(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】一体型薄膜マイクロセンサを備えたカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543484
(86)(22)【出願日】2021-01-06
(85)【翻訳文提出日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 IB2021050059
(87)【国際公開番号】W WO2021144663
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】バス・シュバユ
(72)【発明者】
【氏名】トビー・ダスティン・アール
(72)【発明者】
【氏名】バン・ニーキルク・ピーター・イー
(72)【発明者】
【氏名】フエンテス-オルテガ・セサル
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM33
(57)【要約】
カテーテル本体とエンドエフェクタとを含む装置が提供される。カテーテル本体は、遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成される。エンドエフェクタは、カテーテル本体の遠位端にあり、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成される。エンドエフェクタは、エンドエフェクタ本体、電極、及びセンサを含む。エンドエフェクタ本体は、外面を有する。電極は、組織接触面を有する。センサは、組織接触面を有する。センサは、センサの組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成される。センサの組織接触面は、エンドエフェクタ本体部材の外面又は電極の組織接触面のうちの一方又は両方に対して突出するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)組織接触面を有する電極と、
(iii)組織接触面を有するセンサであって、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面又は前記電極の前記組織接触面のうちの一方又は両方に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【請求項2】
前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げるように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記エンドエフェクタ本体部材が凹部を画定し、前記電極が前記凹部内に位置付けられ、前記電極の前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体の前記外面に対して凹んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電極が、半径方向中心を画定する環状形状を有し、前記電極が、前記電極の前記半径方向中心に位置付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織の温度を感知するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサ及び前記電極と通信し、前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織に高周波エネルギーを印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサからの温度データに基づいて、前記電極への高周波エネルギーの送達を調整するように動作可能である、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記制御モジュールが、感知された温度値が閾値を超えたことに応答して、前記電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織のインピーダンスを感知するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサ及び前記電極と通信し、前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整するように動作可能である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記制御モジュールが、感知されたインピーダンスが閾値に達したことに応答して、前記電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記制御モジュールが、前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、直流双極アブレーションのパルスのうちの1つ以上の電圧及び持続時間、又は前記電極への高周波エネルギーの周波数もしくは振幅の一方又は両方を変化させるように動作可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記センサと通信する制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが、
(i)前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、前記センサが組織と接触しているかどうかを決定すること、及び
(ii)前記センサからのインピーダンスデータに基づいて前記センサが組織と接触していると決定することに応答して、前記センサが組織と接触していることを示すこと、を実行するように構成されている、請求項9に記載の装置。
【請求項14】
制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサと通信し、前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成され、前記制御モジュールが、前記センサからの力データに基づいて、前記センサが組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、
(i)前記センサからの力データが前記センサと組織との間の接触を示すまで、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整すること、又は
(ii)前記センサからの力データが前記センサと組織との間の接触を示すまで、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を防止すること、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成された力センサを含み、前記力センサが、圧電素子を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記力センサが、
(i)第1の電極層及び第2の電極層であって、前記圧電素子が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間の第1の関連領域の間に挿入されている、第1の電極層及び第2の電極層と、
(ii)前記圧電素子に隣接する一対の誘電体層であって、前記誘電体層が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間の第2の関連領域の間に挿入されている、一対の誘電体層と、を更に備える、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成された力センサを含み、前記力センサが、対応する一対の支持構造体に固定された一対のアームを含み、前記力センサが、前記アームの変形に基づいて力を感知するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)電極であって、前記電極が組織接触面を有し、前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して凹んでおり、
(A)環状電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は
(B)前記環状電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、
(iii)組織接触面を有するセンサであって、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記電極の前記組織接触面に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【請求項20】
装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)電極であって、前記電極が、組織接触面及び中央領域を有し、前記電極の前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して露出しており、
(A)環状電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は
(B)前記環状電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、
(iii)前記電極の前記中央領域に位置付けられたセンサであって、前記センサが組織接触面を有し、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して、かつ前記電極の前記組織接触面に対して露出している、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の通信を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の通信を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0003】
一部の処置では、1つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内でアブレーションを行うことができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触するように配置し、次にRFエネルギーで活性化し、それによって、接触した組織を切除することができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と組み合わせて単極電極を使用してもよい。灌注を使用して、アブレーションカテーテルの切除構成要素から熱を引き出し、アブレーション部位付近に血栓が形成されるのを防ぐことができる。
