(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-10
(54)【発明の名称】同一の湾曲LEDモジュールを有する照明器具、及び前記照明器具に適したLEDモジュール
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20230303BHJP
F21V 5/00 20180101ALI20230303BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230303BHJP
F21Y 103/33 20160101ALN20230303BHJP
【FI】
F21S8/04 100
F21V5/00 510
F21Y115:10
F21Y103:33
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542759
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-09-12
(86)【国際出願番号】 EP2021050481
(87)【国際公開番号】W WO2021148279
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】タイセン ヨハンネス マリア
(72)【発明者】
【氏名】ドイメリンク アンドレアス アロイシウス ヘンリクス
(72)【発明者】
【氏名】ボーイ シルヴィア マリア
(57)【要約】
照明器具が、LEDモジュールの内側配列及び外側配列に同一の湾曲LEDモジュールを有する。前記LEDモジュールは、主面と、前記主面に配設される多数のLEDとを有する湾曲PCBを含む。前記LEDモジュールは、幅Wを有し、その主面が平面Qに延在するように湾曲している。前記LEDモジュールは、半径Rcを有する円上に延在し、200mm≦Rc≦450mmであり、前記円上に角度αにわたって延在し、36°≦α≦72°である。LEDの個数は、3個と150個との間である。各LEDは、動作中、前記LEDが、回転対称のバットウィングビームであって、前記光軸に対して角度βにおいて前記バットウィングビームの最大強度Imaxを持ち、15乃至30°の範囲内のFWHMを持つバットウィングビームを発するようにするよう、それぞれの、ドーナツのような形状のレンズを有し、60°≦β≦80°である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具であり、複数のLEDモジュールが配設される第1担体面を持つ基部、及び前記第1担体面とは反対側の、前記照明器具の光出射窓に配設されるカバーを備えるハウジングを有する照明器具であって、
前記LEDモジュールが、多数のN個のLEDが取り付けられる主面を持つ湾曲PCBを有する湾曲LEDモジュールであり、前記LEDが、光出射窓の方を向いており、前記カバーによって覆われ、
前記LEDモジュールが、LEDモジュールの外側配列によって囲まれるLEDモジュールの内側配列を有するように配設され、
全てのLEDモジュールが同一である照明器具。
【請求項2】
前記光出射窓が、直径Dlを備える円形であり、前記第1担体面において少なくとも7個の均等に配設される湾曲LEDモジュールを有し、前記LEDモジュールのうちの少なくとも5個が、少なくとも2個のLEDモジュールの中央の前記内側配列の周りに、直径Dcを備える円形構成を形成する外側配列として配設され、1.2≦Dl/Dc≦1.6である請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記LEDモジュールが、その主面が平面Qに延在し、その湾曲部に対して横方向の幅Wを備える湾曲形状を有し、前記LEDモジュールが、半径Rcを備える円の円弧セグメントをカバーし、120mm≦Rc≦450mmであり、
前記LEDモジュールが、前記円上に角度αにわたって延在し、30°≦α≦90°であり、好ましくは36°≦α≦72°であり、より好ましくは50°≦α≦70°であり、
LEDの個数Nが、少なくともNminであり、最大でNmaxであり、Nmin=3であり、Nmax=150であり、
前記LEDが、隣接LED間にそれぞれのピッチをおいて、前記PCBに少なくとも1列に均等に配設される請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
各LEDが、関連するLEDダイの光軸上に配置されるそれぞれのレンズを有し、前記LEDダイが、前記LEDダイからの光を前記レンズ内へ結合するための内側光入射面を有する前記レンズのレンズ基部におけるキャビティに収容され、前記レンズが、前記レンズ基部の反対側に、前記光軸の周りに円形の凹状光出射面を有し、動作中、前記LEDが、回転対称のバットウィングビームであって、前記光軸に対して角度βにおいて前記バットウィングビームの最大強度Imaxを持ち、15乃至30°の範囲内のFWHMを持つバットウィングビームを発するようにするよう、前記凹状光出射面が、凸状光出射面によって囲まれており、60°≦β≦80°である請求項1、2又は3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記LEDモジュールが、光軸を中心とした、円形外側配列と同心の円形内側配列を有する配列に配設される請求項1、2、3又は4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記LEDモジュールが、光軸を中心とする少なくとも3つの同心の円形配列を有する配列に配設される請求項1、2、3又は4に記載の照明器具。
【請求項7】
前記中央の配列が、半径Raを有し、各後続の更なる円形構成は、直径がRi増加し、1.8*Ra≦Ri≦2.2*Raである請求項5又は6に記載の照明器具。
【請求項8】
前記円形構成が半径Rcを有し、120mm≦Rc≦450mmである請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項9】
前記基部が、最も高い部分が、前記基部の、前記第1担体面とは反対側の第2担体面にキャビティを作成する、段付き高さプロファイルを有する請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項10】
