(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】誘導加熱可能なコーティングされた多層金属調理容器
(51)【国際特許分類】
A47J 27/00 20060101AFI20230306BHJP
A47J 36/02 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A47J27/00 107
A47J36/02 A
A47J36/02 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539165
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 EP2020087713
(87)【国際公開番号】W WO2021130279
(87)【国際公開日】2021-07-01
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ルビオ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-フランソワ ブラッセ
【テーマコード(参考)】
4B055
【Fターム(参考)】
4B055AA09
4B055BA35
4B055CA02
4B055CB02
4B055DB14
4B055FA02
4B055FB02
4B055FB04
4B055FB05
4B055FB32
4B055FB36
4B055FC07
4B055FC09
(57)【要約】
本発明は、保護コーティングが施された加熱面と、接着防止コーティングが施され、調理表面を形成する調理面とを備える、誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器に関する。本発明によれば、金属本体は、前記加熱面を形成する両面アルミニウム被覆された低炭素強磁性鋼版を有する冶金的に組み立てられたアルミニウム板と、その両面のそれぞれにアルミニウム系マトリックスを備える外層を有する低炭素強磁性鋼基材を含む両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板と、鉄/アルミニウム金属間化合物を含む中間層であって、前記低炭素強磁性鋼基材と前記外層との間に配置された中間層とを含み、少なくとも前記加熱面の底部において、前記外層が27μm未満の、好ましくは20μm未満の、より好ましくは18μm未満の厚さを有する。本発明はまた、調理物品、電気調理器具、およびコーティングされた金属調理容器を得る方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)であって、加熱面(120)および調理面(130)を含む金属本体(110)を含み、前記加熱面(120)は、誘導加熱デバイス上に静止するように構成された底部(122)を有し、前記加熱面(120)は、保護コーティング(121)を担持し、前記調理面(130)は、調理表面(132)を形成する接着防止コーティング(131)を担持し、
前記金属本体(110)は、前記加熱面(120)を形成する両面アルミニウム被覆された低炭素強磁性鋼版(101)を有する冶金的に組み立てられたアルミニウム板(102)で形成され、別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(103)と共に所望される場合、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)は、その両面のそれぞれにアルミニウム系マトリックスを備える外層(112)を有する低炭素強磁性鋼基材(111)で形成され、鉄/アルミニウム金属間化合物を含む中間層(113)が前記低炭素強磁性鋼基材(111)と前記外層(112)との間に配置され、少なくとも前記加熱面(120)の底部(122)において、前記外層(112)が27μm未満の、好ましくは20μm未満の、さらにより好ましくは18μm未満の厚さを有する、誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項2】
前記外層(112)は、アルミニウム-シリコンマトリックス中にAl-Fe-Si針を含むことを特徴とする、請求項1に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項3】
前記低炭素強磁性鋼基材(112)は、0.3~1mmの厚さ、好ましくは0.3~0.5mmの厚さを有し、前記アルミニウム板(102)は、0.3~3mmの厚さ、好ましくは0.5~1.5mmの厚さを有することを特徴とする、請求項1または2に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項4】
前記低炭素強磁性鋼基材(112)は、最大0.3質量%の炭素、好ましくは0.1~0.2質量%の炭素を有する鋼グレードで作製されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項5】
前記保護コーティング(121)は、前記金属本体(110)の加熱面(120)に直接塗布することができることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項6】
前記保護コーティング(121)は、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項7】
前記保護コーティング(121)はPTFE型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであり、前記金属本体(110)は、少なくとも前記加熱面(120)の底部(122)に30μm未満の厚さ、好ましくは20μm未満の厚さを有するアルミニウム系堆積物(115)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項8】
前記保護コーティング(121)は、エナメル型コーティングであり、前記金属本体(110)は、少なくとも前記加熱面(120)の底部(122)に40μm未満の厚さ、好ましくは30μm未満の厚さを有するアルミニウム系堆積物(115)を含むことを特徴とする、請求項6に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項9】
前記接着防止コーティング(131)は、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項10】
