマ-カルボキシグルタミン酸、およびO-ホスホセリンである。アミノ酸アナログは、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造、すなわち、水素、カルボキシル基、アミノ基、およびR基に結合したα-炭素を有する化合物、例えば、ホモセリン、ノルロイシン、メチオニンスルホキシド、メチオニンメチルスルホニウムを指す。そのようなアナログは、修飾されたR基(例えば、ノルロイシン)または修飾されたペプチド骨格を有するが、天然に存在するアミノ酸と同じ基本的な化学構造を保持する。アミノ酸模倣物は、アミノ酸の一般の化学構造とは異なる構造を有するが、天然に存在するアミノ酸に類似した方式で機能する化学的化合物を指す。アミノ酸を表すために本発明において使用される全ての1文字表記は、当該分野において日常的に使用される認識されるアミノ酸記号にしたがって使用され、例えば、Aはアラニンを意味し、Cはシステインを意味する、などである。アミノ酸は、元々のアミノ酸(位置の前)から変化したアミノ酸(位置の後)への変化を反映するために、関連する位置の前および後の1文字により表される。例えば、A19Tは、位置19におけるアミノ酸アラニンがスレオニンに変化していることを意味する。
【0050】
「ポリペプチドバリアント」および「ポリペプチド突然変異体」という用語は、本明細書において使用される場合、1つまたは複数のアミノ酸残基が、別のポリペプチド配列と比べてアミノ酸配列において挿入、欠失および/または置換されたアミノ酸配列を含むポリペプチドを指す。ある特定の実施形態において、挿入、欠失、または置換されるアミノ酸残基の数は、例えば、少なくとも1、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、少なくとも125、少なくとも150、少なくとも175、少なくとも200、少なくとも225、少なくとも250、少なくとも275、少なくとも300、少なくとも350、少なくとも400、少なくとも450または少なくとも500アミノ酸の長さであることができる。本開示のバリアントとしては融合タンパク質が挙げられる。
【0051】
ポリペプチドの「誘導体」は、化学的に修飾された、例えば、別の化学的部分、例えば、ポリエチレングリコール、アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン)などへの共役、リン酸化、およびグリコシル化されたポリペプチドである。
【0052】
「配列同一性%」(%の配列同一性)という用語は、本明細書において「同一性%」(%の同一性)という用語と交換可能に使用され、配列アライメントプログラムを使用してアライメントされた場合の、2つもしくはそれより多くのペプチド配列の間のアミノ酸配列同一性のレベルまたは2つもしくはそれより多くのヌクレオチド配列の間のヌクレオチド配列同一性のレベルを指す。例えば、本明細書において使用される場合、80%の同一性は、定義されたアルゴリズムにより決定された80%の配列同一性と同じことを意味し、所与の配列が別の配列に対して少なくとも80%同一であることを意味する。ある特定の実施形態において、同一性%は、例えば、所与の配列に対する少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%またはより高い配列同一性から選択される。ある特定の実施形態において、同一性%は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内にある。
【0053】
「配列相同性%」(%の配列相同性)という用語は、本明細書において「相同性%」(%の相同性)という用語と交換可能に使用され、配列アライメントプログラムを使用してアライメントされた場合の、2つもしくはそれより多くのペプチド配列の間のアミノ酸配列相同性のレベルまたは2つもしくはそれより多くのヌクレオチド配列の間のヌクレオチド配列相同性のレベルを指す。例えば、本明細書において使用される場合、80%の相同性は、定義されたアルゴリズムにより決定された80%の配列相同性と同じことを意味し、よって所与の配列のホモログは、該所与の配列の長さにかけて80%より高い配列相同性を有する。ある特定の実施形態において、相同性%は、例えば、所与の配列に対する少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%またはより高い配列相同性から選択される。ある特定の実施形態において、相同性%は、例えば、約60%~約70%、約70%~約80%、約80%~約85%、約85%~約90%、約90%~約95%、または約95%~約99%の範囲内にある。
【0054】
2つの配列の間の同一性を決定するために使用することができる例示的なコンピュータプログラムとしては、インターネット上でNCBIのウェブサイトにおいて公開されている一連のBLASTプログラム、例えば、BLASTN、BLASTX、およびTBLASTX、BLASTPおよびTBLASTNが挙げられるがこれらに限定されない。Altschul et al.,1990,J.Mol.Biol.215:403-10(報告されたデフォルトの設定、すなわち、パラメーターw=4、t=17を特に参照)およびAltschul et al.,1997,Nucleic Acids Res.,25:3389-3402も参照。配列サーチは、典型的には、GenBank Protein Sequencesおよび他の公的データベース中のアミノ酸配列と比べて所与のアミノ酸配列を評価する場合に、BLASTPプログラムを使用して実行される。BLASTXプログラムは、GenBank Protein Sequencesおよび他の公的データベース中のアミノ酸配列に対して全てのリーディングフレームにおいて翻訳された核酸配列をサーチするために好ましい。BLASTPおよびBLASTXの両方は、11.0のオープンギャップペナルティ、および1.0の伸長ギャップペナルティのデフォルトのパラメーターを使用して実行され、BLOSUM-62マトリックスが利用される。(Id)。
【0055】