前記LEDが、LED間に平均ピッチPavgをおいて前記PCBに配設され、隣接LED間の前記それぞれのピッチが、最小限でPminであり、最大限でPmaxであり、Pmin=5mmであり、Pmax=100mmであり、比率Emax=Pmax/Pavgが最大で1.4であり、比率Emin=Pmin/Pavgが少なくとも0.4である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項11】
前記多数のLEDが、T個の異なる種類のLEDを有する場合、Nが、Tの倍数である請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項12】
前記湾曲LEDモジュールが長さLを有し、180mm≦L≦280mmである請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項13】
5mm≦W≦65mmであり、好ましくは20mm≦W≦50mmである請求項1乃至12のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項14】
前記LEDモジュール自体の前記湾曲部が、円弧セグメントに従って湾曲しており、前記湾曲部が、半径Rpcbを有する湾曲を有し、200mm≦Rpcb≦450mmである請求項1乃至13のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項15】
請求項1乃至14のいずれか一項に記載の照明器具における使用に適したLEDモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の同一の湾曲LEDモジュールを有する、本発明による照明器具に関する。本発明は、更に、本発明による照明器具において適用されるのに適したLEDモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
センターピース(center piece)とも呼ばれる、アジアにおける機能的な天井照明器具は、一般に、例えば約850mmの直径までの大きな直径、及び相対的に薄い厚さ、即ち、約100mm未満の総厚を備える拡散照明器具である。照明器具の光出射窓に配置される拡散器において所望の一様な輝度を作成するための幾つかの選択肢がある。一般的に使用される解決策は、LEDの強度分布を広くするレンズと組み合わせて相対的に少数のLEDが取り付けられているPCBを有するLEDモジュールを使用するものである。このようなLEDモジュールは、一般に、L2モジュール又はL2 LEDモジュールと呼ばれる。この目的を果たすのに適したレンズは、TVのバックライトにおいて一般的に使用されている/されていた、バットウィングレンズ又はTVレンズとして知られている。レンズは、大きな一体型レンズプレート(integral lens plate)として、又は各LEDが個々の別々のレンズを持つように、設けられ得る。大きな一体型レンズプレートは、例えば熱膨張の違いによる、LEDとその関連レンズとの間のずれという不利な点を有する。更に、これらの大きなレンズプレートのための工具コストは相対的に高く、相対的に重い機械が必要とされる。その上、これらの既知のLEDモジュールは、照明器具の光出射窓の不均一な照明という不利な点を有する。簡単な代替策は、大きなPCBに相対的に多くのLEDを取り付けるものである。これは、照明器具が光出射窓の均一な照明を持つようにするが、大きな照明器具において前記一様な輝度を作成するために、多くの、一般に、光出力のために必要とされるよりもはるかに多くのLEDを備える相対的に大きなPCB領域が必要とされる。これは、照明器具の製造が、面倒であり、相対的に費用が高いという不利な点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、PCB-LED-光学系の組み合わせ、即ち、LEDモジュールと、既知のデバイスの不利な点が和らげられる、複数の前記LEDモジュールを有する照明器具とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
それに対して、前記照明器具は、複数のLEDモジュールが配設される第1担体面(first carrier surface)を持つ基部(base)、及び前記第1担体面とは反対側の、前記照明器具の光出射窓に配設されるカバーを備えるハウジングを有し、
前記LEDモジュールは、多数のN個のLEDが取り付けられる主面を持つ湾曲PCBを有する湾曲LEDモジュールであり、前記LEDは、前記光出射窓の方を向いており、前記カバーによって遮蔽され、
前記LEDモジュールは、LEDモジュールの外側配列(outer arrangement)によって囲まれるLEDモジュールの内側配列(inner arrangement)を有するように配設され、
全てのLEDモジュールが同一である。
【0005】
従来技術のデバイスの各照明器具においては、湾曲LEDモジュールの内側配列及び外側配列が存在し、前記湾曲LEDモジュールの内側配列及び外側配列のために、それぞれのタイプの専用の湾曲LEDモジュールが設けられ、前記それぞれのタイプの専用の湾曲LEDモジュールが、相互に異なる、即ち、同一ではない。本発明は、ポートフォリオ(portfolio)の維持のためのコスト及び資源の節約のような既知の利点を有する、多様性が低減される本発明による広い範囲の照明器具に役立つことができる湾曲LEDモジュール及び照明器具の特徴を記述する。
【0006】
典型的には、本発明による湾曲LEDモジュールは、その主面が平面Qに延在し、その湾曲部(curve)に対して横方向の幅Wを備える湾曲形状を有するという技術的特徴を有し、前記LEDモジュールは、半径Rcを備える、通常、ディスクと呼ばれる、円0の円弧セグメント、全面ではなく、外側境界範囲のみをカバーし、120mm≦Rc≦450mmであり、前記LEDモジュールは、前記円上に角度αにわたって延在し、30°≦α≦90°であり、好ましくは36°≦α≦72°であり、
- LEDの個数Nは、少なくともNminであり、最大でNmaxであり、Nmin=3であり、Nmax=150であり、
