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特表2023-509783高出力統合半導体光増幅器アレイのシリコン支援パッケージング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】高出力統合半導体光増幅器アレイのシリコン支援パッケージング
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20230302BHJP
   H01S 5/50 20060101ALI20230302BHJP
   H01S 5/0239 20210101ALI20230302BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20230302BHJP
   H01S 5/0236 20210101ALI20230302BHJP
   H01S 5/024 20060101ALI20230302BHJP
   G02B 6/125 20060101ALI20230302BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230302BHJP
【FI】
G02B6/12 301
H01S5/50 610
H01S5/0239
H01S5/40
H01S5/0236
H01S5/024
G02B6/125
G02B6/42
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542348
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-07-29
(86)【国際出願番号】 US2021012759
(87)【国際公開番号】W WO2021146116
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】62/960,688
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520437397
【氏名又は名称】アワーズ テクノロジー リミテッド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】マイケルズ・アンドルー・スタイル
(72)【発明者】
【氏名】ワン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
【テーマコード(参考)】
2H137
2H147
5F173
【Fターム(参考)】
2H137AA14
2H137AB12
2H137BA31
2H137BA52
2H137BA53
2H137BB01
2H137BB02
2H137BB25
2H137CB11
2H137CB24
2H137CB25
2H137CC01
2H147AA02
2H147AB03
2H147AB04
2H147AB10
2H147BD01
2H147BD07
2H147BE11
2H147CC12
2H147EA09D
2H147EA12
2H147EA13
2H147EA14
2H147GA10
5F173MA10
5F173MC23
5F173MD07
5F173MD37
5F173MD64
5F173ME30
5F173MF10
5F173MF27
(57)【要約】
半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier、SOA)アレイおよびUターンチップを含む光集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)アセンブリが開示される。SOAアレイは、入力SOAおよび複数のSOAを含む。入力SOAおよび複数のSOAは、互いに平行に配列される。Uターンチップは、光スプリッタおよび導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドし、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。そして、複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光集積回路(PIC)アセンブリとして、
入力SOA(Semiconductor Optical Amplifier)と複数のSOAを含むSOAアレイ-前記入力SOAおよび前記複数のSOAは、互いに平行に配列される-と、
前記入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、前記増幅された光を複数のビームに分割するように構成される光スプリッタと、前記複数のビームのそれぞれを前記複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成される導波管アセンブリ-前記導波管アセンブリは、前記ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整し、前記複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される-を含むUターンチップと、を含む光集積回路アセンブリ。
【請求項2】
前記SOAアレイは、前方ファセットと前記前方ファセットとは反対の後方ファセットを含むSOAチップ上にあり、入力光は、前記入力SOAによって増幅される前に前記前方ファセットにエッジ結合され、前記増幅された入力光は、前記後方ファセットを介して前記Uターンチップにエッジ結合され、前記ガイドされたビームは、前記Uターンチップから前記後方ファセットにエッジ結合され、前記複数の増幅された出力ビームは、前記前方ファセットから前記SOAチップの外側にエッジ結合される請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項3】
