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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ドアオペレータシステム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/67 20150101AFI20230306BHJP
   E06B 9/02 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
E05F15/67
E06B9/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537258
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-12
(86)【国際出願番号】 EP2020086235
(87)【国際公開番号】W WO2021144104
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】2030012-5
(32)【優先日】2020-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516216070
【氏名又は名称】アッサ・アブロイ・エントランス・システムズ・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100118256
【弁理士】
【氏名又は名称】小野寺 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166338
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 正夫
(72)【発明者】
【氏名】エリアソン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アブラハムソン マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ハンソン アントン
【テーマコード(参考)】
2E052
【Fターム(参考)】
2E052AA05
2E052CA06
2E052DA04
2E052DB04
2E052EA18
2E052EB01
2E052EC01
(57)【要約】
開口(2)を開閉するオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)は、開口(2)の第1の側(7)にある第1のフレームセクション(4)と、開口(2)の第2の側(5)にある第2のフレームセクション(6)とを含むドアフレーム(3)を含む。オペレータシステムは、開放位置と閉鎖位置(C)の間で移動するように配置され、ドアフレーム(3)に移動可能に接続されたドア(8)と、ドア(8)を閉鎖位置(C)から開放位置(O)に移動させるように配置された少なくとも1つのモータ(11)を含み、ドア(8)に取り付けられた駆動ユニット(10)と、を更に含む。細長い伝達部材(19)は、開口(2)の第1の側(7)と第1のフレームセクション(4)とに沿って延伸する。駆動ユニット(10)は、モータ(11)に駆動接続された従動伝達部材(18)を更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口(2)を開閉するオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)であって、
前記開口(2)の第1の側(7)にある第1のフレームセクション(4)と、前記開口(2)の第2の側(5)にある第2のフレームセクション(6)とを含み、前記第1のフレームセクション(4)と前記第2のフレームセクション(6)は、それぞれ、垂直延伸部(4a、6a)と、水平延伸部(4b、6b)と、湾曲相互接続部(4c、6c)とを含むドアフレーム(3)と、
開放位置(O)と閉鎖位置(C)の間で移動するように配置され、前記ドアフレーム(3)に移動可能に接続され、複数の水平相互接続セクション(9a~e)を含むドア(8)と、
前記ドア(8)を前記閉鎖位置(C)から前記開放位置に移動させるように配置された少なくとも1つのモータ(11)を含み、前記ドア(8)に取り付けられた駆動ユニット(10)と、前記開口(2)の前記第1の側(7)に沿って延伸する細長い伝達部材(19)と、
を含み、
前記駆動ユニット(10)は、前記モータ(11)に駆動接続された従動伝達部材(18)を更に含み、前記従動伝達部材(18)は、前記細長い伝達部材(19)に移動可能に接続され、前記細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置され、前記細長い伝達部材(19)は、前記従動伝達部材(18)の周りに少なくとも部分的に巻き付く前記細長い伝達部材(19)によって前記細長い伝達部材(19)に沿って前記従動伝達部材(18)を駆動し、
前記オーバーヘッドドアオペレータシステムは、前記細長い伝達部材(19)を取り付ける伝達取付構造(100、200、300)を更に含み、前記伝達取付構造(100、200、300)は、前記細長い伝達部材(19)が取り付けられる固定点(101、201、301)を含み、前記固定点(101、201、301)は、少なくとも前記ドアが前記開放位置(O)にある場合、前記水平延伸部(4b、6b)の方向において前記垂直延伸部(4a、6a)と水平距離(d)を置いて配置される、オーバーヘッドドアオペレータシステム。
【請求項2】
前記細長い伝達部材(19)は、湾曲可能な伝達部材の形態である、請求項1に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項3】
前記細長い伝達部材(19)は、吊り伝達部材の形態である、請求項1又は2に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項4】
前記細長い伝達部材(19)は、付勢される、請求項1から3のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項5】
前記細長い伝達部材(19)の下端(68)は、ばね構造(74)により固定点に取り付けられる、請求項4に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項6】
前記駆動ユニット(10)は、前記ドア(8)の最下部セクション(9e)に取り付けられる、請求項1から5のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項7】
前記開口(2)の前記第1の側(7)に沿って延伸する第1の細長い伝達部材(19)と、前記開口(2)の前記第2の側(5)に沿って延伸する第2の細長い伝達部材(19)と、第1及び第2の従動伝達部材(18)とを更に含み、前記第1及び第2の従動伝達部材(18)は、前記第1及び第2の従動伝達部材(18)の周りに少なくとも部分的に巻き付く前記第1及び第2の細長い伝達部材(19)によって前記第1及び第2の細長い伝達部材(19)と相互作用するように配置され、前記伝達取付構造(100、200、300)は、前記第1の細長い伝達部材(19)が取り付けられる第1の固定点(101、201、301)と、前記第2の細長い伝達部材(19)が取り付けられる第2の固定点(101、201、301)とを含み、前記第1及び第2の固定点(101、201、301)は、少なくとも前記ドアが前記開放位置(O)にある場合、それぞれ、前記水平延伸部(4b、6b)の方向において前記垂直延伸部(4a、6a)と水平距離(d)を置いて配置される、請求項1から6のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項8】
前記伝達取付構造(100)は、前記固定点(101)を含む固定ブラケット(102)を含み、前記固定点(101)は静止している、請求項1から7のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項9】
前記固定点(201、301)は、移動可能であり、前記細長い伝達部材(19)に取り付けられて前記ドア(8)の移動に応じて移動し、前記固定点(201、301)は、前記ドア(8)が前記開放位置(O)にある場合、前記水平延伸部(4b、6b)の方向において前記垂直延伸部(4a、6a)と水平距離(d)を置いて設置されるように配置される、請求項1から7のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項10】
前記伝達取付構造(200)は、レバーアーム(202)を含み、前記固定点(201)は、前記レバーアーム(202)の第1の端に設置され、前記レバーアーム(202)の第2の端は、前記レバーアーム(202)が、前記ドア(8)が前記開放位置(O)にある場合に第1の位置にあり、前記ドア(8)が前記閉鎖位置(C)にある場合に第2の位置にあるように、前記伝達取付構造(200)の固定レバーブラケット(203)に枢動可能に取り付けられ、前記固定点(201)は、前記レバーアーム(202)が前記第1の位置にある場合、前記水平延伸部(4b、6b)の方向において前記垂直延伸部(4a、6a)と水平距離(d)を置いて設置される、請求項9に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項11】
前記レバーアーム(202)は、前記垂直延伸部(4a、6a)に対して角度(a)に沿って前記第1の位置と前記第2の位置との間を移動可能であり、前記角度(a)は、前記レバーアーム(202)が前記第1の位置にある場合、前記ドア(8)から見て外方に向く外向きの方向に垂直面に対して10°~45°であり、前記レバーアーム(202)が前記第2の位置にある場合、前記ドア(8)に向かう内向きの方向に前記垂直面に対して10°~110°である、請求項10に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項12】