配列同一性パーセントの算出に加えて、BLASTアルゴリズムはまた、2つの配列の間の類似性の統計分析を行う(例えば、Karlin & Altschul,Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA,90:5873-5787(1993)を参照)。BLASTアルゴリズムにより提供される類似性の1つの尺度は最小和確率(P(N))であり、これは、2つのヌクレオチドまたはアミノ酸配列の間のマッチが偶然起こる確率の指標を提供する。例えば、核酸は、参照核酸に対する試験核酸の比較における最小和確率が、例えば、約0.1より低い、約0.01より低い、または約0.001より低い場合に、参照配列に類似していると考えられる。
【0056】
「単離された分子」(分子は、例えば、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または抗体である)という用語は、その起源または由来となる供給源を理由として、(1)そのネイティブな状態においてそれに付随する天然に付随する成分が付随していない、(2)同じ種からの他の分子を実質的に含まない、(3)異なる種からの細胞により発現される、または(4)天然において存在しない、分子である。そのため、化学的に合成されたか、またはそれが天然に起源とする細胞とは異なる細胞系において発現された分子は、その天然に付随する成分から「単離され」ている。分子はまた、当該技術分野において周知の精製技術を使用して、単離により天然に付随する成分を実質的に含まなくされてもよい。分子の純度または均質性は、当該技術分野において周知の多数の手段によりアッセイすることができる。例えば、ポリペプチド試料の純度は、ポリアクリルアミドゲル電気泳動および当該技術分野において周知の技術を使用してポリペプチドを可視化するためのゲルの染色を使用してアッセイされてもよい。ある特定の目的のために、HPLCまたは精製のための当該技術分野において周知の他の手段を使用することによってより高い分解能が提供され得る。
【0057】
タンパク質またはポリペプチドは、試料の少なくとも約60%~75%が単一の種のポリペプチドを呈する場合に、「実質的に純粋」、「実質的に均質」、または「実質的に精製されている」。実質的に純粋なポリペプチドまたはタンパク質は、典型的には、タンパク質試料の約50%、60%、70%、80%または90%W/W、より通常は約95%を構成し、例えば、99%を超えて純粋である。タンパク質の純度または均質性は、当該技術分野において周知の多数の手段、例えばタンパク質試料のポリアクリルアミドゲル電気泳動、続いて当該技術分野において周知の染色剤を用いるゲルの染色で単一のポリペプチドバンドを可視化することにより指し示され得る。ある特定の目的のために、HPLCまたは精製のための当該技術分野において周知の他の手段を使用することによってより高い分解能が提供され得る。
【0058】
「医薬組成物」は、動物またはヒトにおける医薬的使用のために好適な組成物を指す。医薬組成物は、薬理学的および/または治療的に有効な量の活性剤ならびに医薬的に許容される担体を含む。「医薬的に許容される担体」は、動物またはヒトに投与された場合に、有害な、アレルギー性の、または他の不都合な反応を生成しない組成物を指す。本明細書において使用される場合、「医薬的に許容される担体」は、標準的な医薬的担体、媒体、緩衝剤、および担体、例えばリン酸緩衝食塩水溶液、5%のデキストロース水性溶液、ならびにエマルション、例えば油/水または水/油エマルション、ならびに様々な種類の湿潤剤および/または佐剤のいずれかを指す。好適な医薬的担体および製剤は、Remington’s Pharmaceutical Sciences,21st Ed.2005,Mack Publishing Co,Eastonにおいて記載されている。「医薬的に許容される塩」は、医薬的使用のための化合物になるように処方され得る塩であり、例えば、金属塩(ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)およびアンモニアまたは有機アミンの塩が含まれる。
【0059】
医薬組成物は、様々な形態、例えば顆粒、錠剤、丸剤、坐剤、カプセル、懸濁液、膏薬、およびローションなどに調製され得る。経口および外用での使用のために好適な医薬品グレードの有機または無機担体および/または希釈剤を使用して、治療的に活性の化合物を含有する組成物を構成することができる。当業者に公知の希釈剤としては、水性媒体、植物および動物油および脂肪が挙げられる。安定化剤、湿潤および乳化剤、浸透圧を変更するための塩、または十分なpH値を確保するための緩衝剤、ならびに皮膚透過増強剤を助剤として使用することができる。
【0060】
「医薬的に許容される賦形剤」は、一般に安全、非毒性、かつ望ましい医薬組成物の調製において有用な賦形剤を意味し、獣医学的使用の他にヒトでの医薬的使用のために許容される賦形剤を含む。そのような賦形剤は、固体、液体、半固体、または、エアロゾル組成物の場合、気体であることができる。
【0061】
「医薬的に許容される」、「生理学的に許容される」という用語、およびこれらの文法的変形形態は、組成物、担体、希釈剤および試薬を指す場合、交換可能に使用され、材料が、組成物の投与を禁じるであろう程度までの望ましくない生理学的効果を生成することなくヒトへのまたはヒト上への投与が可能であることを表す。
【0062】
「治療有効量」は、RCCを処置するために対象に投与された場合に、RCCのそのような処置に影響するために十分な化合物の量を指す。「治療有効量」は、例えば、選択された可溶性AXLバリアントポリペプチド、RCCのステージ、患者の年齢、体重および/または健康状態ならびに処方医師の判断に依存して変動し得る。任意の所与の事例における適切な量は、当業者により容易に確認され得るか、または常用的な実験により決定が可能であり得る。
【0063】
AXLまたはそのリガンドGAS6の「阻害剤」、「活性化剤」、および「調節剤」は、受容体もしくはリガンド結合またはシグナル伝達についてのインビトロおよびインビボアッセイを使用して同定されるそれぞれ阻害、活性化、または調節分子、例えば、リガンド、受容体、アゴニスト、アンタゴニスト、ならびにそれらのホモログおよび模倣物を指すために使用される。所望の薬理学的活性を有する化合物は、AXL/GAS6機能を調節するために宿主に生理学的に許容される担体中で投与されてもよい。治療剤は、経口的に、外用で、非経口的に、例えば静脈内に、皮下に、腹腔内に、ウイルス感染により、血管内になどの様々なやり方で投与されてもよい。静脈内送達は特に関心対象となる。導入の方式に依存して、化合物は、様々なやり方で製剤化されてもよい。製剤中の治療的に活性の化合物の濃度は約0.1~100wt.%で変動してもよい。