前記SOAアレイは、PICチップの複数の台座に結合されるSOAチップ上にあり、前記PICチップは、前方ファセットを含み、前記SOAチップは、前記複数の増幅された出力ビームを前記前方ファセットに出力するように構成される請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項4】
前記Uターンチップは、前記PICチップの前方ファセットよりも前記SOAアレイチップの反対側にある請求項3に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項5】
前記SOAチップの第1面およびシムの第1面に結合されるキャリアをさらに含み、前記SOAチップの第2面は、前記PICチップの複数の台座に結合され、前記シムの第2面は、前記Uターンチップに結合され、前記キャリアは、前記SOAチップに熱および構造的支持を提供するように構成される請求項3に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項6】
前記Uターンチップおよび前記PICチップは、前記導波管アセンブリの導波管が前記PICチップの導波管と整列するように同じウェハ上に製作される請求項3に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項7】
前記Uターンチップおよび前記PICチップは、同じウェハ上に製作され、前記Uターンチップは、同じウェハ上に製作される1つ以上の屈曲部を介して前記PICチップに結合され、浮遊する請求項3に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項8】
前記Uターンチップおよび前記PICチップの部分から形成された1つ以上のコームドライブが存在し、前記1つ以上のコームドライブは、前記Uターンチップを前記SOAチップに対して位置させるように構成される請求項7に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項9】
前記1つ以上のコームドライブは、2つの直交方向に前記SOAチップに対する前記Uターンチップのトランスレーション(Translation)を制御する請求項8に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項10】
第2入力SOAおよび第2複数のSOAを含む第2SOAアレイ-前記第2入力SOAおよび前記第2複数のSOAは、互いに平行に配列され、前記SOAアレイの前記SOAに平行に配列される-をさらに含む請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項11】
光を放出するように構成されるレーザーソースと、
前記光を少なくとも第1ビームと第2ビームに分割するように構成される光分岐器-前記第1ビームは、前記SOAアレイに提供され、前記第2ビームは、前記第2SOAアレイに提供される-と、をさらに含む請求項10に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項12】
第1導波管および第2導波管をさらに含み、前記第1導波管は、前記SOAアレイに前記第1ビームを提供するように構成され、前記第2導波管は、前記第2SOAアレイに前記第2ビムを提供するように構成され、前記第1導波管と前記第2導波管の入口における前記光の伝播方向は、前記第1導波管および前記第2導波管の出力における伝播方向と実質的に反対である請求項11に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項13】
前記SOAアレイは、PICチップに結合されるSOAチップ上にあり、
前記PICは、
前記PICチップに結合された外部キャビティレーザー(ECL)ソース-前記ECLレーザーソースは、前記SOAチップに光を提供するように構成される-をさらに含み、
前記ECLソースは、
光を放出する光源と、
利得媒体チップと、
共振器と、を含み、前記共振器と前記利得媒体チップは、前記放出された光の特定の帯域を集合的に選択して増幅する請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項14】
前記複数のSOAのそれぞれは、同じ増幅レベルを提供する請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項15】
前記複数のSOAは、第1SOAおよび第2SOAを含み、前記第1SOAおよび前記第2SOAは、互いに異なる増幅量を提供するように構成される請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項16】
前記PICは、周波数変調連続波(FMCW)LiDARシステムの一部である請求項1に記載の光集積回路アセンブリ。
【請求項17】
半導体光増幅器(SOA)モジュールとして、
SOAチップ上のSOAアレイ-前記SOAアレイは、入力SOAおよび複数のSOAを含み、前記入力SOAおよび前記複数のSOAは、互いに平行に配列される-と、
前記SOAチップに結合されるUターンチップと、を含み、
前記Uターンチップは、
前記入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、前記増幅された光を複数のビームに分割するように構成される光スプリッタと、
