(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】アベルメクチンによる神経障害の治療
(51)【国際特許分類】
A61K 31/7048 20060101AFI20230303BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230303BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20230303BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230303BHJP
A61K 9/10 20060101ALI20230303BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230303BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230303BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230303BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230303BHJP
【FI】
A61K31/7048
A61P25/00
A61P25/08
A61K9/20
A61K9/10
A61K9/08
A61K9/48
A61P43/00 121
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542449
(86)(22)【出願日】2021-01-11
(85)【翻訳文提出日】2022-08-03
(86)【国際出願番号】 US2021012926
(87)【国際公開番号】W WO2021142425
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522276275
【氏名又は名称】エキリーブル バイオファーマシューティカルズ べスローテン フェンノートシャップ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】サミュエル ディー.ワクサル
(72)【発明者】
【氏名】ヤ-エル マンデル-ポートノイ
(72)【発明者】
【氏名】ルイ ウー
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA11
4C076AA17
4C076AA22
4C076AA24
4C076AA36
4C076AA53
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4C084AA17
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4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA011
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4C084ZA061
4C084ZA062
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4C084ZA292
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
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4C086MA01
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4C086MA17
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4C086MA23
4C086MA34
4C086MA35
4C086MA37
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4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA06
4C086ZA29
4C086ZC75
(57)【要約】
ヒトにおける様々な神経障害の予防、治療及び制御のためのイベルメクチンの使用方法、及びイベルメクチンを含む医薬組成物の新規製剤を開示する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効量のアベルメクチンを含む組成物を、治療を必要とする対象に投与することを含む、神経障害の治療方法。
【請求項2】
前記組成物が、式I:
【化1】
の化合物、またはその薬学的に許容される塩、またはその併用を含み、
式中、
各R
1が、独立して、H、OC
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、シクロアルキル、またはシクロヘテロアルキル;C
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、シクロアルキル、またはシクロヘテロアルキル;Cl;Br;F;I;OH;OAc;CF
3;NH
2;CM;CO
2H;CO
2C
1-6飽和または不飽和アルキル;NHC
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、またはシクロアルキル;N(C
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、またはシクロアルキル)
2;アリール及びヘテロアリールから選択され;
R
2が、モノ、ジ、もしくはトリグリコシド、またはOC(O)C
3-5アルケニルから選択され;
各Xが、独立して、CH
2、N、O、S、SO、またはSO
2から選択され;そして
