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特表2023-510487車両の到着時間を表示するための装置
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  • 特表-車両の到着時間を表示するための装置 図1
  • 特表-車両の到着時間を表示するための装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(54)【発明の名称】車両の到着時間を表示するための装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/14 20060101AFI20230307BHJP
【FI】
G08G1/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022534417
(86)(22)【出願日】2020-12-17
(85)【翻訳文提出日】2022-06-07
(86)【国際出願番号】 EP2020086661
(87)【国際公開番号】W WO2021148205
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】102020101488.0
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】398037767
【氏名又は名称】バイエリシエ・モトーレンウエルケ・アクチエンゲゼルシヤフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ブレーマー・シュテッフェン
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB05
5H181FF13
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181KK01
5H181KK06
(57)【要約】
本発明は、車両(10)、特に自動車の到着時間を表示するための装置に関し、この装置が、次の、
-表示(11a)、特に時間表示を表示するように構成された少なくとも一つの表示装置(11)と、
-車両(10)の駐車および/または駐車位置を検出し、対応する信号を出力するように構成された検出装置(12)と、
-検出装置(12)および表示装置(11)と通信可能に接続され、信号を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力するように構成された計算ユニット(13)と
を有する。さらに、本発明は、請求項10に記載の車両、請求項11に記載の車両の到着時間を表示するための方法および請求項15に記載のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体を記述する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両(10)、特に自動車の到着時間を表示するための装置であって、
以下の、
-表示(11a)、特に時間表示を表示するように構成された少なくとも一つの表示装置(11)と、
-車両(10)の駐車および/または駐車位置を検出し、対応する信号を出力するように構成された検出装置(12)と、
-検出装置(12)および表示装置(11)と通信可能に接続され、信号を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力するように構成された計算ユニット(13)と
を有する装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、
検出装置(12)は、位置特定モジュール(12a)、特にGPSモジュールを有し、当該モジュールは、車両(10)の駐車位置を特定し、車両(10)の駐車位置を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の装置において、
検出装置(12)は、少なくとも一つの加速度センサ(12b)を有し、当該加速度センサは、駐車位置における車両(10)の駐車を検出し、車両(10)の駐車を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の装置において、
通信装置(16)が計算ユニット(13)と通信可能に接続され、少なくとも一つの遠隔装置(30)とデータを交換するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか、特に請求項4に記載の装置において、
通信装置(16)および/または計算ユニット(13)はさらに、遠隔装置(30)から駐車情報データを受信し、当該駐車情報データは、車両(10)の駐車位置におけるパーキングディスク義務および/または駐車時間制限に関する情報を含み、それにより、車両(10)の駐車位置のパーキングディスク義務および/または駐車時間制限を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか、特に請求項5に記載の装置において、
通信装置(16)および/または計算ユニット(13)はさらに、駐車時間制限に達することについての警告を無線でユーザ端末(40)に送信するように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の装置において、
表示(11a)は、高さが少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3cm、さらに好ましくは少なくとも4cmであることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の装置において、
入力装置(17)が表示(11a)の出力を起動および/または停止することを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の装置において、