前記複数のビームのそれぞれを前記複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成される導波管アセンブリ-前記導波管アセンブリは、前記ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を前記第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整し、前記複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される-と、を含む半導体光増幅器モジュール。
【請求項18】
キャリアおよびシム(Shim)をさらに含み、前記キャリアは、前記シムによって前記Uターンチップから分離される請求項17に記載の半導体光増幅器モジュール。
【請求項19】
前記シムは、前記SOAアレイの導波管と前記Uターンチップの導波管が同じ平面に整列するようにサイズが決定される請求項18に記載の半導体光増幅器モジュール。
【請求項20】
前記SOAモジュールは、光集積回路チップに結合するように構成される請求項18に記載の半導体光増幅器モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年1月13日付に出願された米国仮特許出願第62/960、688号についての35U.S.C§119(e)下の優先権を主張し、これらすべてはその全体が参照として含まれる。
【0002】
本開示の内容は、一般的に周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LiDAR)に関するものであって、より具体的には、ソリッドステートFMCW LiDARシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来のLiDARシステムは、レーザービームをステアリングするために機械的移動部品とバルク光学レンズ素子(すなわち、屈折レンズシステム)を使用する。そして、多数の応用(例えば、自動車)の場合、かさばりすぎ、高価で信頼できない。
【発明の概要】
【0004】
光集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)アセンブリは、半導体光増幅器(Semiconductor Optical Amplifier、SOA)とUターン(U-Turn)チップを含む。入力SOAおよび複数のSOAは、互いに平行に配列される。Uターンチップは、光スプリッタと導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成される。導波管アセンブリは、また、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。PICアセンブリは、例えば、周波数変調連続波(Frequency Modulated Continuous Wave、FMCW)LiDARシステムの一部であり得る。
【0005】
一部の実施形態において、PICアセンブリは、半導体光増幅器(SOA)モジュールを含む。SOAモジュールは、SOAアレイを含み、さらにUターンチップを含み得る(代替的な実施形態において、Uターンチップは、SOAモジュールが結合するPICチップの一部であり得る)。SOAアレイは、SOAチップ上にある。SOAアレイは、入力SOAと複数のSOAを含み、入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列される。Uターンチップは、SOAチップに結合され、光スプリッタと導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドするように構成され、導波管アセンブリは、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整し、複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本開示の実施形態の他の利点および特徴は、添付の図面の例に関連する以下の詳細な説明および添付の特許請求の範囲からより確実に明らかになるであろう。
【0007】
図1】1つ以上の実施形態によるPICチップに結合される2つのSOAアレイチップと2つの対応するUターンチップを含む光集積回路アセンブリのトップ-ダウンビューを示す。
【0008】
図2】1つ以上の実施形態によるSOAアレイモジュールの一実施形態の断面を示す。
【0009】
図3】PICチップに結合されたSOAアレイモジュールの断面の他の実施形態を示す。
【0010】
図4a】1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。
図4b】1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。
【0011】
図5a】1つ以上の実施形態による浮遊(Suspended)Uターンチップを含むPICアセンブリを説明する。
図5b】1つ以上の実施形態による浮遊(Suspended)Uターンチップを含むPICアセンブリを説明する。
【0012】
図6】1つ以上の実施形態による浮遊Uターンチップおよび複数のコームドライブ(Comb Drives)を含むPICアセンブリを説明する。
【0013】
図7】1つ以上の実施形態による外部キャビティレーザーを含むPICアセンブリのトップ-ダウンビューを示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
