(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】誘導加熱クックトップディスプレイ
(51)【国際特許分類】
H05B 6/12 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
H05B6/12 312
H05B6/12 324
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541977
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-01
(86)【国際出願番号】 US2021012488
(87)【国際公開番号】W WO2021142112
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】コーウィン、コート
(72)【発明者】
【氏名】フォーリー、アンドルー
(72)【発明者】
【氏名】ガスリー、ワレン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィデティッチ、ジョン
【テーマコード(参考)】
3K151
【Fターム(参考)】
3K151BA56
3K151CA71
(57)【要約】
誘導加熱クックトップに結合されたディスプレイを改良するためのシステムは、誘導コイルと、電動式ディスプレイ(EAD)アセンブリとを含む。誘導コイルは、磁場を含む。EADアセンブリは、誘導コイルに配設され、且つ誘導コイルに隣接するフロントプレートと、フロントプレーンとは反対側の薄膜トランジスタ(TFT)アレイバックプレーンとを含む。TFTアレイバックプレーンは、磁場に対してある程度の直交性を有する走査線及び磁場に対してある程度の平行性を有するデータ線を含む。走査線及びデータ線は、EADアセンブリに対応するディスプレイピクセルを作動させるように構成される。EADアセンブリの1つ又は複数の接地線は、誘導コイルの磁場に対してある程度の平行性を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁場を含む誘導コイルと、
前記誘導コイルに配設された電動式ディスプレイ(EAD)アセンブリであって、
前記誘導コイルに隣接するフロントプレーンと、
前記フロントプレーンの反対側にあり、且つ前記磁場に直交する走査線及び前記磁場に平行なデータ線を含む薄膜トランジスタ(TFT)アレイバックプレーンであって、前記走査線及び前記データ線は、前記EADアセンブリに対応するディスプレイピクセルを作動させるように構成される、薄膜トランジスタ(TFT)アレイバックプレーンと
を含む電動式ディスプレイ(EAD)アセンブリと
を含むシステムであって、
前記EADアセンブリの1つ又は複数の接地線は、前記誘導コイルの前記磁場に平行に配置される、システム。
【請求項2】
前記フロントプレーンは、前記EADアセンブリの一部分をカプセル化するパッシベーション層を含み、前記パッシベーション層は、前記EADアセンブリの前記1つ又は複数の接地線の少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記フロントプレーンは、前記EADアセンブリのための接地面として機能するように構成された金属カプセル化層を含まない、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記EADアセンブリの前記接地線の全ては、前記誘導コイルの前記磁場に平行に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記EADアセンブリは、前記誘導コイルに配設され、且つエアギャップによって前記誘導コイルからずらされる、請求項1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記EADアセンブリは、有機発光ダイオード(OLED)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路と、
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路と、
前記スイッチ回路を制御するコントローラであって、
走査信号及びデータ信号を生成することと、
前記走査信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を、
前記走査信号を、第1の走査信号と、前記第1の走査信号と相補的な第2の走査信号とに分割すること、
前記第1の走査信号と前記第2の走査信号とを差動増幅して、増幅された走査信号を形成すること
によって低減することと、
前記増幅された走査信号及び前記データ信号を使用して、前記スイッチ回路に対応する前記ピクセルを作動させることと
を含む操作を実施するように構成されるコントローラと
を含むシステム。
【請求項9】
前記操作は、
前記データ信号と、前記隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を、前記データ信号を、第1のデータ信号と、前記第1のデータ信号と相補的な第2のデータ信号とに分割することによって低減すること
をさらに含み、
前記スイッチ回路に対応する前記ピクセルを作動させることは、前記増幅された走査信号、前記第1のデータ信号及び前記第2のデータ信号を使用する、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記操作は、
前記第1のデータ信号と前記第2のデータ信号とを差動増幅して、増幅されたデータ信号を形成すること
をさらに含み、
前記スイッチ回路に対応する前記ピクセルを作動させることは、前記増幅された走査信号及び前記増幅されたデータ信号を使用する、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記操作は、前記第2のデータ信号を前記ドライブ回路に印加することをさらに含み、前記第2のデータ信号は、前記ドライブ回路のための接地として機能する、請求項9又は10に記載のシステム。
【請求項12】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項8~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項8~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路と、
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路と、
前記スイッチ回路を制御するコントローラであって、
走査信号及びデータ信号を生成することと、
前記データ信号を、第1のデータ信号と、前記第1のデータ信号と相補的な第2のデータ信号とに分割することによって、前記データ信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を低減することと、
前記第1のデータ信号、前記第2のデータ信号及び前記走査信号を使用して、前記スイッチ回路に対応する前記ピクセルを作動させることと
を含む操作を実施するように構成されるコントローラと
を含むシステム。
【請求項15】
前記操作は、
前記第1のデータ信号と前記第2のデータ信号とを差動増幅して、増幅されたデータ信号を形成すること
をさらに含み、
前記スイッチ回路に対応する前記ピクセルを作動させることは、前記走査信号及び前記増幅されたデータ信号を使用する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記操作は、前記第2のデータ信号を前記ドライブ回路に印加することをさらに含み、前記第2のデータ信号は、前記ドライブ回路のための接地として機能する、請求項14又は15に記載のシステム。
【請求項17】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項14~16のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項18】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項14~17のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項19】
電動式ディスプレイのためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路であって、少なくとも1つのトランジスタを含むスイッチ回路と、
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路と
を含むピクセル回路であって、