側壁(123)は、前記加熱面(120)の底部(122)の周りに立ち上がって調理容器(124)を形成することを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項11】
挟まれた縁部(125)、またはロール状縁部(126)、または開放されたロール状縁部(127)を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)。
【請求項12】
コーティングされた多層金属調理容器(100)と、前記コーティングされた多層金属調理容器(100)に取り付けられた把持要素(150)とを含む調理物品(140)であって、前記コーティングされた多層金属調理容器(100)が請求項1~11のいずれか一項に記載のコーティングされた多層金属調理容器(100)であることを特徴とする調理物品(140)。
【請求項13】
誘導加熱器(170)に関連するコーティングされた多層金属調理容器(100)を有する電気調理器具(160)であって、前記コーティングされた多層金属調理容器(100)は請求項1~11のいずれか一項に記載されたコーティングされた多層金属調理容器(100)であることを特徴とする電気調理器具(160)。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載された誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法であって、
アルミニウム板(102)で冶金的に組み立てられた両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)から多層形状を切断または供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)は第1の自由面を有し、前記アルミニウム板(102)は第2の自由面を有するステップと、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面(120)と、前記第2の自由面に対応する前記調理面(130)とを備える前記金属本体(110)を形成するステップと、
前記加熱面(120)に前記保護コーティング(121)を形成するステップと、
前記調理面(130)に前記接着防止コーティング(131)を施し、調理表面(132)を形成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか一項に記載された誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法であって、
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)と別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(103)とで冶金的に組み立てられたアルミニウム板(102)から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(103)は第2の自由面を有するステップと、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面(120)と、前記第2の自由面に対応する前記調理面(130)とを備える前記金属本体(110)を形成するステップと、
前記加熱面(120)に保護コーティング(121)を形成するステップと、
前記調理面(130)に接着防止コーティング(131)を施し、調理表面(132)を形成するステップと、を含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
前記多層形状を描画した後、および前記保護コーティング(121)および前記接着防止コーティング(131)が施される前に、前記方法は、前記多層形状の周辺部分を処理して、挟み込まれた縁部(125)またはロール状縁部(126)または開放されたロール状縁部(127)を得るステップを含む、請求項14または請求項15に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項17】
前記保護コーティング(121)は、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであることを特徴とする請求項14~16のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項18】
前記接着防止コーティング(131)は、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであることを特徴とする請求項14~17のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項19】
請求項1~11のいずれか一項に記載された誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法であって、
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)と別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(103)とで冶金的に組み立てられたアルミニウム板(102)から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(101)は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板(103)は第2の自由面を有するステップと、
前記第1の自由面上の保護コーティング(121)及び前記第2の自由面上の接着防止コーティング(131)の製造により、コーティングされた多層形状を得るステップと、
前記コーティングされた多層形状をスタンピングして、前記保護コーティング(121)を有する加熱面(120)と、調理表面(132)を形成するために前記接着防止コーティング(131)を有する調理面(130)とを含むコーティングされた金属本体(110)を形成するステップと、を含む方法。
【請求項20】