式中、n=0~6である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アベルメクチンが、イベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記対象が哺乳動物である、請求項1、2、または3に記載の方法。
【請求項5】
前記対象がヒトである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記神経障害が、発作性障害及び/または運動障害を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記神経障害が、発作性障害を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記神経障害が、運動障害を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記神経障害が、痙攣を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記神経障害が、GABA作動性機能不全またはグリシン作動性機能不全によって引き起こされる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記神経障害が、GABA作動性機能不全によって引き起こされる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記神経障害が、グリシン作動性機能不全によって引き起こされる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記神経障害が、神経系の損傷によって引き起こされる、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記神経障害が、脳の損傷によって引き起こされる、請求項1~10または13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記神経障害が、脊髄の損傷によって引き起こされる、請求項1~10または13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記神経障害が、寄生虫によって引き起こされる、請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記神経障害が、感染症によって引き起こされる、請求項1~10または16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記感染症が、細菌性である、請求項1~10または16~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記感染症が、ウイルス性である、請求項1~10または16~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記神経障害が難治性である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記神経障害が、てんかん、難治性てんかん、Gravet症候群、レノックス・ガストー症候群、脊髄損傷、小児欠神5(ECA5)、てんかん性脳症(EE)、乳児期てんかん性脳症43(EIEE43)、アンジェルマン症候群、脳損傷、脳卒中、嗜癖行動、くも膜下出血、無酸素性脳症、感染性または代謝性脳症、出血性、塞栓性/アテローム硬化性脳血管障害から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記神経障害がてんかんである、請求項1~21のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記神経障害が難治性てんかんである、請求項1~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記神経障害が、多発性硬化症、脊髄損傷に関連する痙攣、寄生性不全麻痺を含む他の疾患に関連する痙攣、脳性麻痺に関連する痙攣を含む複数の形態の痙攣、脊髄損傷後の失禁、ジストニア、側索硬化症、筋緊張性ジストロフィー、先天性(遺伝性)筋ジストロフィー(例えばデュシェンヌ型及びベッカー型)、レット症候群、プラダーウィリー症候群から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記神経障害が、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、自閉症、自閉症スペクトラム障害、全般的発達遅滞、微細運動制御及び粗大運動制御の低下、注意欠陥多動性障害(ADHD)から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記神経障害が、びっくり病、全身硬直症候群から選択される、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記神経障害が、マイコバクテリウム感染症、ジカ感染症、及び脳性マラリアから選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記組成物を、別の薬剤と併用する、請求項1~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記投与経路が、経口、経鼻、眼、静脈内、皮下、経皮、皮下注射、局所、または直腸である、請求項1~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記組成物を、1mg/日~150mg/日の用量で投与する、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記用量が、1mg/日~40mg/日、または5mg/日~40mg/日、または10mg/日~40mg/日、または10mg/日~100mg/日、または10mg/日~150mg/日である、請求項1~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記投薬が、90日間、または6か月間、または1年間、または継続的に、毎日、または週2~4回、または週3~5回、または毎週、または隔週、または毎月、または隔月である、請求項1~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