前記少なくとも1つのトランジスタ又は前記LEEの少なくとも1つは、前記ピクセル回路に隣接する誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含み、前記ドーピングプロファイルは、前記ピクセル回路での干渉を低減する、前記少なくとも1つのトランジスタ又は前記LEEの少なくとも1つのための作動電圧を生成するように構成される、ピクセル回路。
【請求項20】
前記ドーピングプロファイルは、前記誘導コイルによって生成される前記磁場と、前記ピクセル回路に通信される1つ又は複数の信号との間の干渉を低減する、請求項19に記載のピクセル回路。
【請求項21】
前記少なくとも1つのトランジスタは、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含み、前記第1のトランジスタは、前記スイッチ回路と通信するコントローラからの走査信号によって作動され、前記第2のトランジスタは、前記第1のトランジスタが作動されるときにデータ信号によって作動され、前記第2のトランジスタの前記作動は、前記ドライブ回路が前記LEEに電力供給することを可能にする、請求項19又は20に記載のピクセル回路。
【請求項22】
前記第1のトランジスタは、前記誘導コイルによって生成される前記磁場に基づく前記ドーピングプロファイルを含み、及び前記第2のトランジスタは、前記誘導コイルによって生成される前記磁場に基づく前記ドーピングプロファイルを含まない、請求項21に記載のピクセル回路。
【請求項23】
前記第2のトランジスタは、前記誘導コイルによって生成される前記磁場に基づく前記ドーピングプロファイルを含み、及び前記第1のトランジスタは、前記誘導コイルによって生成される前記磁場に基づく前記ドーピングプロファイルを含まない、請求項21に記載のピクセル回路。
【請求項24】
前記ドライブ回路の前記LEEは、前記磁場に基づく前記ドーピングプロファイルを含む、請求項19~23のいずれか一項に記載のピクセル回路。
【請求項25】
前記ドライブ回路の前記LEE及び前記少なくとも1つのトランジスタの両方は、前記ドーピングプロファイルを含み、前記LEEは、LEEドーピングプロファイルを含み、前記少なくとも1つのトランジスタは、トランジスタドーピングプロファイルを含む、請求項19に記載のピクセル回路。
【請求項26】
前記LEEドーピングプロファイルは、前記トランジスタドーピングプロファイルと異なる、請求項25に記載のピクセル回路。
【請求項27】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項19~26のいずれか一項に記載のピクセル回路。
【請求項28】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項19~27のいずれか一項に記載のピクセル回路。
【請求項29】
磁場を有する誘導コイルと、
前記誘導コイルに配設されたピクセル回路であって、
電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路、及び
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路
を含むピクセル回路と、
前記ピクセル回路を制御するコントローラであって、前記誘導コイルの動作中、前記LEEディスプレイでの目に見える干渉を低減するために、前記LEEをオーバードライブすることを含む操作を実施するように構成されるコントローラと
を含むシステム。
【請求項30】
前記コントローラは、複数のピクセル回路を制御し、前記複数のピクセル回路は、隣接するピクセルのグループ化に対応する、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項29又は30に記載のシステム。
【請求項32】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項29~31のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項33】
電動式ディスプレイのためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路であって、少なくとも1つのトランジスタ及び狭帯域ノッチフィルタを含むスイッチ回路と、
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路と
を含むピクセル回路であって、
前記狭帯域ノッチフィルタは、誘導コイルによって生成される周波数が、ピクセル回路コントローラによって前記スイッチ回路に提供されるデータ信号に関連付けられた周波数を上回るとき、前記ピクセル回路に隣接する前記誘導コイルによって生成される前記周波数をフィルタする、ピクセル回路。
【請求項34】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項33に記載のピクセル回路。
【請求項35】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項33又は34に記載のピクセル回路。
【請求項36】
磁場を有する誘導コイルと、
前記誘導コイルに配設されたピクセル回路であって、
電子作動ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路、及び
発光素子(LEE)を含むドライブ回路であって、前記スイッチ回路が前記ピクセルを作動させるときに前記LEEに電力供給するドライブ回路
を含むピクセル回路と、
前記ピクセル回路及び前記誘導コイルを制御するコントローラであって、前記誘導コイルの前記磁場からの誘導電圧が前記ピクセルに関してゼロに等しいとき、前記ピクセル回路のための走査信号を作動させるように構成されるコントローラと
を含むシステム。
【請求項37】
前記コントローラは、前記ピクセル回路を制御するための第1のコントローラと、前記誘導コイルを制御するための第2のコントローラとを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルを含む、請求項36又は37に記載のシステム。
【請求項39】
前記LEEは、有機発光ダイオード(OLED)である、請求項36~38のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項40】
請求項1~39のいずれか一項に記載の操作のいずれかを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月7日に出願された米国仮特許出願第62/958,078号明細書に対する、米国特許法第119条(e)に基づく優先権を主張する。この先行出願の開示は、本出願の一部とみなされ、且つその全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、誘導加熱クックトップディスプレイに関する。
【背景技術】
【0003】
キッチン又は食品を準備及び調理するために使用される他のエリアは、レンジユニットの一部であるクックトップ又はカウンタトップ若しくは他の作業面に直接配置若しくは設置される別個のクックトップユニットなど、誘導加熱クックトップを有し得る。誘導加熱クックトップを使用して、クックトップによって生成される電磁場と誘導結合することが可能な金属調理器具を効果的に加熱できることが知られている。
【0004】
誘導加熱クックトップは、クックトップ上に調理器具を支持する上部パネルを有することが一般的である。したがって、使用中、上部パネルは、多くの場合、誘導加熱された調理器具によって伝導的に加熱される。上部パネルの上面における余熱は、多くの場合、触れると危険であり、目で見て認識することが難しく、ときに不可能である。高温の上面を示すための現在知られている手段は、高温エリアに隣接するライトにより、又は多くの場合に上面の高温エリアから離れた位置にあるクックトップの前縁部にある比較的小さいディスプレイ画面に表示されるメッセージにより提供される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ディスプレイ又は他の電子機器を上部パネルの高温領域の近くに又は高温領域に重ねて組み込む試みには、ディスプレイ電子機器の動作に対する熱の悪影響に関連する問題並びにディスプレイ及び他の電子機器の動作に干渉する誘導コイルによって発生される磁場に関連する問題など、いくつかの問題があり得る。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これら及び他の必要性は、誘導コイルと、電動式ディスプレイ(EAD)アセンブリとを含むシステムを提示する本開示によって満たされる。誘導コイルは、磁場を含む。EADアセンブリは、誘導コイルに配設され、且つ誘導コイルに隣接するフロントプレートと、フロントプレーンとは反対側の薄膜トランジスタ(TFT)アレイバックプレーンとを含む。TFTアレイバックプレーンは、磁場に対して直交する走査線及び磁場に対して平行なデータ線を含む。走査線及びデータ線は、EADアセンブリに対応するディスプレイピクセルを作動させるように構成される。EADアセンブリの1つ又は複数の接地線は、誘導コイルの磁場に平行に配置される。いくつかの例では、フロントプレーンは、EADアセンブリの一部分をカプセル化(encapsulating)するパッシベーション(passivation)層を含み、パッシベーション層は、EADアセンブリの1つ又は複数の接地線の少なくとも1つを含む。いくつかの実装形態では、フロントプレーンは、EADアセンブリのための接地面として機能するように構成された金属カプセル化層(metal encapsulation layer)を含まない。いくつかの構成では、EADアセンブリの1つ又は複数の接地線は、誘導コイルの磁場に平行に配置される。EADアセンブリは、誘導コイルに配設され、且つエアギャップによって誘導コイルからずらされ得る。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。EADアセンブリは、有機発光ダイオード(OLED)を含み得る。