- 前記LEDは、隣接LED間にそれぞれのピッチをおいて、前記PCBに少なくとも1列に均等に配設される。
【0007】
前記LEDモジュールの更なる特徴は、各LEDが、関連するLEDダイの光軸上に配置されるそれぞれのレンズを有し、前記LEDダイが、前記LEDダイからの光を前記レンズ内へ結合するための内側光入射面を有する前記レンズのレンズ基部におけるキャビティに収容され、前記レンズが、前記レンズ基部の反対側に、前記光軸の周りに円形の凹状光出射面を有し、動作中、前記LEDが、回転対称のバットウィングビームであって、前記光軸に対して角度βにおいて前記バットウィングビームの最大強度Imaxを持ち、15乃至30°の範囲内のFWHMを持つバットウィングビームを発するようにするよう、前記凹状光出射面が、凸状光出射面によって囲まれており、60°≦β≦80°であるというものである。
【0008】
前記湾曲LEDモジュールは、湾曲した又はキンク(kinked)輪郭を有し、その代わりに、曲がったLEDモジュール又は単にLEDモジュールと呼ばれる。同様に、湾曲PCBは、その代わりに、曲がったPCBと呼ばれる。前記湾曲部は、例えば、円弧セグメント、楕円セグメント、放物線セグメント、又は単一の若しくは複数のキンク形状に従うようなポリライン(polyline)に従ってもよい。前記LEDモジュール、それぞれ、PCBの湾曲部は、一般的に、1つの平面内にしかなく、即ち、前記湾曲LEDモジュール及び湾曲PCBのような平坦な物体は、それが湾曲している結果として、より大きな3D寸法を与えられない。前記レンズの形状は、大体、前記レンズのレンズ基部側に光入射面として中央キャビティを備え、前記レンズの光出射面に滑らかな中央凹部を備える、換言すれば、中央凹状部を有する凸状光出射面を備えるドーナツ形状と表現され得る。
【0009】
レンズを備える前記LEDが配置されるパターン、並びにそれらの典型的な発光ビームプロファイル及び方向は、前記光出射窓の所望の一様な輝度のために好ましいものである。そのため、従来技術のデバイスにおいては、各照明器具が、それ自身の専用のLEDモジュールを有する。本発明は、ポートフォリオの維持のためのコスト及び資源の節約のような既知の利点を有する、多様性を低減する、広い範囲の照明器具の形状寸法(geometry)に役立つことができる1つのLEDモジュールを記述する。その上、本発明によるLEDモジュールは、より少ないPCB材料しか必要とせず、このことは、コストを削減する。前記LEDモジュールの基本的な実施形態においては、1つのLED色しか使用されない。他の実施形態においては、複数のLED色、例えば、発光スペクトルにおいて少なくとも2つの異なるタイプのLEDが適用される。
【0010】
前記湾曲LEDモジュールは、前記多数のLEDが複数のLEDサブセットを有するという特徴を有してもよく、本質的に、各LEDサブセットは、同じ数及び同じタイプのLEDを有し、各LEDサブセットは、発光スペクトルにおいて少なくとも2つの異なるタイプのLEDから成る。前記LEDモジュールの基本的な実施形態においては、1つのLED色しか使用されない。他の実施形態においては、複数のLED色、例えば、発光スペクトルにおいて少なくとも2つの異なるタイプのLEDが適用される。例えば、2つの異なる色温度の白色1+白色2が適用され、例えば、白色1は、約2500Kの色温度を有する温白色(warm white)であり、白色2は、約5000Kの色温度を有する冷白色(cool white)である。異なるタイプのLEDの組み合わせの他の例は、白色1のLED+白色2のLED+ライム色のLED、赤色のLED+緑色のLED+青色のLED、赤色のLED+緑色のLED+青色のLED+白色3のLED、又は赤色のLED+緑色のLED+青色のLED+白色のLED+琥珀色のLEDであり、白色3は、例えば、約3000Kの色温度を有する。
【0011】
本発明の湾曲PCB、湾曲LEDモジュール及び照明器具は、
- 幅広い範囲の照明器具の形状寸法に対して、2つ以上のタイプの既知のLEDモジュールではなく、1つのタイプのLEDモジュールのみが必要とされるので、最小在庫管理単位(SKU)の数における多様性が低く、
- 前記湾曲PCBに取り付けられるLEDの湾曲配列による前記湾曲PCBの表面積の効果的な使用により、コストが相対的に低く、
- PCBパネルにおいて湾曲PCBを効率的に入れ子にする(nest)ことによるPCB材料の効果的な使用及びコストが許容できる程度であり、
- 前記LEDのビーム放射プロファイル及びビーム方向、並びに前記照明器具内の前記LEDモジュールのバランスの取れた配置により、薄い厚さ、即ち、≦50mmの厚さを備える照明器具でも、前記光出射窓の相対的に良好な一様性が得られ、
- 各LEDの特定のビーム放射プロファイルと組み合わせた照明器具の基部の適切にプロファイルされた段付きプロファイルによって、電子部品、例えば電源ユニット(PSU)が、光学キャビティ内に配置されることができるという利点を含む。
【0012】
前記湾曲LEDモジュールは、前記LEDが、LED間に平均ピッチPavgをおいて前記PCBに配設され、隣接LED間の前記それぞれのピッチが、最小限でPminであり、最大限でPmaxであり、Pmin=5mmであり、Pmax=100mmであり、比率Emax=Pmax/Pavgが最大で1.4であり、比率Emin=Pmin/Pavgが少なくとも0.4であるという特徴を持ち得る。実際には、最大LEDピッチPmaxは、最大で100mmであるが、より大きなピッチでは、或るLEDからの光と隣接LEDからの光の重なりが不十分となり、暗い領域及び/又は非一様性をもたらすリスクがあるので、Pmaxの増大は、前記暗い領域及び/又は非一様性に関するリスクの増大を伴うので、1.4*Pavgを超えてはならず、好ましくは1.2*Pavgを超えてはならない。最小(最も小さい)LEDピッチ(Pmin)の指標(indication)はないが、Pminは、一般に、前記LEDダイの前記レンズのサイズによって規定され、実際には、少なくとも5mmである。複数の色、例えば3色のLEDが使用される場合には、好ましくは、各色に対して別々に等ピッチ要件が適用される。その場合、このことは、各湾曲LEDモジュールにおけるLEDの列のLEDの総数が、好ましくは、3の整数倍であることを意味する広くは、この理解は、前記多数のLEDが、T個の異なる種類のLEDを有する場合、LEDモジュールのLEDの個数NはTの整数倍であると表現され得る。前記LEDモジュールの外周コーナ(outer corner)には白色のLEDしか使用しないのが好ましい。小型の照明器具においては、外周コーナにある前記LEDは縁端部の近くにある。これは、白色LEDでは問題ないが、カラーLEDでは色が観察されるリスクがある。
