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特表2023-509851エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー及びそれを生成するためのプロセス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー及びそれを生成するためのプロセス
(51)【国際特許分類】
   C08F 210/16 20060101AFI20230303BHJP
   C08F 4/646 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
C08F210/16
C08F4/646
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022535914
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 US2020066896
(87)【国際公開番号】W WO2021133945
(87)【国際公開日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】62/954,227
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIPLOC
2.テフロン
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】ペセク、ステイシー エル.
(72)【発明者】
【氏名】ムンロ、ジェフリー シー.
(72)【発明者】
【氏名】チョウ、チョー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、アンドリュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カステルッチョ、アンソニー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】カルヤラ、ジュニア、トーマス ウェスレー
【テーマコード(参考)】
4J100
4J128
【Fターム(参考)】
4J100AA02P
4J100AA19Q
4J100CA04
4J100DA04
4J100DA13
4J100DA19
4J100DA22
4J100DA24
4J100DA25
4J100DA41
4J100DA42
4J100DA47
4J100FA04
4J100FA08
4J100FA10
4J100FA19
4J100FA28
4J100FA30
4J128AA02
4J128AC01
4J128AE06
4J128AE07
4J128BA00A
4J128BA03B
4J128BB00A
4J128BB01B
4J128BC09B
4J128BC12B
4J128BC25B
4J128EB02
4J128EB07
4J128EC02
4J128FA02
4J128FA07
4J128FA09
4J128GA01
4J128GA05
4J128GA06
4J128GA08
4J128GA16
4J128GA19
4J128GA26
(57)【要約】
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態では、プロセスは、125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを、(i)式(III)の構造を有する第1の重合触媒と、式(I)の構造を有する第2の重合触媒と、(iii)鎖シャトリング剤と、を含む触媒系と接触させることを含む。プロセスは、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。本開示は、プロセスによって生成された生じた組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含む。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスであって、
125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを触媒系と接触させることであって、前記触媒系が、
(i)触媒1の構造を有する第1の重合触媒と、
【化1】
(ii)触媒2の構造を有する第2の重合触媒と、
【化2】
(iii)ボレート系助触媒である第1の助触媒と、
(iv)アルミニウム系助触媒である第2の助触媒と、
(v)鎖シャトリング剤と、を含む、接触させることと、
前記接触中に、アルミニウム対ハフニウムのモル比を7.1~15.6に維持することと、
0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することと、を含む、プロセス。
【請求項2】
130℃~170℃の温度で、重合条件下、前記エチレン及びオクテンを接触させることと、
ハードセグメント及びソフトセグメントを有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することと、を含み、前記ソフトセグメントが-30℃~30℃のソフトセグメント溶融温度(SS-Tm)を有し、前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが第1のTGICピーク温度(Tp1)及び第2のTGICピーク温度(Tp2)を有し、
p2が、方程式(A)
p2≦0.0068×(SS-Tm)+0.07×(SS-Tm)+73.2
を満たす、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
組成物であって、
ハフニウム及びアルミニウムを、7.1~15.6のアルミニウム対ハフニウムのモル比で含むエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含み、
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有する、組成物。
【請求項4】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、10モル%~30モル%のオクテンを含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、ハードセグメント及びソフトセグメントを含み、前記ソフトセグメントが-30℃~30℃のソフトセグメント溶融温度(SS-Tm)を有し、前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが第1のTGICピーク温度(Tp1)及び第2のTGICピーク温度(Tp2)を有し、
p2が、方程式(A)
p2≦0.0068×(SS-Tm)+0.07×(SS-Tm)+73.2
を満たす、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、125℃~150℃のTp1及び68℃~90℃のTp2を有する、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、-70℃~-55℃のガラス転移温度(Tg)を有する、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、1立方センチメートル当たり0.855~0.890グラム(g/cc)の密度を有する、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、2か月後に、21℃で、0lb/ft~200lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)を有する、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、6週間後に、150g/秒超~200g/秒の漏斗流速を有する、請求項8又は9に記載の組成物。
【請求項11】
前記エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、2か月後に、0℃で、0lb/ft~73lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)を有する、請求項8~10のいずれか一項に記載の組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、弾性挙動、可撓性、及び加工性などのエラストマー低密度ポリオレフィンの重要な特性を維持しながら、高密度ポリエチレンの耐久性及び高耐熱の両方の利益を提供する。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、典型的には、高密度「ハード」セグメント及び低密度「ソフト」セグメントを含有する。ソフトセグメントは、柔らかく粘着しやすい可能性のあるコモノマーを、より高い含有量で含有している。バルク出荷が有益であるエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの商業的製造の場合、低密度ソフトブロックは、ペレットの大規模生産及び貯蔵を制限する制約である。多くの用途は、低密度ソフトブロック(より多くのオクテンが組み込まれている)から利益を得ることができるが、既存のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマー系は、不十分な固体の取扱い性に起因して制限される。
【0002】
当技術分野は、増加したソフトセグメントのオクテン組み込み及び改善された固体取扱い性能、具体的には改善された(より低い)非拘束降伏強度を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーに関するニーズを認識している。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態では、プロセスは、125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを、(i)式(III)の構造を有する第1の重合触媒と、式(I)の構造を有する第2の重合触媒と、(iii)鎖シャトリング剤と、を含む触媒系と接触させることを含む。プロセスは、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。
【0004】
