(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】クリーンルーム用途の柔軟なエンベロープを有するラインガイドデバイス及びモジュール式端部締結具
(51)【国際特許分類】
H02G 11/00 20060101AFI20230303BHJP
F16L 3/01 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
H02G11/00
F16L3/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022535556
(86)(22)【出願日】2020-12-10
(85)【翻訳文提出日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 EP2020085610
(87)【国際公開番号】W WO2021116328
(87)【国際公開日】2021-06-17
(31)【優先権主張番号】202019106980.5
(32)【優先日】2019-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】202020102090.0
(32)【優先日】2020-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ヘルマイ
(72)【発明者】
【氏名】ドミニク バルテン
(72)【発明者】
【氏名】ピーター マトネット
【テーマコード(参考)】
3H023
5G371
【Fターム(参考)】
3H023AA04
3H023AC64
3H023AD38
5G371AA07
5G371BA01
5G371CA01
5G371CA02
5G371CA03
(57)【要約】
本発明は、ライン(8)のためのダクト状のシース(7)を有する変位可能な柔軟なエンベロープ(2)と、締付け力を発揮するための主面(22)及びいずれも歪軽減要素のための保持部(211)を有する2枚のクランププレート(210)をいずれも備える端部締結デバイス(20)とを備えるラインガイドデバイス(1)に関する。保持部は、長手方向の変位に抗して歪軽減要素をそれぞれのクランププレートに保持し、本発明によると、アンダーカット(221)を有するプロファイル断面(220)を形成する。歪軽減要素(23A・・・23G)の各々は、アンダーカット裏でのフォームフィッティング係合のために、歪軽減要素(23A・・・23G)を主面(22)に垂直な方向においてクランププレート(210)に保持するためにも保持部のプロファイル断面(220)に対応する少なくとも1つの接続部(230)を有する。本発明はさらに、いずれも端部領域(214)とのフォームフィッティング相互作用のための2つの対向するクリップ部(242)を有する、いずれも横方向端部(214)にともにクランププレート(210)を保持するための2つのプレートコネクタ(240A;240B)を備える端部締結デバイスの変形例に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にクリーンルーム用途のための、例えばケーブル、ホースなどのラインのためのラインガイドデバイス(1)であって、
ライン(8)のための多数のダクト状のシース(7)を備える前後に変位可能な少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)であって、前記シース(7)が第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在する、エンベロープ(2)と、
前記エンベロープの前記第1の端部に対する第1の端部締結デバイス(20)及び前記第2の端部に対する第2の端部締結デバイスと、
を備え、
前記第1及び第2の端部締結デバイス(20)の少なくとも一方が、締付け力を発揮するための主面(22)を有する少なくとも2枚のクランププレート(210)を備え、該クランププレートの各々は前記エンベロープの前記長手方向(L)に垂直な主方向(H)に対して配置可能であり、
前記ラインガイドデバイスは、
多数の歪軽減要素(23A・・・23G)であって、各々が1本以上のラインのための及び前記クランププレートの対向する主面間の対向配置構成のためのクランプ面(232)を有する歪軽減要素(23A・・・23G)を備え、
前記クランププレート(210)の各々は、前記長手方向における変位に抗して前記主面に平行な方向に前記クランププレートにおいて前記歪軽減要素を保持する、歪軽減要素用の保持部(211)を有し、
前記保持部(211)はアンダーカット(221)を有するプロファイル断面(220)を形成し、前記歪軽減要素(23A・・・23G)の各々は、前記アンダーカットの裏でのフォームフィッティング係合のために、そして前記主面(22)に垂直な方向に前記歪軽減要素(23A・・・23G)をぞれぞれの前記クランププレート(210)に保持するために、前記保持部の前記プロファイル断面(220)に対応する少なくとも1つの接続部(230)を有する、デバイス。
【請求項2】
ラインに対して多数のダクト状のシースを備える少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)を有し、前後に変位可能なラインガイドデバイス(1)の端部を締結するための端部締結デバイス(20;30;40;50;60)であって、前記シースは第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在し、前記端部締結デバイス(20;30;40;50;60)は、
締付け力を発揮するための主面(22)を有する少なくとも2枚のクランププレート(210)であって、該クランププレートの各々は前記エンベロープの前記長手方向に垂直な主方向(H)に対して配置可能である、クランププレート(210)と、
多数の歪軽減要素(23A・・・23G)であって、各々が1本以上のラインのための及び前記クランププレートの対向する主面間の対向配置構成のためのクランプ面(232)を有する歪軽減要素(23A・・・23G)と、
を備え、
前記クランププレート(210)の各々は、前記長手方向における変位に抗して前記主面に平行な方向に前記歪軽減要素を前記クランププレートに保持する、歪軽減要素用の保持部(211)を有し、
前記保持部(211)は、アンダーカット(221)を有するプロファイル断面(220)を形成し、
前記歪軽減要素(23A・・・23G)の各々は、前記アンダーカットの裏でのフォームフィッティング係合のために、そして前記主面(22)に垂直な方向に前記歪軽減要素(23A・・・23G)をぞれぞれの前記クランププレート(210)に保持するために、前記保持部の前記プロファイル断面(220)に対応する少なくとも1つの接続部(230)を有する、端部締結デバイス。
【請求項3】
前記クランププレートは、2つの長い端面及び2つの短い狭面(212)を有し、
前記プロファイル断面(220)は前記短い狭面(212)の少なくとも一方において外向きに開放し、好ましくは短い狭面の両方において外向きに開放し、及び/又は
前記プロファイル断面(220)は少なくとも前記クランププレート(210)の長さの大部分の割合にわたって、好ましくは前記クランププレート(210)の全長にわたって、延在する、請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記クランププレート(210)は、前記主方向(H)に平行な2つの長い端面(211)を有し、
前記プロファイル断面は前記2つの端面(211)の各々において端面溝(221)によって形成され、対応する端面接続部(230)は前記歪軽減要素(23A~23G)に設けられ、前記接続部(230)は好ましくは前記ラインに対して前記端面において突出するエッジ保護部を形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
各クランププレートは相互に逆を向く2つの主面(622)を有し、いずれも、歪軽減要素(623)に対する保持部(613)が両側に設けられ、アンダーカットを有するプロファイル断面(620)を前記主方向(H)に対して垂直に形成する、請求項1から3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記2つの保持部(613)は、前記主方向(H)に垂直な方向に相互に対してオフセットして前記クランププレート(610)に設けられ、好ましくは主中心軸(M)に対して回転対称に配置され、及び/又は好ましくは前記クランププレート(610)の2つの幅二分体の一方を中心に配置される、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記保持部(213;513)は、特に2本の、鏡面対称のアンダーカット(221;521)を有する構成において鏡面対称である、請求項1から6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
各保持部は、前記主面に対して窪んだプロファイル溝(221;521;621)及び/又は前記主面に対して突出したプロファイル突起(527)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記プロファイル溝(521;621)及び/又は前記プロファイル突起(527)は、T字形状、V字形状又はダブテール形状のプロファイル断面(520;620)を形成し、前記歪軽減要素の前記接続部(530;630)はフォームフィッティングで合致する断面を有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
ラインガイドデバイス(1)の端部を締結するための端部締結デバイス(20;30;40;50;60)であって、前記ラインガイドデバイスは前後に変位可能であり、少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)を有し、該エンベロープは第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在するラインのための多数のダクト状のシース(7)を有し、前記端部締結デバイス(20;30;40;50;60)は、
締付け力を発揮するための主面(22)を有する少なくとも2枚のクランププレート(210)であって、該クランププレートはいずれも、主方向(H)に平行に延在する2つの横方向端部(214)及び2つの長い端面(211)を有し、前記エンベロープ(2)に垂直な前記端面に対して配置可能である、クランププレート(210)と、
