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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-13
(54)【発明の名称】免疫療法中の可溶性CD28レベル
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/574 20060101AFI20230306BHJP
【FI】
G01N33/574 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022545912
(86)(22)【出願日】2020-12-02
(85)【翻訳文提出日】2022-07-27
(86)【国際出願番号】 IL2020051244
(87)【国際公開番号】W WO2021111442
(87)【国際公開日】2021-06-10
(31)【優先権主張番号】62/942,276
(32)【優先日】2019-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520349023
【氏名又は名称】ビオンド バイオロジクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ハキーム,モッティ
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン-ドロール,アンナ
(72)【発明者】
【氏名】シロビスキー,オリット
(72)【発明者】
【氏名】アリシェケビッツ,ドロール
(72)【発明者】
【氏名】マンデル,イラナ
(72)【発明者】
【氏名】ベン-モーシェ,テヒラ
(72)【発明者】
【氏名】サピール,ヤイール
(72)【発明者】
【氏名】シュルマン,アビドール
(57)【要約】
対象における可溶性CD28レベルを測定することを含む、がん再発を診断および予測する方法であって、可溶性CD28の増加が、がん再発または切迫したがん再発を示す、方法が提供される。PD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答の判定を必要とする対象におけるそれを判定する方法であって、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を少なくとも2つの時点で受けている対象においてsCD28レベルを測定することを含み、減少が応答を示し、増加が応答の欠如を示す、方法も提供される。
【選択図】図2D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
がんに罹患している対象におけるPD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する方法であって、前記方法が、少なくとも2つの時点で前記対象におけるsCD28レベルを測定することを含み、それらの時点のうちの少なくとも1つが、前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後であり、前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの増加が、前記対象が前記免疫療法に対するレスポンダーではないことを示し、前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の前記第1の時点から前記第2の時点へのsCD28レベルの減少または変化がないことが、前記対象が前記免疫療法に対するレスポンダーであることを示し、それにより対象におけるPD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する、方法。
【請求項2】
前記第1の時点が、前記免疫療法の開始前または開始時である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の時点が、前記免疫療法の開始後である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の時点が、前記第1の時点の少なくとも6週間後である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の時点が、前記第1の時点の最大で7週間後である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
a.前記第1の時点が、前記免疫療法の開始時もしくは開始前であり、前記第2の時点が、前記免疫療法の開始から7週間後もしくは13週間後であるか、または
b.前記第1の時点が、前記免疫療法の開始から7週間後であり、前記第2の時点が、前記免疫療法の開始から13週間後である、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の、前記第1の時点から前記第2の時点へのsCD28レベルの減少が、前記対象が前記免疫療法に対するレスポンダーであることを示す、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
減少が、少なくとも1ng/mlのsCD28の減少である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
a.レスポンダーではない対象への前記免疫療法を中止することと、
b.非レスポンダーである対象に異なる免疫療法を投与することと、
c.レスポンダーである対象に前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を投与し続けることと、
d.レスポンダーである対象に投与される前記PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の用量を増加させることとのうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
がん再発の診断を必要とする対象におけるそれを診断する方法であって、前記方法が、前記対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、前記対象におけるsCD28レベルの増加が、がん再発を示し、それにより前記対象におけるがん再発を診断する、方法。
【請求項11】
がん再発の予測を必要とする対象におけるそれを予測する方法であって、前記方法が、前記対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、前記対象におけるsCD28レベルの増加が、切迫したがん再発を示し、それにより前記対象におけるがん再発を予測する、方法。
【請求項12】
前記対象ががんに罹患しており、前記がんが寛解している、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
前記対象が以前にがんを患っており、現在はがんのない状態である、請求項10または11に記載の方法。
【請求項14】
前記対象が免疫療法を受けてきたか、または受けている、請求項10~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記免疫療法が、PD-1、PD-L1および/またはCD80に基づく免疫療法である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記増加が、再発前の前記対象におけるsCD28レベルと比較したものである、請求項10~15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記増加が、所定の閾値と比較したものである、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記増加が、少なくとも50%の増加である、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記増加が、少なくとも6ng/mLのsCD28への増加である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記増加が、少なくとも1ng/mlのsCD28の増加である、請求項1~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記測定することが、前記対象から試料を取得することと、前記試料におけるsCD28レベルを測定することと、を含む、請求項1~20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記試料が、血液試料である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記測定することが、複数の時点で測定することを含み、少なくとも1つの時点が、前記対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態であることが知られている時点であり、少なくとも1つの時点が、前記対象が再発のリスクがある時点である、請求項10~22のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
寛解が、療法に対する部分応答および完全応答を含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態であることが知られている前記時点で、sCD28のレベルが5ng/mL未満である、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
前記方法の実行前の前記対象が、6ng/mL未満の血中sCD28レベルを有する、請求項10~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記がんが、皮膚がん、尿路上皮がん、肺がん、および腎がんから選択される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記がんが、黒色腫、および尿路上皮がんから選択される、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