【0064】
「投薬単位」は、個体が処置されるための単位投薬量として適した物理的に別々の単位を指す。各単位は、要求される医薬的担体と付随して所望の治療効果を生成するように算出された予め決定された量の活性化合物を含有することができる。投薬単位形態の仕様は、(a)活性化合物の独特の特徴および達成されるべき特定の治療効果、ならびに(b)そのような活性化合物の調製の技術分野における本来的な制限により支配され得る。
【0065】
「対象」、「個体」、および「患者」という用語は、処置のために評価されているかつ/または処置されている哺乳動物を指すために本明細書において交換可能に使用される。実施形態において、哺乳動物はヒトである。「対象」、「個体」、および「患者」という用語は、そのため、RCCを有する個体を包含する。対象はヒトであってもよいが、他の哺乳動物、特にはヒト疾患のための実験室モデルとして有用な哺乳動物、例えばマウス、ラットなども含まれる。
【0066】
本明細書において使用される場合、「処置」および「処置する」などの用語は、剤を投与すること、または効果を得る目的のための手順を実行することを指す。効果は、疾患もしくはその症状を完全にもしくは部分的に予防するという点で予防的であってもよく、かつ/または疾患、および/もしくは疾患の症状に対する部分的なもしくは完全な治癒をもたらすという点で治療的であってもよい。「処置」は、本明細書において使用される場合、哺乳動物、特にはヒトにおける任意のウイルス感染症または曝露の任意の処置をカバーし、(a)感染症を予防すること;(b)感染症を阻害すること、すなわち、その発生を停止させること;および(c)疾患を緩和すること、すなわち、感染症の退縮を引き起こすことを含む。
【0067】
処置は、RCCの処置または寛解または予防における成功の任意の徴候を指すことができ、これには、任意の客観的もしくは主観的パラメーター、例えば緩解;軽快;症状の減少もしくは疾患状態を患者にとってより許容可能なものとすること;変性もしくは衰えの速度における緩慢化;または変性の最終地点をより低い悪化度とすることが含まれる。症状の処置または寛解は、客観的または主観的パラメーターに基づくことができ、これには、医師による検査の結果が含まれる。よって、「処置する」という用語は、症状または状態の発生を予防しもしくは遅延させ、軽減し、または停止させもしくは阻害するための本発明の化合物または剤の投与を含む。「治療効果」という用語は、対象における疾患、疾患の症状、または疾患の副作用の低減、排除、または予防を指す。
【0068】
「処置有効性を決定する」という語句およびその変形形態は、処置が対象に利益を提供していることを決定するための任意の方法を含むことができる。「処置有効性」という語句およびその変形形態は、疾患と関連付けられる1つまたは複数の徴候または症状の軽減により一般に指し示され、当業者により容易に決定され得る。「処置有効性」はまた、疾患の標準的または非標準的な処置と典型的に関連付けられる毒性の徴候および症状の予防または寛解を指すことができる。処置有効性の決定は、通常、兆候および疾患特異的であり、処置が患者に有益な効果を提供していることを決定するための当該技術分野において公知のまたは利用可能な任意の方法を含むことができる。例えば、処置有効性の証拠は、疾患または兆候の軽快を含むことができるがこれに限定されない。さらに、処置有効性はまた、対象の全体的な健康状態における全般的改善を含むことができ、これは例えば、患者の生活の質の増強、予測される対象生存率における増加、不調(depression)における減少または兆候の再発の速度における減少(軽快時間における増加)であるがこれらに限定されない。(例えば、Physicians’Desk Reference(2010)を参照)。
【0069】
本明細書において使用される場合、「無増悪生存期間」(PFS)という用語は、疾患状態の著しい悪化なしに、疾患を有する対象が生存する期間を意味する。無増悪生存期間は、腫瘍成長の進行がないかつ/または患者の疾患状態が進行性疾患であると決定されない時間的期間として評価されてもよい。
【0070】
本明細書において使用される場合、「相関する」、または「~と相関する」という用語、および同様の用語は、2つの事象の発生の間の統計的関連性を指し、事象としては数およびデータセットなどが挙げられる。例えば、事象が数を伴う場合、正の相関(本明細書において「直接的な相関」とも称される)は、一方の増加につれて他方もまた増加することを意味する。負の相関(本明細書において「逆の相関」とも称される)は、一方の増加につれて他方が減少することを意味する。
【0071】
「~と組み合わせて」、「併用療法」および「組合せ製造物」は、ある特定の実施形態において、本明細書において使用されるような第2の治療剤および可溶性AXLポリペプチドの患者への並行的な投与を指す。一部の実施形態において、組合せ製造物は、非並行的に投与される。組み合わせて投与される場合、各成分は、同時にまたは異なる時点において任意の順序で逐次的に投与され得る。そのため、各成分は、別々であるが、所望の治療効果を提供するように十分に近接した時間内に投与され得る。一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、第2の治療剤の治療活性に付加的または相乗的な利益を付与してもよい。
【0072】
本発明の医薬組成物との公知のRCC治療薬の「随伴的な投与」は、公知の薬物および本発明の組成物の両方が治療効果を有するような時点における薬物およびAXLバリアントの投与を意味する。そのような随伴的な投与は、本発明の化合物の投与に対して薬物の並行的(すなわち同時)、先行的、または後続的な投与を伴ってもよい。当業者は、本発明の特定の薬物および組成物のための投与の適切な時期、順序および投薬量の決定において困難を有しないであろう。
【0073】
例示的な実施形態