SOAモジュールは、(SOAアレイチップ上に)SOAアレイを含み、Uターン(U-Turn)チップを含み得(他の実施形態において、Uターンチップは、SOAモジュールが結合(Couple)するPIC回路の一部である)、SOAモジュールは、光集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)チップに結合され得る。SOAアレイは、入力SOAおよび複数のSOAを含む。一部の実施形態において、入力SOAは、複数のSOAのうち、1つ以上と同じである。代替実施形態において、入力SOAと複数のSOAとは異なる場合がある(例えば、異なる増幅レベルを有する)。一部の実施形態において、複数のSOAのそれぞれは、同じ増幅レベルを提供するように構成される。他の実施形態において、複数のSOAのうち、少なくとも1つは、入力SOAおよび/または複数のSOAのうち、他のSOAとは異なる増幅レベルを提供する。入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列され得る。PICチップ、Uターンチップ、またはこれらの一部の組み合わせは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、またはこれらの一部の組み合わせからなることができる反面、SOAアレイチップは、Al、Ga、In、N、P、Asおよび他の元素からなるIII-V化合物半導体物質から製造できる。
【0015】
Uターンチップは、光スプリッタおよび導波管アセンブリを含む。光スプリッタは、入力SOAから第1方向に伝播する増幅された入力光を受信し、増幅された光を複数のビームに分割するように構成される。導波管アセンブリは、複数のビームのそれぞれを複数のSOAの対応するSOAにガイドする。導波管アセンブリは、また、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。このような方式で、導波管アセンブリによってガイドされた光は、SOAアレイに向かって再び「Uターン」を実行する。
【0016】
複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される。SOAモジュールは、光集積回路(PIC)アセンブリの一部であり得るため、増幅された出力ビームは、例えば、周波数変調連続波(FMCW)LiDARシステムで使用するためにPICアセンブリに提供され得る。FMCW LiDARは、周波数変調されたコリメート光ビームをオブジェクトに向けることによって、オブジェクトの距離と速度を直接測定する。オブジェクトから反射した光は、ビームのタップバージョン(Tapped Version)とコンバイン(Combine)される。その結果として生成されるビートトーン(Beat Tone)の周波数は、2番目の測定が要求されるドップラーシフトによって補正されると、LiDARシステムからオブジェクトまでの距離に比例する。同時に行われることも、そうでないこともあり得る2つの測定は、距離と速度情報の両方を提供する。
【0017】
PICアセンブリは、光源からの光を複数のSOAモジュールに提供するために複数のSOAモジュール、光源、および複数の導波管を含み得ることに留意されたい。複数の導波管は、また同様のUターン機能を提供するように配列されることができる。これは、SOAおよびUターンチップの平行配列(Parallel Arrangement)と組み合わせて(Combination)SOAモジュールとPICチップの簡単な統合およびパッケージングを容易にする。一方、一般的な高電力SOAアレイは、III-Vチップの反対側に光入力および出力を有する。これにより、他の光チップ(Photonics Chips)を使用したSOAのパッケージングが高価で困難になる可能性がある。
【0018】
図1は、1つ以上の実施形態によってPICチップ102に結合される2つのSOAアレイチップ110(SOAチップとも呼ばれる)と2つの対応するUターンチップ113を含む光集積回路(PIC)アセンブリ100のトップ-ダウンビュー(Top-Down View)を示す。PICチップ102、SOAアレイチップ110、Uターンチップ113、またはこれらの一部の組み合わせは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、またはこれらの一部の組み合わせからなり得る。
【0019】
統合されたレーザーソース101の出力光電力は、PICチップ102の上部に位置する。このソースからの光は、PICチップ102上にパターニングされる導波管103に結合される。
【0020】
導波管内の光電力は、光分岐器104によって2つの出力導波管105および106に均一に分割される。光分岐器104は、例えば、ビームスプリッタであり得る。この例においては、2つのSOAモジュール(すなわち、107、108)が説明されているが、他の実施形態においては、異なる数のSOAモジュールを使用できる。SOAモジュール107、108のそれぞれは、PIC102の上部面にエッチングされた凹状のキャビティ(Recessed Cavity)内に配置されるSOAアレイチップ110(SOAチップとも呼ばれる)とUターンチップ113を含む。
【0021】
図示のように、出力導波管105は、第1ビームをSOAモジュール107(および具体的に対応するSOAアレイ)に提供するように構成され、出力導波管106は、第2ビームをSOAモジュール108(および具体的に対応するSOAアレイ)に提供するように構成される。図示のように、出力導波管105と出力導波管106の入口における光の伝播方向は、出力導波管105と出力導波管106の出力における伝播方向と実質的に反対であることに留意されたい。
