(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-09
(54)【発明の名称】ストリーミングデータ環境のための時間依存トリガ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20230302BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542350
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 US2021013141
(87)【国際公開番号】W WO2021142478
(87)【国際公開日】2021-07-15
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522275212
【氏名又は名称】プレノシス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】タネジャ,アイシャン
(72)【発明者】
【氏名】ロペス-エスピナ,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ザオ,シーハイ デイヴ
(72)【発明者】
【氏名】ズー,ルオキン
(72)【発明者】
【氏名】レディ,ボビー
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
動的リスク予測を行うための方法が提供される。方法は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを有するデータセットを受信することを含む。第1のデータフィールドには測定値が投入される。方法はまた、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することとを含む。方法はまた、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される。システム、およびシステムに上記方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体も提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的リスク予測を行うための方法であって、
第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、前記第1のデータフィールドには測定値が投入され、
第1の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、
第2の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、
前記第1のリスクスコアと、前記関連メトリックの第1のセットと、前記第2のリスクスコアと、前記関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、
前記統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することと
を含み、ここで、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される、
方法。
【請求項2】
前記関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象内標準偏差値のサンプリング変動性によって前記第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記統計的に導出されたメトリックを計算することは、対象間標準偏差と呼ばれる、前記第1のリスクスコアおよび前記第2のリスクスコアの標準偏差を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記統計的に導出されたメトリックを計算することは、前記第1のリスクスコア、第2のリスクスコア、または両方の数学的組合せから導出された対象間標準偏差および対象内標準偏差値を含む総標準偏差を計算することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、前記第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、前記第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値のうちのいずれか2つの間の比を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記所定のしきい値を計算することは、前記第1のリスクスコアまたは前記第2のリスクスコアの多項式関数を評価することと、その関数の出力を、前記第1のリスクスコア、前記第2のリスクスコア、もしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値と比較することとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、前記関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、前記第1の収集時間および前記第2の収集時間の後にステートフル論理を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、前記関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、前記第1の収集時間または前記第2の収集時間の一方の後にステートレス論理を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
第1の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することは、前記測定値と、前記第1のデータフィールドを前記第2のデータフィールドに関連付ける条件付きルールとに基づいて、前記第1の予測値を決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
システムであって、
命令を記憶するように構成されたメモリと、
前記メモリに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサと
を備え、前記1つまたは複数のプロセッサは、命令を実行し、前記システムに、
第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、前記第1のデータフィールドには測定値が投入され、
第1の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、
第2の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、
前記第1のリスクスコアと、前記関連メトリックの第1のセットと、前記第2のリスクスコアと、前記関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、
前記統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することと
を行わせ、ここで、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨され、前記関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差値において前記第1の予測値によって前記第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む、
システム。
【請求項12】
前記関連メトリックの第1のセットを生成するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、対象内標準偏差においてサンプリング変動性によって前記第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定するための命令を実行する、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記関連メトリックの第1のセットを生成するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、対象間標準偏差および対象内標準偏差を含む総標準偏差を決定するための命令を実行する、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記統計的に導出されたメトリックを計算するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、前記第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値を選択するための命令を実行する、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記統計的に導出されたメトリックを計算するために、前記1つまたは複数のプロセッサは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、前記第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値のうちのいずれか2つの間の比を決定するための命令を実行する、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに方法を実行させ、前記方法は、
第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、前記第1のデータフィールドには測定値が投入され、
第1の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、
第2の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することと、
前記測定値と前記第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、
前記第1のリスクスコアと、前記関連メトリックの第1のセットと、前記第2のリスクスコアと、前記関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、
前記統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することと
を含み、ここで、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨され、前記関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差値および対象内標準偏差値において前記第1の予測値によって前記第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む、
非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記方法において、前記統計的に導出されたメトリックを計算することは、前記第1のリスクスコアまたは前記第2のリスクスコアの多項式関数を評価することと、その関数の出力を、前記第1のリスクスコア、前記第2のリスクスコア、もしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値と比較することとを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、前記関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、前記第1の収集時間および前記第2の収集時間の後にステートフル論理を使用することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、前記関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、前記統計的に導出されたメトリックが前記所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、前記第1の収集時間または前記第2の収集時間の一方の後にステートレス論理を使用することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項20】
第1の予測値を前記第2のデータフィールドに代入することは、前記測定値と、前記第1のデータフィールドを前記第2のデータフィールドに関連付ける条件付きルールとに基づいて、前記第1の予測値を決定することを含む、請求項16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願への相互参照]
本出願は、2020年1月10日に出願された「Time-Sensitive Trigger for a Streaming Data Environment」と題する米国仮特許出願第62/959,742号の優先権および利益を主張し、これは、以下に完全に記載されているかのように、およびすべての適用可能な目的のために、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、一般に、ストリーミングデータ環境において動作する時間依存(time-sensitive)トリガエンジンに関する。より具体的には、本開示は、医療従事者が不完全なデータインスタンスから高い信頼レベルで迅速に時間依存決定を行うのを助ける、ヘルスケア産業におけるデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
予測モデルは、多くの場合、現実世界の環境に展開されると欠測データという課題に直面する。この問題に対する従来の解決策は、一般に、何らかの方法を使用して欠測データを代入し、モデルが出力を生成することができるようにするものである。しかしながら、それぞれが様々な重要性を有する異なるパラメータが異なる時間に到着する時間依存ストリーミングデータ環境では、複雑さが増す。そのような状況では、モデルによって使用されるすべてのパラメータが到着するのを単に待つのは、できるだけ早く正確な予測を出力するという観点から、一般に最適ではない。そのようなアプリケーションは、緊急医療または医療処置のための緊急事態、または株式投資の決定および他の財務構成などの他の環境において発生し得る。同様に、上記の状況では、不完全であり得る入力データに基づいて、結果の早期かつ正確な予測を取得することが望ましい。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態では、動的リスク予測を行うための方法は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することを含み、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入される。方法はまた、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することとを含む。方法はまた、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することとを含む。方法はまた、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムは、命令を記憶するように構成されたメモリと、メモリに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを含む。1つまたは複数のプロセッサは、命令を実行し、システムに、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信させるように構成され、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入される。1つまたは複数のプロセッサはまた、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することとを行うように構成される。1つまたは複数のプロセッサはまた、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを行うように構成され、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨され、関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差(between standard deviation)値において第1の予測値によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに方法を実行させる命令を記憶する。方法は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入され、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することとを含む。方法はまた、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される。関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差値および対象内標準偏差(within standard deviation)値において第1の予測値によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。
