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特表2023-509856金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用
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  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図1
  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図2
  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図3
  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図4
  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図5
  • 特表-金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用
(51)【国際特許分類】
   B23K 35/14 20060101AFI20230303BHJP
   C04B 37/02 20060101ALI20230303BHJP
   H05K 3/00 20060101ALI20230303BHJP
   B23K 35/40 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
B23K35/14 D
C04B37/02 B
H05K3/00 R
B23K35/40 340H
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022536854
(86)(22)【出願日】2020-12-03
(85)【翻訳文提出日】2022-06-15
(86)【国際出願番号】 EP2020084473
(87)【国際公開番号】W WO2021122036
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】102019135171.5
(32)【優先日】2019-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515063390
【氏名又は名称】ロジャーズ ジャーマニー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Rogers Germany GmbH
【住所又は居所原語表記】Am Stadtwald 2, D-92676 Eschenbach, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100116322
【弁理士】
【氏名又は名称】桑垣 衛
(72)【発明者】
【氏名】ブリッティング、シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルカー、ティロ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット、カルステン
【テーマコード(参考)】
4G026
【Fターム(参考)】
4G026BA03
4G026BA16
4G026BA17
4G026BB22
4G026BB27
4G026BF17
4G026BF24
4G026BF42
4G026BG04
4G026BH07
(57)【要約】
金属層(20)のセラミック層(10)への接合、特に、電気部品の担体としての金属-セラミック基板の形成のためのはんだ材料(30)は、基材と、活性金属と、を含み、当該はんだ材料(30)は、基材を第1の層(31)に、活性金属を第2の層(32)に有する箔であり、箔の総厚(GD)は、50μm未満、好ましくは25μm未満、より好ましくは15μm未満である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層(20)のセラミック層(10)への接合、特に、電気部品の担体としての金属-セラミック基板の形成のためのはんだ材料(30)であって、
基材と、
活性金属と、
を含み、
前記はんだ材料(30)が、前記基材を第1の層(31)に、前記活性金属を第2の層(32)に有する箔であり、
前記箔の総厚(GD)が、50μm未満、好ましくは25μm未満、より好ましくは15μm未満である、はんだ材料(30)。
【請求項2】
前記箔が、前記基材または別の基材を含む第3の層(33)を備え、前記第2の層(32)が、積層方向(S)で前記第1の層(31)と前記第3の層(33)との間に配置された、請求項1に記載のはんだ材料(30)。
【請求項3】
前記第1の層(31)が、第1の厚さ(D1)を有し、前記第2の層(32)が、第2の厚さ(D2)を有し、前記第3の層(33)が、第3の厚さ(D3)を有し、前記第2の厚さ(D2)が、前記第1の厚さ(D1)および前記第3の厚さ(D3)の少なくとも一方よりも小さく、特に、前記第2の厚さ(D2)の前記第1の厚さ(D1)に対する比が、0.01~0.3、好ましくは0.01~0.2、特に好ましくは0.01~0.1の値である、請求項1または2に記載のはんだ材料(30)。
【請求項4】
