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特表2023-509776ディスプレイインターフェースを備える誘導加熱クックトップシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ディスプレイインターフェースを備える誘導加熱クックトップシステム
(51)【国際特許分類】
   H05B 6/12 20060101AFI20230302BHJP
【FI】
H05B6/12 312
H05B6/12 313
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541976
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 US2021012483
(87)【国際公開番号】W WO2021142108
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/958,268
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】コーウィン、コート
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー、アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】セイジ、イーアン
(72)【発明者】
【氏名】ジェロフセク、デイブ
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151AA01
3K151BA53
3K151BA56
3K151BA65
3K151CA63
3K151CA72
3K151CA74
(57)【要約】
誘導加熱クックトップシステムは、調理器具物体を支持するための上面を有する上部プレートを含む。ディスプレイは、上部プレートの下方に配設され、及び誘導コイルは、マトリックスにおいて配置され、且つ垂直方向にディスプレイの下方に配設される。誘導コイルは、調理器具物体と結合するために、上部プレートの上面の上方に部分的に延びる磁場を生成するようにそれぞれ動作可能である。制御システムは、上部プレートの上面上の調理器具物体の位置を示す初期入力を受信する。制御システムのデータ処理ハードウェアは、その後、入力からの示された位置に対応するディスプレイのピクセルを決定する。制御システムは、その後、ディスプレイの複数のピクセルを点灯させることにより、調理器具物体に関する示された位置にグラフィックを生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ処理ハードウェアにおいて、誘導加熱クックトップの表面上の調理器具物体の位置を示す初期入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記入力からの前記示された位置に対応するディスプレイの複数のピクセルを決定することであって、前記ディスプレイは、前記誘導加熱クックトップと結合されている、決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記複数のピクセルを点灯させることにより、前記調理器具物体に関する前記示された位置を表すグラフィックを生成することと
を含む方法。
【請求項2】
前記データ処理ハードウェアにおいて、前記誘導加熱クックトップの前記表面上の前記調理器具物体の位置の変化を示す第2の入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記第2の入力からの前記示された位置の変化に対応する前記ディスプレイの第2の複数のピクセルを決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記第2の複数のピクセルを点灯させることにより、前記調理器具物体に関する前記示された位置の変化に対応するそれぞれの位置に第2のグラフィックを生成することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記初期入力に対応する前記複数のピクセルを消灯することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィック表示を生成することは、前記調理器具物体に関する前記示された位置において、前記グラフィックと共に、選択可能なメニューグラフィックを生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記データ処理ハードウェアにおいて、前記誘導加熱クックトップと接触している周辺デバイスから、前記選択可能なメニューに表示されるメニュー項目グラフィックに関する選択入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記選択可能なメニューの位置に隣接するエリアに対応する前記ディスプレイの第2の複数のピクセルを決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記第2の複数のピクセルを点灯させることにより、前記誘導加熱クックトップに関するクックトップ情報を表す第3のグラフィックを生成することと
をさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
クックトップ情報を表す前記グラフィックは、前記誘導加熱クックトップの前記表面上の前記調理器具物体を誘導加熱する少なくとも1つのソレノイドコイルによって生成される温度に対応する温度ダイヤルを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
クックトップ情報を表す前記グラフィックは、少なくとも1つのソレノイドコイルが前記誘導加熱クックトップの前記表面上の前記調理器具物体を誘導加熱する持続時間を設定するように構成されたデジタル調理タイマを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
調理器具物体を支持するための上面を含む上部プレートと、
垂直方向に前記上部プレートの下方に配設されたディスプレイと、
マトリックスにおいて配置され、且つ垂直方向に前記ディスプレイの下方に配設された複数の誘導コイルであって、前記上部プレートの前記上面の上方に部分的に延びる磁場を生成するようにそれぞれ動作可能である、複数の誘導コイルと、
制御システムであって、
データ処理ハードウェアにおいて、前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体の位置を示す初期入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記入力からの前記示された位置に対応する前記ディスプレイの複数のピクセルを決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記複数のピクセルを点灯させることにより、前記調理器具物体に関する前記示された位置を表すグラフィックを生成することと
を行うように構成される制御システムと
を含む誘導加熱クックトップシステム。
【請求項8】
前記制御システムは、
前記データ処理ハードウェアにおいて、前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体の位置の変化を示す第2の入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記第2の入力からの前記示された位置の変化に対応する前記ディスプレイの第2の複数のピクセルを決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記第2の複数のピクセルを点灯させることにより、前記調理器具物体に関する前記示された位置の変化に対応するそれぞれの位置に第2のグラフィックを生成することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記初期入力に対応する前記複数のピクセルを消灯することと
を行うようにさらに構成される、請求項7に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項9】
前記グラフィック表示を生成することは、前記調理器具物体に関する前記示された位置において、前記グラフィックと共に、選択可能なメニューグラフィックを生成することをさらに含む、請求項7に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項10】
前記制御システムは、
前記データ処理ハードウェアにおいて、前記上部プレートの前記上面と接触している周辺デバイスから、前記選択可能なメニューに表示されるメニュー項目グラフィックに関する選択入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記選択可能なメニューの位置に隣接するエリアに対応する前記ディスプレイの第2の複数のピクセルを決定することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記ディスプレイの前記第2の複数のピクセルを点灯させることにより、クックトップ情報を表す第3のグラフィックを生成することと
を行うようにさらに構成される、請求項9に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項11】
クックトップ情報を表す前記グラフィックは、前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体を誘導加熱する少なくとも1つのソレノイドコイルによって生成される温度に対応する温度ダイヤルを含む、請求項10に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項12】
クックトップ情報を表す前記グラフィックは、少なくとも1つのソレノイドコイルが前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体を誘導加熱する持続時間を設定するように構成されたデジタル調理タイマを含む、請求項10に記載の誘電加熱クックトップシステム。
【請求項13】
調理器具物体を支持するための上面を含む上部プレートと、
垂直方向に前記上部プレートの下方に配設されたディスプレイと、