【0004】
アブレーションカテーテルの例は、2013年1月31日に公開された「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」と題する米国特許出願公開第2013/0030426号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2018年3月15日に公開された「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」と題する米国特許出願公開第2018/0071017号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)、2015年2月17日に発行された「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」とダイする米国特許第8,956,353号(その開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)で説明されている。
【0005】
一部のカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピングを使用してアブレーションの標的とすべき組織領域を特定した後に実行されてもよい。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用される同じカテーテル、又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。
【0006】
アブレーションカテーテルを使用する場合、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極が標的組織に十分に接触していることを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織を不必要に損傷させる傾向がある程度の力を印加することがないようにしながら、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ以上の電極が標的組織に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。そのために、アブレーションカテーテルの1つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0007】
力感知又はEPマッピングを使用することに加えて、一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することが可能になり得る。Irvine,CaliforniaのBiosense Webster,Inc.によるCARTO 3(登録商標)システムを含む一部のシステムは、EPマッピング機能とIGS機能との組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されているカテーテルの例は、2016年11月1日に発行された「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」と題する米国特許第9,480,416号(その開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書で引用されている様々な他の参考文献に開示されている。
【0008】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、本明細書に記載され、例示され、かつ特許請求される本発明を実施又は使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図である。
【
図2】追加の構成要素が概略形式で示されている、
図1のカテーテルアセンブリの斜視図である。
【
図3】追加の構成要素が概略形式で示されている、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図4】内部構成要素を明らかにするために外側シースが省略されている、
図1のカテーテルの遠位部分の斜視図である。
【
図5】
図1のカテーテルの遠位部分の分解斜視図である。
【
図6】
図1のカテーテルのエンドエフェクタに組み込まれ得る電極及びセンサアセンブリの例を示す図である。
【
図7】
図6の線7-7に沿った、
図6の電極及びセンサアセンブリの断面図である。
【
図8】
図6の電極及びセンサアセンブリに組み込まれ得る力センサの例の側面断面図である。
【
図9】
図6の電極及びセンサアセンブリに組み込まれ得る力センサの別の例の上面図である。
【
図11】力センサの質量が垂直に配向された力に遭遇している、
図9の力センサの側面図である。
【
図12】力センサの質量が横方向に配向された力に遭遇している、
図9の力センサの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0011】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0012】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、記載された値の±10%の値の範囲を指してもよく、例えば、「約90%」は、81%~99%の値の範囲を指してもよい。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0013】
I.例示的なアブレーションカテーテルシステムの概要
図1は、上記のように心臓アブレーションを行うために使用され得る心臓アブレーションカテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。特に、
図1は、カテーテルアセンブリ(100)のカテーテル(120)(
図2~
図3に示されているが、
図1には示されていない)のエンドエフェクタ(140)が、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内又はその近くの組織を切除するために患者(PA)に配置されている状態で、医師(physician、PH)がカテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)を把持していることを示す。
図2に示されるように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドル(110)と、ハンドル(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドル(110)に関連付けられた偏向駆動アセンブリ(112)とを含む。
【0014】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に加えられた外力を追跡し、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。以下で更に詳細に説明するように、偏向駆動アセンブリ(112)は、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分を、カテーテル(120)の近位部分によって画定される中央長手方向軸(L-L)(
図3~
図5)から離れるように偏向させるように構成されている。
【0015】
図3に示すように、カテーテル(120)は、細長い可撓性シース(122)を含み、エンドエフェクタ(140)は、シース(122)の遠位端に配設されている。細長い可撓性シース(122)内に収容されるエンドエフェクタ(140)及び様々な構成要素について、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)と結合されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下方に配置され、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0016】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と結合されている。一部の変形例では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極(138)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。
【0017】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって、組織を切除するように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)と結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を活性化させて、患者(PA)の心臓(H)の周りに交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0018】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)内の位置センサアセンブリ(150)からの位置指示信号を受信するように動作可能である。そのような変形形態では、コンソール(12)のプロセッサはまた、位置センサアセンブリ(150)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定するように動作可能である。以下でより詳細に説明するように、位置センサアセンブリ(150)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成するように動作可能な、それぞれのパネル(151)上に一対のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成される。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術としては、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを挙げることができる。代替的に、エンドエフェクタ(140)は、位置センサアセンブリ(150)を欠いてもよい。
