(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】椎間インプラント
(51)【国際特許分類】
A61F 2/44 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A61F2/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541933
(86)(22)【出願日】2021-01-15
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 EP2021050788
(87)【国際公開番号】W WO2021148316
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102020000319.2
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522271317
【氏名又は名称】ジョイマックス ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ライズ,ウルフギャング
(72)【発明者】
【氏名】バルトルト,クレメンス
(72)【発明者】
【氏名】シェイノスト,トビアス
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA10
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC06
4C097CC12
(57)【要約】
本発明は、接触面(2.1.1-2.4.1)を備える少なくとも2つの上方および2つの下方の接触体(2.1-2.4)と、並んで配置された逆向きのネジ(4.1,4.2)が設けられ、かつ延長軸線(A)を有するネジ本体(4)を備えるアクチュエータ(3)と、前記ネジ本体(4)上に軸方向に可動に座しており、前記ネジ本体の回転により前記ネジ本体に沿って走行可能なウェッジであって、前記接触体(2.1-2.4)の少なくとも一部分の少なくとも対向面に係合し、かつ互いに90°未満の有限角度で延在する、ウェッジの少なくとも1つの傾斜体(5.2,5a.2)の傾斜面(5.2.1,5a.2.1)を備えるウェッジと、を有する椎間インプラントに関し、前記ウェッジは、前記延長軸線(A)の方向に並んで配置された2つの傾斜体を備えるダブルウェッジとして構成されており、一方の傾斜体(5.1,5.2)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5.2.1,5.2.2)は、他方の傾斜体(5a.1,5a.2)の前記傾斜面(5a.1.1,5a.1.2;5a.2.1,5a.2.2)に対して異なる配向を有し、前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.2.1,5.2.2;5a.2.1,5a.2.2)は、側方に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合し、一方、前記第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5a.1.1,5a.1.2)は、垂直方向に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合する、ことを意図する。
【選択図】
図5a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触面(2.1.1-2.4.1)を備える少なくとも2つの上方および2つの下方の接触体(2.1-2.4)と、
並んで配置された逆向きのネジ(4.1,4.2)が設けられ、かつ延長軸線(A)を有するネジ本体(4)を備えるアクチュエータ(3)と、
前記ネジ本体(4)上に軸方向に可動に座しており、前記ネジ本体の回転により前記ネジ本体に沿って走行可能なウェッジであって、前記接触体の少なくとも一部分の少なくとも対向面に係合し、かつ互いに90°未満の有限角度で延在する、ウェッジの少なくとも1つの傾斜体(5.2,5a.2)の傾斜面(5.2.1,5a.2.1)を備えるウェッジと、を有する椎間インプラントにおいて、
前記ウェッジは、前記延長軸線(A)の方向に並んで配置された2つの傾斜体を備えるダブルウェッジとして構成されており、
一方の傾斜体(5.1,5.2)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5a.1.1,5a.1.2)は、他方の傾斜体(5a.1,5a.2)の前記傾斜面面(5.2.1,5.2.2;5a.2.1,5a.2.2)に対して異なる配向を有し、
前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.2.1,5.2.2;5a.2.1,5a.2.2)は、側方に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合し、一方、前記第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5a.1.1,5a.1.2)は、垂直方向に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合する、ことを特徴とする椎間インプラント。
【請求項2】
前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.1.1,5a.1.1)は、水平の面垂線(H)をもって垂直に配向されており、第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5a.1.1)の面垂線(F)は、これとは異なる配向で90゜とは異なる有限角を垂直(V)に対して成す、ことを特徴とする椎間インプラント。
【請求項3】
前記傾斜面(5.1.1,5.2.1ないし5a.1.1,5a.2.1)は、異なる配向で異なる傾斜体(5.1,5.2ないし5a.1,5a.2)に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の椎間インプラント。
【請求項4】
配向の異なる傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)と共同作用する前記接触体(2.1-2.4)の対向面(2.4.1,2.6)は、配向の異なる前記傾斜体(5.1,5.2,5a.1,5a.2)の間隔と比較して、前記アクチュエータの前記ネジ体(4)の前記軸線(A)の延長方向に異なる間隔を有する、ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項5】
配向の異なる傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.2)の間隔は、前記接触体(2.1-2.4)における前記対向面(2.4.1,2.6)の間隔に対して、前記ネジ体(4)の回転の際に前記接触体(2.1-2,4)が少なくとも側方に離れるように移動し、続いて初めて互いに対して持ち上がるようになっている、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項6】
