(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】柔軟表面層を有する乗り物内装部品
(51)【国際特許分類】
B60R 13/02 20060101AFI20230306BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20230306BHJP
D06N 7/04 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
B60R13/02 B
B32B7/023
D06N7/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541648
(86)(22)【出願日】2021-01-12
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 US2021013070
(87)【国際公開番号】W WO2021146188
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515226722
【氏名又は名称】インティヴァ プロダクツ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Inteva Products, LLC
【住所又は居所原語表記】1401 Crooks Road Troy Michigan 48084 UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ヘ, シンファ
(72)【発明者】
【氏名】ガスマン, ケニース
(72)【発明者】
【氏名】マクレガー, ジェフリー
【テーマコード(参考)】
3D023
4F055
4F100
【Fターム(参考)】
3D023BA01
3D023BB01
3D023BD02
3D023BD03
3D023BD28
3D023BD29
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3D023BE04
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3D023BE22
4F055AA25
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4F100AR00B
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4F100JN01C
4F100JN02C
4F100YY00B
(57)【要約】
基材及び連続的な柔軟表面層を備え、前記連続的な柔軟表面層の少なくとも一部は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が5~30%であるか、又は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が80%以上である乗り物用トリム部品。柔軟な裏打ち層は、基材と連続的な柔軟表面層との間に任意選択で設けてもよい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材及び連続的な柔軟表面層を備え、
前記連続的な柔軟表面層の少なくとも一部は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が80%以上である、乗り物用トリム部品。
【請求項2】
前記連続的な柔軟層は、ASTM D1003により測定したとき、ヘーズが20%以下である、請求項1に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項3】
前記連続的な柔軟層がグラフィックデザインを含む、請求項1又は2に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項4】
前記連続的な柔軟層が機能的要素を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項5】
前記機能的要素が、スイッチ、センサー、ディスプレイ、又はそれらの組み合わせである、請求項4に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項6】
前記機能的要素が、自動車システムと統合する、請求項4に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項7】
前記基材と前記連続的な柔軟表面層との間に設けられた柔軟な裏打ち層をさらに備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項8】
前記裏打ち層が半透明である、請求項7に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項9】
前記裏打ち層が不透明である、請求項7に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項10】
基材及び連続的な柔軟表面層を備え、
前記連続的な柔軟表面層の少なくとも一部は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が5~30%である、乗り物用トリム部品。
【請求項11】
前記連続的な柔軟層は、ASTM D1003により測定したとき、ヘーズが20%以下である、請求項10に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項12】
