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特表2023-510284燃料電池システムにおいて用途を有する磁気逆止弁
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  • 特表-燃料電池システムにおいて用途を有する磁気逆止弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】燃料電池システムにおいて用途を有する磁気逆止弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/08 20060101AFI20230306BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20230306BHJP
   H01M 8/04089 20160101ALI20230306BHJP
【FI】
F16K15/08
H01M8/04 N
H01M8/04089
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542039
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 US2021012467
(87)【国際公開番号】W WO2021142095
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/958,289
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505163578
【氏名又は名称】ヌヴェラ・フュエル・セルズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100117640
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 達己
(72)【発明者】
【氏名】バトランド,デレク
【テーマコード(参考)】
3H058
5H127
【Fターム(参考)】
3H058AA03
3H058BB14
3H058CA03
3H058CA04
3H058CA17
3H058CC02
3H058CC08
3H058CC11
3H058CD09
3H058EE05
5H127AA05
5H127AB04
5H127AC05
5H127BB02
5H127BB39
5H127EE19
(57)【要約】
逆止弁が弁座および可動弁部材つまりピストンを有する。ピストンの運動が、流体が流れるのを可能にするかまたは流体が流れるのを防止するのを可能にする。環状ピストン(13)を含む磁気逆止弁(20)が提供され、環状ピストン(13)が、ピストン内の中央アパーチャ(19)を通して流体を流すように構成される。燃料電池システムが、プロトン交換膜(REM:proton exchange membrane)に接触するカソードループを有する。REMは、周囲空気中に存在する可能性がある汚染物質によるファウリングを受けやすい。本明細書で開示される磁気逆止弁装置は、カソードループの排気側を通る空気の逆流を防止する。弁がカソードの入口側でも使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弁座およびピストンチャンバを備えるハウジング
を備え、
前記弁座が
(1)前記ハウジングから半径方向に延在し、中央プレートに接続される少なくとも1つのプロングであって、
少なくとも1つの磁石を備える、少なくとも1つのプロング、および
(2)前記中央プレートと前記ハウジングとの間の少なくとも1つの区分の環状空間
を備え、
前記ピストンチャンバが、前記弁座の下流において、前記ハウジングの軸に沿って摺動するピストンを受けるように構成された円筒形空間を備え、
前記ピストンが、
(1)流体を流すのを可能にするように構成され、前記中央プレートとのシールを形成するようにサイズ決定された中央アパーチャを備える環状形状であり、
(2)前記少なくとも1つのプロング内の前記少なくとも1つの磁石に引き寄せられる材料を含む、
磁気逆止弁。
【請求項2】
前記磁気逆止弁が、燃料電池のカソード側の排気ライン内に配置される、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項3】
前記磁気逆止弁が、水素源の下流の燃料電池の供給ライン内に配置される、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項4】
前記磁気逆止弁が通常は閉じられている、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項5】
前記磁気逆止弁が射出成形される、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項6】
