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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】クラウンキャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 41/42 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
B65D41/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022529301
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(85)【翻訳文提出日】2022-06-09
(86)【国際出願番号】 ES2019070795
(87)【国際公開番号】W WO2021099650
(87)【国際公開日】2021-05-27
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514036656
【氏名又は名称】デサロジョス タマリット プラザ エセエレ
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】タマリット リオス,ラモン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA04
3E084AA12
3E084BA01
3E084CA01
3E084CB04
3E084CC01
3E084FD08
3E084GA08
3E084GB12
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
本発明に関するクラウンキャップは、金属板で構成された(別材料で形成されてもよいが)タイプのボトル用であり、ボトルを保持する手の親指でクラウンキャップを取り外すことによるボトルの開放動作に有利な構造構成を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルの口のリムに適合された後に複数の折り目(3)を周囲に提示する円形本体(2)を有するシートから構成されるクラウンキャップであって、
該シートは、前記円形本体(2)から生じる延伸部またはアーム(10)を、フラップ(50)を決定する延伸部(10)内の連続的な切れ目またはダイカットと共に備え、前記フラップ(50)は、2つの横側サイド(51,52)と前記円形本体(2)に近接する上側サイド(53)との3つのサイドを有する表面を有し、前記フラップ(50)の前記上側サイド(53)と反対側の下側サイド(54)によって上側、外側または前側セクション(4)に接続されており、
さらに、
-第1の上側、外側または前側セクション(4)および下側、内側または後側セクション(6,8,9)の2つのセクション(4,6,8,9)を有する折り曲げられたアームを決定するための、前記上側、外側または前側セクション(4)と前記ボトルとの間に配置される、第1の横断折り曲げ線と、
-前記延伸部(10)の前記上側、外側または前側セクション(4)上にある前述の連続的な切れ目と、を提示し、
前記フラップ(50)の前記円形本体(2)に近接する前記上側サイド(53)は、前記円形本体の前記折り目(3)の少なくとも1つを収容するための凹部(55)を少なくとも1つ備えることを特徴とするクラウンキャップ。
【請求項2】
前記フラップ(50)上の前記凹部(55)と各横側サイド(51、52)との間にリブ(60)を備えることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項3】
前記リブ(60)は、前記横側サイド(51、52)に平行であることを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
【請求項4】
各リブ(60)の下端が、前記下側サイド(54)の上にフラップ(50)を一度だけ折り曲げることを可能にする較正済みスタンプを提示することを特徴とする請求項2に記載のキャップ。
【請求項5】
前記下側、内側または後側セクション(6、8、9)は、前記セクション(6、8、9)を、第1の領域(6)および第2の領域(8、9)の2つの領域に分割する第2の横断弱化線または折り曲げ線(7)を含むことを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
