IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ トルネード スペクトラル システムズ インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-510210光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント
<>
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図1
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図2
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図3
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図4A
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図4B
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図4C
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図4D
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図4E
  • 特表-光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】光学分光プローブの取り外し可能な先端部光学系の機械的マウント
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/65 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
G01N21/65
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022540845
(86)(22)【出願日】2020-12-23
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 CA2020051797
(87)【国際公開番号】W WO2021134128
(87)【国際公開日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/956,740
(32)【優先日】2020-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522259706
【氏名又は名称】トルネード スペクトラル システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ベーア,ブラッドフォード ビー.
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA01
2G043CA01
2G043DA05
2G043EA03
2G043GA01
2G043HA01
2G043HA02
2G043HA05
2G043JA02
2G043LA01
(57)【要約】
第1の形状を有する少なくとも1つの構成要素を備える第1の取付け部分を備えるプローブヘッドと、プローブヘッドの近位にありプローブヘッドの第1の取付け部分に解放可能に係合するために、第1の形状を補完する第2の形状を有する少なくとも1つの構成要素を備える第2の取付け部分を備えるサンプル光学サブアセンブリと、サンプル光学サブアセンブリとプローブヘッドを一緒に保持し少なくとも5自由度に沿うそれらの間の相対運動を制限する係止機構とを有する光学分光プローブを提供する様々な実施形態が記載される。
【選択図】図4C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学分光プローブであって、
第1の形状を有する少なくとも1つの構成要素を備えた第1の取付け部分を有するプローブヘッドと、
前記プローブヘッドに取り外し可能に取り付け可能なサンプル光学サブアセンブリであって、
前記プローブヘッドに近位であり前記第1の取付け部分と解放可能に係合する、前記第1の形状を補完する第2の形状を備えた少なくとも1つの構成要素を有する第2の取付け部分を備える、前記サンプル光学サブアセンブリと、
前記サンプル光学サブアセンブリと前記プローブヘッドを一緒に保持し少なくとも5自由度に沿うそれらの間の相対運動を制限する係止機構とを備える、前記光学分光プローブ。
【請求項2】
前記プローブヘッドの前記第1の取付け部分が、断面形状を有するソケットを備え、前記サンプル光学サブアセンブリの前記第2の取付け部分が、前記ソケット部分と同一の断面形状を有し前記ソケット部分とスライド可能に係合する近位部を備えるサンプル光学チューブを備える、請求項1に記載の光学分光プローブ。
【請求項3】
前記係止機構が、
前記サンプル光学チューブの外面の第1の部分上の溝および前記サンプル光学チューブの前記外面の第2の部分のソケット凹部と、
