IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

特表2023-510177可動カメラ及び固定位置センサを有するトロカールの配線
<>
  • 特表-可動カメラ及び固定位置センサを有するトロカールの配線 図1
  • 特表-可動カメラ及び固定位置センサを有するトロカールの配線 図2
  • 特表-可動カメラ及び固定位置センサを有するトロカールの配線 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】可動カメラ及び固定位置センサを有するトロカールの配線
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/34 20060101AFI20230306BHJP
   A61B 1/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B1/00 T
A61B1/00 552
A61B1/00 735
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540362
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 IB2020061945
(87)【国際公開番号】W WO2021137079
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】16/731,494
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】アルガウィ・イェフダ
(72)【発明者】
【氏名】ゴバリ・アサフ
(72)【発明者】
【氏名】シットニツキー・イリヤ
(72)【発明者】
【氏名】アティアス・ギリ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160FF45
4C160FF48
4C160MM32
4C161AA23
4C161CC06
4C161FF45
4C161GG27
4C161HH55
4C161PP09
4C161UU03
(57)【要約】
医療装置は、トロカール、制御ハンドル、少なくとも第1の電線、及び少なくとも第2の電線を含む。トロカールは、患者の器官に挿入される。トロカールは、長手方向軸を有するカニューレと、カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、カニューレの内側に取り付けられ、カニューレに沿ってカメラを移動させるために長手方向軸に沿って移動するように構成された可動要素に結合されたカメラとを含む。制御ハンドルは、可動要素の近位端に結合され、可動要素及びカメラを移動させるように構成される。少なくとも第1の電線は、制御ハンドルとカメラとの間に結合される。少なくとも第2の電線は、制御ハンドルと位置センサとの間に結合され、カメラの動きを補償するように構成されたたるみを有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置であって、
患者の器官に挿入するためのトロカールであって、前記トロカールは、
長手方向軸を有するカニューレと、
前記カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、
カメラであって、前記カニューレの内側に取り付けられ、前記カニューレに沿って前記カメラを移動させるために前記長手方向軸に沿って移動するように構成された、可動要素に結合されたカメラと、
を備えるトロカールと、
前記可動要素の近位端に結合され、前記可動要素及び前記カメラを移動させるように構成された制御ハンドルと、
前記制御ハンドルと前記カメラとの間に結合された少なくとも第1の電線と、
前記制御ハンドルと前記位置センサとの間に結合され、前記カメラの動きを補償するように構成されたたるみを有する少なくとも第2の電線と
を備える医療装置。
【請求項2】
前記制御ハンドルは、前記少なくとも第2の電線の前記たるみを収容するように構成されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記少なくとも第2の電線の前記たるみは、前記制御ハンドル内で巻かれている、請求項2に記載の医療装置。
【請求項4】
前記可動要素と前記制御ハンドルとの間に結合され、前記制御ハンドルを使用して前記可動要素を移動させるように構成されたカメラ制御ガイドを備える、請求項1に記載の医療装置。
【請求項5】
前記少なくとも第1の電線は、前記カメラ制御ガイド内に通されている、請求項4に記載の医療装置。
【請求項6】
前記カメラ制御ガイドは、前記カメラ及び前記少なくとも第1の電線を剛性要素として移動させるように構成されている、請求項4に記載の医療装置。
【請求項7】
(i)前記可動要素に結合された、少なくとも電子機器と、(ii)前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合された少なくとも第3の電線であって、前記第3の電線は前記カメラ制御ガイド内に通されている、第3の電線とを備える、請求項4に記載の医療装置。
【請求項8】
前記制御ハンドルは、前記カメラ制御ガイドに結合され、前記可動要素の移動量を制御するように構成されたノブを備える、請求項4に記載の医療装置。
【請求項9】
前記少なくとも第1の電線は、2つ以上の第1の電線を備え、前記可動要素の前記近位端に結合された少なくとも電子機器を備え、前記第1の電線のうちの少なくとも1つは、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項10】
前記位置センサは、前記カニューレの遠位端に取り付けられており、前記カメラは、前記位置センサが前記カメラの視野を妨げないように傾斜構成で実装されている、請求項1に記載の医療装置。
