(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】ワイヤレス充電伝送器及び方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/10 20160101AFI20230306BHJP
G06F 1/16 20060101ALI20230306BHJP
G06F 1/26 20060101ALI20230306BHJP
H02J 50/50 20160101ALI20230306BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20230306BHJP
【FI】
H02J50/10
G06F1/16 313Z
G06F1/26
H02J50/50
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542298
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-16
(86)【国際出願番号】 US2021012813
(87)【国際公開番号】W WO2021142348
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519053049
【氏名又は名称】ポップソケッツ・エル・エル・シー
【住所又は居所原語表記】5757 Central Avenue,Boulder,Colorado 80301,U.S.A
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アルタン・ナホム
【テーマコード(参考)】
5B011
5G503
【Fターム(参考)】
5B011DA00
5B011DB19
5B011EA05
5G503AA01
5G503BB01
5G503GB08
(57)【要約】
ワイヤレス充電伝送装置は、本明細書に記述されており、ギャップを渡ってワイヤレス充電器からポータブル電子デバイスのワイヤレス充電を遂行するように構成される。当該装置は、レシーバーコイル、トランスミッターコイル、及び、ギャップを渡ってレシーバーコイル及びトランスミッターコイルを電気的に接続するブリッジを含むコイル構造体を含む。コイル構造体は、ストレージ空間を提供可能であり、又は、拡張可能なグリップ・アクセサリーの組み込みが可能なハウジング内に受容可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電用トランスミッターコイルからポータブル電子デバイス内の受電コイルに電力を伝送するためのワイヤレス電力伝送器であって、
レシーバーコイル;
トランスミッターコイル;
前記レシーバー及び前記トランスミッターコイル間のギャップを渡って両者を電気的に接続し、前記レシーバーコイルで受電した電力を前記トランスミッターコイルに伝送するブリッジ;及び
前記レシーバーコイルを受容する上部及び前記トランスミッターコイルを受容する下部を有するハウジングを備える、ワイヤレス電力伝送器。
【請求項2】
前記ブリッジは、前記レシーバー及び前記トランスミッターコイルのエッジ間を延びる電気的経路を備える、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項3】
前記ハウジングは、前記上部及び前記下部の間を延び、これを通して前記ブリッジを受容する連結部と、前記上部及び前記下部の間に配置されたストレージエリアを備え、前記ストレージエリアは、そこへのアクセスのための開口を有する、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項4】
前記ストレージエリアの内部を延び、前記ストレージエリア内に挿入された内容物を保持する保持部を更に備える、請求項3に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項5】
前記ストレージエリアをシールドするべく前記上部及び前記下部及び前記連結部に沿って延びるシールドを更に備える、請求項3に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項6】
前記ストレージエリアは、前記上部及び前記下部の間を延びる複数の側壁を更に備え、
前記開口は、横方向の開口を含む、請求項3に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項7】
前記ブリッジは、軸方向に選択的に拡張可能である螺旋構造を持つコネクターコイルを含む、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項8】
前記コネクターコイルは、その径方向外側部分で前記トランスミッターコイルに電気的に接続され、その略中心部で前記レシーバーコイルに電気的に接続される、請求項7に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項9】
前記ハウジングは、ハウジング上部及び下部の間を延びる拡張可能な側壁を更に含み、前記コネクターコイルは、前記拡張可能な側壁の内部に配置される、請求項8に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項10】
