(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】基板搬送方法および基板搬送装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543475
(86)(22)【出願日】2021-01-18
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 KR2021000656
(87)【国際公開番号】W WO2021145744
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0006360
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジュン グ ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョン チュル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ジン アン
(72)【発明者】
【氏名】ファン チュル ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ビョン ヨン ソプ
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA02
5F131BA13
5F131BA19
5F131BB04
5F131CA17
5F131CA18
5F131DA32
5F131DA33
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5F131DA42
5F131DB04
5F131DB52
5F131DB58
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5F131DB76
5F131DD03
5F131DD13
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5F131DD76
5F131FA26
5F131FA32
5F131FA33
5F131KA12
5F131KA72
5F131KB12
5F131KB32
5F131KB53
5F131KB58
(57)【要約】
本発明は、基板搬送ロボットを含む基板搬送装置において基板がローディングまたはアンローディングされる際の基板の位置情報を用いて基板搬送ロボットを制御する基板搬送方法および基板搬送装置に関する。本発明によれば、基板のローディングまたはアンローディングのための最初の基準値を設定した後、工程の変化またはハードウェア的な変化によって新たな基準値を設定する作業が要求される場合に、基準値の設定作業が自動的に行われるようにすることで、手動で基板搬送ロボットの基準値を変更しなくても、基板がサセプタの中心に位置するように基板の搬送を行うことができるというメリットがある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板搬送ロボットが基板をチャンバ内部のサセプタに載置されるようにローディングまたはアンローディングする際の基準となる第1基準値を用いて前記基板を前記サセプタにローディングする第1基板ローディングステップと、
前記基板を前記サセプタの第1位置に調整する第1位置調整ステップと、
前記基板搬送ロボットを用いて前記基板をアンローディングする第1基板アンローディングステップと、
前記基板がアンローディングされる際、第1値を取得する第1値取得ステップと、
前記第1基準値と前記第1値とが異なると、前記第1値を前記基板搬送ロボットの第2基準値に補正する第1補正ステップと、を含むことを特徴とする基板搬送方法。
【請求項2】
基板搬送ロボットが基板をチャンバ内部のサセプタに載置されるようにローディングまたはアンローディングする際の基準となる第2基準値を用いて前記基板を前記サセプタにローディングする第2基板ローディングステップと、
前記基板を前記サセプタの第2位置に調整する第2位置調整ステップと、
前記基板搬送ロボットを用いて前記基板をアンローディングする第2基板アンローディングステップと、
前記基板がアンローディングされる際、第2値を取得する第2値取得ステップと、
前記第2基準値と前記第2値とが異なると、前記第2値を前記基板搬送ロボットの第3基準値に補正する第2補正ステップと、を含むことを特徴とする基板搬送方法。
【請求項3】
前記第1値取得ステップは、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって検知される前記基板の長さを測定して、これを前記第1基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって検知される前記基板の長さに対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第1値を取得することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送方法。
【請求項4】