前記伝達取付構造(200)は、前記レバーアーム(202)の移動を付勢するように配置された減衰要素を更に含む、請求項10又は11に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項13】
前記固定レバーブラケット(203)には、それぞれ前記レバーアーム(202)が前記第1の位置と前記第2の位置を超えて旋回するのを防ぐように配置された回転止め具が設置される、請求項10から12のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項14】
前記伝達取付構造(300)は、ガイド軌道(302)と、前記ガイド軌道(302)に移動可能に取り付けられた固定要素(303)とを含み、前記固定要素(303)は、前記固定点(301)が設置されるため、前記ドア(8)が前記開放位置(O)にある場合に第1の位置にあり、前記ドア(8)が前記閉鎖位置(C)にある場合に第2の位置にあり、前記固定点(301)は、前記固定要素(303)が前記第1の位置にある場合、前記水平延伸部(4b、6b)の方向において前記垂直延伸部(4a、6a)と水平距離(d)を置いて設置される、請求項9に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項15】
前記固定要素(303)は、前記固定要素(303)を前記第2の位置に戻す付勢力を加えるためにばね付勢される、請求項14に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項16】
前記固定要素(303)は、前記ガイド軌道(302)と噛み合う滑走ブロック又は転動要素を含む、請求項14又は15に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項17】
前記ガイド軌道(302)は、水平面に対して上向きに傾斜して配置される、請求項14から16のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項18】
前記ガイド軌道(302)は、前記水平面に対して5°~45°の角度(B)で配向される、請求項17に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【請求項19】
前記ガイド軌道(302)は、前記相互接続部(4c、6c)の近位にある、請求項14から18のいずれか1項に記載のオーバーヘッドドアオペレータシステム(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口を開閉するオーバーヘッドドアオペレータシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オーバーヘッドドア用のドアオペレータシステムは、通常、ドアフレームに接続されたドアと、開口を開閉する開放位置と閉鎖位置の間でドアフレームに沿ってドアを動かすように配置される駆動ユニットとを含む。セクショナルドアであってもよいドアは、通常、ガレージドア又は工業用ドアとして用いられる。駆動ユニットは、ドアを動かすための、モータ又はばね等の機械ユニットを更に含むことができる。
【0003】
従来のオーバーヘッドセクショナルドアでは、ドアの上方に取り付けられた電気モータは、ドアに取り付けられたワイヤを用いてドアを引き上げる。このようなオーバーヘッドセクショナルドアは、ドアを開くのに必要な力を低減するために釣り合いばねを実装することが多い。釣り合いばねの実装は、ドアの複雑さを増加させ、ドアが所定の位置に取り付けられている場合に設置するのが面倒である。
【0004】
操作、メインテナンス、設置の間のドアオペレータシステムの複雑さ及びリスクを低減する、より効率的なドアオペレータシステムを実現するために、駆動ユニットがドアに取り付けられたドアオペレータシステムは開発されている。ドアは、その目的とする移動軌道に沿って延伸する固定ラックと噛み合う従動ピニオンにより駆動される。このようなドアは、駆動モジュール性を導入することにより、従来のドアオペレータシステムのいくつかの欠点及び不利な点に対処するため、設置がより簡単で迅速になり、複雑さが低減される。また、釣り合いばねを必要としない。
【0005】
しかしながら、このようなドアの駆動は、多くの課題と関連する。固定ラックは、製造の高精度と、ドアを設置する場合のラックの適切な位置合わせを必要とする。これにより、ドア自体とドアの設置の両方のコストが増加する。
【0006】
課題に対処するために、チェーン駆動を実装してもよい。このようなシステムでは、ドアの従動スプロケットは、ドアの隣に延伸するチェーンと噛み合わってもよい。当業者に知られているように、ドアが実装される建物によって設定された条件に基づいて、多くの種類のオーバーヘッドドアシステムは利用可能である。
【0007】
壁の開口の上方の壁がドアと少なくとも同じ高さである場合、いわゆる垂直リフトオーバーヘッドドアシステムが適切である。このようなオーバーヘッドドアシステムでは、チェーンは、軌道の最上部に固定され、ドアは、チェーンに噛み合うスプロケットを用いてチェーンを上方に移動する。チェーンは、軌道にほぼ平行である。このため、軌道は、底部から最上部に真っ直ぐに延伸し、ドアは、垂直方向にずっと上方に移動する。
【0008】
多くの場合、このような大きなスペースは、オーバーヘッドドアシステムの設置に利用できない。このような場合、HL(高リフト)、SL(標準リフト)、又はLL(低リフト)のオーバーヘッドドアシステムと呼ばれる他の種類のオーバーヘッドセクショナルドアシステムを実装してもよい。このようなシステムは、開口に対して水平になる角度で曲がる軌道を有し、天井高が制限される用途での取り付けが可能である。HLは、SLと対比すると、HLでは、軌道湾曲部がより高い位置から始まり、ドアが完全に開いている場合でも、ドアの底面が軌道の垂直延伸部にとどまることができるという点で相違する。これは、利用できるようにドアの開口よりもかなりの高さを有する壁を必要とする。
【0009】
ドアの開口の上方にできるだけ少ない領域を有することが望ましい場合があり、それらの状況では、SL又はLLを用いることができる。軌道湾曲部は、底面がドアが完全に開いている場合に湾曲部中を部分的に移動するように低く配置される。HL、SL及びLLのオーバーヘッドドアシステムは、アップアンドオーバーオーバーヘッドドアシステムと見なされてもよい。このようなシステムでは、ドアの底面が軌道システムの軌道湾曲部中を移動できるようにすることは困難である。本発明は、底面が軌道システムの軌道湾曲部中を移動するという課題に対処する、ドアに取り付けられた駆動ユニットを備えたオーバーヘッドドアシステムを実現することを目的とする。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、当技術分野における上記欠陥及び不利な点の1つ以上を単独で、又は任意の組み合わせで、緩和、軽減又は除去しようとする、オーバーヘッドドアオペレータシステムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、オーバーヘッドドアオペレータシステムの複雑さを低減することを目的とする。
【0012】
一実施形態によれば、開口を開閉するオーバーヘッドドアオペレータシステムが提供される。オーバーヘッドドアオペレータシステムは、開口の第1の側にある第1のフレームセクションと、開口の第2の側にある第2のフレームセクションとを含むドアフレームを含む。第1のフレームセクションと第2のフレームセクションは、それぞれ、垂直延伸部と、水平延伸部と、湾曲相互接続部とを含む。オーバーヘッドドアオペレータシステムは、開放位置と閉鎖位置の間で移動するように配置され、ドアフレームに移動可能に接続されたドアを更に含む。ドアは、複数の水平相互接続セクションを含む。
【0013】
また、オペレータシステムは、ドアに取り付けられた駆動ユニットを含み、駆動ユニットは、ドアを閉鎖位置から開放位置に移動させるように配置された少なくとも1つのモータと、開口の第1の側に沿って延伸する細長い伝達部材と、を含む。
【0014】
駆動ユニットは、モータに駆動接続された従動伝達部材を更に含み、従動伝達部材は、細長い伝達部材に移動可能に接続され、前記の細長い伝達部材と相互作用するように配置され、前記の細長い伝達部材は、従動伝達部材の周りに少なくとも部分的に巻き付く細長い伝達部材によって前記の細長い伝達部材に沿って従動伝達部材を駆動する。
【0015】
オーバーヘッドドアオペレータシステムは、細長い伝達部材を取り付ける伝達取付構造を更に含む。伝達取付構造は、細長い伝達部材が取り付けられる固定点を含む。固定点は、少なくともドアが開放位置にある場合、水平延伸部の方向において垂直延伸部に対して距離を置いて配置される。
【0016】
本発明の実施形態は、添付の従属特許請求の範囲によって規定され、詳細な説明及び図面で更に説明される。
【0017】
「含み/含む」という用語は、本明細書で使用される場合、言及された特徴、整数、ステップ、又は部品の存在を明示するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、部品又はそれらの集合の存在又は追加を排除するものではないことを強調すべきである。特許請求の範囲で使用されるすべての用語は、本明細書で別段に規定されない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「1つの[要素、デバイス、部品、手段、ステップ等]」へのすべての言及は、特に明示されていない限り、要素、デバイス、部品、手段、ステップ等の少なくとも1つの例を指すものとしてオープンに解釈されるべきである。本明細書で開示されたあらゆる方法のステップは、明示されていない限り、開示された正確な順序で実行される必要がない。
【0018】
本文書で何かを行うために「設計される」実体への言及は、これを行うために「構成される」実体又は「意図的に適合される」実体と同じことを意味することを意図する。