【請求項11】
医療装置を製造する方法であって、
患者の器官に挿入するためのトロカールを提供することであって、前記トロカールは、
長手方向軸を有するカニューレと、
前記カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、
カメラであって、前記カニューレの内側に取り付けられ、前記カニューレに沿って前記カメラを移動させるために前記長手方向軸に沿って移動可能である、可動要素に結合されたカメラと
を備える、ことと、
前記可動要素の近位端に、前記可動要素及び前記カメラを移動させるための制御ハンドルを結合することと、
前記制御ハンドルと前記カメラとの間に、少なくとも第1の電線を結合することと、
前記制御ハンドルと前記位置センサとの間に、前記カメラの動きを補償するためのたるみを有する少なくとも第2の電線を結合することと
を含む方法。
【請求項12】
前記少なくとも第2の電線を結合することは、前記制御ハンドル内に前記少なくとも第2の電線の前記たるみを収容することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記制御ハンドル内に前記たるみを収容することは、前記制御ハンドル内で前記少なくとも第2の電線の前記たるみを巻くことを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記可動要素と前記制御ハンドルとの間に、前記制御ハンドルを使用して前記可動要素を移動させるためのカメラ制御ガイドを結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも第1の電線を結合することは、前記カメラ制御ガイド内に前記少なくとも第1の電線を通すことを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カメラ制御ガイドは、前記カメラ及び前記少なくとも第1の電線を剛性要素として移動させるためのものである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
(i)少なくとも電子機器を前記可動要素に結合することと、(ii)少なくとも第3の電線を、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合することと、(iii)前記少なくとも第3の電線を前記カメラ制御ガイドに通すことと、を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記カメラ制御ガイドを結合することは、前記可動要素の移動量を制御するために、前記カメラ制御ガイドに前記制御ハンドルのノブを結合することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも第1の電線は、2つ以上の第1の電線を備え、前記可動要素に少なくとも電子機器を結合することを含み、前記少なくとも第1の電線を結合することは、前記第1の電線のうちの少なくとも1つを、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記位置センサは、前記カニューレの遠位端に取り付けられ、前記カメラは、前記位置センサが前記カメラの視野を妨げないように傾斜構成で実装されている、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して侵襲的医療用具に関し、特にカメラを組み込んだ侵襲的医療用具のための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
侵襲的機器及びその配線を使用する患者の器官の画像誘導プロービングのための様々な技術が、特許文献に公開されている。
【0003】
例えば、米国特許出願公開第2010/0152533号は、神経外科用途に特に適した組織切断機器を記載している。機器は、ハンドピースと、往復する内カニューレが配設された外カニューレとを含む。内カニューレは、本体部分と切断部分との間に、内カニューレが外カニューレ内で枢動するときに切断部分が枢動できるようにするヒンジを含む。組織切断機器は、神経外科的処置中に、顕微鏡及び内視鏡などの撮像機器と共に使用され得る。
【0004】
米国特許出願公開第2002/0010479号は、患者、特に患者の頭蓋骨に結合された導入器を記載している。導入器は、患者から離れたアドバンサを含んでもよく、アドバンサは、ケーブルシステムによって導入器と連通する。導入器は又、導入されている主要な医療機器の位置を示す局所位置センサを含んでもよい。導入器は又、患者が固定されているテーブルに対して主要な医療機器の位置を特定するフレームレス基準システムを含んでもよい。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0143236号は、近位端と遠位端との間に長手方向ボアを有するスリーブを含む光学閉塞具を記載している。スリーブの長手方向ボアは、内視鏡又は同様の画像転送システムの少なくとも一部を受容するように構成される。光学窓などの画像通過部材は、スリーブの遠位端に配置され、光学画像がスリーブの長手方向ボア内に通過することを可能にし、照明光が手術部位まで通過することを可能にするために提供される。自動的に後退するブレードは、身体組織の貫通を容易にするために、画像通過部材の遠位に配置される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載される本発明の実施形態は、トロカール、制御ハンドル、少なくとも第1の電線、及び少なくとも第2の電線を含む医療装置を提供する。トロカールは、患者の器官への挿入に使用され、トロカールは、(i)長手方向軸を有するカニューレと、(ii)カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、(iii)カニューレの内側に取り付けられ、カニューレに沿ってカメラを移動させるために長手方向軸に沿って移動するように構成された可動要素に結合されたカメラとを含む。制御ハンドルは、可動要素の近位端に結合され、可動要素及びカメラを移動させるように構成される。少なくとも第1の電線は、制御ハンドルとカメラとの間に結合される。少なくとも第2の電線は、制御ハンドルと位置センサとの間に結合され、カメラの動きを補償するように構成されたたるみを有する。