本開示は、プロセスによって生成された生じた組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含む。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】TGIC温度較正のための溶出温度の外挿を示している図である。実線は実験データである。破線は、2つの等温ステップの溶出温度の外挿である。
図2】オクテン重量%に対するシングルサイト触媒によって作製されたエチレン-オクテンコポリマーの溶出ピーク温度(Tp)の相関を示しているグラフである。高温熱勾配相互作用クロマトグラフィー(Thermal Gradient Interaction Chromatography、TGIC)は、参照により本明細書に組み込まれる参照文献に従って測定される(Cong et al.,Macromolecule,2011,44(8),3062-3072)。オクテン含有量は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,608,668号に開示されているように、13C NMRによって測定される。
図3】漏斗流速(funnel flow、FF)のための試験装置の概略図である。FF試験装置は、シリンダ(直径4.15インチ)に取り付けられた急勾配のガラス漏斗を含む。円筒形セクションは、実質的な量のペレットを試験することができるように、必要な容量を提供する。
図4】本開示の一実施形態に従う本発明の実施例及びエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの比較試料に関するソフトセグメント溶融温度(soft segment melting temperature、SS-Tm)の関数としての高温熱勾配相互作用クロマトグラフィー(TGIC)の第2のピーク温度(Tp2)を示しているグラフである。
図5】本開示の一実施形態に従う本発明の実施例1に関する第1のピーク温度(Tp1)及び第2のピーク温度(Tp2)を示しているTGIC曲線である。
図6】本開示の一実施形態に従う本発明の実施例1に関するソフトセグメント溶融ピークを示しているDSC加熱曲線である。
図7】本開示の一実施形態に従うエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの本発明の実施例及び比較試料に関する正規化されたOOOトライアドの関数としてのソフトセグメント溶融温度(SS-Tm)を示しているグラフである。
図8】本開示の一実施形態に従う本発明の実施例及びエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの比較試料に関する正規化されたOOOトライアドの関数としてのガラス転移温度(glass transition temperature、Tg)を示しているグラフである。
【0006】
定義
元素周期表への任意の参照は、CRC Press,Inc.,1990-1991によって出版されたものへの参照である。この表での元素群への参照は、群に番号を付けるための新しい表記法によるものである。
【0007】
米国特許実務を目的として、参照される特許、特許出願、又は刊行物の内容は必ず、内容全体が、特に定義の開示、及び当技術分野における一般的な知識に関して(本開示において具体的に提供される定義に決して矛盾しない程度に)、参照により本明細書に組み込まれる(又は、刊行物の相当する米国特許出願が同じように参照により組み込まれる)。
【0008】
本明細書に開示されている数値範囲は、下限値及び上限値を含む、下限値から上限値のすべての値を含む。明示的な値(例えば、1又は2、又は3~5、又は6、又は7)を含有する範囲の場合、任意の2つの明示的な値の間のあらゆるサブ範囲(例えば、上記の1~7の範囲には、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6などのサブ範囲が含まれる)が含まれる。
【0009】
反対の記載がない限り、文脈から暗示的でない限り、すべての部分及びパーセンテージは、重量に基づき、すべての試験方法は、本開示の出願日時点で最新のものである。
【0010】
本明細書で使用される「ブレンド」又は「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。そのようなブレンドは、混和性(分子レベルで相分離しない)であってもなくてもよい。そのようなブレンドは、相分離していても、していなくてもよい。このようなブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、及び当技術分野において既知の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン構成を含んでいても、いなくてもよい。
【0011】
「組成物」という用語は、組成物を含む材料の混合物、並びに組成物の材料から形成された反応生成物及び分解生成物を指す。
【0012】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する」という用語、及びそれらの派生語は、それが具体的に開示されているかどうかにかかわらず、任意の追加の成分、ステップ、又は手順の存在を除外することを意図しない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求されるすべての組成物は、反対の記載がない限り、ポリマーであろうとなかろうと、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除き、あらゆる続く記述の範囲からあらゆる他の成分、ステップ、又は手順を除く。「からなる」という用語は、明確に描写又は列挙されていない任意の成分、ステップ、又は手順を除外する。「又は」という用語は、特に明記しない限り、列挙されたメンバーを個別に、並びに任意の組み合わせで指す。単数形の使用は複数形の使用を含み、その逆もまた同様である。
【0013】
「エチレン系ポリマー」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント(重量%)を超える重合エチレンモノマーを含有し、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含有し得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマー、及びエチレンコポリマー(エチレン及び1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」及び「ポリエチレン」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0014】
「インターポリマー」は、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されるポリマーである。この総称は、2つの異なるモノマーから調製されたポリマー、及び3つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えばターポリマー、テトラポリマーなどを指すために通常用いられるコポリマーを含む。
【0015】
「オレフィン系ポリマー」又は「ポリオレフィン」は、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセントを超える重合オレフィンモノマーを含有するポリマーであり、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含み得る。オレフィン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン系ポリマー又はプロピレン系ポリマーが挙げられる。
【0016】
「ポリマー」は、同一のタイプ又は異なるタイプであるかに関わらず、重合形態でポリマーを構成する複数の及び/若しくは繰り返しの「単位」又は「mer単位」を提供するモノマーを重合することによって調製される化合物である。したがって、一般的なポリマーという用語は、ただ1つのタイプのモノマーのみから調製されるポリマーを指すために通常使用されるホモポリマーという用語と、少なくとも2つのタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために通常使用されるコポリマーという用語と、を包含する。それはまた、例えば、ランダム、ブロックなどのすべての形態のコポリマーを包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」及び「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれ、エチレン又はプロピレンと、1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマーとを重合することから調製された上述のコポリマーを示す。ポリマーは、多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「で作製され」、特定のモノマー又はモノマータイプに「基づいて」、特定のモノマー含有量を「含有する」などと称されるが、この文脈では、「モノマー」という用語は、特定のモノマーの重合残基を指し、非重合種を指すものではないと理解されることに留意されたい。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものを指す。
【0017】
試験法
13C NMR
13C核磁気共鳴(13C nuclear magnetic resonance、NMR)試料は、テトラクロロエタン-d/0.025MのクロムアセチルアセトネートCr(AcAc)を含有するオルトジクロロベンゼン(又は0.025MのCr(AcAc)を含有するテトラクロロエタン-d)の50/50(w:w)混合物約2.7gを、10mmNMR管中にある0.2gのポリマー試料に添加することによって、調製される。窒素で管ヘッドスペースをパージすることにより、試料から酸素を除去する。次いで、加熱ブロック及びヒートガンを使用して、管及びその内容物を約135℃に加熱することにより、試料を溶解し、均質化する。各溶解試料を目視検査して均質性を確認する。
【0018】
13C NMRデータを、Bruker 400MHz又は600MHz分光計のいずれかで10mmの凍結プローブを使用して収集する。データは、120℃の試料温度で、7.3秒パルス反復遅延、90度フリップ角、及び逆ゲート付きデカップリングを使用して取得する。測定はすべて、試料を回転させない、ロックモードで行う。試料は、データ取得前に7分間熱平衡化させる。13C NMR化学シフトは30.0ppmでのEEEトライアドを内部参照とする。
【0019】