【0019】
前述のことは、添付図面に示されるように、例示的な実施形態の以下のより具体的な記載から明らかであろう。図面において、同様の参照符号は、異なる図面を通じて同じ部分を参照する。図面は、必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに、例示的な実施形態を例示することに重点が置かれている。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】閉鎖位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
図2a】一実施形態に係る駆動ユニットの概略斜視図である。
図2b】一実施形態に係る駆動ユニットの概略斜視図である。
図2c】一実施形態に係る駆動ユニットの概略斜視図である。
図2d】一実施形態に係る駆動ユニットの概略斜視図である。
図2e】一実施形態に係る駆動ユニットの概略斜視図である。
図3】閉鎖位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
図4a】一実施形態に係る、閉鎖位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
図4b】一実施形態に係る、閉鎖位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略斜視図である。
図5a】一実施形態に係る、部分開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図5b】一実施形態に係る、開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図6a】一実施形態に係る、部分開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図6b】一実施形態に係る、開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図6c】一実施形態に係る、ドアが開放位置にある場合のレバーアームの概略詳細図である。
図6d】一実施形態に係る、ドアが部分開放位置にある場合のレバーアームの概略詳細図である。
図7a】一実施形態に係る、部分開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図7b】一実施形態に係る、開放位置にあるドアを含むドアオペレータシステムの概略側面図である。
図7c】一実施形態に係る、ドアが開放位置にある場合の伝達取付構造の概略詳細図である。
図7d】一実施形態に係る、ドアが部分開放位置にある場合の伝達取付構造の概略詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化することができ、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付の図面に示される特定の実施形態の詳細な説明で使用される用語は、本発明を限定することを意図するものではない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0022】
図1は、本発明の発明態様が適用され得るドアオペレータシステム1の概略図である。ドアオペレータシステムは、ドアフレーム3、駆動ユニット10(図2a~cに示す)及びドア8を含む。ドアオペレータシステム1は、壁と床とによって規定された開口2内に設置されるように配置される。ドア8は、ドアフレーム3に接続される。ドアオペレータシステム1は、ドア8を開放位置Oと閉鎖位置Cの間で移動させることにより、開口2を開閉するように配置される。開放位置Oは、平面水平位置又は傾斜水平位置の形態の水平開放位置Oであってもよい。閉鎖位置Cは、垂直閉鎖位置Cであってもよい。
【0023】
本明細書のオーバーヘッドドアオペレータシステムとは、ドア8を昇降することにより開口2を開閉するように配置されるドアオペレータシステムを指す。
【0024】
本実施形態では、ドア8は、ドアフレーム3に接続された複数の水平相互接続セクション9a~eを含むセクショナルドア8である。一実施形態では、ドアは、ガレージドアである。代替実施形態では、ドアは、工業用ドアである。ドア8は、閉鎖位置Cと開放位置Oの間でドアフレーム3に沿って移動されるように配置される。
【0025】
図1に示すように、ドアオペレータシステム1は、第1の端子13及び第2の端子14を含んでもよい。少なくとも1つの端子13、14は、駆動ユニットのモータに電力を供給するために、バッテリ等のエネルギー蓄積装置を充電するためのエネルギーを伝達するように構成される。
【0026】
代替実施形態では、電力は、電気配線により駆動ユニットのモータに供給されてもよい。
【0027】
ドアオペレータシステムは、アップアンドオーバードアオペレータシステムである。アップアンドオーバードアオペレータシステムは、ドアが、閉鎖位置Cで略垂直に配置され、開放位置Oで略水平に配置され、開口の内部にあるシステムである。
【0028】
代替実施形態では、ドアオペレータシステムは、ドアが、閉鎖位置Cで略垂直に配置され、開放位置Oで略垂直位置と略水平位置との間に設置された傾斜位置に配置されるドアオペレータシステムであってもよい。例えば、ドアは、開放位置Oで水平位置から45°の角度で配置されてもよいが、当業者が認識しているように、ドアは、開放位置Oでドアの水平方向と垂直方向との間に設置された任意の角度で配置されてもよい。
【0029】
ドアフレーム3は、開口2の第1の側7にある第1のフレームセクション4と、開口2の第2の側5にある第2のフレームセクション6とを含む。ドアフレーム3は、壁50及び床23、すなわち開口2の床に接続される。一実施形態では、第1のフレームセクション4は、略垂直延伸部4aと略水平延伸部4bを含む。第2のフレームセクション6は、略垂直延伸部6aと略水平延伸部6bを含む。垂直延伸部4a、6aと水平延伸部4b、6bは接続されて、ドア8が滑走する経路と駆動ユニット10が相互作用する軌道を形成する。
【0030】
したがって、第1のフレームセクション4と第2のフレームセクション6は、それぞれ、垂直延伸部4a、6aと、水平延伸部4b、6bと、湾曲相互接続部4c、6cとを含む。言い換えると、第1のフレームセクション4は、垂直延伸部4aと、水平延伸部4bと、湾曲相互接続部4cとを含む。したがって、湾曲相互接続部4cは、垂直延伸部4aと水平延伸部4bを接続する。同様に、第2のフレームセクション6は、垂直延伸部6aと、水平延伸部6bと、湾曲相互接続部6cとを含む。したがって、湾曲相互接続部6cは、垂直延伸部6aと水平延伸部6bを接続する。
【0031】
垂直延伸部4a、6aは、垂直部4a、6aであってもよく、傾斜垂直部4a、6aであってもよい。同様に、水平延伸部4b、6bは、水平部4b、6bであってもよく、傾斜水平部4b、6bであってもよい。
【0032】
図1を参照すると、ドア8は、ドアフレーム3に直接的又は間接的に接続される。ドア8は、第1の側で第1のフレームセクション4に移動可能に接続され、第2の側で第2のフレームセクション6に移動可能に接続される。一実施形態では、複数のセクション9a~eのうちの1つ以上は、第1の側7で第1のフレームセクション4に接続され、第2の側5で第2のフレームセクション6に接続される。
【0033】
図2a~eを参照すると、駆動ユニット10は、ドア8に取り付けられる。駆動ユニット10は、少なくとも1つのモータ11を含む。少なくとも1つのモータ11は、ドア8を閉鎖位置Cから開放位置Oに移動させるように配置される。
【0034】
ドア8の駆動を可能にするために、オーバーヘッドドアオペレータシステム1は、開口2の第1の側7に沿って延伸する細長い伝達部材19を更に含む。細長い伝達部材19は、更に、第1のフレームセクション4に沿って延伸してもよい。駆動ユニット10は、モータ11に駆動接続された従動伝達部材18を更に含む。従動伝達部材18は、細長い伝達部材19に移動可能に接続され、細長い伝達部材19により少なくとも部分的に巻き付けられることにより細長い伝達部材19と相互作用するように配置され、細長い伝達部材19に沿って駆動される。したがって、細長い伝達部材19は、上記従動伝達部材18を少なくとも部分的に包むように配置される。
【0035】
細長い伝達部材は、固定ラックと比較して、製造と設置の両方の点でコスト効率の高い解決策を提供する。更に、細長い伝達部材は、ドア8とフレームとの間の相対移動を可能にし、固定ラックソリューションと同じように高精度と適切な位置合わせを必要としない。したがって、細長い伝達部材は、第1のフレームセクション4に直交する方向に沿うある程度の移動を可能にするように配置されてもよい。
【0036】
更に、細長い伝達部材は、ドアがレールから押しのけられた場合でも、少なくともある程度、従動伝達部材を追従し、それとの係合を維持するため、より安全なドアオペレータシステムを可能にする。また、細長い伝達部材は、固定ラックに比べて静かで耐摩耗性が高く、外部の物体の挟み込みによる誤動作の可能性が低くなる。
【0037】
細長い伝達部材19は、湾曲可能な伝達部材の形態であってもよい。細長い伝達部材19は、吊り伝達部材の形態であってもよい。なお、この文脈における湾曲可能ということは、必ずしも上記伝達部材が必ずしも柔軟であることを意味することではなく、それが従動伝達部材の周りを巻き付けることを可能にすることだけを意味する。よって、伝達部材19は、従動伝達部材18と係合して、従動伝達部材18とフレーム3によって規定されるドア8のある方向の移動との間の相対移動を提供するように配置されると見なされてもよい。言い換えると、上記伝達部材は、非固定伝達部材又は吊り伝達部材であると見なされてもよい。よって、細長い伝達部材は、フレームとは独立して従動伝達部材と係合するように配置されてもよい。
【0038】
駆動ユニット10は、細長い伝達部材19に移動可能に接続される。
【0039】