【0007】
主題技術の他の構成は、主題技術の様々な構成が例示として示され説明される以下の詳細な説明から当業者に容易に明らかになることは理解されたい。理解されるように、主題技術は、他の異なる構成が可能であり、そのいくつかの詳細は、すべて主題技術の範囲から逸脱することなく、様々な他の点において修正が可能である。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示的なものと見なされるべきであり、限定的なものと見なされるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
さらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付の図面は、開示される実施形態を示し、その説明と共に、開示される実施形態の原理を説明する役割を果たす。
【
図1】様々な実施形態による、ストリーミングデータ環境における時間依存トリガに適した例示的なアーキテクチャを示す。
【
図2】本開示の特定の態様による、
図1のアーキテクチャからの例示的なサーバおよびクライアントを示すブロック図である。
【
図3】様々な実施形態による、時間依存ストリーミングデータ環境のためのトリガシステムのブロック図を示す。
【
図4】様々な実施形態による、トリガシステムのためのトリガ論理入力ジェネレータのブロック図を示す。
【
図5】様々な実施形態による、患者に対する複数の臨床検査の時間シーケンスを含むデータセットの例示的な表を示す。
【
図6】様々な実施形態による、時間シーケンスにおける患者に関連付けられた複数の特徴と、この特徴に基づくヘルスケアアクションのためのトリガ結果とを示す表を示す。
【
図7】様々な実施形態による、時間シーケンスにおいて患者に対してアクションをトリガし得る特徴に関連付けられた入力表の部分図である。
【
図8】様々な実施形態による、トレーニングデータセットの部分図である。
【
図9】様々な実施形態による、モデル出力および標準偏差を有するトレーニングデータセットの部分図である。
【
図10A】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図10B】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図10C】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図10D】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図10E】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図10F】様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。
【
図11】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理を用いてトリガ論理エンジンによってトリガされるアクションの時間シーケンスを示す。
【
図12】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理を用いてトリガ論理エンジンによってトリガされるアクションの時間シーケンスを示す。
【
図13A】様々な実施形態による、リスク因子にわたる標準偏差分布の時間発展を示すチャートである。
【
図13B】様々な実施形態による、リスク因子にわたる標準偏差分布の時間発展を示すチャートである。
【
図14A】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14B】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14C】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14D】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14E】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14F】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14G】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14H】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図14I】様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15A】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15B】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15C】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15D】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15E】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15F】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15G】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15H】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図15I】様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャートである。
【
図16】様々な実施形態による、複数の医学的特徴に基づいて経時的に患者に対してアクションをとる確率を示すチャートである。
【
図17】様々な実施形態による、いくつかの医学的特徴にわたる患者の2つの異なるセットについてのリスク因子の棒グラフである。
【
図18】様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法におけるステップを示すフローチャートである。
【
図19】様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法におけるステップを示すフローチャートである。
【
図20】様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法におけるステップを示すフローチャートである。
【
図21】様々な実施形態による、
図1および
図2のクライアントおよびサーバならびに
図18~
図20の方法を実施することができる例示的なコンピュータシステムを示すブロック図である。
【0009】
図面において、同じまたは類似の参照番号によって示される要素およびステップは、別段の指示がない限り、同じまたは類似の要素およびステップに関連付けられる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の詳細な説明では、本開示の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が示されている。しかしながら、当業者には、本開示の実施形態は、これらの具体的な詳細のいくつかがなくても実施され得ることが明らかであろう。他の事例では、本開示を不明瞭にしないために、周知の構造および技法は詳細に示されていない。
【0011】
全体の概要
機械学習(ML)モデルは、多くの場合、現実世界の環境に展開されると欠測データという課題に直面する。従来のML、人工知能(AI)、およびニューラルネットワーク(NN)アルゴリズムは、分析の前に大量のデータ入力を使用してトレーニングされる。したがって、上記のアルゴリズムのいずれかを使用するシステムは、トレーニングされたML/AI/NNアルゴリズムを使用して評価する前に、入力データの完全なセットが利用可能であることが望ましい。しかしながら、ストリーミングデータ環境または他の時間依存構成では、データは、典型的にはシステム自体の制御を超えて、ストリーミングベースでシステムに流れ込む。さらに、ストリーミングデータ環境は、非同期的に情報を収集するので、それぞれが様々な重要性を有する異なるパラメータおよび値は、異なる時間にモデリングツールに収集され得る。したがって、ストリーミングデータ環境において時間依存予測分析を実行する問題には、結果を予測するための従来のメトリック、例えば、精度、感度、特異性、受信者動作特性の曲線下面積(AUCROC:area under the curve for receiver operating characteristics)などを最適化することに加えて、是正措置または先制措置(例えば、エンドユーザへの出力の表示、ロボットの操作、金融商品の購入など)を講じるための時間を最小化することが含まれる。これは、予測可能な結果を決定し、それに応じて先制措置を講じるためのデータ分析のコンピュータ分野に由来する技術的な問題である。様々な実施形態では、この問題に対する解決策は、所与のストリーミングデータインスタンスの欠測データをモデルに代入し、対応する予測の確実性を定量化するメトリックを計算し、システムがアクションをとるかどうかを制御するルールベースの論理システムにそのようなメトリックを供給する方法およびシステムを含む。様々な実施形態では、ルールベースの論理システムは、ステートフルな方法で動作することができ、これは、システムが、現在のデータインスタンスと以前のデータインスタンスの両方から導出されたメトリックおよび予測に基づいてトリガすることができることを意味する。本明細書で開示される実施形態は、時間依存ストリーミングデータ環境において機械学習システムを展開するという課題に対処するために、フレームワーク、方法、方法評価メトリック、およびそのような方法の二次アプリケーションを含む。
【0012】
本明細書に開示される実施形態は、完全な入力データまたは不完全な入力データに基づいて結果を予測することができるトリガ論理エンジンの形態で、上記の問題に対する解決策を提供する。様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、利用可能なデータ(完全/不完全な、または代入データ)の量と、予測結果(複数可)に関連付けられた他の統計値(例えば、分散、標準偏差など)とに基づいて、予測結果の確実性を定量化する。そのような統計値から導出されたメトリックが、予め選択されたしきい値よりも高いとき、トリガ論理エンジンは、予測出力を(例えば、この予測出力に基づいてアクションをとり得る医療従事者またはユーザに)提供する。いくつかの実施形態では、トリガ論理エンジンはさらに、予測出力に基づいて、推奨される(または必須の)1つまたは複数のアクションを提供し得る。予測結果の確実性が予め選択されたしきい値よりも低い(または等しい)とき、トリガ論理エンジンは、さらなる時間(例えば、より多くのデータが利用可能になる)までアクションまたは出力を延期し、プロセスを繰り返す。
【0013】
様々な実施形態によれば、本開示と一致する方法およびシステムは、ヘルスケア産業において適用され得、ここでは、医療関係者(例えば、医師、看護師、救急隊員など)は、医療行為が重大であり得る緊急事態の低リスク評価から利益を得ることができる。様々な実施形態では、本明細書に開示されるような方法およびシステムは、金融業界において適用されてもよく、ここでは、大量のストリーミングデータ(例えば、複数の公共企業体の現在および以前の株価)は、結果の正確な予測に基づいて重大な決定をもたらし得る。
【0014】
提案される解決策はさらに、本明細書で開示されるような方法およびシステムにより決定までの時間が短縮することに起因して、データ記憶空間を節約し、ネットワーク使用を低減するので、コンピュータ自体の機能に改善をもたらす。
【0015】
本明細書で提供される多くの例は、患者のデータが識別可能であること、または画像のダウンロード履歴が記憶されることを説明するが、各ユーザは、そのような患者情報の共有または記憶に対して明示的な許可を付与し得る。明示的な許可は、開示されるシステムに統合されたプライバシー制御を使用して付与され得る。各ユーザは、明示的な同意を得た上でそのような患者情報が共有され得ることまたは共有される予定であることを通知され得、各患者は、任意の時間に、情報の共有を終了させること、および任意の記憶されたユーザ情報を削除することができる。記憶された患者情報は、患者のセキュリティを保護するために暗号化され得る。
【0016】
例示的なシステムアーキテクチャ
図1は、様々な実施形態による、ストリーミングデータ環境における時間依存トリガのための例示的なアーキテクチャ100を示す。アーキテクチャ100は、ネットワーク150を介して接続されたサーバ130およびクライアントデバイス110を含む。多くのサーバ130のうちの1つは、命令を含むメモリをホストするように構成され、命令は、プロセッサによって実行されると、サーバ130に、本明細書で開示される方法におけるステップのうちの少なくともいくつかを実行させる。サーバ130のうちの少なくとも1つは、複数の患者についての臨床データを含むデータベースを含み得るか、またはそれへのアクセスを有し得る。
【0017】