【0007】
いくつかの実施形態では、制御ハンドルは、少なくとも第2の電線のたるみを収容するように構成される。別の実施形態では、少なくとも第2の電線のたるみは、制御ハンドル内で巻かれる。更に別の実施形態では、医療装置はカメラ制御ガイドを含み、これは可動要素と制御ハンドルとの間に結合され、制御ハンドルを使用して可動要素を移動させるように構成される。
【0008】
一実施形態では、少なくとも第1の電線は、カメラ制御ガイド内に通される。別の実施形態では、カメラ制御ガイドは、カメラ及び少なくとも第1の電線を剛性要素として移動させるように構成される。更に別の実施形態では、医療装置は、(i)可動要素に結合された少なくとも電子機器と、(ii)制御ハンドルと電子機器との間に結合された少なくとも第3の電線とを含み、第3の電線は、カメラ制御ガイド内に通される。
【0009】
いくつかの実施形態では、制御ハンドルは、カメラ制御ガイドに結合され、可動要素の移動量を制御するように構成された、ノブを含む。別の実施形態では、少なくとも第1の電線は、2つ以上の第1の電線を含み、医療装置は、可動要素の近位端に結合された少なくとも電子機器を含み、第1の電線のうちの少なくとも1つは、制御ハンドルと電子機器との間に結合される。更に別の実施形態では、位置センサは、カニューレの遠位端に取り付けられ、カメラは、位置センサがカメラの視野を妨げないように、傾斜構成で実装される。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、医療装置を製造する方法が更に提供される。方法は、患者の器官に挿入するためのトロカールを提供することを含む。トロカールは、(i)長手方向軸を有するカニューレと、カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、(ii)カニューレの内側に取り付けられ、カニューレに沿ってカメラを移動させるために長手方向軸に沿って移動可能な、可動要素に結合されたカメラとを含む。可動要素及びカメラを移動させるための制御ハンドルは、可動要素の近位端に結合される。少なくとも第1の電線は、制御ハンドルとカメラとの間に結合される。カメラの動きを補償するためのたるみを有する少なくとも第2の電線は、制御ハンドルと位置センサとの間に結合される。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、患者の器官にトロカールを挿入することを含む方法が更に提供される。トロカールは、(i)長手方向軸を有するカニューレと、(ii)カニューレの遠位端に取り付けられ、器官内の遠位端の位置を示す信号を生成するように構成された、位置センサと、(iii)器官の組織の画像を取得するように構成されたカメラであって、カメラは、カニューレの内側に取り付けられ、カニューレに沿ってカメラを移動させるために長手方向軸に沿って移動するように構成された、可動要素に結合されている、カメラとを含む。可動要素及びカメラは、可動要素の近位端に結合された制御ハンドルを使用して移動させられる。少なくとも第1の電線は、制御ハンドルとカメラとの間に結合され、少なくとも第2の電線は、制御ハンドルと位置センサとの間に結合され、カメラの動きを補償するためのたるみを有する。医療処置は、位置センサによって生成された信号及びカメラによって取得された画像のうちの少なくとも1つを使用して、器官内で実行される。
【0012】
本発明は、以下の「発明を実施するための形態」を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態による、患者の頭部において治療及び診断処置を実行するためのシステムを使用する神経外科的処置の概略描写図である。
図2】本発明の一実施形態による、神経外科的処置で使用されるトロカールの概略描写図である。
図3】本発明の一実施形態による、可動カメラ及び静止位置センサを有するトロカールを製造する方法を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
概論
いくつかの低侵襲医療処置は、患者の器官内の標的位置に診断及び/又は治療用具を挿入するためのトロカールを適用することができる。
【0015】
以下に記載される本発明の実施形態は、トロカールを適用する低侵襲処置の機能性を改善するための方法及び装置を提供する。いくつかの実施形態では、医療装置は、患者の器官、例えば患者頭部に挿入するためのトロカールを備える。
【0016】
いくつかの実施形態では、トロカールは、患者の脳内で医療処置を実行するために医療器具を挿入するためのポートとして機能するように、医師によって患者頭部に挿入される。
【0017】
処置中、医師は脳組織の画像を取得する必要があるかも知れない。いくつかの実施形態では、トロカールは、長手方向軸及び位置センサを有するカニューレを備え、位置センサは所定の位置、例えばトロカールの遠位端に位置するカニューレの遠位端で、カニューレの内側に取り付けられる。位置センサは、患者頭部内のトロカールの遠位端の位置を示す位置信号を生成するように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、トロカールは、患者の脳内で問題の組織の画像を取得するように構成されたカメラを備える。カメラは、カニューレの内側に取り付けられた可動要素に結合される。可動要素は、カニューレに沿ってカメラを移動させるために、長手方向軸に沿って移動するように構成される。