AXL、MER、Tyro3およびGAS6の他に、関連する経路は、国際公開第2011/091305号パンフレットの他に米国出願第13/554,954号明細書および同第13/595,936号明細書に記載されており、これらの全てはそれらの全体が全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。AXL受容体およびその活性化リガンド、GAS6は、ヒトがんにおける転移および治療剤抵抗性の重要なドライバーである。このシグナル伝達アクシスは治療的介入のための魅力的な標的となるが、内因性GAS6およびAXLの間の強いピコモル濃度の結合親和性(14~33pM)ならびに小分子AXL阻害剤の乱交雑性は歴史的にAXLの特異的かつ強力な阻害に対する障壁となってきた。AVB-S6-500はAXLの高度に感受性かつ特異的な阻害剤であり、GAS6に対する93~324フェムトモル濃度の見かけの親和性を有し、これは野生型(WT)AXLよりも約200倍高い親和性である。AVB-S6-500は、AXLの唯一のリガンドであるGAS6に結合してAXLとのその相互作用を阻害し、それにより、インビトロにおいて高度に転移性の細胞のAXLシグナル性の浸潤および遊走を劇的に低減させ、高悪性度ヒトがんの前臨床モデルにおいて転移性疾患を阻害する。
【0074】
ccRCCの内因性および獲得性の抵抗性はAXL受容体と関連付けられている。全てのRCCのうちの75~85%はccRCCとして分類され、これは細胞酸素感知経路の不可欠な成分であるフォンヒッペル-リンドウ(VHL)における突然変異の結果としてもたらされる。AXL受容体はccRCCと関連付けられている。例えば、AXL過剰発現は、ccRCCの前臨床モデルにおいてVEGF受容体阻害剤に対する抵抗性の発生と関連付けられている。AXL過剰発現は、ccRCC患者の予後および生存と強く相関している(Rankin,EK,PNAS,13373-13378,2014)。AXLはccRCC腫瘍血管密度および腎臓における成長において役割を果たし、ccRCC細胞の血管新生潜在能力の媒介におけるAXLの役割を示唆することを追加の最近報告されたデータは実証した(Xiao et al.,Cancer Research,2019)。
【0075】
本発明者らはSN12L1転移性ccRCCモデルにおいてAVB-S6-500を評価した。腫瘍細胞の注射後に、マウスを2つの処置群:対照および5mg/kg腹腔内(i.p.)AVB-S6-500に分けた。処置を接種の7日後に開始し、週に2回で8週間行った。5mg/kgのAVB-S6-500を用いて処置されたマウスの肺腫瘍負荷における有意な低減が対照群におけるものと比べて観察された。結果はまた、体重および臨床的な観察による評価で顕性毒性を示さなかった。
【0076】
AVB-S6-500をccRCCの患者由来異種移植片(PDX)モデルにおいても評価し、マウスを媒体、AVB-S6-500およびパゾパニブ、またはAVB-S6-500およびパゾパニブの組合せで処置した。AVB-S6-500は、パゾパニブと組み合わせた動物において腫瘍の特有の成長速度および重量を有意に低減させた。AVB-S6-500は、TKI療法に対する感受性の回復においても役立ち得ることをこれらのデータは示唆し、AXL-GAS6阻害剤との併用療法、およびより特にはccRCCに対する現行の標準治療との併用処置としてのAVB-S6-500の臨床評価の探求のための理論的根拠を正当化している。
【0077】
本発明者らは、単回および反復投薬後のマウス(腹腔内およびi.v.経路)ならびにサル(i.v.経路)においてAVB-S6-500のPKおよびトキシコキネティクス(TK)ならびにGAS6の濃度(PD)を前もって評価した。AVB-S6-500のPKプロファイルは、2つの並列的な排除経路:IgGの通常のクリアランス、および飽和性の、典型的な2コンパートメントモデルにフィットする二次的なものと共に標的媒介薬物処分(target-mediated drug disposition;TMDD)と適合性である。カニクイザルにおいて低用量(5mg/kg未満)において、クリアランスは高く、半減期は短いが、5mg/kgより高い用量において、クリアランスはより低く、半減期はより長く、分布の体積はより大きい。TMDDモデル(Dirks,N.,Clinical Pharmacokinetics,633-659,2010)を使用して、有効であると概算されるヒト用量は、1mg/kg(GAS6レベルがベースラインよりも少なくとも90%低いままであることを確実にする)~20mg/kg(GAS6の99%の抑止を確実にし、正常レベルと比べてがん患者においてGAS6レベルにおける3倍の増加を可能とする)の範囲内であり得る。
【0078】
3か月GLPカニクイザル研究において、週毎の投薬当たり50、100および150mg/kgの用量での30分のi.v.注入としてのAVB-S6-500の週に1回の投与は忍容性良好であり、カニクイザルにおいて少なくとも150mg/kg/用量のAVB-S6-500のNOAELを結果としてもたらした。150mg/kg/用量までの用量におけるAVB-S6-500の投与に関する死亡、毒物学的に有意な処置関連臨床徴候、体重、臨床的観察、尿検査パラメーター、臓器重量、眼科学および重大な肉眼的または顕微鏡的観察に対する効果はなかった。見られた非用量依存性臨床的病理変化は、ヒトAVB-S6-500タンパク質に対するサルにおける免疫応答と合致している。
【0079】
本発明者らは、健常ボランティアにおける単盲検、プラセボ対照、ファースト・イン・ヒューマン、フェーズ1単回用量漸増(SAD)および反復用量(RD)研究においてAVB-S6-500を前もって評価した。1、2.5、5、および10mg/kgの単回用量コホートの他に、週に1回で4週間5mg/kgを投薬された1つのRDコホートを評価した。60分にかけてi.v.注入として与えられるプラセボ(生理食塩水)またはAVB-S6-500のいずれかで対象を処置した。AVB-S6-500は全ての用量において忍容性良好であった。用量関連有害事象はなく、深刻な有害事象はなく、予想されたように、最大耐用量に達しなかった。正常な範囲の外側にある実験室値に基づく任意の有害事象は一時的であり、用量関連ではなかった。
【0080】