【0013】
本発明は、1つ以上の色(例えば、温白色、冷白色、ライム色、RGB)のLEDを備える湾曲LEDモジュールに適用可能である。前記湾曲LEDモジュールが2列以上のLEDを有する場合には、ピッチに関する条件は、好ましくは、各列に対して、各色に個別に適用される。
【0014】
前記湾曲LEDモジュールは、前記湾曲LEDモジュールが長さLを有し、180mm≦L≦280mmであるという特徴を持ち得る。前記湾曲PCBの半径Rpcbと組み合わせた前記LEDモジュールの長さが、前記PCBの湾曲を決定する。半径Rpcbが大きすぎ、長さLが小さすぎる場合には、前記LEDモジュールのLEDのほぼ直線状の列が生じ、このことは、小型の照明器具において大きすぎるずれをもたらす。他方で、半径Rpcbが小さすぎ、長さLが長すぎる場合には、このことは、大型の照明器具において大きすぎるずれをもたらし、PCB材料のコストを増大させる。
【0015】
前記湾曲LEDモジュールは、より広い範囲の照明器具に適するように、形状及びサイズにおいて更に最適化され得る。それに対して、前記湾曲LEDモジュールは、より狭く規定された特徴、即ち、Nmin=12であり、Nmax=36であるという特徴、及び/又は50°≦α≦70°であるという特徴、及び/又は65°≦β≦75°であり、18°乃至24°の範囲内のFWHMであるという特徴、及び/又は5mm≦W≦65mmであり、好ましくは20mm≦W≦50mmであるという特徴、及び/又は前記LEDモジュール自体の前記湾曲部が、円弧セグメントに従って湾曲しており、前記湾曲部が、半径Rpcbを有する湾曲を有し、200mm≦Rpcb≦450mmであるという特徴を持ち得る。
【0016】
前記湾曲LEDモジュールは、前記多数のLEDが、前記主面において、少なくとも2つの、本質的に平行な列に配設され、各列が少なくとも9個のLEDを有し、各列が本質的に前記LEDモジュールの湾曲部又は湾曲に従って延在するという特徴を持ち得る。
【0017】
上記のように、前記照明器具は、第1担体面を持つ基部、及び前記第1担体面とは反対側の、前記照明器具の光出射窓に配設されるカバーを備えるハウジングを有し、例えば少なくとも4個の、上記のタイプの湾曲LEDモジュールは、前記第1担体面に均等に配設され、前記LEDを前記光出射窓の方に向けており、前記カバーによって(直視されないよう)遮蔽されている。或る特定の形状及びサイズの拡散照明器具の光出射窓を一様に照明するために、幾つかの光学的制約又はベストプラクティスが見出されており、即ち、以下の通りである。
- 拡散器は、一様に照らされる必要があり、強度は、好ましくは、中央において幾らかより高く、縁端部に向かって幾らか減少している。これは、自然な外見を提供するという利点を有する。
- 前記拡散器は、直接、前記拡散器を覗き込んで、前記LEDを見ることができないようにするのに十分に拡散性である必要がある。
- 前記LEDは、前記LEDが配置される前記円上に等間隔で配置される必要がある。最大ピッチは、適切な拡散器及び適切な照明器具直径を使用して実験的に決定されている。最小ピッチは、前記レンズが互いに(ほぼ)接触している場合である。この最小ピッチによる結果として生じ得る光よりも多くの光が必要とされる場合は、LEDの更なる輪(ring)が追加される必要がある。
- LEDモジュールの円の位置及び直径は、照明器具の直径に依存する。
- 2つ以上の色のLEDが使用される場合には、LEDタイプの各々が等間隔に配置され、交互のLEDタイプをもたらす必要がある。
- 異なるタイプ/色のLED間の距離は、適切な色混合を確実にするために、相対的に小さい必要がある。
- LEDの2つ以上の円が使用される場合には、LED間のピッチは、前記円の各々において同じである必要はない。
- 前記照明器具の側面は、好ましくは、特定の材料、即ち、光が偶然に直接向かって行き得る領域が、好ましくは、反射性(白色)である、又は好ましくは、(幾らかの距離を置いて配置される)拡散器の二重層であって、それらのゾーンに到達する混合されていない光が前記側面において目に見える有色点をもたらさないことを達成する拡散器の二重層から成る特定の材料で作成される。前記側面の上部、及び前記照明器具の前面の材料特性は、より透明であり得る。
- 前記照明器具の形状は、前記照明器具がより薄く見えるようにするために、側面を中央よりも薄くするよう、中央から縁端部にかけてテーパ状であり得る。
【0018】
前記LEDモジュールの円の直径は、複数のLEDモジュールの間に平均的な連続した円形のLEDピッチを設置することによって規定される。第1LEDモジュールの終了レンズ(end lens)と、隣接する第2LEDモジュールの開始レンズ(start lens)との間のレンズピッチは、単一のLEDモジュールにおけるレンズ間のレンズピッチと可能な限り等しくなければならない。前記LEDモジュールの円の直径のわずかな丸みの欠如(unroundness)は、一様性に(大きな)観察可能な光学的影響を及ぼさない。
【0019】
前記照明器具は、前記照明器具が、直径Dlを備える円形光出射窓を有し、少なくとも7個のLEDモジュールであって、前記LEDモジュールのうちの少なくとも5個が、少なくとも2個のLEDモジュールの中央の配列の周りに、直径Dcを備える円形構成を形成するよう配設されるLEDモジュールを有し、1.2≦Dl/Dc≦1.6であるという特徴を持ち得る。
【0020】
前記照明器具は、前記円形構成が半径Rcを有し、Rc=0.5*Dcであり、120mm≦Rc≦450mmであるという特徴を持ち得る。
【0021】