治療有効量のアベルメクチン、または式Iの化合物、またはイベルメクチン、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を含む組成物。
【請求項34】
治療有効量のアベルメクチン、または式Iの化合物、またはイベルメクチン、またはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体を、賦形剤、担体、充填剤、増量剤、結合剤、保湿剤、崩壊剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸着剤、滑沢剤、及び緩衝剤からなる群から選択される1つ以上の材料と共に含む製剤。
【請求項35】
前記製剤が固体剤形である、請求項33または34に記載の製剤。
【請求項36】
前記固体剤形が、丸剤、錠剤、液体キャップ、舌下溶解錠剤、グミベアまたはカプセル剤である、請求項33~35のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項37】
前記製剤が液体剤形である、請求項33または34に記載の製剤。
【請求項38】
前記液体剤形が、乳濁液、懸濁液、溶液、エリキシル、シロップまたは液体含有カプセル剤である、請求項33~34または37のいずれか一項に記載の製剤。
【請求項39】
前記製剤がエアロゾルである、請求項33または34に記載の製剤。
【請求項40】
前記製剤が、舌下スプレーまたは鼻スプレーの形態である、請求項33~34または40のいずれか一項に記載の製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトの様々な神経障害の予防、治療及び制御のためのアベルメクチン化合物の使用に関する。アベルメクチン、特にイベルメクチンを投与するための新規製剤も開示する。
【背景技術】
【0002】
アベルメクチンは、強力な駆虫特性及び殺虫特性を備えた16員の大環状ラクトン誘導体のファミリーであり、寄生虫による感染症及び他の寄生生物感染症の治療または予防のための活性薬剤として使用される。アベルメクチンは一連のマクロライドであり、それぞれが13位で4-(α-L-オレアンドロシル)-α-L-オレアンドロース基で置換される。アベルメクチンは、細菌Streptomyces avermitilの培養によって、または合成または半合成の手段によって生成される。アベルメクチンファミリーのメンバーは、無脊椎動物の神経細胞及び筋細胞で発生するグルタミン酸作動性塩素イオンチャネルに選択的かつ高い親和性で結合する。これは、塩化物イオンに対する細胞膜の透過性の増加と、それに伴う神経細胞または筋細胞の過分極をもたらし、寄生虫を麻痺させ、死に至らしめる。すべてのアベルメクチンファミリーの化合物は、異なるレベルの効力で同様のスペクトルの活性を示す。
【0003】
アベルメクチンファミリーのメンバーであるイベルメクチンは、非常に強力な抗寄生虫薬である。イベルメクチンは、22,23-ジヒドロアベルメクチンB1aと22,23-ジヒドロアベルメクチンB1bの混合物である。イベルメクチンは、歴史的に、ヒト及び獣医学用途の広域スペクトルの抗寄生虫薬として使用されてきた。
【0004】
イベルメクチンは、Merial社からCardomec(登録商標)(ネコ用)、Eqvalane(登録商標)(ウマ用)及びIvomec(登録商標)(ウシ用)として;Famam Companies,IncからZimecterin(登録商標)(ウマ用)として動物用に市販されている。この薬は、心臓病予防のための錠剤及びチュアブル錠、耳ダニ治療のための局所溶液、及び獣医学用途の他の寄生虫用の注射用溶液、経口ペーストまたは溶液中で利用可能である。イベルメクチンはまた、寄生虫の侵入を治療するためのヒト用途にも利用することができる。例えば、Merck&Co.から販売されているストロメクトールは、オンコセルカ症(河川盲目症)及び糞線虫症(非播種性腸ギョウチュウ症)の治療に対して、米国食品医薬品局によって承認されている。研究によると、イベルメクチンは、ヒトに比較的大量に投与した場合でも、重大な副作用を引き起こさなかった。アタマジラミ、ニキビダニ(米国特許第5,952,372号)に関連する酒さ、ならびに酒さ性ざ瘡(米国特許第6,133,310号)及び尋常性酒さ(米国特許第6,399,652B1号)の治療のためのイベルメクチンの局所塗布が記載されている。
【0005】
以前の研究では、オンコセルカ症に罹患している患者をイベルメクチンで治療した場合、オンコセルカ症に典型的に見られるてんかん発作のエピソードが減少したことが指摘された(Ndahura,M.,et al.(2019). PO 8576 Effect of ivermectin treatment on the frequency of seizures in persons with onchocerciasis-associated epilepsy: preliminary results of a randomized clinical trial. BMJ Global Health,4(Suppl 3). doi:10.1136/bmjgh-2019-edc.150)。これは、根底にある寄生虫疾患の軽減に起因し得る。
【0006】
発作性障害または運動障害を特徴とする神経障害に現在使用されている薬は、特に過剰摂取または長期間服用すると、行動変化、嗜眠、不眠症、うつ病、精神病的行動、呼吸抑制、昏睡及び死などの重大な副作用を示す。したがって、そのような神経障害を、健康への悪影響をほとんどまたはまったく引き起こさずに治療するために使用することができる代替薬の開発に関する未だ満たされていないニーズが存在する。