前記ピストン内の前記少なくとも1つの磁石に引き寄せられる前記材料が、ポリ塩化ビニルシェル内に封入された鋼製リングを備える、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項7】
前記弁が完全に開いているとき、磁気による引力が最も弱い、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項8】
前記弁座が、前記ハウジングから半径方向に延在する少なくとも2つのプロングを備え、各プロングが、独立して、少なくとも1つの磁石を備える、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項9】
前記弁座が、前記ハウジングから半径方向に延在する少なくとも3つのプロングを備える、請求項1に記載の磁気逆止弁。
【請求項10】
環状形状および中央アパーチャを有するピストンであって、磁気材料を含む、ピストンと、
前記ピストンの前記中央アパーチャに対しての連続するシールを作り出す中央プレートを有する、弁座と
を備え、
前記中央プレートが、少なくとも1つのプロングにより、ハウジングに接続され、前記少なくとも1つのプロングが少なくとも1つの磁石を含む、
通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項11】
前記磁気逆止弁が射出成形される、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項12】
前記ピストン内の前記少なくとも1つの磁石に引き寄せされる前記材料が、シリコーンシェル内に封入された鋼製リングを備える、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項13】
前記磁気逆止弁が完全に開いているとき、磁気による引力が最も弱い、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項14】
前記磁気逆止弁が、燃料電池のカソード側の排気ライン内に配置される、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項15】
前記磁気逆止弁が、燃料電池のアノード側の供給ライン内に配置される、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項16】
前記中央プレートが少なくとも2つのプロングによりハウジングに接続され、各プロングが、独立して、少なくとも1つの磁石を備える、請求項10に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項17】
前記中央プレートが少なくとも3つのプロングによりハウジングに接続される、請求項16に記載の通常は閉じている磁気逆止弁。
【請求項18】
弁座およびピストン
を備え、
前記ピストンが磁性金属を含み、
前記弁座が、少なくとも1つの磁石を各々独立して含む少なくとも2つのプロングによりハウジングに接続された中央プレートを備え、
前記磁気逆止弁が、前記弁座を通るとともに、前記ピストンの中央にある単一の中央アパーチャを通る、環状経路を有する流体流を提供するように構成される、
磁気逆止弁。
【請求項19】
前記弁が、燃料電池のカソード側の排気ライン内に配置される、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項20】
前記弁が、水素源の下流の燃料電池の供給ライン内に配置される、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項21】
前記弁が通常は閉じられている、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項22】
前記弁が射出成形される、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項23】
前記ピストン内の前記磁性金属が、シリコーンシェル内に封入された鋼製リングを備える、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項24】
前記弁が完全に開いているとき、磁気による引力が最も弱い、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項25】
前記弁座が、少なくとも1つの磁石を各々独立して備える少なくとも3つのプロングによりハウジングに接続された中央プレートを備える、請求項18に記載の磁気逆止弁。
【請求項26】
磁気逆止弁を備える燃料電池であって、前記磁気逆止弁が、
環状流路、中央プレート、および、少なくとも1つの磁石を各々独立して備える少なくとも2つのプロング、を備える弁座であって、前記少なくとも2つのプロングが前記中央プレートをハウジングに接続する、弁座と、