【0007】
別の態様は、スイッチ回路と、ドライブ回路と、コントローラとを含むシステムである。スイッチ回路は、電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成される。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。コントローラは、スイッチ回路を制御し、且ついくつかの操作を実施するように構成される。操作は、走査信号及びデータ信号を生成することと、走査信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を低減することと、増幅された走査信号及びデータ信号を使用して、スイッチ回路に対応するピクセルを作動させることとを含む。操作は、走査信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を、走査信号を第1の走査信号と第2の走査信号とに分割し、且つ第1の走査信号と第2の走査信号とを差動増幅して、増幅された走査信号を形成することによって低減する。ここで、第2の走査信号は、第1の走査信号と相補的である。いくつかの例では、操作は、データ信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を、データ信号を第1のデータ信号と第2のデータ信号とに分割することによって低減することをさらに含み、スイッチ回路に対応するピクセルを作動させることは、増幅された走査信号、第1のデータ信号及び第2のデータ信号を使用する。これらの例では、操作は、第1のデータ信号と第2のデータ信号とを差動増幅して、増幅されたデータ信号を形成することをさらに含み得、スイッチ回路に対応するピクセルを作動させることは、増幅された走査信号及び増幅されたデータ信号を使用する。いくつかの実装形態では、操作は、第2のデータ信号をドライブ回路に印加することも含み、第2のデータ信号は、ドライブ回路のための接地として機能する。EADアセンブリは、誘導コイルに配設され、且つエアギャップによって誘導コイルからずらされ得る。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0008】
本開示のさらに別の態様では、システムは、スイッチ回路と、ドライブ回路と、コントローラとを含む。スイッチ回路は、電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成される。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。コントローラは、スイッチ回路を制御し、且ついくつかの操作を実施するように構成される。操作は、走査信号及びデータ信号を生成することと、データ信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を低減することと、第1のデータ信号、第2のデータ信号及び走査信号を使用して、スイッチ回路に対応するピクセルを作動させることとを含む。この操作は、データ信号を第1のデータ信号と第2のデータ信号とに分割することによって、データ信号と、隣接する誘導コイルとの間のクロストーク干渉を低減する。第2のデータ信号は、第1のデータ信号と相補的である。いくつかの例では、操作は、第1のデータ信号と第2のデータ信号とを差動増幅して、増幅されたデータ信号を形成することと、走査信号及び増幅されたデータ信号を使用して、スイッチ回路に対応するピクセルを作動させることとをさらに含む。これらの例では、操作は、第2のデータ信号をドライブ回路に印加することも含み得、第2のデータ信号は、ドライブ回路のための接地として機能する。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0009】
本開示の別の態様は、スイッチ回路と、ドライブ回路とを含むピクセル回路を提供する。スイッチ回路は、電動式ディスプレイのためのピクセルを作動させるように構成され、且つ少なくとも1つのトランジスタを含む。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。少なくとも1つのトランジスタ又はLEEの少なくとも1つは、ピクセル回路に隣接する誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含む。ドーピングプロファイルは、ピクセル回路での干渉を低減する、少なくとも1つのトランジスタ又はLEEの少なくとも1つのための作動電圧を生成するように構成される。いくつかの実装形態では、ドーピングプロファイルは、誘導コイルによって生成される磁場と、ピクセル回路に通信される1つ又は複数の信号との間の干渉を低減する。いくつかの例では、少なくとも1つのトランジスタは、第1のトランジスタ及び第2のトランジスタを含み、第1のトランジスタは、スイッチ回路と通信するコントローラからの走査信号によって作動され、第2のトランジスタは、第1のトランジスタが作動されるときにデータ信号によって作動される。ここで、第2のトランジスタの作動は、ドライブ回路がLEEに電力供給することを可能にする。第1のトランジスタは、誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含み得る一方、第2のトランジスタは、誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含まないことがある。逆に、第2のトランジスタは、誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含み得る一方、第1のトランジスタは、誘導コイルによって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを含まないことがある。ドライブ回路のLEEは、磁場に基づくドーピングプロファイルを含み得る。ドライブ回路のLEE及び少なくとも1つのトランジスタの両方は、ドーピングプロファイルを含み得る。両方がドーピングプロファイルを含むとき、LEEは、LEEドーピングプロファイルを含み得る一方、少なくとも1つのトランジスタは、トランジスタドーピングプロファイルを含む。LEEドーピングプロファイルは、トランジスタドーピングプロファイルと異なり得る。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0010】
本開示の別の態様は、磁場を有する誘導コイルと、誘導コイルに配設されたピクセル回路と、ピクセル回路を制御するコントローラとを提供する。ピクセル回路は、スイッチ回路及びドライブ回路を含む。スイッチ回路は、電動式ディスプレイ(EAD)のためのピクセルを作動させるように構成される。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。コントローラは、誘導コイルの動作中、LEEディスプレイでの目に見える干渉を低減するために、LEEをオーバードライブすることを含む操作を実施するように構成される。いくつかの例では、コントローラは、複数のピクセル回路を制御し、複数のピクセル回路は、隣接するピクセルのグループ化に対応する。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0011】
本開示のさらに別の態様は、スイッチ回路と、ドライブ回路とを含むピクセル回路を提供する。スイッチ回路は、電動式ディスプレイのためのピクセルを作動させるように構成され、且つ少なくとも1つのトランジスタ及び狭帯域ノッチフィルタを含む。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。狭帯域ノッチフィルタは、誘導コイルによって生成される周波数が、ピクセル回路コントローラによってスイッチ回路に提供されるデータ信号に関連付けられた周波数を上回るとき、ピクセル回路に隣接する誘導コイルによって生成される周波数をフィルタする。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0012】