前記第2の層(32)が、パターン化されているとともに分離部を有する、または、パターン化されている、もしくは、分離部を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項5】
前記箔が、保護層、特に、前記積層方向(S)に見て前記はんだ材料(30)を遮断する保護層を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項6】
前記第1の厚さ(D1)が、前記第3の厚さ(D3)と異なる、請求項2~5のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)を製造する方法であって、前記第1の層(31)、前記第2の層(32)、および好ましくは前記第3の層(33)が、組み立て、好ましくは結合により箔となる、方法。
【請求項8】
前記第1の層(31)、前記第2の層(32)、および好ましくは前記第3の層(33)の組み立て前に、パターンが前記第2の層(32)に埋め込まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記箔の形成後に、前記箔が、前記金属層(20)および前記セラミック層(10)上、または前記金属層(20)上、もしくは前記セラミック層(10)上に載置され、これらの層が前記箔によって互いに接合される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
金属層(20)のセラミック層(10)への接合、特に、金属-セラミック基板の形成のための請求項1~6のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属層をセラミック層に接合するためのはんだ材料、そのようなはんだ材料の製造方法、およびそのようなはんだ材料の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特許文献1、特許文献2、および特許文献3等の従来技術により、たとえばプリント基板または回路基板として金属-セラミック基板が周知となっている。通常、金属-セラミック基板の一方の部品面には、電気部品および導体の接続領域が配置されているため、電気部品および導体の相互接続によって電気回路を形成可能である。金属-セラミック基板の必須構成要素は、絶縁層(セラミックで構成されているのが好ましい)および当該絶縁層に接合された少なくとも1つの金属層である。セラミックで構成された絶縁層は、比較的高い絶縁強度を有することから、パワーエレクトロニクスにおいて特に有利であることが分かっている。金属層を構造化することにより、電気部品用の導電性トラックおよび接続領域または導電性トラックもしくは接続領域が実現可能となる。
【0003】
このような金属-セラミック基板を提供するための前提条件として、金属層とセラミック層との間の永久的な接合が挙げられる。いわゆる直接接合プロセスすなわちDCBまたはDABプロセスのほか、はんだ材料を介して金属層をセラミック層に接合することが従来技術により知られている。
【0004】
金属層または金属箔、特に、銅層または銅箔をセラミック材料に接合するための活性はんだ付けプロセスは、金属-セラミック基板の製造において具体的に使用されるプロセスとして理解されている。このプロセスにおいては、銅、銀、および/または金等の主成分のほかに活性金属を含むはんだ合金を用いることにより、約650~1000℃の温度で金属箔(たとえば、銅箔)とセラミック基板(たとえば、窒化アルミニウムセラミック)とが接続される。この活性金属は、たとえばHf、Ti、Zr、Nb、Ceの群からの少なくとも1つの元素であるが、化学反応によってはんだ合金とセラミックとの間の接続を実現する一方、はんだ合金と金属との間の接続は金属はんだ接続となる。
【0005】
特許文献4により、外層が2層の活性金属によって形成された3層はんだ材料が知られている。これらの箔は、100μmよりも厚い。
特許文献5は、ローリングによる銅箔または銅/ニッケル箔間のチタン箔の配置によってはんだ箔を形成する方法を記載する。箔厚は、100μmを上回る。
【0006】
特許文献6は、1つのチタン層の厚さが25μm未満の多層はんだ箔を記載する。このはんだ箔は、航空機の構成、特に、ハニカム構造体への接合に対する使用が意図される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第102013104739号明細書
【特許文献2】独国特許第19927046号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第102009033029号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2018/0169796号明細書
【特許文献5】米国特許第6722002号明細書
【特許文献6】米国特許第3981429号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、従来技術により知られるはんだ材料と比較して、特に、金属層のセラミック層への接合に関して改良されたはんだ材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項1に記載のはんだ材料、請求項7に記載のはんだ材料を製造するための方法、および請求項10に記載のはんだ材料の使用によって、上記課題を解決する。他の実施形態については、従属請求項および本明細書により得られるものとする。