前記照明器具は、前記中央の配列が、半径Raを有し、湾曲LEDモジュールの少なくとも1つの更なる、本質的に同心の円形構成によって囲まれ、各後続の更なる円形構成(each subsequent further circle configuration)は、直径がRi増加し、1.8*Ra≦Ri≦2.2*Raであるという特徴を持ち得る。従って、中心から外側への半径方向において、第1円形構成は約2*Raの直径Dcを有し、第2円形構成は約4*Raの直径を有し、第3円形構成は約6*Raの直径を有する、等である。
【0022】
前記照明器具は、前記基部が、段付き高さプロファイル(stepped height profile)であって、前記LEDを重力に対して上に向けている照明器具の向きを考慮して、最も高い部分が、前記基部の、前記第1担体面とは反対側の第2担体面にキャビティを作成する、段付き高さプロファイルを有するという特徴を持ち得る。このようなキャビティは、PSUを(目立たないように)収容するための場所を提供するという利点を有する。前記照明器具は、一般に、前記LEDを重力に対して下に向けている天井照明器具として適用され、その場合、前記キャビティは、好ましくは、前記段付きプロファイルの最も低い部分の上に位置し、従って、前記基部が、PSUなどの、前記キャビティに収容される電子部品を、前記光出射窓を通して見えないよう、遮蔽する。一般に、前記基部のこのような最も高い(又は最も低い)部分は、前記光軸に沿った方向において見ると、前記光出射窓の最も近くに位置する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
ここで、幾つかの特徴は明確にするために誇張されていることがある概略図面を用いて、本発明を更に説明する。図面は、決して、本発明の範囲を限定することを目的としているものではなく、むしろ、本発明の有り余るほどの可能性を示すことを目的としているものである。
【
図1A】本発明による照明器具の2つの異なる実施形態を示す。
【
図1B】本発明による照明器具の2つの異なる実施形態を示す。
【
図2A】本発明による湾曲LEDモジュールの基本的なパラメータを示す。
【
図2B】本発明による湾曲LEDモジュールの基本的なパラメータを示す。
【
図2C】本発明による湾曲LEDモジュールの基本的なパラメータを示す。
【
図3A】本発明による湾曲LEDモジュールのレンズの上面斜視図を示す。
【
図3B】本発明による湾曲LEDモジュールのレンズの底面斜視図を示す。
【
図3C】本発明による湾曲LEDモジュールのレンズの垂直断面図を示す。
【
図4A】本発明による湾曲LEDモジュールの実施形態の斜視図を示す。
【
図4B】本発明による湾曲LEDモジュールの相互接続の実施形態の上面図を示す。
【
図5】
図3A乃至3Bのレンズを具備するLEDダイの典型的なビーム放射の断面を示す。
【
図6A】本発明による照明器具を通る概略的な断面図及びビーム放射プロファイルを示す。
【
図6B】本発明による照明器具を通る概略的な断面図及びビーム放射プロファイルを示す。
【
図7】本発明による照明器具における湾曲LEDモジュールの配列の幾つかの基本的なパラメータを示す。
【
図8】本発明による照明器具における湾曲LEDモジュールの配列の幾つかの基本的なパラメータを示す。
【
図9A】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図9B】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図9C】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図9D】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図9E】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図9F】本発明による照明器具の幾つかの実施形態を示す。
【
図10】湾曲PCBにLEDを取り付けるためのPCB材料の有効利用法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1Aは、本発明による照明器具1の第1実施形態を示している。照明器具は、第1担体面7を持つ基部5、及び前記第1担体面とは反対側の、照明器具の光出射窓1に配設されるカバー9を備えるハウジング3を有する。図においては、カバーは、分かりやすくするために、拡散性半透明カバーであるように示される代わりに、前記第1担体面に均等に配設され、LED15を光出射窓の方に向けている、(通常は、前記カバーによって、人/ユーザに直視されないよう、遮蔽されている)7個の湾曲LEDモジュール13の配列を見ることを可能にするよう、透明な灰色のカバーのように示されている。基部は、段付き高さプロファイル17を有する。7個の湾曲LEDモジュールのうち5個の湾曲LEDモジュール13'は、円形配列に配設され、それによって、基部の段付きプロファイルの高くされた中央部19に配設される、2個の中央に配設される湾曲LEDモジュール13''を囲む。基部の中央部は、2個の中央に配設される湾曲LEDモジュールの間に、LED及び/又は湾曲LEDモジュールを個別に駆動及び制御するためのPSU/ドライバ23が収容される凹部21を有する。湾曲LEDモジュールとPSU/ドライバとの両方が、基部の同じ側に取り付けられているが、その代わりに、PSU/ドライバが、基部の、LEDモジュールが取り付けられている側とは反対側に、目立たないように配設されることは可能である。
図1Bは、照明器具の基部5に均等に取り付けられる9個の湾曲LEDモジュール13を有する、本発明による照明器具1の第2実施形態を示している。9個の湾曲LEDモジュールのうち6個のモジュール13'は、円形配列に配設され、それによって、基部の段付きプロファイルの高くされた中央部19に配設される、3個の中央に配設される湾曲LEDモジュール13''を囲む。基部の中央部は、3個の中央に配設される湾曲LEDモジュールの間に、LED及び/又は湾曲LEDモジュールを個別に駆動及び制御するためのPSU/ドライバ23が収容される凹部21を有する。
【0025】
