(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】回転可能な医療デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 1/00 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
A61B1/00 714
A61B1/00 711
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541930
(86)(22)【出願日】2020-12-30
(85)【翻訳文提出日】2022-08-30
(86)【国際出願番号】 US2020067407
(87)【国際公開番号】W WO2021141808
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】グエン、マン ミン
(72)【発明者】
【氏名】ブレッチビール、スコット イー.
(72)【発明者】
【氏名】ワイルダー、エバン
(72)【発明者】
【氏名】ウェルドン、ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】パウエル、ショーン
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161AA01
4C161AA04
4C161BB00
4C161CC06
4C161DD03
4C161FF11
4C161FF30
4C161PP09
4C161RR18
(57)【要約】
医療デバイスおよび関連する方法が説明される。医療デバイスは、シャフトと、シャフトの近位部分を収容するハンドルと、第1の構成および第2の構成を有するロックとを含み得る。ロックの第1の構成において、シャフトは、ハンドルに対してシャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり得、ロックの第2の構成において、シャフトは、ハンドルに対して固定され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
前記シャフトの近位部分を収容するハンドルと、
第1の構成および第2の構成を有するロックと
を備え、
前記ロックの前記第1の構成において、前記シャフトは、前記ハンドルに対して前記シャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、前記ロックの前記第2の構成において、前記シャフトは、前記ハンドルに対して固定されている、医療デバイス。
【請求項2】
前記ロックは、カラーと複数のデフレクタとを含み、
前記複数のデフレクタは、前記シャフトの近位部分を囲み、
前記カラーは、前記複数のデフレクタと前記シャフトの前記近位部分とを囲み、
1つの方向における前記カラーの回転は、前記ロックを前記第1の構成にし、反対方向における前記カラーの回転は、前記ロックを前記第2の構成にする、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項3】
前記第1の構成において、前記カラーは、前記複数のデフレクタから離間されて、前記カラーと前記シャフトとの間での前記複数のデフレクタの半径方向の移動を可能にし、
前記第2の構成において、前記カラーは、前記シャフトに対して前記複数のデフレクタを押しつけ、その結果、前記シャフトは、前記ハンドルに対して固定して保持される、請求項2に記載の医療デバイス。
【請求項4】
前記ロックは、前記ハンドルの外部のレバーと、前記レバーの遠位端を前記ハンドルに対して結合するばねと、前記レバーの近位端に対して接続されるタブと、前記レバーが枢動する中心となる枢動点とを含み、前記タブは、前記ハンドル内に部分的に収容され、前記シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように位置決めされる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項5】
前記ロックは、前記第2の構成へとデフォルト化され、
前記ロックは、前記レバーの前記遠位端の押下によって前記第1の構成にされ、それによって、前記ばねを圧縮し、前記レバーの前記近位端と前記タブとの両方を前記ハンドルから遠くへ枢動させ、その結果、前記タブは、前記複数のノッチのうちの1つと係合解除する、請求項4に記載の医療デバイス。
【請求項6】
前記ロックは、
ピンと、
スピンドル・ハウジング内に収容されるスピンドルであって、前記スピンドルは、ばね式であり、前記スピンドルと前記スピンドル・ハウジングとの両方は、前記ハンドル内に収容される、スピンドルと
を含み、
前記ピンは、前記ピンの押下を介して前記ピンが前進または後退させられるにつれて、前記スピンドルに係合するように、または前記スピンドルと係合解除するように位置決めされ、
前記スピンドルは、前記スピンドルが前記ピンとの係合または係合解除を介してそれぞれ半径方向に前進または後退させられた場合、前記シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように、または前記複数のノッチのうちの1つと係合解除するように位置決めされる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項7】
前記ロックは、前記ピンの前記押下を介して前記第1の構成と前記第2の構成との間で入れ替わり、
前記第1の構成において、前記スピンドルは、前記複数のノッチのうちの1つに係合され、前記第2の構成において、前記スピンドルは、前記複数のノッチのうちの前記1つと係合解除される、請求項6に記載の医療デバイス。
【請求項8】
前記ロックは、
前記シャフトの一部を囲むカラーを含み、前記カラーは、第1のフランジと、第2のフランジと、前記第1のフランジと前記第2のフランジとの両方を通じて駆動されるピンとを含み、
前記ピンの一方の端部は、前記ピンに対して回転するように構成されたロック・ハンドルに対して結合され、前記ピンの他方の端部は、前記ピンが前記第1のフランジと前記第2のフランジとの両方の外へ摺動することを防止するように構成された停止部に対して結合される、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項9】
前記ロックは、前記ロック・ハンドルを枢動させることを介して前記第1の構成と前記第2の構成との間で入れ替わり、
前記第1の構成において、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジは、ギャップによって離間され、前記第2の構成において、前記第1のフランジおよび前記第2のフランジは、接触する、請求項8に記載の医療デバイス。
【請求項10】
前記ロックは、ベアリングに対して結合される少なくとも1つのばねを含み、前記ばねの一方の端部は、前記ハンドルの内壁に対して結合され、前記ばねの他方の端部は、前記ベアリングに対して結合され、前記ベアリングは、ばね力を介して、前記シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように位置決めされる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項11】
前記シャフトは、前記複数のノッチのうちの1つに対して、前記ベアリングを押す前記ばね力よりも大きいねじり力を加えることによって、前記第2の構成から回転される、請求項10に記載の医療デバイス。
【請求項12】
モータと、前記モータに対して結合されるカムと、前記モータをオン/オフにするように構成されたスイッチとをさらに備え、前記モータによる前記カムの回転は、前記カムを、前記シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合させる、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項13】
前記シャフトと共に回転するように構成されたハウジングをさらに備え、前記ハウジングは、前記シャフトの近位部分を収容し、前記ハンドルに隣接し、前記ハウジングは、前記ロックに係合するように構成された戻り止めを含む、請求項1に記載の医療デバイス。
【請求項14】
前記ロックは、前記シャフトの近位部分を包含するリングを含む、請求項13に記載の医療デバイス。
【請求項15】
前記ロックは、抵抗要素とカラーとを含み、
前記抵抗要素は、環状であり、前記ハンドルの遠位部分に対して結合され、前記抵抗要素は、デフォルト状態と緩められた状態とを有し、
前記カラーは、前記シャフトの近位部分に対して結合され、前記抵抗要素は、前記カラーに係合するように構成され、
前記デフォルト状態において、前記抵抗要素は、前記ロックを前記第2の構成において維持し、前記緩められた状態において、前記抵抗要素は、前記ロックを前記第1の構成にする、請求項1に記載の医療デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に、ハンドルに対して回転するシャフトを有する医療デバイスに関する。より詳細には、本開示の少なくともいくつかの実施形態は、ロック機構を有する医療デバイスに関し、ロック機構は、医療デバイス・シャフトの回転を可能にするためにアンロックされ、またはシャフトが固定されるようにロックされ得る。
【背景技術】
【0002】
一定の医療処置において、医師および/または技師は、十二指腸鏡(または他のスコープまたは医療デバイス)および他の医療補助デバイスを制御する必要がある。医師の位置に対する患者の位置に依存して、デバイスを制御する医師は、医療デバイスが意図された標的部位に面するように調整され、位置決めされるように、医師自身の手首および/または身体をねじるおよび/またはひねる必要があることがある。結果として、医師は、医師自身の手、手首、および背中に対するエルゴノミック損傷を被るリスクが高くなり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
一例によれば、医療デバイスは、シャフトと、シャフトの近位部分を収容するハンドルと、第1の構成および第2の構成を有するロックとを備え得、ロックの第1の構成において、シャフトは、ハンドルに対してシャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、ロックの第2の構成において、シャフトは、ハンドルに対して固定されている。
【0004】
一例において、ロックは、カラーと複数のデフレクタとをさらに含んでもよく、複数のデフレクタは、シャフトの近位部分を囲み、カラーは、複数のデフレクタとシャフトの近位部分とを囲み、1つの方向におけるカラーの回転は、ロックを第1の構成にし、反対方向におけるカラーの回転は、ロックを第2の構成にする。第1の構成において、カラーは、複数のデフレクタから離間され、カラーとシャフトとの間での複数のデフレクタの半径方向の移動を可能にし得、第2の構成において、カラーは、複数のデフレクタをシャフトに押しつけ、その結果、シャフトがハンドルに対して固定して保持される。
【0005】
別の例において、ロックは、ハンドルの外部のレバーと、レバーの遠位端をハンドルに対して結合するばねと、レバーの近位端に対して接続されるタブと、レバーが枢動する中心となる枢動点とを含み、タブは、ハンドル内に部分的に収容され、シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように位置決めされる。ロックは、第2の構成へとデフォルト化され得、ロックは、レバーの遠位端の押下によって第1の構成にされ得、それによって、ばねを圧縮し、レバーの近位端とタブとの両方をハンドルから遠くへ枢動させ、その結果、タブは、複数のノッチのうちの1つと係合解除する。
【0006】