多数の歪軽減要素(23A・・・23G)であって、各々が1本以上のラインのための及び前記クランププレートの対向する主面間の対向配置構成のためのクランプ面(232)を有する歪軽減要素(23A・・・23G)と、
を備え、
2つの独立したプレートコネクタ(240A;240B)は、前記少なくとも2枚のクランププレート(210)をいずれも前記2つの横方向端部(214)の一方において保持するために設けられ、各プレートコネクタは、いずれも端部(214)と少なくともフォームフィッティングで相互作用する2つの対向するクリップ部(242)を有し、前記プレートコネクタ(240A;240B)は前記少なくとも2枚のクランププレートをともに保持するように構成された、端部締結デバイス。
【請求項11】
前記プレートコネクタ(240A;240B)は、それらのクリップ部(242)によって2枚のクランププレート(210)をともに前記長手方向(L)にかつ前記主面(22)に対して垂直に保持し、特に前記クリップ部(242)は前記クランププレート(210)のアンダーカットプロファイル断面(220)と相互作用し、及び/又は前記クリップ部(242)は好ましくはその前記端部(214)において前記クランププレート(210)の前記2つの端面(211)の周囲を好ましくは2つの長手方向に対向する爪によって把持するように構成されている、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
各プレートコネクタ(240A;240B)は、前記クランププレート間の縦方向の距離を予め決定するためのスペーサである支持本体(243)を備える、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
各歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記クランププレート(210)の前記端面(211)を越えて前記長手方向に突出し、前記クランプ面(232)から遠隔の背面においてシース(231)を形成し、該シース内に、それぞれの前記クランププレート(210)が少なくとも部分的に収容される、請求項1から12、特に請求項10から12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
複数の歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記主方向(H)に一列に配置され、クランププレート(210)に対して変位可能に保持され、及び/又はクランププレート(210)に対して取外し可能に保持される、請求項1から13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記クランププレート(210)が、特に縦断面において平面状である主面(22)を有し又は前記主方向において均一な板厚を有する、略平坦なプレートとして形成された、請求項1から14のいずれか一項、特に請求項10に記載のデバイス。
【請求項16】
前記クランププレート(210)が、金属、好ましくは特にアルミニウムの押出し加工された金属プロファイルから、又は特に射出成形品としての強化プラスチック材料から、作製された、請求項1から15のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項17】
前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、特に射出成形品として、プラスチック材料から一体的に作製され、前記プレートコネクタ(240A;240B)は、特に射出成形品として、好ましくは前記歪軽減要素(23A・・・23G)よりも硬質なプラスチック材料から一体的に作製され、並びに/又は前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記クランププレート(210)及び/若しくは前記プレートコネクタ(240A;240B)の材料よりも軟質な材料から作製される、請求項1から16のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項18】
前記クランププレート(210)は、いずれも、両横方向端部(214)におけるネジ締結具のための少なくとも2個の貫通孔を有し、かつ前記主方向(H)に沿って前記端部(214)の間のネジ締結具のための1以上の追加の貫通孔(215)を有し、及び/又は、
前記プレートコネクタ(240A;240B)は、ネジ締結具のための少なくとも2個、好ましくは3個の貫通孔(245)を有し、該貫通孔は、好ましくは前記クランププレート(210)におけるネジ締結具のための対応する貫通孔(215)との整列配置構成のために配置される、
請求項1から17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
重ねられた層における少なくとも2つのエンベロープ(2)を締結するための請求項1から18のいずれか一項に記載の端部締結デバイスであって、相互に重ねて配置された少なくとも3枚のクランププレート(210)を備え、中段のクランププレートにおいて、装着状態で歪軽減要素(23A・・・23G)が両側に保持された、端部締結デバイス。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載の端部固定デバイスを製造するためのモジュール式組立キットであって、
少なくとも1枚の平坦なクランププレート(210)と、
いずれも異なる構造高さ、及びいずれも少なくとも長手方向に前記クランププレートを固定するための同一構成の接続部(230)を有する少なくとも2つの異なる種類の歪軽減要素(23A・・・23G)と、
異なる構造高さを有する少なくとも2つの異なる種類のプレートコネクタ(240A;240B)であって、各プレートコネクタは、いずれも前記平坦なクランププレート(210)の端部(214)と少なくともフォームフィッティングで相互作用する同一構造の2つの対向するクリップ部(242)を有する、プレートコネクタ(240A;240B)と、
を備えるモジュール式組立キット。
【請求項21】
前記クランププレート(210)は、いずれも、アンダーカットを有するプロファイル断面(220)の少なくとも1つの保持部(213)を有し、
各歪軽減要素(23A・・・23G)は、いずれも、前記クランププレート(210)の前記主面に垂直な方向に、前記プロファイル断面(220)の前記アンダーカットの裏での係合することによって前記歪軽減要素を前記クランププレートに保持するために接続部(230)を有する、請求項21に記載の端部締結デバイスのためのモジュール式組立キット。
【請求項22】
前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、特に両側において前記クランププレートを越えて前記長手方向又は前記クランププレート(210)の前記主方向に対して垂直に突出し、好ましくは前記クランププレート(210)のそれぞれの前記端面(211)の周囲を少なくとも部分的に把持する、請求項1から21のいずれか一項に記載のデバイス又は組立キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略として、特にクリーンルーム用途における、例えば、ケーブル、ホースなどのラインのためのラインガイドデバイス、すなわち、第1の端部及び第2の端部から始まる2本のランの間の偏向アークを形成する前後に変位可能なラインガイドデバイスに関する。
【0002】
本発明は、特に、そのような動的ラインガイドデバイスのための改善された端部締結具に関する。
【背景技術】
【0003】
現在一般的なものとされるクリーンルーム用途のラインガイドデバイスは、通常は1以上の細長い柔軟なエンベロープを有し、それは長手方向に延在して横断方向に相互に隣り合うラインのためのダクト状のシースを有する。そのようなホース状エンベロープ又はそれらのシースは、「ポッド」としても知られ、とりわけ、ラインの変位時に生じる摩耗粒子の放出を防止するものである。
【0004】
ほとんどの用途について、第1の端部締結デバイスはラインガイドデバイスの第1の端部のために設けられ、第2の端部締結デバイスはラインガイドデバイスの第2の端部のために設けられる。端部締結デバイスは、2つの接続点の一方、例えば、機械に端部を接続するように作用し、接続点の少なくとも一方は他方に対して可動である。
【0005】
上記ラインガイドデバイスの例は、それに特に適した端部締結デバイスとともに、特許文献1又は特許文献2に記載される。
【0006】
請求項1又は2の初段部に係る端部締結デバイスは、実用新案である特許文献3又は後に公開された出願番号PCT/IB2020/000047号の国際特許出願(その
図13A~13D参照)に記載される。この場合、2つの端部締結デバイスの各々は締付け力を発揮するための主面を有する少なくとも2枚のクランププレートを有し、クランププレートの各々はエンベロープ又はガイドされるラインの長手方向に垂直な主方向に対して配置可能である。またさらに、2つの歪軽減要素が、いずれも2枚のクランププレート間に設けられ、いずれも一方のクランプ面がその防塵エンベロープ内の1本以上のラインに対応する。歪軽減要素は、クランププレートの対向する主面間に対向配置され、特に、引張力に関してラインの歪軽減のために長手方向に強制ロック態様でラインとともにエンベロープを保持する。
【0007】
特許文献3又はPCT/IB2020/000047による端部締結具では、各クランププレートは、いずれも主面に平行な方向に、すなわち、ラインの長手方向の変位に抗してクランププレート上に歪軽減要素を各々が保持する2つの保持部を有する。保持部は、この場合、クランププレートの主方向に延在する細長い貫通孔としてクランププレートに設けられる。歪軽減要素は、対応する突起によってそれら細長い孔内に突出し、それにより、長手方向に、すなわち、クランププレートの主方向に対して垂直に固定される。保持部としての又は相当する機能の細長い孔を有するクランププレートは、特許文献4(例えば、その
図8~9参照)にも記載されるが、一方ここでは、隣り合う個々の歪軽減要素について記載される。
【0008】
クランププレートは、通常は、両側ネジ締結具を用いてともに接続され、例えば、相互に対して締め付けられ、例えば、供給を受ける機械又は機器の接続点にも締結される。
【0009】
歪軽減要素によって、強制ロック接触、特に摩擦的接触がエンベロープ及びそこにガイドされるラインに対して発揮され、それにより、それらが端部締結具を用いて長手方向にそれぞれの接続点に固定され、ラインは歪軽減される。