切迫が、次の20週間以内である、請求項10~28のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
がん再発と診断されたかもしくは予測されたか、または前記免疫療法に対する非レスポンダーであると判定された対象に別の免疫療法を投与することをさらに含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記免疫療法が、
a.チェックポイント阻害剤、
b.キメラ抗原受容体(CAR)に基づく療法、および
c.がんワクチンから選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記チェックポイント阻害剤が、PD-1および/またはPD-L1に基づく免疫療法である、請求項31に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年12月2日に出願された、米国仮特許出願第62/942,276号の優先権の利益を主張し、その内容はその全体が参照により本明細書にすべて組み込まれる。
【0002】
本発明は、免疫調節および免疫療法の分野にある。
【背景技術】
【0003】
いくつかの共刺激分子はいくつかの生理学的形態を有することが知られている。膜結合型に加えて、ナイーブ免疫細胞で発現する可溶型も報告されており、T細胞生物学の複雑さが増している。CD28の可溶型(sCD28)は、がんに対する免疫応答の阻害に関与している。さらに、sCD28は、PD-1およびPD-L1に基づく免疫療法の有効性を抑制することが実証されている。sCD28の存在は、免疫療法に対する応答の不均一性に寄与する因子である可能性があると仮定されている。
【0004】
ただし、免疫療法の過程でのsCD28の状態および再発におけるその可能な役割は調査されてきていない。さらに、免疫療法治療に対する抵抗性になる患者におけるsCD28レベルの役割は不明である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、対象におけるがんの再発を診断し、対象における切迫したがんの再発を予測する方法を提供する。この方法は、対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、sCD28レベルの増加は、対象が再発中であるか、または再発が切迫していることを示す。PD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定を必要とする対象におけるそれを判定する方法であって、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を少なくとも2つの時点で受けている対象においてsCD28レベルを測定することを含み、減少が応答を示し、増加が応答の欠如を示す、方法も提供される。
【0006】
第1の態様によれば、がんに罹患している対象におけるPD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する方法が提供され、この方法は、少なくとも2つの時点で対象におけるsCD28レベルを測定することを含み、それらの時点のうちの少なくとも1つが、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後であり、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの増加は、対象が免疫療法のレスポンダーではないことを示し、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの減少または変化がないことは、対象が免疫療法に対するレスポンダーであることを示し、それにより対象におけるPD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、第1の時点は、免疫療法の開始前または開始時である。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、第1の時点は、免疫療法の開始後である。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、第2の時点は、第1の時点の少なくとも6週間後である。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、第2の時点は、第1の時点の最大で7週間後である。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、
a.第1の時点が、免疫療法の開始時またはその前であり、第2の時点が、免疫療法の開始から7週間後もしくは13週間後であるか、または
b.第1の時点が、免疫療法の開始の7週間後であり、第2の時点が、免疫療法の開始から13週間後である。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法の開始後の第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの減少は、対象が免疫療法に対するレスポンダーであることを示す。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、減少は、少なくとも1ng/mlのsCD28の減少である。
【0014】
別の態様によれば、がん再発の診断を必要とする対象におけるそれを診断する方法が提供され、この方法は、対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、対象におけるsCD28レベルの増加は再発を示し、それにより対象におけるがんの再発を診断する。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、
a.レスポンダーではない対象への免疫療法を中止することと、
b.非レスポンダーである対象に異なる免疫療法を投与することと、
c.レスポンダーである対象に該PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を投与し続けることと、
d.レスポンダーである対象に投与されるPD-1/PD-L1に基づく免疫療法の用量を増加させることとのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0016】
別の態様によれば、がん再発の予測を必要とする対象におけるそれを予測する方法が提供され、この方法は、対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、対象におけるsCD28レベルの増加は、切迫したがん再発を示し、これにより、対象におけるがん再発を予測する。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、対象はがんに罹患しており、がんは寛解している。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、対象は以前にがんを患っており、現在はがんのない状態である。
【0019】
いくつかの実施形態によれば、対象は免疫療法を受けてきたか、または受けている。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、免疫療法は、PD-1、PD-L1および/またはCD80に基づく免疫療法である。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、増加は、再発前の対象におけるsCD28レベルと比較したものである。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、増加は、所定の閾値と比較したものである。
【0023】
いくつかの実施形態によれば、増加は、少なくとも50%の増加である。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、増加は、少なくとも6ng/mLのsCD28への増加である。
【0025】
いくつかの実施形態によれば、増加は、少なくとも1ng/mlのsCD28の増加である。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、測定することは、対象から試料を取得することと、および試料中のsCD28レベルを測定することとを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、試料は、血液試料である。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、測定することは、複数の時点で測定することを含み、少なくとも1つの時点は、対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態であることが知られている時点であり、少なくとも1つの時点は、対象が再発のリスクがある時点である。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、寛解は、療法に対する部分的応答および完全応答を含む。
【0030】
いくつかの実施形態によれば、対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態であることが知られている時点で、sCD28レベルは5ng/mL未満である。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、方法を実行する前の対象は、血中sCD28レベルが6ng/mL未満である。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、がんは、皮膚がん、尿路上皮がん、肺がん、および腎がんから選択される。
