(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】アルカリ金属パッチを処分するための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
B09B 3/70 20220101AFI20230303BHJP
A62D 3/30 20070101ALI20230303BHJP
A61B 50/36 20160101ALI20230303BHJP
A62D 101/06 20070101ALN20230303BHJP
A62D 101/40 20070101ALN20230303BHJP
B09B 101/65 20220101ALN20230303BHJP
【FI】
B09B3/70
A62D3/30
A61B50/36
A62D101:06
A62D101:40
B09B101:65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022535246
(86)(22)【出願日】2020-12-09
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 US2020064049
(87)【国際公開番号】W WO2021119151
(87)【国際公開日】2021-06-17
(32)【優先日】2019-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517290752
【氏名又は名称】キャンデサント・バイオメディカル・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Candesant Biomedical, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【氏名又は名称】江間 晴彦
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】ハント,ニケット
(72)【発明者】
【氏名】ウォー,ジェイコブ エム
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン,ジェシー
(72)【発明者】
【氏名】オニール,マイケル
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA48
4D004AB03
4D004CA34
4D004CB04
4D004CC15
4D004DA02
(57)【要約】
アルカリ金属を含んで成るデバイスを処分する方法が開示される。ある態様において、当該方法は、アルカリ金属を当該アルカリ金属の反応物または当該アルカリ金属の可溶化剤に制御可能にさらし、当該アルカリ金属を反応物と反応させ又は当該アルカリ金属を可溶化剤に溶解させ、それによって、当該アルカリ金属を実質的に非反応性にすることを可能にすべく構成されているコンテナー内にデバイスを置くことを含む。かかる方法に使用されるコンテナー、ならびに、アルカリ金属デバイスおよびディスポーザル・コンテナーを含むキットも開示される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属を含んで成るデバイスを処分する方法であって、
アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、またはそれらのいずれかの組合せを少なくとも有する層部分を有して成るデバイスをコンテナー内に配置すること、
デバイスの層部分をアルカリ金属のための反応物またはアルカリ金属の可溶化剤に制御可能にさらすこと、
アルカリ金属を反応物と反応させ又はアルカリ金属を可溶化剤に溶解させて、アルカリ金属を実質的に非反応性にすること、および、
デバイス、コンテナーまたはそれら双方を任意に処分すること、
を含んで成る、方法。
【請求項2】
デバイスがメディカル・デバイスであって、前記デバイスを前記コンテナーに前記配置することには、初めに、患者の皮膚組織の一部にメディカル・デバイスを適用することが含まれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置には、コンテナーにおける閉鎖可能な開口部を介してデバイスをコンテナー内に置くことが含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記配置には、壁および前記壁に取り付けられた底壁を有して成るコンテナーにデバイスを置くことが含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記配置には、第1プラテンおよび第2プラテンを有して成るコンテナーにデバイスを置くことが含まれ、第1プラテンおよび第2プラテンの一方はデバイスを受けるようになっており、前記方法が、第2プラテンに抗するように第1プラテンを回転可能に押圧することを更に含んで成る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記アルカリ金属の前記反応または前記溶解の間にてコンテナーの温度を制御することを更に含んで成る、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
シングル・ユースの後にコンテナーを処分することを更に含んで成る、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
第2のデバイスをコンテナーに置くことを更に含んで成る、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記デバイスの前記層部分を前記制御可能に前記さらすことには、アルカリ金属酸化物またはアルカリ金属水酸化物が形成され、水素分子が生じるようにアルカリ金属を制御可能に酸化させることが含まれる、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記アルカリ金属を前記反応物と前記反応させることには、水素分子をディスポーザル・コンテナーから排出させることが含まれている、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
キットであって、
アルカリ金属の層を有して成るデバイス、ならびに
デバイスを受容するように構成されたキャビティ、および、キャビティ内へのデバイスの受容がなされるように構成された閉鎖可能な又は密閉できる開口部を有して成るディスポーザル・コンテナー
を有して成り、ディスポーザル・コンテナーが、
(i)アルカリ金属を溶解させる溶媒、
(ii)水素、または、水素のスキャベンジャーを排出するための手段、および
(iii)反応物の源、または、外部の水の源から水を受ける機構
の1つ以上を有して成る、キット。
【請求項12】
デバイスが、水および空気に不透過性のパッケージング・コンテナー内から取出し可能となっており、パッケージング・コンテナーが金属箔を有して成り、パッケージング・コンテナーが、デバイスが受容される内部コンパートメントを有して成り、内部コンパートメントが、実質的にアルゴンまたは窒素の雰囲気を有し、処分可能なコンテナーは水素透過性のポリマー膜の形態で水素の排出のための出口を有して成る、請求項11に記載のキット。
【請求項13】
ポリマー膜は水蒸気透過性を有し、ポリマー膜がポリテトラフルオロエチレンを含んで成る、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
水と混和性があり、アルカリ金属を溶解させる溶媒を更に含んで成り、前記溶媒がアルコールまたはグリコールであって、アルコールが、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール、ステアリル・アルコール、およびトリス(トリメチルシリル)メタノールから選択され、グリコールがプロピレン・グリコールである、請求項11に記載のキット。
【請求項15】
キットが水源を有して成り、前記水源がディスポーザル・コンテナーにおける水または水溶液であり、水または水溶液が、スポンジ、多孔質体または吸収ポリマー基材に接して又はそこに含まれており、あるいは、多孔質体が焼結金属または多孔質ポリマーであり、あるいは、吸収ポリマー基材が架橋親水性ポリマーを含んで成るヒドロゲルである、請求項11に記載のキット。
【請求項16】
キットが、ディスポーザル・コンテナーの外部の水の源から水を受ける機構を有して成り、前記水を受ける機構が、水透過性または湿気透過性のポリマー膜である、請求項11に記載のキット。
【請求項17】
水性溶液、トリグリセリド、または無水フォームが含まれるコンテナー、または、ナトリウムと反応した際にアルギン酸ナトリウム、二フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、パラ過ヨウ素酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムジルコニウムグリコレート、および、過レニウム酸ナトリウムから選択される化合物を生じる対イオンとの化合物が含まれるコンテナーを更に有して成る、請求項11に記載のキット。
【請求項18】
デバイスが接着剤の層または外周部を更に有して成り、キットが、接着剤の層または外周部を受容する寸法を有する基材を更に有して成る、請求項11に記載のキット。
【請求項19】
コンテナーであって、
キャビティが形成され、キャビティにアルカリ金属層を有して成るデバイスを受容するように構成されたエンクロージャ、
予め選択された速度または制御された手法で水分子または反応物とアルカリ金属との接触を許容する媒体、
水がコンテナーから出ていくのを防止する半透性膜、および、圧力に応じて水素をコンテナーから逃がすことを許容する一方向バルブ、ならびに、
水分子が供されるように構成された水蒸気発生部
を有して成る、コンテナー。
【請求項20】
媒体は、
予め選択された速度に従って選択される拡散勾配を有する膜、
アルカリ金属の溶融ビーズをトラップする、アルカリ金属の溶融ビーズがアルカリ金属の塊から取れてしまうことを防止する又はアルカリ金属の溶融ビーズがゲルを構成する水溶液となる媒体の表面に浮くことを防止するように構成された膜、ならびに、
スポンジ、ビーズ、ゲル、または水分子をトラップする基材、および、多孔性焼結金属