前記サンプル光学チューブ上の前記溝と噛み合うように配置されている、前記プローブヘッドの前記ソケットの内面の第1の部分上の第1のノードおよび第2のノードと、
前記サンプル光学チューブの前記ソケット凹部と整列される、前記ソケットの第2の部分を通るチャネルと、
前記プローブヘッドの前記ソケットに固定された前記サンプル光学チューブを保持するように前記チャネルと係合する締結具とを備える、請求項2に記載の光学分光プローブ。
【請求項4】
前記係止機構が、
前記サンプル光学チューブの外面の第1の部分上の第1のノードおよび第2のノードならびに前記サンプル光学チューブの前記外面の第2の部分のソケット凹部と、
前記サンプル光学チューブ上の前記第1のノードおよび第2のノードと噛み合うように配置されている、前記プローブヘッドの前記ソケットの内面の第1の部分上の溝と、
前記サンプル光学チューブの前記ソケット凹部と整列される、前記ソケットの第2の部分を通るチャネルと、
前記プローブヘッドの前記ソケットに固定された前記サンプル光学チューブを保持するように前記チャネルと係合する締結具とを備える、請求項2に記載の光学分光プローブ。
【請求項5】
前記チャネルがねじ状チャネルであり、前記締結部材が、前記プローブヘッドの前記ソケットの前記ねじ状チャネルと解放可能に係合し前記サンプル光学チューブの前記ソケット凹部と係合するように成形されている端部を備えるねじである、請求項3または4に記載の光学分光プローブ。
【請求項6】
前記締結部材が、前記プローブヘッドの前記ソケットの前記チャネルと解放可能に係合し前記サンプル光学チューブの前記ソケット凹部と係合するように成形されている端部を備えるピンである、請求項3または4に記載の光学分光プローブ。
【請求項7】
前記第1のノードおよび第2のノードが円錐形である、請求項3~6のいずれか1項に記載の光学分光プローブ。
【請求項8】
前記プローブヘッドの前記第1の取付け部分が、第1のチューブを備え、前記サンプル光学サブアセンブリの前記第2の取付け部分が、前記プローブヘッドの前記第1のチューブと同軸状にスライド可能に係合するように適合されたサンプル光学チューブを備える、請求項1に記載の光学分光プローブ。
【請求項9】
前記サンプル光学チューブが、前記プローブヘッドの前記第1のチューブ上をスライドするような大きさである、請求項8に記載の光学分光プローブ。
【請求項10】
前記サンプル光学チューブが、その近位端部にソケットを有し、前記プローブヘッドの前記第1のチューブの先端が、前記第1のチューブの前記先端が横方向に移動するまたは前記サンプル光学サブアセンブリの光軸に沿って移動することを防ぐために前記サンプル光学チューブの前記ソケットと噛み合うように適合されている、請求項8または9に記載の光学分光プローブ。
【請求項11】
前記係止機構が、スロット、およびリブを有する鍵部分を備え、前記リブは、前記プローブヘッドの前記第1のチューブと前記サンプル光学チューブの間に単一の固定された回転方位を確立するために前記スロットと噛み合うような大きさである、請求項8~10のいずれか1項に記載の光学分光プローブ。
【請求項12】
前記スロットが、前記サンプル光学チューブの近位部に配置され、前記鍵部分が、前記プローブヘッドの前記第1のチューブの遠位部に配置される、請求項11に記載の光学分光プローブ。
【請求項13】
前記スロットが、前記プローブヘッドの前記第1のチューブの遠位部に配置され、前記鍵部分が、前記サンプル光学チューブの近位部に配置される、請求項11に記載の光学分光プローブ。
【請求項14】
前記係止機構が、前記プローブヘッドおよび前記サンプル光学サブアセンブリを適所に保持して、使用中に前記光学分光プローブによって生成された平行ビームに対する前記サンプル光学サブアセンブリの横方向シフトを防ぐように適合されている、請求項1~13のいずれか1項に記載の光学分光プローブ。
【請求項15】
前記係止機構が、前記プローブヘッドおよび前記サンプル光学サブアセンブリを適所に保持して、前記プローブヘッドに対する前記サンプル光学サブアセンブリの回転を防ぐように適合されている、請求項1~14のいずれか1項に記載の光学分光プローブ。
【請求項16】
前記第1の取付け部分および前記第2の取付け部分が、少なくとも2軸に沿う動きを制限しかつ全3軸の周りの回転制限するように成形され、前記係止機構が、前記プローブヘッドおよび前記サンプル光学サブアセンブリを適所に保持して、前記サンプル光学サブアセンブリが取り外された後、前記サンプル光学サブアセンブリが、前記光学分光プローブの前記光学的配列が前記サンプル光学アセンブリの取り外し前と実質的に同一となるような位置に再設置可能となるように適合されている、請求項1~15のいずれか1項に記載の光学分光プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月3日に出願された米国仮特許出願番号第62/956,740号の利益を主張するものであり、米国仮特許出願番号第62/956,740号の全内容は本明細書に援用される。
【0002】
