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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】肥料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C05C 9/00 20060101AFI20230302BHJP
   C05C 3/00 20060101ALI20230302BHJP
   C05G 5/12 20200101ALI20230302BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20230302BHJP
   B01J 2/16 20060101ALI20230302BHJP
   B01J 2/02 20060101ALI20230302BHJP
   B01J 2/04 20060101ALI20230302BHJP
   C01B 3/04 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
C05C9/00 A
C05C3/00
C05G5/12
B01J2/00 C
B01J2/16
B01J2/02 A
B01J2/04
C01B3/04 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541842
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(85)【翻訳文提出日】2022-08-18
(86)【国際出願番号】 EP2020087545
(87)【国際公開番号】W WO2021140024
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】20150740.7
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518211277
【氏名又は名称】ティッセンクルップ フェルティリツァー テクノロジー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(71)【出願人】
【識別番号】501186597
【氏名又は名称】ティッセンクルップ アクチェンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】ThyssenKrupp Allee 1 45143 Essen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100219265
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 崇大
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】フランツラヘ,ハラルド
【テーマコード(参考)】
4G004
4H061
【Fターム(参考)】
4G004CA00
4G004EA08
4G004KA01
4H061AA02
4H061AA03
4H061BB09
4H061BB14
4H061FF08
4H061GG07
4H061GG22
4H061GG23
4H061GG26
4H061GG62
4H061LL06
(57)【要約】
本発明は、尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含有する肥料を製造する方法であって、アンモニアが製造プロセス中に汚染物質として生じる方法に関し、本発明によれば、アンモニアは、紫外線の照射によって光触媒的に分解される。本発明はまた、好ましくはこの方法に従って、尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含有する肥料粒子、特に肥料顆粒を製造するための装置に関し、その装置は、肥料粒子の製造が行われる作業チャンバを有するシステム部、特に肥料造粒機(10)と、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液がシステム部に導かれる、システム部への少なくとも1つの供給ライン(16)とを備え、少なくとも1つのUVランプ組立体(24)が少なくとも1つの供給ラインの近くに配置され、UVランプ組立体(24)により、供給ライン(16)を流れる尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に紫外線が照射される。本発明による解決策の利点は、既知の方法では必要とされたアンモニア排ガススクラバや、無視できない量の空間及びエネルギーを占有していた付属品を、ここでは任意選択で取り除くことができることである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料を製造する方法であって、アンモニアが製造プロセスにおいて不純物として得られ、
前記アンモニアは、紫外線の照射によって光触媒的に分解されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
肥料顆粒が造粒プロセスで製造されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
尿素含有肥料顆粒が造粒プロセスで製造されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
尿素含有肥料顆粒が流動床造粒によって製造されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
尿素溶融物又は濃縮尿素溶液において結合又は溶解したアンモニアが光触媒的に破壊されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