よって、駆動ユニット10は、ドアとフレームとの間の相対移動を可能にするように細長い伝達部材19に接続されるため、駆動ユニットはドアに固定される。駆動ユニット10は、少なくとも1つのモータ11を含む。駆動ユニット10は、ドア8を閉鎖位置から開放位置に移動させるように配置される。モータ11に電力を供給するために、少なくとも1つのモータ11は、それに電力を供給するように配置された少なくとも1つのエネルギー蓄積装置、例えば、バッテリに接続されてもよい。駆動ユニット10は、ドア8を閉鎖位置Cから開放位置Oに移動させるように配置される。
【0040】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドアを開放位置Oから閉鎖位置Cに移動させるように配置される。一実施形態では、ドア8は、重量により開放位置Oから閉鎖位置Cに移動するように配置される。一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8を開放位置Oから閉鎖位置Cに移動させる場合、ドア8にブレーキをかけるように配置される。
【0041】
一実施形態では、細長い伝達部材は、上端と下端のみにより吊られてもよい。
【0042】
細長い伝達部材19は、付勢されてもよい。細長い伝達部材19への付勢は、弾性のある細長い部材19の張力を適切なレベルに維持することを可能にし、摩耗及び潜在的な許容誤差の問題を更に補う。
【0043】
一実施形態では、細長い伝達部材19は、ばね構造により付勢されてもよい。細長い伝達部材19の上端は、固定的に取り付けられてもよく、上記細長い伝達部材19の下端は、ばねで留められてもよい。これにより、ばねのサービス作業を実行するオペレータがより容易に接近することができる。一実施形態では、細長い伝達部材19の上端及び下端は、フレーム、例えば第1のフレームセクション4に取り付けられる。
【0044】
一実施形態では、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、少なくとも1つのガイド部材92を更に含む。少なくとも1つのガイド部材92は、ドア8に取り付けられる。ガイド部材92は、細長い伝達部材19により少なくとも部分的に巻き付けられることにより細長い伝達部材19と相互作用するように配置されて、ドア8を細長い伝達部材19に沿ってガイドしてもよい。したがって、ガイド部材92は、細長い伝達部材19を移動させて、上記細長い伝達部材19に対して従動伝達部材18をガイドして、それらを適切に位置合わせする。このため、より信頼性の高いドアオペレータシステムを実現し得る。ガイド部材92は、好ましくは、ジャーナル接続によりドア8に取り付けられる回転可能なガイド部材である。したがって、細長い伝達部材19は、上記ガイド部材92を少なくとも部分的に包むように配置される。
【0045】
図2a~eを参照すると、細長い伝達部材19は、従動伝達部材18の一部及びガイド部材92の一部に巻き付き、それらと相互作用するように配置されてもよい。細長い伝達部材19と相互作用する従動伝達部材18の部分は、上記細長い伝達部材19と相互作用するガイド部材92の部分と反対である。これにより、従動伝達部材とガイド部材と細長い伝達部材との間のより大きな噛み合いを実現するため、動作に必要なトルクがより少なくなる、より安定したオーバーヘッドドアオペレータシステムを実現し得る。
【0046】
図2a~eに示すように、細長い伝達部材19は、好ましくは、開口の第1の側に沿って吊られる。
【0047】
細長い伝達部材19は、駆動ユニット及び/又はドアの水平又は斜めの移動を補うために必要な弛みを提供する任意の従来の細長い伝達部材19であってもよい。細長い伝達部材は、ベルト又はチェーンであってもよい。
【0048】
一実施形態では、細長い伝達部材19は、ベルトであってもよい。したがって、ガイド部材92及び従動伝達部材18は、上記ベルトと噛み合うように配置されたプーリ要素であってもよい。一実施形態では、ベルトは、コグベルト又はリブベルトであってもよいため、ガイド部材92及び従動伝達部材18は、上記コグベルト又はリブベルトのリブと噛み合うコグドホイールであってもよい。
【0049】
細長い伝達部材19はまた、図2a~cに示されるチェーンであってもよい。チェーンには、コグを受け入れるスロットが設置されてもよい。よって、従動伝達部材18は、チェーン、例えばチェーンのスロットと相互作用するように配置されたコグドホイールであってもよい。従動伝達部材18は、スプロケットであってもよい。更に、ガイド部材92は、チェーン、例えばチェーンのスロットと相互作用するように配置されたコグドホイールであってもよい。ガイド部材92は、スプロケットであってもよい。一実施形態では、ガイド部材92は、チェーンと相互作用するリブホイールであってもよい。一実施形態では、チェーンは、ガイド部材及び従動伝達部材を包むエンドレスチェーンである。一実施形態では、チェーンは、エンドレスチェーンではなく、例えば、ガイド部材及び従動伝達部材のみを部分的に包む単一のチェーンである。
【0050】
一実施形態では、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、第1セットのガイドローラ17及び第2セットのガイドローラ17を更に含む。第1セット及び第2セットのガイドローラは、ドア8に取り付けられる。第1セットのガイドローラ17は、第1のフレームセクション4と相互作用するように配置され、第2セットのガイドローラ17は、第2のフレームセクション6と相互作用するように配置される。したがって、ガイドローラは、第1のフレームセクション4及び第2のフレームセクション6などのフレームによって形成された軌道に沿ってガイドされてドア8と共に移動する。
【0051】
一実施形態では、ドア8は、セクショナルドアである。このため、ドアは、複数の水平相互接続セクション9a~e(図1に示す)を含む。
【0052】
再び図2a~cを参照すると、駆動ユニット10は、ドア8のセクション9eに取り付けられる。このセクションの移動をよりスムーズにするために、駆動ユニット10が取り付けられるセクションには、2対のガイドローラが設置される。よって、第1及び第2の上部ガイドローラは、それぞれ、セクション9eから第1のフレームセクション4と第2のフレームセクション6に向けて延伸する。同様に、第1及び第2下部ガイドローラは、それぞれ、セクション9eから第1のフレームセクションと第2のフレームセクション6に向けて延伸する。
【0053】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8の最下部セクション9eに取り付けられる。このような実施形態では、第1及び第2の下部ガイドローラは、最下部セクション9eの下部水平端面に隣接して設置されてもよい。それに対応して、上部ガイドローラは、最下部セクション9eの上部水平端面に隣接して設置されてもよい。
【0054】
一実施形態では、上部及び下部ガイドローラは、各セクション9a~eに取り付けられてもよい。好ましくは、上部ガイドローラは、各セクションの上部水平端面に隣接して設置され、下部ガイドローラは、各セクションの下部水平端面に隣接して設置される。
【0055】
図2dに最も明確に示されるように、少なくとも1つのガイド部材92は、ガイドローラ17の1つと同軸に配置されてもよい。同軸配置により、ドアの移動中にフレームとガイドローラが一部の荷重を受けることによるガイド部材への力が軽減される。このため、ドアセクションと、駆動ユニット及び/又はガイド部材の軸受とに生じる力が低減される。更に、同軸配置により、より多くの細長い伝達部材がガイドローラの後ろに設置することができるため、前記の細長い伝達部材の露出が減少する。ガイドローラ17は、シャフト88によりドア8に取り付けられる。ガイドローラ17とガイド部材92は、いずれもシャフトに取り付けられる。ガイド部材92は、シャフト88に固定的に取り付けられてもよい。有利には、ガイドローラ17及びガイド部材92は、ドア8の下部水平縁に隣接して配置されてもよい。一実施形態では、ガイド部材は、ガイドローラに組み込まれる。
【0056】
上記図2a~dに示すように、本明細書の同軸は、ガイドローラ及びガイド部材が、延伸する水平軸に沿って互いに平行に配置されることを意味する。水平軸は、第1のフレームセクションと第2のフレームセクションとの間に延伸する。
【0057】
一実施形態では、ガイド部材は、ドアの最下部セクション9eの下部水平端面に隣接して設置されるガイドローラと同軸である。これは、ドアの優れた旋回位置を提供するため、特に有利である。このため、オーバーヘッドドアオペレータシステムがアップアンドオーバードアオペレータシステムである場合、ドアが開放位置Oに近づいているときに、ガイドローラとガイド要素は、ドアに共通の低い旋回点を形成する。これにより、例えば固定ラック等を利用する従動セクションを有するドアに比べて、ドアの開口の上方に必要なスペースが大幅に低減される。
【0058】
一実施形態では、第1の上部ガイド部材92は、第1の上部ガイドローラ17と同軸に配置される。それに対応して、第1の下部ガイド部材92は、第1の下部ガイドローラ17と同軸に配置される。このため、駆動されるセクション9eは、同じ軸にある細長い伝達部材19とフレームの両方に沿ってガイドされる。これにより、安定性が更に向上し、駆動ユニット10が取り付けられたセクションの荷重が低減される。好ましくは、このセクションは、最下部セクションであり、下部ガイド部材及び下部ガイドホイールは、上記最下部セクションの下面に隣接して配置される。
【0059】
このため、ガイドローラ17の1つとガイド部材92の1つは、ドア8の下部水平縁に隣接して互いに同軸に配置されてもよい。これは、単一セクションのドアの場合と同様である。
【0060】
一実施形態では、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、ドア8のより安定した移動パターンを可能にするために一対の細長い伝達部材を含む。第1の細長い伝達部材19は、開口2の第1の側7に沿って延伸する。第1の細長い伝達部材19は、第1のフレームセクション4に沿って更に延伸してもよい。第2の細長い伝達部材19は、開口2の第2の側5に沿って延伸する。第2の細長い伝達部材19は、第2のフレームセクション6に沿って更に延伸してもよい。よって、ドアの第1の側を参照して説明されるガイド駆動構造は、ドアの第2の側にミラーリングされてもよい。