【請求項6】
前記下側、内側または後側セクション(6、8、9)は、前記第2の折り曲げ線(7)の上方および下方に、前記セクション(6、8、9)の前記2つの領域(6、8)に剛性を与えるための長手方向のリブを備えることを特徴とする請求項5に記載のキャップ。
【請求項7】
前記キャップを形成する前記シートの縁には、当該キャップを取り扱う際に切り傷を避けるために鋭利な角部を呈さないことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載のキャップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属板で構成された(別材料で形成されてもよいが)タイプのボトル用のクラウンキャップに関し、オープナ不要でボトルを保持する片手の親指でクラウンキャップを取り外すことによるボトルの開放動作に有利な構造形状を有するが、オープナを用いて取り外すこともできるクラウンキャップの詳細を説明する。
【0002】
本発明の適用分野は、キャップの製造専用の産業分野、特にクラウン型キャップの範囲に焦点を当てた産業分野に包含される。
【背景技術】
【0003】
周知のように、ボトル用のクラウン型キャップは広く知られており、キャップが全周にわたってボトルのリムに適合されていることを考慮すれば、ボトルからキャップを取り外すためには殆どの場合にオープナが必要である。しかしながら、オープナの使用を避けるために、本発明のキャップのように、手でも開けられる手段を有する幾つかのタイプのクラウンキャップがある。
【0004】
例えば、先行技術文献US2162182、DE29600761およびDE4406917には、手で開けられるクラウンキャップが記載されている。文献US2162182に記載のクラウンキャップは、ボトルの口に適合されると、周囲に複数の折り目を提供する円形本体を有するシートに基づき、シートは円形本体から生じる延伸部を含み、逆U字形表面を有するフラップを決定する前記延伸部に連続的な切れ目を含む。文献DE29600761には一体型の開口補助具を備えた波形キャップが記載されており、この開口補助具は、具体的にはピークに類似した平面レバーであり、キャップの薄層金属から一体的に形成され、缶リングのような指孔を有することができる。文献DE4406917には開口レバーを備えたクラウンキャップに関し、このレバーは、キャップの幅広上に接続され、平坦なグリップ領域で終わり、レバーの長さにわたってキャップリッジが続いている。同様に、同出願人の国際出願WO2014198967には、円形本体とこの円形本体から始まる延伸部とを有するキャップが記載されており、延伸部には複数のセクションが設けられ、延伸部のセクションのうちの1つのセクション上の切断フラップと一緒になって、複数のセクションを親指で曲げる手段によって、円形本体に圧力を加えて、円形本体を取り外すことによってボトルを開けることを可能にする。
【0005】
しかしながら、最新技術、特に文献WO2014198967に記載されている製品には、円形本体またはクラウンに圧力を加える際の逆U字形フラップの変位が起こりうるなどの特定の欠点があり、つまり、不要な点または場所で延伸部を折り曲げ、したがってクラウンまたはキャップの除去、したがってボトルの開放を妨げることがある。
【発明の概要】
【0006】
したがって、本発明に係るクラウンキャップは、好ましくは金属板または金属シートから構成されるが、これに限らず、他の材料、例えば、樹脂から製造されてもよい。クラウンキャップは、ボトルの口のリムに適合するために生成された複数の折り目が周囲に設けられた円形本体から構成され、前記円形本体のエッジから延在する横方向延伸部を有し、折り曲げられたときにキャップの手動開放手段を構成する折り曲げられたアームを決定する。
【0007】
具体的には、前述の延伸部が、逆U字形表面を有する(と共に、好ましくはフラップのサイドに沿って周囲補強リブを有する)フラップを決定する連続的な切れ目を提供し、その目的は前記アームを持ち上げることによって形成される三角形を支持することであり、その持ち上げは、キャップのリムまたは基部に対して支持されるフラップの逆U字形表面の分離に寄与し、セットを持ち上げて、キャップをボトルから分離する。三角形を形成するために外側セクションの折り曲げに寄与する前記切れ目またはフラップの両サイドに、弱化または折り曲げ点または線を配置することができる。逆U字型の切れ目又はフラップは2つの横側サイド及び1つの上側サイドを呈し、前記上側サイドとは反対側の下側サイドによって外側セクションに接続される。横側サイドは平行であっても非平行であってもよく、すなわち、切れ目またはフラップが正方形または長方形、さらには台形の形状を提示してもよい。同様に、切れ目またはフラップは、例えばV字形など、記載されているものと同等の他の形状を有してもよい。
