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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】インスリン誘導体
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/62 20060101AFI20230306BHJP
   A61K 38/28 20060101ALI20230306BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230306BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230306BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230306BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20230306BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230306BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230306BHJP
   A61K 47/59 20170101ALI20230306BHJP
   C12N 15/12 20060101ALN20230306BHJP
【FI】
C07K14/62 ZNA
A61K38/28
A61K47/10
A61K47/02
A61K45/00
A61K38/17
A61P3/10
A61P43/00 121
A61K47/59
C12N15/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540767
(86)(22)【出願日】2020-12-29
(85)【翻訳文提出日】2022-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2020141018
(87)【国際公開番号】W WO2021136293
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】201911398378.0
(32)【優先日】2019-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202011057926.6
(32)【優先日】2020-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518188142
【氏名又は名称】甘李薬業股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】GAN & LEE PHARMACEUTICALS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Nanfeng West 1st Street, Huoxian, Tongzhou District Beijing 101109 China
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】甘 忠 如
(72)【発明者】
【氏名】陳 偉
(72)【発明者】
【氏名】張 一 寧
(72)【発明者】
【氏名】薛 方 凱
(72)【発明者】
【氏名】蔡 玲 玉
(72)【発明者】
【氏名】牛 江 紅
(72)【発明者】
【氏名】穆 彬
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA94
4C076BB16
4C076CC21
4C076CC41
4C076DD23
4C076DD26
4C076DD37
4C076DD38
4C076EE26
4C076EE59
4C076FF04
4C076FF32
4C076FF63
4C076FF67
4C076FF68
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA18
4C084BA23
4C084BA44
4C084CA18
4C084CA59
4C084DB34
4C084MA02
4C084MA05
4C084MA66
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA10
4C084NA12
4C084ZC022
4C084ZC351
4C084ZC352
4C084ZC751
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA17
4H045BA50
4H045CA40
4H045DA37
4H045EA20
4H045FA10
4H045FA50
(57)【要約】
本発明は、新規のインスリン誘導体、その薬物製剤、それと長時間作用型GLP-1化合物との薬物組成物、及び上記アシル化インスリン、薬物製剤と薬物組成物の医薬用途に関する。上記新規のアシル化インスリンは、インスリンデグルデク又は他のインスリン誘導体と比べて、予想以上の顕著に増加した薬効を有し、より長い作用持続時間、より長いインビボ半減期、良好な生物学的利用能を有するとともに、より好ましい物理的安定性、化学的安定性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インスリン母体、アルブミン結合残基及び連結基Linを含み、前記インスリン母体は、天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、前記アルブミン結合残基は連結基Linを介して前記インスリン母体に連結されるインスリン誘導体であって、
前記連結基Linは、少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、又は、前記連結基Linは、少なくとも5個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、好ましくは、前記連結基Linは、少なくとも6個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、好ましくは、前記連結基Linは、5~9個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、又は、前記連結基Linは、少なくとも15個、好ましくは少なくとも20個、好ましくは少なくとも24個、好ましくは15~50個、好ましくは20~39個の炭素原子を有するアルキレングリコールを含み、及び
前記アルブミン結合残基は、20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は、20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている、
インスリン誘導体。
【請求項2】
前記インスリン母体は、少なくとも1つのリジン残基を含み、前記アルブミン結合残基は連結基Linを介して前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される、請求項1に記載のインスリン誘導体。
【請求項3】
1つ又は複数の連結基IIをさらに含み、前記連結基IIは酸性アミノ酸残基であり、前記連結基IIは前記アルブミン結合残基と前記連結基Linとの間に連結され、及び/又は前記連結基Linと前記インスリン母体との間に連結され、好ましくは、前記連結基IIは前記アルブミン結合残基と前記連結基Linとの間に連結される、請求項1又は2に記載のインスリン誘導体。
【請求項4】
アシル化インスリンであるインスリン誘導体であって、前記アシル化インスリンのインスリン母体は天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、且つ少なくとも1つのリジン残基を含み、前記アシル化インスリンのアシル基部分は前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、前記アシル基部分は式(A)、すなわち、
III-(II)-(I)- (A)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
又は、
前記アシル基部分は式(A’)、すなわち、
III-(II)-(I’)n’- (A’)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である、
インスリン誘導体。
【請求項5】
アシル化インスリンであるインスリン誘導体であって、前記アシル化インスリンのインスリン母体は天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、且つ少なくとも1つのリジン残基を含み、前記アシル化インスリンのアシル基部分は前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、前記アシル基部分は式(A)、すなわち、
III-(II)-(I)- (A)で示され、
ただし、
mは0又は1~10の整数であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
又は、
前記アシル基部分は式(A’)、すなわち、
III-(II)-(I’)n’- (A’)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である、
インスリン誘導体。
【請求項6】
nは、好ましくは5、6、7又は8であり、及び/又は
mは1~6の整数であり、好ましくは、mは1、2、3又は4であり、好ましくは、mは1又は2であり、好ましくは、mは1であり、及び/又は
IIIは20~26個(好ましくは20~23個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、IIIは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、及び/又は
前記インスリン母体は1つのリジン残基を含む、
請求項4又は5に記載のインスリン誘導体。
【請求項7】
Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、又は、I’は-HN-(CH-CH-O)10-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)11-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)12-CH-CO-、又は-HN-(CH-CH-CH-O)-CH-CO-であり、及び/又は
IIはγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、IIはγGlu又はβAspから選ばれ、及び/又は
IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-、HOOC-(CH22-CO-、又はHOOC-(CH24-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である、
請求項4~5のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項8】
式(A)はIのC末端を介して前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、又は、式(A’)はI’のC末端を介して前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される、請求項4~7のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項9】
前記アシル基部分は、前記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結される、請求項4~8のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項10】
前記インスリン母体のリジン残基はB29位に位置する、請求項1~9のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項11】
前記インスリン母体は、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン、ヒトインスリン、A21Gヒトインスリン、A21G、desB30ヒトインスリン、又はB28Dヒトインスリン、というインスリン又はインスリン類似体から選ばれ、好ましくは、前記インスリン母体はdesB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンである、請求項1~10のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項12】
前記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8
xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘキサコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-8xOEG
)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-15xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xPEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xPEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる、請求項4又は5に記載のインスリン誘導体。
【請求項13】
前記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘキサコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる、請求項4又は5に記載のインスリン誘導体。
【請求項14】
前記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる、請求項4~5のいずれか一項に記載のインスリン誘導体。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体、及び1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、薬物組成物。
【請求項16】
少なくとも1.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも2.2モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも3.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも4.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは4.5~12モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~10モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~8モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~7.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~7.0モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、及び/又は
pHは6.5~8.5であり、好ましくは、pHは6.8~8.2、好ましくは、pHは7.0~8.2、好ましくは、pHは7.2~7.6であり、より好ましくは、pHは7.4又は7.6である、
請求項15に記載の薬物組成物。
【請求項17】
グリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl、及び/又はNaHPOをさらに含み、好ましくは、グリセリン、フェノール、及びNaClをさらに含み、好ましくは、グリセリン、フェノール、m-クレゾール、及びNaClをさらに含み、好ましくは、グリセリン、フェノール、NaCl及びNaHPOをさらに含み、より好ましくは、グリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl及びNaHPOをさらに含む、請求項16に記載の薬物組成物。
【請求項18】
前記グリセリンの含有量は約2.5%(重量/重量)を超えず、好ましくは約2%(重量/重量)を超えず、好ましくは約0.3%~約2%(重量/重量)であり、好ましくは約0.5%~約1.8%(重量/重量)であり、好ましくは約0.7%~約1.8%(重量/重量)であり、より好ましくは約1%~約1.8%(重量/重量)であり、及び/又は
前記フェノールの含有量は約16~80mMであり、好ましくは約25~75mM、好ましくは約45~70mM、好ましくは約45~65mMであり、好ましくは約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、約50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、約60mM、約61mM、約62mM、約63mM、約64mM、又は約65mMであり、及び/又は
前記m-クレゾールの含有量は約0~35mMであり、好ましくは約0~19mM、好ましくは約0~15mMであり、好ましくは約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、又は約15mMであり、及び/又は
前記NaClの含有量は約0~150mMであり、好ましくは約5~120mM、好ましくは約10~120mM、好ましくは約10~100mMであり、より好ましくは約10~75mM、より好ましくは約10~50mM、より好ましくは約10~30mMであり、及び/又は
前記NaHPOの含有量は約0~75mMであり、好ましくは約5~60mMであり、好ましくは約50mMより低く、より好ましくは約25mMより低く、より好ましくは約15mMより低く、及び/又は
前記アシル化インスリンの含有量は約0.3mMより高く、好ましくは約0.6mMより高く、好ましくは約0.3~12mM、好ましくは約0.6~9.0mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.6~1.2mMである、
請求項17に記載の薬物組成物。
【請求項19】
前記インスリン誘導体は、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、請求項15~18のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項20】
約0.6~4.2mMの請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体と、約1%~約1.8%(重量/重量)のグリセリンと、約45~65mMのフェノールと、約4.5~6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mMの塩化ナトリウムと、約0~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、薬物組成物。
【請求項21】
約0.6mM又は1.2mMの請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体と、1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約45mMのフェノールと、約10mMのm-クレゾールと、約6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mMの塩化ナトリウムとを含み、pH値が約7.0~8.0であり、好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、
好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、
薬物組成物。
【請求項22】
約0.6~4.2mMの請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリンと、約1%~約2%(好ましくは約1.5%~1.7%)(重量/重量)のグリセリンと、約15mM~60mM(好ましくは約30mM~60mM、より好ましくは約45mM~60mM)のフェノールと、約1.5~7.0(好ましくは約2.2~4.5)モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mM(好ましくは約20~50mM)の塩化ナトリウムと、約0~25mM(好ましくは約0~10mM)のm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、薬物組成物。
【請求項23】
約1.2~1.5mMの請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリンと、約1.5%~1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約45~60mMのフェノールと、約2.2~4.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mMの塩化ナトリウムと、約0~10mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.0であり、好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、薬物組成物。
【請求項24】
インスリン分泌促進GLP-1化合物をさらに含み、好ましくは、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドから選ばれるインスリン分泌促進GLP-1化合物をさらに含む、請求項15~23のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項25】
式(B)、すなわち、
[Acy-(L1)-(L2)]-G1 (B)
で示されるインスリン分泌促進GLP-1化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、アミド又はエステルをさらに含み、
ただし、G1はGLP-1(7-37)(SEQ ID NO:15)に対応する位置34でArgを有し、位置8でAla又はGlyを有するGLP-1類似体であり、[Acy-(L1)-(L2)]は前記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される置換基であり、ただし、
rは1~10の整数であり、qは0又は1~10の整数であり、
Acyは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
L1はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、
L2は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
Acy、L1及びL2の間はアミド結合で連結され、及び
L1及びL2の式(B)における出現順番は独立的に交換可能である、
請求項15~23のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項26】
G1は[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(SEQ ID NO:16)又は[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(SEQ ID NO:17)であり、好ましくは[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドであり、及び/又は
rは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、rは1、2、3又は4であり、好ましくは、rは1又は2であり、好ましくは、rは1であり、及び/又は
qは0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、好ましくは、qは0、1、2、3又は4であり、より好ましくは、qは0、1又は2であり、及び/又は
Acyは20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、Acyは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている、
請求項25に記載の薬物組成物。
【請求項27】
L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、及び/又は
L1はγGlu又はβAspから選ばれ、好ましくはL1はγGluであり、及び/又は
AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である、
請求項25又は26に記載の薬物組成物。
【請求項28】
式(B)において、Acy、L1及びL2の間はアミド結合で順に連結され、L2のC末端は前記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される、請求項25~27のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項29】
前記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれる、
請求項25~27のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項30】
前記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれ、
好ましくは、前記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又はN-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである、
請求項25に記載の薬物組成物。
【請求項31】
速効型インスリンをさらに含む、請求項15~23のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項32】
前記速効型インスリンはAspB28ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、ヒトインスリン及びdesB30ヒトインスリンのうちの1つ又は複数から選ばれ、好ましくは、前記速効型インスリンはAspB28ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、ヒトインスリン又はdesB30ヒトインスリンである、請求項31に記載の薬物組成物。
【請求項33】
