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特表2023-510245バイオアッセイサンプリングにおける制御された流体流のためのチャネルを備えた基板
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】バイオアッセイサンプリングにおける制御された流体流のためのチャネルを備えた基板
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/543 20060101AFI20230306BHJP
   G01N 33/569 20060101ALI20230306BHJP
   G01N 21/64 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
G01N33/543 521
G01N33/569 L
G01N21/64 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022541616
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-23
(86)【国際出願番号】 US2021012780
(87)【国際公開番号】W WO2021142323
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/959,748
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】516282776
【氏名又は名称】クイデル コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】チャン,サマンサ
(72)【発明者】
【氏名】ブランディ,アイリーン シン
(72)【発明者】
【氏名】リード,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ,クリスティーナ
(72)【発明者】
【氏名】ヘッジス,ローレン
【テーマコード(参考)】
2G043
【Fターム(参考)】
2G043AA04
2G043BA17
2G043DA02
2G043DA05
2G043EA01
2G043FA01
(57)【要約】
別個であるとともに最適な流体制御のために設計されている複数の流体フローチャネルを備えたイムノアッセイデバイスについて記載する。サンプル中の1つ又は複数の対象分析物の存在を検出及び定量化するインサイチュイムノアッセイ測定用の流体流の速度を制御するように構成された基板も記載する。より具体的には、本開示は、器具と組み合わせて医学的状態のマーカ又は原因物質を検出するラテラルフローアッセイ用の消耗品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の別個の流体フローチャネルを備える単一の一体型基板と、
各流体フローチャネルに共通である前記基板上の単一のサンプルゾーンであって、各流体フローチャネルが、各流体フローチャネルのチャネル入口領域において前記サンプルゾーンと直接流体連通している、サンプルゾーンと、
を備え、
各流体フローチャネルが長さ及び幅を有し、各流体フローチャネルが、前記チャネル入口領域から下流の捕捉ゾーンと、前記チャネル入口領域と前記捕捉ゾーンとの間に位置決めされたチャネル狭窄ゾーンとを含み、前記チャネル狭窄ゾーンが幅及び長さを有し、前記チャネル狭窄ゾーン幅が、(i)前記基板上に堆積した又は堆積させるべき粒子試薬の直径に等しいか又はそれよりも大きい最小値、又は(i’)前記流体フローチャネル幅の約25%に等しいか又はそれよりも大きい最小値、及び(ii)前記流体フローチャネル幅の約75%に等しいか又はそれよりも小さい最大値によって決まる範囲内の値に対応する、デバイス。
【請求項2】
前記チャネル狭窄ゾーン長さが、(i)前記流体フローチャネル長さの約8%に等しいか又はそれよりも大きい最小値と、(ii)前記流体フローチャネル長さの約75%に等しいか又はそれよりも小さい最大値とによって決まる範囲内の値に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記チャネル狭窄ゾーン長さが、(i)前記流体フローチャネル長さの約10%に等しいか又はそれよりも大きい最小値と、(ii)前記流体フローチャネル長さの約65%に等しいか又はそれよりも小さい最大値とによって決まる範囲内の値に対応する、請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記チャネル狭窄ゾーン幅が、前記チャネル狭窄ゾーン長さに沿って可変である、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記チャネル狭窄ゾーンが、前記チャネル狭窄ゾーンへの入口領域において、又は前記チャネル狭窄ゾーンの出口領域において、テーパ領域を含む、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記テーパ領域が、前記流体フローチャネル幅から前記チャネル狭窄ゾーン幅まで延在している、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記チャネル狭窄ゾーンが、その長さに沿って非角付きである、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記粒子試薬が、光学的に検出可能な固体粒子である、請求項1~3のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項9】
前記固体粒子が、約0.05~750ミクロン(0.00005~0.75mm)の直径を有する蛍光粒子である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記固体粒子が、約0.05~10ミクロン(0.00005~0.01mm)の直径を有する蛍光粒子である、請求項8に記載のデバイス。
【請求項11】
各流体フローチャネル内に入口狭窄領域をさらに含み、前記入口狭窄領域が、前記共通のサンプルゾーンと前記チャネル狭窄ゾーンとの間に位置決めされている、請求項1~10のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項12】
前記入口狭窄領域が、前記チャネル入口領域に位置決めされている、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記入口狭窄領域が幅及び長さを有し、前記入口狭窄領域幅が前記チャネル狭窄ゾーンと実質的に同じである、請求項11に記載のデバイス。
【請求項14】
前記入口狭窄領域が角付きである、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記入口狭窄領域が、約30~90°である角度を含む、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記入口狭窄領域が、半菱形、半矩形、半正方形、4分の1正方形、4分の1矩形、半平行四辺形、4分の1平行四辺形、又は半カイト形の幾何学形状を有する、請求項14又は15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記入口狭窄領域が非角付きである、請求項11に記載のデバイス。
【請求項18】
前記複数の別個の流体フローチャネルがn個の流体フローチャネルを含み、nが2~20である、請求項1~17のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項19】
各流体フローチャネルnが、整数1~nによって識別され、流体フローチャネルl及び流体フローチャネルnが、各々、幅wである外側チャネル壁と、幅が約w~約10wである前記チャネル入口領域に位置決めされた障壁拡張領域とを含む、請求項18に記載のデバイス。
【請求項20】
前記障壁拡張領域が、約w~約5wの幅を有する、請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記基板がニトロセルロースである、請求項1~20のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項22】
各捕捉ゾーンが異なる捕捉試薬を含む、請求項1~21のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項23】
各捕捉ゾーンが、感染性因子に対する捕捉試薬を含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
前記感染性因子が、呼吸器多核体ウイルス、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス及びヒトメタニューモウイルスから選択される、請求項23に記載のデバイス。
【請求項25】
前記感染性因子がボレリア種である、請求項23に記載のデバイス。
【請求項26】
各捕捉ゾーンが、乱用薬物に対する捕捉試薬を含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項27】
前記乱用薬物が、フェンタニル、ブプレノルフィン、オキシコドン及び7-アミノクロナゼパムから選択される、請求項26に記載のデバイス。
【請求項28】
各捕捉ゾーンが、ウイルス感染からの細菌を識別する捕捉試薬を含む、請求項22に記載のデバイス。
【請求項29】
前記捕捉試薬が、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、C反応性タンパク質(CRP)、インターフェロンガンマ誘導性タンパク質-10(IP-10)、ラジカルS-アデノシルメチオニンドメイン含有2(RSAD2)、MXダイナミン様GTPase 1(MX1又はMxA)、MXダイナミン様GTPase2(MX2又はMxB)、好中球ゼラチナーゼ結合性リポカリン(NGAL)及びプロカルシトニン(PCT)と結合するか又は相互作用する試薬を含む、請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記捕捉試薬が、(i)モノクローナル又はポリクローナル抗体、(ii)TRAIL、CRP、IL-10、RSAD2、MX1、MX2、NGAL、PCTのフラグメント、又は(iii)感染性因子のフラグメントである、請求項22~29のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項31】
前記基板が、疎水性材料を含む積層体である、請求項1~30のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項32】
対象の病態又は異常を診断、治療又は両方を行う方法であって、
請求項1~31のいずれか一項に記載のデバイスを提供することと、
前記デバイスを前記対象からの生体サンプルと接触させることと、
前記病態又は異常の有無を決定することと、
任意選択的に、前記病態又は異常を診断することと、
任意選択的に、前記病態又は異常を好適な治療薬で治療することと、
を含む、方法。
【請求項33】
前記病態又は異常が、細菌感染、ウイルス感染、又は薬物の中毒若しくは誤用である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記ウイルス感染が呼吸器感染症である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記細菌感染がライム病又は敗血症である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記病態又は異常を好適な治療薬で治療することが、抗生物質で治療することを含む、請求項32~35のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、全体が参照により本明細書に援用される、2020年1月10日に出願された米国仮出願第62/959,748号の利益を主張する。
【0002】
技術分野
[0002] 本明細書に記載する主題は、サンプル中の1つ又は複数の対象分析物を検出及び定量化するインサイチュイムノアッセイ測定用の流体流の速度を制御するように構成された基板に関する。より具体的には、本開示は、器具と組み合わせて医学的状態のマーカ又は原因物質を検出するラテラルフローアッセイ用の消耗品に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