【0008】
さらに、請求項1に記載されているように、本発明に係るキャップは、フラップの上側サイド(円形本体に最も近接して配置されたサイドである)上に、フラップがキャップの円形本体上に支持されるときに、円形本体の折り目の少なくとも1つを収容するように意図された少なくとも1つの凹部を有し、折り目は、ボトルの口に本発明に係るキャップを適合するために用いられ、したがって、フラップの上側サイドがその支持体内で変位する可能性を回避する。この凹部により、フラップの上側サイドは、円形本体内のキャップの折り目に適合され、キャップの最適な開放のための技術に関して、より良好な支持が達成される。キャップの前記凹部は台形、三角形、または別の幾何学的形状を呈することが可能であるが、好ましくは丸みを帯びた形状を呈する。フラップは、好ましくは丸みを帯びた凹部を呈するM字形である。
【0009】
さらに、フラップはその横側サイドの各サイドに、キャップの最適な開放に必要な延伸部の折り曲げおよび曲げが、フラップがキャップの円形本体の理想的な点に作用することを達成する正確な場所にあることを確実にする長手方向リブを提供する。前記リブは、好ましくはフラップの横側サイドに平行である。
【0010】
フラップの下側サイドに近い前述の上側リブの下端には、フラップを一度だけ下側サイドで折り曲げることを可能にする較正済みスタンプが配置されており、延伸部またはアームをそこで一度だけ折り曲げることができることを確実にし、、再度使用しようとした場合に破損することを確実にしている。これより、フラップの正しい折り曲げに加えて、蓋の不可侵性が保証され、安全シールとして作用する。
【0011】
同様に、キャップの横方向の延伸部は、折り曲げられたときにボトルと接触してアームの内側または後側パーツに残り、アームが持ち上げられたときに延伸部の容易な折り曲げを可能にする弱化線を呈し、逆M字形表面を有する切れ目またはフラップに沿って三角形の3つサイド作り出す。この三角形により、指でレバー力を加えることができ、キャップの開放が可能になる。ひとたびアームが折り曲げられると、その内側または後側パーツに位置する自由端は円形本体の下に位置することができ、その結果、キャップがボトルの口のリムに適合されているときに、円形本体の下面とボトルのリムとの間に捕捉される。同様に、アームの端部が一旦円形本体の下端部に位置すると、アームの端部を含む円形本体の前記内面にコーティングが施されることが好ましく、そのコーティングの目的は、円形本体の内部およびアームの端部を覆って、ボトルの口のリムとキャップとの間の必要なシールおよび気密性を達成して、ボトルがその中に収容され得る液体およびCOの脱出を防止することである。同様に、アームの最終端部と円形本体との間の接続を改善することができる。前記コーティングは、ボトルの内容物に応じて必要な衛生要件に適合する任意の材料であってよく、好ましくはPVC(ポリ塩化ビニル)タイプである。
【0012】
前述の折り曲げられたアームまたは延伸部はまた、前述の弱化線の上側パーツおよび下側パーツに長手方向リブを有してもよく、この長手方向リブは、前記領域を折り曲げるときに全体の剛性を保証する役割を果たす。切れ目またはフラップは同様に、その上側サイド上に垂直または非垂直の補強リブを提供してもよい。前記リブはまた、使用される製造プロセスに応じて、異なる形状を呈してもよく、また、その構造上の必要性に応じて、長手方向および異なる場所に対して異なる形状を有する、凹状、凸面であってもよい。
【0013】
したがって、クラウンキャップは、ボトルの口のリムに適合された後に複数の折り目を周囲から提示する円形本体を有するシートから構成され、前記シートは、延伸部を有し、前記延伸部は、前記円形本体から生じ、第1の横断折り曲げ線と、連続的な切れ目とを有し、前記第1の横断折り曲げ線は、上側または外側または前側セクションと、前記外側または前側セクションと前記ボトルとの間に配置された下側または内側または後側セクションとの2つのセクションを有するように折り曲げられたアームを決定し、前記連続的な切れ目は、前記延伸部の前記外側または前側セクション上にあり、逆M字形表面を有するフラップを決定する。。