コモノマー含有量は、参考文献からの割り当て(Liu,W.;Rinaldi,P.L.;McIntosh,L.H.;and Quirk,R.P.;Macromolecules,34,2001,4757-4767)及び積分した13C NMRスペクトルを使用して、ベクトル方程式s=fM(式中、Mは割り当て行列であり、sはスペクトルの行ベクトル表現であり、fはモル分率の組成ベクトルである)を解き、決定する。fの要素は、エチレン(E)及びオクタン(O)のすべての順列を伴うE及びOのトライアドであるとする。割り当て行列Mは、fにおける各トリアッドに対して1つの行と、積分されたNMR信号の各々の列とで作成する。行列の要素は、割り当てを参照することによって決定された整数値である(Liu,W.;Rinaldi,P.L.;McIntosh,L.H.;and Quirk,R.P.;Macromolecules,34,2001,4757-4767)。この方程式は、sと各試料の積分された13Cデータとの間の誤差関数を最小にするために必要なfの要素の変化によって解く。これは、Solver機能を使用することによって、Microsoft Excelで実行する。
【0020】
EOE/1000C、EOO(OOE)/1000C及びOOO/1000Cは、最初に8~46ppmからの積分値を1000に設定し、次いで、EOEについては38.2ppm付近のメチンピーク積分値を測定し、EOO(OOE)については35.9ppm付近のメチンピーク積分値を測定し、OOOについては33.7ppmのメチンピーク積分値を測定する。総O/1000Cは、EOE/1000C+EOO(OOE)/1000C+OOO/1000Cと定義する。「1000C」という用語は、1000個の炭素原子であり、「/1000C」という用語は、1000個の炭素原子当たりである。「パーセントOOO」(又は「OOO%」)は、OOO%=100(OOO/1000C)/(総O/1000C)と定義される。「正規化OOO含有量」(Norm OOO)は、(OOO%)/(NMR Oモル%)と定義する。
【0021】
密度を、ASTM D792、方法Bに従い測定する。結果を、1立方センチメートル当たりのグラム単位(g/cc)で記録する。
【0022】
示差走査熱量測定法(Differential scanning calorimetry、DSC)
示差走査熱量測定(DSC)を使用して、広範囲にわたる温度のポリマーの溶融、結晶化、及びガラス転移挙動を測定し得る。例えば、refrigerated cooling system、RCS(冷蔵冷却システム)及びオートサンプラを備えるTA Instruments Discovery DSCを使用して、この分析を実施する。試験中、50mL/分の窒素パージガス流量を使用する。各試料を約190℃で溶融圧縮して薄膜にし、次いで、溶融した試料を室温(約25℃)まで空冷する。3~10mg、直径6mmの試験片を冷却したポリマーから抽出し、秤量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)内に置き、圧着して閉じる。次いで、その熱特性を決定するために分析を行う。
【0023】
試料の熱挙動は、試料温度を昇降して熱流対温度のプロファイルを作成することにより決定される。まず、試料を、180℃まで急速に加熱し、その熱履歴を除去するために5分間等温に保持する。次いで、試料を、10℃/分の冷却速度で-90℃まで冷却し、5分間、-90℃で等温保持する。次いで、試料を、10℃/分の加熱速度で150℃まで加熱する(これは「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線及び第2の加熱曲線を記録する。
【0024】
ソフトセグメント溶融温度SS-Tmは、DSCの第2の加熱曲線から決定される。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、典型的には、2つの溶融ピークを有し、ソフトセグメント及びハードセグメントの各々に関連する1つの溶融ピークを有する。SS-Tmは、図6に示すように、より低い温度のピークと関連している。いくつかのブロックコポリマーでは、ソフトセグメントの溶融と関連しているピークは、ベースライン上の小さなこぶ(又はバンプ)であり、ピーク最大値を割り当てるのは難しい。その難しさは、通常のDSCプロファイルを、以下の方法を使用して加重DSCプロファイルに変換することによって、克服することができる。DSCでは、熱流は、特定の温度で溶融する材料の量と、温度に左右される比熱容量に依存する。直鎖状低密度ポリエチレンの溶融レジーム(melting regime)における比熱容量の温度依存性は、融解熱(heat of fusion)の増加をもたらし、コモノマー含有量を減少させる。すなわち、融解熱の値は、コモノマー含有量の増加に伴って結晶性が低下するにつれて次第に低くなる。参照により全体が本明細書に組み込まれるWild,L.Chang,S.;Shankernarayanan,M J.Improved method for compositional analysis of polyolefins by DSC.Polym.Prep 1990;31:270-1を参照されたい。直鎖状コポリマーに関して予想される融解熱対温度依存性融解熱(ΔH(T))の比率をとることによるDSC曲線における所与の点(グラム当たりのワット数で表した熱流及び摂氏で表した温度で定義される)について、DSC曲線は、重量依存性分布曲線に変換することができる。第2の加熱曲線は、-30℃及び135℃で熱流間に線形ベースラインを引くことによって補正されたベースラインである。次いで、温度依存性融解熱曲線は、2つの連続するデータ点間の積分された熱流の合計から計算することができ、次いで累積エンタルピー曲線によって全体的に表され得る。所与の温度での直鎖状エチレン/オクテンコポリマーについての融解熱間の予想される関係は、融解熱対溶融温度曲線によって示される。ランダムなエチレン/オクテンコポリマーを使用すると、直鎖状コポリマーの予想される融解熱、ΔH直鎖状コポリマー、及び溶融温度T(単位℃)についての以下の関係を得ることができる。
【0025】
【数1】
【0026】
各積分データ点について、所与の温度で、累積エンタルピー曲線からのエンタルピー対その温度での直鎖状コポリマーの予想される融解熱の比率をとることによって、画分重量(fractional weight)をDSC曲線の各点に割り当てることができる。本方法は、エチレン/オクテンコポリマーに適用可能であるが、他のポリマーに適合させることができる。ソフトセグメントTmは、エンタルピー画分重量対温度曲線における最大の位置として割り当てられる。
【0027】
ガラス転移温度Tgは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,278-279(Edith A.Turi ed.,2d ed.1997)に記載されているように、試料の半分が液体の熱容量を獲得したDSCの第2の加熱曲線から決定される。ガラス転移領域の下及び上からベースラインを引き、Tg領域を通して外挿する。試料の熱容量がこれらのベースラインの中間となる温度が、Tgである。
【0028】
ポリマーの融点Tmは、DSC加熱曲線における最大熱流に対応する温度として決定される。
【0029】
弾性回復
100%及び300%のヒステリシスを、Instron(商標)機器を用いて、ASTM D 1708微小引張試験片を使用して、100%ひずみ及び300%ひずみへの繰り返し荷重から決定する。試料は、21℃で3サイクルにわたって267%/分で負荷及び除荷する。300%ひずみ繰り返し実験では、第1の除荷サイクルからの150%ひずみでの収縮応力を記録する。すべての実験についての回復パーセントは、荷重がベースラインに戻るときのひずみを使用して、第1の除荷サイクルから計算する。弾性回復パーセントは、次のように定義する。
【0030】
【数2】
式中、εは、周期的な荷重に対して使用されるひずみであり、εは、第1の除荷サイクル中に荷重がベースラインに戻る場合のひずみである。
【0031】
漏斗流速
漏斗流速、又は「FF」試験は、ペレット対ペレットの粘着性を定量化する。この試験は、粒子間相互作用(粘着性)を増加させると、急勾配漏斗からの排出速度が低下するという基本的な概念に基づいている。排出速度の変化は、ポリマーペレットの表面特性(すなわち、粘着性)の変化と関連付けることができる。
【0032】
試験装置(図3参照)は円筒(直径4.15インチ)に取り付けられた急勾配のガラス漏斗からなる。円筒形部分は必要な容量を提供し、その結果かなりの量のペレットを試験することができ、そして小さな値の排出時間を区別する問題を回避することができる。統計的な目的で試験を5回繰り返した。
【0033】
ペレットの排出速度は、「受け取ったままの」市販の参照物質で測定し、本発明の実施例(ペレット)は、測定前にタルクコーティングした。ペレットを、所定の保管温度で所定の期間、コンディショニングした。ペレットを、42℃で3週間、「熱処理」又は「エージング」した。コンディショニングしたペレットを21℃で一晩冷却して一定の温度にした。
【0034】
上で考察したように、ポリマー(約2500g、ペレット形態、1グラム当たり30±10個のペレット)を、42℃で3週間オーブンで熱処理した。ポリマーをオーブンから回収し、21℃で12時間冷却した。漏斗にポリマーペレット(2500g)を充填し、漏斗からペレットが完全に排出されるまでの時間を測定し、排出速度を以下の方程式を用いて計算した。
【数3】
【0035】
漏斗流速は、ペレットの粘着性の指標であり、1秒当たりのグラム数(g/秒)で報告される。120g/秒の流動性は、ポリマーペレットの許容し得る取扱い特性を達成するのに所望される最小流量であると決定された。しかしながら、ポリマーペレットのより良好な取扱い性のためには更に高い速度が好ましい。より高いペレット流動性値は、より易流動性で粘着性の低いペレットに対応する。
【0036】
タルクによるペレットコーティング
コーティングしようとするペレットを、Ziplocの袋の中に入れる。袋のサイズは、適切な混合を確実にするために、ペレットでほぼ半分が満たされるぐらいのサイズである。以下の方程式を使用して、ペレットを所望のppmレベルにコーティングするために必要なコーティング剤(タルク)の量を計算する。
コーティング材料の重量(gm)=ペレットの重量(gm)×所望のコーティングレベル(ppm)/1,000,000
【0037】
小数点以下4桁の天びんを使用してコーティング材料の量を秤量し、4等分にする。第1の部分(コーティング材料の1/4)をとり、Ziplocの袋の中にあるペレットの表面に振りかける。袋を空気で充填し、ペレットを前後に激しく揺らすことによってペレットを30秒間十分に混合する。3つの残りの部分の各々について繰り返す。