一般に光学分光法の分野に関し、より詳細には、サンプルをレーザビームで照射しサンプルから散乱して戻された光を収集するものであって、取り外し可能なサンプル光学系を有するラマン分光サンプルプローブに関する様々な実施形態が本明細書に記載される。
【背景技術】
【0003】
ラマン分光法は、特定の波長を有するレーザ光子を含むレーザビームがサンプルを照射し、サンプルは固体、結晶、液体、または気体形状であり得、レーザ光子のごく一部が、それらがサンプルのサンプル分子から散乱するとき異なる波長にシフトする分析方法である。波長シフト量は、サンプル分子の構造に依存するので、異なるタイプのサンプル分子は、サンプルからの散乱光において異なる分光パターンを生成し、それを分析して、サンプルの化学的組成を識別かつ定量化することができる。しかしながら、ラマン散乱効果は非常に弱いため、波長によってシフトされた信号は通常、かなり微弱である。かくして、サンプルからの散乱光を可能な限り多く収集しながら、分光分析結果がサンプル全体を表すようにサンプルの十分に大きな面積または体積を照射もすることが有利である。
【発明の概要】
【0004】
本明細書の教示の一態様によれば、第1の形状を有する少なくとも1つの構成要素を備えた第1の取付け部分を有するプローブヘッドと、プローブヘッドに取り外し可能に取り付け可能なサンプル光学サブアセンブリであって、プローブヘッドに近位であり第1の取付け部分と解放可能に係合する、第1の形状を補完する第2の形状を備えた少なくとも1つの構成要素を有する第2の取付け部分を備える、サンプル光学サブアセンブリと、サンプル光学サブアセンブリとプローブヘッドを一緒に保持し少なくとも5自由度に沿うそれらの間の相対運動を制限する係止機構とを備える光学分光プローブが提供される。
【0005】
少なくとも一実施形態では、プローブヘッドの第1の取付け部分は、ある断面形状を有するソケットを備え、サンプル光学サブアセンブリの第2の取付け部分は、ソケット部分と同一の断面形状を有しソケット部分とスライド可能に係合する近位部を備えたサンプル光学チューブを備える。
【0006】
少なくとも一実施形態では、係止機構は、サンプル光学チューブの外面の第1の部分上の溝およびサンプル光学チューブの外面の第2の部分のソケット凹部と、サンプル光学チューブ上の溝と噛み合うように配置された、プローブヘッドのソケットの内面の第1の部分上の第1のノード及び第2のノードと、サンプル光学チューブのソケット凹部と整列される、ソケットの第2の部分を通るチャネルと、プローブヘッドのソケットに固定されたサンプル光学チューブを保持するようにチャネルと係合する締結具とを備える。
【0007】
少なくとも一実施形態では、係止機構は、サンプル光学チューブの外面の第1の部分上の第1のノードおよび第2のノードならびにサンプル光学チューブの外面の第2の部分のソケット凹部と、サンプル光学チューブ上の第1のノードおよび第2のノードと噛み合うように配置された、プローブヘッドのソケットの内面の第1の部分上の溝と、サンプル光学チューブのソケット凹部と整列される、ソケットの第2の部分を通るチャネルと、プローブヘッドのソケットと固定されたサンプル光学チューブを保持するようにチャネルと係合する締結具とを備える。
【0008】
少なくとも一実施形態では、チャネルは、ねじ状チャネルであって、締結部材は、プローブヘッドのソケットのねじ状チャネルと解放可能に係合しサンプル光学チューブのソケット凹部と係合するように成形されている端部を有するねじである。
【0009】
少なくとも一実施形態では、締結部材は、プローブヘッドのソケットのチャネルと解放可能に係合しサンプル光学チューブのソケット凹部と係合するように成形されている端部を有するピンである。
【0010】
少なくとも一実施形態では、第1のノードおよび第2のノードは、円錐形である。
【0011】
少なくとも一実施形態では、プローブヘッドの第1の取付け部分は、第1のチューブを備え、サンプル光学サブアセンブリの第2の取付け部分は、プローブヘッドの第1のチューブと同軸状にスライド可能に係合するように適合されたサンプル光学チューブを備える。
【0012】
少なくとも一実施形態では、サンプル光学チューブは、プローブヘッドの第1のチューブ上をスライドするような大きさである。
【0013】
少なくとも一実施形態では、サンプル光学チューブは、その近位端部にソケットを有し、プローブヘッドの第1のチューブの先端は、サンプル光学チューブのソケットと噛み合って第1のチューブの先端が横方向に移動するまたはサンプル光学サブアセンブリの光軸に沿って移動することを防ぐように適合されている。
【0014】
少なくとも一実施形態では、係止機構は、スロットと、スロットと噛み合ってプローブヘッドの第1のチューブとサンプル光学チューブの間に単一の固定された回転方位を確立するような大きさのリブを備えた鍵部分とを備える。
【0015】
少なくとも一実施形態では、スロットは、サンプル光学チューブの近位部に配置され、鍵部分は、プローブヘッドの第1のチューブの遠位部に配置される。
【0016】
少なくとも一実施形態では、スロットは、プローブヘッドの第1のチューブの遠位部に配置され、鍵部分は、サンプル光学チューブの近位部に配置される。
【0017】