サーバ130は、画像の収集およびトリガ論理エンジンをホストするための適切なプロセッサ、メモリ、および通信能力を有する任意のデバイスを含み得る。トリガ論理エンジンは、ネットワーク150を介して様々なクライアントデバイス110によってアクセス可能であり得る。クライアントデバイス110は、例えば、デスクトップコンピュータ、モバイルコンピュータ、タブレットコンピュータ(例えば、電子書籍リーダを含む)、モバイルデバイス(例えば、スマートフォンまたはPDA)、またはサーバ130のうちの1つ上のトリガ論理エンジンにアクセスするための適切なプロセッサ、メモリ、および通信能力を有する任意の他のデバイスであり得る。様々な実施形態によれば、クライアントデバイス110は、リアルタイムの緊急事態において(例えば、病院、診療所、救急車、または任意の他の公共もしくは居住環境において)サーバ130のうちの1つの上のトリガ論理エンジンにアクセスする、医師、看護師、または救急隊員などの医療従事者によって使用され得る。いくつかの実施形態では、クライアントデバイス110の1人以上のユーザ(例えば、看護師、救急隊員、医師、および他の医療従事者)は、ネットワーク150を介して、1つまたは複数のサーバ130内のトリガ論理エンジンに臨床データを提供し得る。さらに他の実施形態では、1つまたは複数のクライアントデバイス110は、臨床データをサーバ130に自動的に提供し得る。例えば、いくつかの実施形態では、クライアントデバイス110は、ネットワーク接続を通して、患者結果をサーバ130に自動的に提供するように構成された、診療所内の血液検査ユニットであり得る。ネットワーク150は、例えば、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、インターネットなどのうちのいずれか1つまたは複数を含むことができる。さらに、ネットワーク150は、限定はしないが、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スターバスネットワーク、ツリーまたは階層ネットワークなどを含む、以下のネットワークトポロジのうちのいずれか1つまたは複数を含むことができる。
【0018】
例示的なトリガシステム
図2は、本開示の特定の態様による、
図1のアーキテクチャ100中の例示的なサーバ130およびクライアントデバイス110を示すブロック
図200である。クライアントデバイス110およびサーバ130は、それぞれの通信モジュール218-1および218-2(以下、集合的に「通信モジュール218」と呼ばれる)を介してネットワーク150上で通信可能に結合される。通信モジュール218は、ネットワーク150とインターフェースして、データ、要求、応答、およびコマンドなどの情報をネットワーク上の他のデバイスに送受信するように構成される。通信モジュール218は、例えば、モデムまたはイーサネット(登録商標)カードであり得る。クライアントデバイス110およびサーバ130は、それぞれ、メモリ220-1および220-2(以下、集合的に「メモリ220」と呼ばれる)、ならびにプロセッサ212-1および212-2(以下、集合的に「プロセッサ212」と呼ばれる)を含み得る。メモリ220は、プロセッサ212によって実行されると、クライアントデバイス110またはサーバ130のいずれか1つに、本明細書で開示される方法における1つまたは複数のステップを実行させる命令を記憶し得る。したがって、プロセッサ212は、プロセッサ212に物理的にコード化された命令、メモリ220内のソフトウェアから受信された命令、もしくは両方の組合せなどの命令を実行するように構成され得る。
【0019】
様々な実施形態によれば、サーバ130は、データベース252-1およびトレーニングデータベース252-2(以下、集合的に「データベース252」と呼ばれる)を含むか、またはそれらに通信可能に結合され得る。1つまたは複数の実装形態では、データベース252は、複数の患者についての臨床データを記憶し得る。様々な実施形態によれば、トレーニングデータベース252-2は、データベース252-1と同じであってもよいし、その中に含まれてもよい。データベース252内の臨床データには、非識別患者特性などの計測情報、バイタルサイン、全血球計算(CBC)、包括的代謝パネル(CMP)、および血液ガス(例えば、酸素、CO2など)といった血液測定値、免疫学的情報、バイオマーカ、培養などが含まれ得る。非識別患者特性には、年齢、性別、および慢性疾患(例えば、糖尿病、アレルギーなど)といった一般病歴が含まれ得る。様々な実施形態では、臨床データには、治療手段、薬剤投与事象、投薬量などの計測情報に応答して医療従事者がとるアクションも含まれ得る。様々な実施形態では、臨床データには、患者の病歴(例えば、敗血症、脳卒中、心拍停止、ショックなど)において生じた事象および結果も含まれ得る。データベース252は、サーバ130から分離されて示されているが、特定の態様では、データベース252およびトリガ論理エンジン240は、同じサーバ130内にホストされ、ネットワーク150内の任意の他のサーバまたはクライアントデバイスによってアクセス可能であり得る。
【0020】
サーバ130内のメモリ220-2は、ストリーミングデータ入力を評価し、その予測結果に基づいてアクションをトリガするためのトリガ論理エンジン240を含み得る。トリガ論理エンジン240は、モデリングツール242と、統計ツール244と、インピュテーションツール246とを含み得る。モデリングツール242は、関連する臨床データを収集し、起こり得る結果を評価するための命令およびコマンドを含み得る。モデリングツール242は、ディープニューラルネットワーク(DNN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)などのニューラルネットワーク(NN)からのコマンドおよび命令を含み得る。様々な実施形態によれば、モデリングツール242は、機械学習アルゴリズム、人工知能アルゴリズム、またはそれらの任意の組合せを含み得る。統計ツール244は、トリガ論理エンジン240によって収集された、データベース252に記憶された、またはモデリングツール242によって提供された以前のデータを評価する。インピュテーションツール246は、そうでなければトリガ論理エンジン240が収集した計測情報から欠けていたデータ入力をモデリングツール242に提供し得る。
【0021】
クライアントデバイス110は、クライアントデバイス110にインストールされたアプリケーション222またはウェブブラウザを通じてトリガ論理エンジン240にアクセスし得る。プロセッサ212-1は、クライアントデバイス110におけるアプリケーション222の実行を制御し得る。様々な実施形態によれば、アプリケーション222は、クライアントデバイス110の出力デバイス216においてユーザに表示されるユーザインターフェース(例えば、グラフィカルユーザインターフェース-GUI-)を含み得る。クライアントデバイス110のユーザは、入力デバイス214を使用して入力データを計測情報として入力するか、またはアプリケーション222のユーザインターフェースを介してクエリをトリガ論理エンジン240にサブミットし得る。いくつかの実施形態によれば、入力データ{Xi(tx)}は、1×nベクトルであり得、ここで、Xijは、所与の患者iについて、利用可能である場合も利用可能でない場合もある複数の臨床データ値(または株価)のうちのいずれか1つを示すデータエントリj(0≦j≦n)を示し、txは、データエントリが収集された収集時間を示す。いくつかの事例では、利用可能な臨床データ値または株価は、(例えば、予測値とは対照的に)入力データ{Xi(tx)}のデータフィールドのうちの少なくともいくつかに投入される測定値であり得る。クライアントデバイス110は、入力データ{Xi(tx)}に応答して、予測結果M({Xi(tx),Yi(tx)})をサーバ130から受信し得る。いくつかの実施形態によれば、予測結果M({Xi(tx),Yi(tx)})は、入力データ{Xi(tx)}だけでなく、代入データ{Yi(tx)}にも基づいて決定され得る。したがって、代入データ{Yi(tx)}は、セット{Xi(tx)}からの欠測データに応答してインピュテーションツール246によって提供され得る。入力デバイス214には、スタイラス、マウス、キーボード、タッチスクリーン、マイクロフォン、またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。出力デバイス216にも、ディスプレイ、ヘッドセット、スピーカ、アラームもしくはサイレン、またはそれらの任意の組合せが含まれ得る。
【0022】
図3は、様々な実施形態による、時間依存ストリーミングデータ環境のためのトリガシステムのブロック図を示す。トリガシステムは、入力データ{X
i(t
x)}をトリガ論理入力生成モジュールに提供するモデル(以下、Mとする)を含む。トリガ論理入力生成モジュールは、インピュテーションエンジンと統計ツールとを含む。インピュテーションエンジンは、代入データ{Y
i(t
x)}を提供する。様々な実施形態によれば、モデルは、トレーニングデータセット(以下、X
train_idealizedという)を使用して結果Oを予測するように構成された機械学習モデル、および人工知能モデル、ニューラルネットワークモデル、またはそれらの任意の組合せを含み得る。様々な実施形態によれば、X
train_idealizedは、m×n行列であり、ここで、mは、患者の数を指し、nは、患者のそれぞれの結果に関連し得る臨床データ内の特徴の数を指す。様々な実施形態によれば、X
train_idealized内の各行について、いくつかまたはすべての特徴(例えば、臨床データ値)は、それが利用可能な実際の時間にかかわらず、利用可能であり得る(例えば、医療関係者、患者などによって測定されるか、またはそうでなければ提供される)。
【0023】
様々な実施形態によれば、Mは入力{Xi(tx)}に適用され、ここで、特徴は、ストリーミングベースで到着すると仮定され、したがって、所与の患者iについて、各特徴jは、任意の収集時間txに到着する。各特徴について、収集時間txは、所定のスケジュール、非同期、またはランダムであってもよい。トリガ論理エンジンは、統計ツールから導出されたメトリック(後で定義される)に基づいて、システムがアクションをとるべきか否かに関する決定を提供する。様々な実施形態によれば、トリガ論理エンジンは、時間txにおいてアクションをとらないと決定し得、次いで、新しいデータXi(tx+1)が到着し得る時間tx+1において同じプロセスが繰り返される。
【0024】
図4は、様々な実施形態による、トリガシステムのためのトリガ論理入力ジェネレータのブロック図を示す。特徴jが患者iに利用可能な時間を示すトレーニングデータセットタイミング行列T(i,j)は、トリガ論理入力ジェネレータにおいてX
train_idealizedの構築を可能にする。したがって、各患者iについて、およびT(i,j)内の各一意の時間について、患者ごとにz個のインスタンスを生成することができ、ここで、z=|{T(i,)}|である。各インスタンスは、{T(i,)}内の特定の時間tに対応し、T(i,j)がtより大きい場合を除き、X
train_idealized(i,)の複製であり、その場合、X
train_idealized(i,j)はNAで置き換えられる。M(X
i(t
x))に基づいて、トリガ論理入力ジェネレータにおける統計ツールは、「対象間標準偏差(between standard deviation)」値(BSD(M(X
i(t
x))))と、「対象内標準偏差(within standard deviation)」値(WSD(M(X
i(t
x))))と、「総標準偏差(total standard deviation)」値(TSD(M(X
i(t
x))))とを含むメトリックのセットのうちの1つまたは複数のメトリックを決定する。
【0025】
様々な実施形態によれば、トリガ論理入力ジェネレータは、所与のXi(tx)についてm個の代入インスタンスXi_m(tx)を作成する多重インピュテーションツールを含み、Xi_m(tx)は、Xi(tx)の第mの代入インスタンスを指す。各インスタンスXi_m(tx)について、欠けている特徴値は、Xtrain_idealizedによって定義される分布から引き出された値が代入される。例えば、様々な実施形態では、多重インピュテーションツールは、連鎖方程式によって多重インピュテーションを実行し得る。各代入インスタンスについて、モデリングツールを使用してM(Xi_m(tx))が計算される。次いで、値BSD(Xi(tx))は、値のセット{M(Xi_1(tx)),M(Xi_2(tx)),…,M(Xi_m(tx))))}の標準偏差として定義される。したがって、様々な実施形態では、メトリックBSD(M(Xi(tx)))は、欠測データYi(tx)によって結果(例えば、医療結果、財務結果など)に誘発される変動性を捕捉し得る。
【0026】
メトリックWSD(M(Xi(tx)))についての値は、Xtrain_idealizedからのサンプリングによる所与の予測における固有の変動性と、所与の入力についての応答の分散とを含み得る。使用される特定のモデル(例えば、ロジスティック回帰、ランダムフォレスト、SVM)に応じて、WSD(M(Xi_m(tx)))の推定値は、標準的な方法(例えば、予測間隔の標準誤差、ジャックナイフ推定量、ベイズ推定量、最尤推定量など)を使用して推定され得る。
【0027】
メトリックTSD(M(X
i(t
x)))の値は、M(Xi(t))の総分散の推定値を含む。様々な実施形態によれば、TSDは、以下の数式を使用して取得され得る:
【数1】
ここで、
【数2】
は、(WV(M(X
i_1(t
x))),WV(M(X
i_2(t
x))),…,WV(M(X
i_m(t
x))))の分散内の平均であり(ここで、WVはWSDの平方根として定義される)、BVはBSDの平方根として定義される。
【0028】
図5は、様々な実施形態による、複数の臨床検査の時間シーケンスを含むデータセットの例示的な表を示す。表は、複数の特徴(例えば、臨床データ)の各々が、患者について、所与の収集時間において利用可能であるかまたは収集されるかどうかを示す。表から分かるように、任意の所与の収集時間期間に複数の特徴が収集され得る。さらに、様々な実施形態によれば、異なる収集時間期間に、同じ臨床特徴(例えば、心拍数、呼吸数、収縮期血圧、体温など)が繰り返し収集され得る。
【0029】
図6は、様々な実施形態による、時間シーケンスにおける患者に関連付けられた複数の特徴と、この特徴に基づくヘルスケアアクションのためのトリガ結果とを示す表である。この表は、患者を詳細に観察したものであり、特定のデータパラメータの到着と、トリガ論理が発火する瞬間とを示している。
【0030】
図6の表は、患者、時間、特徴(複数可)、モデル出力M、および決定結果(例えば、「アクションをとる」、Y/N)を示す列を含む。したがって、第1の患者(例えば、患者1)について、時間「0」において、特徴3のみが収集されており({X
1(0)}={NA,NA,X,NA})、モデル出力M(X
1(0))は不確定であるので、システムは、アクションをとらない(N)。その後の時間1において、同じ患者について、第2の特徴が収集され(例えば、特徴2=Y,{X
1(1)}={NA,Y,X,NA})るが、モデル出力M(X
1(1))は依然として不確定であるので、システムは、アクションをとらず(N)、さらなるデータが収集されるのを待つ。その後の時間2において、同じ患者について、第1の特徴が収集され(例えば、特徴1=Z,{X
1(1)}={Z,Y,X,NA})、第4のデータ(例えば、特徴4)がまだ収集されていなくても、モデル出力M(X
1(2))は、システムがアクション(Y)をとるのに十分になる。
【0031】
様々な実施形態によれば、表中の時間エントリは、任意の所与の時間期間において発生し得、異なる時間エントリ間の間隔は、同じであっても同じでなくてもよく、同様でなくてもよい。様々な実施形態では、異なる時間エントリ間の間隔は、予め選択されてもよいし、ランダムであってもよい。さらに、様々な実施形態では、2つ以上の特徴が所与の時間間隔で受信され得る。
図6の表は、様々な実施形態によれば、入力データに1つまたは複数の特徴が欠けている場合であっても、トリガ論理エンジンがアクションをとるためにどのように準備され得るかを示す。したがって、様々な実施形態では、モデリングエンジンは、欠測データに対して値を代入し得、モデル値および代入データの統計分析に基づいて、トリガ論理は、所定の程度の確実性で、アクションをとることを決定し得る。