【0038】
高温熱勾配相互作用クロマトグラフィー(TGIC)。
【0039】
市販の結晶化溶出分別装置(Crystallization Elution Fractionation instrument、CEF)(Polymer Char,Spain)を使用して、高温熱勾配相互作用クロマトグラフィー(high temperature thermal gradient interaction chromatography、HT-TGIC又はTGIC)測定を行った(Cong,et al.,Macromolecules,2011,44(8),3062-3072.)。CEF機器には、IR-4検出器又はIR-5検出器のいずれかを装備する。黒鉛は、HT TGICカラムの固定相として使用されている(Freddy,A.Van Damme et al.、米国特許第8,476,076号、Winniford et al.、米国特許第8,318,896号)。分離には単一の黒鉛カラム(250×4.6mm)を使用した。グラファイトは、欧州特許第2714226(B1)号に開示されているように、乾燥パッキング技術、続いてスラリーパッキング技術を使用してカラムに充填される。前述の欧州特許の内容は参照により本明細書に組み込まれる。実験パラメータは次のとおりであった:トップオーブン/移送ライン/針温度150℃、溶解温度150℃、溶解撹拌設定2、ポンプ安定化時間15秒、カラム洗浄のためのポンプ流量0.500mL/m、カラム充填のポンプ流量0.300mL/分、安定化温度150℃、安定化時間(前、カラムへの充填前)2.0分、安定化時間(後、カラム充填後)1.0分、SF(可溶性画分)時間5.0分、150℃から30℃への冷却速度3.00℃/分、冷却プロセスの間の流量0.04mL/分、30℃から160℃への加熱速度2.00℃/分、等温時間160℃で10分間、溶出流量0.500mL/分、及び注入ループサイズ200マイクロリットル。
【0040】
冷却プロセスの間の流量は、すべてのポリマー画分が冷却サイクルの終わりにカラム上に必ず残留するように、黒鉛カラムの長さに従って調節する。
【0041】
試料は、PolymerCharオートサンプラにより150℃で120分間、ODCB(以下に定義)中4.0mg/mlの濃度で調製した。シリカゲル40(粒径0.2~0.5mm、カタログ番号10181-3、EMD)を使用前に約2時間、160℃の真空オーブン中で乾燥させた。2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール(1.6グラム、BHT、カタログ番号B1378-500G、Sigma-Aldrich)及びシリカゲル40(5.0グラム)を、2リットルのオルト-ジクロロベンゼン(ODCB、99%無水グレード、Sigma-Aldrich)に添加した。N2パージ能力を有するオートサンプラを備えたCEF装置の場合、シリカゲル40を、3本の300×7.5mmのGPCサイズのステンレス鋼カラムに充填し、シリカゲル40カラムをCEF装置のポンプの入口に取り付けて、ODCBを乾燥させる。また、BHTは移動相に全く添加しない。ここで、この「BHT及びシリカゲルを含有するODCB」、又はシリカゲル40で乾燥させたODCBを、「ODCB」と称することにする。TGICデータは、PolymerChar(Spain)の「GPC One」ソフトウェアプラットフォームで処理した。温度較正は、約4~6mgのエイコサンと、14.0mgのイソタクチックホモポリマーポリプロピレン(「isotactic homopolymer polypropylene、iPP」)との混合物を用いて行い(3.6~4.0の多分散性、150,000~190,000のポリエチレン当量として報告された分子量Mw、及び3.6~4.0の多分散性(Mw/Mn)、iPPのDSC溶融温度は158~159℃と測定された(本明細書において以下で説明したDSC法)。7.0mLのODCBを充填した10mLバイアル中における14.0mgのホモポリマーポリエチレンHDPE(コモノマー含有量ゼロ、ポリエチレン当量として報告された重量平均分子量(Mw)115,000~125,000、及び多分散性2.5~2.8)。溶解時間は160℃で2時間であった。
【0042】
較正プロセス、エイコサン及びHDPEの溶液を使用する。30℃~150℃の範囲の溶出温度の場合、プロセスは以下のステップからなる。
1.加熱速度に応じて溶出中の各等温ステップの溶出温度を外挿する(図1に示した)。
2.遅延量を計算する。エイコサンピークの最大値(y軸)が30.0℃の溶出温度と一致するように、IR測定チャンネルクロマトグラム(y軸)に対応する温度(x軸)をシフトする。遅延量は、温度差(30℃-エイコサンピーク最大値の実際の溶出温度)をメソッドの加熱速度で割ってから溶出流量を掛けて計算する。
3.これと同じ遅延量調整で、記録した各溶出温度を調整する。
4.観察されたHDPE参照物質が150.0℃の溶出ピーク最高温度を有する一方、エイコサン溶出ピーク最高温度が30.0℃に維持されるように、加熱速度を直線的に増減する。
【0043】
少なくとも20のエチレンオクテンランダムコポリマーは、36,000~150,000の範囲のMw(エチレン当量平均分子量)と、2.0~2.2の多分散性とを有するシングルサイト触媒で作製されている。各エチレンオクテンコポリマーの測定された溶出ピーク温度(Tp)及びコポリマーのオクテン含有量(重量%)は、図2に明示された相関に従う。
【0044】
HT-TGICのポリマー試料についてのデータ処理を以下に記載する。
【0045】
溶媒ブランク(純粋溶媒注入)をポリマー試料と同じ実験条件で実行した。ポリマー試料のデータ処理には、較正の加熱速度から計算された、各検出器チャンネルの溶媒ブランクの減算、較正プロセスで説明されている温度外挿、較正プロセスで測定された遅延量による温度の補正、及び溶出温度軸の30℃~160℃の範囲への調整が含まれる。
【0046】
クロマトグラム(IR-4検出器又はIR-5検出器の測定チャンネル)は、PolymerChar「GPC One」ソフトウェアで積分した。ピークが、高溶出温度で平らなベースライン(ブランク減算クロマトグラムではおおよそゼロの値)に、及び可溶性画分(soluble fraction、SF)の高温側の検出器シグナルの最小又は平らな領域に落ちるとき、可視的差異から直線のベースラインを引いた。本開示のいくつかのエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの場合、TGICクロマトグラムは、図5に例示したような3つのピークを含有する。Tp1は、最高温度溶出ピークのピーク最大値に対応する溶出温度である。Tp2は、第2の最高温度溶出ピークのピーク最大値に対応する溶出温度である。
【0047】
DSC法を使用して、HT-TGICで明示したホモポリマーポリプロピレンの溶融温度を測定する。
【0048】
融点は、示差走査熱量計(DSC)を使用して決定する。線状ベースラインに関する最大熱流量での温度を融点として使用した。線状ベースラインは、(ガラス転移温度を超える)溶融開始から及び溶融終了までで構築する。温度を、10℃/分で室温から200℃に上げ、5分間200℃に維持し、10℃/分で0℃に下げ、5分間0℃に維持した後、温度を、10℃/分で0℃から200℃まで上げ、データをこの第2の加熱サイクルから得る。
【0049】
トリプル検出器GPC(Triple Detector GPC、TD-GPC)
トリプル検出器ゲル浸透クロマトグラフィー(triple detector gel permeation chromatography、TD-GPC)のためのクロマトグラフィーシステムは、内部IR5赤外線検出器(internal IR5 infra-red detector、IR5)を備えたPolymerChar GPC-IR(Valencia,Spain)高温GPCクロマトグラフで構成されていた。オートサンプラのオーブンコンパートメントは、160℃に設定し、カラムコンパートメントは、150℃に設定した。カラムには、4本のAgilent「Mixed A」30cm 20ミクロン線形混合床カラム及び20umのプレカラムを使用した。使用したクロマトグラフィー溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼンであり、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)を含有していた。溶媒源は、窒素スパージした。使用した注入体積は200マイクロリットルであり、流速は1.0ミリリットル/分であった。
【0050】
GPCカラムセットの較正は、580~8,400,000の範囲の分子量を有する21の狭分子量分布ポリスチレン標準を用いて行い、それらの標準は、個々の分子量の間が少なくとも10倍離れた6つの「カクテル」混合物として準備した。標準は、Agilent Technologiesから購入した。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量の場合は溶媒50ミリリットル中に0.025グラムで、1,000,000未満の分子量の場合は溶媒50ミリリットル中に0.05グラムで調製した。ポリスチレン標準は、摂氏80度において、30分間、穏やかに撹拌して溶解させた。ポリスチレン標準ピーク分子量は、方程式1を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のとおり):
ポリエチレン=A×(Mポリスチレン (方程式1)
式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい。
【0051】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン等価較正点にあてはめた。Aに対してわずかな調整(約0.375~0.445)を行い、カラム分解能及びバンド拡張効果を、線状ホモポリマーポリエチレン標準物質が120,000Mwで得られるように補正した。
【0052】
GPCカラムセットの合計プレート計数は、デカン(50ミリリットルのTCB中0.04gで調製し、穏やかに撹拌しながら20分間溶解した)を用いて行った。プレート計数(方程式2)及び対称性(方程式3)を、以下の方程式に従って、200マイクロリットル注入に関して測定した。
【0053】
【数4】