【0061】
したがって、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、それぞれ第1及び第2の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより第1及び第2の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第1及び第2の従動伝達部材18を更に含んでもよい。
【0062】
第1及び第2の従動伝達部材18は、単一又は複数のモータ11により駆動されてもよい。一実施形態では、単一のモータ11は、第1及び第2の伝達部材18に駆動接続される。単一のモータ11は、モータ11から延伸する第1及び第2のシャフトにより第1及び第2の従動伝達部材18に接続されてもよい。図3を参照して更に説明するように、駆動ユニット10は、第1及び第2の従動伝達部材18にそれぞれ駆動接続された第1及び第2のモータを含んでもよい。
【0063】
ドアの第1の垂直側と同様に、ドアの第2の側には、1つ以上のガイド部材が取り付けられてもよい。一実施形態では、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、第2の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより第2の細長い伝達部材と相互作用するように配置されて、ドア8を第2の細長い伝達部材19に沿ってガイドする、ドア8に取り付けられた少なくとも1つのガイド部材92を更に含む。言い換えると、上記ドアオペレータシステムは、それぞれ第1及び第2の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第1の細長い伝達部材19と第2の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された、ドア8に取り付けられた少なくとも1つの第1のガイド部材92と少なくとも1つの第2のガイド部材92と、を含む。
【0064】
細長い伝達部材19は、いずれもばね構造により付勢されてもよい。細長い伝達部材19の上端は、固定的に取り付けられてもよく、上記細長い伝達部材19の下端は、ばねで留められてもよい。これにより、ばねのサービス作業を実行するオペレータがより容易に接近することができる。一実施形態では、細長い伝達部材19の上端及び下端は、フレーム、例えば、第1及び第2のフレームセクションにそれぞれ取り付けられる。
【0065】
一実施形態では、図2bに例示され、第1の従動伝達部材18は、第1の上部ガイド部材92と第1の下部ガイド部材92の間に配置されてもよい。第1の上部ガイド部材92及び第1の下部ガイド部材92は、第1の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第1の細長い伝達部材19と相互作用するように配置される。同様に、第2の従動伝達部材18は、第2の上部ガイド部材92と第2の下部ガイド部材92の間に配置されてもよい。第2の上部ガイド部材及び第2の下部ガイド部材92は、第2の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第2の細長い伝達部材と相互作用するように配置される。これにより、余分な部品を必要とせずに、従動伝達部材の前後の両方で、駆動方向に細長い伝達部材を更にガイドすることが可能になる。このため、より単純なオペレータアセンブリを実現し得る。更に、細長い伝達部材と従動伝達部材上のガイド部材との間のより大きな噛み合いを実現し、その結果、動作に必要なトルクが少なくなる、より安定したドアオペレータシステムを得る。
【0066】
したがって、第1及び第2の従動伝達部材18は、ドア8から反対方向にそれぞれ第1及び第2の細長い伝達部材19に向かって延伸するように配置されてもよい。第1の従動伝達部材18は、ドアの第1の垂直面の近位に配置され、上記第1の面は、ドアが閉鎖位置にある場合、第1の細長い伝達部材に隣接する。同様に、第2の従動伝達部材18は、ドアの第2の垂直面の近位に配置され、上記第2の面は、ドアが閉鎖位置にある場合、第2の細長い伝達部材に隣接する。
【0067】
細長い伝達部材19は、従動伝達部材18の一部、並びに上部ガイド部材92及び下部ガイド部材92の一部を巻き付け、それらと相互作用するように配置されてもよい。細長い伝達部材19と相互作用する従動伝達部材18の部分は、上記細長い伝達部材19と相互作用する上部ガイド部材92及び下部ガイド部材92の部分と反対である。これにより、従動伝達部材とガイド部材と細長い伝達部材との間のより大きな噛み合いを実現するため、動作に必要なトルクが少なくなる、より安定したオーバーヘッドドアオペレータシステムを実現し得る。
【0068】
一実施形態では、第1の細長い伝達部材のみが伝達部材に駆動接続され、ドアオペレータシステムは、以上に記載の第1の上部ガイド部材及び第1の下部ガイド部材のみを含んでもよい。
【0069】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8のセクション9eに取り付けられ、第1の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第1の上部ガイド部材92は、セクション9eの上面に隣接して配置される。第1の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第1の下部ガイド部材92は、セクション9eの下面に隣接して配置される。第2の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第2の上部ガイド部材92は、セクション9eの上面に隣接して配置される。第2の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第2の下部ガイド部材92は、セクション9eの下面に隣接して配置される。
【0070】
一実施形態では、第1の上部ガイド部材92は、第1の上部ガイドローラ17と同軸に配置されて、第1の細長い伝達部材19により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第1の細長い伝達部材19と相互作用してもよい。第1の下部ガイド部材92は、第1の下部ガイドローラ17と同軸に配置されて、第1の細長い伝達部材19と相互作用してもよい。第2の上部ガイド部材92は、第2の上部ガイドローラ17と同軸に配置されて、第2の細長い伝達部材により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第2の細長い伝達部材19と相互作用してもよい。第2の下部ガイド部材92は、第2の下部ガイドローラ17と同軸に配置されて、第2の細長い伝達部材19と相互作用してもよい。
【0071】
図2a~eに示すように、駆動ユニット10は、モータと従動伝達部材18との間に付加トルクを提供する減速歯車装置76を含んでもよい。減速歯車装置76は、従動伝達部材18とモータ11とを接続する。減速歯車装置は、歯車箱76の形態であってもよい。歯車箱76は、例えば、ドアオペレータシステムの高速モードと高トルクモードとの間の選択的なトルク制御を可能にする。
【0072】
一実施形態では、駆動ユニット10は、単一のモータを含み、該モータが歯車箱の形態であってもよい減速歯車装置76に接続されることにより、歯車箱の出力シャフトは、第1及び第2の従動伝達部材18に接続されて、トルクを前記の第1及び第2の従動伝達部材18に伝達し、或いは、オペレータシステムが1つの細長い伝達部材のみを有する場合にトルクを単一の従動伝達部材に伝達する。
【0073】
一実施形態では、駆動ユニット10は、第1及び第2のモータを含む。第1のモータは、歯車箱等の第1の減速歯車装置に接続され、次に第1の従動伝達部材に接続されてもよい。第2のモータは、歯車箱等の第2の減速歯車装置に接続され、次に第2の従動伝達部材に接続されてもよい。
【0074】
オーバーヘッドドアオペレータシステムは、少なくとも1つの伝達部材保護装置61を更に含んでもよい。伝達部材保護装置61は、従動伝達部材18と、上記従動伝達部材18と相互作用する細長い伝達部材19の部分とを少なくとも部分的に囲むように配置される。伝達部材保護装置61は、細長い伝達部材19が従動伝達部材18との係合から外れるのを防ぐためのものである。このため、より安全なオーバーヘッドドアオペレータシステムを実現し得る。伝達部材保護装置61はまた、人間が細長い伝達部材19と接触するのを防ぐ手段として機能し得る。
【0075】
伝達部材保護装置61は、上記細長い伝達部材19を覆うために、ドア8から細長い伝達部材19を横切って外向きに、すなわち水平に延伸するように配置されてもよい。伝達部材保護装置61は、ドア8又は駆動ユニット10に取り付けられてもよい。
【0076】
一実施形態では、複数の従動伝達部材18が利用される場合、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、複数の伝達部材保護装置61を含んでもよい。各伝達部材保護装置61は、対応する従動伝達部材18と、上記従動伝達部材18と相互作用する細長い伝達部材19の部分とを少なくとも部分的に囲むように配置されてもよい。
【0077】
一実施形態では、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、細長い伝達部材19をばねで留める伝達部材用テンショナーを更に含んでもよく、細長い伝達部材19の上端と下端とが固定的に取り付けられ、伝達部材用テンショナーがドア8に取り付けられる。伝達部材用テンショナーは、細長い伝達部材19と相互作用するように配置されたローラ要素を含んでもよい。