[0003] ラテラルフローアッセイは、センサ、診断及び指標のための種々の検査用途に適合することができる確立された技術である。ラテラルフローアッセイは、通常、受動的毛管作用を介して対象流体サンプルを適用箇所(例えば、サンプル収集ゾーン)から検出ゾーンに輸送する材料又は基板からなる。例えば、迅速ラテラルフローイムノアッセイ検査デバイスは、臨床環境及び家庭環境の両方において使用される。これらのデバイスは、ホルモン、タンパク質、尿又は血漿成分等、種々の分析物を検査するために使用される。これらのデバイスは、一般に、ニトロセルロース又はろ紙等のラテラルフローテストストリップと、サンプル適用領域と、検査結果領域と、着色粒子(ユウロピウムビーズ等)、蛍光若しくは発光タグ、又は酵素検出系等、ある種の検出可能な「標識」又は「レポータ」に結合される分析物特異的結合試薬とを含む。こうしたデバイスが単純であることが、それらの使用が市場で維持される要因となっている。流体輸送の方法は受動的であるため、流れの速度とともに所定の流路は、主に、液体サンプルの粘度、基板材料、及び適用され得る任意のコーティングの化学的性質(例えば、親水性又は疎水性)により、決定される。基板に余分な構成要素又は材料を追加することなく、流体流の流量を変更するか又は均一性を制御することが有利である。ラテラルフローアッセイにおいて基板上に堆積した流体サンプルの流量及び流れの均一性を変更及び調節する手法が望まれている。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図面の簡単な説明
図1】[0004]いくつかの実施形態による、リモートサーバと、データベースと、筐体内のテストストリップから画像を収集する画像取込デバイスとを含むアーキテクチャを示す。
図2A】[0005]イムノアッセイデバイスを示す。
図2B】[0005]デバイスに沿った流体の進行を示す。
図2C】[0005]デバイスに沿った流体の進行を示す。
図3A】[0006]いくつかの実施形態によるイムノアッセイデバイスを示す。
図3B】[0006]いくつかの実施形態による、複数の流体フローチャネルを備えた図3Aのイムノアッセイデバイスの基板を示す。
図3C】[0006]いくつかの実施形態による、複数の流体フローチャネルを備えた図3Aのイムノアッセイデバイスの基板を示す。
図4A】[0007]いくつかの実施形態によるイムノアッセイデバイスを示す。
図4B】[0007]いくつかの実施形態による、複数の流体フローチャネルを備えた図4Aのイムノアッセイデバイスの基板を示す。
図5A】[0008]いくつかの実施形態による、複数の流体フローチャネルを備えたテストストリップと、その機構のうちのいくつかの寸法とを示す。
図5B】[0008]いくつかの実施形態による、複数の流体フローチャネルを備えたテストストリップと、その特徴部のうちのいくつかの寸法とを示す。
図6A】[0009]チャネル入口に菱形形状の流体制御機構がある場合及びない場合のテストストリップにおける流体流と、ユーザがテストストリップのサンプルゾーンに流体サンプルを高速で配置するか低速で配置するかに応じた流量の変化とのデータを示す。
図6B】[0009]チャネル入口に菱形形状の流体制御機構がある場合及びない場合のテストストリップにおける流体流と、ユーザがテストストリップのサンプルゾーンに流体サンプルを高速で配置するか低速で配置するかに応じた流量の変化とのデータを示す。
図7A】[0010]いくつかの実施形態による、試薬液滴のアレイから構成されたコンジュゲートゾーン及び/又は捕捉ゾーンを有するテストストリップを示す。
図7B】[0010]いくつかの実施形態による、試薬液滴のアレイから構成されたコンジュゲートゾーン及び/又は捕捉ゾーンを有するテストストリップを示す。
図8A】[0011]流体流及びシグナル取込みに関する検査後の、複数の個々の別個の流体フローチャネルを備えたテストストリップの画像である。
図8B】[0011]流体流及びシグナル取込みに関する検査後の、別個ではない複数の流体フローチャネルを備えたテストストリップの画像である。
図9A】[0012]いくつかの実施形態による、障壁領域のあるテストストリップを示す。
図9B】[0012]いくつかの実施形態による、障壁領域のないテストストリップを示す。
図9C】[0013]いくつかの実施形態による、図9A及び図9Bのテストストリップにおける流体流の検査からの結果を示す。
図10A】[0014]テストストリップにフローチャネル及び流れを作るための代替パターンを示す。
図10B】[0014]テストストリップにフローチャネル及び流れを作るための代替パターンを示す。
図11】[0015]いくつかの実施形態による、対象における病態又は異常を診断、治療又はその両方を行う方法のステップを示すフローチャートである。
図12】[0016]いくつかの実施形態による、図1のクライアント及びサーバと図11の方法とを実装することができるコンピュータシステム例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
詳細な説明
定義
[0017] ここで以下、さまざまな態様についてより完全に説明する。しかしながら、こうした態様は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書に示す実施形態に限定されるものと解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的且つ完全であり、当業者にその範囲を完全に伝えるように提供されるものである。
【0006】
[0018] 値の範囲が提供される場合、その範囲の上限と下限との間の各介在する値、及びその述べられている範囲内の他の任意の述べられているか又は介在する値が、本開示に包含されることが意図される。例えば、1μmから8μmの範囲が述べられている場合、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm及び7μmとともに、1μm以上の値の範囲及び8μm以下の値の範囲も同様に明示的に開示されているように意図される。
【0007】
[0019] 単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈上別段明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「ポリマー」に対する言及は、単一のポリマーとともに2種以上の同じか又は異なるポリマーを含み、「賦形剤」に対する言及は、単一の賦形剤とともに2種以上の同じか又は異なる賦形剤を含む、等である。
【0008】
[0020] 「サンプル」は、対象分析物の存在又は量について検査すべき任意の物質である。好ましくは、サンプルは流体サンプルであり、好ましくは液体サンプルである。検査デバイスを用いて検査することができる液体サンプルの例としては、血液、血清、血漿、唾液、尿、眼液、精液、喀痰、鼻汁及び髄液を含む体液が挙げられる。
【0009】
全体概要
[0021] 本開示と一貫する実施形態は、ニトロセルロースストリップを所望の流体流特性を有する複数のチャネルに変更する製造技法を利用する。いくつかの実施形態では、ニトロセルロースストリップは、選択された疾患(例えば、レジオネラ、インフルエンザ、エボラ、ライム病等)に対する単純であるが正確な診断手順のための基板を提供する。本開示における実施形態と一貫する検査のタイプとしては、限定されないが、反射率又は透過率分光法を含む吸収分光法(紫外、可視又は赤外)、又は蛍光及び発光分光法、ラマン分光法、及び任意のタイプの放射線散乱を含む発光分光法等、電磁放射を用いる検査アッセイの任意のタイプの分光分析を挙げることができる。さらに、本明細書に開示するような実施形態は、クラウドコンピューティングソリューションを使用することによって、各検査の処理、カタログ化、調節及び相互参照能力を強化するように、こうしたアプライアンスのネットワーク化機能をさらに利用することができる。したがって、いくつかの実施形態では、高画質(例えば、高空間及びスペクトル解像度)画像、画像のシーケンス、ビデオ、又はそれらの処理されたバージョンが、超並列計算を実行して診断結果を短時間で提供することができるリモートサーバにアップロードされる。こうした分析された物質は、即座に処理される場合もあれば、後の日/時間に処理される場合もあり、及び/又は、以前に収集された物質と比較して、経時的な差異、例えば、テストストリップにわたる分析物の時間発展が判断される場合もある。こうした分析された物質は、ユーザ匿名化の後、公衆衛生の利益のための分析に使用されるか、又は、所定の基準、例えば、年齢層、性別、地理的場所、病原体特性等で他の人と結果を相互参照することにより、検査のユーザにさらなる利益を提供するために使用される場合もある。
【0010】
[0022] 本願のシステムは、ユーザが、専門家、又は複雑な機械若しくは器具を利用する必要なしに、疾患が存在するか若しくは潜在しているか、又は軽症か若しくは重症かを迅速に知ることができる等、いくつかの利点を提供する。
【0011】
[0023] 本明細書で提供する多くの例は、識別可能であるものとしてのユーザの個人情報及びデータ、又は1つ若しくは複数のリモート診療所とのユーザ対話履歴のダウンロード及び保存について記載するが、各ユーザが、こうしたユーザ情報が共有又は保管されることについて明確な許可を与えてもよい。明示的な許可は、開示するシステムに統合されたプライバシー管理を使用して与えることができる。各ユーザに対して、こうしたユーザ情報が明示的な同意を得て共有されるという通知を与えることができ、各ユーザは、いつでも情報共有を終了させることができ、任意の保管されたユーザ情報を削除することができる。さらに、いくつかの実施形態では、保管されたユーザ情報は、ユーザのセキュリティ及び識別情報を保護するために暗号化することができる。
【0012】
システムアーキテクチャ例
[0024] 図1は、いくつかの実施形態による、リモートサーバ110と、データベース152と、筐体135内のテストストリップ100から画像を収集する画像取込デバイス130とを含むアーキテクチャ10を示す。アーキテクチャ10において、テストストリップ100及び筐体135は、ユーザが使用後に廃棄することができる消耗品であり得る。例えば、テストストリップ100は、テストサンプルの各使用後に交換することができ、一方、筐体135は、さらに数回使用することができる。それに関して、テストストリップ100及び筐体は、ユーザが臨床サービス提供者に要求するパッケージの一部であり得る。パッケージは、1つの筐体135と、それとともに使用することができる複数のテストストリップ100とを含むことができる。いくつかの実施形態では、筐体135は、それらがパッケージの一部であるかどうかとは無関係に、複数回使用することができる半恒久的又は高級的な補助ボックス(例えば、カセット又はカートリッジ)であり得る。いくつかの実施形態では、筐体135は、テストストリップ100の取扱いを容易にするハウジング又はカートリッジである。他の実施形態では、テストストリップ100は、ディップスティック等、イムノアッセイテストストリップである。すなわち、筐体135は任意選択的であり、存在する場合、米国特許出願公開第2009/02263854号に開示され、意匠特許第D606664号に示されているような、可撓性積層体とすることができる。
【0013】
[0025] 消耗品に加えて、画像取込デバイス130は、ユーザによって提供されるスマートフォン又は他のモバイルコンピューティングデバイス(例えば、タブレット、パッド又はさらにはラップトップ)を含むことができる。画像取込デバイス130は、概して、センサアレイ140及び光学系結合機構120(例えば、オートフォーカス機能を有するレンズ系)を含むことができる。画像取込デバイス130は、ネットワーク150を介して、リモートサーバ110及びリモートデータベース152と無線で結合するようにも構成することができる。リモートサーバ110は、画像取込デバイス130にインストールされた画像取込アプリケーション145に対するサポートを提供することができる。サポートは、画像取込アプリケーション145のインストール、更新及び保守、データベース152に格納するための生データ(例えば、写真、一続きの写真、及びビデオ)の取得、画像処理等を含むことができる。
【0014】
[0026] 本明細書における説明のいくつかは、テストストリップの蛍光分光分析に焦点を当てているが、本開示と一貫するいくつかの実施形態は、他の任意のタイプの電磁相互作用及び分光分析を含んでもよい。本開示と一貫する分光分析のいくつかの例としては、ラマン分光法、赤外吸収分光法、赤外反射率/透過率分光法等を挙げることができる。さらに、いくつかの実施形態では、太陽放射(例えば、昼間)又は任意の外部照明を使用して、テストストリップの関心領域の分光応答を励起するように、発光源を光結合機構(例えば、レンズ、ミラー、プリズム、回折格子、又はそれらの任意の組合せ)に置き換えてもよい。
【0015】
[0027] 筐体135は、画像取込デバイスによって収集された蛍光励起光又は蛍光発光に干渉する任意の外部光を回避又は制御するように構成されている。例えば、テストストリップの関心領域を均一に照明して(例えば、影、輝点又は他のアーティファクトがない)、画像取込デバイス内の画像取込アプリケーションによってフィルタリングにより除去することができる滑らかな分光背景を作成することが望ましい。
【0016】
[0028] いくつかの実施形態は、テストストリップ100の画像を空間的及び/又はスペクトル的にフィルタリングすることによって、アッセイの診断を評価するための値を抽出する。したがって、フィルタリングされたピクセル値を集計し、事前選択された閾値と比較することができる。したがって、集計値が閾値よりも小さいか又は大きい場合、疾患診断が陽性である可能性がある。いくつかの実施形態は、診断の信頼区間を提供するように、統計的分析及び較正に基づく誤差値を含んでもよい。他の実施形態では、1つの分析物バンドがとる領域と、蛍光複合体の取込が存在しない類似の領域との間で、情報を比較することができる。