本開示のさらなる態様は、磁場を有する誘導コイルと、誘導コイルに配設されたピクセル回路と、ピクセル回路及び誘導コイルを制御するコントローラとを含むシステムを提供する。ピクセル回路は、スイッチ回路及びドライブ回路を含む。スイッチ回路は、電動式ディスプレイのためのピクセルを作動させるように構成される。ドライブ回路は、発光素子(LEE)を含み、且つスイッチ回路がピクセルを作動させるときにLEEに電力供給する。コントローラは、誘導コイルの磁場からの誘導電圧がピクセルに関してゼロに等しいとき、ピクセル回路のための走査信号を作動させるように構成される。コントローラは、ピクセル回路を制御するための第1のコントローラと、誘導コイルを制御するための第2のコントローラ(例えば、第1のコントローラと異なる第2のコントローラ)とを含み得る。誘導コイルは、C字形ソレノイドコイルであり得る。LEEは、有機発光ダイオード(OLED)であり得る。
【0013】
本開示の1つ又は複数の実装形態の詳細を添付図面及び以下の説明に記載する。他の態様、利点、目的及び特徴は、図面と共に以下の本明細書を検討することで明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1A】誘導加熱クックトップを備える例示的なカウンタトップの斜視図である。
【
図1B】誘導加熱クックトップに置かれている平鍋の下方に配設された例示的なディスク状の誘導コイルの斜視図である。
【
図1C】
図1Bに示される誘導コイルによって生成される例示的な磁場の概略図である。
【
図1D】
図1Aの誘導加熱クックトップに対応する層のスタックの一例の概略図である。
【
図1E】
図1Aの誘導加熱クックトップのための有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイに対応する層のスタックの一例の概略図である。
【
図2A】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図2B】OLEDディスプレイに関する信号線の例示的な配置の上面図である。
【
図2C】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図2D】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図2E】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図2F】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図2G】OLEDディスプレイに関する例示的なピクセル回路の概略図である。
【
図3】本明細書で述べるシステム及び方法を実装するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な図面中の同様の参照符号は、同様の要素を示す。
【0016】
図1Aを参照すると、いくつかの実装形態では、誘導加熱クックトップシステム100は、キッチン環境10又は食品を準備及び/又は調理するために使用される他のエリアに提供される。例えば、
図1Aは、キッチン環境(例えば、アイランドキッチン)内のキャビネット30のカウンタトップ20に設置された誘導加熱クックトップシステム100を示す。
図1B及び1Cに示されているように、誘導加熱クックトップシステム100は、上部プレート110(例えば、セラミッククックトップ)と、上部プレート110の下方に配設された誘導コイル120(例えば、ソレノイドコイル)とを含む。ここで、誘導コイル120は、コイルが磁気コア(例えば、強磁性材料)の周りに巻き付けられた様々な形状又は構成のコイルを表し得る。これらの構成は、「C」の各端部が上部プレート110に隣接するC字形(又はC型)コイルから、より従来型のパンケーキコイル(アルキメデスコイルとしても知られる)まで様々であり得る。誘導コイル120(又は単にコイル120)は、上部プレート110(クックトップ面110とも呼ばれる)の下にある単一のコイル又は複数のコイル(例えば、
図2Bにコイルのアレイとして示されている)を表し得る。
【0017】
電源は、高周波又は中周波電流などの交流を誘導コイル120に供給して電磁場を生成することができる。この電磁場は、上部プレート110の上面に支持された調理器具物体40(例えば、平鍋)と誘導結合して加熱することができる。電磁場は、誘導コイル120のすぐ上のエリアで上部プレート110の上面を通過することができる。電磁場は、振動して、上部プレート110に支持された調理器具物体40の底部又はその近くに渦電流を生成する。それにより、渦電流に対する調理器具物体40の抵抗が調理器具物体40の抵抗加熱を引き起こす。したがって、誘導加熱された調理器具物体40は、調理器具物体40内の内容物を加熱及び調理することができる。温度などの調理設定を調整するために、誘導コイル120に供給される電流を調整することができる。
【0018】
調理器具物体40は、誘導コイル120と誘導結合し、物体40内の調理面に熱を伝導により拡散することができるように、少なくとも調理器具の底面などに鉄金属を含み得る。また、調理器具物体40は、ポット、平鍋、誘導プレート、鍋など、様々なタイプの調理容器を含み得る。調理器具物体40は、下に置く調理器具なしで使用されるように構成された金属製の食品パッケージングなどの製品パッケージングであり得ることも企図される。さらに、物体40は、誘導コイル120と誘導結合して、誘導結合を介してデータ又は電力を転送するように構成された電気デバイスであり得ることが企図される。そのような電気デバイスは、トースタ若しくはミキサなどの小さいキッチン電化製品、電線を介して電力供給される他のデバイスを差し込むためのコンセントユニット又は携帯電話などの他の個人用電子デバイスを含み得る。
【0019】
図1Dを参照すると、いくつかの例では、誘導加熱クックトップシステム100は、クックトップ面110と誘導コイル120(コイル層120とも呼ばれる)との間にある1つ又は複数の放熱層130及び電動式ディスプレイ140(ディスプレイ140とも呼ぶ)を含む。ここで、放熱層130は、クックトップシステム100の動作中、(例えば、調理器具物体40を介して)コイル層120、ディスプレイ140及び/又はクックトップ表面110によって生成された熱を放散することができるように断熱体として作用し得る。この放熱は、ディスプレイ層140など、システム100の異なる層の動作不良及び/又は故障を防止するのに役立ち得る。放熱層130は、断熱材料又は層間に空気が流れることを可能にするエアギャップであり得る。
図1Dのシステム100は、2つの放熱層130、130a~b(例えば、クックトップ面110とディスプレイ140との間の第1の放熱層130a及びディスプレイ140とコイル層120との間の第2の放熱層130b)を示す。しかし、システム100は、任意の数の放熱層130を含むことができる。いくつかの例では、各層の位置を維持するために、システム100の1つ又は複数の層は、構造的なスタンドオフを有し得る。追加として又は代替として、システム100又はその一部分は、システム100に対応するフレーム構造によって所定の位置に固定され得る。
【0020】
ディスプレイ140の下では、支持層150(例えば、ガラス支持層)がディスプレイ140のための非伝導性支持を提供する。支持層150の下方において、ディスプレイ140をコイル層120(例えば、2つのコイル120、120a~bとして図示されている)から分離する第2の放熱層130bが示されている。コイル層120の下に、システム100は、冷却層160をさらに含み得る。例えば、各コイル120a~bは、コイル層120の上方の層(例えば、ディスプレイ140又はクックトップ表面110)から熱を下向きに取り除くように機能する下降気流ファン160、160a~bを含む。
【0021】
いくつかの例では、ディスプレイ140は、一般に、発光を調整してグラフィック又は他のコンテンツ情報を生成することによって動作する。例えば、この動作に基づいて、ユーザは、発光を、クックトップ面110に投影される表示として知覚する。いくつかの実装形態では、ディスプレイ140は、発光ダイオード(LED)又は有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどの発光ディスプレイに対応する。例えば、OLEDディスプレイ140は、1つ又は複数のOLEDを使用して発光する。残念ながら、OLEDディスプレイなどのいくつかのタイプのディスプレイ140を誘導コイル層120と共に使用するために、システム100は、ディスプレイ140が特定の動作条件で機能することを保証する必要がある。例えば、ディスプレイ140が、コイル層120に関連付けられる磁場から過度の熱又は過度の電気的干渉を受ける場合、ディスプレイ140(例えば、OLEDディスプレイ)の動作が低減されるか又は損なわれることがある。