【0032】
図7は、様々な実施形態による、時間シーケンスにおいて患者に対してアクションをトリガし得る特徴に関連付けられた入力表の部分図である。入力表は、患者、エントリ時間、および特徴を示す列を含む。簡略化のために、
図7の表は、3つの特徴および1人の患者のみを示しているが、任意の数の特徴が、1人、2人、または任意の数の患者について含まれ得ることは理解されたい。入力特徴は、2次元行列X
ij内の要素として示され、ラベルNAは欠測データを示す。例えば、要素X
11は、患者1についての時間0、1、および2における特徴1の値である。要素X
12は、時間2における特徴2の値であり、要素X
13は、時間1および2における特徴3の値である。
【0033】
図8は、様々な実施形態による、トレーニングデータセットの部分図である。
図8のトレーニングデータセットは、モデリングツールによって代入される欠測データ(例えば、
図7において「NA」とラベル付けされたデータ)を列挙するインピュテーション列を含む。様々な実施形態によれば、モデリングツールは、所与の瞬間における単一の特徴について複数の値を代入し得る。
【0034】
例えば、時間「0」において、特徴2および特徴3は元のデータにおいて欠けており(
図7参照)、したがって、3つのインピュテーション行(「1」、「2」、および「3」)が、各別個の時間値「0」、「1」、および「2」に含まれる。時間「0」について、インピュテーション「1」では、モデリングツールは、値X
01
12を特徴2に、値X
01
13を特徴3に代入し、インピュテーション「2」では、モデリングツールは、値X
02
12を特徴2に、値X
02
13を特徴3に代入し、インピュテーション「3」では、モデリングツールは、値X
03
12を特徴2に、値X
03
13を特徴3に代入する。時間「1」について、インピュテーション「1」では、モデリングツールは、値X
11
12を特徴2に代入し、インピュテーション「2」では、モデリングツールは、値X
12
12を特徴2に代入し、インピュテーション「3」では、モデリングツールは、値X
13
12を特徴2に代入する。時間「1」では、その時間に特徴3が「真の」(または測定された)値X
13を収集しているので、モデリングツールが特徴3に値を代入しないことに留意されたい。時間「2」において、モデリングツールは、3つすべての特徴が「真」の値X
11、X
12、およびX
13を収集しているので、代入値を提供しない。
【0035】
図9は、様々な実施形態による、モデル出力および標準偏差を有するトレーニングデータセットの部分図である。したがって、
図9の表は、
図8の表の拡張であり、モデル出力列M(X(t))、および対象内SD出力列WSD(M(X(t)))が追加されている。M列およびWSD列に対する入力データベクトルX(t)は、入力データおよび代入データにしたがって変化し、時間tは、3つの時間期間「0」、「1」、および「2」のうちの1つである。例えば、時間「0」では、特徴2および3に対する異なる代入データを含む異なるデータセットにそれぞれ関連付けられた3つのモデル出力、入力データ{X
11,X
01
12,X
01
13}に対するM(X
1_1(0))、入力データ{X
11,X
02
12,X
02
13}に対するM(X
1_2(0))、および入力データ{X
11,X
03
12,X
03
13}に対するM(X
1_3(0))が存在する。モデル出力Mの各々は、データ値が器具またはデバイスから収集されるか、医療従事者によって手動で入力されるか、またはモデリングツールによって代入されるかにかかわらず、各特徴についてのデータ値および各特徴についてのデータ値の分散を所与として、異なるWSDに関連付けられ得る。したがって、時間「0」では、3つの異なるWSD値、入力データ{X
11,X
01
12,X
01
13}に対するWSD(M(X
1_1(0)))、入力データ{X
11,X
02
12,X
02
13}に対するWSD(M(X
1_2(0)))、および入力データ{X
11,X
03
12,X
03
13}に対するWSD(M(X
1_3(0)))が存在する。
【0036】
時間「1」では、特徴2に対する異なる代入データを含む、異なるデータセットにそれぞれ関連付けられた3つのモデル出力、入力データ{X11,X11
12,X13}に対するM(X1_1(1))、入力データ{X11,X12
12,X13}に対するM(X1_2(1))、および入力データ{X11,X13
12,X13}に対するM(X1_3(1))が存在する。モデル出力Mの各々は、入力データ{X11,X11
12,X13}に対するWSD(M(X1_1(1)))、入力データ{X11,X12
12,X13}に対するWSD(M(X1_2(1)))、入力データ{X11,X13
12,X13}に対するWSD(M(X1_3(1)))という3つの異なるWSD値に関連付けられ得る。
【0037】
時間「2」では、3つのモデル出力、入力データ{X11,X12,X13}に対するM(X1_1(2))、入力データ{X11,X12,X13}に対するM(X1_2(2))、および入力データ{X11,X12,X13}に対するM(X1_3(2))が存在する。モデル出力Mの各々は、入力データ{X11,X12,X13}に対するWSD(M(X1_1(2)))、入力データ{X11,X12,X13}に対するWSD(M(X1_2(2)))、および入力データ{X11,X12,X13}に対するWSD(M(X1_3(2)))という3つの異なるWSD値に関連付けられ得る。入力データ{X11、X12、X13}が3つのモデル出力に対して同じであるので、値M(X1_1(2))、M(X1_2(2))、およびM(X1_3(2))は類似し得ることに留意されたい。しかしながら、いくつかの実施形態では、以前の時間における異なる代入に対するモデル出力の以前の履歴は異なり得、モデリングツールは、M(X1_1(2))、M(X1_2(2))、およびM(X1_3(2))のうちの少なくとも1つに対して異なる出力を提供し得る。
【0038】
図10A~
図10Fは、様々な実施形態による、例示的なトリガ論理ルールのグラフ図である。例えば、ステートレストリガ論理ルールは、所与の時間t
xにおいてシステムに利用可能な情報に基づくアクションのトリガを伴い得る。M(X
i(t
x))、BSD(M(X
i(t
x)))、WSD(M(X
i(t
x)))、およびTSD(M(X
i(t
x)))を所与として、システムがアクションをとるか否かを決定する様々なルールを使用することができる。システムがとるアクションは、M(X
i(t
x))、BSD(M(X
i(t
x)))、WSD(M(X
i(t
x)))、およびTSD(M(X
i(t
x)))を条件とすることができる。
【0039】
図10Aは、静的BSDしきい値に基づく絶対BSDルールを示す。したがって、BSD(M(X
i(t
x)))が予め選択された定数c
1以下であるとき、システムはアクションをとる(「PASS」)。同様に、BSD(M(X
i(t
x)))がc
1より大きいとき、システムは決定を時間t
x+1に延期する(「FAIL」)。いくつかの実施形態によれば、絶対BSDルールは、関数M(X
i(t
x))(以下では「スコア」とも呼ばれる)の特定の値から独立していてもよいことに留意されたい。より一般的には、「スコア」は、M(X
i(t
x))の値に関連付けられた関数であり得る。
【0040】
図10Bは、BSD対スコアの比に基づく動的BSDしきい値ルールを示す。したがって、比BSD(M(X
i(t
x)))/M(X
i(t
x))が予め選択された定数c
2以下であるとき、システムはアクションをとる(「PASS」)。同様に、BSD(M(X
i(t
x)))がc
2より大きいとき、システムは決定を時間t
x+1に延期する(「FAIL」)。
【0041】
図10Cは、BSD対WSDの比に基づく論理ルールを示す。したがって、BSD(M(X
i(t
x)))/WSD(X
i(t
x))が予め選択された定数c
3以下であるとき、システムはアクションをとる(「PASS」)。同様に、比がc
3より大きいとき、システムは決定を時間t
x+1に延期する(「FAIL」)。
【0042】
図10Dは、BSD対TSDの比に基づく論理ルールを示す。したがって、比BSD(M(X
i(t
x)))/TSD(X
i(t
x))が予め選択された定数c
4以下であるとき、システムはアクションをとる(「PASS」)。同様に、比がc
4より大きいとき、システムは決定を時間t
x+1に延期する(「FAIL」)。
【0043】
図10Eは、スコア境界横断に基づく論理ルールを示す。様々な実施形態によれば、スコアは、予め選択された境界b
1、b
2などによって区切られたリスクカテゴリ(例えば、低、中、高)に離散化され得る。スコアの値、スコアの分散(間、内、または総計)、およびリスクカテゴリを作成する境界(例えば、b
1、b
2)を考慮に入れた方法を使用することができる。例えば、スコアM(X
i(t
x))は、望ましくない結果(例えば、臨床的緊急事態、株の墜落または破産など)のリスクのレベルを示すリスクスコアに関連付けられてもよいし、リスクスコアと見なされてもよい。したがって、b1またはb2より大きいリスクスコアが高く、望ましくない結果の可能性を示すとき、システムがアクションをとることが望ましい場合がある。
【0044】
様々な実施形態では、M(Xi(tx))の値がb1未満であり、リスクスコアおよびBSDが以下の式を満たすとき、
M(Xi(tx)))+c5・BSD(M(Xi(tx)))<b1 式(2)
(ここで、c5は、予め選択された定数である、システムはアクションをとる(「PASS」)。さらに、M(Xi(tx))の値がb1よりも大きく、リスクスコア、M、およびBSDが以下の式を満たすとき、
M(Xi(tx)))-c5・BSD(M(Xi(tx)))>b1 式(3)
システムはアクションをとる(「PASS」)。
【0045】
M(Xi(tx))の値がb2よりも大きく、リスクスコア、M、およびBSDが以下の式を満たすとき、
M(Xi(tx)))-c・BSD(M(Xi(tx)))>b2 式(4)
システムはアクションとる(「PASS」)。
【0046】
図10Fは、多項式分位点回帰境界を示す。最初に、行列Bが作成され、ここで、Bの各行は、一部またはすべての患者についての固定時間t
fにおける所与の患者iについてのBSD(M(X
i(t
f)))に対応する。様々な実施形態では、t
fは、t
fは標準化されるように、ほとんどまたはすべての患者が経験する何らかの共通事象に対して相対的である。行列Bが与えられると、様々な実施形態では、多項式分位点回帰が、所与の分位点qについてBに対して実行され、関数p
qを作成する。所与のM(X
i(t
x))について、システムは、BSD(M(X
i(t
x)))がp
q(M(X
i(t
x)))以上であるとき、少なくとも時間t
x+1の間、アクションを延期する(「FAIL」)。同様に、システムは、BSDがp
q未満であるとき、アクションをとる(「PASS」)。
【0047】
図11は、様々な実施形態による、ステートレストリガ論理ルールを用いてトリガ論理エンジンによってトリガされるアクションの時間シーケンスを示す。入力データX
i(t
x)に基づいて、トリガ論理入力ジェネレータは、M(X
i(t
x))、BSD(M(X
i(t
x)))、WSD(M(X
i(t
x)))、TSD(M(X
i(t
x)))を決定する。さらに、トリガ論理入力ジェネレータは、ステートレストリガ論理ルールR(
図10A~
図10F参照)で使用するために、入力をトリガ論理エンジンに供給する。したがって、トリガ論理エンジンは、アクションを延期する(「FAIL」)ための出力「0」またはアクションをトリガする(「PASS」)ための出力「1」を生成する関数R(M(X
i(t
x)))、BSD(M(X
i(t
x)))、WSD(M(X
i(t
x)))、TSD(M(X
i(t
x)))を含み得る。
【0048】
様々な実施形態によれば、トリガ論理エンジンに結合されたデータベースは、所与のステートレストリガ論理ルールRおよび所与の患者iについて、値M(Xi(ttrigger))およびttriggerを行列XR_simulated_statelessに記憶する。値ttriggerは、R(M(Xi(tx))、BSD(M(Xi(tx)))、WSD(M(Xi(tx)))、TSD(M(Xi(tx)))=1となるように、{T(i,j)}内の時間(例えば、最小時間またはセット中の最も低い時間値のうちの1つ)を含み得る。様々な実施形態では、データベースはまた、XR_simulated_statelessのための標準的な診断メトリックおよび予後メトリックを含む。様々な実施形態では、データベースはまた、トリガの時間分布と、システムがトリガする患者の割合とに関連付けられたメトリックを記憶し得る(例えば、R=1)。
【0049】
図11に示されるように、異なる時間t
x=0、1、および2において、ステートレストリガ論理ルールの下で、異なるアクションが、互いに独立してシステムによってとられる(それぞれ、アクションA、アクションB、およびアクションC)。
【0050】
図12は、様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理を用いてトリガ論理エンジンによってトリガされるアクションの時間シーケンスを示す。ステートフルトリガ論理は、以前の時間t
yにおいて収集された入力データが所与の時間t
xでの決定で考慮される、状態依存論理ルールを含み得、ここで、y<xである。様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、X
R_simulated_statefulに値M(Xi(t
m_trigger))およびt
m_triggerを含む行列X
R_simulated_statefulを記憶するデータベースと通信可能に結合され、ここで、t
m_triggerは、R(M(Xi(tx))、BSD(M(Xi(tx)))、WSD(M(Xi(tx)))、TSD(M(Xi(tx)))=1であるような第mの時間(例えば、システムが所与の患者に対してトリガされた第mの時間)を指す。mの値は、状態依存トリガ論理に基づいて、患者の現在(t
x)の状態および以前の状態に依存し得る。データベースはまた、X
R_simulated_statefulのための標準的な診断メトリックおよび予後メトリックを記憶し得る。様々な実施形態では、データベースはまた、トリガの時間分布およびシステムがトリガする患者の割合に関するメトリックを含み得る(例えば、R=1)。そのような構成は、より制限的でない時間制約環境において予測の精度を高めるために望ましい場合がある。
【0051】
時間に対する許容範囲がより大きいアプリケーションでは、トリガ論理は、状態依存方式で実装され得る。例えば、ステートレス環境では、トリガ論理エンジンの出力は、R(M(Xi(tx))、BSD(M(Xi(tx)))、WSD(M(Xi(tx)))、TSD(M(Xi(tx)))と表され得、ここで、Rは、トリガする(1)またはトリガしない(0)を示す2進数を出力するステートレストリガ論理ルールを指す。さらに、関数Aは、望ましくない結果を防止するため、または望ましい結果を出すためにシステムがとり得るアクション(例えば、薬剤の投与、医療処置の提供、資金の投資または売却など)を指定するように定義され得る。したがって、Aは、関数A(M(Xi(tx))、BSD(M(Xi(tx)))、WSD(M(Xi(tx)))、TSD(M(Xi(tx)))と表され得る。状態依存環境では、RおよびAは、任意のy<xについて、M(Xi(tx))、BSD(M(Xi(tx)))、WSD(M(Xi(tx)))、およびTSD(M(Xi(tx))の関数だけでなく、M(Xi(ty))、BSD(M(Xi(ty)))、WSD(M(Xi(ty)))、TSD(M(Xi(ty))の関数でもあり得る。これを支配する条件付き論理は、任意に複雑であり得る。