【0033】
いくつかの実施形態によれば、がんは、黒色腫、および尿路上皮がんから選択される。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、切迫は、次の20週間以内である。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、がん再発と診断されたかまたは予測された対象に別の免疫療法を施すことをさらに含む。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、本発明の方法は、該免疫療法に対して非レスポンダーであると判定された対象に別の免疫療法を施すことをさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態によれば、免疫療法は、
a.チェックポイント阻害剤、
b.キメラ抗原受容体(CAR)に基づく療法、および
c.がんワクチンから選択される。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、チェックポイント阻害剤は、PD-1および/またはPD-L1に基づく免疫療法である。
【0039】
本発明のさらなる実施形態および適用可能性の全範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の趣旨および範囲内の種々の変更および修正がこの詳細な説明から当業者に明らかになるため、例示としてのみ与えられることが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】抗PD1療法を受けている黒色腫患者の生存チャート。療法開始前のsCD28のレベルが低い患者は、sCD28のレベルが高い患者よりも平均生存期間がより長かった。
図2A-2D】(2A)数週間の免疫療法期間にわたる17人の患者(9人のレスポンダーおよび8人の非レスポンダー)におけるsCD28のレベルの線グラフ。(2Bおよび2C)3つの時点での免疫療法に対する(2B)非レスポンダーおよび(2C)レスポンダーの平均sCD28レベルの棒グラフ。(2D)免疫療法の開始前の最初の読み取りから開始後の2つの時点までのsCD28発現における絶対変化の棒グラフ。*はPval=0.06であり、**は符号順位検定によるとPval<0.05である。
図3】免疫療法に応答し、その後がんが再発した2人の患者のsCD28レベルの線グラフ。CRは完全応答であり、PRは部分的応答であり、PDは進行性疾患であり、SDは安定した疾患である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、いくつかの実施形態において、対象における可溶性CD28(sCD28レベル)を測定することを含む、がんに罹患したかまたはまだ罹患している対象におけるがん再発を診断および予測する方法であって、sCD28の増加が、がん再発または切迫しているがん再発を示す、方法を提供する。本発明はさらに、免疫療法による治療の過程でのsCD28レベルの変化を測定することによって、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する方法を提供する。本発明は、免疫療法に応答してきている対象において、sCD28レベルのスパイクが、開始してきた、または開始しようとしている再発のマーカーとして作用するという驚くべき発見に基づいている。さらに、免疫療法に応答していない対象ではsCD28レベルが増加し、応答している対象では変化または減少しないという驚くべき発見に基づいている。
【0042】
第1の態様により、がん再発の診断を必要とする対象におけるそれを診断する方法が提供され、この方法は、対象における可溶性CD28(sCD28)レベルを測定することを含み、対象におけるsCD28レベルの増加は、がん再発を示し、それにより、がん再発を診断する。
【0043】
別の態様により、がん再発の予測を必要とする対象におけるそれを予測する方法が提供され、この方法は、対象におけるsCD28レベルを測定することを含み、対象におけるsCD28レベルの増加は、来るべきがん再発を示す。
【0044】
別の態様により、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定を必要とする対象におけるそれを判定する方法が提供され、この方法は、対象におけるsCD28レベルを少なくとも2つの時点で測定することを含み、sCD28レベルの増加は、対象が免疫療法に応答していないかそれに対するレスポンダーでないことを示し、sCD28レベルの減少または変化がないことは、対象が免疫療法に対して応答しているかそれに対するレスポンダーであることを示し、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法に対する応答を判定する。
【0045】
いくつかの実施形態において、CD28は、哺乳動物のCD28である。いくつかの実施形態において、CD28は、ヒトCD28である。いくつかの実施形態において、ヒトCD28は、アミノ酸配列:MLRLLLALNLFPSIQVTGNKILVKQSPMLVAYDNAVNLSCKYSYNLFSREFRASLHKGLDSAVEVCVVYGNYSQQLQVYSKTGFNCDGKLGNESVTFYLQNLYVNQTDIYFCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS(配列番号1)を含む、またはそれからなる。いくつかの実施形態において、成熟CD28は、シグナルペプチドを欠失し、配列:NKILVKQSPMLVAYDNAVNLSCKYSYNLFSREFRASLHKGLDSAVEVCVVYGNYSQQLQVYSKTGFNCDGKLGNESVTFYLQNLYVNQTDIYFCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSPLFPGPSKPFWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWVRSKRSRLLHSDYMNMTPRRPGPTRKHYQPYAPPRDFAAYRS(配列番号2)を含む。
【0046】
いくつかの実施形態において、全長ヒトCD28をコードするDNAコード配列は、配列:ATGCTCAGGCTGCTCTTGGCTCTCAACTTATTCCCTTCAATTCAAGTAACAGGAAACAAGATTTTGGTGAAGCAGTCGCCCATGCTTGTAGCGTACGACAATGCGGTCAACCTTAGCTGCAAGTATTCCTACAATCTCTTCTCAAGGGAGTTCCGGGCATCCCTTCACAAAGGACTGGATAGTGCTGTGGAAGTCTGTGTTGTATATGGGAATTACTCCCAGCAGCTTCAGGTTTACTCAAAAACGGGGTTCAACTGTGATGGGAAATTGGGCAATGAATCAGTGACATTCTACCTCCAGAATTTGTATGTTAACCAAACAGATATTTACTTCTGCAAAATTGAAGTTATGTATCCTCCTCCTTACCTAGACAATGAGAAGAGCAATGGAACCATTATCCATGTGAAAGGGAAACACCTTTGTCCAAGTCCCCTATTTCCCGGACCTTCTAAGCCCTTTTGGGTGCTGGTGGTGGTTGGTGGAGTCCTGGCTTGCTATAGCTTGCTAGTAACAGTGGCCTTTATTATTTTCTGGGTGAGGAGTAAGAGGAGCAGGCTCCTGCACAGTGACTACATGAACATGACTCCCCGCCGCCCCGGGCCCACCCGCAAGCATTACCAGCCCTATGCCCCACCACGCGACTTCGCAGCCTATCGCTCCTGA(配列番号3)を含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、sCD28は、膜貫通ドメインを含まず、したがって膜に組み込むことができない任意のCD28断片または変異体を指す。いくつかの実施形態において、CD28膜貫通ドメインは、アミノ酸配列FWVLVVVGGVLACYSLLVTVAFIIFWV(配列番号4)を含む。いくつかの実施形態において、sCD28は、膜結合されていない。いくつかの実施形態において、sCD28は、溶液中にある。いくつかの実施形態において、sCD28は、血液中のCD28である。いくつかの態様において、sCD28は、TME中のCD28である。いくつかの態様において、sCD28は、体液中のCD28である。いくつかの実施形態において、sCD28は、膜CD28(mCD28)からの切断産物である。いくつかの実施形態において、sCD28は、短縮型CD28である。いくつかの実施形態において、sCD28は、全長CD28の細胞質ドメインを欠失している。いくつかの実施形態において、sCD28は、二量体sCD28である。いくつかの実施形態において、sCD28は、単量体sCD28である。いくつかの実施形態において、sCD28は、CD28の選択的スプライシングから生じるスプライス変異体ではない。いくつかの実施形態において、sCD28は、アミノ酸配列:MLRLLLALNLFPSIQVTGNKILVKQSPMLVAYDNAVNLSCKYSYNLFSREFRASLHKGLDSAVEVCVVYGNYSQQLQVYSKTGFNCDGKLGNESVTFYLQNLYVNQTDIYFCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSP(配列番号5)を含む。いくつかの実施形態において、sCD28は、シグナルペプチドを欠失し、配列:NKILVKQSPMLVAYDNAVNLSCKYSYNLFSREFRASLHKGLDSAVEVCVVYGNYSQQLQVYSKTGFNCDGKLGNESVTFYLQNLYVNQTDIYFCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSP(配列番号6)を含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、対象は、以前にがんを患っていた。