前記弁座の下流にあるピストンチャンバであって、前記ピストンチャンバが、環状形状を有するピストン、前記弁座の前記環状流路の厚さに少なくとも対応する環状厚さ、および、前記ピストンの中央アパーチャを通る流路、を備え、前記ピストンが磁気材料を含む、ピストンチャンバと、
前記中央プレートと前記ピストンとの間の接触面と
を備え、
前記逆止弁が、前記逆止弁を通る流れが存在しないとき、前記逆止弁を閉じるのに十分な磁力を有する
燃料電池。
【請求項27】
前記磁気逆止弁が、前記ピストンを受けるように構成された第2の接触面を前記ハウジング上に備える、請求項26に記載の燃料電池。
【請求項28】
前記中央プレートと前記ピストンとの間の前記接触面がガスケット材料を含む、請求項26に記載の燃料電池。
【請求項29】
前記磁気逆止弁が、環状流路、中央プレート、および、少なくとも1つの磁石を各々独立して備える少なくとも3つのプロング、を備える弁座を備え、前記少なくとも3つのプロングが前記中央プレートをハウジングに接続する、請求項26に記載の燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、参照によりその全体が組み込まれている、2020年1月7日に出願した米国仮特許出願第62/958、289号の優先権の利益を主張するものである。
[0002]本開示は、磁気逆止弁(magnetic check valve)を対象とする。詳細には、本開示は、流体流のために構成された中央アパーチャを有するように弁ピストンが設計されている磁気逆止弁を対象とする。
【背景技術】
【0002】
[0003]逆止弁は、種々の配管の用途および配管システムにおいて多用されている。逆止弁は、流体が弁を通って一方向のみに流れるのを可能にするように、および、流体が反対方向に流れるのを阻止するように、流体を制限するのに使用される。これにより、一般には、逆流が発生する場合に被害を受け得る上流プロセスを保護することが可能となる。
【0003】
[0004]最も一般的な形態の逆止弁はスプリングスイング式の逆止弁(spring and swing type check valve)であるが、他の変形形態の逆止弁も使用されてきた。逆止弁は配管システム内の圧力低下に寄与する。通常は閉じている弁では、これは、部分的に、可動弁部材により流体流に対して作用される復帰力(return force)を原因とする。この復帰力は、一般に、弁がより完全に開けられるときに増大し、したがって例えば、ばね逆止弁では、ばねがより大きく圧縮されると、システムに対してより大きい力が作用する。さらに、しばしば、逆止弁を通る流路が制限的であり、これが圧力低下の別の原因となる。したがって、完全に開いている弁もシステム内の圧力低下に寄与する。大きい圧力低下は、システムを動作させるのにより多くの仕事が必要となることを意味し、それにより効率が低下する。
【0004】
[0005]逆止弁は燃料電池システムの重要な部品である。逆止弁は、保管タンクへの逆流を防止することにより燃料供給源の汚染を抑制するのを補助する。逆止弁はまた、燃料電子システムが稼働してないときに周囲空気が燃料電池システムに入るのを防止することにより、プロトン交換膜のファウリングを最小にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0006]本開示は、磁気逆止弁のための改善された設計を対象とする。一実施形態では、本開示が磁気逆止弁を対象とし、この磁気逆止弁が、弁座およびピストンチャンバを備えるハウジングを備え、弁座が、(1)ハウジングから半径方向に延在し、中央プレートに接続される少なくとも1つのプロングであって、少なくとも1つの磁石を備える、少なくとも1つのプロング、および、(2)中央プレートとハウジングとの間の少なくとも1つの区分の環状空間、を備え、ピストンチャンバが、弁座の下流において、ハウジングの軸に沿って摺動するピストンを受けるように構成された円筒形空間を備え、ピストンが、(1)流体を流すのを可能にするように構成され、中央プレートとのシールを形成するようにサイズ決定された中央アパーチャを備える環状形状であり、(2)少なくとも1つのプロング内の少なくとも1つの磁石に引き寄せられる材料を含む。
【0006】
[0007]別の実施形態では、本開示が通常は閉じている磁気逆止弁を対象とし、この逆止弁が、環状形状および中央アパーチャを有するピストンであって、ピストンが磁気材料を含む、ピストンと、弁座であって、弁座が、ピストンの中央アパーチャに対しての連続するシールを作り出す中央プレートを有する、弁座と、を備え、中央プレートが、少なくとも1つのプロングにより、ハウジングに接続され、少なくとも1つのプロングが少なくとも1つの磁石を含む。
【0007】
[0008]別の実施形態では、本開示が磁気逆止弁を対象とし、この磁気逆止弁が、弁座およびピストンを備え、ピストンが磁性金属を含み、弁座が、少なくとも1つの磁石を各々独立して含む少なくとも2つのプロングによりハウジングに接続された中央プレートを備え、磁気逆止弁が、弁座を通るとともに、ピストンの中央にある単一の中央アパーチャを通る、環状経路を有する流体流を提供するように構成される。