少なくとも一実施形態では、係止機構は、プローブヘッドおよびサンプル光学サブアセンブリを適所に保持して使用中光学分光プローブによって生成される平行ビームに対するサンプル光学サブアセンブリの横方向シフトを防ぐように適合されている。
【0018】
少なくとも一実施形態では、係止機構は、プローブヘッドおよびサンプル光学サブアセンブリを適所に保持してプローブヘッドに対するサンプル光学サブアセンブリの回転を防ぐように適合されている。
【0019】
少なくとも一実施形態では、第1の取付け部分および第2の取付け部分は、少なくとも2軸に沿う移動を制限しかつ全3軸周りの回転を制限するように成形され、係止機構は、プローブヘッドおよびサンプル光学サブアセンブリを、サンプル光学サブアセンブリが取り外された後、光学分光プローブの光学的配列がサンプル光学サブアセンブリの取り外し前と実質的に同一であるような位置にサンプル光学サブアセンブリが再設置されるよう適所に保持するように適合されている。
【0020】
「実質的に同一」という用語は、プローブの特定の実施形態に依存する。なぜなら、いくつかのケースでは、10%内の位置の変動は光学的性能に影響を与えないので、配列の10%の違いが「実質的に同一」と考えられるが、他の例示的な実施形態では、1%内の位置の変動は光学的性能に影響を与えないので、配列の1%の違いが「実質的に同一」と考えられる。
【0021】
本出願の他の特徴および利点は、添付の図面と以下の発明を実施するための形態を一緒に考慮すると明らかとなろう。しかしながら、本出願の精神および範囲内の様々な変更および変形はこの発明を実施するための形態から当業者に明らかであろうから、発明を実施するための形態および具体的な例は、出願の好ましい実施形態を示しているが、単なる例示として記載されると理解すべきである。
【0022】
本明細書に記載された様々な実施形態のより良い理解のために、かつ、これらの様々な実施形態が実行され得る方法をより明確に示すために、少なくとも1つの例示的な実施形態を示すここで記載されている添付図面を例として参照する。図面は、本明細書に記載された教示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】主分析装置ユニット(レーザ、分光計、および電源を含む)、プローブ、制御コンピュータ間の関係を示す代表的なラマン分光システムの図である。
図2】典型的なプローブヘッドおよびサンプル光学系の構成の図である。
図3】3ノード構成を用いてプローブヘッド上にキネマティックマウントされているサンプル光学系の例示的な実施形態の図である。
図4A】プローブヘッドおよびサンプル光学チューブを有するサンプル光学サブアセンブリのキネマティックマウントの代替例示的実施形態の、サンプル光学チューブの透視図である。
図4B】プローブヘッドおよびサンプル光学チューブを有するサンプル光学サブアセンブリのキネマティックマウントの代替例示的実施形態の、プローブヘッドの透視図である。
図4C】プローブヘッドおよびサンプル光学チューブを有するサンプル光学サブアセンブリのキネマティックマウントの代替例示的実施形態の、プローブヘッドにマウントされたサンプル光学チューブの透視図である。
図4D】プローブヘッドおよびサンプル光学チューブを有するサンプル光学サブアセンブリのキネマティックマウントの代替例示的実施形態の、プローブヘッドにマウントされたサンプル光学チューブの側面図である。
図4E】プローブヘッドおよびサンプル光学チューブを有するサンプル光学サブアセンブリのキネマティックマウントの代替例示的実施形態の、プローブヘッドにマウントされたサンプル光学チューブの端面図である。
図5】取り外し可能な浸漬光学チューブを備える浸漬プローブに適しているキネマティックマウンティングの原理の代替例示的実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本明細書に記載された例示的な実施形態のさらなる態様および特徴は、添付図面と共に以下の記載から明らかとなろう。
【0025】
本明細書の教示による様々な実施形態が以下に記載されて、クレームされた主題の少なくとも一実施形態の例を提供する。本明細書に記載された実施形態のいずれも、クレームされた主題を限定するものではない。クレームされた主題は、以下に記載されたデバイス、システム、もしくは方法のいずれか1つの特徴の全てを有するデバイス、システム、もしくは方法にまたは本明細書に記載されたデバイス、システム、もしくは方法の複数もしくは全てに共通する特徴に限定されるものではない。いずれのクレームされた主題の実施形態でもない、本明細書に記載されたデバイス、システム、または方法が存在し得る可能性がある。本文書でクレームされていない本明細書に記載された任意の主題は、例えば継続特許出願といった別の保護文書の主題であり得、出願人、発明者または所有者は、本文書におけるその開示により公的な任意のそれら主題を放棄する、否認する、またはそれに専念する意図はない。
【0026】