前記インスリン誘導体と前記速効型インスリンとのモル比は、約60:3~約0.5:3であり、好ましくは約57:3~約1:3、好ましくは約55:3~約1.2:3、好ましくは約50:3~約1.5:3、好ましくは約40:3~約1.5:3、好ましくは約30:3~約1.5:3、好ましくは約27:3~約1.5:3、好ましくは約25:3~約1.5:3、好ましくは約22:3~約1.5:3、好ましくは約20:3~約1.5:3、好ましくは約17:3~約1.5:3、好ましくは約15:3~約1.5:3、好ましくは約12:3~約1.5:3、好ましくは約10:3~約1.5:3、好ましくは約9:3~約1.5:3、好ましくは約8:3~約1.5:3、好ましくは約7:3~約1.5:3、好ましくは約6.9:3~約1.5:3、好ましくは約6.8:3~約1.5:3、好ましくは約6.5:3~約1.5:3、好ましくは約6.3:3~約1.5:3、好ましくは約6:3~約1.5:3、好ましくは約5.8:3~約1.5:3、好ましくは約5.5:3~約1.5:3、好ましくは約5.3:3~約1.5:3、好ましくは約5:3~約1.5:3、好ましくは約4.8:3~約1.5:3、好ましくは約4.5:3~約1.5:3、好ましくは約4.2:3~約1.5:3、好ましくは約4:3~約1.5:3、好ましくは約3.9:3~約1.5:3、好ましくは約3.8:3~約1.5:3、好ましくは約3.5:3~約1.5:3、好ましくは約3.2:3~約1.5:3、好ましくは約3:3~約1.5:3、好ましくは約2.8:3~約1.5:3、好ましくは約2.5:3~約1.5:3、好ましくは約15:3~約2:3、好ましくは約12:3~約2:3、好ましくは約10:3~約2:3、好ましくは約9:3~約2:3、好ましくは約8:3~約2:3、好ましくは約7:3~約2:3、好ましくは約6.9:3~約2:3、好ましくは約6.8:3~約2:3、好ましくは約6.5:3~約2:3、好ましくは約6.3:3~約2:3、好ましくは約6:3~約2:3、好ましくは約5.8:3~約2:3、好ましくは約5.5:3~約2:3、好ましくは約5.3:3~約2:3、好ましくは約5:3~約2:3、好ましくは約4.8:3~約2:3、好ましくは約4.5:3~約2:3、好ましくは約4.2:3~約2:3、好ましくは約4:3~約2:3、好ましくは約3.9:3~約2:3、好ましくは約3.8:3~約2:3、好ましくは約3.5:3~約2:3、好ましくは約3.2:3~約2:3、好ましくは約3:3~約2:3、好ましくは約15:3~約2.4:3、好ましくは約12:3~約2.4:3、好ましくは約10:3~約2.4:3、好ましくは約9:3~約2.4:3、好ましくは約8:3~約2.4:3、好ましくは約7:3~約2.4:3、好ましくは約6.9:3~約2.4:3、好ましくは約6.8:3~約2.4:3、好ましくは約6.5:3~約2.4:3、好ましくは約6.3:3~約2.4:3、好ましくは約6:3~約2.4:3、好ましくは約5.8:3~約2.4:3、好ましくは約5.5:3~約2.4:3、好ましくは約5.3:3~約2.4:3、好ましくは約5:3~約2.4:3、好ましくは約4.8:3~約2.4:3、好ましくは約4.5:3~約2.4:3、好ましくは約4.2:3~約2.4:3、好ましくは約4:3~約2.4:3、好ましくは約3.9:3~約2.4:3、好ましくは約3.8:3~約2.4:3、好ましくは約3.5:3~約2.4:3、好ましくは約3.2:3~約2.4:3、好ましくは約3:3~約2.4:3、より好ましくは約1.5:3、より好ましくは約2:3、より好ましくは約2.5:3、より好ましくは約2.75:3、より好ましくは約3:3である、請求項31又は32に記載の薬物組成物。
【請求項34】
前記インスリン誘導体は請求項12~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体であり、好ましくは、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、より好ましくは、前記アシル化インスリンはB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、請求項31~33のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項35】
約0.09~0.36mMのインスリン誘導体と、約0.18mMのAspB28ヒトインスリンと、約0.85%~約2.0%(重量/重量)のグリセリンと、約15~70mMのフェノールと、約8~14モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mMの塩化ナトリウムと、約0~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである、請求項31~34のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項36】
約0.165~0.18mMのインスリン誘導体と、約0.18mMのAspB28ヒトインスリンと、約1.5%~1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約20mM~30mMのフェノールと、約9~12モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mM~75mMの塩化ナトリウムと、約10mM~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、前記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリンである、請求項31~35のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項37】
薬物として使用される、請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体又は請求項15~36のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項38】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下を治療又は予防するための薬物として使用される、請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体又は請求項15~36のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項39】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下の治療又は予防に使用される、請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体又は請求項15~36のいずれか一項に記載の薬物組成物。
【請求項40】
薬物の調製における、請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体又は請求項15~36のいずれか一項に記載の薬物組成物の用途であって、好ましくは、前記薬物は糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下の治療又は予防に使用される、用途。
【請求項41】
前記薬物は糖尿病の治療に使用され、前記インスリン誘導体は1日おきに又はそれ以下の頻度で同じ患者に投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、前記インスリンはそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない、請求項40に記載の用途。
【請求項42】
前記薬物は糖尿病の治療に使用され、前記インスリン誘導体は週に2回又はそれ以下の頻度で投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、前記インスリンはそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない、請求項40又は41に記載の用途。
【請求項43】
前記薬物は糖尿病の治療に使用され、前記インスリン誘導体は週に1回又はそれ以下の頻度で投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、前記インスリンはそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない、請求項40~42のいずれか一項に記載の用途。
【請求項44】
糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下を治療又は予防する方法であって、治療有効量の請求項1~14のいずれか一項に記載のインスリン誘導体又は請求項15~36のいずれか一項に記載の薬物組成物を投与することを含む、方法。
【請求項45】
アルブミンの存在下で、インスリン受容体へのインスリン誘導体の結合能力を向上させる方法であって、
連結基Linを介してアルブミン結合残基を天然に存在するインスリン又はインスリン類似体に連結することで、前記インスリン誘導体を得ることを含み、そのうち、前記連結基Linは少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、前記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基又は前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、又は
式(A)又は式(A’)により天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を修飾することで、前記インスリン誘導体を得ることを含み、
III-(II)-(I)- (A)
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
(A’)はIII-(II)-(I’)n’- (A’)であり、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である、
方法。
【請求項46】
インスリン誘導体の効力を向上させる方法であって、
連結基Linを介してアルブミン結合残基を天然に存在するインスリン又はインスリン類似体に連結することで、前記インスリン誘導体を得ることを含み、そのうち、前記連結基Linは少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、前記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、前記アルブミン結合残基は20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基又は前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、又は
式(A)又は式(A’)により天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を修飾することで、前記インスリン誘導体を得ることを含み、
III-(II)-(I)- (A)
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
(A’)はIII-(II)-(I’)n’- (A’)であり、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪酸のカルボキシ基及び前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である、
方法。
【請求項47】
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、及び/又は
IIIは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている、
請求項45又は46に記載の方法。
【請求項48】
前記天然に存在するインスリン又はインスリン類似体は、少なくとも1つのリジン残基を含み、連結基Lin、式(A)又は式(A’)は、前記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項49】
nは5、6、7、又は8であり、及び/又は
mは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、mは1、2、3又は4であり、好ましくは、mは1又は2であり、好ましくは、mは1であり、及び/又は
IIIは20~26個(好ましくは20~23個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、IIIは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に前記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、及び/又は
前記インスリン母体は1つのリジン残基を含む、
請求項45又は46に記載の方法。
【請求項50】
Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、又は、I’は-HN-(CH-CH-O)10-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)11-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)12-CH-CO-、-HN-(CH-CH-CH-O)-CH-CO-であり、及び/又は
IIはγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、IIはγGlu又はβAspから選ばれ、及び/又は
IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-、HOOC-(CH22-CO-又はHOOC-(CH24-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である、
請求項45又は46に記載の方法。
【請求項51】
式(A)はIのC末端を介して前記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、又は、式(A’)はI’のC末端を介して前記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される、請求項45又は46に記載の方法。
【請求項52】
式(A)又は式(A’)は前記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結される、請求項45~51のいずれか一項に記載の方法。
【請求項53】
前記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基はB29位に位置する、請求項45~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記天然に存在するインスリン又はインスリン類似体は、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン、ヒトインスリン、A21Gヒトインスリン、A21G、desB30ヒトインスリン、又はB28Dヒトインスリン、というインスリン又はインスリン類似体から選ばれ、好ましくは、前記インスリン母体はdesB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンである、請求項45~53のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療用ペプチドの分野に関し、具体的に、新規のインスリン誘導体、その薬物製剤、それと長時間作用型GLP-1化合物との薬物組成物、それと速効型インスリンとの薬物組成物、及び上記インスリン誘導体、薬物製剤と薬物組成物の医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
インスリンは、膵臓のβ細胞から分泌されるポリペプチドホルモンである。インスリンは、A鎖とB鎖と命名された2本のポリペプチド鎖で構成され、上記A鎖とB鎖は、2つの鎖間ジスルフィド結合によって連結されている。ヒト、ブタ及びウシのインスリンにおいて、A鎖とB鎖はそれぞれ、21個と30個のアミノ酸残基を含む。しかし、2本の鎖の異なる位置に存在するアミノ酸残基は、種によって異なっている。遺伝子工学的改変の幅広い適用により、1つ又は複数のアミノ酸残基の置換、欠乏及び追加によって、天然に存在するインスリンの類似体を調製することが可能になる。
【0003】
インスリンは、糖尿病及びそれに関連する又はそれに起因する疾患の治療に使用することができ、正常な代謝調節の維持に必要なものである。しかし、ヒトインスリンなどの天然インスリンは作用時間が短いため、患者に頻繁に注射する必要があり、注射による多くの不快感を患者に感じさせてしまう。従って、インスリンの高頻度の注射による不便と不快感を改善するように、薬効が良く、作用時間がより長く、注射頻度がより低いインスリン誘導体又は類似体を得ることが取り組まれている。
【0004】
WO1995007931A1には、市販の長時間作用型インスリンであるインスリンデテミルが開示されており、その分子構造は、ヒトインスリンB鎖の30位のスレオニンを除去し、B鎖の第29位のリジン残基に炭素数14の脂肪族一酸が連結されることを特徴とする。WO2005012347A2には、市販の別の長時間作用型インスリンであるインスリンデグルデクが開示されており、インスリンデグルデクは、インスリンデテミルよりも作用時間が長い新規の超長時間作用型インスリンであり、その分子構造は、ヒトインスリンB鎖の30位のスレオニンを除去し、1つのグルタミン酸分子によって炭素数16の脂肪族二酸側鎖をB29位のリジン残基に連結することを特徴とする。CN101573133B及びWO2009/010428には、PEG(PEGylated)化で延長されたインスリンが開示されており、通常の未修飾のインスリンと比べて、PEG化で延長されたインスリンは、より長い作用時間を有する。WO2013086927A1及びWO2018/024186には、長時間作用型ヒトインスリン類似体のアシル化誘導体が開示されている。
【0005】
しかし、今まで、1日1回の皮下注射よりも低い頻度の基礎インスリン製品の市販は、まだ承認されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、市販のインスリン(例えば、インスリンデグルデク)又は既知のインスリン誘導体と比べて、より良い薬効又は効能、より長い作用時間、より低い投与頻度、より優れた物理化学的特性を有するインスリン誘導体又は類似体は、今でも求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、新規のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)を提供する。発明者は、大量の試験を通じて、上記新規のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)が市販のインスリンデグルデク(商品名「トレシーバ」)又は他の幾つかのインスリン誘導体と比べて、予想以上の顕著に向上した効能又は薬効、より長い作用持続時間、より長いインビボ半減期、良好な生物学的利用能、より良い安全性を有するとともに、より好ましい物理的安定性、化学的安定性及び溶解度を有することを予想外に発見した。
【0008】
一態様において、本発明はインスリン誘導体を提供し、上記インスリン誘導体はインスリン母体、アルブミン結合残基及び連結基Linを含み、上記インスリン母体は天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、上記アルブミン結合残基は連結基Linを介して上記インスリン母体に連結され、ただし、
上記連結基Linは、少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、又は、上記連結基Linは、少なくとも5個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、好ましくは、上記連結基Linは、少なくとも6個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、好ましくは、上記連結基Linは、5~9個の中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基を含み、又は、上記連結基Linは、少なくとも15個、好ましくは少なくとも20個、好ましくは少なくとも24個、好ましくは15~50個、好ましくは20~39個の炭素原子を有するアルキレングリコールを含み、及び
上記アルブミン結合残基は、20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は、20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている。
【0009】
発明者は、大量の実験を通じて、本発明のインスリン誘導体における一定の長さのアルブミン結合残基と一定の長さの親水性連結基とを組み合わせることで、本発明のインスリン誘導体が既存のインスリン誘導体と比べて、相当する又はより長い作用時間を有すると共に、予想以上の顕著に向上した薬効を有し、また、アルブミンの存在下で、インスリン受容体に対する結合能力へのアルブミンによる影響が顕著に低下し、インスリン受容体に対する結合能力が顕著に向上したことを予想外に発見した。
【0010】
幾つかの実施形態において、上記インスリン母体は、少なくとも1つのリジン残基を含み、上記アルブミン結合残基は連結基Linを介して上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される。
【0011】
幾つかの実施形態において、上記インスリン誘導体は、1つ又は複数の連結基IIをさらに含み、上記連結基IIは酸性アミノ酸残基であり、上記連結基IIは上記アルブミン結合残基と上記連結基Linとの間に連結され、及び/又は上記連結基Linと上記インスリン母体との間に連結され、好ましくは、上記連結基IIは上記アルブミン結合残基と上記連結基Linとの間に連結される。
【0012】
本発明の別の態様において、アシル化インスリンであるインスリン誘導体を提供しており、上記アシル化インスリンのインスリン母体は天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、且つ少なくとも1つのリジン残基を含み、上記アシル化インスリンのアシル基部分は上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、上記アシル基部分は式(A)、すなわち、
III-(II)-(I)- (A)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
又は、
上記アシル基部分は式(A’)、すなわち、
III-(II)-(I’)n’- (A’)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である。
【0013】
本発明の別の態様において、アシル化インスリンであるインスリン誘導体を提供しており、上記アシル化インスリンのインスリン母体は天然に存在するインスリン又はインスリン類似体であり、且つ少なくとも1つのリジン残基を含み、上記アシル化インスリンのアシル基部分は上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、上記アシル基部分は式(A)、すなわち、
III-(II)-(I)- (A)で示され、
ただし、
mは0又は1~10の整数であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
又は、
上記アシル基部分は式(A’)、すなわち、
III-(II)-(I’)n’- (A’)で示され、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは20~26個(好ましくは20~24個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である。
【0014】
幾つかの実施形態において、nは、好ましくは、5、6、7又は8であり、及び/又は
mは1~6の整数であり、好ましくは、mは1、2、3又は4であり、好ましくは、mは1又は2であり、好ましくは、mは1であり、及び/又は
IIIは20~26個(好ましくは20~23個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、IIIは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、及び/又は
上記インスリン母体は1つのリジン残基を含む。
【0015】
幾つかの実施形態において、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、又は、I’は-HN-(CH-CH-O)10-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)11-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)12-CH-CO-、又は-HN-(CH-CH-CH-O)-CH-CO-であり、及び/又は
IIはγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、IIはγGlu又はβAspから選ばれ、及び/又は
IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-、HOOC-(CH22-CO-、又はHOOC-(CH24-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である。
【0016】
幾つかの実施形態において、式(A)はIのC末端を介して上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、又は、式(A’)はI’のC末端を介して上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される。
【0017】
幾つかの実施形態において、上記アシル基部分は、上記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結される。
【0018】
幾つかの実施形態において、上記インスリン母体のリジン残基はB29位に位置する。
幾つかの実施形態において、上記インスリン母体は、desB30ヒトインスリン(SEQ ID NO:1及びSEQ ID NO:2、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン(SEQ ID NO:3及びSEQ ID NO:4、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン(SEQ ID NO:5及びSEQ ID NO:6、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、ヒトインスリン(SEQ ID NO:7及びSEQ ID NO:8、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、A21Gヒトインスリン(SEQ ID NO:9及びSEQ ID NO:10、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、A21G、desB30ヒトインスリン(SEQ ID NO:11及びSEQ ID NO:12、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、又はB28Dヒトインスリン(SEQ ID NO:13及びSEQ ID NO:14、それぞれA鎖及びB鎖を表す)、というインスリン又はインスリン類似体から選ばれ、好ましくは、上記インスリン母体はdesB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンである。
【0019】
幾つかの実施形態において、上記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε
)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘキサコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジア
シル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-6xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-5xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-8xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-7xOEG-γGlu-γGlu)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-βAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αGlu-αGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-αAsp-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ヘンエイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-トリコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-テトラコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-13xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-13xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-14xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-14xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-15xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-15xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-16xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-16xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-17xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-17xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-18xPEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-18xPEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる。
【0020】
幾つかの実施形態において、上記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘキサコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる。
【0021】
幾つかの実施形態において、上記アシル化インスリンは、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ヘキサコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、というインスリンから選ばれる。
【0022】
本発明の別の態様において、本発明の上記のインスリン誘導体、及び1種又は複数種の薬学的に許容可能な賦形剤を含む薬物組成物を提供する。
【0023】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は、少なくとも1.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも2.2モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも3.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは少なくとも4.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、好ましくは4.5~12モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~10モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~8モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~7.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~7.0モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、より好ましくは4.5~6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体を含み、及び/又は
上記薬物組成物のpHは6.5~8.5であり、好ましくは、pHは6.8~8.2、好ましくは、pHは7.0~8.2、好ましくは、pHは7.2~7.6であり、より好ましくは、pHは7.4又は7.6である。
【0024】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物はグリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl、及び/又はNaHPOをさらに含み、好ましくは、上記薬物組成物はグリセリン、フェノール、及びNaClをさらに含み、好ましくは、上記薬物組成物はグリセリン、フェノール、m-クレゾール、及びNaClをさらに含み、好ましくは、上記薬物組成物はグリセリン、フェノール、NaCl及びNaHPOをさらに含み、より好ましくは、上記薬物組成物はグリセリン、フェノール、m-クレゾール、NaCl及びNaHPOをさらに含む。
【0025】
幾つかの実施形態において、上記グリセリンの含有量は約2.5%(重量/重量)を超えず、好ましくは約2%(重量/重量)を超えず、好ましくは約0.3%~約2%(重量/重量)であり、好ましくは約0.5%~約1.8%(重量/重量)であり、好ましくは約0.7%~約1.8%(重量/重量)であり、より好ましくは約1%~約1.8%(重量/重量)であり、及び/又は
上記フェノールの含有量は約16~80mMであり、好ましくは約25~75mM、好ましくは約45~70mM、好ましくは約45~65mMであり、好ましくは約45mM、約46mM、約47mM、約48mM、約49mM、約50mM、約51mM、約52mM、約53mM、約54mM、約55mM、約56mM、約57mM、約58mM、約59mM、約60mM、約61mM、約62mM、約63mM、約64mM、又は約65mMであり、及び/又は
上記m-クレゾールの含有量は約0~35mMであり、好ましくは約0~19mM、好ましくは約0~15mMであり、好ましくは約0mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約11mM、約12mM、約13mM、約14mM、又は約15mMであり、及び/又は
上記NaClの含有量は約0~150mMであり、好ましくは約5~120mM、好ましくは約10~120mM、好ましくは約10~100mMであり、より好ましくは約10~75mM、より好ましくは約10~50mM、より好ましくは約10~30mMであり、及び/又は
上記NaHPOの含有量は約0~75mMであり、好ましくは約5~60mMであり、好ましくは約50mMより低く、より好ましくは約25mMより低く、より好ましくは約15mMより低く、及び/又は
上記アシル化インスリンの含有量は約0.3mMより高く、好ましくは約0.6mMより高く、好ましくは約0.3~12mM、好ましくは約0.6~9.0mM、好ましくは約0.6~8.4mM、好ましくは約0.6~7.2mM、好ましくは約0.6~6.0mM、好ましくは約0.6~4.2mM、好ましくは約0.6~3.6mM、好ましくは約0.6~3.0mM、好ましくは約0.6~2.4mM、好ましくは約0.6~2.1mM、好ましくは約0.6~1.2mMである。
【0026】
幾つかの実施形態において、上記インスリン誘導体は、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0027】
本発明の別の態様において、約0.6~4.2mMの本発明の上記のインスリン誘導体と、約1%~約1.8%(重量/重量)のグリセリンと、約45~65mMのフェノールと、約4.5~6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mMの塩化ナトリウムと、約0~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2である薬物組成物を提供しており、好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0028】
本発明の別の態様において、約0.6mM又は1.2mMの本発明の上記のインスリン誘導体と、1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約45mMのフェノールと、約10mMのm-クレゾールと、約6.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mMの塩化ナトリウムとを含み、pH値が約7.0~8.0である薬物組成物を提供しており、好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、
好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0029】
本発明の別の態様において、約0.6~4.2mMの本発明の上記のインスリンと、約1%~約2%(好ましくは約1.5%~1.7%)(重量/重量)のグリセリンと、約15mM~60mM(好ましくは約30mM~60mM、より好ましくは約45mM~60mM)のフェノールと、約1.5~7.0(好ましくは約2.2~4.5)モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mM(好ましくは約20~50mM)の塩化ナトリウムと、約0~25mM(好ましくは約0~10mM)のm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2である薬物組成物を提供しており、好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0030】
本発明の別の態様において、約0.6~4.2mMの本発明に記載のインスリンと、約1.5%~1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約45~60mMのフェノールと、約2.2~4.5モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mMの塩化ナトリウムと、約0~10mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.0である薬物組成物を提供しており、好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0031】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は、インスリン分泌促進GLP-1化合物をさらに含み、好ましくは、上記薬物組成物はN-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドから選ばれるインスリン分泌促進GLP-1化合物をさらに含む。
【0032】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は、式(B)、すなわち、
[Acy-(L1)-(L2)]-G1 (B)
で示されるインスリン分泌促進GLP-1化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、アミド又はエステルをさらに含み、
ただし、G1はGLP-1(7-37)(SEQ ID NO:15)に対応する位置34でArgを有し、位置8でAla又はGlyを有するGLP-1類似体であり、[Acy-(L1)-(L2)]は上記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される置換基であり、ただし、
rは1~10の整数であり、qは0又は1~10の整数であり、
Acyは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
L1はγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、
L2は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
Acy、L1及びL2の間はアミド結合で連結され、及び
L1及びL2の式(B)における出現順番は独立的に交換可能である。
【0033】
(請求項26)
G1は[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(SEQ ID NO:16)又は[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(SEQ ID NO:17)であり、好ましくは[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドであり、及び/又は
rは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、rは1、2、3又は4であり、好ましくは、rは1又は2であり、好ましくは、rは1であり、及び/又は
qは0、1、2、3、4、5、6、7又は8であり、好ましくは、qは0、1、2、3又は4であり、より好ましくは、qは0、1又は2であり、及び/又は
Acyは20~23個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、Acyは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている、
請求項25に記載の薬物組成物。
【0034】
幾つかの実施形態において、L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、
-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、L2は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、及び/又は
L1はγGlu又はβAspから選ばれ、好ましくはL1はγGluであり、及び/又は
AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-又はHOOC-(CH22-CO-であり、好ましくは、AcyはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である。
【0035】
幾つかの実施形態において、式(B)において、Acy、L1及びL2の間はアミド結合で順に連結され、L2のC末端は上記GLP-1類似体の位置26のLys残基のεアミノ基に連結される。
【0036】
幾つかの実施形態において、上記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[23-カルボキシトリコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(23-カルボキシトリコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[20-カルボキシエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[22-カルボキシドコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(20-カルボキシエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-(22-カルボキシドコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれる。
【0037】
幾つかの実施形態において、上記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又は
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、という化合物から選ばれ、
好ましくは、上記インスリン分泌促進GLP-1化合物は、
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド、又はN-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドである。
【0038】
発明者は、本発明に記載のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)とインスリン分泌促進GLP-1化合物の薬物組成物又は複合製剤が上記インスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)の物理的安定性を低減しないだけでなく、複合製剤が単剤製剤よりも優れる物理的安定性を有することを予想外に発見した。他の長時間作用型インスリン誘導体(例えば、インスリンデグルデクとリラグルチド)の複合製剤と比べて、本発明の複合製剤の物理的安定性は、予想以上である。また、複合製剤は、単剤製剤と比べると、さらに、上記インスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)の化学的安定性を向上させる。
【0039】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は速効型インスリンをさらに含む。
幾つかの実施形態において、上記速効型インスリンはAspB28ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、ヒトインスリン及びdesB30ヒトインスリンのうちの1つ又は複数から選ばれ、好ましくは、上記速効型インスリンはAspB28ヒトインスリン、LysB28ProB29ヒトインスリン、LysB3GluB29ヒトインスリン、ヒトインスリン又はdesB30ヒトインスリンである。
【0040】
幾つかの実施形態において、上記インスリン誘導体と上記速効型インスリンとのモル比は、約60:3~約0.5:3であり、好ましくは約57:3~約1:3、好ましくは約55:3~約1.2:3、好ましくは約50:3~約1.5:3、好ましくは約40:3~約1.5:3、好ましくは約30:3~約1.5:3、好ましくは約27:3~約1.5:3、好ましくは約25:3~約1.5:3、好ましくは約22:3~約1.5:3、好ましくは約20:3~約1.5:3、好ましくは約17:3~約1.5:3、好ましくは約15:3~約1.5:3、好ましくは約12:3~約1.5:3、好ましくは約10:3~約1.5:3、好ましくは約9:3~約1.5:3、好ましくは約8:3~約1.5:3、好ましくは約7:3~約1.5:3、好ましくは約6.9:3~約1.5:3、好ましくは約6.8:3~約1.5:3、好ましくは約6.5:3~約1.5:3、好ましくは約6.3:3~約1.5:3、好ましくは約6:3~約1.5:3、好ましくは約5.8:3~約1.5:3、好ましくは約5.5:3~約1.5:3、好ましくは約5.3:3~約1.5:3、好ましくは約5:3~約1.5:3、好ましくは約4.8:3~約1.5:3、好ましくは約4.5:3~約1.5:3、好ましくは約4.2:3~約1.5:3、好ましくは約4:3~約1.5:3、好ましくは約3.9:3~約1.5:3、好ましくは約3.8:3~約1.5:3、好ましくは約3.5:3~約1.5:3、好ましくは約3.2:3~約1.5:3、好ましくは約3:3~約1.5:3、好ましくは約2.8:3~約1.5:3、好ましくは約2.5:3~約1.5:3、好ましくは約15:3~約2:3、好ましくは約12:3~約2:3、好ましくは約10:3~約2:3、好ましくは約9:3~約2:3、好ましくは約8:3~約2:3、好ましくは約7:3~約2:3、好ましくは約6.9:3~約2:3、好ましくは約6.8:3~約2:3、好ましくは約6.5:3~約2:3、好ましくは約6.3:3~約2:3、好ましくは約6:3~約2:3、好ましくは約5.8:3~約2:3、好ましくは約5.5:3~約2:3、好ましくは約5.3:3~約2:3、好ましくは約5:3~約2:3、好ましくは約4.8:3~約2:3、好ましくは約4.5:3~約2:3、好ましくは約4.2:3~約2:3、好ましくは約4:3~約2:3、好ましくは約3.9:3~約2:3、好ましくは約3.8:3~約2:3、好ましくは約3.5:3~約2:3、好ましくは約3.2:3~約2:3、好ましくは約3:3~約2:3、好ましくは約15:3~約2.4:3、好ましくは約12:3~約2.4:3、好ましくは約10:3~約2.4:3、好ましくは約9:3~約2.4:3、好ましくは約8:3~約2.4:3、好ましくは約7:3~約2.4:3、好ましくは約6.9:3~約2.4:3、好ましくは約6.8:3~約2.4:3、好ましくは約6.5:3~約2.4:3、好ましくは約6.3:3~約2.4:3、好ましくは約6:3~約2.4:3、好ましくは約5.8:3~約2.4:3、好ましくは約5.5:3~約2.4:3、好ましくは約5.3:3~約2.4:3、好ましくは約5:3~約2.4:3、好ましくは約4.8:3~約2.4:3、好ましくは約4.5:3~約2.4:3、好ましくは約4.2:3~約2.4:3、好ましくは約4:3~約2.4:3、好ましくは約3.9:3~約2.4:3、好ましくは約3.8:3~約2.4:3、好ましくは約3.5:3~約2.4:3、好ましくは約3.2:3~約2.4:3、好ましくは約3:3~約2.4:3、より好ましくは約1.5:3、より好ましくは約2:3、より好ましくは約2.5:3、より好ましくは約2.75:3、より好ましくは約3:3である。
【0041】
発明者は、本発明のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)とインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物と比べて、予想以上の向上した血糖降下効果を有し、本発明のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、同等以上の血糖降下効果が果たせることを予想外に発見した。
【0042】
幾つかの実施形態において、上記インスリン誘導体は本発明の上記のインスリン誘導体であり、好ましくは、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-7xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-9xOEG)、desB30ヒトインスリンであり、より好ましくは、上記アシル化インスリンはB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0043】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は、約0.09~0.36mMのインスリン誘導体と、約0.18mMのAspB28ヒトインスリンと、約0.85%~約2.0%(重量/重量)のグリセリンと、約15~70mMのフェノールと、約8~14モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約10~120mMの塩化ナトリウムと、約0~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、そのうち、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はA14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0044】
幾つかの実施形態において、上記薬物組成物は、約0.165~0.18mMのインスリン誘導体と、約0.18mMのAspB28ヒトインスリンと、約1.5%~1.7%(重量/重量)のグリセリンと、約20mM~30mMのフェノールと、約9~12モルの亜鉛イオン/6モルのインスリン誘導体と、約20mM~75mMの塩化ナトリウムと、約10mM~15mMのm-クレゾールとを含み、pH値が約7.0~8.2であり、そのうち、上記インスリン誘導体はB29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン、又はB29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリンである。
【0045】
別の態様において、本発明の上記のインスリン誘導体又は上記薬物組成物は、薬物として使用される。
【0046】
別の態様において、本発明の上記のインスリン誘導体又は上記の薬物組成物は、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下を治療又は予防するための薬物として使用される。
【0047】
別の態様において、本発明の上記のインスリン誘導体又は上記の薬物組成物は、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下の治療又は予防に使用される。
【0048】
別の態様において、薬物の調製における、本発明の上記のインスリン誘導体又は上記の薬物組成物の用途を提供し、好ましくは、上記薬物は糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下の治療又は予防に使用される。
【0049】
幾つかの実施形態において、上記薬物は糖尿病の治療に使用され、上記インスリン誘導体は1日おきに又はそれ以下の頻度で同じ患者に投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、上記インスリンはそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない。
【0050】
幾つかの実施形態において、上記薬物は糖尿病の治療に使用され、上記インスリン誘導体は週に2回又はそれ以下の頻度で投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、上記インスリン誘導体はそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない。
【0051】
幾つかの実施形態において、上記薬物は糖尿病の治療に使用され、上記インスリン誘導体は週に1回又はそれ以下の頻度で投与され、また、平均して少なくとも1か月、6か月又は1年の期間に、上記インスリン誘導体はそれ以上の頻度で同じ患者に投与されない。
【0052】
本発明のインスリン誘導体(例えば、アシル化インスリン)は長い薬物動態的(以下、PKとも呼ばれる)特徴を有することで、糖尿病の患者への週に2回、週に1回又はそれ以下の頻度での皮下治療が可能になる。
【0053】
別の態様において、本発明は、糖尿病、高血糖症、及び/又は耐糖能低下を治療又は予防する方法を提供し、上記方法は、治療有効量の本発明の上記のインスリン誘導体又は上記の薬物組成物を投与することを含む。
【0054】
別の態様において、本発明は、アルブミンの存在下で、インスリン受容体へのインスリン誘導体の結合能力を向上させる方法を提供し、上記方法は、