別の例において、ロックは、ピンと、スピンドル・ハウジング内に収容されるスピンドルであって、スピンドルは、ばね式であり、スピンドルとスピンドル・ハウジングとの両方は、ハンドル内に収容される、スピンドルとを含み得、ピンは、ピンの押下を介してピンが前進または後退させられるにつれて、スピンドルに係合するように、またはスピンドルと係合解除するように位置決めされ、スピンドルは、スピンドルがピンとの係合または係合解除を介してそれぞれ半径方向に前進または後退させられた場合、シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように、または複数のノッチのうちの1つと係合解除するように位置決めされる。ロックは、ピンの押下を介して第1の構成と第2の構成との間で入れ替わり得る。第1の構成において、スピンドルは、複数のノッチのうちの1つに係合され得、第2の構成において、スピンドルは、複数のノッチのうちのその1つと係合解除され得る。
【0007】
別の例において、ロックは、シャフトの一部を囲むカラーを含み得、カラーは、第1のフランジと、第2のフランジと、第1のフランジと第2のフランジとの両方を通じて駆動されるピンとを含み、ピンの一方の端部は、ピンに対して回転するように構成されたロック・ハンドルに対して結合され、ピンの他方の端部は、ピンが第1のフランジと第2のフランジとの両方の外へ摺動することを防止するように構成された停止部に対して結合される。ロックは、ロック・ハンドルを枢動させることを介して第1の構成と第2の構成との間で入れ替わり得る。第1の構成において、第1のフランジおよび第2のフランジは、ギャップによって離間され得、第2の構成において、第1のフランジおよび第2のフランジは、接触し得る。
【0008】
別の例によれば、ロックは、ベアリングに対して結合される少なくとも1つのばねを含み得、ばねの一方の端部は、ハンドルの内壁に対して結合され、ばねの他方の端部は、ベアリングに対して結合され、ベアリングは、ばね力を介して、シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合するように位置決めされる。シャフトは、複数のノッチのうちの1つに対して、ベアリングを押すばね力よりも大きいねじり力を加えることによって、第2の構成から回転され得る。
【0009】
別の例において、医療デバイスは、モータと、モータに対して結合されるカムと、モータをオン/オフにするように構成されたスイッチとをさらに備え得、モータによるカムの回転は、カムを、シャフトの周囲に配置された複数のノッチのうちの1つに係合させる。
【0010】
別の例において、医療デバイスは、シャフトと共に回転するように構成されたハウジングをさらに備え得、ハウジングは、シャフトの近位部分を収容し、ハンドルに隣接し、ハウジングは、ロックに係合するように構成された戻り止めを含む。ロックは、シャフトの近位部分を包含するリングを含み得る。リングは、複数のスロットを含み得、複数のスロットの各々は、戻り止めの一部を受け入れるように構成され、それによって、スロットに戻り止めを固定する。
【0011】
別の例によれば、医療デバイスは、遠位に面する表面および近位に面する表面を含むシャフトと、遠位に面する表面および近位に面する表面を含むハンドルと、シャフトの近位に面する表面とハンドルの遠位に面する表面との間に位置決めされたばねとを備え得、ばねの圧縮された構成において、シャフトは、ハンドルに対してシャフトの長手方向軸を中心に回転可能であり、ばねの伸長された構成において、シャフトは、ハンドルに対して固定される。ばねの圧縮された構成において、シャフトは、ハンドルに対して遠位に引っ張られ得る。ハンドルの遠位に面する表面は、ハンドルに対して半径方向外側へ突き出るフランジであり得、ハンドルの遠位に面する表面は、ばねの伸長された構成において、シャフトの近位に面する表面に対して当接し得る。
【0012】
別の例によれば、医療デバイスのシャフトを位置決めする方法は、医療デバイスのシャフトの遠位端を被験者の身体内へ挿入する工程と、挿入工程の後に、シャフトからハンドルをアンロックする工程と、ハンドルに対してシャフトの長手方向軸を中心にシャフトを回転させる工程と、シャフトに対してハンドルをロックする工程とを備え得る。本方法は、シャフトに対してハンドルの長手方向軸を中心にハンドルを回転させる工程をさらに備え得る。
【0013】
本明細書に援用され、本明細書の一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を例証し、説明と共に、開示されている実施形態の原理を解説する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1B】一実施形態による、
図1Aの医療デバイスの一部の斜視図。
【
図2】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図3A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図4A】他の実施形態による医療デバイスの一部の断面図。
【
図4B】他の実施形態による医療デバイスの一部の断面図。
【
図4C】他の実施形態による医療デバイスの一部の断面図。
【
図4D】他の実施形態による医療デバイスの一部の断面図。
【
図4E】一実施形態による、長手方向のロックの一例を含む医療デバイスの一部の側面図。
【
図4F】一実施形態による、長手方向のロックの一例を含む医療デバイスの一部の側面図。
【
図5A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図6A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図6C】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図7A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図8A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図9A】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図9B】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【
図10】別の実施形態による医療デバイスの一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、本開示の態様に対する参照が詳細に行われ、本開示の態様の例は、添付の図面において例証されている。可能な限り、同じまたは同様の参照番号が、同じまたは同様の部分を参照するために、図面を通じて使用されるであろう。「遠位」という用語は、デバイスを被験者(例えば、患者)内へ導入する場合にユーザから最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、デバイスを被験者内へ設置する場合にユーザに対して最も近い部分を指す。
【0016】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明との両方は、例示および解説にすぎず、特許請求されるような特徴を制限するものではない。本明細書において、「備え」、「備える」、「有する」、「含む」という用語、またはこれらの他のバリエーションは、要素のリストを備えるプロセス、方法、物品、または装置が、それらの要素のみを含むのではなく、明示的にリストされていない、またはそのようなプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の、他の要素を含み得るように、非排他的包含を網羅するように意図されている。本開示において、相対的な用語、例えば、「約」、「実質的に」、「一般に」、および「およそ」等は、記載された値または特性における±10%の取り得るバリエーションを示すために使用される。
【0017】
本開示は、本技術分野における限界のうちの1つまたは複数を解決し得る。しかしながら、本開示の範囲は、特定の問題を解決するための能力ではなく、添付の特許請求の範囲によって定義される。本開示は、回転可能であり得るシャフトを含む医療デバイス、例えば、十二指腸鏡に対して向けられる。実施形態において、そのような医療デバイスのシャフトは、医療デバイスのハンドルに対して回転する。そのような回転は、医療デバイスに含まれるロックの様々な構成に依存し得る。例えば、そのようなロックは、シャフトが医療デバイス(ハンドルを含む)の他の部分に対して自由に回転可能であり得る構成と、シャフトが固定されたままであり、それらの他の部分に対して回転可能ではない別の構成とを含み得る。そのような医療デバイスは、例えば、手で、機械的に、電気的に等、任意の適切な手法で、処置中にシャフトを回転させるオプションと、シャフトをデバイスの残りの部分に対してシャフトの現在の回転位置において固定された状態に維持するオプションとを、ユーザに対して提供し得る。したがって、デバイスのユーザは、前記ユーザに対する患者の位置にかかわらず、ユーザの手首または身体の他の部分をひねるおよびねじる必要なしに、シャフトの回転を介して、意図された標的部位に対して快適にアクセスすること、および意図された標的部位を快適に見ることができる。
【0018】
図1Aは、本開示の一実施形態による例示的な医療デバイス1aの概略図を示す。医療デバイス1aは、図示されるような十二指腸鏡、または任意の他の同様な医療デバイス、例えば、内視鏡、大腸内視鏡、尿管内視鏡、気管支内視鏡等、またはシャフトとハンドルとを有する他の医療デバイスであってもよい。医療デバイス1aは、ハンドル11と、ハンドル11の遠位端に対して結合されたシャフト12とを含み得る。医療デバイス1aのハンドル11は、シャフト12の内腔と連通する、1つまたは複数の内腔(図示せず)を有し得る。ハンドル11は、アクチュエーション機構114と、ハンドル11の1つまたは複数の内腔内に開口する少なくとも1つのポート116とをさらに含む。少なくとも1つのポート116は、1つまたは複数の器具(図示せず)、例えば、医療システムの任意の適切な医療器具等を、少なくとも1つのポート116を通して受け入れるためのサイズおよび形状にされている。例えば、医療器具は、ガイドワイヤ、切開鉗子もしくは把持鉗子、生検デバイス、スネア・ループ、注射針、切刃、はさみ、折り畳み可能なバスケット、取り出しデバイス、アブレーション・カテーテルおよび/もしくは電気生理検査用カテーテル、ステント留置デバイス、外科用ステープリング・デバイス、バルーン付きカテーテル、レーザ発光デバイス、ならびに/または、任意の他の適切な器具を含んでもよいが、これらに限定されない。
【0019】
ハンドル11は、ハンドル11の残りの部分およびシャフト12に対して回転可能であり得るロック15aをさらに含み、ロック15aの回転は、ハンドル11に対するシャフト12の回転およびその逆も可能にし得る。回転可能なロック15a、およびハンドル11に関するその関係は、下記でさらに詳細に説明される。
【0020】
医療デバイス11のシャフト12は、シャフト12が患者の蛇行した組織内へ、および/または患者の蛇行した組織を通って標的治療部位へ挿入される場合に、選択的に曲がり、回転し、および/またはねじれるように構成されるように、十分に柔軟な管を含み得る。治療部位は、例えば任意の消化管内腔(食道、胃、小腸および大腸)を含む、体管腔を含み得る。シャフト12は、例えば、器具を受け入れるための作動内腔を含む、シャフト12を通って延在する1つまたは複数の内腔(図示せず)を有し得る。他の実施形態において、シャフト12は、付加的な内腔、例えば、1つもしくは複数の制御ワイヤを受け入れるための制御ワイヤ内腔、流体を供給するための流体内腔、照明アセンブリ(図示せず)の少なくとも一部を受け入れるための照明内腔、および/または撮像アセンブリ(図示せず)の少なくとも一部を受け入れるための撮像内腔等を含んでもよい。
【0021】