前記傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)の間隔は、前記対向面(2.4.1,2.6)の間隔に対して、前記接触体(2.1-2,4)が前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.2.1,5a.2.1)によってまず前記接触体(2.1-2.4)の前記対向面(2.4.1)に側方に係合し、これによりこれらが側方に離れるように移動し、さらなる回転の際に初めて、前記第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5a.1.1)が前記接触体(2.1-2.4)の前記対向面(5.6)に、これを持ち上げるように係合する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項7】
ダブルウェッジ(5ないし5a)の配向の異なる前記傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)の間隔は、前記所属の対向面(2.4.1,2.6)の間隔よりも小さい、ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記ネジ体と堅固に結合した半径方向のディスクまたは半径方向のホイール(4.3)を有し、前記ホイールは、前記ネジ体(4)の軸線(A)に対して半径方向に向けられた、前記接触体(2.1-2.4)のスリット(2.5)に、前記接触体を軸垂直に案内するために係合する、ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項9】
少なくとも前記上方の接触体(2.1,2.2)に滑り係合する案内ロッドが、前記接触体(2.1,2.2)の相対的な案内のために設けられている、ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項10】
上方の接触体(2.1,2.2)の前記外側の接触面は、前記下方の接触体(2.3,2.4)の前記外側の接触面に対して5°~15°の角度、好適には9°~11°の角度を成す、ことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項11】
前記傾斜体(5.1,5.2,5a.1,5a.2)は、ダブルウェッジにおいてこれと一体的に構成されている、ことを特徴とする椎間インプラント。
【請求項12】
重なり合うおよび/または横に並ぶ接触体(2.1,2.3;2.2,2.4ないし2.1,2.2;2.3,2.4)は、線形案内部を介して互いに可動に接続されている、ことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の椎間インプラント。
【請求項13】
少なくとも1つの線形案内部は、溝バネ案内部、好適には蟻組み案内部である、ことを特徴とする請求項12に記載の椎間インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触面を備える少なくとも2つの上方および2つの下方の接触体と、並んで配置された逆向きのネジが設けられ、かつ延長軸を有するネジ本体を備えるアクチュエータと、ネジ本体上に軸方向に可動に座しており、前記ネジ本体の回転によりネジ本体に沿って走行可能なウェッジであって、前記接触体の少なくとも一部分の少なくとも対向面に係合し、かつ互いに90°未満の有限角度で延在する、ウェッジの少なくとも1つの傾斜体の傾斜面を備えるウェッジと、を有する椎間インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上位概念による椎間インプラントを開示し、この椎間インプラントでは、椎間インプラントの個別の接触体が側方に離れるように走行し、垂直方向に離れるように移動することができる。側方での離れるような走行は、相反するネジを備えるネジロッドを有するアクチュエータによって、相反するネジ上に傾斜が付され、かつ軸方向にスライド可能なスライド体を介して行われ、このスライド体は、接触体の対応する対向面に係合する。
【0003】
接触体の垂直方向での離れるような走行は、ウェッジと支持体との間に配置された中間体を介して間接的に行われ、中間体は、下方の支持体の斜めに延在する溝内でスライド可能である。
【0004】
この種の構成は、ウェッジおよび支持体に加えて、付加的な可動な部材として設けられた中間体があるため、一方では面倒であり、他方では障害に脆弱である。なぜならこれによって折曲部および締付け部が発生し得るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0269521号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/146797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の基礎とする課題は、前記の欠点を回避しつつ、簡単に取り付けられ、支持体が種々の方向に時間的にずれて運動することを可能にしながら確実な機能を保証する椎間インプラントを創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば前記課題は、同属の椎間インプラントによって解決され、この椎間インプラントは、ウェッジが、延長軸の方向に並んで配置された2つの傾斜体を備えるダブルウェッジとして構成されており、一方の傾斜体の傾斜面は、他方の傾斜体の傾斜面に対して異なる配向を有し、第1の傾斜体の傾斜面は、接触体に側方に直接係合し、一方、第2の傾斜体の傾斜面は、接触体に垂直方向に直接係合する、ことを特徴とする。
【0008】
したがって本発明は、軸方向に並んで配置された2つの傾斜体であって、配向の異なる傾斜面を備える傾斜体が同じダブルウェッジに存在することを意図し、第1の傾斜体は、ラテラルまた側方での支持体の離れるような運動に用いられ、第2の傾斜体は、垂直方向または頭尾方向での支持体の離れるような運動に用いられる。
【0009】
ここでは特に、配向の異なる傾斜面がダブルウェッジの異なる傾斜体に配置されている。
【0010】
本発明の非常に好適な構成では、第1の傾斜体の傾斜面は、水平面垂線と垂直に配向されており、第2の傾斜体の傾斜面の面垂線は、これとは異なる配向で、垂直に対して90゜ではない有限角を成す。ここで発展形態では、配向の異なる傾斜面と共同作用する接触体の対向面が、配向の異なる傾斜体の間隔と比較して、アクチュエータのネジ体の軸の延長方向に異なる間隔を有し、特に、配向の異なる傾斜面の間隔は、接触体における対向面の間隔に対して、ネジ体の回転の際に接触体が少なくとも側方に離れるように移動し、続いて初めて互いに対して持ち上がるようになっている。
【0011】
このことは具体的な構成では、傾斜面の間隔が対向面の間隔に対して、接触体がまず第1の傾斜体の傾斜面によって接触体の対向面に側方に係合するようになっていることにより達成でき、これによりこれらが側方に離れるように移動し、さらなる回転の際に初めて、第2の傾斜体の傾斜面が接触体の対向面に、これを持ち上がるように係合する。これにより、支持体の時間的にずれた運動が具体的に実現される。
【0012】
本発明によれば、2つの傾斜部材を備えるダブルウェッジの配向の異なる傾斜面の間隔を、所属の対向面の間隔よりも小さくすることができる。
【0013】
本発明のさらに好適な構成では、アクチュエータは、ネジ体と堅固に結合された半径方向のディスクまたは半径方向のホイールを有し、ホイールは、ネジ体の軸に対して半径方向に向けられた接触体のスリットに、これを軸垂直に案内するために係合し、および/または少なくとも上方の接触体に滑り係合する案内ロッドが、接触体を相互に案内するために設けられている。
【0014】
上方の接触体の外側接触面および下方の接触体の下側外面は、通常、互いに平行には延在せず、むしろ好適には、上方の接触体の外側接触面は下方の接触体の外側接触面に対して、5°~15°の角度、好適には9°~11°の角度を成し、これにより腰椎に対して自然なロードーシスを達成する。ここで各個別の接触体の接触面の近位領域は、水平の中央面との関係で見て、この角度の半分で直線的に上昇する面からまず始まり、次に遠位領域において反対方向の湾曲に移行して丸みを形成し、この丸みは椎間孔への導入も容易にする。