【0014】
前記構成に基づいて、第1の横断折り曲げ線で折り曲げられた延伸部またはアームの自由端を持ち上げてキャップを分離し、ボトルを開くことによって、逆M字形表面を有する切れ目またはフラップは、アームの上側または外側セクションから分離され、前記外側または上側セクションの変形の結果として同一平面上に無くなり、これらは、好ましくはフラップまたは切れ目の両サイドで上側または外側セクションに作られた弱化または折り曲げ点または線によって引き起こされる、同様に、前記フラップの上側サイドは、ボトルの口に配置されたキャップの折り目の支持点又は領域となる。
【0015】
外側または上側セクションと内側または下側セクションとの両方に配置することができる前記弱化または折り曲げ点または線は、アームを持ち上げるときに前記点または線でセクションらを折り曲げ、フラップに沿って三角形を形成し、フラップの上側サイドは上述のように、ボトルの口に合わせたキャップのリムと接触する。フラップの表面は、30°と60°との間の角度で、好ましくはできるだけ45°に近い角度で、前記リムと接するようになる。
【0016】
最後に、キャップは、円形本体の周囲の反対側に2つの小さな横切れ目を含んでもよく、これは、横方向アームを持ち上げた後にキャップの最終開放を容易にし、逆M字型切れ目の支持体を延伸部の開始点に発揮させ、最後にキャップの上側パーツにある裂け目を崩して、周囲の前記2つの反対側の点にあるキャップの折れ目を有利にする。
【0017】
キャップを取り扱っている間の傷害の可能性(主に切り傷)を防ぐために、キャップを形成するシートの縁に角張ったの角が付いていない。
【0018】
したがって、本発明に係るキャップが有するより信頼性の高い構造は、最先端の文献に対して、片手によるキャップの開放を確実にし、キャップのリム上に支持されるときのフラップの上側サイドの不必要な変位を回避し、同時に、フラップの両サイドの延伸部の上側セクションの補強により、キャップの異なる部分の折り曲げ及び剛性が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
実施されている記述を補足するために、また、本発明の特徴をより良く理解するのを助けるために、一組の例示的で非限定的な図面が本明細書に添付される。
図1】本発明に係るクラウンキャップの一実施形態の斜視図を、平面円形本体を有する完全に展開された姿勢で提示して、示す。
図2】本発明に係るキャップのアームまたは延伸部の上側セクションに配置されたフラップの詳細を示す。
図3A】平面円形本体を有するクラウンキャップの側面図を示す。
図3B】平面円形本体を有するクラウンキャップの上側正面図を示す。
図4図1に示した本発明に係るクラウンキャップの例の斜視図を、ボトルの口のリムに適合するように形成された複数の折り目が円形本体の周囲に設けられたケースで提示し、キャップの内側を示して、示す。
図5】クラウンキャップの横方向斜視図を、伸長されたまたは展開された姿勢で提示し、キャップの外側部分を観察して、示す。
図6】折り目が組み込まれた円形本体を有するクラウンキャップの上側正面図を示す。
図7図1図6に示した本発明に係るクラウンキャップの例の内側の斜視図を再び、円形本体の上に部分的に折り曲げられた横方向延伸部を有するケースで提示して、示す。
図8図1図6に示した本発明に係るクラウンキャップの例の外側の斜視図を再び、円形本体の上に部分的に折り曲げられた横方向延伸部を有するケースで提示して、外側の斜視図を示す。
図9】円形本体上に部分的に折り曲げられた横方向延伸部を有するクラウンキャップの内側の斜視図を示す。
図10】円形本体上に部分的に折り曲げられた横方向延伸部を有するクラウンキャップの外側の斜視図を示す。
図11】クラウンキャップの内側の斜視図を、前記延伸部の端部が円形本体の内面にどのように配置されているかを観察して、示す。
図12】キャップの、組立前の姿勢からボトル上での組立の状況までの展開を示す。
図13】本発明に係るキャップの開放プロセスを4段階で示す。
図14】キャップのフラップの縁を丸め、縁で切ることを避けるための3つのステップを示す。
図15】縁を丸めるための図14の代替手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
前述の図面に基づいて、本発明に係るクラウンキャップの好ましいが非限定的な実施形態を以下に説明する。
【0021】