【0052】
したがって、様々な実施形態では、ステートフル論理エンジンを含むトリガ論理エンジンは、異なる時間tx=0、1、および2=0においてアクションA、AB、およびABCを生む。アクションABは、値{M(Xi(0)),BSD(M(Xi(0))),WSD(M(Xi(0))),TSD(M(Xi(0))}だけでなく、値{M(Xi(1)),BSD(M(Xi(1))),WSD(M(Xi(1))),TSD(M(Xi(1))}の結果でもあり得る。同様に、アクションABCは、時間tx=0における値{M(Xi(0)),BSD(M(Xi(0))),WSD(M(Xi(0))),TSD(M(Xi(0))}と、時間tx=1における値{M(Xi(1)),BSD(M(Xi(1))),WSD(M(Xi(1))),TSD(M(Xi(1))}と、時間tx=2における値{M(Xi(2)),BSD(M(Xi(2))),WSD(M(Xi(2))),TSD(M(Xi(2))}の結果であり得る。
【0053】
様々な実施形態では、行列XR_simulated_statelessおよびXR_simulated_statefulを使用して、トリガ論理エンジンにおいて利用可能な前の特徴を条件とする特徴の所与のセットの影響を定量化することができる。様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、XR_simulated_statelessおよびXR_simulated_statefulのいずれかにおける各エントリについて、所与のアクションAについての決定の大部分に影響を与えた特徴のセットを選択するように構成される。例えば、様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、関数Aの結果においてより関連性の高いXi(ttrigger)およびttriggerの値、またはXi(tm_trigger)およびtm_triggerの値を識別し得る。
【0054】
様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、所与のアクションAを駆動する特徴のセットを決定するために、行列XR_simulated_statelessおよびXR_simulated_statefulにおいて、Xi(ttrigger)におけるttriggerの前に、またはXi(tm_trigger)におけるtm_triggerの前に到着する特徴値を識別し得る。様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、行列T(i,j)(これはデータベースに記憶され得る)内のデータ構造にアクセスし、この決定を行う。したがって、トリガ論理エンジンは、行列Dconditionalを提供し得、各行は、ttriggerまたはtm_trigger、およびttriggerまたはtm_triggerを引き起こした対応する特徴のセットFの名前に対応する。いくつかの実施形態では、行列Dconditionalは、より粗く、クラスC、または所与のアクションを駆動する特徴のセットを含む。クラスCは、CBC特徴、CMP特徴、金融特徴、季節特徴などの重要な特徴を含み得る。行列Dconditionalは、必要に応じてトリガ論理エンジンが使用するためにデータベースに記憶され得る。
【0055】
様々な実施形態では、トリガ論理エンジンはまた、行列DconditionalにおけるFまたはCのエントリの割合を決定し得る。したがって、DconditionalにおけるFおよびCについてのエントリの割合は、トリガ論理エンジンにおける特徴Fまたは特徴のクラスCの条件付き影響を評価するために、モデリングツールにおいて使用され得る。様々な実施形態では、特徴FkまたはクラスCkの条件付き影響は、特徴または特徴のクラスのうちの1つまたは複数に関連して与えられる:例えば、Fx,Fy,…,Fzを与えられたFkの影響、またはCx,Cy,…,Czを与えられたCkの影響である。様々な実施形態では、特徴Fx,Fy,…,Fzおよび特徴のクラスCx,Cy,…,Czは、患者ごとに異なり得る。
【0056】
様々な実施形態では、トリガ論理エンジンは、所与のアクションAを駆動する際に、FkまたはCkの分離された効果(isolated effect)を決定し得る。したがって、トリガ論理エンジンは、行列XR_simulated_statelessおよびXR_simulated_statefulを生成し得、ここで、Tの各行の列は並べ替えられる。例えば、行列Tpermutedは、T中のすべてのiについてタイミング行列T(i,j)内の列を独立してシャッフルすることによって形成される。Tpermuteを使用して、トリガ論理エンジンは、XR_simulated_statelessおよびXR_simulated_statefulを生成し、Dconditionalと同様にDisolatedも生成する。したがって、トリガ論理エンジンは、行列Disolatedにおける特徴FkまたはクラスCkの存在割合から、分離された影響(isolated influence)を決定し得る。
【0057】
より一般的には、様々な実施形態は、Fx,Fy,…、Fzが与えられた任意の特徴FkまたはクラスCk、またはCx,Cy,…,Czが与えられたCkの条件付き効果を決定するトリガ論理エンジンを含み得、ここで、Fx,Fy,…、FzおよびCx,Cy,…,Czは、ほとんどまたはすべての患者について同じである。これは、特定の関係が保持されるように、例えば、ほとんどまたはすべての患者について、FkがFx,Fy,…,Fzの後に到達するように、T中のすべてのiについて各T(i,)を適切に並べ替えることによって達成され得る。
【0058】
様々な実施形態では、トリガ論理エンジン内の状態依存論理は、スコアが初期トリガからT分以内に再びトリガするとき(例えば、R=1)を識別し得る。より具体的には、様々な実施形態では、初期トリガ(R=1)後の時間Tは、90分に設定され得る。アクションAは、患者が現在、抗生物質の迅速な投与から利益を得る可能性が低いことを意味する低リスクカテゴリにあることを医師に提示するものであり得、アクションBは、患者が現在、関連する臨床転帰に関して抗生物質の迅速な投与から中程度に利益を得る可能性が高いことを意味する中リスクカテゴリにあることを医師に提示するものであり得る。
【0059】
現在のモデル値Mが中リスクカテゴリ(システムがとるべきアクションがBである)を示すが、以前は低リスクカテゴリ(システムがとるべきアクションがAであり、AはBとは異なる)にあった場合、トリガ論理エンジンは、Bを実行するようにシステムをトリガし得る(例えば、Aの発生を前提としてAB=B)。様々な実施形態では、アクションB自体がAに依存し得る。同様に、アクションABCは、アクションAおよびBが(その順序で)とられたことを前提として、アクションCがとられることを示し得る。
【0060】
図13A~13Bは、6つの異なる時間間隔(時間単位で時間として列挙されている)にわたって複数の患者について測定された、リスク因子にわたる標準偏差分布の時間発展を示すチャート1300Aおよび1300B(以下、集合的に「チャート1300」と呼ばれる)である。チャート1300の横座標(X軸)は、リスク因子を示す。縦座標(Y軸)は、チャート1300A(
図13A参照)におけるBSD/WSD比、およびチャート1300BにおけるBSD値を示す。プロット内の各ファセットは、固定された時点に対する時間単位での特定の時間を指す。
【0061】
チャート1300は、感染に対する調節不全の宿主応答によって引き起こされる生命を脅かす臓器機能不全として定義される疾患である敗血症に関連して設計されたトリガ論理エンジンの例示的な図である。早期治療-特に経験的抗生物質を使用する-は、結果の改善につながる。しかしながら、曖昧な症状は敗血症の認識を困難にし、死亡率の上昇につながる。敗血症の初期認識および治療は救急治療部(ED)環境で行われることが多いが、EDは、混乱していてかつ人手不足である可能性があるので、医療提供者がこの症候群を確実に識別し治療することを困難にする。様々な実施形態は、患者が敗血症である可能性を評価し、患者の状態の重症度を評価するために、本明細書に開示されるようなモデリングツールを用いてこの問題を解決する。
【0062】
様々な実施形態では、本明細書に開示されるモデリングツールおよびトリガ論理エンジンは、敗血症が疑われる患者について日常的に測定される特徴を利用する。これらの特徴のうちのいくつかは、患者についての電子医療記録(EMR)に存在し得(例えば、バイタル、CBC、計数関連検査結果、CMPなど)、また、電子医療記録に存在し得ない敗血症が疑われる入院患者については具体的に測定されたパラメータ(例えば、新規血漿タンパク質、核酸など)を利用し得る。したがって、敗血症の診断および治療のためにトレーニングされたトリガ論理エンジンは、ストリーミングデータが異なるソースから迅速かつ非同期的に到着する非常に時間依存の環境において動作し得る。
【0063】
様々な実施形態では、モデリングツールは、例えば、0~1の範囲のリスクスコアを示す関数Mを含む。リスクスコアは、低、中、または高リスクの3つの範囲のいずれかに分類され得る。トリガ論理エンジンは、医師、看護師、および/または関連する医療従事者へのリスクスコアの提示、または後の時間(例えば、選択された時間期間だけ、または新しい症状もしくは医学的特徴が現れたときなど)への決定の延期などの結果を含むアクション関数Aであり得る。アクション関数Aは、リスク因子および他のステートフルな情報に依存し得る。
【0064】
図14A~
図14Iは、様々な実施形態による、ステートレストリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャート1400A~I(以下、集合的に「チャート1400」と呼ばれる)である。様々な実施形態によれば、チャート1400は、モデリングツールおよびインピュテーションツールと協働する、トリガ論理エンジン内の統計ツールを用いて取得され得る(トリガ論理エンジン240、モデリングツール242、統計ツール244、およびインピュテーションツール246を参照)。したがって、統計ツールは、本明細書で開示する1つまたは複数の数式(式1を参照)を使用して、入力データおよび代入データについての標準偏差(例えば、BSD、WSD、およびTSD)および分散値を提供し得る。チャート1400は、例示のみを目的として、ステートレス構成における様々な例示的なケースシナリオにおいて収集される(ここで、モデリングツールは、欠測データに対して代入を行うために利用可能な最新の情報を考慮する)。チャート内の各色は、特定のステートレストリガ論理ルールRの診断性能を指す。限定するものではないが、様々な実施形態には、0.003の対象間分散絶対値(between variance absolute value)インピュテーションツール、0.6のBSDとスコアのための多項式境界との組合せ、0.125のBSD対OOB SD比、0.2のBSD対スコア比、2.5の境界横断(boundary cross)、0.9のBSDとスコアのための多項式分位境界との組合せが含まれ得る。「理想(Idealized)」は、出力を提供する前にすべてのデータが利用可能になるのを待つシナリオを指す(これは、精度に関しては最適であるが、適時予測を提供するという点では準最適である)。
【0065】
図14Aは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1400Aである。
【0066】
図14Bは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの精度対リコール性能を示すチャート1400Bである。
【0067】
図14Cは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1400Cである。チャート1400Cは、SOFA(sequential organ failure assessment)陽性スコアに適用される。
【0068】
図14Dは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1400Dである。チャート1400Dは、全身性炎症反応症候群(SIRS)陰性分析に適用される。
【0069】
図14Eは、本開示と一致するトリガ論理エンジンを使用した、様々な実施形態における敗血症判定診断の確率広がりを示すチャート1400Eである。非敗血症(non-septic)、敗血症(non-septic)、および敗血症性ショック(septic shock)という3つの異なる状態が示されている。
【0070】
図14Fは、本開示と一致するトリガ論理エンジンを使用した、様々な実施形態における敗血症判定カテゴリについての確率広がりを示すチャート1400Fである。OD_N_infection_N、OD_N_infection_Y、OD_Y_infection_N、およびOD_Y_infection_Yという4つの異なるカテゴリが示されている。
【0071】
図14Gは、上に列挙された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンに基づいて行われる決定によって影響を受ける患者の割合を示すチャート1400Gである。影響が最も低いのは、0.06のBSDとスコアのための多項式境界との組合せの場合で、92%をわずかに超える。影響が最大なのは、0.003の対象間分散絶対値に対してなされた決定の場合で、ほぼ97%の影響である。
【0072】
図14Hは、上記で開示された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンによって行われる決定に対するタイミングを示すチャート1400Hである。時間軸(垂直軸、すなわち縦座標)は、任意の単位で決定までの時間を示す。チャート1400Hにおけるトリガ論理エンジンの出力は、敗血症診断に対する3つのリスクカテゴリ(「0」、「1」、および「2」)のうちの1つを示す。一般に、リスクカテゴリの分散広がりは、低リスクデータに対してはより高く、高リスクデータに対してはより低いように見受けられる。
【0073】
図14Iは、上記で開示された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンによって行われる決定に対するタイミングを示すチャート1400Iである。時間軸(垂直軸、すなわち縦座標)は、任意の単位で決定までの時間を示す。チャート1400Iにおけるトリガ論理エンジンの決定は、「非敗血症」、「敗血症」、および「敗血症性ショック」という3つの条件にしたがって敗血症診断を判定することである。一般に、リスクカテゴリの分散広がりは、低リスクデータに対してはより高く、高リスクデータに対してはより低いようである。
【0074】
図15A~