オフガス流に含有されるアンモニアが光触媒的に破壊されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が、肥料造粒機(10)への移送路で紫外線を照射されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が、短い空間的及び/若しくは時間的な距離で、又は前記肥料造粒機(10)への添加の直前に紫外線を照射されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記照射が、170nm~350nmの範囲、より具体的には170nm~315nmの範囲、非常に好ましくは185nm~254nmの範囲の波長の紫外線で行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記アンモニアが、少なくとも主に窒素及び水に光触媒的に分解されることを特徴とする、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記照射が、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が肥料造粒機(10)に送られる少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置されたUVランプ配置、好ましくはUV-LEDランプ(24)によって行われることを特徴とする、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料粒子、より具体的には肥料顆粒を、好ましくは請求項1から11のいずれかに記載の方法によって製造するための装置であって、前記肥料粒子が製造される作業空間を有するプラント部分、特に肥料造粒機(10)と、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が前記プラント部分に送られる、前記プラント部分への少なくとも1つの供給ライン(16)とを備え、少なくとも1つのUVランプ配置(24)が少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置され、前記UVランプ配置(24)によって前記供給ライン(16)を流れる前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に紫外線が照射されることを特徴とする、装置。
【請求項13】
前記UVランプ配置が少なくとも1つのUV-LEDランプ(24)を備えることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
少なくとも前記UVランプ配置(24)が配置される領域において、前記供給ライン(16)が紫外線に対して透過性であるように構成されることを特徴とする、請求項12又は13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記UVランプ配置(24)が配置される領域において、前記供給ライン(16)が、紫外線に対して透過性である窓(25)を有することを特徴とする、請求項12から14のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料を製造する方法であって、製造プロセスにおいてアンモニアが不純物として得られる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な人口増加の点から、柔軟で効率的な肥料の開発が主流になっており、ますます重要になってきている。ここで重要なのは、肥料自体、すなわちその化学組成だけではなく、移送可能な容器及び土地への散布における加工形態である。ここで最も重要なのは、サイズ及び特性が同じ規則的な粒子を形成するために確実に造粒することである。これに関連して重要なパラメータは、低発塵性、強度、低凝集性、均一なサイズ、貯蔵性、及び安定性である。確立された1つの造粒技術が流動床造粒であり、流動床造粒により、例えばプリル化技術及びペレット化技術と比較して、粒子特性が改善することが示されている。
【0003】
実質的にすべての肥料には、その製造において何らかの形態のアンモニアが必要である。尿素は、炭酸のジアミドであり、アンモニア及び二酸化炭素から高圧プロセスで工業的に製造される。他の肥料は、アンモニア及び硝酸塩の混合物、又はアンモニア含有化合物、例えばアンモニア塩、リン及びカリウムの配合物である。
【0004】
世界中の肥料生産の非常に大きな割合が、尿素含有肥料によって占められている。この水溶性肥料は、土壌中で分解してアンモニウム塩及び/又は硝酸塩を生じ、重要な基肥である。この尿素含有肥料は、カリウム、リン酸塩又は硫黄化合物などのさらなる構成成分と組み合わせることができる。
【0005】
肥料を製造するための前述のプロセスのすべてには、特に固形肥料顆粒が製造されている場合には、何らかの形態のアンモニアが必要である。アンモニアは、製造プロセスの間に放出される可能性がある。いくつかの方法では、特に尿素含有顆粒の製造では、アンモニアは、溶融物中に物理的に吸収されるか、又は重合反応によって、例えば以下の式に従ってビウレットの形成によって形成される:
(1)2NH-CO-NH→HN-CO-NH-CO-NH(ビウレット)+NH
肥料顆粒を製造するための多くの方法では大きな空気流が使用され、一例として流動床造粒がある。アンモニアが空気流に入ると、大量の無機化合物を製造するプラントからの排出に関する現行のプロトコルを満たすために、アンモニアを除去しなければならない。
【0006】