【0019】
いくつかの実施形態では、医療装置は、可動要素の近位端に結合され、可動要素及びカメラを移動させるように構成された、制御ハンドルを備える。
【0020】
一実施形態では、医療装置は、制御ハンドルと可動要素との間に結合されたカメラ制御ガイドを備える。この実施形態では、カメラ制御ガイドは、可動要素の近位端として機能し得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、医療装置は、制御ハンドルとカメラとの間に結合された第1の電線と、制御ハンドルと位置センサとの間に結合された第2の電線とを備える。
【0022】
場合によっては、第1及び第2の電線は、トロカールを通って引き回され、第1の電線がカメラと共に移動するときに、第1の電線との物理的接触によって第2の電線が移動させられるように、互いに物理的に接触してもよい。いくつかの実施形態では、第2の電線は、カメラの動きを補償するためのたるみを有する。このような実施形態では、たるみにより、第2の電線を伸長又は引裂することなく、第2の電線の動きを可能にする。
【0023】
いくつかの実施形態では、制御ハンドルは、カメラの移動量を制御するように構成されたノブを備える。このような実施形態では、ノブは、問題の組織から取得した1つ以上の画像の品質を改善するように、カメラと問題の組織との間の距離を制御する。
【0024】
開示された技術は、静止位置センサと単一のトロカールに組み込まれたカメラとの組合せを可能にすることにより、トロカールを使用して侵襲的処置で得られた位置追跡及び画質を改善する。
【0025】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、システム20を使用する神経外科的処置の概略描写図である。いくつかの実施形態では、システム20は、患者22の頭部41において治療及び診断処置を実行するように構成される。
【0026】
いくつかの実施形態では、システム20は、患者22の脳から感染又は癌組織を除去するなどの、ただしこれに限定されない、本明細書では脳の処置とも呼ばれる神経外科的処置を実行するように構成された、医療装置、本例では手術装置28を備える。
【0027】
いくつかの実施形態では、手術装置28は、後述のようにトロカール38に沿って摺動可能であり、トロカール38の遠位端の位置で画像を取得するように構成された、カメラ48を有するトロカール38を備える。トロカール38は、位置センサ50の位置を示す位置信号を生成するように構成された、位置追跡システムの位置センサ50を更に備える。カメラ48及び位置センサ50は、以下の図2に示されており、そのそれぞれの位置は、システム20のディスプレイ36上で図1に表示されている。
【0028】
処置中、医師24又はシステム20の他のユーザは、患者22の頭蓋骨を貫通し、その後、手順を実行するように、トロカール38を通じてプローブ39などの医療器具を脳組織に挿入するために、トロカール38を適用する。いくつかの実施形態では、医師24は、トロカール38の遠位端を位置決めし、脳内の標的位置でプローブ39を動作させるために、カメラ48によって取得された画像及び位置センサ50から受信した位置信号を使用することができる。場合によっては、プローブ39は、第2の医師(図示せず)によって操作されてもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、システム20は、以下の図2で詳細に記載されるように、トロカール38に沿ってカメラを移動させ、トロカール38のカニューレ内でカメラの位置を制御するように構成された、ノブ66を有する制御ハンドル60を備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、システム20は、トロカール38の近位端で侵入し、トロカール38内でカメラ48を移動させるように構成された可動要素(図示せず)上に結合された、カメラ制御ガイド58を備える。いくつかの実施形態では、医師24は、図2において更に記載されるように、問題の組織の最良の画像を取得するためにカメラ48の位置を調整するように、その長手方向軸に沿って(以下の図2に示される)トロカール38の内側でカメラ48を摺動させるためのノブ66を回転させてもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、システム20は、少なくとも2セットの1つ以上の電線(図示せず)を備える。第1のセットの電線は、制御ハンドル60と位置センサ50との間に結合され、第2のセットの電線は、制御ハンドル60とカメラ48との間に結合される。
【0032】
いくつかの実施形態では、システム20は、カメラ48から画像を捕捉し、捕捉画像を参照医用画像と照合するためのコマンドボタンなど、医師24が処置を実行するのを支援するための追加の制御要素を備える。
【0033】
いくつかの実施形態では、前述の位置追跡システムは、脳内のセンサ50の位置を追跡するように構成された、磁気位置追跡システムを備えてもよい。磁気位置追跡システムは、フレーム46上に固定され、位置センサ50によって感知される磁場を生成するように構成された磁場発生器44を備える、位置パッド40を備える。図1に示される例示的な構成では、パッド40は、5つの磁場発生器44を備えるが、代替的に、任意の他の好適な数の発生器44を備え得る。パッド40は、発生器44が頭部41の外部の固定された既知の位置に位置決めされるように、患者22の頭部41の下に配置された枕(図示せず)を更に備える。
【0034】