本発明者らは現在、白金抵抗性再発性卵巣がんを有する患者においてペグ化リポソームドキソルビシン(PLD)またはパクリタキセルのいずれかと組み合わせたP1b/2無作為化対照研究のフェーズ1b部分においてAVB-S6-500を評価している。40人の患者に10mg/kg(q2w)でAVB-S6-500を投薬したところ、用量制限毒性は起こっていない。最適な推奨されるフェーズ2用量を決定するためにAVB-S6-500のより高い用量レベル(15mg/kgおよび20mg/kg)をフェーズ1b拡大コホートにおいて(パクリタキセルおよびPLDと組み合わせて)登録している。AVB-S6-500のPKは標的媒介薬物処分(TMDD)と合致している。白金抵抗性卵巣がん患者において、フェーズ1bからの予備データは潜在的な曝露-応答関係性を指し示す。この関係性がAVB-S6-500によるシンク(sink)のエンゲージメントの程度を反映する場合、20mg/kgの用量(その研究において評価される最も高い用量)はシンクの最適なエンゲージメントを提供し、したがって、利益を提供する可能性が最も高い用量レベルとなるはずであることをシミュレーションは示唆する。
【0081】
カボザンチニブは、以前の抗血管新生療法を受けた進行性ccRCCを有する患者の処置を適応とするキナーゼ阻害剤である。カボザンチニブは、MET、VEGFR-1、-2および-3、AXL、RET、ROS1、TYRO3、MER、KIT、TRKB、FLT-3、ならびにTIE-2のチロシンキナーゼ活性を阻害することをインビトロの生化学的および/または細胞アッセイは示している。前臨床データを考慮。CABOMETYX(商標)(カボザンチニブS-リンゴ酸塩経口錠剤)は、以前の抗血管新生療法を受けた進行性腎細胞癌(RCC)の処置のために2016年4月25日に米国において食品医薬品局(FDA)により承認されている。カボザンチニブは、N-(4-{[6,7-ビス(メチルオキシ)キノリン-4-イル]オキシ}フェニル)-N’-(4-フルオロフェニル)シクロプロパン-1,1-ジカルボキサミドのL-リンゴ酸塩として製剤化される(例えば国際公開2005/030140号パンフレットを参照;その全内容は参照により本明細書に組み込まれる)。
【0082】
AXLに方向付けされるMETおよびVEGF薬理学ならびに2つのモデルにおいてVEGFi感受性を回復させるAXL阻害の能力に対するAVB-S6-500の影響力に対する前臨床データを考慮して、本発明者らは、AVB-S6-500は、カボザンチニブの治療活性に対して付加的または相乗的な利益を付与し得るという仮説を立てている。例えば、GAS6の血漿濃度は、カボザンチニブでの処置で有意に増加することが示されており(Leibowitz-Amit et el.,J Trans Med.,14:12,2016)、したがって、カボザンチニブ処置と組み合わせたGAS6の低下において利益があり得る。追加的に、GAS6に特異的に結合するように方向付けされたタンパク質として、AVB-S6-500は、小分子キナーゼ阻害剤と関連付けられる有害効果およびオフターゲット活性を有することは予想されず、したがって、カボザンチニブと薬物-薬物相互作用を有することは予想されない。
【0083】
本発明の方法は、本明細書に記載されるような可溶性AXLバリアントポリペプチドを投与することにより、RCCを処置または予防することを含む。1つの態様において、本発明は、対照と比較して安定した疾患/奏効およびより長い無増悪生存期間(PFS)を達成するように決定されたレジメンにしたがって可溶性AXLポリペプチドを投与することを含む、RCCの処置方法を提供する。
【0084】
別の態様において、本発明は、対照と比較して安定した疾患/奏効およびより長い無増悪生存期間を達成するように決定されたレジメンにしたがってカボザンチニブと組み合わせた可溶性AXLポリペプチドを投与することを含む、ヒト患者における進行性腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法を提供する。一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、カボザンチニブの治療活性に対して付加的または相乗的な利益を付与し得る。
【0085】
別の態様において、本発明は、以前の抗血管新生療法を受けたヒト患者における進行性腎明細胞癌(ccRCC)の処置方法であって、カボザンチニブと組み合わせた可溶性AXLポリペプチドの投与を含み、無増悪生存期間(PFS)ならびに全生存期間(OS)および客観的奏効率(ORR)のうちの1つまたは両方が、以前の抗血管新生療法を受けた患者と比較して増大される、方法を提供する。一部の実施形態において、以前の抗血管新生療法は、アキシチニブ、パゾパニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムス、テムシロリムス、ベバシズマブ、インターロイキン、インターフェロン-α、ペグインターフェロン、ニボルマブ、およびアテゾリズマブからなる群から選択される。一部の実施形態において、可溶性AXLポリペプチドは、カボザンチニブの治療活性に対して付加的または相乗的な利益を付与し得る。
【0086】
一部の実施形態において、方法は、対照と比較して無増悪生存期間を長期化させる。一部の実施形態において、方法は、対照と比較して全生存期間を長期化させる。一部の実施形態において、方法は、対照と比較して無増悪生存期間の改善を達成する。一部の実施形態において、方法は、対照と比較して第2のその後の療法までの時間の改善を達成する。一部の実施形態において、方法は、FOSIおよび/またはEQ-5D-5Lによる決定で生活の質に対して有害効果を有しないことが決定されている。
【0087】
一部の実施形態において、患者に投与される可溶性AXLバリアントポリペプチドの用量は、約0.5、約1.0、約1.5、約2.0、約2.5、約3.0、約3.5、約4.0、約4.5、約5.0、約5.5、約6.0、約6.5、約7.0、約7.5、約8.0、約8.5、約9.0、約9.5、約10.0mg/kg、約10.5、約11.0、約11.5、約12.0、約12.5、約13.0、約13.5、約14.0、約14.5、約15.0、約15.5、約16.0、約16.5、約17.0、約17.5、約18.0、約18.5、約19.0mg/kg、約19.5、約20.0mg/kg、約25.0mg/kg、約30.0mg/kg、約35.0mg/kg、および約40.0mg/kgからなる群から選択される。