式中、RVはミリリットルでの保持体積であり、ピーク幅はミリリットルであり、ピーク最大値はピークの最大位置であり、1/10の高さはピーク最大値の1/10の高さであり、リアピークはピーク最大値よりも後の保持体積でのピークテールを指し、フロントピークはピーク最大値よりも早い保持体積でのピーク前部を指す。クロマトグラフィーシステムのプレート計数は、18,000超であるべきであり、対称性は、0.98~1.22の間であるべきである。
【0054】
試料は、PolymerChar「Instrument Control」Softwareを用いて半自動の様式で調製した。試料は、2mg/mLを標的重量とし、溶媒(200ppmのBHTを含有)は、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付きバイアルに添加した。試料は、「低速」振とうしながら摂氏160度で2時間溶解した。
【0055】
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアと、等間隔の各データ収集点(i)においてベースラインを差し引いたIRクロマトグラムと、方程式1からの点(i)における狭い標準較正曲線から得られたポリエチレン等価分子量とを使用して、方程式4~6に従うPolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャンネル)を使用して、GPC結果に基づいて計算した。
【0056】
【数5】
【0057】
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して、各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(flowrate marker、FM)は、試料中のそれぞれのデカンピーク(RV(FM試料))のRVを、狭い標準較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークのそれと整合することによって、各試料のポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に補正するために使用された。こうして、デカンマーカーピークの時間におけるいかなる変化も、流量(流量(有効))における線形シフトに関連すると推測される。流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進するために、最小二乗フィッティングルーチンを使用して、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に適合させる。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して真のピーク位置を求める。流量マーカーのピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に対する)有効流量は、方程式7のように計算される。流量マーカーピークの処理は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアにより行った。許容される流量補正では、有効流量が、見かけ流量の+/-1%以内であるべきである。
流量(有効)=流量(見かけ)(RV(FM較正済み)/RV(FM試料)) (方程式7)
【0058】
g/10分でのメルトインデックス(Melt index、MI)(I2)は、ASTM D1238(190℃/2.16kg)に従って測定される。
【0059】
非拘束降伏強度(ブロッキング試験)
特異的ブロッキング試験を、本発明の実施例(Inventive Example、IE)1、2、及び4、並びに比較試料(comparative sample、CS)CS B(INFUSE 9507)、CS D(INFUSE 9107)及びCS G(INFUSE 9817)に対して行って、それらの抗集塊挙動(anti-massing behavior)を評価する。ブロッキング試験は、所定の持続時間にわたって、既知のストレスレベル及び温度で、圧密されたペレット塊の強度を測定するために、次の手順に従って実施する。ホースクランプによって一緒に保持された2つの半体から構成された直径2インチのシリンダーを使用する。薄いテフロンシートをセルに挿入して、シリンダー壁をライニングし、それによって壁摩擦を最小限に抑える。60~150グラム量のペレット試料をシリンダーに注ぐ。装填中にシリンダーの側壁を穏やかに叩いて固体を沈降させる。2インチのTEFLON(登録商標)円形シートを分銅荷重上に置く。試験荷重、温度、及び試験持続時間を、比較的過酷な輸送又は保管条件をシミュレートするように設定する。分銅荷重をシート上に置き、シリンダーを37℃のオーブン中に所定の間隔で置く。4.5ポンドの荷重を使用して、195lbf/ftの圧力をシミュレートする。試験間隔の後、荷重を取り除き、シリンダーを周囲条件で少なくとも12時間冷却する。次いで、試料をシリンダーから取り出す。非拘束降伏強度(unconfined yield strength、UYS)は、圧縮モードでINSTRON(登録商標)引張機を使用して測定され、その結果は、1平方フィート当たりのポンド(lb/ft)で報告される。
【0060】
圧密した試料のペレットが完全に自由流動性である場合、ペレットは円柱の形を保持せず、単純に山に集まる。圧密したペレットの塊がシリンダーの形を保持している場合、INSTRONマシンを使用して、シリンダーを押しつぶすのに必要な最大力を測定した。圧密ペレットを、INSTRONフレームを使用して粉砕して、圧密ペレットの「シリンダー形態」を破壊するのに必要な最大力を測定した。圧密ペレットを、INSTRON内で垂直方向に配置した(より長い寸法が垂直方向である)。このテストでは、2mm/分の一定のひずみ速度(室温)が使用された。データの一貫性を確保するために、各組成物(コーティングされたペレット)を2回測定し、平均を報告した。
【0061】
非拘束降伏強度(UYS)は、次のように計算された。
UYS(lb/ft)=ピーク力/シリンダーの断面積。
【0062】
UYSはブロック力の指標である(非拘束降伏強度が大きいほど、ブロック力が大きくなる)。ゼロの値は、自由流動性のペレットに対応している。
【0063】
XRF
X線蛍光(X-ray fluorescence、XRF)は、Spectro-Asoma(Marble Falls,TX)Phoenixエネルギー分散型XRF分光計を使用して実施した。分光計は、MoアノードX線管、30kV電源、Mo(2ミル厚)管フィルター、1ミル厚のBeウィンドウを有する気ネオン密閉ガス比例検出器、及びオペレーティングソフトウェアのバージョン220を備えていた。分光計を使用して、試料及び標準に関するZn Kα特性X線強度及びX線管後方散乱強度を得た。Phoenix法検証で使用した運転条件を以下の表Aに列挙する。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーペレットを、ポリプロピレンフィルム(カタログ番号436)を取り付けた、Chemplex Industries,INC.から入手したXRF試料カップ(カタログ番号1730)に注いだ。カップにペレットを充填したが、ペレットがカップの上部より上にあるような過充填にはしなかった。フィルムを、提供されたリングでカップに固定し、ペレットを、清浄なリントフリーペーパータオルで覆った平坦な表面上で軽く叩いて落とした。Analytical SciencesのICP及びXRFに基づいて開発された較正を使用してデータを分析した。報告されたZn濃度値(百万分率、「parts per million、ppm」)は、/-10%以内であった。
【0064】
【表1】
【発明を実施するための形態】
【0065】
本開示は、プロセスを提供する。一実施形態では、プロセスを提供し、プロセスは、125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを触媒系と接触させることを含む。触媒系は、(i)第1の重合触媒と、(ii)第2の重合触媒と、(iii)鎖シャトリング剤と、を含む。第1の重合触媒は、式(III)の構造を有する。
【0066】
【化1】
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム又はハフニウムであり、
各Y及びYは、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ハロゲン、アルコキシド、若しくはアミンからなる群から独立して選択され、又は2つのY基は、一緒になって、二価のヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル若しくはトリヒドロカルビルシリル基であり、
各Ar及びArは、独立して、(C~C40)アリール、置換(C~C40)アリール、(C~C40)ヘテロアリール、及び置換(C~C40)ヘテロアリールからなる群から選択され、
は、出現ごとに独立して、Tが結合されている2つの酸素原子の間に架橋を形成する飽和C~Cアルキルであり、
各R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、及びR14は、独立して、水素、ハロゲン、(C~C40)ヒドロカルビル、置換(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、(C~C40)アリール、置換(C~C40)アリール、(C~C40)ヘテロアリール、及び置換(C~C40)ヘテロアリール、及びニトロ(NO)からなる群から選択される。
【0067】
第2の重合触媒(ii)は、式(I)の構造を有する。
【0068】
【化2】
式中、
Mは、チタン、ジルコニウム、又はハフニウムであり、
各Z及びZは、(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)トリヒドロカルビルシリルヒドロカルビル、ハロゲン、アルコキシド、若しくはアミンからなる群から独立して選択され、又は2つのZ基は、一緒になって、二価のヒドロカルビレン、ヒドロカルバジイル若しくはトリヒドロカルビルシリル基であり、
各Q及びQ10は、独立して、(C~C40)アリール、置換(C~C40)アリール、(C~C40)ヘテロアリール、及び置換(C~C40)ヘテロアリールからなる群から選択され、
各Q、Q、Q、Q、Q、及びQは、独立して、水素、(C~C40)ヒドロカルビル、置換(C~C40)ヒドロカルビル、(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、置換(C~C40)ヘテロヒドロカルビル、ハロゲン、及びニトロ(NO)からなる群から選択され、
各Q及びQは、独立して、(C~C40)アルキル、置換(C~C40)アルキル、及び[(Si)-(C+Si)40]置換オルガノシリルからなる群から選択され、
