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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ストリップエアレータ及び曝気装置
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/231 20220101AFI20230302BHJP
   B01F 25/44 20220101ALI20230302BHJP
   C02F 3/20 20230101ALI20230302BHJP
【FI】
B01F23/231
B01F25/44
C02F3/20 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541922
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-08-04
(86)【国際出願番号】 EP2021050187
(87)【国際公開番号】W WO2021140151
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】20150764.7
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514214977
【氏名又は名称】アルノルト・イェーガー・ホールディング・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ブーマン・フィーリプ
(72)【発明者】
【氏名】フォン・コンスブルフ・ハンス-クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィンター・ザシャ
(72)【発明者】
【氏名】レンプファー・クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】イェーガー・アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4D029
4G035
【Fターム(参考)】
4D029AA01
4D029AB07
4G035AB09
4G035AB28
4G035AC26
4G035AE13
(57)【要約】
【課題】単純な製造にもかかわらず信頼性をもった動作を可能とし、フレキシブルに使用され得るストリップエアレータ及び曝気装置を提供する。
【解決手段】上側のフィルム部分3及び下側のフィルム部分を有する、液体を曝気し、又は燻蒸するストリップエアレータ1であって、上側のフィルム部分3及び下側のフィルム部分のうち少なくとも1つが第1の固定手段8,9に結合されており、第1の固定手段8,9が、ストリップエアレータ1を保持要素に接続するために、ストリップエアレータ1の互いに対向する側SLにある収容範囲において延びている、前記ストリップエアレータにおいて、第1の固定手段8,9が、棒状又は帯状の縁強化部10として構成されているとともに、円形状、だ円状、正方形状又は長方形状の断面を有しているか、又はC字状成形物又は縁強化部成形物13の形態の固定レールとして構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平坦なダイヤフラムを形成するために、開口部(6)を有する弾性的に変形可能な少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)と、入口通路(21)から少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)によって上方へ向けて区画された少なくとも1つの通気性のチャンバ(5,5a)へ気体を通過させるための接続通路(20)を有する貫通開口部(19)とを有する、液体、特に排水を曝気し、又は燻蒸するストリップエアレータ(1)であって、気体は、通気性のチャンバから平坦なダイヤフラムを通して周囲(U)へ流出することができ、ストリップエアレータ(1)の少なくとも互いに対向する側(SL,SS)において、側方の収容範囲(15)が、ストリップエアレータ(1)を少なくとも1つの保持要素(2)に接続するように延びており、少なくとも1つの通気性のチャンバ(5,5a)が、下方へ向けて、弾性的に変形可能な少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)によって区画されており、フィルム部分(3,4)によって上方へ、及び下方へ気密に密閉された、弾性的に変形可能な、通気性のチャンバ(5,5a)を有する本体部が形成されるように、少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)と気密に結合されており、気密に結合されたフィルム部分(3,4)が、側方で延びる収容範囲(15)の間で少なくとも部分的に平坦に重なっており、及び/又は上下に位置しており、フィルム部分(3,4)のうち少なくとも1つが第1の固定手段(8,9)に結合されており、第1の固定手段(8,9)が、ストリップエアレータ(1)を保持要素(2)に接続するために、部分的に、又は全体的に、ストリップエアレータ(1)の互いに対向する側(SL,SS)にある少なくとも収容範囲(15)において延びており、通気性のチャンバ(5,5a)が、フィルム部分(3,4)がストリップエアレータ(1)の動作時又は非動作時に載置されることができ、及び/又はフィルム部分(3,4)が保持される、支持体及び/又はサポート体を有さない、前記ストリップエアレータにおいて、
第1の固定手段(8,9)が、
-棒状又は帯状の縁強化部(10)として構成されているとともに、円形状、だ円状、正方形状又は長方形状の断面を有しているか、又は
-C字状成形物又は縁強化部成形物(13)の形態の固定レール(11a,12a)として構成されている
ことを特徴とするストリップエアレータ。
【請求項2】