【0017】
流体チャネル及び流体制御機構を含む基板
[0029] 図2A~2Cは、アッセイデバイス上に配置された際のサンプルの進行を示す図である。サンプルは、必要な場合は試薬又は処理液と、(例えば、患者、検査容器等からの)対象サンプルとからなる流体を含むことができる。試薬又は処理液は、任意選択的であり、毛管作用による「横方向」(例えば、図の左から右への)のイムノアッセイデバイスの異なる部分を通るサンプルの流れを促進するのに有用であり得る。対象サンプルは、綿棒(例えば、鼻腔ぬぐい、又は他の体腔)、シリンジ又はスクープを介して、事前選択された容量、例えば、100マイクロリットル(μL)又はそれ以上、患者から収集され得る。
【0018】
[0030] 最初に図1Aを参照すると、イムノアッセイデバイス200は、基板202を含む。基板には、コンジュゲートゾーン206と流体連通しているサンプルゾーン204と、捕捉ゾーン208と、任意選択的な吸収パッド210とが堆積し又は形成されている。典型的には、コンジュゲートゾーン206はサンプルパッド204の下流にあり、捕捉ゾーン208はコンジュゲートゾーン206の下流にあり、吸収パッド210は捕捉ゾーン208の下流にある。いくつかの実施形態では、画像取込デバイスは、捕捉ゾーン208の少なくとも一部の画像を取り込むとともに処理するように構成されている(例えば、画像取込デバイス130、図1参照)。したがって、光源は、テストストリップから蛍光等のシグナルを励起するように構成され得る。いくつかの実施形態では、蛍光等、放出シグナルは、画像取込デバイス内のセンサアレイにおいて選択された色の範囲内の波長を有する。
【0019】
[0031] いくつかの実施形態では、コンジュゲートゾーン206は、可動性の検出可能な種を含む。可動性の検出可能な種の例は、本技術分野では既知であり、対象分析物(例えば、感染性因子、又は薬物若しくは汚染物質等の化学成分)によって決まる。いくつかの実施形態では、イムノアッセイデバイスにコンジュゲートゾーンがなく、可動性の検出可能な種は、例えば凍結乾燥物質として、イムノアッセイデバイスとともに容器内に提供される。サンプル及び凍結乾燥物質は混合され、混合物はサンプルパッド204上に堆積する。
【0020】
[0032] いくつかの実施形態では、捕捉ゾーン208は、第1コントロールゾーン212、第1テストゾーン214、及び第2テストゾーン216(以下、総称して「捕捉ゾーン」と称する)等、1つ又は複数のライン、バンド又はスポットを含む。したがって、捕捉ゾーンの形状及び数は、複数の変形、すなわち、ドット、滴、ライン、並びにドット及び/又はラインのアレイ、さらにはより複雑な形状因子を有する曲線形状を含むことができる。捕捉ゾーンは、可動性の検出可能な種と対象分析物又は対照(コントロール)分析物との間に形成されるコンジュゲート複合体の少なくとも一部に対して化学的又は物理的親和性を有する、少なくとも1種の固定化可能な種を含む。各捕捉ゾーンにおける結合種は、溶液から堆積させるか又は印刷し、ある期間(例えば、数分間、数時間又は一晩)乾燥させることができる。いくつかの実施形態では、捕捉ゾーン内の各コントロール又はテストラインは、特定の分析物に対する結合部材を含み、各分析物は、別個の可動性の検出可能な種に結合し、検出可能な種は、シグナル放出、例えば、波長又はタイプが異なる。1つの実施形態では、各コントロール又はテストラインは、分析物と、異なる波長で光シグナルを発生する可動性の検出可能な種とのコンジュゲートを結合する。例示的なイムノアッセイテストストリップは、例えば、米国特許第9,207,181号、同第9,989,466号、及び同第10,168,329号、並びに米国特許出願公開第2017/0059566号及び同2018/0229232号に記載されており、これらの各々は参照により本明細書に援用される。
【0021】
[0033] イムノアッセイデバイス200は、特定の病原体又は対象の種の分析物の検出のために一意に構成され得る。これら病原体又は分析物としては、限定されないが、タンパク質、ハプテン、免疫グロブリン、酵素、ホルモン、ポリヌクレオチド、ステロイド、リポタンパク質、薬物、細菌抗原及びウイルス抗原が挙げられる。本技術分野においてより一般的には感染抗原と称する細菌抗原及びウイルス抗原に関して、対象分析物としては、連鎖球菌、インフルエンザA、インフルエンザB、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、A型肝炎、B型肝炎及び/又はC型肝炎、肺炎球菌、ヒトメタニューモウイルス、並びに当業者に周知である他の感染性因子が挙げられる。いくつかの実施形態では、テストデバイスは、ライム病に関連する1種又は複数種の抗原を検出するように意図される。いくつかの実施形態では、イムノアッセイデバイスは、女性の健康の分野において使用されるように意図される。例えば、胎児性フィブロネクチン、クラミジア、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)、高グリコシル化絨毛性ゴナドトロピン、ヒトパピローマウイルス(HPV)等のうちの1種又は複数種を検出するテストデバイスが企図される。別の実施形態では、イムノアッセイデバイスは、ビタミンDを検出するように構成され、本明細書に記載する正規化装置及び方法と相互作用するように設計される。イムノアッセイデバイスからのシグナルを測定するために使用する技法としては、非競合アッセイ技術、競合アッセイ技術(例えば、均一系競合アッセイ、不均一系競合アッセイ)等の任意のイムノアッセイ技法技術を挙げることができる
【0022】
[0034] いくつかの実施形態では、対象分析物には、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、インフルエンザAウイルス、インフルエンザBウイルス又はヒトメタニューモウイルス(hMPV)等の病気を媒介する病原体が含まれ得る。いくつかの実施形態では、対象分析物には、薬物及び他の違法又は禁止物質(例えば、ステロイド等)等の規制物質が含まれ得る。例えば、いくつかの実施形態は、フェンタニル、ブプレノルフィン、オキシコドン、及び/又は7-アミノクロナゼパム等の薬物の検出及び測定を含むことができる。
【0023】
[0035] 続けて図2Aを参照すると、サンプルパッド204は、対象分析物を含むと疑われるサンプルを受け取る。コンジュゲートゾーン206は、いくつかの実施形態では、蛍光元素等の検出可能な標識元素を含む粒子を含む2つの乾燥コンジュゲートを含む。例示的な蛍光元素は、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、イッテルビウム、ルテチウム及びイットリウムの15元素のうちの1つ等、ランタン系物質である。1つの実施形態では、ランタン系物質は、ポリスチレン粒子等の粒子内又は粒子上に埋め込まれる。粒子は、発光性又は蛍光性ランタノイドを含む微粒子(直径約1,000マイクロメートル未満、いくつかの場合では直径約500マイクロメートル未満、いくつかの場合では直径200、150又は100マイクロメートル未満の粒子)とすることができ、いくつかの実施態様では、ランタノイドはユウロピウムである。いくつかの実施形態では、ランタニドは、キレート化ユウロピウムである。微粒子は、いくつかの実施形態では、ポリスチレンコーティングを含むユウロピウムコア等、ポリマーコーティングを含むランタン系物質のコアを有する。サンプル中の対象分析物に対する結合パートナは、微粒子の外面に付着しているか、又は関連付けられる。いくつかの実施形態では、対象分析物のための結合パートナは、抗体、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体である。当業者であれば、他の結合パートナを選択することができ、こうした結合パートナは、ビオチン及びストレプトアビジン複合体等の複合体を含むことができることが理解されよう。コンジュゲートゾーン206に入ると、液体サンプルは乾燥した微粒子-抗体コンジュゲートを水和、懸濁、及び流動化し、コンジュゲートをサンプルとともに、テストストリップ上を下流に、捕捉ゾーン208のコントロール若しくは参照及び/又はテストラインまで運ぶ。サンプル及び微粒子-抗体コンジュゲートがテストストリップ上を下流に流れ続けると、対象分析物がサンプル中に存在する場合、この時点で対象の抗原/分析物と結合している蛍光微粒子-抗体コンジュゲートは、コンジュゲートゾーン208のコンジュゲートラインに固定化されている対象分析物に対する所定の結合部材に結合することになる。いくつかの実施形態では、イムノアッセイ基板上には単一のテストラインが存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも2本以上のテストラインが存在する。例として、捕捉ゾーン208は、インフルエンザA及びインフルエンザBを検出及び/又は識別するように設計されてもよく、インフルエンザAを検出するための第1テストライン214とインフルエンザBを検出するための第2テストライン216とを含むことができる。インフルエンザAに特異的な抗体でコーティングされた微粒子と、インフルエンザBに特異的な抗体でコーティングされた微粒子と含む、微粒子-抗体コンジュゲートは、コンジュゲートゾーン206に、いくつかの実施の形態ではコントロールライン212の下流に含まれ得る。インフルエンザA用の第1テストラインは、インフルエンザAの核タンパク質上の決定基に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体を含み、インフルエンザB用の第2テストラインは、インフルエンザBの核タンパク質上の決定基に対するモノクローナル又はポリクローナル抗体を含む。サンプル中に抗原が存在する場合、サンプル中の抗原と一致するそれぞれのテストライン上に典型的なイムノアッセイサンドイッチが形成される。
【0024】
[0036] イムノアッセイテストデバイスは、限定されないが、鼻汁、鼻咽頭分泌物、唾液、粘液、尿、膣分泌物、糞便試料、血液等を含むヒト体液からの生体サンプルを含む、多種多様のサンプルを受け取るように意図されている。本明細書に記載するキットには、いくつかの実施形態では、陽性対照綿棒又はサンプルが提供される。いくつかの実施形態では、陰性対照綿棒又はサンプルが提供される。外部の陽性及び/又は陰性対照を必要とするアッセイの場合、ユーザは、陽性又は陰性対照サンプル又は綿棒を挿入又は適用するように促される場合がある。
【0025】
[0037] イムノアッセイバンドは、イムノアッセイストリップ中の免疫タンパク質との付着(例えば、吸着、化学吸着、免疫リガンド等)により基板上に固定される際、主に標的分析物に結合した蛍光色素から蛍光を発する。したがって、バンドの境界内に赤色発光が存在する場合、その大部分が標的分析物の存在(例えば、病原性抗原の存在等)に起因する。しかしながら、イムノアッセイバンドの境界内の赤色シグナルの量には、幾分かのバックグラウンドが含まれる場合がある。(例えば、バンド上の抗体と結合した標的分析物によって生じない)バックグラウンドシグナルをより適切に評価するために、テストストリップによってはブランクコントロール領域を含む場合がある。
【0026】
[0038] いくつかの実施形態では、第1及び第2コントロールラインは、流れ方向に対してテストラインのいずれかの側に配置される。したがって、第1及び第2コントロールラインは、アッセイのための開始/終了シグナルを提供する。これにより、第2コントロールラインの一部のみがサンプルで湿潤した場合であっても、陰性結果を予期することができる。いくつかの実施形態では、画像取込デバイスは、捕捉ゾーン208のピクセル化画像を取り込むことができ、したがって、流体フロントの進行を、それがサンプルゾーンからテスト基板上を下流に流れるに従って時間的に取り込むことができる。したがって、いくつかの実施形態は、サンプル流体の進行が追跡されるため、基板に対する測定基準及び性能データを提供することができる。この概念について、移動する流体フロント218が示されている図2B~2Cに関して説明する。テストストリップ上の2点間を流体フロントが移動する時間は、例えば、2点間のサンプルの流れの間に収集された画像フレームを分析することによって確認することができる。流体流量を確認することに加えて、流体フロント210の形状(例えば、曲率及び傾斜)を、テストストリップの測定基準として、画像において視覚化することができる。
【0027】
[0039] 図2Bに示すテストデバイスは、サンプルがサンプルパッド204上に堆積し、コンジュゲートパッド206を横切って捕捉ゾーン208に流れ込んだ場合を示す。図2Cのデバイスでは、サンプルは捕捉ゾーン208を通って進行している。いくつかの実施形態では、流体フロント210があるランドマーク位置に達した後に、サンプルに対して測定を行うことが望ましい。したがって、いくつかの実施形態では、基板に沿った流体フロント210の完全な進行は、画像取込デバイスによって記録することができる。いくつかの実施形態では、捕捉ゾーン内のテストラインの実質的に全幅におよそ同時にサンプルが接触することを確実にするために、流体フロント210がサンプルの進行に実質的に垂直な線を形成することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、流体フロント210は、任意の形状(凹状、凸状、不規則等)を有する場合があり、画像取込デバイスは、流体フロント210が捕捉ゾーンを横切って進行するのに従って追従するように構成され得る。サンプルがサンプルゾーンから捕捉ゾーンの端部まで流れる時間は、5分、7分、10分、12分、15分、17分、20分、又はそれ以上であり得る。