【0015】
好適な構成では、傾斜体は、ダブルウェッジにおいてこれと一体的に構成されている。
【0016】
非常に好適な構成では、重なり合うおよび/または横に並ぶ接触体は、線形案内部を介して互いに可動に接続されており、特に少なくとも1つの線形案内部は、溝バネ案内部、好適には蟻組み案内部である。この線形案内部によって、せん断応力の際に発生する力が接触体を通して導かれ、内部(機能)構造を、二重ネジのスライド機構のように負荷しないか、または少なくとも僅かにしか負荷しない。
【0017】
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲、および本発明の好適な実施例が図面を参照して詳細に説明されている以下の記載から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による第1の椎間インプラントの分解図である。
【
図2】圧縮状態にある
図1の本発明によるインプラントの駆動機構の斜視図である。
【
図3】拡張状態にある
図1の実施形態の駆動機構の斜視図である。
【
図4】
図1の本発明によるインプラントのダブルウェッジの斜視図である。
【
図5】圧縮状態にある完全なインプラントの図である。
【
図5a】圧縮状態にあり、上方前側接触体が除去されたインプラントの図である。
【
図6】側方(ラテラル)だけが拡張状態にある第1のステップによるインプラントの図である。
【
図6a】
図6による側方(ラテラル)だけが拡張状態にあり、上方前側接触体が除去された第1のステップによるインプラントの図である。
【
図7】第2の拡張ステップ後の、側方および垂直に拡張状態にある本発明のインプラントの図である。
【
図7a】
図7による第2の拡張ステップ後の、側方および垂直に拡張状態にあり、上方前側支持体を除去した本発明によるインプラントの図である。
【
図8】本発明による椎間インプラントの別の実施形態の分解図である。
【
図9】
図8の構成による別のダブルウェッジの斜視図である。
【
図10】圧縮状態にある
図8のインプラントの斜視図である。
【
図10a】圧縮状態にある
図8、10のインプラントの側面図である。
【
図11】完全に拡張状態にある
図8のインプラントの分解図である。
【
図11a】完全に拡張状態にある
図8のインプラントの側面図である。
【
図12】圧縮状態にあり、線形案内部を備える本発明による椎間インプラントの変形実施形態の図である。
【
図13】側方および水平に拡張状態にある
図12の実施形態の図である。
【
図14】
図12の本発明による椎間インプラントの係合側から見て右上方および下方接触体の領域における側面図である。
【
図15】係合側から見て左上方接触体の内側への斜視図である。
【
図16】並んで配置された下方接触体を下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による椎間インプラントの第1実施形態が
図1から
図7aに示されている。インプラント1は、2つの上方接触体2.1と2.2(2.2は
図5a、6a、7aでは除去されている)、およびこれに対向する2つの下方接触体2.3,2.4を有する。これらの間の中央には、アクチュエータまたは駆動機構3が配置されている(特に
図3、3a)。
【0020】
接触体2.1-2.4は、上方ないし下方に向けられた接触面を有し、接触面は、その中央領域、例えば2.1.1,2.2.1,2.3.1,2.4.1が実質的に水平に向けられており、あるいは水平領域を形成ないし規定し、一方、接触面は、長手方向にそれらの端部で下降あるいは湾曲しており、互いに対向する上方および下方の接触面は向き合って延在する。
【0021】
駆動機構3は、軸線Aを備える中央ネジ体4を有し、軸線Aはインプラントの長手方向も決定する。ネジ体4は、並んで配置された反対向きの2つのネジ4.1,4.2を有する。ネジ4.1は遠位ねじであり、ネジ4.2は近位ネジである。ネジ体4は、近位端部において工具(図示せず)と係合するための係合輪郭4.4により形成されており、工具によりネジ体4は回転することができる。ネジ体4には中央に、これと回動不能に結合された案内ホイール4.3が配置されており、案内ホイールは、接触体2.1-2.4の半径方向に向けられた横スリット2.5に係合し、接触体2.1-2.4およびネジ体4の相対的軸方向位置を、接触体2.1-2.4の側方および垂直方向の相互の運動に関係なく相互に決定および設定する。
【0022】
ネジ体4には、ネジ4.1,4.2に適合する内ネジ5.3が設けられたダブルウェッジ5,5aが座しており、これは2つの傾斜部材を備える。これらは鏡対称に構成されており、ホイールの両側に鏡対称に配置されている。
【0023】
各ダブルウェッジ5,5aは、第1および第2の傾斜体5.1,5a.1,5.2,5a.2を有し、これらはそれぞれ軸線Aの方向に並んで配置されており、ホイール4.3から離れるよう外に向けられている。傾斜体5.1の傾斜面5.1.1および5.1.2は、ホイール4から離れるように互いに外に向かって次のように延在する(
図2)。傾斜体5.1は、上方および下方の傾斜平面としてそれぞれ傾斜面5.1.1および5.1.2を有し、これらはそれぞれ、軸線Aに対する垂直線Vに対して90゜ではない有限角の面垂線F5を有する(
図2,2a)。傾斜体の別の傾斜面に対しても相応のことが当てはまる。
【0024】
接触体2.1(および接触体2.2も同様に)は、傾斜面5.1.1に対して傾斜面5.1.1,5.1.2とほぼ同じまたは正確におなじ傾きの対向面2.6を有し、ネジ体4が回転して、ダブルウェッジ5および傾斜体5.1、ひいては傾斜面5.1.1,5.1.2がホイール4.3から離れ、軸線Aに沿って外に(図では左に)移動されるときに、傾斜面5.1.1ないし5.1.2に対して作用する。
【0025】
傾斜体5a.1およびこれに存在する傾斜面5a.1.1,5a.1.2に対しても基本的に同じことが当てはまり、接触体2.1の内側には対応の対向面2.1.3が形成されている。相応のことが、接触体2.2の対応の傾斜面に関して、および下方の傾斜面5a.1.2および下方の接触体2.3と2.4の対応の対向面についても当てはまる。
【0026】
ダブルウェッジ5は、傾斜体5.1に対して軸方向Aで内側にオフセットされており、すでに述べたように傾斜面5.2.1と5.2.2を備える傾斜体5.2を有する。これらの傾斜面は垂直に配向されており(
図3も)、同様にホイール4.3から外に向かって互いに斜めに延在し、それぞれ面垂線F5.2を有する。この面垂線は水平に向けられており、すなわち垂直線Vに対して直角であり、軸線Aと共に水平面を成す(
図3)。
【0027】
傾斜面5.2.1は、接触体2.4にある同様に垂直に配向され斜めに延在する対向面2.4.2、および前側上方の接触体2.3にある対応の対向面と共同作用し、ダブルウェッジ5がネジ体4の回転によりホイール4.3から外に向かって離れるよう移動する際に、接触体2.4(接触体2.3も)を外側に、傾斜面5.2.1の対向面2.4.2(および接触体2.3の対応の対向面)との係合が外れるまで移動させることができる。そして引き続き、ネジ体4がさらにネジ運動する際に、ダブルウェッジ5は、接触体2.4および接触体2.3に沿って移動することができる。
【0028】
対応することが、傾斜面5.2.2、および接触体2.1と2.2にある対応の対向面、並びにダブルウェッジ5aにある傾斜体5a.2の対応する傾斜面5a.2.1,5a.2.2に対しても当てはまる(