前記拡張可能な側壁は、切頭円錐形態を持つ、請求項9に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項11】
前記ハウジングの前記上部は、前記拡張可能な側壁の端部に実装されたボタンを備える、請求項9に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項12】
前記ハウジングの前記下部は、ポータブル・コンピューター・デバイスに係合し、前記ハウジングを前記ポータブル・コンピューター・デバイスに結合するように構成された一つ又は複数の壁を更に備える、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項13】
前記レシーバーコイルは、前記ハウジングの前記上部に埋め込まれ、前記トランスミッターコイルは、前記ハウジングの前記下部に埋め込まれる、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項14】
前記ワイヤレス電力伝送器は、誘導電力伝送器を含む、請求項1に記載のワイヤレス電力伝送器。
【請求項15】
使用しているポータブル電子デバイスの受電コイルへ電源の送電コイルから充電用電力を伝送するための方法であって、当該方法は:
ワイヤレス電力伝送装置のレシーバーコイルで前記送電コイルからの電力を受け取ることにして、前記レシーバーコイルは、前記ワイヤレス電力伝送装置のハウジングの上部内に配置されること;
前記レシーバーコイルとトランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介して前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルに前記電力を伝送することにして、前記トランスミッターコイルは、前記ハウジングの下部内に配置されること;及び
前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルで前記ポータブル電子装置の前記受電コイルに前記電力を伝送することを含む、方法。
【請求項16】
前記レシーバーコイルと前記トランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介して前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルに前記電力を伝送することは、前記レシーバーコイル及び前記トランスミッターコイルのエッジ間を延びる電気的経路を介して前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルに前記電力を伝送することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記上部及び前記下部の間に設けられた前記ハウジングのストレージエリアにおいてアイテムを受け入れることを更に含み、前記ストレージエリアは、そこへのアクセスのための開口を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記上部及び前記下部に沿って延びるシールド部材で前記ストレージエリアをシールドすることを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記レシーバーコイルと前記トランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介して前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルに前記電力を伝送することは、前記トランスミッターコイル及び前記レシーバーコイルを電気的に接続した反対端を有するコネクターコイルを介して前記ワイヤレス電力伝送装置の前記トランスミッターコイルに前記電力を伝送することを含み、前記コネクターコイルは、軸方向において選択的に拡張可能である螺旋構造を有する、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
その前記上部及び前記下部の間を延びる前記ハウジングの側壁を拡張することを含み、前記コネクターコイルは、拡張可能な前記側壁の内部に配置され、前記側壁の拡張によって前記軸方向に前記コネクターコイルが拡張する、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記ハウジングの前記下部をポータブル・コンピューター・デバイスに結合することを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項22】
前記ワイヤレス電力伝送装置は、誘導電力伝送装置を含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年1月10日に出願された仮出願第62/959,471号の利益を主張し、その全開示が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して電子デバイス用の充電器に関し、より端的には、ポータブル電子デバイス用のワイヤレス充電器に関する。