【0028】
[0040] イムノアッセイデバイスの基板は、第1ベース又は支持層と第2膜層とからなる積層体であってもよく、そこでは、第1支持層は疎水性又は親水性とすることができ、第2膜層は第1層に接着され、第2膜層は本質的に吸湿性であり、及び/又は毛管流が可能である。支持層は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、シリコーン等、疎水性又は不透過性であり得る。
【0029】
[0041] 概略的なイムノアッセイデバイスの図2A~2Cで提供される導入とともに、ここで、本開示のイムノアッセイデバイスについて説明する。第1態様において、イムノアッセイデバイスは、複数の別個の流体フローチャネルを含む単一の一体型基板から構成されている。基板は、上述したように、積層材料であってもよく、ここで図3A~3Cを参照して記載するように構成された単一の一体型積層基板である。図3Aは、任意選択的なハウジング304に挿入されたテストストリップ302から構成されたイムノアッセイデバイス300を示す。図3Bは、テストストリップ302を示す。テストストリップ302は、図3Aの任意選択的なハウジング内でポート306を介してアクセス可能な単一サンプルゾーン304を含む。単一サンプルゾーン304は、308、310、312及び314として識別される個々の別個のチャネル等、複数の流体フローチャネルに共通であるとともに、それらと流体連通している。各流体フローチャネルは、チャネル308のチャネル入口316等、各流体フローチャネルのチャネル入口領域で、サンプルゾーンと直接又は間接的に流体連通している。
【0030】
[0042] 複数のチャネルにおける各流体フローチャネルは、長さlfc及び幅wfcを有する。各流体フローチャネルは、チャネル入口領域から下流の捕捉ゾーンと、チャネル入口領域と捕捉ゾーンとの間に位置決めされたチャネル狭窄ゾーンとを含み、チャネル狭窄ゾーンは幅wcz及び長さlczを有し、チャネル狭窄ゾーンの幅wczは、(i)基板上に堆積した又は堆積させるべき粒子試薬の直径に等しいか又はそれよりも大きい最小値、又は(i’)流体フローチャネルの幅wfcの約25%に等しいか又はそれよりも大きい最小値、及び(ii)流体フローチャネルの幅wfcの約75%未満に等しいか又はそれよりも小さい最大値によって決まる範囲内の値に対応する。
【0031】
[0043] 図3B及び3Cを参照すると、流体フローチャネル308は、幅wfc及び長さlfcを有する。流体フローチャネルは捕捉ゾーン318も含み、捕捉ゾーン318は、チャネル入口領域316から下流に、且つ、図3Bでは複数の流体フローチャネルを概して横切って320として示し、図3Cでは流体フローチャネル308の狭窄部322として示す、チャネル狭窄ゾーンから上流に、位置決めされている。狭窄部322等の各流体フローチャネルにおける狭窄部は、幅wcz及び長さlczを有する。狭窄部の幅がその長さに沿って変化する実施形態では、幅wczは、長さlczに沿った最小幅に対応する。各流体フローチャネルにおけるチャネル狭窄ゾーンの下流に、1つ又は複数の捕捉若しくはテスト又はコントロール「ライン」を含む捕捉ゾーン323がある。ラインは、円形、菱形、三角形、又は任意の幾何学的形状のアレイ等、任意の幾何学的形状とすることができるため、「ライン」という語の使用は、ラインの幾何学的形状を伝えるようには意図されていない。図3Cの流体フローチャネル308において、狭窄部322の下流には、3つの捕捉ライン324、326、328がある。
【0032】
[0044] 図3B及び3Cのテストストリップ302は一体型基板であり、すなわち、基板は単一の連続材料である。一実施形態では、単一の連続基板は、支持材料と膜材料との積層体である。膜材料は、ここで記載するように、狭窄領域及び捕捉ラインを含む流体フローチャネルを形成するように処理される。1つの実施形態では、膜材料は、ニトロセルロース等の吸湿性材料である。ニトロセルロースは、化学物質又はレーザに曝されて、ニトロセルロースの一部を除去又はエッチングして、フローチャネルを形成する。例えば、図3B及び3Cの流体フローチャネル308は、膜材料をエッチングで除去して、対向する側壁330、332を形成することによって形成される。側壁の寸法は、理解することができるように、狭窄領域で調整される。テストストリップは、さらに、フィデューシャル334等のフィデューシャルと、障壁336等の横方向障壁とを含むことができる。フィデューシャルは、コンジュゲートラインの光学的分析に役立ち、障壁は、テストストリップ上の流体流制御に役立つ。1つの特定の実施形態では、レーザを使用して、制御された方式で基板膜材料がアブレーションされる。レーザアブレーションは、概して、ある波長の入射光を用いて材料を除去するプロセスを指す。例えば、ポリマー材料では、入射光は、概して、化学的溶解をもたらすポリマー中の光化学的変化を誘発する。本発明では、例えば、COレーザ、パルス光レーザ、ダイオードレーザ、ND:Yag1064nm及び532nmレーザ、アレキサンドライト及びQスイッチレーザ、パルス色素レーザ、光学及びRFレーザ、エルビウムレーザ、ルビーレーザ及びホルミウムレーザを含む、任意の既知のレーザを採用することができる。好ましい実施形態では、COレーザを使用して、支持固定具に取り付けられているニトロセルロース膜がエッチングされる。移動ビーム又はX-Yテーブルを使用することにより、例えば、流体フローチャネル又は他の流体機構を画定するように、ニトロセルロースに精密チャネルが作られる。加えて、チャネル形成を強化するために、光学レンズ、ミラー等、他の光学デバイスをレーザと組み合わせて採用してもよい。別の実施形態では、ピコ秒パルスを有するNd:YVO4固体レーザが、例えば、532ナノメートルの波長、12ピコ秒のパルス長、10マイクロジュールのパルスエネルギー、及び10キロヘルツのパルス周波数で、100ミリメートルFθレンズと1秒間に25ミリ秒の送り速度とを用いて基板301にビームを集束させて使用される。任意の所与のレーザに対する、波長、パルス持続時間、パルス繰返し率、及びビーム品質等、基板のレーザアブレーションのためのパラメータは、当業者により決定することができる。
【0033】
[0045] 図3Cを参照すると、各流体フローチャネルは、アブレーションされた基板の領域に対応するか又は側壁の厚さ/幅に対応する、ギャップgによって、隣接する流体フローチャネルから物理的に分離されている。いくつかの実施形態では、gは、少なくとも約0.01mm、0.025mm、0.03mm、0.05mm、0.07mm、0.08mm、0.09mm、0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm若しくは1mmの寸法を有してもよく、又はこれらの離散値のうちのおおよそ任意の2つの値の間である。
【0034】
[0046] いくつかの実施形態では、各流体チャネルの幅wfcは、約0.1mm、0.2mm、0.3m、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm若しくは2mmの寸法を有してもよく、又はこれらの離散値のうちのおおよそ任意の2つの値の間である。例えば、いくつかの実施形態では、wfcは1mmであってもよく、w2は0.5mmであってもよい。
【0035】
[0047] いくつかの実施形態では、捕捉ライン又はドットは、印刷業界におけるようなインクジェット技法を使用して基板上に配置される。上述したように、いくつかの実施形態では、捕捉ラインは、ドットのアレイを含むことができ、そこで、アレイは、m×n(例えば、列×行)の寸法を有する。したがって、いくつかの実施形態では、テストストリップ上の捕捉ゾーン及び/又は個々の流体フローチャネル内の捕捉ラインは、別個の滴又はドットのm×nアレイを含むことができ、そこで、m及びnは1以上であり、m×nアレイの各ドットは、距離x(例えば、「ピッチ」又は「間隔」)だけ隣接ドットから分離されている。いくつかの実施形態では、m及びnは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれ以上等、任意の整数であり得る。いくつかの実施形態では、ピッチxは、約20~1000μm、又は約50~500μm、又は約75~500μm、又は約100~500μm、又は約150~500μm、又は約150~300μm、又は約150~250μm、又は約200~500μmであり得る。いくつかの実施形態では、各ドット325を形成するために基板上に堆積させる配合物の体積は、約20~1000pL、又は約50~800pL間、又は約75~800pL、又は約100~600pL、又は約150~550pL、又は約200~500pL間、又は約200~450pLであり得る。
【0036】
[0048] いくつかの実施形態では、アレイ内の各ドットは、捕捉/検出効率を最適化するように、且つ測定定量化を提供及び改善するようにもまた、m×nアレイに配置された、異なる固定化可能な検出可能な種を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、同じ流体チャネル308に沿った(例えば、m×nアレイにおける同じ列に沿った)ドットは、同じ固定化可能な検出可能な種を含むことができる。したがって、サンプル流体が流体フローチャネル内のドットの列を通って進行するに従い、各流体チャネルに沿ったドットから収集されるシグナルの減衰は、(ドット上の検出可能な種の既知の濃度を考慮すると)サンプル中の分析物濃度の正確な値に従って、モデルに数学的に適合させることができる。いくつかの実施形態では、同じ列に沿ったドットは、同じ、固定化可能な、検出可能な種を含むことができ、一方で、各列は、異なる種と関連付けられる。したがって、流体フローチャネルの各々に沿って、複数の対象分析物を検出することができ、複数のフローチャネルにより、測定値の統計的比較が可能になる。
【0037】
[0049] いくつかの実施形態では、各アッセイ(例えば、RSV、Flu A、Flu B、hMPV等)に特異的なコンジュゲートが、各流体フローチャネルのコンジュゲートゾーンの捕捉ライン上に別々に印刷され、したがって多分析物検出のためのテストアッセイが提供される。精密液体分注器具からアレイの各滴が基板上に堆積する。いくつかの実施形態では、分注器具により、ユーザは、液滴の体積、液滴ピッチ及び他の変数を選択することができる。ユーザは、複数の液滴を、アレイの各位置に器具分注ヘッドのシングルパスで堆積させるか、器具分注ヘッドのマルチパスで堆積させるかを選択することもできる。アレイの各ドットの所望の位置精度を得るために、異なる器具変数を調整することができる。器具変数のうちのいくつかは、各滴を形成するように分注された可動性の検出可能な種に対するコンジュゲートを含む配合物の液滴の数を選択することを含むことができる。いくつかの実施形態では、アレイの各滴は、配合物の1、5、10又はそれ以上の液滴を分注することによって形成され得る。液滴の体積は、要求に応じて、例えば、各液滴あたり数十又は数百ピコリットル(pL)ずつ、適宜調整され得る。さらに、いくつかの実施形態では、アレイの複数のドットは、噴射ヘッドの数回のパスで堆積させてもよい。例えば、第1パスにおいて各ドット上に第1数の液滴を堆積させてもよく、第2パスにおいて各ドット上に第2数の液滴を堆積させてもよい。いくつかの実施形態では、分注ヘッドの複数パスでより少ない液滴を堆積させることにより、アレイの滴の位置精度が向上し、より均一なピッチ(水平及び垂直)になる。
【0038】
[0050] 図4A及び4Bは、別の例示的なイムノアッセイテストデバイス400を示す。イムノアッセイデバイス400は、図4Bにおいてハウジングから分離して示されているテストストリップ404のための任意選択的なハウジング402を含む。テストストリップ404は、単一の一体型基板406を含む。上述したように、基板406は、支持層と吸湿性層とからなる積層材料とすることができる。吸湿性層は、複数の別個の流体フローチャネルを含むように処理又は加工される。図4A及び4Bに示す実施形態は、4つの別個の流体フローチャネルを含み、チャネル408が代表的である。基板は、複数のチャネルの各チャネルと直接流体連通している単一のサンプルゾーン又は領域410も含む。より具体的には、代表的なチャネル408のチャネル入口領域412等、各チャネルのチャネル入口領域は、分析用のサンプルを受け取るサンプルゾーンと、構造、材料、ゾーン及び/又は構成要素が介在することなく、直接流体連通している。複数のチャネルにおける各流体フローチャネルは、代表的なチャネル408において414で示すコンジュゲートゾーンを含む。複数のフローチャネルの各流体フローチャネルは、代表的なチャネル408における416で示す捕捉ゾーンを含む。捕捉ゾーンは、上述したように、固定化試薬を含む、ライン418等、1つ又は複数のテストラインを含む。
【0039】