【0008】
[0009]追加の実施形態では、本開示が燃料電池を対象とし、この燃料電池が磁気逆止弁を備え、この磁気逆止弁が、環状流路、中央プレート、および、少なくとも1つの磁石を各々独立して備える少なくとも2つのプロング、を備える弁座であって、少なくとも2つのプロングが中央プレートをハウジングに接続する、弁座と、弁座の下流にあるピストンチャンバであって、ピストンチャンバが、環状形状を有するピストン、弁座の環状流路の厚さに少なくとも対応する環状厚さ、および、ピストンの中央アパーチャを通る流路、を備え、ピストンが磁気材料を含む、ピストンチャンバと、中央プレートとピストンとの間の接触面と、を備え、逆止弁が、逆止弁を通る流れが存在しないとき、逆止弁を閉じるのに十分な磁力を有する。
【0009】
[0010]本開示の逆止弁が、環状形状の摺動ピストンを有する。このピストンが中央アパーチャを有し、弁が開状態にあるときに流体がこの中央アパーチャを通って流れる。ピストンが磁気材料を収容する。
【0010】
[0011]本開示の逆止弁が弁座をさらに有する。弁座が、弁が閉じられているときにピストンとの連続するシールを形成する。弁座が、少なくとも1つのプロング(少なくとも2つのプロングから少なくとも8つのプロング、など)により弁のハウジングに接続された中央プレートを収容する。特定の実施形態では、少なくとも3つのプロングが存在する。
【0011】
[0012]本開示によるプロングが、各々独立して、少なくとも1つの磁石を備え、磁石が弁を閉じるためにピストン内の磁気材料を引き寄せる。弁座が、弁が開いているときに弁座を通って流体が流れるのを可能にする、中央プレートとハウジングとの間の複数の区分の環状空間を包含する。
【0012】
[0013]本開示による流れパターンが、圧力低下を最小にしながら弁を通る高流量を可能にする。この設計はさらに、弁が開いており流体が流れているときにシステム内に存在する復帰力を最小にする。磁力が、閉じられるときにピストンが弁座に戻るのにちょうど十分である大きさであるべきである。したがって、弁が開状態にあるとき、弁がシステムを通って流れる流体に対して最小の大きさの力を作用させ、それにより圧力低下を低減し、効率を向上させる。
【0013】
[0014]本開示による磁気逆止弁が図1~4に描かれる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】[0015]半径方向からの視点で弁を示す部分断面図である。
図2】[0016]半径方向から見た、弁座およびピストンチャンバ内にあるピストンを有する弁を示す断面図である。
図3】[0017]軸方向の視点で弁座を示す断面図である。
図4】[0018]軸方向の視点でハウジングを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[0019]図1が部分断面図で逆止弁20を示す。図の下半分が外側のハウジング10を示し、対して、上半分が弁の機構部分を示す。弁が、弁座11、ピストンチャンバ12、および、ピストン13を有する。図1が、中央アパーチャ19、および、ピストン18内にある磁気材料を示す。
【0016】
[0020]図2が、逆止弁20の機能部品をより詳細に示す。弁座11が、少なくとも1つの磁石14および少なくとも1つの開いている環状空間15を有する。弁座11が中央プレート16をさらに有し、中央プレート16が弁が閉鎖されているときに流れを遮断する。弁座11の反対側にピストンチャンバ12が存在する。ピストンチャンバ12の中にピストン13が配設され、ピストン13が弁の軸に沿って摺動する。ピストン13が中央アパーチャ19を有する環状形状であり、弁が開いているときに流体が中央アパーチャ19を通って流れる。ピストン13が、弁が閉じられているときに中央プレート16とのシールを形成するようにサイズ決定され、それにより、逆方向の流れを防止する。ピストンが磁気材料18を含み、磁気材料18が、弁座11のプロング17内の磁石14に引き寄せられる。この磁気による引力が、弁を通って流れる流体が存在しない場合に弁を閉じるのにちょうど十分である強さである。小さい磁気による引力およびピストン13の中央アパーチャ19により、圧力低下を低減しながら弁を通る流量が増大する。
【0017】
[0021]図3が、本開示の一実施形態の弁座11の構成を示す。中央プレート16に接続されるための、ハウジング10から延在する3つのプロング17が存在する。これらの3つのプロング17の各々が磁石14を含み、磁石14が、流体流が存在しないときに弁を閉じるための力を提供する。図3がさらに、ハウジング10と、中央プレート16と、プロング17と、の間の環状空間15を示し、弁が開いているときに流体が環状空間15を流れる。
【0018】
[0022]図4が、弁の外部ハウジング10を示す。