【0010】
本発明の第1の態様によれば、金属層のセラミック層への接合、特に、電気部品の担体としての金属-セラミック基板の形成のためのはんだ材料であって、
基材と、
活性金属と、
を含み、
前記はんだ材料が、基材を第1の層に、活性金属を第2の層に有する箔であり、
箔の総厚が、50μm未満、好ましくは25μm未満、より好ましくは15μm未満である、はんだ材料が提供される。
【0011】
従来技術により知られるはんだ材料と比較して、本発明によれば、箔の総厚は、50μm未満、好ましくは25μm未満、特に好ましくは15μm未満となる。これは、はんだ材料の厚さを減らすことで材料が節約されるのみならず、活性金属が反応層を形成してAMBプロセスの接合を可能とするため、セラミック層および金属層の少なくとも一方までの架橋を比較的短い距離とする必要があることから、有利であることが分かっている。特に、電気部品の担体として機能する金属-セラミック基板を形成するため、このようなはんだ材料を用いて金属層をセラミック層に接合することが特に有利であることが分かっている。これらの担体または金属-セラミック基板は、特に製造時および使用時の両者で熱応力に曝され、金属およびセラミックの膨張係数の相違により、通常は比較的高い熱機械応力が発生するため、金属-セラミック基板の損傷または耐用年数の短縮が起こり得る。したがって、ここで使用するはんだ材料が特に求められており、これは、金属層のセラミック層への接合を意図したものである。このような活性材料の第1の層および基材の第2の層を備えた薄いはんだ材料は、金属層とセラミック層との間の永久的かつ安定した接合を実現するための箔として使用可能であることが分かっている。
【0012】
さらに、総厚は、2~50μmの値、好ましくは4~25μmの値、特に好ましくは6~15μmの値であることが好ましい。このような厚さの箔として形成されたはんだ材料は、セラミック層と金属層との間の接続をプロセスセーフに実現するのに十分な厚さであることが分かっている。このような箔またははんだ材料では、最外層(たとえば、第1および第3の層または最終保護層)に活性金属を含まないため、上記指定の総厚が特に有利であることが分かっている。
【0013】
活性金属の例は、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、クロム(Cr)、ニオブ(Nb)、セリウム(Ce)、およびバナジウム(V)である。特に、基材は、金属ベースの基材、好ましくは銀ベースの基材または銅ベースの基材である。銀ベースの基材においては、銀が主成分すなわち重量比率の最も高い成分である一方、銅ベースの基材においては、銅が主成分である。銀ベースの基材の例は、AgCu、特に、AgCu28、AgCuIn、AgCuSn、およびAgCuGaである。銅ベースの基材の例は、銅CuSn、CuAg、CuIn、CuGa、CuInSn、CuInMb、CuGaSnである。基材としては、NiCrMnまたはSnCuの使用も考えられる。はんだ材料は、それぞれ65~75wt%、20~30wt%、および2~8wt%のチタンTiを含む銀-銅-チタン混合物であるのが好ましく、銀および銅がそれぞれ、基材として第1の層および第3の層に存在し、チタンが活性材料として第2の層に存在し、銀-銅-チタンの合計が本質的にはんだ材料の100wt%を構成する(すなわち、微量の不純物を除く)のが好ましい。このような銀、銅、およびチタンの組成物は、モーガンアドバンスドマテリアルズ社(Morgan Advanced Materials)が販売するTiCuSil(登録商標)としても知られている。
【0014】
金属-セラミック基板の金属めっきまたは金属層の材料としては、銅、アルミニウム、モリブデン、および/またはそれぞれの合金のほか、CuW、CuMo、CuAl、AlCu、および/またはCuCu等の積層体、特に、第1の銅層および第2の銅層による銅サンドイッチ構造が考えられ、第1の銅層の粒径は第2の銅層の粒径と異なる。さらに、少なくとも1つの金属めっき、特に、成分金属めっきが表面改質されているのが好ましい。表面改質としては、たとえば貴金属、特に、銀および金の両方もしくはその一方、またはENIG(「無電解ニッケル含浸金」)によるシール、または、第1もしくは第2の金属めっき層上のエッジシールによるクラックの形成または拡大の抑制が考えられる。
【0015】
セラミック層は、Al、Si、AlN、HPSXセラミック(すなわち、ZrOをxパーセントの割合で含むAlマトリックスを備えたセラミック(たとえば、9%のZrOを含むAl=HPS9または25%のZrOを含むAl=HPS25))、SiC、BeO、MgO、高密度MgO(理論密度の90%超)、TSZ(正方晶安定化酸化ジルコニウム)、またはZTAをセラミックの材料として有するのが好ましい。また、セラミック層は、さまざまな所望特性を組み合わせるため、材料組成が異なる複数のセラミック層の重ね合わせおよび一体的結合によって絶縁層を形成した複合または混成セラミックとしての設計も考えられる。また、好ましくは1.5mmを超える厚さおよび2つのセラミック層の合計を超える厚さまたは1.5mmを超える厚さもしくは2つのセラミック層の合計を超える厚さを有する金属中間層を2つのセラミック層間に配置することも考えられる。熱抵抗を考え得る最低限に抑えるため、可能な限り熱伝導性の高いセラミックを使用するのが好ましい。