少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)及び少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が、
-一部材で形成されているとともに側方で配置された収容範囲(15)において互いへ移行しているか、又は
-二部材で形成されているとともに側方で接合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)及び少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が、係合式に、及び/又は嵌合式に、又は接着、溶接、射出成形若しくは押出成形によって、結合範囲(7)において、側方で、すなわち長手側及び/又は端面側で気密に接合されていることを特徴とする請求項2に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項4】
少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)及び少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が同一の材料又は異なる材料で製造されており、少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)及び少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が同一の硬度又は異なる硬度を有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項5】
第1の固定手段(8,9)が側方の収容範囲(15)に押出成形され、接着され、フランジ付けされているか、又はフィルム部分(3,4)のうち少なくとも1つが、側方に配置され延長された、第1の固定手段(8,9)を少なくとも部分的に包囲してこれにより保持する収容範囲(15)が形成されるように、縁部側でホース状に変形されており、縁部側でホース状に変形されたフィルム部分(3,4)が、通気性のチャンバ(5)に結合されているか、又はこれから分離されている収容範囲(15)を形成していることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)及び少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)が、少なくとも1つの端面側(SS)において、及び/又は長手側(LS)において、閉鎖成形物(18)によって気密に接合されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項7】
少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)に、及び/又は少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)に、及び/又は少なくとも、少なくとも1つの上側のフィルム部分(3)と少なくとも1つの下側のフィルム部分(4)の間の端面側(SS)に、貫通開口部(19)が配置されており、貫通開口部は、好ましくは接続通路(20)を介して、入口通路(21)、例えば配管(21)に接続されており、接続通路(20)及び/又は入口通路(21)が、貫通開口部(19)の範囲で、フィルム部分(3,4)のうち少なくとも1つに嵌合式に、及び/又は係合式に固定されていることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のストリップエアレータ(1)。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の少なくとも1つのストリップエアレータ(1)と、少なくとも1つの保持要素(2)とを有する曝気装置(100)であって、少なくとも1つのストリップエアレータ(1)が、ストリップエアレータ(1)の少なくとも互いに対向する側(SL,SS)において延びる収容範囲(15)を介して少なくとも1つの保持要素(2)に接続されており、その結果、少なくとも1つのストリップエアレータ(1)の気密に結合されたフィルム部分(3,4)が、側方に配置された収容範囲(15)の間で少なくとも部分的に平坦に重なっており、及び/又は上下に位置しており、保持要素(2)が、第1の固定手段(8,9)を介してストリップエアレータ(1)を変位可能に収容する第2の固定手段(11,12)を備えており、第1の固定手段(8,9)が延長された収容範囲(15)において側方で配置されており、第1の固定手段(8,9)が、
-棒状又は帯状に縁強化部(10)の形態で構成されているとともに、円形状、だ円状、正方形状又は長方形状の断面を有しているか、又は
-C字状成形物又は縁強化部成形物(13)の形態で固定レール(11a,12a)として構成されており、
第1の固定手段(8,9)が、対応して相補的に形成された第2の固定手段(11,12)において変位可能に収容されている
ことを特徴とする曝気装置。
【請求項9】
保持要素(2)が、第2の固定手段(11,12)が固定された保持プレート(2a)であることを特徴とする請求項8に記載の曝気装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分による、液体を曝気し、及び燻蒸するストリップエアレータと、少なくとも1つのこのようなストリップエアレータを有する曝気装置とに関するものである。
【背景技術】
【0002】
このようなストリップエアレータ又は平面エアレータは、特に液体としての排水を曝気し、及び燻蒸するために用いられ、多数の開口部を形成する穿孔又は孔部を有する平坦に形成されたダイヤフラムが設けられている。液体あるいは排水を適当に処理するために、気体は、ストリップエアレータの通気性のチャンバから当該開口部を通して漏出することが可能である。