いくつかの実施形態では、位置センサ50は、磁場発生器44によって生成された磁場を感知することに応答して位置信号を生成し、これにより、プロセッサ34がセンサ50の位置を、したがって患者22の頭部41内のトロカール38の遠位縁の位置を推定することを可能にする。
【0035】
位置感知のこの技術は、様々な医療用途において、例えばBiosense Webster社(Irvine、CA)によって生産されるCARTO(商標)システムで実施されており、米国特許第5,391,199号、米国特許第6,690,963号、米国特許第6,484,118号、米国特許第6,239,724号、米国特許第6,618,612号、及び米国特許第6,332,089号において、国際公開第96/05768号において、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、米国特許出願公開第2003/0120150(A1)号、及び米国特許出願公開第2004/0068178(A1)号において詳細に記載されており、これらの開示は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0036】
いくつかの実施形態では、システム20は、コンソール33を備え、当該コンソールは、メモリ49と、頭部41の周囲の空間内の規定の作業容積内に磁場を生成するために、ケーブル37を介して好適な信号で磁場発生器44を駆動するよう構成された駆動回路42と、を備える。
【0037】
プロセッサ34は、典型的に、ケーブル32を介してカメラ48からの画像及び位置センサ50からの信号を受信し、本明細書に記載されるシステム20の他の構成要素を制御するための適切なフロントエンド及びインターフェース回路を有する汎用コンピュータである。
【0038】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、典型的に、磁気共鳴画像法(MRI)システムなどの、ただしこれに限定されない医療画像システムを使用して取得される、頭部41の少なくとも一部の解剖学的画像を受信するように構成される。プロセッサ34は、解剖学的画像の二次元(2D)スライスを選択し、ディスプレイ36上の画像35として2Dスライスを表示するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、画像35と磁気位置追跡システムとの座標系を照合し、画像35上に位置センサ50の位置を重ねるように構成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、コンソール33は、カメラ48によって取得されてプロセッサ34によって処理された画像55を表示するように構成されたビデオディスプレイ52を備える。図1の例では、画像55は、患者22の脳組織と係合するプローブ39の遠位端を示す。
【0041】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、位置センサ50から受信した位置信号を使用して、画像55に重ねられたトロカール38の遠位端の位置をディスプレイ52上に表示するように、更に構成される。プロセッサ34は、カメラ画像及び解剖学的画像を、磁気位置追跡システムの座標系及び/又は画像35の座標系と照合するように、更に構成される。
【0042】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、解剖学的画像の選択された2Dスライスを画像55などのリアルタイムカメラ画像と照合し、合成画像を生成し、合成画像をディスプレイ36上及び/又はディスプレイ52上に表示するように構成される。図1の例では、合成画像35は、患者22の前脳組織の冠状断面図を示す。
【0043】
いくつかの実施形態では、コンソール33は、コンソール33の動作を制御するための、キーボード及びマウスなどの入力機器を更に備える。ディスプレイ36は、前述の画像、及びユーザ(例えば、医師24)が入力機器を操作することによって受信及び挿入された入力のうちの少なくとも1つを同時に表示するように構成される。
【0044】
図1は、簡略化及び明確にするため、開示技法に関する要素のみを示す。システム20は、典型的に、開示される技術には直接関連しないために図1から及び対応する説明から意図的に省略されている、追加又は代替のモジュール及び要素を備える。代替の実施形態では、制御ハンドル60のノブ66は、以下の図2に詳細に示される回転可能なノブの代わりに、又はこれに加えて、スライダボタンを備えてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、プロセッサ34は、システムによって使用される機能を実行するように、及びソフトウェアによって処理又は別途使用されるためにデータをメモリ49に格納するように、ソフトウェアにプログラムされてもよい。このソフトウェアは、例えば、ネットワークを介して電子的形態でプロセッサにダウンロードされてもよく、又は光学的、磁気的、若しくは電子的メモリ媒体など、非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ34の機能の一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実行されてもよい。
【0046】
摺動可能なカメラ及び内蔵位置センサを有するトロカール
図2は、本発明の一実施形態による、図1の処置で使用されるトロカール38の概略描写図である。いくつかの実施形態では、トロカール38は、トロカール38の長手方向軸85に沿ったチャネル70を備えるカニューレ69を有する。チャネル70は、長手方向軸85に沿ってカメラ制御ガイド58を摺動させるための軌道として機能する。
【0047】