マトリックスにおいて配置され、且つ垂直方向に前記ディスプレイの下方に配設された複数の誘導コイルであって、前記上部プレートの前記上面の上方に部分的に延びる磁場を生成するようにそれぞれ動作可能である、複数の誘導コイルと、
制御システムであって、
データ処理ハードウェアにおいて、複数の調理インターフェースのうちの調理インターフェースを選択する初期入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記選択された調理インターフェースに対応するグラフィックを生成し、且つ前記グラフィックを用いて前記ディスプレイを点灯させることであって、前記グラフィックは、少なくとも1つの調理エリアを有する、生成すること及び点灯させることと、
前記グラフィック上の前記少なくとも1つの調理エリアの下方の前記複数の誘導コイルの少なくとも1つを作動させて、前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体を前記少なくとも1つの調理エリアにわたって誘導加熱することと
を行うように構成される、制御システムと
を含む誘導加熱クックトップシステム。
【請求項14】
前記制御システムは、前記調理器具物体と共に、選択可能なメニューグラフィックを生成するようにさらに構成される、請求項13に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項15】
前記制御システムは、
前記データ処理ハードウェアにおいて、前記選択可能なメニューグラフィックに表示されるメニュー項目グラフィックに関する選択入力を受信することと、
前記データ処理ハードウェアにより、前記選択入力に対応するように前記ディスプレイ又は前記複数の誘導コイルの少なくとも1つを調整することと
を行うようにさらに構成される、請求項14に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項16】
前記制御システムは、前記選択入力に対応するように、前記複数の誘導コイルのうちの前記1つ又は複数の作動されたコイルに供給される電力を調整するようにさらに構成される、請求項15に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項17】
前記選択可能なメニューグラフィックは、前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体を誘導加熱する前記複数の誘導コイルの少なくとも1つによって生成される温度に対応する温度ダイヤルを含む、請求項15に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項18】
前記選択可能なメニューグラフィックは、前記複数の誘導コイルの少なくとも1つが前記上部プレートの前記上面上の前記調理器具物体を誘導加熱する持続時間を設定するように構成されたデジタル調理タイマを含む、請求項15に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項19】
前記選択された調理インターフェースは、第1のモード又は第2のモードを含み、前記第1のモードは、前記上部プレート上の前記調理器具物体の感知された位置によって決定される位置に前記調理エリアを表示するように構成され、及び第2のモードは、前記上部プレート上の固定された個別の位置に前記調理エリアを表示するように構成される、請求項13に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項20】
前記第2のモードは、少なくとも2つの個別のバーナを備えるガスレンジに類似するグラフィックを前記ディスプレイの上に表示する、請求項19に記載の誘導加熱クックトップシステム。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか一項に記載の操作のいずれかを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月7日に出願された米国仮特許出願第62/958,268号明細書に対する、米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。この先行出願の開示は、本出願の一部とみなされ、且つその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、ディスプレイを備える誘導加熱クックトップシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
キッチン又は食品を準備及び調理するために使用される他のエリアは、レンジユニットの一部であるクックトップ又はカウンタトップ若しくは他の作業面に直接配置若しくは設置される別個のクックトップユニットなど、誘導加熱クックトップを有し得る。誘導加熱クックトップを使用して、クックトップによって生成される電磁場と誘導結合することが可能な金属調理器具を効果的に加熱できることが知られている。
【0004】
誘導加熱クックトップは、クックトップ上に調理器具を支持する上部パネルを有することが一般的である。したがって、使用中、上部パネルは、多くの場合、誘導加熱された調理器具によって伝導的に加熱される。上部パネルの上面における余熱は、多くの場合、触れると危険であり、目で見て認識することが難しく、ときに不可能である。高温の上面を示すための現在知られている手段は、高温エリアに隣接する個別のライトにより、又は上面の実際の高温エリアからかなり離れた位置にあるクックトップの前縁部にある比較的小さいディスプレイ画面に表示されるメッセージにより提供される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、クックトップの誘導コイルを制御し、且つディスプレイを利用することによってクックトップのカスタマイズ可能な操作性を提供するように動作する統合ディスプレイインターフェースのための誘導加熱クックトップシステム及び対応する方法を提供する。本開示の一態様によれば、誘導加熱クックトップシステムは、調理器具物体を支持するための上面を有する上部プレートを含む。ディスプレイは、上部プレートの下方に配設され、及び誘導コイルは、マトリックスにおいて配置され(arranged in a matrix)、且つ垂直方向にディスプレイの下方に配設される。誘導コイルは、調理器具物体と結合するために、上部プレートの上面の上方に部分的に延びる磁場を生成するようにそれぞれ動作可能である。制御システムは、上部プレートの上面上の調理器具物体の位置を示す初期入力を受信する。制御システムのデータ処理ハードウェアは、その後、入力からの示された位置に対応するディスプレイのピクセルを決定する。制御システムは、その後、ディスプレイの複数のピクセルを点灯させることにより、調理器具物体に関する示された位置にグラフィックを生成する。
【0006】
本開示の実装形態は、以下の任意選択的な特徴の1つ又は複数を含み得る。いくつかの実装形態では、制御システムは、データ処理ハードウェアにおいて、上部プレートの上面上の調理器具物体の位置の変化を示す第2の入力を受信するようにさらに構成される。制御システムは、データ処理ハードウェアにより、第2の入力からの示された位置の変化に対応するディスプレイの第2の複数のピクセルを決定することができる。第2のグラフィックは、データ処理ハードウェアにより、ディスプレイの第2の複数のピクセルを点灯させることにより、調理器具物体に関する示された位置の変化に対応するそれぞれの位置に生成される。データ処理ハードウェアは、初期入力に対応する複数のピクセルをさらに消灯し得る。
【0007】
いくつかの実装形態では、グラフィック表示を生成することは、調理器具物体に関する示された位置において、グラフィックと共に、選択可能なメニューグラフィックを生成することをさらに含む。いくつかの例では、制御システムは、データ処理ハードウェアにおいて、上部プレートの上面と接触している周辺デバイスから、選択可能なメニューに表示されるメニュー項目グラフィックに関する選択入力を受信するようにさらに構成される。データ処理ハードウェアにより、選択可能なメニューの位置に隣接するエリアに対応するように、ディスプレイの第2の複数のピクセルが決定され得る。さらに、データ処理ハードウェアにより、ディスプレイの第2の複数のピクセルを点灯させることにより、クックトップ情報を表す第3のグラフィックが生成され得る。
【0008】
さらなる実装形態では、クックトップ情報を表すグラフィックは、上部プレートの上面上の調理器具物体を誘導加熱する少なくとも1つのソレノイドコイルによって生成される温度に対応する温度ダイヤルを含む。クックトップ情報を表すグラフィックは、いくつかの例では、少なくとも1つのソレノイドコイルが上部プレートの上面上の調理器具物体を誘導加熱する持続時間を設定するように構成されたデジタル調理タイマを含む。
【0009】
本開示の別の態様によれば、誘導加熱クックトップシステムは、調理器具物体を支持するための上面を有する上部プレートを含む。ディスプレイは、垂直方向に上部プレートの下方に配設される。誘導コイルは、マトリックスにおいて配置され、且つ垂直方向にディスプレイの下方に配設される。誘導コイルは、上部プレートの上面の上方に部分的に延びる磁場を生成するようにそれぞれ動作可能である。また、制御システムは、データ処理ハードウェアにおいて、いくつかの調理インターフェースのうちの調理インターフェースを選択する初期入力を受信する。制御システムは、データ処理ハードウェアにより、選択された調理インターフェースに対応するグラフィックを生成し、且つグラフィックを用いてディスプレイを点灯させ、グラフィックは、少なくとも1つの調理エリアを有する。さらに、制御システムは、グラフィック上の少なくとも1つの調理エリアの下方の誘導コイルの少なくとも1つを作動させて、上部プレートの上面上の調理器具物体を少なくとも1つの調理エリアにわたって誘導加熱する。
【0010】