【0016】
はんだ材料は、銀を含まないのが好都合である。これにより、金属層とセラミック層との間の境界層領域における銀マイグレーションおよび銀層の形成または銀マイグレーションもしくは銀層の形成(取り除くのが困難で、「第2のエッチング」に関する導電路の形成のための構造を金属層に生成する場合に特に不都合である)が回避されるため都合が良い。また、銀を含まないはんだ材料の使用は、比較的高価な銀が不要となり得るため、特に経済的であることが分かっている。これは、銅ベースのはんだ材料であるのが好ましい。さらに、当業者であれば、銀を含まないことは、はんだ材料中の銀の割合が2wt%未満、好ましくは1wt%未満、特に好ましくは0.2wt%未満の場合であることが理解される。また、はんだ材料中の銀の割合としては、15wt%未満、好ましくは10wt%未満、特に好ましくはwt%未満も考えられる。
【0017】
好適な一実施形態によれば、箔は、前記基材または当該基材と異なる別の基材を含む第3の層を備え、前記第2の層は、積層方向で前記第1の層と前記第3の層との間に配置されている。これによれば、好ましくは活性金属が第1の層と第3の層との間に配置されたサンドイッチ構造を提供可能となるため都合が良い。あるいは、第1の層および第3の層が1つの活性金属または異なる活性金属により形成される一方、第2の層が基材を提供し、第1および第3の層間に配置されることも考えられる。
【0018】
別の好適な実施形態によれば、第1の層は、第1の厚さを有し、第2の層は、第2の厚さを有し、第3の層は、第3の厚さを有し、第2の厚さは、第1の厚さおよび第3の厚さの少なくとも一方よりも小さく、特に、第1および第3の厚さの合計よりも小さく、特に、第2の厚さの第1の厚さに対する比が0.01~0.3、好ましくは0.01~0.2、特に好ましくは0.01~0.1の値である。言い換えると、第2の層(活性金属を含むか、または、活性金属から成るのが好ましい)は、第1および第3の層よりも比較的薄い。比較的少量の活性金属であっても、特に第1および第3の層間では、結合対象すなわち金属層とセラミック層との間の合理的かつ効果的な接合が可能であることが分かっている。また、第2の層は、特に活性金属で構成されている場合、はんだ材料を介して金属層とセラミック層との間に効果的な接合を形成可能とするため、クラックを有する可能性もあり、または非分離もしくは連続的である必要もないことが分かっている。すなわち、はんだ材料中の第2の層は、主延長平面と平行な方向に分離部を有することも考えられる。
【0019】
第2の層は、パターン化されているとともに分離部を有する、または、パターン化されている、もしくは、分離部を有するのが好ましい。特に、パターンは、第1および第2の層の結合前に、第2の層において施された凹部または切り欠きにより形成される。たとえば、これらの凹部および切り欠きは、第2の層が第1の層および第3の層の少なくとも一方に結合される前に、構造化またはパターン化のため、エンボス加工ツールおよびレーザの少なくとも一方によって第2の層に埋め込まれている。これは、結合がロール圧着またはめっきにより実行される場合に、特に有利であることが分かっている。このような場合は、降伏強度の相違により、第1および第2または第1もしくは第2の層の基材が第2の層の対応する凹部および切り欠きまたは凹部もしくは切り欠きに進入または貫通することで、第1および第3の層が実際にめっきされるためである。好ましくは、製造された金属-セラミック基板において計画された導体トラックパターンによるパターン化の実行も考えられる。これは、パターン化が本質的に、計画された導電性パターンまたは計画された導電性パターンの一部に対応することを意味する。このように、後で製造される金属-セラミック基板において、導電体および接続面の少なくとも一方が計画された領域に活性金属を堆積させる一方、その間の領域には活性金属を使用しないようにすることも可能である。これは、たとえばエッチング、特に、「第2のエッチング」に関して、何らかの方法により曝露される領域をより簡単に除去可能となることから、有利であることが分かっている。たとえば、金属-セラミック基板の製造時に、はんだ材料の活性金属を含まない領域を公称破断線の計画コースの上方に配置可能となるようなパターンの設計も考えられる。はんだ材料は、当該はんだ材料、特に、パターンの所望の位置合わせを可能にするため、または、構造化もしくはエッチング前に、活性金属を含まない領域の配置位置を認識するため、配向補助を含むのが好ましい。当業者にとって、第2の層中の分離部は、第2の層中のクラックも意味する。これらは、たとえば結合時に発生するとともに、たとえば第2の層の主延長平面と平行に延びた平面において非制御的または非系統的な様態で分布している。
【0020】
箔は、保護層、特に、積層方向に見てはんだ材料を遮断する保護層を有するのが好ましい。これは、不要な酸化、摩耗、または損傷からはんだ材料を保護する。これにより、比較的長い保管期間を実現可能となるため、はんだ材料の取り扱いがさらに容易となる。たとえば、保護層は、銅、銀、インジウム、ニッケル、および/またはチタンニッケル(TiN)の層である。このような保護層は、物理的または化学的気相成長プロセスの一部として実現されるのが好ましい。