連結基Linを介してアルブミン結合残基を天然に存在するインスリン又はインスリン類似体に連結することで、上記インスリン誘導体を得ることを含み、そのうち、上記連結基Linは少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、上記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基又は上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、又は
式(A)又は式(A’)により天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を修飾することで、上記インスリン誘導体を得ることを含み、
III-(II)-(I)- (A)
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
(A’)はIII-(II)-(I’)n’- (A’)であり、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である。
【0055】
別の態様において、本発明は、インスリン誘導体の効力を向上させる方法を提供し、上記方法は、連結基Linを介してアルブミン結合残基を天然に存在するインスリン又はインスリン類似体に連結することで、上記インスリン誘導体を得ることを含み、そのうち、上記連結基Linは少なくとも10個、好ましくは少なくとも15個、好ましくは少なくとも25個、好ましくは少なくとも30個、好ましくは少なくとも36個、好ましくは15~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個の炭素原子を有する親水性連結基であり、上記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含み、好ましくは、上記アルブミン結合残基は20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基又は上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、又は
式(A)又は式(A’)により天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を修飾することで、上記インスリン誘導体を得ることを含み、
III-(II)-(I)- (A)
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、nは5、6、7、8又は9であり、
Iは中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びIの間はアミド結合で連結され、及び
II及びIの式(A)における出現順番は独立的に交換可能であり、
(A’)はIII-(II)-(I’)n’- (A’)であり、
ただし、
mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、n’は整数であり、
I’は中性で、アルキレングリコールを含むアミノ酸残基であり、
IIは酸性アミノ酸残基であり、
IIIは、20~40個の炭素原子を有する線形又は分岐の親油性基を含むアルブミン結合残基であり、好ましくは、IIIは20~26個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸(より好ましくは、20~24個の炭素原子を含む脂肪酸又は脂肪族二酸)であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪酸のカルボキシ基及び上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、
III、II及びI’の間はアミド結合で連結され、
II及びI’の式(A’)における出現順番は独立的に交換可能であり、及び
(I’)n’の全炭素原子数は15~100個、好ましくは20~100個、好ましくは25~90個、好ましくは30~80個、好ましくは30~59個、好ましくは30~54個である。
【0056】
幾つかの実施形態において、mは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10であり、及び/又は
IIIは20~24個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されている。
【0057】
幾つかの実施形態において、上記天然に存在するインスリン又はインスリン類似体は、少なくとも1つのリジン残基を含み、連結基Lin、式(A)又は式(A’)は、上記インスリン母体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される。
【0058】
幾つかの実施形態において、nは5、6、7又は8であり、及び/又は
mは1、2、3、4、5又は6であり、好ましくは、mは1、2、3又は4であり、好ましくは、mは1又は2であり、好ましくは、mは1であり、及び/又は
IIIは20~26個(好ましくは20~23個)の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、好ましくは、IIIは20、21又は22個の炭素原子を含む脂肪族二酸であり、ただし、形態上で、ヒドロキシ基は、既に上記脂肪族二酸のカルボキシ基のうちの一つから除去されており、及び/又は
上記インスリン母体は1つのリジン残基を含む。
【0059】
幾つかの実施形態において、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-(CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-(CH-O-(CH-NH-CO-CH-O-CH-CO-、-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-、又は-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、好ましくは、Iは-HN-(CH-O-(CH-O-CH-CO-であり、又は、I’は-HN-(CH-CH-O)10-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)11-CH-CO-、-HN-(CH-CH-O)12-CH-CO-、又は-HN-(CH-CH-CH-O)-CH-CO-であり、及び/又は
IIはγGlu、αGlu、βAsp、αAsp、γ-D-Glu、α-D-Glu、β-D-Asp又はα-D-Aspから選ばれるアミノ酸残基であり、好ましくは、IIはγGlu又はβAspから選ばれ、及び/又は
IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH19-CO-、HOOC-(CH20-CO-、HOOC-(CH21-CO-、HOOC-(CH22-CO-又はHOOC-(CH24-CO-であり、好ましくは、IIIはHOOC-(CH18-CO-、HOOC-(CH20-CO-又はHOOC-(CH22-CO-である。
【0060】
幾つかの実施形態において、式(A)はIのC末端を介して上記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結され、又は、式(A’)はI’のC末端を介して上記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基又はN末端アミノ酸残基のアミノ基に連結される。
【0061】
幾つかの実施形態において、式(A)又は式(A’)は上記インスリン母体のリジン残基のεアミノ基に連結される。
【0062】
幾つかの実施形態において、上記天然インスリン又はインスリン類似体のリジン残基はB29位に位置する。
【0063】
幾つかの実施形態において、上記天然に存在するインスリン又はインスリン類似体は、desB30ヒトインスリン、A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン、A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリン、ヒトインスリン、A21Gヒトインスリン、A21G、desB30ヒトインスリン、又はB28Dヒトインスリン、というインスリン又はインスリン類似体から選ばれ、好ましくは、上記インスリン母体はdesB30ヒトインスリン又はA14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1a】本発明の実施例1と2の化合物、インスリンデグルデク及び溶媒(vehicle)の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図1b図1aに対応して、本発明の実施例1と2の化合物、インスリンデグルデク及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図2a】本発明の実施例1と2の化合物、対照例2の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図2b図2aに対応して、本発明の実施例1と2の化合物、対照例2の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図3a】本発明の実施例1~3の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果及び作用時間を示す。
図3b図3aに対応して、本発明の実施例1~3の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図4a】本発明の実施例2の化合物、対照例3の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果及び作用時間を示す。
図4b図4aに対応して、本発明の実施例2の化合物、対照例3の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図5a】本発明の対照例3~4の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果及び作用時間を示す。
図5b図5aに対応して、本発明の対照例3~4の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図6a】本発明の実施例2、実施例4~5の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果及び作用時間を示す。
図6b図6aに対応して、本発明の実施例2、実施例4~5の化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図7a】本発明の実施例1の化合物及び溶媒の、ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果を示す。
図7b図7aに対応して、本発明の実施例1の化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図8a】本発明の対照例5、実施例15と16の表題化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果を示す。
図8b図8aに対応して、本発明の対照例5、実施例15と16の表題化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図9a】本発明の実施例2と4の化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)雌ラットに対する血糖降下効果を示す。
図9b図9aに対応して、本発明の実施例2と4の化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)雌ラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図10a】本発明の対照例5、実施例15と16の表題化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図10b図10aに対応して、本発明の対照例5、実施例15と16の表題化合物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図11a】本発明の対照例5と実施例16の表題化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果を示す。
図11b図11aに対応して、本発明の対照例5と実施例16の表題化合物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図12a】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果を示す。
図12b図12aに対応して、インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図13a】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果を示す。
図13b図13aに対応して、インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図14a】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの4回目投与前のマウス血糖を示す。
図14b】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの8回目投与前のマウス血糖を示す。
図14c】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの10回目投与前のマウス血糖を示す。
図15a】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの4回目投与から1時間後のマウス血糖を示す。
図15b】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの8回目投与から1時間後のマウス血糖を示す。
図15c】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスへの10回目投与から1時間後のマウス血糖を示す。
図16】インスリンアスパルト、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図17a】本発明の実施例4の化合物、インスリンデグルデク及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果を示す。
図17b図17aに対応して、本発明の実施例4の化合物、インスリンデグルデク及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図18a】インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果を示す。
図18b図18aに対応して、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図19】インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、STZ誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスに対するHbA1c降下効果を示す。
図20a】インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果を示す。
図20b図20aに対応して、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒の、db/dbマウスに対する血糖降下効果のAUCを示す。
図21a】インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒を注射した後のdb/dbマウスのランダム血糖を示す。
図21b図21aに対応して、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒を注射した後のdb/dbマウスのランダム血糖のAUCを示す。
図21c】インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒を注射した後のdb/dbマウスの空腹時血糖を示す。
図21d図21cに対応して、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトのデュアルインスリン成分を含む薬物組成物及び溶媒を注射した後のdb/dbマウスの空腹時血糖のAUCを示す。
図22】2%のHSA及び0%のHSAの存在下で、本発明の実施例2の化合物及び対照化合物2のそれぞれの受容体結合能力の状況を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
定義
ここで、インスリンという用語は、ヒトインスリンなどの天然に存在するインスリン、及びそのインスリン類似体、インスリン誘導体を含む。
【0066】
インスリン類似体という用語は、形態上で、天然インスリンに存在する1つ又は複数のアミノ酸残基の欠乏及び/又は置換(置換え)、及び/又は1つ又は複数のアミノ酸残基の追加により、天然に存在するインスリン(例えば、ヒトインスリン)の構造から誘導可能な分子構造を有するポリペプチドを含む。追加及び/又は置換されるアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基、又は他の天然に存在するアミノ酸残基、又は純粋な合成アミノ酸残基であってよい。好ましくは、追加及び/又は置換されるアミノ酸残基はコード可能なアミノ酸残基である。
【0067】
ここで、「インスリン誘導体」という用語は、化学的に修飾された天然に存在するインスリン又はインスリン類似体を指し、この修飾は、例えば、インスリン骨格の1つ又は複数の位置への側鎖の導入、又はインスリン上のアミノ酸残基の基の酸化又は還元、又は遊離カルボキシ基のエステル基への変換、又は遊離アミノ基又はヒドロキシ基のアシル化であってよい。本発明のアシル化インスリンは、インスリン誘導体に属する。
【0068】
「インスリン母体」という用語は、インスリン誘導体又はアシル化インスリンのインスリン部分(本願では、母体インスリンとも呼ばれる)を指し、例えば、本発明において、インスリン誘導体又はアシル化インスリンの、側鎖に連結されていない、又はアシル基が追加されていない部分を指す。インスリン母体は、ヒトインスリンやブタインスリンなど、天然に存在するインスリンであってよい。一方、母体インスリンはインスリン類似体であってよい。
【0069】
ここで、「アミノ酸残基」という用語は、その中の水素原子が既にアミノ基から除去され、及び/又はヒドロキシ基が既にカルボキシ基から除去され、及び/又は水素原子が既にスルフヒドリル基から除去されたアミノ酸を含む。不正確に、アミノ酸残基はアミノ酸と呼ばれてよい。
【0070】
特に断りのない限り、本願に言及されたアミノ酸はいずれも、L-アミノ酸である。
「アルブミン結合残基」という用語は、ヒト血清アルブミンに非共有的に結合可能な残基を指す。インスリンに連結されたアルブミン結合残基は通常、ヒト血清アルブミンに対して、例えば、約10μM未満、さらに約1μM未満の結合親和力を有する。アルブミン結合性は、「J.Biol.Chem.277(38)、35035-35042、(2002)」という文献に記載された表面プラズモン共鳴によって測定することができる。
【0071】
本願において、「親水性連結基」とは、少なくとも6個の非水素原子を含む化学部分(moiety)によりインスリン母体とアルブミン結合残基が分離された連結基であり、これらの非水素原子には、30~50%がN又はOである。
【0072】
「親油性」とは、脂肪、油、脂質及び親油性非極性溶剤(ヘキサン又はトルエンなど)に溶解する基の能力を指す。親油性基は、例えば脂肪、脂肪酸、脂肪族二酸などを含むが、これらに限定されず、一般的に「脂質尾部」を有し、これらの親油性基に存在する脂質尾部は、脂質尾部に二重結合が含まれているかどうかによって、飽和であっても、不飽和であってもよい。脂質尾部には、様々な長さを含んでもよく、例えば、7~12個の炭素を有する尾部(例えば、C7-12アルキル基又はC7-12アルケニル基)、13~22個の炭素を有する尾部(例えば、C13-22アルキル基又はC13-22アルケニル基)、又は23~30個の炭素を有する尾部(例えば、C23-30アルキル基又はC23-30アルケニル基)である。
【0073】
ここで、アルキレングリコールという用語は、オリゴ/ポリアルキレングリコール部分及びモノアルキレングリコール部分を含む。モノアルキレングリコールとポリアルキレングリコールは、例えば、モノエチレングリコールとポリエチレングリコールに基づく鎖、モノプロピレングリコールとポリプロピレングリコールに基づく鎖、及びモノブチレングリコールとポリブチレングリコールに基づく鎖、即ち繰り返し単位である-CHCHO-、-CHCHCHO-又は-CHCHCHCHO-に基づく鎖を含む。アルキレングリコール部分は、単分散(明確に定義された長さ/分子量を有する)であっても、多分散(明確に定義されていない長さ/平均分子量を有する)であってもよい。モノアルキレングリコール部分は、それぞれの末端に異なる基が含まれた-OCHCHO-、-OCHCHCHO-又は-OCHCHCHCHO-を含む。
【0074】
「脂肪酸」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を有し、飽和又は不飽和である直鎖又は分岐鎖脂肪族カルボン酸を含む。脂肪酸の非限定的な例は、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸及びエイコサン酸である。
【0075】
ここで、「脂肪族二酸」という用語は、少なくとも2つの炭素原子を有し、飽和又は不飽和である直鎖又は分岐鎖脂肪族ジカルボン酸を含む。脂肪族二酸の非限定的な例は、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸及びテトラコサン二酸である。
【0076】
本願において、速効型インスリンは、速効型の天然に存在するインスリン、インスリン類似体及びインスリン誘導体を含む。速効型インスリンは一般的に、例えば1~20分間以内に作用し始め、約1時間後にピークに達し、且つ3~5時間作用し続ける。
【0077】
「基礎インスリン」という用語は、通常又は正常なヒトインスリンよりも作用持続期間が長いインスリンを意味する。
【0078】
本願において、「化学的安定性」という用語は、化学的に、本発明のインスリン誘導体が所望の製剤において十分に安定していることを指す。すなわち、最終的な薬物生成物の有効期限を損なわない量の化学分解生成物のみが形成される。化学分解生成物は、脱アミド化生成物、イソアスパラギン酸エステルの形成、二量体の形成、ラセミ化生成物、脱水プロセスなどから生じた生成物を含む。化学的安定性は、老化した試料又は製剤のHPLC分析によって測定することができる。
【0079】
本願において、「インスリン受容体への結合能力」とは、インスリンとインスリン受容体との間の相互作用を指し、このような相互作用の大きさ又は強度は、例えば、表面プラズモン共鳴(SPR)によって測定することができる。例えば、SPRによって測定する場合は、インスリンを含む溶液がインスリン受容体でコーティングされたチップを流れると、インスリンとインスリン受容体による相互作用により、SPRの偏向角が変化することになり、このような変化は通常、相対応答値で表され、一般的に、相対応答値が大きいほど、インスリン受容体への結合能力が高くなることを示す。
【0080】
高い物理的安定性は、フィブリル化傾向がヒトインスリンのフィブリル化傾向の50%よりも小さいことを意味する。フィブリル化は、所定の条件でフィブリルが形成され始めるまでの遅延時間によって説明できる。
【0081】
インスリン受容体及びIGF-1受容体親和力を有するポリペプチドは、適切な結合測定においてインスリン受容体及びヒトIGF-1受容体と相互作用可能なポリペプチドを指す。このような受容体の測定は、当該分野で周知のことである。
【0082】
本願において、「薬効」又は「効力」とは、ある作用又は効果(例えば、血糖降下)を生じる薬物又は活性化合物の能力を指す。例えば、同じ用量を投与する場合、本発明のインスリン誘導体はインスリンデグルデク又は他の既存のインスリン誘導体と比べて、より高い血糖降下の効果又は作用が生じられる。
【0083】
「糖尿病」という用語は、1型糖尿病、2型糖尿病、妊娠糖尿病(妊娠中)、及び高血糖症を引き起こす他の状態を含む。この用語は、膵臓が不十分なインスリンを産生し、又は体の細胞がインスリンに適切に応答できないため、細胞によるグルコースの吸収が阻害される代謝障害に使用される。その結果、グルコースは血中に蓄積する。
【0084】
1型糖尿病は、インスリン依存性糖尿病(IDDM)及び若年発症糖尿病とも呼ばれ、β-細胞の破壊によって引き起こされ、一般的に、絶対的なインスリン欠乏になる。2型糖尿病は、非インスリン依存性糖尿病(NIDDM)及び成人発症糖尿病とも呼ばれ、主要なインスリン抵抗性、及びそれによる相対的なインスリン欠乏、及び/又はインスリン抵抗性を有する主要なインスリン分泌障害に関連している。
【0085】
本願に使用される「GLP-1類似体」又は「GLP-1の類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))の変異体であるペプチド又は化合物を指し、そのうち、GLP-1(7-37)の1つ又は複数のアミノ酸残基が置換され、及び/又はその中の1つ又は複数のアミノ酸残基が欠乏され、及び/又はそれに1つ又は複数のアミノ酸残基が追加されている。具体的に、GLP-1(7-37)の配列は配列表中のSEQ ID NO:15に示される。SEQ ID NO:15に示される配列を有するペプチドは、「天然」GLP-1又は「天然」GLP-1(7-37)と呼ばれてもよい。
【0086】
配列表において、SEQ ID NO:15の最初のアミノ酸残基(ヒスチジン)は、1と番号付けられている。しかし、以下では、この分野で確立された慣例に従って、当該ヒスチジン残基の番号は7と決められ、かつ、その後のアミノ酸残基もそれに従って番号付けられ、最後は番号37のグリシンである。従って、一般的に、本願で言及されるGLP-1(7-37)配列のアミノ酸残基の番号付け又は位置の番号付けは、位置7のHisで始まり、位置37のGlyで終わる配列である。
【0087】
[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドは、GLP-1(7-37)(SEQ ID NO:15)の位置8及び位置34に対応する位置でそれぞれGly及びArgを有するGLP-1類似体である。[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドは、GLP-1(7-37)(SEQ ID NO:15)の位置34に対応する位置でArgを有するGLP-1類似体である。具体的に、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド及び[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドのアミノ酸配列は、それぞれ配列表中のSEQ ID NO:16及びSEQ ID NO:17に示される。
【0088】
GLP-1ペプチド又はその類似体の場合、本願に使用される「誘導体」という用語は、1つ又は複数の置換基が既に上記ペプチドと共有結合されている、化学的に修飾されたGLP-1ペプチド又は類似体を指す。置換基は、側鎖と呼ばれてもよい。
【0089】
本願において、インスリン又はGLP-1化合物の命名は、以下の原則に従って実施され、すなわち、ヒトインスリンに対する突然変異及び修飾(例えば、アシル化)、又は天然GLP-1(7-37)の突然変異及び修飾(例えば、アシル化)によって、名前が付けられる。アシル基部分の命名は、IUPAC命名法に従って、及び他の場合では、ペプチド命名法に従って命名される。例えば、下記のアシル基部分を命名する。