いくつかの実装形態では、制御システムは、調理器具物体と共に、選択可能なメニューグラフィックを生成するようにさらに構成される。いくつかの例では、制御システムは、データ処理ハードウェアにおいて、選択可能なメニューグラフィックに表示されるメニュー項目グラフィックに関する選択入力を受信する。選択入力に応答して、データ処理ハードウェアは、選択入力に対応するようにディスプレイ及び/又は誘導コイルを調整する。また、いくつかの例では、制御システムは、選択入力に対応するように、複数の誘導コイルのうちの1つ又は複数の作動されたコイルに供給される電力を調整するようにさらに構成される。例えば、選択可能なメニューグラフィックは、上部プレートの上面上の調理器具物体を誘導加熱する複数の誘導コイルの少なくとも1つによって生成される温度に対応する温度ダイヤルを含み得る。いくつかの例では、選択可能なメニューグラフィックは、複数の誘導コイルの少なくとも1つが上部プレートの上面上の調理器具物体を誘導加熱する持続時間を設定するように構成されたデジタル調理タイマを含む。
【0011】
さらなる実装形態において、選択された調理インターフェースは、第1のモード又は第2のモードを含み得る。第1のモードは、上部プレート上の調理器具物体の感知された位置によって決定される位置に調理エリアを表示するように構成され得る。対照的に、第2のモードは、上部プレート上の固定された個別の位置に調理エリアを表示するように構成され得る。例えば、第2のモードは、少なくとも2つの個別のバーナを備えるガスレンジに類似するグラフィックをディスプレイの上に表示し得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】誘導加熱クックトップを備える例示的なカウンタトップの斜視図である。
図1B】誘導加熱クックトップに置かれている平鍋の下方に配設された例示的なディスク状の誘導コイルの斜視図である。
図1C図1Bに示される誘導コイルによって生成される例示的な磁場の概略図である。
図1D】C字形の誘導コイルによって生成される例示的な磁場の概略図である。
図1E図1Aの誘導加熱クックトップに対応する層のスタックの一例の概略図である。
図2A図1Aの誘導加熱クックトップの上面図である。
図2B図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図2C図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの斜視上面図である。
図2D図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図2E図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図2F図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図2G図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図2H図2Aの誘導加熱クックトップに関する例示的なグラフィックインターフェースの上面図である。
図3A】回転可能なノブの斜視図である。
図3B図1Aの誘導加熱クックトップに関する調理器具物体のための例示的な断熱体の斜視図である。
図3C図1Aの誘導加熱クックトップに関する調理器具物体のための例示的な断熱体の斜視図である。
図4A図1Aの誘導加熱クックトップに関する誘導コイルの例示的な配置の上面図である。
図4B】誘導コイルによって生成される磁場を概略的に示す、図4Aに示される区域A/Bでの誘導コイルの拡大平面図である。
図4C】ディスプレイパネルのデータラインと整列された磁場を概略的に示す、図4Aに示される区域A/Bでの誘導コイルの拡大平面図である。
図4D図4Aに示される区域A/Bで取られた誘導コイル及び対応する磁場の斜視図である。
図5】本明細書で述べるシステム及び方法を実装するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な図面中の同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0014】
図1Aを参照すると、いくつかの実装形態では、誘導加熱クックトップシステム100は、キッチン環境10又は食品を準備及び調理するために使用される他のエリアに提供される。例えば、図1Aは、キッチン環境(例えば、アイランドキッチン)内のキャビネット30のカウンタトップ20に設置された誘導加熱クックトップシステム100を示す。図1B及び1Cに示されているように、誘導加熱クックトップシステム100は、上部プレート110(例えば、透明なガラス及び/又はセラミックパネル)と、上部プレート110の下方に配設された誘導コイル120(例えば、ソレノイドコイル)とを含む。ここで、誘導コイル120は、「C」の各端部が上部プレート110に隣接するC字形コイル(例えば、図1D及び4に示される)から、より従来型のパンケーキコイルまで、様々な形状又は構成のソレノイドコイルを表すことができる。誘導コイル120は、上部プレート110の下の単一のコイル又は複数のコイル(例えば、図4Aにコイルのアレイとして示されている)を表し得る。
【0015】
電源は、高周波又は中周波電流などの交流を誘導コイル120に供給して電磁場を生成することができる。この電磁場は、上部プレート110の上面に支持された調理器具物体40(例えば、平鍋)と誘導結合して加熱することができる。電磁場は、図1B、1C及び1Dに示されるように、誘導コイル120のすぐ上のエリアで上部プレート110の上面を通過することができる。電磁場は、振動して、上部プレート110に支持された調理器具物体40の底部又はその近くに渦電流を生成する。それにより、渦電流に対する調理器具物体40の抵抗が調理器具物体40の抵抗加熱を引き起こす。したがって、誘導加熱された調理器具物体40は、調理器具物体40内の内容物を加熱及び調理することができる。温度などの調理設定を調整するために、誘導コイル120に供給される(例えば、電流による)電力を調整することができる。
【0016】
調理器具物体40は、誘導コイル120と誘導結合し、物体40内の調理面に熱を伝導により拡散することができるように、少なくとも調理器具の底面などに鉄金属を含み得る。また、調理器具物体40は、ポット、平鍋、誘導プレート、鍋など、様々なタイプの調理容器を含み得る。調理器具物体40は、下に置く調理器具なしで使用されるように構成された金属製の食品パッケージングなどの製品パッケージングであり得ることも企図される。さらに、物体40は、誘導コイル120と誘導結合して、誘導結合を介してデータ又は電力を転送するように構成された電気デバイスであり得ることが企図される。そのような電気デバイスは、トースタ若しくはミキサなどの小さいキッチン電化製品、電線を介して電力供給される他のデバイスを差し込むためのコンセントユニット又は携帯電話などの他の個人用電子デバイスを含み得る。
【0017】
システム100がディスプレイ要素(例えば、ディスプレイパネル140として図示される)を含む場合などのいくつかの構成では、コイル120の構成及び/又は構造は、コイル120によって生成される交流磁場のカップリング効果を軽減することを促進し得る。図1Dなどのいくつかの例では、コイル120は、磁力線又は磁束を所与の方向に整列させるためのcコアソレノイドコイル磁石として構成される。また、図4A~4Dでの誘導コイルは、共通の方向に磁場を整列するようにそれぞれ位置決めされたcコア誘導コイル406の配置を含む。cコアソレノイドコイル磁石の向きをディスプレイ要素(例えば、ディスプレイパネル140)と適切に合わせることにより、電気的干渉に対して最も脆弱性が高い可能性があるディスプレイ(例えば、ディスプレイの背面)内の金属又は導電線は、磁力線に平行に又は概して平行に整列される。追加として又は代替として、電気的干渉に対して脆弱性がより低いか又は最も脆弱性が低いと識別されるディスプレイ(例えば、ディスプレイの背面)内の金属又は導電線は、磁力線に直交に整列させることができる。
【0018】
図1Eを参照すると、いくつかの例では、誘導加熱クックトップシステム100は、クックトップ表面110と誘導コイル120(コイル層120とも呼ばれる)との間にある1つ又は複数の放熱層130及びディスプレイパネル140を含む。ここで、放熱層130は、クックトップシステム100の動作中、(例えば、調理器具物体40を介して)コイル層120、ディスプレイパネル140及び/又はクックトップ表面110によって生成された熱を放散することができるように断熱体として作用し得る。この放熱は、ディスプレイパネル層140など、システム100の異なる層の動作不良及び/又は故障を防止するのに役立ち得る。放熱層130は、断熱材料又は層間に空気が流れることを可能にするエアギャップであり得る。ここで、図1Eでは、システム100は、クックトップ表面110とディスプレイパネル140との間にある第1の放熱層130aと、ディスプレイパネル140とコイル層120との間にある第2の放熱層130bと、調理器具物体40とクックトップ表面110との間にある第3の放熱層130cとを含む。システム100は、3つの放熱層130、130a~cを示している。しかし、システム100は、任意の数の放熱層130を含むことができる。いくつかの例では、各層の位置を維持するために、システム100の1つ又は複数の層は、構造的なスタンドオフを有し得る。追加として又は代替として、システム100又はその一部分は、システム100に対応するフレーム構造によって所定の位置に固定され得る。
【0019】
ディスプレイパネル140の下では、支持層150(例えば、ガラス支持層)がディスプレイパネル140のための非伝導性支持を提供する。支持層150の下方において、ディスプレイパネル140をコイル層120(例えば、2つのコイル120、120a~bとして図示されている)から分離する第2の放熱層130bが示されている。コイル層120の下に、システム100は、冷却層160をさらに含み得る。例えば、各コイル120a~bは、コイル層120の上方の層(例えば、ディスプレイ140又はクックトップ表面110)から熱を下向きに取り除くように機能する下降気流ファン160、160a~bを含む。さらなる例では、ヒートシンク又は液冷など、追加又は代替の冷却システムを採用してコイルから熱を取り除くことができる。
【0020】