【0019】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に取得された一組の画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づき得る。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造の図はまた、エンドエフェクタ(140)の位置センサアセンブリ(150)からの信号に基づいて動的に変化してもよい。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、位置センサアセンブリ(150)からの対応する位置データが、コンソール(12)のプロセッサに、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造の図をリアルタイムで更新させ、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を示してもよい。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)を用いた電気生理学的(EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で(例えば、専用のEPマッピングカテーテルを使用するなど)検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すようにディスプレイ(18)を駆動することができる。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、照明ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位のいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0020】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照明ドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又はいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を観察するいかなる光学機器(すなわち、カメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じビューにおいて、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位及び患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関連して、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0021】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更と結合されている可撓性チューブを含む。以下でより詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである任意の好適な方法で行うことができる。
【0022】
II.カテーテルアセンブリのエンドエフェクタの例
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に加えられた外力を追跡し、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。
図3~
図5は、エンドエフェクタ(140)の例示的な構成要素、及びカテーテル(120)の遠位部分の他の構成要素をより詳細に示す。エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)と、遠位先端基部(144)と、遠位回路ディスク(146)と、力センサアセンブリ(148)と、位置センサアセンブリ(150)と、遠位スペーサスタック(152)と、一対の近位スペーサ(154)と、を含む。遠位先端部材(142)、遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)、力センサアセンブリ(148)、位置センサアセンブリ(150)、遠位スペーサスタック(152)、及び近位スペーサ(154)は、互いに同軸上に整列され、これらの構成要素(144~154)が積層回路を画定するように長手方向に積層される。一対のプッシュプルケーブル(160、170)及び灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延び、エンドエフェクタ(140)に到達する。前述の構成要素のそれぞれについて以下でより詳細に説明する。可撓性シース(122)は、遠位先端部材(142)を除いて、前述の構成要素の全てを取り囲む。
【0023】
図4~
図5に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)は、ドーム先端を有する円筒形本体(156)を含む。円筒形本体(156)及びドーム先端は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。複数の開口部(158)は、円筒形本体(156)を通って形成され、また遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)により、灌注流体が、遠位先端部材(142)の内部から円筒形本体(156)を通って外に連通することが可能になる。円筒形本体(156)及びドーム先端はまた、組織にRF電気エネルギーを印加して、それによって、組織を切除するように動作可能である。このようなRF電気エネルギーは、ケーブル(30)を介して、第1のドライバモジュール(14)から最も近位にあるスペーサ(154)に通信されてもよい。遠位先端部材(142)はまた、温度感知機能を提供するように構成された1つ以上の熱電対を含んでもよい。
【0024】
図3~
図4に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒形本体(156)に装着された1つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成される。したがって、EPマッピング微小電極(138)を使用して、心臓血管解剖学的構造(例えば、肺静脈など)内の組織における異常な電気的活動の位置を決定することができる。EPマッピング微小電極(138)によってピックアップされた信号は、力センサアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用されている様々な参考文献の教示に従って、異常な電気的活動の位置を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0025】
円筒形本体(156)が組織アブレーション用のRF電気エネルギーを供給するために導電性材料で形成されている変形例では、円筒形本体(156)とEPマッピング微小電極(138)との間に電気絶縁材料を差し挟んで、それによって、EPマッピング微小電極(138)を円筒形本体(156)から電気的に絶縁することができる。EPマッピング微小電極(138)は、本明細書に引用されている様々な特許参考文献の教示に従って構築され、動作可能であってもよい。1つのEPマッピング微小電極(138)のみが示されているが、遠位先端部材(142)は、2つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含んでもよい。あるいは、遠位先端部材(142)は、EPマッピング微小電極(138)を完全に欠いている場合がある。
【0026】
遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成された中央開口を画定する。遠位先端基部(144)は、遠位先端部材(142)の近位端が当接し得る環状肩部を形成する。遠位先端部材(142)はまた、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを受け入れるように構成された横方向ノッチを画定する。
図3~
図4に示されるように、遠位回路ディスク(146)は、遠位先端基部(144)の近位に配置されている。遠位回路ディスク(146)は、遠位先端部材(142)の近位に延在するタブを介して遠位先端部材(142)にRF電気エネルギーを通信するように動作可能な回路を含む。1つ以上のEPマッピング電極(138)が含まれる変形例では、遠位回路ディスク(146)はまた、EPマッピング電極(138)からのEPマッピング信号を通信するように動作可能な回路を含んでもよい。
【0027】
一部の変形例では、遠位回路ディスク(146)は、1つ以上の送信コイルを更に含む。そのような送信コイルは、遠位回路ディスク(146)の近位にある1つ以上の相補的コイルへの信号(例えば、微小電極(138)からのEPマッピング信号)の無線通信を提供することができる。更に又は代替的に、そのような送信コイルは、遠位回路ディスク(146)の近位にある1つ以上の相補的コイルから遠位先端部材(142)へのRF電気エネルギーの無線通信を提供することができる。コイルが遠位回路ディスク(146)及び力センサアセンブリ(148)の近位にある1つ以上の他の層にコイルが組み込まれる変形形態では、そのようなコイルは、したがって、力センサアセンブリ(148)にわたって長手方向に通過するワイヤ、ビア、又は他の導電性構造体を必要とせずに、力センサアセンブリ(148)にわたる電気信号の無線通信を可能にし得る。
【0028】
いくつかの変形形態では、遠位回路ディスク(146)は、遠位先端部(142)に印加された接触力を決定するために、力センサアセンブリ(148)に印加されている歪みを検出するために、位置センサアセンブリ(150)の受信コイル(receiving、RX)と対になっている少なくとも1つの送信コイル(transmission、TX)を含む。遠位回路ディスク(146)のいくつかの他の変形例は、単にTXコイルを省略してもよい。
【0029】