【0021】
第1の厚さは、第3の厚さと異なるのが好ましい。これにより、はんだ材料内の積層方向において、第2の層が中心ではなく、非対称に位置合わせされるようにすることができる。これは、はんだ材料を介した効果的な接合を確保するため、結合対象(たとえば、セラミック層および金属層の少なくとも一方)の一方の活性材料の割合を高くする必要がある場合に、特に有利である。
【0022】
本発明の別の態様は、本発明に係るはんだ材料を製造する方法であって、第1の層、第2の層、および好ましくは第3の層が、組み立て、好ましくは結合により箔となる、方法である。たとえば、製造は、加圧プロセス(たとえば、ロール圧着、爆発圧着、高温加圧、および/またはローリング)の範囲内で行われる。このため、総厚は、20μm未満とすることができる。さらに、第1、第2、および第3の層の組み立てを、たとえば物理的または化学的気相成長プロセス(たとえば、スパッタリングプロセス)等の蒸着プロセスにより実現することも考えられる。たとえば、活性材料が基材にスパッタリングされるか、または、基材が活性材料にスパッタリングされる。このようにして、たとえば総厚が8μm未満または5μm未満のはんだ箔が得られる。あるいは、第1の層、第2の層、および/または第3の層を、電気めっきまたは電気化学プロセスにより組み立てることも考えられ、たとえば、ガルバニックタンクコーティングまたはガルバニックローリングが可能である。このようにして、5μmあるいは3μm未満の総厚を実現可能である。はんだ材料に関して記載する特徴および利点はすべて、プロセスにも同様に当てはまり、その逆もまた同様である。
【0023】
第1の層、第2の層、および第3の層の開始箔としては、結合前の厚さが既に100μm未満、好ましくは80μm未満、特に好ましくは50μm未満のものが選定されるのが好ましい。
【0024】
第1の層、第2の層、および好ましくは第3の層の組み立て前に、パターンが第2の層に埋め込まれているのが望ましい。凹部または切り欠きの導入による第2の層の対応するパターン化または構造化は、第1および第3の層間の直接めっきを可能とするため、第1の層および第3の層または第1の層もしくは第3の層の基材がこの第2の層の凹部に進入可能である場合に、特に有利であることが分かっている。たとえば、第2の層中のパターンは、エンボス加工もしくはスタンピングプロセスまたはレーザ光を用いた切断プロセスによって、第2の層に埋め込まれている。
【0025】
箔は、当該箔の形成後に金属層およびセラミック層上、または金属層上、もしくはセラミック層上に載置され、これらの層が箔によって互いに接合されるのが好ましい。たとえば、箔は、作製直後に、金属層およびセラミック層上、または金属層上、もしくはセラミック層上に載置される。あるいは、たとえば「コイル」として、箔を一時的に保管することも考えられる。
【0026】
本発明の別の目的は、金属層のセラミック層への接合、特に、金属-セラミック基板の形成のための本発明に係るはんだ材料の使用である。はんだ材料に関して記載する特徴および特性はすべて、この使用にも類推的に応用可能であり、その逆もまた同様である。既に示したように、本発明に係るはんだ材料の使用は、特に電気部品または電子部品の担体として機能する金属-セラミック基板を形成する目的で、金属層のセラミック層への接合に用いられる場合に、特に有利であることが分かっている。はんだ材料の使用に関しては、セラミック層と金属層との間にはんだ材料を載置した後、セラミック層、金属層、およびはんだ材料の組み合わせに温度処理を施すことも考えられる。温度処理には、温度の時間的変化(たとえば、接合プロセス中の傾斜状の温度曲線の使用)を含むことも考えられる。加工温度としては、およそ900℃の使用が好ましい。また、接合プロセスにおける加工温度としては、650℃~1050℃、好ましくは700℃~1000℃、特に好ましくは750℃~950℃の使用が好ましい。
【0027】
他の利点および特徴については、添付の図面を参照しつつ、本発明に係る目的の好適な実施形態に関する以下の説明において確認可能である。個々の実施形態の個々の特徴は、本発明の範囲内で互いに組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】セラミック層、はんだ材料、および金属層を模式的に表した図である。
図2】本発明の好適な一実施形態に係る、はんだ材料を示した図である。
図3】本発明の第1の好適な実施形態に係る、はんだ材料の製造方法を示した図である。
図4】本発明の第2の好適な実施形態に係る、はんだ材料の製造方法を示した図である。
図5】本発明の第3の好適な実施形態に係る、はんだ材料の製造方法を示した図である。