[0051] 複数のチャネルにおける各流体フローチャネルは流体制御ゾーン420も含み、流体制御ゾーン420は、流体制御ゾーンが流体の流れを遅くするか制限するように設計されている実施形態では、狭窄ゾーンと称する場合がある。流体制御ゾーン420は、チャネル入口とコンジュゲートゾーンとの間に位置決めされている。図4Bの実施形態では、流体制御ゾーンは、コンジュゲートゾーンの下流にあるが、コンジュゲートゾーンの上流にある場合もある。
【0040】
[0052] テストストリップ404は、サンプルゾーン上に配置された流体サンプルを流体フローチャネルに誘導し及び/又は計量供給する機構を含むようにも構成されている。こうした機構は、流体障壁422、424である。各障壁の寸法及び各障壁の位置は、流体を各流体フローチャネルに誘導し及び/又は計量供給するように調整することができる。wとして示す障壁の幅と、その角度αとは、流体力学を調整するように変更及び選択することができる。一実施形態では、障壁は、サンプルゾーンに配置されたある体積の流体サンプルを各流体フローチャネルに誘導するとともに計量供給して、複数のチャネルにおける各チャネルでの実質的に均一な流量(例えば、約15%、10%又は5%未満の、複数のチャネルにわたって変化する流量)及び/又はサンプルゾーン及び流体フローチャネルにおける(及び最終的にはチャネルの終端における任意の吸収性ゾーンにおける)上記体積の流体サンプルの収納を達成するような寸法である。すなわち、流体サンプルのいずれも、図4Bにおいて426によって識別する領域に溢れ出でるか又は染み出るか又はこぼれることはない。
【0041】
[0053] 各個々の流体フローチャネルのチャネル入口領域は、各チャネルへの流体サンプルの一部の流入を調節及び制御するような寸法とするとともにそのように構成することができる。いくつかの実施形態では、チャネル入口領域は、狭窄ゾーン430等の流体制御機構を含む。流体制御機構は、四辺形(例えば、偏菱形形状)、砂時計形状又は菱形形状等、所望の任意の形状を有することができる。
【0042】
[0054] 流体制御ゾーン、又は流体流を遅くするように設計されている場合には、チャネル狭窄ゾーンは、ここで図5A及び5Bを参照して考察するように、各流体フローチャネルにおける流体の制御を達成するような寸法である。テストストリップ500が示されており、テストストリップは、材料の一体的な連続片から構成され、その材料は、複数の流体フローチャネルを構成するように、本明細書に記載するように処理される。各流体フローチャネルは、長さl図5B)及び幅w図5A)を有する。各流体フローチャネルにおけるチャネル狭窄ゾーンは、長さlcz(図5B)及び幅wcz図5A)を有する。1つの実施形態では、幅wczは、最小値及び最大値を有する範囲内の値である。範囲の最小値は、1つの実施形態では、基板上に堆積した又は基板上に堆積させるべき粒子試薬の直径に等しいか、又はそれよりも大きい。例えば、上述したように、各流体フローチャネルにおけるコンジュゲートゾーンは、可動性の検出可能な粒子を含むことができる。狭窄ゾーンの幅wczは、可動性の検出可能な粒子が狭窄ゾーンを通って流れるのを可能にする寸法である。例えば、デバイス内で試薬として使用される検出可能な標識を有するポリマー粒子は、外径を有する。イムノアッセイデバイスが、ある直径の可動性の光学的に検出可能な固体粒子を含む狭窄ゾーンの上流にコンジュゲートゾーンがあるように構成される実施形態では、又はイムノアッセイデバイスが、狭窄ゾーンを通って流れなければならないある寸法の試薬を含むように設計されている場合、狭窄ゾーンの最小幅は、そこを通って流れなければならない試薬の寸法に等しいか又はそれよりも大きい。狭窄ゾーンの例示的な最小幅は、約0.01~750マイクロメートル(0.00001~0.75mm)、0.01~500マイクロメートル、0.01~250マイクロメートル、0.01~100マイクロメートル、0.01~50マイクロメートル、0.01~25マイクロメートル、0.01~10マイクロメートル、0.01~5マイクロメートル、0.01~2マイクロメートル、0.01~1.5マイクロメートル、0.01~1.0マイクロメートル、0.05~750マイクロメートル、0.05~500マイクロメートル、0.05~250マイクロメートル、0.05~1.0マイクロメートル、0.05~100マイクロメートル、0.05~50マイクロメートル、0.05~25マイクロメートル、0.05~10マイクロメートル、0.05~5マイクロメートル、0.05~2マイクロメートル、0.05~1.5マイクロメートル、0.05~1.0マイクロメートル、0.075~500マイクロメートル、0.075マイクロメートル、0.075~250マイクロメートル、0.075~100マイクロメートル、0.075~50マイクロメートル、0.075~25マイクロメートル、0.075~10マイクロメートル、0.075~5マイクロメートル、0.075~2マイクロメートル、0.075~1.5マイクロメートル又は0.075~1.0マイクロメートルの範囲である。
【0043】
[0055] 別法として、狭窄ゾーンにおける流体フローチャネル幅の寸法範囲の最小値は、流体フローチャネル幅wの約25%に等しいか又はそれよりも大きい。図5Aは、流体フローチャネルの幅wと狭窄ゾーンにおけるフローチャネル幅wczとを示す。この実施形態によれば、wczはwの0.25倍に等しい。他の実施形態では、wczはwの0.10倍以上であり、wczはwの0.15倍以上であり、wczはwの0.20倍以上であり、wczはwの0.30倍以上であり、wczはwの0.35倍以上であり、wczはwの0.40倍以上であり、wczはwの0.50倍以上である。他の実施形態では、wczはwの約0.05~0.75倍に等しく、wczはwの約0.1~0.75倍に等しく、wczはwの約0.1~0.5倍に等しく、wczはwの約0.15~0.5倍に等しく、wczはwの約0.15~0.5倍に等しく、wczはwの約0.15~0.4倍に等しく、wczはwの約0.2~0.75倍に等しく、wczはwの約0.2~0.5倍に等しく、又はwczはwの約0.2~0.4倍に等しい。
【0044】
[0056] 上述したように、幅wczは、最小値と最大値とを有する範囲内の値である。最大値は、1つの実施形態では、流体フローチャネル幅の約75%に等しいか、又はそれよりも小さい。他の実施形態では、最大値は、流体フローチャネル幅の約85%、80%、70<65%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%に等しいか又はそれよりも小さい。
【0045】
[0057] 例として、長さが17.70mm、幅が1.10mmの流体フローチャネルを想定する。アッセイで試薬が使用され、試薬が狭窄ゾーンを通って流れる必要がある寸法の固体、例えば、約0.05~10マイクロメートルの直径を有する固体の光学的に検出可能な粒子である場合、狭窄ゾーンにおけるチャネルの最小幅は、粒子の直径に対応する。別法として、アッセイに、狭窄ゾーンを流れる必要のある固体試薬が存在しない場合、狭窄ゾーンのチャネルの最小幅は、流体フローチャネル幅の約25%に等しいか若しくはそれよりも大きく、又はこの想定例では1.10mmの25%であり、これは、0.28mm以上である。狭窄ゾーンにおけるチャネルの幅の最大値、幅wczは、流体フローチャネル幅の約75%に等しいか若しくはそれよりも小さく、又は1.10mmの75%であり、これは0.825mm以下である。したがって、この想定チャネルの狭窄ゾーンにおけるチャネルの幅に対する範囲の最小値及び最大値は、0.28mm~0.825mm(両端の値を含む)である。
【0046】
[0058] 狭窄ゾーンにおけるチャネルの長さlcz(図5B)は、1つの実施形態では、(i)流体フローチャネル長の約8%に等しいか又はそれよりも大きい最小値と、(ii)流体フローチャネル長の約75%に等しいか又はそれよりも小さい最大値とによって決まる範囲内の値に対応する。例として、流体フローチャネル長(lc)が17.70mmであり流体フローチャネル幅(wc)が1.10mmであるチャネルを有する、先行する段落で述べた想定流体フローチャネルに戻ると、狭窄ゾーンにおけるチャネル長(lcz)は、1.4mmである、17.70mmの少なくとも約8%であり、13.28mmである、17.70mmの約75%以下である。したがって、この想定チャネルの狭窄ゾーンにおけるチャネルの長さに関する範囲の最小値及び最大値は、1.4mm~13.28mm(両端の値を含む)である。他の実施形態では、狭窄ゾーンにおけるフローチャネルの長さに関する範囲の最小値lczは、流体フローチャネル長の約2%、3%、4%、5%、7.5%、9%、10%、12%、15%、18%、20%、22%、25%、28%、30%、32%、35%、40%、45%又は50%に等しいか又はそれよりも大きい。他の実施形態では、狭窄ゾーンにおけるチャネルの長さlcに関する範囲内の最大値は、流体フローチャネル長の約95%、90%、85%、80%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%又は30%に等しいか又はそれよりも小さい。
【0047】
[0059] 狭窄ゾーンにおけるチャネルの寸法及び構成は、狭窄ゾーンにおけるチャネル長lczに沿って変更することができる。いくつかの実施形態では、狭窄ゾーンの入口領域及び/又は出口領域は、テーパを有するような形状である。テーパは、曲線状又は角付きであり得る。テーパは、一実施形態では、流体フローチャネル幅からチャネル狭窄ゾーン幅まで延在している。
【0048】
[0060] いくつかの実施形態では、各流体フローチャネルのチャネル入口領域は、流体制御機構に構成される。例えば、図4Bを参照すると、代表的なチャネル408のチャネル入口領域412は、任意選択的に流体制御機構を含むことができる。例えば、図5A及び5Bのテストストリップ500において、共通の共有サンプルゾーン502は、代表的なチャネル506(図5A)への代表的な入口領域504等、複数の流体フローチャネルの各チャネルへの入口領域と直接流体連通している。この実施形態における入口領域504は、この領域における流体フローチャネルの菱形形状の角付き側壁に起因する狭窄領域である。入口狭窄領域は、幅w図5A)及び長さL図5B)を有し、1つの実施形態では、入口狭窄領域幅wは、チャネル狭窄ゾーンの幅wczと本質的に同じである。1つの実施形態では、入口狭窄領域幅wは、チャネル狭窄ゾーンの幅wczについて上述した最小値と最大値との間である。1つの実施形態では、入口狭窄領域幅wは、角付き又は非角付きであり得る幾何学的形状である。1つの実施形態では、入口狭窄領域は、約30~90°である角度を含む。他の実施形態では、入口狭窄領域は、半菱形、半矩形、半正方形、4分の1正方形、4分の1矩形、半平行四辺形、4分の1平行四辺形、又は半カイト形 の幾何学形状を有している。
【0049】
[0061] 図4Bに関して上述したように、サンプルゾーンに配置された流体を複数の流体フローチャネルの各フローチャネルに誘導するとともに制御するために、基板に障壁領域(障壁拡張領域とも称する)が形成されている。図5Bは、いくつかの実施形態と一致して、障壁領域に関する追加の詳細を提供する。図5Bのテストストリップ500において、各流体フローチャネルn(代表的なものである流体フローチャネル506等)は、長さlcを有する。各流体フローチャネルは、図5Bの代表的なフローチャネル506の側壁508、510等、対向する側壁を有する。各側壁は、幅w図5B)を有する。1つの実施形態では、障壁領域は、約w~約10w、又は約w~約5wである幅wを有する。
【0050】
[0062] テストアッセイにおける複数の流体フローチャネルのチャネルの数は、1~100、1~50、1~25、1~20、1~15、2~100、2~50、2~25、2~20、2~15、2~10、3~100、3~50、3~25、3~15又は3~10の範囲(その中の任意の整数を含む)とすることができ、それは、例えば、限定されないが少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19又は20個の個々の別個の流体フローチャネルを含む。
【0051】
[0063] テストストリップを、本明細書に記載するように準備し、試験して、複数の流体フローチャネルにわたる流体流量と流体流の均一性とを評価した。1つの調査では、菱形形状であるチャネル入口領域における狭窄機構がある、本質的に図5A及び5Bに描かれているようなテストストリップを準備した。菱形形状の狭窄機構のないテストストリップも準備した。既知の体積の流体を、ピペットから1回の迅速な堆積で直ちに、又は約15秒かけてゆっくりと共通のサンプルゾーン上に配置した。サンプルゾーンへのサンプル配置の速度は、異なるユーザがテストデバイス上にサンプルをいかに堆積させる可能性があるかを模倣するために変化させた。図6A及び6Bは、流体フローチャネル入口領域における菱形形状の流体制御機構がある場合及びない場合のテストストリップ上の流体流の分析からの標準偏差(図6A)及び変動係数(図6B)を示す。図6Aは、菱形形状の狭窄機構がある場合及びない場合のテストストリップについて、高速のサンプル添加速度及び低速のサンプル添加速度における正味シグナルの標準偏差を示す。図6Aは、菱形形状の狭窄ゾーンがある場合及びない場合のテストストリップについての、高速のサンプル添加速度及び低速のサンプル添加速度に対する正味シグナルの変動係数を示す。チャート内の各データ点は、等しい数の同数の同様に設計されたテストストリップを用いた複数回(例えば、20回以上)の測定に対応する。入口狭窄部がある実施形態では、入口狭窄部のない実施形態と比較して、ストリップ間の変動が低減していることが分かる。