【0010】
周知のデバイスの1つの問題点は、取付け及び取外し時の端部締結具の比較的複雑な取扱いにある。端部締結具は、メンテナンスの目的で、特に、移動サイクルによって規定されるそれらの寿命のためにラインが交換される必要がある場合、定期的に取り外されて再度取り付けられる必要がある。締付け接続又はネジ締結が解かれると、例えば、特許文献4にあるように、周知の端部締結具は複数の個々の部品に分かれるので、締結前には正しく配置及び保持される必要もある。この問題点は、ラインガイドデバイスが多重エンベロープ層を備え又は複数のラインをガイドするように設計されている場合に特に顕著となる。
【0011】
更なる問題点は、大きく異なるライン径に対する周知の端部締結具の適合性は限定的であることであり、これは特に特許文献3による簡素化された構造に当てはまる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】独国特許発明第102012100290号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3226252号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202019103276号明細書
【特許文献4】独国特許発明第102012100533号明細書
【発明の概要】
【0013】
したがって、本発明の第1の課題は、取扱いを簡素化しつつも、特にモジュール式であることによって様々なライン径に良好に適合され得る端部締結具のための構造を提案することである。これは、請求項1に記載されるラインガイド装置又は請求項2に記載されるその端部締結デバイスによる本発明の第1の態様によって達成される。
【0014】
更なる課題は、特に最も広範なエンベロープ又はライン配置構成に対する適合性に関して端部締結具のモジュール的な性質を向上することである。この課題は請求項10に記載される端部締結デバイスによる本発明の独立した更なる態様によって達成され、それは任意選択的に取扱いを簡素化することもできる。
【0015】
更なる独立の態様によると、請求項20に記載される端部締結デバイスのためのモジュール式組立キットが提案され、それはとりわけ少なくともある程度上記2つの問題点を克服する。
【0016】
第1の態様
第1の態様によると、本発明により、請求項1の初段部に係るラインガイドデバイス又は請求項2の初段部に係る端部締結デバイスについて、クランププレートの保持部が、主方向に垂直な断面で見た場合に、アンダーカットプロファイル断面、すなわち、少なくとも1つのアンダーカットを有するプロファイル断面を形成することが提案される。本発明によると、歪軽減要素は、ここではいずれも、少なくとも1つの対応する接続部を有し、それは、アンダーカット裏でのフォームフィッティング係合について構成され、それに応じて保持部のプロファイル断面に対応し又は相互作用する。
【0017】
クランププレート内又はクランププレート上の歪軽減要素の接続部裏での係合することによって、歪軽減要素はまた、主面に垂直な方向においてそれぞれのクランププレートに対して確実に保持され得る。
【0018】
この設計は、特に、クランププレートの締結前又は取外し若しくは除去後に、歪軽減要素は、クランププレート上に所定の態様又は特定の配置構成で保持され又は留まり、すなわち、端部締結具の取扱いが容易となるという有利な効果を与える。特に、再取付け又は初期取付けのために所望の態様で複雑な配置構成が、ラインの配置構成に合致することが必要となるような異なる個々の部品に分かれることが防止される。
【0019】
これは、それだけではないが、特に多層のライン若しくはエンベロープを有し及び/又は複数の異なるモジュール式歪軽減要素を有するアプリケーションに対して特に有利となり、例えば、いずれもライン径に適合される。
【0020】
またさらに、歪軽減要素とクランププレートとの間の背部係合接続も、特に長手方向における力伝達を向上し、又は移動の遊びを最小化することによって端部締結具自体における摩耗を最小化し得る。試験は、動作時に、より大きな粒子放出がラン又は偏向アークよりも端部締結具において一般に測定可能であることを示した。
【0021】
独国実用新案第202019103276号(特許文献3)又はPCT/IB2020/000047とは異なり、各クランププレートにおいて複数の個々のモジュール式歪軽減要素を有する実施形態は有利である。そのような更なる展開により、個々の歪軽減要素は、主方向の各列において相互に隣り合う複数の歪軽減要素とともに、クランププレートの相互に対向する主面間の対向する列における配置構成のために構成される。例えば、異なる歪軽減要素が、いずれもクランププレートに対して使用されて事前に取り付けられてもよく、それはモジュール態様で所望のラインに合致する。
【0022】
またさらに、サポートチェーンの端点固定のための特殊な締結要素が、任意選択的に追加のサポートチェーンを用いて締結するのに使用され得る。そのような締結要素は、好ましくは同様に、歪軽減要素のものと同様に、クランププレートのプロファイル断面と相互作用するように設計された接続部を有する。
【0023】
したがって、複数の歪軽減要素及び締結要素が、モジュール態様で又は代替的にいずれも拘束的に、クランププレートとともに組立て済みユニットを構成するために、いずれも1枚のクランププレートに取り付けられ得る。
【0024】
ラインのための歪軽減要素は、歪軽減のための良好な摩擦係合及び同時に所定範囲の異なるライン径に対して歪軽減要素を使用可能とする変形可能性をもたらすために、例えば、ラインの長手方向に延在する突出歯部分を有する一種の歯機構とともに又は個々の細長い櫛歯を有する櫛の態様で、それらのそれぞれのクランプ面において構成され得る。歪軽減要素は、例えば、凹状に湾曲したクランプ面を有する半シェル形状シースを形成するように構成されてもよく、これは、強制ロック(摩擦的接続)及び任意選択的に締付け接続によって、任意選択的にエンベロープの対応する受容ダクトとともに、長手方向における可能な限り合致する又は機械的に好適なラインの歪軽減を可能とする。クランプ面の構造は本発明に重要ではなく、少なくとも強制ロック係合によって、対応するラインを長手方向においてそれぞれのエンベロープに保持する任意の適切な形状が実施可能である。ラインに対向するクランプ面は、歪軽減要素の主前面側に設けられてもよく、これは接続部を有する主背面と反対側にある。
【0025】
サポートチェーンのための歪軽減要素又は任意選択的な締結要素の接続部は、割り当てられるクランププレートの保持部のアンダーカットプロファイル断面におけるフォームフィッティング係合のための第1の態様によって構成され、それにより、当該要素はラインの長手方向において、すなわち、クランププレートの主方向に垂直でかつ同時に主平面に垂直な方向においてクランププレートに対して保持される。当該要素は、この場合、特にラインの長手方向の横断方向に、好ましくはクランププレートと取外し可能に接続可能である。
【0026】
歪軽減要素は、好ましくは、一体的にプラスチック材料から作製され、特に比較的軟質のプラスチック材料、特に、柔軟なエンベロープの材料と同様の強度及び硬度の熱可塑性材料と一体的に作製される。歪軽減要素は、この場合、適切なプラスチック材料、特にショア硬度がショアA20(ShA20)からショアD65(ShD65)の範囲、特にショアA50(ShA50)からショアA100(ShA100)の範囲の熱可塑性材料から作製されてもよい。このように、エンベロープの損傷が回避され、エンベロープ上の摩擦接触の保持による摩耗が最小化される。歪軽減要素は、特に好ましくは、締付け力を歪軽減要素に伝達することを目的とするクランププレートよりも軟質な材料及び/又は容易に変形可能な形態のものから作製される。
【0027】
クランププレートは、適切な寸法取り及び/又は材料の選択によって、好ましくは寸法安定的となり、特に曲げ剛性を有する。クランププレートは、特に、2つの長い端面及び2つの短い狭面を有し、略矩形の外形を有し得る。
【0028】
好適な更なる展開では、クランププレートのプロファイル断面が、短い狭面の少なくとも一方において横方向外向きに開放し、好ましくは短い狭面の両方において横方向外向きに開放することが規定される。したがって、歪軽減要素は、単に、接続部とともに、ラインに対して横断方向又は横方向に、クランププレートの一方又は両方の狭面においてクランププレートに挿入及び位置決めされ得る。一方、例えば、バヨネット結合などの場合のように、回転による取付けも実施可能である。
【0029】
特に好ましくは、クランププレートは、プロファイル断面が少なくとも長さの大部分の割合にわたって、好ましくはクランププレートの全長にわたって延在するように構成され、それにより、歪軽減要素の複数の位置決めが可能となる。
【0030】
少なくともプロファイル断面は、好ましくは、クランププレートの全長にわたって又は主方向において均一に形成される。クランププレートは、全体として、その全長にわたって又は主方向において、断面均一の外輪郭を有し得る。したがって、クランププレートは、例えば、長いプロファイル片からサイズ取りすることで安価に製造され得る。この場合、輪郭は、正面視又は縦断面において、特に両主面において平面状又は平坦構成のものであってもよい。
【0031】
特に好適な実施形態では、通常は主方向に平行な2つの長い端面(長い側)を有するクランププレートは、好ましくは、2つの端面の各々に端面溝によって形成されたプロファイル断面を有し、その溝は、好ましくは、主面に平行となり得る対称中心平面に対して鏡面対称である。好ましくは、両対向端面を係合する対応の接続部は、歪軽減要素上に設けられる。そして、これらは、所望の保持効果を達成するために、対応する端部溝において爪又はクリップ状に対向して係合し得る。
【0032】
クランププレートの端面上の要素の両側保持によって、クランププレート上への要素の特に安定的な保持がもたらされ、すなわち、要素と関連するクランププレートとの間の変位又は相対移動が、例えば移動端締結具の往復移動に対する引張力又は剪断力によって最小化され、それにより、摩耗及び結果としての粒子も最小化され得る。
【0033】
特に、クランププレートにおける端面保持部の場合に限られないが、歪軽減要素はいずれも、接続されたランから遠隔の端部締結デバイスの少なくとも自由側において、好ましくは両側において、長手方向の端部においてクランププレートを越えて突出すると有利である。このように、エッジ保護部がクランププレートのエッジにわたってラインに対して形成されてもよく、それによりラインは保護され、あらゆる摩耗がより広範囲に最小化される。