ディスプレイパネル140は、一般に、発光を調整してグラフィック又は他のコンテンツ情報を生成することによって動作する。例えば、この動作に基づいて、ユーザは、発光を、クックトップ表面110に投影される表示として知覚する。ここで、ディスプレイパネル140は、1つ又は複数のOLEDを使用して発光する有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイパネルである。さらなる例では、ディスプレイパネルは、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT LDC)パネル、発光ダイオードディスプレイ(LED)パネル、プラズマディスプレイパネル(PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイパネル、量子ドットディスプレイ(QLED)パネル又はエレクトロルミネセンスディスプレイ(ELD)パネルであり得る。しかし、誘導コイル層120と共にOLEDディスプレイパネル140を使用するために、システム100は、OLEDディスプレイパネル140が特定の動作条件で機能することを保証する必要がある。例えば、OLEDディスプレイパネル140が、コイル層120に関連付けられる磁場から過度の熱又は過度の電気的干渉を受ける場合、OLEDディスプレイパネル140の動作が低減されるか又は損なわれることがある。
【0021】
図1Eを参照すると、1つ又は複数の放熱層130は、クックトップ表面110に置かれている高温の物体から熱を放散するように機能し得る。いくつかの例では、熱を適切に放散するために、OLEDディスプレイパネル140は、クックトップ表面110又は熱源自体(例えば、調理器具物体40)から閾値距離だけずらされ得る。例えば、第1の放熱層130aは、クックトップ表面110に置かれている高温の物体(例えば、調理器具物体40)がディスプレイ140を損傷することを防止するのに十分な断熱のための空間を提供するために、閾値距離以上の厚さを有する。いくつかの例では、ディスプレイ140とクックトップ表面110との間の放熱層130に加えて、又はその代わりに、ディスプレイ140は、クックトップ表面110と調理器具物体40との間にある放熱層130(例えば、第3の放熱層130c)によって調理器具物体40(すなわちクックトップ表面110上の熱源)からずらされる。例えば、第3の放熱層130は、1つ若しくは複数のシリコンパッド(例えば、図3A及び3Bに示されるように)又は何らかの他のタイプの弾性断熱体に対応する。ここで、クックトップ表面110と調理器具物体40との間の第3の放熱層130は、引っ掻き又は低衝撃接触力によってクックトップ表面110を損傷しない材料で構成され得る。調理器具物体40とクックトップ表面110との間に放熱層130を有することにより、放熱層130は、クックトップ表面110の伝導加熱を防止又は低減することができる。
【0022】
いくつかの実装形態では、閾値距離は、空間内で使用される断熱材のタイプ及び/又は密度に依存し得る。さらに、放熱層130は、放熱層130がクックトップ表面110の下にあるとき、ディスプレイ140の画質をぼやけさせるか又は歪ませることを防止するために、透明特性(例えば、光学的透明性)を有し得る。ここで、このタイプの放熱層130は、透明断熱体と呼ぶことができる。透明断熱体は、気体、液体又は固体状態の断熱材であり得る。気体又は液体の場合、断熱材料は、加熱されている空間を通して流れて、対応する断熱材料に伝達される熱を除去することもできる。透明断熱体は、ディスプレイ140のディスプレイ上面と上部プレート110の上面との間の1つ又は複数の位置に配設されたシリカエアロゲル材料も含み得る。透明断熱体は、上部プレート110と統合され得るか、又は上部プレート110とディスプレイ140との間に配設され得る。したがって、上部プレート110は、均質なパネル(例えば、ガラスパネル)であり得る。
【0023】
いくつかの例では、誘導加熱クックトップ100は、制御システム回路構成などの制御システム170を含む。制御システム170は、センサシステム180からの入力を検出又は受信し、それらの入力に関係付けられた処理タスクを実施するように構成される。いくつかの構成では、制御システム170は、コイル層120、ディスプレイ140及び/又はセンサシステム180に結合されるか又はそれらと通信する。例えば、制御システム170は、これらの要素のインターフェースに物理的に有線接続されるか、又はこれらの要素と無線通信し得る。ディスプレイパネル140に関して、制御システム170は、例えば、誘導コイル120と誘導結合された調理器具物体40とインターフェースする上面のエリアを含む、クックトップ表面110に情報を表示するために、ディスプレイパネル140を制御するように構成される。制御システム170は、調理器具物体40と誘導結合する誘導コイル120の動作前、動作中又は動作後、ディスプレイパネル140によって表示される情報を制御することができる。ディスプレイパネル140によって表示される情報のいくつかの例は、クックトップの動作情報、調理ゾーン若しくは制御インターフェースの輪郭、制御インターフェース画像、メディアウィンドウ若しくは情報又はブランディング若しくは広告ウィンドウ若しくは情報及び他の考えられる画像及びグラフィックを含む。いくつかの実装形態では、ディスプレイ140を制御するために、制御システム170は、ピクセル回路とインターフェースして、ピクセル回路への電圧、電流及び/又は他の信号を制御することにより、ディスプレイ140の個々のピクセルを制御するように構成される。
【0024】
ディスプレイ140を制御することに加えて、制御システム170は、コイル層120を制御するように構成される。ここで、制御システム170は、コイル層120の1つ又は複数のコイル120に電力(例えば、電圧又は電流の形態における)を供給して、コイル120の特性を作動させるか、作動停止させるか又は調整する(例えば、1つ又は複数のコイル120の加熱力を調整する)ことができる。
【0025】
いくつかの構成では、制御システム170は、複数のコントローラを含む。ここで、各コントローラは、システム100の特定の部分を制御するために個別に動作するか又は互いに通信することができる。例えば、ディスプレイ140、コイル層120及び/又はセンサシステム180は、それぞれ独自のコントローラを含み得る。これらのコントローラは、総体として制御システム170を形成する。例えば、必要とされる通信プロトコル又は通信されている情報/データのタイプに応じて、システム100全体にわたって様々なタイプのコントローラを使用することができる。
【0026】
いくつかの例では、ディスプレイ140は、(例えば、制御システム170を介して)システム100との対話処理(interaction)からの入力を受信するように構成される。例えば、ディスプレイ140は、システムのユーザ又はユーザに関連付けられた物体によるクックトップ層110の上面での対話処理に対応する入力を受信する。これらの入力に基づいて、ディスプレイ140は、(例えば、制御システム170を介して)コンテンツ又はコンテンツ情報を生成し、生成されたコンテンツをディスプレイ140に表示して、ユーザがクックトップ表面110で知覚できるように構成される。換言すると、ディスプレイ140は、画像、マルチメディア、インジケータなどの形態でコンテンツを生成するか、コンテンツを変更するか、又はコンテンツを削除するユーザインターフェース200として機能することができる。
【0027】
全般的に言うと、センサシステム180は、システム100に関連付けられる(例えば、クックトップ表面110又はクックトップ表面110の周りの空間エリアに関連付けられる)様々な入力を受信又は検出し、これらの入力を制御システム170に通信して、ディスプレイ140及び/又はコイル層120などの要素を制御するように構成することができる。本明細書では、入力は、センサシステム180によって検出されるものとして記載されている。しかし、制御システム170、ディスプレイ140及び/又はコイル層120は、これらの入力を直接又はセンサシステム180とは独立して受信/検出するように構成することもできる。これらの入力のいくつかは、タッチ入力若しくは他の接触ベースの入力などのユーザからの直接入力、又はユーザに関連付けられた物体によってチャネル設定及び/若しくは通信される入力などのユーザからの間接入力を含む。例えば、センサシステム180は、キーボード、マウス、スタイラス、リモートコントローラ(例えば、図3Aのノブ)、マイクロフォン、カメラ、イメージスキャナなど、ディスプレイ140及び/又はシステム100に関連付けられた周辺機器からの入力を受信するように構成される。これらの周辺機器は、有線又は無線プロトコル(例えば、Bluetooth(登録商標)、近距離通信、RFIDなどの無線周波数(RF)など)を使用することができる。いくつかの例では、センサシステム180は、クックトップ表面110上における若しくは(例えば、クックトップ表面110の周りの空間エリア内のセンサシステム180の範囲内で)クックトップ表面110に隣接する物体(例えば、調理器具物体40)の存在又はそのような物体に関連付けられる特性(例えば、温度、位置、向きなど)を識別するセンサからの間接入力を受信する。
【0028】
図2Aを参照すると、クックトップシステム100は、様々なタイプの機能を可能にするゾーンZとして構成され得る。換言すると、コイル層120の真上にあるゾーンZ(例えば、マルチコイル加熱ゾーンとして示される第1のゾーンZ1)内の回路は、コイル層120の真上ではないゾーンZ(例えば、タッチコーナーゾーンとして示される第3のゾーンZ3)内の回路と異なって設定される。例えば、いくつかのタイプのディスプレイ又はセンサは、その機能を提供するために必要な特定のタイプの回路構成を有し得る。1つ又は複数のコイル120(例えば、第1のゾーンZ1内に示されるマトリックスコイルアレイ)に基づいて動作する誘導加熱クックトップを使用する場合、コイル層120によって生成される磁場及び誘導電圧に対応するように他の構成要素(例えば、センサ又はディスプレイ)の回路を変更するか、又は異なる位置決めにする必要があり得る。いくつかの構成では、各ゾーンZは、ユーザインターフェース200のための1つ又は複数のタイプのユーザ機能を有する。
【0029】