各Nは、独立して、窒素であり、
任意選択的に、Q1~5基のうちの2つ以上は、一緒に組み合わさって、環構造を形成することができ、そのような環構造は、いずれの水素原子も除いて環中に5~16個の原子を有し、
任意選択的に、Q6~10基のうちの2つ以上は、一緒に組み合わさって、環構造を形成することができ、そのような環構造は、いずれの水素原子も除いて環中に5~16個の原子を有する。
【0069】
触媒系はまた、鎖シャトリング剤(iii)も含む。プロセスは、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。
【0070】
プロセスは、125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを触媒系と接触させることを含む。本明細書で使用される「重合条件」という用語は、エチレン及びオクテンが触媒系の存在下で共重合されるプロセスパラメータを指す。重合条件としては、例えば、重合反応器条件(反応器タイプ)、反応器圧力、反応器温度、試薬及びポリマーの濃度、溶媒、担体、滞留時間及び分布、分子量分布及びポリマー構造に影響を与えるものが挙げられる。本明細書で使用される重合条件という用語は、125℃を超える重合温度を含む。
【0071】
一実施形態では、重合条件は、130℃~170℃、又は130℃~160℃、又は140℃~150℃の温度を含む。
【0072】
プロセスは、125℃を超える温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを触媒系と接触させることを含む。触媒系は、(i)式(III)の第1の重合触媒(上記)、(ii)式(I)の第2の重合触媒(上記)、及び(iii)鎖シャトリング剤を含む。
【0073】
触媒系は、鎖シャトリング剤を含む。本明細書で使用される「鎖シャトリング剤」は、重合条件下で様々な活性触媒部位間にポリメリル移動を引き起こすことができる化合物を指す。すなわち、ポリマーフラグメントの移動は、容易かつ可逆的な様式で、活性触媒部位へ及び活性触媒部位からの両方で起こる。シャトリング剤又は鎖シャトリング剤とは対照的に、いくつかの主族アルキル化合物のような単に「連鎖移動剤」として作用する薬剤は、例えば、連鎖移動剤上のアルキル基を触媒上の成長中のポリマー鎖と交換することができ、これは一般にポリマー鎖の成長の停止をもたらす。この場合、主族中心は、鎖シャトリング剤が行うような様式で、触媒部位との可逆的移動に関与するのではなく、死んだポリマー鎖の貯蔵所として作用し得る。望ましくは、鎖シャトリング剤とポリメリル鎖との間に形成された中間体は、この中間体と他の任意の成長ポリメリル鎖との間の交換に対して十分に安定ではなく、したがって連鎖停止は比較的まれである。
【0074】
プロセスは、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。「エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー」という用語は、重合形態にあるエチレン及びオクテンコモノマーからなるコポリマーであり、そのポリマーは、化学的又は物理的特性が異なる2つの重合モノマー単位(すなわち、エチレン及びオクテン)の複数のブロック又はセグメントによって特徴付けられ、そのブロックは、直鎖状の様式で結合(又は共有結合)しており、すなわち、ポリマーは、重合エチレン性官能基に関して端部同士で結合している化学的に区別された単位を含む。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーとしては、2つのブロック(ジブロック)及び3つ以上のブロック(マルチブロック)を有するブロックコポリマーが挙げられる。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、スチレンを含まない、そうでなければ除外している(すなわち、スチレンフリー)、及び/又はビニル芳香族モノマー、及び/又は共役ジエンを含まない、そうでなければ除外している。コポリマー中の「エチレン」又は「オクテン」又は「コモノマー」の量を指す場合、それは、その重合単位を意味していることが理解される。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、次の式(AB)nによって表すことができ、式中、nは、少なくとも1であり、好ましくは1を超える整数、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、又はそれ以上であり、「A」は、ハードブロック又はセグメントを表し、「B」は、ソフトブロック又はセグメントを表す。A及びBは、実質的に分岐又は実質的に星形の方式とは対照的に、実質的に線状方式で、又は線状様式で、連結又は共有結合される。他の実施形態では、Aブロック及びBブロックは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布される。言い換えれば、ブロックコポリマーは、通常、次のような構造を有さない:AAA-AA-BBB-BB。一実施形態では、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、異なるコモノマーを含む第3のタイプのブロックを有さない。別の実施形態では、ブロックA及びブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマー又はコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、残りのブロックとは実質的に異なる組成を有する先端セグメントなどの別個の組成の2つ以上のサブセグメント(又はサブブロック)を含まない。
【0075】
エチレンは、全エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの大部分のモル分率を構成する。エチレンは、全エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの少なくとも50モル%(mol%)を構成する。一実施形態では、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの総モルに基づいて、50モル%、又は60モル%、又は65モル%~80モル%、又は85モル%、又は90モル%、又は95モル%のエチレンと、相対量のオクテン、又は5モル%、又は10モル%、又は15モル%、又は20モル%~35モル%、又は40モル%、又は50モル%未満のオクテンとを含有する。更なる実施形態では、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、5モル%~30モル%のオクテン(及び95モル%~70モル%のエチレン)、又は10モル%~25モル%のオクテン(及び90モル%~75モル%のエチレン)を含有する。
【0076】
エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、様々な量の「ハード」セグメント及び「ソフト」セグメントを含む。「ハード」セグメントは、重合単位のブロックであり、エチレンが、ポリマーの重量に基づいて、90重量%超、又は95重量%、又は95重量%超、又は98重量%超、最大100重量%の量で存在している。言い換えれば、硬質セグメント中のコモノマー含有量(エチレン以外のモノマーの含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、10重量%未満、又は5重量%、又は5重量%未満、又は2重量%未満であり、最低でゼロであり得る。いくつかの実施形態では、ハードセグメントは、エチレンに由来するすべての、又は実質的にすべての単位を含む。「ソフト」セグメントは、重合単位のブロックであり、コモノマー含有量(オクテンの含有量)は、ポリマーの重量に基づいて、5重量%超、又は8重量%超、又は10重量%超、又は15重量%超である。一実施形態では、ソフトセグメントのコモノマー含有量は、20重量%超、又は25重量%超、又は30重量%超、又は35重量%超、又は40重量%超、又は45重量%超、又は50重量%超、又は60重量%超であり、最大100重量%であり得る。
【0077】
ソフトセグメントは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー中において、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの総重量の、1重量%、又は5重量%、又は10重量%、又は15重量%、又は20重量%、又は25重量%、又は30重量%、又は35重量%、又は40重量%、又は45重量%~55重量%、又は60重量%、又は65重量%、又は70重量%、又は75重量%、又は80重量%、又は85重量%、又は90重量%、又は95重量%、又は99重量%で存在し得る。逆に、ハードセグメントは、同様の範囲で存在することができる。ソフトセグメントの重量百分率及びハードセグメントの重量百分率は、DSC又はNMRから得られたデータに基づいて計算することができる。かかる方法及び計算は、例えば、米国特許第7,608,668号公報に開示されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。特に、ハード及びソフトセグメントの重量パーセント及びソフトセグメントの溶融温度、SS-Tmは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,608,668号公報の第57欄~第63欄に記載されているように決定され得る。
【0078】
エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、直線状に結合(又は共有結合)した2つ以上の化学的に異なる領域又はセグメント(「ブロック」と称される)を含み、すなわち、それはペンダント又はグラフト化された様式ではなく、重合エチレン性官能基に関して端と端で結合している化学的に区別された単位を含有する。ブロックは、組み込まれたコモノマーの量若しくは種類、密度、結晶化度の量、そのような組成物のポリマーに起因し得る結晶子径、立体規則性の種類若しくは度合(アイソタクチック若しくはシンジオタクチック)、レジオ規則性若しくはレジオ不規則性、分枝の量(長鎖分枝若しくは超分枝を含む)、均質性、又は任意の他の化学的若しくは物理的特性が異なる。連続的なモノマー添加、流動触媒、又はアニオン重合技術によって生成されるインターポリマーを含む、従来技術のブロックインターポリマーと比較して、本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、一実施形態では、ポリマー多分散性(PDI又はMw/Mn又はMWD)、多分散ブロック長分布、及び/又はそれらの調製に使用される複数の触媒と組み合わせたシャトル剤の効果による多分散ブロック数分布の両方の独特の分布によって特徴付けられる。