前記第1値取得ステップは、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって前記基板が検知される時間を測定して、これを前記第1基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって前記基板が検知される時間に対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第1値を取得することを特徴とする請求項1に記載の基板搬送方法。
【請求項5】
前記第2値取得ステップは、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって検知される前記基板の長さを測定して、これを前記第2基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって検知される前記基板の長さに対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第2値を取得することを特徴とする請求項2に記載の基板搬送方法。
【請求項6】
前記第2値取得ステップは、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって前記基板が検知される時間を測定して、これを前記第2基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって前記基板が検知される時間に対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第2値を取得することを特徴とする請求項2に記載の基板搬送方法。
【請求項7】
少なくとも1つの基板が載置されるサセプタを含むチャンバと、
前記サセプタに前記基板をローディングまたはアンローディングする基板搬送ロボットと、
前記チャンバから前記基板がローディングおよびアンローディングされる際の前記基板の位置を検出する基板位置検知部と、
前記基板位置検知部で検出された前記基板の位置を記憶する記憶部と、
前記基板の位置に関する情報を用いて前記基板が前記サセプタの第1位置に載置されるように前記基板搬送ロボットを制御する制御部と、を含むことを特徴とする基板搬送装置。
【請求項8】
前記基板搬送ロボットは、
前記基板位置検知部で検出された前記基板の位置に関する情報に対応して制御されることを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項9】
前記基板位置検知部は、
前記基板が前記サセプタにローディングされる際に検知される前記基板の長さを測定して、前記基板がローディングされる際の位置を検出し、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に検知される前記基板の長さを測定して、前記基板がアンローディングされる際の位置を検出することを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項10】
前記基板位置検知部は、
前記基板が前記サセプタにローディングされる際に前記基板が検知される時間を測定して、前記基板がローディングされる際の位置を検出し、
前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に前記基板が検知される時間を測定して、前記基板がアンローディングされる際の位置を検出することを特徴とする請求項7に記載の基板搬送装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記基板がローディングされる際の位置に関する情報と、前記基板がアンローディングされる際の位置に関する情報とを用いて前記基板搬送ロボットを制御することを特徴とする請求項9または10に記載の基板搬送装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子を製造する半導体素子製造装置の基板搬送方法および基板搬送装置に関し、具体的には、基板をローディングまたはアンローディングする基板搬送ロボットを含む基板搬送装置において基板がローディングまたはアンローディングされる際の基板の位置情報を用いて基板搬送ロボットを制御する基板搬送方法および基板搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、半導体素子を製造するためには、シリコンウエハに原料物質を蒸着する薄膜蒸着工程、感光性物質を用いてこれらの薄膜中の選択された領域を露出または隠蔽させるフォトリソグラフィ工程、選択された領域の薄膜を除去して目的の通りにパターニング(patterning)するエッチング工程などを経ることとなり、これらの各工程は当該工程のために最適な環境に設計されたチャンバの内部で行われる。
【0003】
最近は、生産性を高めるために、複数の工程モジュール、基板の搬送を担う搬送モジュールなどを互いに緊密に結合させたクラスタ(cluster)型基板処理装置が多く用いられている。
【0004】
図1は、このようなクラスタ型基板処理装置の構成を概略的に示す平面図であって、搬送モジュール10の周囲に複数の工程モジュール20とロードロックモジュール30とが結合された構造を有する。
【0005】
搬送モジュール10は、基板sの搬送を担う搬送ロボット40を内部に備え、基板sは、搬送ロボット40によって工程モジュール20とロードロックモジュール30との間を移動する。搬送モジュール10は、セッティングや維持補修に必要な場合を除けば常に真空状態を維持する。