【0034】
接続部は、クランププレートの端面において両側に係合し及び/又は同時に長手方向の横断方向の要素の幅全体にわたってエッジ保護部を形成する歪軽減要素において特に好適である。そのような歪軽減要素を一列に配置することによって、エッジ保護部は、要素とクランププレートの間の安定的な接続と組み合わせて横断方向全体にわたって製造され得る。サポートチェーンのための任意選択的な締結要素又は任意選択的なスペーサが、エッジ保護部を有する対応の接続部とともに構成されてもよい。
【0035】
一実施形態では、各クランププレートが、相互に逆を向く2つの主面を有し、歪軽減要素のための保持部が、いずれも2つの主面の各々において両側に設けられることが規定される。各保持部は、この場合、主方向に対して垂直に、アンダーカットを有するプロファイル断面を形成し、2つのプロファイル断面は、好ましくは、個別に捉えると、同一の形状を有する。例えば、歪軽減要素及び締結要素は、任意選択的に両側に取り付けられて保持されてもよい。
【0036】
保持部を両側に有する一実施形態では、2つの保持部が長手方向に、すなわち、主方向に垂直な方向に相互に対してオフセットしてクランププレート上に設けられることが規定される。この場合、保持部は、好ましくは、クランププレートの主中心軸に回転対称に配置されてもよく、それにより、合致構成された歪軽減要素が単に回転されることによってクランププレートの両側において同様に使用可能となる。保持部又はプロファイル断面は、好ましくは、クランププレートの2つの幅二分体の一方を中心に配置され、クランププレートの2つの幅二分体は、特に相互に対して回転対称に構成され得る。「幅二分体」とは、ここでは長さ方向に二分した後の半分割体を意味する。
【0037】
好適な一実施形態では、各保持部は、特に主面に垂直な対称中心平面に対して、すなわち、特に2本の鏡面対称アンダーカットを有して鏡面対称構成であってもよい。これは、特に、中央配置された保持部の場合の取扱いをさらに簡素化する。
【0038】
代替的に又は任意選択的に追加的にも、各保持部が主面に対して窪んだプロファイル溝及び/又は主面に対して突出するプロファイル突起を備えることが規定され得る。これは、例えば、主方向における貫通プロファイル溝として、例えば、主面を中心に又は二分体を中心に構成され得る。
【0039】
原則として、プロファイル断面は、この場合、歪軽減要素をクランププレートの主面に垂直な方向に保持するために、本発明による歪軽減要素によって背部係合を可能とする任意の種類のプロファイルを有する断面を意味するものと理解される。プロファイルは、この場合、凸形状、特に突起及び/又は凹形状(空間)、特にプロファイル溝を形成し得る。プロファイル断面は、例えば連続鋳造又は射出成形を用いて、クランププレートとともにその製造時に成形されてもよいし、機械加工によって、例えばミリングによって後から組み込まれてもよい。
【0040】
プロファイル溝及び/又はプロファイル突起は、アンダーカットを有する任意の適切な形状、例えば、T字形状、V字形状若しくはダブテール形状又は同様の背部係合可能なプロファイル断面となり得る。
【0041】
歪軽減要素の接続部は、プロファイル断面、特にフォームフィッティングで合致する断面に対応して共役な断面を有し、さらにラインガイドの取付け又はその後の適合の取扱いを簡素化するために、わずかな遊びに起因して保持部において、主方向に、すなわち、ラインの長手方向の横断方向に変位可能となるべきである。
【0042】
本発明の上記第1の態様の構成は、以下の第2の態様のものと有利に組み合わせることができ、その逆も同様である。
【0043】
第2の態様
請求項10の初段部による独立した第2の態様によると、一般的なラインガイドデバイスの端部を締結するための端部締結デバイスが提案される。端部締結デバイスは、締付け力を発揮するための主面を有する少なくとも2枚のクランププレートを備え、クランププレートのいずれも、2つの横方向端部及び2つの長い端面を有し、それらは主方向に対して平行に延在する。クランププレートは、エンベロープ又はラインに垂直な長い端面によって目的通りに配置される。さらに、端部締結デバイスは、各々がいずれも1本以上のラインのためのクランプ面を有する多数の、ただし少なくとも2つの歪軽減要素を有し、歪軽減要素はクランププレートの対向する主面間で対向配置構成を目的とする。
【0044】
独立した第2の態様によると、本発明により、2枚の関連するクランププレートをいずれも2つの横方向端部の一方において保持するように作用する2つの独立したプレートコネクタを提供することが提案され、各プレートコネクタは2つの対向する、特に縦方向に対向するクリップ部を有し、クリップ部はいずれも2枚のクランププレートの一方の端部と相互作用する。本発明によると、プレートコネクタは、少なくとも2枚のクランププレートをともに、いずれもクランププレートの端面把持によって、特に縦方向に、すなわち、プレート方向に対して垂直に保持するように構成される。
【0045】
2つのプレートコネクタは、特に、相互から所定の距離において及び/又は相互に対して平行にクランププレートを保持し得る。
【0046】
2枚のクランププレートは、いずれも、上記のような独立した介在プレートコネクタによって、2つの短い(狭い)面にあるそれらの横方向端部において相互に対して対で保持され、ともに対で接続され得る。対向するクリップ部の各々は、好ましくは、各クランププレートと少なくともフォームフィッティングで係合する。
【0047】
プレートコネクタを用いると、プレートコネクタがこの層の対応するクランププレートに取り付けられる際にそれぞれの層が既に保持されているので、相互に重なる複数のエンベロープを有する多層構成の場合に取扱いが特に簡素化される。プレートコネクタは、事前固定の際に作用し、この場合、適切な歪軽減要素との関連でエンベロープ内のラインに対する締付け力を達成し得る。独立したネジ締結部が、この目的のために製造される必要はない。逆に、多層構造の場合に隣接する層が除去される必要はないため、例えば対象となるラインの交換のために個々の層に対する開放又はアクセスも簡素化され得る。
【0048】
またさらに、独立したプレートコネクタによって、クランププレートの構造の簡素化が可能となる。これらは、例えば、任意選択的に、所望の幅の端部締結具に合致するように、より長いプロファイルからサイズ取りするように切断され得る。
【0049】
したがって、第2の態様によるプレートコネクタは、そのクリップ部とともに、2枚のクランププレートを対で長手方向にかつ主面に垂直に接続及び保持することができる。
【0050】
プレートコネクタは、好ましくは、クランププレートの端部に取外し可能に、特に横方向に、すなわち、クランププレートに対して横断方向に変位可能に接続されるので、横方向の取外しが可能となる。
【0051】
プレートコネクタは、特に2枚のクランププレートをともに、プレートコネクタによって決まる特定の間隔で、主面に垂直な方向において、クリップの態様で接続し、それらを保持し得る。1つの有利な効果は、ネジ締結具は所望の歪軽減を生成するためには必ずしも必要でないことであり、エンベロープ又はラインとの所望の強制ロック係合は歪軽減要素及び/又はプレートコネクタの適切な選択によって達成され得る。
【0052】
代替的に又は追加的に、プレートコネクタのクリップ部は、特に好ましくは、クランプ用要素の接続部と同様に、好ましくは両側の短い狭面において外向きに開放するクランププレートのプロファイル断面との相互作用のために形成される。このように、プレートコネクタは、横方向に容易に取り付けられ、再度取り外され得る。
【0053】
またさらに、各プレートコネクタは、クランププレート間の縦方向の距離を予め決定するためのスペーサである支持本体を備えていてもよい。支持本体は、好ましくは歪軽減要素、例えば、キットからの特定の関連する歪軽減要素の構造高さの少なくとも2倍となる構造高さを有する。
【0054】
ネジ締結具のための少なくとも1つの縦方向貫通孔は、好ましくは支持本体に設けられ、当該ネジ締結具は、特に接続点への締結の際に作用する。
【0055】
両態様について、すなわち、第1又は第2の態様にもかかわらず、以下の更なる構成が、いずれも有利である。
【0056】
一実施形態では、各歪軽減要素は、それがクランププレートの端面を越えて長手方向に突出し、クランプ面から遠隔の背面側においてシースを形成するように構成され、そのシース内にはそれぞれのクランププレートが少なくとも部分的に収容されてもよい。
【0057】
特に、上記構造及び/又は第2の態様との組合せにおいて、各歪軽減要素が、それぞれの歪軽減要素をそれぞれのクランププレートにおいてこのクランププレートの主面に垂直な方向に保持するために、クランププレートの端面におけるプロファイル溝又は成形溝の対応するアンダーカットにおいてフォームフィッティング係合のための対向する接続部を有すると有利である。この場合、接続部の構造高さは、歪軽減要素が同じクランププレートの両側において抵抗なく締結可能となるように、それ自体好ましくはクランププレートの板厚の半分以下であり得る。
【0058】
要素、特に歪軽減要素の接続部は、それらがクランププレートの主面に取り付けられる場合、好ましくは、対向する主面を越えて突出することはない。
【0059】
特に、正確には1つの歪軽減要素が、クランププレートの各主面に設けられてもよい。一方、いずれも複数の歪軽減要素、特に異なる歪軽減要素及び任意選択的にサポートチェーンのための締結要素のキットからアプリケーションに見合うように選択された要素が、クランププレートにおいて主方向に一列に配置されるモジュール構造が好適である。
【0060】
要素は、好ましくはいずれも、クランププレートに対して及び/又はクランププレートに対して取外し可能に、位置決めのために主方向に変位可能に保持される。
【0061】
クランププレートが、特に縦断面において平面状である主面を有し又は主方向において均一な板厚を有する略平坦なプレートとして形成される場合に、特に安価な製造が可能となる。
【0062】
この場合、クランププレートは、連続プロファイルから、例えば、特に第1の態様によるプロファイル断面を有する特にアルミニウムの押出し加工された金属プロファイルから所望の長さに切断することによって製造され得る。代替的に、クランププレートは、例えば、強化プラスチック材料から、例えば、射出成形によって作製されてもよい。
【0063】