【発明の概要】
【0007】
GABA作動性またはグリシン作動性機能不全に関連する様々な神経障害、例えば、統合失調症、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー、全身硬直症候群(SPS)、過剰驚愕症(びっくり病)、ならびに特に、てんかん、レノックス・ガストー症候群などの発作性障害及びジストニア、多発性硬化症、脊髄損傷に関連する痙攣、寄生性不全麻痺を含む他の疾患に関連する痙攣、脳麻痺に関連する痙攣を含む複数の形態の痙攣、脊髄損傷後の失禁などの運動障害をもたらす神経疾患を、ヒトにおいて重大な副作用を引き起こすことなく治療するために、イベルメクチン、及び他のアベルメクチンを本明細書に開示する。イベルメクチンは、髄膜炎、髄膜脳炎、脳炎、脳性マラリア、ジカ感染症、または中枢神経系の膿瘍などの感染症によって引き起こされる神経障害の治療にも使用し得る。イベルメクチン、及び他のアベルメクチンは、従来の治療法に多くの場合に付随する望ましくない副作用を最小限に抑えながら、神経障害の効果的な治療を提供する。
【0008】
本開示は、アベルメクチンを含む組成物を患者に投与することによって神経疾患及び神経障害を治療するための組成物及び方法を提供する。アベルメクチンは、イベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体であってもよい。
【0009】
本開示は、神経障害に関連するGABA作動性機能不全に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0010】
本開示は、神経障害に関連するグリシン作動性機能不全に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0011】
本開示は、発作性障害または運動障害を特徴とする神経障害に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチンを含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0012】
本開示は、神経障害に起因する痙攣に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0013】
本開示は、ドーパミン作動性調節不全に関連する神経障害に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0014】
本開示は、脳損傷または脊髄損傷によって引き起こされる神経障害に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0015】
本開示は、感染症によって引き起こされる神経障害に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0016】
本開示は、難治性神経障害に罹患しているヒトを治療するためのアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、及び投与方法を提供する。
【0017】
本開示は、発作性障害または運動障害、特にてんかんを特徴とする神経障害の補助的治療または独立型治療のためのイベルメクチン組成物及び投薬を提供する。例えば、本明細書中で提供する組成物及び方法により、患者に投与する追加の抗てんかん薬の量の低減が可能になり得るか、または他の例では、患者に投与する1つ以上の抗てんかん薬を置き換え得る。障害を管理するための追加の投薬の必要性のこの低減により、従来の治療法の長期摂取に関連する副作用が軽減される。
【0018】
成人または小児で使用するために特別に製剤化されたアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の組成物も提供する。特定の態様では、本開示は、苦味をマスクし、したがって、患者、特に小児患者の嗜好性を高めるイベルメクチン製剤を提供する。
【0019】
本開示は、経口投与用の液体ベースの製剤として特別に製剤化されたアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の組成物を提供する。液体ベースの製剤は、アベルメクチンが溶解及び/または懸濁された乳濁液、懸濁液、溶液、エリキシル、またはシロップの形態、またはアベルメクチンがカプセルコアの液体部分に溶解及び/または懸濁された液体含有カプセルの形態であってもよい。
【0020】
本開示は、徐放用に特別に製剤化されたアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の組成物を提供する。
【0021】
小児または成人用に設計されたイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体組成物の投薬レジメンも提供する。小児患者を治療するためのイベルメクチン組成物の好ましい用量は、約5mg/日~約40mg/日である。成人患者を治療するためのイベルメクチン組成物の好ましい用量は、約10mg/日~約100mg/日である。特定の態様では、投薬スケジュールは、約30日間、約60日間、約90日間、または継続的に1日1回である。特定の態様では、投薬スケジュールは、約90日間、約6か月間、約1年間、または継続的に毎日、週2~4回、週3~5回、毎週、隔週、毎月、隔月または毎年である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本開示は、神経疾患及び神経障害を治療するための組成物及び方法を提供する。組成物は一般に、C-076ファミリーの化合物、すなわちアベルメクチンを含む。