例示の簡潔さおよび明瞭性のために、相当と認める場合、参照番号は、対応するまたは類似の要素を示すのに図において繰り返され得ることが理解されよう。さらに、多くの具体的な詳細が、本明細書に記載された実施形態の完全な理解を提供するために記載される。しかしながら、本明細書に記載された実施形態がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが当業者によって理解されよう。別の例では、よく知られている方法、手順、および構成要素は、本明細書に記載された実施形態を妨げないように、詳細が記載されていない。また、記載は、本明細書に記載された実施形態の範囲を限定するものとして見なされない。
【0027】
本明細書で用いる「結合された」または「結合している」という用語は、これらの用語が用いられる文脈によって異なるいくつかの意味を有し得ることにも留意されたい。例えば、結合されたまたは結合しているという用語は、機械的、光学的、または電気的な意味を有し得る。例えば、本明細書で用いる結合されたまたは結合しているという用語は、2つの要素もしくはデバイスが互いと直接接続され得る、または、特定の文脈に応じて電気信号、電気接続、機械要素、光学素子、もしくは光経路を介して1つ以上の中間要素もしくはデバイスを通して互いと接続され得ることを示し得る。
【0028】
本明細書で用いる「および/または」という単語は、論理和を表すことが意図されることにも留意されたい。すなわち、例えば「Xおよび/またはY」といった表現は、XまたはYまたは両方を意味することが意図される。さらなる例として、「X、Y、および/またはZ」といった表現は、XまたはYまたはZまたはそれらの任意の組み合わせを意味することが意図される。
【0029】
本明細書で用いる「実質的に」、「約」、および「おおよそ」といった程度についての用語は、最終的な結果が大幅に変わらないような、修飾される用語の合理的な量の偏差を意味することに留意されたい。これらの程度についての用語はまた、例えば、この偏差が、修飾する用語の意味を打ち消さない場合、1%、2%、5%、または10%といった、修飾される用語の偏差を含むとして解釈され得る。
【0030】
さらに、本明細書のエンドポイントによる数字範囲の詳述は、その範囲内に包含される全ての数および分数を含む(例えば、1~5は、1、1.5、2、2.75、3、3.90、4、および5を含む)。また、その全ての数および分数は、例えば1%、2%、5%、または10%といった、最終的な結果が大幅に変わらない場合参照されている数の特定の量までの変化を意味する用語「約」によって変更されると推定されることも理解されよう。
【0031】
一態様では、本教示は、研究中のサンプルと干渉するラマン分析装置システムの光学的かつ機械的サブシステムであるラマン「プローブ」の新規の実装を提供する。多くのラマン分析装置システム(図1に示されたラマンシステム100などの)では、プローブ102は、レーザエネルギーを分析装置ユニット104からプローブ102に伝えるための1つ以上の「励起ファイバー」106およびサンプル110からプローブ102によって収集された散乱光信号を分析装置ユニット104に伝えるための1つ以上の「収集ファイバー」108という一対の光学ファイバーケーブルを介して、主分析装置ユニット104に接続されている。
【0032】
プローブ102はさらに、図2に示すように「プローブヘッド」102hと「サンプル光学系」102oという2つの広い部分に分割される。プローブヘッド102hは、通常、励起ファイバー106から出射された発散レーザ光ビームを平行にしこの平行ビームをサンプル光学系102oに向かわせるための光学素子を含み、それは、この例では、励起コリメータおよび折り曲げミラーである。プローブヘッド102h内の他の光学素子は、サンプル光学系102oから戻ってきた散乱光の平行ビームを受けフィルタリングして非ラマン散乱光を除去するためのダイクロイックフィルタ、およびフィルタリングされた散乱戻り光を次いで収集ファイバー108内へとフォーカスさせるための収集フォーカス装置を含む。
【0033】
いくつかの分光測定用途において、サンプル光学系(または、サンプル光学系の少なくとも1つの面)は、サンプル110と直接接触する。例えば、液体サンプルの場合、サンプル光学系が液体サンプル内に直接配置されている長いチューブ(浸漬チューブとしても知られる)の端部に配置される「浸漬プローブ」が用いられることが多い。平行励起ビームは、チューブの内部へ進み、サンプル光学系によってフォーカスされ、サンプル内のまたはサンプル光学系の遠位部分と液体サンプルの近位面の間の界面に焦点スポットを生成する。液体サンプルからの散乱光は、同じサンプル光学系によって収集され、実質的に平行にされ、平行収集ビームは、チューブの内部を通ってプローブヘッド102hに戻り、そこで、光学的にフィルタリングされ、収集ファイバー108に運ばれる。浸漬プローブは垂直に配位されることが多いが、浸漬プローブを水平にまたは角度を付けてマウントするやり方も存在することに留意されたい。
【0034】