のうちの少なくとも1つを含む、請求項19に記載のコンテナー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年12月10日に出願の米国仮出願第62/946,124号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本願明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本明細書で説明される技術は、治療下の患者による使用後にアルカリ金属パッチを処分する方法およびデバイスに一般に関する。
【背景技術】
【0003】
患者に用いられる処分可能なメディカル・デバイスは、高い反応性を有する材料、化合物または要素の量を含み得る。そのようなデバイスの使用後の処分は、患者、医療職員にとって、そして、処分材料を貯留する施設にとって危険を伴うものである。幾つかの構成では、ディスポーザブル・メディカル・デバイスを、その処分に先立って又は処分に関連して完全に中和することが望まれ得る。アルカリ材料を含むメディカル・デバイスの場合、簡潔、迅速および安全に適用できる有効な処分な手法(methodologies)は、存在していないか、あるいは、十分でない。
【発明の概要】
【0004】
第1態様において、アルカリ金属を含むデバイスを処分する方法(または処置する、method for disposing of)であって、少なくともアルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物またはそれらのいずれかの組合せを有する層部分を含むデバイスをコンテナー(または袋もしくは容器、container)内に配置する(又は置く)ことを含む方法が開示される。かかる方法は、デバイスの層部分をアルカリ金属のための反応物(またはリアクタント、反応物質もしくは反応剤またはそれらの部材もしくは部分、reactant)または前記アルカリ金属の可溶化剤(または溶解剤、solubilizer)に制御可能にさらす(または制御しつつ晒す、controllably expose)こと、および、アルカリ金属を反応物と反応させ、またはアルカリ金属を可溶化剤に溶解させ、アルカリ金属を実質的に非反応性にすることを含む。また、かかる方法は、オプションとして(または任意に)、デバイス、コンテナーまたはそれらの両方を処分することを含む。
【0005】
第2態様において、アルカリ金属の層を含むデバイス、および、ディスポーザル・コンテナー(または処分コンテナー、処分袋もしくは処分容器、disposal container)を含んでいるキットが開示される。ディスポーザル・コンテナーは、デバイスを受容するように構成されたキャビティ、および、キャビティ内へのデバイスの受容がなされるように構成された閉鎖可能な開口部又は閉めることができる開口部を有している。また、ディスポーザル・コンテナーは、(i)アルカリ金属を溶解させる溶媒、(ii)水素、または、水素のスキャベンジャー(scavenger)を排出(又は放出)するための手段、および、(iii)反応物の源、または、外部の源から反応物を受ける(又は受け取る)機構の1つ以上を含むキットを含んでいる。ある態様では、反応物は水である。
【0006】
第3態様において、ディスポーザル・コンテナー内にアルカリ金属またはアルカリ金属の酸化物もしくは水酸化物の層を含むデバイスを封入・封止することを含む方法が開示される。ディスポーザル・コンテナーは、閉鎖可能な開口部および半透過膜(又は半透過性膜)を含んでいる。かかる方法は、水蒸気分子を当該層に接触させること及び制御可能にアルカリ金属を酸化させる(または制御しつつアルカリ金属を酸化させる)ことを含み、それによって、アルカリ金属酸化物またはアルカリ金属水酸化物が形成され、水素分子が生じる。また、かかる方法は、水素分子をディスポーザル・コンテナーから排出させる(または出す若しくは放出する、egress)ことを含む。
【0007】
更に別の態様において、コンテナーは、キャビティが形成され、キャビティにアルカリ金属層を含むデバイスを受容するように構成されたエンクロージャ(または囲い体、包囲物もしくは封入物、enclosure)、ならびに、予め選択された速度(または割合、rate)または制御された手法で水分子または反応物とアルカリ金属との接触を許容するように構成された媒体を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、幾つかの態様に従った、使用済パッチを処分するためのキットを示している。
【0009】
【
図2】
図2は、幾つかの態様に従った、被覆されたメッシュと接触するようにされる使用済パッチを処分するためのキットを示している。
【0010】
【
図3】
図3は、幾つかの態様に従った、第1コンパートメントおよび第2コンパートメントを含む使用済パッチを処分するためのキットを示している。
【0011】
【
図4】
図4は、幾つかの態様に従った、第1コンパートメント、第2コンパートメントおよび第3コンパートメントを含む使用済パッチを処分するためのキットを示している。
【0012】
【
図5】
図5は、幾つかの態様に従った、円筒形コンパートメントを含む使用済パッチを処分するためのコンテナーを示す。
【0013】
【
図6】
図6は、幾つかの態様に従った、複数の使用済パッチ(またはマルチプルな使用済パッチ)を処分するためのコンテナーを示す。
【0014】
【
図7】
図7は、幾つかの態様に従った、使用済パッチを処分するためのデバイスを示す。
【0015】
【
図8】
図8は、幾つかの態様に従った、使用済パッチを処分する方法における工程を示すフロー・チャートである。
【0016】
【
図9】
図9は、幾つかの態様に従った、使用済パッチを処分する方法における工程を示すフロー・チャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム、またはそれらの組合せ)を含むデバイスは、多汗症(多量の汗、hyperhidrosis)または見た目(もしくは“美”としての)皮膚状態など、ある肌状態の効率的な処理のためのアプローチを可能する。アルカリ金属デバイスは、かかる医学的療法のため、肌などの人の体の表面に適用することができる。幾つかの態様では、アルカリ金属デバイスは、傷閉鎖のためペン状デバイスまたはスタイラス(または針、stylus)を含んでいてよい。デバイスは、アルカリ金属の薄い長尺カラム(例えば、アルカリ金属から形成された1/4インチ径レッド(led)のシャープペンシル)から形成されたコアを有している。ユーザーは、ペンを傷口上に適用し、加熱のため、組織上にてアルカリ金属の薄い層をトレースする(または施す)。アルカリ金属と肌水分(もしくは肌湿気)および周囲空気との遅い反応は、組織回復を促す穏やかな量(または軽度の量、gentle amount)の熱を生じる。
【0018】
また、デバイスは、表面(人の皮膚表面(もしくは肌表面、skin surface)、または、外科器具、実験台頂面、ペトリ皿などの他の表面)を実質的に減菌・殺菌したり、あるいは、実質的に無菌にしたりするのに用いることができる。医療機関(例えば、病院、クリニック、医院など)の制御された環境で使用されるか、あるいは、実験室もしくは家庭の場で使用されるかのいずれであろうと、デバイスの安全で容易な処分ためのアプローチが必要とされる。
【0019】
アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウム、またはフランシウムなど)は高い反応性を有する。反応は、典型的には、激しい発熱反応であり、しばしば、金属を溶融させ、しばしば生じた水素の発火をもたらし、しばしばクーロン爆発を誘発する。本明細書で開示される態様は、アルカリ金属ベースのスキン・パッチ、ペンおよびエンド・ユーザーよる(例えば、病院、医院、クリニック、ひいては、患者の家庭の場における)他の関連の治療デバイスを安全に中和して処分するための方法およびシステムを含む。本明細書で開示される方法およびデバイスは、アルカリ金属またはアルカリ金属酸化物もしくはアルカリ金属水酸化物を制御された手法で化学的に反応させ、それによって、アルカリ金属を溶融させ得る、あるいは生じた水素(H2)もしくは関連する可燃性ガスもしくは材料につき発火をもたらし得る過剰な温度または反応条件を回避する。幾つか態様には、商業的/住民の廃棄ストリーム(例えば市の下水またはゴミ処分手段)が含まれる。
【0020】
したがって、本明細書では、アルカリ金属層を含むデバイスにて、アルカリ金属を中和、低害化、不活性化および/または消費させる方法およびデバイスが開示される。アルカリ金属が水と反応する際、例えば、アルカリ金属層が汗または別の水の源と接触するデバイスの使用に際して、エネルギー(例えば熱)が水とアルカリ金属との発熱反応に起因して生じる。幾つかの態様では、アルカリ金属は、アルカリ金属の合金(またはアロイ)、または、アルカリ金属100%未満の化合物を含み得る。エネルギーは、人の皮膚または体表面などの処理表面へと移り、臨床的利点(clinical benefit)がもたらされる。幾つかの態様では、デバイス(明細書では「パッチ(または当て部材、片状部材もしくは当て用の片状部材、patch)」とも称される)は、シングル・ユース(または単一個の使用もしくは一個だけの使用、single-use)のために構成されており、処分可能となっている。シングル・ユースでは、アルカリ金属の一部が未反応となっている場合があり得、例えば、アルカリ金属の一部が水と反応できるような状態が維持されている。したがって、常套的な手法で処分すべく(例えば、流すことができる又はゴミ・コンテナーに入れて置くことができる溶液へと混合して処分すべく)、アルカリ金属の未使用または未反応な部分を安全なものとなるように反応させる簡易かつ安全な方法を有することが望ましい。
【0021】
アルカリ金属化合物(例えば、ナトリウムNa、カリウムK)と水(例えば「反応物」または「可溶化剤」)との反応は、以下の化学式で表され得る。
【0022】
式1の反応(Naが単に例示の目的で一例として挙げられている)は、高い発熱反応であり、事実、有害な爆発的衝撃を生じる得る。そのような爆発的衝撃を回避するために反応速度(または反応割合、the rate of the reaction)を制限することは重要である。さらに、熱に起因する温度の突然の上昇は、水素(H2)の発火にさらにつながり得るものである。特にかなりの量の水素がある時間の経過後に蓄積された場合などにおいて水素(H2)の発火にさらにつながり得る。例えば、ナトリウム金属が液体水と反応する際、多量の熱が水素と共に発生する。熱は、アルカリ金属の溶融を引き起こし、デバイスを成すアルカリ金属から離れ得る液体の金属滴が生じ、危険性をさらに悪化させる。本明細書で開示される方法およびデバイスは、上記の非所望な事象(または効果)を回避し、ユーザー・フレンドリーな処分手段を供する。