図1Aをまた参照すると、医療デバイス1aのアクチュエーション機構114は、ハンドル11に位置決めされ、1つまたは複数のノブ、ボタン、レバー、スイッチ、および/または他の適切なアクチュエータを含んでもよい。アクチュエーション機構114は、シャフト12のたわみ(1つもしくは複数の第1の制御ワイヤの作動を介した、シャフト12の遠位端における関節継手のたわみを含む)、(例えば遠位先端における昇降機のための)第2の制御ワイヤの作動、流体もしくは他の材料の供給もしくは除去、照明の発光、および/または様々な撮像機能のうちの少なくとも1つを制御するように構成される。デバイス1aの遠位先端124は、照明(例えばLED)および撮像(例えばカメラ)のための装置、遠位先端を出る器具を誘導するための昇降機、ならびに、洗浄および吸引のための開口を含み得る。コネクタ/コード118は、遠位先端における様々な機能を制御するためのプロセッサおよびメモリを含み得るコントローラに対して接続される。本開示の実施形態による医療デバイス1aは、上述した構造および機能性よりも多くのまたは少ない構造および機能性を含んでもよい。
【0022】
図1B~
図1Dは、医療デバイス1aの一部の一実施形態をさらに詳細に例証する。図示されるように、ハンドル11は、シャフト12の近位部分を収容する。ハンドル11は、第1の構成と第2の構成とを有するロック15aを含む。ロック15aの第1の構成において、シャフト12は、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転可能である。ロック15aの第2の構成において、シャフト12は、ハンドル11に対して固定される。
【0023】
シャフト12、特にその近位部分は、近位フランジ14と遠位フランジ13とを含む。
図1B~
図1Dに示されるように、近位フランジ14は、円形であり(上面図を示す
図1C~
図1Dを参照)、シャフト12の最近位端に位置する。代替的に、シャフト12は、近位フランジ14を越えて、さらに近位へ延在してもよい。遠位フランジ13は、近位フランジ13から適切な距離だけ遠位に離間される。いくつかの実施形態において、遠位フランジ13も、円形の断面形状を有する。いくつかの実施形態において、遠位フランジ13および近位フランジ14の直径は同じである。遠位フランジ13と近位フランジ14との間には、遠位フランジ13および近位フランジ14よりも小さな直径を有するシャフト12の一部がある。遠位フランジ13から遠位のシャフト12の一部は、遠位フランジ13の直径よりも小さな直径を有し、遠位フランジ13と近位フランジ14との間のシャフト12の一部と同じ直径であってもよい。他の実施形態において、遠位フランジ13および近位フランジ14は、他の適切な形状および直径を有してもよい。
【0024】
ハンドル11は、近位部分11aと遠位部分11bとを有する。近位部分11aおよび遠位部分11bは、(ロック15aによって占有される)空間によって長手方向に分離された個々の構成要素であり得る。遠位部分11bは、シャフト12の近位部分を収容する。特に、遠位部分11bは、シャフト12の前記近位部分を包含する内腔を画定する内壁11b1を含み、その結果、前記近位シャフト12の最小限の半径方向および長手方向の移動が可能になる。内壁11b1によって画定された内腔は、より小さな直径を有する、シャフト12の一部と、遠位フランジ13を包含する、内壁11b1によって画定された溝11b2とを包含する。内壁11b1および溝11b2がシャフト12を包含する結果、シャフト12は、開口を介して遠位部分11bから離れることを抑制され、この開口から、シャフト12の残りの部分がハンドル11を出ている。しかしながら、内壁11b1および溝11b2は、前記シャフト12の最小限の半径方向の移動および回転を可能にするために、シャフト12からの十分なクリアランスを残すので、シャフト12は、遠位部分11b内で回転可能であり得る。ハンドル11は、本明細書において説明される同じ機構を介して、シャフト12に対して回転可能であり得ることも留意されたい。
【0025】
近位部分11aおよび遠位部分11bは、内部デフレクタ15a1によって、それらの間の空間内で共に接続される。デフレクタ15a1は、近位部分11aから遠位部分11bへ長手方向に延在する。
図1C~
図1Dに示されるように、各デフレクタ15a1は、三角形の断面形状を有し得る。
図1C~
図1Dは、近位フランジ14の円周に均一に離間された4つのデフレクタを示す。しかしながら、デフレクタ15a1の数は特に限定されず、他の医療デバイス実施形態において、より多くのまたは少ないデフレクタ15a1があってもよい。さらに、デフレクタ15a1の形状および間隔/分散は特に限定されず、デフレクタ15a1は、任意の適切な形状および/または分散であってよい。デフレクタ15a1は、長手方向に剛性を有し、半径方向外側および半径方向内側に柔軟である。各デフレクタ15a1は、近位接続点11c1および11c2において近位部分11aに対して、および遠位接続点11c3および11c4において遠位部分11bに対して接続される。
【0026】
前述したように、ハンドル11は、ロック15aを含む。ロック15aは、カラー15a2と、先述のデフレクタ15a1とを含む。カラー15a2は、ハンドル11の近位部分11aと遠位部分11bとの間の空間に存在する。カラー15a2は、その中に開口を有する、環状の形状である。さらに、カラー15a2は、円形の外部形状を有するが、これに限定されない。近位部分11aの底端は、カラー15a2の隣接面、すなわち、上面と同じ直径であってもよく、同様に、遠位部分11bの上端は、カラー15a2の隣接面、すなわち、底面と同じ直径であってもよい。したがって、遠位部分11b、カラー15a2、および近位部分11aは、それらの半径方向外面が互いに面一であるようなサイズにされ得る。カラー15a2は、近位部分11aおよび遠位部分11bに対してハンドル11の長手方向軸を中心に回転する。カラー15a2は、任意の適切な剛性材料で作製され得る。
【0027】
カラー15a2は、カラー15a2の内側円周面からハンドル11の長手方向軸の方へ半径方向内側に突出する突出部15a3を含む。
図1C~
図1Dに示されるように、各突出部15a3は、三角形の断面形状を有し得る。
図1C~
図1Dは、カラー15a2の内側円周面の周りに均一に離間された4つの突出部を示す。しかしながら、カラー15a2は、より多くのまたはより少ない突出部15a3を含んでもよいので、突出部15a3の数は特に限定されない。さらに、突出部15a3は、所望に応じてランダムに離間されてもよい。突出部15a3の形状に関して、突出部15a3は、デフレクタ15a1と係合するように構成された任意の形状とし得る。例えば、
図1C~
図1Dは、カラー15a2の回転方向にかかわらず、デフレクタ15a1の表面に対して補完的な表面を有する突出部15a3を示している。
【0028】
突出部15a3の数は、デフレクタ15a1の数に対応してもよく、そのような数は、カラー15a2が回転され得る回転角度を決め得る。例えば、
図1C~
図1Dに示されるように、4つの突出部15a3および4つの内側デフレクタ15a1がある。突出部15a3と内側デフレクタ15a1との両方が、近位フランジ14の円周に均一に配置されるので、カラー15a2は、ロック15aを緩めるためにまたは締め付けるために、時計回りにまたは反時計回りに90°度回転可能であり得る。他の実施形態において、ロック15aは、近位フランジ14の周りに均一に分散された、6つの突出部15a3と6つの内側デフレクタ15a1とを含んでもよい。そのような実施形態において、カラー15a2は、ロック15aを緩めるためにまたは締め付けるために、時計回りにまたは反時計回りに60°度回転可能であり得る。したがって、任意の適切な数の突出部15a3および内側デフレクタ15a2があってもよく、本開示は先述の例に限定されない。
【0029】
図1Cは、緩められた状態/構成における、近位フランジ14およびロック15aの上部断面図を示す。この緩められた構成において、カラー15a2は、デフレクタ15a1および近位フランジ14に対して緩められた位置にある。具体的には、カラー15a2およびその突出部15a3は、内側デフレクタ15a1から間隔を空けられ、または係合解除され、それによって、内側デフレクタ15a1がハンドル11内でその自然な、付勢されていない状態を保持することを可能にする。この構成において、突出部15a3によってデフレクタ15a1に対して力は印加されておらず、シャフト12は、この緩められた構成において、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転可能である。ハンドル11も、シャフト12およびカラー15a2に対してハンドル11の長手方向軸を中心に回転可能であり得る。
【0030】
突出部15a3は、カラー15a2の反時計回りが突出部15a3の補完的な表面とデフレクタ15a1との間の係合を引き起こすように、デフレクタ15a1に対して位置決めされる。そのような係合は、突出部15a3によってデフレクタ15a1上へ適用される半径方向内側への力成分に起因して、デフレクタ15a1を近位フランジ14の方へ半径方向内側に曲げさせることになる。
【0031】
対照的に、
図1Dは、締め付けられた状態/構成における、近位フランジ14およびロック15aの上部断面図を示す。この構成において、カラー15a2は、反時計回りの方向に回転させられており、その結果、突出部15a3は、デフレクタ15a1と係合し、デフレクタ15a1に対して力を印加する。前記力に起因して、デフレクタ15a1は、ハンドルおよびシャフトの長手方向軸の方へ半径方向内側へ押され/曲げられ、その結果、デフレクタ15a1は、今度は、近位シャフト・フランジ14に対して押しつけられる。デフレクタ15a1と近位シャフト・フランジ14とのそのような係合は、シャフト12をハンドル11に対して固定するための十分な摩擦力を提供し得る。前記摩擦力は、シャフト12の典型的な手続き的な移動および調整に耐え、その回転を防止し得る。いくつかの実施形態において、突出部15a3、デフレクタ15a1、および/または近位フランジ14は、摩擦を提供し得、例えば、任意の適切な摩擦材料であってもよく、または摩擦を強化するために粗くされた表面を有する材料を備えてもよく、その結果、それらのそれぞれの係合に由来する摩擦力は、ロック15が緩められるまで、係合を維持するのに役立つ。他の実施形態において、下記でさらに詳細に説明される付加的なロックのいずれかが、シャフト12のさらなる回転をさらに抑制するために、医療デバイス1aに対して適用され得る。ロック15aを締め付けられた構成から、説明された緩められた構成へと戻すために、カラー15a2は、反対方向、例えば、時計回りの方向に回転され得る。したがって、医療デバイス1aのロック15aは、緩められた構成と締め付けられた構成とを含み得る。
【0032】
図1A~
図1Cを参照して、どのように医療デバイス1aが使用され得るかの一例が、下記でさらに論じられる。医療デバイス1aのシャフト12の遠位端は、意図された標的部位に隣接する、被験者の身体内へ供給され得る。任意の適切な画像処理デバイスを介した、医療デバイス1aに関連付けられた撮像は、シャフト12の遠位端の位置決めを支援し得る。医療デバイス1aおよび/または医療デバイス1aのユーザに対する、被験者および/または意図された標的部位の位置に依存して、ユーザは、ハンドル11に対してシャフト12を回転させることを選び得る。ロック15aが、前述した締め付けられた構成にある場合、ユーザは、カラー15a2を時計回りの方向に回転させることによって、カラー15a2を緩め得る。そのような回転は、カラー15a2の突出部15a3を内側デフレクタ15a1と係合解除して、または分離して、ロック15aを緩められた構成にする。ロック15aが緩められた構成にある場合、ユーザは、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心にシャフト12を回転させ得、その結果、シャフト12は、意図された標的部位に対して、および/またはユーザがエルゴノミックな位置にいることを可能にするように、より良く位置決めされる。代替的に、ユーザは、よりエルゴノミックな位置におけるハンドル11のユーザによるハンドリングを可能にするために、または様々な他の理由のために、シャフト12に対してハンドル11を回転させ得る。ユーザは、シャフト12またはハンドル11を、他方に対して、任意の選択された度数または所定の度数、回転させ得る。次いで、ユーザは、カラー15a2を反時計回りの方向に回転させることによって、ロック15を締め付けられた構成にし得る。そのような回転は、突出部15a3をデフレクタ15a1に対して係合させ、押しつけ、その結果、デフレクタ15a1は、近位フランジ14の方へ半径方向内側に曲がる。ユーザは、カラー15a2の回転がもはや可能ではなくなり、デフレクタ15a1が近位フランジ14に対して押しつけられるまで、カラー15a2をその回転を介して締め付け続け得る。カラー15a2が時計回りの方向または反時計回りの方向に回転される手法は、特に限定されない。上述したように、いくつかの他の実施形態において、ユーザは、別の適切なロックを作動させて、シャフト12がハンドル11に対して固定されることを確実にし得る。