【0003】
このようなストリップエアレータは、例えば特許文献1、特許文献2、特許文献3又は特許文献4から知られている。これらストリップエアレータは、長い堅固な、あるいは弾性的でない中空成形体を備えており、当該中空成形体は、開口された端面側を有する気体案内通路を規定している。中空成形体は堅固な支持壁部を有しており、当該支持壁部は、通気性の、あるいは多孔性のダイヤフラムのための支持面として構成されている。支持壁部には、支持壁部とダイヤフラムの間に形成される通気性のチャンバとしての中間空間へ気体案内通路から気体を通過させるための少なくとも1つの貫通開口部が設けられており、気体は、中間空間からダイヤフラムにおける開口部を通して制御されて漏出することが可能である。気体供給通路の開放された端面側は、閉鎖要素によって気密に閉鎖されている。
【0004】
このような構造により、中空成形体あるいは支持壁部とダイヤフラムの間にはシール成形物がはめ込まれるべきであり、端面側にも手間のかかるシステムによるダイヤフラムのシールが行われる必要があることとなる。システムを継続的にシールするために、部分的にシール材料及び接着材料に頼る必要がある。したがって、穿孔された、あるいは孔あけされたダイヤフラムを指示する支持壁部を有するこのようなストリップエアレータは非常に手間がかかる。これにより、例えばメンテナンス時のダイヤフラムの交換も非常に大きな手間に結び付く。
【0005】
例えば浄水タンク底部でのこのようなストリップエアレータの保持は、特許文献5又は特許文献6により行われることが可能である。このために、各ストリップエアレータが中空成形体の長手縁部においてそれぞれ脚部範囲へ移行するように構成されており、脚部範囲は、収容範囲において、ストリップエアレータの中央へL字状に曲げられた脚部フランジで終わっており、固定プレートあるいは保持プレートが設けられており、その幅は、ストリップエアレータの幅よりも広く、固定プレートあるいは保持プレートは、ストリップエアレータの幅を超えるその範囲において、保持プレートを浄水タンク底部に結合する結合手段を備えており、保持プレートは、脚部フランジに対して相補的な係合フランジを備えており、当該係合フランジは、ストリップエアレータを浄水タンク底部に保持するために、脚部フランジと係合されることが可能である。このようにして、エアレータチェーンにおいて互いに連続する2つのストリップエアレータの間の間隔を橋渡しする長さを保持プレートが有していれば、複数のストリップエアレータから成るエアレータチェーンを形成することも可能である。
【0006】
これにより、保持要素としての保持プレートを強固に構成されたストリップエアレータの中空成形体に意図的に適合させることが可能であり、その結果、各ストリップエアレータは、個別に製造された保持部を必要とする。
【0007】
支持体を有する別のストリップエアレータが、例えば特許文献7、特許文献8又は特許文献9に記載されている。加えて、特許文献10には支持体を有さないエアレータが記載されており、当該エアレータは、クランプバーによって結合されているとともに小穴を介してフレームに固定されている2つのフィルム部分で構成されている。また、特許文献11には、ロープ又はネジ付きロッドに固定された構造フレームを介して底部に固定されることが可能な、支持体を有さないストリップエアレータが記載されている。特許文献12及び特許文献13には、支持体を有さないストリップエアレータについての別の接続可能性が挙げられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1545753号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102012008799号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102012009282号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第102012008800号明細書
【特許文献5】オーストリア国特許第413380号明細書
【特許文献6】独国特許発明第102012009283号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2015/001744号明細書
【特許文献8】国際公開第2018/146692号
【特許文献9】国際公開第01/66474号
【特許文献10】オーストリア国特許第391126号明細書
【特許文献11】国際公開第2007/051150号
【特許文献12】米国特許第3642260号明細書
【特許文献13】特許第6410443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の課題は、単純な製造にもかかわらず信頼性をもった動作を可能とし、その際、フレキシブルに使用され得るストリップエアレータ及び曝気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
当該課題は、本発明により、請求項1によるストリップエアレータと、別の独立請求項による曝気装置とによって解決される。各従属請求項には好ましい発展形態が記載されている。
【0011】
したがって、本発明によれば、ストリップエアレータの少なくとも1つの通気性のチャンバが下方へ向けて少なくとも1つのソフトな、あるいは弾性的に変形可能な下側のフィルム部分によって好ましくは全面的に区画されており、少なくとも1つの下側のフィルム部分は、同様にソフトで、あるいは弾性的に変形可能な上側のフィルム部分に気密に結合されており、その結果、上側及び下側のフィルム部分によって気密に閉鎖された弾性的に変形可能な、通気性のチャンバを有する本体部がその内部に形成され、気密に結合されたフィルム部分は、ストリップエアレータの互いに対向する側に配置された側方の収容範囲の間で、少なくとも部分的に、好ましくは全面的に、平坦に重なっており、及び/又は上下に位置している。