力センサアセンブリ(148)は、遠位回路ディスク(146)の近位に位置付けられ、遠位先端部材(142)に対して衝突する外力を感知するように構成されている。遠位先端部(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられるとき)、それらの外力は、遠位先端部(142)から遠位先端基部(144)、遠位回路ディスク(146)に伝達され、歪みゲージが外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得るように、力センサアセンブリ(148)に伝達される。力センサアセンブリ(148)からの信号は、力センサアセンブリ(148)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。第1のドライバモジュール(14)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるような任意の好適な方法に従って歪み信号を処理することができる。あくまで一例として、コンソール(12)は、遠位先端部材(142)が所定の閾値を超える力に遭遇していることを力センサアセンブリ(148)が示すときに、医師(PH)に警告するために可聴フィードバックを提供してもよく、それによって、医師(PH)が遠位先端部材(142)を有する心血管解剖学的構造を無意識に損傷することを防止する。
【0030】
位置センサアセンブリ(150)は、実質的な精度を有する三次元空間内のエンドエフェクタ(140)の位置及び向きを示す信号を生成してもよい。位置センサアセンブリ(150)は、磁場発生器(20)によって生成された交流磁場に応答して位置指示電気信号を生成するように動作可能なRXコイルをそれぞれ含む、複数のパネル(151)を含む。各RXコイルは、外部送信機のTXコイル(例えば、患者(PA)の身体の外部に配置され、個別の無線周波数を放出する磁場発生器(20)によって提供される3つのTXコイル)によって放出された無線周波数信号を受信するための電気コイル又はアンテナを画定する電気トレースによって形成されてもよく、それにより、各RXコイルの位置及び向きは、磁場発生器(20)によって提供されるTXコイルに関して決定することができる。位置センサアセンブリ(150)からの信号は、歪み位置センサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造体を通じて通信されてもよく、最終的にはケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に到達する。
【0031】
位置センサアセンブリ(150)の中央環状体は、遠位先端部材(142)の中空内部への灌注流体の連通のための経路を提供するように構成された中央開口部を画定する。位置センサアセンブリの中央環状体が無線通信コイルを含む変形形態では、そのような無線通信コイルは、歪み位置センサアセンブリ(150)の近位にある層内のビア又は他の構造体と更に連結されてもよく、それによって、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)と電気通信するための経路を提供する。
【0032】
本実施例では、各遠位スペーサ(153)は、一般に、ディスクのような形状であり、一対の弦状の切り欠きは、互いから90度だけ角度的にオフセットされている。これらの切り欠きは、位置センサアセンブリ(150)のそれぞれのパネル(151)を収容するようにサイズ決め及び構成され、それによって、パネル(151)を遠位スペーサスタック(152)とシース(122)との間に半径方向に介在させることができる。各遠位スペーサ(153)はまた、互いから180度だけ角度的にオフセットされた一対のケーブルノッチを含む。これらのケーブルノッチは、プッシュプルケーブル(170、172)のそれぞれの遠位端部分(174、164)を受容するように構成されている。各遠位スペーサ(153)は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成された中央開口を更に含む。
【0033】
各近位スペーサ(154)は、ディスク状の形状であり、3つの開口部がその中を通って形成される。中央開口は、遠位先端部材(142)の中空内部に灌注流体を連通させるための経路を提供するように構成される。側面開口部は、それぞれのプッシュプルケーブル(160、170)の近位部分(162、172)を受容するようにサイズ決め及び構成される。
【0034】
上記のように、また
図1及び
図3に示されるように、ケーブル(30)は、カテーテルアセンブリ(100)を駆動システム(10)と結合する。
図4に示されるように、ケーブル(30)のワイヤ(32)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、最も近位にある近位スペーサ(154)に到達する。したがって、ワイヤ(32)は、シース(122)内に収容されてもよい。ワイヤ(32)は、任意の好適な方法で、最も近位にある近位スペーサ(154)と物理的及び電気的と結合することができる。
【0035】
また上述したように、カテーテルアセンブリ(100)は、流体導管(40)を介して流体源(42)からカテーテル(120)に灌注流体を連通させることを可能にし、それによって遠位先端部材(142)の開口部(158)を介して灌注流体の排出を提供するように構成されている。本実施例では、灌注流体の流体経路は、
図4~
図5に示される灌注チューブ(180)を含む。灌注チューブ(180)の近位端は、(例えば、カテーテルアセンブリ(100)のハンドル(110)において)流体導管(40)と結合されている。灌注チューブ(180)は、カテーテル(120)の長さに沿って延在して、エンドエフェクタ(140)に到達する。いくつかの変形形態では、灌注流体は、上述の中央開口部によって整列された中央通路を通って灌注チューブ(180)の遠位端から連通されてもよく、最終的に遠位先端基部(144)の開口部(218)を介して遠位先端部材(142)の内部に到達する。
【0036】
III.カテーテルアセンブリのエンドエフェクタ用の電極及びセンサアセンブリの例
EPマッピング又はアブレーションカテーテルのエンドエフェクタは、エンドエフェクタによって接触されている組織に関連する状態を感知するように構成された様々な種類のセンサを含み得る。そのようなセンサは、力センサ、温度センサ、インピーダンスセンサ、又は他の種類のセンサを含み得る。従来のEPマッピング又はアブレーションカテーテルでは、そのようなセンサは、EPマッピング電極(例えば、微小電極(138))又はアブレーション電極から離間され得る。EPマッピング電極又はアブレーション電極から離間されることにより、そのようなセンサを通して取得されたデータは、必ずしも組織が所与の電極によって接触されている正確な場所に関連する状態の完全に正確な表現を提供しない場合がある。したがって、センサが、実際に、組織が所与の電極によって接触されている正確な場所に関連する状態の正確な表現であるデータを提供するように位置付けられ、動作可能であるエンドエフェクタを提供することが望ましい場合がある。そのために、
図6~
図7は、エンドエフェクタ(140)などのエンドエフェクタに組み込まれ得る電極及びセンサアセンブリ(200)の例を示す。
【0037】
図6~
図7に示すように、この例の電極及びセンサアセンブリ(200)は、外面(212)に凹部(220)を画定する基部構造体(210)を含む。単なる例として、基部構造体(210)は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の円筒状本体(156)の代替物である構造体の一部を形成し得る。基部構造体(210)は実質的に平坦であるように示されているが、基部構造体(210)は、代替的に(例えば、ドーム先端又は他の非平坦形状を形成するために)曲率を有し得る。
図6~
図7の基部構造体(210)に1つの凹部(220)のみが示されているが、基部構造体(210)は、以下でより詳細に説明するように、いくつかの凹部(220)及び関連する特徴を有し得る。基部構造体(210)はまた、基部構造体(210)を介した洗浄流体、血液、又は他の流体の連通を可能にするために、開口部(158)と同様の複数の開口部を画定し得る。単なる例として、基部構造体(210)は、従来のフレックス回路材料(例えば、ポリイミド)、ニチノール又は他の金属材料、又は本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるような任意の他の好適な種類の材料を含み得る。
【0038】
凹部(220)は、側壁(222)を含む。本実施例では、凹部(220)は円形であるが、その代わりに、正方形、六角形などを含むがこれらに限定されない任意の他の好適な形状を有してもよい。電極(230)が基部構造体(210)の外面(212)に対して凹んでいるように、電極(230)は、凹部(220)の底部に位置付けられる。場合によっては、電極(230)は、電極(230)と接触する組織から電位を拾い上げるように構成されるように、(例えば、EPマッピング微小電極(138)のような)EPマッピング電極である。更に又は代替的に、電極(230)は、電極(230)がRFエネルギーで活性化されたときに電極(230)に接触する組織をアブレーションするように構成されるように、アブレーション電極として機能し得る。電極及びセンサアセンブリ(200)のいくつかの変形形態は、EPマッピングに使用される1つ以上の電極(230)と、アブレーションに使用される1つ以上の電極(230)との組み合わせを含み得る。
【0039】
本例では、センサ(240)は、電極(230)の中心に配置されている。センサ(240)は、センサ(240)が電極(240)の上方に上昇するように、側壁(224)を介して電極(230)からオフセットされている。いくつかの変形形態では、センサ(240)は、基部構造体(210)の外面(212)と同じ高さにある。いくつかの他の変形形態では、センサ(240)は、基部構造体(210)の外面(212)に対して凹んでいるが、電極(230)ほど凹んでいない。更に他の変形形態では、センサ(240)は、基部構造体(210)の外面(212)に対して外向きに突出している。センサ(240)は、側壁(224)の上に完全に配置されているように示されているが、センサ(240)のいくつかの変形形態は、側壁(224)に沿って位置付けられている(例えば、センサ(240)の一部分が凹部(220)の側壁(222)に面するように)センサ(240)の少なくとも一部分を含み得る。そのような変形形態では、側壁(224)に沿って配置されたセンサ(240)の均一な部分は、依然として組織と接触し得る。
【0040】
本実施例では、凹部(220)が円形であり、センサ(240)及び側壁(224)が凹部(220)及び電極(230)の軸方向中心に配置されている状態で、電極(230)は、この例では、電極(230)が側壁(224)の外周を取り囲むように、環状形状を有する。別の単なる例示的な例として、センサ(240)は、電極(230)の外側に直接隣接して配置され得る。あるいは、任意の他の適切な配置及び関係を利用することができる。
【0041】