いくつかの実施形態では、対象は、依然としてがんを患っている。いくつかの実施形態において、対象は、がんに罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、がんを患っていたが、現在はがんのない状態である。いくつかの実施形態において、対象は、寛解しているがんを患っている。いくつかの実施形態において、対象は、部分的に寛解しているがんを患っている。いくつかの実施形態において、寛解は、完全寛解および部分寛解を含む。いくつかの実施形態では、寛解は、部分応答および完全応答を含む。いくつかの実施形態では、寛解は、完全寛解を含む。いくつかの実施形態では、寛解は、部分寛解を含む。いくつかの実施形態において、対象は、がんの療法を受けてきている。いくつかの実施形態において、対象は、がんの療法を受けている。いくつかの実施形態において、療法は、免疫療法である。いくつかの実施形態において、対象は、療法に対するレスポンダーである。いくつかの実施形態において、対象は、療法に対する非レスポンダーである。いくつかの実施形態において、対象は、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を受けてきている。いくつかの実施形態では、対象は、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法を受けている。
【0049】
いくつかの実施形態において、レスポンダーは、療法に対して応答する対象である。いくつかの実施形態では、レスポンダーは、応答している人である。いくつかの実施形態では、応答している人は、レスポンダーである。いくつかの実施形態において、レスポンダーは、療法に対して好ましい応答をする対象である。がん患者の「好ましい応答」は、療法による治療に対するがん患者の「応答性」を示し、すなわち、免疫療法による応答性があるがん患者の治療は、腫瘍退縮、腫瘍縮小もしくは腫瘍壊死、免疫系による抗腫瘍応答などの望ましい臨床転帰をもたらし、腫瘍の再発、腫瘍の増殖もしくは腫瘍の転移を防止または遅延させる。いくつかの実施形態では、応答は、完全応答(CR)である。いくつかの実施形態では、応答は、部分応答(PR)である。いくつかの実施形態では、応答は、がんの退行である。いくつかの実施形態において、退行は、安定した疾患からのものである。いくつかの実施形態において、退行は、進行性疾患からのものである。いくつかの実施形態では、非レスポンダーは、療法に対して応答しない対象である。いくつかの実施形態では、非レスポンダーは、応答していない人である。いくつかの実施形態では、応答していない人は、非レスポンダーである。いくつかの実施形態において、非レスポンダーは、療法に対して好ましくない応答をする対象である。本明細書で使用される場合、がん患者の「不利な応答」は、療法による治療に対するがん患者の「非応答性」を示し、したがって、療法による非応答性のがん患者の治療は、所望の臨床転帰をもたらさず、臨床転帰、および腫瘍の拡大、再発および転移などの不所望の転帰をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態では、不所望の転帰は、がん再発である。いくつかの実施形態において、不所望の転帰は、安定した疾患の発症である。いくつかの実施形態において、不所望の転帰は、進行性疾患の発症である。
【0050】
本明細書で使用される場合、「完全応答」、「部分応答」、「安定した疾患」および「進行性疾患」という用語はすべて、がん、特に、充実性病変を評価するための評価基準である。評価中、治療中の比較および評価のための基礎を提供するために、病変が測定される。いくつかの実施形態において、完全応答は、治療の過程で消失したすべての病変を指す。いくつかの実施形態において、完全応答は、治療の過程で消失したすべての標的病変を指す。いくつかの実施形態において、部分応答は、1つまたは複数の病変のサイズの減少を指す。いくつかの実施形態において、サイズの減少は、最大の病変のものである。いくつかの実施形態において、減少は、すべての病変のサイズの合計におけるものである。いくつかの実施形態において、減少は、病変の平均サイズにおけるものである。いくつかの実施形態において、サイズの減少は、少なくとも10、20、30、40、または50%の減少である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、サイズの減少は、少なくとも30%の減少である。いくつかの実施形態において、減少は、病変の直径の減少である。いくつかの実施形態において、安定した疾患は、1つまたは複数の病変のサイズの著しい減少または増加がないことを指す。いくつかの実施形態において、進行性疾患は、1つまたは複数の病変のサイズの増加を指す。いくつかの実施形態において、増加は、最大の病変におけるものである。いくつかの実施形態において、増加は、すべての病変のサイズの合計におけるものである。いくつかの実施形態において、増加は、病変の平均サイズにおけるものである。いくつかの実施形態において、サイズの増加は、少なくとも10、20、30、40、または50%の増加である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、サイズの増加は、少なくとも20%の増加である。
【0051】
いくつかの実施形態において、免疫療法は、PD-1および/またはPD-L1に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、免疫療法は、PD-1に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、免疫療法は、PD-L1に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法は、抗PD1または抗PD-L1抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態において、療法は、PD-1チェックポイントの遮断を含む。いくつかの実施形態において、免疫療法は、同種、同系、または自己免疫細胞を対象に投与することを含む。いくつかの実施形態において、免疫細胞は、T細胞である。いくつかの実施形態において、免疫療法を必要とする対象は、がんに罹患している。いくつかの実施形態において、PD-1に基づく免疫療法は、PD-L2に基づく免疫療法を含む。いくつかの実施形態において、PD-L1に基づく免疫療法は、PD-L2に基づく免疫療法を含む。
【0052】
いくつかの実施形態において、免疫療法は、CD80に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、免疫療法は、CD86に基づく免疫療法である。CD80およびCD86免疫療法は、当該技術分野で周知であり、免疫応答を刺激するためにCD80/CD86および/またはその模倣物、誘導体もしくは擬態物を投与することを含む。CD80-Fcは、非限定的な例として、抗がん免疫療法薬として現在臨床試験中である。
【0053】
いくつかの実施形態において、免疫療法は、CTLA-4に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、CTLA-4免疫療法は、CTLA-4遮断を含む。いくつかの実施形態において、CTLA-4免疫療法は、CTLA-4阻害剤を投与することを含む。いくつかの実施形態において、CTLA-4免疫療法は、抗CTLA-4抗体を投与することを含む。いくつかの実施形態において、療法は、CTLA-4チェックポイントの遮断を含む。いくつかの実施形態において、免疫療法は、本明細書に記載の免疫療法のいずれかの併用療法である。
【0054】
いくつかの実施形態において、対象は、がんに罹患している。いくつかの実施形態において、がんは、免疫療法で治療され得るがんである。いくつかの実施形態において、がんは、PD-1/PD-L1療法で処置され得るがんである。いくつかの実施形態において、対象は、PD-1/PD-L1療法を受けている。いくつかの実施形態において、対象は、PD-1/PD-L1療法に対する非応答者である。いくつかの実施形態において、対象は、PD-1/PD-L1療法に対してナイーブである。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、PD-1/PD-L1療法と一緒に行われる。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、PD-1/PD-L1療法の前に行われる。
【0055】
いくつかの実施形態において、がんは、sCD28レベルが上昇したがんである。いくつかの実施形態において、がんは、高いsCD28レベルを含む。いくつかの実施形態において、上昇したおよび/または高いsCD28レベルは、5、6、7、8、9、10、12、14、15、17、20、25、30、35、40、50、60、70、80、90、または100ng/mLのレベルおよび/またはそれを超えるレベルである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、がんは、高いsCD28レベルを含む。いくつかの実施形態において、上昇した、および/または高いsCD28レベルは、健康な対象におけるレベルの5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、または1000%の、および/またはそれを超えるレベルである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、がんは、乳がんではない。いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫、尿路上皮がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、胃がんおよび結腸直腸がんから選択される。いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫、尿路上皮がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、および結腸直腸がんから選択される。いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫、尿路上皮がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、腎臓がん、胃がんまたは結腸直腸がんである。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、がんは、黒色腫および尿路上皮がんから選択される。いくつかの実施形態において、がんは、皮膚がん、尿路上皮がん、肺がん、および腎がんから選択される。いくつかの実施形態において、がんは、皮膚がんおよび尿路上皮がんから選択される。