前記連続的な柔軟層がグラフィックデザインを含む、請求項10又は11に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項13】
前記連続的な柔軟層が機能的要素を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項14】
前記機能的要素が、スイッチ、センサー、ディスプレイ、又はそれらの組み合わせである、請求項13に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項15】
前記機能的要素が、自動車システムと統合する、請求項13に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項16】
前記基材と前記連続的な柔軟表面層との間に設けられた柔軟な裏打ち層をさらに備える、請求項10~15のいずれか一項に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項17】
前記裏打ち層が半透明である、請求項16に記載の乗り物用トリム部品。
【請求項18】
前記裏打ち層が不透明である、請求項16に記載の乗り物用トリム部品。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[背景]
[0001]本発明は、乗り物内装用の内装構造物に関する。より詳細には、本発明は内装トリム部品に関する。
【0002】
[0002]現在、乗り物部品の内装の外観表面は、あるパターンに裁断又は形成された材料(例えば、革、ビニル、熱可塑性オレフィン(TPO)、布等)から形成されており、座席クッション、ヘッドレスト、アームレスト、肘掛け、インストルメントパネル基材等の部品に固定されている。
【0003】
[0003]最近、自動車メーカーは、より広範囲の価格帯にわたり、乗り物の内装表面にさらなる細部装飾や機能性を付与することに関心を示している。
【0004】
[0004]従って、改良された内装部品表面、及びさらなる特徴を有するその製造方法を提供することが望ましい。
【0005】
[発明の概要]
[0005]基材及び連続的な柔軟表面層を含み、上記連続的な柔軟表面層の少なくとも一部は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が80%以上である、乗り物用トリム部品が本明細書に記載される。上記連続的な柔軟表面層は、ASTM D1003により測定したとき、ヘーズが20%以下であってもよい。上記連続的な柔軟層はグラフィックデザインを含んでいてもよい。上記連続的な柔軟層は、自動車システムと統合可能なスイッチ、センサー、ディスプレイ、又はそれらの組み合わせ等の機能的要素を含んでいてもよい。
【0006】
[0006]上述の乗り物用トリム部品は、基材と連続的な柔軟表面層との間に設けられた柔軟な裏打ち層をさらに備えてもよい。上記裏打ち層は半透明(ASTM D1003により測定したとき、ヘーズが20%以上である)又は完全に不透明であってもよい。
【0007】
[0007]基材及び連続的な柔軟表面層を含み、上記連続的な柔軟表面層の少なくとも一部は、ASTM D1003により測定したとき、可視光透過率が5~30%である、乗り物用トリム部品が本明細書に記載される。上記連続的な柔軟表面層は、ASTM D1003により測定したとき、ヘーズが20%以下であってもよい。上記連続的な柔軟層はグラフィックデザインを含んでいてもよい。上記連続的な柔軟層は、自動車システムと統合可能なスイッチ、センサー、ディスプレイ、又はそれらの組み合わせ等の機能的要素を含んでいてもよい。
【0008】
[0008]上述の乗り物用トリム部品は、基材と連続的な柔軟表面層との間に設けられた柔軟な裏打ち層をさらに備えてもよい。上記裏打ち層は半透明又は完全に不透明であってもよい。
【0009】
他の特徴、利点及び詳細は、実施形態に関する後述の記載における例でのみ表され、本記載は下記図面と対応する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1、2、2A及び3は、本明細書に記載されている乗り物用トリム部品の一部の図を示している。
【
図2】
図1、2、2A及び3は、本明細書に記載されている乗り物用トリム部品の一部の図を示している。
【
図2A】
図1、2、2A及び3は、本明細書に記載されている乗り物用トリム部品の一部の図を示している。
【
図3】
図1、2、2A及び3は、本明細書に記載されている乗り物用トリム部品の一部の図を示している。
【0011】
[詳細な説明]
[0011]本明細書には、光透過率が望ましい水準を満たし、かつヘーズが20%以下である、連続的な柔軟層を備える乗り物用トリム部品が記載されている。光透過率は、材料中を通過する光の量を示すのに対し、ヘーズは、材料の透明度の尺度である。透明な材料は、80%以上の可視光透過率を有する。可視光透過率が5~30%と、より低い場合、光が照らされていない時は不透明に見えるが、観測者の反対側から光を照らした場合に、十分な光を透過させるため、材料での又は材料隣のデザインが観測者に見えるようになる。上記連続的な柔軟層は外観表面であり、出荷の際に取り付けられることのある任意選択の保護層を除き、追加の層がこの層上に設けられることはない。
【0012】
[0012]連続的な柔軟層は、基材上に少なくとも部分的に設けてもよい。上記基材は、上記連続的な柔軟層を支持する。基材用材料の例としては、金属、熱可塑性複合物等が挙げられる。上記基材は、上記連続的な柔軟層の表面積の50%以下、75%以下、又は90%以下の表面積を有していてもよい。上記基材は、色、質感、パターン等のデザイン要素を与え得る。