【0012】
このとき、フィルム部分は、例えば弾性的な合成樹脂で製造されているとともに、同一の硬度又は異なる硬度を有する同一の材料又は異なる材料で構成されることが可能である。
【0013】
これにより、従来技術のようにストリップエアレータの構成部材として通気性のチャンバに位置するか、当該通気性のチャンバが区画されて、フィルム部分がストリップエアレータの動作時又は非動作時に載置されることが可能な弾性的でない支持本体部あるいは支持体にストリップエアレータが依存しないように、この種のストリップエアレータが発展形成される。したがって、ダイヤフラムとしての上側のフィルム部分は、好ましくは手間がかからずに、例えばシール成形物を介して、支持する本体部に対してシールされることができ、その結果、システム全体のシールが単純化される。
【0014】
これにより、シールは強固に構成されている。なぜなら、フィルム部分が取付時に既に互いに気密に結合されているとともに、弾性的に変形可能な本体部に接合されており、ストリップエアレータの取付時に初めて例えばシール成形物を介して互いに結合されるわけではないためである。これにより、取付が全体として単純化され、側方の収容範囲を介して、異なる支持システムあるいは保持要素における固定を行うことが可能である。これにより、フレキシビリティが向上する。なぜなら、固定は、ダイヤフラムを動作時に浮揚に抗してその位置に維持する、ダイヤフラムを平坦に支持し、あるいは平坦にサポートする本体部にもはや依存しないためである。全体として、ストリップエアレータは、もはや必ずしも本体部に平坦に載置される必要がない。ストリップエアレータが動作時に気体で負荷されるときに、ストリップエアレータを浮揚に抗してその位置に保持するために、十分な側方の保持あるいは両フィルム部分によって形成される弾性的に変形可能な本体部の支持のみに配慮すればよい。
【0015】
故障時又はメンテナンス時には、ストリップエアレータをその後支持本体部あるいは保持要素に対してシールする必要なしに、ストリップエアレータ全体が保持要素から容易に取り外され、完全に交換あるいは洗浄されることができるため、ダイヤフラムの交換も単純化される。したがって、場合によっては、容易にシールされることが可能な、支持する保持要素が設けられている。
【0016】
両フィルム部分によって形成される、独立して曝気される弾性的に変形可能な本体部としての構成は、単純な態様でほぼ任意の支持システムに統合されることが可能である。ダイヤフラムを有するストリップエアレータは、ダイヤフラムを有するストリップエアレータを交換するために、保持要素から非常に迅速に取り外されることが可能であり、このとき、支持システムあるいは保持要素は、底部に取り付けられたままであることが可能である。これにより、ダイヤフラムあるいはフィルム部分の機能は、各保持要素あるいは支持システムとは無関係である。これにより、ストリップエアレータが固定されるか、あるいはストリップエアレータを保持する最も単純な保持要素を用いることができる。当該保持要素は、非常に平坦であるとともに、浮揚しづらく構成されることができ、したがって、効率を最適化して動作することが可能である。
【0017】
加えて、ストリップエアレータは、弾性的に変形可能に構成されたフィルム部分により、省スペースに支持され、例えばローラに巻き付けられて搬送されることが可能である。したがって、ストリップエアレータは、保持要素あるいは各支持システムなしに搬送されることが可能である。なぜなら、ストリップエアレータは、これらとは無関係なためである。ストリップエアレータの統合は、保持要素の取付後に行われることが可能である。
【0018】
このとき、この種のストリップエアレータとして、少なくとも1つの上側のフィルム部分によって上方へ区画された少なくとも1つの通気性のチャンバへ入口通路から気体を通過させるための接続通路を有する少なくとも1つの貫通開口部を備えた平坦なストリップエアレータが想定され、気体は、貫通開口部から平坦なダイヤフラムを通して周囲へ流出することが可能である。ここで、ストリップエアレータを完全に、又は部分的に少なくとも1つの保持要素に結合し、これによりストリップエアレータを支持することができるように、ストリップエアレータは、少なくとも互いに対向する側において、すなわち側方で好ましくは少なくとも両長手側で、及び/又は1つの端面側若しくは両端面側において、長手方向に、あるいは横方向に延長された、あるいは延びる収容範囲を備えている。弾性的な変形性により、上側のフィルム部分は、ストリップエアレータあるいは通気性のチャンバが気体によって負荷を受けることなく、下側のフィルム部分に平坦に載置され、したがって、下方へ、あるいはそれ自体へ重なる。負荷時には、上側のフィルム部分は、ダイヤフラムを形成する開口部と共に下側のフィルム部分から持ち上げられる。
【0019】
このとき、好ましくは、少なくとも1つの上側のフィルム部分及び少なくとも1つの下側のフィルム部分が、一体的に、あるいは一部材で形成されるように、すなわち、視認可能な、又は視認可能でない接合箇所なしに互いの中へ移行するように構成されることができ、フィルム部分は、側方で(長手側及び/端面側で)収容範囲において互いの中へ移行している。これに代えて、フィルム部分が側方で、あるいは長手側及び/又は端面側で係合式に、及び/又は嵌合式に接合されている二部材の構成も設定することが可能である。
【0020】
これにより、ストリップエアレータの可変の構造あるいは可変の製造が可能であり、例えばホースとしての一部材から成る構成においては、長手側あるいは端面側における追加的なシールは不要である。二部材の構成においては、好ましくは、フィルム部分が接着、溶接、射出成形又は押出成形によって結合範囲において側方で(端面側及び/又は長手側で)互いに接合されているように構成されている。しかし、端面側(及び基本的には長手側も)の気密なシールは、好ましくは閉鎖成形物又はクランプによっても行うことができ、当該閉鎖成形物又はクランプは、フィルム部分をそれぞれ端面側(あるいは長手側)で気密に結合することが可能である。