いくつかの実施形態では、カメラ48は、カニューレ69の内側でカメラ制御ガイド58によって移動させられるように構成された、本明細書では摺動アダプタとも呼ばれる可動要素77に結合される。このような実施形態では、可動要素77は、カニューレ69の内側で、長手方向軸85に沿って、カメラ48を遠位又は近位に移動させるように構成される。
【0048】
いくつかの実施形態では、医師24は、カメラ制御ガイド58を遠位に摺動させるように、制御ハンドル60のノブ66を第1の方向(例えば、時計回り)に回転させる。図2の例示的な構成では、ノブ66は、ノブの回転に応答して、方向80に沿って前後に動く歯車に結合される。図2に示されるように、ノブ66の回転は、ノブ66が制御ハンドル60内の最遠位位置に配置されるように、カメラ制御ガイド58と共にノブ66を前方に移動させる。この位置は、可動要素77及びカメラ48がカニューレ69内の最遠位位置に配置されるように、カニューレ69の内側での遠位方向のカメラ48の動きに(例えば、カメラ制御ガイド58のほぼ直角の回転によって)変換される。
【0049】
同様に、医師24は、ノブ66が制御ハンドル60の遠位端に向かって移動するように、ノブ66を反対方向(例えば、反時計回り)に回転させてもよい。この構成では、制御ハンドル60は、トロカール38の近位端に向かってカメラ制御ガイド58を引っ張り、これがカニューレ69の内側での近位方向のカメラ48の動きに変換される。
【0050】
いくつかの実施形態では、位置センサ50は、カニューレ69の内壁に固定され、1つ以上の電線88を介して制御ハンドル60に電気的に結合される。このような実施形態では、位置センサ50によって生成された位置信号は、上記の図1に記載されたワイヤ88及びケーブル32を介してプロセッサ34に送信される。
【0051】
いくつかの実施形態では、トロカール38は、制御ハンドル60とカメラ48との間を電気的に結合するための1つ以上の電線を備える。いくつかの実施形態では、カメラ48は、カニューレ69の遠位端にある開口部78の中心を指す中央遠位視線方向を有するように、傾斜構成で実装される。位置センサ50がカメラ48の視野79を妨げないように、位置センサ50は十分に小さく、カニューレ69の壁に取り付けられることに留意されたい。
【0052】
いくつかの実施形態では、トロカール38は、発光ダイオード(LED)などの、ただしこれに限定されない電子機器(図示せず)を備えてもよい。LEDは、例えばカメラ48に近接して可動要素77に結合され、神経外科的処置中に問題の組織を照明するように構成される。このような実施形態では、トロカール38は、電子機器と制御ハンドル60との間を結合する1つ以上の電線を備える。トロカール38の例示的な構成では、制御ハンドル60と(i)カメラ48及び/又は(ii)LEDとの間を結合している電線は、カメラ制御ガイド58内を通され、したがって図示されていない。
【0053】
このような実施形態では、カメラ制御ガイド58、及びカメラ48並びにLEDに結合された電線は、医師24によるノブ66の回転に応答して剛体として動いている。
【0054】
ここで、図2の概略図のものとは異なる視点からのトロカール38の遠位端の断面図を示す挿入図100を参照する。いくつかの実施形態では、位置センサ50は、カニューレ69の遠位端に取り付けられる。
【0055】
再度図2の概略図を参照する。いくつかの実施形態では、位置センサ50は、長手方向軸85に沿って移動することなくカニューレ69の内側に取り付けられて(例えば、その壁に結合されて)いるため、位置センサ50に結合された1つ以上の電線88は、トロカール38内を通されるが、カメラ制御ガイド58には挿入されない。カメラ制御ガイド58がトロカール38内で移動すると、例えば、カメラ制御ガイド58の動きによって誘発される摩擦のため、1つ以上の電線88がある程度移動する可能性があることに留意されたい。
【0056】
ここで、制御ハンドル60の底面図を示す挿入図99を参照する。いくつかの実施形態では、電線88は、カメラ制御ガイド58が移動しているときに電線88を損傷するのを防止するように、たるみ90を有する。例えば、たるみ90は、カメラ制御ガイド58の動きに応答した1つ以上の電線88の伸長及び/又は引裂を防止することができる。このような実施形態では、カメラ制御ガイド58がノブ66によって移動させられるとき、たるみ90は、電線88に印加される過剰な引張力を有することなく、カメラ制御ガイド58と共に(前述の摩擦によって生じる)電線88のいくらかの動きを可能にする。
【0057】
いくつかの実施形態では、制御ハンドル60は、1つ以上の電線88の緩い部分がカメラ制御ガイド58及び/又はノブ66及び/又はトロカール38の任意の他の部分に望ましくなく巻き付くことがないように、たるみ90を収容するように構成される。
【0058】
別の実施形態では、トロカール38は、制御ハンドル60内以外の所定の容積内にたるみ90を保持するための、任意の他の適切な機構を有してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、医療処置中、医師24は、患者22の頭部41、又は任意の他の器官にトロカール38を挿入する。プロセッサ34は、医師24が頭部41内の標的位置に開口部78を位置決めするのを支援するように、頭部41内の位置センサ50の位置を表示する。処置の任意の段階で、医師24は、患者22の脳組織の画像55などの画像、又はビデオクリップを収録するために、カメラ48を適用し得ることに留意されたい。
【0060】