図2A乃至2Cは、本発明による湾曲LEDモジュール13の基本的なパラメータを概略的に示している。これらの図においては、湾曲LEDモジュールは、PCB14に取り付けられる7個のLEDの単一の列しか含まず、それぞれ、円弧セグメントの形、楕円のセグメントに従う形、及び例えば単一の又は複数のキンク形状に従う、ポリラインに従う形をした湾曲LEDモジュールとして示されている。これらの基本的なパラメータは、LEDモジュールの幾何学的な境界に関し、例えば、以下のものを含む。
【0026】
LEDピッチ「p」は、好ましくは、照明器具内の全円にわたるLEDモジュールの全湾曲にわたって等しく、平均でPavgである。LEDモジュールの形状寸法は、このピッチ、即ち、湾曲の延在方向においてLEDの外側のPCB材料が多すぎないことをサポートする必要があり、これは、隣接LED間の最大ピッチ、即ち、Pmaxである「m」に関連する。実際には、最大LEDピッチPmaxは、最大で100mmであるが、より大きなピッチでは、或るLEDからの光と隣接LEDからの光の重なりが不十分となり、暗い領域及び/又は非一様性をもたらすリスクがあるので、Pmaxの増大は、前記暗い領域及び/又は非一様性に関するリスクの増大を伴うので、1.4*Pavgを超えてはならず、好ましくは1.2*Pavgを超えてはならない。最小(最も小さい)LEDピッチ(Pmin)の指標はないが、Pminは、一般に、LEDダイのレンズのサイズによって規定され、実際には、少なくとも5mmである。
【0027】
湾曲LEDモジュールは、2つの隣接LEDモジュールの間のピッチ「L」として定義される有効長(useful length)を有し、
【数1】
であり、
- L=有効(useful)LEDモジュール長であり、180mmと280mm との間であるが、好ましくは、230mmであり、
- b=単一の湾曲LEDモジュールにおける最初のLEDと最後のLEDとの間の距離であり、
- p=平均LEDピッチである。
より短いLEDモジュールは、多すぎる組み立て(例えば、スターボード(star-board)におけるLED)をもたらす可能性があり、より長いLEDモジュールは、相対的に小さな照明器具における湾曲LEDモジュールの使用を除外することになる。
【0028】
単一のLEDモジュールにおけるLEDの半径方向距離は、湾曲LEDモジュールの曲げ(又は換言すれば、LEDモジュールの湾曲)の程度の指標(measure)である。前記半径方向距離は、パラメータ「c」を介して決定され、cは、一般的に、15mmから30mmに及び得るが、好ましくはc=20mm±2mmである。15mmより小さい「c」では、これは、LEDのほぼ直線状の列をもたらし、小型の照明器具において大きすぎるずれをもたらす。30mmより大きい「c」では、これは、大型の照明器具において大きすぎるずれをもたらし、PCB材料のコストを増大させる。
【0029】
図3A乃至3Cは、本発明による湾曲LEDモジュールのPCBに取り付けられるようなLEDのレンズ25の上面斜視図、底面斜視図及び垂直断面図を示している。レンズの形状は、大体、レンズのレンズ基部31側に光入射面29を供給する中央キャビティ27を備え、レンズの光出射面35に滑らかな中央くぼみ33を備える、又は換言すれば、中央凹状部33を有する凸状光出射面35を備えるドーナツ形状と表現され得る。各レンズの中央キャビティには、単一のLEDダイ、又は複数のLEDダイ、例えばRGB LEDダイであり得る、少なくとも1つの関連するLEDダイ37が収容される。
図3Bにおいて示されているように、基部側には、PCBを隠すために、及び/又は例えばRGB LEDダイがキャビティに収容される場合に、LEDダイによって発せられる光の混合及び/又は一様性を高めるために、少なくとも局所的に散乱構造39が設けられる。散乱構造は、必須の特徴ではなく、むしろ随意のものであることに留意されたい。
【0030】
図4A及び4Bは、本発明による湾曲LEDモジュール13の実施形態の斜視図、及び本発明による湾曲LEDモジュール13の相互接続の実施形態の上面図を示している。
図4A及び4Bにおいて示されている実施形態においては、多数のLED15が、PCB14の主な第1担体面7において、少なくとも2つの、本質的に平行な列に配設され、各列は少なくとも9個のLEDを有し、即ち、内側列41は9個のLEDを有し、外側列43は12個のLEDを有し、各列は本質的にLEDモジュールの湾曲部に従って延在する。示されているように、LEDモジュールは、各々、隣接LEDモジュールの容易な電気的スループット接続(electrically throughput connection)を可能にするそれぞれの接続ワイヤ47を備えるコネクタ45を有する。前記コネクタは、組み立てがより容易である、例えばLEDモジュールの「ストリング」を作成するために、電気的接続のループスルー(loop-through)のためにLEDモジュールに配置されることができる。
【0031】
図5は、LEDダイと、
図3A及び3Bのレンズとを有するLED15の典型的なビーム放射の断面を示している。LEDの強度分布は、好ましくは、関連するそれぞれのLEDのそれぞれの光軸OAの周りに回転対称であるバットウィング光分布である。最も高いビーム強度のビーム角β、即ち、方向は、好ましくは、光軸から60度と80度との間であり、図においては、βは約70度である。発せられるビームの半値全幅FWHMは、好ましくは約20度であり、15度と30度との間である。図は、適切なレンズの強度プロファイルを図示している。ピークの小さすぎるFWHM幅は、LEDの周りに明るい輪をもたらすことになる。広すぎるピークは、より少ない混合をもたらすことになる。湾曲LEDモジュールのために規定されるようなLEDピッチは、複数のLEDからの光の重なりを保証する。LEDモジュールの構成は、ピッチをもたらし、前記ピッチは、LEDピッチの値、及び同心の輪の光軸からの半径方向距離における差のような、光軸から異なる半径方向距離に位置するLEDモジュール間の半径方向距離の値のうちの最大の値である値を有する。本願におけるピッチ対高さの比率(pitch-to-height ratio)は、一般的には、好ましいピッチ対高さの比率とみなされ得る約1.2であり、高さは、PCBと光出射窓又は(存在する場合には)拡散器との間の光軸に沿った距離である。ピッチ対高さの比率は、1.5より高くすべきではない。なぜなら、より高い値は、複数のLEDの光の不十分な重なりのために、非一様性をもたらすからである。ピッチ対高さの比率は、0.5未満にすべきではない。なぜなら、これは、望ましくない及び/又は不必要に深い/高い/厚い照明器具をもたらすことになるからである。例えば