【0006】
工程モジュール20は、工程チャンバ21内で基板sに対して薄膜蒸着およびエッチングなどの実際の工程を進行させる領域であって、工程チャンバ21内に基板が載置される基板載置部を備え、基板載置部には、複数の基板が置かれるサセプタが形成されている。
【0007】
ロードロックモジュール30は、内部が真空状態である工程モジュール20の内部に基板を搬入したり、外部に基板を搬出する際、基板sが一時とどまる緩衝空間であり、生産性を考慮して、通常2つのチャンバが上下に積層された構造が多く用いられる。
【0008】
したがって、このようなロードロックモジュール30は、外部から工程モジュール20の内部に基板sを搬入する際は真空状態に切り替えられ、工程モジュール20から基板sを外部に搬出する際は大気圧状態に切り替えられる。
【0009】
図2は、このようなクラスタ型基板処理装置の側断面図であって、搬送モジュール10を中心にロードロックモジュール30と工程モジュール20とが結合されており、搬送モジュール10は、チャンバ11と、チャンバ11の内部で動作する搬送ロボット40とを含む。
【0010】
搬送ロボット40は、モータなどの駆動手段を支持する駆動部フレーム41と、駆動部フレーム41の上部に延びて前記駆動手段によって回転および昇降運動をする駆動軸43と、前記駆動軸43によって回転および昇降する一方、伸縮運動をするロボットアーム44と、ロボットアーム44の端部に結合されて直接基板sを持ち上げる基板載置部45などとからなる。
【0011】
駆動部フレーム41は、チャンバの底面12を貫通して固定され、特に駆動部フレーム41でチャンバ11の内部に位置する部分に外周面に沿ってフランジ42を突出形成し、前記フランジ42をチャンバの底面12に溶接する方法でチャンバ11の真空を維持する。
【0012】
このように駆動軸43の回転および昇降運動と基板載置部45の水平運動により基板sを工程モジュール20またはロードロックモジュール30に搬送させる搬送ロボット40は、限られた空間内で非常に精密に動作しなければならない。
【0013】
したがって、装置をセッティングする際は、搬送ロボット40の動作の基準点となる基準位置を設定する過程を必ず経ることとなる。
【0014】
すなわち、搬送ロボット40が工程チャンバ21内のサセプタの定位置に基板をローディングしたり、工程チャンバ21内のサセプタから基板をアンローディングするためには、搬送ロボット40の設計位置および工程チャンバ21内のサセプタの位置を基準として搬送ロボットの上昇下降の程度、回転角度およびロボットアームの伸びる量などの様々な情報が必要である。
【0015】
このような情報は、装備の最初のセットアップの際、熟練したロボットエンジニアがティーチングペンダント(teaching pendent)のような器具を用いて装備に合ったデータを求め、このようなデータを手作業で入力することにより、最初の設定作業が完了する。以後、工程チャンバ21内のサセプタの入れ替えなどのようなハードウェア的な変化によって基準値の設定を新たに行わなければならない場合が頻繁に発生する。
【0016】
一方、搬送ロボット40が実際に動作する環境が真空状態である点を勘案すれば、このような最初の基準値の設定過程も真空状態で行われることが好ましいが、大部分の場合には、肉眼で確認しながら、または別の道具を用いながら作業を進行させるため、この場合には、基準値の設定作業を大気圧状態で進行させる。
【0017】
このように大気圧状態で最初の基準値の設定作業を実施した後には、真空ポンピングおよび加熱工程により工程チャンバ21を真空状態に切り替えるが、このような真空ポンピング(Vacuum Pumping)や加熱(Heat-Up)過程で工程チャンバ21内のサセプタの位置変化によって基準値の設定作業を新たに行わなければならない場合が発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、基板搬送装置において基板搬送ロボットが基板をローディングまたはアンローディングする際の基準となる基準値を設定した後、新たな基準値に補正する作業が要求される場合に、補正作業が自動的に行われるようにすることで、基板が正確にチャンバ内のサセプタの中心にセンタリングできるようにした基板搬送方法および基板搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による基板搬送方法は、基板搬送ロボットが基板をチャンバ内部のサセプタに載置されるようにローディングまたはアンローディングする際の基準となる第1基準値を用いて前記基板を前記サセプタにローディングする第1基板ローディングステップと、前記基板を前記サセプタの第1位置に調整する第1位置調整ステップと、前記基板搬送ロボットを用いて前記基板をアンローディングする第1基板アンローディングステップと、前記基板がアンローディングされる際、第1値を取得する第1値取得ステップと、前記第1基準値と前記第1値とが異なると、前記第1値を前記基板搬送ロボットの第2基準値に補正する第1補正ステップと、を含むことを特徴とする。
【0020】