図2Aなどのいくつかの実装形態では、複数のコイル120は、(例えば、第1のゾーンZ1として示される)複数の調理器具を同時に加熱するための大きい表面を提供するコイルのアレイ(例えば、図4Aに示されるような行列のアレイ)を形成する。コイル120(例えば、Cコアコイル)は、OLEDディスプレイデータラインに平行な方向を有する磁場を生成する。1つ又は複数の他のコイル210は、コントローラ(すなわち図3Aに示されるようなノブ212)の存在を感知する、コントローラ位置エリアと呼ばれる第2のゾーンZ2を形成することができる。ここで、第2のゾーンZ2内のコイル210は、第1のゾーンZ1のマルチコア加熱エリアを形成するコイルと同じコイルであり得るか、又は代替として異なるコイル(例えば、スパイラル若しくはパンケーキコイル)であり得る。ユーザインターフェース200は、(例えば、制御システム170を用いてディスプレイ140を制御するために)誘導加熱クックトップのユーザからのタッチ入力を受信するように構成されたタッチコーナーに対応する第3のゾーンZ3も含み得る。さらなる例では、タッチコーナーが表示エリアのより広い部分又は全体に広がり得ることも企図される。これらの例では、ディスプレイ140及び/又は制御システム170は、タッチコーナーZ3で行われるユーザからの入力を受信し、入力を処理してディスプレイ140及び/又はコイル層120を制御することが可能なグラフィカルユーザインターフェース(GUI)コンピュータ220を含む。さらに、埋め込み型コイルコントローラ220は、コイル120、210に提供される電力を制御するためにノブ212が存在するとき、(GUIコンピュータ220を介して)タッチコーナーZ3及び/又はコントローラ位置エリアZ2から入力を受信することができる。1つ又は複数の電源ユニット(PSU)232は、埋め込み型コイルコントローラ230に電力を提供する。次いで、埋め込み型コイルコントローラ230は、コイル120、210に電力を分配する。いくつかの例では、各コイル120、212は、その独自のドライバを有する。コイル120、210を有効化するとき、コントローラ230は、ドライバに電力を供給する。他の例では、複数のコイル120、210は、(例えば、ソリッドステートスイッチを介して)同じドライバを共有する。コントローラ230は、共有ドライバを介して複数のコイル120、212を同時に制御する。クックトップ100のいくつかの部分(例えば、コントローラ位置エリアZ2)は、クックトップの上に配置された互換性のあるデバイスに無線で電力を提供することができる。説明のために、コントローラ又はノブ212は、それがコントローラ位置エリアZ2に位置されるときに充電又は電力供給することができる。
【0030】
いくつかの例では、誘導加熱クックトップ100は、無線周波数識別(RFID)システム240を含む。RFIDシステム240は、1つ又は複数の無線周波数識別(RFID)アンテナ242と、RFIDアンテナ242に又はその受信範囲内に配置されたRFIDタグを検出するためのRFIDリーダ244とを含み得る。例えば、RFIDシステム240は、クックトップ100上に配置された物体に配設されたRFIDタグを識別して、物体の特性及び関連データを識別する。例えば、物体は、埋め込み型RFIDタグを有する製品パッケージング、例えば下に置く調理器具なしで使用されるように構成された金属製の食品パッケージングを含み得る。いくつかの例では、RFIDシステム240は、製品注文プロセスの一部として使用される。RFIDシステム240は、RFIDタグを含む物体の特性を注文システム又は在庫システムに通信する。追加として又は代替として、RFIDシステム240を使用して、ユーザのための通知を生成することができる。例えば、RFIDシステム240がRFIDタグを識別するとき、システム240は、この情報をユーザに中継して、レシピ又は他の調理関連タスクに関する進行状況通知を生成することができる。換言すると、RFIDシステム240は、RFIDタグによって成分を認識し、この認識を通信する(例えば、レシピステップの完了を通知するか、又は所与の物体に関してより多くの在庫が必要とされることを通知する)ように構成される。
【0031】
いくつかの例では、埋め込み型コイルコントローラ230は、調理器具物体40(すなわち適切な金属の大きい物品)が特定のコイル120の上に存在することをコントローラ230が判定したとき、その特定のコイル120に電力を供給する。これは、クックトップ100が調理器具以外の物体を加熱しないことを保証することにより、クックトップ100の安全性を高めることができる。いくつかの実装形態では、コントローラ230は、プローブ信号を各コイル120に送信して、物体がコイル120の上(すなわちコイルの上方のクックトップ表面のすぐ上)にあるかどうかを判断することができる。プローブ信号は、いくつかの例では、(調理器具物体を加熱するのに必要とされる電力の量と比較して)少量の電力をコイル120に提供することを含む。すなわち、プローブ信号は、コイル120を通して流れる交流を含み得る。コントローラ230は、プローブ信号からの結果を測定して、調理器具物体40がコイル120の上方にあるかどうかを判断することができる。例えば、コントローラ230は、プローブ信号を受信するときにコイル120が電力レールから引き出す電力の量を決定することができる。引き出された又は消費された電力が閾値量を満たしているとき、コントローラ230は、調理器具物体40が1つ又は複数のコイル120の上方にあると判断することができる。引き出された電力が閾値量を満たしていないとき、コントローラ230は、調理器具物体40がコイル120の上方にないことを判定することができる。コイル120の上方に物体が存在しないことを判定することに加えて、コントローラ230は、コイル120の上方に存在する物体が適切な材料ではないこと、物体が十分に大きくないこと及び/又は物体が部分的にのみコイル120に重なっていることなどをさらに判定することができる。いくつかの例では、このプロセスは、第1のゾーンZ1などの加熱ゾーンだけでなく、第2のゾーンZ2などの制御ゾーンでも使用されて、ノブ212などのコントローラ212の存在及び/又は位置を識別する。
【0032】
いくつかの例では、コントローラ230は、一度にコイル層120内の1つのコイル120にプローブ信号を送信し、各コイル120を順次にチェックする。コントローラ230は、全てのコイル120が評価されるのを待った後、コイル120のいずれかを有効化することができる。全てのコイル120が評価された後、コントローラ230は、その上方に調理器具物体40を有するとコントローラが判定した各コイル120を有効化するか又は作動させることができる。コントローラ230は、1つ又は複数の物体に関していくつかのコイルを有効化することができる。単一の調理器具物体40に対して複数のコイル120を有効化することができ、複数の調理器具物体40を同時に加熱することができる。
【0033】
任意選択的に、コントローラ230は、一度に複数のコイル120にプローブ信号を送信することができる。コントローラ230は、プローブされたコイル120の共振周波数以外の周波数でプローブ信号を送信して、プローブされたコイル120に近接する他のコイル120に誘導される電流の量を低減することができる。他のコイル120が、プローブされたコイル120と同じ共振周波数を有し得るため、共振周波数でのプローブ信号は、プローブされたコイル120に加えて、他のコイル120でも電流を誘導し得る。プローブされたコイル120以外のコイル120に誘導された電流は、不正確な結果をもたらす場合がある(例えば、近くのコイルの上方にある物体が、プローブされたコイルの上方にあると判定されるおそれがある)。プローブ信号が共振周波数に近くない周波数である場合、少なくとも一部にはコイル120の高いQ値により、電流が結合されないことがある。コントローラ230は、異なる周波数で複数のコイル120を同時にプローブすることができる。他の例では、コントローラ230は、他のプローブされたコイル120に誘導される電流の量を制限又は排除するために、閾値距離よりも大きく離れたコイル120を同時にプローブし得る。すなわち、結合しないように十分な距離で離れている2つのコイル120を同時にプローブすることができる。コントローラ230は、現在プローブされていないコイル120を(例えば、電界効果トランジスタ(FET)を介して)接地に短絡させることができる。
【0034】
図2B~2Hを参照すると、ユーザインターフェース200は、制御システム170及び/又はセンサシステム180によって受信された入力に応答して、ディスプレイ140で様々な調理グラフィックを生成することが可能であり得る。いくつかの例では、ユーザインターフェース200は、ユーザインターフェース200のための特定のグラフィックのセットを生成する様々なモードMを含む。例えば、図2B~2Hは、ユーザインターフェース200のタッチ入力ゾーンZ3で選択可能な複数のモードMを示す。この例では、モードMは、フリーフロートモード、フレンチプラーク(french plaque)モード、ガストップモード及びキャンプファイヤモードを含む。別の例として、バンケットモード(すなわちビュッフェ又はマルチディッシュ保温モード)を提供することができる。これは、複数の料理を提供できる状態に温め続けておくためのクックトップ上の個々の位置を含み、任意選択的に、各料理又は位置の近くにおいて、温められている料理を識別するラベルを表示する。温められている料理。ユーザが、モードMの選択に対応するタッチ入力を生成すると、センサシステム180は、この入力を、選択されたモードを示す特定の信号として受信し、この情報を制御システム170に通信する。次いで、制御システム170は、ディスプレイ140と連係して、ディスプレイ140に、選択されたモードMに対応するグラフィックコンテンツを生成させる。いくつかの構成では、特定のモードMは、システム100がオンにされたときのシステム100のためのデフォルトモードとしてプログラムされ得る。いくつかの構成では、ユーザインターフェース200は、ユーザがモードを設計又はカスタマイズすることを可能にするモードを含み、カスタムグラフィック又はコンテンツを含むモードをユーザが生成することを可能にする。例えば、ユーザは、正方形若しくはブランド名のグラフィックを追跡グラフィックとして望むか、又はカウンタトップの色に対応する若しくは(例えば、図示されるように黒ではなく)空色に似た全般的な背景グラフィックを望む。追加として又は代替として、タッチ入力ゾーンZ3は、オン/オフボタンタッチエリア、設定ボタンタッチエリア、安全ボタンタッチエリア又はクックトップの制御に関連する他のボタンなど、他の可能なユーザ選択で構成され得る。
【0035】
図2B、2C、2E及び2Fは、フリーフロートモードMに対応するグラフィックコンテンツを含むユーザインターフェース200を示す。フリーフロートモードは、調理領域(例えば、第1のゾーンZ1)内のユーザインターフェース200に描かれるグラフィックが1つ又は複数の調理器具物体40を追跡するモードを表す(追跡モードとも呼ばれる)。したがって、このモードにより、ユーザは、ユーザ調理嗜好、調理領域Z1に存在する調理器具物体40の量又は調理領域Z1に存在する物体40のタイプ/サイズに対処することができる調理スペースをカスタマイズすることができる。例えば、ユーザは、1つ又は複数のコイル120の上で、高温になる調理器具物体40を子供が掴むことを防止する位置に調理器具物体40をカスタマイズ可能に配置することができる。