より具体的には、本開示は、GABA作動性機能不全(例えば、統合失調症、自閉症、パーキンソン病、アルツハイマー)またはグリシン作動性機能不全(例えば、SPS、びっくり病)に関連する様々な神経障害、特に、発作性障害(すなわち、てんかん、レノックス・ガストー症候群)及び運動障害(すなわち、ジストニア、多発性硬化症、脊髄損傷に関連する痙攣、寄生性不全麻痺を含む他の疾患に関連する痙攣、脳性麻痺に関連する痙攣を含む複数の形態の痙攣、脊髄損傷後の失禁)をもたらす神経障害を、ヒトにおいて、アベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、前記組成物の製剤、投薬量、及び治療スケジュールを使用して予防、治療及び制御する方法を提供する。本開示はまた、アベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物、前記組成物の製剤、投薬量、及び治療スケジュールを使用して、感染症によって引き起こされる様々な神経障害(すなわち、髄膜炎、髄膜脳炎、脳炎、脳性マラリア、ジカ感染症または中枢神経系の膿瘍)を、予防、治療及び制御する方法を提供する。
【0023】
一態様では、本開示は、本明細書に開示する予防方法、治療方法、及び制御方法から最も恩恵を受ける患者集団を特定する方法を提供する。
【0024】
アベルメクチン
【0025】
アベルメクチンは、4つの密接に関連する主要成分、A1a、A2a、B1a及びB2aと、対応する主要成分の下位ホモログである4つのマイナー成分A1b、A2b、B1b、B2bのファミリーである。8つの異なるアベルメクチンが4対のホモログ化合物で分離され、主要成分とマイナー成分は、通常80:20~90:10の比率であった。アベルメクチンに由来する駆虫薬として、イベルメクチン、セラメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、モキシデクチン、及びアバメクチンが挙げられる。ファミリーのメンバーは、様々な程度の効力で駆虫及び殺虫/殺ダニ活性を示す。
【0026】
アベルメクチンまたは誘導体は、式I:
【化1】
による化合物であってもよく、
式中、
各R
1は、独立して、H、OC
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、シクロアルキル、またはシクロヘテロアルキル;C
1-6飽和もしくは不飽和アルキル、シクロアルキル、またはシクロヘテロアルキル;Cl;Br;F;I;OH;OAc;CF
3;NH
2;CM;CO
2H;CO
2C
1-6飽和または不飽和アルキル;NHC
1-6飽和もしくは不飽和アルキルまたはシクロアルキル;あるいはN(C
1-6飽和もしくは不飽和アルキルまたはシクロアルキル)
2;アリールまたはヘテロアリールから選択され;
R
2は、モノ、ジ、もしくはトリグリコシド、またはOC(O)C
3-5アルケニルから選択され;
各Xは、独立して、CH
2、N、O、S、SO、またはSO
2から選択され;そして
式中、n=0~6である。
【0027】
本発明の目的のための好ましいアベルメクチン化合物には、イベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体が含まれる。イベルメクチンは通常、70~90%の22,23-ジヒドロアベルメクチンB1aと約30%未満の22,23-ジヒドロアベルメクチンB1bを含む。
【0028】
アバメクチン及びドラメクチン、ならびにイベルメクチンのプロドラッグを含むイベルメクチンの誘導体は、使用時にイベルメクチンと同様の特性及び用途を有する。アバメクチンとドラメクチンはどちらも、イベルメクチンの構造式のC22-C23の位置に二重結合を有する。さらに、ドラメクチンでは、ベンゼン環の側鎖でC25位が置換されている。
【化2】
【0029】
本明細書中で使用する場合、「誘導体」とは、それが由来する親アベルメクチンの生物学的活性を保持するか、または親アベルメクチンのプロドラッグである化合物を指す。誘導体には、アベルメクチンに由来するエステル、アミド、エーテルなどが含まれ得る。
【0030】
治療方法
【0031】
一態様では、本開示は、治療、予防及び/または重症度もしくは程度の軽減を必要とする対象に、1つ以上のアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む治療有効量の組成物または複数の組成物を投与することによって、発作性障害または運動障害を特徴とする神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減する方法を提供する。
【0032】
本明細書中で使用する場合、「治療すること」、「治療する」、「治療」とは、疾患または障害の症状の少なくとも1つを低減、緩和、改善、または軽減することを指す。
【0033】
用語「予防する」、「予防する」などは、明白な疾患もしくは障害の発症前に行動して、疾患もしくは障害の発症を予防するか、疾患もしくは障害の程度を最小限に抑えるか、またはその発症過程を遅らせることを指す。
【0034】
用語「治癒」などは、治癒する、健康を回復する、もしくは健康に回復する、または再発のリスクが小さいように疾患が再発しない時間を与えることを意味する。
【0035】
語句「治療有効量」とは、本明細書中では、疾患もしくは障害に関連する1つ以上の症状を、例えば、遅延、低減、最小化、もしくは緩和することによって、対象における生理機能に所望の有益な変化をもたらすか、または、対象における臨床的に有意な病態の改善を引き起こすのに十分な量を意味するように使用される。
【0036】
本明細書に記載の治療(例えば、治療有効量の組成物、または1つ以上のイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物)を受けている対象は、治療の結果として、発作の減少または完全な欠如及び/または障害による不随意の筋肉運動の減少/欠如を経験し得る。
【0037】
神経疾患
【0038】