前記保護コーティング(121)および前記接着防止コーティング(131)が塗布された後、及び前記コーティングされた多層形状が描画された後、前記方法は、挟まれた縁部(125)、またはロール状縁部(126)、または開放されたロール状縁部(127)を得るために、前記コーティングされた多層形状の周辺部分を処理するステップを含むことを特徴とする請求項19に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項21】
前記保護コーティング(121)は、PTFE型コーティングまたはラッカー型コーティングであることを特徴とする請求項19または請求項20に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項22】
前記接着防止コーティング(131)は、PTFE型コーティングであることを特徴とする請求項19~21のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【請求項23】
前記形状は円盤状であることを特徴とする、請求項14~22のいずれか一項に記載の誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器(100)を得る方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を調理または加熱するための、誘導加熱と互換性のある金属調理容器の技術分野に関する。そのような金属調理容器は、ワークトップに設置または組み込まれた誘導ホブ、または電気調理器具に組み込まれた誘導ヒーターなどの誘導加熱装置と共に使用することができる。
【0002】
本発明は、より具体的には、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器に関する。
【0003】
本発明は、特に、限定するものではないが、調理容器を形成するコーティングされた多層金属調理支持体に関する。
【0004】
本発明はまた、少なくとも1つの把持要素と関連付けられたコーティングされた多層金属調理容器を含む調理器具に関する。必要に応じて、把持要素(複数可)は、コーティングされた多層金属調理容器から取り外すか、または分解することができる。
【0005】
本発明はまた、誘導加熱器に関連するコーティングされた多層金属調理容器を有する電気調理器具に関する。
【背景技術】
【0006】
誘導加熱と互換性のあるコーティングされた調理器具物品を作製することが特許文献1から知られており、調理表面を形成する金属プレートは、挿入されたアルミニウムプレートを使用してフェライト系ステンレス鋼プレートと接合され、異なるプレートの冶金接合を得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このタイプの設計の欠点は、そのようなコーティングされた金属調理容器が、特に様々なプレートの冶金アセンブリを得るためのスタンピング動作の存在に起因して、比較的高いコスト価格を有することである。
【0009】
この設計の別の欠点は、そのようなコーティングされた金属調理容器が、介在されたアルミニウムプレート及びフェライト系ステンレス鋼プレートの存在により、比較的重いことである。
【0010】
本発明の様々な態様は、誘導加熱と互換性があり、限られたコストを有するコーティングされた多層金属調理容器を提供することによって、従来技術の欠点を克服することを意図している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様は、誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器であって、加熱面および調理面を含む金属本体を含み、加熱面は誘導加熱デバイス上に静止するように構成された底部を有し、加熱面は保護コーティングを担持し、調理面は調理表面を形成する接着防止コーティングを担持し、金属本体は加熱面を形成する両面アルミニウム被覆された低炭素強磁性鋼版を有する冶金的に組み立てられたアルミニウム板で形成され、別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板と共に所望される場合、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は、その両面のそれぞれにアルミニウム系マトリックスを備える外層を有する低炭素強磁性鋼基材で形成され、鉄/アルミニウム金属間化合物を含む中間層が低炭素強磁性鋼基材と外層との間に配置され、少なくとも加熱面の底部において、外層が27μm未満の、好ましくは20μm未満、さらにより好ましくは18μm未満の厚さを有する、コーティングされた多層金属調理容器に関する。強磁性基材に使用される低炭素鋼は、磁場に敏感であり、誘導により加熱することができる。一方、アルミニウムは、誘導加熱に用いる磁場の妨害材料である。しかしながら、鋼板のアルミニウム被覆の間、鋼とアルミニウムとの間の界面に金属間反応層が形成される。中間層の金属間化合物は、誘導加熱に使用される磁場に対するアルミニウムの妨害的性質を有しない。したがって、アルミニウム被覆に使用されるアルミニウム系コーティングでは、アルミニウム系マトリックスを含む外層の厚さは、誘導板との適合性を得るための主要な関連パラメータであるように見える。このようなコーティングされた金属本体の使用は、誘導加熱と互換性があり、強磁性鋼要素と組み合わされたアルミニウム本体を含むコーティングされた金属調理容器よりも生産することがより経済的であるコーティングされた多層金属調理容器を提供する。このようなコーティングされた金属本体の使用は、鋳鋼から作製されたコーティングされた金属調理容器よりも軽い、誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器を提供する。アルミニウム板は、ホットスポットを制限するのに役立ち、したがって、調理表面を形成する接着防止コーティングを過熱するリスクを低減する。
【0012】
外層は、アルミニウム-シリコンマトリックス中にAl-Fe-Si針を含んでよい。アルミニウムおよびシリコンを含むアルミニウム化浴の使用は、鋼板のアルミニウム被覆中の外層の生成を促進する。シリコンは、誘導加熱に使用される磁場に対するアルミニウムの破壊的性質を有さない。
【0013】
低炭素強磁性鋼基材は、0.3~1mmの厚さ、好ましくは0.3~0.5mmの厚さを有することができ、アルミニウム板は、0.3~3mmの厚さ、好ましくは0.5~1.5mmの厚さを有することができる。
【0014】
低炭素強磁性鋼基材は、最大0.3質量%の炭素、好ましくは0.1~0.2質量%の炭素を有する鋼グレードで作製することができる。