【0023】
別の課題は、残留する水素、ストリームおよび関連するガスの除去である。例えば、幾つかの態様において、使用済みパッチは、100mm×100mm×0.1mmの寸法(すなわち、1000mm3=1mL=Naの1cm3)を有するアルカリ層を含み得る。密度ρNa=0.97g/cm3、およびモル重量(MW=23g/mol)では、使用済みパッチにてかかる反応が0.97/23=0.0422mol Naとなる。式1の化学量論に従えば、これは、パッチ当たり0.0422/2モル(H2)÷22.4L/mol(STPでのH2のモル体積)=473mL H2に相当する。つまり、幾つかの態様において、シングル・ユースで使用されたパッチの中和は、略半リットルの高い可燃性の水素ガスを生じる。したがって、本明細書で開示される態様などでは、水素および反応に際して生じる関連するガスのトラップまたは排出・放出を可能とする水素スカベンジャー材、溶液、および/または構造、パージ不活性ガス、バルブ、膜が含まれている。
【0024】
本明細書で開示される態様は、使用済みパッチのアルカリ金属残留物を、金属水酸化物、金属アルコキシド、または塩(例えば、NaClなどのアルカリハライドおよびその類)などの別の非自然発火性の物質へと変換するための種々の溶液を供する。
【0025】
したがって、本開示の態様は、考えられ得る爆発性条件が回避されるべく、1つ以上のコンパートメントを備えると共に、化学反応(式1参照)を制限するように構成されたコンテナーを有するディスポーザル手段を含んでいる。本明細書で開示されるディスポーザル・キットは、標準的な廃棄ストリーム(たとえば、ゴミ容器、ドレインまたは同様な手段)で捨てることができる非自然発火性の物質がもたらされるべく、反応速度を制御してアルカリ金属を中和化し、パッチにおける残留アルカリ金属を完全に消費する。幾つかの態様において、ディスポーザル・キットは、ユーザーにとって安全となる“反応により発生する熱”を含み、そのような熱を管理し得る。例えば、幾つかの態様において、本明細書で開示されるコンテナーの外側部分は、安全に50℃未満に維持される。
【0026】
本明細書で開示されるディスポーザル・キットは、ベント(vent)、吸収材、ゲル、溶液または他のコントロール部材を含んでいてよく、それによって、ガス(または複数のガス)、例えば上述の式1の反応に関連する水素またはそれと均等なものを含む生成物が管理される。
【0027】
図1は、幾つかの態様に従った、使用済パッチ101を処分するためのディスポーザル・キット100を示している。使用済パッチ101は、一般的にはアルカリ金属103の層を含むデバイスである。幾つかの態様において、ディスポーザル・キット100は、シングル・ユース(または単一デバイス用、single-use)のディスポーザブル・ユニットとして構成されていてよい(例えば、使用済パッチ101が中和された後でディスポーザル・キット100の少なくとも一部がユーザーにより処理される)。幾つかの態様では、ディスポーザル・キット100は、廃棄する前にて、複数の(またはマルチプルな若しくは多数の)使用済パッチ101を受容および中和するように構成されていてよい。さらに他の態様では、ディスポーザル・キットからの使用済パッチの取出し(または除去)を安全に実施することができると例えばインディケーター手段により知らせられた場合においてディスポーザル・キット100から取出し(または除去)される複数の使用済パッチ101を受容および中和するようにディスポーザル・キット100が構成されていてよい。かかる態様では、使用済の中和されたアルカリ・パッチ101がディスポーザル・キット100から取出し(または除去)され安全に廃棄されることになり得、それによって、更なる使用済パッチ101の継続的な導入が可能となる。
【0028】
ディスポーザル・キット100は、キャビティ107、および、キャビティ107内への使用済パッチ101の受容を可能とするように構成された開口部109を含むディスポーザル・コンテナー105を含んでいる。幾つかの態様では、コンテナー105は、水および空気に実質的に不透過性であって閉鎖可能な開口部109を有するパッケージング(packaging)を含んでいる。幾つかの態様では、閉鎖可能な開口部109は、ディスポーザル・コンテナーにて使用済パッチが封止(または封入)されるように、スライド式ロック(例えば、ジップロックの頂部)またはスクリュー・キャップ(またはねじキャップもしくはネジ蓋、screw cap)を含んでいる。幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、水透過性材料から少なくとも部分的に形成(または製造)されていてよい。幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、ポリエチレン・バイアルもしくはポリプロピレン・バイアル、または、ポリ・バッグを含んでいてよい。さらに、幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、少なくとも1以上の壁、例えば前壁(もしくは正面壁)および後壁(もしくは背面壁)を含んでいてよく、その場合、底壁が前壁および後壁に取り付けられていてよい。幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は2つの側壁を更に含んでいてよく、その場合、各側壁は前壁、後壁および底壁に接続されており、そのうちの少なくとも1つの壁が可撓性を有している(またはフレキシブルになっている)。幾つかの態様では、壁の少なくとも1つが円形であったり、あるいは、湾曲状(またはカーブ状)となっており、ディスポーザル・コンテナー105が環状・輪状のキャビティ―を含んでいたり、あるいは円形のキャビティを含んでいる。幾つかの態様では、コンテナーにおいて壁の少なくとも1つは、金属、金属箔(例えば、ステンレス鋼もしくはマイラー(Mylar))、金属スパッタされたプラスチック・フィルム(metal-sputtered plastic film)を含んでいてよい。
【0029】
ある態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、ベントのためのキャップ(もしくはベント用のキャップ、ベンティング・キャップ、venting cap)またはバルブ112を有していてよく、それによって、ディスポーザル・コンテナー105から水素(または他の過剰ガス)の排出・放出を可能とし、また、ディスポーザル・コンテナー105へと水(または水分)が入ることを可能とする。
【0030】
幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、使用済パッチ101にてアルカリ金属103と化学的に作用して中和させる反応物115を含んでいる。反応物115は、水と混和性を有し、アルカリ金属103を溶解させる溶媒を含んでいてよい。溶媒は、アルコールまたはグリコールを含んでいてよい。かかる場合、アルコールは、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール、ステアリル・アルコール、およびトリス(トリメチルシリル)メタノールから選択されるアルコールであってよく、グリコールはプロピレン・グリコールを含んでいてよい。幾つかの態様では、反応物は、数ミリリットルの実質的に無水R-OH(~99%)溶液(Rは特定されない化学基である)を含んでいてよい。例えば、幾つかの態様では、反応物115は、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール、または、より予測可能なものであって遅い反応性を有し得るより重い通常のものとは異なるアルコールもしくは立体障害(sterically hindered)のアルコールを含んでいてよい。幾つかの態様では、反応物115は、低粘度またはゲル状の溶液を含んでいてよく、アルカリ金属103と反応させられる。幾つかの態様では、水または水溶液は、スポンジ、多孔質体または吸収ポリマー基材(または基板)に接して又はその中に含まれている(contained on or in)。幾つかの態様では、吸収ポリマー基材(または基板)は架橋親水性ポリマーを含んで成るヒドロゲル(hydrogel)であってよい。幾つかの態様では、反応物115は、トリグリセリド、または無水フォーム(または無水発泡体、anhydrous foam)を含んでいてよく、あるいは、無水エタノール中にてナトリウムまたは関連するする金属もしくは合金と反応した際にアルギン酸ナトリウム(sodium alginate)、二フッ化ナトリウム(または酸性フッ化物ナトリウムもしくはフッ化水素ナトリウム、sodium difluoride)、フルオロケイ酸ナトリウム(sodium fluorosilicate)、メタホウ酸ナトリウム(sodium metaborate)、パラ過ヨウ素酸ナトリウム(sodium paraperiodate)、ステアリン酸ナトリウム(sodium stearate)、ナトリウムジルコニウムグリコレート(またはジルコニウムグリコール酸ナトリウム、sodium zirconium glycolate)、および、過レニウム酸ナトリウム(sodium perrhenate)(NaReO4)から選択される化合物を生じることになる対イオン(counter ion)との化合物を含んでいてよい。ナトリウムまたは他のアルカリ金属の添加は、ノナヒドリドレネート(nonahydridorhenate)を生じることになる。これは、不活性塩を生じる正常に振る舞う反応である。幾つかの態様では、レニウム(Rh)化合物は、テクネチウム(Tc)またはマンガン(Mn)などより手頃な物質と置き換わってもよい。
【0031】
さらに、幾つかの態様では、ディスポーザル・キット100は、外部源から水を受容する機構を含んでいてよい。幾つかの態様では、反応物は、ナトリウムと反応した際にアルギン酸ナトリウム(NaC6H7O6)、二フッ化カリウム(または酸性フッ化物カリウムもしくはフッ化水素カリウム)(KHF2)、二フッ化ナトリウム(NaHF2)、フルオロケイ酸ナトリウム(Na2SiF6)、メタホウ酸ナトリウム(NaBO2)、パラ過ヨウ素酸ナトリウム(Na3H2IO6)、ステアリン酸ナトリウム(NaOOCC17H35)およびナトリウムジルコニウムグリコレート(NaZrH3(H2COCOO)3)から選択される化合物を生じることになる対イオンとの化合物であってよい。