【0033】
図2に示されるような医療デバイス1bは、デバイス1aと多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。デバイス1aとデバイス1bとの間の相違点は、下記で説明されることになる。デバイス1bにおいて、近位フランジ14’は、近位シャフト・フランジ14’の外面を中心に円周方向に配置された複数のノッチ24を含む。ノッチ24は、近位シャフト・フランジ14’の外側円周面上に分散された凹部であり得る。ノッチ24は、説明されるロック15bを十分に捕捉するための、または説明されるロック15bに係合するための、適切な奥行きであり得る。ノッチ24の数は、特に限定されなくてもよいが、ノッチの数は、シャフト12が適所にロックされ得る回転位置/度数の数に対応することに留意されたい。
【0034】
ロック15bは、レバー15b1と、ばね15b2と、タブ15b3と、枢動部15b4とを含む。レバー15b1は、ユーザによる押下に適している限り、その形状および構造において特に限定されない。レバー15b1は、ハンドル11の外部に位置決めされる。ばね15b2は、レバー15b1の遠位端をハンドル11の外面に対して結合する。ばね15b2は、医療デバイス1bの典型的な処置中の操作に耐えるための十分なばね力を有し得るが、レバー15b1に対してユーザによって印加される力を介した圧縮も可能にし得る。タブ15b3は、ハンドル11に面するレバー15b1の近位部分に対して接続され、ハンドル11における任意の適切な開口を介して、ハンドル11に部分的に入ったり、またはハンドル11から部分的に出たりし得る。タブ15b3は、ハンドル11に入って、またはハンドル11から出て、ノッチ24のうちの1つと係合し、または係合解除し得る。タブ15b3は、ノッチ24のうちの1つに係合し得る、またはノッチ24のうちの1つを捕捉し得る、任意の適切な形状またはサイズとし得ることに留意されたい。枢動部15b4は、タブ15b3の下のレバー15b1の一部をハンドル11の外面に対して結合する。したがって、枢動部15b4は、ばね15b2の圧縮または伸長を介して、レバー15b1がタブ15b3と共に、枢動部15b4を中心に枢動することを可能にする。
【0035】
ロック15bのデフォルト位置において、ばね15b2は、完全な伸長状態にあり、それによって、レバー15b1の遠位端を枢動部15b4を介して外側へ押す。この枢動された位置において、タブ15b3は、ノッチ24のうちの1つに係合する。係合は、内側へ突出するタブ15b3がノッチ24のうちの1つの凹部に捕捉されることを含み得る。そのような係合に起因して、シャフト12は、ハンドル11に対して固定されたままとなり、このロックされた構成において回転を抑制される。
【0036】
図2に示される方向矢印によって示されるように、十分な力を有するレバー15b1の遠位端の押下は、ばね15b2を圧縮し、レバー15b1の近位端とタブ15b3との両方をハンドル11から遠ざけて枢動させる。レバー15b1の遠位端を押下するための力は、任意の適切な手段によって、例えば、手によって、機械的に、または電気的に、加えられ得る。これは、タブ15b3をノッチ24のうちの1つと係合解除させる。係合解除中に、レバー15b1が解放され、ロック15bがそのデフォルトのロックされた構成に戻されるまで、シャフト12は、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転可能であり得る。ハンドル11も、係合解除中にシャフト12に対してハンドル11の長手方向軸を中心に回転可能であり得る。ロックされた構成は、タブ15b3がノッチ24のうちの1つに係合することを必要とするので、シャフト12は、ノッチ24とタブ15b3とがアラインする複数の回転角度/位置においてのみ回転可能であり、ロック可能であり得る。
【0037】
医療デバイス1bは、カラーを締め付けることまたは緩めることとは対照的に、ユーザがハンドル11に対するシャフト12の回転をアンロックまたはロックするためにレバー15b1の遠位端を押下または解放し得ることを除いて、医療デバイス1aと同様の手法で使用され得る。さらに、ユーザは、シャフト12を回転させ、ノッチ24のうちの1つおよびタブ15b3がアラインする、選択された回転角度または所定の回転角度においてシャフト12をロックし得る。
【0038】
図3A~
図3Bに示されるような医療デバイス1cは、デバイス1bと多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。デバイス1bとデバイス1cとの間の相違点は、下記で説明されることになる。ロック15cは、ロック機構であり、ロック機構は、内側へ押され、ロックされた構成とアンロックされた構成との間で切り替えるためにクリックされ得る。ロック15cは、ピン15c2に対して結合されたボタン15c1と、スピンドル15c3と、スピンドル・ハウジング15c4と、ばね15c5とを含む。ボタン15c1は、ハンドル11の外部に位置決めされる。ボタン15c1は、ユーザがボタン15c1をハンドル11の方へ押し得るまたはクリックし得るような、任意の適切なサイズまたは形状である。ピン15c2は、一方の端部では、ハンドル11に面するボタン15c1の表面に対して結合される。ピン15c2は、ボタン15c1が押されるにつれて、ハンドル11の適切な開口を介してハンドル11に部分的に入るまたは出るように構成される。したがって、ボタン15c1およびピン15c2は、ボタン15c1がハンドル11の方へ押されるにつれて、ピン15c2がハンドル11内で半径方向内側へ前進するように構成される。ピン15c2は、他方の端部では、ピン15c2の長さに沿って(ピン15c2の軸に対して実質的に平行に)延びる案内部15c12と、案内部15c12に隣接する接触部15c22とを含む。案内部15c12は、ピン15c2の端部からピン15c2のほぼ中間点まで長手方向に延在するスロットであるが、他の例においては、これに限定されない。案内部15c12は、ボタン15c1から離間されたその端部において開口されており、下記でさらに詳細に説明されるように、スピンドル・ハウジング15c4の一部を受け入れるのに適切な寸法であり得る。接触部15c22の端部面は、角度付けされたエッジが形成されるように、ピン15c2の長手方向軸に対して垂直な軸に対して(垂直な軸を横断するように)角度付けされる。接触部15c22は、下記でさらに詳細に説明されるように、スピンドル15c3の一部に係合するのに適切な長さ、幅、および形状であり得る。ピン15c2は、説明されたように限定されず、他の実施形態においては、スピンドル15c3およびスピンドル・ハウジング15c4、ならびにその一部に係合するための任意の適切なサイズまたは形状であり得る。
【0039】
スピンドル15c3とスピンドル・ハウジング15c4との両方は、ハンドル11内に支持および収容され、近位フランジ14’に隣接する。スピンドル15c3は円筒形状である。スピンドル15c3は、ノッチ24のうちの1つに係合するように構成された一方の端部と、スピンドル15c3の中間部分の周りにおいて半径方向外側へ突き出るフランジ15c43と、回転可能なカム15c13を含む別の端部とを含む。フランジ15c43は、スピンドル15c3の残りの部分よりも大きな直径であるが、スピンドル・ハウジング15c4の直径よりも小さく、その結果、スピンドル15c3は、ハウジング15c4内で直線的に前進および後退し得る。回転可能なカム15c13は、回転可能なカム15c13の周りに円周方向に分散された、複数の歯15c23および複数のチャネル15c33を含む。具体的には、分散は、2つの隣接する歯15c23の各ペアが、それらの間に位置決めされたチャネル15c33を有するようなもの、例えば、ペア、チャネル、ペアである。
【0040】
歯15c23は、角度付けされたエッジを有しており、2つのエッジが互いに接触するにつれて、歯15c23のエッジが接触部15c22のエッジと相補的である、例えば、実質的に並行であるように、特に角度付けされる。さらに、隣接する歯同士の間の空間は、接触部15c22を収容し得る。チャネル15c33は、スピンドル15c3のカム端部から、フランジ15c43よりも手前のスピンドル15c3の一部へ長手方向に延在する。チャネル15c33は、端部が開かれており、下記でさらに詳細に説明されるように、スピンドル・ハウジング15c4の一部を受け入れるのに適切な寸法であり得る。
【0041】
スピンドル・ハウジング15c4は管状であり、テーパ付けされた端部がばね15c5を含有するように、一方の端部で内側へテーパ付けされている。しかしながら、ハウジング15c4は、これに限定されず、両端部において開口されている任意の管状形状であってもよい。ハウジング15c4は、スピンドル15c3およびピン15c2を収容し、ハウジング15c4内でのスピンドル15c3およびピン15c2の直線的な前進または後退を可能にするための任意の適切な寸法であり得る。ハウジング15c4は、支持部15c14を含む。支持部15c14は、ハウジング15c4の内面から内側へ突出し、ピン15c2の案内部15c12およびスピンドル15c3のチャネル15c33内を進むように構成されるレールである。したがって、支持部15c14は、案内部15c12とチャネル15c33との両方内に嵌合する延在部であり得る。支持部15c14は、ハウジング15c4の一端部から、ハウジング15c4の他端部の方へ適切な距離で長手方向に延びる。いくつかの実施形態において、支持部15c14の長さは、チャネル15c33の長さと等しく、または、チャネル15c33の長さ程度であり得る。スピンドル15c3に隣接する、支持部15c14の端部は、接触部15c22の度数と等しい、または接触部15c22の度数とほぼ同じ度数に角度付けされた端部を含む。したがって、支持部15c14の角度付けされたエッジは、接触部15c22と同様に、歯15c23の角度付けされた表面と相補的であり得、例えば、実質的に並行であり得、また、隣接する歯15c23同士の間の空間内で支えられ(cradled)得る。
【0042】
ばね15c5は、ノッチ24に最も近いスピンドル15c3の端部の周りを包み得る。さらに、ばね15c5は、ハウジング15c4の端部とフランジ15c43との間に位置決めされ、それによって、ばね式のスピンドル15c3を形成し得る。結果として、スピンドル15c3は、ばね15c5の圧縮を介して、半径方向内側へ前進し、ばね15c5の解放を介して、半径方向外側へ後退し得る。ばね15c5は、特に限定されず、任意の適切なばねであってもよい。
【0043】
図3A~