本明細書に記載の電極及びセンサアセンブリ(200)を組み込んだエンドエフェクタの使用中、電極及びセンサアセンブリ(200)は、電極(230)及びセンサ(240)が組織と同時に接触するように、組織(例えば、心臓(H)のチャンバ内、肺静脈内など)に対して押圧され得る。本実施例では、電極(230)の組織接触面は、電極(230)に接触するために、組織が凹部(220)に脱出するか、又は他の方法で凹部(220)に入ることができるように、基部構造体(210)の外面(212)に対して凹んでいる。いくつかの他の変形形態では、電極(230)の組織接触面は、基部構造体(210)の外面(212)と実質的に同一平面上にある。そのような変形形態では、センサ(240)の組織接触面は、電極(230)の組織接触面と同一平面にあり得るか、又は電極の組織接触面(230)に対して上昇している。別の単なる例示的な例として、電極(230)の組織接触面は、基部構造体(210)の外面(212)に対して上昇し得る。やはり、そのような変形形態では、センサ(240)の組織接触面は、電極(230)の組織接触面と同一平面にあり得るか、又は電極の組織接触面(230)に対して上昇している。しかしながら、電極(230)が組織から信号を拾い上げるために、組織は必ずしも電極(230)に接触する必要はないことを理解されたい。例えば、信号は、組織が電極(230)に十分に近接したときに、組織と電極(230)との間に介在する流体(例えば、血液、生理食塩水など)を介して伝達され得る。
【0042】
図7に示すように、導管(232)は、電極(230)と結合され、2つの導管(242、244)は、センサ(240)と結合される。いくつかの他の変形形態では、電極(230)は、2つの導管(232)を有する。導管(232、242、244)は、ワイヤ、導電性トレースなどを含むがこれらに限定されない様々な形態をとることができる。導管(232、242、244)は、ケーブル(30)を介してコンソール(12)と最終的に通信することができる。したがって、コンソール(12)は、導管(232)及びケーブル(30)を介して電極(230)からのEPマッピング信号を受信し、導管(232)及びケーブル(30)を介して電極(230)にRFエネルギーを提供するか、又は導管(242、244)及びケーブル(30)を介してセンサ(240)からデータを受信するように動作可能であり得る。導管(232、242、244)が基部構造体(210)に統合され得るか、又は他の方法で基部構造体(210)によって支持され得る様々な好適な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0043】
センサ(240)は、様々な種類の状態を感知するように動作可能であり得る。単なる例として、センサ(240)は、センサ(240)によって接触されている組織の温度を感知するように動作可能であり得る。そのような変形形態では、センサ(240)は、電極(230)の温度を測定することなくセンサ(240)によって接触されている組織の温度のみを測定するように、電極(230)に対して熱的に隔離され得る。単なる例として、温度を感知するように動作可能なセンサ(240)の変形形態は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるように、熱電対又は任意の他の好適な種類の温度センサを含み得る。電極(230)が組織にRFアブレーションエネルギーを印加するように動作可能である変形形態では、センサ(240)によって拾われた温度データは、コンソール(12)によって処理されて、電極(230)によるRFエネルギーの送達をリアルタイムで調整することができる。例えば、そのような温度データを使用して、組織がアブレーション中に過剰加熱されるのを防ぐために、組織が十分にアブレーションされたときを決定することができる。そのような場合、コンソール(12)は、電極(230)によるRFエネルギーの送達中に、センサ(240)からの組織インピーダンスデータをリアルタイムで追跡することができる。組織温度データが、特定の閾値に達したことを示すと、コンソール(12)は、電極(230)によるRFエネルギーの送達を停止するか、又は他の方法で低減し得る。更に又は代替的に、コンソール(12)は、本明細書における教示に照らして当業者に明らかであるように、他の目的のためにセンサ(240)からの組織温度データを利用してもよい。
【0044】
更なる単なる例として、センサ(230、240)は、センサ(230、240)によって同時に接触されている組織のインピーダンスを感知するために一緒に利用され得る。そのようなインピーダンス値は、組織とセンサ(230、240)との間の接触を識別するために使用され得る。例えば、センサ(230、240)が組織と接触する前に、及びセンサ(230、240)の一方又は両方が血液と接触している間、感知されたインピーダンス値は比較的低くなり得る。センサ(230、240)が組織と接触すると、感知されたインピーダンス値は実質的に増加し得る。したがって、センサ(230、240)によって感知されたインピーダンスのスパイクは、センサ(230、240)と組織との間の接触を示すことができる。これは、組織とセンサ(240)に隣接する電極(230)との間の接触を示すと更に理解され得る。互いに密接に配置されたセンサ(230、240)を利用することにより、電極及びセンサアセンブリ(200)を有するエンドエフェクタ(140)は、外部電極(例えば、患者の皮膚に接着されたパッチ)と協働して、エンドエフェクタ上の1つの電極を使用することによってインピーダンスを感知するエンドエフェクタと比較して、組織接触を検出するための実質的に大きな感度を提供し得る。
【0045】
組織のインピーダンスが組織へのRFアブレーションエネルギーの送達に基づいて変化する限り、電極(230)がRFアブレーションエネルギーを組織に印加するように動作可能である変形形態では、組織インピーダンスデータは、コンソール(12)によって処理されて、電極(230)によるRFエネルギーの送達をリアルタイムで調整することができる。例えば、そのような組織インピーダンスデータを使用して、組織がアブレーション中に過剰加熱されるのを防ぐために、組織が十分にアブレーションされたときを決定することができる。そのような場合、コンソール(12)は、電極(230)によるRFエネルギーの送達中に、センサ(240)からの組織インピーダンスデータをリアルタイムで追跡することができる。組織インピーダンスデータが、特定の閾値に達したことを示すと、コンソール(12)は、電極(230)によるRFエネルギーの送達を停止し得る。同様に、コンソール(12)は、パルス直流双極アブレーション(例えば、不可逆的エネルギーアブレーション又はパルスフィールドアブレーション)の形態の交流(AC)又はRFエネルギー送達の形態の直流(DC)などの好適な形態のエネルギーを停止する前に、センサ(240)からのリアルタイム組織インピーダンスデータに基づいて、RFエネルギー送達の周波数、振幅、又は他の特性を変化させ得る。更に又は代替的に、コンソール(12)は、本明細書における教示に照らして当業者に明らかであるように、他の目的のためにセンサ(240)からの組織インピーダンスデータを利用してもよい。
【0046】
別の例として、センサ(240)は、組織接触力(例えば、センサ(240)が押圧される組織によって課される垂直力)を感知するように動作可能であり得る。そのような力センサは、様々な異なる形態をとり得る。
図8は、センサ(240)がとり得る形態の一例を示す。
図8~
図12は、センサ(240)の力感知の変形形態がとり得る形態のいくつかの例を示し、以下でより詳細に説明される。他の例は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるように、容量性膜構造又は任意の他の好適な種類の力感知構造を含み得る。
【0047】
図8は、圧電原理を使用して動作し、第1の電極層(310)及び第2の電極層(320)を含む力センサ(300)を示す。単なる例として、電極層(310、320)は、銅又は任意の他の適切な材料を含むことができる。第1の電極層(310)は、(例えば、上述のセンサ(240)のような)組織と接触するように配置され得る。第2の電極層(320)は、側壁(224)の上部に配置されて、力センサ(300)に基礎的な支持(すなわち、機械的接地)を提供することができる。いくつかの変形形態では、第2の電極層(320)は、上述のセンサ(230)のような追加の感知要素を提供する。
【0048】
一対の誘電体層(330、340)が、電極層(310、320)の対応する領域の間に挿入され、電極層(310、320)は、互いに平行に配向されている。特に、第1の誘電体層(330)は、第1の電極層(310)の下に直接配置され、第2の誘電体層(340)は、第2の電極層(320)上に直接配置され、誘電体層(330、340)は、互いに直接並置されている。単なる例として、各誘電体層(330、340)は、ポリイミド材料を含み得る。更なる例として、各誘電体層(330、340)は、デラウェア州ウィルミントンのDuPont de Nemours社のKAPTON(登録商標)を含んでもよい。本実施例では、一対の誘電体層(330、340)が提供されているが、いくつかの他の変形形態は、単一の誘電体層(330、340)のみを有し得る。第1の電極層(310)がセンサ(240)と構造的かつ機能的に類似しており、第2の電極層(320)がセンサ(230)と構造的かつ機能的に類似している変形形態では、誘電体層(330、340)によって提供される構造体は、電極及びセンサアセンブリ(200)の側壁(224)に構造的及び機能的類似体を提供し得ることも理解されたい。別の単なる例示的な例として、第1の電極層(310)は、センサ(240)と構造的かつ機能的に類似しており、第2の電極層(320)は、誘電体層(330、340)と協働し得て、側壁(224)に(例えば、別個の電極が電極(230)の類似体として提供されるように)構造的及び機能的類似体を提供する。
【0049】
圧電素子(350)は、誘電体層(330、340)に横方向に隣接する、電極層(310、320)の別の領域の間に挿入される。圧電素子(350)の上部は、導電性接着剤(352)によって第1の電極層(310)の下側に接合され、圧電素子(350)の下部は、導電性接着剤(354)によって第2の電極層(310)の上側に接合されている。
【0050】