【0090】
【化1】
【0091】
例えば、「エイコサンジアシル-γGlu-OEG-OEG」、「エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG」又は「エイコサンジアシル-gGlu-2xOEG」又は「19-カルボキシノナデカノイル-γGlu-OEG-OEG」と命名することができ、ただし、OEGは-NH(CHO(CHOCHCO-(即ち、2-[2-(2-アミノエトキシ)エトキシ]アセチル)という基の略語を示し、γGlu(及びgGlu)は、L配置であるアミノ酸γグルタミン酸の略語である。又は、アシル基部分は、IUPAC命名法(OpenEye、IUPAC形式)に従って命名することができる。当該命名法に従って、本発明の上記アシル基部分は、[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル]、又は[2-[2-[2-[2-[2-[2-[(4S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリル]-アミノ]-エトキシ]-エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]と呼ばれる。
【0092】
例えば、本発明の対照例2のインスリン(以下に示される配列/構造を有する)は、「B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」、「B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」、又は「B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」と呼ばれ、ヒトインスリン中の位置B29のアミノ酸Kが既にB29のリジン残基のε窒素(N(ε)又は(N(ε)と呼ばれる)で残基であるエイコサンジアシル-gGlu-2xOEGによりアシル化されて修飾され、且つヒトインスリン中の位置B30のアミノ酸Tが欠乏されていることを示す。また、例えば、対照例5のインスリン(以下に示される配列/構造を有する)は、「A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)エイコサンジアシル-gGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」又は「A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン」と呼ばれ、ヒトインスリン中の位置A14のアミノ酸Yが既にEに突然変異され、ヒトインスリン中の位置B16のアミノ酸Yが既にHに突然変異されて、ヒトインスリン中の位置B25のアミノ酸Fが既にHに突然変異され、ヒトインスリン中の位置B29のアミノ酸Kが既にB29のリジン残基のε窒素(N(ε)と呼ばれる)で残基であるエイコサンジアシル-gGlu-2xOEGによりアシル化されて修飾され、且つヒトインスリン中の位置B30のアミノ酸Tが欠乏されていることを示す。
【0093】
【化2】
【0094】
本願において、「nxPEG」は、-NH(CHCHO)CHCO-という基を示し、ただし、nは整数である。例えば、「12xPEG」は、-NH(CHCHO)12CHCO-という基を示す。
【0095】
インスリンは、膵臓中のβ-細胞から分泌されたポリペプチドホルモンであり、AとBその2本のポリペプチド鎖からなり、上記A鎖とB鎖は2つの鎖間ジスルフィド結合によって連結されている。また、上記A鎖は、1つの鎖内ジスルフィド結合を有することを特徴とする。
【0096】
微生物においてヒトインスリンを調製するには、主に3つの方法がある。2つは大腸菌に関するが、その1つは、細胞質において融合タンパク質を発現することによるものであり(Frank et al.(1981)in Peptides:Proceedings of the 7th American Peptide Chemistrysymposiμm(Rich & Gross、eds.)、Pierce Chemical Co.、Rockford、III.ページ729~739)、もう1つは、細胞周辺腔に分泌できるようにシグナルペプチドを使用するものである(Chan et al.(1981)PNAS 78:5401~5404)。3つ目の方法は、インスリン前駆体が培地に分泌されるように出芽酵母を使用するものである(Thim et al.(1986)PNAS 83:6766~6770)。従来技術には、大腸菌又は出芽酵母においてインスリン前駆体を発現させる方法が多く開示されていて、例えば、米国特許第5,962,267号、WO95/16708、EP0055945、EP0163529、EP0347845及びEP0741188が参照される。
【0097】
インスリン類似体のベクターの構築、発現、処理及び精製は、当業者の公知の技術で実施することができる。例えば、米国特許第6500645号に開示されている公知の技術により、適切な宿主細胞において目標インスリン類似体をコードするDNA配列を発現させることで、上記インスリン類似体を調製することができる。例えば、下記の文献で報告された方法によりインスリン類似体を調製してもよい:Glendorf T、Sφrensen AR、Nishimura E、Pettersson I、& Kjeldsen T:Importance of the solvent-Exposed Residues of the Insulin B Chain α-Helix for Receptor Binding、Biochemistry 2008 47 4743-4751。当該文献では、オーバーラップエクステンションPCRにより、インスリンをコードするベクターに突然変異を導入する。インスリン類似体は、Ala-Ala-Lys小C-ペプチドを有するプレインスリン様融合タンパク質として出芽酵母菌株MT663において発現される。加水分解アクロモバクター(A.lyticus)エンドプロテアーゼにより、単鎖前駆体は、酵素的に二本鎖desB30類似体に変換される。
【0098】
単離されたインスリン類似体は、この分野での公知のアシル化方法により所望の位置でアシル化することができ、このようなインスリン類似体の例は、例えば、公開番号がCN1029977C、CN1043719A及びCN1148984Aである中国特許出願に記載されている。
【0099】
コードする各インスリン類似体のポリペプチドの核酸配列は、Beaucage et al.(1981)Tetrahedron Letters 22:1859~1869に記載された方法、又はMatthes et al.(1984)EMBO Journal 3:801~805に記載された方法などの確立された標準的な方法により合成して調製することができる。
【0100】
「賦形剤」という用語は、広義的に、活性治療成分以外の任意の成分を指す。賦形剤は、不活性物質、活性のない物質及び/又は薬学的活性のない物質であってもよい。
【0101】
賦形剤は、薬物組成物によって、例えば、担体、溶媒、希釈剤、錠剤補助剤とする、及び/又は活性物質の投与及び/又は吸収を改善するといった様々な目的に使用することができる。賦形剤の例としては、希釈剤、緩衝剤、防腐剤、張力調整剤(張性剤又は等張化剤とも呼ばれる)、キレート剤、界面活性剤、プロテアーゼ阻害剤、湿潤剤、乳化剤、抗酸化剤、充填剤、金属イオン、油性溶媒、タンパク質及び/又は双性イオン及び安定剤が含まれるが、これらに限定されない。
【0102】
薬学的活性成分及び様々な賦形剤の薬物組成物は、この分野で知られているものであり、例えば、Remington:The science and Practice of Pharmacy(例えば、第19版(1995)及びそれ以降の任意のバージョン)が参照される。
【0103】
患者の便宜上、患者は、本発明のアシル化インスリンの投与から本発明のアシル化インスリンの次の投与までの時間間隔(時間遅延)を日数で同じ長さ又はほぼ同じ長さにすることを好むと仮定する。さらに、患者は、アシル化インスリンを週に1回、すなわち、毎週の日曜日など、毎週の同じ曜日に投与することを好むと予想してもよい。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、これは6日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことになる。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、5日おきに又はほぼ5日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、4日おきに又はほぼ4日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、3日おきに又はほぼ3日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。さらに、他の患者は、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、週に2回、例えば、各回の投与の間に約3~4日おきにアシル化インスリンを投与することが有利であると感じ得る。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、2日おきに又はほぼ2日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。他の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、1日おきに又はほぼ1日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。一部の患者にとっては、1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、7日おきに又はほぼ7日おきにアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことが必要であり得る。さらに、他の患者は、毎週、毎月又は毎年に、正確な同じ長さの時間間隔(日数)でアシル化インスリンを投与しない可能性がある。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、一部の患者は、場合によっては、5日~7日おきの時間間隔でアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、他の患者は、場合によっては、4日~6日おきの時間間隔でアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。1か月、6か月又は1年の期間で平均すると、さらに、他の患者は、場合によっては、3日~7日おきの時間間隔でアシル化インスリンを投与し、且つそれ以上の頻度で投与しないことができる。
【0104】
本発明の主な標的となる疾患及び病状は、糖尿病(1型又は2型)又は高血糖症を特徴とする他の病状であるというものの、大体、その中のインスリンの代謝作用が臨床的関連性又はメリットを有する代謝疾患及び病状であり、例えば、前糖尿病、耐糖能障害、メタボリックシンドローム、肥満、悪液質、インビボのβ-細胞損傷/死亡、過食症や炎症などである。これらのタイプの病状はすべて、上記疾患又は病状を罹患した対象の安定した代謝状態から利益を得ることが知られている、又は考えられている。いずれにせよ、インスリンの投与を含む何れの治療方法も、本発明の教示を実施することにより変更することができ、これは、このような治療法が本願により提供される長時間作用型インスリンの投与を含むことを意味する。
【実施例
【0105】
以下の実施例は、限定的ではなく、例示的に提供される。
本願に使用される略語は以下の通りである。
【0106】
OEGは、アミノ酸残基-NH(CHO(CHOCHCO-である。
OSuは、スクシンイミド-1-イルオキシ-2,5-ジオキソ-ピロリジン-1-イルオキシである。
【0107】
OtBuは、オキシ-tert-ブチルである。
HClは、塩化水素である。
【0108】
γGlu又はgGluは、γL-グルタミル基である。
NHSは、N-ヒドロキシスクシンイミドである。
【0109】
DCCは、ジシクロヘキシルカルボジイミドである。
AEEAは、2-(2-(2-アミノエトキシ)エトキシ)酢酸である。
【0110】
OHは、ヒドロキシラジカルである。
CHCNは、アセトニトリルである。
【0111】
Glyは、グリシンである。
Argは、アルギニンである。
【0112】
TFAは、トリフルオロ酢酸である。
HbA1cは、糖化ヘモグロビンである。
【0113】
AUCは、時間-血糖曲線の曲線下面積である。
RUは、応答単位(Response unit)である。
【0114】
以下の実施例及び一般的な方法は、明細書と合成方案で決定された中間化合物と最終生成物を対象とする。以下の実施例により本発明の化合物の調製を詳しく説明するが、記載される化学反応は、本発明の化合物の調製への一般的な適用性によって開示される。場合によっては、上記反応は、上記の本発明の範囲内のすべての化合物に適用できない可能性がある。当業者は、このような状況が発生される化合物を容易に識別することができる。これらの場合、上記反応は、当業者に知られている通常の改善により、すなわち、干渉基への適切な保護により、他の通常の試薬への変更により、又は反応条件の通常の改善により、うまく行うことができる。何れの調製方法においても、すべての原料は既知のものであり、又は既知の原料を使用して容易に調製することができる。何れの温度も摂氏で示され、特に明記のない限り、収率に言及する場合、すべての部分及び百分率は重量で示され、溶剤及び溶出液に言及する場合、すべての部分は体積で示される。
【0115】
実施例1
B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-5xOEG)、desB30ヒトインスリン(化合物1)
【0116】
【化3】
【0117】
1.des(B30)ヒトインスリンの合成
des(B30)ヒトインスリンは、中国特許CN1056618Cの実施例11に記載の方法に従って調製される。
【0118】
2.目標インスリンの調製
desB30ヒトインスリン(5g、0.876mmol)を100mMのNaHPO水溶液(150mL)に溶解し、アセトニトリル(100mL)を加え、1NのNaOHでpH10~12.5にpHを調整した。tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OSu)-OtBu(1.36g、0.964mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、インスリン溶液に徐々に加えた。pHを10~12.5に維持した。120分間後、反応混合物を水(150mL)に加え、1NのHCl水溶液でpHを5.0に調整した。遠心分離により沈殿を分離し、凍結乾燥させた。粗生成物をトリフルオロ酢酸(60mL)とジクロロメタン(60mL)の混合溶液に加え、室温下で30分間撹拌した。混合物を約30mLに濃縮し、氷冷したn-ヘプタン(300mL)に注ぎ、ろ過により沈殿した生成物を分離し、n-ヘプタンで2回洗浄した。真空で乾燥した後、イオン交換クロマトグラフィー(Resource Q、42.5%のエタノールにおける0.25%~1.25%の酢酸アンモニウム勾配、pH7.5)、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル、水、TFA)により精製し、精製された画分を合併し、1NのHClでpHを5.2に調整し、沈殿物を分離し、凍結乾燥させ、表題化合物1を得た。
【0119】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1377.53[M+5H]5+
3.中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OSu)-OtBuの調製
3.1 tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu
窒素ガス保護の条件下で、エイコサン二酸モノtert-ブチル(20g、50.17mmol)とNHS(5.77g、50.17mmol)をジクロロメタンに混合し、トリエチルアミン(13.95mL)を加え、得られた混濁混合物を室温下で撹拌してから、DCC(11.39g、55.19mmol)を加え、さらに一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、24.12g(収率97%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-OSuを得た。
【0120】
LC-MS(Scie×100API):m/z=496.36(M+1)+
3.2 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu(24.12g、48.66mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順にH-Glu-OtBu(10.88g、53.53mmol)、トリエチルアミン(12.49mL)、水を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。27.27g(収率96%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBuを得た。
【0121】
LC-MS(Scie×100API):m/z=584.44(M+1)+
3.3 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu(27.27g、46.71mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、順にトリエチルアミン(11.99mL)を加えて10min撹拌してから、NHS(5.38g、50.17mmol)とDCC(10.60g、51.38mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、メチルtert-ブチルエーテルを加え、30min撹拌し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを真空で一晩乾燥させ、25.76g(収率81%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuを得た。
【0122】
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)+
3.4 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu(25.76g、37.83mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順に2xAEEA(11.66g、37.83mmol)、トリエチルアミン(9.71mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。30.75g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBuを得た。
【0123】
LC-MS(Scie×100API):m/z=874.59(M+1)+
3.5 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu(30.75g、35.18mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(9.03mL)を加えて10分間撹拌し、さらにNHS(4.05g、35.18mmol)を加えてから、DCC(7.98g、38.70mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、31.09g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuを得た。
【0124】
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)+
3.6 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu(31.09g、32.01mmol)をジクロロメタン(350mL)に溶解して撹拌し、順に3xAEEA(14.52g、32.01mmol)、トリエチルアミン(8.90mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。38.99g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OH)-OtBuを得た。
【0125】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1309.81(M+1)+
3.7 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OH)-OtBu(38.99g、29.77mmol)をジクロロメタン(400mL)に溶解し、トリエチルアミン(8.28mL)を加えて10分間撹拌し、さらにNHS(3.43g、29.77mmol)を加えてから、DCC(6.76g、32.75mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、38.11g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(5xOEG-OSu)-OtBuを得た。
【0126】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1406.83(M+1)+
実施例2:
B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物2)
【0127】
【化4】
【0128】
実施例1のパート2と類似する工程に従って化合物2を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1406.28[M+5H]5+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0129】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1551.90(M+1)+
実施例3:
B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物3)
【0130】
【化5】
【0131】
実施例1のパート2と類似する工程に従って化合物3を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1464.30[M+5H]5+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(8xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0132】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1814.02(M+1)+
実施例4:
B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物4)
【0133】
【化6】
【0134】
実施例1のパート2と類似する工程に従って化合物4を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1411.88[M+5H]5+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0135】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1579.94(M+1)+
実施例5:
B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-8xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物5)
【0136】
【化7】
【0137】
実施例1のパート2と類似する工程に従って化合物5を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1469.91[M+5H]5+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(8xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0138】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1870.08(M+1)+
対照例1
B29K(N(ε)-ヘキサデカンジアシル-γGlu)、desB30ヒトインスリン (インスリンデグルデク、対照化合物1)
対照化合物であるインスリンデグルデクは、特許CN105820233Aの実施例4に従って調製された。
【0139】
対照例2
B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン (対照化合物2)
【0140】
【化8】
【0141】
実施例1のパート2と類似する工程に従って対照化合物2を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1290.22[M+5H]5+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0142】
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)+
対照例3
B29K(N(ε)-オクタデカンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン (対照化合物3)
【0143】
【化9】
【0144】
実施例1のパート2と類似する工程に従って対照化合物3を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1284.61[M+5H]5+
対照例4
B29K(N(ε)-オクタデカンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン (対照化合物4)
【0145】
【化10】
【0146】
実施例1のパート2と類似する工程に従って対照化合物4を調製した。
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1400.68[M+5H]5+
実施例6
db/dbマウスにおける薬効学的研究
この研究は、糖尿病の場合に、本発明のアシル化インスリンの血糖(BG)への調節効果を確認することを目的とする。
【0147】
肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)で、単回用量研究において実施例1~5のアシル化インスリン及び対照例1~4の対照化合物を試験した。9U/kg又は10U/kgの異なる用量で上記アシル化インスリンの血糖降下効果を試験した。
【0148】
8~9週齢の雄db/db(BKS/Lepr)マウスをバリア環境において適切な仕様の飼育ボックスで飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0149】
当日の実験開始前、時間-1/1h(午前9:30)に基礎血糖を評価し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に適合させて割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にアシル化インスリン9U/kg又は10U/kgが注射されるように処理し、そのうち、溶媒はグリセリン19.6mg/mL、フェノール1.5mg/mL、m-クレゾール1.72mg/mLを含み、亜鉛イオンの濃度は55μg/mLで、pH値は7.6であった。