【0032】
幾つかの態様において、外部源から水を受容する機構は、水透過性または湿気透過性のポリマー膜である。水に加えて又は水と塩との溶液に加えて、化学反応(式1)の速度を制限するのに使用され得る溶液としては、プロピレン・グリコール(PG)、アルコール、10M NaOHなどの高モルNaOH(水溶液)が挙げられ、それらは制御された手法でナトリウムと遅行的に(または遅く、slowly)反応する。
【0033】
付加的には、幾つかの態様において、反応物115は、二酸化炭素を含んでいてよく、それにより、アルカリ金属のカーボネート(または炭酸塩、carbonate)が形成される。CO2は、ガス状形態であってよい。あるいは、少なくとも1つのコンパートメントが二酸化炭素を放出する物質で充填されてもよい。付加的に、四塩化炭素およびジクロロメタンは、使用済みナトリウムを消費(expend)すべく、ナトリウムと激しく反応し、反応物115として使用でき得る。
【0034】
幾つかの態様では、アルカリ金属反応(式1参照)後における生成物を中和することが有益となり得る。塩基性が高い(highly basic)アルカリ水酸化物(例えば、NaOH、式1参照)は、苛性(caustic)および/または腐食性を有し、処分には危険を伴い得る。したがって、幾つかの態様では、反応物115の溶液にバッファー、酸、または同様の化合物が含まれていてよく、それによって、反応生成物(例えば、式1の右側)が中和または制御される。
【0035】
キャビティ107の1以上の壁は、水素を選択的に透過させる膜を含んでいてよい。かかる半透過膜は、ポリマー膜、多孔質膜、濃厚金属膜(または高密金属膜、dense metal membrane)またはイオン伝導性膜であってよい。多孔質膜の例としては、セラミック膜、カーボン膜、および金属膜が挙げられる。ポリマー膜の例としては、芳香族ポリイミド、ポリスルホン、セルロース・アセテート(または酢酸セルロース)、ポリエチレン、および、テトラブロモポリカーボネート(tetrabromopolycarbonate)が挙げられる。濃厚金属膜の例としては、パラジウム膜、および、パラジウム系合金膜が挙げられる。水素透過性膜は、ポリマー・マトリックスに分散したナノ粒子から成るハイブリット膜であってよく、例えば、プリアリナ・エー(Pulyalina A.)らの「ポリマー(10(8)):828(2018)」に記載されているようなものであってよい。幾つかの態様は、水蒸気またはスチームを保持しつつも水素を逃がすことができる。幾つかの態様において、アルカリ・パッチは、反応物(例えば、PG溶液)に部分的または全体的に浸漬されてよい。幾つかの態様は、高い湿度レベルが供されるように、ディスポーザル・コンテナー105の環境を制御する。後者のため、ディスポーザル・コンテナー105は、望まれ得る水蒸気またはスチームに対してより高い速度(または割合、rate)で水素をベント(または通気もしくは排気)させる膜を含んでいてよい。
【0036】
ある態様において、水蒸気はパウチのキャビティ107に入り込み、アルカリ金属103との反応が進行する(式1参照)。水素は、水素透過性の膜または材料を介してキャビティ107から排出される。アルカリ金属が酸化され、高モル水酸化水和物(またはハイドロオキサイド・ハイドレート、hydroxide hydrate)、またはアルカリ水酸化物(例えばNaOH、式1参照)のクラスト(crust)もしくは層を使用済みパッチに残し得るところ、そのようなものは、第1キャビティで安全に封止・封入される。別の態様では、水素透過性膜は、少なくとも約10%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、75%の水素の透過速度(もしくは拡散割合)または拡散速度(もしくは拡散割合)を有しているか、あるいは、水蒸気またはスチームの透過速度よりも高い透過速度・拡散速度を有している。
【0037】
幾つかの態様において、コンテナーにおける少なくとも第1キャビティは、壁を含んでいてよく、壁の少なくとも一部が、水素透過性膜または水素透過性材料(たとえば、上記で述べたようなもの等の合成ポリマー、及びその類)を含んでいる。幾つかの態様において、半透過膜は、水蒸気またはスチームに対して透過性を有するものであってよい。半透過膜は、ディスポーザル・コンテナー105の底壁に配置されてよい。反応物とアルカリ金属との相互の反応(または相互作用)により放出される水素は、水素透過性膜を介してディスポーザル・コンテナー105から自由に排出されてよく、大気中に放出されてよい。使用済みパッチ101を含むディスポーザル・コンテナー105は、規定の手続きを用いて安全に廃棄され得る。幾つかの態様では、ディスポーザル・コンテナー105は、反応物(例えば、水または他の溶媒(または溶剤、solvent))の源を含んでいてよく、または、外部源からの反応物(例えば、式1の左側の反応物質)を受容する機構を含んでいてよい。ある態様では、使用済みパッチ101は、アルカリ金属103またはその合金との反応のための水利用を制限し、それにより爆発を回避する手法でアルカリ金属103またはその合金を水または水性溶液(または水溶液、aqueous solution)にさらす。幾つかの態様において、反応物は、使用済みパッチ101を含むキャビティ107へと水(液体形態または気体形態の水)を遅く透過させる予め選択された拡散勾配を有する膜を含んでいてよい。幾つかの形態では、反応物115は、プロピレン・グリコール(PG)+水、塩+水、または、アルコール+水などの水性溶液を含んでいる。幾つかの態様において、反応物115は、水を伴って、制御された反応が供されるべく制限された速度(または割合)でキャビティ107内へと入り込むことを遅行的に(slowly)可能にするスポンジを含んでいてよい。
【0038】
幾つかの態様において、反応物115は、焼結金属、多孔質ポリマー、多孔質プラスチック、または吸収ポリマー基材・基板(例えば、架橋親水性合成ポリマーを含むヒドロゲル)に組み込まれた水または水溶液を含んでいてよい。より具体的には、焼結金属は、使用済みパッチ101にて反応物115とアルカリ金属103との間で律速界面(または律速インターフェースもしくは速度制限界面、rate-limiting interface)を形成する。さらに、金属が比較的大きい熱質量(thermal mass)を有するので、焼結金属は、反応するアルカリ金属103の温度をその融点未満および水素の自己発火温度(または自然発火温度)未満に制限でき得る。焼結金属、プラスチック材料またはそれらの組合せは、蛇行パス(またはねじ曲りパス若しくは複雑なパス)/多孔パスを供していてよく、使用済みパッチ101を含むキャビティ107内への水進入速度(または水進入割合)が制限されるようになっていてよい。幾つかの態様では、反応物115は、ビーズ、フィルムまたはシートを含んでいてよく、それらは、ヒドロゲル、吸収ポリマー、高吸収ポリマー、ポリビニルアルコール(PVA)、シリコーン、または、水もしくは水性溶液を含む適当な基材(または基板、substrate)のいずか組合せから成っていてよい。
【0039】
幾つかの態様において、反応物115は、プロピレン・グリコール(PG)の溶液を含んでいてよい。プロピレン・グリコールは、水と混和性を有する点で利点を有する。またそれは難燃性(または不燃性)で、使用に安全である。幾つかの態様において、反応物は、パッチの効果的な溶解のために、100%PG溶液を含んでいてよく、あるいは、PG/H2Oの他の比率(または比)を有していてよい。使用済パッチ101が、薄い箔シート(例えば、金属または合金が約0.005インチ以下の箔シート)のアルカリ金属103を有する態様に対しては、100%PG溶液に浸漬させる際、アルカリを完全に溶解させるのに約30分間要することとなり得る。使用済みパッチ101のアルカリ金属103の溶解は、水性PG溶液(またはPG水溶液)中の水の量が増すとより速くなる。幾つかの態様において、水性PG溶液中の水のレベルをおよそ10%未満に維持することが望ましい場合があり、それによって、過剰な発熱およびアルカリ金属103の溶融に起因する小さな金属ビーズの形成が回避される。アルカリ金属103のビーズが溶液(例えば、反応物115を含む溶液)の表面に浮かぶ場合、かかるビーズと溶液、空気、および水蒸気との反応が継続され、ある場合では生じた水素が非所望に発火し得ることになる。
【0040】
幾つかの態様では、所望の反応速度を得るために、PG/水の溶液濃度が調整(例えば“チューン”、tune)されてよい。例えば、幾つかの態様では、水素生成の速度がコンテナーから水素が排出される速度よりも速くならないようにPG/水の溶液濃度を調整・チューンすることができる。水素は非常に小さい分子であり、それゆえ、含有させておくこと(contain)が難しい。標準的なコンテナー、例えば、スライド式シール(例えばジップロック(ZIPLOC)登録商標)または封止可能(または封入可能)なフラップを有するポリエチレン・バッグなどの標準的なコンテナーは、使用済みパッチ101および溶媒(または溶剤、solvent)を首尾よく含んでいてよく、水素の通過を可能とする(または膜もしくはタイベック(Tyvek)バッグを上述したように用いることができる)。しかしながら、反応が速すぎるほどの進行を伴う場合、コンテナーからの排出速度を超える速度で水素が形成され得る。したがって、幾つかの態様では、溶液のPGと水との比の慎重な選択が水素生成を遅くし、ディスポーザル・コンテナー105からの排出速度に匹敵(またはマッチ、match)する速度にまで水素生成を遅くするものであってよい。
【0041】
幾つかの態様では、反応物115、またはディスポーザル・キット100の少なくとも一部は、アルカリ金属103との反応がいつ完了したかを示す色変化材料(color changing material)を含んでいてよい。より具体的には、反応物115、またはディスポーザル・キット100の一部は、反応がいつ完了したかを知覚可能な様式で物理的に変化する材料を含んでいてよい。熱によって、溶液のpHによって、または、そこに含まれる反応生成物によって、あるいは、その類によって物理的な変化が引き起こされ得るものであってよい。色変化は、反応がいつ完了したか及びディスポーザル・キット100を処分するのがいつ安全かをユーザーに示すことが可能である。
【0042】