図3,3a)。その点で、傾斜面5.2.1および対向面2.4.2の共同作用に関する前記説明が参照される。
【0029】
図1-7aの第1の構成では、傾斜体5.2は、側方にこれから離れ、傾斜面5.2.1を越えて延びる上方および下方の突起5.2.2.1を有し(
図2)、後者は接触体2.1のスリット2.1.4に係合し、接触体が側方に離れるように移動する際に、傾斜体5.2の接触面があるのでこの接触体を互いに水平に案内する。対応することが、傾斜体5.2と5a.2の第2の突起および傾斜体2.1-2.4の所属のスリット2.3.4に対して当てはまる。
【0030】
スリット2.1.4は、端面側に向けられたその領域に折曲部を互いに有する。これにより、接触体2.1と2.3ないし2.2と2.4が、傾斜体5.1,5a.1の作用の下で垂直方向に互いに離れるように移動するときに、上に述べたような案内が保証される。
【0031】
対応することが、傾斜体5a.2の領域にある図示された突起および例えば2.3.4aのような所属のスリットに対しても当てはまり、これに関して、並びに前記2つの傾斜体の対向側にある対応の突起および接触体2.1と2.2の対応のスリットについても、前記の説明が参照される。
【0032】
最後に、例えば接触体2.1と2.2との間にはさらに案内ロッド6.1,6.2が形成されており、これら案内ロッドは、2つの傾斜体2.1,2.2内においてスライド可能であり、2つの傾斜体を、それらの側方での互いに離れる運動および垂直方向でのストローク運動の際に互いに案内する。
【0033】
対応の案内ロッドが下方の接触体2.3と2.4に設けられており、これらはこの接触体を前記側方の運動、および降下運動の際に同様に互いに案内する。
【0034】
図面、特に
図1から、傾斜体5.2、ひいてはその傾斜面5.2.1から傾斜体5.1ないしその傾斜面5.1.1(および対応の見えない傾斜面)までの間隔が、対向面2.4.2と対向面2.6ないしそれぞれ同じ接触体の対応する対向面との間の間隔よりも小さいことが分かる。対応することが、接触体にある対応の対向面と比較して、傾斜体5a.2と5a.1ないしそれらの傾斜面の間隔に対しても当てはまる。
【0035】
これにより、上方の接触体2.1と2.2も、下方の接触体2.3と2.4も、まず第1のステップで傾斜体5.2と5a.2ないしそれらの傾斜面によって側方横方向に互いに離れるように走行され、それに続いて初めて、すなわち前記のステップとは時間的にずれて、接触体2.1と2.3並びに接触体2.2と2.4が、傾斜体5.1と5a.1ないし傾斜面によって直角ないし垂直方向に互いに離れるように走行され、これによって側方に広がった状態で初めて、接触体2.1-2.4が上方および下方の椎骨に向かって走行され、このようにして椎骨の損傷の危険性が低減されることが達成される。
【0036】
本発明による椎間インプラントの実施形態が、
図8から11aに示されている。この実施形態は、基本的かつ十分に、
図1から7aの第1実施形態と同じ構成を有する。その点で同じ部材には同じ参照符号を付し、第1実施形態の前の説明についての記載が参照される。傾斜体5.2,5.2aの多少異なる構成との重要な相違は、ダブルウェッジ5,5aである。この相違は、これらダフルウェッジが、
図1から7aの構成の対応の傾斜体の2つの側方の突起の代わりに、各側に傾斜体5.2の側方の突起5.2.5と5.2.6、および傾斜体5a.2の5a.2.6を示すことである(傾斜体5a.2の他方の側に存在する突起は、図では見えない)。突起5.2.5,5.2.6および5a.2.6は、傾斜体5.2ないし5a.2の半分の高さに配置されている。突起は、まず水平に、それから斜めに延在するスリット2.1.5,2.1.6,2.2.5,2.2.6,2.3.5,2.3.6,2.4.5,2.4.6に係合し、その際に上方の接触体2.1,2.2のスリット2.1.5,2.1.6,2.2.5,2.2.6の外側に傾斜した部分は、外に向かって下方に延在し、一方、下方の接触体2.3,2.4のスリット2.3.5,2.3.6,2.4.5,2.4.6の外に向かって傾斜した部分は、外に向かって上方に延在する。
【0037】
このことは、突起5.2.5と5.2.6(並びに傾斜体5aの対応の突起)が前記スリットの傾斜した部分に入り込むと、下方の接触体2.3と2.4が下方に、上方の接触体2.1と2.2が上方に押圧され、これにより垂直方向の広がりが生じるように作用する。接触体2.1と2.2の相互の、そして2.3並びに2.3の相互の先行する水平の広がりは、第1実施形態に関連して説明したのと同じように行われる。
【0038】
これにより突起5.2.5と5.2.6並びに5a.2.6(および傾斜体5a.2の対向する対応の突起)もそれぞれ、下方の接触体および上方の接触体のスリットに同時に係合することができ、これにより相応に垂直に広がるように移動し、すなわち例えば突起5.2.5は、接触体2.3のスリット2.3.5にも、接触体2.1のスリット2.1.5にも移動し、圧縮された基本構成(
図10,10a)においてスリットは重ならなければならない。したがって、スリット2.1.5,2.1.6ないし2.2.5,2.2.6を有する領域2.1.7,2.2.7は、対応の接触体2.3ないし2.4の側壁内で垂直方向に内部で係合し、これにより、スリットはその水平の領域において重なり合う。このことは、一方で
図8の接触体2.1と2.3、他方で2.2と2.4を概念的に重ね合わせれば容易に理解される。
【0039】
図12から16は、先行の図面の椎間インプラントのさらなる変形例を示す。同じ部材は同じ参照符号により示されている。
図12から16の椎間インプラントは、同様に上方の接触体2.1,2.2および下方の接触体2.3,2.4を有する。
図12には、椎間インプラント1が圧縮状態で示されており、
図13には、側方または水平だけに拡張した状態で示されている。
【0040】
インプラント1は、2つの上方の接触体2.1,2.2の線形案内部7.1,7.2をまず有する(
図12,13)。さらにこれは、2つの下方の接触体2.3,2.4の線形案内部7.3,7.4を有する(
図12,13,14,16)。線形案内部7.1-7.4は、それぞれ上方の接触体2.1,2.2ないし下方の接触体2.3,2.4の互いに側方または水平の案内に用いられる。さらに対応して、直接重なり会う接触体2.1と2.3ないし2.2と2.4の垂直方向の線形案内部が設けられており、図面、正確には
図13には、接触体2.2,2.4の垂直方向の線形案内部7.5だけが図示されており、以下に説明する。
【0041】
各線形案内部7.1-7.2は、溝バネ案内部、特にアンダーカットを備える蟻組み案内部から成り、後者は、
図12,13,16の案内部7.3、
図13と
図15の案内部7.1と7.2に示されており、理解される。対応することが
図13の案内部7.5にも当てはまる。
【0042】
したがって各線形案内部は、溝およびこれに係合する、通常は「バネ」として示された突出部または突起を有する。線形案内部7.1では、これは溝7.1.1とバネ7.1.2であり、線形案内部7.2では、溝7.2.1とバネまたは突出部7.2.2である(それぞれ特に
図13)。線形案内部7.3では、これは溝7.3.1とバネ7.3.2であり、線形案内部7.4では、溝7.4.1とバネ7.4.2である(それぞれ
図16)。
【0043】
図13に示された垂直方向の線形案内部7.5では、溝が、下方に案内する2つの案内突出部7.5.1と7.5.1aとの間に形成されており、案内部7.5の対応のバネまたは突出部は、係合側から見て右下方の支持体の側壁7.5.2により形成される。ここで、突出部またはバネ7.5.2、および案内突出部7.5.1,7.5.1aの互いに相互作用する側壁も同様に、アンダーカットを備える蟻組み形状に構成されており、これは