【0150】
1.8又は2U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で1回投与した。約午前10:30(時間0)にアシル化インスリンを投与し、投与期間に動物に水を摂取させるが絶食させ、投与の3、6、9、12及び15時間後のマウスの血糖を評価した。摂食をシミュレートするために、試験中に、15時間の時点での血糖を検出した後に経口耐糖能試験(OGTT)を開始し、グルコース溶液(100mg/mL、10mL/kg)を胃内投与してから30min、60min、120min及び180min後に血糖を測定し、OGTT実験を連続的に3回実施した。予備実験の結果によると、最終回のOGTT実験では、試験化合物の薬効はほぼ無くなり、30時間の血糖評価後に終了した。
【0151】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。
【0152】
本発明のアシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0153】
試験の結果:
本発明のアシル化インスリン及び対照化合物のdb/dbマウスにおける血糖降下効果は、図1a~図6b、及び表1に示される通りであり、具体的に、
図1a及び図1bは、化合物1及び化合物2などの本発明のアシル化インスリンのdb/dbマウスに対する血糖降下効果がインスリンデグルデクよりも顕著に優れるとともに、有効作用時間がインスリンデグルデクよりも延長したことを示している。
【0154】
図2a及び図2bは、化合物1及び化合物2などの本発明のアシル化インスリンのdb/dbマウスに対する血糖降下効果も対照化合物2よりも顕著に優れ、本発明の化合物1及び化合物2の薬効が対照化合物2に対して、投与の0~16.5時間内にそれぞれ39.5%及び45.1%増加したことを示しており、表1に示されるとおりである。
【0155】
【表1】
【0156】
対照化合物2に対する薬効増加の百分率=[(AUC(試験化合物)-AUC(溶媒))/((AUC(対照化合物2)-AUC(溶媒))-1]*100%、ただし、試験化合物は本発明のアシル化インスリンを指す。
【0157】
図3a~3bは、本発明の化合物1、化合物2及び化合物3がいずれも非常に優れた薬効を有し、且つdb/dbマウスにおいて、30時間までモニタリングした時にも依然として有効であり、顕著に延長した血糖降下作用時間を有することを示している。
【0158】
図4a~5bは、化合物2などの本発明のアシル化インスリンのdb/dbマウスに対する血糖降下効果が対照化合物3及び対照化合物4よりも顕著に優れたことを示している。
【0159】
図6a~6bは、本発明の化合物4、化合物5及び化合物2がいずれも非常に優れた薬効を有し、且つdb/dbマウスにおいて、41時間までモニタリングした時にも依然として有効であり、顕著に延長した血糖降下作用時間を有することを示している。
【0160】
実施例7
ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットにおける薬効学的研究
体重180~220gの8週齢の雄wistarラットであった。バリア環境において適切な仕様の飼育ボックス(5匹/ボックス)で飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。4日間の順応期間後、12h絶食させ、ラットに60mg/kgでストレプトゾトシン(sigma)溶液(10mg/mL、0.1Mのクエン酸緩衝液中)を腹腔内注射した。投与後、ラットの突然の低血糖を防ぐように、飲用水にグルコース(20%)を適当に補給し、12h後に補給を中止した。ストレプトゾトシンを4d投与した後、ランダム血糖の検出を実施し、血糖値が20mmol/L以上のものを、後続の試験のためにT1DMモデルラットとして選択した。
【0161】
当日の実験開始前、時間-1/1h(午前9:30)に基礎血糖を評価し、ラットの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、ラットを溶媒群又は治療群に適合させて割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にアシル化インスリン3U/kgが注射されるように処理し、そのうち、溶媒はグリセリン19.6mg/mL、フェノール1.5mg/mL、m-クレゾール1.72mg/mLを含み、亜鉛イオンの濃度は55μg/mLで、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0162】
1.5U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は2mL/kg(即ち、0.2mL/100gの体重)であった。皮下投与により、頸背部の皮下に1回投与した。約午前9:30(時間0)にアシル化インスリンを投与し、投与の2、4時間後のラットの血糖を評価した。4時間及び7時間後に、経口耐糖能試験(OGTT)をそれぞれ1回実施した(具体的には後述の通り)。
【0163】
経口耐糖能試験(OGTT)
検出時間:所定時点で尾の先端から採血して空腹時の血糖値(0min)を測定した後、グルコース溶液(100mg/mL又は200mg/mL、10mL/kg)を胃内投与し、次に糖負荷の30min、60min、120min及び180min後に血糖を測定した。
【0164】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器(ロシュ)及び付属の試験紙により測定した。
【0165】
それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。アシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。
【0166】
図7a~7bは、本発明のアシル化インスリンが1型糖尿病(T1DM)ラットにおいても非常に優れた血糖降下効果を有し、すなわち、非常に優れた薬効を有することを示している。
【0167】
実施例8
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物6)
【0168】
【化11】
【0169】
1.N-ε 26 -[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドの調製
一般的なタンパク質組換え発現方法により、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した(具体的な方法は、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Fourth Edition)、Michael R.Green、Cold spring Harbor Press、2012を参照する)。[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド(5g、1.48mmol)を100mMのNaHPO水溶液(150mL)に溶解し、アセトニトリル(100mL)を加え、1NのNaOHでpHをpH10~12.5に調整した。tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu(2xOEG-OSu)-OtBu(1.59g、1.63mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド溶液に徐々に加えた。pHを10~12.5に維持した。120分間後、反応混合物を水(150mL)に加え、1NのHCl水溶液でpHを5.0に調整した。遠心分離により沈殿を分離し、凍結乾燥させた。粗生成物をトリフルオロ酢酸(60mL)とジクロロメタン(60mL)の混合溶液に加え、室温下で30分間撹拌した。混合物を約30mLに濃縮し、氷冷したn-ヘプタン(300mL)に注ぎ、ろ過により沈殿した生成物を分離し、n-ヘプタンで2回洗浄した。真空で乾燥した後、生成物をイオン交換クロマトグラフィー(Resource Q、42.5%のエタノールにおける0.25%~1.25%の酢酸アンモニウム勾配、pH7.5)、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル、水、TFA)により精製し、精製された画分を合併し、1NのHClでpHを5.2に調整し、沈殿物を分離し、凍結乾燥させて表題化合物を得た。
【0170】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1028.79[M+4H]4+
2.中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの調製
2.1 tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu
窒素ガス保護の条件下で、エイコサン二酸モノtert-ブチル(20g、50.17mmol)とNHS(5.77g、50.17mmol)をジクロロメタン(400mL)に混合し、トリエチルアミン(13.95mL)を加え、得られた混濁混合物を室温下で撹拌してから、DCC(11.39g、55.19mmol)を加え、それをさらに一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、24.12g(収率97%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-OSuを得た。
【0171】
LC-MS(Scie×100API):m/z=496.36(M+1)+
2.2 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu(24.12g、48.66mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順にH-Glu-OtBu(10.88g、53.53mmol)、トリエチルアミン(12.49mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。27.27g(収率96%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBuを得た。
【0172】
LC-MS(Scie×100API):m/z=584.44(M+1)+
2.3 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu(OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu(27.27g、46.71mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.99mL)を加えて10分間撹拌し、さらにNHS(5.38g、50.17mmol)を加えてから、DCC(10.60g、51.38mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、メチルtert-ブチルエーテルを加え、30分間撹拌し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを真空で一晩乾燥させ、25.76g(収率81%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuを得た。
【0173】
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)+
2.4 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu(25.76g、37.83mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順に2xAEEA(11.66g、37.83mmol)、トリエチルアミン(9.71mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。30.75g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBuを得た。
【0174】
LC-MS(Scie×100API):m/z=874.59(M+1)+
2.5 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu(30.75g、35.18mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(9.03mL)を加えて10分間撹拌し、さらにNHS(4.05g、35.18mmol)を加えてから、DCC(7.98g、38.70mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて水洗し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、ろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、31.09g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuを得た。
【0175】
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)+
実施例9
N-ε26-[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物7)
【0176】
【化12】
【0177】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -[2-(2-[2-(4-[19-カルボキシノナデカノイルアミノ]-4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0178】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=992.52[M+4H]4+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例8のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0179】
LC-MS(Scie×100API):m/z=826.54(M+1)+
実施例10
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物8)
【0180】
【化13】
【0181】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0182】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=956.25[M+4H]4+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの調製は、実施例8のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0183】
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)+
実施例11
N-ε26-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物9)
【0184】
【化14】
【0185】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0186】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=959.75[M+4H]4+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの調製は、実施例8のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0187】
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)+
実施例12
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物10)
【0188】
【化15】
【0189】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0190】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1021.78[M+4H]4+
実施例13
N-ε26-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物11)
【0191】
【化16】
【0192】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0193】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=949.24[M+4H]4+
中間体tert-ブチルオクタデカンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuの調製は、実施例8のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0194】
LC-MS(Scie×100API):m/z=653.43 (M+1)+
実施例14:
N-ε26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド (化合物12)
【0195】
【化17】
【0196】
実施例8のパート1と類似する工程に従って、N-ε 26 -[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシヘンエイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチドを調製した。
【0197】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1035.80[M+4H]4+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例8のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0198】
LC-MS(Scie×100API):m/z=999.64(M+1)+
対照例5
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリン (対照化合物5)
【0199】
【化18】
【0200】
1.A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-2xOEG)、desB30ヒトインスリンの調製
通常のインスリン類似体の調製方法によりA14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンを調製した(具体的な方法は、Glendorf T、Sφrensen AR、Nishimura E、Pettersson I、&Kjeldsen T:Importance of thesolvent-Exposed Residues of the Insulin B Chain α-Helix for Receptor Binding、Biochemistry 2008 47 4743~4751を参照する)。A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリン(5g、0.888mmol)を100mMのNaHPO水溶液(150mL)に溶解し、アセトニトリル(100mL)を加え、1NのNaOHでpHをpH10~12.5に調整した。tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu(0.948g、0.976mmol)をアセトニトリル(50mL)に溶解し、インスリン溶液に徐々に加えた。pHを10~12.5に維持した。120分間後、反応混合物を水(150mL)に加え、1NのHCl水溶液でpHを5.0に調整した。遠心分離により沈殿を分離し、凍結乾燥させた。凍結乾燥した粗生成物をトリフルオロ酢酸(60mL)とジクロロメタン(60mL)の混合溶液に加え、室温下で30分間撹拌した。混合物を約30mLに濃縮し、氷冷したn-ヘプタン(300mL)に注ぎ、ろ過により沈殿した生成物を分離し、n-ヘプタンで2回洗浄した。真空で乾燥した後、イオン交換クロマトグラフィー(Resource Q、42.5%のエタノールにおける0.25%~1.25%の酢酸アンモニウム勾配、pH7.5)、逆相クロマトグラフィー(アセトニトリル、水、TFA)により精製し、精製された画分を合併し、1NのHClでpHを5.2に調整し、沈殿物を分離し、凍結乾燥させ、対照化合物5を得た。
【0201】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1063.6852[M+6H]6+
2.中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0202】
2.1 tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu
窒素ガス保護の条件下で、エイコサン二酸モノtert-ブチル(20g、50.17mmol)とNHS(5.77g、50.17mmol)をジクロロメタンに混合し、トリエチルアミン(13.95mL)を加え、得られた混濁混合物を室温下で撹拌してから、DCC(11.39g、55.19mmol)を加え、さらに一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、24.12g(収率97%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-OSuを得た。
【0203】
LC-MS(Scie×100API):m/z=496.36(M+1)+
2.2 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-OSu(24.12g、48.66mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順にH-Glu-OtBu(10.88g、53.53mmol)、トリエチルアミン(12.49mL)、水を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。27.27g(収率96%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBuを得た。
【0204】
LC-MS(Scie×100API):m/z=584.44(M+1)+
2.3 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-OtBu(27.27g、46.71mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(11.99mL)を加えて10min撹拌し、さらにNHS(5.38g、50.17mmol)を加えてから、DCC(10.60g、51.38mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、メチルtert-ブチルエーテルを加え、30min撹拌し、吸引ろ過し、ろ過ケーキを真空で一晩乾燥させ、25.76g(収率81%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBuを得た。
【0205】
LC-MS(Scie×100API):m/z=681.46(M+1)+
2.4 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu
tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(OSu)-OtBu(25.76g、37.83mmol)をジクロロメタン(250mL)に溶解して撹拌し、順に2xAEEA(11.66g、37.83mmol)、トリエチルアミン(9.71mL)、水(25mL)を加え、それを加熱して清澄な溶液を得て、当該溶液を室温下で4時間撹拌した。次に10%のクエン酸水溶液(200mL)を加え、分液し、下層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に下層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させた。30.75g(収率93%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBuを得た。
【0206】
LC-MS(Scie×100API):m/z=874.59(M+1)+
2.5 tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBu
窒素ガス保護の条件下で、tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OH)-OtBu(30.75g、35.18mmol)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、トリエチルアミン(9.03mL)を加えて10分間撹拌し、さらにNHS(4.05g、35.18mmol)を加えてから、DCC(7.98g、38.70mmol)を加えた。室温下で混合物を一晩撹拌した。ろ過し、得られたろ液をほぼ乾燥になるまで濃縮させ、残留物を冷たい水及び酢酸エチルと混合し、20分間撹拌し、分液し、上層有機相に飽和食塩水を加えて洗浄し、分液後に上層有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過後にろ液を減圧下でほぼ乾燥になるまで濃縮させ、真空で一晩乾燥させ、31.09g(収率91%)のtert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(2xOEG-OSu)-OtBuを得た。
【0207】
LC-MS(Scie×100API):m/z=971.61(M+1)+
実施例15
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物13)
【0208】
【化19】
【0209】
対照例5のパート1と類似する工程に従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-エイコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンを調製した。
【0210】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1160.3997[M+6H]6+
中間体tert-ブチルエイコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの調製は、対照例5のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0211】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1551.90(M+1)+
実施例16
A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリン (化合物14)
【0212】
【化20】
【0213】
対照例5のパート1と類似する工程に従って、化合物A14E、B16H、B25H、B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-6xOEG)、desB30ヒトインスリンを調製した。