本発明による基板搬送装置は、少なくとも1つの基板が載置されるサセプタを含むチャンバと、前記サセプタに前記基板をローディングまたはアンローディングする基板搬送ロボットと、前記チャンバから前記基板がローディングおよびアンローディングされる際の前記基板の位置を検出する基板位置検知部と、前記基板位置検知部で検出された前記基板の位置を記憶する記憶部と、前記基板の位置に関する情報を用いて前記基板が前記サセプタの第1位置に載置されるように前記基板搬送ロボットを制御する制御部と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明による基板搬送方法および装置によれば、基板のローディングまたはアンローディングのための最初の基準値を設定した後、工程の変化またはハードウェア的な変化によって新たな基準値を設定する作業が要求される場合に、基準値の設定作業が自動的に行われるようにすることで、手動で基板搬送ロボットの基準値を変更しなくても、基板がサセプタの中心に位置するように基板の搬送を行うことができるというメリットがある。
【0022】
エンジニアの熟練度による誤差や真空または高温への環境変化による誤差なしに、基板が正確にチャンバのサセプタの中心にセンタリングできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】従来のクラスタ型基板処理装置の概略的な様子を示す平面図。
【
図2】
図1によるクラスタ型基板処理装置の側断面図。
【
図3】本発明の一実施例による基板搬送方法のフローチャート。
【
図4】本発明の他の実施例による基板搬送方法のフローチャート。
【
図5】本発明による基板搬送装置の構成を示す概略図。
【
図6】本発明による基板搬送装置において基板の位置を検知する原理を説明するための図。
【
図7】本発明による基板搬送装置において基板の位置を検知する原理を説明するための図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。本明細書および特許請求の範囲に使われた用語は通常または辞書の意味に限定されて解釈されず、本発明の技術的事項に符合する意味と概念で解釈されなければならない。
【0025】
本明細書に記載の実施例と図面に示された構成は本発明の好ましい実施例であり、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないので、本出願の時点においてこれらを代替できる多様な均等物と変形例がありうる。
【0026】
図3は、本発明の一実施例による基板搬送方法のフローチャートである。
【0027】
図3を参照すれば、本発明の一実施例による基板搬送方法は、第1基板ローディングステップS310と、第1位置調整ステップS320と、第1基板アンローディングステップS330と、第1値取得ステップS340と、第1補正ステップS350とを含む。
【0028】
前記第1基板ローディングステップS310では、基板搬送ロボット120が基板をチャンバ110内部のサセプタにローディングまたはアンローディングする際の基準となる第1基準値を用いて前記基板を前記サセプタにローディングする。この時、第1基準値は、基板搬送ロボットが設計値に応じて基板をローディングまたはアンローディングする際の基準となる値である。
【0029】
前記第1位置調整ステップS320では、前記サセプタにローディングされた基板がサセプタの第1位置に位置するように調整する。この時、第1位置は、サセプタの中心になってもよいし、具体的には、基板載置溝(図示せず)の中心に位置するように前記基板の位置を調整することができる。
【0030】
設計値である第1基準値に応じて基板搬送ロボットを用いてチャンバ内のサセプタに前記基板Wをローディングしても、ハードウェア的な様々な要因によって基板が正確にサセプタのセンターに位置することができなくなるので、前記基板Wを前記サセプタのセンターに位置させるセンタリング過程を必要とする。
【0031】
第1基板アンローディングステップS330では、基板搬送ロボットを用いて前記チャンバ内の前記サセプタから前記第1基準値に応じて前記基板をアンローディングする。前記第1位置調整ステップS320で基板を前記サセプタのセンターに位置させる別の作業を進行させたので、基板は、第1基準値とは異なる位置でサセプタのセンターに位置している。したがって、第1基板アンローディングステップS130で第1基準値に応じて基板をアンローディングする場合、前記基板は、基板搬送ロボットの基板載置部に対して定位置でないずれた位置に置かれたままアンローディングされる。
【0032】
前記第1値取得ステップS340では、前記基板がアンローディングされる際、基板位置検知部を用いて前記第1基準値に対比する前記基板のずれ量を検出し、前記基板がアンローディングされる際の位置情報である第1値を取得する。
【0033】
前記第1値取得ステップS340では、前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって検知される前記基板の長さを測定して、これを前記第1基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって検知される前記基板の長さに対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第1値を取得することができる。
【0034】