図13から理解される。
【0044】
重なり合う支持体2.1,2.3の垂直方向の線形案内部も、線形案内部7.5と同じように構成されている。
【0045】
この線形案内部によって、発生する横方向力がこれらにより吸収され、特に二重ネジ4およびこれと共同作用するウェッジ体のネジ山がこのような力から解放され、少なくとも負荷軽減されることが達成される。
【0046】
本発明による椎間インプラント1は、全ての実施形態において基本的に以下のように導入され位置付けられる。
【0047】
まず、椎間体スペースへのアクセスが、特許文献2に記載されているように設置される。
【0048】
次に、アクセススリーブを通して椎間インプラント1が、
図5の構成に対応するその圧縮状態で導入される。これによって次に、
図6,6aの中間構成に達する。椎間インプラント1の位置が2つの椎骨の間、すなわちその上に存在する椎骨とその下に存在する椎骨との間に達すると、工具により案内スリーブを通して操作部において、椎間インプラント1の近位端部に係合し、工具を介してネジ体4を回転させる。2つのダブルウェッジ5,5aは一緒に回転することができないから、これらは、それらとネジ体の反対方向の外ネジとの間のネジ接続によって出発位置から反対方向に互いに離れるように移動する。これは
図2から
図3への移行で理解される。
【0049】
ここでまず、傾斜体5.2と5a.2が接触体2.1-2.4の対応の対向面に係合し、これは側方に互いに離れるように、接触体、例えば2.4.2の対向面が対応の傾斜面を解放するまで走行する。それによってこれらは、ネジ体4がさらに回転すると、支持体に沿って移動することができる。同時に、すなわち支持体が側方に完全に離れるように走行した後、傾斜体5.1の傾斜面が、接触体の例えば2.6である対応の対向面に係合し、それによってネジ体のさらなる回転の際に、これらは、前記2つの面によって
図7,7aの構成に達するまで持ち上げられる。
【0050】
この最後の方法ステップで、接触体の外側側面が椎骨に向かって走行され、これにより、椎骨と椎間インプラントの部分の張力が少なくとも達成される。
接触体が、最初に側方に拡張した状態で椎骨に向かって走行することにより、それらの損傷の危険性を格段に低減あるいは排除することができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接触面を備える少なくとも2つの上方および2つの下方の接触体と、並んで配置された逆向きのネジが設けられ、かつ延長軸を有するネジ本体を備えるアクチュエータと、ネジ本体上に軸方向に可動に座しており、前記ネジ本体の回転によりネジ本体に沿って走行可能なウェッジであって、前記接触体の少なくとも一部分の少なくとも対向面に係合し、かつ互いに90°未満の有限角度で延在する、ウェッジの少なくとも1つの傾斜体の傾斜面を備えるウェッジと、を有する椎間インプラントに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、上位概念による椎間インプラントを開示し、この椎間インプラントでは、椎間インプラントの個別の接触体が側方に離れるように走行し、垂直方向に離れるように移動することができる。側方での離れるような走行は、相反するネジを備えるネジロッドを有するアクチュエータによって、相反するネジ上に傾斜が付され、かつ軸方向にスライド可能なスライド体を介して行われ、このスライド体は、接触体の対応する対向面に係合する。
【0003】
接触体の垂直方向での離れるような走行は、ウェッジと支持体との間に配置された中間体を介して間接的に行われ、中間体は、下方の支持体の斜めに延在する溝内でスライド可能である。
【0004】
この種の構成は、ウェッジおよび支持体に加えて、付加的な可動な部材として設けられた中間体があるため、一方では面倒であり、他方では障害に脆弱である。なぜならこれによって折曲部および締付け部が発生し得るからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0269521号明細書
【特許文献2】国際公開第2014/146797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって本発明の基礎とする課題は、前記の欠点を回避しつつ、簡単に取り付けられ、支持体が種々の方向に時間的にずれて運動することを可能にしながら確実な機能を保証する椎間インプラントを創出することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば前記課題は、同属の椎間インプラントによって解決され、この椎間インプラントは、ウェッジが、延長軸の方向に並んで配置された2つの傾斜体を備えるダブルウェッジとして構成されており、一方の傾斜体の傾斜面は、他方の傾斜体の傾斜面に対して異なる配向を有し、第1の傾斜体の傾斜面は、接触体に側方に直接係合し、一方、第2の傾斜体の傾斜面は、接触体に垂直方向に直接係合する、ことを特徴とする。
【0008】
したがって本発明は、軸方向に並んで配置された2つの傾斜体であって、配向の異なる傾斜面を備える傾斜体が同じダブルウェッジに存在することを意図し、第1の傾斜体は、ラテラルまた側方での支持体の離れるような運動に用いられ、第2の傾斜体は、垂直方向または頭尾方向での支持体の離れるような運動に用いられる。
【0009】
ここでは特に、配向の異なる傾斜面がダブルウェッジの異なる傾斜体に配置されている。
【0010】
本発明の非常に好適な構成では、第1の傾斜体の傾斜面は、水平面垂線と垂直に配向されており、第2の傾斜体の傾斜面の面垂線は、これとは異なる配向で、垂直に対して90゜ではない有限角を成す。ここで発展形態では、配向の異なる傾斜面と共同作用する接触体の対向面が、配向の異なる傾斜体の間隔と比較して、アクチュエータのネジ体の軸の延長方向に異なる間隔を有し、特に、配向の異なる傾斜面の間隔は、接触体における対向面の間隔に対して、ネジ体の回転の際に接触体が少なくとも側方に離れるように移動し、続いて初めて互いに対して持ち上がるようになっている。
【0011】
このことは具体的な構成では、傾斜面の間隔が対向面の間隔に対して、接触体がまず第1の傾斜体の傾斜面によって接触体の対向面に側方に係合するようになっていることにより達成でき、これによりこれらが側方に離れるように移動し、さらなる回転の際に初めて、第2の傾斜体の傾斜面が接触体の対向面に、これを持ち上がるように係合する。これにより、支持体の時間的にずれた運動が具体的に実現される。
【0012】
本発明によれば、2つの傾斜部材を備えるダブルウェッジの配向の異なる傾斜面の間隔を、所属の対向面の間隔よりも小さくすることができる。
【0013】
本発明のさらに好適な構成では、アクチュエータは、ネジ体と堅固に結合された半径方向のディスクまたは半径方向のホイールを有し、ホイールは、ネジ体の軸に対して半径方向に向けられた接触体のスリットに、これを軸垂直に案内するために係合し、および/または少なくとも上方の接触体に滑り係合する案内ロッドが、接触体を相互に案内するために設けられている。
【0014】
上方の接触体の外側接触面および下方の接触体の下側外面は、通常、互いに平行には延在せず、むしろ好適には、上方の接触体の外側接触面は下方の接触体の外側接触面に対して、5°~15°の角度、好適には9°~11°の角度を成し、これにより腰椎に対して自然なロードーシスを達成する。ここで各個別の接触体の接触面の近位領域は、水平の中央面との関係で見て、この角度の半分で直線的に上昇する面からまず始まり、次に遠位領域において反対方向の湾曲に移行して丸みを形成し、この丸みは椎間孔への導入も容易にする。