【0015】
保護コーティングは、金属本体の加熱面に直接塗布することができる。保護コーティングは、1つ以上の層からなってもよい。
【0016】
接着防止コーティングは、金属本体の調理面に直接塗布することができる。接着防止コーティングは、1つ以上の層を有することができる。所望により、中間コーティングは、接着防止コーティングと金属本体との間に配置されて、硬いベースを得ることができる。
【0017】
特に、保護コーティングは、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0018】
一実施形態によれば、保護コーティングは、PTFE型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであり、金属本体が少なくとも加熱面の底部に30μm未満の厚さ、好ましくは20μm未満の厚さを有するアルミニウム系堆積物を含んでもよい。
【0019】
別の実施形態によれば、保護コーティングは、エナメル型コーティングであってもよく、金属本体は、少なくとも加熱面の底部に40μm未満の厚さ、好ましくは30μm未満の厚さを有するアルミニウム系堆積物を含む。
【0020】
接着防止コーティングは、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0021】
コーティングされた多層金属調理支持体は、加熱面の底部の周りに立ち上がって調理容器を形成する側壁を有し得る。
【0022】
特に、コーティングされた多層金属調理容器は、挟まれた縁部、またはロール状縁部、または開放されたロール状縁部を有することができる。この配置は、金属本体の端部を見えないようにする。
【0023】
本発明の第2の態様は、コーティングされた多層金属調理容器と、コーティングされた多層金属調理容器に取り付けられた把持要素とを含む調理器具物品に関する。これは、コーティングされた多層金属調理容器が前述の特徴のうちの少なくとも1つに準拠しているためである。
【0024】
本発明の第3の態様は、コーティングされた多層金属調理容器が前述の特徴のうちの少なくとも1つに適合するという点で、誘導加熱器に関連するコーティングされた金属調理容器を有する電気調理器具に関する。
【0025】
本発明の第4の態様は、以下のステップを含む、上記特徴の少なくとも1つによる誘導加熱に適合するコーティングされた金属調理容器の取得方法に関する。
アルミニウム板で冶金的に組み立てられた両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板から多層形状を切断または供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は第1の自由面を有し、前記アルミニウム板は第2の自由面を有するステップと、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面と、前記第2の自由面に対応する前記調理面とを備える前記金属本体を形成するステップと、
加熱面に保護コーティングを施すステップと、
調理面に接着防止コーティングを施し、調理表面を形成するステップ。
【0026】
本発明の第5の態様は、以下のステップを含む、上記特徴の少なくとも1つによる誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器の取得方法に関する。
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板及び別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板で冶金的に組み立てられたアルミニウム板から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は第2の自由面を有するステップ、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面と、前記第2の自由面に対応する前記調理面とを備える前記金属本体を形成するステップ、
加熱面に保護コーティングを施すステップ、
調理面に接着防止コーティングを施し、調理表面を形成するステップ。
【0027】
これらの態様のいずれかによれば、多層形態を描画した後、保護コーティング及び接着防止コーティングが適用される前に、当該方法は、多層形態の周辺部分を処理して、挟まれた縁部、またはロール状縁部、または開放されたロール状縁部を得るステップを含み得る。
【0028】
特に、保護コーティングは、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0029】
接着防止コーティングは、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0030】
本発明の第6の態様は、以下のステップを含む、上記特徴の少なくとも1つによる誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器の取得方法に関する。
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板及び別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板で冶金的に組み立てられたアルミニウム板から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板は第2の自由面を有するステップと、
第1の自由面上の保護コーティング及び第2の自由面上の接着コーティングの製造により、コーティングされた多層形状を得るステップと、
コーティングされた多層形状をスタンピングして、保護コーティングを有する加熱面と、調理表面を形成するために接着防止コーティングを有する調理面とを含むコーティングされた金属本体を形成するステップ。
【0031】
保護コーティング及び接着防止コーティングが塗布された後、及びコーティングされた形態が描画された後、当該方法は、コーティングされた形態の周辺部分を処理して、挟まれた縁部、またはロール状縁部、または開放されたロール状縁部を得るステップを含み得る。
【0032】
特に、保護コーティングは、PTFE型コーティングまたはラッカー型コーティングであり得る。
【0033】
接着防止コーティングは、PTFE型コーティングとすることができる。
【0034】