【0056】
いくつかの実施形態において、sCD28は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10時点で測定される。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、sCD28は、少なくとも2つの時点で測定される。いくつかの実施形態において、少なくとも2つの時点は、第1の時点および第2の時点を含む。いくつかの実施形態において、1つの時点から第2の時点への増加がある。いくつかの実施形態において、1つの時点から第2の時点への減少がある。いくつかの実施形態において、ある時点から別の時点への変化はない。いくつかの実施形態において、sCD28動態に傾向がある。いくつかの実施形態において、傾向は、増加または減少である。いくつかの実施形態において、増加傾向は、対象が療法に対して応答しないことを示す。いくつかの実施形態において、増加傾向は、がん再発を示す。いくつかの実施形態において、増加傾向は、切迫したがん再発を示す。
【0057】
いくつかの実施形態において、療法に対して応答する対象は、レスポンダーである。いくつかの実施形態において、療法に対して応答しない対象は、非レスポンダーである。療法に対する応答は、完全応答である必要はないが、部分応答、または少なくとも1つの症状の改善の応答であり得る。いくつかの実施形態において、非レスポンダーは、療法に対して陽性応答を有しない。
【0058】
いくつかの実施形態において、増加は、健康な対象におけるsCD28レベルと比較したものである。いくつかの実施形態において、増加は、再発前の対象におけるsCD28レベルと比較したものである。いくつかの実施形態において、増加は、免疫療法の開始後の対象におけるsCD28レベルと比較したものである。いくつかの実施形態において、増加は、疾患の寛解後のsCD28レベルと比較したものである。いくつかの実施形態において、増加は、所定の閾値と比較したものである。いくつかの実施形態において、増加は、免疫療法の開始前のレベルと比較したものである。
【0059】
いくつかの実施形態において、増加は、ある時点から別の時点へのものである。いくつかの実施形態において、増加は、第1の時点から第2の時点までのものである。いくつかの実施形態において、増加は、対象が療法に対して非レスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、増加は、対象が療法に対して応答していないことを示す。いくつかの実施形態において、方法は、応答してしない患者への療法を中断することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、応答してしない患者に対して用量を増加させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、増加は、統計的に著しい増加である。
【0060】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、治療の開始時または開始前である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、治療の開始後である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、療法前である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、療法の開始時である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、寛解中である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、対象ががんのない状態であるときである。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法の開始前である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法の開始時である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法中である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、電流測定である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、試験時点である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、対象が再発のリスクがある時点である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、免疫療法の開始後である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、免疫療法中である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法の開始前であり、第2の時点は、免疫療法の開始後である。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、免疫療法の開始後である。
【0061】
いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、少なくとも1、2、3、4、5、6、または7週間離れている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、少なくとも6週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、少なくとも7週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、最大で1、2、3、4、5、6、または7週間離れている。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、最大で6週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、最大で7週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、約6週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、約7週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、約6~7週間離れている。いくつかの実施形態において、第1および第2の時点は、6~7週間離れている。いくつかの実施形態において、第2の時点は、免疫療法の開始から7週間後である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法の開始時である。いくつかの実施形態において、第1の時点は、免疫療法の開始の7週後間である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、免疫療法の開始から13週間後である。いくつかの実施形態において、第2の時点は、免疫療法の開始から7週間後または13週間後である。
【0062】
いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも10、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、または1000%の増加である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、増加は、sCD28の発現なしから発現への増加である。いくつかの実施形態において、増加は、sCD28の不在からsCD28の存在へのものである。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ng/mLのsCD28である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも1ng/mLのsCD28である。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも2ng/mLのsCD28である。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも5ng/mLのsCD28である。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも6ng/mLのsCD28である。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ng/mLのsCD28の増加である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも1ng/mLのsCD28の増加である。いくつかの実施形態において、増加は、少なくとも2ng/mLのsCD28の増加である。
【0063】