【背景技術】
【0003】
スマートフォンといったポータブル電子デバイスのワイヤレス充電が、ますます人気になっている。使用に際して、電子デバイスが充電ステーション上に置かれ、電磁界が、電磁誘導又は共鳴を介して充電ステーションから電子デバイスに電力を伝送する。次に、電子デバイスにより電力が用いられてバッテリーを充電する。充電ステーションと電子デバイスのコイル間の材料及び空間を含む多くの要因が電力伝送の効率に影響する。
【0004】
デバイスを損傷から保護するため、デバイスの取り扱いのためのグリップを提供するため、及び/又は、ある面上でデバイスを支持するべくスタンドを提供するため、ポータブル電子デバイスは、また、保護カバー又はケース内に収容可能である。そのような場合、デバイスの有効サイズが大きくなる。更には、デバイス又はデバイスを保護するケースに直接的に取り付けられ得る拡張可能なデバイス及びアクセサリーは、ある面上にデバイスを支持すること、デバイスの取り扱いのための拡張可能なグリップを提供することを含む多様な機能のために用いられる。拡張可能なデバイスは、装飾ボタンを有し、これは、ロゴ、図柄(decals)、シンボル、又は他の芸術的なレンダリングを表示し得る。しかしながら、これらのカバー、ケース、デバイス、及びアクセサリーの全ては、充電ステーションと電子デバイスのコイル間の材料及び空間を増加させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ワイヤレス電力伝送器が本明細書に記述され、充電用トランスミッターコイルからポータブル電子デバイス内の受電コイルに電力を伝送するように構成される。ワイヤレス電力伝送器は、レシーバーコイル;トランスミッターコイル;レシーバー及びトランスミッターコイル間のギャップを渡って両者を電気的に接続し、レシーバーコイルで受電した電力をトランスミッターコイルに伝送するブリッジ;及びレシーバーコイルを受容する上部及びトランスミッターコイルを受容する下部を有するハウジングを含む。
【0006】
一つ又は複数の形態によれば、ブリッジは、レシーバー及びトランスミッターコイルのエッジ間を延びる電気的経路であり得、及び/又は、ハウジングは、上部及び下部の間を延び、これを通してブリッジを受容する連結部と、上部及び下部の間に配置されたストレージエリアを含むことができ、ストレージエリアは、そこへのアクセスのための開口を有する。一つ又は複数の形態においては、ワイヤレス電力伝送器は、ストレージエリアの内部を延び、ストレージエリア内に挿入された内容物を保持する保持部を含むことができる;ワイヤレス電力伝送器は、ストレージエリアをシールドするべく上部及び下部及び/又は連結部に沿って延びるシールドを含むことができる;及び/又は、ストレージエリアは、上部及び下部の間を延びる複数の側壁を含むことができ、開口は、横方向の開口である。
【0007】
一つ又は複数の形態によれば、ブリッジは、軸方向に選択的に拡張可能である螺旋構造を持つコネクターコイルであり得る。一つ又は複数の形態においては、コネクターコイルは、その径方向外側部分でトランスミッターコイルに電気的に接続可能であり、その略中心部でレシーバーコイルに電気的に接続可能であり、及び/又は、ハウジングは、ハウジング上部及び下部の間を延びる拡張可能な側壁を含むことができ、コネクターコイルは、拡張可能な側壁の内部に配置される。拡張可能な側壁は、切頭円錐形態を持ち得る、及び/又は、ハウジングの上部は、拡張可能な側壁の端部に実装されたボタンであり得る。
【0008】
上述の任意の形態によると、レシーバーコイルは、ハウジングの上部に埋め込み可能であり、トランスミッターコイルは、ハウジングの下部に埋め込み可能である;及び/又は、ハウジングの下部は、ポータブル・コンピューター・デバイスに係合し、ハウジングをポータブル・コンピューター・デバイスに結合するように構成された一つ又は複数の壁を含み得る。
【0009】
本開示の別の側面によると、使用しているポータブル電子デバイスの受電コイルへワイヤレス電源の送電コイルから充電用電力を伝送するための方法が記載され、当該方法は、ワイヤレス電力伝送装置のレシーバーコイルで送電コイルからの電力を受け取ること;レシーバーコイルとトランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介してワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルに電力を伝送する;及びワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルでポータブル電子デバイスの受電コイルに電力を伝送することを含む。この形態において、レシーバーコイルは、ワイヤレス電力伝送装置のハウジングの上部内に配置され、トランスミッターコイルは、ハウジングの下部内に配置される。
【0010】