【0078】
図2cに示すように、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、ばね構造74を含んでもよい。細長い伝達部材19の下端68は、上記ばね構造74により固定点に取り付けられてもよい。固定点は、フレーム又は床上の点であってもよい。図2cに示すように、ばね構造74は、第1のフレームセクション4等のフレーム3と、細長い伝達部材19の下端68とに接続されてもよい。細長い伝達部材19は、開口の床に隣接して配置されたコンソール要素79の周りを下向きに引き回され、ばね構造74に向かって上方に引き回されてもよい。
【0079】
図2d~eに示すように、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、弾性パネル91を更に含んでもよい。弾性パネル91は、ドア8に取り付けられる。弾性パネル91は、ドア8の下部水平縁から延伸し、ドアが閉鎖位置Cにある場合、開口2の床と接触するように更に配置される。上記弾性パネル91は、ドア8が閉じる場合に床と接触するときに変形することにより、ドア8は、床との直接接触による衝撃及び摩耗から保護される。更に、弾性パネル91は、ドアが閉鎖位置にある場合、床とドアとの間にシール効果を提供し得る。一実施形態では、弾性パネル91は、ゴム材料であってもよい。
【0080】
図3は、駆動ユニットが2つのモータ11a、11bを含むオーバーヘッドドアオペレータシステムをより詳細に示す。第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、ドア8の同じ水平セクション9eに配置されてもよい。第1及び第2のモータは、ドア8の最下部水平セクション9eに配置されてもよい。第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、ドア8の異なる垂直側に取り付けられてもよく、例えば、第1のモータ11aは、開口の第1の側7の近位にあるドア8の垂直側に設置されてもよく、第2のモータ11bは、開口の第2の側5の近位にあるドア8の垂直側に配置されてもよい。
【0081】
一実施形態では、駆動ユニット10は、第1のモータ11a及び第2のモータ11bを少なくとも含み、第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、ドア8の同じ垂直側に取り付けられてもよい。第1及び第2のモータは、ドア8の同じ水平セクションに配置されてもよい。第1及び第2のモータは、ドア8の最下部水平セクション9eに配置されてもよい。
【0082】
一実施形態では、第1のモータ11aは、第1の従動伝達部材18により第1の細長い伝達部材19に移動可能に接続され、第2のモータ11bは、第2の従動伝達部材18により第2の細長い伝達部材19に移動可能に接続される。
【0083】
モータ11及び駆動ユニット10は、好ましくは、ドア8の前面、例えばドア8の外面又は内面に配置される。モータ11及び駆動ユニット10を保護するために、上記モータ及び駆動ユニットは、ドア8の内向きのドア面の形態でドアの内面に配置される。
【0084】
一実施形態では、駆動ユニット10のモータ11は、直流DCモータ11である。
【0085】
好ましい実施形態では、モータ11は、ブラシレス直流(BLDC)モータである。
【0086】
制御ユニットは、駆動ユニット10と動作可能に通信し得る。制御ユニットは、2つのモータ11a、11bと有線通信してもよく、無線通信してもよい。
【0087】
制御ユニットは、駆動ユニット10の移動、すなわち、駆動ユニット10及びその関連するモータ11a、11bがいつ、どのようにドア8を移動させるべきかを制御するように構成される。制御ユニットは、ドア8を開閉すべきか否かの入力を受けるように配置される。一実施形態では、制御ユニットは、ユーザインタフェース、機械式ボタン又はリモコンのいずれか1つ以上の入力を受けるように配置される。一実施形態では、制御ユニットは、ドアの自動動作のためにセンサから入力を受けるように配置される。
【0088】
駆動ユニットは、以下に更に説明される付加モータを更に含んでもよい。
【0089】
一実施形態では、図4aに模式的に示すように、駆動ユニット10は、水平セクションの第2の水平セクション9に取り付けられ、セクショナルドア8を閉鎖位置Cから開放位置Oに移動させる場合に第1及び第2のモータ11a~bを補助するように配置された第3及び第4のモータ11c~dを含む。第3及び第4のモータ11は、制御ユニット20に接続され、第1及び第2のモータ11に関して上記した方法と同じ方法で制御ユニットにより制御されるように構成される。一実施形態では、システム1は、4つのモータ11a~d及び1つの制御ユニット20を含む。第1及び第2のモータ11a、11bは、セクション9eに配置され、第3及び第4のモータ11c、11dは、別のセクション9cに配置される。このため、駆動ユニット10は、ドア8に取り付けられた第3の従動伝達部材18を含んでもよい。第3の従動伝達部材18は、第1の細長い伝達部材19に移動可能に接続されて、上記第1の細長い伝達部材19に沿って駆動される。更に、駆動ユニットは、ドア8に取り付けられた第4の従動伝達部材18を含んでもよい。第4の従動伝達部材18は、第2の細長い伝達部材19に移動可能に接続されて、上記第2の細長い伝達部材19に沿って駆動される。図2a~cを参照して説明されるように、駆動ユニットは、第3及び第4の従動伝達部材に関連するガイドホイール及びガイドローラを更に含んでもよい。
【0090】
一実施形態では、第1及び第2のモータ11a、11bは、ドアのセクション9の閉鎖位置Cで床に最も近いセクション9eに配置される。
【0091】
しかしながら、セクション9eはまた、例えば、閉鎖位置Cで床に最も近いセクションの隣に配置されるセクションであるセクション9dであってもよいことに留意されたい。
【0092】
一実施形態では、図4bに模式的に示すように、駆動ユニット10は、水平セクション9の第3の水平セクション9cに取り付けられ、セクショナルドア8を閉鎖位置Cから開放位置Oに移動させる場合に他のモータ11を補助するように配置された第5及び第6のモータ11e~fを含む。第5及び第6のモータ11e~fは、制御ユニット20に接続され、第1及び第2のモータ11a~bに関して上記した方法と同じ方法で制御ユニットにより制御されるように構成される。一実施形態では、システム1は、6つのモータ11a~f及び1つの制御ユニットを含む。第1及び第2のモータ11a、11bは、セクション9eに配置され、第3及び第4のモータ11c、11dは、別のセクション9cに配置され、第5及び第6のモータ11e、11fは、別のセクション9dに配置される。このため、駆動ユニット10は、ドア8に取り付けられた第5の従動伝達部材18を含んでもよい。第5の従動伝達部材18は、第1の細長い伝達部材19に移動可能に接続されて、上記第1の細長い伝達部材19に沿って駆動される。更に、駆動ユニットは、ドア8に取り付けられた第6の従動伝達部材18を含んでもよい。第6の従動伝達部材18は、第2の細長い伝達部材19に移動可能に接続されて、上記第2の細長い伝達部材19に沿って駆動される。図2a~cを参照して説明されるように、駆動ユニットは、第5及び第6の従動伝達部材に関連するガイドホイール及びガイドローラを更に含んでもよい。
【0093】
実施形態では、付加セクション9a~eには、モータが配置され、これらのモータは、他のすべてのセクション、すべてのセクションに配置されてもよく、セクション9eの上方に配置された1つのセクションに配置されてもよい。
【0094】
一実施形態では、第1、第2、第3又は第1、第2、第3及び第4のモータは、セクション9に配置されてもよい。好ましくは、上記モータは、最下部セクション9eに配置されてもよい。
【0095】
一実施形態では、駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、ドア8が開放位置Oから閉鎖位置Cに移動される場合、ドア8の移動にブレーキをかけるように構成される。一実施形態では、オペレータシステムは、2つのモータを有し、第1及び第2のモータ11a及び11bの両方は、ドア8が開放位置Oから閉鎖位置Cに移動される場合、ドア8の移動にブレーキをかけるように構成される。
【0096】
一実施形態では、駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、発電機として機能し、ドア8が開放位置Oから閉鎖位置Cに移動される場合に少なくとも1つのエネルギー蓄積装置を充電するように構成される。一実施形態では、駆動ユニット10の第1及び第2のモータ11a、11bの両方は、発電機として機能し、ドア8が開放位置Oから閉鎖位置Cに移動する場合、少なくとも1つのエネルギー蓄積装置を充電するように構成される。ドア8の重量によりドアを閉鎖位置に向かって押しやるため、駆動ユニットの少なくとも1つのモータを回転させることにより、モータは、上記エネルギー蓄積装置を充電する電力を生成し得る。
【0097】
駆動ユニット10の少なくとも1つのモータ11は、ブレーキを更に含んでもよい。一実施形態では、第1のモータ11a及び第2のモータ11bは、いずれもブレーキを含む。一実施形態では、レーキは、電磁ブレーキである。ブレーキは、ドア8が開放位置Oから閉鎖位置Cに移動される場合、ドア8の速度を制御/減速するように配置される。一実施形態では、ブレーキは、ドアが閉鎖位置と開放位置との間のドアの軌道に沿った任意の位置で移動しないように配置される。
【0098】
一実施形態では、駆動ユニット10は、ドア8のセクション9e、すなわち上記複数の水平相互接続セクションの1つに取り付けられる。第1のモータ11aと第2のモータ11bは、同じセクション9eに配置される。好ましくは、第1のモータ11aと第2のモータ11bは、セクション9eの異なる垂直側に配置される。したがって、各モータ11a、11bは、それぞれ第1のフレームセクション4及び第2のフレームセクション6に関連して配置される。一実施形態では、ドア8は、水平であるか、又は少なくとも閉鎖位置Cに対してある角度をなしてもよく、ドア8は、開口2の内部で、開口2の上方に位置している。閉鎖位置Cから開放位置Oに移動する場合、相互接続されたドアのセクション9は、ドア8全体が上方に移動するように互いに押し合う。セクション9は、垂直位置から水平位置に移動する場合、互いに対して回転し移動する。