原料として、造粒、特に肥料の流動床造粒では、濃縮尿素溶液が必要とされる。この溶液は、一般に、溶解したアンモニア分を、より具体的には約500ppm~800ppm程度含有する。造粒中、このアンモニアは放出され、造粒機のオフガスに入る。したがって、アンモニア排出制限に準拠するために、アンモニアのオフガススクラバを使用しなければならない。オフガススクラバは装置の点で非常に複雑であり、かつエネルギーを多く消費し、オフガススクラバにより、アンモニア塩の水溶液が生成される。この溶液は処分又は処理されなければならない。特定の場合(例えば硝酸塩肥料の場合)には、オフガスのスクラビングから得たアンモニウム塩を当該プロセスに戻すことができる。しかし、これは尿素含有肥料顆粒の製造では可能ではなく、又はかなりの制約がある(欧州特許第2 362 863号明細書を参照されたい)。生成物中のアンモニウム塩の割合が増加すると、その増加により、尿素含有肥料顆粒において望ましくない生成物特性、例えば吸湿性が増加する(欧州特許第2 616 412号明細書を参照されたい)。
【0007】
さらなる欠点は、オフガススクラバが圧力損失をもたらすため、電力消費量が比較的高いプラントではかなり大きなファンが必要とされることである。したがって、肥料顆粒を製造するためのプラントの資本コスト及び運転コストが増加する。アンモニアが酸性スクラビング溶液に吸収され、反応して硫酸アンモニウムを形成する尿素造粒プラントのアンモニア排出を低減するための方法は、例えば国際公開第2010/060535号に記載されている。
【0008】
先行技術で用いられている他の手法は、二酸化炭素でストリッピングすることによりアンモニアを除去するものである(米国特許第6,084,129号明細書を参照されたい)。
【0009】
流動床造粒機で尿素を造粒するための方法及び装置は、例えば、欧州特許第0 900 589号明細書から知られている。この方法では、尿素粒子のシードを造粒機に導入し、これらのシードにノズルを介して濃縮尿素水溶液が噴霧される。造粒機は、流動空気が下方から吹き込まれる多数の開口部を備えるベースプレートを有し、造粒機の反応器空間内で粒子を流動状態に維持する。濃縮尿素溶液を噴霧適用することにより、シードを所望の粒径を有する顆粒状の粒子に成長させ、顆粒状の粒子は造粒機の反応器空間から吐出される。
【0010】
米国特許第4,416,748号明細書には、煙道ガス中のNOxを還元する方法が開示されており、精製するガスをアンモニアと混合し、その混合物にUV光が照射される。ここでのアンモニアの光分解でアミノラジカル(NH)が発生し、アミノラジカルがNOxと反応することで不活性窒素ガス及びNOが形成される。この場合、UVランプが煙道ガスダクトの外部に取り付けられるが、このダクトは、紫外線に対して透過性である石英窓を有する。この文献には、尿素又はアンモニアから調製することができる他の物質に基づいて肥料を製造する方法についての言及は全くない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第2 362 863号明細書
【特許文献2】欧州特許第2 616 412号明細書
【特許文献3】国際公開第2010/060535号
【特許文献4】米国特許第6,084,129号明細書
【特許文献5】欧州特許第0 900 589号明細書
【特許文献6】米国特許第4,416,748号明細書
【発明の概要】
【0012】
本発明の目的は、上記の特徴を有する肥料を製造する方法であって、製造プロセス自体の実質的な変更を必要とせずに、アンモニア排出が低減される方法を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、請求項1に記載の特徴を有する肥料を製造する方法によって達成される。有利な実施形態は、従属請求項から明らかである。
【0014】
本発明の好ましい一発展形態によれば、肥料顆粒が造粒プロセスで製造される。既に上述したように、プリル又はペレットと比較して、肥料造粒物は複数の有利な粒子特性を有しており、これが、本発明の方法との関連において肥料顆粒の製造が好ましい理由である。
【0015】
本発明は、好ましくは、尿素含有肥料顆粒を製造する造粒プロセスに関する。これに関連して「尿素含有」は、肥料顆粒が尿素を含有し、他の活性肥料成分(例えばホルムアルデヒド又は硫黄)、及び、例えば顆粒特性の改善、肥料成分の標的放出などのために使用される適切な添加剤も、さらに含有してもよいことを意味する。
【0016】
特に好ましくは、本発明によれば、尿素含有肥料顆粒は流動床造粒によって製造される。流動床造粒は、肥料顆粒を製造するのに有利な既知の方法であり、後でより詳細に説明する。
【0017】
本発明の方法は、紫外線の照射によりアンモニアを光触媒分解するものである。光触媒反応の結果、アンモニア分子が破壊され、得られた分解生成物、特に窒素及び水、場合によっては亜硝酸イオン及び硝酸イオンは環境に有害ではなく、プラントのオフガスと一緒に懸念なく大気に排出することができ、又は廃水流を介して処分することができる。紫外線によるアンモニアの光触媒分解反応の想定されるいくつかの機構を、後に示す。
【0018】
「アンモニア」という用語は、本発明の目的のために、気体アンモニア及び溶解アンモニア(NH)の両方、並びにアンモニウムイオン(NH )の形態で存在するアンモニアを指すと理解される。水溶液中では、以下の式に従い、pH依存的及び温度依存性的に平衡である:
(2)NH+HO⇔NH OH
pHが9.25を超えると、平衡状態においてNHが優勢な形態であるのに対し、pHレベルが9.25未満では、アンモニウムイオンNH が全アンモニアの優勢な形態である。上記の式による平衡状態で存在する両方の種が、単純化のために、本発明による「アンモニア」という用語に包含される。
【0019】
明らかに優勢になる程のアンモニアは造粒プロセスでは形成されず、代わりに、溶解したアンモニアを含有し原料として使用される濃縮尿素溶液によってアンモニアはプロセスに入るので、本発明による手法は、造粒前にアンモニア成分を除去するものである。