[0023]第1の実施形態では、逆止弁20が、弁構成要素を保持するハウジング10を備える。弁内に2つの主要なセクション、弁座11およびピストンチャンバ12、が存在する。弁座11が固定されている。弁座11が、1つまたは複数のプロング17によりハウジング10に接続された中央プレート16を備える。これにより、中央プレート16とハウジング10との間に環状空間15を設けることが可能となり、環状空間15において流体が弁座11を通って流れることができる。プロング17の各々が磁石14をさらに収容し、磁石14が、流体流が存在しないときに逆止弁20を閉じた状態で維持するための駆動力を提供する。ピストンチャンバ12が弁座11の下流に位置する。ピストンチャンバ12が、ピストン13を保持する円筒形空間である。ピストン13が、ハウジング11の軸に沿って前後に摺動することができる。ピストン13が、中央アパーチャ19を備える環状形状を有する。逆止弁20が開いているとき、流体がこの中央アパーチャ19を通って流れる。ピストン13が、弁座11のプロング17内に収容される磁気材料18を含む。流れが存在しない場合、磁気による引力が逆止弁20を閉じる。逆止弁20が閉じられるとき、ピストン13と中央プレート16との間に連続するシールが形成され、いかなる逆流も防止する。
【0019】
[0024]第2の実施形態では、逆止弁20が通常は閉じられている。逆止弁20が、中央アパーチャ19を備える環状形状および磁気材料18を有するピストン13を備える。逆止弁20が、中央アパーチャ19との連続するシールを形成する中央プレート16を有する弁座11をさらに備える。中央プレート16が、少なくとも1つのプロング17により弁ハウジング10に接続される。中央プレート16をハウジング10に接続するすべてのプロング17が磁石14をさらに含む。
【0020】
[0025]第3の実施形態では、磁気逆止弁20が弁座11およびピストン13を含む。ピストン13が磁気材料18を有する。弁座11が、少なくとも2つのプロング17により弁ハウジング10に接続された中央プレート16を含む。弁を通る流路が、弁ハウジング10と中央プレート16との間の環状空間15を通るように、さらにはピストン13内の中央アパーチャ19を通るように、誘導される。
【0021】
[0026]本開示の第4の実施形態では、逆止弁20が、燃料電池システムに対して構成される。弁座11が、中央プレート16と、中央プレート16を弁ハウジング10に接続する1組のプロング17とによって設定される環状流路を有する。プロング17が、各々、磁石14を含む。さらに、弁座11の下流に位置するピストンチャンバ12が存在する。このピストンチャンバ12が環状形状を有するピストン13を含み、ここでは、ピストンの環状幅が、少なくとも、弁座を通る環状流路の厚さに対応する。この流路がピストン19の中央アパーチャを通る。中央プレート16とピストン13との間の接触面21が存在する。ピストン13が、プロング17内の磁石14に引き寄せられる磁気材料18を有する。磁気による引力が、流れが存在しないときに逆止弁20を閉じるのにちょうど十分な大きさである。
【0022】
[0027]本開示の第5の実施形態では、逆止弁20が弁座11を備え、ここでは、ハウジング10および中央プレート16を接続する3つのプロング17が存在する。3つのプロング17の各々の中に磁石14が存在する。弁座が、弁座11を通って流体が流れるのを可能にする3つのセクションの環状空間15をさらに備える。これらの環状空間15が、ハウジング10、プロング17、および中央プレート16によって画定される。逆止弁20が、ピストン13を収容するピストンチャンバ12をさらに備える。ピストン13がピストンチャンバ12内で軸方向に摺動する。ピストン13が、封入された鋼製リング18を収容する。ピストン13が、中央アパーチャ19を有する環状形状である。逆止弁20が開いているときに流体がこの中央アパーチャ19を通って流れる。流体が流れないとき、鋼製リング18と磁石14との間の引力が逆止弁20を閉じる。磁気による引力は、流れる流体が存在しないときに弁を閉じるのにちょうど十分である強さであるべきである。逆止弁20が閉じられるときに逆流を防止するための接触面21が中央プレート16とピストン13との間に存在する。
【0023】
[0028]上記の実施形態のうちの任意の実施形態が以下の要素をさらに含むことができる。弁が、車両の一部である燃料電池内に配置され得る。弁が、燃料電池のカソード側の排気ライン内に配置され得る。弁が、燃料電池の水素供給ライン上に配置され得る。弁が、中央プレートとピストンの中央アパーチャとの間にシールを形成するガスケット材料を含むことができる。弁が通常は閉じられている。弁が射出成形され得る。ピストン内の磁気材料が、シリコーン内に封入された鋼製リングであってよい。弁が完全に開いているとき、磁気による引力が最も弱い。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】