【0015】
好適な構成では、傾斜体は、ダブルウェッジにおいてこれと一体的に構成されている。
【0016】
非常に好適な構成では、重なり合うおよび/または横に並ぶ接触体は、線形案内部を介して互いに可動に接続されており、特に少なくとも1つの線形案内部は、溝バネ案内部、好適には蟻組み案内部である。この線形案内部によって、せん断応力の際に発生する力が接触体を通して導かれ、内部(機能)構造を、二重ネジのスライド機構のように負荷しないか、または少なくとも僅かにしか負荷しない。
【0017】
本発明のさらなる利点および特徴は、特許請求の範囲、および本発明の好適な実施例が図面を参照して詳細に説明されている以下の記載から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明による第1の椎間インプラントの分解図である。
【
図2】圧縮状態にある
図1の本発明によるインプラントの駆動機構の斜視図である。
【
図3】拡張状態にある
図1の実施形態の駆動機構の斜視図である。
【
図4】
図1の本発明によるインプラントのダブルウェッジの斜視図である。
【
図5】圧縮状態にある完全なインプラントの図である。
【
図5a】圧縮状態にあり、上方前側接触体が除去されたインプラントの図である。
【
図6】側方(ラテラル)だけが拡張状態にある第1のステップによるインプラントの図である。
【
図6a】
図6による側方(ラテラル)だけが拡張状態にあり、上方前側接触体が除去された第1のステップによるインプラントの図である。
【
図7】第2の拡張ステップ後の、側方および垂直に拡張状態にある本発明のインプラントの図である。
【
図7a】
図7による第2の拡張ステップ後の、側方および垂直に拡張状態にあり、上方前側支持体を除去した本発明によるインプラントの図である。
【
図8】本発明による椎間インプラントの別の実施形態の分解図である。
【
図9】
図8の構成による別のダブルウェッジの斜視図である。
【
図10】圧縮状態にある
図8のインプラントの斜視図である。
【
図10a】圧縮状態にある
図8、10のインプラントの側面図である。
【
図11】完全に拡張状態にある
図8のインプラントの分解図である。
【
図11a】完全に拡張状態にある
図8のインプラントの側面図である。
【
図12】圧縮状態にあり、線形案内部を備える本発明による椎間インプラントの変形実施形態の図である。
【
図13】側方および水平に拡張状態にある
図12の実施形態の図である。
【
図14】
図12の本発明による椎間インプラントの係合側から見て右上方および下方接触体の領域における側面図である。
【
図15】係合側から見て左上方接触体の内側への斜視図である。
【
図16】並んで配置された下方接触体を下から見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明による椎間インプラントの第1実施形態が
図1から
図7aに示されている。インプラント1は、2つの上方接触体2.1と2.2(2.2は
図5a、6a、7aでは除去されている)、およびこれに対向する2つの下方接触体2.3,2.4を有する。これらの間の中央には、アクチュエータまたは駆動機構3が配置されている(特に
図3、3a)。
【0020】
接触体2.1-2.4は、上方ないし下方に向けられた接触面を有し、接触面は、その中央領域、例えば2.1.1,2.2.1,2.3.1,2.4.1が実質的に水平に向けられており、あるいは水平領域を形成ないし規定し、一方、接触面は、長手方向にそれらの端部で下降あるいは湾曲しており、互いに対向する上方および下方の接触面は向き合って延在する。
【0021】
駆動機構3は、軸線Aを備える中央ネジ体4を有し、軸線Aはインプラントの長手方向も決定する。ネジ体4は、並んで配置された反対向きの2つのネジ4.1,4.2を有する。ネジ4.1は遠位ねじであり、ネジ4.2は近位ネジである。ネジ体4は、近位端部において工具(図示せず)と係合するための係合輪郭4.4により形成されており、工具によりネジ体4は回転することができる。ネジ体4には中央に、これと回動不能に結合された案内ホイール4.3が配置されており、案内ホイールは、接触体2.1-2.4の半径方向に向けられた横スリット2.5に係合し、接触体2.1-2.4およびネジ体4の相対的軸方向位置を、接触体2.1-2.4の側方および垂直方向の相互の運動に関係なく相互に決定および設定する。
【0022】
ネジ体4には、ネジ4.1,4.2に適合する内ネジ5.3が設けられたダブルウェッジ5,5aが座しており、これは2つの傾斜部材を備える。これらは鏡対称に構成されており、ホイールの両側に鏡対称に配置されている。
【0023】
各ダブルウェッジ5,5aは、第1および第2の傾斜体5.1,5a.1,5.2,5a.2を有し、これらはそれぞれ軸線Aの方向に並んで配置されており、ホイール4.3から離れるよう外に向けられている。傾斜体5.1の傾斜面5.1.1および5.1.2は、ホイール4から離れるように互いに外に向かって次のように延在する(
図2)。傾斜体5.1は、上方および下方の傾斜平面としてそれぞれ傾斜面5.1.1および5.1.2を有し、これらはそれぞれ、軸線Aに対する垂直線Vに対して90゜ではない有限角の面垂線F5を有する(
図2,2a)。傾斜体の別の傾斜面に対しても相応のことが当てはまる。
【0024】
接触体2.1(および接触体2.2も同様に)は、傾斜面5.1.1に対して傾斜面5.1.1,5.1.2とほぼ同じまたは正確におなじ傾きの対向面2.6を有し、ネジ体4が回転して、ダブルウェッジ5および傾斜体5.1、ひいては傾斜面5.1.1,5.1.2がホイール4.3から離れ、軸線Aに沿って外に(図では左に)移動されるときに、傾斜面5.1.1ないし5.1.2に対して作用する。
【0025】
傾斜体5a.1およびこれに存在する傾斜面5a.1.1,5a.1.2に対しても基本的に同じことが当てはまり、接触体2.1の内側には対応の対向面2.1.3が形成されている。相応のことが、接触体2.2の対応の傾斜面に関して、および下方の傾斜面5a.1.2および下方の接触体2.3と2.4の対応の対向面についても当てはまる。
【0026】
ダブルウェッジ5は、傾斜体5.1に対して軸方向Aで内側にオフセットされており、すでに述べたように傾斜面5.2.1と5.2.2を備える傾斜体5.2を有する。これらの傾斜面は垂直に配向されており(
図3も)、同様にホイール4.3から外に向かって互いに斜めに延在し、それぞれ面垂線F5.2を有する。この面垂線は水平に向けられており、すなわち垂直線Vに対して直角であり、軸線Aと共に水平面を成す(
図3)。
【0027】
傾斜面5.2.1は、接触体2.4にある同様に垂直に配向され斜めに延在する対向面2.4.2、および前側上方の接触体2.3にある対応の対向面と共同作用し、ダブルウェッジ5がネジ体4の回転によりホイール4.3から外に向かって離れるよう移動する際に、接触体2.4(接触体2.3も)を外側に、傾斜面5.2.1の対向面2.4.2(および接触体2.3の対応の対向面)との係合が外れるまで移動させることができる。そして引き続き、ネジ体4がさらにネジ運動する際に、ダブルウェッジ5は、接触体2.4および接触体2.3に沿って移動することができる。
【0028】
対応することが、傾斜面5.2.2、および接触体2.1と2.2にある対応の対向面、並びにダブルウェッジ5aにある傾斜体5a.2の対応する傾斜面5a.2.1,5a.2.2に対しても当てはまる(
図3,3a)。その点で、傾斜面5.2.1および対向面2.4.2の共同作用に関する前記説明が参照される。
【0029】
図1-7aの第1の構成では、傾斜体5.2は、側方にこれから離れ、傾斜面5.2.1を越えて延びる上方および下方の突起5.2.
1.