一実施形態によれば、形状は円盤状であってもよい。ただし、他の形状も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
本発明の他の特徴及び属性は、非限定的に、添付の図面に示される例示的な実施形態及び変形例の以下の詳細な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】コーティングされた金属調理容器を作製するために使用される金属本体の例の部分概略図を示す。
【
図3】
図2に示す金属本体の表面部分の拡大断面図を示す。
【
図4】保護コーティング及び接着防止コーティングが施された後の、
図1に示す金属本体の拡大概略断面図を示す。
【
図5】本発明によるコーティングされた多層金属調理容器を作製するために使用される金属本体の例の部分概略図を示す。
【
図6】保護コーティング及び接着防止コーティング適用後の
図5に示す金属本体の概略断面図を示す。
【
図7】本発明による被覆多層金属調理容器を作製するために使用される金属本体の別の例の部分概略図を示す。
【
図8】保護コーティング及び接着防止コーティングが施された後の、
図7に示す金属本体の概略断面図を示す。
【
図9】
図6または
図8に示される金属本体を含む本発明によるコーティングされた多層金属調理容器の実施形態の一例の概略断面図を示す。
【
図10】挟まれた縁部を有する、本発明のコーティングされた多層金属調理容器の周辺部分の第1の実施形態の概略断面図を示す。
【
図11】ロール状縁部を有する、本発明のコーティングされた金属調理容器の周辺部分の第2の実施形態の概略断面図を示す。
【
図12】開放されたロール状縁部を有する、本発明のコーティングされた多層金属調理容器の周辺部分の第3の実施形態の概略断面図を示す。
【
図13】本発明によるコーティングされた多層金属調理容器を有する調理器具物品の例示的な実施形態の概略立面図及び垂直断面図を示す。
【
図14】本発明によるコーティングされた多層金属調理容器を有する電気調理器具の例示的な実施形態の概略立面図及び垂直断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた金属調理容器を作製するために使用される金属本体110の例示的な実施形態を示す。
【0037】
金属本体110は、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101で作られている。低炭素強磁性鋼板の両面アルミニウム被覆は、アルミニウム系アルミニウム化浴に浸漬することによって達成され、アルミニウム系堆積物115を達成する。アルミニウム系浴は、鋼上への堆積を促進するために、シリコンを含んでもよく、特に8質量~13質量%のシリコンを含み得る。特に、AS型アルミニウム-シリコン合金を使用することができ、例えば、8 ~13質量%のシリコンを有するAS合金を使用することができる。しかしながら、シリコンの割合が低いアルミ化浴、またはシリコンを含まないアルミ化浴の使用が考えられる。低炭素強磁性鋼板に堆積した材料の量は、計量により評価することができる。このようにして得られた追加の質量により、鋼板上のアルミニウム系堆積物115の厚さを定義することが可能となる。通常、そのようなアルミニウム系堆積物115は、数十μmに達することができる。
【0038】
図2に示すように、誘導加熱対応コーティングされた金属調理容器を作製するために使用される両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版101は、その2つの側面のそれぞれにアルミニウム系外層112を有する低炭素強磁性鋼基材111を含む。
【0039】
低炭素強磁性鋼基材111は、0.7~3mmの厚さ、特に1~2mmの厚さを有し得る。低炭素強磁性鋼基材111の材料は、誘導加熱に適合するように選択される。低炭素強磁性鋼基材は、最大0.3質量%の炭素、好ましくは0.1~0.2質量%の炭素を有する鋼グレードで作製することができる。特に、低炭素鋼で作製された強磁性基材111は、0.12~0.18質量%の炭素、及び最大0.5質量%のシリコンを含むグレードDX51~DX56で作製することができる。
【0040】
図3に最もよく見られるように、中間層113は、低炭素強磁性鋼基板111と外層112との間に配置される。中間層113は、鉄/アルミニウム金属間化合物、特にFeAl
3 及びFe
2Al
5を含む金属間反応層である。したがって、鋼板上で作製されたアルミニウム系堆積物115の全ては、外層112内に見出されない。アルミニウム系堆積物115の一部は、中間層113内にある。
【0041】
この中間層113の厚さは、通常3~5μmである。しかしながら、500℃を超える熱処理は、この中間層113の厚さを増大させ、外層112の厚さを損なうことに寄与することができ、この中間層113は次いで、異なるアルミニウム/鉄比を有するいくつかのサブ層に細分化することができ、これらの比は、低炭素鋼で作製された強磁性基材111から外層112に向かって増加する。
【0042】
アルミニウムベースの外層112は、アルミニウム化浴がシリコン、特に8質量~13質量%のシリコンを含む場合、シリコンを含み得る。次いで、
図4に示される例示的な実施形態に見られるように、外層112は、アルミニウム-シリコンマトリックス116内にAl-Fe-Si針114を含み得る。
【0043】
図5および6は、
図9に示される、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100を作製するために使用される金属本体110の2つの例示的な実施形態を示す。
【0044】
図5に示される金属本体110は、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版101と冶金的に組み立てられたアルミニウム板102を含む点で、
図1に示される金属本体110とは異なる。アルミニウム板102は、鍛造アルミニウム合金で作られている。例えば、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101を有する冶金組立アルミニウム板102の被覆(placage)は、圧延または拡散によって行うことができる。両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101の厚さは、例えば0.3~1mm、好ましくは0.3~0.5mmである。アルミニウム板102の厚さは、例えば、0.3~3mmであり、好ましくは、0.5~1.5mmである。