【0022】
図1Dを参照すると、1つ又は複数の放熱層130は、クックトップ表面110に置かれている高温の物体から熱を放散するように機能し得る。いくつかの例では、熱を適切に放散するために、ディスプレイ140は、クックトップ表面110から閾値距離だけずらされ得る。例えば、第1の放熱層130aは、クックトップ表面110に置かれている高温の物体(例えば、調理器具物体40)がディスプレイ140を損傷することを防止するのに十分な断熱のための空間を提供するために、閾値距離以上の厚さを有する。いくつかの実装形態では、閾値距離は、空間内で使用される断熱材のタイプ及び/又は密度に依存し得る。さらに、放熱層130は、ディスプレイ140の画質をぼやけさせるか又は歪ませることを防止するために、透明特性(例えば、光学的透明性)を有し得る。断熱材は、透明断熱体として参照され得る。透明断熱体は、気体、液体又は固体状態の断熱材であり得る。気体又は液体の場合、断熱材料は、加熱されている空間を通して流れて、対応する断熱材料に伝達される熱を除去することもできる。透明断熱体は、ディスプレイ140のディスプレイ上面と上部プレート110の上面との間の1つ又は複数の位置に配設されたシリカエアロゲル材料でもあり得る。透明断熱体は、上部プレート110と統合され得るか、又は上部プレート110とディスプレイ140との間に配設され得る。したがって、上部プレート110は、均質なパネル(例えば、ガラスパネル)であり得る。
【0023】
OLEDディスプレイ140では、LEDは、電流に応答して発光する有機化合物の膜を含む。LEDは、可視光を発するため、バックライトが必要とされない。これは、ディスプレイを薄くすること、いくつかの例では部分的に透明にすることを促進する。いくつかの実装形態では、ディスプレイ140は、ディスプレイ140の各ピクセルがOLEDに対応するように複数のピクセルを含む。いくつかの構成では、ディスプレイ140の各ピクセルは、赤色サブピクセル、緑色サブピクセル、青色サブピクセル及び/又は白色サブピクセルを含むように細分され得る。
図1Eを参照すると、ディスプレイ140は、フロントプレーン142及びバックプレーン144を含む。ここで、フロントプレーン142は、一般に、支持層150及び/又はコイル層120に面し、それらに隣接する一方、バックプレーン144は、クックトップ面110に面し、特定のピクセルでの発光がキッチン環境10内でユーザによって知覚されるようにクックトップ面110に向かって外方向に出る。いくつかの例では、フロントプレーン142は、カソードとアノードとの間に挟まれた有機化合物層を含む。いくつかの実装形態では、フロントプレーン142は、フロントプレーン142及び/又はバックプレーン144内の層への酸化又は他の異物の侵入を防ぐように機能するパッシベーション層146も含む。いくつかの例では、パッシベーション層146は、ディスプレイ140の回路構成のための接地面として機能する金属カプセル化層(例えば、ステンレス鋼箔又は薄膜導体層)を含む。パッシベーション層146が金属カプセル化層を含むとき、金属カプセル化層は、金属の反射特性を使用して、クックトップ面110に向けて光を集束させることを促進し得る。
【0024】
図1Eに示されるように、いくつかの例では、バックプレーン144は、薄膜トランジスタ(TFT)アレイである。例えば、ディスプレイ140の各ピクセルに対応する回路(すなわちピクセル回路)は、ピクセルを作動させるように構成されたトランジスタと、電源(例えば、電圧源又は電流源)が、ピクセルに対応するOLEDをドライブできるようにするトランジスタとを含む。TFTアレイのトランジスタは、電界効果トランジスタ(FET)であり得る。各トランジスタは、ゲート(g)、ドレイン(d)及びソース(s)を含む。ゲート(g)は、ドレインdとソースsとの間を流れる電子の流れを可能にするためのスイッチとして機能する。
【0025】
図2Aなどのいくつかの実装形態では、誘導加熱クックトップ100は、コイル層120及びディスプレイ140と結合され、それらと通信する制御システム回路構成などのコントローラ170をさらに含む。ここで、コントローラ170は、ディスプレイ140を制御するように構成され、例えば誘導コイル120と誘導結合された調理器具物体40とインターフェースする上面の1つ又は複数のエリアを含むクックトップ面110に情報を表示する。コントローラ170は、調理器具物体40と誘導結合する誘導コイル120の動作前、動作中又は動作後、ディスプレイ140によって表示される情報を制御することができる。ディスプレイ140によって表示されるいくつかの情報は、クックトップの動作情報、調理ゾーン若しくは制御インターフェースの輪郭、制御インターフェース画像、メディアウィンドウ若しくは情報又はブランディング若しくは広告ウィンドウ若しくは情報及び他の考えられる画像及びグラフィックを含み得る。いくつかの構成では、コントローラ170は、1つ又は複数のコントローラを表す。例えば、第1のコントローラ170は、ディスプレイ140を制御する一方、第2のコントローラ170は、コイル層120を制御する。
【0026】
図2Aをさらに参照すると、ディスプレイ140を制御するために、コントローラ170は、ピクセル回路200への電圧、電流及び/又は他の信号とインターフェースして制御することにより、ディスプレイ140の個々のピクセルを制御するように構成される。ピクセル回路200は、一般に、ディスプレイ140内の所与のピクセルを作動させるように構成されたスイッチ回路210と、所与のピクセルに対応する発光電気素子(例えば、OLED)を含むドライブ回路220とを含む。ここで、ドライブ回路220は、所与のピクセルに関してスイッチ回路210が作動するとき、発光電気素子に電力供給する。ピクセルに関する発光電気素子(例えば、OLED)に対応する各ピクセル回路200は、少なくとも1つの走査線202及び少なくとも1つのデータ線204によって制御される。走査線202は、ディスプレイ140に沿ったピクセル(すなわちOLED)の行を順次作動させるか又は有効化することができる一方、データ線204は、ドライブ回路220がピクセル回路200の発光電気素子をドライブする(すなわちOLEDを点灯させる)ことができるように適切な電圧又は電流を提供することができる。データ線204は、発光電気素子(例えば、OLED)のためのドライブ電圧若しくはドライブ電流を提供することができるか、又は追加の電源/電流源(例えば、コントローラ170の別の機能)が発光電気素子(例えば、OLED)に電力供給することができる。いくつかの例では、ピクセル回路200に関連付けられたTFTアレイバックプレーン144は、バックプレーン144のTFTアレイ内の1つ又は複数のトランジスタを作動させるために、1つ又は複数の走査線202及び1つ又は複数のデータ線204を含む。
【0027】
コイル120が作動しているとき、作動中のコイル120は、磁場を生成する。この磁場により、作動中のコイルは、磁場の所与の範囲内で導電性材料に影響を与える誘導電圧をさらに生成し得る。換言すると、作動中のコイル120に隣接する導電性トレース、ワイヤ、線又は平面は、誘導電圧によって引き起こされる干渉を受けやすい。ディスプレイ140とコイル層120との隣接性により、ディスプレイ140の構成要素(例えば、OLED)は、そのような干渉を受けやすいことがある。より具体的には、ディスプレイ140内のピクセル回路200の走査線202、データ線204、電力線206及び/又は接地線208などの信号線は、1つ又は複数のコイル120の磁場によって引き起こされる干渉を受けやすいことがある。これは特に、磁場の出力が増加されたとき(例えば、調理器具物体40での調理電力を増加させるためにユーザがコイル120での出力を上げた場合)には、干渉の影響を受けにくい信号でさえも当てはまる。一例として、データ線204は、ドライブ回路220を作動させるトランジスタのゲートgに印加される電圧又は電流により、OLEDの強度の制御にリンクされる(
図2C)。したがって、データ線204に結合された電圧(例えば、コイル120の磁場からの誘導電圧)により、OLEDが不正確な光量(例えば、予想よりも多い又は少ない光)を発することがあり得る。いくつかの例では、結合されたノイズにより、暗いままであるべき発光電気素子(例えば、OLED)が発光し得る。この影響は、コイル120が作動している調理エリア又はその近くでディスプレイ140がコンテンツを生成しようとする場合に特に有害である。
【0028】
生じ得る干渉(例えば、作動中の調理エリア内での又は調理エリアに隣接する)の一部に対処するために、ピクセル回路200(又はOLEDディスプレイ140の複数のピクセル回路200)の信号線は、干渉又はクロストークノイズを低減するように構成することができる。