一方、前記第1値取得ステップS340では、前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって前記基板が検知される時間を測定して、これを前記第1基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって前記基板が検知される時間に対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第1値を取得することもできる。
【0035】
前記第1補正ステップS350では、前記第1値と前記第1基準値とを比較して、前記第1値と前記第1基準値とが異なると、前記第1値を前記基板搬送ロボットの新たな基準値である第2基準値に補正する。
【0036】
すなわち、基板搬送ロボットに対して前記基板位置検知部で検出された前記基板のずれ量を用いて補正された第2基準値を設定し、前記第2基準値を用いて前記基板搬送ロボットを制御する。
【0037】
図3による基板搬送方法によれば、設計値に応じて第1基準値を設定した後、ハードウェアの組立による誤差によって基準値が変化した場合にも、自動的に基準値を補正できるようにすることで、手動で基板搬送ロボットの基準値を変更しなくても、基板がサセプタの中心に位置するように基板の搬送を行うことができるというメリットがある。
【0038】
図4は、本発明の他の実施例による基板搬送方法のフローチャートである。
【0039】
図4を参照すれば、本発明の他の実施例による基板搬送方法は、第2基板ローディングステップS410と、第2位置調整ステップS420と、第2基板アンローディングステップS430と、第2値取得ステップS440と、第2補正ステップS450とを含む。
【0040】
前記第2基板ローディングステップS410では、第2基準値を用いて前記基板を前記サセプタにローディングする。この時、第2基準値は、
図3による基板搬送方法の第1補正ステップS350で補正された値に応じて基板をローディングまたはアンローディングする際の基準となる値であってもよいし、他方では、基板搬送ロボットが最初の設計値に応じて基板をローディングまたはアンローディングする際の基準となる値であってもよい。
【0041】
前記第2位置調整ステップS420では、前記サセプタにローディングされた基板がサセプタの第2位置に位置するように調整する。この時、第2位置は、サセプタの中心(center)になってもよいし、具体的には、基板載置溝(図示せず)の中心に位置するように前記基板の位置を調整することができる。
【0042】
第2基準値に応じて基板搬送ロボットを用いてチャンバ内のサセプタに前記基板Wをローディングしたとしても、チャンバを真空ポンピングしたり加熱する場合、基板が正確にサセプタのセンターに位置することができなくなるので、前記基板Wを前記サセプタのセンターに位置させるセンタリング過程を必要とする。
【0043】
前記第2基板アンローディングステップS430では、基板搬送ロボットを用いて前記チャンバ内の前記サセプタから前記第2基準値に応じて前記基板をアンローディングする。前記第2位置調整ステップS420で基板を前記サセプタのセンターに位置させる別の作業を進行させたので、基板は、第2基準値とは異なる位置でサセプタのセンターに位置している。したがって、第2基板アンローディングステップS430で第2基準値に応じて基板をアンローディングする場合、前記基板は、基板搬送ロボットの基板載置部に対して定位置でないずれた位置に置かれたままアンローディングされる。
【0044】
前記第2値取得ステップS440では、前記基板がアンローディングされる際、基板位置検知部を用いて前記第2基準値に対比する前記基板のずれ量を検出し、前記基板がアンローディングされる際の位置情報である第2値を取得する。
【0045】
前記第2値取得ステップS440では、前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって検知される前記基板の長さを測定して、これを前記第2基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって検知される前記基板の長さに対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第2値を取得することができる。
【0046】
一方、前記第2値取得ステップS440では、前記基板が前記サセプタからアンローディングされる際に基板位置検知部によって前記基板が検知される時間を測定して、これを前記第2基準値に応じて前記基板がローディングされる際に前記基板位置検知部によって前記基板が検知される時間に対比して前記基板がアンローディングされる際の位置情報である前記第2値を取得することもできる。
【0047】
前記第2補正ステップS450では、前記第2値と前記第2基準値とを比較して、前記第2値と前記第2基準値とが異なると、前記第2値を前記基板搬送ロボットの新たな基準値である第3基準値に補正する。
【0048】
すなわち、基板搬送ロボットに対して前記基板位置検知部で検出された前記基板のずれ量を用いて補正された第3基準値を設定し、前記第3基準値を用いて前記基板搬送ロボットを制御する。
【0049】
図4による基板搬送方法によれば、大気圧状態で設計値に応じて基準値を設定した後、真空ポンピングおよび加熱工程によって基準値が変化した場合にも、自動的に基準値を補正できるようにすることで、環境変化による誤差なしに、基板の搬送を行うことができるというメリットがある。
【0050】