幾つかの態様では、ディスポーザル・キット100は、高い熱容量(または大きい熱容量)を有する過剰の溶液を含んでいてよく、あるいは、コンテナーは、高い熱容量を有する金属または他の材料から形成された壁の少なくとも一部を有していてよい。幾つかの態様において、ディスポーザル・キット100は、ラベルまたはリーフレット(または説明書、leaflet)120を含んでいてよい(例えば、そのようなラベルまたはリーフレットは、一方の壁の外側にスタンプされていたり、コンテナーの内側に緩く配置されていたり、あるいは、ストリングを介して取り付けられていたりしてよい)。ラベルまたはリーフレット120は、使用のための指示セットを含んでいてよい。幾つかの態様では、指示は、ディスポーザル・コンテナー105に直接的にプリントされていてよく、あるいは、使用済みパッチ101の接着部分に配された材料に設けられ(またはプリントされ)ていてもよい。
【0043】
図2は、幾つかの態様に従って、反応物115で被覆されたメッシュ201aと接触させられる使用済みパッチ101を処分するためのキット200を示している。メッシュ201aは、網状部材(mesh)であってよく、あるいは、カーボン・ファイバーやその類などの非金属メッシュであってよい。メッシュ201aは、反応物115のための基材(または基板、substrate)を提供し、中和化学反応に起因して使用済みパッチ101の過熱を防止する良好な熱伝導性(または熱伝導率)を供する。幾つかの態様ではメッシュ201aは、使用済みパッチ101上に置かれてよく、次いで、それら両方がディスポーザル・パウチ205(ディスポーザル・コンテナー105参照)の内側のキャビティ107に置かれ得るディスポーザル・パウチ205は、バルブ112、反応物115、および閉鎖可能な開口部109を含んでいる。幾つかの態様では、メッシュ201aは、膜201b、ペーパー、ファイバー・ガラス(ファイバーグラス)、クロス層やそれらの類と置き換えられてよく、エプソム・ソルト((Epsom salt)MgSO
47H
2O)またはCdCl
2もしくはそれと似たようなもの等の他の水可溶性塩を染み込ませてよい。幾つかの態様では、メッシュ201aまたは膜201bは、ペーパーまたは膜などの透過性処分手段を含んでいてよく、それによって、使用済みパッチ101のアルカリ金属の外周部(または周縁部、perimeter)の周りにて接着剤をカバーしてよい。アルカリ金属103の中和後、使用済みパッチ101は、水で冷却(quench)され、廃棄される。
【0044】
幾つかの態様では、ディスポーザル・パウチ205への挿入・導入に先立って、好適にドープされたゲルまたはワックスが使用済みパッチ101に適用される。したがって、ドープされた材料は、ゲルまたはワックスにおいて低い濃度ハロゲン(例えば、Cl、F、Br、Iおよびその類)の勾配(gradient)を含んでいてよい。かかる勾配は、室内空気(room air)にさらされた際に形成されてよい。アルカリ金属103は、制御された手法でハロゲンと反応し、塩をゆっくりと形成する。幾つかの態様では、使用済みパッチ101上に無水フォーム(anhydrous foam)のコートが含まれていてよく、フォームは、排出されたナトリウムのデブリ(または破片、debris)を物理的に保持し、燃焼を防止する。
【0045】
幾つかの態様に従って、
図3は、アルカリ金属103を有する使用済みパッチ101を処分するためのキット300であって、第1コンパートメントまたはキャビティ307aおよび第2コンパートメントまたはキャビティ307b(以下では、総称的に「キャビティ307」とも称する)を含んでいるキット300を示している。コンパートメント307bは、反応物115(または可溶化剤)を含んでいてよく、当該反応物115(または可溶化剤)が壁315によって使用済みパッチから隔てられていてよい。半透過膜312は、壁315の少なくとも一部をカバーしていてよい。幾つかの態様において、使用済パッチ101から反応物115を隔てる(又は分ける)ことは、反応速度が減じることになり得、非爆発的な速度でもって反応速度が安全に進行できる。
【0046】
ある態様では、コンテナー305は、閉鎖可能な開口部109を含んでいる。ある態様では、コンテナー305は、一方向バルブ311(例えばダックビル・バルブなど)を有していてよく、それによって、コンテナーからの水素排出(または他の過剰ガスの排出)を可能にしてよい。一方向バルブ311は、コンパートメント307aの内側と外側大気(または外側雰囲気)との間が十分な圧力差に付された際に開くように構成されている。幾つかの態様において、一方向バルブ311は、コンパートメント307aの内側の圧力が閾値圧力を超えた際に“開”となるように構成されている。反応生成物(例えば、式1の右側となるアルカリ酸化物または水酸化物生成物)が、固体または半固体形態の物理的なコンシステンシー(または一貫性、consistency)を有する場合、一方向バルブ311は、より低い圧力差で作動してよくあるいは圧力差なしで作動してもよい(例えば、フラップ・バルブなど)。幾つかの態様において、一方向バルブ311は、チェック・バルブまたは圧力バルブを含んでいてよく、コンテナー105からの水素排出が可能となっている。
【0047】
幾つかの態様に従って、
図4は、アルカリ金属103を有する使用済みパッチ101を処分するためのキット400であって、第1コンパートメント407a、第2コンパートメント407bおよび第3コンパートメント407c(以下では、総称的に「コンパートメント407」とも称する)を含んでいるキット400を示している。ある態様では、キット400は、閉鎖可能な開口部109を有するコンテナー405を含んでいる。
【0048】
第3コンパートメント407cは、水素スキャベンジャー材料425を含んでいてよく、当該水素スキャベンジャー材料425はフリー水素(free hydrogen)と反応して中和化合物を形成する。幾つかの態様において、スキャベンジャー材料425は、セラミック・ワイヤー、金属ワイヤまたは金属酸化物ワイヤ(例えば白金フラッシュされたアルミナ(platinum-flashed alumina)またはその類)を含んでいてよく、規定のごみ処理手順を介して処理され得る中和構成へとフリー水素をトラップする構造を有する他の材料を含んでいてよい。幾つかの態様において、スキャベンジャー材料425は、とりわけジヒドロレボグルコセノン(Cyrene)、ペルフルオロデカリン、シクロヘキサン、白金またはパラジウムなどの数mLの溶液であってよい。
【0049】
コンパートメント407bは、反応物115(または可溶化剤)を含んでいてよく、壁415bによってコンパートメント407cから隔てられ(又は分けられ)ていてよい。半透過膜412は、コンパートメント407aからコンパートメント407bを隔てて(又は分けて)おり、後者から前者への水流れ(又は水分流れ)を可能としている。幾つかの態様において、コンパートメント407cは、水素透過膜415aまたは一方向バルブ411を介してコンパートメント407aから隔てられている(又は分けられている)。幾つかの態様において、一方向バルブ411は、コンパートメント407aとコンパートメント407cとの間の水素分圧の差が閾値を超える際に作動する。
【0050】
幾つかの態様において、
図5は、円筒形コンパートメント505を含む、使用済パッチ501を処分するためのコンテナー500を示している。幾つかの態様において、円筒形コンパートメント505は、側壁506aおよび底壁506b(以下では総称的に「外壁506」とも称する)を含んでいてよく、そのような壁が硬質プラスチック材料または他の硬い材料(例えば、ステンレス鋼およびその類などの金属)から形成されていてよい。幾つかの態様において、金属チューブは、「水または他の反応物115で満たされる多孔質体507の内側環状スペース515(又は当該多孔質体との内側環状スペース)」と共に円筒形コンパートメント505を形成する。したがって、使用済パッチ501は、反応物115が多孔質体507によって使用済みパッチ501上のアルカリ金属層503と緩慢に(またはゆっくりと)接触するように、使用済みパッチ501が環状スペース515に配置されてよい。外壁506は、反応の全体的温度が抑制されるように、熱質量として作用してよい。幾つかの態様において、外壁506を形成している金属は、金属の高い熱容量に起因してシステム(又は系)の全体的な温度増加を制限するのに有益である。幾つかの態様において、金属はチューブ形状で熱質量を形成し、使用済みパッチ501が、円筒形コンパートメント505の内部(反応物115が配置される内部)に面するアルカリ金属503とともにロール形態で内側に配置される。より具体的には、幾つかの態様では、コンテナー500の内側の反応速度および全体的な温度増加を効率的に制限する熱容量および熱質量を有する材料から形成される容器500が含まれる。幾つかの態様では、円筒形コンパートメント505は、水のための穴または通路(あるいは、そのような水は十分な量の水、水性溶液または非水性溶媒(non-aqueous solvent)であり得、そのための穴または通路)を有する又は有さない焼結金属、箔または固体金属を含んでいてよい。
【0051】
幾つかの態様では、コンテナー500は、温度制御ユニット550を含んでいてよく、それによって、円筒形コンパートメントの内側の温度、または、コンパートメントの外壁506の温度が測定される。温度測定は、中和反応(式1参照)で放出されるエネルギーを示すインディケーターに資するものであり、サーモメータまたは熱電対を含んでいてよい。したがって、温度値は、反応が過度に速く生じているか、または、爆発もしくは危険なレジーム(regime)に近づいているか、および、反応が完了しているか否かを示し得る。
【0052】
幾つかの態様では、コンテナー500の開口部は、キャップ(例えばネジキャップ)またはリッド(または蓋)517によって閉鎖されるように構成されていてよい。幾つかの態様において、コンテナー500は、センサーが中和反応(式1参照)の完了を示した時に、または、使用済みパッチ501のコンテナー500からの取出し(または除去)に安全である時に作動する視覚的、聴覚的もしくは電子的なインディケーターまたはタイマー560を更に含んでいてよい。幾つかの態様では、インディケーター560は、温度センサーもしくはpH検知機に応じたもの(または反応するもの)であってよく、あるいは、使用済みパッチの一部の色を検知する又は使用済みパッチ501と接触させられた水性溶液の色を検知するように構成されたフォト検出機に応じたもの(または反応するもの)であってよい。例えば、光学センサーは、発火現象を見つけ出す(または決めるもしくは決定する)ように構成されていてよい。より具体的には、光学センサーは、アルカリ金属503の発光スペクトルにおける少なくとも1つの波長(例えば、Naに対してはおよそ589nm、Rbに対してはおよそ794nm、Kに対してはおよそ766nm等)に対応する光の放射(または発光)を検知するように構成されていてよい。