【0079】
一実施形態では、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、連続プロセスで生成され、1.7~3.5、又は1.8~3、又は1.8~2.5、又は1.8~2.2の多分散指数(Mw/Mn)を有する。バッチ又はセミバッチプロセスで生成される場合、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、1.0~3.5、又は1.3~3、又は1.4~2.5、又は1.4~2のMw/Mnを有する。
【0080】
加えて、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、ポアソン分布ではなく、シュルツ・フロリー分布に適合するPDI(又はMw/Mn)を有する。本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、多分散ブロック分布と、ブロックサイズの多分散分布との両方を有する。これにより、改善された識別可能な物理的特性を有するポリマー生成物が形成される。多分散ブロック分布の理論上の利点は、Potemkin,Physical Review E(1998)57(6),pp.6902-6912、及びDobrynin,J.Chem.Phvs.(1997)107(21),pp.9234-9238において以前にモデル化され、考察されている。
【0081】
一実施形態では、本エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、ブロック長の最確分布を有する。
【0082】
プロセスは、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成する。
【0083】
一実施形態では、プロセスは、0.30~0.75、又は0.30~0.70、又は0.35~0.70の正規化OOO含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。
【0084】
一実施形態では、プロセスは、130℃~170℃の温度で、重合条件下、エチレン及びオクテンを触媒系と接触させることを含む。触媒系は、(i)ハフニウム、[[2’,2’’’-[1,4-ブタンジイルビス(オキシ-κO)]ビス[3-(9H-カルバゾール-9-イル)-5-(1,1-ジメチルノニル)-5’-フルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-オラト-κO]](2-)]ジメチル-であり、触媒1の構造
【0085】
【化3】
を有する第1の触媒と、
(ii)ハフニウム、ジメチルビス[N-(2-メチルプロピル)-6-(2,4,6-トリメチルフェニル)-2-ピリジンアミナト-κN1,κN2]であり、触媒2の構造
【0086】
【化4】
を有する第2の触媒と、
(iii)ジエチル亜鉛である鎖シャトリング剤と、を含む。プロセスは、ハードセグメント及びソフトセグメントを有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。ソフトセグメントは、-30℃~35℃、又は-30℃~30℃のソフトセグメント溶融温度(SS-Tm)を有し、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、第1のTGICピーク温度(Tp1)及び第2のTGICピーク温度(Tp2)を有し、式中、Tp2は、方程式(A)を満たす。
p2≦0.0068×(SS-Tm)+0.07×(SS-Tm)+73.2 方程式A
【0087】
本開示は、前述の重合プロセスから形成される組成物を提供する。一実施形態では、組成物は、0.25を超える正規化OOOトライアド含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを含む。
【0088】
一実施形態では、組成物は、0.30~0.75、又は0.30~0.70、又は0.35~0.70の正規化OOO含有量を有するエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを形成することを含む。
【0089】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーの総モルに基づいて、10モル%~30モル%のオクテン及び相対量のエチレン、又は90モル%~70モル%のエチレンを含む。
【0090】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、ハードセグメント及びソフトセグメントを有し、ソフトセグメントは、-30℃~35℃、又は-30℃~30℃のソフトセグメント溶融温度(SS-Tm)を有する。エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、第1のTGICピーク温度(Tp1)及び第2のTGICピーク温度(Tp2)を有し、式中、Tp2は、方程式(A)を満たす。
p2≦0.0068×(SS-Tm)+0.07×(SS-Tm)+73.2 方程式(A)
【0091】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、方程式(A)を満たし、125℃~150℃のTp1、及び54℃~96℃、又は68℃~90℃のTp2を有する。
【0092】
一実施形態では、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、-70℃~-55℃、又は-67℃~-57℃のガラス転移温度(Tg)を有する。
【0093】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、0.855g/cc~0.890g/ccの密度を有する。
【0094】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、115℃~125℃、又は118℃~123℃のTmを有する。
【0095】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンコポリマーは、0.1g/10分~35.0g/10分、又は0.5g/10分~32g/10分、又は1.0~17g/10分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0096】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、21℃で300%/分の変形速度で、50%、又は60%~70%、又は80%、又は90%の弾性回復(Re)を有する。
【0097】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、ブロックの多分散分布及びブロックサイズの多分散分布を有する。
【0098】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、2か月後に、21℃で、0lb/ftから200lb/ft未満への非拘束降伏強度(UYS)を有する。更なる実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、21℃で、2か月後に0lb/ft~200lb/ft未満の、又は2か月後に0lb/ft~100lb/ft未満の、又は2か月後に0lb/ft~50lb/ft未満の、又は2か月後に0lb/ft~10lb/ft未満の、又は2か月後に0lb/ft~5lb/ft未満の、又は2か月後に0超~5lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)を有する。
【0099】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、2か月後に、0℃で、0lb/ft~73lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)を有する。更なる実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、2か月後に、0℃で、0lb/ft~54lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)、又は2か月後に、0℃で、0lb/ftの非拘束降伏強度(UYS)を有する。
【0100】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、6週間後に、150g/秒超~200g/秒の漏斗流速を有する。
【0101】
一実施形態では、組成物のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、エチレン及びオクテンコモノマーのみからなり、以下の特性のうちの1つ、いくつか、又はすべてを有する。
(i)0.35~0.70の正規化OOOトライアド値、及び/又は
(ii)10モル%~30モル%のオクテン及び90モル%~70モル%のエチレン、及び/又は
(iii)-30℃~35℃、又は-30℃~30℃のSS-Tmであって、Tp2≦0.0068×(SS-Tm)+0.07×(SS-Tm)+73.2であるSS-Tm、及び/又は
(iv)125℃~150℃のTp1及び54℃~96℃、又は68℃~90℃のTp2、及び/又は
(v)-70℃~-55℃のTg、及び/又は
(vi)0.855g/cc~0.890g/ccの密度、及び/又は
(vii)115℃~125℃のTm、及び/又は
(viii)0.1g/10分~20.0g/10分のメルトインデックス(I2)、及び/又は
(ix)50%~90%の弾性回復(Re)、及び/又は
(x)1.7~3.5のMw/Mn、及び/又は
(xi)ブロックの多分散分布及びブロックサイズの多分散分布、及び/又は
(xii)2か月後に、21℃で、0lb/ft~5lb/ft未満の非拘束降伏強度(UYS)、及び/又は
(xiii)150~200g/秒を超える漏斗流速。
【0102】