一つ又は複数の形態によると、レシーバーコイルとトランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介してワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルに電力を伝送することは、レシーバーコイル及びトランスミッターコイルのエッジ間を延びる電気的経路を介してワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルに電力を伝送することを含み得る。一つ又は複数の形態においては、方法は、上部及び下部の間に設けられたハウジングのストレージエリアにおいてアイテムを受け入れることを含むことができ、ストレージエリアは、そこへのアクセスのための開口を有する。また別の形態においては、方法は、上部及び下部に沿って延びるシールド部材でストレージエリアをシールドすることを含むことができる。
【0011】
一つ又は複数の形態によると、レシーバーコイルとトランスミッターコイルの間のギャップを渡るブリッジを介してワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルに電力を伝送することは、トランスミッターコイル及びレシーバーコイルを電気的に接続した反対端を有するコネクターコイルを介してワイヤレス電力伝送装置のトランスミッターコイルに電力を伝送することを含むことができ、コネクターコイルは、軸方向において選択的に拡張可能である螺旋構造を有する。一つ又は複数の形態において、方法は、その上部及び下部の間を延びるハウジングの側壁を拡張することを含むことができ、コネクターコイルは、拡張可能な側壁の内部に配置され、側壁の拡張によって軸方向にコネクターコイルが拡張する。
【0012】
上述の任意の形態によると、方法は、ハウジングの下部をポータブル・コンピューター・デバイスに結合することを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ポータブル電子デバイス及びワイヤレス充電器の斜視図である。
【0014】
【
図2】
図2は、ギャップを渡ってワイヤレス充電器からポータブル電子デバイスを充電するべく本開示の原理に即して構成されたワイヤレス充電伝送デバイスの断面図である。
【0015】
【
図3】
図3は、
図2のワイヤレス充電伝送デバイスのための本開示の原理に即して構成されたコイル構造体の斜視図である。
【0016】
【
図4】
図4は、ギャップを渡ってワイヤレス充電器からポータブル電子デバイスを充電するべく本開示の原理に即して構成されたワイヤレス充電伝送デバイスの断面図であり、拡張可能なグリップ・アクセサリーが折り畳み状態にある。
【0017】
【
図5】
図5は、ワイヤレス充電伝送デバイスの断面図であり、拡張可能なグリップ・アクセサリーが拡張状態にある。
【0018】
【
図6】
図6は、
図5のワイヤレス充電伝送デバイスのための本開示の原理に即して構成されたコイル構造体の斜視図である。
【0019】
【
図7】
図7は、
図5のワイヤレス充電伝送デバイスのための本開示の原理に即して構成されたコイル構造体の斜視図である。
【0020】
【0021】
【発明を実施するための形態】
【0022】
概して、様々な実施形態に即してワイヤレス充電器及び方法が提供され、有利にもギャップ回り又はそれを介したポータブル電子デバイスの安定かつ効果的なポータブル充電を提供する。デバイスは、中間のレシーバー及びトランスミッターコイルを用い、ブリッジとして作動し、例えば、充電ステーションにおけるトランスミッターコイルからポータブル電子デバイスにおける受電コイルに電力を伝送する。
【0023】
中間のレシーバー及びトランスミッターコイルは、ギャップを規定するハウジング内に受容可能であり、有利にもクレジット又はデビットカード又は他の典型的なウォレット内容物を保管する目的でそれを利用可能であり、従って、内容物を簡易に挿入及び取り外し可能である。幾つかのバージョンでは、ハウジングは、電子デバイスを保持及び保護するためにその一つの側面上にケースを含むことができる。他の形態では、ギャップは、グリップ・アタッチメントといったポータブル電子デバイスに実装された外方に突出したアタッチメントによるものであり得る。幾つかのバージョンでは、グリップ・アタッチメントは、ベースと、折り畳み形態と拡張形態の間でベースに対して移動可能である拡張機構を含む拡張可能なデバイスであり得る。拡張可能なデバイスは、更に、拡張機構に結合したボタンを含み得る。
【0024】
図1に示すように、本明細書に記述のワイヤレス充電器及び方法は、スマートフォン、タブレット、e-リーダー、及び同種のものといった適当なポータブル電子デバイス10を充電するために構成される。ポータブル電子デバイス10は、バッテリー又は他の適当な電力ストレージ12から給電される電気コンポーネントと、電源12に電気的に接続したレシーバーコイル14を含む。レシーバーコイル14は、ディスク形状の構造を有し、デバイス10の主面18に関して概して平行な方向に延びる主面16を有する。そのように構成されるため、ポータブル電子デバイス10は、トランスミッターコイル22を有し、かつ電源24に電気的に接続されたワイヤレス充電器20から充電用電力を受け取ることができる。この構成では、ユーザーは、ポータブル電子デバイス10のレシーバーコイル14をワイヤレス充電器20のトランスミッターコイル22にアライメントでき、トランスミッターコイル22から供給されてレシーバーコイル14で受け取られる誘導電力を介して電源12を充電する。しかしながら、上述のとおり、コイル14,22は、十分にアライメントされ、またお互いに対して相対的に近い距離内になければならない。斯くして、ポータブル電子デバイス10がギャップ26でワイヤレス充電器20から離れている時、ポータブル電子デバイス10が十分に充電されないおそれがある。