【0053】
一方向バルブ511は、内側環状スペース515と外側大気(または外側雰囲気)との間が十分な圧力差に付された際に“開”となるように構成されている。半透過膜512は、多孔質体507の少なくとも一部をカバーするものであってよい。
【0054】
図6は、幾つかの態様に従って、複数の使用済みパッチ(またはマルチプルな使用済みパッチもしくは多数の使用済みパッチ)を処分するためのコンテナー600を示している。コンテナー600は、内部コンパートメント(または内側コンパートメント)605を含んでおり、それによって、閉鎖可能な開口部として構成される一方向スロット609を介して使用済みパッチが受容されるようになっている。幾つかの態様では、一方向スロット609は、自動的な入口ドライバー(例えばローラー)を含んでいてよい。幾つかの態様では、内部コンパートメント605は、不活性ガス(例えばアルゴンまたは窒素)で実質的に満たされた大気を含んでおり、それによって、大気中の酸素または水蒸気に起因する非制御な反応のリスクが和らげられる。幾つかの態様では、たとえ室温よりも高い温度(例えばNaに対して500゜Fほどの高い温度)であったとしても10/90までの空気/アルゴン雰囲気は許容できるものである。さらに、幾つかの態様では、複数のパッチの中和反応に起因する水素を減じる又は排除するために、内部コンパートメント605が不活性ガス源650の流れで継続的に(continually)パージされてよい。さらに、水蒸気の進入を妨げる又は制限しつつコンパートメント605からの水素ガスの排出が可能となるべく、一方向バルブ611が上述したように含まれていてよい。
【0055】
幾つかの態様では、コンテナー600は、半永久的なものであってよく、複数のアルカリ・パッチ(またはマルチプルなアルカリ・パッチもしくは多数のアルカリ・パッチ)を受容する。幾つかの態様では、コンテナー600は、予め選択された数のアルカリ・パッチがコンテナー内部で一旦中和された際に全体的または部分的に置き換えらる(または取って代わる)ようなものであってよい。幾つかの態様では、コンテナー600の内部は、例えば上述したようなPGおよびその類もしくは他の水蒸気など反応物溶液615で少なくとも部分的に満たされている(例えば不活性ガス雰囲気に加えてそのように部分的に満たされている)。幾つかの態様において、コンテナーでは、中和された使用済みパッチ(例えば、10~20の使用済みパッチ)の観点にて時折り空にされる。幾つかの態様では、コンテナー600の形状およびサイズ(例えば、底部、ネック部、頂部、湾曲(または曲率)、ジオメトリーおよびその類)、ならびに、反応物溶液615および閉鎖可能な開口部609の配置は、内部の発火事象または点火事象を抑制するように構成されていてよい。それについていえば、幾つかの態様は、センサーと関連するようなアラーム、インディケーターまたはタイマー660を含んでいてよく、それによって、ユーザーには、内部の使用済みパッチの1以上または全てが中和されたことが示される。また、アラームまたはインディケーター660は、コンテナー600の内部における温度が危険レベルに達したこと、または、発火が生じた若しくは直ぐにでも生じることを示すようなものであってよい。幾つかの態様において、コンパートメント605は、上述したように、スキャベンジャー材料425を含むものであってよい。
【0056】
図7は、幾つかの態様において、使用済みパッチ101を処分するためのデバイス700を示している。デバイス700は、第1プラテン(または第1圧盤もしくは第1圧板、first platen)702aおよび第2プラテン(または第2圧盤もしくは第2圧板、second platen)702b(以下では、総称的に「プラテン702」とも称する)を有するコンテナー705を含んでいる。プラテン702の一方(例えば底側プラテン702b)は、使用済みパッチ101を受容する。幾つかの態様では、使用済みパッチ101は、接着剤を覆い(又は囲み)アルカリ金属103をトラップ(trap)するようなペーパーまたは半透過膜701と共にプラテン702bに装填され得る。幾つかの態様では、プラテン同士702は、可動状態で接続されている。例えば、幾つかの態様では、プラテン同士702は、ハンドル710が使用される一方のプラテン702の一方の側方に沿いに設けられたヒンジ720を介して回転可能に連結されている。プラテン702は閉鎖構成を成し、プラテン702間において平面状に(または平面にて、in the plane)使用済みパッチ101をトラップする。幾つかの態様では、プラテン702の少なくとも一方は、選択された熱伝導率および選択された熱容量を有する材料から形成(または製造)される領域を含んでいる。幾つかの態様において、プラテン702の少なくとも一方は、室温にてアルカリ金属水酸化物の少なくともおよそ熱容量に相当する比熱容量を有する材料を含んでいてよい。プラテン702が高い熱容量材料から形成され得るものゆえ、デバイス700は、制御された量の生じた熱を吸収しつつ使用済みパッチ101を迅速に処分できる。
【0057】
幾つかの態様では、プラテンの一方(例えば、頂部側のプラテン)は、反応物または可溶化剤を有する基材755(または基板、substrate)を含んでいる。幾つかの態様では、基材705は、ポリマー・フィルム、不織材、織りクロス、ファイバー・ガラス(ファイバーグラス)、またはペーパーを含んでいる。したがって、反応物は、MgSO4、CdCl2、他の塩を含む水溶液、水溶液、アルコール、グリコール(例えばPG)、または上述したような他の溶媒を含んでいてよい。幾つかの態様では、コンテナー705は、H2が大気中へ放出されるように、バルブ711(例えば、ガス・ベント、一方向バルブまたは圧力バルブ)をさらに含んでいてよい。幾つかの態様では、注入ポイント730を介して溶解液体(dissolution liquid)がキャビティ中に注入される。
【0058】
幾つかの態様において、熱質量715は使用済みパッチ101の背面側(使用済みパッチにおいて患者に接触していない側)と接触した状態となるようにプラテン702bに置かれてよく、それによって、アルカリ金属103が阻害されずにプラテン702aの反応物と完全に反応できるようになっていてよい。幾つかの態様では、デバイス700は、上述したような温度センサーを含む温度コントローラーを含んでいる。幾つかの態様では、温度コントローラー750は、温度が安全となるべく十分に冷却された時を伝える(または信号として伝える)アラームまたはインディケーターと連結されていてよい。温度コントローは、十分な熱質量を有するプラテンの選択および設計により得られた閾値に達しないように受動的に制限される温度を監視(またはモニター)するものであってよい。幾つかの態様では、温度コントローラーは、プラテンにおける温度を減じるべくクーラント流体の流れを積極的に制御してよく、あるいは、熱電冷却デバイス(thermo-electric cooling device)を使用するものであってもよい。
【0059】
幾つかの態様では、デバイスは、全体的な温度上昇が制限されるように、高い熱容量を有する2つの多孔質不燃性部材の間にアルカリ金属103をトラップするように構成されている。このようなサンドイッチ構造内に純水を導入することができ、当該純水はアルカリ金属103と反応することなる。しかしながら、水素の燃焼はないであろう。なぜなら、高い熱容量金属(高い熱伝導率を有する金属)は、全体的な温度上昇および局所的な温度上昇を制限することになるからである。幾つかの態様では、プラテン同士702が互いに一体的にロックされるのに供するロック740が組み込まれている。温度および/または時間がモニターされ、プラテン同士702が非ロックされ、次いで、使用済みパッチ101が取出し(または除去)されるべく視覚的または聴覚的な信号がユーザーに伝えられる(又は警告される)。
【0060】
幾つかの態様では、急速な溶解液体(例えば、水、または10%以上の水を含む水/PG混合物)は、プラテン702aのスポンジ内に供され得る(または2つのプラテンが閉じられた後に注入される)。次いで、プラテン同士702は閉じることができ、反応をトラップし、2つのプラテンの熱質量が、アルカリ金属103の融点および水素の自然発火温度よりも低い温度にて反応温度を維持することを可能とする(水素に対するベントと共にそれを可能にする)。幾つかの態様では、プラテン702は、内部からの水素排出が可能となるように、閉じられた際に小さいベント(例えばバルブ711)が形成されたものであってよい。
【0061】
幾つかの態様では、使用済みパッチ103における接着剤およびアルカリ金属103を被う半透過膜は、未反応アルカリ金属をトラップし、反応が十分に速い場合に溶融金属のビーズ(例えばアルカリ金属の溶融物)がデバイスから排出されてしまうことを防止するといった点で利点を供する。幾つかの態様では、残留液体(例えば、アルカリ水酸化物および水)が処分され得るようにチャネルまたはトレンチなどの液体処分構成(または液体処分特徴、liquid disposal feature)745が含まれる。幾つかの態様は、残留液体が収集されるように、使用後に処分されることになる残留用スポンジを含んでいてよい。幾つかの態様では、アルカリ水酸化物が中和されるべくバッファー溶液を有する処分コンテナーを含んでいてよく、当該処分コンテナーは、その中身を標準的な廃棄ストリームへと移されてコンテナーが空にされ得るか、あるいはユニットとして廃棄され得る。
【0062】
図8は、幾つかの態様に従った、使用済みパッチを処分する方法800の工程を示すフロー・チャートである。
【0063】
工程802は、接着剤、ならびに、アルカリ金属層もしくはアルカリ金属コーティング、およびアルカリ金属の酸化物もしくは水酸化物を有するフィルムのラミネートを含むデバイスをコンテナー内に配置することを含む。幾つかの態様において、工程802は、コンテナーの閉鎖可能な開口部を介してコンテナーにデバイスを配置することを含む。幾つかの態様において、工程802は、壁部および当該壁部に取り付けられた底壁部を含むコンテナー内にデバイスを配置することを含んでいる。なお、壁部は、正面側の壁部および背面側の壁部を含んでいるところ、底壁部は、当該正面側および背面側の壁部に取り付けられている。
【0064】
工程804は、アルカリ金属のための反応物またはアルカリ金属の可溶化剤に対して、デバイスのフィルムを制御可能にさらす(または制御下でさらす)こと又は接触させることを含む。