2を有し(
図2)、後者は接触体2.1のスリット2.1.4に係合し、接触体が側方に離れるように移動する際に、傾斜体5.2の接触面があるのでこの接触体を互いに水平に案内する。対応することが、傾斜体5.2と5a.2の第2の突起および傾斜体2.1-2.4の所属のスリット2.3.4に対して当てはまる。
【0030】
スリット2.1.4は、端面側に向けられたその領域に折曲部を互いに有する。これにより、接触体2.1と2.3ないし2.2と2.4が、傾斜体5.1,5a.1の作用の下で垂直方向に互いに離れるように移動するときに、上に述べたような案内が保証される。
【0031】
対応することが、傾斜体5a.2の領域にある図示された突起および例えば2.3.4aのような所属のスリットに対しても当てはまり、これに関して、並びに前記2つの傾斜体の対向側にある対応の突起および接触体2.1と2.2の対応のスリットについても、前記の説明が参照される。
【0032】
最後に、例えば接触体2.1と2.2との間にはさらに案内ロッド6.1,6.2が形成されており、これら案内ロッドは、2つの傾斜体2.1,2.2内においてスライド可能であり、2つの接触体を、それらの側方での互いに離れる運動および垂直方向でのストローク運動の際に互いに案内する。
【0033】
対応の案内ロッドが下方の接触体2.3と2.4に設けられており、これらはこの接触体を前記側方の運動、および降下運動の際に同様に互いに案内する。
【0034】
図面、特に
図1から、傾斜体5.2、ひいてはその傾斜面5.2.1から傾斜体5.1ないしその傾斜面5.1.1(および対応の見えない傾斜面)までの間隔が、対向面2.4.2と対向面2.6ないしそれぞれ同じ接触体の対応する対向面との間の間隔よりも小さいことが分かる。対応することが、接触体にある対応の対向面と比較して、傾斜体5a.2と5a.1ないしそれらの傾斜面の間隔に対しても当てはまる。
【0035】
これにより、上方の接触体2.1と2.2も、下方の接触体2.3と2.4も、まず第1のステップで傾斜体5.2と5a.2ないしそれらの傾斜面によって側方横方向に互いに離れるように走行され、それに続いて初めて、すなわち前記のステップとは時間的にずれて、接触体2.1と2.3並びに接触体2.2と2.4が、傾斜体5.1と5a.1ないし傾斜面によって直角ないし垂直方向に互いに離れるように走行され、これによって側方に広がった状態で初めて、接触体2.1-2.4が上方および下方の椎骨に向かって走行され、このようにして椎骨の損傷の危険性が低減されることが達成される。
【0036】
本発明による椎間インプラントの実施形態が、
図8から11aに示されている。この実施形態は、基本的かつ十分に、
図1から7aの第1実施形態と同じ構成を有する。その点で同じ部材には同じ参照符号を付し、第1実施形態の前の説明についての記載が参照される。傾斜体5.2,5.2aの多少異なる構成との重要な相違は、ダブルウェッジ5,5aである。この相違は、これらダフルウェッジが、
図1から7aの構成の対応の傾斜体の2つの側方の突起の代わりに、各側に傾斜体5.2の側方の突起5.2.5と5.2.6、および傾斜体5a.2の5a.2.6を示すことである(傾斜体5a.2の他方の側に存在する突起は、図では見えない)。突起5.2.5,5.2.6および5a.2.6は、傾斜体5.2ないし5a.2の半分の高さに配置されている。突起は、まず水平に、それから斜めに延在するスリット2.1.5,2.1.6,2.2.5,2.2.6,2.3.5,2.3.6,2.4.5,2.4.6に係合し、その際に上方の接触体2.1,2.2のスリット2.1.5,2.1.6,2.2.5,2.2.6の外側に傾斜した部分は、外に向かって下方に延在し、一方、下方の接触体2.3,2.4のスリット2.3.5,2.3.6,2.4.5,2.4.6の外に向かって傾斜した部分は、外に向かって上方に延在する。
【0037】
このことは、突起5.2.5と5.2.6(並びに傾斜体5aの対応の突起)が前記スリットの傾斜した部分に入り込むと、下方の接触体2.3と2.4が下方に、上方の接触体2.1と2.2が上方に押圧され、これにより垂直方向の広がりが生じるように作用する。接触体2.1と2.2の相互の、そして2.3並びに2.4の相互の先行する水平の広がりは、第1実施形態に関連して説明したのと同じように行われる。
【0038】
これにより突起5.2.5と5.2.6並びに5a.2.6(および傾斜体5a.2の対向する対応の突起)もそれぞれ、下方の接触体および上方の接触体のスリットに同時に係合することができ、これにより相応に垂直に広がるように移動し、すなわち例えば突起5.2.5は、接触体2.3のスリット2.3.5にも、接触体2.1のスリット2.1.5にも移動し、圧縮された基本構成(
図10,10a)においてスリットは重ならなければならない。したがって、スリット2.1.5,2.1.6ないし2.2.5,2.2.6を有する領域2.1.7,2.2.7は、対応の接触体2.3ないし2.4の側壁内で垂直方向に内部で係合し、これにより、スリットはその水平の領域において重なり合う。このことは、一方で
図8の接触体2.1と2.3、他方で2.2と2.4を概念的に重ね合わせれば容易に理解される。
【0039】
図12から16は、先行の図面の椎間インプラントのさらなる変形例を示す。同じ部材は同じ参照符号により示されている。
図12から16の椎間インプラントは、同様に上方の接触体2.1,2.2および下方の接触体2.3,2.4を有する。
図12には、椎間インプラント1が圧縮状態で示されており、
図13には、側方または水平だけに拡張した状態で示されている。
【0040】
インプラント1は、2つの上方の接触体2.1,2.2の線形案内部7.1,7.2をまず有する(
図12,13)。さらにこれは、2つの下方の接触体2.3,2.4の線形案内部7.3,7.4を有する(
図12,13,14,16)。線形案内部7.1-7.4は、それぞれ上方の接触体2.1,2.2ないし下方の接触体2.3,2.4の互いに側方または水平の案内に用いられる。さらに対応して、直接重なり会う接触体2.1と2.3ないし2.2と2.4の垂直方向の線形案内部が設けられており、図面、正確には
図13には、接触体2.2,2.4の垂直方向の線形案内部7.5だけが図示されており、以下に説明する。
【0041】
各線形案内部7.1-7.2は、溝バネ案内部、特にアンダーカットを備える蟻組み案内部から成り、後者は、
図12,13,16の案内部7.3、
図13と
図15の案内部7.1と7.2に示されており、理解される。対応することが
図13の案内部7.5にも当てはまる。
【0042】
したがって各線形案内部は、溝およびこれに係合する、通常は「バネ」として示された突出部または突起を有する。線形案内部7.1では、これは溝7.1.1とバネ7.1.2であり、線形案内部7.2では、溝7.2.1とバネまたは突出部7.2.2である(それぞれ特に
図13)。線形案内部7.3では、これは溝7.3.1とバネ7.3.2であり、線形案内部7.4では、溝7.4.1とバネ7.4.2である(それぞれ
図16)。
【0043】
図13に示された垂直方向の線形案内部7.5では、溝が、下方に案内する2つの案内突出部7.5.1と7.5.1aとの間に形成されており、案内部7.5の対応のバネまたは突出部は、係合側から見て右下方の支持体の側壁7.5.2により形成される。ここで、突出部またはバネ7.5.2、および案内突出部7.5.1,7.5.1aの互いに相互作用する側壁も同様に、アンダーカットを備える蟻組み形状に構成されており、これは
図13から理解される。
【0044】
重なり合う支持体2.1,2.3の垂直方向の線形案内部も、線形案内部7.5と同じように構成されている。
【0045】
この線形案内部によって、発生する横方向力がこれらにより吸収され、特に二重ネジ4およびこれと共同作用するウェッジ体のネジ山がこのような力から解放され、少なくとも負荷軽減されることが達成される。
【0046】
本発明による椎間インプラント1は、全ての実施形態において基本的に以下のように導入され位置付けられる。
【0047】
まず、椎間体スペースへのアクセスが、特許文献2に記載されているように設置される。
【0048】
次に、アクセススリーブを通して椎間インプラント1が、