【0020】
本発明によって提供される解決策の利点は、既知の方法では必要とされたアンモニアのオフガススクラバが、今日までかなりの空間を占有していたその付属装置と共に、必要に応じて省略することができることである。さらなる利点は、アンモニアのオフガス精製を用いずにこれまで運転されてきた古い既存のプラントに、アンモニアの光触媒破壊のための本発明の装置を、比較的容易に追加導入することができることである。
【0021】
窒素酸化物がアンモニアと反応して窒素及び蒸気を形成し得る排煙脱硝プラント(例えば、上記の米国特許第4,416,748号明細書を参照されたい)の場合とは対照的に、肥料顆粒製造プラントからのオフガスは高温ではないものの、含水量が比較的高い。排気流は飽和状態である。含水量が高いため、そのようなプラントからのオフガス流を光触媒作用に供しても機能しない。造粒機から流出する空気もまたダスト含有量が高いため、そのダストが、使用されるいかなるUVランプからの放射線も吸収/散乱し、UVランプの効率及び寿命を低下させることになる。そのダストを除去するために、現在の肥料製造プラントにはダストスクラバが使用されている。例えば、より大量のダストを除去するために、サイクロン又はフィルタ装置などのダスト除去用の追加的な機械装置を用いているプラントもある。しかし、排出制限を達成するためには、これらのプラントでは、微細なダスト粒子及びエアロゾルを除去するために、ダスト部分に二次湿式スクラバを用いなければならない。
【0022】
このようなプラントでは、ダスト除去装置と湿式スクラバとの間のダスト部分で、UVランプを使用することが原理的には可能であろう。しかし、水分子とアンモニア分子の吸収周波数どうしが重複するため、湿式スクラバの下流に光触媒UVユニットを置くことは不可能である。したがって、水は、アンモニアの光触媒分解の効率を実質的に低下させることになる。
【0023】
スクラバに通じる空気ラインは直径が比較的大きく、この領域で光触媒UVユニットを使用するには、相当数の高価なUVランプが必要であろう。
【0024】
したがって、よりコンパクトな構造を可能にするより良好な技術は、本発明の好ましい一発展形態において想定される手法であり、その手法により、光触媒UVシステムは、肥料粒子が製造される流動床造粒機への搬送経路にある領域に配置される。
【0025】
尿素顆粒を製造するためには、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が必要である。約130℃~140℃の範囲にある溶融温度では、尿素溶融物はアンモニアを物理的に吸収する。尿素顆粒を製造する既知のプロセスでは、溶融物中のアンモニアの濃度は、例えば、おおよそ500ppm~約800ppmの範囲であり得る。固体尿素中のアンモニアの溶解度が明らかに低く、例えば約50ppm程度であるとすると、かなりの量のアンモニアが尿素の凝固中に放出され、固体ユニットからオフガス中に移動する。さらに、尿素は二量体化して、この製造プロセスにおいて望ましくない物質であるビウレット(上記反応式(1)を参照されたい)を形成する。この反応により、さらにアンモニアが放出される。尿素の溶液又は溶融物におけるアンモニア濃度を低減させようとする場合、ビウレットの形成が、アンモニアの除去によるビウレットに有利な反応平衡のシフトによって、決して促進されないようにしなければならない。本出願人は、逆に、本発明の方法において、紫外線の使用が尿素の重合を促進することを意識していない。
【0026】
当該方法の一発展形態によれば、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に結合又は溶解したアンモニアが、好ましくは光触媒的に破壊される。
【0027】
あるいは、又はこれに加えて、本発明の可能な一変形形態によれば、オフガス流に含有されるアンモニアが、光触媒的に破壊されてもよい。
【0028】
しかし、当該方法の一発展形態によれば、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に、肥料造粒機への移送経路で紫外線が照射される場合、特に有利である。アンモニアは尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に溶解して存在するので、尿素溶融物が造粒機に入る前にアンモニアが分解されることが有利である。そうでなければ、造粒機内全体が高温になっているために、そこで、アンモニアは溶融物からガス放出され、したがって造粒機オフガスに入ることになる。既に上記で見られたように、このオフガス流はダスト及び水を含有するので、造粒からのオフガス流の中のアンモニアを分解することはより困難である。したがって、特に好ましくは、UV照射は、肥料造粒機の上流の尿素溶融物又は濃縮尿素溶液のための供給ラインの領域で行われる。
【0029】
本発明の好ましい一発展形態によれば、特に、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に、短い空間的及び/若しくは時間的な距離で、又は肥料造粒機への添加の直前に紫外線が照射される。尿素溶融物又は濃縮尿素溶液を肥料造粒機に供給するために使用される1つ又は複数のラインは、一般に、特に大きくない断面を有し、そのサイズは、紫外線の照射が、場合によっては1つのUVランプのみで、又は少なくとも数本のUVランプのみで行うことができ、この照射がラインの断面全体に作用することができるようなサイズである。これにより、費用効果が高く、装置の複雑さが比較的少なくてすむUVランプ配置の設置が可能になる。
【0030】