【0214】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1165.0674[M+6H]6+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(6xOEG-OSu)-OtBuの調製は、対照例5のパート2と類似する工程に従って行われた。
【0215】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1579.94(M+1)+
実施例17
実施例7と類似する実験手順を参照して、ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットにおいて薬力学的研究を行った。
【0216】
当日の実験開始前、時間-1h(午前9:30)に基礎血糖を評価し、ラットの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、ラットを溶媒群又は治療群に割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下に対照例5、実施例15及び16の表題化合物(対照化合物5、化合物13及び化合物14)が注射されるように処理し、その用量は33.5U/kgで、そのうち、溶媒はフェノール5.65mg/mL、グリセリン15mg/mL、リン酸水素二ナトリウム0.708mg/mL、塩化ナトリウム0.585mg/mLを含み、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0217】
33.5U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は1mL/kg(即ち、0.1mL/100gの体重)であった。皮下投与(s.c.)により、頸背部の皮下に1回投与した。約午前9:30~10:00(時間0)にアシル化インスリンを投与し、投与の3h、6h、9h、24h、48h、72h、96h、120h後にラットの血糖をモニタリングした。
【0218】
それぞれの単回用量のアシル化インスリン(対照化合物5、化合物14、化合物13)について、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。アシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0219】
図8a~図8bは、本発明のアシル化インスリンが予想以上の増加した薬効を有し、例えば、対照例5の化合物と比べて、実施例15及び16の表題化合物である化合物13及び化合物14がいずれもSTZ誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットに対してより優れた血糖降下効果を有し、すなわち、より優れた薬効を有することを示している。
【0220】
実施例18
実施例17と類似する実験手順を参照して、ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)雌ラットにおいて薬力学的研究を行ったが、使用されたアシル化インスリンが実施例2と4の表題化合物(化合物2と化合物4)で、投与用量が67U/kgであることにおいて異なっている。
【0221】
実験の結果は図9a~図9bに示すように、本発明のアシル化インスリン化合物2及び化合物4が1型糖尿病(T1DM)雌ラットにおいても非常に優れた血糖降下効果を有し、すなわち、非常に優れた薬効を有することを示している。
【0222】
実施例19
db/dbマウスにおける薬効学的研究
実施例6と類似する実験手順を参照して、肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)で、単回用量研究において、対照例5、及び実施例15と16の表題化合物(すなわち、対照化合物5、化合物13と化合物14)を試験した。9U/kgの用量で上記アシル化インスリンの血糖降下効果を試験した。
【0223】
8~9週齢の雄db/db(BKS/Lepr)マウスをバリア環境において適切な仕様の飼育ボックスで飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0224】
当日の実験開始前、時間-1/1h(午前9:30)に基礎血糖を評価し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によってマウスを溶媒群又は治療群に適合させて割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にアシル化インスリン9U/kgが注射されるように処理し、そのうち、使用された溶媒はフェノール5.65mg/mL、グリセリン15mg/mL、リン酸水素二ナトリウム0.708mg/mL、塩化ナトリウム0.585mg/mLを含み、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0225】
1.8U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で1回投与した。約午前10:30(時間0)にアシル化インスリンを投与し、投与期間に動物に水を摂取させるが絶食させ、投与の3h、6h、9h、21.5h後のマウスの血糖を評価した。摂食をシミュレートするために、試験中に、21.5hの時点での血糖を検出した後に経口耐糖能試験(OGTT)を開始し、グルコース溶液(100mg/mL、7.5mL/kg)を胃内投与してから30min、60min、120min及び360min後に血糖を測定し、最初のOGTTで360minの血糖を測定した後に2回目のOGTT実験を開始し、グルコース溶液(50mg/mL、10mL/kg)を胃内投与してから30min、90min、210min及び360min後に血糖を測定した。2回目のOGTTで360min後の血糖を測定した後に3回目のOGTT実験を開始し、グルコース溶液(50mg/mL、10mL/kg)を胃内投与してから30min、60min、120min後に血糖を測定し、最終回のOGTT実験では、試験化合物の薬効がまだ消失しておらず、36時間の血糖を評価した後に実験を終了した。
【0226】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。アシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0227】
図10a~図10bは、対照化合物5と比べて、本発明のアシル化インスリン化合物14、化合物13が2型糖尿病db/dbマウスにおいて顕著に向上した血糖降下効果を有することを示している。
【0228】
実施例20
ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットにおける薬効学的研究
体重180~220gの8週齢のSDラット(雌と雄が半分ずつ)であった。バリア環境において適切な仕様の飼育ボックス(5匹/ボックス)で飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。4日間の順応期間後、12h絶食させ、ラットに60mg/kgでストレプトゾトシン(sigma)溶液(10mg/mL、0.1Mのクエン酸緩衝液中)を腹腔内注射した。ストレプトゾトシンを3日投与した後、ランダム血糖の検出を実施し、血糖値が20mmol/L以上のものを、後続の試験のためにT1DMモデルラットとして選択した。
【0229】
モデリングの14日後に試験を開始し、当日の実験開始前、時間-1/1h(午前9:30)に基礎血糖を評価し、ラットの体重を測定した。ランダム血糖と体重によってラットを溶媒群又は治療群に適合させて割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下に対照例5、実施例16の表題化合物(即ち、対照化合物5、化合物14)がそれぞれ注射されるように処理し、その用量は25U/kgで、そのうち、溶媒はフェノール5.65mg/mL、グリセリン15mg/mL、リン酸水素二ナトリウム0.708mg/mL、塩化ナトリウム0.585mg/mLを含み、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0230】
25U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は1mL/kg(即ち、0.1mL/100gの体重)であった。皮下投与により、頸背部に皮下投与し、毎回4日おきに4回繰り返し投与し、試験期間にSDラットを自由に摂食させた。約午前9:30~10:00(時間0)にアシル化インスリンを投与し、初回投与の3h、6h、9h、24h、48h、72h、96h後にラットの血糖をモニタリングした後、毎回投与の6h後及び24hごとにラットの血糖を1回モニタリングした。
【0231】
それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。アシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。
【0232】
図11a~11bに示されるように、対照化合物5と比べて、本発明のアシル化インスリンは投与された後、1型糖尿病(T1DM)ラットにおいて予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物14の血糖降下効果は対照化合物5よりも顕著に優れている。
【0233】
実施例21
ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスにおける薬効学的研究
この研究は、本発明のアシル化インスリン及びインスリンアスパルトを含む組成物のストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスにおける血糖(BG)への調節効果を確認することを目的とする。
【0234】
4~6週齢の雄C57/6Jマウス(維通利華から購入)をバリア環境において適切な仕様の飼育ボックスで飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0235】
順応期間後、動物を12時間絶食させ、マウスに150mg/kgでストレプトゾトシン(sigma)溶液(10mg/mL、0.1Mのクエン酸緩衝液中)を腹腔内注射した。ストレプトゾトシンを3日投与した後、ランダム血糖の検出を実施し、血糖値が20mmol/L以上のものを、後続の試験のためにT1DMモデルマウスとして選択した。
【0236】
当日の実験開始前に、マウスのランダム血糖を検出し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に割り当て、合計5群で、1群あたり8匹であり、各群はそれぞれ、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンアスパルト(0.36U/kg)が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク0.84U/kg及びインスリンアスパルト0.36U/kgを含む薬物組成物が注射され、又は、皮下に本発明の実施例4の表題化合物である化合物4及びインスリンアスパルを含む2種類の薬物組成物が注射されるように処理され、ただし、上記2種類の薬物組成物が注射される場合に、化合物4の注射用量はそれぞれ0.82U/kgと0.64U/kgで、インスリンアスパルトの注射用量は何れも0.36U/kgであり、そのうち、上記溶媒はグリセリン19.6mg/mL、フェノール1.5mg/mL、m-クレゾール1.72mg/mLを含み、亜鉛イオンの濃度は55μg/mLで、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0237】
0.072U/mLの投与濃度(予混合液におけるインスリンアスパルトの濃度で)になるまで化合物4とインスリンアスパルトの予混合液を溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で1回投与した。約午後16:00(時間0)に薬物を投与し、投与期間に動物に水を摂取させるが絶食させ、投与の0.5、1、2、3、6及び15時間後のマウスの血糖を評価した。
【0238】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。また、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。本発明の予混合インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0239】
図12a~12bは、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む薬物組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、1型糖尿病(T1DM)マウスにおいて予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりも小さい場合にも、同等以上の血糖降下効果が果たせることを示している。
【0240】
実施例22
実施例21と類似する工程に従って、本発明のアシル化インスリン及びインスリンアスパルトを含む組成物のストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスにおける血糖(BG)への調節効果を試験した。
【0241】
当日の実験開始前に、マウスのランダム血糖を検出し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に割り当て、合計7群で、1群あたり8匹であり、各群はそれぞれ、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンアスパルト(3U/kg)が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク7U/kg及びインスリンアスパルト3U/kgを含む薬物組成物が注射され、又は、皮下に本発明の実施例4の表題化合物である化合物4及びインスリンアスパルを含む4種類の薬物組成物が注射されるように処理され、ただし、上記4種類の薬物組成物が注射される場合に、化合物4の注射用量はそれぞれ6.79U/kg、5.34U/kg、3.84U/kg及び2.39U/kgで、インスリンアスパルトの注射用量は何れも3U/kgであり、そのうち、上記溶媒はグリセリン19.6mg/mL、フェノール1.5mg/mL、m-クレゾール1.72mg/mLを含み、亜鉛イオンの濃度は55μg/mLで、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0242】
0.6U/mLの投与濃度(予混合液におけるインスリンアスパルトの濃度で)になるまで化合物4とインスリンアスパルトの予混合液を溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で投与した。毎日午後約17:00(時間0)に薬物を投与し、10日間連続的に投与し、投与期間にマウスを自由に摂食させ、4回目、8回目、10回目の投与前(0h)のマウスの血糖、及び4回目、8回目、10回目の投与1時間後のマウスのランダム血糖を評価し、8回目の投与前(0h)の血糖及び投与の0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、16、24時間後のランダム血糖を検出した。最終回の投与後にマウスを1h絶食させ、眼窩から血液を採取し、全血中の糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)の百分率を検出した。
【0243】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。また、8回目の投与後の血糖-時間の用量応答曲線を作成した。本発明の予混合インスリンの血糖に対する影響を説明するために、8回目の投与後のそれぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0244】
図13a~図16は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、1型糖尿病(T1DM)マウスにおいて予想以上の増加した血糖降下薬効を有し、より優れた血糖降下累積効果を有することを示している。
【0245】
具体的に、図13a及び図13bは、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、1型糖尿病(T1DM)マウスにおいて予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れた血糖降下効果が果たせることを示している。
【0246】
図14a~図14cはそれぞれ、4回目、8回目、10回目の投与前(0h)の各投与群のマウスの血糖状況を示しており、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む薬物組成物は、より優れた薬効及びより優れた血糖降下累積効果を有することが明らかになる。
【0247】
図15a~図15cはそれぞれ、4回目、8回目、10回目の投与1時間後のマウスの血糖状況を示しており、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む薬物組成物は、より優れた薬効及びより優れた血糖降下累積効果を有することが明らかになる。
【0248】
図16は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、より優れたHb1Acを低下させる効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れたHb1Acを低下させる効果が果たせることを示している。
【0249】
実施例23
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0250】
アシル化インスリン製剤
4.8mMの最終濃度(pH値は約10~11)になるように、実施例4の表題化合物である化合物4を0.1%のNaOH溶液に溶解し、下記の表中の各成分の量に従って、フェノール、m-クレゾール、酢酸亜鉛、グリセリン及び塩化ナトリウムを順に加え、最終インスリン濃度が1.2mM(200U/mL又は8.46mg/mL)であるアシル化インスリン製剤が作製されたが、ただし、Znの含有量はZn/6モルのアシル化インスリン(「Zn/6ins」と略す)で示される。
【0251】
この実施例において、製剤の化学的安定性は、25℃及び37℃で14日間及び20日間保存した後の高分子量タンパク質(HMWP)の0日目に対する変化で示されてもよく、また、25℃及び37℃で14日間及び20日間保存した後の関連物質の量の変化で示されてもよい。
【0252】
高分子量タンパク質(HMWP)の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により高分子量タンパク質(HMWP)の含有量を測定し、型番と仕様がWaters Xbride BEH 200A(7.8*300mm)、5μmであるカラムで、カラムの温度が30℃、試料セルの温度が5℃である時に、移動相を用いて0.5mL/minの流速で試験し、ただし、上記移動相は、600mLの0.1%のアルギニン溶液、150mLの氷酢酸及び250mLのアセトニトリルを含む。検出波長は276nmで、試料注入量は10μlであった。表2は、25℃及び37℃で、0日目に対する14日目及び20日目のHMWPの増加量を示している。
【0253】
【表2】
【0254】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるHMWPの量の経時変化は非常に遅く増加していることが分かり、上記アシル化インスリン製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。特に、Znの含有量が6.5Zn/6insの場合は、5.5Zn/6insの場合と比べて、HMWPの量の増加がより遅くなる。
【0255】
関連物質の量の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりインスリン関連物質の含有量を測定し、Waters Kromasil 300A-5μm-C8(4.6*250mm)カラムで、カラムの温度が40℃、試料セルの温度が室温である時に、溶出相を用いて1.0mL/minの流速で試験した。溶出は、以下からなる移動相で行われた。
【0256】
A相は、0.1Mの無水硫酸ナトリウム、0.1Mのリン酸二水素ナトリウム二水和物、10%のアセトニトリル(v/v)を含み、NaOHでpH値を5.0に調整した。
【0257】
B相は50%のアセトニトリル(v/v)であった。
勾配:0~45minにおける45%/55%のA/Bから35%/65%のA/Bまでの線形変化、45~50minにおける20%/80%のA/Bまでの線形変化、50~60minにおける20%/80%のA/Bまでのアイソクラティック勾配、60~60.1minにおける45%/55%のA/Bまでの線形変化、60.1~70minにおける45%/55%のA/Bまでのアイソクラティック勾配。
【0258】
表3は、37℃で、0日目に対する14日目及び20日目の関連物質の増加量を示している。
【0259】
【表3】
【0260】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるインスリン関連物質の量の経時変化も非常に遅く増加していることが分かり、上記アシル化インスリン製剤は非常に安定していることが明らかになる。
【0261】
実施例24
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。下記の表4~6中の各成分の量によって、実施例23と類似する工程に従って、表4~6中のアシル化インスリン製剤を調製した。また、実施例23と類似する工程に従って、HMWP及び関連物質の変化を測定した。下記の表4~6は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWP及び関連物質の変化を示している。
【0262】
【表4】
【0263】
【表5】
【0264】
【表6】
【0265】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるHMWPの量、及び関連物質の量の経時変化は何れも遅く増加しており、特に、Znイオンの含有量が増え、又はNaHPOが加えられた時に、HMWPの量、及び関連物質の量はより遅く増加していることが分かり、本発明で得られたアシル化インスリン製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0266】
実施例25
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。下記の表7中の各成分の量によって、実施例23と類似する工程に従って、表8中のアシル化インスリン製剤を調製した。また、実施例26と類似する工程に従って、HMWP及び関連物質の変化を測定した。下記の表は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWP及び関連物質の変化を示している。
【0267】
【表7】
【0268】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるHMWPの量、及び関連物質の量の経時変化は何れも遅く増加していることが分かり、本発明で得られたアシル化インスリン製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0269】
実施例26
ストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)ラットにおける薬効学的研究
体重170~250gの8週齢のSDラット(雌と雄が半分ずつ)であった。バリア環境において適切な仕様の飼育ボックス(4匹/ボックス)で飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~70%、温度22℃~26℃に制御した。4日間の順応期間後、12h絶食させ、ラットに60mg/kgでストレプトゾトシン(sigma)溶液(10mg/mL、0.1Mのクエン酸緩衝液中)を腹腔内注射した。ストレプトゾトシンを4日及び8日投与した後、ランダム血糖の検出を実施し、血糖値が20mmol/L以上のものを、後続の試験のためにT1DMモデルラットとして選択した。
【0270】
モデリングの8日後に試験を開始し、投与の1日前に基礎血糖をモニタリングし、ラットの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、ラットを溶媒群又は治療群に適合させて割り当て、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク(50U/kg)、化合物4(25U/kg又は40U/kg)がそれぞれ注射されるように処理し、そのうち、溶媒はフェノール60mM、グリセリン15mg/mL、m-クレゾール10mM、塩化ナトリウム0.585mg/mLを含み、上記溶媒のpH値は7.4であった。
【0271】
25U/mL又は40U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は1mL/kg(即ち、0.1mL/100gの体重)であった。皮下投与により、頸背部に皮下投与し、1日おきに1回で、11回繰り返し投与し、試験期間にSDラットを自由に摂食させた。約午前9:30~10:30にアシル化インスリンを投与し、初回投与の3h、4h、5h、6h、24h、48h後にラットの血糖をモニタリングしてから、毎回投与の4h、24h、48h後にラットの血糖を1回モニタリングした。
【0272】
それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。アシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。
【0273】
図17a~17bに示されるように、インスリンデグルデクと比べて、本発明のアシル化インスリンは投与された後、1型糖尿病(T1DM)ラットにおいて予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4の血糖降下効果はインスリンデグルデクよりも顕著に優れている。
【0274】
実施例27
実施例21と類似する工程に従って、本発明のアシル化インスリン及びインスリンアスパルトを含む組成物のストレプトゾトシン(STZ)誘発性1型糖尿病(T1DM)C57/6Jマウスにおける血糖(BG)への調節効果を試験した。
【0275】
当日の実験開始前に、マウスのランダム血糖を検出し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に割り当て、合計8群で、1群あたり9匹(雄5匹、雌4匹)であり、各群はそれぞれ、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク7U/kg及びインスリンアスパルト3U/kgを含む薬物組成物が注射され、又は、皮下に本発明の実施例4の表題化合物である化合物4及びインスリンアスパルトを含む6種類の薬物組成物が注射されるように処理され、ただし、上記6種類の薬物組成物が注射される場合に、化合物4の注射用量はそれぞれ1.49U/kg、1.99U/kg、2.45U/kg、2.85U/kg、3.43U/kg及び3.92U/kgで、インスリンアスパルトの注射用量は何れも3U/kgであり、そのうち、上記溶媒はフェノール60mM、m-クレゾール10mM、グリセリン15mg/mL、NaHPO15mMを含み、上記溶媒のpH値は7.6であった。
【0276】