歪軽減要素及び任意選択的に締結要素は、他方では好ましくは、プラスチック材料で、特に射出成形品として一体的に作製される。
【0064】
プレートコネクタは、好ましくは、例えば繊維強化ポリマーから、特に射出成形品として、歪軽減要素よりも硬質なプラスチック材料から一体的に作製される。プレートコネクタは、特にクランププレートの主面に垂直に寸法安定的であり、すなわち、クランププレートとの相互作用において歪軽減要素とラインの間の強制ロック係合を可能とするために、それらは意図する荷重下で伸縮可能ではない。ラインを保持するための所望の力は、歪軽減要素の適切な選択及び寸法取りと組み合わせてプレートコネクタの適切な選択又は寸法取りによって達成され得る。ネジ締結具は、この目的のためには不要である。
【0065】
歪軽減要素は、クランプ面が設けられるアクティブな面を有していてもよく、それは、例えば、主方向に沿う断面、すなわち、ラインの長手方向に垂直な断面で見た場合、凹状であり、交互に凹凸状に湾曲し、又は実際には歯を有して若しくは櫛状に凹凸形状である。クランプ面は、この場合、一般的な幾何形状の意味で円筒状であってもよく、すなわち、主方向に平行な均一断面を有していてもよい。
【0066】
異なる態様で適合された歪軽減要素が、特に、異なるライン径に対して設けられてもよく、当該要素はクランププレートにモジュール態様で接続可能である。
【0067】
特に、相互に重なる複数のエンベロープを有する多層アプリケーションの場合、クランププレートがいずれも両横方向の端部にネジ締結具のための少なくとも2つの貫通孔を有し、主方向に沿って端部間にネジ締結具のための1以上の追加の貫通孔を有すると機械的に好適である。そのような貫通孔は、任意選択的に細長い孔の形態であってもよく、締結及び/又は締付け動作のための追加のネジの取付けのために作用し得る。
【0068】
プレートコネクタは、ネジ締結具のための少なくとも2個の、好ましくは3個の貫通孔を有していてもよく、それは好ましくはクランププレートにおけるネジ締結具のための対応する貫通孔との整列配置構成のために配置される。
【0069】
2つの態様、特に第2の態様の更なる有利な効果は、多重層における少なくとも2つのエンベロープの締結のためには、相互に重ねて配置された任意選択的に3枚だけのクランププレートで充分であることにあり、端部締結具の装着状態における中段のクランププレートでは、歪軽減要素が両側に、すなわち、中段のクランププレートの一方の側の一方のエンベロープだけでなく他方の側の他方のエンベロープの固定のためにも保持される。したがって、いずれも、各層又はエンベロープのために2枚のクランププレートを設ける必要はない。このように、材料コストが低減され、取扱いがさらに簡素化される。
【0070】
第3の態様
第3の独立した態様によると、本発明は、最終的には一般的な端部締結具のためのモジュール式組立キットにも関する。独立請求項20又は第3の態様によると、組立キットは、その最小限の実施形態では、少なくとも5個の異なる構成要素、すなわち、
-少なくとも1枚の平坦なクランププレート、
-少なくとも2つの異なる種類の歪軽減要素であって、いずれも異なる構造高さ、及びいずれも少なくとも長手方向においてクランププレートを固定するための同一構造の接続部を有するもの、
-少なくとも2つの異なる種類のプレートコネクタであって、異なる構造高さを有し、各プレートコネクタは、いずれもクランププレートと、特にクランププレートの端部と、少なくともフォームフィッティングで相互作用する同一構造の2つの対向するクリップ部を有するもの、
によって特徴付けられる。
【0071】
個々の構成要素、特にクランププレート、歪軽減要素及びプレートコネクタの全ての上記構成は、組立キットにも有利に適用可能である。
【0072】
異なる構造高さの2つのプレートコネクタを用いると、特に、2枚だけのクランププレート間に任意選択的にネスト状とされて保持される2以上の重ねられたエンベロープを有する多層構成に対して、及び単層構成に対しても、クランププレートの1つの設計だけで端部締結具のモジュール使用が可能となる。そのような組立キットは、種々のアプリケーション、特にライン径に対して最小数だけの部品でより良好に適合され得るものであり、製造時及び現場でのメンテナンス時の取扱いを一層簡素化する。ただし、3個以上の多数の異なる種類の歪軽減要素が、好ましくは、異なるライン径に対して設けられる。
【0073】
特に好ましくは、組立キットにおけるクランププレート及び歪軽減要素は、第1の態様によって構成される。クランププレートはいずれもアンダーカットを有するプロファイル断面の少なくとも1つの保持部を有し、各歪軽減要素はいずれも、当該クランププレートの主面に垂直な方向においてプロファイル断面のアンダーカット裏での係合することによって歪軽減要素をクランププレートに保持するために接続部を有する。
【0074】
全ての態様の好適な実施形態では、歪軽減要素は、長手方向に、すなわち、クランププレートの主方向に対して垂直に、特に両面において、その端面を越えて突出し、及び/又は少なくともある程度それぞれの端面の周囲を把持してエッジ保護部を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【
図1A】従来技術、例えば、独国実用新案第202019103276号(特許文献3)による、斜視図での一般的なラインガイド装置の模式表示である。
【
図1B】従来技術、例えば、独国実用新案第202019103276号(特許文献3)による、長手方向の横断方向の断面図での一般的なラインガイド装置の模式表示である。
【
図2A】組み立てられた
図1A~1Bによるラインガイド装置のための端部締結具の第1の例示的実施形態を斜視図で示す。
【
図2B】組み立てられた
図1A~1Bによるラインガイド装置のための端部締結具の第1の例示的実施形態を分解図で示す。
【
図2C】組み立てられた
図1A~1Bによるラインガイド装置のための端部締結具の第1の例示的実施形態を側面図で示す。
【
図2D】
図2A~2Cによる端部締結具の変形例を他の歪軽減要素とともに斜視図で示す。
【
図3A】端部締結デバイスの第2の例示的実施形態の断面図である。
【
図3B】端部締結デバイスの第2の例示的実施形態の側面図である。
【
図4A】端部締結デバイスの第3の例示的実施形態の断面図である。
【
図4B】端部締結デバイスの第3の例示的実施形態の側面図である。
【
図5A】端部締結デバイスの第4の例示的実施形態を断面図で示す。
【
図5B】端部締結デバイスの第4の例示的実施形態を部分斜視図で示す。
【
図5C】端部締結デバイスの第4の例示的実施形態を部分斜視図で示す。
【
図6A】端部締結デバイスの第5の例示的実施形態を断面図で示す。
【
図6B】端部締結デバイスの第5の例示的実施形態を部分斜視図で示す。
【
図6C】端部締結デバイスの第5の例示的実施形態を部分斜視図で示す。
【
図7A】
図6A~6Cとは異なる端部締結デバイスの更なる例示的実施形態の正面図を示す。
【
図7B】
図6A~6Cとは異なる端部締結デバイスの更なる例示的実施形態の平面図を示す。
【
図8A】特に
図2A~2Dによる例示的実施形態に対するクランププレートの様々な変形例の平面図を示す。
【
図8B】特に
図2A~2Dによる例示的実施形態に対するクランププレートの様々な変形例の平面図を示す。
【
図8C】特に
図2A~2Dによる例示的実施形態に対するクランププレートの様々な変形例の平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0076】
本発明の更なる詳細及び有利な効果は、添付図面に基づく好適な例示的実施形態の以下の説明から、上記の一般的性質を制限することなく推定され得る。対応する又は同一の構造又は機能の構成は、対応する符号を有し、繰り返し説明されないこともある。
【0077】
図1A~1Bは、動的なラインガイド装置1、すなわち、供給ライン8のために、例えば、機械における電力及びデータ供給のために前後に変位可能なものについての例示的実施形態を示す。ラインガイド装置1は、直線的に変位可能であり、その過程において、可動上側ラン1A、静止下側ラン1B及びその間の追従移動する偏向アーク1Cを形成する。上側ラン1Aは、ラインガイド装置1の長手方向Lに変位可能である。偏向アーク1Cは、長手方向Lに垂直な横断方向Qを中心に所定の偏向半径又は曲げ半径を有する。
図1Aにおいて、ラインガイド装置1は、長手方向Lに長細くかつ相互にネスト状に重ねられた2つの柔軟なエンベロープ2を備える。ただし、空間位置は任意であり、ラインガイド装置1は、例えば、縦方向にも移動し得る。各エンベロープ2は、全体としてホース状であり、とりわけ、適切な設計及び/又は材料の選択によって充分に柔軟に形成されて、わずかな労力で偏向アーク1Cの可逆的に柔軟な屈曲を可能とし、可動接続部又は移動端の移動動作に最小限の抵抗で追従する。
【0078】
各防塵エンベロープ2(「ポッド」としても知られる)は、特に、防塵的実施形態のものであり、主に、特にライン及び/又はサポートチェーンの摩耗によって不可避的に生じる粒子の外部への放出を防止するように作用する。ホース状エンベロープ2の構造は、例えば、独国実用新案第202019103276号(特許文献3)の
図9~10に記載されるように選択され得るものであり、その教示が簡略化のためにここに含まれる。例えば、上記の従来技術による他のホース状エンベロープ2が使用されてもよい。
【0079】
図1Aは、2つの端部締結デバイス10をさらに示し、その各々はラインガイド装置1の一端に設けられる。ラインガイド装置1は、端部締結デバイス10を用いて、いずれも、例えば機械又は機器(不図示)において相互に対して可動な2つの接続点の一方に接続及び締結される。
図1Aは、独国実用新案第202019103276号(特許文献3、その
図13A~13D参照)による端部締結デバイスを示す。以下に、
図1Aによるものではなく、本発明による好適な実施形態の端部締結デバイスを
図2~8に関してさらに説明する。
【0080】
図1Bは、長手方向Lに垂直な断面において2つのエンベロープ2の一方の可能な内部細分を単なる例示として示す。エンベロープ2は、例えば、プラスチック材料から又はシース7として複数のダクトを有する一体のホースから作製される複数の個々のエンベロープユニット(不図示)からなり得る。