【0045】
図6に示される金属本体110は、アルミニウム板102と冶金的に組み立てられた別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版103を含む点で、
図5に示される金属本体110とは異なる。両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101及び両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103を有する冶金組立アルミニウム板102の被覆は、例えば、圧延又は拡散によって行うことができる。両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101の厚さは、例えば0.3~1mm、好ましくは0.3~0.5mmである。アルミニウム板102の厚さは、例えば、0.3~3mmであり、好ましくは、0.5~1.5mmである。他方の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103の厚さは、例えば0.3~1mmであり、好ましくは0.3~0.5mmである。
【0046】
図9に示されるように、金属本体110は、加熱面120および調理面130を含む。加熱面120は、誘導加熱装置、特に誘導板または誘導加熱器上に載置するように構成された底部122を有する。
【0047】
図9に示されるように、加熱面120は保護コーティング121を有し、調理面130は調理表面132を形成する接着防止コーティング131を有する。
【0048】
図6または
図8に示される発明による誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器100は、金属本体110、保護コーティング121、および接着防止コーティング131を含む。金属本体110は、保護コーティング121及び接着防止コーティング131を有する。
【0049】
図5及び
図6の実施例と同様に、
図1の実施形態では、加熱面120は、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版101によって形成される。
【0050】
図6の実施形態例では、調理面130は、アルミニウム板102によって形成される。アルミニウム板102の厚さは、例えば1.2mmであり、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101の厚さは、例えば0.3mm程度である。
【0051】
図8の実施形態例では、調理面130は、他方の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版103によって形成される。アルミニウム板102の厚さは、例えば1.2mmであり、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101及び他方の両面アルミニウム化低炭素強磁性鋼板103の厚さは、例えば0.3mm程度である。
【0052】
所望により、保護コーティング121は、金属本体110の加熱面120、特に底部122上の外層112に直接塗布することができる。必要に応じて、保護コーティング121が行われる前に、加熱面120上で表面処理を行うことができる。特に、保護コーティング121は、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0053】
所望により、接着防止コーティング131は、金属本体110の調理面130に直接塗布することができる。必要に応じて、保護コーティング121が作られる前に、調理面130上で表面準備を行うことができる。特に、接着防止コーティング131は、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0054】
図9に示されるように、コーティングされた多層金属調理容器100は、調理容器124を形成するために加熱面120の底部122の周りに立ち上がる側壁123を含み得る。あるいは、コーティングされた多層金属調理支持体100は、必ずしも調理容器124を形成しなくてもよい。特に、コーティングされた多層金属調理表面100は、調理プレートを形成することができる。
【0055】
いくつかの誘導板を用いた試験は、異なる誘導加熱装置上の誘導加熱との適合性を達成するための関連パラメータが、加熱面120の底部122上の外層112の厚さであり、加熱面120の底部122上のアルミニウム系堆積物115の厚さではないことを示している。使用した誘導プレートを表1に記載する。
【0056】
【0057】
実際、これらの試験は、保護コーティング121がPTFE型コーティング、ラッカー型コーティングまたはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングである場合、誘導板上で結合を得るための加熱面120の底部122上のアルミニウム系堆積物115の厚さの限界値が30μm程度であるが、保護コーティング121がエナメル型コーティングである場合、誘導板上で結合を得るための加熱面120の底部122上のアルミニウム系堆積物115の厚さの限界値が40μm程度であることを示している。これらの試験はまた、保護コーティング121がPTFE型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングである場合、加熱面120の底部122上のアルミニウム系堆積物115の厚さが20μm程度未満で、および保護コーティング121がエナメル型コーティングである場合、加熱面120の底部122上のアルミニウム系堆積物の厚さ115が30μm程度未満で、満足のいくカップリングが得られたことを示した。エナメルタイプのコーティングの使用には、550℃~600℃の範囲の焼成温度が必要である。500℃を超えると、鋼/アルミニウム界面で生じる拡散現象は、中間層113と外層112との間の界面を変位させ、外層112の厚さを減少させる、鉄/アルミニウム金属間化合物の形成を好む。
中間層113の厚さは、通常、3~5μm程度であるが、特に、中間層113の厚さの成長を有利にする熱処理の場合、必要に応じて、いくつかの副層の形態で、及び/または外層112の厚さの低減において、より大きくすることができる。
【0058】