図5は、本発明による基板搬送装置の構成を示す概略図であり、
図6と
図7は、本発明による基板搬送装置において基板の位置を検知する原理を説明するための図である。
【0051】
図5に示されるように、本発明による基板搬送装置100は、チャンバ110と、基板搬送ロボット120と、基板位置検知部130と、記憶部(図示せず)と、制御部(図示せず)とを含んで構成される。
【0052】
チャンバは、ロードロックチャンバ(Load Lock Chamber)、トランスファチャンバ(Transfer Chamber)およびプロセスチャンバ(Process Chamber)であってもよいし、好ましくは、基板を処理するプロセスチャンバ(Process Chamber)、すなわち、工程チャンバであってもよい。工程チャンバは、工程が行われる空間で、工程に必要なガスが流入し、必要に応じて、真空ポンピングや加熱またはプラズマ処理が行われる。
【0053】
チャンバ110は、内部に基板支持部111を備え、基板支持部111の上部には、内部に基板が位置するサセプタ112が形成されている。
【0054】
前記基板搬送ロボット120は、前記チャンバ110内の前記サセプタ112に前記基板Wをローディングまたはアンローディングする。
【0055】
前記基板位置検知部130は、前記基板搬送ロボット120が出入りする前記チャンバ110の入口に設けられて、前記基板搬送ロボット120によって前記チャンバ110内のサセプタ112に前記基板Wをローディングする際と、前記チャンバ110内のサセプタ112から前記基板Wをアンローディングする際、前記基板の位置を検出する。
【0056】
前記記憶部(図示せず)は、前記基板位置検知部130で検出された前記基板の位置を記憶し、前記制御部(図示せず)は、前記基板の位置に関する情報を用いて前記基板搬送ロボット120の動きを制御する。
【0057】
前記基板搬送ロボット120は、本体121と、前記本体に沿って昇降または下降する昇下降モジュール122と、前記昇下降モジュール122に連結されるロボットアーム123と、前記ロボットアーム123の端部に連結される基板載置部124とを含んで構成される。一方、基板搬送ロボット120は、前記基板位置検知部130によって検出された前記基板の位置情報に応じて制御される。具体的には、ロボットアームの回転量と伸びる量などで制御できる。
【0058】
図6を参照すれば、基板位置検知部130は、発光部131と、受光部132とを備えることができる。前記基板位置検知部130は、前記基板W2が前記発光部131と前記受光部132との間を通過する際、前記発光部131から前記受光部132に光が伝達されない時間を測定して、これを最初の基準値による時間と比較することにより、前記基板W2のX軸の座標値およびY軸の座標値による位置を検知することができ、これを用いて前記基板のずれ量を検出することができる。
【0059】
一方、基板位置検知部130は、前記発光部131から前記受光部132に光が伝達されない時間を測定する代わりに、前記発光部131から前記受光部132に光が伝達されない基板の長さ、すなわち、基板位置検知部130の検知領域Saによる長さを測定して、これを予め設定された基準長さと比較して、前記基板のずれ量を検出することもできる。
【0060】
以上では、基板位置検知部130が、発光部と、受光部とを備え、その間に位置した対象物体を検知するセンサを用いるものと説明したが、これに限定されるものではなく、対象物体の位置を測定できる多様なセンサが使用可能である。
【0061】
前記基板のずれ量は、設計値による最初の基準値である第1基準値に対比して、前記基板Wが前記チャンバ110の入口に対して平行な第1水平方向であるX軸方向と、前記X軸方向に垂直な第2水平方向であるY軸方向にずれた量であってもよい。
【0062】
図7(a)は、基板W1が第1基準値に応じて基板位置検知部130のX軸検知基準線L
XとY軸検知基準線L
Yの定位置に位置したことを示す。これに対し、
図7(b)は、基板W2が定位置の基板W1に比べてX軸方向に1.0mm、Y軸方向に1.5mmだけずれたことを示す。
【0063】
図7(b)に示されるように、基板W2が定位置の基板W1に比べてX軸方向に1.0mm、Y軸方向に1.5mmだけずれた場合、X軸方向に1.0mmだけずれた量を反映して、基板搬送ロボット120の回転角度θを右側にもう少しいくように変更してX軸を補正する。以後、変更された回転角度θを考慮し、Y軸方向に1.5mmだけずれた量を反映して、基板搬送ロボット120のロボットアームの伸びる量dを変更してY軸を補正する。
【0064】
すなわち、前記制御部(図示せず)は、前記X軸方向にずれた量(1.0mm)に応じて前記ロボットアーム123の回転角度θを調整して前記X軸の座標値を補正し、前記Y軸方向にずれた量(1.5mm)に応じて前記ロボットアーム123の伸びる量dを調整して前記Y軸の座標値を補正した新たな基準値である第2基準値に前記基板搬送ロボットの基準値を補正することができる。
【0065】
以上のように、本発明は、設計値に応じて基準値を設定した後、工程の変化やハードウェア的な変化によって新たな基準値の設定作業が要求される場合に、基準値の設定作業が自動的に行われるようにすることで、手動で基板搬送ロボットの基準値を変更しなくても、基板がサセプタの中心に位置するように基板の搬送を行うことができるというメリットがある。
【国際調査報告】