図15Iは、様々な実施形態による、ステートフルトリガ論理エンジンを用いた診断性能を示すチャート(1500A~I、以下では集合的に「チャート1500」と呼ばれる)である。様々な実施形態によれば、チャート1500は、モデリングツールおよびインピュテーションツールと協働する、トリガ論理エンジン内の統計ツールを用いて取得され得る(トリガ論理エンジン240、モデリングツール242、統計ツール244、およびインピュテーションツール246を参照)。したがって、統計ツールは、本明細書で開示する1つまたは複数の数式(式1を参照)を使用して、入力データおよび代入データについての標準偏差(例えば、BSD、WSD、およびTSD)および分散値を提供し得る。チャート1500は、例示のみを目的として、ステートフル構成における様々な例示的なケースシナリオにおいて収集される(ここで、モデリングツールは、欠測データに対して代入を行うために利用可能な最新の情報に加えて、以前に収集されたおよび/または代入された情報を考慮する)。チャート内の各色は、ステートフル条件にラップアラウンドされた特定のステートレストリガ論理ルールRの診断性能を指す。この場合に使用される特定のステートフル条件は、スコアが初期トリガからT分以内に再びトリガし、スコアが現在は中リスクカテゴリ(システムがとるべきアクションがMである)にあるが、以前は低リスクカテゴリ(システムがとるべきアクションがLであり、LはMとは異なる)にあった場合、システムをトリガしてMを実行させることであった。M自体がLに依存し得ることに留意されたい。限定するものではないが、様々な実施形態には、0.003の対象間分散絶対値インピュテーションツール、0.6のBSDとスコアのための多項式境界との組合せ、0.125のBSD対OOB SD比、0.2のBSD対スコア比、2.5の境界横断、0.9のBSDとスコアのための多項式分位境界との組合せが含まれ得る。「理想(Idealized)」は、出力を提供する前にすべてのデータが利用可能になるのを待つシナリオを指す(これは、精度に関しては最適であるが、適時予測を提供するという点では準最適である)。
【0075】
図15Aは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1500Aである。
【0076】
図15Bは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの精度対リコール性能を示すチャート1500Bである。
【0077】
図15Cは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1500Cである。チャート1500Cは、SOFA(sequential organ failure assessment)陽性スコアに適用される。
【0078】
図15Dは、様々な実施形態による、トリガ論理エンジンの感度対特異性応答を示すチャート1500Dである。チャート1500Dは、全身性炎症反応症候群(SIRS)陰性分析に適用される。
【0079】
図15Eは、本開示と一致するトリガ論理エンジンを使用した、様々な実施形態における敗血症判定診断の確率広がりを示すチャート1500Eである。非敗血症(non-septic)、敗血症(sepsis)、および敗血症性ショック(septic shock)という3つの異なる状態が示されている。
【0080】
図15Fは、本開示と一致するトリガ論理エンジンを使用した、様々な実施形態における敗血症判定カテゴリについての確率広がりを示すチャート1500Fである。OD_N_infection_N、OD_N_infection_Y、OD_Y_infection_N、およびOD_Y_infection_Yという4つの異なるカテゴリが示されている。
【0081】
図15Gは、上に列挙された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンに基づいて行われる決定によって影響を受ける患者の割合を示すチャート1500Gである。影響が最も低いのは、0.06のBSDとスコアのための多項式境界との組合せの場合で、92%をわずかに超える。影響が最大なのは、0.003の対象間分散絶対値に対してなされた決定の場合で、ほぼ97%の影響である。
【0082】
図15Hは、上記で開示された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンによって行われる決定に対するタイミングを示すチャート1500Hである。時間軸(垂直軸、すなわち縦座標)は、任意の単位で決定までの時間を示す。チャート1500Hにおけるトリガ論理エンジンの出力は、敗血症診断に対する3つのリスクカテゴリ(「0」、「1」、および「2」)のうちの1つを示す。一般に、リスクカテゴリの分散広がりは、低リスクデータに対してはより高く、高リスクデータに対してはより低いように見受けられる。
【0083】
図15Iは、上記で開示された様々な実施形態について、本明細書で開示されるようなトリガ論理エンジンによって行われる決定に対するタイミングを示すチャート1500Iである。時間軸(垂直軸、すなわち縦座標)は、任意の単位で決定までの時間を示す。チャート1500Iにおけるトリガ論理エンジンの決定は、「非敗血症(non-septic)」、「敗血症(sepsis)」、および「敗血症性ショック(septic shock)」という3つの条件にしたがって敗血症診断を判定することである。一般に、リスクカテゴリの分散広がりは、低リスクデータに対してはより高く、高リスクデータに対してはより低いようである。
【0084】
予想されるように、チャート1500Hおよび1500Iにおける決定に対するタイミングは、トリガ論理エンジンにおけるステートフル論理構成では、ステートレス論理構成(チャート1400Hおよび1400I参照)と比較してわずかに高い。
【0085】
図16は、様々な実施形態による、複数の医学的特徴に基づいて経時的に患者に対してアクションをとる確率を示すためのチャート1600である。
【0086】
図17は、様々な実施形態による、いくつかの医学的特徴にわたる患者の2つの異なるセットについてのリスク因子の棒グラフ1700である。棒グラフ1700は、D
conditionalの結果の視覚化であり、XR
simulated_statelessを使用する時間依存トリガを示す。したがって、棒グラフ1700のXR
simulated_statelessデータ行列内の各行は、t
triggerと、t
triggerを引き起こした臨床データ(例えば、バイタル、CBC、CMPなど)の対応するセットまたはクラスの名前とに対応する。棒グラフ1700は、それぞれ別個の臨床現場からの患者の2つの異なるグループについての特定の臨床データエントリのトリガ論理エンジンに対する条件付き影響の例示的な割合を示す。
【0087】
図18は、様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法1800におけるステップを示すフローチャートである。方法1800は、ネットワークを介して1つまたは複数のサーバに結合されたクライアントデバイスのうちのいずれか1つ(例えば、サーバ130のうちのいずれか1つおよびクライアントデバイス110のうちのいずれか1つ、およびネットワーク150)によって少なくとも部分的に実行され得る。例えば、様々な実施形態によれば、サーバは、医療関係者または医療従事者が持ち運ぶ1つまたは複数の医療デバイスまたはポータブルコンピュータデバイスをホストし得る。クライアントデバイス110は、医療施設内の職員もしくは他の人員、または医療施設もしくは病院の緊急治療室または救急車に患者を運ぶ救急隊員、または医療施設から離れた個人の住居もしくは公共の場所で患者に付き添う者などのユーザによって操作され得る。方法1800におけるステップのうちの少なくともいくつかは、コンピュータのメモリに記憶されたコマンドを実行するプロセッサ(例えば、プロセッサ212およびメモリ220)を有するコンピュータによって実行され得る。様々な実施形態によれば、ユーザは、クライアントデバイス内のアプリケーションを起動して、ネットワークを介してサーバ内のトリガ論理エンジン(例えば、アプリケーション222およびトリガ論理エンジン240)にアクセスし得る。トリガ論理エンジンは、臨床データをリアルタイムで取り出し、供給し、処理したり、そのアクション推奨を提供したりするために、モデリングツール、統計ツール、およびインピュテーションツール(例えば、モデリングツール242、統計ツール244、およびインピュテーションツール246)を含み得る。さらに、方法1800に開示されるステップは、とりわけ、トリガ論理エンジン(例えば、データベース252)を使用して、コンピュータの一部であるかまたはコンピュータに通信可能に結合されるデータベース内のファイルを、取り出すこと、編集すること、および/または記憶することを含み得る。本開示と一致する方法は、異なるシーケンスで実行される、方法1800に示されるステップのうちのすべてではないが少なくともいくつかを含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して、またはほぼ同時に実行される方法1800におけるような少なくとも2つ以上のステップを含み得る。
【0088】
ステップ1802は、モデリングツールのための入力データを受信することを含み、入力データは、システムのステータスを示す。
【0089】
ステップ1804は、欠測データを代入して、モデリングツールのための代入データとすることを含む。様々な実施形態では、ステップ1804は、複数インピュテーション技法を適用して、特定の時間における患者のデータの特定のインスタンスのために患者のデータのN個のコピーを生成することを含む。様々な実施形態では、ステップ1804は、欠測データ値を1つの代入データ値で置き換えることを含み得る。いくつかの実施形態では、ステップ1804は、インピュテーションモデルにおける変動性を評価するために、各欠測データ値を1つまたは複数の代入データ値で置き換えることを含み得る。例えば、ステップ1804は、各欠測データ値に対して「N」個の代入データ値を作成することを含み得、ここで、各代入データ値は、サンプリング変動性を反映するように、モデリングツール内のわずかに異なるモデルから予測される。
【0090】
ステップ1806は、モデリングツールを用いて入力データおよび代入データを使用してスコアを評価することを含み、スコアは、システムのステータスに基づく結果に関連付けられる。データの各コピーについて、ステップ1806は、入力データ(代入データを含む)をモデリングツールに提供し、結果の予測を生成することを含み得る。
【0091】
ステップ1808は、統計ツールを使用してスコアの統計分析を実行することを含む。様々な実施形態では、ステップ1808は、BSD、WSD、およびTSDの推定値を生成することを含む。
【0092】
ステップ1810は、スコアおよび統計分析に基づいて結果の尤度を決定することを含む。様々な実施形態では、ステップ1810は、モデリングツールがスコアを提供するとき、BSD、WSD、TSD、スコア、および他の出力に条件付き論理を適用することを含み得る。例えば、様々な実施形態では、ステップ1810は、BSDが予め選択された値未満であるときに条件を適用し、次いで、特定の出力またはアクションをトリガすることを含み得る。いくつかの実施形態では、ステップ1810は、条件付き論理が偽であるかまたは満足されないとき、さらなる時間まで決定または出力を延期することを含み得る。
【0093】
図19は、様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法1900におけるステップを示すフローチャートである。方法1900は、ネットワークを介して1つまたは複数のサーバに結合されたクライアントデバイスのうちのいずれか1つ(例えば、サーバ130のうちのいずれか1つおよびクライアントデバイス110のうちのいずれか1つ、およびネットワーク150)によって少なくとも部分的に実行され得る。例えば、様々な実施形態によれば、サーバは、医療関係者または医療従事者が持ち運ぶ1つまたは複数の医療デバイスまたはポータブルコンピュータデバイスをホストし得る。クライアントデバイスは、医療施設内の職員もしくは他の人員、または医療施設もしくは病院の緊急治療室または救急車に患者を運ぶ救急隊員、または医療施設から離れた個人の住居もしくは公共の場所で患者に付き添う者などのユーザによって操作され得る。方法1900におけるステップのうちの少なくともいくつかは、コンピュータのメモリに記憶されたコマンドを実行するプロセッサ(例えば、プロセッサ212およびメモリ220)を有するコンピュータによって実行され得る。様々な実施形態によれば、ユーザは、クライアントデバイス内のアプリケーションを起動して、ネットワークを介してサーバ内のトリガ論理エンジン(例えば、アプリケーション222およびトリガ論理エンジン240)にアクセスし得る。トリガ論理エンジンは、臨床データをリアルタイムで取り出し、供給し、処理したり、そのアクション推奨を提供したりするために、モデリングツール、統計ツール、およびインピュテーションツール(例えば、モデリングツール242、統計ツール244、およびインピュテーションツール246)を含み得る。さらに、方法1900に開示されるステップは、とりわけ、トリガ論理エンジン(例えば、データベース252)を使用して、コンピュータの一部であるかまたはコンピュータに通信可能に結合されるデータベース内のファイルを、取り出すこと、編集すること、および/または記憶することを含み得る。本開示と一致する方法は、異なるシーケンスで実行される、方法1900に示されるステップのうちのすべてではないが少なくともいくつかを含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して、またはほぼ同時に実行される方法1900におけるような少なくとも2つ以上のステップを含み得る。
【0094】
ステップ1902は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することを含み、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入される。様々な実施形態によれば、ステップ1902は、サーバにおいて、ネットワークを介してクライアントデバイスから測定値を受信することを含み得る。
【0095】
ステップ1904は、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1904は、測定値と、第1のデータフィールドを第2のデータフィールドに関連付ける条件付きルールとに基づいて、第1の予測値を決定することをさらに含む。様々な実施形態によれば、ステップ1904は、トリガ論理エンジン内のモデルを使用して第1の予測値を決定することを含む。
【0096】
ステップ1906は、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1906は、対象間標準偏差値において第1の予測値によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1906は、対象内標準偏差のサンプリング変動性によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1906は、対象間標準偏差および対象内標準偏差を含む総標準偏差を決定することを含む。
【0097】
ステップ1908は、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することを含む。
【0098】
ステップ1910は、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することを含む。
【0099】
ステップ1912は、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1912は、第1の標準偏差値と第2の標準偏差値との間の比を決定することを含み、第1の標準偏差値および第2の標準偏差値の各々は、関連メトリックの第1のセットから、または関連メトリックの第2のセットから選択される。様々な実施形態によれば、ステップ1912は、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアの多項式関数を計算することと、関連メトリックの第1のセットおよび関連メトリックの第2のセットから選択された標準偏差を多項式関数と比較することとを含む。
【0100】