【0013】
[0013]裏打ち層は、上記連続的な柔軟層と基材との間に設けることができる。上記裏打ち層は、柔軟であり、透明ではないが、ASTM D1003により測定したとき、可視光を75%まで透過してもよい。裏打ち層のヘーズ値は、特に必須ではないが、採用される任意のグラフィックデザイン要素の必要性によって測定できる。
【0014】
[0014]本明細書中の柔軟性の定義は、半径対厚みの比が5以上である場合に、物理的、光学的、又は機械的物性に全く目立った変化を与えることなく、少なくとも180度曲がり、0度に戻ることができることを指す。
【0015】
[0015]各種実施形態では、例えば、自動車用内装インサート、船体用トリム等の乗り物用トリムパーツとして使用することができる。本明細書で使用される乗り物用トリムパーツは、座席、扉、側壁、コンソール、ダッシュボード、計器表示、座席等にある乗り物用内装トリムを含む。本明細書で使用される乗り物用トリムパーツは、床材、床用マット又は敷居を含まない。
【0016】
[0016]連続的な柔軟層は、透明な熱可塑性オレフィン、熱可塑性エラストマー、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、又はポリウレタンを含む。連続的な柔軟層の一部の可視光透過率が5~30%である実施形態では、上記連続的な柔軟層は、顔料、着色剤、追加ポリマー、又は前述の組み合わせ等の添加剤をさらに含む。
【0017】
[0017]上記連続的な柔軟層は、グラフィックデザインを含んでいてもよい。上記グラフィックデザインは、上記連続的な柔軟層の表面上に設けられるものや、表面に組み込まれたものであってよい。グラフィックデザインがある場合、可視光透過率及びヘーズ値はグラフィックデザインのない範囲において測定される。上記連続的な柔軟層は、機能的要素を含むものであってもよい。機能的要素の例は、スイッチ、センサー、光学ディスプレイ、及びそれらの組み合わせを含む。上記機能的要素は、自動車システムに統合されていてもよい。例えば、指紋センサーは、点火システムに統合されていてもよいし、スイッチは、照明システムに統合されていてもよい。
【0018】
[0018]裏打ち層がある場合、本裏打ち層はグラフィックデザインを含んでいてもよい。上記グラフィックデザインは、裏打ち層の表面上に設けられるものや、表面に組み込まれたものであってよい。グラフィックデザインがある場合、可視光透過率及びヘーズ値はグラフィックデザインのない範囲において測定される。上記裏打ち層は、機能的要素を含むものであってもよい。機能的要素の例は、スイッチ、センサー、光学ディスプレイ、及びそれらの組み合わせを含む。上記機能的要素は、自動車システムに統合されていてもよい。例えば、指紋センサーは、点火システムに統合されていてもよいし、スイッチは、照明システムに統合されていてもよい。また、機能的要素は、裏打ち層と連続的な柔軟層との間に設けられるように設計してもよい。裏打ち層は、上記連続的な柔軟層と同一又は異なる材料を含んでもよい。
【0019】
[0019]上記連続的な柔軟層は、厚さが0.001~5ミリメートル(mm)であってよい。この範囲内において、上記厚さは、0.01~4mm、又は0.1~3.5mmであってよい。裏打ち層がある場合、その厚さは0.001~5ミリメートル(mm)であってよい。この範囲内において、上記厚さは、0.01~4mm、又は0.1~3.5mmであってよい。
【0020】
[0020]ここで図面を参照するが、
図1は、基材30上に設けられている連続的な柔軟層20を有する乗り物用トリム部品10の断面図を示している。任意選択の光源40は、連続的な柔軟層の反対側にある基材側に示されている。光源がある場合は、基材は、光が通過するための1つ又は複数の開口部を有する。これは、
図2において、より明示的に示されており、基材30は、連続的な柔軟層20へ光を通過させるための開口部50を有する。
図2Aは
図2で示されているトリム部品の正面図を示している。基材の開口部は、光を通過させ、連続的な柔軟層20に付されたデザイン要素60周辺を照らすことを可能とする。
【0021】
[0021]
図3は、連続的な柔軟層120と基材130との間に設けられた裏打ち層110を有する乗り物用トリム部品100の断面図を示している。任意選択の光源140は、連続的な柔軟層の反対側にある基材側に位置している。
【0022】
[0022]本明細書に記載されている乗り物用トリム部品は、機能性、軽量性、及びシームレスな統合性からなる独自の組み合わせを実現する。トリム部品に、連続的な表面を維持したまま装飾的要素や機能的要素を付与できるという特性は、埃や他の不要な物質を巻き込む可能性のある接合点の数を減らすため、魅力ある選択肢である。上記に加え、連続的な柔軟層及び任意選択の裏打ち層の柔軟性は、隙間、しわ、又は縫い目なく曲面基材を被覆するという点において表面材の特性を改良する。
【0023】
[0023]本発明を、実施形態の具体例を参照して説明してきたが、当業者は、発明の範囲から逸脱しない限り、様々な変更が可能であり、同等のものが本発明の要素に代替され得ることを当然に理解できる。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱せずに、発明の教示内容に具体的な状況又は材料を適合させるように多くの改良が可能である。従って、本発明は、本発明を実施するにあたり、最良の形態として検討され、開示されている特定の実施形態に限定するものでなく、本出願の範囲を満たす全ての実施形態を含むことを意図している。
【国際調査報告】