紫外線は、一般に、波長が可視光の波長よりも短い放射線範囲として理解される。紫外線は、全体として、380nm~100nmの波長範囲を包含する。本発明の方法との関連において、波長が170nm~350nmの範囲の紫外線を使用することが可能である。しかし、290~350nmの近UV範囲で水が紫外線を吸収するので、波長が、水が吸収する範囲よりも低い、すなわち290nm未満の紫外線を使用することが好ましい。紫外線は、好ましくは、アンモニア分子が紫外線を強く吸収する波長範囲で使用される。これは、特に170nm~315nmの範囲の場合であり、NHのUV吸収は、おおよそ190nm~195nmの間で最大値を示す。例えば、波長が185nm~254nmの範囲の紫外線が使用される。本発明の方法に適しており、市場で入手可能なUVランプは、例えば、約254nm又は約185nmのUV-C範囲でほぼ単色の紫外線を放射する。
【0031】
本発明の方法との関連では、アンモニアが紫外線によって光触媒的に分解されて、少なくとも主に窒素及び水を生じることが好ましい。アンモニアにUV光を照射すると、NH分子は、Hラジカルの脱離によりNHラジカル(アミノラジカル)に分解する。
【0032】
水分子の存在下で、例えば、波長が253.7nmのUV光を照射すると、解離による最初の生成物は、水素原子及びOHラジカル(OH・)である。アンモニア分子は、以下に再現される機構の1つに従ってOHラジカルと反応することができる:
NH+OH・→NH+H
NH+OH・→NHOH
NHOH→HNO→NO→N
又は
NH+OH・→NHOH+H
NHOH+OH・→NO →NO
測定では比較的少量の亜硝酸イオン及び硝酸イオンしか現れないので、機構について上に示した最初の変形形態である可能性がより高い。したがって、アンモニア分子は、ヒドロキシルアミン、ニトロキシル、一酸化窒素に順調に酸化され、最後に還元されて気体窒素を生じる。
【0033】
280nm未満の波長の紫外線を照射する場合、アンモニアの分解は以下の反応に従って起こる:
NH→・NH+H
311nm未満のより高い波長では、アンモニアはまた、以下の機構に従って分解する:
NH→・NH+H
イミドラジカル(・NH)は、アンモニアと反応してヒドラジンを形成することができる:
・NH+NH→N
2つのイミドラジカルは化合して窒素及び水素を形成することができる:
・NH+・NH→N+2H
そして、2つのアミノラジカルが化合してヒドラジンを形成することができる:
・NH+・NH→N
2つの水素原子が水素分子を形成するため、窒素、ヒドロキシルアミン及びヒドラジンと同様に、気体水素が生成される可能性もあり得るが、1000倍を超える空気流との混合物では、この水素は危険を及ぼすものではなく、プラントからのオフガスと共に放出され得るか、又は大気酸素と反応して水を形成する。
【0034】
本発明の好ましい一発展形態によれば、照射は、好ましくは少なくとも1つのUV-LEDランプを備えるUVランプ配置によって行われ、これは、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が肥料造粒機に送られる少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置される。
【0035】
以下に、例えば本発明の方法を適用するのに適した流動床造粒機について概説する。この説明の目的は、流動床造粒についての理解を容易にすることである。他方、流動床造粒機の以下の説明は、決して本発明の保護の範囲を限定するように解釈されるべきではない。本発明との関連において、もちろん、異なる構造を有する流動床造粒機を使用することができ、同様に、本発明との関連において肥料顆粒を製造するための他の技術を企図することができる。尿素含有顆粒を製造するための本発明の方法で使用されてもよい典型的な流動床造粒機は、造粒機内壁を有する少なくとも1つの造粒機内部を含む。造粒機内壁は、少なくとも1つの第1の造粒機側壁(好ましくは流動床造粒機の長辺として)、第2の造粒機側壁(好ましくは流動床造粒機の長辺として)、造粒機前壁(好ましくは短辺又は狭辺として)及び造粒機後壁(好ましくは短辺又は狭辺として)を含む。造粒機の内部、好ましくは内部ベースの上方の水平方向に、有孔板が配置されている。好ましくは、有孔板内、有孔板上方、又は有孔板上に配置されて取り付けられた噴霧ノズルがある。あるいは、噴霧ノズルはまた、有孔板とは別に、例えば、有孔場所の上方に、又は造粒機空間内で横方向に(例えば造粒機側壁上に)配置されてもよい。噴霧ノズルは、好ましくは、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液を送給するための噴霧ガス送給ライン及び溶融物供給ラインに接続される。好ましくは、これらの溶融物供給ラインの領域には、アンモニアの光触媒分解のためのUVランプが配置され、好ましくは造粒機への導入点からあまり遠くない領域に配置される。
【0036】
上述の噴霧ガス送給ラインは、溶融物供給ラインからの造粒される溶融物と共に、噴霧ノズル内に微細に分割された溶融物液滴(「霧化液滴(atomized droplets)」)を発生させるガス送給ラインである。本発明の趣旨において、「噴霧(atomizing)」という表現は、溶融物液滴の個々の原子への解離又は分解を指すのではなく、ここでは、好ましくは1~200μmの範囲の小さな溶融物液滴の発生を指す。本発明の趣旨における「溶融物」という表現は、濃縮溶液、懸濁液、エマルジョン又は分散液を包含し、尿素含有溶融物中に溶解するための成分の割合が、好ましくは0.5重量%超~50重量%、より好ましくは30重量%未満である。
【0037】
流動床造粒機は、一般に、1つ又は複数のシード入口開口部及び1つ又は複数の顆粒出口開口部をさらに備え、1つ又は複数のシード入口開口部と1つ又は複数の顆粒出口開口部との間の部分は、(仮想的な)顆粒の流れ方向を画定している。「シード入口開口部」という表現は、比較的小さい(所望の顆粒サイズよりも小さい)粒子をシード粒子(シードとも呼ばれる)として流動床造粒機に導入する1つ又は複数の開孔部又は送給部を表す。噴霧ノズルを介して、シード粒子は溶融物液滴にさらされる。このように溶融物液滴にさらされた結果、シード粒子は連続的に「付着」を受ける。付着の結果、微視的レベルの粒子は、好ましくは、表面で溶融し固化した(結晶化した)液滴を有するコアからなる「ラズベリーの様な」外観を有する。