いくつかの実施形態では、医師24は、可動要素77の近位端に結合された制御ハンドル60のノブ66を使用して、可動要素77及びカメラ48を動かすことができる。頭部41内の標的位置に開口部78を位置決めした後、医師24は、医療処置を実行するように、トロカール38を通じて、プローブ39などの1つ以上の医療器具を挿入し得る。プロセッサ34は、医師24が処置を実行するのを支援するためにトロカール38及びプローブ39の遠位端のそれぞれの位置を表示するために、例えば、位置センサ50から、及び/又はプローブ39の遠位端に結合された追加の位置センサからの位置信号を使用し得ることに留意されたい。
【0061】
いくつかの実施形態では、医師24は、医療処置を実行するために、カメラ48によって取得され、プロセッサ34によって表示された前述の画像及び/又はビデオクリップを使用することができる。
【0062】
図2のトロカール38の構成は、概念的に明瞭にするために一例として表される。別の実施形態では、標的脳位置に医療用具を挿入するためのトロカール38の追加のポートなど、追加の要素が含まれてもよい。
【0063】
図3は、本発明の一実施形態による、可動カメラ48及び静止位置センサ50を有するトロカール38を製造する方法を概略的に示すフローチャートである。方法は、トロカール提供ステップ202において、患者頭部41に挿入するためのトロカール63を提供することで開始し、トロカール63は、上述の図2に記載されるようなカニューレ69を有する。
【0064】
位置センサ取り付けステップ204において、位置センサ50がカニューレ69の内側に取り付けられる。トロカール38の例では、位置センサ50はカニューレ69の内壁に結合されるが、別の実施形態では、位置センサ50は、ロカール38の任意の他の適切な要素に結合され、結合位置で静止したままであってもよいことに留意されたい。
【0065】
カメラ結合ステップ206において、カメラ48は、カニューレ69の内側に取り付けられ、カメラ制御ガイド58に結合された、可動要素77に結合される。この構成では、可動要素77は、上記の図2に記載されるようなカメラ制御ガイド58によって、カメラ48共に移動するように構成される。
【0066】
制御ハンドル結合ステップ208において、制御ハンドル60は、医師24がカニューレ69の長手方向軸85に沿って可動要素77及びカメラを移動させるために制御ハンドル60を適用し得るように、可動要素77の近位端に結合される。
【0067】
第1の電線結合ステップ210において、制御ハンドル60とカメラ48との間に1つ以上の電線が結合される。上記の図2に記載されるように、これらの電線はカメラ制御ガイド58内に通され、したがって図2には示されていない。カメラ制御ガイド58は、制御ハンドル60のノブ66によって、カメラ48及び可動要素77と共に剛性要素として移動させられることに留意されたい。
【0068】
第2の電線結合ステップ212において、制御ハンドル60と位置センサ50との間に1つ以上の電線88が結合される。いくつかの実施形態では、電線88は、上記の図2に記載されるように、カメラ48の動きを補償するためのたるみを有する。
【0069】
一実施形態では、たるみ90は、上記の図2に記載されるように、1つ以上の電線88の緩い部分がカメラ制御ガイド58及び/又はトロカール38の任意の他の部分に望ましくなく巻き付くことがないように、制御ハンドル60内で巻かれる。
【0070】
いくつかの実施形態では、電線結合ステップ212は、図3の方法を終了させる。別の実施形態では、ステップ202~212の順序は、図3に示される順序と異なってもよい。例えば、電線結合ステップ210及び212のうちの少なくとも1つは、制御ハンドリング結合ステップ208の前に実行されてもよい。
【0071】
また、図3の方法ステップは、念を明確にするために簡略化されており、トロカール38の完全な製造プロセスは、追加及び/又は代替のステップを含んでもよい。
【0072】
本明細書に記載される実施形態は、主として神経外科的処置に対処するが、本明細書に記載される方法及びシステムは、他の用途でも使用され得る。
【0073】
したがって、上述の実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、上記に具体的に示し、かつ説明したものに限定されないことが理解されよう。むしろ、本発明の範囲は、上記の明細書に記載される様々な特徴の組み合わせ及び部分的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むことで当業者に想到されるであろう、先行技術において開示されていないそれらの変形例及び修正例を含むものである。参照により本特許出願に組み込まれる文献は、これらの組み込まれた文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾する様式で定義される程度まで、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の不可欠な部分と見なすものとする。
【0074】
〔実施の態様〕
(1) 医療装置であって、
患者の器官に挿入するためのトロカールであって、前記トロカールは、
長手方向軸を有するカニューレと、
前記カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、
カメラであって、前記カニューレの内側に取り付けられ、前記カニューレに沿って前記カメラを移動させるために前記長手方向軸に沿って移動するように構成された、可動要素に結合されたカメラと、
を備えるトロカールと、
前記可動要素の近位端に結合され、前記可動要素及び前記カメラを移動させるように構成された制御ハンドルと、
前記制御ハンドルと前記カメラとの間に結合された少なくとも第1の電線と、
前記制御ハンドルと前記位置センサとの間に結合され、前記カメラの動きを補償するように構成されたたるみを有する少なくとも第2の電線と
を備える医療装置。
(2) 前記制御ハンドルは、前記少なくとも第2の電線の前記たるみを収容するように構成されている、実施態様1に記載の医療装置。