ステップ1914は、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるとき、所定のアクションが推奨される。様々な実施形態によれば、関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、ステップ1914は、第1の収集時間および第2の収集時間の後にステートフル論理を使用することを含む。様々な実施形態によれば、関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、ステップ1914は、第1の収集時間または第2の収集時間の一方の後にステートレス論理を使用することを含む。様々な実施形態によれば、データセットは、患者についての臨床データを含み、臨床データは、全血球計算、包括的代謝パネル、または血液ガスのうちの1つを有し、ステップ1914は、患者が敗血症性ショックに罹患する可能性についての信頼レベルを決定することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1914は、第1のデータフィールドに対する第1の以前の値および第2のデータフィールドに対する第2の以前の値を含む以前のデータセットに基づいて、所定のアクションを選択することを含む。様々な実施形態によれば、ステップ1914は、表示用のグラフィックチャートを提供することをさらに含み得、グラフィックチャートは、統計的に導出されたメトリックを示す。
【0101】
図20は、様々な実施形態による、時間シーケンスにわたって受信または代入された複数の医学的特徴に基づいて患者に対して医療行為を行う方法2000におけるステップを示すフローチャートである。方法2000は、ネットワークを介して1つまたは複数のサーバに結合されたクライアントデバイスのうちのいずれか1つ(例えば、サーバ130のうちのいずれか1つおよびクライアントデバイス110のうちのいずれか1つ、およびネットワーク150)によって少なくとも部分的に実行され得る。例えば、様々な実施形態によれば、サーバは、医療関係者または医療従事者が持ち運ぶ1つまたは複数の医療デバイスまたはポータブルコンピュータデバイスをホストし得る。クライアントデバイスは、医療施設内の職員もしくは他の人員、または医療施設もしくは病院の緊急治療室または救急車に患者を運ぶ救急隊員、または医療施設から離れた個人の住居もしくは公共の場所で患者に付き添う者などのユーザによって操作され得る。方法2000におけるステップのうちの少なくともいくつかは、コンピュータのメモリに記憶されたコマンドを実行するプロセッサ(例えば、プロセッサ212およびメモリ220)を有するコンピュータによって実行され得る。様々な実施形態によれば、ユーザは、クライアントデバイス内のアプリケーションを起動して、ネットワークを介してサーバ内のトリガ論理エンジン(例えば、アプリケーション222およびトリガ論理エンジン240)にアクセスし得る。トリガ論理エンジンは、臨床データをリアルタイムで取り出し、供給し、処理したり、そのアクション推奨を提供したりするために、モデリングツール、統計ツール、およびインピュテーションツール(例えば、モデリングツール242、統計ツール244、およびインピュテーションツール246)を含み得る。さらに、方法2000に開示されるステップは、とりわけ、トリガ論理エンジン(例えば、データベース252)を使用して、コンピュータの一部であるかまたはコンピュータに通信可能に結合されるデータベース内のファイルを、取り出すこと、編集すること、および/または記憶することを含み得る。本開示と一致する方法は、異なるシーケンスで実行される、方法2000に示されるステップのうちのすべてではないが少なくともいくつかを含み得る。さらに、本開示と一致する方法は、時間的に重複して、またはほぼ同時に実行される方法2000におけるような少なくとも2つ以上のステップを含み得る。
【0102】
ステップ2002は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することを含み、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入される。
【0103】
ステップ2004は、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することを含む。
【0104】
ステップ2006は、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することを含む。
【0105】
ステップ2008は、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することを含む。
【0106】
ステップ2010は、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することを含む。
【0107】
ステップ2012は、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することを含む。
【0108】
ステップ2014は、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される。
【0109】
ハードウェアの概要
図21は、
図1および
図2のクライアントデバイス110およびサーバ130ならびに
図18~
図20の方法を実施することができる例示的なコンピュータシステム2100を示すブロック図である。特定の態様では、コンピュータシステム2100は、専用サーバ内で、または別のエンティティに統合されて、または複数のエンティティにわたって分散されて、ハードウェアまたはソフトウェアとハードウェアの組合せを使用して実装され得る。
【0110】
コンピュータシステム2100(例えば、クライアントデバイス110およびサーバ130)は、情報を通信するためのバス2108または他の通信機構と、情報を処理するためのバス2108に結合されたプロセッサ2102(例えば、プロセッサ212)とを含む。例として、コンピュータシステム2100は、1つまたは複数のプロセッサ2102を用いて実装され得る。プロセッサ2102は、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、コントローラ、ステートマシン、ゲートロジック、ディスクリートハードウェア構成要素、または情報の計算もしくは他の操作を実行することができる任意の他の適切なエンティティであり得る。
【0111】
コンピュータシステム2100は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムのための実行環境を作成するコード、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読取専用メモリ(ROM)、プログラマブル読取専用メモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、DVD、またはプロセッサ2102によって実行されるべき命令および情報を記憶するためにバス2108に結合された任意の他の適切な記憶デバイスなどの内蔵メモリ2104(例えば、メモリ220)に記憶された、プロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーティングシステム、またはそれらのうちの1つまたは複数からなる組合せを構成するコードを含むことができる。プロセッサ2102およびメモリ2104は、専用論理回路によって補完され得るか、またはそれに組み込まれ得る。
【0112】
命令は、メモリ2104に記憶され、1つまたは複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、コンピュータシステム2100による実行のため、もしくはコンピュータシステム2100の動作を制御するためにコンピュータ可読媒体上に符号化されたコンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールにおいて、並びに、当業者に周知の任意の方法にしたがって実装され得、これには、限定はしないが、データ指向言語(例えば、SQL、dBase)などのコンピュータ言語、システム言語(例えば、C、Objective-C、C++、アセンブリ)、アーキテクチャ言語(例えば、Java(登録商標)、.NET)、およびアプリケーション言語(例えば、PHP、Ruby、Perl、Python)が含まれる。命令はまた、アレイ言語、アスペクト指向言語、アセンブリ言語、オーサリング言語、コマンドラインインターフェース言語、コンパイラ型言語、コンカレント言語、カーリーブラケット言語、データフロー言語、データ構造化言語、宣言型言語、難解言語、拡張言語、第4世代言語、関数言語、インタラクティブモード言語、インタープリタ型言語、反復言語、リストベース言語、リトル言語、論理ベース言語、機械語、マクロ言語、メタプログラミング言語、マルチパラダイム言語、数値解析、非英語ベース言語、オブジェクト指向クラスベース言語、オブジェクト指向プロトタイプベース言語、オフサイドルール言語、手続き型言語、リフレクション言語、ルールベース言語、スクリプト言語、スタックベース言語、同期言語、構文処理言語、ビジュアル言語、wirth言語、およびxmlベース言語などのコンピュータ言語で実装され得る。メモリ2104はまた、プロセッサ2102によって実行されるべき命令の実行中に一時変数または他の中間情報を記憶するために使用され得る。
【0113】
本明細書で説明されるコンピュータプログラムは、ファイルシステム内のファイルに必ずしも対応しない。プログラムは、他のプログラムまたはデータ(例えば、マークアップ言語文書に記憶された1つまたは複数のスクリプト)を保持するファイルの一部に、当該プログラム専用の単一ファイルに、または複数の協調ファイル(例えば、1つまたは複数のモジュール、サブプログラム、またはコードの一部を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で、または1つのサイトに位置するか、もしくは複数のサイトにわたって分散しており、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開され得る。本明細書で説明されるプロセスおよび論理フローは、入力データに対して動作し、出力を生成することによって機能を実行するために1つまたは複数のコンピュータプログラムを実行する1つまたは複数のプログラマブルプロセッサによって実行され得る。
【0114】
コンピュータシステム2100は、情報および命令を記憶するためにバス2108に結合された磁気ディスクまたは光ディスクなどのデータ記憶デバイス2106をさらに含む。コンピュータシステム2100は、入力/出力モジュール2110を介して様々なデバイスに結合され得る。入力/出力モジュール2110は、任意の入力/出力モジュールであり得る。例示的な入力/出力モジュール2110は、USBポートなどのデータポートを含む。入力/出力モジュール2110は、通信モジュール2112に接続するように構成される。例示的な通信モジュール2112(例えば、通信モジュール218)は、イーサネットカードおよびモデムなどのネットワーキングインターフェースカードを含む。いくつかの態様では、入力/出力モジュール2110は、入力デバイス2114(例えば、入力デバイス214)および/または出力デバイス2116(例えば、出力デバイス216)など、複数のデバイスに接続するように構成される。例示的な入力デバイス2114は、ユーザがコンピュータシステム2100に入力を提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス、例えばマウスまたはトラックボールを含む。ユーザとのインタラクションを提供するために、触覚入力デバイス、視覚入力デバイス、音声入力デバイス、またはブレイン-コンピュータインターフェースデバイスなどの他の種類の入力デバイス2114も使用することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバックであり得、ユーザからの入力は、音響、音声、触覚、または脳波入力を含む、任意の形態で受信され得る。例示的な出力デバイス2116は、ユーザに情報を表示するためのLCD(液晶ディスプレイ)モニタなどのディスプレイデバイスを含む。
【0115】
本開示の一態様によれば、クライアントデバイス110およびサーバ130は、プロセッサ2102がメモリ2104に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム2100を使用して実装され得る。そのような命令は、データ記憶デバイス2106などの別の機械可読媒体からメモリ2104に読み込まれ得る。メインメモリ2104に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ2102に、本明細書で説明されるプロセスステップを実行させる。メモリ2104に含まれる命令のシーケンスを実行するために、マルチプロセッシング構成の1つまたは複数のプロセッサを使用することもできる。代替的な態様では、本開示の様々な態様を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、またはソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路が使用され得る。したがって、本開示の態様は、ハードウェア回路およびソフトウェアの特定の組合せに限定されない。
【0116】
本明細書で説明する主題の様々な態様は、例えばデータサーバとしてバックエンド構成要素を含むか、またはアプリケーションサーバなどのミドルウェア構成要素を含むか、またはユーザが本明細書で説明する主題の実装形態とインタラクトすることができるグラフィカルユーザインターフェースもしくはウェブブラウザを有するクライアントコンピュータなどのフロントエンド構成要素を含むか、または1つもしくは複数のそのようなバックエンド構成要素、ミドルウェア構成要素、もしくはフロントエンド構成要素の任意の組合せを含むコンピューティングシステムにおいて実装され得る。システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワーク(例えば、ネットワーク150)は、例えば、LAN、WAN、インターネットなどのうちの任意の1つまたは複数を含むことができる。さらに、通信ネットワークは、限定はしないが、例えば、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スターバスネットワーク、ツリーまたは階層ネットワークなどを含むネットワークトポロジのうちのいずれか1つまたは複数を含むことができる。通信モジュールは、例えば、モデムまたはイーサネットカードとすることができる。
【0117】
コンピュータシステム2100は、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントとサーバは一般に互いに離れており、典型的には通信ネットワークを介してインタラクトする。クライアントとサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行され、互いにクライアント-サーバ関係を有するコンピュータプログラムによって生じる。コンピュータシステム2100は、例えば、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、またはタブレットコンピュータであり得るが、これらに限定されない。コンピュータシステム2100は、別のデバイス、例えば、限定はしないが、携帯電話、PDA、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機、ビデオゲーム機、および/またはテレビセットトップボックスに組み込まれ得る。
【0118】