【0038】
典型的な流動床造粒機では、造粒機内部は、好ましくは流動ガス送給ラインを備え、かつ、有孔板内又は有孔板上に配置され、溶融物用の送給ラインと噴霧ガス用の送給ラインとを有する噴霧ノズルも備える。溶融物用の送給ライン及び噴霧ガス用の送給ラインは、個々の又は集合的な送給ラインを備えることができる。流動ガス送給ラインにより、空気流又はガス流を導入することができ、空気流又はガス流は、下から有孔板を通って、有孔板の上方に顆粒粒子の流動床を発生させる。
【0039】
本発明の方法で使用される尿素溶融物又は濃縮尿素溶液は、例えば硫酸アンモニウム、元素硫黄、硝酸アンモニウム、微量元素、造粒添加剤、乳化添加剤及び/又はそれらの混合物などのさらなる物質を含んでもよい。したがって、使用される系は、純粋な尿素溶融物若しくは尿素溶液、又は、純粋な尿素溶融物若しくは、例えばホルムアルデヒド、ポリビニルアミン、ポリエチレンビニル(例えばポリチレンアミン)、ポリエチレンイミン、カルボン酸及び/若しくはアルデヒドなどの造粒添加剤を含む尿素溶液である。
【0040】
本発明のさらなる主題は、尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料粒子、より具体的には肥料顆粒を、好ましくは上記の方法によって製造するための装置であって、肥料粒子が製造される作業空間を有するプラント部分、特に肥料造粒機と、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液がその供給ラインによってプラント部分に送られる、プラント部分への少なくとも1つの供給ラインとを備え、本発明によれば、少なくとも1つのUVランプ配置が少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置され、それによって供給ラインを流れる尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に紫外線が照射される、装置である。
【0041】
本発明の好ましい一発展形態では、UVランプ配置は、少なくとも1つのUV-LEDランプを備える。適切なUV-LEDランプが市販されており、それはコンパクトな構造及び比較的低いエネルギー消費で優れているため、本発明の方法において効果的かつ安価に使用することが可能である。
【0042】
供給ラインは、少なくともUVランプ配置が置かれる領域において、好ましくは、紫外線に対して透過性であるように構成される。したがって、紫外線は、ラインの壁を通過してラインの内部に入り、ラインを流れる尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に含有されるアンモニアを分解することができる。これに関連して「透過性」という用語は、UVランプによって放射された紫外線が、全く又は極めてわずかな程度しか吸収又は散乱されないことによって、高効率を達成することを意味すると理解されるべきである。
【0043】
構造的に言えば、これは、例えば、UVランプ配置が置かれている領域において、供給ラインに紫外線透過窓を設けることによって達成することができる。したがって、少なくとも前記の窓のこの領域では、ラインは、ラインの壁が放射線を吸収しないか、又は放射線のごく一部しか吸収せず、放射線のかなりの部分がライン壁を通過してライン内部に入るように、紫外線に対して十分な程度まで透過性である材料からなる。
【0044】
紫外線に対して透過性である窓として、例えば、業界標準の「サイトグラス」を使用することが可能であろう。これは、一般に、流れの経過を視覚的に監視するのに役立つ。このサイトグラスは、両面に耐圧グラス及び耐食性グラスを設けることができ、UVランプが片側に配置される。本出願では、紫外線を反射するために、UVランプの反対側の領域のグラスは、好ましくは鏡面仕上げとすることができる。放射強度により、成果が高められる。
【0045】
図面を参照し、例示的な実施形態を用いて、以下により本発明を詳細に記載する。図面は以下を示すが、図面は縮尺通りではなく、また、そこに示されている実施形態に本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】本発明の例示的な一実施形態による、肥料顆粒、より具体的には尿素含有肥料顆粒を造粒する方法の簡略化した概略図である。
図2】UVランプの領域における尿素溶融物用の供給ラインの、部分的縦断面での概略的な拡大詳細図である。
【0047】
以下、図1を参照する。図は非常に概略的に簡略化されており、本発明の方法との関連において重要な肥料顆粒製造プラントの機能的構造単位のみを表している。プラントは、例示的な実施形態では流動床造粒機である造粒機10を備える。この種の流動床造粒機10の基本的な構造は、上記で既に説明されており、さらに、それ自体は従来技術から知られているので、この構造はここでは再びより詳細に説明しない。造粒機10は、ここでは、流動床造粒が行われる作業空間を有するプラント部分として概略的に表されている。プラントは、流動床を発生させるために、造粒機10への流動空気用の第1の供給ライン11を備える。このライン11には、流動空気を造粒機10に搬送する第1のブロワ12が配置されている。
【0048】
プラントは、造粒機への噴霧空気用の第2の供給ライン13をさらに備え、このラインにも、噴霧空気を造粒機に搬送するファン14が配されている。噴霧空気の目的は、噴霧ノズル(ここでは図示せず)に空気を供給することであり、それによって溶融物が微細に細分化され、造粒機の中に噴霧される。噴霧空気を予熱するために、このライン13に熱交換器15が設けられてもよい。