加熱面120の底部122上の外層112の厚さは、コーティングされた多層金属調理容器100と誘導加熱との適合性に重要である。加熱面120の底部122上の外層112についての27μm未満の厚さは、誘導板上で結合を達成するための制限値と見なされる。加熱面120の底部122の外層112について、26μm未満の厚さは、27μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、25μm未満の厚さは、26μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、24μm未満の厚さは、25μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、23μm未満の厚さは、24μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、22μm未満の厚さは、23μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、21μm未満の厚さは、22μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、20μm未満の厚さは、21μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、19μm未満の厚さは、20μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、18μm未満の厚さは、19μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらし、17μm未満の厚さは、18μm未満の厚さよりも優れた結果をもたらす。加熱面120の底部122上の外層112についての20μm未満の厚さは、誘導板とのかなり満足のいく結合を可能にする。加熱面120の底部122上の外層112についての18μm未満の厚さは、誘導板とのかなり満足のいく結合を可能にする。効率(コーティングされた多層金属調理容器100によって吸収される電力/誘導板によって放出される電力)は、100 %に近づくことができる。加熱速度が非常に速い。
【0059】
図9に示されるように、誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器100は、露出した端部128を有する。端部128は、コーティングされた多層金属調理容器100を作製するのに適した多層形状を作製するために金属本体110を切断することにより、一般に、外層112を有しない。端部128は、保護コーティング121および/または接着防止コーティング131によって少なくとも部分的に覆われてもよい。好ましくは、露出した端部128は、保護コーティング121および/または接着防止コーティング131によって覆われている。
【0060】
図10に示されるように、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100は、挟まれた縁部125を有し得る。
図11に示されるように、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100は、ロール状縁部126を有し得る。
図12に示されるように、誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100は、開放されたロール状縁部127を有し得る。したがって、端部128は、コーティングされた多層金属調理容器100の上側に現れない。
【0061】
図13は、コーティングされた多層金属調理容器100と、コーティングされた多層金属調理容器100に取り付けられた把持要素150とを有する調理物品140を示す。コーティングされた多層金属調理容器100は、
図9に示される調理容器124を形成する。
図9に示される例示的な実施形態では、把持要素150は、少なくとも1つのリベット151によって調理容器124に取り付けられる。この目的のために、リベット151は、側壁123の穴に取り付けられる。所望により、複数のリベット151を使用して、把持要素150を調理容器124に固定することができる。好ましくは、2つから4つのリベット151が、把持要素150を調理容器124に固定するために使用される。あるいは、把持要素150は、側壁123に溶接されたスタッドに溶接またはねじ止めされることによって側壁123に取り付けることができる。所望により、さらなる把持要素は、少なくとも1つのさらなるリベットによって、溶接によって、または側壁123に溶接されたスタッドにねじ込むことによって、調理容器124の側壁123に取り付けることができる。
【0062】
図14は、誘導加熱器170と関連付けられたコーティングされた多層金属調理容器100を有する電気調理器具160を示す。コーティングされた多層金属調理容器100は、
図9に示される調理容器124を形成する。調理容器124は、誘導加熱器170を備える加熱ベース175に配置される。底部122は、誘導加熱器170上にある。所望により、調理容器124は、少なくとも1つの把持要素155を含み得る。
図14に示される例示的な実施形態では、調理容器124は、2つの対向する把持要素155を有する。1つまたは各把持要素155は、少なくとも1つのリベット156によって調理容器124に取り付けられる。この目的のために、リベット156は、側壁123の穴に取り付けられる。所望により、複数のリベット156を使用して、把持要素155を調理容器124に固定することができる。好ましくは、2つから4つのリベット156が、1または各把持要素155を調理容器124に固定するために使用される。あるいは、把持要素155のうちの1つまたは少なくとも1つは、側壁123に溶接されたスタッドに溶接またはねじ込むことによって側壁123に取り付けることができる。
【0063】
本発明による誘導加熱に適合するコーティングされた多層金属調理容器100は、様々な方法によって得ることができる。
【0064】
誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100を得る第1の方法は、以下のステップを含む。
アルミニウム板102で冶金的に組み立てられた両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101から多層形状を切断または供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101は第1の自由面を有し、前記アルミニウム板102は第2の自由面を有するステップと、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面120と、前記第2の自由面に対応する前記調理面130とを備える前記金属本体110を形成するステップと、