図3Bをまた参照して、ロック15cの構成要素の相対的位置が、下記でさらに説明される。ピン15c2は、ピン15c2がハウジング15c4内で半径方向内側へ前進するにつれて、ピン15c2がスピンドル15c3に係合し得るように、スピンドル15c3およびハウジング15c4に対して位置決めされる。ピン15c2の案内部15c12は、ハウジング15c4の支持部15c14に沿って進んで、ハウジング15c4内で前進または後退する。ピン15c2とスピンドル15c3との間の係合は、スピンドル15c3を、今度は、近位フランジ14’の方へ半径方向内側に前進させる。したがって、スピンドル15c3は、スピンドル15c3が半径方向内側へ前進した場合に、スピンドル15c3がノッチ24のうちの1つに係合し得るように位置決めされ得る。スピンドル15c3と近位フランジ14’との間の距離は、スピンドル15c3が内側へ完全に延在された場合には、スピンドル15c3がノッチ24に係合するが、スピンドル15c3がハウジング15c4の方へ後ろに後退させられた場合には、スピンドル15c3がノッチ24に係合しないようなものとし得る。さらに、ハウジング15c4と近位フランジ14’との間の距離は、ハウジング15c4がノッチ24のうちの1つに捕捉されないようなものとし得る。
【0044】
図3C~
図3Fを参照して、ロック15cのアンロックされた構成およびロックされた構成が、さらに説明される。アンロックされた構成においては、ピン15c2とスピンドル15c3との両方が、完全に後退させられる。この後退位置において、接触部15c22は、隣接する歯15c23同士の間の空間において支えられ、支持部15c14は、チャネル15c33内にある(
図3Cを参照)。ボタン15c1(
図3C~
図3Fに図示せず)が任意の適切な力によって押され、またはクリックされるにつれて、接触部15c22は、カム15c13の歯15c23のうちの1つを押し、それによって、ばね15c5(図示せず)を圧縮し、スピンドル15c3を半径方向内側へ延在させ、その結果、支持部15c14はチャネル15c33の外へ出る(
図3Dを参照)。支持部15c14は、もはやチャネル15c33内に固定されず、ばね15c5のばね力は、接触部15c22とカム15c13とを互いに対して押すので、接触部15c22の角度付けされたエッジおよび支持部15c14は、歯15c23のうちの1つに沿って進み、それによって、カム15c13の回転を開始させ、その結果、隣接する歯15c23は、支持部15c14と接触部15c22との両方を支える(
図3Eを参照)。ボタン15c1が解放されるにつれて、ピン15c2は、接触部15c22が隣接する歯15c23同士の間の空間から外へ出るような程度だけ後退し、それによって、カム15c3をさらに回転させ、その結果、支持部15c14は、隣接する歯15c23同士の間で単独で固定され、接触部15c22は、歯15c23のうちの1つの上に乗る(
図3Fを参照)。これは、回転されたスピンドル15c3がその元の後退位置へ戻ることを防止する。したがって、
図3Fに示されるように、スピンドル15c3は、その元の位置(
図3Cに示される)に対して延在され、スピンドル15c3が近位フランジ14’(図示せず)のノッチ24のうちの1つに係合するような程度まで延在される。スピンドル15c3とノッチ24のうちの1つとの間のそのような係合は、シャフト12が回転されることを抑制し、シャフト12を固定位置に維持する。したがって、ロック15cのこの位置は、ロックされた構成として説明され得る。
【0045】
ボタン15c1を再び押すことまたは「クリックすること」によって、ピン15c2は、ばね式のスピンドル15c3およびカム15c13と再び係合し、それにより、スピンドル15c3は、ハウジング15c4内で再び延在し、同時に回転する。ボタン15c1が解放されると、ハウジング15c4の支持部15c14がカム15c13のチャネル15c33内に収まるように、カム15c13が回転し、その結果、ばね15c5は、そのデフォルト状態まで延在し、スピンドル15c3は、その元の後退位置(
図3Cに示される)へ戻る。この状態において、スピンドル15c3は、スピンドル15c3がノッチ24のうちの1つと係合解除されるような程度まで後退させられ、ロック15cは、アンロックされた構成へ戻される。
【0046】
クリック可能なボタン15c1を繰り返し切り替えることは、先述のアンロックされた構成とロックされた構成との間でロック15cを入れ替えることになる。ばね式のスピンドル15c3がノッチ24のうちの1つに係合しない場合、スピンドル15c3がノッチ24のうちのいずれかと係合し、ロック15cをロックされた構成にするように、シャフト12の付加的な回転が必要になり得ることに留意されたい。したがって、医療デバイス1cは、レバーを押下および解放することとは対照的に、ユーザがシャフト12の回転をアンロックまたはロックするためにボタン15c1を押下しまたは「クリックし」得ることを除いて、医療デバイス1bと同じ手法で使用され得る。さらに、ユーザは、シャフト12を回転させ、ノッチ24のうちの1つとスピンドル15c3とがアラインする、選択された回転角度または所定の回転角度においてシャフト12をロックし得る。
【0047】
図4A~
図4Bを参照して、医療デバイス1d1の別の実施形態が、下記で説明される。前述した医療デバイス実施形態と同様に、医療デバイス1d1は、ハンドル11’とシャフト12’とを含む。ハンドル11’、特にその遠位部分は、遠位に面する表面、例えば、近位フランジ21aと、近位に面する表面、例えば、遠位フランジ21bとを含む。遠位フランジ21bは、近位フランジ21aから適切な距離だけ遠位に離間される。さらに、近位フランジ21aおよび遠位フランジ21bは、半径方向外側へ突き出ており、両方とも断面形状が円形である。遠位フランジ21bは、近位フランジ21aよりも小さな直径である。しかしながら、遠位フランジ21bと近位フランジ21aとの両方は、フランジ21a、21b間のハンドル11’の一部およびハンドル11’の他の残りの部分よりも大きな直径である。
【0048】
シャフト12’も、近位に面する表面、例えば、ハンドル15d1と、遠位に面する表面、例えば、フランジ15d2とを含む。シャフト・ハンドル15d1は、少なくともシャフト12’の近位部分を包含する。シャフト・ハンドル15d1は、シャフト12’のより遠位の部分の直径よりも大きな直径を有する。なぜなら、ハンドル15d1は、それらのより遠位の部分に対して半径方向外側へ突き出て、遠位方向においてテーパ付けされるからである。ハンドル15d1の近位部分は、ハンドル11’の近位フランジ21aの直径と同じ直径を有する。シャフト・ハンドル15d1の近位端は、フランジ15d2を含む。
【0049】
シャフト・フランジ15d2は、環状形状であり、半径方向内側へ突き出る。環状シャフト・フランジ15d2は、ハンドル11’の遠位部分を受け入れる開口を含む。具体的には、前記開口は、近位フランジ21aと遠位フランジ21bとの間のハンドル11’の一部を十分に包含する直径である。シャフト・フランジ15d2は、シャフト・ハンドル15d1の近位端が近位フランジ21aと同一面上で重なり得、一方で、シャフト・ハンドル15d内でのハンドル11’の最小限の半径方向の移動も可能にするような距離だけ半径方向内側へ突き出る。
【0050】
ばね15d3は、シャフト・フランジ15d2と遠位ハンドル・フランジ21bとの間に位置決めされる。ばね15d3は、任意の適切なばねであってよく、特に限定されない。ばね15d3は、医療デバイス1dの典型的な処置中の操作に関連付けられる他の力よりも十分に大きなばね力を有し得る。ばね15d3は、ハンドル11’の長手方向軸に対してばね15d3が平行になるように位置決めされる。そのような構成の結果として、ばね15d3が、そのデフォルトの延在位置にある場合、シャフト・フランジ15d2は、近位ハンドル・フランジ21aに対して当接し、遠位ハンドル・フランジ21bは、シャフト12’に対して当接する。
図4Aは、医療デバイス1dのデフォルト構成を示す。このデフォルト状態において、ばね15d3は、シャフト・フランジ15d2を近位ハンドル・フランジ21aに対して押しつけ、遠位フランジ21bをシャフト12’に対して押しつけ、それによって、シャフト12’とハンドル11’とを連動させる。さらに、シャフト・フランジ15d2と近位フランジ21aとの当接面、およびフランジ21bとシャフト12’との当接面は、摩擦を提供し得、例えば、摩擦材料であってもよく、または摩擦を強化するために粗くされた表面を有する材料を備えてもよく、シャフト12’とハンドル11’との連動をさらに強化する。したがって、そのデフォルトの連動構成において、ロック15dは、ハンドル11’に対してシャフト12’が回転することを抑制し、シャフト12’を固定された位置において維持する。
【0051】
図4Bは、医療デバイス1d1のアンロックされた構成を示す。任意の適切な手法によって、シャフト12’がハンドル11’に対して遠位へ引き抜かれた場合、またはハンドル11’がシャフト12’に対して近位へ引き抜かれた場合、医療デバイス1d1は、この構成になる。これは、ばね15d3の圧縮をもたらし、それによって、シャフト・フランジ15d2を近位ハンドル・フランジ21aから、およびフランジ21bをシャフト12’から係合解除し、例えば、分離する。そのような係合解除の結果として、シャフト12’は、このアンロックされた構成にある間に、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転可能となり得る。ハンドル11’も、シャフト12’に対してハンドル11’の長手方向軸を中心に回転可能となり得る。前記係合解除を作動させるために必要な力は、シャフト12’の処置中の操作によって典型的に生成される力よりも大きくなくてはならないことに留意されたい。医療デバイス1dをそのデフォルトの連動状態へ戻すために、シャフト12’は、いかなる引っ張り力からも解放され得、その結果、ばね15d3は、自然に延在し、再度、シャフト・フランジ15d2を近位ハンドル・フランジ21aに対して、およびフランジ21bをシャフト12’に対して押しつけ得る。
【0052】
付加的な実施形態において、シャフト・ハンドル15d1の外面は、ユーザがハンドル15d1を把持し、シャフト12’を引っ張ることまたは押すことを支援するために、摩擦材料であってよく、または粗くされた材料であってもよい。医療デバイス1d1は、カラーを締め付けることまたは緩めることとは対照的に、ユーザがシャフト12の回転をアンロックまたは連動するためにシャフト12’を遠位に引っ張り得ることを除いて、医療デバイス1aと同じ手法で使用され得る。
【0053】
図4C~
図4Dは、医療デバイス1d1と構造および動作において同様である医療デバイス1d2の代替的実施形態を示す。デバイス1d2と、
図4A~
図4Bに例証されるデバイス1d1との間の相違点は、下記でさらに詳述される。
【0054】
図4C~
図4Dにおいて、ハンドル11’’は、近位フランジ21aと遠位フランジ21bとを含む。近位フランジ21aと遠位フランジ21bとの両方は、半径方向内側へ突き出ており、環状形状である。環状遠位フランジ21bは、シャフト12’’の近位部分を受け入れるように構成された開口を有する。前記開口は、シャフト12’’の近位部分15b1を包含するのに十分な直径を有し、一方で、開口内での、シャフト12’’の最小限の半径方向の移動も可能にする。シャフト12’’は、その近位端においてシャフト・フランジ15d2を含む。シャフト・フランジ15d2は、半径方向外側へ突き出ており、円形形状である。したがって、シャフト・フランジ15d2は、シャフト12’’の残りの部分よりも大きな直径を有する。シャフト・フランジ15d2の外径は、近位フランジ21aと遠位フランジ21bとの両方の内径よりも大きく、それにより、シャフト・フランジ15d2は、ハンドル11’’の近位フランジ21aと遠位フランジ21bとの間に固定される。シャフト・フランジ15d2の外径は、フランジ21a、21b間のハンドル11’’の一部の内径よりもわずかに小さく、ハンドル11’’内でのシャフト12’’の最小限の半径方向の移動を可能にする。ばね15d3は、前述したデバイス1d1と同じであってよく、前述したデバイス1d1におけるのと同じ手法で位置決めされ得る。結果として、ばね15d3は、近位フランジ21aに対してシャフト・フランジ15d2を押しつけ、それらの摩擦表面により、ハンドル11’’に対してシャフト12’’を固定する。したがって、医療デバイス1d2は、医療デバイス1d1と同じ手法および機構において、デフォルトの連動構成とアンロックされた構成との間で入れ替えられ得る。