【0021】
ストリップエアレータを保持要素に接続するために、本発明によれば、フィルム部分のうち少なくとも1つが第1の固定手段に結合されており、第1の固定手段は、収容範囲において、部分的に、又は全体的に、結合の種類に応じて長手方向及び/又は横方向に延びている。これにより、ストリップエアレータの動作時に確実な保持を保証することができ、容易な取付のために、本発明によれば、第1の固定手段は、
-例えば円形状、だ円状、正方形状又は長方形状の断面を有する、棒状又は帯状に構成されており、又は
-特にC字状成形物又は縁強化部成形物の形態で固定レールとして構成されている。これにより、第1の固定手段は、係合式の結合を形成するために、適当に設定された遊びにおいて、長手方向あるいは横方向に互いの中へ変位することが可能であり、これにより、容易に取り付けられ、あるいは取り外されることが可能である。さらに、特許請求されていない実施形態においては、第1の固定手段として、フック、バンド(帯)、リング、ネジ、くぎ若しくはリベット又は同様に作用する手段を用いることも可能である。
【0022】
第1の固定手段を保持するために、当該第1の固定手段は、側方の収容範囲へ押し出され、接着され、フランジ付けされているように構成されることができるか、又はフィルム部分のうち少なくとも1つが、第1の固定手段を少なくとも部分的に包囲しこれにより保持する収容範囲が形成されるように、縁部側でホース状に変形され、例えば折り返され、又は狭窄されている。これにより、可変な固定可能性を得ることが可能である。
【0023】
さらに、好ましくは、少なくとも1つの上側のフィルム部分に、及び/又は少なくとも1つの下側のフィルム部に、及び/又は少なくとも、少なくとも1つの上側のフィルム部分と少なくとも1つの下側のフィルム部分の間の端面側に、貫通開口部が配置されており、貫通開口部は、好ましくは接続通路を介して、入口通路、例えば配管に接続されており、接続通路及び/又は入口通路が、貫通開口部の範囲で、フィルム部分のうち少なくとも1つに嵌合式に、及び/又は係合式に固定され、例えば接着され、溶接され、クランプされ、又は成形プロセスにおいて接合されるように構成することが可能である。これにより、容易かつフレキシブルな態様で、気体による通気性のチャンバの負荷を生じさせることが可能である。
【0024】
ストリップエアレータの面積を拡大するために、更に、フィルム部分の間に形成される通気性のチャンバが長手方向及び/又は横方向に延びる中間結合部によって部分チャンバへ分割されているように構成することが可能である。これにより、通気性のチャンバが通常は少なくとも50cm、好ましくは少なくとも200cmの長さを有し、100~250mmの幅を有するストリップエアレータは、複数のこのようなチャンバを直列に、又は並列に相前後して、及び/又は相並んで「接続」されることで、より長く、又はより幅広く構成されることが可能である。
【0025】
さらに、本発明によるストリップエアレータ及び保持要素を有する曝気装置が設けられており、ストリップエアレータは、少なくとも対向する側において、長手方向及び/又は横方向に延長された、あるいは延びる収容範囲を完全に、又は部分的に保持要素に接続されており、その結果、気密に結合されたストリップエアレータのフィルム部分が、収容範囲の間で少なくとも部分的に平坦に重なっており、及び/又は上下に位置している。
【0026】
このとき、
-保持要素が、ストリップエアレータが第1の固定手段を介して変位可能であるか、又は固定して収容される第2の固定手段を備えており、第1の固定手段が側方において延長された収容範囲に配置されているか、又は
-保持要素が、ストリップエアレータが側方に配置された収容範囲を介して変位可能に、又は固定して接続される離間したバンド又はロープによって形成される
ように構成されている。
【0027】
さらに、第1の固定手段は、
-本発明により、棒状又は帯状に構成されているとともに、特に縁強化部の形態で円形状、だ円状、正方形状又は長方形状の断面を有しているか、又は
-特にC字状成形物又は縁強化部成形物の形態で固定レールとして構成されており、
第1の固定手段は、対応して相補的に形成された第2の固定手段において変位可能に収容されているか、又は
-第1の固定手段は、それぞれ収容孔部において収容範囲を貫通し、保持要素において変位可能に、又は固定して収容されているフック、バンド(帯)、リング、ネジ、くぎ、リベットから成るグルーブから選択された手段として構成されている。
【0028】
このとき、ストリップエアレータは、固定の種類あるいは固定手段に応じて、固定して、又は変位可能に保持要素に収容されることが可能である。
【0029】
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】ストリップエアレータを有する曝気装置の斜視図である。
図2】異なる構成におけるストリップエアレータの収容範囲の断面図である。
図3】異なる構成におけるストリップエアレータの収容範囲の断面図である。
図4】異なる構成におけるストリップエアレータの収容範囲の断面図である。
図5a】ストリップエアレータを保持する別の構成を示す図である。
図5b】ストリップエアレータを保持する別の構成を示す図である。
図6】ストリップエアレータの端面側の構成を示す図である。
図7】ストリップエアレータの端面側の構成を示す図である。
図8】別の実施形態におけるストリップエアレータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1にはストリップエアレータ(曝気装置)1が図示されており、当該ストリップエアレータは、本実施形態では保持プレート2aとして構成されている保持要素2において収容されている。ストリップエアレータ1及び保持プレート2aから成る曝気装置(通気装置、ディフューザ装置、ブロワ装置)100は、保持プレート2aに係合する結合手段又はフレーム構造(不図示)を介して、例えば浄水タンクあるいはエアレーションタンク(曝気タンク)の底部又は壁部に固定されることが可能である。