【0036】
フリーフロートモードでは、ディスプレイ140は、調理領域Z1内の調理器具物体40に対応するグラフィック252及び/又は制御領域Z2内のコントローラ212(例えば、図2Cに示されるノブ212)に対応するグラフィック254を生成するように構成される。例えば、図面には、調理器具物体40及びコントローラ212の輪郭を描くグラフィックを含むユーザインターフェース200が示されている。いくつかの例では、ディスプレイ140は、コイル層120へのプローブ信号に対応するコントローラ230からの情報を利用することにより、この追跡モードグラフィック250を生成する。換言すると、プローブ信号は、調理領域Z1内の調理器具物体40に関する位置情報を識別し、この情報をディスプレイ140に中継することができ、ディスプレイ140は、プローブ信号が調理器具物体40を識別する位置に追跡グラフィックを生成する。この同じ技法を使用して、制御領域Z2内のコイル210に関するプローブ信号を使用して、コントローラ212の位置を表示することができる。
【0037】
いくつかの例では、ディスプレイ140は、コントローラ230に関連付けられたプローブ信号ではなく又はそれに加えて、センサシステム180からの入力を使用して追跡グラフィック252、254を生成する。いくつかの実装形態では、ディスプレイ140は、ディスプレイ140にカラーパターンを表示する物体追跡カラーシーケンスを生成する。ここで、コントローラ212及び/又は調理器具物体40は、1つ又は複数のカラーセンサを含む。これらのカラーセンサは、コントローラ212及び/又は調理器具物体40(まとめて物体と呼ぶ)の下の色を検出するように構成される。いくつかの例では、カラーセンサは、物体の下の色を検出する。センサシステム180及び/又は制御システム170は、以前に検出された色の特定の象限でのカラーパターンをリフレッシュする。ここで、このプロセスを繰り返して、ディスプレイ140の上の物体の位置に関する特定の位置精度を達成し、各反復において、前の反復からの識別された象限にカラーパターンが生成される。換言すると、システム100は、反復色感知プロセスを使用して、上部プレート110上の物体(例えば、調理器具物体40又はコントローラ212)の位置を識別する。例えば、シーケンスの4回の反復から、カラーセンサが青を連続して4回検出すると、センサシステム180及び/又は制御システム170は、物体が第4の反復の第4の青色象限にあると判定する。いくつかの構成では、ディスプレイ140は、毎秒ごとに少数のフレーム(例えば、30~60フレーム/秒(fps)のうちの2~4fps)を使用して、この物体追跡カラーシーケンスを生成するように構成される。少数のフレームのみを使用することにより、ユーザは、この追跡プロセスを視覚的に識別できないことがある。
【0038】
センサシステム180は、様々なセンサを使用して、クックトップ表面110上又はその近くの物体の位置を検出するか、又は位置の検出を補助することができる。いくつかの例では、センサシステム180は、物体に取り付けられたマイクロコントローラ(MCU)(例えば、6軸MCU)から検出された入力を使用して、物体に関する位置/向き情報を提供する。ここで、MCUは、物体が取り上げられるか、置かれるか又は動かされるときを検出する加速度計を含み得る。いくつかの構成では、光センサが物体に取り付けられて、物体に関する位置/向き情報を判定する。センサシステム180は、追加として又は代替として、RFIDシステム240と連係するように構成され得る。それにより、物体は、物体の位置/向き情報を判定するためにRFIDシステム240によって認識可能であるRFIDタグなどの構成要素を含む。いくつかの例では、センサシステム180は、物体の位置を検出するためのビジョンセンサを含む。ここで、ビジョンセンサは、クックトップシステム100の縁部に取り付けられる(例えば、赤外線センサ)か、クックトップシステム100の頭上に取り付けられる(例えば、フード又は換気口に)か、又はクックトップ表面110の下に取り付けられ得る(例えば、システム100の1つ又は複数の層に埋め込まれているビジョンセンサに結合されたホログラフィック光学要素)。いくつかの実装形態では、センサシステム180は、物体の位置の検出を補助するために、ユーザインターフェース200内にタッチセンサを含む。これらのタッチセンサは、非静電容量式タッチ技術であり得る。例えば、タッチセンサは、クックトップ表面110での音の周波数を監視する表面弾性波(SAW)タッチセンサである。ここで、これらのSAWタッチセンサは、超音波受信機によって受信されるようにクックトップ表面110を通して伝播する音波を放出する(例えば、クックトップ表面110の縁部に取り付けられた)送信機を含み得る。ここで、システム100は、センサ又は感知シーケンスの任意の組合せを使用して、ディスプレイ140の上方の物体の位置を定義するように構成され得る。
【0039】
いくつかの例では、センサシステム180は、これらのセンサを使用して、クックトップ表面上に置かれた異物(すなわち電子デバイス、調理材料、台所用品などの非調理器具物体)を検出するか又は検出を補助することもできる。さらに又は代替として、誘導コイルを使用して、互換性のある調理器具に関する許容範囲内の誘導抵抗を有さない異物を感知することができる。そのような異物の検出は、異物の存在をユーザに警告するために、例えば表示された通知若しくはグラフィック又は可聴音を介してユーザに伝えられ得る。例えば、加熱された調理器具物体の近くに異物がある場合、ユーザが異物を動かして、異物の加熱又は望ましくない加熱の干渉を回避することが通知により推奨され得る。
【0040】
ディスプレイ140は、調理情報を伝達するグラフィックコンテンツ250、256、258を生成するようにさらに構成され得る。例えば、ディスプレイ140は、選択可能なメニュー256に対応するグラフィック250を生成する。ここで、メニュー256から調理情報項目を選択するために、ユーザは、コントローラ212又は他の制御手段(例えば、周辺機器若しくはタッチエリア)を使用することができる。例えば、図2B、2C、2E及び2Fは、温度、タイマ及びタイプなどの選択可能な表示オプションを含むメニュー256を示す。図2Bは、ユーザがユーザ入力として温度のメニューオプションを選択したことを示す。このユーザ選択(例えば、コントローラ212を使用する)に基づいて、ディスプレイ140は、現在の調理温度を識別するグラフィック250、258を生成する。いくつかの例では、1つ又は複数の作動中のコイル120に対応する温度又は電力の表現が調理器具物体40に表示され得る(例えば、表示される温度又は調理器具物体の周りのハローを表すグラフィックとして示される)。メニュー項目が選択されている間、ユーザは、(例えば、コントローラ212を使用して)その選択に対応する設定又は構成を調整することが可能であり得る。換言すると、温度が選択されるとき、ユーザは、温度設定を高から中に変更することができる。別の例として、図2C及び2Eに示されるように、ユーザがタイマメニューを選択するとき、ユーザは、ユーザインターフェース200を使用して、調理時間を設定することができる。例えば、図2C及び2Eは、ユーザ入力に基づいて調理タイマグラフィック258を生成するディスプレイ140を示す。ユーザが(例えば、図2Fに示されるように)タイプに関するメニューオプションを選択するとき、ディスプレイ140は、ユーザが選択可能な様々な調理設定タイプを示すグラフィック258を生成するように構成される。これらの図に示されているように、システム100は、様々な調理設定に合わせてカスタマイズ可能であり、様々な調理情報タイプを伝達する。さらに、このシステム100は、ディスプレイ140が調理エリアZ1内又はその近くでグラフィックコンテンツを生成することを可能にする。
【0041】
図2Dを参照すると、ユーザインターフェース200は、システム100の状態に基づいて安全通知を生成するように構成され得る。例えば、図2Dは、ディスプレイ140が、前に調理器具物体40が加熱されたエリアが依然として高温であることを伝達するグラフィック250を生成することを示す。この通知グラフィックは、誘導加熱調理に有用である。なぜなら、そのようなグラフィックがないと、ユーザは、そのエリアが依然として高温である(すなわち危険である)ことを認識できないことがあるからである。いくつかの例では、ディスプレイ140は、調理器具物体40が取り除かれた後、特定の期間にわたってこの通知グラフィックを生成するように構成される。例えば、ディスプレイ140は、調理期間(すなわちエリアが加熱された時間の長さ)及び/又はエリア内の調理の温度を考慮するアルゴリズムに基づいて通知グラフィックを生成する。追加として又は代替として、アルゴリズムは、IR温度送信ユニットからの赤外線温度情報を考慮する。換言すると、いくつかの例では、センサシステム180のIRセンサは、加熱中に調理器具物体40の温度を監視する。この温度情報は、通知グラフィック252を表示する長さを判定するアルゴリズムに組み込まれ得る。これらの例では、IRセンサは、システム100の1つ又は複数の層に隣接して取り付けられるか、又はそれらの層と共に埋め込まれ得る。例えば、IRセンサは、透明ディスプレイ140を通して調理器具物体40の温度を感知する。
【0042】