【0025】
ギャップ26を介してポータブル電子デバイス10に充電用電力をワイヤレスで提供することに適したワイヤレス充電伝送デバイス100が
図2乃至7に示されている。本明細書に記述のデバイス100は、両者の間を延びるブリッジ106により電気的に一緒に接続されたレシーバー及びトランスミッターコイル102,104を含む。レシーバーコイル102、トランスミッターコイル104、及びブリッジ106は、デバイス100のハウジング108内に受容される。図示の形態では、ハウジング108は、レシーバーコイル102を受容する大きさの下部110と、トランスミッターコイル104を受容する大きさの上部112と、下部及び上部110,112の間を延びる連結部114を含む。連結部114は、ギャップ26を渡り、その内部にブリッジ106を受容し、ブリッジ106にコイル102,104を一緒に電気的に接続させることを許容する。下部及び上部110,112は、そこに埋め込まれたコイル102,104を持つことができ、又は、コイル102,104を受容する大きさの空洞を含むことができる。中間のコイル102,104とブリッジ106のおかげで、本明細書に記述のデバイス100は、それらの間のギャップ26に関わらず、ポータブル・コンピューター・デバイス10の電源12がワイヤレス充電器20により充電されることを許容する。これに即して、ハウジング下部110は、ワイヤレス充電器20上に置かれるように構成され、ワイヤレス充電器20のトランスミッターコイル22にレシーバーコイル102がアライメントされる。同様、ハウジング上部112は、その上にポータブル電子デバイス10を受容する又はそこに結合するように構成され、トランスミッターコイル104をデバイス10のレシーバーコイル14にアライメントする。例えば、本明細書に記述のコイルは、Qi標準において動作するように構成可能である。他の適切な標準が代替的に利用可能である。図示の形態では、ハウジング下部110は、概して平坦な外面部分111を含み、ハウジング108がワイヤレス充電器20上に安定して置かれることを許す。ハウジング上部112は、その上にデバイス10を受容するための同様に平坦な外面部分113を含むことができる。
【0026】
図2及び3に示すように、ブリッジ106は、レシーバー及びトランスミッターコイル102,104の径方向エッジ118,120それぞれを接続する電気的経路116であり得る。この構成にて、ギャップ26は、ハウジング108の下部及び上部110,112の間に配置されるストレージエリア122を少なくとも部分的に画定する。図示の形態では、ストレージエリア122は、上及び下壁124,126並びに後壁128により囲まれ、開口130を介してアクセス可能である。図示のように、上及び下壁124,126は、ハウジング108の上部及び下部112,110の部分であり、後壁130は、ハウジング108の連結部114の部分である。有利には、ストレージエリア122によって、ユーザーは、開口130を介してハウジング108内にカード、過剰なグリップ・アクセサリー、タブレット上部、バッテリー・モジュール、回路基板、ケース、スタンド、又は他の用具を挿入することができる。望むならば、ハウジング108は、シールド131を更に含むことができ、レシーバー及び/又はトランスミッターコイル102,104により生成される電磁界からストレージ122をシールドする。斯くして、シールド131は、下部110、上部112、及び/又は、連結部114に沿って又はその範囲内を延在することができる。シールド131は、別の又は取り付けられた部材であり得る。一例においては、シールド131は、フェライトを含むことができ、所望のように硬質又は軟質の態様を持つことができる。
【0027】
幾つかの形態では、ハウジング108の部分は、軟質材料から成り得る。例えば、連結部114が可撓性を有し、下部及び上部110,112が互いに枢動可能であり得る。この構成では、ハウジング108は、二つ折りウォレットと同様に機能するストレージエリア122を提供することができる。これに即すると、上及び/又は下壁124,126は、そこに形成又は結合された一つ又は複数のポケット132を持ち、ストレージエリア122内に便利な保管場所を提供することができる。代替として、連結部114は、硬質材料から成ることができ、下部及び上部110,112が互いに所定位置に固定される。図示の形態では、下部及び上部110,112は、互いに概して平行に延びる。これらの形態では、ストレージエリア122は、更に、下部及び上部110,112の間を延び、かつ後壁128に接続した側壁134により規定され得る。このように構成される場合、開口130は、ストレージエリア122へのアクセスを提供する横方向の開口である。更には、シールド131は、また側壁134に沿って又はその範囲内に延びることができ、幾つかの形態では、ストレージエリア122は、開口130を除いてシールド131により完全に包囲される。望むならば、上及び/又は下壁124,126は、ストレージエリア122内に挿入された内容物をグリップするように構成された内側に延びる保持部135を含むことができる。例えば、保持部135は、ゴム又は粘性プラスチック材料から成り得る。