使用中、力センサ(300)は、組織によってセンサ(300)に加えられる力に基づいて可変電圧を生成し得る。言い換えれば、組織によってセンサ(300)に課される力が大きいほど、力センサ(300)によって生成される電圧が大きくなる。力センサ(300)のいくつかの変形形態では、両方の電極層(310、320)は、組織に接触するように配置されてもよく、電極層(310、320)はまた、組織温度又は組織インピーダンスを感知するように動作可能であり得る。したがって、センサ(300)のいくつかの変形形態は、組織接触力、組織温度、及び組織インピーダンスの任意の組み合わせを感知するように動作可能であり得る。更に別の単なる例示的な変形形態として、いずれか又は両方の層(310、320)は、電極(230)のようなEPマッピング又はアブレーション機能の一方又は両方を提供するように動作可能であり得る。
【0051】
図9~
図12は、センサ(240)がとり得る形態の別の例を示す。特に、
図9~
図12は、第1の対の対向するアーム(412)及び第2の対の対向するアーム(414)を有する第1の本体(410)を含む力センサ(400)を示す。アーム(412)は、アーム(414)から90度離間している。アーム(412)は、この例ではアーム(414)よりも長い長さを有する。単なる例として、第1の本体(410)は、金又はクロムを含み得る。立方体形状の質量(440)は、第1の本体(410)の中央領域の上部に配置され、それに結合されている。質量(440)は、質量(440)が接触組織によって加えられる力を直接受け取るように組織に接触するように配置され、力センサ(400)は、質量(440)に課される力を示す信号を生成する。質量(440)は、本実施例では立方体として示され説明されているが、質量(440)は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであるように、任意の他の好適な形状を有し得る。
【0052】
第1の層(430)は、第1の本体(410)の少なくとも一部分の下に配置される。第1の層(430)は、第1の本体(410)の1つのアーム(414)に対して外向きに突出する第1のアーム領域(450)と、第1の本体(410)の他のアーム(414)に対して外向きに突出する第2のアーム領域(452)とを含む。したがって、アーム領域(450、452)は、アーム(414)に対して露出される。単なる例として、第1の層(430)はドープされたシリコンを含み得る。第2の層(432)は、第1の層(430)の下に配置される。例えば、第2の層(432)は、第1の層(430)の下側全体にわたって広がり得る。単なる例として、第2の層(432)は、シリコンを含み得る。
【0053】
図11~
図12に示すように、層(430、432)は、第1のアーム領域(450)が第1の支持構造体(500)に隣接して配置され、第2のアーム領域(452)が第2の支持構造体(502)に隣接して配置されるように、2つの支持構造体(500、502)に固定され得る。支持構造体(500、502)は、支持構造体(500、502)が力センサ(400)に基礎的な支持(すなわち、機械的接地)を提供するように、側壁(224)の上部に支持され得る。あるいは、支持構造体(500、502)は、電極(230)の近くであるが側壁(224)上ではない、基部構造体(210)の外面(212)に配置され得る。更なる例として、支持構造体(500、502)は、(例えば、支持構造体(500、502)が、基部構造体(210)の外面(212)に固定された別個の構成要素ではないように)基部構造体(210)の外面(212)によって画定されてもよく、質量(440)は、(例えば、センサ(240)の代わりに)電極(230)の中央領域の上に配置されてもよく、アーム(412、414)は、電極(230)の中央領域の上の質量(440)を支持するために、電極(230)上の空間上に広がってもよい。力センサ(400)が電極及びセンサアセンブリ(200)に統合され得るか、又は他の方法でエンドエフェクタ(140)に統合され得る他の好適な方法は、本明細書の教示に照らして当業者には明らかであろう。
【0054】
図11は、概ね垂直な力を受け、第1の本体(410)の中央領域を変形させ、両方のアーム領域(450、452)を下向きに変形させる力センサ(400)を示す。言い換えれば、力センサ(400)は、
図11の通常の偏向に遭遇する。垂直配向力(p)は、以下の式を使用して測定され得る。
p=(ΔR
1/R
1+ΔR
2/R
2)/k
p
式中、pは垂直配向力の大きさであり、
R
1は、第1のアーム領域(450)における第1の層(430)の抵抗であり、
R
2は、第2のアーム領域(452)における第1の層(430)の抵抗であり、また、
k
pは、垂直力の変換定数である。
【0055】
図12は、概ね横方向に配向された力を受け、第1のアーム領域(450)を上向きに、かつ第2のアーム領域(452)を下向きに変形させる力センサ(400)を示す。言い換えれば、力センサ(400)は、
図12の剪断偏向に遭遇する。横方向に配向された力(T)は、以下の式を使用して測定され得る。
T=(ΔR
1/R
1-ΔR
2/R
2)/k
s
式中、Tは横方向に配向された力の大きさであり、
R
1は、第1のアーム領域(450)における第1の層(430)の抵抗であり、
R
2は、第2のアーム領域(452)における第1の層(430)の抵抗であり、また、
k
sは、剪断力の変換定数である。
【0056】
当然のことながら、実世界シナリオでは、センサ(400)に課される力は、垂直に配向された構成要素と横方向に配向された構成要素との組み合わせを含み得る。センサ(400)は、力方向ベクトルを導出するために2つの軸力を検出し得ることを理解されたい。(例えば、剪断/横方向の力を測定することなく)垂直力のみを測定するために、他の変形形態は簡略化され得る。
【0057】
センサ(240)が(例えば、センサ(240)がセンサ(300)の形態、センサ(400)の形態、又はいくつかの他の形態である)力を測定するように動作可能である変形形態では、センサ(240)からの力データは、様々な方法で使用され得る。例えば、コンソール(12)は、ディスプレイ(18)を駆動して、対応する電極(230)が組織に押圧している力を反映し得るセンサ(240)が遭遇する力の量を示す視覚フィードバックを医師(PH)に提供し得る。力が閾値(例えば、過度の力で組織を圧迫することによる組織への望ましくない外傷に関連する値)を超える場合、コンソール(12)は、医師(PH)に可聴表示又は視覚表示を更に提供して、組織に対して力を加えすぎていることを医師(PH)に警告してもよい。更に又は代替的に、センサ(240)からの力データは、コンソール(12)によって処理されて、電極(230)によるRFエネルギーの送達をリアルタイムで調整することができる。例えば、コンソール(12)は、対応するセンサ(240)からの力データが、センサ(240)及び電極(230)が十分な力で組織に対して押圧されていることを示すまで、電極(230)がRFエネルギーで活性化されるのを防止し得る。更に別の例として、センサ(240)からの力データを使用して(例えば、RF印加の電力及び持続時間などの他の測定値と組み合わせて)、電極(230)を使用してアブレーション処置によって生成される病変のサイズを推定することができる。あるいは、センサ(240)からの力データは、(例えば、エンドエフェクタ(140)による組織の不注意な穿孔を回避するために)力が閾値を超えるとき警告を提供することを含むがこれらに限定されない、本明細書の教示に照らして当業者には明らかである、任意の他の好適な目的に使用され得る。エンドエフェクタ(140)が温度を測定するように動作可能である変形形態では、力測定センサの読み取り値が温度によって影響(例えば、要素の膨張/収縮などによる)を受ける可能性があるため、温度測定値を使用して、力測定値の誤差補正を提供することができる。
【0058】
本実施例では、電極(230)及びセンサ(240)は一体的に構成されている。言い換えれば、電極(230)及びセンサ(240)は、同じプロセスで同時に一緒に構築され得る。いくつかの他の変形形態では、電極(230)及びセンサ(240)を別々に構築し、次いで、一緒に組み立ててもよい(例えば、積層プロセス又は他のプロセスを通して)。
【0059】
上記から、電極及びセンサアセンブリ(200)の構成は、各センサ(240)が、対応する電極(230)に空間的に関連する高度に局所的なデータを提供することを可能にすることを理解されたい。そのような高度に局所的なデータは、電極(230)から更に空間的に変位されたセンサから取得されるデータよりも有意であり得る。例えば、従来のアブレーションカテーテルが、(2つ以上のアブレーション電極を含み得る)エンドエフェクタの先端全体の接触力を示す接触力データを提供する単一の接触力センサを提供し得る限り、エンドエフェクタ上に複数の電極及びセンサアセンブリ(200)を含むアブレーションカテーテルは、電極(230)毎に接触力データのいくつかの別個の測定値を提供し得る。各センサ(240)の比較的小さいサイズが、センサ(240)と組織との間の完全な接触を促進し得ることも理解されたく、これは、使用中に組織がセンサの一部にしか接触しないほどに大きいセンサを有する従来のカテーテルとは対照的である。センサ(240)と組織との間の完全な接触は、一部しか組織と接触しないより大きなセンサによって取得されるデータよりも信頼性が高く意味のあるデータを提供することができる。
【0060】
IV.組み合わせの例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であると見なされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものと見なされるべきではない。
【実施例1】
【0061】
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、(b)カテーテル本体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、(ii)組織接触面を有する電極と、(iii)組織接触面を有するセンサであって、センサが、センサの組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、センサの組織接触面が、エンドエフェクタ本体部材の外面又は電極の組織接触面のうちの一方又は両方に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例2】
【0062】
エンドエフェクタがドーム先端を画定する、実施例1の装置。
【実施例3】
【0063】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げるように動作可能である、実施例1から2のいずれか1つ以上の装置。
【実施例4】
【0064】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、実施例1から3のいずれか1つ以上の装置。