さらに、サンプル110が、多くの生物医学的かつ生物薬剤学的プロセス用途における特定の懸念である外部汚染に対して感度が高い状況において、サンプル光学系は、使用前に、オートクレーブ、ガンマ線照射、または何らかの他の殺菌方法を介して殺菌される必要があり得る。プローブヘッド102hの光学素子は、通常、高温または放射線にさらされることはできないので、サンプル光学系102oは、プローブヘッド102hから取り外され、殺菌され、次いでプローブヘッド102hに再度取り付けられるように適合されている。しかしながら、測定されたスペクトル信号の強度は、プローブヘッド102hから発された平行ビームに対するサンプル光学系102oの位置に極めて敏感なので、サンプル光学系102oがプローブヘッド102hから殺菌のために取り外され次いでわずかに異なる位置または方位に再度取付けられた場合、観察されたスペクトル信号の強度は、相当量変わる可能性があり、スペクトルの定量分析は不正確となり得る。
【0035】
一態様では、本教示は、キネマティックマウントを利用することによって、分光プローブの取り外し可能かつ再取り付け可能なサンプル光学サブアセンブリの、高度に再現性のある機械的位置決めを提供する構造要素を組み込む。キネマティックマウントが、分光プローブに対する取り外し可能なサンプル光学サブアセンブリに適用されたことはこれまでにない。
【0036】
キネマティックマウントでは、2つの機械的サブアセンブリが、全6自由度(すなわち、3直交軸の各々における位置決め、および3直交軸の各々の周りの回転)が正確に決定されるが過剰決定されないように組み合わされるように構造化され得る。言い換えれば、2つのサブアセンブリの互いに対する安定した位置および配位はたった一つ存在する。例えば、図3に示すように、キネマティックマウントのよくある一実施形態は、第1のサブアセンブリ(サンプル光学系といった)に、直線に沿って配置されないようにしっかりと取付けられている3つの半球「ノード」、および、3つの半球ノードの位置に対応する位置に配置されている、第2のサブアセンブリ(プローブヘッドといった)上のそれら半球ノードに対する3つの一致「ソケット」を用いる。
【0037】
これらの3つのソケットのうち、第1のソケット(例えば、円錐形状を有する)は、両方の水平軸における運動を制限し、第2のソケット(例えば、V溝)は、1つの水平軸に沿う運動のみを制限するが直交水平軸に沿う運動は可能にし、第3のソケット(例えば、平面)は、両方の水平軸に沿う運動を可能にする。これらのソケットは、任意に順序付けることができる。
【0038】
第1のサブアセンブリに向かって付勢されるように力が第2のサブアセンブリに加えられる場合、半球ノードの位置は、それらそれぞれのソケット内で保持され、水平運動、垂直運動、または回転のいずれも可能ではない。例えば、半球ノードおよび一致ソケットは、係止機構によって一緒に保持され得る。係止機構は、多数の異なるやり方で実装することができる。例えば、ノードおよびソケットは、それらが磁力によって互いに引き寄せられるように磁化され得る。代替として、ノードおよびソケットのそばのばねまたはねじが、ノードおよびソケットを互いに引き寄せて、2つのサブアセンブリの相対的位置を保持し得る。
【0039】
一方のサブアセンブリがプローブヘッドの一部であり、他方のサブアセンブリが取り外し可能なサンプル光学系の一部である場合、サンプル光学系は、取り外され、そして、プローブヘッドを出ていく平行励起ビームに対して実質的に同一の位置および方位に再度設置され得る。このように、プローブヘッドは、第1の取付け部分を有し、それは、半球ノードまたはそれぞれのソケットを含む。同様に、サンプル光学サブアセンブリは、第2の取付け部分を有し、それは、プローブヘッドがノードを含む場合ソケットを、またはプローブヘッドがソケットを含む場合ノードを含む。
【0040】
異なるように実装されているノードおよびソケットを有する他の形状構成が実装され得る。これらの代替実装例は、プローブがマウントされるであろう利用可能な空間、プローブヘッドとサンプル光学サブアセンブリを解放可能に一緒に取り付けるのに用いられる係止機構へのアクセス、測定サイトの温度および振動環境、ならびに特定の使用ケースに固有の他の要因に応じて、有利であり得る。例えば、係止機構がプローブヘッドおよびサンプル光学系の外面の構成要素で構成されているので、係止機構へのアクセスは、図3の実施形態の場合、より容易である。別の例として、係止機構を構成している構成要素が、かなりの温度変化が起きる環境で用いられる場合、係止機構を構成している構成要素に用いられる材料において熱膨張および熱収縮が考慮されなかったなら、この温度変化により、ノードの位置はシフトし、光学的配列に有害な影響が与えられるだろう。別の例では、係止機構を構成している構成要素が、使用中に強い衝撃および/または振動にさらされることが予測される場合、ノードおよび係止機構は、これらの運動(すなわち、衝撃および/または振動)下での損傷または配列の狂いに耐性を有するように実装され得る。
【0041】