【0028】
上述のように、コイル102,104は、下部及び上部110,112内に埋め込まれ、又は、そこに形成された空洞内に受容され得る。代替的に、この形態では、コイル102,104は、ストレージエリア122に関する下部及び上部110,112の外面又は内面上に配置可能である。例えば、コイル102,104は、表面に接着可能であり、又は、他の方法でそこに結合可能である。ハウジング108のための適切な材料は、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン(HDPE)、ナイロン、熱可塑性ポリウレタン(tpu)ゴム、および他の適切なポリマーを含む。
【0029】
有利には、ハウジング108の下部110は、ハウジング108をポータブル・コンピューター・デバイス10に結合するべくデバイス10に係合するようにサイズ及び構成された一つ又は複数の壁136を含むことができる。例えば、壁136は、デバイス10の側面及び/又は前面に係合するように構成可能であり、そこにハウジング108を固定する。例えば、壁136は、内側に傾斜され、及び/又は、デバイス10に係合するリップが設けられ、また、よく理解されているように、デバイス10にハウジング108を実装するための弾性及び/又は可撓性の形態を持つことができる。ハウジング108は、単品構成にて図示されているが、ストレージエリア122を画定する壁は、ハウジング108をポータブル電子デバイス10に結合するための壁に着脱可能に取付可能である。これにより、ユーザーは、ウォレットの如くストレージエリア122にアクセスすることに便利なように、ポータブル電子デバイス10に取り付けられている状態からストレージエリア122を取り外すことができる。
【0030】
この構成にて、上部112は、デバイス10に沿って及びその上方を延び、トランスミッターコイル104をデバイス10のレシーバーコイル14にアライメントする。ハウジング108は、ポータブル電子デバイス10を物理的な損傷から保護するために用いることができる。そのように構成されると、ハウジング108は、ポータブル・コンピューター・デバイス10を保護するケース及びウォレット又は他のストレージの両方として機能することができる。加えて、コイル102,104及びブリッジ106のおかげで、ポータブル・コンピューター・デバイス10は、デバイス10がワイヤレス充電器20の直上に配置される時と同様、デバイス10とハウジング108がワイヤレス充電器20上に位置する時に充電可能である。
【0031】
図4~7に示すように、ブリッジ106は、第1状態において概ね平坦な形態を持つべく螺旋形状を有するコイル部材150であり得る。この構成では、螺旋コイルが軸方向に動かされて拡張状態になることができる。例えば、
図5に示すように、コイル部材150の中心端152がコイル部材150の径方向端154に対して軸方向に動かされ、コイル部材150は、拡張状態において円錐形状を持つ。コイル部材150の拡張によってレシーバー及びトランスミッターコイル102,104は、それらの間の電気的な接続を維持しつつ、軸方向に互いに離れるように動くことができる。あるバージョンでは、
図7に示すように、中心端152は、レシーバーコイル102の中心部156に電気的に接続され、径方向端154が、トランスミッターコイル104の径方向エッジ158に電気的に接続される。別のバージョンでは、
図6に示すように、コネクター160は、レシーバーコイル102の径方向エッジ162に中心端152を電気的に接続可能である。
【0032】
図4及び5に示すように、ハウジング108は、連結部114として拡張可能な側壁166を有するグリップ・アタッチメント164を含み、上部112を形成するボタン168と下部110の間を延びる。側壁166は、拡張された使用の形態と、アコーディオン状構造を持つ折り畳みのストレージ形態の間を推移可能である。側壁166は、ポリエステル基準の熱可塑性ポリウレタン・エラストマーといった軟質材料から成ることができ、射出成形、熱成形、又は圧縮成形により形成可能であり、又は、その意図した目的のために適切な任意の同等の機能性材料から成り得る。図示のように、ブリッジ106は、側壁166の内部に受容されており、ユーザーが側壁166を拡張する時にコイル部材150が拡張する。拡張可能な側壁166は、
図5に示すように拡張状態において切頭円錐形態を持つことができる。勿論、円筒、ボックスといった他の形状又は他の多角形の断面を利用可能である。
【0033】
幾つかのバージョンにおいては、下部110は、ポータブル電子デバイス10又はケース又はデバイス10に実装される他の構造体への実装のために適合された側壁166に結合したプラットフォーム170であり得る。プラットフォーム170は、例えば、適切な接着剤を用いて固定可能である。この構成では、ユーザーは、ポータブル電子デバイス10又はケースにプラットフォーム170を固定することができ、トランスミッターコイル104がデバイス内のレシーバーコイル14にアライメントされる。