図2Bを参照すると、コイル層120の各コイル120は、C型ソレノイドコイルに対応し得る。誘導コイル120として、コイル120は、
図2Bに示される走査線202に対してある程度の直交性を有する磁場を生成する。例えば、C型ソレノイドコイル120は、走査線202に概して直交する磁場を生成する。ここで、「概して」直交するとは、走査線と磁場とが通常直交しているが、絶対的な90度の関係からある程度ずれることもあることを意味する。理論的には、誘導電圧による干渉を防止するために、干渉を受けやすい全ての線を磁場に平行に向けることが最適であり得る。しかし、ディスプレイ140には、そのような贅沢を与える余裕がない場合がある。したがって、
図2Bは、1つ又は複数のピクセル回路200の走査線202がコイル層120の磁場に直交に向けられ、データ線204、電力線206及び接地線208が磁場に平行に向けられている配向を示す。
図2Bなどのいくつかの例では、走査線202は、ピクセル回路200を作動させるために大きい長さを有し得る(例えば、バイナリ信号として作用し得る)ため、走査線202は、干渉による有害な影響を受けにくいことがある。したがって、ピクセル回路200の設計のために、作動中のコイル120の磁場に対して走査線202を非平行に向けることは、許容可能な妥協案となり得る。
【0029】
多くの場合、ディスプレイ(例えば、OLEDディスプレイ)は、電流リターンのために連続カソードを使用し得る。連続カソードは、ディスプレイ140の作動中の電子回路の下の層(例えば、パッシベーション層146)にある比較的薄い金属のシートである。ここで、薄い金属は、連続カソードを形成するために基板に堆積されている実際の金属シート又は導電性材料であり得る。例えば、パッシベーション層146は、透明カソード(例えば、ITOベースのカソード)として機能する薄膜導体を含む。カソードとして、連続カソードは、ピクセル回路200のための接地面として機能することができる。残念ながら、面は、本来、作動中のコイル120からの誘導電圧を受ける向きにあり(例えば、磁場に対してある程度直交する方向にある)、したがって、接地面は、本来、干渉を受ける。この問題を克服するために、ディスプレイ140は、連続カソードシートの代わりに、カソードのための個々のワイヤ又は導電性トレースを使用することができる。例えば、パッシベーション層146の金属カプセル化層は、コイル層120の磁場に平行に配置された1つ又は複数の個々のワイヤに置き換えられる。全ての個々の接地ワイヤをコイル層120の磁場に平行に向けることが最善であり得る。しかし、いくつかの構成では、個々の接地ワイヤの全てが磁場と平行な向きを有するわけではない。いくつかの例では、(例えば、
図2Gに示されるように)パッシベーション層146が金属カプセル化層を含まないように、連続カソードを完全に取り除くこともできる。
【0030】
図2Cは、ピクセル回路200の一例である。ここで、ピクセル回路200は、スイッチ回路210及びドライブ回路220を含む。ピクセル回路200は、走査信号202及びデータ信号204を入力として受信して、ピクセル回路200に関連付けられた少なくとも1つのピクセルを作動させる。いくつかの実装形態では、ピクセル回路200は、ピクセル回路200に関連付けられたピクセルを作動又は作動停止させるためのスイッチとして機能する少なくとも1つのトランジスタ230を含む。
図2Cを参照すると、ピクセル回路200は、2つのトランジスタ230と1つのコンデンサとの回路(すなわち2T1C回路)として示されている。この例では、スイッチ回路210は、第1のトランジスタ230a及び第2のトランジスタ230bを含む。簡単にするために、走査信号202及びデータ信号204は、ハイ(1)及びロー(0)と呼ばれる。ハイ信号は、トランジスタ230を作動させて、ソース(s)とドレイン(d)との間を電荷が流れることを可能にするように構成される一方、ロー信号は、トランジスタ230を作動させないように構成される。走査信号202がハイであるとき、信号は、コンデンサの電荷が第2のトランジスタ230b(例えば、ドライブトランジスタDR)を作動させるまで、ハイのデータ信号204がコンデンサを充電することができるように第1のトランジスタ230a(例えば、スイッチングトランジスタSW)を作動させる。第2のトランジスタが作動しているとき230、データ信号204又は別の信号(例えば、電圧源からのドライブ電圧Vddなどの電力信号)のいずれかは、ドライブ回路220の発光ダイオード222(例えば、OLED)に印加されたドライブ信号としての役割を果たし、ダイオード222に電力供給し、ピクセルを点灯させることができる。例えば、コントローラ170は、ドライブ回路220に関する電力信号を提供する。いくつかの例では、ドライブ信号は、ダイオード222(例えば、OLED)を最大強度よりも低い強度/明るさでオンにする(例えば、ディスプレイ140のピクセルを減光して点灯させる)ように構成される。ここで、全般的に言うと、ドライブ回路220は、ダイオード222を含むものとして示されており、スイッチ回路210が作動している(例えば、第2のトランジスタ230bが作動している)ときにOLED222に電力供給するように構成される。したがって、走査信号202又はデータ信号204の少なくとも1つがローであるとき、ドライブ回路220は、(例えば、カットオフモードで)第2のトランジスタ230bのゲートが閉じているため、ダイオード222に電力供給することができない。
【0031】
いくつかの構成では、ピクセル回路200のトランジスタ230及び/又はダイオード222(例えば、OLED)のカスタムドーピングプロファイルは、ディスプレイ140の下の作動中のコイル120からの干渉を低減する。より具体的には、トランジスタ230とダイオード222との両方は、特定のドーピングプロファイルを有する半導体デバイスである。ドーピングプロファイルは、半導体デバイスの電気特性に影響を与え、且つ/又は電気特性を規定する半導体デバイスの化学組成を表す。ドーピングのプロセスは、一般に、半導体の導電率を変更するために半導体に不純物を導入する化学プロセスである。ここで、ピクセル回路200の半導体を特定のドーピングプロファイルでドーピングすることにより、半導体は、作動中のコイル120からの干渉の影響を受けにくくなり得る。例えば、半導体の作動のための閾値電圧がドーピングによって増加される場合、増加された閾値電圧は、作動中のコイル120からの誘導電圧によって影響を受けにくい。ピクセル回路200に関して、これは、ピクセル回路200の半導体(例えば、トランジスタ230又はダイオード222)が、コイル層120のコイル120によって生成される磁場に基づくドーピングプロファイルを有し得ることを意味する。いくつかの構成では、ピクセル回路200のダイオード222(例えば、OLED)は、コイル層120のコイル120によって生成される磁場に基づくカスタムドーピングプロファイルを有するピクセル回路200の唯一の構成要素である。他の構成では、スイッチングトランジスタ230a及びドライブトランジスタ230bの一方又は両方は、コイル層120のコイル120によって生成される磁場に基づくカスタムドーピングプロファイルを有する一方、ダイオード222(例えば、OLED)は、カスタムドーピングプロファイルを含まない。さらに他の構成では、トランジスタ230とダイオード222との両方がカスタムドーピングプロファイルを含む。ここで、各コンポーネントは、固有のドーピングプロファイル、同じドーピングプロファイル又はそれらの組合せを含むことができる。
【0032】
いくつかの構成では、コントローラ170は、ダイオード222(例えば、OLED)をオーバードライブして、コイル層120の動作中、ディスプレイ140での目に見える干渉を低減するように構成される。いくつかの例では、作動中のコイル120からの干渉により、ダイオード222(例えば、OLED)に印加される通常の動作電圧は、ディスプレイ140での目に見える干渉をもたらす。例えば、ダイオード222(例えば、OLED)がピクセルで実際に点灯しないか、又は通常の動作電圧によりダイオード222が不正確な光量(例えば、より低い強度)で点灯する。干渉によって引き起こされる障害を克服するために、コントローラ170は、(例えば、データ信号204又は別の電力信号を介して)ダイオード222(例えば、OLED)に、動作電圧よりも大きい(例えば、いくらかのオーバードライブ閾値電圧だけ動作電圧よりも大きい)電圧を供給する。ここで、このオーバードライブ技法は、ピクセルの過飽和を引き起こす。この手法は、ディスプレイ140が1つ又は複数のピクセルに関してグラデーションの繊細さを必要としない場合に有利であり得る。例えば、コントローラ170に関する過飽和モードは、ディスプレイ140が(例えば、インジケータグラフィックに関する)単純なカラーグラフィックを生成するときに使用される。いくつかの構成では、コントローラ170は、選択されたピクセルのグループ(例えば、ピクセルのブロックを形成する隣接するピクセル)をオーバードライブするように構成される。グループ化は、ディスプレイ140の解像度を変え得る。しかし、ピクセルのグループをオーバードライブすることは、ある程度の相対的な色変化を可能にし得る。換言すると、選択されたピクセルのグループ化を形成するピクセルのブロックのサイズは、ディスプレイ140によって表示されるグラフィックのタイプ又は他の構成可能なユーザ/管理者設定に基づいて変化し得る。