いくつかの実施形態において、第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの減少は、対象が免疫療法に対するレスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの変化は、対象が免疫療法に対するレスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、第1の時点から第2の時点へのsCD28レベルの増加は、対象が免疫療法に対する非レスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、減少は、ある時点から別の時点へのものである。いくつかの実施形態において、減少は、第1の時点から第2の時点へのものである。いくつかの実施形態において、減少は、対象が療法に対するレスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、減少は、対象が療法に対して応答していることを示す。いくつかの実施形態において、方法は、応答している患者への療法を継続することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、応答している患者への療法を増加させることをさらに含む。いくつかの実施形態において、減少は、統計的に著しい減少である。いくつかの実施形態において、方法は、応答していない患者への療法を中止することを含む。いくつかの実施形態において、方法は、応答していない患者に異なる療法を投与することを含む。いくつかの実施形態において、異なる療法は、別の療法である。
【0064】
いくつかの実施形態において、ある時点から別の時点への変化はない。いくつかの実施形態において、変化がないのは、第1の時点から第2の時点までである。いくつかの実施形態において、変化がないことは、対象が療法に対するレスポンダーであることを示す。いくつかの実施形態において、変化がないことは、対象が療法に応答していることを示す。いくつかの実施形態において、変化は統計的に有意でない変化を含む。いくつかの実施形態において、減少は、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、97、99または100%の減少である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、減少は、sCD28の発現がないことへの減少である。いくつかの実施形態において、減少は、sCD28の実質的に発現がないことへの減少である。いくつかの実施形態において、減少は、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10ng/mL未満のsCD28である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、減少は、2ng/mL未満のsCD28である。いくつかの実施形態において、減少は、5ng/mL未満のsCD28である。いくつかの実施形態において、減少は、6ng/mL未満のsCD28である。いくつかの実施形態において、減少は、少なくとも1、2、3、4、または5ng/mLのsCD28の減少である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、減少は、少なくとも1ng/mLのsCD28の減少である。いくつかの実施形態において、減少は、少なくとも2ng/mLのsCD28の減少である。
【0065】
いくつかの実施形態において、対象の血液は、高レベルのsCD28を含む。いくつかの実施形態において、増加は、上昇したレベルに対するものである。いくつかの実施形態において、レベルは、健康な対象のレベルよりも上昇する。いくつかの実施形態において、対象のsCD28レベルは、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、150%、200%、250%、300%、350%、400%、500%、600%、700%、800%、900%、または1000%、健康な対象のレベルよりも上昇する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、レベルは、5、6、7、8、9、10、12、14、15、16、18、20、25、30、35、40、45、または50ng/mLの血液を超えて上昇する。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、レベルは、5ng/mLを超えて上昇する。いくつかの実施形態において、レベルは、10ng/mLを超えて上昇する。いくつかの実施形態において、レベルは、20ng/mLを超えて上昇する。いくつかの実施形態において、対象の血液は、血液1mL当たり少なくとも5、6、7、8、9、10、12、14、15、16、18、20、25、30、35、40、45または50ngのsCD28を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、対象の血液は、少なくとも5ng/mLの/sCD28を含む。いくつかの実施形態において、対象の血液は、少なくとも10ng/mLの/sCD28を含む。いくつかの実施形態において、対象の血液は、少なくとも20ng/mLの/sCD28を含む。
【0066】
いくつかの実施形態において、対象の血液は、再発前に健康なレベルのsCD28を含む。再発前のいくつかの実施形態において、対象の血液は、再発前に上昇しないレベルのsCD28を含む。いくつかの実施形態において、対象の血液は、再発前に少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、15、16、18、20、25、30、35、40、45または50ng/mL未満のsCD28を含む。いくつかの実施形態において、対象の血液は、再発前に5ng/mL未満のsCD28を含む。いくつかの実施形態において、対象の血液は、再発前に6ng/mL未満のsCD28を含む。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、対象の血液は、本発明の方法を実行する前の対象の血液である。
【0067】
いくつかの実施形態において、測定することは、対象から試料を取得することを含む。いくつかの実施形態において、測定することは、試料におけるsCD28レベルを測定することである。いくつかの実施形態では、試料は、生検である。いくつかの実施形態では、試料は、体液である。いくつかの実施形態では、試料は、血液である。いくつかの実施形態において、試料は、対象からのものである。いくつかの実施形態において、試料は、体液を含む。いくつかの実施形態において、試料は、組織を含む。いくつかの実施形態において、試料は、細胞を含む。いくつかの実施形態において、検出は、二次抗体によるものである。いくつかの実施形態において、検出は、sCD28に結合する標識分子である。いくつかの実施形態において、検出は、ELISAによるものである。いくつかの実施形態において、検出は、免疫組織化学によるものである。いくつかの実施形態において、検出は、イムノブロットによるものである。sCD28を検出するための薬剤は、国際特許出願WO2019/175885に記載されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0068】
いくつかの実施形態において、測定することは、複数の時点で測定することを含む。いくつかの実施形態において、複数の時点は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、または10時点である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、複数の時点は、2つの時点である。いくつかの実施形態において、複数の時点は、少なくとも2つの時点である。いくつかの実施形態において、複数の時点は、第1および第2の時点を含む。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態である時点である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、対象が寛解状態にあるかまたはがんのない状態であることが知られている時点である。いくつかの実施形態において、対象が寛解状態にあるかもしくはがんのない状態であるか、または寛解状態にあるかもしくはがんのない状態であることが知られている時点は、対象が1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10ng/mLのsCD28のまたはそれ未満のsCD28レベルを有する時点である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、時点は、対象が2ng/mL未満のsCD28レベルを有するときである。いくつかの実施形態において、時点は、対象が5ng/mL以下のsCD28レベルを有するときである。いくつかの実施形態において、時点は、対象が6ng/mL以下のsCD28レベルを有するときである。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、療法の開始後である。
【0069】
いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、対象が再発のリスクがある時点である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、対象が再発の疑いがある時点である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、再発の開始から少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60週間後である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、療法の開始から少なくとも35週間後である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、療法の開始から少なくとも40週間後である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、療法の開始から少なくとも45週間後である。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの時点は、療法の開始から少なくとも46週間後である。