【0022】
各SOAアレイチップは、SOAアレイを含む。SOAアレイは、入力SOA(例えば、入力SOA111)と複数のSOA(例えば、SOA116)を含む。図示のように、入力SOAと複数のSOAは、互いに平行に配列される。他の実施形態において、入力SOAと複数のSOAは、異なる方式で互いに対して位置し得る。
【0023】
SOAモジュール107の文脈において、出力導波管105は、前方チップファセット(Front Chip Facet)109を介してSOAアレイチップ110にエッジ結合(Edge-Couple)される。
【0024】
この光は、チップ対チップの結合(Chip-to-Chip Coupling)に関連する損失を相殺するための前置増幅器として機能する入力SOA111を通過する。増幅される光は、第1方向に伝播する。
【0025】
前置増幅された光は、SOAチップ110の後方ファセット(Back Facet)112を介してUターンチップ113にエッジ結合されたSOAを出る。
【0026】
入力導波管内の光は、導波管アセンブリのM個の導波管(例えば、導波管115)の間に前置増幅された光電力を等しく分配する1×Mスプリッタ114(ここで、Mは、1からSOAアレイ110で入力SOAを含むSOAの総数を引いたものと同じである)を通過する。導波管アセンブリの各導波管は、前置増幅された光電力の一部に該当するガイドされたビームを含む。
【0027】
導波管アセンブリは、ガイドされたビームのそれぞれの伝播方向を第1方向と実質的に反対になる第2方向に実質的に平行になるように調整する。例えば、導波管は、曲がり、光は、後方ファセット112を介してSOAアレイチップ110に再び結合される。各光チャンネルは、SOAアレイチップ上の個々のSOA116を通過し、光を所望の出力レベルに増幅させる(すなわち、複数のSOAのそれぞれは、複数の増幅された出力ビームを生成するためにそれぞれのビームを増幅するように構成される)。一部の実施形態において、SOAアレイチップ内の各SOA116は、同じ増幅レベルを提供するように構成される。他の実施形態において、SOA116のうち、少なくとも2つは異なる増幅レベルを有する。同様に、一部の実施形態において、PICチップ102上の複数のSOAモジュールは、同じである。そして、他の実施形態において、PICチップ102上の少なくとも1つのSOAモジュールは、PICチップ102上の他のSOAモジュールと異なる。例えば、1つのSOAモジュールは、他のSOAモジュールとは異なる数のSOAを有し得る。
【0028】
増幅された光は、前方チップファセット109を介してPICチップ102に、そして導波管117に再びエッジ結合される。出力導波管106からSOAモジュール108までの光は、SOAモジュール107について前述したものとように実質的に同様の方法でSOAモジュール108内で増幅され、導波管118に出力される。PICチップ102内の導波管117、118は、パッケージ化されたSOAアレイからPICチップ102に含まれる光回路に光を運ぶ。
【0029】
図2は、1つ以上の実施形態によってPICチップ205に結合されたSOAアレイモジュール200(SOAモジュールとも呼ばれる)の一実施形態の断面を示す。SOAアレイチップ201は、構造的支持(Structural Support)および熱管理を提供するキャリア203に接合される。キャリア203は、シリコン、AlNまたはAl2O3などの他の熱伝導性セラミックス、またはこれらの一部の組み合わせから製造できる。SOAアレイチップ201は、SOAアレイチップ110の一実施形態であり得る。
【0030】
Uターンチップ202は、キャリア203に対して必要な機械的オフセット(Mechanical Offset)を提供するシム(Shim)204の助けでSOAアレイチップ201に能動的に結合される。シム(Shim)204は、SOA201と同様の熱膨張係数を有する材料を使用することが有利であるが、SOA201とUターン202との間の整列が温度変化(Temperature Swings)に対してよりよく保存できる(Preserved)ため、任意の材料で製造できる。Uターンチップ202は、Uターンチップ113の一実施形態である。Uターンチップ202は、コンバインされた(Combined)モジュールがPICチップ205にエッチングされたくぼみ(Recess)に嵌まるように薄くなる。接合されたSOAアレイチップ201、キャリア203、シム204、およびUターンチップ202のこのような配列は、SOAアレイモジュール200を形成する。
【0031】
SOAアレイモジュール200は、SOAアレイチップ201によって提供される光電力を用いるPICチップ205上に配置される。PICチップ205は、機械的支持(Mechanical Support)、精密な平面外整列(Out-of Plane Alignment)、およびSOAアレイチップ201をPICチップ205に固定させる手段を提供するパターン化された台座206を含む。SOAアレイモジュールは、これらの台座206の上部に配置され、その前方ファセットは、チップファセット207に近接して取付けられ、SOAアレイチップ201とPICチップ205との間の効率的な光結合(Optical Coupling)を提供するように能動的に(Actively)整列する。例示された実施形態において、Uターンチップ202は、チップファセット207よりもSOAアレイチップ201の反対側にあることに留意されたい。他の実施形態において、Uターンチップ202に対するチップファセット207の位置は変化し得る。