【0032】
図2における詳細図によれば、ストリップエアレータ1は上側のフィルム部分3及び下側のフィルム部分4を備えており、これら上側のフィルム部分及び下側のフィルム部分は、その長手側SLにおいて互いに気密に結合されているため、これらの間には、気体を案内するチャンバ5が形成される。ストリップエアレータ1が動作していない場合には、すなわち気体がアクティブに貫流していない場合には、両フィルム部分3,4は、少なくとも部分的に平坦に互いに重なり合っているか、あるいは互いに上下に位置している。
【0033】
上側のフィルム部分3は複数の開口部6、例えばスリット状の孔を備えており、当該開口部は、穿孔、穴あけ、打抜き、くり抜き、レーザ加工、ウォータジェットなどによって設けられることができるとともに、気体を案内するチャンバ5から周囲Uへ気体が通過することを可能とするものである。基本的には、下側のフィルム部分4も同様な孔部6を備えることが可能である。
【0034】
フィルム部分3,4は、ソフトで弾性的に変形可能な材料、好ましくは合成樹脂で構成されている。両フィルム部分3,4は、構成に応じて、同一の材料又は異なる材料から製造されることができ、当該同一の材料又は異なる材料は、同一又は異なる硬度を有している。
【0035】
フィルム部分3,4の間の長手側の結合は、異なるように形成されることが可能である。すなわち、両フィルム部分3,4は、その製造後、接着、溶接、射出成形又は押出成形を用いて、側方の結合範囲7において互いに気密に結合されるように構成されることが可能である。このとき、上側のフィルム部分3への開口部6の形成は、結合前に、又は事後的に初めて行われることが可能である。さらに、両フィルム部分3,4を、例えば押出成形されて弾性的に変形可能な、ストリップエアレータ1の非動作時には「しぼむ」、相応に薄い壁厚を有するホースの形態で、一部材として、あるいは一体的に形成することができ、その結果、フィルム部分3,4は、少なくとも部分的に平坦に互いに重なり合っているか、あるいは互いに上下に位置している。
【0036】
保持プレート2aにストリップエアレータ1を結合するために、ストリップエアレータ1は、収容範囲15における長手側SLの範囲において両側に第1の固定手段8,9を備えており、当該第1の固定手段は、動作中にストリップエアレータ1へ作用する引張負荷を保持プレート2aへ誘導するために用いられる。保持プレート2aへの均等な誘導を可能とするために、第1の固定手段8,9は、好ましくはストリップエアレータ1の全長Aにわたって、連続的に、又は部分的に分配されて両長手側SLにおける収容範囲15において配置されている。基本的には、このようにして、ストリップエアレータ1は、作用する引張負荷を保持プレート2aへ誘導するために、及びストリップエアレータ1を追加的に、若しくは代替的に端面側で、すなわち横方向Qに緊張させるために、追加的に、又は代替的に、交互に、すなわち一方側で、又は両側でその端面側SSの範囲において保持プレート2aに結合されることが可能である。ここで、ストリップエアレータ1の長さAは、好ましくは少なくとも0.5m、好ましくは少なくとも2mである。
【0037】
図1における実施形態によれば、両側に配置された第1の固定手段8,9は、ストリップエアレータ1自体の構成部材であり、第1の固定手段8,9は、帯状又は棒状に、あるいは縁強化部10の形態で構成されているとともに、ストリップエアレータ1の全長Aにわたって延長されている。各第1の固定手段8,9は、例えば長手側で収容範囲15においてフィルム部分3,4へ押し出され、接着され、フランジ付けされるなどすることが可能である。ストリップエアレータ1の側方の係合式の収容は、このように構成された第1の固定手段8,9を介して、第2の固定手段11,12によって可能であり、第2の固定手段11,12は、本実施形態では、縁強化部成形物13の種類の固定レール11a,12aとして構成されている。このために、固定レール11a,12aは、好ましくは保持プレート2aの統合された構成部材として保持プレート2aに固定されている。
【0038】
ここで、固定レール11a,12aの間のレール間隔SAは、ストリップエアレータ1の非動作時にフィルム部分3,4が引張応力を伴わずに、又は引張応力を伴って固定レール11a,12a間で延在するように選択されている。これにより、ストリップエアレータ1の幅Bは、わずかにより大きいか、又はレール間隔SAよりも小さく、ストリップエアレータ1の幅Bは、例えば100~250mmである。このとき、フィルム部分3,4は、場合によっては、保持プレート12aにおける固定レール11a,12aの間の中間範囲14に載置されている。ストリップエアレータ1の動作時には、少なくとも上側のフィルム部分3あるいはダイヤフラム(メンブラン)が、保持プレート2aの中間範囲14から持ち上げられる。
【0039】
円形の断面(縁強化部10)を有する棒状の第1の固定手段8,9に代えて、同等の作用をもって、断面において長方形状、だ円状、正方形状、半円状などの第1の固定手段8,9を設けることもでき、当該第1の固定手段は、ストリップエアレータ1を両側で保持するために、相応に相補的に構成された、例えばC字状成形物(C字状側面)を有する固定レール11a,12aによって係合式に収容される。
【0040】