本明細書に記載の本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、多くの用途に有用である。ペレットの取扱い性が改善され、ペレットがそれ自体に接着する傾向(粘着性(stickiness))が低いため、本明細書に開示される本エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、弾性フィルムのためのキャストフィルムなどのフィルム用途に有益である。改善された粘着度(tack)は、より低い全体密度、ソフトセグメントコモノマー含有量の増加、及び/又はより高いメルトフロー生成物を商業化することができ、それにより、例えば、キャストフィルムなどのフィルムにおけるより良好な弾性ヒステリシス及び収縮性挙動が提供される。
【0103】
本明細書に記載の本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーはまた、履物のミッドソール発泡体用途などの発泡体用途でも有用である。本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーから作製されたソール発泡体は、本発明のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーのソフトセグメント成分由来の改善された柔軟性及び改善された弾性反発を有する運動靴を提供する。
【0104】
限定するものではなく例として、本開示のいくつかの実施形態を、以下の実施例において詳述する。
【実施例
【0105】
以下の表1は、比較試料(CS)A及び本発明の実施例(IE)1~7を調製するために使用される触媒、助触媒、及び鎖シャトリング剤を提供する。
【0106】
【表2】
【0107】
CS A及びIE1~7の重合
反応環境に導入する前に、すべての原材料(エチレン及びオクテン)及びプロセス溶媒(狭い沸点範囲の高純度イソパラフィン溶媒、Isopar-E)を、モレキュラーシーブで精製する。水素は、高純度グレードとして加圧されて供給され、更には精製されない。反応器モノマー供給ストリームを、機械的圧縮機によって反応圧力より高い圧力に加圧する。溶媒及びコモノマーの供給は、ポンプを介して反応圧力超まで加圧される。個々の触媒成分は、精製された溶媒で、手動でバッチ希釈され、反応圧力超まで加圧される。すべての反応供給流を、質量流量計を用いて測定し、コンピュータにより自動化された制御システムによって独立して制御する。
【0108】
連続溶液重合反応器は、熱除去を伴う連続撹拌槽反応器(continuously stirred tank reactor、CSTR)を模倣する、液体充填非断熱式等温循環ループ反応器からなる。すべての新鮮な溶媒、モノマー、コモノマー、水素、及び触媒成分供給物の独立した制御が可能である。反応器への全新鮮供給流(溶媒、モノマー、及び水素)は、供給流を熱交換器に通すことによって温度制御される。重合反応器への全新鮮供給物は、各注入場所の間でほぼ等しい反応器体積で、2つの場所で反応器に注入される。新鮮供給物は、各注入器が、全新鮮供給物質量流量の半分を受容して制御される。触媒成分は、特別に設計された注入スティンガを通して重合反応器に注入される。第1の重合触媒成分供給(表1の触媒A及び触媒1)は、反応器モノマー転化率を特定の目標値に維持するようにコンピュータ制御される。第2の重合触媒供給(表1の触媒B及び触媒2)の総触媒供給に対するモル比は、ポリマーソフトセグメントとハードセグメントとの間の所望の分割(split)を維持するように調整される。助触媒成分(表1の助触媒3及び助触媒4)は、触媒成分に対する計算された特定のモル比に基づいて供給される。各反応器供給物の注入場所の直後に、供給流が、静的混合要素を有する循環重合反応器の内容物と混合される。反応器の内容物を、反応熱の大部分を除去する役割を果たす熱交換器を通して、指定の温度で等温反応環境を維持する役割を果たす冷却剤側の温度で、連続的に循環させる。反応器ループを回る循環は、ポンプによってもたらされる。
【0109】
反応器流出物は、好適な試薬(水)の添加及びそれとの反応により流出物が非活性化される帯域に入る。この同じ反応器出口位置に、ポリマーの安定化のために他の添加剤が添加される。触媒の非活性化及び添加剤の添加に続いて、反応器流出物は、ポリマーが非ポリマー流から除去される脱揮発系に入る。単離されたポリマー溶融物をペレット化して収集する。非ポリマー流は、系から除去されるエチレンの大部分を分離する様々な機器を通過する。溶媒及び未反応コモノマーの大部分は、精製系を通過した後、反応器に再循環される。少量の溶媒及びコモノマーを、プロセスからパージする。
【0110】
比較試料(CS)CS A及び本発明の実施例(IE)IE1~7の重合条件を以下の表2に提供する。
【0111】
【表3】
【0112】
上記の重合条件及び表2に示した重合条件は、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーCS A及びIE1~7を生成する。その後、エチレン/オクテンマルチブロックコポリマーCS A及びIE1~7を、INFUSEの商品名で販売されている従来のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーと比較する。従来のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーを、以下の表3に提供する。
【0113】
【表4】
【0114】
表2のCS A及びIE1~7の特性、並びに表3のCS B~Gの特性を、以下の表4に示す。
【0115】
【表5】
3週間及び6週間で測定されたFF漏斗流速(グラム/秒、g/秒で報告された結果)
0℃及び21℃の温度で1か月及び2か月で測定されたUYS-非拘束降伏強度(結果はlb/ft2で報告された)
*UYS試験の場合、タルク含有量は、IE1:3000ppm、IE2/IE3各々5000ppmであり、INFUSE 9107/9507/9817それぞれのタルク含有量は3000/5000/5000ppmである。
【0116】
IE1、IE2、IE3、IE4、IE5、IE6、及びIE7のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、密度、MI及びSS Tmの同じ設計目標を有する比較試料CS A、CS B、CS C、CS D、CS E、CS F、及びCS Gのエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーと比較して、より高い全オクテン含有量を有する。典型的には、同じ密度のポリエチレンコポリマーは、同じコモノマー含有量を有するであろう。触媒1/触媒2システムと、125℃を超える温度(又は130℃~150℃の温度)での重合条件とを用いて生成されたIE1~7のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーは、IE1~7を比較試料A~Gと比較すると、EOE、EOO、及びOOOシーケンスにおいて明らかであるポリマーバックボーンに沿って異なるコモノマー分布を含有している。IE1及びCS Dは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例1は、比較試料D(0.06正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.40正規化OOOトライアド)が6倍を超える増加を示す。
【0117】
IE2及びCS Bは、密度及びMIについて同様である。しかしながら、本発明の実施例2は、比較試料B(0.07正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.35正規化OOOトライアド)が5倍を超える増加を示す。
【0118】
IE3及びCS Cは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例3は、比較試料C(0.14正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.36正規化OOOトライアド)が2倍を超える増加を示す。
【0119】
IE4及びCS Gは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例4は、比較試料G(0.07正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.46正規化OOOトライアド)が6倍を超える増加を示す。
【0120】
IE5及びCS Eは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例5は、比較試料E(0.16正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.59正規化OOOトライアド)が3倍を超える増加を示す。
【0121】
IE6及びCS Aは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例6は、比較試料A(0.09正規化OOOトライアド)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.44正規化OOOトライアド)が殆ど5倍を超える増加を示す。
【0122】
IE7及びCS Fは、密度、MI及びSS Tmについて同様である。しかしながら、本発明の実施例7は、比較試料F(0.20正規化OOOトライアット)と比較した場合、正規化OOOトライアド含有量(0.68正規化OOOトライアド)の3倍増加を示す。
【0123】
全オクテン含有量が高く、オクテンモノマーが互いに隣接して挿入される可能性が高いと、比較試料と比較した場合、本発明の実施例の固体取扱い性能が低下すると予想された。すなわち、本発明の実施例は、比較試料と比較して、より「粘着性」であることが予想された。しかしながら、出願人は、IE1、IE2、及びIE4のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーが、密度、MI及びSS Tmについて同様である従来のエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーと比較した場合、予想外に、改善された固体取扱い性を有することを発見した。表4は、CS Dと比較した場合、IE1は、より低いUYS及びより大きなFFを有し、IE2は、CS Bと比較した場合、より低いUYS及びより大きなFFを有し、IE4は、CS Gと比較した場合、より低いUYSを有する、ことを示している。
【0124】
本開示は、本明細書に含まれる実施形態及び例示に限定されず、実施形態の一部、及び異なる実施形態の要素の組み合わせを含むそれらの実施形態の変更された形態を、以下の特許請求の範囲に該当する範囲で含むことが特に意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】