【0052】
[0064] 図7A及び図7Bは、流体フローチャネルにおけるコンジュゲートゾーンを示し、そこでは、コンジュゲートゾーンはドットのアレイである。図7Aのコンジュゲートゾーン700は、可動性の検出可能な種を含む試薬の滴の1×8アレイから構成されている。図7Bのコンジュゲートゾーン702は、可動性の検出可能な種を含む試薬の滴の3×10アレイから構成されている。各ドットが同じ組成である必要はなく、固定化可能な種を有する流体フローチャネルの捕捉ゾーンが同様に試薬の滴のアレイであり得ることが理解されよう。捕捉ゾーンアレイ又はコンジュゲートゾーンアレイを形成するように堆積した試薬組成物は、可動性の検出可能な種を含む場合があり、又は、基板に固定化された結合パートナ又は種を含む場合があり、コントロールとして有用な種を含む場合がある。アレイは、1つの実施形態では、1つの方向にm個の滴と、第2方向にn個の滴とを含み、m×nアレイを形成し、そこでは、m及び/又はnは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30である。1つの実施形態では、nとmとは同じであり、別の実施形態では、nとmは異なる値である。
【0053】
[0065] 別の実施形態では、各滴724を形成するために基板上に堆積した配合物の体積は、約20~1000pL、又は約50~800pL、又は約75~800pL、又は約100~600pL、又は約150~550pL、又は約200~500pL、又は約200~450pLであり得る。
【0054】
[0066] 図8A及び8Bは、複数の個々の別個の流体フローチャネルがあるテストストリップ(図8A)と、複数の別個ではない流体フローチャネルがあるテストストリップ(図8B)との、流体流に関して検査した後の画像である。図8Aでは、別個の個々の流体フローチャネル805a-1、805a-2、805a-3及び805a-4(以下、総称して「流体フローチャネル805a」)があるテストストリップ800aの画像を示す。図8Bは、別個の流体フローチャネルのないテストストリップ800bの画像を示し、すなわち、流体フローチャネルは、チャネルの、共通のサンプルゾーンにおけるその入口から共通の出口領域におけるその出口までの長さにわたって、互いに隔離及び分離されていない。テストストリップの各々は、それぞれコンジュゲートゾーン821a、821bを有する。以下、テストストリップ800a、800bを総称して、「テストストリップ800」と称する。テストストリップ800は、障壁827を含む。テストストリップ800aは、狭窄領域820を含む。各ストリップの捕捉領域823a、823bにおいて、性能の違いを見ることができる。個々の別個のチャネルと狭窄領域とがある図8Aのテストストリップは、捕捉ゾーン滴825a-1、825a-2、825a-3及び825a-4(以下、総称して「滴825a」と称する)において明るく、良好な解像度のシグナル輝度をもたらす。テストストリップ800bからもたらされるシグナルは、テストストリップ800aのシグナルよりも、輝度が低く、解像度が低い。さらに、流体流の不均等性は、筋805b-1、805b-2、805b-3及び805b-4(以下、総称して「筋805b」と称する)から明らかである。したがって、いくつかの実施形態において、複数のチャネルにおける個々の別個の流体チャネルは、流れの均等性に起因する、より高くより良好な解像度のシグナルに寄与する機構である。
【0055】
[0067] 図9A及び9Bは、障壁927があるテストストリップ900aと、障壁がないテストストリップ900bとを示す。テストストリップ900a及び900bは、以下、総称して「テストストリップ900」と称する。テストストリップ900aは、流体チャネル905-1a、905-2a、905-3a及び905-4a(以下、総称して「流体チャネル905a」と称する)を含む。同様に、テストストリップ900bは、流体チャネル905-1b、905-2b、905-3b及び905-4b(以下、総称して「流体チャネル905b」と称する)を含む。これらのテストストリップに対して、サンプルゾーンに流体サンプルを堆積させ、捕捉ゾーンでのシグナルを観察することによって、性能を比較した。図9Cは、テストストリップ900に関する調査の結果を示す。テストストリップ900aに対する結果を図9Cの左パネル(901a)を示し、テストストリップ900bに対する結果を右パネル(901b)に示す。曲線951a及び952aは、チャネル905aの各々についてシグナル及びバックグラウンドの測定値をそれぞれ示す。曲線951b及び952bは、チャネル905bの各々についてシグナル及びバックグラウンドの測定値を示す。
【0056】
[0068] 障壁927を除去することにより、サンプルゾーンに堆積した流体サンプルが、テストストリップ900bの吸収パッド912に向かって流れる。初期の生シグナル強度(曲線951a及び952a)は、テストストリップ900aの外側チャネルにおいてより高いシグナル及びバックグラウンドを示す。(曲線951aから曲線952aを引くことによって得られる)正味シグナル961aにより、外側チャネル(例えば、チャネル905-1a及び905-4a)の方が低い正味シグナルとなる。いくつかの実施形態では、サンプル依存バイアスも観察することができる。これには、サンプル流中の分析物濃度が高いほど大きいバックグラウンドシグナル(例えば、曲線952a)を示すことが含まれ得る。したがって、障壁927がないテストストリップ900bは、チャネルバイアスの著しい補正を含む可能性がある(例えば、曲線951b、952b及び961bは、より真っ直ぐであるとともに水平である)。
【0057】
[0069] 隔壁がある場合及びない場合のテストストリップに対して、別の調査を行った。4つの個々の別個の流体フローチャネルがあるテストストリップを、1つのテストストリップには障壁があり、1つには障壁がないものとして準備した。サンプルゾーンに検出可能な種を含む流体を流した後、捕捉ゾーンからのシグナルを評価した。障壁は、複数のチャネルにわたる流体流の均一性を向上させることが分かった(データは示さず)。
【0058】
[0070] 上述したように、テストストリップの基板は、支持部材と吸湿性膜との積層体であり得る。また上述したように、吸湿性膜は、膜の一部をエッチングで除去して、複数の別個の個々の流体フローチャネル及び流体制御機構を作成するように加工又は処理される。膜がエッチングで除去されると、膜内を移動する流体が支持部材に接触する。支持部材の疎水性及び親水性は、流体の制御のために選択及び最適化することができる。さらに、流体チャネルの設計と流体制御機能とを変化させて、流体流の速度を制御することができる。図10A及び10Bにいくつかの変形を示す。図10Aは、いくつかの実施形態による、蛇行した流体チャネル1105がある基板1101を有するテストストリップ1100を示す。流体チャネル1105は、より多くのサンプル材料が標的捕捉ゾーン1125-2と相互作用するように誘導するための流量低減構造であり、したがって、アッセイからの低陽性結果の検出感度を向上させる。サンプルパッド1111の近くにアッセイ開始時の第1コントロール捕捉ゾーン1125-1を追加するとともに、吸収性パッド1112の近くにアッセイ終了時の第2コントロール捕捉ゾーン1125-3を追加することにより、テストの正確な開始点及び終了点が提供される。
【0059】
[0071] 図10Bは、いくつかの実施形態による、試薬パッチ1224と疎水性弁1223-1、1223-2及び1223-3(以下、総称して「疎水性弁1223」と称する)とがある、混合長手方向チャネル1205-l及び蛇行チャネル1205-s(以下、総称して「液体チャネル1205」と称する)を含むテストストリップ1200を示す。サンプルパッド1211とテスト捕捉ゾーン1225との間のサンプル流の速度を調節するために、長手方向チャネル1205-lと蛇行チャネル1205-sとの間に、親水性混合ゾーン1227を配置することができる。さらに、いくつかの実施形態では、親水性混合ゾーン1227は、疎水性弁1223-1に隣接していてもよく、各々、流体チャネル1205に沿った所望の流体流量を得るために事前選択された寸法(例えば、幅及び長さ)を有する。ダイカット1220(又は疎水性弁1223)を使用して、試薬パッチ1224がサンプル流と相互作用することができるようにアッセイの流量の速度を低下させるか又は流れを絞って減速させるゲート領域を作成することができる。ゲートが狭くなることにより、サンプル流が減少する。いくつかの実施形態では、1つの流体チャネル1205の減速により、相対的に低速の流体チャネルが前進することができ、そのため、すべての流体チャネル及びすべての試薬がある程度同時に、又はほぼ同時にテスト捕捉ゾーン1225-2に到達するようになる。
【0060】
[0072] テストストリップ1200と一貫する実施形態は、サンプル流体中のそれぞれの標的分析物に対する異なる試薬1224の親和性に応じて、疎水性ゲート1223及び親水性ゲート1227とともに、長手方向フローチャネル1205-l及び蛇行フローチャネル1205-sの異なる組合せを含むことができる。したがって、テストストリップ1200に示される異なる流れ構成要素の形状及び分布の選択は、テスト捕捉ゾーン1225-2におけるアッセイの異なる構成要素に対する迅速であるが均質な(例えば、ほぼ同時の)応答を得るための要求に従って、変更することができる。いくつかの実施形態では、これは、アッセイテストの単一の終了点を有するように望ましく、これにより、測定及び分析ロジスティクスが簡略化される。
【0061】
[0073] テストストリップ1100(図10A参照)と同様に、サンプルパッド1211に対して近位の、流体チャネル1205-sの開始時の第1コントロール捕捉ゾーン1225-1と、吸収性パッド1212に近い、アッセイの終了時の第2コントロール捕捉ゾーン1225-3とが、テストに対する正確な開始点及び終了点を提供する。いくつかの実施形態では、アッセイの終了を遅くし、アッセイの終了前にテスト捕捉ゾーン1225-2がサンプル流体と十分に相互作用するのを確実にするように、疎水性弁1223-3を流体チャネル1205-sに位置決めすることができる。
【0062】
[0074] 疎水性弁1223、親水性混合ゾーン1227及びテスト捕捉ゾーン1225は、基板1201に含まれる流体機構であり、要求に応じて、テストストリップ1200を横切るサンプル流を阻止又は促進する形状及びサイズを有する。いくつかの実施形態では、テストストリップ1200の流体機構の詳細は、アッセイにおける特定の段階で(例えば、試薬1224のうちの1つとの反応が起こるように、又はテスト捕捉ゾーン1225-2におけるコンジュゲート固定化が完了するように)時間を提供するように選択される。いくつかの実施形態では、テストストリップ1200の流体機構は、アレイマトリックスに配置された別個の捕捉ゾーン1225に流れを向けるように選択され得る。本明細書に開示したように、テストストリップ1200における流体機構の能力は、(例えば、画像取込デバイス130におけるような、図1参照)デジタル取込みデバイスにより十分に利用することができる。
【0063】
使用方法
[0075] 図11は、いくつかの実施形態による、画像取込デバイスを用いて疾患を遠隔診断する方法1300におけるステップを示すフローチャートである。方法1300は、図1に示すアーキテクチャのように、コンピュータ又は画像取込デバイスによって少なくとも部分的に実施することができる。したがって、方法1300のステップのうちの少なくとも一部は、メモリに格納された命令を実行するプロセッサによって実施することができる。さらに、本開示と一貫する方法は、方法1300に記載するような少なくとも1つのステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、本開示と一貫致する方法は、異なる順序で、同時に、ほぼ同時に、又は時間的に重複して実施される、方法1300の1つ又は複数のステップを含む。
【0064】
[0076] ステップ1302は、単一の一体基板を含み、基板が、複数の流体フローチャネルと各流体フローチャネルに共通である基板上の単一のサンプルゾーンとを含み、各流体フローチャネルは、各流体フローチャネルのチャネル入口領域においてサンプルゾーンと直接流体連通する、デバイスを提供することを含む。デバイスでは、各流体フローチャネルは、長さ及び幅を有し、チャネル入口領域から下流の捕捉ゾーンと、チャネル入口領域と捕捉ゾーンとの間に位置決めされたチャネル狭窄ゾーンとを含み、チャネル狭窄ゾーンは幅及び長さを有する。チャネル狭窄ゾーンの幅は、(i)基板上に堆積した特定の試薬の直径に等しいか又はそれよりも大きい最小値、又は(i’)流体フローチャネル幅の約25%に等しいか又はそれよりも大きい最小値、及び(ii)流体フローチャネル幅の約75%に等しいか又はそれよりも小さい最大値によって決まる範囲内の値に対応する。
【0065】