【0033】
いくつかの実装形態では、コントローラ170は、作動中のコイル120からの誘導電圧と走査線信号とをインターレースして、ディスプレイ140に対する干渉を低減するように構成される。換言すると、コイル120が作動しているとき、交番磁場と、その磁場から90度位相がずれた、磁場からの誘導電圧とが存在する。したがって、磁場のサイクル中に誘導電圧がゼロになる時点がある(例えば、磁場のサイクルごとに2回)。誘導電圧がゼロになると、コントローラ170は、データをディスプレイ140にラッチする。別の言い方をすると、コントローラ170は、磁場からの誘導電圧がゼロであるときに走査信号を作動させるように構成される。コントローラ170が走査信号を作動させるとき、電圧がデータ線204からスイッチ回路220に移り得る(すなわちデータのラッチ)。いくつかの例では、コントローラ170は、ディスプレイ140に関する走査速度を識別又は受信するように構成される。ディスプレイ140に関する走査速度に基づいて、コントローラ170は、コイル120によって生成される磁場のサイクルが磁場の特定の位相(例えば、誘導電圧がゼロであるとき)をディスプレイ140の走査速度に同期させるように、コイル120を位相ロックすることができる。
【0034】
図2Dを参照すると、ピクセル回路200は、ピクセル回路200に関連付けられた1つ又は複数の信号のためのフィルタ240をさらに含み得る。いくつかの例では、フィルタ240は、狭帯域バンドパスフィルタである。ここで、フィルタ240は、ある周波数又は周波数範囲がフィルタ240を通過することを妨げるように構成される。例えば、
図2Dは、フィルタ240がデータ線204上のデータ信号に適用されることを示す。ここで、フィルタ240は、0Hzからデータレート(例えば、ディスプレイ140に関する最大データレート)までの範囲のデータ信号周波数を許可する一方、データレートよりも大きい周波数を除外するように構成される。換言すると、作動中のコイル120の磁気共鳴周波数が概してデータレートよりも大きい場合、フィルタ240は、作動中のコイル120の周波数をフィルタするように構成され得、そのような干渉周波数がピクセル回路200に入り、生じ得るディスプレイの問題を引き起こすことを防止する。
【0035】
図2E~2Gは、走査線202及び/又はデータ線204での干渉を低減するためにピクセル回路200に対して施すことができる信号修正形態の例である。
図2Eは、いくつかの実装形態において、コントローラ170が、走査線202の走査信号と1つ又は複数の隣接するコイル120(例えば、作動中のコイル)との間の干渉(例えば、クロストーク干渉)を低減するように構成されることを示す。この走査信号干渉を低減するために、コントローラ170は、走査信号(例えば、SCANとして示される)を相補信号SCAN’及びSCAN’’に分割することができる。SCAN’’は、SCAN’の反転信号である。ここで、コントローラ170は、次いで、(例えば、アナログ加算器を用いて)相補走査信号を差動増幅し、増幅された走査信号AMP SCANを形成する。相補走査信号を加算することにより、これらの相補信号の同相誘導電圧が打ち消し合い、干渉のないクリーンな走査信号が得られる。相補走査信号のこの組合せ後、増幅された走査信号(例えば、クリーンな走査信号)は、ピクセル回路200のピクセルを作動させるために、データ線204からのデータ信号と共に使用することができる。例えば、
図2Eは、ドライブ回路220でダイオード222(例えば、OLED)をドライブするために使用することができるスイッチ回路210に関する例示的な論理構成を示す。
【0036】
図2Fは、
図2Eと同様の概念であるが、データ線204上のデータ信号に対する干渉を低減するためのものである。この例では、コントローラ170は、データ信号DATAを相補信号DATA’及びDATA’’に分割するように構成される。DATA’’は、DATA’の反転信号である。ここで、スイッチ回路210に基づいて、コントローラ170は、(例えば、
図2Fでのメモリ回路ブロックによって示されるように)走査信号が走査線202上で作動している(例えば、ハイである)とき、これらの相補データ信号をラッチする。
図2Eと同様に、相補データ信号DATA’及びDATA’’は、次いで、コントローラ170によって(例えば、アナログ加算器を用いて)差動増幅され、増幅されたデータ信号AMP DATAを形成する。相補データ信号を加算することにより、これらの信号の同相誘導電圧が打ち消し合い、干渉のないクリーンなデータ信号が得られる。相補データ信号のこの組合せ後、増幅されたデータ信号(例えば、クリーンなデータ信号)は、ピクセル回路200のピクセルを作動させるために、走査線202からの走査信号と共に使用することができる。例えば、
図2Fは、ドライブ回路220でOLED222をドライブするために使用することができるスイッチ回路210に関する例示的な論理構成を示す。さらに、
図2E及び
図2Fの概念を組み合わせることができ、コントローラ170が、走査信号及びデータ信号のそれぞれを分割して差動増幅し、それによりスイッチング回路210がクリーンな走査信号及びクリーンなデータ信号を有し、ドライブ回路220でダイオード222(例えば、OLED)に電力を印加できるようにする。
【0037】
図2Gなどのいくつかの構成では、相補信号手法(例えば、
図2Fに示され、且つ/又は
図2Eと組み合わされる)は、ピクセル回路200に関連付けられた接地カソード又は接地回路の代わりとなり得る。例えば、
図2Fに示されるように、ダイオード222(例えば、OLED)は、ドライブ回路220内で接地され得る。ここで、ダイオード222でドライブ回路220を接地する代わりに、反転されたデータ信号DATA’’が接地信号の代わりとして機能することができる。この手法では、ピクセル回路200は、非接地ピクセル回路200として機能し得る。この非接地手法を使用することにより、ピクセル回路200は、接地信号(すなわちピクセル回路200内の追加の接地ワイヤ)によって導入される他の形態の干渉を回避することができる。さらに、この手法は、相補信号により、ピクセル回路200からの電磁放射が防止及び/又は除去されるように遠距離場キャンセルをもたらす。
【0038】
図3は、本明細書で述べるシステム(例えば、誘導加熱クックトップシステム100、ディスプレイ140、コントローラ170など)及び方法を実装するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイス300の概略図である。コンピューティングデバイス300は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム及び他の適切なコンピュータなど、様々な形態のデジタルコンピュータ/プロセッサを表すことを意図されている。ここに示されているコンポーネント、それらの接続及び関係並びにそれらの機能は、例示としてのみ意図されており、本明細書で記載及び/又は特許主張される本発明の実装形態を限定することを意図されていない。
【0039】
コンピューティングデバイス300は、プロセッサ310(例えば、データ処理ハードウェア)と、メモリ320(例えば、メモリハードウェア)と、ストレージデバイス330と、メモリ320及び高速拡張ポート350に接続する高速インターフェース/コントローラ340と、低速バス370及びストレージデバイス330に接続する低速インターフェース/コントローラ360とを含む。コンポーネント310、320、330、340、350及び360は、それぞれ様々なバスを使用して相互接続されており、共通のマザーボードに又は必要に応じて他の様式で取り付けられ得る。プロセッサ310は、メモリ320又はストレージデバイス330に記憶されている命令を含む、コンピューティングデバイス300内で実行するための命令を処理し、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)に関するグラフィカル情報を、高速インターフェース340に結合されたディスプレイ380(例えば、ディスプレイ140)などの外部入力/出力デバイスに表示することができる。他の実装形態では、複数のメモリ及びメモリのタイプと共に、必要に応じて複数のプロセッサ及び/又は複数のバスを使用することができる。また、複数のコンピューティングデバイス300を接続することができる。各デバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバのグループ又はマルチプロセッサシステムとして)必要な操作の一部を提供する。