図2G及び2Hは、ユーザインターフェース200のユーザによって選択可能である他の例示的なモードMを示す。ここでは、フリーフローティングモードと異なり、これらのモードは、調理中に使用されるコイル120を固定することができる。換言すると、図2G及び2Hに示されているように、ユーザがフレンチプラークモード又はガストップモードのいずれかを選択するとき、ディスプレイ140は、調理器具物体40を加熱するための設定位置又は個別の調理エリア(例えば、従来型のバーナに類似する)を描くグラフィック250を生成する。換言すると、これらのモードは、前述したカスタマイズ可能な追跡モードの代わりに、固定位置調理を提供する。ここで、フレンチプラークモードは、調理エリアZ1の中央にある大きいバーナ画像と、フレンチプラークレンジ又はシマープレート(simmer plate)に特徴的である、大きい中央バーナの隅にある4つのバーナとを含むグラフィック250をもたらす。フレンチプラークの大きいバーナは、バーナの様々な温度ゾーンを定義する同心リングを有する。例えば、中央のリングは、最も熱いか又は最高温度能力であり、中央のリングから放射状に広がるリングは、徐々に低下する温度を提供する。例えば、外側のリングは、弱い沸騰を必要とするポットを置くためのスペースを提供し、中央のリングからさらに離れると、じっくり煮込む料理のためのスペースを提供し、最後に、縁部では、バター又はチョコレートを焦がさずに溶かすなど、とろ火で物を温めるためのスペースを提供する。対照的に、ガストップモードは、ガススタイルのバーナを描くグラフィック250を生成する。ここで、ガストップモードでは、ユーザインターフェース200は、例えば、ユーザが調理器具物体40を用いて調理している調理エリアを決定し、その調理位置に対応するグラフィック250を生成するための何らかの形式の追跡を含み得る。例えば、図2Hでは、ディスプレイ140は、決定された調理エリアに最も近いバーナの中央を取り囲む青い炎のリングを有するグラフィック250を生成する。
【0043】
図3A~3Cは、ユーザインターフェース200と共に使用することができるアクセサリを示す。図3Aは、ユーザインターフェース200の制御領域Z2で使用することができるコントローラ212の一例である。コントローラ212は、上部プレート110の上面に磁気的に取り付けられるように構成された下側部分212lと、誘導コイル120及び/又はディスプレイ140の少なくとも1つを制御するためのユーザ入力を受信するように構成された上側部分212uとを有し得る。コントローラ212の上側部分212uは、例えば、温度又は調理時間などを調整するために、回転可能なノブの径方向位置に対応するユーザ入力を提供するために回転可能である回転可能ノブ又はダイヤルを含み得る。上側部分212uは、例えば、異なる設定又は選択へのノブの回転に応答して、ユーザに触覚フィードバックを提供することができる。上側部分212uは、誘導加熱クックトップ100の制御システム170にユーザ入力を提供するために、ボタン、容量タッチセンサ、スライダ、スイッチなどの追加又は代替の入力デバイスと共に構成され得ることも企図される。例えば、回転可能なコントローラ212の上側部分212uを押し下げるか、又はダイヤルを回してボタンを作動させることによってリンクを選択することにより、コントローラ212は、選択されたリンクを作動させるか、非表示にするか、再配置するか若しくは最小化するか、又は様々な他の考えられるユーザインターフェース機能を行い得る。
【0044】
いくつかの例では、コントローラ212は、クックトップ100のための1つ又は複数の安全機能を含む。例えば、クックトップ100は、コントローラ212が(例えば、クックトップ表面110から完全に又はコントローラエリアZ2から)取り外された場合、コイル層120が完全に作動停止させるように構成される。いくつかの例では、ユーザインターフェース200は、作動停止位置を含む。コントローラ212が作動停止位置に移動されると、制御システム170は、全てのコイル120を作動停止させる。いくつかの実装形態では、コントローラ212は、設定された期間にわたってコントローラ212が押し続けられるとき、制御システム170が全てのコイル120を作動停止させるという機能を有する。例えば、コントローラ212の上側部分212uを下側部分212lに対して5秒間押したときに作動するコントローラ212のスイッチボタンをユーザが押し続けると、制御システム170は、全てのコイル120を作動停止させる。いくつかの構成では、コントローラ212は、設定された回数(例えば、3回)にわたってユーザがコントローラ212をクリックすると、制御システム170が全てのコイル120を作動停止させるように構成される。コントローラ212は、任意の数のこれらのコイル作動停止安全機能を含むことができる。
【0045】
さらに、前述したように、図3B及び3Cは、クックトップ表面110と調理器具物体40との間に放熱層130を生成するために調理器具物体40に適用することができる放熱層130(例えば、シリコンパッド)の例を示す。この位置に放熱層130を有することにより、放熱層130は、調理器具物体40からの伝熱の量を低減及び/又は制限することができる。図示されていないが、調理器具物体40は、センサシステム180の一部としてその独自の温度センサを含み得る。調理器具物体40がその独自の温度センサを有する場合、制御システム170は、温度フィードバック又は入力を調理器具物体40から直接受信することができる。この直接測定により、制御システム170は、ユーザインターフェース200でユーザによって設定された温度を微調整及び/又は制御することができる。これは、時間ベースの調理も可能にし得、制御システム170が、温度及び持続時間によって指定される調理条件(例えば、鶏肉を350度で8分間調理する)を満たすようにコイル120を作動及び/又は作動停止させることができるようにする。
【0046】
図示されていないが、誘導加熱クックトップ100は、システム100の層間の周辺アクセサリとしてスピーカを含み得る。いくつかの例では、スピーカは、クックトップ表面110の真下に取り付けられる。例えば、スピーカは、クックトップ表面110とディスプレイ140との間のエアギャップを利用して、システム100のための音響空間を作成する。いくつかの構成では、制御システム170は、ノイズキャンセリングの目的でスピーカを利用する。例えば、誘導加熱調理プロセスは、高ピッチ周波数又は他の望ましくない可聴音を発し得る。ここで、制御システム170は、これらの望ましくない周波数を打ち消すために、弱め合う干渉を生成することができる。いくつかの実装形態では、スピーカは、制御システム170によるオーディオシステムコントローラの一部であり得る。オーディオシステムは、スピーカ、1つ若しくは複数のマイクロフォン、1つ若しくは複数のデジタルシグナルプロセッサ及び/又はオーディオ表面エキサイタなどの複数の音響コンポーネントを含む。オーディオ表面エキサイタを備えるオーディオシステムは、クックトップ100の表面をスピーカとして使用することができる(例えば、クックトップ表面110は、スピーカとして機能するガラス表面である)。
【0047】
図4Aは、システム100を説明するためにディスプレイパネル140が透明である誘導加熱クックトップシステム100の一例である。ここで、誘導コイル120のアレイの各コイル120の上面は、概して同じ平面内に描かれている。しかし、これは、必須ではない。例えば、アレイ内の異なるコイル120は、クックトップ表面110(例えば、クックトップ表面110の底面)から異なる距離にあり得る。換言すると、各コイル120は、アレイ内の他のコイル120から独立して、クックトップ表面110に対して特定の距離に設定され得る。いくつかの実装形態では、コイル120は、クックトップ表面100に面するコイル120の上面からクックトップ表面自体までの距離に基づくパターンとして配置される。いくつかの構成では、アレイ内のコイル120は、各コイル120がx、y及び/又はz方向においてある程度の調整可能性を有するように構成される。ここで、z方向は、クックトップ表面110に関して上又は下への移動に対応し、x方向は、左又は右への移動に対応し、y方向は、前景又は背景への移動に対応する。
【0048】
いくつかの例では、コイル120は、コイルホルダ(例えば、コイル120を支持するフレーム又は容器)内に保持される。コイルホルダは、クックトップ表面110に対して調整可能である(例えば、クックトップ表面110に向けて上向きに又はクックトップ表面110から下向きに調整可能である)。追加として又は代替として、システム100は、ディスプレイ140がコイル層120に対して調整可能であるように構成され得る。例えば、コイル層120が固定される一方、ディスプレイ140が上又は下に移動する。他の例では、ディスプレイ140とコイル層120との両方は、システム100内である程度の調整可能性を有する。
【0049】
図4B~4Dは、図4Aで調理器具物体40の下方に配設された誘導コイル120のいくつかの例である。図4Cに示されるように、ディスプレイパネル140は、2組のライン122、124を含む。これらは、互いに直交して配設されて、アドレス指定スキームにより、関連する照光要素を動作させるように構成された2次元行列を形成する。一方の組のラインは、データライン122(すなわち高インピーダンス線)である。他方の組のラインは、走査ライン124(すなわち低インピーダンス線)である。図4Cに示されるデータライン122は、Z方向で上から見たとき、ディスプレイパネル140上で垂直又は長手方向に(すなわち列として)配設され、走査ライン124は、ディスプレイパネル140上で水平又は横方向に(すなわち行として)配設される。電気的に起動されるパネルは、様々なタイプの照明パネルであり得るか、又は本明細書で述べる誘導コイルの他の実装形態では他のタイプのパネルであり得る。ディスプレイパネル140の下方に配設された誘導コイル120は、透明上部プレートに支持された調理器具物体40と誘導結合する電磁場108を生成するように動作可能である。データライン122への干渉又は損傷を回避するために、誘導コイル120は、データライン122にほぼ平行な磁場108を放出することができ、したがってデータライン122での誘導電圧又は電流を最小限に抑える。図4Cに示されるように、誘導コイル120は、データライン122と概して平行に整列した磁束方向109を有する電磁場108を生成して、電磁場108がデータライン122に電圧を誘導することを概して防止するように動作可能である。
【0050】
図5は、本明細書で述べるシステム(例えば、システム100、170、180、220、230、240)及び方法を実装するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイス500の概略図である。コンピューティングデバイス500は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム及び他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータ/プロセッサを表すことを意図されている。ここに示されているコンポーネント、それらの接続及び関係並びにそれらの機能は、例示としてのみ意図されており、本明細書で記載及び/又は特許主張される本発明の実装形態を限定することを意図されていない。