【0065】
幾つかの態様において、工程804は、アルカリ金属に対してアプリケータでもって低水濃度パッシベーション・ゲル(または保護ゲルもしくは不動態化ゲル)を適用(又は塗布)することを含む。幾つかの態様において、工程804は、その独自のアプリケータとして作用するパケット(packet)にて低水濃度パッシベーション・ゲルを供給することを含む。
【0066】
工程806は、アルカリ金属を実質的に非反応性なものとすべく、アルカリ金属を反応物と反応させることを可能とし、または、アルカリ金属を可溶化剤に溶解させることを可能とする。
【0067】
工程808は、デバイス、コンテナーまたはそれら両方(デバイスおよびコンテナー)をオプション的に処分することを含む。幾つかの態様において、工程808は、使用済みデバイスを処分するに先立ってインディケーターからの中和反応の完了信号を検証(verify)することを含む。
【0068】
図9は、幾つかの態様に従った、使用済みパッチを処分するための方法900の工程を示すフロー・チャートである。
【0069】
工程902は、アルカリ金属およびアルカリ金属の酸化物または水酸化物を有する層を含むデバイスをディスポーザル・コンテナー内に封入(または封止sealing)することを含んでいるところ、ディスポーザル・コンテナーが、閉鎖可能な開口部および半透過膜を含んでいる。
【0070】
工程904は、水蒸気分子を上記の層に接触させることを可能とすることを含む。
【0071】
工程906は、アルカリ金属を制御可能に酸化する(または制御下にて酸化する)ことを含んでおり、それによって、アルカリ金属酸化物またはアルカリ金属水酸化物が形成され、水素分子が生じる。
【0072】
工程908は、水素分子をディスポーザル・コンテナーからの排出を半透過膜を介して可能とすることを含んでいる。
【0073】
本明細書で使用されているように、一連の項目の前に付されている「少なくとも1つ(at least one of)」といったフレーズであって、当該項目を区別するために「および(and)」または「または(or)」の用語と共に付されている「少なくとも1つ」は、列挙(またはリスト、list)の各部材(例えば各項目)を変更するというよりもむしろ、全体として列挙を変更する。「少なくとも1つ」といったフレーズは、少なくとも1つの項目の選択を必ずしも要するものではなく、むしろ、項目のいずれか1つの少なくとも1つ、および/または、項目のいずれかの組合せの少なくとも1つ、および/または、項目の各々の少なくとも1つを含む意味を許容する。例示すると、「A、BおよびCの少なくとも1つ」または「A、BまたはCの少なくとも1つ」といった各用語は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、そして、A、BおよびCのいずれかの組合せ、ならびに/または、A、BおよびCの各々の少なくとも1つのことを指している。
【0074】
本明細書および特許請求の範囲で用いられる観点でいえば、「含む(include)」、「有する(have)」またはその類の用語は、請求項で移行語として用いられる用いられる際に解釈されるような「有して成る/含んで成る(comprise)」の用語と同様な手法で包括的に(他の要素をも含み得るように)捉えられるものである。本明細書において「例示/例示的(exemplary)」といった用語は、「例(example)、事例(instance)またはイラストレーション/図例(illustration)として供する」ことを意味するものとして用いられている。「例示/例示的(exemplary)」として本明細書で説明しているいずれの態様であっても、他の態様と比べてより好適である又は有利であると必ずしも解されるものではない。
【0075】
単数の要素は、他で特段言及されていない限りは「単一および唯一(one and only one)」であるというよりもむしろ「1またはそれによりも多い/1以上(one or more)」であることが意図されている。本開示にて説明される種々の構成の要素に等しい全ての構造的または機能的な均等物・均等事項であって、当業者に知られている又は後刻に当業者に知られる均等物・均等事項は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題の技術によって包含されるものであることが意図される。さらに、本明細書で開示する事項は、かかる開示が上記説明に明示的に記載されている否かに拘わらず公共に供されるものがないことを意図している。
【0076】
本明細書は多くの具体的な事項を含んでいるものの、これらは特許請求として規定される範囲を制限するものとして解されるべきでなく、むしろ、主題のある特定の実施に関する説明と解されるべきである。別個の態様に関する文脈で本明細書にて説明している或る特徴は、単一の態様において組合せにて実施できるものである。逆に、単一態様に関する文脈で説明している種々の特徴は、別個にマルチプルな態様(または複数の態様)で実施できるか、あるいは、いずれかの適当なサブ・コンビネーションで実施できる。さらに、特徴は或る組合せで作用するものとして上述され得、そういうものとして初期にクレーム化され得るものの、クレーム化される組合せからの1以上の特徴は、あるケースでは当該組合せから除すことができ、クレーム化された組合せがサブ・コンビネーション又はサブ・コンビネーションのバリエーションに向けられ得る(またはそれを対象とし得る)。
【0077】
本明細書の主題は、特定の要旨(aspect)の観点で説明したものの、他の要旨であっても実施することができ、添付の特許請求の範囲内に含まれる。例えば、操作は図面にて特定の順番で表している。しかしながら、これは、所望の結果が達成されるべく、示された特定の順番で又は順次的な順番でそのような操作が行われることを要すると理解されるべきではなく、あるいは、示された操作の全てが行わるべきと理解されるべきない。特許請求の範囲に記載された作用・行為(またはアクション、action)は、異なる順番でなされ得るものであり、そうでありながらも依然に所望の結果が達成され得る。1つの例として、添付の図面に表されているプロセスは、所望の結果の達成のため、必ずしも示されている特定の順番または順次的な順番を要しない。ある状況・環境においては、マルチタスクに並行に処理することは有利となり得る。さらに、上述の要旨における種々のシステム要素(または系の要素)の分離は、全ての要旨でかかる分離を要すると理解されるべきではなく、上述したプログラム要素およびシステムが、一般的に、単一のソフトウェア製品へと一体的に統合され得たり、あるいは、マルチプルな(または複数の)ソフトウェア製品へとパッケージ化され得たりする。他のバリエーションは、添付の特許請求の範囲内に含まれる。
【0078】
ある要旨において、方法は、操作、インストラクション(指示)または機能であり得、その逆であってもよい。ある要旨において、ある請求項は、他の1つ以上の請求項の単語(例えば、インストラクション、操作、機能または要素)、1つ以上の用語・言葉、1つ以上の文、1つ以上のフレーズ、1つ以上の段落、および/または1つ以上の請求項の幾つか又は全てを含むように補正され得るものである。
【0079】
先述の記載は、本技術の種々の要旨の例示が意図されている。本明細書で提示されている例(または実施例)により添付の特許請求の範囲が制限されることは意図されていない。本発明は十分に説明されており、当業者にとっては、添付の特許請求の範囲の概念または範囲から逸脱することなく本発明に対して多くの変更および改変を施せることが理解できるであろう。
【0080】
ハードウエアおよびソフトウェアの相互変更・相互交換を示すために、種々の例示的なブロック、モジュール、要素、方法、操作、インストラクション(指示)およびアルゴリズムなどの項目(または要素、item)を、それらの機能の点で一般的に説明してきた。そのような機能が、ハードウエア、ソフトウェア、またはハードウエアとソフトウェアとの組合せとして実施されるか否かは、特定の用途、および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。専門家(skilled artisans)は、各々の特定の用途のため種々の方法で説明された機能を成し得る又は実施し得る。
【0081】
本明細書で使用されているように、一連の項目の前に付されている「少なくとも1つ(at least one of)」といったフレーズであって、当該項目を区別するために「および(and)」または「または(or)」の用語と共に付されている「少なくとも1つ」は、列挙(またはリスト、list)の各部材(例えば各項目)を変更するというよりもむしろ、全体として列挙を変更する。「少なくとも1つ」といったフレーズは、少なくとも1つの項目の選択を必ずしも要するものではなく、むしろ、項目のいずれか1つの少なくとも1つ、および/または、項目のいずれかの組合せの少なくとも1つ、および/または、項目の各々の少なくとも1つを含む意味を許容している。例示すると、「A、BおよびCの少なくとも1つ」または「A、BまたはCの少なくとも1つ」といった各用語は、Aのみ、Bのみ、もしくはCのみ、そして、A、BおよびCのいずれかの組合せ、ならびに/または、A、BおよびCの各々の少なくとも1つのことを指している。
【0082】
本明細書において「例示/例示的(exemplary)」といった用語は、「例(example)、事例(instance)またはイラストレーション/図例(illustration)として供する」ことを意味するものとして用いられている。「例示/例示的(exemplary)」として本明細書で説明されているいずれの態様であっても、他の態様と比べてより好適である又は有利であると必ずしも解されない。要旨(an aspect, the aspect)、別の要旨、幾つかの要旨、1つ以上の要旨、実施(an implementation, the implementation)、別の実施、幾つかの実施、1つ以上の実施、態様(an embodiment, the embodiment)、別の態様、幾つかの態様、1つ以上の態様、構成(a configuration, the configuration)、別の構成、幾つかの構成、1つ以上の構成、主題技術、開示、本開示、それらの他のバリエーションとなる表現、およびその類の表現・フレーズは、便宜的なものであり、そのような表現・フレーズに関連する開示が主題技術に本質的であることを暗に意味しておらず、あるいは、当該開示が主題技術の全ての構成に適用されるといったことを暗に意味していない。このような表現・フレーズに関連する開示は、全ての構成または1つ以上の構成に適用され得る。かかる表現・フレーズに関連する開示は、1以上の例を提供し得る。要旨または幾つかの要旨などといった表現・フレーズは、1以上の要旨を指しているものであり得、その逆もまたしかりであり、これは他の上述の表現・フレーズに対しても同様に当てはまる。