一態様では、本開示は、てんかん、治療抵抗性てんかん、Gravet症候群、レノックス・ガストー症候群、脊髄損傷、小児欠神5(ECA5)、てんかん性脳症(EE)、乳児期てんかん性脳症43(EIEE43)、アンジェルマン症候群、脳損傷、脳卒中、嗜癖行動、くも膜下出血、無酸素性脳症、感染性または代謝性脳症、出血性、塞栓性/アテローム硬化性脳血管障害、及び他の発作性徴候を含むがこれらに限定されない発作性障害を特徴とする神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減するための方法を提供する。
【0039】
別の態様では、本開示は、多発性硬化症、脊髄損傷に関連する痙攣、寄生性不全麻痺を含む他の疾患に関連する痙攣、脳性麻痺に関連する痙攣を含む複数の形態の痙攣、脊髄損傷後の失禁、ジストニア、側索硬化症、筋緊張性ジストロフィー、先天性(遺伝性)筋ジストロフィー(例えばデュシェンヌ型及びベッカー型)、レット症候群、プラダーウィリー症候群及び任意の希少運動神経疾患を含むがこれらに限定されない筋肉運動障害に関連する神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減するための方法を提供する。
【0040】
一態様では、本開示は、アルツハイマー病、パーキンソン病、統合失調症、自閉症、自閉症スペクトラム障害、全般的発達遅滞、微細運動制御及び粗大運動制御の低下、注意欠陥多動性障害(ADHD)を含むがこれらに限定されない、GABA作動性機能不全によって引き起こされる神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減するための方法を提供する。
【0041】
一態様では、本開示は、全身硬直症候群、びっくり病を含むがこれらに限定されないグリシン作動性機能不全によって引き起こされる神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減するための方法を提供する。
【0042】
一態様では、本開示は、マイコバクテリウム感染症、ジカ感染症、及び脳性マラリアを含むがこれらに限定されない感染症によって引き起こされる神経障害を治療、予防及び/または重症度もしくは程度を軽減する方法を提供する。
【0043】
一態様では、本開示は、損傷によって引き起こされる神経障害を治療、予防、及び/または重症度もしくは程度を軽減するための方法を提供する。
【0044】
医薬組成物
【0045】
医薬組成物は、1つ以上のアベルメクチンを含み、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む。これらの組成物を、本明細書に開示する障害及び疾患の治療のために、単独で、または他の薬剤と併用して投与してもよい。
【0046】
医薬組成物とは、治療上有効な化合物及び薬学的に許容される担体、ならびに任意選択で、他の材料、例えば、1つ以上の不活性成分(例えば、検出可能な薬剤または標識)または1つ以上の活性成分を含む組成物を指し得る。
【0047】
用語「担体」とは、その中に医薬組成物を投与する、希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。薬学的に許容される担体には、生理学的に適合性のある1つ以上の溶媒、分散媒、コーティング、等張剤及び吸収遅延剤などが含まれ得る。組成物は、希釈剤、結合剤、安定剤、緩衝液、塩、親油性溶媒、防腐剤、またはそれらの混合物などの成分を含み得る。薬学的に許容される担体の例として、水、生理食塩水、リン酸緩衝食塩水、デキストロース水溶液、グリセラル溶液が挙げられるが、これらに限定されない。好適な薬学的賦形剤として、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、マンニトール、セルロース、麦芽、コメ、小麦粉、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥脱脂乳、グリセロール、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。
【0048】
担体はまた、無毒性の界面活性剤と任意に混合された有機酸または有機塩基から調製された塩などの緩衝液またはpH調整剤を包含し得る。緩衝液の例として、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、炭酸、酒石酸、コハク酸、酢酸、またはフタル酸の塩などの有機酸塩、トリス、塩酸トロメタミン、及びリン酸緩衝液が挙げられるが、これらに限定されない。追加の担体として、ポリビニルピロリドン、フィコール(高分子糖)、デキストレート(例えば、2-ヒドロキシプロピル-クアドラチュア(quadrature)-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン)、ポリエチレングリコール、チェリーまたは冬緑油フレーバーなどの香味剤、抗菌剤、甘味料、抗酸化剤、帯電防止剤などの高分子賦形剤または添加剤が含まれ得る。組成物は、薬学的担体または賦形剤、及び活性薬剤としてのアベルメクチンを含み得、さらに、他の薬剤、医薬剤、担体、アジュバント、結合剤などを含み得る。本発明の医薬組成物はまた、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤、抗酸化剤などの少量の補助物質、例えば、クエン酸、モノラウリン酸ソルビタン、オレイン酸トリエタノールアミン、ブチル化ヒドロキシトルエンなどを含み得る。
【0049】
組成物は、好ましくは正確な投薬量をシンプルに投与することに適した単位剤形の固体、半固体、凍結乾燥粉末、または液体剤形、例えば、溶液、懸濁液、乳濁液、エアロゾル、ゲル、インプラント、マイクロニードル、錠剤、丸剤、カプセル剤、軟カプセル剤または硬カプセル剤、皮膚パッチ、グミベア、散剤、懸濁液、徐放性製剤などの形態をとることができる。好ましい実施形態では、組成物は、錠剤、カプセル剤、液体キャップ、舌下溶解錠剤、舌下スプレー、鼻スプレー、グミベア及び/または皮膚パッチの形態をとる。