【実施例5】
【0065】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加し、それにより、電極の組織接触面に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、実施例4の装置。
【実施例6】
【0066】
エンドエフェクタ本体部材が凹部を画定する、実施例1から5のいずれか1つ以上の装置。
【実施例7】
【0067】
電極が凹部内に配置されている、実施例6の装置。
【実施例8】
【0068】
電極の組織接触面が、エンドエフェクタ本体の外面に対して凹んでいる、実施例7の装置。
【実施例9】
【0069】
電極が半径方向中心を画定する環状形状を有する、実施例1から8のいずれか1つ以上の装置。
【実施例10】
【0070】
電極が電極の半径方向中心に配置されている、実施例9の装置。
【実施例11】
【0071】
センサが円形形状を有する、実施例1から10のいずれか1つ以上の装置。
【実施例12】
【0072】
エンドエフェクタ本体が第1の側壁及び第2の側壁を更に含み、電極が第1の側壁と第2の側壁との間に配置されている、実施例1から11のいずれか1つ以上の装置。
【実施例13】
【0073】
第2の側壁が第1の側壁に面している、実施例12に記載の装置。
【実施例14】
【0074】
第1及び第2の側壁が各々円筒状の輪郭を有する、実施例12から13のいずれか1つ以上の装置。
【実施例15】
【0075】
センサが第2の側壁の上に配置され、第2の側壁が内側側壁である、実施例12から14のいずれか1つ以上の装置。
【実施例16】
【0076】
センサが、センサの組織接触面に接触する組織の温度を感知するように構成されている、実施例1から15のいずれか1つ以上の装置。
【実施例17】
【0077】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織に高周波エネルギーを印加するように動作可能である、実施例16の装置。
【実施例18】
【0078】
制御モジュールを更に備え、制御モジュールがセンサ及び電極と通信し、制御モジュールが、センサからの温度データに基づいて、電極への高周波エネルギーの送達を調整するように動作可能である、実施例17の装置。
【実施例19】
【0079】
制御モジュールが、感知された温度値が閾値を超えたことに応答して、電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、実施例18載の装置。
【実施例20】
【0080】
センサが、センサの組織接触面に接触する組織のインピーダンスを感知するように構成されている、実施例1から19のいずれか1つ以上の装置。
【実施例21】
【0081】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能である、実施例20の装置。
【実施例22】
【0082】
制御モジュールを更に備え、制御モジュールがセンサ及び電極と通信し、制御モジュールが、センサからのインピーダンスデータに基づいて、電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整するように動作可能である、実施例21の装置。
【実施例23】
【0083】
制御モジュールが、感知されたインピーダンスが閾値に達したことに応答して、電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、実施例22の装置。
【実施例24】
【0084】
制御モジュールが、センサからのインピーダンスデータに基づいて、直流双極アブレーションのパルスのうちの1つ以上の電圧及び持続時間、又は電極への高周波エネルギーの周波数もしくは振幅の一方又は両方を変化させるように動作可能である、実施例22から23のいずれか1つ以上の装置。
【実施例25】
【0085】
センサと通信する制御モジュールを更に備え、制御モジュールが、(i)センサからのインピーダンスデータに基づいて、センサが組織と接触しているかどうかを決定すること、及び、(ii)センサからのインピーダンスデータに基づいてセンサが組織と接触していると決定することに応答して、センサが組織と接触していることを示すこと、を実行するように構成されている、実施例20から22のいずれか1つ以上の装置。
【実施例26】
【0086】
センサが、センサの組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成されている、実施例1から25のいずれか1つ以上の装置。
【実施例27】
【0087】
制御モジュールを更に備え、制御モジュールがセンサと通信し、制御モジュールが、センサからの力データに基づいて、センサが組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている、実施例26の装置。
【実施例28】
【0088】
電極が、電極の組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能である、実施例27の装置。
【実施例29】
【0089】
制御モジュールが、センサからの力データがセンサと組織との間の接触を示すまで、電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整するように動作可能である、実施例28の装置。
【実施例30】
【0090】
制御モジュールが、センサからの力データがセンサと組織との間の接触を示すまで、電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を防止するように動作可能である、実施例28から29のいずれか1つ以上の装置。
【実施例31】
【0091】
力センサが圧電素子を含む、実施例26から30のいずれか1つ以上の装置。
【実施例32】
【0092】
力センサが、第1の電極層及び第2の電極層を更に含み、圧電素子が、第1の電極層と第2の電極層との間の第1の関連領域の間に挿入されている、実施例31の装置。
【実施例33】
【0093】
力センサが、圧電素子に隣接する一対の誘電体層を更に含み、誘電体層が、第1の電極層と第2の電極層との間の第2の関連領域の間に挿入されている、実施例32の装置。
【実施例34】
【0094】
力センサが、対応する一対の支持構造体に固定された一対のアームを含み、力センサが、アームの変形に基づいて力を感知するように構成されている、実施例26から33のいずれか1つ以上の装置。
【実施例35】
【0095】
位置センサを更に備え、位置センサが、三次元空間におけるエンドエフェクタのリアルタイム位置を示す信号を生成するように動作可能である、実施例1から34のいずれか1つ以上の装置。
【実施例36】
【0096】
位置センサがエンドエフェクタ内に位置している、実施例35の装置。
【実施例37】
【0097】
エンドエフェクタが、(i)電極を含む複数の電極、及び(ii)センサを含む複数のセンサを更に備える、実施例1から36のいずれか1つ以上の装置。
【実施例38】
【0098】
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、(b)カテーテル本体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、(ii)電極であって、電極が組織接触面を有し、組織接触面が、エンドエフェクタ本体部材の外面に対して凹んでおり、(A)環状電極の組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は(B)環状電極の組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、(iii)組織接触面を有するセンサであって、センサが、センサの組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、センサの組織接触面が、電極の組織接触面に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例39】
【0099】
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、(b)カテーテル本体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、(ii)電極であって、電極が、組織接触面及び中央領域を有し、電極の組織接触面が、エンドエフェクタ本体部材の外面に対して露出しており、(A)環状電極の組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は(B)環状電極の組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、(iii)電極の中央領域に位置付けられたセンサであって、センサが組織接触面を有し、センサが、センサの組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、センサの組織接触面が、エンドエフェクタ本体部材の外面に対して、かつ電極の組織接触面に対して露出している、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【実施例40】
【0100】
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、(b)カテーテル本体の遠位端にあるエンドエフェクタであって、エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、(ii)環状電極であって、電極が組織接触面を有し、(A)環状電極の組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は(B)環状電極の組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、(iii)環状電極の半径方向中央領域に配置され、組織接触面を有するセンサであって、センサが、センサの組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、センサの組織接触面が、電極の組織接触面に対して露出している、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【0101】
V.その他