図1Aにおいて示されているような、LEDモジュールを覆って設けられる拡散カバーは、好ましくは、ランバート拡散器(Lambertian diffuser)であり、拡散カバーを通してLED及びレンズが直接見えるのを防止するよう、光は散乱されずに透過されるべきではない。好ましくは、拡散カバーは、あまり多くの光を吸収すべきではない。なぜなら、このことは、光学効率に悪影響を及ぼすからである。
【0032】
図6A及び6Bは、それぞれ、本発明による照明器具51を通る部分横断面図及び部分斜視断面図を概略的に示しており、バットウィングビーム放射プロファイルの方向の角度βに関する一般的な所望の仕様を示している。照明器具は、照明器具の基部5の中央凹部21内に電源ユニット(PSU)23を有する。PSUは、内側LEDモジュール13''の相対的に中央に位置する中央配列53と、中央配列の周りに配設される、円形配設される更なるLEDモジュール13'の更なる円形配列55とによって囲まれる。内側LEDモジュールは、光軸OAの周りのほぼ距離R
aの所に配設され、更なる円形配列は半径R
cを有し、照明器具は半径R
lを有する。照明器具は、カバー9が取り付けられる外縁57を有し、前記カバーは、LEDモジュール及びPSUを覆って延在し、照明器具の光出射窓11を形成する。外縁は、基部5に接続され、図においては基部と一体的に形成されているが、その代わりに、これは、別々の部品であり得る。基部は、(LED15を重力に対して上に向けている状態で)中央の最も低い部分21が、最も高い、内側LEDモジュールの配列の高くされた部分19によって囲まれる、段付き高さプロファイル17を有し、従って、基部の第1担体面7にPSUを収容する凹部21を作成する。他の例においては、中央部は、第1担体面の反対側の第2担体面59における凹部に目立たないようにPSUを収容するための最も高い部分である。(
図5に関して説明したような)LEDによって放射されるビームの特定のビームプロファイル及び方向との組み合わせにおける、PSU及び照明器具の縁に対するLEDモジュール及びLEDの高さ位置は、前記ビームが、ちょうど前記PSUに沿って通過し、光軸とのビーム方向/角度がβ1であり、前記ビームが、ちょうど前記縁に沿って通過し、光軸とのビーム方向/角度がβ2であるようなものである。好ましくは/一般的には、1つのタイプのLEDモジュールが本発明の照明器具に適用されるので、β1=β2=βである。その代わりに、又は加えて、凹部及び/又はLEDモジュールは、電源、アンテナ、LEDコントローラ、コネクタなどのような他の電子部品を含んでもよい。
【0033】
図7及び8は、本発明による照明器具における湾曲LEDモジュール13の配列のための幾つかの基本的なパラメータを示している。
図7においては、直径Dlを有する円形照明器具51が示されており、照明器具内の光軸OAの周りの発光LEDモジュールの同心の配列は、直径Dcを有する領域Amをカバーし、Amは0.5*π*Dc
2である。比Dl:Dcは、好ましくは、照明器具の光出射窓/カバー(図示せず)の一様な外観を確実にするために、1.2乃至1.6の範囲内である。使用されるべきLEDモジュールの必要とされる数、及び照明器具のためにLEDモジュールの単一の円形配列より多くの円形配列が必要とされるか否かは、照明器具のサイズ(又は直径Dl)に依存する。
図7において示されている照明器具の実施形態においては、2つの同心の円形配列53、55が設けられ、外側の円形配列55内のLEDモジュールは、各々、湾曲PCBの湾曲に従ってPCB14に取り付けられるLED15の3つの実質的に平行に延在する列41、42、43を有する。一般的に、照明器具内の円形に配設されるLEDモジュールの円形配列が、より大きくなる、例えば170mmよりも大きくなる場合には、前記照明器具の中央における低すぎる輝度を防ぐために、より大きい前記円形配列の内側の内側LEDモジュールの更なる配列、例えば円形配列が設けられるべきである。
図7において示されている照明器具においては、内側モジュールは、各々、PCBに取り付けられるLEDの2つの実質的に平行に延在する列を有する。内側LEDモジュールの更なるより中央に配設されるものの丸みは、多くのLEDの局所的な混合効果により、あまり重要ではない。LEDモジュールの個数は、照明器具の表面AlをAl=π*Rl
2に従って計算することによって規定されることができ、ここで、各LEDは、実質的に等しいサイズの表面積をカバーするはずである。
図7において示されているように、照明器具は、LEDモジュールの2つの同心円状に配設される実質的に円形の配列を有する。LEDモジュールの内側の円形配列は、カバーの表面積A1=π*Ra1
2を照明する必要がある一方で、LEDモジュールの外側の円形配列は、カバーの表面積A2を照明する必要があり、A2=π*(Rl
2-Ra1
2)である。更に、これに対して、内側の配列は、外側の配列よりも大きな表面積をカバーしないこと、即ち、A1:A2<M:Lであることが好ましく、ここで、
- A1:LEDモジュールの内側の配列の表面積であり、
- A2:LEDモジュールの外側の円形配列の表面積であり、
- L:外側の配列内のLEDモジュールの個数であり、
- M:内側の配列内のLEDモジュールの個数である。
【0034】
図8は、光軸OAを中心とするLEDモジュールの少なくとも3つの同心の円形配列を必要とする照明器具のためのLEDモジュールの円形配列の例を示している。
図8において示されている照明器具51においては、全ての円形配列53、54、55に、同じタイプの、即ち、1つのタイプのみのLEDモジュール13が使用されている。LEDモジュールの最も内側の円形配列53は、それぞれの半径Rを有し、RはRaであり、LEDモジュールの各後続の更なる円形配列54、55は、半径がRi増加し、ここで、
【数2】
であり、即ち、1.8*Ra≦Ri≦2.2*Raである。従って、LEDモジュールの第2円形配列54は、
【数3】
というそれぞれの半径Rを有し、LEDモジュールの第3円形配列55は、
【数4】
というそれぞれの半径Rを有する。