【0070】
いくつかの実施形態において、来る再発は、切迫した再発である。いくつかの実施形態において、切迫した再発は、再発である。いくつかの実施形態において、切迫することは、次の10、15、20、25、30、35、または40週間以内である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。いくつかの実施形態において、来る再発は、将来のいずれかの時点での再発である。いくつかの実施形態において、切迫再発は、次の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15または20週間以内である。各可能性は、本発明の別個の実施形態を表す。
【0071】
いくつかの実施形態において、方法は、対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、別の療法は、異なる療法である。いくつかの実施形態において、別の療法は、がんを治療する療法である。いくつかの実施形態において、方法は、がん再発と診断されたまたはがん再発が予測される対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、がん再発と診断された対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、がん再発が予測される対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、非レスポンダーであると判定された対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法は、免疫療法に対して非レスポンダーであると判定された対象に別の療法を投与することをさらに含む。いくつかの実施形態において、他の療法は、寛解を引き起こした療法ではない。いくつかの実施形態において、他の療法は、がんを治療するために最初に使用された療法とは異なる療法である。いくつかの実施形態において、他の療法は、PD-1/PD-L1に基づく免疫療法ではない。いくつかの実施形態において、他の療法は、免疫療法ではない。いくつかの実施形態において、他の療法は、対象が非レスポンダーである療法ではない。
【0072】
いくつかの実施形態において、別の療法は、免疫療法である。いくつかの実施形態において、別の療法は、がんを治療する療法である。いくつかの実施形態において、別の療法は、PD-1および/またはPD-L1に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、別の免疫療法は、チェックポイント阻害剤である。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-1および/またはPD-L1阻害剤である。いくつかの実施形態において、チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤である。いくつかの実施形態において、別の免疫療法は、キメラ抗原受容体(CAR)に基づく免疫療法である。いくつかの実施形態において、CARは、CAR-Tである。いくつかの実施形態において、CARは、CAR-NKである。いくつかの実施形態において、別の免疫療法は、がんワクチンである。
【0073】
本明細書で使用される場合、「投与する」、「投与」などの用語は、健全な医療行為において、活性剤を含む組成物を、治療効果を提供するような様式で対象に送達する任意の方法を指す。本主題の一態様は、治療的有効量の本発明の薬剤の、それを必要とする患者への経口投与を提供する。他の適切な投与経路には、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、または腹腔内が含まれ得る。
【0074】
本明細書で使用される場合、「CAR-T細胞」および「CAR-NK細胞」という用語は、少なくとも1つの目的のタンパク質(例えば、エピジェネティック修飾剤での治療後に発現が増加した免疫原性タンパク質)に特異性を有し、免疫エフェクター細胞(T細胞またはNK細胞)にグラフトされる操作された受容体を指す。いくつかの実施形態において、CAR-T細胞は、T細胞にグラフトされたモノクローナル抗体の特異性を有する。いくつかの実施形態において、CAR-NK細胞は、NK細胞にグラフトされたモノクローナル抗体の特異性を有する。いくつかの実施形態において、T細胞は、細胞傷害性Tリンパ球および調節性T細胞から選択される。
【0075】
CAR-TおよびCAR-NK細胞ならびにそれらのベクターは、当技術分野で周知である。そのような細胞は、受容体が結合するタンパク質を標的とし、細胞毒性を示す。いくつかの実施形態において、CAR-TまたはCAR-NK細胞は、少なくとも1つのウイルスタンパク質を標的とする。いくつかの実施形態において、CAR-TまたはCAR-NK細胞は、複数のウイルスタンパク質を標的とする。いくつかの実施形態において、CAR-TまたはCAR-NK細胞は、エピジェネティック修飾剤との接触により発現が増加したウイルスタンパク質を標的とする。
【0076】
CAR-T細胞の構築は、当技術分野で周知である。1つの非限定的な例では、ウイルスタンパク質に対するモノクローナル抗体を作製することができ、その後、抗体をコードするベクターが構築される。ベクターはまた、共刺激シグナル領域を含む。いくつかの実施形態において、共刺激シグナル領域は、既知のT細胞またはNK細胞刺激分子の細胞内ドメインを含む。いくつかの実施形態において、細胞内ドメインは、CD3Z、CD27、CD28、4-1BB、OX40、CD30、CD40、PD-1、ICOS、リンパ球機能関連抗原-1(LFA-1)、CD2、CD7、LIGHT、NKG2C、B7-H3、およびCD83と特異的に結合するリガンドのうちの少なくとも1つから選択される。いくつかの実施形態において、ベクターはまた、CD3Zシグナル伝達ドメインも含む。次いで、このベクターは、例えばレンチウイルス感染によって、T細胞にトランスフェクトされる。
【0077】
本明細書で使用される場合、疾患、障害、または状態の「治療」または「治療すること」という用語は、その少なくとも1つの症状の緩和、その重症度の低減、またはその進行の阻害を包含する。治療は、疾患、障害、または状態が完全に治癒することを意味する必要はない。有効な治療であるためには、本明細書における有用な組成物は、疾患、障害、もしくは状態の重症度を低減する、それに関連する症状の重症度を低減する、または患者もしくは対象の生活の質の改善を提供するだけでよい。
【0078】
本明細書で使用される場合、「再発」という用語は、一定期間の改善後のがんの悪化を指す。再発は、がんが治療前のレベルに戻ったことを意味する必要はないが、がんが寛解状態にあるときから何らかの様式で悪化したことだけを意味する。いくつかの実施形態では、再発は、対象のがんがなくなった後のがんの再発を含む。いくつかの実施形態では、再発は、がんの継続的な増殖を含む。いくつかの実施形態では、再発は、増殖停止後のがんの増殖を含む。いくつかの実施形態では、再発は、がんの増殖速度の増加を含む。いくつかの実施形態では、再発は、停止したよりもがんの症状の再発を含む。いくつかの実施形態では、再発は、改善されたよりもがんの症状の悪化を含む。再発は、がんの重症度、またはがんに関連する症状の重症度の増加のみである必要がある。
【0079】
いくつかの実施形態では、再発は、再発がんである。いくつかの実施形態では、再発は、寛解を引き起こした療法に対して屈折性である。いくつかの実施形態では、再発は、寛解を引き起こした療法に対して非応答性である。
【0080】
いくつかの実施形態において、方法は、インビボで行われる。いくつかの実施形態において、方法は、エクスビボで行われる。いくつかの実施形態において、方法は、インビトロで行われる。いくつかの実施形態において、方法は、インビボで行われる。いくつかの実施形態において、測定は、エクスビボで行われる。いくつかの実施形態において、測定することは、インビトロで行われる。いくつかの実施形態において、試料は、インビトロ試料である。いくつかの実施形態において、試料は、エクスビボ試料である。
【0081】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、値と組み合わされたとき、参照値のプラスおよびマイナス10%を指す。例えば、約1000ナノメートル(nm)の長さは、1000nm±100nmの長さを指す。
【0082】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「」、「an」、および「the」は、文脈が別段明確に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、例えば、「1つのポリヌクレオチド(a polynucleotide)」への言及は、複数のそのようなポリヌクレオチドを含み、「そのポリペプチド(the polypeptide)」への言及は、1つ以上のポリペプチドおよび当業者に既知のその等価物などへの言及を含む、などである。さらに、特許請求の範囲は、任意の要素を除外するように起草されてもよいことに留意されたい。したがって、この記述は、請求要素の引用、または「否定的な」制限の使用に関連して、「単独」、「唯一」などの排他的な用語を使用するための先行基準として機能することを意図する。
【0083】