本明細書に記載の器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0102】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。あくまでも一例に過ぎないが、本明細書に記載されている実施例のうちのいずれも、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示される様々な特徴のうちの1つ以上を更に含むことができる。
【0103】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0104】
その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又はその他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されたその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれると理解されるべきである。したがって、必要な範囲で、本明細書に明示的に記載されている開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する内容に優先するものとする。その開示が全体として本明細書に参考として組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0105】
本発明の様々なバージョンについて図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0106】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)組織接触面を有する電極と、
(iii)組織接触面を有するセンサであって、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面又は前記電極の前記組織接触面のうちの一方又は両方に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(2) 前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げるように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションするように動作可能である、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記エンドエフェクタ本体部材が凹部を画定し、前記電極が前記凹部内に位置付けられ、前記電極の前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体の前記外面に対して凹んでいる、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記電極が、半径方向中心を画定する環状形状を有し、前記電極が、前記電極の前記半径方向中心に位置付けられている、実施態様1に記載の装置。
【0107】
(6) 前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織の温度を感知するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(7) 制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサ及び前記電極と通信し、前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織に高周波エネルギーを印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサからの温度データに基づいて、前記電極への高周波エネルギーの送達を調整するように動作可能である、実施態様6に記載の装置。
(8) 前記制御モジュールが、感知された温度値が閾値を超えたことに応答して、前記電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、実施態様7に記載の装置。
(9) 前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織のインピーダンスを感知するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(10) 制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサ及び前記電極と通信し、前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整するように動作可能である、実施態様9に記載の装置。
【0108】
(11) 前記制御モジュールが、感知されたインピーダンスが閾値に達したことに応答して、前記電極への高周波エネルギーの送達を停止するように動作可能である、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記制御モジュールが、前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、直流双極アブレーションのパルスのうちの1つ以上の電圧及び持続時間、又は前記電極への高周波エネルギーの周波数もしくは振幅の一方又は両方を変化させるように動作可能である、実施態様10に記載の装置。
(13) 前記センサと通信する制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが、
(i)前記センサからのインピーダンスデータに基づいて、前記センサが組織と接触しているかどうかを決定すること、及び
(ii)前記センサからのインピーダンスデータに基づいて前記センサが組織と接触していると決定することに応答して、前記センサが組織と接触していることを示すこと、を実行するように構成されている、実施態様9に記載の装置。
(14) 制御モジュールを更に備え、前記制御モジュールが前記センサと通信し、前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成され、前記制御モジュールが、前記センサからの力データに基づいて、前記センサが組織と接触しているかどうかを決定するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(15) 前記電極が、前記電極の前記組織接触面に接触する組織にパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上を印加するように動作可能であり、前記制御モジュールが、
(i)前記センサからの力データが前記センサと組織との間の接触を示すまで、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を調整すること、又は
(ii)前記センサからの力データが前記センサと組織との間の接触を示すまで、前記電極へのパルス直流双極アブレーション又は高周波エネルギーのうちの1つ以上の送達を防止すること、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、実施態様14に記載の装置。
【0109】
(16) 前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成された力センサを含み、前記力センサが、圧電素子を含む、実施態様1に記載の装置。
(17) 前記力センサが、
(i)第1の電極層及び第2の電極層であって、前記圧電素子が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間の第1の関連領域の間に挿入されている、第1の電極層及び第2の電極層と、
(ii)前記圧電素子に隣接する一対の誘電体層であって、前記誘電体層が、前記第1の電極層と前記第2の電極層との間の第2の関連領域の間に挿入されている、一対の誘電体層と、を更に備える、実施態様16に記載の装置。
(18) 前記センサが、前記センサの前記組織接触面と隣接する組織との間の力を検出するように構成された力センサを含み、前記力センサが、対応する一対の支持構造体に固定された一対のアームを含み、前記力センサが、前記アームの変形に基づいて力を感知するように構成されている、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)電極であって、前記電極が組織接触面を有し、前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して凹んでおり、
(A)環状電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は
(B)前記環状電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、
(iii)組織接触面を有するセンサであって、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記電極の前記組織接触面に対して突出するように構成されている、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
(20) 装置であって、
(a)遠位端を有し、心臓血管系の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されているカテーテル本体と、
(b)前記カテーテル本体の前記遠位端にあるエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタが、心臓血管系内の領域内に嵌合するようにサイズ決め及び構成されており、
(i)外面を有するエンドエフェクタ本体部材と、
(ii)電極であって、前記電極が、組織接触面及び中央領域を有し、前記電極の前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して露出しており、
(A)環状電極の前記組織接触面に接触する組織から電位を拾い上げること、又は
(B)前記環状電極の前記組織接触面に接触する組織をアブレーションすることと、のうちの一方又は両方を実行するように動作可能である、電極と、
(iii)前記電極の前記中央領域に位置付けられたセンサであって、前記センサが組織接触面を有し、前記センサが、前記センサの前記組織接触面に接触する組織に関連する少なくとも1つの状態を感知するように構成され、前記センサの前記組織接触面が、前記エンドエフェクタ本体部材の前記外面に対して、かつ前記電極の前記組織接触面に対して露出している、センサと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、装置。
【国際調査報告】