[0077] ステップ1304は、デバイスを対象からの生体サンプルと接触させることを含む。
【0066】
[0078] ステップ1306は、生体サンプルにおける病態又は異常の有無を決定することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1306は、細菌感染、ウイルス感染、又は薬物の中毒若しくは誤用の有無を決定することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1306は、呼吸器感染症を含むウイルス感染症の有無を決定することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1306は、ライム病又は敗血症を含む細菌感染の有無を決定することを含む。
【0067】
[0079] ステップ1308は、生体サンプルに病態又は異常がある場合、病態又は異常を診断することを含む。
【0068】
[0080] ステップ1310は、病態又は異常を好適な治療薬で治療することを含む。いくつかの実施形態では、ステップ1310は、病態又は異常を抗生物質で治療することを含む。
【0069】
ハードウェアの概要
[0081] 図12は、いくつかの実施形態による、図1の画像取込デバイス及びサーバ、並びに本明細書に開示した方法(例えば、方法1300、図11参照)を実装することができるコンピュータシステム例1400を示すブロック図である。いくつかの態様では、コンピュータシステム1400は、専用サーバにおいて、又は別のエンティティに統合されて、又は複数のエンティティに分散されて、ハードウェア又はソフトウェアとハードウェアとの組合せを用いて実装することができる。
【0070】
[0082] コンピュータシステム1400(例えば、サーバ110、画像取込デバイス130)は、情報を通信するバス1408又は他の通信機構と、情報を処理する、バス1408に結合されたプロセッサ1402とを含む。例として、コンピュータシステム1400は、1つ又は複数のプロセッサを用いて実装することができる。プロセッサ1402は、汎用マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、コントローラ、状態機械、ゲートロジック、離散ハードウェアコンポーネント、又は情報の計算若しくは他の操作を実行することができる他の任意の適切なエンティティであり得る。
【0071】
[0083] コンピュータシステム1400は、ハードウェアに加えて、当該コンピュータプログラムの実行環境を作成するコード、例えば、プロセッサ1402が実行する情報及び命令を格納する、バスに結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、レジスタ、ハードディスク、リムーバルディスク、CD-ROM、DVD又は他の任意の好適な記憶デバイス等、含まれるメモリ1404内に格納されたプロセッサファームウェア、プロトコルスタック、データベース管理システム、オペレーションシステム又はそれらのうちの1つ若しくは複数の組合せを構成するコードを含むことができる。プロセッサ1402及びメモリ1404は、専用論理回路によって補完するか又は専用論理回路に組み込むことができる。
【0072】
[0084] 命令は、メモリ1404に格納し、1つ又は複数のコンピュータプログラム製品、すなわち、コンピュータシステム1400によって実行されるように、又はコンピュータシステム1400の動作を制御するように、コンピュータ可読媒体上に符号化された、限定されないが、データ指向言語(例えば、SQL、dBase)、システム言語(例えば、C、Objective-C、C++、アセンブリ)、アーキテクチャ言語(例えば、Java、.NET)及びアプリケーション言語(例えば、PHP、Ruby、Perl、Python)等のコンピュータ言語を含む、当業者に周知の任意の方法に従う、コンピュータプログラム命令の1つ又は複数のモジュールで実装することができる。命令は、配列言語、アスペクト指向言語、アセンブリ言語、オーサリング言語、コマンドラインインターフェース言語、コンパイル型言語、並行言語、中括弧言語、データフロー言語、データ構造言語、宣言型言語、難解言語、拡張言語、第4世代言語、関数型言語、対話型言語、インタプリタ型言語、反復言語、リストベース言語、小言語、論理型言語、機械語、マクロ言語、メタプログラミング言語、マルチパラダイム言語、数値解析、非英語ベース言語、オブジェクト指向クラスベース言語、オブジェクト指向プロトタイプベース言語、オフサイドルール言語、手続き型言語、反射言語、ルールベース言語、スクリプト言語、スタックベース言語、同期言語、構文処理言語、ビジュアル言語、wirth言語及びxmlベース言語等のコンピュータ言語で実装することもできる。メモリは、プロセッサが実行する命令の実行中の一時的な変数又は他の中間情報を格納するためも使用することができる。
【0073】
[0085] 本書で考察するコンピュータプログラムは、必ずしもファイルシステム内のファイルに対応するわけではない。プログラムは、他のプログラム又はデータを保持するファイルの一部(例えば、マークアップ言語文書に格納された1つ又は複数のスクリプト)、当該プログラム専用の単一のファイル、又は複数の協調ファイル(例えば、1つ又は複数のモジュール、サブプログラム、又はコードの一部を格納するファイル)に格納することができる。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータで、又は、1つのサイトに位置するか、若しくは複数のサイトに分散されて通信ネットワークで相互接続されている複数のコンピュータで、実行されるように展開することができる。本明細書に記載するプロセス及び論理フローは、1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行して入力データに対して操作して出力を生成することにより機能を実行する、1つ又は複数のプログラマブルプロセッサ1402によって実行することができる。
【0074】
[0086] コンピュータシステム1400は、情報及び命令を格納する、バスに結合された、磁気ディスク又は光ディスク等のデータ記憶デバイス1406をさらに含む。コンピュータシステム1400は、入力/出力モジュール1410を介してさまざまなデバイスに結合することができる。入力/出力モジュール1410は、任意の入力/出力モジュールであり得る。例示的な入力/出力モジュールとしては、USBポート等のデータポートが挙げられる。入力/出力モジュール1410は、通信モジュールに接続するように構成することができる。例示的な通信モジュールは、イーサネットカード及びモデム等のネットワーキングインターフェースカードを含む。いくつかの態様では、入力/出力モジュール1410は、入力デバイス1414及び/又は出力デバイス1416等の複数のデバイスに接続するように構成することができる。例示的な入力デバイス1414として、キーボード及びポインティングデバイス、例えば、マウス又はトラックボールが挙げられ、それによって、ユーザは、コンピュータシステムに入力を提供することができる。触覚入力デバイス、視覚入力デバイス、音声入力デバイス、又はブレインコンピュータインターフェースデバイス等、他の種類の入力デバイス1414を使用して、ユーザとのインタラクションを同様に提供することができる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック又は触覚フィードバック等の任意の形式の感覚フィードバックとすることができ、ユーザからの入力は、音響、音声、触覚又は脳波入力等の任意の形式で受け取ることができる。例示的な出力デバイス1416として、ユーザに情報を表示するLCD(液晶ディスプレイ)モニタ等の表示デバイスが挙げられる。
【0075】
[0087] いくつかの実施形態では、コンピュータシステム1400は、ユーザによってアクセスされるネットワークベースの音声起動型デバイスである。入力デバイス1414及び出力デバイス1416は、ユーザの言語で、音声形式でクエリを提供するとともにユーザから複数の入力を同じく音声形式で受け取る、マイクロフォンを含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、神経言語アルゴリズムにより、音声起動型デバイスが、ユーザに連絡を取り、音声コマンド又は要求を介して呼吸マスクのユーザ選択を受け取ってもよい。
【0076】
[0088] 本開示の1つの態様によれば、画像取込デバイス130及びサーバ110は、プロセッサ1402がメモリ1404に含まれる1つ又は複数の命令の1つ又は複数のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム1400を使用して実装することができる。こうした命令は、データ記憶デバイス1406等の別の機械可読媒体からメモリ1404に読み込むことができる。メインメモリに含まれる命令のシーケンスを実行することにより、プロセッサ1402は、本明細書に記載したプロセスステップを実施する。マルチプロセッシング配置の1つ又は複数のプロセッサを採用して、メモリに含まれる命令のシーケンスを実行することもできる。代替的な態様では、本開示のさまざまな態様を実装するために、ソフトウェア命令の代わりに、又はソフトウェア命令と組み合わせて、ハードワイヤード回路を使用してもよい。したがって、本開示の態様は、ハードウェア回路とソフトウェアとのいかなる所定の組合せにも限定されない。
【0077】
[0089] 本明細書に記載する主題のさまざまな態様は、例えば、データサーバとして、バックエンドコンポーネントを含むか、又は、ミドルウェアコンポーネント、例えばアプリケーションサーバを含むか、又は、フロントエンドコンポーネント、例えば、ユーザが本明細書に記載した主題の実施態様とインタラクトすることができるグラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有する画像取込デバイス130、又は、1つ若しくは複数のこうしたバックエンド、ミドルウェア又はフロントエンドコンポーネントの任意の組合せを含む、コンピューティングシステム1400において実装することができる。システムのコンポーネントは、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続することができる。通信ネットワーク(例えば、ネットワーク150)は、例えば、LAN、WAN、インターネット等のうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。さらに、通信ネットワークは、限定されないが、例えば、バスネットワーク、スターネットワーク、リングネットワーク、メッシュネットワーク、スターバスネットワーク、ツリー又は階層ネットワーク等を含むネットワークトポロジのうちの任意の1つ又は複数を含むことができる。通信モジュールは、例えば、モデムやイーサネットカードであり得る。
【0078】
[0090] コンピュータシステム1400は、画像取込デバイス及びサーバを含むことができ、そこでは、画像取込デバイス及びサーバは、概して互いにリモートであり、典型的には通信ネットワーク(例えば、画像取込デバイス130、サーバ110、及びネットワーク150、図1参照)を介して相互作用する。画像取込デバイスとサーバとの関係は、それぞれのコンピュータ上で実行し、互いに画像取込デバイス-サーバの関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。コンピュータシステムは、例えば、限定されないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はタブレットコンピュータであり得る。コンピュータシステムは、別のデバイス、例えば、限定されないが、携帯電話、PDA、モバイルオーディオプレーヤ、全地球測位システム(GPS)受信機、ビデオゲーム機、及び/又はテレビセットトップボックス等に組み込むこともできる。
【0079】
[0091] 本明細書で用いる場合の「機械可読記憶媒体」又は「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行されるようにプロセッサに命令の提供することに関与する任意の1つ又は複数の媒体を指す。こうした媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含む、多くの形態をとることができる。不揮発性媒体としては、例えば、データ記憶デバイス等、光又は磁気ディスクが挙げられる。揮発性媒体としては、例えば、メモリ等のダイナミックメモリが挙げられる。伝送媒体としては、バスを含むワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバが挙げられる。機械可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の任意の磁気媒体、CD-ROM、DVD、他の任意の光媒体、パンチカード、紙テープ、穴のパターンを有する他の任意の物理的媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH EPROM、他の任意のメモリチップ若しくはカートリッジ、又はコンピュータが読み取ることができる他の任意の媒体が挙げられる。機械可読記憶媒体は、機械可読記憶デバイス、機械可読記憶基板、メモリデバイス、機械可読伝搬信号をもたらす組成物、又はそれらのうちの1つ若しくは複数の組合せとすることができる。