本明細書で使用される「機械可読記憶媒体」または「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ2102に命令を提供することに関与するいずれか1つまたは複数の媒体を指す。そのような媒体は、限定はしないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、および伝送媒体を含む多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、データ記憶デバイス2106などの光ディスクまたは磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メモリ2104などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス2108を含むワイヤを含む、同軸ケーブル、銅線、および光ファイバを含む。一般的な形態の機械可読媒体は、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、任意の他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、任意の他の光学媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する任意の他の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH(登録商標) EPROM、任意の他のメモリチップもしくはカートリッジ、またはコンピュータが読取り可能である任意の他の媒体を含む。機械可読記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号をもたらす組成物、またはそれらのうちの1つもしくは複数からなる組合せであり得る。
【0119】
本明細書で使用される場合、一連の項目に先行する「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、項目のいずれかを分離する「および」または「または」という用語と共に、リストの各メンバー(すなわち、各項目)ではなく、リストを全体として修正する。「~のうちの少なくとも1つ」という表現は、少なくとも1つの項目の選択を必要とせず、むしろ、この表現では、項目のいずれか1つのうちの少なくとも1つ、および/または項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つ、および/または項目の各々のうちの少なくとも1つを含むことを意味することができる。例として、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つ」または「A、B、もしくはCのうちの少なくとも1つ」という表現は、それぞれ、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ;A、B、およびCの任意の組合せ;ならびに/またはA、B、およびCのそれぞれのうちの少なくとも1つを指す。
【0120】
「含む(include)」、「有する(have)」などの用語が説明または特許請求の範囲において使用される限り、そのような用語は、「備える/含む(comprise)」が特許請求の範囲において移行語として用いられるときに解釈されるように、「備える/含む(comprise)」という用語と同様に包括的であることが意図される。本明細書において「例示的」という単語は、「例、実例、説明として機能する」という意味で使用するために使用される。「例示的」として本明細書で説明される任意の実施形態は、必ずしも、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。
【0121】
単数形の要素への言及は、別途明記されていない限り、「唯一」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものである。当業者に知られている、または後に知られるようになる、本開示全体にわたって説明される様々な構成の要素に対するすべての構造的および機能的な同等物は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題技術によって包含されることが意図される。さらに、本明細書で開示されるものは、そのような開示が上記の説明において明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公衆に捧げられることを意図していない。
【0122】
本明細書は多くの詳細を含むが、これらは、特許請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ主題の特定の実装形態の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態に関連して本明細書に記載されている特定の特徴を、単一の実施形態において組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実施形態に関連して説明されている様々な特徴を、複数の実施形態で別々に、または任意の適切な部分組合せで実装することもできる。さらに、特徴は、特定の組合せで機能するものとして上記で説明され、最初にそのように特許請求され得るが、特許請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によっては、その組合せから削除され得、特許請求される組合せは、部分組合せまたは部分組合せの変形を対象とし得る。
【0123】
特定の態様に関して本明細書の主題を説明してきたが、他の態様は、実装されることができ、それらは以下の特許請求の範囲内にある。例えば、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が示された特定の順序でまたは連続した順序で実行されること、またはすべての図示された動作が実行されることを必要とすると理解されるべきではない。特許請求の範囲に記載されたアクションは、異なる順序で実行され得、それでも望ましい結果を達成することができる。一例として、添付の図面に示されるプロセスは、所望の結果を達成するために、示される特定の順序または連続的な順序を必ずしも必要としない。特定の状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。さらに、上記で説明した態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての態様においてそのような分離を必要とすると理解されるべきではなく、説明されたプログラム構成要素およびシステムは、一般に、単一のソフトウェア製品に一緒に統合され得るか、または複数のソフトウェア製品にパッケージ化され得ることを理解されたい。他の変形は、以下の特許請求の範囲内である。
【0124】
実施形態の列挙
1.動的リスク予測を行うための方法が提供され、この方法は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入され、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨される。
【0125】
2.関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象内標準偏差値のサンプリング変動性によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む、実施形態1に記載の方法。
【0126】
3.統計的に導出されたメトリックを計算することは、対象間標準偏差と呼ばれる、第1のリスクスコアおよび第2のリスクスコアの標準偏差を計算することを含む、実施形態1または2に記載の方法。
【0127】
4.統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコア、第2のリスクスコア、または両方の数学的組合せから導出された対象間標準偏差および対象内標準偏差値を含む総標準偏差を計算することを含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
5.統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値を選択することを含む、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0129】
6.統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値のうちのいずれか2つの間の比を決定することを含む、実施形態1から5のうちのいずれか1つに記載の方法。
【0130】
7.所定のしきい値を計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアの多項式関数を評価することと、その関数の出力を、第1のリスクスコア、第2のリスクスコア、もしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値と比較することとを含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
8.関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、第1の収集時間および第2の収集時間の後にステートフル論理を使用することを含む、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
9.関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、第1の収集時間または第2の収集時間の一方の後にステートレス論理を使用することを含む、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
10.第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することは、測定値と、第1のデータフィールドを第2のデータフィールドに関連付ける条件付きルールとに基づいて、第1の予測値を決定することを含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
11.命令を記憶するように構成されたメモリと、メモリに通信可能に結合された1つまたは複数のプロセッサとを備えたシステムが提供され、1つまたは複数のプロセッサは、命令を実行し、システムに、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入され、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを行わせ、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨され、関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差値において第1の予測値によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。
【0135】
12.関連メトリックの第1のセットを生成するために、1つまたは複数のプロセッサは、対象内標準偏差においてサンプリング変動性によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定するための命令を実行する、実施形態11に記載のシステム。
【0136】
13.関連メトリックの第1のセットを生成するために、1つまたは複数のプロセッサは、対象間標準偏差および対象内標準偏差を含む総標準偏差を決定するための命令を実行する、実施形態11または12に記載のシステム。
【0137】
14.統計的に導出されたメトリックを計算するために、1つまたは複数のプロセッサは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値を選択するための命令を実行する、実施形態11から13のいずれか1つに記載のシステム。
【0138】
15.統計的に導出されたメトリックを計算するために、1つまたは複数のプロセッサは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアまたは両方の数学的組合せ、第1のリスクスコア、第2のリスクスコアもしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値のうちのいずれか2つの間の比を決定するための命令を実行する、実施形態11から14のいずれか1つに記載のシステム。
【0139】
16.コンピュータによって実行されたときに、コンピュータに方法を実行させる命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供され、方法は、第1のデータフィールドおよび第2のデータフィールドを含むデータセットを受信することと、ここで、第1のデータフィールドには測定値が投入され、第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第1の予測値とに基づいて、第1のリスクスコアおよび関連メトリックの第1のセットを生成することと、第2の予測値を第2のデータフィールドに代入することと、測定値と第2の予測値とに基づいて、第2のリスクスコアおよび関連メトリックの第2のセットを生成することと、第1のリスクスコアと、関連メトリックの第1のセットと、第2のリスクスコアと、関連メトリックの第2のセットとに基づいて、統計的に導出されたメトリックを計算することと、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することとを含み、ここで、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超える場合、所定のアクションが推奨され、関連メトリックの第1のセットを生成することは、対象間標準偏差値および対象内標準偏差値において第1の予測値によって第1のリスクスコアに誘発される変動性を決定することを含む。
【0140】
17.方法において、統計的に導出されたメトリックを計算することは、第1のリスクスコアまたは第2のリスクスコアの多項式関数を評価することと、その関数の出力を、第1のリスクスコア、第2のリスクスコア、もしくは両方の数学的組合せから導出された総標準偏差、対象間標準偏差、または対象内標準偏差値と比較することとを含む、実施形態16に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0141】
18.関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、第1の収集時間および第2の収集時間の後にステートフル論理を使用することを含む、実施形態16または17に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0142】
19.関連メトリックの第1のセットは第1の収集時間に対応し、関連メトリックの第2のセットは第2の収集時間に対応し、統計的に導出されたメトリックが所定のしきい値を超えるかどうかを決定することは、第1の収集時間または第2の収集時間の一方の後にステートレス論理を使用することを含む、実施形態16から18のいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【0143】
20.第1の予測値を第2のデータフィールドに代入することは、測定値と、第1のデータフィールドを第2のデータフィールドに関連付ける条件付きルールとに基づいて、第1の予測値を決定することを含む、実施形態16から19のいずれか1つに記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】