したがって、前記図に示されるように、問題のキャップ(1)は、円形本体(2)から構成される。円形本体(2)は、従来のようにおよび折り曲げの後に、複数の折り目(3)を有する環状領域を周方向に提示し、複数の折り目は、ボトルの口にキャップを取付けた後に、ボトルの口のリムに前記円形本体(2)を適合させるために用いられる。本発明に係るキャップは特に、前記円形本体(2)の縁部から生じ、所定の位置で折り曲げられるように設計された横方向延伸部またはアーム(10)を有し、キャップ(1)の開放を可能にする構成要素を構成する折り曲げられたアームを決定する。
【0022】
前記横方向延伸部(10)は横断折り曲げ線(5)によって分離された上側セクション(4)と下側セクション(6、8、9)の2つのセクションに周方向に分割され、そこで折り曲げられて前述の折り曲げられたアーム(10)を形成し、上側セクション(4)がキャップの外側または前側に配置され、下側セクション(6、8、9)がその内側または後側に配置される。この下側、内側、または後側セクション(6、8、9)は、ボトルと上側、外側、または前側セクション(4)との間に特に配置される。
【0023】
図2に見られるように、この延伸部(10)の上側、外側または前側セクション(4)には、一方のサイドに凹部(55)を有する切れ目があり、フラップ(50)を決定している。フラップ(50)と上側セクション(4)との間に延在する分離切れ目は、フラップ(50)と上側セクション(4)との間の接続部として働く一方のサイドを除いて、フラップ(50)の全周にわたる。上側セクション(4)から切れ目によって分離されているフラップ(50)のサイドらは、フラップ(50)と同様に、使用前と同じく同一平面上にある。凹部(55)を有するフラップ(50)の上側サイド(53)は支持サイドを構成し、この支持サイドは後に、以下に説明するように、キャップの開放を引き起こす。
【0024】
この延伸部(10)の上側、外側または前側セクション(4)におけるフラップ(50)の上側サイド(53)は、円形本体(2)に最も近い位置にあるフラップ(50)の上側サイド(53)に、折り曲げられたときに円形本体(2)に形成される折り目(3)を少なくとも1つ収容するように意図されて、凹部(55)を少なくとも1つ提示する。前記折り目(3)は、キャップ(1)をボトルの口に合わせるために、並びにフラップ(50)がキャップ(1)の円形本体(2)上に支持されたときに凹部(55)内に導入され、これにより、フラップ(50)がその支持体内で変位する可能性を回避するために使用される。フラップ(50)内のこの凹部(55)により、その上側サイド(55)は円形本体(2)内に形成されたキャップ(1)の折り目の1つ以上に適合するようになっており、現状技術の解決策と比較して、円形本体(2)上のフラップ(50)のより良い支持を達成する。フラップ(50)の前記凹部(55)は、好ましくは丸みを帯びた形状を提示するが、台形、三角形、または別の幾何学的形状を提示することも可能である。フラップは好ましくは逆U形状を有するが、この凹部を有し、したがって、M形状を決定し、凹部(55)は好ましくは丸みを帯びている。
【0025】
したがって、フラップ(50)は、延伸部またはアーム(10)の上側セクション(4)に接続(54)する下側サイドと、上側セクション(4)から分離された2つの横側サイド(51、52)と、前述の凹部(55)を有する上側サイド(53)とによって決定される。両横側サイド(51、52)と上側サイド(53)の凹部(55)との間、すなわち凹部(55)の両サイドには、キャップ(1)を取り外してボトルを開ける間、フラップ(50)の補強リブとして作用する折り目(60)が上側セクション(4)に配置されている。長手方向の前記リブはフラップ(50)がキャップ(3)の折り目(3)及び円形本体(2)の特定の点に作用するように、アーム(10)の折り目及び曲げが予め配置された正確な位置に生じることを保証する。前記リブ(60)は、好ましくはフラップ(50)の横側サイド(51、52)に平行である。
【0026】
前述のリブ(60)の下端において、フラップ(50)の下側サイド(54)に近接して、フラップ(50)を下側サイド(54)の上に一度だけ折り曲げることを可能にする較正済みスタンプが配置されており、フラップ(50)がその線で一度だけ折り曲げられることができることが保証されるようになっており、それを再度使用しようとした場合には、確実に破損するようになっている。この手段により、キャップ(50)の正しい折り曲げに加えて、キャップ(1)の不可侵性が確保され、前記スタンプは安全シールとして作用する。これは、前記折り曲げ線におけるフラップの厚さの減少によって達成される。