図8は、更に、LEDモジュールが特定の自身の湾曲を有し、前記湾曲が実質的に円弧状であり、円弧が半径Rpcbを有する円の一部であることを示している。前記半径Rpcb及びLEDモジュールの幅Wは、LEDモジュールの円形配列の半径Rcを有する円61、62、63の直径における広い範囲がLEDモジュールによってカバーされ得るように、即ち、前記範囲の直径の半径が、一般的には、120mm≦Rc≦450mmの範囲内の値を有するように選択される。Rpcbは、一般的に、Raより大きく、一般的に、Ra+2*Riより小さい。示されているように、全てのLEDモジュールが、同一であり、それぞれの円のそれぞれの角度αにわたって延在する。LEDモジュールが、照明器具の各円形配列に対して同じであるので、LEDモジュールが延在する角度αは、円のサイズと共に変化する。最も外側の円形配列55においては、各LEDモジュールは30°の角度αにわたって延在する一方で、最も内側の円形配列53においては、各LEDモジュールは90°のそれぞれの角度αにわたって延在し、中間の円形配列54においては、各LEDモジュールは45°の角度αにわたって延在する。
【0035】
図9A乃至9Fは、本発明による照明器具に適用され得るLEDモジュールの様々な配列を備える幾つかの実施形態を示している。示されている実施形態は単なる例であり、同じ直径/サイズを有する照明器具のために、異なる個数のLEDモジュールを備える他のLEDモジュール配列が可能である。
図9Aは、LEDモジュールの円形の外側配列55と同心のLEDモジュールの内側配列53を有する、500mmの直径を持つ円形照明器具のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9Bは、円形の外側配列55と同心の内側配列53を有する、650mmの直径を持つ円形照明器具のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9Cは、円形の外側配列55と同心の内側配列53を有する、750mmの直径を持つ円形照明器具のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9Dは、円形の外側配列55と同心の内側円形配列53を有する、850mmの直径を持つ円形照明器具のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9Eは、円形の外側配列55と同心の内側円形配列53を有する、900mmの直径を持つ円形照明器具のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9Fは、内側配列53が外側配列55に対して非回転対称である、600mm*500mmの矩形照明器具(この場合には正方形)のためのLEDモジュールの配列を示している。
図9A乃至9Fにおいて示されている全ての例において、同じ、単一のタイプのLEDモジュールが使用されている。従って、本発明は、ポートフォリオの維持のためのコスト及び資源の節約のような既知の利点を有する、多様性を低減する、広い範囲の照明器具の形状寸法に役立つことができる1つのLEDモジュール記述することが例示されている。
【0036】
例:
選ばれているのは、3チャンネル24Vをベースとしたアーキテクチャのためのものである。最小LEDモジュールは、各タイプにおいて7個のLEDを備える3つのタイプのLED、即ち、この場合には、温白色LEDのような2200K、冷白色LEDのような6500K、及びライム色LEDから成る。従って、最小モジュールは、合計で21個のLEDを有する。更に、より大きい各LEDモジュールは、21個の整数倍、即ち、42個、63個、84個…のLEDを有する。異なる色のLEDは、LEDモジュールを調整可能な白色であるようにするが、調整可能な白色は、本発明に直接関係せず、本発明は、固定相関色温度(CCT)にも関連することに留意されたい。更なる実施形態においては、2つ以上の色/CCTにおいてLEDを有することが考えられ得る。この場合には、目は、強度の変化よりも色の変化に敏感であることから、一様性は固定CCTの場合よりも重要になる。この最小単位セルに基づいて、LED選択のための幾つかのシナリオが、技術的実現可能性、コスト、及び光出力と形状寸法とのベストマッチ要件に関して、計算され、評価された。これは、各色において7個のLEDを備える各LEDモジュールについて約650lmの光束という結果になった。これは、約80%の光学効率を考慮して、各形状寸法/サイズのために必要とされる光出力を生成するために、表1において挙げられている最小数のLEDモジュールが必要とされるという結果になる。
【表1】
表1 照明器具の例
【0037】
レンズを備えるLEDの最適な配置は、特に、円における欠けているLEDの規則的なパターンは目立つ傾向があるので、それらが円における隙間なしに同心円状に配置される場合である。従って、表1において挙げられている照明器具のうちの幾つかについて、照明器具におけるLEDモジュールの配列をシミュレートした。良好な結果が得られた実施形態のうちの幾つかが表2において挙げられている。
【表2】
表2 光学シミュレーションの結果/データ
【0038】
この構成での、LEDモジュールのサンプルでの更なる実験中、明るさと色との両方に関して、光出射窓の照明の一様性に関して、最も重要なのは、閉じた外側の輪であることが見出された。内側の輪は、この点においてはあまり重要ではない。照明器具の中央においては、光の混合は相対的に良好である。その結果、LEDモジュールの内側の「輪」は、更なる、より外側の輪のために使用されるのと同じ湾曲LEDモジュールで作成されることができる。特に丸い照明器具は非常に良好な一様性を有し、矩形照明器具については、丸いバージョンほど良好ではないが、許容可能な一様性が得られる。
【0039】
図10は、湾曲LEDモジュール13にLED15を取り付けるためのPCB材料14の有効利用法を示している。より大きなPCBパネルにおける湾曲PCBの入れ子にされる縦列配列(nested column arrangement)、及び湾曲PCBの列における交互の向きによって、材料の少ない損失しか伴わないPCB材料の効率的利用が達成される。
【国際調査報告】