「A、B、およびC等のうちの少なくとも1つ」に類似する慣例が使用される場合、概して、そのような構成は、当業者がその慣例を理解する意味で意図されている(例えば、「A、B、およびCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、A単独、B単独、C単独、AおよびBともに、AおよびCともに、BおよびCともに、ならびに/またはA、B、およびCともになどを有するシステムを含むが、これらに限定されない)。説明、特許請求の範囲、または図面に関わらず、2つ以上の代替用語を提示する実質的に任意の離接語および/または語句が、用語のうちの1つ、用語のいずれか、または両方の用語を含む可能性を企図すると理解されるべきであることが、当業者によってさらに理解されるであろう。例えば、「AまたはB」という語句は、「A」または「B」または「AおよびB」の可能性を含むことが理解されるであろう。
【0084】
明確にするために、別個の実施形態の文脈において説明される本発明の特定の特徴がまた、単一の実施形態で組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈において説明される本発明の種々の特徴はまた、別個に、または任意の好適な部分的組み合わせで提供され得る。本発明に関連する実施形態のすべての組み合わせは、本発明によって具体的に包含され、まさに、ありとあらゆる組み合わせが個々にかつ明示的に開示されるかのように本明細書に開示される。加えて、種々の実施形態およびそれらの要素のすべての部分的組み合わせもまた、本発明によって具体的に包含され、まさに、ありとあらゆるそのような部分的組み合わせが個々にかつ明示的に本明細書に開示されるかのように本明細書に開示される。
【0085】
本発明の追加の目的、利点、および新規の特徴は、限定するように意図されるものではない以下の実施例を調査すると、当業者に明らかになるであろう。加えて、本明細書で先に説明され、以下の特許請求の範囲の節において主張されるような本発明の様々な実施形態および態様の各々は、次の実施例において実験に基づく裏付けを見出す。
【0086】
上記に記述され、かつ以下の特許請求の範囲のセクションで特許請求されるような本発明の様々な実施形態および態様は、以下の実施例において実験的証拠を見出す。
【実施例
【0087】
一般に、本明細書で使用される命名法および本発明で利用される実験手順には、分子、生化学、微生物学および組換えDNA技術が含まれる。そのような技術は、文献中で十分に説明されている。例えば、”Molecular Cloning: A laboratory Manual”Sambrook et al.,(1989)、”Current Protocols in Molecular Biology”Volumes I-III Ausubel,R.M.,ed.(1994)、Ausubel et al.,”Current Protocols in Molecular Biology”,John Wiley and Sons,Baltimore,Maryland(1989)、Perbal,”A Practical Guide to Molecular Cloning”,John Wiley & Sons,New York(1988)、Watson et al.,”Recombinant DNA”,Scientific American Books,New York、Birren et al.(eds)”Genome Analysis: A Laboratory Manual Series”,Vols.1-4,Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York(1998)、米国特許第4,666,828号、同第4,683,202号、同第4,801,531号、同第5,192,659号、および同第5,272,057号に記載されるような方法、”Cell Biology: A Laboratory Handbook”,Volumes I-III Cellis,J.E.,ed.(1994)、”Culture of Animal Cells-A Manual of Basic Technique”Freshney,Wiley-Liss,N.Y.(1994)、Third Edition、“Current Protocols in Immunology”Volumes I-III Coligan J.E.,ed.(1994)、Stites et al.(eds),“Basic and Clinical Immunology”(8th Edition),Appleton & Lange,Norwalk,CT(1994)、Mishell and Shiigi(eds),“Strategies for Protein Purification and Characterization-A Laboratory Course Manual”CSHL Press(1996)、を参照されたく、これらのすべては参照により取り込まれる。他の一般的な参考文献は、本書全体をとおして提供される。
【0088】
材料および方法
がん患者の血漿中の可溶性ヒトCD28の検出-抗PD1療法を受けた、様々な適応症のがん患者の血漿試料を1:10に希釈し、機能的ELISAによって可溶性ヒトCD28を分析した。高sCD28の試料を適切な希釈で再度分析した。試料は、治療に対する応答に関する臨床的観察が利用可能である場合にのみ検査された。例は、治療中のみのsCD28の量の>0.5倍の変化の基準によって選択された。
【0089】
実施例1:免疫療法前のsCD28レベルにより、応答を予測できる
sCD28の免疫抑制効果が、すでに確立されている(国際特許出願第2019/175885号、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)。さらに、sCD28は免疫療法の強力な阻害剤であり、sCD28のレベルは多くのがんで上昇していることがわかった。抗PD1/抗PD-L1およびCD80に基づく免疫療法はすべて、sCD28によって悪影響を受けることが示された。
【0090】
免疫療法中のがんの進行に対するsCD28レベルの影響をさらに理解するために、抗PD1療法(Nivolumab、NCT01176461)の開始前の黒色腫患者からの100を超える血清試料を、ELISAによってsCD28レベルについて試験した。生存率を、療法をとおして監視し、生存関数を、療法前のsCD28の高レベルの対象と低レベルの対象とを比較してプロットした(図1)。低レベルのsCD28(2ng/mL未満)の対象は、高レベルの対象よりも生存期間の中央値がより長いこと(659日対514日)がわかった。
【0091】
実施例2:免疫療法中のsCD28レベル
免疫療法(抗PD-1、例えば、ニボルマブおよびペンブロリズマブ、抗PD-L1、例えば、アテゾリズマブおよび抗CTLA-4、例えば、イピリムマブ)を受けている166人の個々の患者(黒色腫、腎細胞がん、肺扁平上皮がんおよび尿路上皮がん患者)からの血清を、それらのsCD28レベルについて調べた。これら166人のうちの154人が、療法中に複数の試料を提供した。これらの対象のうち37人は、測定された少なくとも1つの時点でsCD28について陽性である(>2ng/mL)とみなされた。それら37人のうちの19人が、療法中にsCD28発生の変化動態(sCD28レベルの50%を超える変化)を示した。興味深いことに、変化の方向(負動態の正)は常に一貫していた:レスポンダーはsCD28レベルの減少を示し、非レスポンダーはsCD28レベルの増加を示した(図2A)。
【0092】
これら166人の患者のうち、92人の患者がニボルマブ(NCT01176461)による抗PD-1療法を受けていました。すべての患者は、免疫療法の全過程をとおして3つの時点(ベースライン、7週目および13週目)で試料を提供した。試験終了時に、腫瘍サイズで測定したがんの寛解に基づいて、患者をレスポンダーと非レスポンダーに層別化した。sCD28レベルの傾向を全体としてのレスポンダー集団および非レスポンダー集団全体で調査したとき、予後マーカーとしてのsCD28の影響はすぐに明らかになる。非レスポンダーは、ベースライン(療法前)から7週目まで、および13週目までsCD28レベルの増加を示した(図2B)。対照的に、レスポンダーは、sCD28のレベルの増加を示さなかっただけでなく、実際には、平均sCD28レベルは、ベースラインから7週目まで、および13週目まで減少した(図2C)。sCD28発現における絶対変化を7週目および13週目に定量化する場合、非レスポンダー集団で見られる増加は統計的に顕著であった(図2D)。
【0093】
実施例3:再発中のsCD28レベル
sCD28の動態の変化を示した監視された患者のうちの2人は、予想外の結果を示した。両方の患者が免疫療法に応答し、第1の患者(尿路上皮がん)は完全応答(CR)を示し、他の患者(黒色腫)は部分応答(PR)を示した。両方の患者は、療法への応答中、すなわち、寛解期に、平均してsCD28に対して陰性であった(図3)。ただし、両方の患者は、がんの再発の直前または開始時にsCD28レベルの著しい増加を示した。完全応答した患者は進行性疾患(PD)の段階に入り、sCD28レベルは46週目以降に増加し始めた(図3、上のパネル)。部分応答した患者は安定した疾患(SD)の段階に入り、sCD28レベルは35週目に増加し始めた(図3、下のパネル)。これは、sCD28レベルの増加および/または増加が、免疫療法後のがん再発のマーカーとして機能し得、この増加は、切迫した再発の予測マーカーになり得ることを示している。
【0094】
本発明は、その特定の実施形態と併せて説明されてきたが、多くの代替、修正、および変更が当業者に明らかであることは明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の趣旨および広範な範囲内に入るそのようなすべての代替、修正、および変更を包含することが意図されている。
図1
図2A-1】
図2A-2】
図2B
図2C
図2D
図3
【配列表】
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【国際調査報告】