図6】本発明の第4の好適な実施形態に係る、はんだ材料の製造方法を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、はんだ材料30により接合されるセラミック層10および金属層20を示している。このようなはんだ材料30は、金属層20のセラミック層10への接合によって金属-セラミック基板を形成する活性はんだ付けプロセスに使用されるのが好ましい。金属層20およびセラミック層10は、主延長平面HSEに沿って延び、主延長平面HSEと垂直な積層方向Sに沿って互いに重ね合わされている。特に、このはんだ材料30は、箔の形態である。個々の結合対象(すなわち、金属層20およびセラミック層10)の結合は、各はんだ材料30に対して意図された加工温度(たとえば、900℃)で実行される。はんだ材料30に含まれる活性金属は、結合対象面、特に、セラミック層10の表面と反応層を形成する。そして、この反応層が基材により濡れ状態となる。このようにして、金属層20とセラミック層10との間の接合は、接合またははんだ付けプロセスで使用される温度に耐えることを前提として、活性はんだ付けプロセスの枠組みの中で実現され得る。特に、はんだ材料30が金属層20とセラミック層10との間に配置されて接合されることが想定される。
【0030】
金属層20およびセラミック層10の結合後、金属層20は、たとえばエッチング、レーザ光、および/または研磨による構造化によって、導電性トラックおよび接続面の少なくとも一方を形成する。これにより、金属-セラミック基板をプリント基板として使用可能である。
【0031】
図2は、本発明の好適な一実施形態に係る、はんだ材料30を示している。特に、はんだ材料30は、第1の層31および第2の層32を備える。箔として提供されたはんだ材料30は、基材の第1の層31および活性金属の第2の層32で構成されている。はんだ材料30は、第3の層33を備えるのが好ましく、特に、活性金属の第2の層32は、基材の第1の層31と、当該基材の第3の層33および/または第1の層31の基材と異なる別の基材の第3の層33との間に配置されている。言い換えると、第1の層31、第2の層32、および第3の層33は、サンドイッチ構造、特に、三金属構造を形成している。あるいは、第1の層31および第3の層33が同じ活性材料または異なる活性材料で形成される一方、活性材料の第1の層31と第3の層33との間に、基材の形態の第2の層32が配置されることも考えられる。この場合、第1の層31および第3の層33は、別の保護層により囲繞または包囲されているのが好ましい。
【0032】
第1の層31、第2の層32、および第3の層33は、積層方向Sに見て互いに重なって配置されており、積層方向Sに測定して、第1の層31が第1の厚さD1を有し、第2の層32が第2の厚さD2を有し、第3の層33が第3の厚さD3を有するのが好ましい。特に、第1の厚さD1および第3の厚さD3の少なくとも一方に対する第2の厚さD2の比は、0.01~0.3、好ましくは0.01~0.2、特に好ましくは0.01~0.1の値である。さらに、第1の層31、第2の層32、および第3の層33の一体構成において、第2の層32が積層方向Sに見て、中心ではなく非対称に配置されるように、第1の厚さD1が第3の厚さD3と異なることも考えられる。
【0033】
さらには、箔の総厚GDが50μm未満、好ましくは25μm未満、より好ましくは15μm未満であるのが特に好ましい。箔の総厚GDは、接合プロセスにおいてセラミック層10または金属層20に接触または隣接する外面の積層方向Sに沿って測定されるのが好ましい。このように薄いはんだ材料30は、材料コストの抑制のみならず、はんだ材料30とセラミック層10との間またははんだ材料30と金属層20との間の境界層に達するために活性材料が乗り越える必要のある距離に関して都合が良い。これにより、反応層を形成するため、セラミック層10または金属層20との境界領域に十分な活性材料が到達するようになる。これは一方で、金属層20とセラミック層10との間の接合の成功に要する活性材料の量に関しても有利であることが分かっている。
【0034】
図3は、本発明の第1の例示的な実施形態に係る、はんだ材料30の製造方法を示している。特に、図3の例示的な実施形態の方法によれば、第1の層31、第2の層32、および第3の層33が用意され、ローラ35を用いたロールめっき作業において一体的に結合される。第1の層31、第2の層32、および第3の層33に対しては、結合前の厚さが既に200μm未満、好ましくは100μm未満、特に好ましくは50μm未満の開始箔が選択されるのが好ましい。
【0035】
たとえば、第2の厚さD2が10μmの第2の層32としては、チタングレード1またはチタン4N層の使用も考えられる。ロール圧着またはローリングステップにおいて一体的に結合された第1の層31、第2の層32、および第3の層33の組み合わせがロール圧着によるはんだ箔またははんだ材料30を形成し、その総厚GDは、結合前の第1の層31、第2の層32、および第3の層33の合計厚の半分である。結合のために設けられたローリングステップすなわち結合ローリングステップの後、はんだ材料30の総厚GDをさらに抑えるため、少なくとも1回、好ましくは複数回の別のローリングステップが設けられることが特に好ましい。特に、好ましくは上記基材または別の基材の第1の層31と第3の層33との間に、第2の層32、好ましくは活性材料の第2の層32が用いられる場合は、ロール圧着または繰り返しのロール圧着によって、第2の層32にクラックが現れる。金属層20およびセラミック層10の接合は、これらのクラックまたは分離部にも関わらず成功し得ることが分かっている。
【0036】