【0049】
さらに、発生器10への尿素溶融物又は濃縮尿素溶液のための第3の供給ライン16が設けられ、この第3の供給ライン16には、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液を造粒機10に搬送するためのポンプ17が設けられる。ここでは図示されていないが、噴霧ノズルにおいて、尿素溶融物又は尿素溶液が噴霧空気と混合され、霧状にされて微細な噴霧液滴を形成し、造粒機の中に噴霧される。この噴霧手順の結果、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液は造粒シードと接触し、既に上記で説明したように、付着によって顆粒粒子が生成され、次いで、さらなる処理のために、造粒機10からライン18を通って矢印方向に、ここでは概略的に表されているだけであるが、少なくとも1つの顆粒排出開口部を介して放出される。オフガスは、オフガスライン19を介して上部領域において造粒機10を出発し、次いで、一般にオフガススクラバ20に通じ、そこでオフガスは浄化される。オフガスのダストスクラビングの場合、尿素を含有し、ポンプ22によってオフガススクラバ20から除去することができるダスト含有スクラビング溶液が形成される。この尿素含有スクラビング溶液は、続いてエバポレーションによって濃縮され、濃縮尿素溶液として尿素粒子を製造するプロセスに戻されてもよく、この目的のために、矢印21で示すように、例えば、造粒機10に通じる供給ライン16に送給することができる。
【0050】
肥料顆粒の製造のために、造粒機10には、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液だけでなく、例えばホルムアルデヒドなどのさらなる構成要素が供給されてもよい。その場合、例えば、ホルムアルデヒド(例えば60%)、尿素(25%)及び水(15%)の溶液(UFC85とも呼ばれる)がよく使用されるが、これはライン16の中に開口しているライン23を介して尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に混和させることができ、その後、この一体化した混合物を造粒機10に供給することができる。ここでは、この種のホルムアルデヒド含有UFC溶液の混和について、尿素顆粒が尿素に加えて多種多様な構成要素を含有してもよいことを強調するために、ただ例示的に述べている。したがって、本方法との関連において、ホルムアルデヒド又はUFCの混和は、決して本発明にとって必要なものではなく、むしろ、この時点で説明的で例示的な特徴のみを有していると見なされるべきである。
【0051】
本発明によれば、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液を造粒機10に供給する供給ライン16の隣に少なくとも1つのUV-LEDランプ24が配置され、このUV-LEDランプ24は、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に溶解したアンモニアを分解する紫外線を放射する。このUV-LEDランプ24は、図1の描写から推測することができるように、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が造粒機10の中に噴霧される直前に、造粒機の上流の、造粒機10の空間的近傍で供給ライン16の隣に配置される。このUV-LEDランプの配置の効果は、製造及び貯蔵の過程で形成され、場合によっては尿素溶融物によって造粒機に運ばれる搬送経路でも形成されるアンモニアが、造粒機に入る前に分解されるため、前記造粒機の中の流動床造粒プロセスでもはや放出され得ないことである。このことはまた、オフガスライン19を介して造粒機10から取り出されるオフガスに、アンモニアが到達することを防止する。UV-LEDランプの配置のさらなる効果は、ビウレットを形成する反応が促進されないことである。NHの破壊により、反応平衡はビウレットの方向にシフトするため、早期にアンモニアを除去すると、より多くのビウレットが形成されることになる。UVランプは、好ましくは、主ラインではなく、個々の溶融物ノズルへの送給部に取り付けられる。
【0052】
実際には、尿素溶液は、多数のノズル(例えば最大400本)に分割されるべきである。したがって、図1に表す主ラインからノズルまでに個々のラインが存在する。そして、ノズルはグループ(例えば最大18グループ)で配置される。ノズルの各グループは、専用の送給ラインを有する。したがって、個々のノズル送給ラインに、(1つ又は複数の)UVランプを取り付けることがさらに可能である。これには、ランプを造粒機に直接物理的に取り付けることができるというさらなる利点がある。
【0053】
プラントの性能は、個々のノズルのグループを作動させることによって調整される。したがって、UVランプもまた、そのノズルのグループが利用されている場合にのみ作動させる必要がある。これにより、UVランプのエネルギーを節約し、またUVランプの耐久性をより長くすることができる。
【0054】
以下、図2を参照する。図2は、UVランプ24の領域における尿素溶融物の供給ライン16の、部分的縦断面での概略的な拡大詳細図を示す。尿素溶融物は、供給ライン16を通って矢印28の方向に造粒機へ移送される。供給ライン16は、紫外線27に対して透過性である窓25を有し、UVランプ24によって放射された紫外線27は、この窓を通して供給ライン16の内側に照射される。供給ライン16は、好ましくは、照射された紫外線27を反射する反射層26で内側をコーティングされており、したがって、この反射層に衝突する紫外線はそこで反射されるため、供給ライン16内の紫外線が増強される。紫外線27により、尿素溶融物に含有されるアンモニアの光触媒分解が生じる。