図1Bにおいて、エンベロープ2は、例示として、1本以上の供給ライン8又はラインの束に対して5個のダクト状のシース7、及び偏向アーク1Cの半径を予め決定するとともに、進行した上側ラン1Aの自己支持長を支持する2つのサポートチェーン9を外側シースに有する。エンベロープ2は、柔軟な可撓性プラスチック材料、特に熱可塑性材料、例えば、PE、PU、TPU、PTFE、延伸PTFE、PPなどから作製され、その長さ全体にわたって一定の、長さ方向Lに垂直な断面を有する。エンベロープ2は、適切なプラスチック押出し加工技術を用いてストランド製品として安価に製造され、例えば約100mm~約1500mmの適切な長さに切断され得る。エンベロープ2内の全てのシース7は、空間的に相互から独立して横断方向Qにおいて相互に隣り合う。エンベロープ2は、防塵的に長手範囲にわたってライン8又はサポートチェーン9を囲むので、例えば摩耗又は摩損によって生じる粒子の放出を防止する。
【0081】
図2A~2Bは、本発明による端部締結デバイス20の特に好適な例を示す。端部締結デバイス20は、ラインガイド装置1の両端において使用可能である。それは、同一構造の多数のクランププレート210を有し、それは金属、例えば、
図2A~2Dでは押出し加工されたアルミニウムプロファイルの略平坦矩形プレートとして製造される。クランププレート210は、締付け力を発揮するために各主面側に主面22を形成し、エンベロープ2の長手方向Lに対して垂直なクランププレート210の長手範囲に対応するそれらの主方向Hを有して配置される(
図1A参照)。全てのクランププレート210は、同様の構造のものであり、その横断方向にライン8が通される主方向Hに2つの長い端面211、及び2つの短い狭面212を有する。
【0082】
図2A~2Dにおける端部締結デバイス20は、複数のエンベロープ2について一方が他方に重なる多層構造のものであり、各層において、異なる設計の多数のモジュール式歪軽減要素23A、23B、23C、23Dなどを備える。ここに示す例示的な4層の各々では、同一の歪軽減要素23A、23B、23C及び23Dが、それぞれ、2枚のクランププレート210の間において相互に対で対向して位置する。歪軽減要素23A、23B、23C、23Dはいずれも、エンベロープ2とともにそれぞれのダクト状のシース7において1本以上のライン8(
図1B参照)の強制ロック保持のためのクランプ面232を有する。歪軽減要素23A、23B、23C、23Dは、モジュール式であり、クランププレート210の対向する主面22の間における繋ぎ合わされた対向配置構成のために構成される。
【0083】
図2Cの側面図から最も明瞭にわかるように、同一構造のクランププレート210の各々は、いずれも、とりわけ歪軽減要素23A、23B、23C、23Dなどに対する保持部213を有し、それは長手方向Lにおける変位に抗してそれぞれのクランププレート210にそれらを保持する。
図2B~2Cから最も明瞭にわかるように、クランププレート210の各々は、この目的のため、それらの長い端面211上に、断面又は側面図で見た場合に相互に逆方向を向き、かついずれも1本のアンダーカットとともにここでは端部においてプロファイル断面220を有する際立つ保持部213を有する。
図2A~2Dにおけるアンダーカットは、概ねU字形状又は主方向全体にわたって一定の溝221、すなわち、凹部によって端面211において形成される。溝221は、ここではいずれも、鏡面対称であり、両中心平面に垂直であり、主面22に平行であり、クランププレート210の構造高さの約半分の、丸みを帯びた矩形断面を有する。
【0084】
種々の歪軽減要素23A、23B、23C、23Dなどは、いずれもここでは主方向Hに対して爪形状断面を有する2つの接続部230を有し、2つの接続部230は、クランププレート210の保持部213のプロファイル断面220におけるアンダーカット、すなわち、溝221の裏でのフォームフィッティング係合のために、すなわち、
図2A~2Dから明らかなように端面溝221における係合のために構成される。接続部230は、いずれも、2つの端面において同一構造の鏡面対称の爪として形成される。接続部230の各爪は、いずれも、対応する接続部230を有する歪軽減要素23A、23B、23C、23Dが各クランププレート210の両側において保持部213のプロファイル断面220に係合し得るように、端面溝221の自由高さの半分も占有しない(
図2C参照)。
【0085】
対向する接続部230の間に、シース231が歪軽減要素23A、23B、23C、23Dの背面側に形成され、そのシースはそれぞれ対応するクランププレート210の断面の約半分を収容する。例えば、1つの同じクランププレート210は、
図2Aにおける3枚の縦方向内部クランププレート210が示すように、エンベロープ2の連続する2層に対して使用され得る。歪軽減要素23A、23B、23C、23Dは、モジュール的な使用のために、異なるクランプ面及び実質的に同一の底面積を有する。歪軽減要素23A、23B、23C、23Dは、エンベロープ2と同じ可撓性低摩耗プラスチック材料(上記参照)から作製され得る。
【0086】
クランププレート210のアンダーカットにフォームフィッティングで係合する接続部230の設計によって、歪軽減要素23A、23B、23C、23Dは、長手方向Lだけでなく、主面22に垂直な方向においても、それぞれのクランププレート210に対して拘束的に保持される。
【0087】
図2A~2Dは、サポートチェーン9を長手方向Lにおいて端部締結デバイス20に固定する、サポートチェーン9に対する特殊な締結要素24をさらに示す。締結要素24は、それらの背面側(不図示)に同一構造の接続部230及びシース231を有する。同じことが、
図2A~2Dの上段の2層における追加のスペーサ25にも当てはまる。これらのスペーサ25は、いずれも、
図1Aに示すように、相互に重なる2つのエンベロープが上段の2層における2枚のクランププレート210の間に接合固定され得るように、対向する歪軽減要素23Aの間の横断方向Qにおける横方向のオフセットを可能とする。スペーサ25は、締結要素24と同様に、接続部230と同様に断面同一の、クランププレート210への保持のための爪を有する。したがって、締結要素24及びスペーサ25は、長手方向L及び主面22に対して垂直にクランププレート210に対して同様に固定的に保持されかつ固定可能となる。
【0088】
図2A~2Dがさらに示すように、プロファイル断面220は、短い狭面212において両側で外部に開放し、すなわち、横方向に開放してアクセス可能となる。プロファイル断面220は、主方向Hにおいて、すなわち、狭面212間において全長にわたって一定である。このように、歪軽減要素23A、23B、23C、23D、締結要素24及びスペーサ25は、任意選択的にモジュール態様で又は必要に応じてクランププレートに対して取り付けられ、主方向Hに沿う挿入によって任意の位置に位置決めされてもよい。
【0089】
図2Bは、例示として、(上側層における)歪軽減要素23Aに対するエンベロープ2によるライン8の強制ロック保持のための歯状クランプ面232を追加的に示す。この場合、クランプ面232は、凹部間で交互に突出するとともに長手方向Lに延在する歯ストリップ又は櫛歯を有し、その歯ストリップ又は櫛歯はライン8の様々な径に対する適合のためのある程度の変形可能性を達成し、同時に良好な摩擦係合を達成する。例示として、クランプ面232のみを簡単に説明する。例えば、主にそれぞれのクランプ面の様々な構造高さ又は深さの分だけ異なる歪軽減要素23B、23C、23Dの場合のように、平坦な設計も可能である。またさらに、
図2Dの変形例におけるように、凹状又は凹凸状クランプ面を有する歪軽減要素23E、23F、23Gも使用可能である。これらの歪軽減要素23E、23F、23Gはまた、保持部213と相互作用する接続部230を有する。
図2Dの変形例における端部締結デバイス20´は、これらの異なる形状の歪軽減要素23E、23F、23Gによって実質的に異なる。
【0090】
図2A~2Dがさらに示すように、更なる態様による端部締結デバイス20は、いずれも2つの横方向端部214の一方に対していずれも2枚のクランププレート210を対で把持及び接続するために、いずれもクランププレート210の横方向端部214の間に独立した構成要素として設けられる2つのプレートコネクタ240A、240Bを有する。この目的のため、各プレートコネクタ240A、240Bは、歪軽減要素23A~23Gの爪状接続部230に構造上対応する、すなわち、相互に対向する端面爪を有する
図2A~2Dによる2つの対向するクリップ部242を有する。一方、プレートコネクタ240A、240Bは、いずれもそれらの上部及び底部において、2枚のクランププレート210との接続のための対応するクリップ部242を有する。プレートコネクタ240A、240Bを用いると、クランププレート210は、いずれも対でともに接続され、相互から所定距離で平行に保持される。この目的のため、対向するクリップ部242は、接続部230と同様に、クランププレート210の端面溝221においていずれも対で少なくともフォームフィッティングで把持を行う(
図2C参照)。
図2A~2Dの例では、プレートコネクタ240A、240Bの選択により、対において相互に対向する歪軽減要素23A~23Gの間の空間が調整され得るように、単に構造高さの異なる2種類のプレートコネクタ240A、240Bが示される。構造上同一のプレートコネクタ240A又は240Bは、いずれも2つの端部214において2枚のクランププレート210の間に挿入される。これらも同様に、主方向Hにおいて横方向に挿入可能でありかつ再取外し可能である。プレートコネクタ240A、240Bは、ここでは中実材料、特に、例えば、繊維強化ポリアミドなどの寸法的に安定的な、弾力的でないプラスチック材料のブロック状支持本体243を有する。支持本体243は、クランププレート210の間の縦方向の距離を予め決定するための縦方向スペーサを有する。プレートコネクタ240A、240Bは、特に支持本体243の構造高さで異なり、その他、特にそれらの縦方向及び水平方向に鏡面対称のクリップ部242は同一の構造のものである。プレートコネクタ240A、240Bは、エンベロープのための収容空間に対する凹状開口を片側のみに有していてもよい。
【0091】
プレートコネクタ240A、240Bはいずれも、それらの支持本体243に同一に配置され、ネジ250を用いるネジ締結具のための、長手方向Lに分布された3個の貫通孔245を有する。貫通孔245は、クランププレート210におけるネジ250のための対応する貫通孔215に配列配置構成を一致させるように配置される。端部214における外側の2本のネジ250は、