図4は、本発明の第2の例示的な実施形態に係る、はんだ材料30の製造方法を示している。本実施形態においても、ロール圧着を用いて、第1の層31、第2の層32、および第3の層33を結合することにより、はんだ材料30を形成する。図4に示す方法は、第2の層32が構造化されている点すなわちパターン化されている点または意図的に分離部が埋め込まれている点において、図3に示す方法と異なる。特に、第2の層32に切り欠き、凹部、または分離部が施されており、これに対して、ロール圧着時に第1の層31および第3の層33または第1の層31もしくは第3の層33が進入または移動可能である。これは、基材または基材の選定によって、第1の層31または第3の層33の降伏強度が第2の層32と異なる場合に、特に有利であることが分かっている。第2の層32に切り欠きまたは凹部を使用することによって、第2の層32、特に、活性材料層として形成された第2の層32がロール圧着時に進入可能であるとともに、断絶ゾーンすなわち2つの切り欠きまたは凹部間の領域において、実際の圧着プロセスが第1の層31および第3の層33によって行われるため都合が良い。たとえば、切削ツールまたはレーザの使用によって、第2の層32にパターン化または構造化を施す。ロール圧着の代替として、爆発圧着、高温加圧、および/またはローリングも使用可能である。このプロセスにより、はんだ箔の総厚GDとして、20μm未満を実現可能である。
【0037】
図5は、第3の例示的な実施形態に係る、はんだ材料30の製造方法を示している。図示の実施形態において、第2の層32は、コーティング装置40を通過する。このため、特に基材、活性金属、または活性材料により形成された第2の層32は、第1のローラ45から巻き戻された後、搬送方向Fに沿って搬送され、コーティング装置40を出た後、第2のローラ46に巻き取られる。コーティング装置40は、蒸着プロセス、特に、スパッタリングプロセス等の化学的または物理的気相成長プロセスによって、第2の層32の前面および後面の少なくとも一方をコーティングするのが好ましい。図5に示す実施形態においては、第1の蒸着装置41によって、チタンの形態の活性材料が第2の層32の外面に適用される。活性材料の適用後は、第2の蒸着装置42が別の気相成長により付加的なコーティングを適用するが、これにより、好ましくは銅の形態の保護層によって活性材料が覆われる。第1の蒸着装置41および第2の蒸着装置42の少なくとも一方の気相成長プロセスは、第2の搬送方向Fに沿って移動する第2の層32の両面に行われるのが好ましい。
【0038】
図6は、第4の例示的な実施形態に係る、はんだ材料30の製造方法を示している。特に、第1の層31および第3の層33は、第2の層32に対して直流的または電気化学的に適用される。第2の層32は、活性金属箔であるのが好ましい。そして、第1のローラ45に巻き取られた第2の層32が巻き戻され、偏向ローラ47を介して、ガルバニック媒体49および電極48を含む容器内を案内される。
【0039】
電極48およびガルバニック媒体49とともに、第2の層32が対応する基材で覆われるため、基材の第1の層31および第2の層32が形成される。このように、総厚GDが5μmあるいは3μm未満のはんだ箔30が製造され得るため都合が良い。
【符号の説明】
【0040】
10 セラミック層
20 金属層
30 はんだ材料
31 第1の層
32 第2の層
33 第3の層
35 ローラ
40 コーティング装置
41 第1の蒸着装置
42 第2の蒸着装置
45 第1のローラ
46 第2のローラ
47 偏光ローラ
48 電極
49 ガルバニック媒体
F 搬送方向
S 積層方向
HSE 主延長平面
D1 第1の厚さ
D2 第2の厚さ
D3 第3の厚さ
GD 総厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-12-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属層(20)のセラミック層(10)への接合、特に、電気部品の担体としての金属-セラミック基板の形成のためのはんだ材料(30)であって、
基材と、
活性金属と、
を含み、
前記はんだ材料(30)が、前記基材を第1の層(31)に、前記活性金属を第2の層(32)に有する箔であり、
前記箔の総厚(GD)が、25μm未満である、はんだ材料(30)。
【請求項2】
前記箔の総厚が、15μm未満である、請求項1に記載のはんだ材料(30)。
【請求項3】
前記箔が、前記基材または別の基材を含む第3の層(33)を備え、前記第2の層(32)が、積層方向(S)で前記第1の層(31)と前記第3の層(33)との間に配置された、請求項1に記載のはんだ材料(30)。
【請求項4】
前記第1の層(31)が、第1の厚さ(D1)を有し、前記第2の層(32)が、第2の厚さ(D2)を有し、前記第3の層(33)が、第3の厚さ(D3)を有し、前記第2の厚さ(D2)が、前記第1の厚さ(D1)および前記第3の厚さ(D3)の少なくとも一方よりも小さく、特に、前記第2の厚さ(D2)の前記第1の厚さ(D1)に対する比が、0.01~0.3の値である、請求項1~3のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項5】
前記第2の厚さ(D2)の前記第1の厚さ(D1)に対する比が、0.01~0.2、特に好ましくは0.01~0.1の値である、請求項4に記載のはんだ材料(30)。
【請求項6】
前記第2の層(32)が、凹部または切り欠きのパターンを有するようにパターン化されているとともに分離部を有する、または、凹部または切り欠きのパターンを有するようにパターン化されている、もしくは、分離部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項7】