(3) 前記少なくとも第2の電線の前記たるみは、前記制御ハンドル内で巻かれている、実施態様2に記載の医療装置。
(4) 前記可動要素と前記制御ハンドルとの間に結合され、前記制御ハンドルを使用して前記可動要素を移動させるように構成されたカメラ制御ガイドを備える、実施態様1に記載の医療装置。
(5) 前記少なくとも第1の電線は、前記カメラ制御ガイド内に通されている、実施態様4に記載の医療装置。
【0075】
(6) 前記カメラ制御ガイドは、前記カメラ及び前記少なくとも第1の電線を剛性要素として移動させるように構成されている、実施態様4に記載の医療装置。
(7) (i)前記可動要素に結合された、少なくとも電子機器と、(ii)前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合された少なくとも第3の電線であって、前記第3の電線は前記カメラ制御ガイド内に通されている、第3の電線とを備える、実施態様4に記載の医療装置。
(8) 前記制御ハンドルは、前記カメラ制御ガイドに結合され、前記可動要素の移動量を制御するように構成されたノブを備える、実施態様4に記載の医療装置。
(9) 前記少なくとも第1の電線は、2つ以上の第1の電線を備え、前記可動要素の前記近位端に結合された少なくとも電子機器を備え、前記第1の電線のうちの少なくとも1つは、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合されている、実施態様1に記載の医療装置。
(10) 前記位置センサは、前記カニューレの遠位端に取り付けられており、前記カメラは、前記位置センサが前記カメラの視野を妨げないように傾斜構成で実装されている、実施態様1に記載の医療装置。
【0076】
(11) 医療装置を製造する方法であって、
患者の器官に挿入するためのトロカールを提供することであって、前記トロカールは、
長手方向軸を有するカニューレと、
前記カニューレの内側に取り付けられた位置センサと、
カメラであって、前記カニューレの内側に取り付けられ、前記カニューレに沿って前記カメラを移動させるために前記長手方向軸に沿って移動可能である、可動要素に結合されたカメラと
を備える、ことと、
前記可動要素の近位端に、前記可動要素及び前記カメラを移動させるための制御ハンドルを結合することと、
前記制御ハンドルと前記カメラとの間に、少なくとも第1の電線を結合することと、
前記制御ハンドルと前記位置センサとの間に、前記カメラの動きを補償するためのたるみを有する少なくとも第2の電線を結合することと
を含む方法。
(12) 前記少なくとも第2の電線を結合することは、前記制御ハンドル内に前記少なくとも第2の電線の前記たるみを収容することを含む、実施態様11に記載の方法。
(13) 前記制御ハンドル内に前記たるみを収容することは、前記制御ハンドル内で前記少なくとも第2の電線の前記たるみを巻くことを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 前記可動要素と前記制御ハンドルとの間に、前記制御ハンドルを使用して前記可動要素を移動させるためのカメラ制御ガイドを結合することを含む、実施態様11に記載の方法。
(15) 前記少なくとも第1の電線を結合することは、前記カメラ制御ガイド内に前記少なくとも第1の電線を通すことを含む、実施態様14に記載の方法。
【0077】
(16) 前記カメラ制御ガイドは、前記カメラ及び前記少なくとも第1の電線を剛性要素として移動させるためのものである、実施態様14に記載の方法。
(17) (i)少なくとも電子機器を前記可動要素に結合することと、(ii)少なくとも第3の電線を、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合することと、(iii)前記少なくとも第3の電線を前記カメラ制御ガイドに通すことと、を含む、実施態様14に記載の方法。
(18) 前記カメラ制御ガイドを結合することは、前記可動要素の移動量を制御するために、前記カメラ制御ガイドに前記制御ハンドルのノブを結合することを含む、実施態様14に記載の方法。
(19) 前記少なくとも第1の電線は、2つ以上の第1の電線を備え、前記可動要素に少なくとも電子機器を結合することを含み、前記少なくとも第1の電線を結合することは、前記第1の電線のうちの少なくとも1つを、前記制御ハンドルと前記電子機器との間に結合することを含む、実施態様11に記載の方法。
(20) 前記位置センサは、前記カニューレの遠位端に取り付けられ、前記カメラは、前記位置センサが前記カメラの視野を妨げないように傾斜構成で実装されている、実施態様11に記載の方法。
【0078】
(21) 方法であって、
患者の器官にトロカールを挿入することであって、前記トロカールは、
長手方向軸を有するカニューレと、
前記カニューレの遠位端に取り付けられ、前記器官内の前記遠位端の位置を示す信号を生成するように構成された位置センサと、
前記器官の組織の画像を取得するように構成されたカメラであって、前記カメラは、前記カニューレの内側に取り付けられ、前記カニューレに沿って前記カメラを移動させるために前記長手方向軸に沿って移動するように構成された、可動要素に結合されている、カメラと、
を備える、ことと、
前記可動要素の近位端に結合された制御ハンドルを使用して、前記可動要素及び前記カメラを移動させることであって、
少なくとも第1の電線が、前記制御ハンドルと前記カメラとの間に結合され、
少なくとも第2の電線が、前記制御ハンドルと前記位置センサとの間に結合され、前記カメラの動きを補償するためのたるみを有する、ことと、
前記位置センサによって生成された前記信号及び前記カメラによって取得された前記画像のうちの少なくとも1つを使用して、前記器官内で医療処置を実行することと、
を含む方法。
図1
図2
図3
【国際調査報告】