図2A/2Dにおいて確認できるように、既製の端部締結デバイス20、20´の横方向の固定のために使用され得る。この目的のため、最下段のクランププレート210において、ネジ状ブッシュが、いずれも、底部において対応する貫通孔215に押し込まれてもよいし、ナットが用いられてもよい。中央の貫通孔215、245は、端部締結デバイス20、20´を接続点に、すなわち、固定点又は移動端(不図示)に締結するのに使用されてもよい。
【0092】
図2A~2Dから一層明らかなように、歪軽減要素23A~23G並びに締結要素24及びスペーサ25の接続部230は、ライン8がクランププレート210の端面211と接触し得ないように、クランププレート210の端面211におけるエッジ保護部と同時に作用する。
【0093】
図3A~3Bは、ここでは例示として、単にクランププレート310の設計が異なる2層のエンベロープについて、端部締結デバイス30を有する変形例を示す。これらは同様に、アンダーカットを有するプロファイル断面320を有するが、それはクランププレート310の中心平面に対して対称ではない。クランププレート310は、2枚のクランププレート310が2つの連続する層の間で相互に重なって反転配置されて設けられる必要があるように、
図2A~2Dの縦方向に二分されたクランププレート210に構造上対応する。これにより、より少ない材料コストでのクランププレート310の廉価な製造が可能となる。
【0094】
クランププレート410の更なる簡素化を、ここではアンダーカットが使用されない特に製造が安価な略平坦なプレートによる、
図4A~4Bの端部締結デバイス40の変形例において示す。
図4A~4Bによる例は、独立したプレートコネクタ240A、240Bを有する構造に関する本発明の第2の態様も、第1の態様、すなわち、歪軽減要素23A~23Gとクランププレート410の間の接続とは独立して任意選択的に利用され得ることをさらに示す。
図4A~4Bでは、いずれも2枚のクランププレートは各層について使用される必要がある。
【0095】
図5A~5Cは、クランププレート510に対するプロファイル断面520の代替の設計の端部締結デバイス50の例示的実施形態を示す。プロファイル断面520は、ここでは、断面T字形状の突起527と、クランププレート510のプレート本体におけるアンダーカットとしての2本の鏡面対称のL字形状の溝521との組合せとして設けられる。プロファイル断面520は、クランププレート510の2つの主面の一方のみに設けられ、クランププレート510の縦方向長手中心平面に対して鏡面対称である(
図5A)。クランププレート510の場合も、プロファイル断面520は、主方向H全体にわたって同一であり、主方向Hにおいて歪軽減要素523又はプレートコネクタ540などの挿入のために両側に横方向に開放する。歪軽減要素523又はプレートコネクタ540は、フォームフィッティングの相手方としてそれに従って形成された合致する断面プロファイルの接続部530を有する。
【0096】
図6A~6Cは、ここでは2つの保持部613を各クランププレート610上に有する、クランププレート610のプロファイル断面620の代替の設計の端部締結デバイス60の更なる例示的実施形態を示す。クランププレートは、いずれも、両主面622において歪軽減要素623のための1つの保持部613を有する。保持部613は、主方向Hに垂直に、ここでも、例えば、クランププレート610のプレート本体内に完全に入るT字形状溝621でいずれも形成される二重のアンダーカットを有するプロファイル断面620を形成する。
【0097】
2つの保持部613は、いずれも相互に逆を向く2つの主面622の一方においてクランププレート610に設けられ、当該保持部は長手方向L、すなわち、主方向Hに対して垂直に相互に対してオフセットされ、主中心軸Mに対して回転対称に配置される。保持部613は、さらに、クランププレート610の2つの幅二分体の一方を中心に配置される。したがって、クランププレート610の構造により、歪軽減要素623及びプレートコネクタ(不図示)は、クランププレートの両側において対応して合致形成された接続部と係合可能でもある。
図5A~5C及び
図6A~6Bにおける他の構成は、
図2A~2Dに関連して上述したものに対応する。
【0098】
端部締結デバイス70の更なる変形例を
図7A~7Bに示し、クランププレート710が、例えば、
図6A~6Cによるクランププレート610の断面を有し得る。
図7A~7Bは、
図2Cに関連して記載したように貫通孔745を有するプレートコネクタ740の横方向に突出する配置構成によって、クランププレート710における対応する貫通孔なしに、ネジによる横方向固定も可能であることを示す。
【0099】
図8A~8Cは、
図2A~2Dによるクランププレート210の変形例を示す。横方向端部214の間において、ネジ締結のための追加の貫通孔235が、例えば、多層端部締結具の場合に、任意選択的に改善された締付け動作のために異なるドリルパターンによって設けられる。
【符号の説明】
【0100】
図1A~1B
1 ラインガイド装置
1A 上側ラン
1B 下側ラン
1C 偏向アーク
2 エンベロープ
7 シース
8 供給ライン
9 サポートチェーン
10 端部締結デバイス
L 長手方向
Q 横断方向
図2A~2D
20、20´ 端部締結デバイス
24 締結要素
25 スペーサ
210 クランププレート
211 端面(長い側)
212 狭面(短い側)
213 保持部
214 端部
22 主面
23A、23B、23C、23D、23E、23F、23G 歪軽減要素
230 接続部(爪あり)
231 シース
232 クランプ面
240A、240B プレートコネクタ
242 クリップ部
243 支持本体
215、245 (ネジのための)貫通孔
250 締結ネジ
L 長手方向
H 主方向(横断方向Qに対応する)
図3A~3B;
図4A~4B
30;40 端部締結デバイス
310;410 クランププレート
320 プロファイル断面
240A、240B プレートコネクタ
図5A~5B;
図6A~6B
50;60 端部締結デバイス
510;610 クランププレート
513;613 保持部
520;620 プロファイル断面
521;621 溝
622 主面
523;623 歪軽減要素
527 突起
530;630 接続部
540 プレートコネクタ
H 主方向
M 主中心軸
図7A~7B
710 クランププレート
740 プレートコネクタ
745 貫通孔
図8A~8C
210 クランププレート
214 端部
215、235 貫通孔
【手続補正書】
【提出日】2022-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラインに対して多数のダクト状のシースを備える少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)を有し、前後に変位可能なラインガイドデバイス(1)の端部を締結するための端部締結デバイス(20;30;40;50;60)であって、前記シースは第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在し、前記端部締結デバイス(20;30;40;50;60)は、
締付け力を発揮するための
略平坦な主面(22)を有する少なくとも2枚のクランププレート(210)であって、該クランププレートの各々は前記エンベロープの前記長手方向に垂直な主方向(H)に対して配置可能である、クランププレート(210)と、
多数の歪軽減要素(23A・・・23G)であって、各々が1本以上のラインのための及び前記クランププレートの対向する主面間の対向配置構成のためのクランプ面(232)を有する歪軽減要素(23A・・・23G)と、
を備え、
前記
少なくとも2枚のクランププレート(210)の各々は、前記長手方向における変位に抗して前記主面に平行な方向に前記歪軽減要素を前記クランププレートに保持する、歪軽減要素用の保持部(211)を有し、
前記少なくとも2枚のクランププレート(210)の各々は前記主方向(H)に平行な2つの長い端面(211)を有し、
前記保持部(211)は、アンダーカット(221)を有するプロファイル断面(220)を形成し、
前記歪軽減要素(23A・・・23G)の各々は、前記アンダーカットの裏でのフォームフィッティング係合のために、そして前記主面(22)に垂直な方向に前記歪軽減要素(23A・・・23G)をぞれぞれの前記クランププレート(210)に保持するために、前記保持部の前記プロファイル断面(220)に対応する少なくとも1つの接続部(230)を有
し、前記プロファイル断面は前記2つの端面(211)の各々において端面溝(221)によって形成され、対応する端面接続部(230)が前記歪軽減要素(23A~23G)に設けられた、端部締結デバイス。
【請求項2】
前記クランププレートは、2つの長い端面及び2つの短い狭面(212)を有し、
前記プロファイル断面(220)は前記短い狭面(212)の少なくとも一方において外向きに開放し、好ましくは短い狭面の両方において外向きに開放し、及び/又は
前記プロファイル断面(220)は少なくとも前記クランププレート(210)の長さの大部分の割合にわたって、好ましくは前記クランププレート(210)の全長にわたって、延在する、請求項
1に記載の
端部締結デバイス。
【請求項3】
前記接続部(230)は
、前記ラインに対して前記端面において突出するエッジ保護部を形成する、請求項1
又は2に記載の
端部締結デバイス。
【請求項4】
各クランププレートは相互に逆を向く2つの主面(622)を有し、いずれも、歪軽減要素(623)に対する保持部(613)が両側に設けられ、アンダーカットを有するプロファイル断面(620)を前記主方向(H)に対して垂直に形成する、請求項1
又は2に記載の
端部締結デバイス。
【請求項5】
前記2つの保持部(613)は、前記
長手方向(L)に相互に対してオフセットして前記クランププレート(610)に設けられ、好ましくは主中心軸(M)に対して回転対称に配置され、及び/又は好ましくは前記クランププレート(610)の2つの幅二分体の一方を中心に配置される、請求項
4に記載の
端部締結デバイス。
【請求項6】
前記保持部(213;513)は、特に2本の、鏡面対称のアンダーカット(221;521)を有する構成において鏡面対称である、請求項1から
5のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項7】
各保持部は、前記主面に対して窪んだプロファイル溝(221;521;621)及び/又は前記主面に対して突出したプロファイル突起(527)を備える、請求項1から
6のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項8】