【0080】
[0092] 本明細書で用いる場合の一連の項目に先行する「少なくとも1つ」という言い回しは、項目のうちの任意のものを区切る「及び」又は「又は」という用語とともに、リストの各要素(例えば、各項目)ではなく、リストを全体として修飾する。「少なくとも1つ」という言い回しは、少なくとも1つの項目の選択を必要とせず、むしろ、この言い回しは、項目のうちの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、各々、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B及びCの任意の組合せ、及び/又はA、B及びCの各々のうちの少なくとも1つを指す。
【0081】
[0093] 「含む」、「有する」等の用語が本明細書又は特許請求の範囲で使用される限りにおいて、こうした用語は、「含む」が請求項において転換語として採用される場合に解釈される際の「含む」という用語と同様に、包含的であるように意図される。本明細書において、「例示的な」という語は、「例、実例又は説明としての役割を果たす」ことを意味するように使用される。「例示的な」として本明細書に記載する任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいか又は有利であると解釈されるべきではない。
【0082】
[0094] 単数形での要素に対する言及は、特に述べられていない限り、「1つのみ」を意味するのではなく、「1つ又は複数」を意味するように意図されている。当業者に既知であるか、又は後に既知となる、本開示を通して記載したさまざまな構成の要素に対するすべての構造的及び機能的均等物は、参照により本書に明示的に援用され、本願の技術によって包含されるように意図されている。さらに、本明細書で開示したいかなるものも、こうした開示が上記の説明で明示的に記載されているか否かに関わらず、公衆に提供されるようには意図されていない。
【0083】
[0095] 本明細書は、多くの具体的な内容を含むが、これらは、請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、主題の特定の実施態様の説明として解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態の文脈で記載するいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記載するさまざまな特徴は、複数の実施形態において別々に又は任意の好適なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴について、いくつかの組合せで作用するものとして上述し、さらには最初にそうしたものとして請求している場合があるが、請求する組合せからの1つ又は複数の特徴は、場合によってはその組合せから除去することができ、請求する組合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とする場合がある。
【0084】
[0096] 本明細書の主題について特定の態様に関して説明しているが、他の態様も実施することができ、以下の請求項の範囲内にある。例えば、図面において動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、こうした動作が図示されている特定の順序で、又は連続した順序で実施されること、又は図示されたすべての動作が実施されることを必要とするものと理解されるべきではない。請求項に記載する行為は、異なる順序で実施され、依然として望ましい結果を達成することができる。1つの例として、添付の図に描かれているプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも図示された特定の順序、又は連続した順序を必要とするものではない。状況によっては、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。さらに、上述した態様におけるさまざまなシステムコンポーネントの分離は、すべての態様においてこうした分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載するプログラムコンポーネント及びシステムは、概して単一のソフトウェア製品にともに統合することができ、又は複数のソフトウェア製品にパッケージングすることができると理解されるべきである。他の変形は、以下の請求項の範囲内にある。
【0085】
[0097] 1つの態様では、方法は、動作、命令又は機能であってもよく、その逆もまたあり得る。1つの態様では、ある請求項は、他の1つ又は複数の請求項に記載されている語(例えば、命令、動作、機能又は構成要素)の一部又はすべて、1つ又は複数の語、1つ又は複数の文、1つ又は複数の言い回し、1つ又は複数の段落、及び/又は1つ又は複数の請求項を含むように変更することができる。
【0086】
[0098] ハードウェアとソフトウェアとの互換性を説明するために、さまざまな例示的なブロック、モジュール、コンポーネント、方法、動作、命令及びアルゴリズム等の項目について、それらの機能性の観点から概略的に説明した。こうした機能性がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるか、又はハードウェア及びソフトウェアの組合せとして実装されるかは、特定の用途と、システム全体に課される設計上の制約とによって決まる。当業者であれば、各所定の用途に対して異なる方法で、記載した機能を実装することができる。
【0087】
[0099] 本明細書で用いる場合の一連の項目に先行する「少なくとも1つ」という言い回しは、項目のうちの任意のものを区切る「及び」又は「又は」という用語とともに、リストの各要素(例えば、各項目)ではなく、リストを全体として修飾する。「少なくとも1つ」という言い回しは、少なくとも1つの項目の選択を必要とせず、むしろ、この言い回しは、項目のうちの任意のもののうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の任意の組合せのうちの少なくとも1つ、及び/又は項目の各々のうちの少なくとも1つを含む意味を可能にする。例として、「A、B及びCのうちの少なくとも1つ」又は「A、B又はCのうちの少なくとも1つ」という言い回しは、各々、Aのみ、Bのみ、又はCのみ、A、B及びCの任意の組合せ、及び/又はA、B及びCの各々のうちの少なくとも1つを指す。
【0088】
[0100] 本明細書において、「例示的な」という語は、「例、実例又は説明としての役割を果たす」ことを意味するように使用される。「例示的な」として本明細書に記載する任意の実施形態は、必ずしも他の実施形態よりも好ましいか又は有利であると解釈されるべきではない。一態様、態様、別の態様、いくつかの態様、1つ又は複数の態様、一実施態様、実施態様、別の実施態様、いくつかの実施態様、1つ又は複数の実施態様、一実施形態、実施形態、別の実施形態、いくつかの実施形態、1つ又は複数実施形態、一構成、構成、別の構成、いくつかの構成、1つ又は複数の構成、本願の技術、開示、本開示、それらの他の変形等の言い回しは、便宜上であり、こうした言い回しに関連する開示が本願の技術に不可欠であること、又はこうした開示が本願の技術のすべての構成に適用されることを意味するものでない。こうした言い回しに関連する開示は、すべての構成、又は1つ若しくは複数の構成に適用され得る。こうした言い回しに関連する開示は、1つ又は複数の例を提供する場合がある。一態様又はいくつかの態様等の言い回しは、1つ又は複数の態様を指す場合があり、その逆もまた同様であり、これは他の上述した言い回しにも同様に適用される。
【0089】
[0101] 単数形での要素に対する言及は、特に述べられていない限り、「1つのみ」を意味するのではなく、「1つ又は複数」を意味するように意図されている。男性形での代名詞(例えば彼の)は、女性及び中性の性(例えば、彼女及びその)を含み、逆もまた同様である。「いくつか」という用語は、1つ又は複数を意味する。下線付き及び/又は斜体の見出し及び小見出しは、便宜上のみ使用され、本願の技術を限定するものではなく、本願の技術の説明の解釈に関連して言及されるものではない。第1及び第2等の関係用語は、1つの実体又は動作を別のものから、必ずしもこうした実体又は動作の間のいかなる実際のこうした関係又は順序も要求又は暗示することなく、区別するために使用され得る。当業者に既知であるか、又は後に既知となる、本開示を通して記載したさまざまな構成の要素に対するすべての構造的及び機能的均等物は、参照により本明細書に明示的に援用され、本願の技術によって包含されるように意図されている。さらに、本明細書で開示したいかなるものも、こうした開示が上記の説明で明示的に記載されているか否かに関わらず、公衆に提供されるようには意図されていない。請求項の要素は、その要素が「~のための手段」という言い回しを用いて明示的に記載されているか、又は方法請求項の場合には「~するステップ」という言い回しを用いて記載されていない限り、米国特許法第112条第6段落の規定に基づいて解釈されるべきではない。
【0090】
[0102] 本明細書は、多くの具体的な内容を含むが、これらは、請求され得るものの範囲に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、主題の特定の実施態様の説明として解釈されるべきである。本明細書において別個の実施形態の文脈で記載するいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記載するさまざまな特徴は、複数の実施形態において別々に又は任意の好適なサブコンビネーションで実施することもできる。さらに、特徴について、いくつかの組合せで作用するものとして上述し、さらには最初にそうしたものとして記載している場合があるが、記載した組合せからの1つ又は複数の特徴は、場合によってはその組合せから除去することができ、記載した組合せは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形を対象とする場合がある。
【0091】
[0103] 本明細書の主題について特定の態様に関して説明しているが、他の態様も実施することができ、以下の請求項の範囲内にある。例えば、図面において動作が特定の順序で描かれているが、これは、望ましい結果を達成するために、こうした動作が図示されている特定の順序で、又は連続した順序で実施されること、又は図示されたすべての動作が実施されることを必要とするものと理解されるべきではない。請求項に記載する行為は、異なる順序で実施され、依然として望ましい結果を達成することができる。1つの例として、添付の図に描かれているプロセスは、望ましい結果を達成するために、必ずしも図示された特定の順序、又は連続した順序を必要とするものではない。状況によっては、マルチタスク及び並列処理が有利である場合がある。さらに、上述した態様におけるさまざまなシステムコンポーネントの分離は、すべての態様においてこうした分離を必要とするものとして理解されるべきではなく、記載するプログラムコンポーネント及びシステムは、概して単一のソフトウェア製品にともに統合することができ、又は複数のソフトウェア製品にパッケージングすることができると理解されるべきである。
【0092】
[0104] 名称、背景、図面の簡単な説明、要約書及び図面は、本明細書において本開示に組み込まれ、制限的な説明としてではなく、本開示の例示的な例として提供されている。それは、それらが請求項の範囲又は意味を限定するために使用されてないことを理解した上で、提出される。加えて、詳細な説明において、説明は、例示的な例を提供し、さまざまな特徴は、開示を合理化する目的で、さまざまな実施態様においてグループ化されていることが分かる。開示の方法は、記載した主題が各請求項に明示的に記載されているよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映しているものと解釈されるべきではない。むしろ、請求項が反映するように、発明の主題は、単一の開示した構成又は動作のすべての特徴よりも少ない特徴にある。請求項は本明細書において、各請求項が別々に記述された主題として単独で存在して、詳細な説明に組み込まれる。
【0093】
[0105] 特許請求の範囲は、本明細書に記載した態様に限定されるように意図されておらず、請求項の文言に一貫する完全な範囲が与えられ、すべての法的均等物を包含することが意図されている。それにも関わらず、請求項のいずれも、適用可能な特許法の要件を満たさない主題を包含することが意図されておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5A-5B】
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A-8B】
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11
図12
【国際調査報告】