図2及び図3に図示されているように、第1の固定手段8,9は、1つのフィルム部分又は両フィルム部分3,4が好ましくはストリップエアレータ1の全長Aにわたって収容範囲15において長手側SLでホース状に折り返されることでストリップエアレータ1に保持されることも可能である。そして、第1の固定手段8,9、特に縁強化部10は、これにより形成されるホースにおいて位置決めされるか、又は当該ホースによって包囲される。このとき、収容範囲15は、図2において気体を案内するチャンバ5から分離されている。しかし、第1の固定手段8,9は、長手側SLにおける収容範囲15において、好ましくはストリップエアレータ1の全長Aにわたって押出成形されているか、クリップ留めされているかなどとなっている(不図示)。
【0041】
両フィルム部分3,4が一部材で、あるいは一体的に製造されていれば、図3に従い、収容範囲15が狭窄箇所16を介して気体を案内するチャンバ5に結合されているように構成されることが可能である。そして、選択された各第1の固定手段8,9、例えば縁強化部10は、ホース状の収容範囲15へ相応に挿入されることができるとともに、狭窄箇所16及び/又は材料結合式の結合によってその中に保持される。本実施形態においても、ストリップエアレータ1を保持するために、選択された各第1の固定手段8,9は、それぞれ割り当てられた固定レール11a,12aにおいて形状結合式に収容されることが可能である。
【0042】
当該実施例においては、保持プレート2aからのストリップエアレータ1のその後の取外しあるいは保持プレート2aへのストリップエアレータ1のその後の取付ひいては交換が、固定レール11a,12aを用いることで容易に可能となる。特に縁強化部10としての第1の固定手段8,9は、長手方向Lへの変位を可能とするために、当該固定手段が適当な遊びをもって各固定レール11a,12aに収容されているように構成されている。
【0043】
基本的には、収容範囲15におけるストリップエアレータ1の両側に第1の固定手段8,9としてそれぞれ固定レール11a,12aを配置することもでき、例えば、成形プロセスにおいて取り付け、接着し、溶接し、押出成形し、フランジ付けするなどすることも可能である。係合式の結合を形成するために、ストリップエアレータ1が長手方向Lにおいて両側の固定レール11a,12aによって縁強化部10へ押し込まれることができるように、例えば縁強化部10の形態の、帯状又は棒状の第2の固定手段11,12が保持プレート2aに固定されている。したがって、固定手段8,9は、図1に示された実施形態に対して、固定手段11,12と交換されている。
【0044】
ストリップエアレータ1は、基本的には、異なるように構成された収容範囲15を介して両側で保持プレート2aにおいて保持されることも可能である。気体を案内するチャンバ5が何らかの態様で収容範囲15とは気密に分離されていれば、収容範囲15は、例えば部分的に保護アイレットを有するか、又は有さない収容孔部17によって貫通されることが可能である。収容孔部17には、第1の固定手段8,9として、例えばフック、リング、バンド、ネジ、くぎ、リベット又はこれらに類するものを差し込み、あるいははめ込むことが可能である。当該構成では収容範囲15が気体を案内するチャンバ5から分離されているため、気体を案内するチャンバ5の気密性がこれにより損なわれない。
【0045】
例えば、リング、バンド又はフック(図4左方参照)は、第1の固定手段8,9として、永続的に、又は取外し可能に収容孔部17へ収容されることができるとともに、任意の態様で保持プレート2aに同様に永続的に、又は取外し可能に固定されることも可能である。さらに、収容範囲15は、第1の固定手段8,9としてのネジ、くぎ又はリベット(図4右方参照)によって貫通されることができ、その結果、その中において、収容孔部17がその後挿入時に初めて形成される。そして、ネジ、くぎ又はリベットは、同様に、保持プレート2aに対応して螺着されているか、あるいは他の方法で収容されている。
【0046】
基本的には、適切に構成された第1の固定手段8,9は、気体を案内するチャンバ5の気密性を損なうことなく、他の方法でストリップエアレータ1の縁部側の収容範囲15に固定されること、例えば外部から挟着され、接着され、又は溶接されることも可能である。
【0047】
保持要素2としての保持プレート2aに代えて、収容範囲15を貫通するか、又は当該収容範囲に他の方法で固定された図5aによるこのような第1の固定手段8,9を、例えば浄水タンクにおいて、弛緩されたバンド又はロープ2bを保持要素2として設けることも可能である。当該バンド又はロープは、平行に延びるバンド又はローブ2bとして、収容範囲において両側で収容され、あるいはこれに固定される第1の固定手段8,9を保持することができ、その結果、気密に結合されたフィルム部分3,4を、その位置において、バンドあるいはロープ2bの間で保持することが可能である。これにより、フィルム部分3,4を支持する中間範囲14がもはや設けられておらず、当該中間範囲は、ストリップエアレータ1の本発明による構造ではいずれにしても不要である。
【0048】
さらに、保持要素2としてのバンドあるいはロープ2bが収容範囲15を通って延び、及び/又は当該収容範囲において摩擦結合式にあるいは嵌合式に及び/又は材料結合式(溶着式)に固定されるように構成されることが可能であり、その結果、ストリップエアレータ1は、ローブ2bにおいて引っ張られることで浄水タンクから取り外され、あるいは当該浄水タンクへ浸漬されることが可能である。この場合、保持要素2にストリップエアレータ1を結合する第1の固定手段8,9は必ずしも必要ではないか、あるいは、このことは、嵌合式及び/又は材料結合式の結合を介して達成される。
【0049】
加えて、統合された固定レール11a,11b(図1参照)を有する平坦な保持プレート2aに代えて、図5bに図示されているように、別々の2つの固定レール11a,11bのみを設けることも可能である。これら固定レールは、例えば浄水タンク又はフレーム構造に固定されることができるとともに、ストリップエアレータ1の保持に寄与する。そして、図1に比して、フィルム部分3,4を支持する中間範囲14がもはや設けられておらず、当該中間範囲は、ストリップエアレータ1の本発明による構造ではいずれにしても不要である。
【0050】