【符号の説明】
【0055】
10 造粒機、肥料造粒機
11 流動空気用の供給ライン
12 流動空気用のファン
13 噴霧空気用の供給ライン
14 噴霧空気用のファン
15 熱交換器
16 尿素溶融物用の供給ライン
17 ポンプ
18 顆粒を放出するためのライン
19 オフガスライン
20 オフガススクラバ
21 矢印
22 ポンプ
23 UFC用ライン
24 UVランプ
25 窓
26 反射層
27 紫外線
28 矢印
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料を製造する方法であって、アンモニアが製造プロセスにおいて不純物として得られ、
前記アンモニアは、紫外線の照射によって光触媒的に分解されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
肥料顆粒が造粒プロセスで製造されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
尿素含有肥料顆粒が造粒プロセスで製造されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
尿素含有肥料顆粒が流動床造粒によって製造されることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
尿素溶融物又は濃縮尿素溶液において結合又は溶解したアンモニアが光触媒的に破壊されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
オフガス流に含有されるアンモニアが光触媒的に破壊されることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が、肥料造粒機(10)への移送路で紫外線を照射されることを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が、短い空間的及び/若しくは時間的な距離で、又は前記肥料造粒機(10)への添加の直前に紫外線を照射されることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記照射が、170nm~350nmの範囲の波長の紫外線で行われることを特徴とする、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記照射が、170nm~315nmの範囲の波長の紫外線で行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記照射が、185nm~254nmの範囲の波長の紫外線で行われることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記アンモニアが、少なくとも主に窒素及び水に光触媒的に分解されることを特徴とする、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記照射が、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が肥料造粒機(10)に送られる少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置されたUVランプ配置によって行われることを特徴とする、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記照射が、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が肥料造粒機(10)に送られる少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置されたUV-LEDランプ(24)によって行われることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料粒子を製造するための装置であって、前記肥料粒子が製造される作業空間を有するプラント部分と、尿素溶融物又は濃縮尿素溶液が前記プラント部分に送られる、前記プラント部分への少なくとも1つの供給ライン(16)とを備え、少なくとも1つのUVランプ配置(24)が少なくとも1つの供給ラインの空間的近傍に配置され、前記UVランプ配置(24)によって前記供給ライン(16)を流れる前記尿素溶融物又は濃縮尿素溶液に紫外線が照射されることを特徴とする、装置。
【請求項16】
前記装置が、尿素及び/又は少なくとも1つのアンモニウム化合物を含む肥料粒子を請求項1から14のいずれかに記載の方法によって製造するための装置であることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記肥料粒子が肥料顆粒であることを特徴とする、請求項15又は16に記載の装置。
【請求項18】
前記プラント部分が肥料造粒機(10)であることを特徴とする、請求項15から17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記UVランプ配置が少なくとも1つのUV-LEDランプ(24)を備えることを特徴とする、請求項15から18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
少なくとも前記UVランプ配置(24)が配置される領域において、前記供給ライン(16)が紫外線に対して透過性であるように構成されることを特徴とする、請求項15から19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記UVランプ配置(24)が配置される領域において、前記供給ライン(16)が、紫外線に対して透過性である窓(25)を有することを特徴とする、請求項15から20のいずれかに記載の装置。
【国際調査報告】