前記箔が、保護層、特に、前記積層方向(S)に見て前記はんだ材料(30)を遮断する保護層を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項8】
前記第1の厚さ(D1)が、前記第3の厚さ(D3)と異なる、請求項2~7のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)を製造する方法であって、前記第1の層(31)、前記第2の層(32)、および好ましくは前記第3の層(33)が、一体的に結合されて箔を形成する、方法。
【請求項10】
前記第1の層(31)、前記第2の層(32)、および好ましくは前記第3の層(33)の組み立て前に、凹部または切り欠きのパターンが前記第2の層(32)に埋め込まれる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
金属層(20)のセラミック層(10)への接合、特に、金属-セラミック基板の形成のための請求項1~8のいずれか一項に記載のはんだ材料(30)の使用。
【請求項12】
前記箔の形成後に、前記箔が、前記金属層(20)および前記セラミック層(10)上、または前記金属層(20)上、もしくは前記セラミック層(10)上に載置され、これらの層が前記箔によって互いに接合される、請求項11に記載の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明は、請求項1に記載のはんだ材料、請求項に記載のはんだ材料を製造するための方法、および請求項11に記載のはんだ材料の使用によって、上記課題を解決する。他の実施形態については、従属請求項および本明細書により得られるものとする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
本発明の第1の態様によれば、金属層のセラミック層への接合、特に、電気部品の担体としての金属-セラミック基板の形成のためのはんだ材料であって、
基材と、
活性金属と、
を含み、
前記はんだ材料が、基材を第1の層に、活性金属を第2の層に有する箔であり、
箔の総厚が、25μm未満、より好ましくは15μm未満である、はんだ材料が提供される。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
従来技術により知られるはんだ材料と比較して、本発明によれば、箔の総厚は、25μm未満、特に好ましくは15μm未満となる。これは、はんだ材料の厚さを減らすことで材料が節約されるのみならず、活性金属が反応層を形成してAMBプロセスの接合を可能とするため、セラミック層および金属層の少なくとも一方までの架橋を比較的短い距離とする必要があることから、有利であることが分かっている。特に、電気部品の担体として機能する金属-セラミック基板を形成するため、このようなはんだ材料を用いて金属層をセラミック層に接合することが特に有利であることが分かっている。これらの担体または金属-セラミック基板は、特に製造時および使用時の両者で熱応力に曝され、金属およびセラミックの膨張係数の相違により、通常は比較的高い熱機械応力が発生するため、金属-セラミック基板の損傷または耐用年数の短縮が起こり得る。したがって、ここで使用するはんだ材料が特に求められており、これは、金属層のセラミック層への接合を意図したものである。このような活性材料の第1の層および基材の第2の層を備えた薄いはんだ材料は、金属層とセラミック層との間の永久的かつ安定した接合を実現するための箔として使用可能であることが分かっている。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
さらに、総厚は、4~25μmの値、特に好ましくは6~15μmの値であることが好ましい。このような厚さの箔として形成されたはんだ材料は、セラミック層と金属層との間の接続をプロセスセーフに実現するのに十分な厚さであることが分かっている。このような箔またははんだ材料では、最外層(たとえば、第1および第3の層または最終保護層)に活性金属を含まないため、上記指定の総厚が特に有利であることが分かっている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0033
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0033】
さらには、箔の総厚GDが25μm未満、より好ましくは15μm未満であるのが特に好ましい。箔の総厚GDは、接合プロセスにおいてセラミック層10または金属層20に接触または隣接する外面の積層方向Sに沿って測定されるのが好ましい。このように薄いはんだ材料30は、材料コストの抑制のみならず、はんだ材料30とセラミック層10との間またははんだ材料30と金属層20との間の境界層に達するために活性材料が乗り越える必要のある距離に関して都合が良い。これにより、反応層を形成するため、セラミック層10または金属層20との境界領域に十分な活性材料が到達するようになる。これは一方で、金属層20とセラミック層10との間の接合の成功に要する活性材料の量に関しても有利であることが分かっている。
【国際調査報告】