0.6U/mLの投与濃度(予混合液におけるインスリンアスパルトの濃度で)になるまで化合物4とインスリンアスパルトの予混合液を溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で投与した。毎日午後約16:00(時間0)に薬物を投与し、15日間連続的に投与し、投与期間にマウスを自由に摂食させ、1回目、2回目、5回目、8回目、15回目の投与前(0h)及び投与1時間後のマウスのランダム血糖を評価し、及び2回目、5回目、8回目、15回目の投与前(0h)の血糖及び投与の0.5、1、2、4、6、16、20、24時間後のランダム血糖を検出した。最終回の投与後にマウスを2h絶食させ、眼窩から血液を採取し、全血中の糖化ヘモグロビン(Hb1Ac)の百分率を検出した。
【0277】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。また、15回目の投与後の血糖-時間の用量応答曲線を作成した。本発明の予混合インスリンの血糖に対する影響を説明するために、15回目の投与後のそれぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0278】
図18a及び図18bは、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、1型糖尿病(T1DM)マウスにおいて予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れた血糖降下効果が果たせることを示している。
【0279】
図19は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物と比べて、より優れたHb1Acを低下させる効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れたHb1Acを低下させる効果が果たせることを示している。
【0280】
実施例28
db/dbマウスにおける薬効学的研究
この研究は、糖尿病の場合に、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトとを含む組み合わせの、肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)における血糖(BG)への調節効果を確認することを目的とする。
【0281】
8~9週齢の雄db/db(BKS/Lepr)マウスをバリア環境において適切な仕様の飼育ボックスで飼育し、標準餌と精製水を自由に摂取させ、環境条件を相対湿度40%~60%、温度22℃~24℃に制御した。1~2週間の順応期間後、実験に使用し始めた。
【0282】
当日の実験開始前に、マウスのランダム血糖を検出し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に割り当て、合計5群で、1群あたり8匹であり、各群はそれぞれ、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク7U/kg及びインスリンアスパルト3U/kgを含む薬物組成物が注射され、又は、皮下に本発明の実施例4の表題化合物である化合物4及びインスリンアスパルトを含む3種類の薬物組成物が注射されるように処理され、ただし、上記3種類の薬物組成物が注射される場合に、化合物4の注射用量はそれぞれ2.0U/kg、2.4U/kg、3.84U/kgで、インスリンアスパルトの注射用量は何れも3U/kgであり、そのうち、溶媒はフェノール60mM、m-クレゾール10mM、グリセリン15mg/mL、NaHPO15mMを含み、pH値は7.6であった。
【0283】
0.6U/mLの投与濃度になるまで上記アシル化インスリンを溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、頸背部に皮下注射で4回投与した。約午前9:30(時間0)にアシル化インスリンを投与し、投与期間に動物に水を摂取させるが絶食させ、投与の0.5、1、2、3、4、6、8、10及び12時間後のマウスの血糖を評価した。
【0284】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。それぞれの単回用量のアシル化インスリンについて、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。
【0285】
本発明のアシル化インスリンの血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0286】
図20a及び図20bは、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)において予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れた血糖降下効果が果たせることを示している。
【0287】
実施例29
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0288】
アシル化インスリン製剤
2.4mMの濃度になるように、実施例4の表題化合物である化合物4を0.03%のNaOH溶液に溶解してから、4%のNaOH溶液でpH値を7.4に調整し、下記の表中の各成分の量に従って、フェノール、m-クレゾール、グリセリン及び塩化ナトリウムを混合させた後に化合物4の溶液に加え、pH値を7.4に調整し、次に下記の表中の酢酸亜鉛の量に従って、平均して3回に分けて化合物4の溶液に加え、pH値を最終値に調整した。最終インスリン濃度が1.2mM(200U/mL又は8.46mg/mL)であるアシル化インスリン製剤が作製されたが、ただし、Znの含有量はZn/6モルのアシル化インスリン(「Zn/6ins」と略す)で示される。
【0289】
この実施例において、製剤の化学的安定性は、25℃及び37℃で14日間及び21日間保存した後の高分子量タンパク質(HMWP)の0日目に対する変化で示されてもよく、また、37℃で21日間保存した後の関連物質の量の変化で示されてもよい。
【0290】
高分子量タンパク質(HMWP)の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により高分子量タンパク質(HMWP)の含有量を測定し、型番と仕様がShodexTM PROTEIN KW-802.5(8.0mm ID×300mmL)であるカラムで、カラムの温度が30℃、試料セルの温度が5℃である時に、移動相を用いて0.5mL/minの流速で試験し、ただし、上記移動相は3Lの0.1%のアルギニン溶液、750mLの氷酢酸及び1250mLのアセトニトリルを含む。検出波長は276nmで、試料注入量は10μlであった。表8は、25℃及び37℃で、0日目に対する14日目及び21日目のHMWPの増加量を示している。
【0291】
【表8】
【0292】
上記の表から、本発明のアシル化インスリン製剤の上記pH値の範囲におけるHMWPの量の経時変化は非常に遅く増加していることが分かり、本発明のアシル化インスリン製剤は上記pH値の範囲においていずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0293】
関連物質の量の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によりインスリン関連物質の含有量を測定し、Waters Kromasil 100A-3.5μm-C8(4.6*250mm)カラムで、カラムの温度が40℃、試料セルの温度が10℃である時に、溶出相を用いて1.0mL/minの流速で試験した。溶出は、以下からなる移動相で行われた。
【0294】
A相は、0.1Mの無水硫酸ナトリウム、0.1Mのリン酸二水素ナトリウム二水和物、10%のアセトニトリル(v/v)を含み、濃リン酸でpH値を3.0に調整した。
【0295】
B相は60%のアセトニトリル(v/v)であった。
勾配:0~40minにおける41.3%/58.7%のA/Bのアイソクラティック勾配、40~50minにおける0%/100%のA/Bまでの線形変化、50~51minにおける41.3%/58.7%のA/Bまでの線形変化、51~65minにおける41.3%/58.7%のA/Bまでのアイソクラティック勾配。表9は、37℃で、0日目に対する21日目の関連物質の増加量を示している。
【0296】
【表9】
【0297】
上記の表から、本発明のアシル化インスリン製剤の上記pH値の範囲における関連物質の量の経時変化も非常に遅く、本発明の上記アシル化インスリン製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが分かる。
【0298】
実施例30
本実験は、本発明のアシル化インスリン製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。下記の表10及び表11中の各成分の量によって、実施例29と類似する工程に従って、表10及び表11中のアシル化インスリン製剤を調製した。また、実施例29と類似する工程に従って、HMWP及び関連物質の変化を測定した。下記の表10及び11は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWP及び関連物質の変化を示している。
【0299】
【表10】
【0300】
【表11】
【0301】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリン製剤におけるHMWPの量、及び関連物質の量の経時変化は何れも遅く増加していることが分かり、本発明で得られたアシル化インスリン製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0302】
実施例31
本実験は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0303】
このアシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤に対しては、表12にリストされた各成分の量に従って組み合わせ1~5を調製した。化合物4は、そのZnの含有量がZn/6モルのアシル化インスリン(「Zn/6ins」と略す)で示される。
【0304】
【表12】
【0305】
この実施例において、製剤の化学的安定性は、37℃で14日間及び28日間保存した後の高分子量タンパク質(HMWP)の0日目に対する変化で示すことができる。
【0306】
高分子量タンパク質(HMWP)の測定
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により高分子量タンパク質(HMWP)の含有量を測定し、型番と仕様がTskgel、G2000sWXL、5μm(7.8×300mm)であるカラムで、カラムの温度が30℃、試料セルの温度が10℃である時に、移動相を用いて0.5mL/minの流速で試験し、ただし、上記移動相は400mLのイソプロピルアルコール、300mLの氷酢酸及び300mLの水を含む。検出波長は276nmで、試料注入量は10μlであった。表13は、37℃で、0日目に対する14日目及び28日目のHMWPの増加量を示している。
【0307】
【表13】
【0308】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤におけるHMWPの量の経時変化は非常に遅く増加していることが分かり、上記複合製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0309】
実施例32
本実験は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0310】
下記の表14中の各成分の量によって組み合わせ6~10を調製した。また、実施例31と類似する工程に従って、HMWPの変化を測定した。下記の表15は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWPの変化を示している。
【0311】
【表14】
【0312】
【表15】
【0313】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤におけるHMWPの量の経時変化は非常に遅く増加していることが分かり、上記複合製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0314】
実施例33
本実験は、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤の化学的安定性を測定することを目的とする。
【0315】
下記の表16中の各成分の量によって組み合わせ11及び12を調製した。また、実施例31と類似する工程に従って、HMWPの変化を測定した。下記の表17は、異なる配合法によるアシル化インスリン製剤のHMWPの変化を示している。
【0316】
【表16】
【0317】
【表17】
【0318】
上記の表から、本発明の上記アシル化インスリンとインスリンアスパルトの複合製剤におけるHMWPの量の経時変化は非常に遅く増加していることが分かり、上記複合製剤はいずれも、優れた化学的安定性を有することが明らかになる。
【0319】
実施例34
db/dbマウスにおける薬効学的研究
この研究は、糖尿病の場合に、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトとを含む組成物の、肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)における血糖(BG)への調節効果を確認することを目的とする。
【0320】
実施例28と類似する実験手順を参照して、実験用db/dbマウスを得た。当日の実験開始前に、マウスのランダム血糖を検出し、マウスの体重を測定した。ランダム血糖と体重によって、マウスを溶媒群又は治療群に割り当て、合計3群で、1群あたり5匹であり、各群はそれぞれ、皮下に溶媒が注射され、又は、皮下にインスリンデグルデク9.3U/kg及びインスリンアスパルト4U/kgを含む薬物組成物が注射され、又は、皮下に本発明の実施例4の表題化合物である化合物4及びインスリンアスパルトを含む薬物組成物が注射されるように処理され、ただし、上記薬物組成物が注射される場合に、化合物4の注射用量は3.7U/kgで、インスリンアスパルトの注射用量は4U/kgであり、そのうち、溶媒はフェノール55mM、m-クレゾール10mM、グリセリン8.5mg/mL及びNaCl60mMを含み、pH値は7.6であった。
【0321】
対応する投与濃度になるまで上記アシル化インスリンとインスリンアスパルトの注射液を溶媒に溶解し、投与体積は5mL/kg(即ち、50μl/10gの体重)であった。皮下投与(S.C.)により、毎日1回投与した。投与期間に動物を自由に摂食・摂水させ、連続投与21日目の投与後の0.5、1、2、3、4、6、8時間のマウスのランダム血糖、及び連続投与18日目の投与後の0.5、1、2、3、4、6、8、10時間のマウスの投与後の空腹時血糖を評価した。
【0322】
ラットの尾部をアルコール綿球で掃除し、使い捨ての採血針で尻尾から血滴を採取し、血糖値測定器及び付属の試験紙(ロシュ)により測定した。それぞれの単回用量のアシル化インスリンとインスリンアスパルトの注射液について、血糖-時間の用量応答曲線を作成した。
【0323】
本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む薬物組成物の血糖に対する影響を説明するために、それぞれの単独の用量応答曲線について、0からモニタリングエンドポイントまでの血糖-時間の曲線下面積(AUC)を算出した。そのうち、AUC値が小さいほど、血糖降下効果が良くなり、薬効が良くなることを示す。
【0324】
図21a~図21dは、本発明のアシル化インスリンとインスリンアスパルトを含む組成物は投与された後、インスリンデグルデクとインスリンアスパルトを含む薬物組成物に対して、肥満の糖尿病マウスモデル(db/dbマウス)において予想以上の増加した血糖降下効果を有し、化合物4とインスリンアスパルトとの用量比がインスリンデグルデクとインスリンアスパルトとの用量比よりもはるかに小さい場合にも、より優れた血糖降下効果が果たせ、血糖降下の持続時間がより長いことを示している。
【0325】
実施例35
薬物動態
この実施例は、本発明の化合物のインビボ薬物動態的特性を説明することを目的とする。
【0326】
SDラットの薬物動態
SDラット24匹を、1群あたり6匹(雌と雄が半分ずつ)で、それぞれ皮下注射で2、6、18U/kgが投与される実施例4の表題化合物である化合物4低用量群、化合物4中用量群及び化合物4高用量群と、デグルデク14U/kgが投与されるインスリンデグルデク群とに分けた。化合物4低、中、高用量群、インスリンデグルデク群に対して、それぞれ投与前(0min)、投与の0.5、1.5、4、6、8、24、48、72h後に採血して血中薬物濃度を測定した。WinNonLin v8.0ソフトウェアの非コンパートメントモデルで薬物動態パラメータCmax、Tmax、T1/2、AUC0~t、Vd、Cl、MRTを算出し、試験結果を表18にまとめている。
【0327】
【表18】
【0328】
max=ピーク濃度、Tmax=ピーク到達時間、T1/2=終末消失半減期、AUC0~t=0~t時間の血糖濃度-時間曲線下面積、AUCINF=投与時間から無限大までの血漿濃度-時間曲線下面積、Vd=見かけの分布容積、Cl=クリアランス、MRT=平均滞留時間
ビーグル犬の薬物動態
犬36匹を、1群あたり6匹(雌と雄が半分ずつ)で、それぞれ皮下注射で0.3、0.6、1.2U/kgが投与される化合物4の低、中、高用量群と、静脈注射で0.6U/kgが投与される化合物4静脈群と、皮下注射で0.6U/kgが投与され、静脈注射で0.6U/kgが投与されるインスリンデグルデク群とに分けた。化合物4静脈群及びインスリンデグルデク静脈群は、投与前、投与の2min、10min、30min、1h、2h、4h、6h、8h、12h、24h、30h、36h、48h後に採血して血中薬物濃度を測定し、化合物4低用量群、高用量群及びインスリンデグルデク皮下注射群は、投与前、投与の0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、12h、24h、30h、36h、48h後に採血して血中薬物濃度を測定し、化合物4中用量群は、連続的に7日間投与し、初回の投与と最終回の投与で投与前、投与の0.5h、1h、2h、4h、6h、8h、12h、24h、30h、36h、48h、72h(最終回)後に採血して血中薬物濃度を測定した。WinNonLin v8.0ソフトウェアの非コンパートメントモデルで薬物動態パラメータCmax、Tmax、T1/2、AUC0~t、MRTを算出し、試験結果を表19にまとめている。
【0329】
【表19】
【0330】
上記の実験結果から分かるように、本発明のアシル化インスリン誘導体化合物4は、ラット及びビーグル犬の両方の体内において、長い半減期及びより安定した血糖降下効果を示している。
【0331】
実施例36
B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-OEG)、desB30ヒトインスリン (化合物20)
【0332】
【化21】
【0333】
実施例1のパート2と類似する工程に従って、化合物B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-OEG)、desB30ヒトインスリンを調製した。
【0334】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1266.8122[M+5H]5+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(OEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0335】
LC-MS(Scie×100API):m/z=854.57(M+1)+
実施例37
B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリン (化合物21)
【0336】
【化22】
【0337】
実施例1のパート2と類似する工程に従って、化合物B29K(N(ε)-ドコサンジアシル-γGlu-12xPEG)、desB30ヒトインスリンを調製した。
【0338】
LC-MS(エレクトロスプレー):m/z=1354.8667[M+5H]5+
中間体tert-ブチルドコサンジアシル-γGlu-(12xPEG-OSu)-OtBuの調製は、実施例1のパート3と類似する工程に従って行われた。
【0339】
LC-MS(Scie×100API):m/z=1294.83 (M+1)+
実施例38
本発明のインスリン誘導体の受容体結合能力
この試験は、本発明のインスリン誘導体のインスリン受容体への結合能力を証明することを目的とする。
【0340】
表面プラズモン共鳴(SPR)方法により、本発明の化合物2及び対照化合物2に対して、それぞれ、ヒト血清アルブミン(HSA)の非存在下及び2%のHSAの存在下で、hisタグ付きのインスリン受容体A細胞外ドメイン(IRA、Sino Biological)との間の結合能力試験を行った。
【0341】
化合物2及び対照化合物2の試料の注入濃度がともに400nMであるように、操作緩衝液(Running buffer)(Cytiva)又は2.0%のHSAを含む操作緩衝液で試料をそれぞれ希釈した。NTAセンサーチップ(Cytiva)を選択し、25℃の条件下でBiacore T200(Cytiva)でSPR分析を行った。10μL/minの流速で0.5MのNiCl(Cytiva)を60s注入してから、HBS-EP buffer(Cytiva)で洗浄した。IRA受容体がチップの表面に結合されるように、5μL/minの流速で3μg/mLのIRA受容体を180s注入した。その後、30μL/minの流速で試験されるインスリン誘導体の試料を60s注入し、60s解離した。注入したたびに、10μL/minの流速で350mMのEDTA(Cytiva)を60s注入してチップを再生し、最後にHBS-P buffer(Cytiva)で洗浄すると、次の試料を検出することができた。試料解離前の4sの応答(Response)値を受容体の結合力試験結果として選択し、それぞれの試料に対して試験を3回繰り返した。
【0342】
図22は、2%のHSAの存在下(生理学的条件をシミュレートする)で、0%のHSAの場合に対する化合物2及び対照化合物2の受容体結合能力の状況を示している。図22から分かるように、2%のHSAの存在下で、化合物2は、対照化合物2に対して顕著に向上した受容体結合能力を有し、本発明の化合物2の受容体結合能力へのアルブミンの影響は、対照化合物2よりも顕著に低下している。
【0343】
これにより、アルブミンの存在下で、化合物2などの本発明のインスリン誘導体は、対照化合物2に対して予想以上の顕著に向上した受容体結合能力を有し、すなわち、本発明のインスリン誘導体の受容体結合能力へのアルブミンの影響は、対照化合物2よりも顕著に低下していることが明らかになる。
【0344】
本発明は、上記の実施例により説明されたが、上記の実施例は、例示及び説明のためのものに過ぎず、本発明を記載された実施例の範囲内に制限する意図はないと理解すべきである。また、当業者は、本発明が上記の実施例に限定されず、本発明の教示に基づいてさらに多くの変形や修正を行うこともでき、これらの変形や修正はいずれも、本発明の請求範囲内に含まれると理解することができる。本発明の請求範囲は、添付した特許請求の範囲及びその等価な範囲により限定されている。
【0345】
配列
SEQ ID NO.1:
DesB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
SEQ ID NO.2:
DesB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys
SEQ ID NO.3:
A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Glu Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
SEQ ID NO.4:
A14E、B16H、B25H、desB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu His Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe His Tyr Thr Pro Lys
SEQ ID NO.5:
A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Glu Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
SEQ ID NO.6:
A14E、B16E、B25H、desB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Glu Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe His Tyr Thr Pro Lys
SEQ ID NO.7:
ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
SEQ ID NO.8:
ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr
SEQ ID NO.9:
A21GヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
SEQ ID NO.10:
A21GヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys Thr
SEQ ID NO.11:
A21G、desB30ヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Gly
SEQ ID NO.12:
A21G、desB30ヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Pro Lys
SEQ ID NO.13:
B28DヒトインスリンA鎖:
Gly Ile Val Glu Gln Cys Cys Thr Ser Ile Cys Ser Leu Tyr Gln Leu Glu Asn Tyr Cys Asn
SEQ ID NO.14:
B28DヒトインスリンB鎖:
Phe Val Asn Gln His Leu Cys Gly Ser His Leu Val Glu Ala Leu Tyr Leu Val Cys Gly Glu Arg Gly Phe Phe Tyr Thr Asp Lys Thr
SEQ ID NO.15:
GLP-1-(7-37)ペプチド
His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Lys Gly Arg Gly
SEQ ID NO.16:
[Gly8、Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド
His Gly Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Arg Gly Arg Gly
SEQ ID NO.17:
[Arg34]GLP-1-(7-37)ペプチド
His Ala Glu Gly Thr Phe Thr Ser Asp Val Ser Ser Tyr Leu Glu Gly Gln Ala Ala Lys Glu Phe Ile Ala Trp Leu Val Arg Gly Arg Gly
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6a
図6b
図7a
図7b
図8a
図8b
図9a
図9b
図10a
図10b
図11a
図11b
図12a
図12b
図13a
図13b
図14a
図14b
図14c
図15a
図15b
図15c
図16
図17a
図17b
図18a
図18b
図19
図20a
図20b
図21a
図21b
図21c
図21d
図22
【配列表】
2023510206000001.app
【国際調査報告】