【0055】
いくつかの他の実施形態において、ばね15d3は、それらがハンドル11’’とシャフト12’’とを互いから遠ざけるように押すように位置決めされてもよい。したがって、シャフト12’’をハンドル11’’の方へ近位に押す力が適用されて、シャフト12’’をハンドル11’’と係合解除させ、シャフト12’’の回転を可能にする。他の実施形態において、ロック15dは、シャフト・フランジ15d2とハンドル・フランジとが処置中に係合解除しないことを確実にするために、ロック・リングをさらに含み得る。ロック・リングは、特に限定されず、シャフト12’がハンドル11’から引き離されること、およびこの逆を抑制する任意の機構または構成要素、例えば、圧縮嵌合リングであってもよい。他の実施形態において、ロック15dは、半径方向のロック・リングの代わりに、長手方向のロック機構を含んでもよい。一例において、長手方向のロック機構は、引き離されているまたは押し広げられているハンドルまたはシャフトに係合および係合解除して、ロック・インターフェース(例えば、
図4A~
図4Bにおける15d1または21bおよび15d2または21a、ならびに
図4C~
図4Dにおける15d2または21a)を分離し得る。ロック・インターフェースは、係合中にロック・インターフェースを案内するために、正方形のノッチ、または丸みを帯びた上部を有する正方形のノッチを含み得る。
【0056】
図4Eおよび
図4Fを参照して、長手方向のロック機構の別の例を含むデバイスが、下記でさらに説明される。デバイス1dは、上述したデバイス1d1および1d2と同様であり得る。デバイス1dのハンドル11およびシャフト12は、デバイス1d1および1d2と同じ手法または同様の手法で連動され得る。したがって、シャフト12も遠位に引っ張られて、それ自体が連動状態からアンロックされ、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転され得る。連動状態からの望まれないアンロック/係合解除を確実にするために、デバイス1dは、長手方向のロック50と、ハンドル・リング71と、第1のシャフト・リング61と、第2のシャフト・リング62とを含む。
【0057】
ロック50は、シャフト12の近位部分内におよび/またはシャフト12の近位部分の周りに嵌合される単一の部品である(ただし、ロック50は、複数の接続された部品であってもよい)。ロック50は、ベース・リング52と、長手方向の本体51と、ヘッド53とを含む。リング52は、シャフト12の周りに嵌合されるロック50の一部であり得る。リング52内の空間の直径は、リング52がデバイス1dに対して、シャフト12の周りに嵌合されている間に回転および/または直線的に摺動し得るようなものであり得る。ベース・リング52の直径は、ハンドル11の近位に面する表面によって妨げられずに、長手方向の本体51がハンドル・リング71の方へ延在することを可能にするための任意の適切な直径であり得る。そのような妨げを回避するために、いくつかの実施形態において、リング52は、例えば、
図4A~
図4Bのシャフト・ハンドル15d1の近位部分等、ハンドル11と直に接するシャフト・ハンドルの周りに嵌合され得る。長手方向の本体51は、リング52の外側エッジまたは円周に対して固定され得る。本体51は、ハンドル・リング71の方へ近位に延在する。本体51の形状は、本体71がハンドル11の外面上で近位へ延在することを可能にするための任意の適切な形状、例えば、線形、半径方向外側へ曲げられている等であってもよい。いくつかの例示的な実施形態において、本体51は、(リング52に対して取り付けられた)遠位端がヘッド53よりもシャフトの中心軸に対して近くなるように形成されてもよく、ヘッド53は、シャフトの中心軸から比較的遠くに離れている。したがって、本体51の形状は、ユーザがロックされた状態とアンロックされた状態との間で回転させる際に、ハンドルの遠位端への干渉を回避するように調整され得る。代替的に、本体51は、ある距離を中心軸から維持してもよく、ハンドル11は、本体51がロックされた位置とアンロックされた位置との間で回転する際に、本体51を収容するための切り欠きを有し得る。本体51は、ヘッド53がリング71に到達および係合することを可能にするのに十分である、任意の適切な長さであり得る。本体51は、シャフト12に対する典型的な処置中の引っ張り力に耐えることができる、任意の適切な材料であり得る。さらに、本体51は、ハンドル・リング71のギャップ72内に受け入れられ得るように、リング52上に位置決めされ得る(下記でさらに説明される)。ヘッド53は、リング71のギャップ72を通過するような、任意の適切な形状またはサイズとし得る。さらに、ヘッド53は、リング71の凹所73に向かう方向へ突出し得、凹所73上に位置し、留まり得るような適切な長さだけ突出し得る。
【0058】
ハンドル・リング71は、ハンドル11の外面の全部または一部の周りに固定され得る。リング71は、リング71の円周に沿った割れ目を含み得、それによって、ギャップ72を形成する。ギャップ72は、リング52のヘッド53および本体51が通過することを可能にする、任意の適切な幅であり得る。ヘッド53に面する、リング71の端部は、上記した凹所73をさらに含み得る。凹所73は、ヘッド53を固定するために収容する、リング71の先述の端部上の凹部であり得る。第1のシャフト・リング61および第2のシャフト・リング62は、シャフト12上へ固定され得る。リング61および62は、シャフト12の近位部分に沿って位置決めされ得る。リング61および62は、リング52の近位および遠位にそれぞれ位置決めされ、それによって、リング52が直線的に摺動し得る空間を定義し得る。定義された空間は、ヘッド53がギャップ72を通過して、凹所73に到達するために必要とされる距離に応じた距離であり得る。リング61は、リング52に対する捕捉部/停止部としての機能も果たし、それによって、シャフト12がハンドル11から遠位へ引き離されることを抑制し得る。
【0059】
上記に鑑みて、ロック50は、2つの状態、すなわち、(
図4Eに示されるような)アンロックされた状態と、(
図4Fに示されるような)ロックされた状態とを有し得る。アンロックされた状態において、リング52は、第2のシャフト・リング62に位置しており、したがって、ヘッド53は、ギャップ72から遠位にあり得る。この状態において、シャフト12は、遠位に引っ張られて、それ自体が連動状態からアンロックされ、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転され得る。ロック50をロックされた状態に移行させるために、リング52は、近位方向へ直線的に摺動/並進され得、その結果、ヘッド53および本体51の近位部分は、ギャップ72を通過し得る。ヘッド53が凹所73に係合し得る十分な距離に到達するために、リング52は、第1のシャフト・リング61にリング52が当接するまで、直線的に摺動され得る。次いで、リング52は、方向矢印によって示されるように回転され得、その結果、ヘッド53は、凹所73に接触および位置し、それによって、ロック50をハンドル・リング71に対して固定する。結果として、シャフト12は、ハンドル11から遠位へ引き離されることを抑制され得る。したがって、ロック50は、ユーザが望むように、アンロックされた状態とロックされた状態との間を移行し得る。
【0060】
図5A~
図5Cに示されるような医療デバイス1eは、デバイス1aと多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。デバイス1aとデバイス1eとの間の相違点は、下記で説明されることになる。ハンドル11は、ロック15eを含む。ロック15eは、遠位フランジ13と近位フランジ14との間のシャフト12の一部を囲むカラー15e1を含む。具体的には、カラー15e1は、内壁11b1と近位フランジ14との間に位置決めされる。カラー15e1は、任意の適切な柔軟な材料、例えば、プラスチック、ゴム等であり得る。
【0061】
カラー15e1は、第1のフランジ15e2と第2のフランジ15e3とを含む。第1のフランジ15e2と第2のフランジ15e3との両方は、ハンドル11の側面における開口を通じて延在することによって、ハンドル11の外部へ半径方向に突出する。第1のフランジ15e2および第2のフランジ15e3は、横方向においてギャップによって離間され、または互いに接触して、そのギャップを閉じ得る。これらの2つの構成は、
図5B~
図5Cを参照する場合に、さらに詳細に論じられる。さらに、第1のフランジ15e2および第2のフランジ15e3は各々、他方の開口にアラインされる開口を含む。
【0062】
カラー15e1は、第1のフランジ15e2および第2のフランジ15e3を通じて、それらのそれぞれの開口を介して駆動されるロック・ピン15e6をさらに含む。ピン15e6は、前記開口内へ嵌合し得る、任意の適切な幅または長さであり、また、第1のフランジ15e2と第2のフランジ15e3とが離間される場合に前記開口内に留まり得る。フランジ15e2および15e3も、フランジ15e2および15e3に対して加えられる横方向の力に起因して、ピン15e6上を横方向に摺動し得る。ロック・ピン15e6は、ピン15e6の一方の端部に対して結合された停止部15e4を含む。具体的には、停止部15e4は、第1のフランジ15e2に最も近い、ピン15e6の第1の端部に対して結合される。停止部15e4は、ピン15e6が駆動されるフランジ15e2のフランジ開口だけでなく、ピン15e6の直径よりも大きな直径を有する。したがって、停止部15e4は、ピン15e6が第1のフランジ15e2の外へ落下または摺動することを防止する。
【0063】
カラー15e1は、ロック・ハンドル15e5も含む。ロック・ハンドル15e5は、ユーザ作動に適切な、任意の形式であり得る。ロック・ハンドル15e5は、第2のフランジ15e3に隣接する、ピン15e6の第2の端部に対して結合される。ハンドル15e5は、枢動ピン15e7を中心に枢動可能に構成され、枢動ピン15e7は、ハンドル15e5の中心から外れていてもよい。具体的には、ハンドル15e5は、カラー15e1の平面に沿って枢動するように構成され、その結果、ハンドル15e5は、カラー15e1の方へ引っ張られ、またはカラー15e1から引き離され得る(
図5B~
図5Cの方向矢印を参照)。
【0064】
図5Bに示されるように、第1のフランジ15e2および第2のフランジ15e3は、ピン15e6に沿って離間され、それによって、カラー15e1を開かれた、シャフト12から離間された、緩められたままにする。これは、
図5Bに示されるような、カラー15e1の自然な、付勢されていない形状である。ロック15eのこの構成は、アンロックされた構成として説明され得る。この状態において、カラー15e1は、カラー15e1内でのシャフト12の半径方向の移動を可能にする程度に緩められる。したがって、シャフト12は、この緩められた状態において、ハンドル11(
図5Bに図示されず)に対してシャフト12の長手方向軸を中心に回転可能となり得る。ハンドル11も、シャフト12に対してハンドル11の長手方向軸を中心に回転可能となり得る。ハンドル15e5は、このアンロックされた構成において、カラー15e1から離れていることに留意されたい。しかしながら、方向矢印によって示されるように、ハンドル15e5をカラー15e1の方へ引っ張ることによってハンドル15e5を枢動させることは、カラー15e1がシャフト12上に締め付けられることをもたらす。これは、ロック15eを下記でさらに説明されるようなロックされた構成にもたらす。
【0065】