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、20mg/kgの週毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、10mg/kgの週毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、5mg/kgの週毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、2.5mg/kgの週毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、1mg/kgの週毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、25mg/kgの14日毎の用量において30またはまたは90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、20mg/kgの14日毎の用量において30またはまたは90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、15mg/kgの14日毎の用量において30またはまたは90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、10mg/kgの14日毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、5mg/kgの14日毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、2.5mg/kgの14日毎の用量において30または60または90分にかけてIV注入として与えられる。一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドは、1mg/kgの14日毎の用量において30または60分にかけてIV注入として与えられる。
【0088】
一部の実施形態において、可溶性AXLバリアントポリペプチドと共に患者に併用投与されるカボザンチニブの用量は、空腹時の1日1回の、100mg、95mg、90mg、85mg、80mg、75mg、70mg、65mg、60mg、55mg、50mg、45mg、40mg、35mg、30mg、25mg、20mg、15mg、10mg、および5mgからなる群から選択される。
【0089】
さらに一部の実施形態において、本発明の治療的な実体は、活性の治療剤を含む医薬組成物、すなわち、様々な他の医薬的に許容される成分も含むものとして多くの場合に投与される。(Remington’s Pharmaceutical Science,15.sup.th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1980を参照)。好ましい形態は、意図される投与の態様および治療応用に依存する。組成物はまた、所望される製剤に依存して、動物またはヒトへの投与のための医薬組成物を製剤化するために一般的に使用される媒体として定義される、医薬的に許容される、非毒性の担体または希釈剤を含むことができる。希釈剤は、組合せの生物学的活性に影響しないように選択される。そのような希釈剤の例は、蒸留水、生理リン酸緩衝食塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液、およびハンクス溶液である。追加的に、医薬組成物または製剤はまた、他の担体、佐剤、または非毒性、非治療的、非免疫原性の安定化剤などを含んでもよい。
【0090】
非経口投与のために、本発明の組成物は、無菌の液体、例えば水、油、食塩水、グリセロール、またはエタノールであり得る医薬的担体と共に生理学的に許容される希釈剤中の物質の溶液または懸濁液の注射可能な投薬量として投与され得る。追加的に、助剤物質、例えば湿潤または乳化剤、界面活性剤、およびpH緩衝化物質などが組成物中に存在することができる。医薬組成物の他の成分は、石油、動物、植物、または合成起源のもの、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、および鉱油である。一般に、グリコール、例えばプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールは、特には注射可能な溶液のために、好ましい液体担体である。抗体および/またはポリペプチドは、活性成分の持続放出を可能とするような方式に製剤化され得るデポー注射またはインプラント調製物の形態で投与され得る。一部の実施形態において、組成物は、HClまたはNaOHを用いてpH7.4に調整された、10mMのTris、210mMのスクロース、51mMのL-アルギニン、0.01%のポリソルベート20からなる水性緩衝液中に製剤化された、1mg/mLのポリペプチドを含む。
【0091】
典型的には、組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかとしての注射剤として調製され;注射前の液体媒体中への溶解、または懸濁のために好適な固体形態もまた調製され得る。調製物はまた、上記に議論されるように、増強されたアジュバント効果のために、乳化され、またはリポソームもしくはマイクロ粒子、例えばポリラクチド、ポリグリコリド、もしくはコポリマー中に被包され得る。Langer,Science 249:1527,1990およびHanes,Advanced Drug Delivery Reviews 28:97-119,1997。本発明の剤は、活性成分の持続または拍動放出を可能とするような方式に製剤化され得るデポー注射またはインプラント調製物の形態で投与され得る。
【0092】
投与の他の態様のために好適な追加の製剤としては、経口、鼻腔内、および経肺製剤、坐剤、ならびに経皮塗布が挙げられる。
【0093】
医薬組成物は、一般に、無菌の、実質的に等張の、かつ米国食品医薬品局の全ての医薬品適正製造基準(GMP)規制と完全に準拠したものとして製剤化される。好ましくは、本明細書に記載のポリペプチド組成物の治療有効用量は、実質的な毒性を引き起こすことなく治療的な利益を提供する。
【0094】