図5の構成に対応するその圧縮状態で導入される。これによって次に、
図6,6aの中間構成に達する。椎間インプラント1の位置が2つの椎骨の間、すなわちその上に存在する椎骨とその下に存在する椎骨との間に達すると、工具により案内スリーブを通して操作部において、椎間インプラント1の近位端部に係合し、工具を介してネジ体4を回転させる。2つのダブルウェッジ5,5aは一緒に回転することができないから、これらは、それらとネジ体の反対方向の外ネジとの間のネジ接続によって出発位置から反対方向に互いに離れるように移動する。これは
図2から
図3への移行で理解される。
【0049】
ここでまず、傾斜体5.2と5a.2が接触体2.1-2.4の対応の対向面に係合し、これは側方に互いに離れるように、接触体、例えば2.4.2の対向面が対応の傾斜面を解放するまで走行する。それによってこれらは、ネジ体4がさらに回転すると、支持体に沿って移動することができる。同時に、すなわち支持体が側方に完全に離れるように走行した後、傾斜体5.1の傾斜面が、接触体の例えば2.6である対応の対向面に係合し、それによってネジ体のさらなる回転の際に、これらは、前記2つの面によって
図7,7aの構成に達するまで持ち上げられる。
【0050】
この最後の方法ステップで、接触体の外側側面が椎骨に向かって走行され、これにより、椎骨と椎間インプラントの部分の張力が少なくとも達成される。
接触体が、最初に側方に拡張した状態で椎骨に向かって走行することにより、それらの損傷の危険性を格段に低減あるいは排除することができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接触面(2.1.1-2.4.1)を備える少なくとも2つの上方および2つの下方の接触体(2.1-2.4)と、
並んで配置された逆方向のネジ(4.1,4.2)が設けられ、かつ延長軸線(A)を有するネジ本体(4)を備えるアクチュエータ(3)と、
前記ネジ本体(4)上に軸方向に可動に座しており、当該ネジ本体の回転により当該ネジ本体に沿って走行可能なウェッジであって、前記接触体の少なくとも一部分の少なくとも対向面に係合し、かつ互いに90°未満の有限角度で延在する、ウェッジの少なくとも1つの傾斜体(5.2,5a.2)の傾斜面(5.2.1,5a.2.1)を備えるウェッジと、を有する椎間インプラントにおいて、
前記ウェッジは、前記延長軸線(A)の方向に並んで配置された2つの傾斜体を備えるダブルウェッジとして構成されており、
一方の傾斜体(5.1,5.2)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5a.1.1,5a.1.2)は、他方の傾斜体(5a.1,5a.2)の前記傾斜面面(5.2.1,5.2.2;5a.2.1,5a.2.2)に対して異なる配向を有し、
前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.2.1,5.2.2;5a.2.1,5a.2.2)は、側方に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合し、一方、前記第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5.1.2;5a.1.1,5a.1.2)は、垂直方向に前記接触体(2.1-2.4)に直接係合する、ことを特徴とする椎間インプラント。
【請求項2】
前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.
2.1,5a.
2.1)は、水平の面垂線(H)をもって垂直に配向されており、第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.
2.1,5a.
2.1)の面垂線(F)は、これとは異なる配向で90゜とは異なる有限角を垂直(V)に対して成す、ことを特徴とする
請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項3】
前記傾斜面(5.1.1,5.2.1ないし5a.1.1,5a.2.1)は、異なる配向で異なる傾斜体(5.1,5.2ないし5a.1,5a.2)に配置されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項4】
配向の異なる傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)と共同作用する前記接触体(2.1-2.4)の対向面(2.4.
2,2.6)は、配向の異なる前記傾斜体(5.1,5.2,5a.1,5a.2)の間隔と比較して、前記アクチュエータの前記ネジ体(4)の前記軸線(A)の延長方向に異なる間隔を有する、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項5】
配向の異なる傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.2)の間隔は、前記接触体(2.1-2.4)における前記対向面(2.4.
2,2.6)の間隔に対して、前記ネジ体(4)の回転の際に前記接触体(2.1-2,4)が少なくとも側方に離れるように移動し、続いて初めて互いに対して持ち上がるようになっている、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項6】
前記傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)の間隔は、前記対向面(2.4.
2,2.6)の間隔に対して、前記接触体(2.1-2,4)が前記第1の傾斜体(5.2,5a.2)の前記傾斜面(5.2.1,5a.2.1)によってまず前記接触体(2.1-2.4)の前記対向面(2.4.
2)に側方に係合し、これによりこれらが側方に離れるように移動し、さらなる回転の際に初めて、前記第2の傾斜体(5.1,5a.1)の前記傾斜面(5.1.1,5a.1.1)が前記接触体(2.1-2.4)の前記対向面(
2.6)に、これを持ち上げるように係合する、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項7】
ダブルウェッジ(5ないし5a)の配向の異なる前記傾斜面(5.1.1,5.2.1;5a.1.1,5a.2.1)の間隔は、前記所属の対向面(2.4.1,2.6)の間隔よりも小さい、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項8】
前記アクチュエータは、前記ネジ体と堅固に結合した半径方向のディスクまたは半径方向のホイール(4.3)を有し、前記ホイールは、前記ネジ体(4)の軸線(A)に対して半径方向に向けられた、前記接触体(2.1-2.4)のスリット(2.5)に、前記接触体を軸垂直に案内するために係合する、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項9】
少なくとも前記上方の接触体(2.1,2.2)に滑り係合する案内ロッドが、前記接触体(2.1,2.2)の相対的な案内のために設けられている、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項10】
上方の接触体(2.1,2.2)の前記外側の接触面は、前記下方の接触体(2.3,2.4)の前記外側の接触面に対して5°~15°の角度、好適には9°~11°の角度を成す、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項11】
前記傾斜体(5.1,5.2,5a.1,5a.2)は、ダブルウェッジにおいてこれと一体的に構成されている、ことを特徴とする
請求項1に記載の椎間インプラント。
【請求項12】
重なり合うおよび/または横に並ぶ接触体(2.1,2.3;2.2,2.4ないし2.1,2.2;2.3,2.4)は、線形案内部を介して互いに可動に接続されている、ことを特徴とする請求項
1に記載の椎間インプラント。
【請求項13】
少なくとも1つの線形案内部は、溝バネ案内部、好適には蟻組み案内部である、ことを特徴とする請求項12に記載の椎間インプラント。
【国際調査報告】