加熱面120上の保護コーティング121を製造するステップと、
接着防止コーティング131は、調理面130に塗布され、調理表面132を形成するステップ。
【0065】
誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100を得る第2の方法は、以下のステップを含む。
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101及び別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103で冶金的に組み立てられたアルミニウム板102から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103は第2の自由面を有するステップと、
前記多層形状をスタンピングし、前記第1の自由面に対応する前記加熱面120と、前記第2の自由面に対応する前記調理面130とを備える前記金属本体110を形成するステップと、
加熱面120上の保護コーティング121を製造するステップと、
接着防止コーティング131は、調理面130に塗布され、調理表面132を形成するステップ。
【0066】
特に、多層形状は、円盤状であることができる。所望により、多層形状を描画した後、保護コーティング121及び接着防止コーティング131を作製する前に、第1の方法または第2の方法は、多層形状の周辺部分を処理して、挟まれた縁部125またはロール状縁部126または開放されたロール状縁部127を得るステップを含んでよい。
【0067】
この第1の方法またはこの第2の方法では、成形操作の後に保護コーティング121および接着防止コーティング131が行われる。使用できるコーティングの範囲は広い。特に、保護コーティング121は、PTFE型コーティング、またはエナメル型コーティング、またはラッカー型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。特に、接着防止コーティング131は、PTFE型コーティング、またはセラミック型コーティング、またはゾルゲル型コーティングであってもよい。
【0068】
誘導加熱と互換性のあるコーティングされた多層金属調理容器100を得る第3の方法は、以下のステップを含む。
両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101及び別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103で冶金的に組み立てられたアルミニウム板102から多層形状を切断又は供給するステップであって、前記両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板101は第1の自由面を有し、前記他の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103は第2の自由面を有するステップと、
第1の自由面上の保護コーティング121及び第2の自由面上の接着防止コーティング131の製造により、コーティングされた多層形状を得るステップと、
保護コーティング121を有する加熱面120と、接着防止コーティング131を有する調理面130とを備え、調理表面132を形成する、コーティングされた金属本体110を形成するようにコーティングされた形態をスタンピングするステップ。
【0069】
特に、多層形状は、円盤状であることができる。保護コーティング121及び接着防止コーティング131が塗布された後、及びコーティングされた形態が描画された後、当該方法は、コーティングされた形態の周辺部分を処理して、挟まれた縁部125、またはロール状縁部126、または開放されたロール状縁部127を得るステップを含み得る。
【0070】
この第3の方法では、成形操作の前に保護コーティング121と接着防止コーティング131を行う。その結果、使用可能なコーティングの範囲がより制限される。保護コーティング121および接着防止コーティング131は、形状をスタンピングで形成することを可能にするものとする。特に、保護コーティング121は、PTFE型コーティングまたはラッカー型コーティングであり得る。特に、接着防止コーティング131は、PTFEタイプのコーティングであってもよい。
【0071】
コーティングされた多層金属調理容器100を作るために、両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼版101の一方の面からなる金属本体110の使用は、従来の製造プロセスを使用することを可能にし、必要な投資を制限する。
【0072】
コーティングされた多層金属調理容器100は、機械的に非常に強力である。特にアルミニウム系堆積物115の厚さが20μm未満の場合、効率(誘導ヒータの電源入力/電源出力)が非常に高い。加熱速度は高い。誘導加熱との互換性のためにステンレス鋼インサートが付いた同じ直径の標準アルミパンでは約1分30秒であるのに対し、28cmの直径のパンで15秒である。誘導加熱器によって供給される電力が低くなる可能性があるため、省エネルギーを達成することができる。
【0073】
図6の実施例による2層構造または
図8の実施例による3層構造では、両面アルミニウム化低炭素強磁性鋼版101で冶金的に組み立てられたアルミニウム板102の存在により、調理表面132の熱均質性を改善することが可能となる。
【0074】
図6の実施形態の例による2層構造では、コーティングされた多層金属調理容器100は、より良い熱均質性を提供しながら、かなり軽いままである。
【0075】
図8の実施例に従った3層構造では、アルミニウム板102と冶金的に組み立てられた別の両面アルミニウム被覆低炭素強磁性鋼板103の存在により、コーティング操作後に成形を行う方法を使用することが可能である。コーティングされた多層金属調理容器100は、比較的軽いままである。
【0076】
添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者にとって明らかな様々な修正及び/または改善を、本説明に記載される本発明の例示的な実施形態に行うことができる。
【国際調査報告】