【0040】
メモリ320は、コンピューティングデバイス300内に情報を非一時的に記憶する。メモリ320は、コンピュータ可読媒体、揮発性メモリユニット又は不揮発性メモリユニットであり得る。非一時的メモリ320は、コンピューティングデバイス300による使用のためにプログラム(例えば、命令のシーケンス)又はデータ(例えば、プログラム状態情報)を一時的又は永続的に記憶するために使用される物理的デバイスであり得る。不揮発性メモリの例は、限定しないが、フラッシュメモリ及び読み出し専用メモリ(ROM)/プログラマブル読み出し専用メモリ(PROM)/消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EPROM)/電子的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)(例えば、典型的にはブートプログラムなどのファームウェアに使用される)を含む。揮発性メモリの例は、限定しないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、相変化メモリ(PCM)及びディスク又はテープを含む。
【0041】
ストレージデバイス330は、コンピューティングデバイス300のための大容量ストレージを提供することが可能である。いくつかの実装形態では、ストレージデバイス330は、コンピュータ可読媒体である。様々な異なる実装形態において、ストレージデバイス330は、フロッピーディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス若しくはテープデバイス、フラッシュメモリ若しくは他の同様のソリッドステートメモリデバイス又はストレージエリアネットワーク若しくは他の構成でのデバイスを含めたデバイスのアレイであり得る。さらなる実装形態では、コンピュータプログラム製品は、情報担体に有形に具現化される。コンピュータプログラム製品は、実行されると、上述したものなど1つ又は複数の方法を実施する命令を含む。情報担体は、メモリ320、ストレージデバイス330又はプロセッサ310上のメモリなど、コンピュータ又は機械可読媒体である。
【0042】
高速コントローラ340は、コンピューティングデバイス300に関する広帯域幅を必要とする動作を管理する一方、低速コントローラ360は、より狭い帯域幅を必要とする動作を管理する。そのような役割の割り振りは、例示にすぎない。いくつかの実装形態では、高速コントローラ340は、メモリ320、ディスプレイ380(例えば、グラフィックプロセッサ又はアクセラレータを介する)及び様々な拡張カード(図示せず)を受け入れることができる高速拡張ポート350に結合される。いくつかの実装形態では、低速コントローラ360は、ストレージデバイス330及び低速拡張ポート390に結合される。様々な通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet、ワイヤレスEthernet(wireless Ethernet))を含み得る低速拡張ポート390は、例えば、ネットワークアダプタを介して、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ又はスイッチ若しくはルータなどのネットワークデバイスなど、1つ又は複数の入力/出力デバイスに結合され得る。
【0043】
本明細書で述べるシステム及び技法の様々な実装形態は、デジタル電子及び/若しくは光回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア並びに/又はそれらの組合せで実現することができる。これらの様々な実装形態は、ストレージシステム、少なくとも1つの入力デバイス及び少なくとも1つの出力デバイスとの間でデータ及び命令を送受信するように結合される、専用又は汎用であり得る少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含むプログラム可能なシステム上で実行可能及び/又は解釈可能な1つ又は複数のコンピュータプログラムでの実装形態を含み得る。
【0044】
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション又はコードとしても知られている)は、プログラム可能なプロセッサのための機械命令を含み、高レベルの手続き型及び/又はオブジェクト指向プログラミング言語及び/又はアセンブリ/機械語で実装することができる。本明細書で使用するとき、「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」という用語は、機械命令及び/又はデータをプログラム可能なプロセッサに提供するために使用される任意のコンピュータプログラム製品、非一時的なコンピュータ可読媒体、装置及び/又はデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を表し、機械命令を機械可読信号として受信する機械可読媒体を含む。「機械可読信号」という用語は、プログラム可能なプロセッサに機械命令及び/又はデータを提供するために使用される任意の信号を表す。
【0045】
本明細書で述べるプロセス及び論理フローは、入力データを操作して出力を生成することによって機能を実施するために1つ又は複数のコンピュータプログラムを実行する1つ又は複数のプログラム可能なプロセッサによって実施することができる。プロセス及び論理フローは、専用論理回路、例えばFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(特定用途向け集積回路)によって実施することもできる。コンピュータプログラムの実行に適したプロセッサは、例として、汎用及び専用の両方のマイクロプロセッサと、任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ又は複数のプロセッサとを含む。一般に、プロセッサは、読み取り専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ又はそれらの両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの重要な要素は、命令を実施するためのプロセッサ並びに命令及びデータを記憶するための1つ又は複数のメモリデバイスである。一般に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ又は複数の大容量ストレージデバイス、例えば磁気ディスク、磁気光ディスク又は光ディスクを含むか、又はそれらとの間でデータを送受信するように動作可能に構成される。しかし、コンピュータは、そのようなデバイスを必ずしも有さない。コンピュータプログラム命令及びデータを記憶するのに適したコンピュータ可読媒体は、全ての形態の不揮発性メモリ、媒体及びメモリデバイスを含み、例として、半導体メモリデバイス、例えばEPROM、EEPROM及びフラッシュメモリデバイス;磁気ディスク、例えば内蔵ハードディスク又はリムーバブルディスク;光磁気ディスク;及びCD ROM及びDVD-ROMディスクが含まれる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路構成によって補完するか、又は専用論理回路構成に組み込むことができる。
【0046】
ユーザとの対話を可能にするために、本開示の1つ又は複数の態様は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス(例えば、OLEDディスプレイ140)又はタッチスクリーンと、任意選択的に、ユーザがコンピュータに入力を提供することができるキーボード及びポインティングデバイス、例えばマウス又はトラックボールとを有するコンピュータに実装することができる。他の種類のデバイスを使用してユーザとの対話を可能にすることもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の知覚フィードバック、例えば視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック又は触覚的フィードバックであり得る。ユーザからの入力は、音響、音声又は触覚入力を含む任意の形式で受信することができる。さらに、コンピュータは、ユーザによって使用されるデバイスとの間でドキュメントを送受信することにより、例えばウェブブラウザから受信された要求に応答して、ユーザのクライアントデバイス上のウェブブラウザにウェブページを送信することにより、ユーザと対話することができる。
【0047】
いくつかの実装形態を述べてきた。それにもかかわらず、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な修正形態がなされ得ることが理解されるであろう。したがって、他の実装形態も以下の特許請求の範囲内にある。
【国際調査報告】