【0032】
追加の支持のために必要な場合、Uターンチップ202は、低収縮接着剤(Low-Shrinkage Adhesive)208を有するシリコン光チップに結合され得る。
【0033】
図3は、PICチップ304に結合されたSOAアレイモジュール300の断面の他の実施形態を示す。SOAアレイモジュール300は、チップの組み立て工程を単純化し、大量生産のためのコストを削減する。
【0034】
この実施形態において、PICチップ304およびUターンチップ302は、同じウェハ上に製作され、PIC304内の導波管310とUターンチップ302内の導波管311が垂直方向に自己整列される。すなわち、これらは、チップ表面の下の同じ深さにある(例えば、同じ平面に整列される)。また、PICチップ304内のパターン化された台座(例えば、台座305)とUターンチップ302内のパターン化された台座(例えば、台座303)は、SOAチップ301がこれらの台座に位置すると、SOAチップ301内の導波管309が垂直方向に導波管310、311と整列するように形成される。チップ組み立て工程における正確な垂直整列は、性能に影響を与えるため、自己整列している導波管309、310、311と適切に形成された台座によって提供される機械的制約は、最終チップアセンブリの歩留まりと品質を大きく向上させ、より高い処理量(Throughput)とより低い製造コストにつながる可能性がある。
【0035】
図4aおよび図4bは、1つ以上の実施形態による例示的な製作工程を説明する。図4aおよび図4bに示す工程は、回路製造システムのコンポーネントによって行われ得る。他のエンティティは、図4aおよび図4bの他の実施形態のステップのうち、一部または全部を行われ得る。実施形態は、異なるおよび/または追加のステップを含むか、または異なる順序でステップを行われ得る。
【0036】
図4aに示すように、PIC404およびUターン402は、同じウェハ上に生成される。ウェハは、シリコン、窒化ケイ素、二酸化ケイ素、いくつかの他の適切な材料、またはこれらの一部の組み合わせで製造できる。導波管410、411は、ウェハ表面の下の同じ深さにある。同様に、台座405と台座403は、台座405の上部と台座403の上部がウェハ表面の下の同じ深さにあるように形成される。図示の実施形態においては、4つの台座405と2つの台座403があることに留意されたい。他の実施形態において、より多かったり、より少ない台座405および/またはより多かったり、より少ない台座403が存在し得る。
【0037】
図4bは、SOAアレイチップ401とUターンチップ402を含むSOAモジュール400がどのように組み立てられるかを示す。Uターンチップ402は、図4aに示すウェハから切断され、薄くなることができる。
【0038】
SOAアレイチップ401は、キャリア406に接合される。キャリア406は、キャリア203の一実施形態であり得る。その後、Uターンチップ402は、逆さまに反転され、整列され、SOAアレイチップ401の上部表面に触れる台座403とともにSOAアレイチップ401に接合され、垂直方向に機械的制約を提供する。一次接着は、台座403の周りの接着剤408(例えば、はんだ(Solder)またはグルー(Glue))によって供給され、二次接着は、より良い機械的安定性のためにUターンチップ402とキャリア406との間に、必要に応じてシム407とともに低収縮グルー(Low Shrinkage Glue)408'を使用して追加され得る。台座403の高さが精密に制御されるため、この方法は、SOAアレイチップ401とUターンチップ402との間の手動整列を許容する。
【0039】
次に、SOAモジュール400は、逆さまに反転され、PICチップ404と接合される。例えば、図3に示すように、SOAモジュール400は、逆さまに反転し、PIC304の導波管310に整列され、アセンブリの垂直整列を保証する機械的停止(Mechanical Stop)としてPICチップ304の台座(例えば、台座305)を収容する凹状キャビティで接着剤308によって接合される。
【0040】
図5aおよび図5bは、1つ以上の実施形態による浮遊(Suspended)Uターンチップ502を含むPICアセンブリ500を説明する。PICアセンブリ500は、浮遊Uターンチップ500に接続されるPICチップ505と、SOAモジュールと、を含む。SOAモジュールは、SOAアレイチップ501とキャリア503を含む。図5aは、PICアセンブリ500の断面図であり、図5bは、PICアセンブリ500のトップ-ダウンビューである。PICチップ505とUターンチップ502は、同じウェハ上に製作される(例えば、図4aに関連して前述した実施形態と同様である)。Uターンチップ502の下部がキャビティ(Cavity)または貫通ビア(Through Via)510として中が空いている場合、ウェハを切断する代わりに、Uターンチップ502は、屈曲部(Flexure)509によって付着し、浮遊する。Uターンチップ502は、平面外動き(Out-of-Plane Motion)が制限されるが、平面内(In-Plane)で動けるわずかな自由を有する。これは、PIC505、SOAアレイチップ501、およびUターンチップ502の間の垂直方向の整列を保証するが、SOAアレイチップ501の長さの変化に対応するためにUターンチップ502を左右に移動させることができる。組み立て中、キャリア503上の予め組み立てられたSOA501は、反転され、整列され、PICチップ505の台座(例えば、台座506)に接合される。次に、Uターンチップ502は、SOAアレイチップ501に向かって押され(Pushed)、接着剤508で所定の位置に永久的に固定されてPICアセンブリ500を形成する。