図5Cは、ロックされた構成におけるロック15eを示す。この構成において、カラー15e1は、シャフト12上に締め付けられ、それによって、シャフト12のいかなる半径方向の移動または回転運動も抑制する。具体的には、第1のフランジ15e2および第2のフランジ15e3は、互いに接触し、フランジ間の任意の先のギャップを閉じる(ただし、カラー15e1がシャフト12に接触するために、フランジ15e2および15e3が接触する必要はない)。これは、ハンドル15e5がカラー15e1の方の位置へ枢動されることの結果である。ピン15e7を中心に、カラー15e1の方へハンドル15e5を枢動させることは、カム・アクションをもたらす。具体的には、ハンドル15e5が枢動ピン15e7を中心に枢動するにつれて、ハンドル15e5の外面は、カム・アクションにおいてフランジ15e3の外面を押し、フランジ15e3をフランジ15e2の方へ押しつける。カラー15e1がシャフト12に接触し、シャフト12の周りを閉じるまで、フランジ15e2および15e3間のギャップは閉じ続け、シャフト12のいかなる半径方向または長手方向の移動も制限される。シャフト12上へのそのような締め付けは、ロック15eをロックされた構成にする。したがって、ロック15eをアンロックすることとロックすることとの間で入れ替えるために、ハンドル15e5は、カラー15e1から引き離されるように、またはカラー15e1の方へ引っ張られるように、枢動される。医療デバイス1eは、カラーを回転させることとは対照的に、シャフト12の回転をアンロックまたはロックするために、ユーザが上述したようにロック・ハンドル15e5を枢動し得ることを除いて、医療デバイス1aと同じ手法で使用され得る。
【0066】
図6A~
図6Cに示されるような医療デバイス1fは、デバイス1bと多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。デバイス1bとデバイス1fとの間の相違点は、下記で説明されることになる。ハンドル11の内壁は、複数のプレースホルダー15fを含む。プレースホルダー15fは、ハンドル11の内壁に沿って円周方向に分散され、均一に離間される。プレースホルダー15fは、近位フランジ14’を囲み、ノッチ24の各々に係合するように構成される。
【0067】
プレースホルダー15fの各々は、ばね15f1とベアリング15f2とを含む。ばね15f1は、一方の端部上でハンドル11の内壁に対して結合される。ベアリング15f2は、ばね15f1の反対側の端部に対して結合される。ベアリング15f2は、ノッチ24に係合するように構成された任意の適切な形態であってよく、ノッチ24の各々は、ベアリング15f2を受け入れる特定の所定のサイズとし得る。ばね15f1は、ベアリング15f2がノッチ24の各々に係合し得るように十分な長さを有する、任意の適切なばねであり得る。さらに、医療デバイス1fの典型的な処置中の操作が、ノッチ24からのベアリング15f2の望まれない係合解除をもたらさないように、ばね15f1は、十分なばね力を有し得る。
【0068】
ノッチ24とのベアリング15f2の係合は、ロック15fをロックされた構成にする。しかしながら、先述のばね力は、ユーザのエルゴノミック能力の範囲内でもあり、前記ユーザによってシャフト12に対して加えられるねじり力によって克服され得る。したがって、ユーザは、シャフト12を回転させ得、その結果、ベアリング15f2は、ベアリング15f2が隣接するノッチ24に再係合するまで、ノッチ24から係合解除される。再係合の後であっても、ベアリング15f2が、シャフト12の選択された回転位置または所定の回転位置においてノッチ24に再係合するまで、シャフト12は、回転され続け得る。したがって、医療デバイス1fは、ユーザがシャフト12に対して任意の適切な手法でねじり力を加えることによってシャフト12を直接回転させ得ることを除いて、医療デバイス1bと同じ手法で使用され得る。
【0069】
他の実施形態は、シャフト12を回転させるための十分なねじり力をユーザが加えることを支援するために、シャフト12上に付加的な把持部をさらに含んでもよい。いくつかの他の実施形態において、
図6Cに示されるように、回転可能なダイヤル26が、ハンドル11内に一体化されてもよい。把持部26は、例えば近位フランジ13において、シャフト12に対して固定され得、その結果、ユーザは、シャフト12を把持および回転させることとは対照的に、ダイヤル26を把持および回転させ得る。
【0070】
いくつかの他の医療デバイス実施形態においては、ロックまたはロック機構が存在しなくてもよく、そのような実施形態は、シャフトとハンドルとの間の摩擦力に依存して相対的位置を保持し得る。そのような摩擦力は、任意の適切な手法または機構、例えば、半径方向の力によってまたは材料吸着特性によって生み出される摩擦嵌合によって、加えられ得る。
【0071】
図7A~
図7Bに示されるような医療デバイス1hは、前述した実施形態と多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。しかしながら、医療デバイス1hのシャフト12の回転は、モータ駆動され、シャフト12の回転のためのドライバは、ロックとしての役割も果たし得る。ドライバ15hは、サーボモータ15h2に対して結合されたスイッチ15h1を含む。スイッチ15h1の一部は、ハンドル11の外部にあり、ユーザによって作動可能であり、一方で、スイッチ15h1の別の一部は、ハンドル11の開口を通じてハンドル11内へ延在する。サーボモータ15h2は、ハンドル11内に収容される。サーボモータ15h2は、回転し、近位フランジ14’のノッチ24に係合するように構成されたカム15h3に対して結合される。サーボモータ15h2は、スイッチ15h1の作動によってオンまたはオフにされ得、スイッチ15h1は、任意の適切な形態であってよい。
【0072】
カム15h3がノッチ24に係合されたままである間の、サーボモータ15h2を駆動させることよるカム15h3の回転は、近位フランジ14’を回転させ、それによって、ハンドル11に対してシャフト12の長手方向軸を中心にシャフト12を回転させる。対照的に、サーボモータ15h2が駆動していない場合の、固定されたカム15h3は、カム15h3がノッチ24に係合したままであるので、シャフト12を適所にロックし得、それによって、シャフト12のさらなる回転を抑制する。したがって、医療デバイス1hは、ユーザがシャフト12を回転させるために、または固定された状態に維持するために、スイッチ15h1を介してドライバ15hをスイッチ・オン/オフし得ることを除いて、前述した医療デバイス実施形態と同じ手法で使用され得る。
【0073】
図8A~
図8Gに示されるような医療デバイス1iは、前述したデバイス1fと多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。デバイス1iとデバイス1fとの間の相違点は、下記で説明されることになる。医療デバイス1iは、ハンドル11を含み、ハンドル11は、シャフト12aおよびシャフト・ハウジング12bに対して結合される。具体的には、ハウジング12bは、ハンドル11の遠位部分を収容する。シャフト12aおよびハウジング12bは、
図8Aおよび
図8Cに示されるように、ハンドル11に対してシャフト12aの長手方向軸を中心に回転可能であり得る。
【0074】
ハンドル11およびハウジング12bは、ハンドル11に対するシャフト12の回転開始点を示す矢印を含む(
図8Aにおけるアラインされた矢印を参照)。ハンドル11およびハウジング12bは、他の実施形態において、それらの外面上に任意の他の適切なマーキングを含んでもよい。
図8B、
図8D、
図8E、および
図8Gを参照すると、ハンドル11の遠位端の内面は、ロック15iをさらに含む。ロック15iは、リング15i1とポスト15i3とを含む。リング15i1は、環状形状であり、リング15i1は、リング15i1の円周に、均一に離間された複数のスロット15i4を含む。具体的には、スロット15i4は、45°の間隔で離間される。スロット15i4は、矩形形状であり、リング15i1の近位端から、リング15i1の近位端と遠位端との間の中間点あたりまで遠位に延在する。スロット15i4は、シャフト・ハウジング12のボール15i5に嵌合する/ボール15i5を固定するのに十分な幅であり、これは後でさらに詳細に説明される。しかしながら、リング15i1は、説明されたように限定されず、より多くのまたはより少ないスロット、異なる間隔、および異なるスロット形状を含んでもよいことに留意されたい。例えば、
図8Eおよび
図8Gに示されるように、スロット15i4は、リング15i1の全円周にわたって分散されなくてもよい。ポスト15i3は、リング15i1の遠位部分上に対して結合される円筒形の突出部である。しかしながら、ポスト15i3は、円筒形であるように限定されず、下記でさらに説明されるように、ハウジング12bのチャネル内を進み得る任意の適切な形状および/または寸法であってよい。
【0075】
図8Bおよび
図8Dを参照すると、シャフト12aの近位部分は、ハウジング12bによって収容され、ハウジング12bに対して固定される。シャフト12aは、ハウジング12bに対して、任意の適切な手段、例えば、接着接合、オーバモールドによって固定されてよく、特に限定されない。したがって、シャフト12aおよびハウジング12bは、ハンドル11に対して、一体となって回転する。シャフト12aは、ハウジング12bの遠位端の開口を介してハウジング12bから出る。ハウジング12bの遠位端は、ケーシングまたはストレイン・リリーフ12cに対しても接続され、ケーシングまたはストレイン・リリーフ12cは、シャフト12aの近位部分もカバーし、シャフト12aは、ケーシングまたはストレイン・リリーフ12cから出得る。
【0076】
図8Aおよび
図8Cに示されるように、ハウジング12bは、その近位端あたりの、その外面上に矢印マーキングを含む。この矢印は、ハンドル11およびそのそれぞれのマーキングに対する、ハウジング12bおよびシャフト12aの回転位置を示すための参照として使用され得る。
【0077】
ハウジング12bの内側近位端は、チャネル15i2と戻り止め15i6とをさらに含む。チャネル15i2は、ハウジング12bの近位部分内の環状の/リング状のチャネルである。チャネル15i2は、内面を有さず、チャネル15i2がポスト15i3を収容するように、リング15i1の遠位端の外面を円周方向に包含する。したがって、ポスト15i3は、ハンドル11の回転を介して、ポスト15i3がリング15i1と共に回転するにつれて、チャネル15i2内を進み得、またはチャネル15i2は、シャフト・ハウジング12bの回転を介してポスト15i3上を回転し得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、チャネル15i2は、その環状形状内に割れ目またはカットオフをさらに含み、その結果、完全なリングは形成されない(
図8Eおよび
図8Gを参照)。この割れ目は、成型された停止部15i7として説明され得る。なぜなら、割れ目は、ポスト15i3が割れ目のどちらかの端部を越えて進むことを防止するからである。例えば、停止部15i7は、ハンドル11に対する戻り止め15i6の回転、およびこの逆を、各回転方向において最大175°に制限して、内部構造に対する損傷を防止し得る。戻り止め15i6は、選択された角度または所定の角度を越える回転から抑制されるので、
図8Eおよび
図8Gに示されるような、リング15i1上の付加的なスロット15i4は、不必要となり、したがって、リング15i1の一部に存在しなくてもよい。この割れ目、すなわち、成型された停止部15i7は、いくつかの場合において、他のワイヤ、構成要素等により埋められ、または占有されてもよい。
【0079】
図8Bおよび
図8Dに示されるように、戻り止め15i6は、ハウジング12bの近位部分の内面に対して固定され、その結果、ハウジング12bが回転するにつれて、戻り止め15i6も回転する。戻り止め15i6は、前記内面からハンドル11のリング15i1のあたりまたはリング15i1の近くへ半径方向に延在する円筒形のハウジングである。戻り止め15i6は、リング15i1に隣接するハウジング15i6の端部から、ボール15i5が部分的に突出するように、(