【0034】
他のバージョンでは、下部110は、主壁174と、主壁174のエッジから外方に延びる一つ又は複数の側壁176を有するケース172であり得る。側壁176は、そこにケース172を固定するべくデバイス10の側面及び/又は前面に係合するように構成される。例えば、側壁176は、内側に傾斜され、及び/又は、デバイス10に係合するリップが設けられ、また、よく理解されているように、デバイス10にハウジング108を実装するための弾性及び/又は可撓性の形態を持つことができる。この構成では、主壁174は、デバイス10に沿って及びその上方を延びてトランスミッターコイル104をデバイス10のレシーバーコイル14にアライメントする。ケース164は、物理的な損傷からポータブル電子デバイス10を保護するためにも使用可能である。
【0035】
この形態におけるハウジング108の様々な構成要素は、互いに着脱可能に取付可能である。例えば、ボタン168及びプラットフォーム170又はケース172がコンタクトを含み、側壁166が対応のコンタクトを含むことができ、側壁166がボタン168及びプラットフォーム170又はケース172に取り付けられる時、コイル部材150は、トランスミッターコイル104及びレシーバーコイル102の各々に電気的に接続される。
【0036】
本明細書に提示の形態では、ワイヤレス充電器20とポータブル電子デバイス10の間にワイヤレス充電伝送デバイス100を配置すると、伝送コイル124の充電ゾーン内に電子デバイス10のコイル14が置かれる。
【0037】
図8は、
図2のワイヤレス充電構成の断面図を図示し、
図9は、
図8の構成の展開した斜視図を図示する。
図8及び9を参照すると、充電介在ウォレット(charge-through-wallet)200は、(例えば、磁気/RFID(magnetic/rfid)などでクレジットカードなどを保持するための)内容物エリア204を形成するウォレットシェル202を含む。フレキシブル回路基板上のコイル206,208は、フェライト又は適切な信号保護バッキングで形成され、また、フレキシブル回路基板上の接続トレース210を介して接続され得る。この構成によれば、オプションのモバイル電子デバイスケース212を有するか又は有しないモバイル電子デバイス214は、ウォレットが
図8に示すようにモバイル電子デバイス214に取り付けられる時でもワイヤレス充電パッド216のワイヤレス充電パッドコイル218により(例えば、誘導又は共鳴により)充電され得る。
【0038】
幾つかの場合、本開示の拡張可能なグリップ・アクセサリーは、PopSockets,LLCにより製造販売されているものといった商業的に入手可能なグリップ及びスタンド製品の形態にあり得る。例えば、2012年2月23日に出願の米国特許第8,560,031号明細書;2017年11月9日に出願の米国特許第9,970,589号明細書;2014年12月31日に出願された米国特許第10,019,034号明細書;2017年6月7日に出願された米国特許第10,054,259号明細書;2018年3月15日に出願された米国特許第10,030,807号明細書;2017年8月17日に出願された米国特許出願第15/679,934号明細書;2017年10月10に出願された米国特許出願第15/729,260号明細書;2017年11月3日に出願された米国特許出願第15/803,410号明細書;2017年11月9日に出願された米国特許出願第15/808,076号明細書;2018年2月27日に出願された米国特許出願第15/906,920号明細書;2018年4月12日に出願された米国特許出願第15/952,025号明細書;2018年5月30日に出願された米国特許出願第15/993,458号明細書;2018年6月6日に出願された米国特許出願第16/001,723号明細書は、各々、好適な拡張可能なグリップ及びスタンド製品を説明し、これらも折り畳み可能な機構を組み込んでおり、各々の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
【0039】
図面における要素は、簡潔さ及び明確さのために図示され、必ずしも縮尺するように描かれていないものと理解される。例えば、図面の幾つかの要素の寸法及び/又は相対的な位置は、本発明の様々な実施形態の理解の向上に役立つために他の要素に比べて誇張されているかもしれない。また、商業的に実施可能な実施形態において使用可能又は必要である一般的だが、よく知られた要素は、これらの様々な実施形態の図示の妨げにならないように、度々、図示されない。同一の参照番号が同様又は同類のパーツを説明するために用いられ得る。更には、本明細書では幾つかの実施例が開示されているが、任意の例からの任意の特徴は、他の例からの他の特徴と組み合わされ、又は、置換され得る。更には、本明細書では幾つかの実施例が開示されているが、請求項の範囲から逸脱することなく開示例に変更が為され得る。
【0040】
当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく上述の実施形態に関して広範囲の修正、変更及び組み合わせが可能であることを理解し、そのような修正、変更及び組み合わせが、発明概念の範囲内にあるものと見なされる。
【国際調査報告】