【0099】
一実施形態では、第1及び第2のモータ11のうちの少なくとも1つは、ドア8を開放位置Oから閉鎖位置Cに移動させる場合、発電機11として作動する。スプロケット18が回転すると、発電機11が回転する。発電機11は、ドア8の速度を低減する。エネルギー蓄積装置に接続された発電機11は、移動される場合、エネルギー蓄積装置を充電する。移動するドア8の運動エネルギーを使用することにより、エネルギー蓄積装置は充電される。
【0100】
図5図7を参照してより詳細に説明するように、オーバーヘッドドアオペレータシステムは、伝達取付構造100、200、300を含む。伝達取付構造100、200、300は、細長い伝達部材19を取り付けるためのものである。
【0101】
伝達取付構造100、200、300は、固定点101、201、301を含む。細長い伝達部材19は、上記固定点101、201、301に取り付けられる。固定点101、201、301は、少なくともドアが開放位置Oにある場合、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4b、6bと水平距離dを置いて配置される。固定点101、201、301は、クランプ接続又は締結構造の形態であってもよい。一実施形態では、固定点101、201、301は、プレートの形態であってもよい。プレートは、ドア8の全重量を支えることができる。プレートは、開口2及び/又はフレーム3を囲む壁に取り付けられてもよい。プレートは、スチール製であってもよい。
【0102】
一実施形態では、伝達取付構造100、200、300は、開口2の上縁の近位に配置される。伝達取付構造100、200、300、すなわち、伝達取付構造100、200、300の固定点101、201、301は、ドア8が開放位置にある場合、ドア8よりも高い位置に配置されてもよい。
【0103】
図2a~eを参照して前述したように、オーバーヘッドドアシステムは、開口2の第1の側7に沿って延伸する第1の細長い伝達部材と、開口2の第2の側5に沿って延伸する第2の細長い伝達部材19とを含んでもよい。オーバーヘッドドアオペレータシステムは、それぞれ第1及び第2の細長い伝達部材19により少なくとも部分的に巻き付けられることにより、第1及び第2の細長い伝達部材19と相互作用するように配置された第1及び第2の従動伝達部材18を更に含んでもよい。
【0104】
したがって、伝達取付構造は、第1の固定点101、201、301と、第2の固定点101、201、301とを含んでもよい。第1の細長い伝達部材19は、第1の固定点に取り付けられる。第2の細長い伝達部材19は、第2の固定点に取り付けられる。第1及び第2の固定点は、それぞれ、少なくともドアが開放位置Oにある場合、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4a、6aと水平距離dを置いて配置される。
【0105】
よって、第1の固定点は、少なくともドアが開放位置Oにある場合、第1のフレームセクション4の水平延伸部4bの方向において上記第1のフレームセクション4の垂直延伸部4aと水平距離dを置いて配置される。
【0106】
それに対応して、第2の固定点は、少なくともドアが開放位置Oにある場合、第2のフレームセクション6の水平延伸部6bの方向において上記第2のフレームセクション6の垂直延伸部6aと水平距離dを置いて配置される。
【0107】
一実施形態では、細長い伝達部材19の下端68は、ばね構造74により固定点に取り付けられる。これにより、細長い伝達部材19の伸張が可能になり、これは、伝達取付構造100、200、300と併せて特に有利である、。張力を受けた細長い伝達部材と伝達取付構造との組み合わせにより、オーバーヘッドドアオペレータシステムの部品の摩耗が低減される。
【0108】
一実施形態では、第1の端の反対の第2の端は、固定点101、201、301に取り付けられる。一実施形態では、細長い伝達部材19が伝達取付構造100、200、300の上方に延伸してもよいため、細長い伝達部材19の一部は、伝達取付構造100、200、300の固定点101、201、301に取り付けられてもよい。
【0109】
スペースを節約するために、固定点は、少なくともドア8が開放位置にある場合、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの下方に配置されてもよい。
【0110】
図5a~bを参照すると、伝達取付構造100は、固定ブラケット102を含む。固定ブラケット102は、固定点101を含む。したがって、固定点101は静止している。このため、水平距離dが一定である。一実施形態では、水平距離dは、0.05~1メートルであってもよい。
【0111】
図5a~bに示すように、固定ブラケット102は、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの下方に配置されてもよい。換言すれば、固定点101は、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの下方に配置されてもよい。このため、固定ブラケット102及び/又は固定点101は、開口の床に対して、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの高さよりも低い高さに配置されてもよい。これにより、開口の上方のスペースが限られている場合でも、オーバーヘッドドアオペレータシステムの取り付けが可能になり、かつオーバーヘッドドアオペレータの部品の摩耗を防ぐ。
【0112】
垂直水平方向における、垂直延伸部と固定点とのオフセット距離は、ドアがフレームセクションの湾曲相互接続部中を移動する場合、細長い伝達部材による支持を増加させる。
【0113】
固定点がフレームセクションの垂直延伸部と位置合わせされた従来のシステムに比べて、オフセットは、細長い伝達部材がフレームセクションの湾曲相互接続部中を移動するドアの移動を支持するように配置する。これにより、オーバーヘッドドアシステムの部品、すなわち、従動伝達部材、細長い伝達部材及びガイド部材の歪み及び摩耗が低減され、オーバーヘッドドアオペレータシステムの耐用年数が長くなる。
【0114】
このような構造により、オーバーヘッドドアオペレータシステムに付加移動部品及び複雑さを導入することなく、摩耗を低減することができる。これは、伝達取付構造100を取り付けるために利用可能ないくらかのスペースがある状況、すなわちHL及びSLオーバーヘッドドアオペレータシステムに特に適する。
【0115】
図5a~bに示すように、駆動ユニットは、ドア8の最下部セクションに取り付けられてもよい。これは、最下部セクションがドア8の残りのセクションを押すことを可能にし、オーバーヘッドドアオペレータシステムの部品の摩耗と、ドアを開放位置Oに移動させるのに必要なトルクとを低減するので、特に有利である。
【0116】
図5aは、部分開放位置、すなわち、部分開放出垂直位置にあるドアを示す。このため、駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、フレームセクション4、6の湾曲相互接続部4c、6cまで移動しない。したがって、駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、略垂直である。
【0117】
図5bは、開放位置にあるドア8を示す。駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、湾曲相互接続部4cまで移動した。駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、湾曲相互接続部4cの形状に従って傾斜した配向を有する。このように、フレームセクション4、6の垂直延伸部4a、6a間の水平距離d及びそれによるオフセットにより、固定点101と駆動ユニットが設置されたセクションとの間に延伸する細長い伝達部材19の部分は、固定点がフレームセクション4、6の垂直延伸部4a、6aに位置合わせされた従来の構造に比べて、より垂直配向を有することができる。これにより、駆動ユニットが設置された上記セクションの付加的支持が可能になる。
【0118】
図6~7は、可動固定点201、301を有する実施形態を示す。よって、固定点201、301は、可動であり、細長い伝達部材19に取り付けられて、ドア8の移動に応じて移動する。固定点201、301は、ドア(8)が開放位置(O)にある場合、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4a、6aと水平距離dを置いて設置されるように配置される。
【0119】
したがって、従動セクション、すなわち、駆動ユニットが設置されたセクションの移動により、細長い伝達部材19により上記固定点に伝達される移動のため、固定点が移動する。
【0120】
このため、固定点201、301は、可動部材202、303に設置される。可動部材は、ドア8が開放位置にある場合の第1の位置と、ドア8が閉鎖位置にある場合の第2の位置との間で移動するように配置される。固定点201、301は、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4a、6aと水平距離dを置いて設置される。可動部材202、303は、図6a~dに示すようなレバーアーム202の形態であってもよく、図7a~dの可動固定部材303の形態であってもよい。
【0121】