【0041】
図6は、1つ以上の実施形態によるPICチップ605が浮遊Uターンチップ602および複数のコームドライブ(Comb Drives)611を含むPICアセンブリ600を説明する。コームドライブ611は、Uターンチップ602を平面内で移動させるための静電気力を使用するために追加される。図示のように、コームドライブ611は、2つの直交方向にSOAアレイチップ601に対してUターンチップ602のトランスレーション(Translation)を制御するように構成される。コームドライブ611は、Uターンチップ602およびPICチップ605の部分から形成され、SOAアレイチップ601に対してUターンチップ602を位置させるように構成される。SOAアレイチップ601の導波管がUターンチップ602の導波管と整列すると、接着剤608がUターンチップ602を所定の位置に永久的に固定するために塗布される。3つのコームドライブ611が示されているが、他の実施形態において、PICチップ605は、1つ以上のコームドライブ611を含み得る。
【0042】
図7は、1つ以上の実施形態による外部キャビティレーザーを含むPICアセンブリ700のトップ-ダウンビューを示す。PICアセンブリ700は、Uターンチップ113の助けを借りて、共振器718を含むPICチップ702にパッケージ化された1つのSOAアレイチップ110および1つの利得媒体チップ(Gain Medium Chip)701を含む。利得媒体チップ701と共振器718は、本実施形態におけるレーザーソースである外部キャビティレーザー(External Cavity Laser、ECL)を形成する。共振器718と利得媒体チップ701は、放出された光の特定のバンドを集合的に選択して増幅する。
【0043】
ECLソースからの光は、導波管705を介してSOAアレイチップ110に結合される。SOAアレイチップ110は、図1に関連して前述したような方式でインカップリングされた光(In-Coupled Light)で動作する。
【0044】
追加構成情報
図面および前述の説明は、単に例示として好ましい実施形態に関する。前述のように、本明細書に開示された構造および方法の代替的な実施形態は、請求項の原理から逸脱することなく採用できる実行可能な代替案として容易に認識されることに留意するべきである。
【0045】
詳細な説明は、多数の詳細を含むが、これらは本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではなく、単に異なる例を例示するものと解釈されるべきである。本開示内容の範囲は、前記で詳細に説明していない他の実施形態を含むことを理解するべきである。本明細書に開示された方法および装置の配列、動作および詳細について、添付の特許請求の範囲で定義された思想および範囲から逸脱することなく、通常の技術を有する者に自明である様々な他の変形、変化および変更が行われ得る。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲およびその法的均等物によって決定されるべきである。
【0046】
代替実施形態は、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアおよび/またはこれらの組み合わせで実装される。実装例は、プログラマブルプロセッサによる実行のために機械読み取り可能な格納装置に実質的に具体化されたコンピュータプログラム製品として実装でき、方法ステップは、入力データについて動作して出力を生成することにより機能を行うために命令語プログラムを実行するプログラマブルプロセッサによって行われ得る。実施形態は、有利には、データ格納システム、少なくとも1つの入力装置および少なくとも1つの出力装置からデータおよび命令語を受信し、これからデータおよび命令語を送信するように結合された少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含むプログラマブルシステムで実行可能な1つ以上のコンピュータプログラムで実装できる。それぞれのコンピュータプログラムは、高度な手続き的またはオブジェクト指向のプログラミング言語または必要に応じてアセンブリまたは機械語で実装でき、任意の場合、言語は、コンパイルまたはインタープリトされた言語であり得る。適切なプロセッサは、例として、汎用および特殊目的のマイクロプロセッサを含む。一般的に、プロセッサは、リードオンリーメモリ(ROM)および/またはランダムアクセスメモリ(RAM)から命令語およびデータを受信する。一般的に、コンピュータは、データファイルを格納するための1つ以上の大容量の格納装置を含み、このような装置は、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、および光ディスクを含む。コンピュータプログラム命令語およびデータを実質的に実装するのに適切な格納装置は、例として、EPROM、EEPROMおよびフラッシュメモリ装置などの半導体メモリ装置、内部ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、光磁気ディスク、およびCD-ROMディスクを含むあらゆる形態の不揮発性メモリを含む。前述のすべては、特定用途向け集積回路(ASIC、Application-Specific Integrated Circuit)および他の形態のハードウェアによって補完されるか、またはこれに統合され得る。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
【国際調査報告】