【0051】
コンピューティングデバイス500は、プロセッサ510(例えば、データ処理ハードウェア)と、メモリ520(例えば、メモリハードウェア)と、ストレージデバイス530と、メモリ520及び高速拡張ポート550に接続する高速インターフェース/コントローラ540と、低速バス570及びストレージデバイス530に接続する低速インターフェース/コントローラ560とを含む。コンポーネント510、520、530、540、550及び560は、それぞれ様々なバスを使用して相互接続されており、共通のマザーボードに又は必要に応じて他の様式で取り付けられ得る。プロセッサ510は、メモリ520又はストレージデバイス530に記憶されている命令を含む、コンピューティングデバイス500内で実行するための命令を処理し、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)に関するグラフィカル情報を、高速インターフェース540に結合されたディスプレイ140などの外部入力/出力デバイスに表示することができる。他の実装形態では、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを使用することができる。また、複数のコンピューティングデバイス500を接続することができる。各デバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ又はマルチプロセッサシステムとして)必要な操作の一部を提供する。
【0052】
メモリ520は、コンピューティングデバイス500内に情報を非一時的に記憶する。メモリ520は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット又は不揮発性メモリユニットであり得る。非一時的メモリ520は、コンピューティングデバイス500による使用のためにプログラム(例えば、命令のシーケンス)又はデータ(例えば、プログラム状態情報)を一時的又は永続的に記憶するために使用される物理的デバイスであり得る。不揮発性メモリの例は、限定しないが、フラッシュメモリ及び読み出し専用メモリ(ROM)/プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)/消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)/電子的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)(例えば、典型的にはブートプログラムなどのファームウェアに使用される)を含む。揮発性メモリの例は、限定しないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)及びディスク又はテープを含む。
【0053】
ストレージデバイス530は、コンピューティングデバイス500のための大容量ストレージを提供することが可能である。いくつかの実装形態では、ストレージデバイス530は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、ストレージデバイス530は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス若しくはテープデバイス、フラッシュメモリ若しくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス又はストレージエリアネットワーク若しくは他の構成でのデバイスを含めたデバイスのアレイであり得る。さらなる実装形態では、コンピュータプログラム製品は、情報担体に有形に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されると、上述したものなど1つ又は複数の方法を実施する命令を含む。情報担体は、メモリ520、ストレージデバイス530又はプロセッサ510上のメモリなど、コンピュータ又は機械可読媒体である。
【0054】
高速コントローラ540は、コンピューティングデバイス500に関する広帯域幅を必要とする動作を管理する一方、低速コントローラ560は、より狭い帯域幅を必要とする動作を管理する。そのような役割の割り振りは、例示にすぎない。いくつかの実装形態では、高速コントローラ540は、メモリ520、ディスプレイ580(例えば、グラフィックプロセッサ又はアクセラレータを介する)及び様々な拡張カード(図示せず)を受け入れることができる高速拡張ポート550に結合される。いくつかの実装形態では、低速コントローラ560は、ストレージデバイス530及び低速拡張ポート590に結合される。様々な通信ポート(例えば、USB、Bluetooth、Ethernet、ワイヤレスEthernet(wireless Ethernet))を含み得る低速拡張ポート590は、例えば、ネットワークアダプタを介して、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ又はスイッチ若しくはルータなどのネットワークデバイスなど、1つ又は複数の入力/出力デバイスに結合され得る。
【0055】
本明細書で述べるシステム及び技法の様々な実装形態は、デジタル電子及び/若しくは光回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア並びに/又はそれらの組合せで実現することができる。これらの様々な実装形態は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス及び少なくとも1つの出力デバイスとの間でデータ及び命令を送受信するように結合される、専用又は汎用であり得る少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ又は複数のコンピュータプログラムでの実装形態を含み得る。
【0056】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られている)は、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高レベルの手続き型及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語及び/又はアセンブリ/機械語で実装することができる。本明細書で使用するとき、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、非一時的なコンピュータ可読媒体、装置及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を表し、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を表す。
【0057】
本明細書で述べるプロセス及び論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実施するために1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサによって実施することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することもできる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用及び専用の両方のマイクロプロセッサと、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサとを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はそれらの両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの重要な要素は、命令を実施するためのプロセッサ並びに命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量ストレージデバイス、例えば磁気ディスク、磁気光ディスク又は光ディスクを含むか、又はそれらとの間でデータを送受信するように動作可能に構成される。しかし、コンピュータは、そのようなデバイスを必ずしも有さない。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスを含み、例として、半導体メモリデバイス、例えばEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;及びCD ROM及びDVD-ROMディスクが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路構成によって補完するか、又は専用論理回路構成に組み込むことができる。
【0058】
ユーザとの対話を可能にするために、本開示の1つ又は複数の態様は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例えば、ディスプレイ140)又はタッチスクリーンと、任意選択的に、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス、例えばマウス又はトラックボールとを有するコンピュータに実装することができる。他の種類のデバイスを使用してユーザとの対話を可能にすることもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の知覚フィードバック、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚的フィードバックであり得る。ユーザからの入力は、音響、音声又は触覚入力を含む任意の形式で受信することができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスとの間でドキュメントを送受信することにより、例えばウェブブラウザから受信された要求に応答して、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することにより、ユーザと対話することができる。
【0059】
いくつかの実装形態を述べてきた。それにもかかわらず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正形態がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
【国際調査報告】