可動固定点により、ドアの上方に多くのスペースを必要とせずに、上昇を支持することができる。代わりに、伝達取付構造は、軌道の水平延伸部と実質的に位置合わせされた高さで設置されてもよい。したがって、摩耗の影響を受けにくい、よりスペース効率の高いオーバーヘッドドアオペレータシステムを実現し得る。これにより、特にSL又はLLのオーバーヘッドドアオペレータシステムの場合、特に有利になる。
【0122】
図6a~bに示すように、伝達取付構造200は、レバーアーム202を含んでもよい。固定点がレバーアーム202の第1の端に設置されるため、細長い伝達部材19は、レバーアーム202の上記第1の端に取り付けられる。上記レバーアーム202の第2の端は、レバーアーム202が、ドア8が開放位置Oにある場合に第1の位置にあり、ドア8が閉鎖位置Cにある場合に第2の位置にあるように、伝達取付構造200の固定レバーブラケット203に枢動可能に取り付けられる。固定点201は、レバーアーム202が第1の位置にある場合、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4a、6aと水平距離dを置いて設置される。
【0123】
このようなレバーアームの構造は、ドアの開口の上方に小さな領域のみが利用可能な状況、すなわちSL又はLLのオーバーヘッドドアオペレータシステムに特に有利である。このようなシステムでは、湾曲部、すなわち、湾曲相互接続部は、ドアの底面が、ドアが完全に開いている場合に湾曲部中を部分的又は完全に移動するように低く配置される。したがって、レバーアームは、ドアのセクションが湾曲相互接続部中を移動するように引きずることを効果的に助け、従動伝達部材及び細長い伝達部材の摩耗を低減する。
【0124】
一実施形態では、細長い伝達部材19は、レバーアーム202が第2の位置にある場合、略垂直配向を有してもよい。一実施形態では、細長い伝達部材19は、レバーアーム202が第2の位置にある場合、垂直延伸部4a、6aに平行であってもよい。
【0125】
一実施形態では、伝達取付構造200は、レバーアーム202の移動を付勢するように配置された減衰要素を更に含む。一実施形態では、減衰要素は、固定レバーブラケット203に対してレバーアーム202を付勢するように配置されたトーションばねであってもよい。減衰要素は、移動を滑らかにし、特に細長い伝達部材が付勢される場合、レバーの移動による上記細長い伝達部材の長さの変化による細長い伝達部材の張力の急激な変化を回避し得る。
【0126】
図6a~bに示すように、固定レバーブラケット203は、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの下方に配置されてもよい。換言すれば、レバーアーム202の第2の端、すなわち、固定レバーブラケット203に枢動可能に接続されたレバーアーム202の端は、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの下方に配置されてもよい。このため、固定レバーブラケット203及び/又はレバーアーム202の第2の端は、開口の床に対して、フレームセクション4、6の水平延伸部4b、6bの高さよりも低い高さに配置されてもよい。これにより、開口の上方のスペースが限られている場合でも、オーバーヘッドドアオペレータシステムの取り付けが可能になり、かつオーバーヘッドドアオペレータの部品の摩耗を防ぐ。
【0127】
一実施形態では、固定レバーブラケット203は、フレーム3に取り付けられてもよい。一実施形態では、固定レバーブラケット203は、開口を囲む壁に取り付けられてもよい。
【0128】
図6aは、部分開放位置、すなわち、部分開放垂直位置にあるドアを示す。このため、駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、フレームセクション4、6の湾曲相互接続部4c、6cまで移動しない。したがって、駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、略垂直である。図6cを参照して更に説明するように、レバーアーム202は、細長い伝達部材19の伸張を可能にする位置にある。
【0129】
固定レバーブラケット203には、それぞれレバーアーム202が第1の位置と第2の位置を超えて旋回するのを防ぐように配置された回転止め具が設置されてもよい。よって、レバーアーム202は、上記回転止め具によって規定された角度範囲で移動可能であってもよい。一実施形態では、止め具の1つは、開口を囲む壁で構成されてもよい。
【0130】
図6bは、開放位置にあるドア8を示す。駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、湾曲相互接続部4cまで移動し、及び/又は湾曲相互接続部4c中を移動してもよい。駆動ユニットが設置されたドア8のセクションは、湾曲相互接続部4cの形状に従って傾斜した配向又は水平延伸部4b、6bに位置合わせされた水平配向を有する。したがって、レバーアーム202は、第2の位置から第1の位置に移動することにより、固定点201との間のオフセット距離と、レバーによって供給されるレバー効果による付加トルクとを提供する。
【0131】
図6c~dに更に詳細に示されるように、レバーアーム202は、垂直延伸部4a、6aに対して角度aに沿って第1の位置と第2の位置との間を移動可能である。角度aは、レバーアーム202が第1の位置にある場合、ドア8から見て外方に向く外向きの方向に垂直面に対して10°~45°であり、レバーアーム202が第2の位置にある場合、ドア8に向かう内向きの方向に上記垂直面に対して10°~110°である。垂直面は、ドア8が閉鎖位置C、すなわち、垂直閉鎖位置にある場合、ドア8に実質的に平行であり、好ましくはドア8と位置合わせされてもよい。
【0132】
したがって、上記回転止め具は、レバーアーム202が、ドア8から見て外方に向く外向きの方向に垂直面に対して10°~45°を超え、ドア8に向かう内向きの方向に上記垂直面に対して10°~110°を超えて回転することを防ぐように配置されてもよい。
【0133】
図7a~dに示すように、伝達取付構造300は、ガイド軌道302及び固定要素303を含んでもよい。固定要素303は、ガイド軌道302に移動可能に取り付けられる。固定要素303は、固定点301が設置されるため、ドア8が開放位置にある場合に第1の位置にあり、ドア8が閉鎖位置にある場合に第2の位置にある。固定点301は、固定要素303が第1の位置にある場合、水平延伸部4b、6bの方向において垂直延伸部4a、6aと水平距離dを置いて設置される。
【0134】
このため、従動セクション、すなわち、駆動ユニットが設置されたセクションが、ドア8が部分開放位置にある場合に上方に移動する場合、駆動ユニットが設置されたセクションと固定要素303を接続する細長い伝達要素19の部分が実質的に垂直であるため、固定要素303は、依然として第2の位置にある。上記従動セクションが相互接続部4c、6cに到達すると、細長い伝達要素19は傾斜した配向になることにより、固定要素303は、ガイド軌道302に沿って水平延伸部4b、6bに向かう方向に移動する。ドア8が開放位置に到達すると、固定要素303は水平距離Dにある。
【0135】
一実施形態では、固定要素303は、固定要素303を第2の位置に戻す付勢力を加えるためにばね付勢されてもよい。よって、固定要素303は、ドア8が閉鎖位置に向かって移動する場合、ガイド軌道302に沿って第2の位置に戻るようにガイドされる。したがって、細長い伝達部材19に所望の張力が維持され、ドア8の不安定な閉鎖移動が軽減される。
【0136】
一実施形態では、固定要素303に設置された固定点301は、細長い伝達部材19に取り付けられたクランプ又はループ接続の形態である。
【0137】
一実施形態では、ガイド軌道302は、フレーム3に取り付けられる。一実施形態では、ガイド軌道302は、開口を囲む壁に取り付けられる。ガイド軌道302は、開口2の上縁の近位に位置してもよい。ガイド軌道302は、フレームの水平部4b、6bと同様の高さに配置されてもよい。
【0138】
一実施形態では、固定要素303は、ガイド軌道302と噛み合う滑走ブロック又は転動要素を含む。よって、固定要素303は、固定要素303の移動を可能にするためにガイド軌道302と滑走接触する滑走面を有してもよい。あるいは、固定要素303は、固定要素303の移動を可能にするためにガイド軌道302と転動接触する転動要素を含む。
【0139】
図7c~dに詳細に示すように、ガイド軌道302は、水平面に対して上向きに傾斜して配置されてもよい。ガイド軌道302の傾斜配向は、所望の張力を維持することにより、駆動ユニットが設置されたセクションの相互接続部4c、6c中の移動を通して細長い伝達部材19を支持する。一実施形態では、ガイド軌道302は、水平面に対して5°~45°の角度Bで配向されてもよい。水平面は、水平延伸部4b、6bに位置合わせされてもよい。ガイド軌道302の傾斜配向は、ドア8のより容易な閉鎖と、ドア8の開放移動に対する付加支持とを可能にする。
【0140】
ドア8の移動に対する更なる付加支持を実現するために、ガイド軌道302は、相互接続部分4c、6cの近位にある。一実施形態では、ガイド軌道302は、水平延伸部4b、6bと同様の高さに配置される。
【0141】
本発明は、その実施形態を参照して以上のように詳細に説明されている。しかしながら、当業者には容易に理解されるように、他の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって規定されるように、本発明の範囲内で等しく可能である。本発明は、一般に、特定のタイプに限定されない1つ以上の可動ドア部材を有する入口システム内又は入口システムに適用されてもよいことを想起されたい。そのようなドア部材又はそれぞれのそのようなドア部材は、例えば、スイングドア部材、回転ドア部材、スライドドア部材、オーバーヘッドセクショナルドア部材、水平アコーディオンドア部材、又はプルアップ(垂直昇降)ドア部材であってもよい。
図1
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図6c
図6d
図7a
図7b
図7c
図7d
【国際調査報告】