前記プロファイル溝(521;621)及び/又は前記プロファイル突起(527)は、T字形状、V字形状又はダブテール形状のプロファイル断面(520;620)を形成し、前記歪軽減要素の前記接続部(530;630)はフォームフィッティングで合致する断面を有する、請求項
7に記載の
端部締結デバイス。
【請求項9】
ラインガイドデバイス(1)の端部を締結するための端部締結デバイス(20;30;40;50;60)であって、前記ラインガイドデバイスは前後に変位可能であり、少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)を有し、該エンベロープは第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在するラインのための多数のダクト状のシース(7)を有し、前記端部締結デバイス(20;30;40;50;60)は、
締付け力を発揮するための
略平坦な主面(22)を有する少なくとも2枚のクランププレート(210)であって、該クランププレートはいずれも、主方向(H)に平行に延在する2つの横方向端部(214)及び2つの長い端面(211)を有し、前記エンベロープ(2)に垂直な前記端面に対して配置可能である、クランププレート(210)と、
多数の歪軽減要素(23A・・・23G)であって、各々が1本以上のラインのための及び前記クランププレートの対向する主面間の対向配置構成のためのクランプ面(232)を有する歪軽減要素(23A・・・23G)と、
を備え、
2つの独立したプレートコネクタ(240A;240B)は、前記少なくとも2枚のクランププレート(210)をいずれも前記2つの横方向端部(214)の一方において保持するために設けられ、各プレートコネクタは、いずれも端部(214)と少なくともフォームフィッティングで相互作用する2つの対向するクリップ部(242)を有し、前記プレートコネクタ(240A;240B)は前記少なくとも2枚のクランププレートをともに保持するように構成された、端部締結デバイス。
【請求項10】
前記プレートコネクタ(240A;240B)は、それらのクリップ部(242)によって2枚のクランププレート(210)をともに前記長手方向(L)にかつ前記主面(22)に対して垂直に保持し、特に前記クリップ部(242)は前記クランププレート(210)のアンダーカットプロファイル断面(220)と相互作用し、及び/又は前記クリップ部(242)は好ましくはその前記端部(214)において前記クランププレート(210)の前記2つの端面(211)の周囲を好ましくは2つの長手方向に対向する爪によって把持するように構成されている、請求項
9に記載の
端部締結デバイス。
【請求項11】
各プレートコネクタ(240A;240B)は、前記クランププレート間の縦方向の距離を予め決定するためのスペーサである支持本体(243)を備える、請求項
9又は10に記載の
端部締結デバイス。
【請求項12】
各歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記クランププレート(210)の前記端面(211)を越えて前記長手方向に突出し、前記クランプ面(232)から遠隔の背面においてシース(231)を形成し、該シース内に、それぞれの前記クランププレート(210)が少なくとも部分的に収容される、請求項1から
11、特に請求項
9から
11のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項13】
複数の歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記主方向(H)に一列に配置され、クランププレート(210)に対して変位可能に保持され、及び/又はクランププレート(210)に対して取外し可能に保持される、請求項1から
12のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項14】
前記クランププレート(210)が、
正面視において平面状である主面(22)を有し又は前記主方向において均一な板厚を有する
、平坦なプレートとして形成された、請求項1から
13のいずれか一項、特に請求項
9に記載の
端部締結デバイス。
【請求項15】
前記クランププレート(210)が、金属、好ましくは特にアルミニウムの押出し加工された金属プロファイルから、又は特に射出成形品としての強化プラスチック材料から、作製された、請求項1から
14のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項16】
前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、特に射出成形品として、プラスチック材料から一体的に作製され、前記プレートコネクタ(240A;240B)は、特に射出成形品として、好ましくは前記歪軽減要素(23A・・・23G)よりも硬質なプラスチック材料から一体的に作製され、並びに/又は前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、前記クランププレート(210)及び/若しくは前記プレートコネクタ(240A;240B)の材料よりも軟質な材料から作製される、請求項1から
15のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項17】
前記クランププレート(210)は、いずれも、両横方向端部(214)におけるネジ締結具のための少なくとも2個の貫通孔を有し、かつ前記主方向(H)に沿って前記端部(214)の間のネジ締結具のための1以上の追加の貫通孔(215)を有し、及び/又は、
前記プレートコネクタ(240A;240B)は、ネジ締結具のための少なくとも2個、好ましくは3個の貫通孔(245)を有し、該貫通孔は、好ましくは前記クランププレート(210)におけるネジ締結具のための対応する貫通孔(215)との整列配置構成のために配置される、
請求項1から
16のいずれか一項に記載の
端部締結デバイス。
【請求項18】
重ねられた層における少なくとも2つのエンベロープ(2)を締結するための請求項1から
17のいずれか一項に記載の端部締結デバイスであって、相互に重ねて配置された少なくとも3枚のクランププレート(210)を備え、中段のクランププレートにおいて、装着状態で歪軽減要素(23A・・・23G)が両側に保持された、端部締結デバイス。
【請求項19】
特にクリーンルーム用途のための、例えばケーブル、ホースなどのラインのためのラインガイドデバイス(1)であって、
ライン(8)のための多数のダクト状のシース(7)を備える前後に変位可能な少なくとも1つの細長い柔軟なエンベロープ(2)であって、前記シース(7)が第1の端部から第2の端部への長手方向(L)に延在する、エンベロープ(2)と、
前記エンベロープの前記第1の端部に対する第1の端部締結デバイス(20)及び前記第2の端部に対する第2の端部締結デバイス(20)と、
を備え、
前記第1の端部締結デバイス(20)及び/又は前記第2の端部締結デバイス(20)は、請求項1から18のいずれか一項に記載の端部締結デバイス(20)である、ラインガイドデバイス。
【請求項20】
請求項1から
18のいずれか一項に記載の端部固定デバイスを製造するためのモジュール式組立キットであって、
少なくとも1枚の平坦なクランププレート(210)と、
いずれも異なる構造高さ、及びいずれも少なくとも長手方向に前記クランププレートを固定するための同一構成の接続部(230)を有する少なくとも2つの異なる種類の歪軽減要素(23A・・・23G)と、
異なる構造高さを有する少なくとも2つの異なる種類のプレートコネクタ(240A;240B)であって、各プレートコネクタは、いずれも前記平坦なクランププレート(210)の端部(214)と少なくともフォームフィッティングで相互作用する同一構造の2つの対向するクリップ部(242)を有する、プレートコネクタ(240A;240B)と、
を備えるモジュール式組立キット。
【請求項21】
前記クランププレート(210)は、いずれも、アンダーカットを有するプロファイル断面(220)の少なくとも1つの保持部(213)を有し、
各歪軽減要素(23A・・・23G)は、いずれも、前記クランププレート(210)の前記主面に垂直な方向に、前記プロファイル断面(220)の前記アンダーカットの裏での係合することによって前記歪軽減要素を前記クランププレートに保持するために接続部(230)を有する、請求項
20に記載の端部締結デバイスのためのモジュール式組立キット。
【請求項22】
前記歪軽減要素(23A・・・23G)は、特に両側において前記クランププレートを越えて前記長手方向又は前記クランププレート(210)の前記主方向に対して垂直に突出し、好ましくは前記クランププレート(210)のそれぞれの前記端面(211)の周囲を少なくとも部分的に把持する、請求項1から21のいずれか一項に記載のデバイス又は組立キット。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
更なる問題点は、大きく異なるライン径に対する周知の端部締結具の適合性は限定的であることであり、これは特に特許文献3による簡素化された構造に当てはまる。
異なる径の複数のラインに対するクランプデバイスは他の分野、すなわち、静的なラインの引き回しの分野からも知られている。例えば、特許文献5又は特許文献6は、静止面上で相互に隣り合う複数のケーブルを固定するためのデバイスを記載する。これらの各々は、クランププレートとしてU字断面又はC字断面の2本のプロファイルレール、その他種々のクランプ要素を用いる。各クランプ要素は、一方側にケーブル用のクランプ固定具を有し、他方側にプロファイルレールのプロファイルに合致する接続領域を有する。しかし、これらのクランプデバイスは、製造が高価となり、シースを有する可動ケーブルガイドを締結するには直ちに適切とはならない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
【特許文献1】独国特許発明第102012100290号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第3226252号明細書
【特許文献3】独国実用新案第202019103276号明細書
【特許文献4】独国特許発明第102012100533号明細書
【特許文献5】英国特許出願公開第934771号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第19545867号明細書
【国際調査報告】