両フィルム部分3,4を完全に気密に閉鎖し、これにより、気体を案内するチャンバ5からの気体の流出を上側のフィルム部分3における開口部6のみを通してもたらすために、フィルム部分3,4は、その端面側SSにおいて同様に互いに気密に結合されている。当該端面側の接続は、長手側SLでの接続と同様に、接着若しくは溶接若しくは射出成形によって行われることができ、及び/又は図6に図示されているように成形プロセスにおいて例えば合成樹脂プレス機若しくはゴムプレス機において取り付けられ得るとともに両フィルム部分3,4を互いの間で気密に包囲する、接続要素としての追加的な閉鎖成形物18を介して行われることが可能である。当該閉鎖成形物18は、同様の作用をもって、2つのブラケットあるいは1つのクランプの接着、レーザ加工、切削加工、溶接又は螺着によって形成されることが可能である。
【0051】
したがって、このようにして、フィルム部分3,4あるいはストリップエアレータ1の1つ又は2つの端面側SSを気密に閉鎖することが可能である。
【0052】
気密なチャンバ5を気体で負荷することができるように、図7によるストリップエアレータ1は、端面側SSのうち1つに、例えば配管21(入口通路)を収容する接続通路20を有する少なくとも1つの貫通開口部19を備えている。このとき、基本的に、接続通路20を有する貫通開口部19は、上側のフィルム部分3に(不図示)、下側のフィルム部分4に(不図示)、又は図7に図示されているように端面側に設けられることができる。気密な結合部を形成しつつ配管21を直接フィルム部分3,4へ接着し、溶接し、挟着するなどするように構成することも可能である。したがって、入口通路としての配管21は、接続通路20にとって代わる。
【0053】
端面側の接続通路20を形成するために、例えば、側方で気密に接続され、端面側で(一方側で、又は両側で)まだ開放されているフィルム部分3,4を合成樹脂プレス機又はゴムプレス機へ入れるとともに、拡大する開口部22を、コアを有する成形工具を介して、成形プロセスにおいて、端面側で貫通開口部19を備えたフィルム部分3,4へ取り付けるように構成することが可能である。成形プロセスにおいて取り付けられる接続通路20の材料は、好ましくはフィルム部分3,4の材料と同一又は同等の材料であるが、他の材料で構成することも可能である。つづいて、配管21は、接続通路20へ差し込まれ、例えばクランプ23を用いて固定されることができ、その結果、入口通路としての配管21を介して気体供給を行うことが可能である。
【0054】
このような端面側の接続通路20は、例えばこのような複数のストリップエアレータ1から成る通気装置チェーンを形成することができるように、フィルム部分3,4の両端面側SSに設けられることも可能である。しかし、通気装置チェーンを構成するために、端面側の接続通路20も、上側及び/又は下側のフィルム部分3,4における接続通路20と組み合わされることが可能である。
【0055】
これに代えて、又はこれに加えて、より大きな面の通気のために、2つのフィルム部分3,4の間に複数の気体を案内する部分チャンバ5aを形成することが可能である。このことは、図8によれば、例えば、フィルム部分3,4の間に形成された気体を案内するチャンバ5が長手方向L及び/又は横方向Qに延びる中間結合部24によって分割されることで達成されることが可能である。これにより形成される複数の部分チャンバ5aは、別々の接続通路20を介して、及び/又は個々の部分チャンバ5a間に貫通通路25が形成されるように中間結合部24に部分的に凹部が設けられることによって、外部から気体で負荷されることが可能である。この場合、全ての部分チャンバ5aは、1つの接続通路20のみを介して、又は分割されたストリップエアレータ1の面に応じて別の接続通路20も介して、気体で負荷されることが可能である。
【0056】
これにより、本発明によれば、
-気体を案内するチャンバ5又は部分チャンバ5aを形成する、互いに気密に結合された少なくとも2つのフィルム部分3,4と、
-1つ又は複数の保持要素2にストリップエアレータ1を結合する側方の収容範囲15と、
-少なくとも1つの接続通路20と
を備えたストリップエアレータ1が提供される。
【0057】
これにより、気体を案内するチャンバ5又は部分チャンバ5a自体には、本体部あるいは支持体あるいは支持壁部は設けられていない。図1による構成での中間範囲14は、保持プレート2aの平坦な形状のみによるものであり、ストリップエアレータ1の機能は、保持プレート2aの支持作用及び他のいかなる支持体とは完全に無関係である。したがって、ストリップエアレータ1は、支持システムなしに平坦かつ低揚力に(ひいては効率を最適化して)構成されることが可能である。取り外されたストリップエアレータ1は、長手方向Lにおけるその弾性的な可撓性により、省スペースに巻き取られることができ、ひいてはより容易に搬送及び保管されることが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1 ストリップエアレータ
2 保持要素
2a 保持プレート
2b ロープ/バンド
3 上側のフィルム部分
4 下側のフィルム部分
5 気体を案内するチャンバ
5a 気体を案内する部分チャンバ
6 開口部
7 結合範囲
8,9 第1の固定手段
10 縁強化部
11,12 第2の固定手段
11a,12a 固定レール
13 縁強化部成形物
14 中間範囲
15 収容範囲
16 狭窄箇所
17 収容孔部
18 閉鎖成形物
19 貫通開口部
20 接続通路
21 配管(入口通路)
22 拡大する開口部
23 クランプ
24 中間結合部
25 貫通通路
100 通気装置
A ストリップエアレータ1の長さ
SA レール間隔
B ストリップエアレータ1の幅
L 長手方向
SL 長手側
SS 端面側
U 周囲
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
【国際調査報告】