【0083】
単数の要素は、他で特段言及されていない限りは「単一および唯一(one and only one)」であるというよりもむしろ「1またはそれによりも多い/1以上(one or more)」であることが意図されている。男性に関する代名詞(例えば「彼の」(his)など)は、女性および中性的な性別(例えば「彼女またはそれの」(her and its)など)を含んでおり、その逆もしかりである。「幾つか/ある(some)」といった用語は、1以上であることを指している。下線部および/またはイタリック体のタイトル・サブタイトル(見出し・副見出し)などは、あくまでも便宜的に用いられるものであり、主題となる技術を制限せず、当該主題技術の説明の解釈に関連して参酌されるものではない。“第1”および“第2”などの関連性を示す用語は、ある物・事項(entity)または作用(アクション)を別の物・事項または作用(アクション)と区別するために用いられ得るものであり、かかる物・事項または作用(アクション)間における現実的な関係または順番がそのようであることを必ずしも要しておらず、あるいは、そのような現実的な関係または順番を暗に意味していない。本開示にて説明される種々の構成の要素に等しい全ての構造的または機能的な均等物・均等事項であって、当業者に知られている又は後刻に当業者に知られる均等物・均等事項は、参照により本明細書に明示的に組み込まれ、主題の技術によって包含されるものであることが意図される。さらに、本明細書で開示する事項は、かかる開示が上記説明に明示的に記載されている否かに拘わらず公共に供されるものがないことを意図している。要素が「~のための手段(means for)」を用いて明示的に記載されたり、あるいは方法クレームで「~のための工程(step for)」を用いて規定されていたり等が為されていない限り、米国特許法第112条第6パラグラフ(35 U.S.C.)の条項下でクレーム要素が解釈されることはない。
【0084】
本明細書は多くの具体的な事項を含んでいるものの、これらは特許請求として規定される範囲を制限するものとして解されるべきでなく、むしろ、主題のある特定の実施に関する説明として解されるべきである。別個の態様の文脈で本明細書で説明されている或る特徴は、単一の態様にて組合せで実施できるものである。逆に、単一態様の文脈で説明されている種々の特徴は、別個にマルチプルな(又は複数の)態様で実施できるか、あるいは、いずれかの適当なサブ・コンビネーションで実施できる。さらに、特徴は或る組合せで作用するものとして上述されているものであり得、そういうものとして初期に説明され得るものの、説明される組合せからの1以上の特徴は、あるケースでは当該組合せから除すことができ、説明される組合せは、サブ・コンビネーション又はサブ・コンビネーションのバリエーションに向けられ得るものである。
【0085】
タイトル、背景、図面の簡単な説明、要約、および、図面は、本開示に組み込まれているところ、制限的な記載として供されず本開示の例示的な例として供されている。そのようなタイトル、背景、図面の簡単な説明、要約、および、図面は、特許請求のクレーム範囲および意味を制限するものとして用いられないことは理解され得ることである。さらに、詳細な説明において、記載・説明は、例示的な例を供し得るものであり、種々の特徴は、本開示の合理化の目的で種々の実施にて共にグループ化されることが理解され得る。本開示の方法は、説明される主題が各クレームで明示的に規定している特徴よりも多い特徴を要するといった意図を反映しているとは解釈されない。むしろ、クレームによりもたらされるように、本発明の主題は、単一の開示の構成または操作の全ての特徴よりも少ないものとして存在する。クレームの事項は、各クレームが別個に説明される主題として独自に設けられているが、詳細な説明に組み込まれる。
【0086】
特許請求の範囲は、本明細書で説明される要旨への制限を意図しておらず、クレーム用語と十分な範囲で見合うものの享受を意図し、法的に均等なあらゆる物・事項が包含されることが意図されている。そうではあるものの、クレームは、適用可能な特許法の要件を満たさない主題を含むことまで意図しておらず、あるいは、そのように特許法の要件を満たさない主題を含むと解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2021-10-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルカリ金属を含んで成るデバイスを処分する方法であって、
アルカリ金属、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物、またはそれらのいずれかの組合せを含んで成る層部分を有して成るデバイスをコンテナー内に配置すること、
デバイスの層部分をアルカリ金属のための反応物またはアルカリ金属の可溶化剤に接触させること、
アルカリ金属を反応物と反応させ又はアルカリ金属を可溶化剤に溶解させて、アルカリ金属を実質的に非反応性にすること、および、
デバイス、コンテナーまたはそれら双方を処分すること、
を含んで成る、方法。
【請求項2】
デバイスが、ナトリウム金属、カリウム金属、ナトリウムおよびカリウムの合金、アルカリ金属の酸化物、アルカリ金属の水酸化物から選択されるアルカリ金属を含んで成るメディカル・デバイスである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記配置には、コンテナーにおける閉鎖可能な開口部を介してデバイスをコンテナーに置くことが含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記配置には、壁および前記壁に取り付けられた底壁を有して成るコンテナーにデバイスを置くことが含まれる、請求項1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記配置には、第1プラテンおよび第2プラテンを有して成るコンテナーにデバイスを置くことが含まれ、第1プラテンおよび第2プラテンの一方はデバイスを受けるようになっており、前記方法が、第2プラテンに抗するように第1プラテンを回転可能に押圧することを更に含んで成る、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記アルカリ金属の前記反応または前記溶解の間にてコンテナーの温度を制御することを更に含んで成る、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記処分には、単一のデバイスをコンテナー内に配置した後でコンテナーを処分することが含まれる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記処分に先立って第2のデバイスをコンテナーに置くことを更に含んで成る、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記デバイスの前記層部分を反応物に接触させることには、アルカリ金属酸化物またはアルカリ金属水酸化物が形成されるようにアルカリ金属と反応物とを接触させることが含まれる、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記アルカリ金属を前記反応物と前記反応させることによって、大気中に放出される水素分子を生じさせる、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記デバイスの前記層部分を反応物に接触させることには、金属アルコキシドが形成されるようにアルカリ金属と反応物とを接触させることが含まれる、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
キットであって、
アルカリ金属の層を有して成り、水および空気に対して実質的に不透過性を有するパッケージング・コンテナー内に取出し可能に設けられるデバイス;
アルカリ金属を溶解させる又はアルカリ金属と反応する溶媒;ならびに
デバイスが受容されるように構成されたキャビティおよび閉鎖可能な開口部を有して成るディスポーザル・コンテナー
を有して成る、キット。
【請求項13】
パッケージング・コンテナーが金属箔を有して成る、請求項12に記載のキット。
【請求項14】
ディスポーザル・コンテナーが、大気中に放出されるように水素を排出するための出口を有して成り、前記出口が、バルブ、ベント、閉鎖可能な開口部、および水素透過性のポリマー膜から選択される、請求項12または13に記載のキット。
【請求項15】
ポリマー膜が水蒸気透過性を有し、ポリマー膜がポリテトラフルオロエチレンを含んで成る、請求項14に記載のキット。
【請求項16】
ディスポーザル・コンテナーが側壁を有して成り、少なくとも1つの側壁が可撓性を有している、請求項12に記載のキット。
【請求項17】
溶媒がアルコールまたはグリコールである、請求項12~15のいずれかに記載のキット。
【請求項18】
アルコールが、エタノール、イソプロパノール、t-ブタノール、ステアリル・アルコール、およびトリス(トリメチルシリル)メタノールから選択され、あるいは、グリコールがプロピレン・グリコールである、請求項17に記載のキット。
【請求項19】
キットが、ディスポーザル・コンテナーの外部の水の源から水を受ける機構を有して成る、請求項12に記載のキット。
【請求項20】
溶媒がコンテナー内に設けられる、請求項12~17のいずれかに記載のキット。
【請求項21】
溶媒が、水性溶液、トリグリセリド、無水フォーム、ならびに、ナトリウムと反応した際にアルギン酸ナトリウム、二フッ化ナトリウム、フルオロケイ酸ナトリウム、メタホウ酸ナトリウム、パラ過ヨウ素酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ナトリウムジルコニウムグリコレート、および、過レニウム酸ナトリウムから選択される化合物を生じる対イオンとの化合物から選択される、請求項20に記載のキット。
【請求項22】
デバイスが接着剤の層または外周部を更に有して成り、キットが、接着剤の層または外周部を受容する寸法を有する基材を更に有して成る、請求項12~21のいずれかに記載のキット。
【国際調査報告】