【0050】
好ましい態様では、組成物は、アベルメクチンが溶解及び/または懸濁された乳濁液、懸濁液、溶液、エリキシル、またはシロップの形態、あるいはアベルメクチンがカプセルコアの液体部分に溶解及び/または懸濁された液体含有カプセルの形態を含むがこれらに限定されない液体ベースの製剤である。組成物は、治療有効量の液体製剤で満たされたカプセルであってもよい。他の態様では、投薬は、アベルメクチンを含む固体経口剤形(すなわち、錠剤、カプセル剤など)であり、製剤は、持続放出及び/または遅延放出として患者の体内に放出される。
【0051】
投与方法
【0052】
適切な医薬組成物中にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体を含む組成物を投与する方法は、経口、経鼻、眼内、静脈内、筋肉内、皮下、経皮、皮下、舌下または直腸投与を介して実施することができる。
【0053】
一態様では、投与経路は、錠剤、舌下溶解錠剤、丸剤、カプセル剤、軟カプセル剤または硬カプセル剤、グミベア及び/または舌下溶解スプレーの形態で治療しようとする疾患状態の重症度に応じて調整することができる投薬レジメンを用いた経口投与である。
【0054】
一態様では、投与経路は、治療しようとする疾患状態の重症度に応じて調節することができる投薬レジメンを用いた経鼻投与である。組成物は、エアロゾル、液体懸濁液、液体分散液、散剤、または鼻スプレー、鼻洗浄剤、吸入器、点鼻薬、及び/またはディフューザーの形態の水溶液ベースの製剤であり得る。
【0055】
一態様では、投与経路は、局所、皮下、真皮下、経皮、皮内または皮膚パッチを含むがこれらに限定されない皮膚投与である。
【0056】
有効量の組成物を、2つの異なる投与経路、例えば、経口投与及び皮膚投与によって共投与してもよい。共投与は、ほぼ同時に、または異なる時間に実施することができる。有効量の組成物を、神経障害を治療するために一般的に使用されている他の薬物と共投与してもよい。
【0057】
患者集団
【0058】
患者は、ヒトまたは他の哺乳動物であってもよい。ヒトの患者では、通常、発作性障害及び/または運動障害を特徴とする神経障害に罹患している。
【0059】
いくつかの実施形態では、患者は、難治性の神経障害を有する。本明細書中で使用する用語「難治性」とは、その特定の疾患に使用される1つ以上の治療に対して応答しないか、または応答が低下している疾患を意味する。その疾患は、治療開始時に非応答であるか、または治療中に応答しなくなり得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、患者は、感染症または損傷に関連する神経障害を有する。
【0061】
いくつかの実施形態では、患者は、GABA作動性機能不全に関連する神経障害を有する。
【0062】
いくつかの実施形態では、患者は、グリシン作動性機能不全に関連する神経障害を有する。
【0063】
投薬量
【0064】
組成物の有効量とは、例えば、対象において疾患の1つ以上の症状を改善するために、投与後に患者に治療効果を与えるのに十分な量である。有効量は、対象の種、年齢、体重、健康状態、及び疾患の性質または重症度に応じて様々に異なり得る。投与の様式に応じて、有効量もまた様々に異なり得る。いくつかの場合では、意図された治療効果のための有効量を達成するために、複数回用量の組成物を投与する。いくつかの実施形態では、投与するアベルメクチン、特にイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の用量は、約1mg/日~約150mg/日、約5mg/日~約150mg/日、約10mg/日~約150mg/日、約20mg/日~約150mg/日、約25mg/日~約150mg/日、約30mg/日~約150mg/日、約35mg/日~約150mg/日、約40mg/日~約150mg/日、約50mg/日~約150mg/日、約60mg/日~約150mg/日、約70mg/日~約150mg/日、約80mg/日~約150mg/日、約90mg/日~約150mg/日、約100mg/日~約150mg/日、約110mg/日~約150mg/日、約120mg/日~約150mg/日、約130mg/日~約150mg/日、約140mg/日~約150mg/日、約150mg/日である。好ましい実施形態では、小児患者に投与するイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の用量は、約5mg/日~約40mg/日である。好ましい実施形態では、小児患者に投与するイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体の用量は、約10mg/日~約100mg/日である。
【0065】
治療のための投薬レジメンを、最適な所望の応答(例えば、治療応答または予防応答)が提供されるように調整してもよい。例えば、単回用量を投与してもよく、複数の分割用量を経時的に投与してもよく、またはその用量を、治療に対する対象の応答性に応じて、比例的に増減させてもよい。いくつかの実施形態では、投薬スケジュールは、約30日間、約60日間、約90日間、または連続的に1日1回である。いくつかの実施形態では、投薬スケジュールは、約90日間、約6か月間、約1年間、または継続的に毎日、週2~4回、週3~5回、毎週、隔週、毎月、または隔月である。
【0066】
本発明のキットは、薬剤、組成物、成分、試薬、投与装置もしくは投与機構、または本明細書中で提供する他の実体の任意の組み合わせを含み得る。例えば、本発明のキットは、1つ以上のイベルメクチンまたはイベルメクチン誘導体、ならびに1つ以上の担体組成物、投与装置、及び併用治療剤を含み得る。キットは、送達を容易にするための装置をさらに含んでいてもよい。本明細書中で提供するキットのいずれも、投与のための指示書と共に、容器、パック、またはディスペンサーに含まれ得る。
【国際調査報告】