【0027】
同様に、下側、内側、または後側セクション(6、8、9)は2つの横断弱化線(5、7)を有し、前記弱化線(5、7)の上方および下方には、折り曲げられたときにアーム(10)全体に剛性を与えるように意図された長手方向のリブがある。
【0028】
図1は、本発明に係るキャップを、ボトルの口に配置して閉じる前の状態で示している。前記図は、アーム(10)の折り曲げ線(5、7)を有する上側、前側、外側セクション(4)および下側、前側、内側セクション(6、8、9)の2つのセクション、ならびにキャップ(1)の残りの構成要素と共に、折り曲げられる前の延伸部またはアーム(10)を示す。具体的には第1の折り曲げ線(5)が上側セクション(4)と下側セクション(6、8、9)の第1の領域(6)との間に位置し、第2の折り曲げ線(7)は第1の領域(6)と下側セクション(6、8、9)の第2の領域または自由端(8、9)との間に位置する。アーム(10)の端部では、上面が観察される。図2および図3は、ボトル上に置く前の、図1と同様の状態のキャップを示す。
【0029】
図4及び図5は、キャップの円形本体(2)に対して傾斜して配置された延伸部(10)と、前記円形本体(2)に既に形成された折り目(3)とを有する、ボトルへの組み立て前のキャップを示す。ボトルの首のリム上に支持される円形本体(2)の内面21が観察される。図3は、キャップ(1)を開けるための折り曲げられたアーム(10)を形成するために、弱化線(5)で折り曲げる前の延伸部(10)と2つのセクション(4と6、8、9)の詳細を示す。他方、図4は、前図と反対向きの図を示し、円形本体(2)の外面(22)が、周囲の折り目(3)の形成後に観察される。
【0030】
図7および図8は第1の折り曲げ線(5)に対して部分的に折り曲げられたアーム(10)を示しており、内側、後側または下側セクション(6、8、9)の自由端(8、9)および特に前記セクションの自由端(9)が図5による凹形状または図6による凸形状でわずかに湾曲して、折り曲げ部(3)を形成した後にキャップの円形本体(2)に形成されたギザギザの形状に適合し、その結果、前記最終端(9)が図9に見られるように、円形本体(2)の下面(21)上に支持される様子が観察される。
【0031】
図9図11はアームまたは延伸部(10)を完全に折り曲げた状態で示しており、第1の折り曲げ線(5)によってアーム(10)を折り曲げる際に、下側セクション(6、8、9)が上側セクション(4)の上に折り曲げるようになっている。具体的には、下側セクションの第1領域(6)は上側セクション(4)上にあり、前記下側セクションの第2領域(8)は一部が上側セクション(4)上にあり、他の部分が円形本体(2)の折り目(3)の内面上にある。
【0032】
同様に、アーム(10)の最終端部(9)が円形本体(2)の下側部分上に前記本体(2)の内面(21)に対して配置されると、コーティングが円形本体(2)の前記内面(21)に施されることが好ましい。前記コーティングは、アーム(10)の内面(21)及び最終端部(9)を覆う。前記コーティングの目的は、円形本体(2)の内側およびアーム(10)の最終端部(9)を覆って、ボトルの口のリムと本発明に係るクラウンキャップとの間の必要なシールおよび気密性を達成することである。前記コーティングは、ボトルの内容物に応じて必要な衛生要件に適合する任意の材料であってよく、好ましくはPVC(ポリ塩化ビニル)タイプである。
【0033】
図12は本発明に係るキャップ(1)を、異なる工程(左から右へ)で示しており、ボトル(図示せず)の口に組み立てる前、、ボトル上で調節されるキャップの折り目(3)と、上側セクション(4)および下側セクション(6、8、9)が互いに折り曲げられた状態での延伸部またはアーム(10)とが観察され得る。最後のステップでは、シーケンスの右側の図では、キャップが既にボトル上に配置されており、折り目(3)がボトルに既に固定されている(前の3つの図に対して、それらの形状がどのように異なるかが観察される)。
【0034】
クラウンキャップの異なる部分に配置されたリブは、主に補強要素として、力の伝達およびキャップの開放を得るために重要であるが、そのサイズおよび数はクラウンキャップの材料ならびに製造プロセスに依存することに留意されたい。
【0035】