本明細書に記載のタンパク質の毒性は、標準的な薬学的手順により細胞培養または実験動物において、例えば、LD50(集団の50%に対して致死的な用量)またはLD100(集団の100%に対して致死的な用量)を決定することにより、決定され得る。毒性効果および治療効果の間の用量比は治療指数である。これらの細胞培養アッセイおよび動物研究から得られたデータは、ヒトにおける使用のために毒性でない投薬量範囲の定式化において使用され得る。本明細書に記載のタンパク質の投薬量は、好ましくは、ほとんどまたは全く毒性を有さずに有効な用量を含む循環濃度の範囲内にある。投薬量は、用いられる投薬形態および利用される投与の経路に依存してこの範囲内で変動することができる。正確な製剤、投与の経路および投薬量は、患者の条件を考慮して個々の医師により選択され得る。(例えば、Fingl et al.,1975:The Pharmacological Basis of Therapeutics,Ch.1を参照)。
【0095】
実施例1
フロントライン処置を受けた進行性細胞腎細胞癌を有する患者におけるカボザンチニブ単独と比べたカボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500のフェーズ1b/2無作為化研究
AVB-S6-500(20mg/mLのAVB-S6-500、0.01%のポリソルベート、10mMのリン酸塩、9%のスクロース、ph7.0として供給される)を、各々の28日処置サイクルの1および15日目に1時間(h)にかけてi.v.注入(150mLの総体積)により与える。カボザンチニブが中止される場合にAVB-S6-500投薬を継続してもよい。カボザンチニブは、標準治療(SOC)にしたがって、すなわち、食事から時間をおいて(カボザンチニブの摂取の少なくとも2h前にも1h後にも食事をしない)経口的に1日1回60mgで使用され、患者が60mgを忍容しない場合は標識にしたがって用量を減少させることができる。
【0096】
フェーズ1b
このプロトコールのフェーズ1b部分は、フロントライン処置を受けた進行性ccRCCを有する対象においてカボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の安全性、忍容性、PK、およびPDを評価するための多施設、オープンラベル、3+3用量漸増研究である。フェーズ1bの一次的な目的は、進行性ccRCCを有する対象においてカボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の安全性および忍容性を評価することである。フェーズ1b研究の二次的な目的は、1)カボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の推奨されるフェーズ2用量(RP2D)を同定すること;2)カボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の有効性を評価すること;3)カボザンチニブと組み合わせて投与されるAVB-S6-500の薬物動態(PK)プロファイルを評価すること;4)処置の前および間の薬力学的GAS6血清レベルを評価すること;ならびに5)AVB-S6-500の潜在的な免疫原性を評価することである。
【0097】
3~6人の対象(用量レベル当たり)にカボザンチニブと組み合わせてAVB-S6-500を投与する。3人の対象(または適用可能な場合は6人の対象)が28日の処置を完了した後にデータモニタリング委員会(DMC)が集合してデータを審査する。初期コホートにおいて、1日毎に60mgの用量で与えられるカボザンチニブと組み合わせて、AVB-S6-500を15mg/kgの初期用量レベルにおいて2週毎に投与する。その後のコホートには、1日毎の60mgの用量で与えられるカボザンチニブと組み合わせて、それぞれ20mg/kgのAVB-S6-500および次に25mg/kgのAVB-S6-500を与える。カボザンチニブの推奨される用量は、この研究において使用される各用量レベルにおいて1日毎に60mgであるが、パッケージ挿入物および/または施設のプラクティスにしたがって必要な場合(すなわち、肝臓障害の場合、随伴的な医薬品と薬物-薬物相互作用が予期される状況、またはカボザンチニブと関連付けられる有害事象を管理するため)にはカボザンチニブをより低い用量で与えるか、または用量を低減させてもよい。
【0098】
最初の28日からの(3+3の設計フォーマットにおける)各コホートにおけるオープンラベル安全性データの審査後にDMCにより忍容性を評価する。カボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500用量の忍容性の決定は、併用レジメンにおける全てのAE、グレード≧3のAEおよびSAEの頻度および持続期間をカボザンチニブの既知の毒性プロファイルと比較することにより行われる。20mg/kg q2Wの用量レベルの評価が完了するまでこの登録および安全性審査過程を繰り返す。
【0099】
フェーズ2
このプロトコールのフェーズ2部分は、フロントライン処置を受けた進行性ccRCCを有する対象においてカボザンチニブ単独に対してカボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の有効性および忍容性を比較するための多施設、無作為化、2アーム、オープンラベル研究である。合計で約45人の対象を登録し、2つの処置アーム:1)AVB-S6-500+カボザンチニブ(N=30)および2)カボザンチニブ単独(N=15)のうちの1つに2:1で無作為化する。フェーズ2用量は、将来の研究において使用するためにカボザンチニブと組み合わせて安全/忍容可能とみなされ、かつフェーズ1b研究からの28日データの評価において望ましいPK/PDプロファイルを実証するAVB-S6-500の用量/投薬レジメンである。
【0100】
フェーズ2研究の一次的な目的は、カボザンチニブ単独に対してカボザンチニブと組み合わせてAVB-S6-500を用いて処置された進行性ccRCC対象において無増悪生存期間(PFS)を比較することである。フェーズ2研究の二次的な目的は、1)追加の有効性エンドポイント(例えば、ORR、DOR、DCR、OS)を評価すること;2)カボザンチニブと組み合わせたAVB-S6-500の安全性および忍容性を評価すること;3)AVB-S6-500のPKおよびPDプロファイルを評価すること;ならびに4)AVB-S6-500の免疫原性を評価することである。PFSは、無作為化と、最初の放射線学的に実証される疾患進行または死のうちのいずれか早い方との間の間隔として定義される。客観的奏効率(ORR)は、療法に対して部分または完全奏効を有する対象の割合として定義される。奏効持続期間(DOR)の評価は、完全または部分奏効を有する対象(RECIST基準により定義される)を含み、奏効の日からがんが進行するまで測定される。疾患制御率(DCR)は、完全もしくは部分奏効を有するかまたは安定した疾患を維持する対象の割合として定義される。