例として、クレームされた主題の範囲を限定するものではないが、図4A~4Eは、分光浸漬プローブのシナリオに特に適するキネマティックマウントの例示的な実施形態を示す。サンプル光学チューブ204を備えるサンプル光学サブアセンブリは、サンプル光学系202o(サンプル光学チューブ204の遠位端に配置され得るが図には示されない)を保持(すなわち、それに対するハウジングを提供)し、プローブヘッド202hの六角形ソケット208とスライド可能に係合する、六角形端部206を有する近位部分を含む。この場合、ソケット208の内径は、六角形端部206の外径よりもわずかに大きく、2つの構造体が摩擦嵌合を形成しないようなものである。典型的なサイズは、断面寸法で約5~25mmであり得るが、より小さいサイズまたはより大きいサイズが、特定の場合に具現化され得る。六角形ソケット208内に、2つの固定半球または円錐ノード210および212が存在し、調整可能なねじ216の端部上に第3の半球または円錐ノード214が存在する。
【0042】
サンプル光学チューブ204の六角形端部206は、ソケット208に挿入され、次いで、調整可能なねじ216が、ねじ216の端部上の円錐ノード214が、サンプル光学チューブ204の底面の円錐ソケット220内に収まるように、ねじ状穴218(すなわち、ねじ状チャネル)を通って挿入される。次いで、ねじ216は締結されて、サンプル光学チューブ204を適所に係止する。サンプル光学チューブ204の近位端がソケット208内に挿入されると、ソケット208の上部内部から突出する2つのノード210および212は両方、サンプル光学チューブ204の六角形端部206の上部のV溝222内をスライドし、調整可能なねじ216の円錐ノード214は、サンプル光学チューブ204の六角形端部206の底部の円錐ソケット220(すなわちソケット凹部)内に挿入される。3つのノード210、212、および214全てでポジティブ接触が維持される限り、サンプル光学チューブ204は、プローブヘッド202hに対して、回転、傾く、傾斜する、または移動することはできない。組み付けられると、プローブシステムの光学的性能は、分光計校正手順を用いることによって特徴付けることができ、その後、サンプル光学チューブ204は次いで、オートクレーブまたは別の殺菌手順のため(または任意の他の理由のため)取り外すことができ、次いで、サンプル光学チューブ204とプローブヘッド202hの正確な配列を、校正手順を繰り返す必要なく回復することができる。この例示的な実施形態では、係止機構は、ノード210、212、および214、ソケット凹部222、チャネル218、およびねじ216によって提供される。
【0043】
代替実施形態では、チャネルは、滑らかなまたはねじ状チャネルであり、円錐端部を備えるピンまたはポストが、ピンの端部上の円錐ノードが、サンプル光学チューブ204の底面の円錐ソケット220内に収まるように、チャネル(すなわち、チャネル218の変形)を通って挿入される。ピンは、チャネルおよび円錐ソケット220と摩擦嵌合を形成して、サンプル光学チューブ204を適当な位置に係止する。ピンの端部は、サンプル光学サブアセンブリがプローブヘッド202hから分離されるときに引っ張ることができるように、プローブヘッド202hのソケット208の外面から突出し得る。この例示的な実施形態では、係止機構は、ノード210、212、および214、チャネル、ソケット凹部220、ならびにピンによって提供される。
【0044】
この例示的な実施形態では、プローブヘッドは、第1の取付け部分を有し、それは、ノード210および212、ねじまたはピン216、ならびにチャネル218を備えるソケット208を含む。サンプル光学サブアセンブリは、第2の取付け部分を有し、それは、六角形端部206、溝222、およびプローブヘッドがノードを含むときはソケット、またはプローブヘッドがソケット220を含むときはノードを含む。
【0045】
代替実施形態では、六角形端部を備えるソケットを用いるのではなく、三角形、正方形、矩形、五角形などといった異なる断面形状を用い得る。
【0046】
したがって、またはさらなる代替実施形態では、ノード210、212、および220に円錐形状を用いるのではなく、半球、円筒、楕円、三角形、矩形、または正方形といった異なる断面形状を用いることができる。
【0047】
平行励起ビームと干渉するサンプル光学系の場合、6より少ない自由度の制限で十分であり得ることに留意されたい。例えば、平行ビームの主光軸に沿うサンプル光学系の位置のわずかな変化は、完全に組み付けられたシステムの光学的性能に少しの違いしか生まないまたは全く違いを生まない場合がある。キネマティックマウンティングシステムの機械的態様は、したがって、6自由度のうち5自由度しか制限せず、光学システムの光学的性能を実質的に変えない位置範囲にわたって第6の軸(すなわち、主光軸)に沿うサンプル光学系の異なる位置を可能とし得る。6より少ない自由度を制限する実施形態は、製造および維持においてより簡単であり得、システムが衝撃または振動にさらされたとき、より頑健であり得、または代替として、機械的部品が熱膨張および収縮にさらされる状況において適応性を提供し得る。
【0048】