図12の最後のシーケンスの位置でボトル上にキャップ(1)を配置した後、単に以下のステップを進めるだけで開放を進めるのに十分であり、これらステップは前述のキャップの開放を引き起こし、図13に示されている:
-好ましくは親指(P)で折り曲げ線でのアーム(10)の持ち上げを、手の残りの指がボトルを首(40)で保持しながら、アーム(10)がキャップの円形本体(2)との接触領域の周りで旋回し始めるように、行う。前記折り曲げ線(5)が角張った角を含まないことは、上向きの力がそこに(好ましくは親指で)加えられることを考慮すれば、前記指の切り傷を回避するために重要であり、故に、曲線がそこに生成されることが好ましい。
【0036】
同様に、傷害の可能性、主に切り傷を回避するために、キャップを取り扱う間に、それを形成するシートの縁のいずれも、鋭利な角部を呈さず、特に、取り扱い中にユーザと接触する可能性のあるすべての角部で呈さない。図14はプレス手段による縁の折り曲げのための製造シーケンスを示し、図15は、前記鋭利な角部を回避するための代替手段を示す。前記図15はフラップの一部を示しており、フラップのエッジまたは縁は、部分的にまたは完全にすべての角を丸めるように折り曲げられている。フラップだけでなく、キャップの円形本体にこれを適用することも可能である。
【0037】
-上側セクション(4)及びその下側セクション(6、8、9)を互いに折り曲げた状態で延伸部(10)の第1の折り曲げ線(5)に親指(P)が及ぼす力は、一方では上側セクション(4)と接続する下側サイド(54)を除くフラップ(50)の全てのサイドの同一平面からの分離、及び他方では第2の折り曲げ線(7)によって下側、後側、内側セクション(6、8、9)の折り曲げという2つの運動を引き起こす。特に、上側セクション(4)のフラップ(50)の同一平面からの分離において、フラップ(50)の2つの横側サイド(51、52)、上側サイド(53)および凹部(55)は、前記上側セクション(4)の平面からオフセットされる。
【0038】
-上側セクション(4)からのフラップ(50)の切れ目の3つのサイドの分離は、フラップ(50)の連続的な切れ目の各サイド上の前記上側セクション(4)に配置された弱化点又は折り曲げ点の配置によって有利にされ得る。弱化点又は折り曲げ点は、弱化線又は折り曲げ線(図示せず)になってもよい。したがって、指でアームまたは延伸部(10)を持ち上げることによって、下側または内側セクション(6、8、9)が第2の折り曲げ線(7)で折り曲げられ、上側または外側セクション(4)が前述の弱化点または弱化線で折り曲げられ、フラップ(50)の表面と上側セクション(4)の表面とを同一平面上に無くなる。
【0039】
-前述の運動は、キャップの前述の構成要素の構成と、補強リブと、キャップ(1)の異なる部分に組み込まれた折り曲げ線または弱化線とによって、第2の折り曲げ線(7)で下部セクション(6、8、9)の第1の領域(6)と前記下部セクションの第2の領域(8)との2つの領域に折り曲げられるときに、上側セクション(4)のフラップ(50)と共に、下部、後部、または内部セクション(6、8、9)によって形成される三角形の生成を引き起こす。前記フラップ(50)は、上側セクション(4)から分離されたときに三角形の第3のサイドを形成する。
【0040】
-フラップ(50)のMを構成する上側サイド(53)および凹部(55)は他の2つの横側サイド(51、52)と共に、キャップの円形本体(2)上に、具体的にはフラップ(50)の凹部(55)が折り目(3)と一致するように作られたときの円形本体(2)の周囲の前記折り目(3)の一つの以上の上に、以前に形成された三角形の支持サイドを構成する。したがって、フラップが変位する危険性なしに、円形本体(2)上に前記フラップの支持点または指示領域を生成し、したがって、クラウンキャップ(1)の開放を確実にする。
【0041】
-M字形フラップ(50)の凹部(55)が支持され、アーム(10)が持ち上げられ続けると、好ましくは親指によって押され、M字形フラップ(50)の凹部(55)の力または圧力が円形本体(2)の折り目(3)の1つに加わり、キャップ(1)の前記円形本体(2)の変形を引き起こし、これにより、キャップ(1)をボトルの口から取り外すことができ、したがって、ボトルを開くことができる。第1折り線(5)を押しながらフラップ(50)の変形を防止するために、前記フラップは、凹部(55)と各横側サイド(51、52)との間に位置する前記リブ(60)を備える。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】