【0101】
PFSに対する処置の影響力は、FASを使用して各処置群についてのPFS事象分布の積極限推定量を使用して評価される。追加的に、メジアンおよびそれらの対応する95%CI(Brookmeyer and Crowley 1982)が処置群により提供される。PFSはまた層別コックス比例ハザードモデルにおいてモデル化され、これは、IMDCリスク群による層化を伴い、かつ処置群、以前のVEGFi処置(あり、なし)、GAS6、およびAXLについてのパラメータ係数を伴い、各係数についてのハザード比、およびそれらの対応する95%CIを提供する。DORおよびOS二次エンドポイントは、PFSと類似的に分析される。
【0102】
抗新生物活性もまた、確認されたORRおよびDCRのカテゴリー的二次エンドポイントの各々について評価される。確認されたORRは、対応する両側95%正確CIを含めて、CRまたはPRの最良奏効を達成する処置された対象の割合として要約される(Clopper-Pearson法)(Clopper and Pearson 1934)。DCRは、確認されたORRと類似的に分析される。
【0103】
本明細書において参照される全ての刊行物および特許は、各個々の刊行物または特許が参照により組み込まれることを特におよび個々に指し示されたのと同様に参照により本明細書に組み込まれ、刊行物が関連的に参照される方法および/または材料を開示および記載するように参照により本明細書に組み込まれる。任意の刊行物の参照は、出願日前の開示についてであり、本発明が先行発明を理由としてそのような刊行物に先行する権利がないという承認として解釈されるべきではない。さらに、提供される刊行日は実際の刊行日とは異なることがあり、実際の刊行日は独立して確認される必要があり得る。
【0104】
本開示を読んだ当業者に明らかなように、本出願に記載および図示される個々の実施形態の各々は、本発明の範囲または精神から離れることなく任意の他のいくつかの実施形態の特色と容易に分離または結合され得る別々の構成要素および特色を有する。任意の記載される方法は、記載される事象の順序または論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。本明細書において使用される学術用語は特定の実施形態を記載する目的のためであることもまた理解される。
【0105】
以上の発明は、理解を明確にする目的のための図示および例によってある程度詳細に記載されたが、ある特定の変更および修飾が精神から離れることなくそれに対して行われてもよく、本発明の範囲を限定することは意図されず、該範囲は添付の請求項によってのみ限定されることは本発明の教示に照らして当業者に容易に明らかである。
【0106】
当業者は、本明細書に記載の発明の特有の実施形態の多くの均等物を認識し、または常用されるものに過ぎない実験を使用して確認することができる。そのような均等物は、添付の請求項により包含されることが意図される。
【0107】
配列表
添付の配列表に列記される核酸およびアミノ酸配列は、37 C.F.R.1.822において定義されるように、ヌクレオチド塩基のための標準的な略記文字およびアミノ酸の3文字表記を使用して示される。

配列番号1-ヒトAXLポリペプチドアミノ酸配列

MGRVPLAWCLALCGWACMAPRGTQAEESPFVGNPGNITGARGLTGTLRCQLQVQGEPPEVHWLRDGQILELADSTQTQVPLGEDEQDDWIVVSQLRITSLQLSDTGQYQCLVFLGHQTFVSQPGYVGLEGLPYFLEEPEDRTVAANTPFNLSCQAQGPPEPVDLLWLQDAVPLATAPGHGPQRSLHVPGLNKTSSFSCEAHNAKGVTTSRTATITVLPQQPRNLHLVSRQPTELEVAWTPGLSGIYPLTHCTLQAVLSNDGMGIQAGEPDPPEEPLTSQASVPPHQLRLGSLHPHTPYHIRVACTSSQGPSSW THWLPVETPEGVPLGPPENISATRNGSQAFVHWQEPRAPLQGTLLGYRLAYQGQDTPEVLMDIGLRQEVTLELQGDGSVSNLTVCVAAYTAAGDGPWSLPVPLEAWRPGQAQPVHQLVKEPSTPAFSWPWWYVLLGAVVAAACVLILALFLVHRRKKETRYGEVFEPTVERGELVVRYRVRKSYSRRTTEATLNSLGISEELKEKLRDVMVDRHKVALGKTLGEGEFGAVMEGQLNQDDSILKVAVKTMK IAICTRSELEDFLSEAVCMKEFDHPNVMRLIGVCFQGSERESFPAPVVILPFMKHGDLHSFLLYSRLGDQPVYLPTQMLVKFMADIASGMEYLSTKRFIHRDLAARNCMLNENMSVCVADFGLSKKIYNGDYYRQGRIAKMPVKWIAIESLADRVYTSKSDVWSFGVTMWEIATRGQTPYPGVENSEIYDYLRQGNRLKQPADCLDGLYALMSRCWELNPQDRPSFTELREDLENTLKALPPAQEPDEILYVNMDEGGGYPEPPGAAGGADPPTQPDPKDSCSCLTAAEVHPAGRYVLCPSTTPSPAQPADRGSPAAPGQEDGA

配列番号2-例示的な可溶性AXLポリペプチド-Fc融合物

EESPFVSNPGNITGARGLTGTLRCQLQVQGEPPEVHWLRDGQILELVDSTQTQVPLGEDEQGDWIVASQLRITSLQLSDTGQYQCLVFLGHQTFVSQPGYVRLEGLPYFLEEPEDRTVAANTPFNLSCQAQGPPEPVDLLWLQDAVPLATAPGHGPQRSLHVPGLNKTSSFSCEAHNAKGVTTSRTATITVLPQQGGGGSDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG
【配列表】
2023509707000001.app
【国際調査報告】