別の態様では、図5に示す例示的な実施形態が提供され、より小さい直径の中空の第1のチューブ308(「案内チューブ」)がプローブヘッド302hに永続的にマウントされ、より大きい直径の中空の第2のチューブ304(「浸漬光学チューブ」)が、サンプル光学系(例えば、1つ以上の集束レンズ312プラス光学サンプル系対面窓314)を保持する。要素318は、光ビームがそこを通って進む開口のより狭い部分である。小チューブ308は、大チューブ304の内部にぴったりとフィットする。外チューブ304の直径には様々な大きさが用いられ得るが、約12mmの外径を有する浸漬光学チューブ304が、多くの生物薬剤学的システムで用いるのに十分であり得、その場合、光学チューブ304の内径は、約10mmであり得(1mmのチューブ壁厚さを提供する)、小チューブ308は、約9.9mmの外径および8mmの内径を有し得る。
【0049】
小チューブ308の先端308tは、大チューブ304の近位端の近くの円錐ソケット316と一致し、小チューブ308が大チューブ304内に完全に挿入されたとき、小チューブ308の先端308tが、横方向に、または2つのチューブの長手軸方向中心線に実質的に対応する光軸(それに沿って平行光ビームが進んでいる)に沿って移動することができないようにする。プローブヘッド302hに近い、小チューブ308の一部に、案内チューブ308の外側に狭い「鍵」部分310が存在し、それは、プローブヘッド302hに近い浸漬サンプル光学チューブ304の一部に沿うスロット306と噛み合い、2つのチューブ304と308の間に単一の固定された回転方位を確立する。代替実施形態では、鍵部分310が、サンプル光学チューブ304の近位部の内面に配置され得、スロット306が、プローブヘッド302hのチューブ308の遠位部に配置され得る。
【0050】
プローブヘッド302hが上部にあり窓314が底部にある典型的な垂直配位において、プローブヘッド302hが2つのチューブの真上に在る場合、大チューブ304の遠位部は、液体サンプル(図示せず)を保持する容器(図示せず)に強固に接続される。プローブヘッド302hおよび小チューブ308は、重力により下方に引っ張られ、主に円錐ソケット316の上にある先端308tによって支えられる。大チューブ304および小チューブ308の長さならびに/または鍵310およびスロット306の長さは、鍵部分310がスロット306内に、スロット306の「底部まで」の全てではないがほとんどをスライドするように選択される。例えば、「リブ」鍵部分310の先端は、スロット306の底部の約0.5mm内までくる場合があり、隙間が提供される。この隙間は、鍵部分310とスロット306の係合がチューブ304と308の互いに対する回転を防ぎながらも、配列の他の軸と干渉しないという点で有利であり得る。この例示的な実施形態では、係止機構は、スロット306および鍵部分310によって提供されるものであり、このスロット306および鍵部分310は、それらが互いと、2つのチューブ304と308を互いから解放することができるように可逆的である「摩擦嵌合」を通して係合するようなサイズであり得る。
【0051】
この例示的な実施形態では、プローブヘッドは、第1の取付け部分を有し、それは、案内チューブ308、先端308t、および回転鍵310を含む。サンプル光学サブアセンブリは、第2の取付け部分を有し、それは、浸漬光学チューブ304、スロット306、および円錐ソケット316を含む。
【0052】
代替実施形態では、先端308tおよびソケット316は、互いと噛み合うような、円錐以外の他の形状を有し得る。これらの形状は、半球、正方形、矩形、三角形、または楕円形であり得る。
【0053】
代替実施形態では、鍵部分310およびスロット306の周方向位置は変更され得る(例えば、3時の位置、6時の位置、または9時の位置に在り得る)が、それでも互いと整列している。これら他の方位では、プローブヘッド302hの近くのチューブ304および308上に、大チューブ304が小チューブ308からスライドオフすることを防ぐ追加の係止機構(図示せず)が存在し得る。追加の係止機構は、(a)両チューブを囲むねじ状カラーを用いること、(b)大チューブ304をプローブヘッド302hおよび小チューブ308に固定するのに1つ以上の止めねじを用いること、(c)大チューブ304サブアセンブリおよびプローブヘッド302hの両方にマウントされた磁石を用いること、または(d)大チューブ304をプローブヘッド302hに向けて引っ張り安定した位置に保持する任意の他の装置によって実装され得る。
【0054】
したがって、図5に示される実施形態の全体構成は、それが垂直方位であろうが別の方位であろうが、図4A~4Eに示される実施形態と同様の、サンプル光学系の高度に再現可能な位置決めを提供するが、この構成では、機械部品がたわみにくくあり得、かくして光学的性能のより良い再現性が得られる。
【0055】
本明細書に記載された出願人の教示は例示的な目的で様々な実施形態と関連するが、出願人の教示が本明細書に記載された実施形態のような実施形態に限定されることは意図されず、例であることが意図される。一方、本明細書に記載され例示された出願人の教示は、本明細書に記載された実施形態から逸脱せずに、様々な代替、変形、および等価物を包含するものであり、その全体範囲は添付の特許請求の範囲において規定される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
【国際調査報告】