図8Eに示されるように)ボール15i5を収容する。したがって、戻り止め15i6内でばね式であり得るボール15i5は、リング15i5のスロット15i4に係合し得る。戻り止め15i6は、チャネル15i2の近位側面に隣接して位置決めされる。
【0080】
ボール15i5は、リング15i1に隣接する戻り止め15i6の端部に部分的に収容され、その結果、ボール15i5は、その端部の外へ部分的に突出し得る。ボール15i5は、スロット15i4に係合する、またはスロット15i4内に固定され得る、任意の適切なサイズまたは形状とし得る。さらに、戻り止め15i6が、ハンドル11またはシャフト・ハウジング12bの回転を介して、リング15i5の外面上に位置決めされた場合、ばね(図示せず)の圧縮を介して、ボール15i5が後退するように、ボール15i5は、ばね式とし得る。戻り止め15i6が、スロット15i4のうちの1つの上に位置決めされる場合において、ボール15i5は、ばねの伸長を介して、戻り止め15i6の端部の外へ突出し得、その結果、ボール15i5は、スロット15i4内に固定され得る。戻り止めボール15i5のこの固定は、デバイス1iのロックされた構成として説明され得る。前記ロックされた構成においては、ハンドル11に対する、十分な回転力がシャフト・ハンドル12bに対して印加されるまで、シャフト12aおよびハウジング12bのさらなる回転が抑制される。したがって、医療デバイス1iは、シャフト12aおよびハンドル12bの回転が、停止部15i7に起因して、選択された回転角度または所定の回転角度に制限され得ることを除いて、前述した医療デバイス実施形態1fと同じ手法で使用され得る。
【0081】
図9A~
図9Cに示されるような医療デバイス1jは、前述した実施形態と多くの点で同様である。同様の参照符号は、同様の部分を指す。先の実施形態において論じられたように、ハンドル11が、シャフト12に対して、デバイス1jの長手方向軸を中心に回転し得るように、およびこの逆となり得るように、ハンドル11は、シャフト12に対して回転可能に結合され得る。ハンドル11とシャフト12とが回転可能に結合される手法は、特に限定されない。例えば、いくつかの実施形態において、シャフト12の近位部分121は、シャフト12の円周に沿って延在するチャネルまたは凹所36(
図9Bに示される)を含んでもよい。チャネル36は、ハンドル11の遠位部分内で半径方向内側へ延在する突出部(図示せず)を受け入れ得、突出部は、ハンドル11またはシャフト12が他方に対して回転されるにつれて、チャネル36内を進み得る。
【0082】
ハンドル11およびシャフト12に加えて、医療デバイス1jは、回転特徴部20をさらに含み、回転特徴部20は、抵抗構成要素80と、ロック構成要素30と、把持部40とを備える。デバイス1jは、2つの抵抗構成要素80と、第1のばね81と、第2のばね82とを含む(例えば、
図9Dを参照)。しかしながら、抵抗構成要素の数は、特に限定されず、例えば、1つ、3つ、4つ等であることに留意されたい。ばね81とばね82との両方は、中央開口520を画定するコイルばねであり得る。さらに、ばね81とばね82との両方の2つの端部の各々は、ばね81および82から半径方向外側へ延在するポスト510を含む。ばね81および82のループのサイズおよび数は、特に限定されず、ばね81および82を介して伝達されるトルクの量に基づいてもよい。
図9Aおよび
図9Bに示されるように、ばね81および82は、中央開口520を介してハンドル11の遠位部分110の周りに摩擦により嵌合され得る。したがって、そのような構成に基づいて、ポスト510の内面512(隣接するポスト510に最も近い表面)に対して印加される力は、ポスト510を互いに押しのけ、中央開口520のサイズを低減し、ばね81および82が遠位部分110の周りによりきつく巻き付くことをもたらし、それによって、そのような接続を介して駆動され得るトルクの量を増加させる。対照的に、ポスト510の外面514(隣接するポスト510から最も遠い表面)に対して印加される力は、ポスト510を互いの方へ押し、中央開口520のサイズを増加させ、ばね81および82がほどけることをもたらし、それによって、ばね81および82が緩み、遠位部分110上をスリップすることをもたらす。ばね82のポスト510に対する、ばね81のポスト510の向きは、特に限定されず、下記でさらに論じられるように、タブ32、34の位置決めに依存し得ることに留意されたい。
【0083】
ロック構成要素30は、中央開口と、第1のタブ32と、第2のタブ34と、チャネル36とを含む環状部品であり得る。前記中央開口は、中央開口を画定する表面がシャフト12の外面と直に接し得るように、シャフト12を受け入れるのに十分な直径または幅の開口とし得る。第1および第2のタブ32、34は、構成要素30のエッジから近位へ延在する特徴部であり得る。第1および第2のタブ32、34は、ばね81および82に係合するように構成される。したがって、タブ32、34は、
図9Cに示されるように、ばね81および82のポスト510間のギャップ内にキー止めされるのに十分な幅とし得る。さらに、タブ32、34は、ポスト510の内面512とタブ32、34との間のクリアランスを最小限にする幅とし得る。
図9B~
図9Cに示されるように、タブ32、34は、ロック構成要素30の反対側に(約180°離れて)あり得るが、これに限定されない。さらに、ロック構成要素30は、その中央開口を介して、シャフト12の近位部分121の周りに動かないように固定され得ることに留意されたい。ロック構成要素30がシャフト12に対して動かないように固定される手法は、特に限定されない(例えば、膠着剤、接着剤、溶接等)。
【0084】
把持部40は、シャフト12の近位部分、ロック構成要素30、およびばね81、82を覆う把持可能な特徴部である。把持部40は、近位開口部42と、遠位開口部(図示せず)と、それらの間に画定された内腔とを含む。近位開口部42は、ロック構成要素30およびばね81、82を受け入れるように構成される。近位開口部42は、ロック構成要素30およびばね81、82を把持部40内にキー止めし得るように、ロック構成要素30およびばね81、82の形状をしている。したがって、開口部42および把持部40の内腔の一部は、
図9B~
図9Cに示されるように、ロック構成要素30およびばね81、82の輪郭を囲み得る。把持部40は、
図9Cにおいて示されるように、把持部40の内面とポスト510の外面514との間のクリアランスを最小限にしつつ、ロック構成要素30およびばね81、82を囲み得る。しかしながら、把持部40は、把持部40の内面がポスト510の外面514とインターフェースし得るように、シャフト12に対して回転可能であり得ることに留意されたい。把持部40は、シャフト12が遠位に延在する遠位開口部(図示せず)をさらに含む。前記遠位開口部は、シャフト12の周りの摩擦嵌合を可能にする任意の適切な直径とし得、その結果、把持部40は、シャフト12の長さに沿って、その位置を維持し得る。
【0085】
上述した構成に鑑みて、ユーザが、ハンドル11、シャフト12、または把持部40に対して、互いに対するいかなる回転力も印加しない場合、シャフト12は、デフォルトで、回転位置にロックされ得る。時計回りであれ、または反時計回りであれ、ハンドル11に対するシャフト12のいかなる回転も、ロック構成要素30のタブ32、34がポスト510の内面512に対する力を印加することをもたらす。そのような力は、ハンドル11を通じてシャフト12に対してトルクを印加する自然な動きを通じて、ばね81、82をハンドル11の遠位部分110あたりによりきつく巻き付ける。これは、ハンドル11またはシャフト12の他方に対する回転を効果的にロックする。シャフト12に対するハンドル11の回転位置、およびこの逆の回転位置を調整するために、把持部40の内面が、ばね81および82の外面514に対する力を印加し得るように、把持部40は、適所に調整または保持され得る。そのような力は、ばね81、82をハンドル11の遠位部分110あたりでほどけさせ、それによって、シャフト12に対するハンドル11の回転(およびこの逆)を可能にする。所望の回転位置に到達した後、把持部40は解放され得、これは、ばね81、82をそれらの自然な付勢へ戻させ、新しい位置においてハンドル11に対してシャフト12を保持する。結果として、ロック構成要素30は、把持部40の解放を介して、自然に「ロックし」得る。したがって、医療デバイス1jは、ユーザが、シャフト12に対するハンドル11の回転位置(またはこの逆)を調整している間に、把持部40を保持し得ることを除いて、前述した医療デバイス実施形態と同じ手法で使用され得る。
【0086】
別の例示的な実施形態において、コイルばね、例えば、ばね81および82は、ポスト510がハンドル11および把持部40の特徴部と相互作用する状態で、シャフト12の周りに摩擦により嵌合され得ることに留意されたい。ハンドル11の前記特徴部は、ロック構成要素30のタブ32および34と形状および機能において同様であり得る。そのような実施形態は、シャフト12が把持部40に対して回転/操作され得ることを除いて、デバイス1jと同様の手法で機能し得る。
【0087】
抵抗構成要素80は、
図9A~
図9Cに示されるような、コイルばね81、82に限定されない。他の例示的な実施形態において、ばねは、半径方向内側へ延在するポストを含んでもよく、または、ばね線は、正方形または矩形の断面であってもよい。さらに、圧力がポスト510に対して一方の方向において(例えば、表面512に対して)印加される場合に摩擦量が増加し、圧力がポスト510に対して他方の方向において(例えば、表面514に対して)印加される場合に摩擦量が減少するように、ばねは、任意の数の全体的または部分的な巻きであってよい。ばねの両端部におけるポスト510は、360°よりも小さいまたは360°よりも大きい巻きで発生してもよい。さらに、他の同様に機能する抵抗構成要素、例えば、ホース・クランプが、ばね81、82の代わりに利用されてもよい。しかしながら、いくつかの同様に機能する抵抗構成要素は、デバイスを同じ手法で機能させるために、回転特徴部20の上述した構成に対する調整を必要とし得る。例えば、代替的な抵抗構成要素が締まるまたは緩む手法に依存して、前記抵抗構成要素は、ハンドルに対して異なる様式で嵌合されてもよく、または、異なる形状のロック構成要素が必要とされ得る。
【0088】
図10は、ユーザがハンドル11に対するシャフト12’’の回転位置を決定することを支援するために、シャフト12’’がインクリメンタル・マーキングを含む、医療デバイス1の実施形態を示す。他の実施形態において、ハンドル11は、さらにまたは代替的に、ユーザがシャフト12の回転位置を測定することを助けるためのマーキングを含み得る。
図10におけるマーキングは、ハンドル11の遠位端上に提供される矢印マーキングに対する回転数を示す。しかしながら、マーキングは、
図10において提供される例に限定されない。マーキングは、特に限定されず、ハンドル11に対するシャフト12’’の回転(またはこの逆)を示す数字、文字、または単語の様々な組み合わせを含んでもよい。そのようなマーキングは、前述した医療デバイス実施形態のいずれに対しても適用され得ることにも留意されたい。
【0089】
本開示の範囲から逸脱せずに、開示されているデバイスに対して様々な変形およびバリエーションが行われることが可能であることが、当業者には明らかであろう。本開示の他の実施形態は、本明細書において開示されている本発明の本明細書および実施の検討から、当業者には明らかであろう。本明細書および例は、例示的なものとしてのみ考慮され、本発明の真の範囲および趣旨は、下記の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
【国際調査報告】