表示装置(11)は、表示(11a)を表示するために、ディスプレイおよび/またはプロジェクタを有していることを特徴とする装置。
【請求項10】
到着時間を表示するための組み込み型の装置、特に請求項1から9のいずれかに記載の装置を備えた車両、特に自動車であって、
車両(10)のダッシュボード(14)に配設された表示装置(11)を有し、ダッシュボード(14)の当該表示装置(11)は、表示(11a)が好ましくは車両(10)のフロントガラス(15)上および/またはフロントガラス(15)越しに車両(10)の外において認識できるように構成されている車両(10)。
【請求項11】
車両(10)、特に自動車の到着時間を表示するための方法であって、
以下の、
-好ましくは、位置特定モジュール(12a)および/または加速度センサ(12b)を有する車両(10)の検出装置(12)を用いて車両(10)の駐車位置を検出し;
-車両(10)の駐車位置および/または駐車を考慮して表示装置(11)に表示(11a)を出力し、当該表示装置(11)が、好ましくは車両(10)のダッシュボード(14)に配設され、表示(11a)が、好ましくは車両(10)のフロントガラス(15)上および/またはフロントガラス(15)越しに車両(10)の外において認識可能である;
ステップを有する方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
-車両(10)の通信装置(16)を用いて遠隔装置(30)から駐車情報データを受信し、当該駐車情報データが、車両(10)の位置におけるパーキングディスク義務および/または駐車時間制限に関する情報を含み、
-その位置のパーキングディスク義務および/または駐車時間制限を考慮して表示装置(11)に表示される表示(11a)を調整する
ことを特徴とする方法。
【請求項13】
請求項11または12に記載の方法において、
駐車時間制限に達することについての警告を車両(10)の通信装置(16)によりユーザ端末(40)に無線で送信することを特徴とする方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法において、
駐車時間制限に達する好ましくは15分前、さらに好ましくは20分前、さらにまだ好ましくは30分前に警告を無線でユーザ端末(40)に送信するか或いは要求信号がユーザ端末(40)により車両(10)の通信装置(16)に送られて、当該要求信号の受信に対応して警告を無線でユーザ端末(40)に送信するかの少なくともいずれかであることを特徴とする方法。
【請求項15】
コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であって、少なくとも一つの計算ユニット(13)、特に車両(10)のオンボードコンピュータに請求項11から14のいずれかに記載の方法を実行させる命令を保持した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求項1若しくは特許請求項10若しくは特許請求項11の前提部分おいて書きに係る車両の到着を表示するための装置並びに対応する方法及び車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車両、特に自動車が駐車場若しくは駐車ゾーンに駐車されることは、よくあることである。駐車場または駐車ゾーンにおける車両の許可駐車期間は、時間的に限られている場合がある。そのため、駐車場若しくは駐車ゾーンによっては、車両のドライバーがパーキングディスクを置いて、それが見える状態で自車の中に残しておかなければならないことが定められていることがある。ここで、パーキングディスク(Parkscheibe)は、車両の到着時刻を知らせることで、駐車時間がいつ開始したのかを表示する。パーキングディスクは、車両到着の際に、ドライバーによって手で設置され、見えるようにして車内に残したままにされる。所定の状況では、ドライバーがパーキングディスクを置き忘れたり、パーキングディスクが(車両の外から)よく見えないように車両に残されていたりする場合も起こり得る。そのような違反行為は、交通違反切符につながりかねない。その結果、支払い義務を負わされて車両が牽引される等して撤去されることもあり得る。つまり、ドライバーがパーキングディスクを(正しく)置くのを忘れた場合、過料若しくは罰金のために、ドライバー若しくは車両所有者にとって多額の費用が発生する可能性がある。加えて、パーキングディスクが(正しく)置かれていなかったという理由で車両が牽引されてしまうと、ドライバーが一時的に自身の移動に制約を受けることになり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、本発明は、ドライバーに過料および/または余分な手間がかからないようにし、それにより、車両のドライバー若しくは車両所有者にとって費用の節約となるようにするために、車両の到着時間が常によく見えるように提示されることが可能となる、車両の到着時間を表示するための装置並びに対応する方法および車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、特に、車両、特に自動車の到着時間を表示するための装置により解決され、この装置は、以下を備えている:
-表示、特に時間表示を表示するように構成された少なくとも一つの表示装置;
-車両の駐車および/または駐車位置を検出し、対応する信号を出力するように構成された検出装置;
-検出装置および表示装置と通信可能に接続され、信号を考慮して表示装置に表示を出力するように構成された計算ユニット。
【0005】
本発明の本質的な考え方は、車両を駐車する場所がパーキングディスク義務により到着時間の表示を必要としている場合、駐車開始時には、車両の外から容易に分かる到着時間の表示を常に見せる点にある。この装置は、検出装置により駐車場若しくは駐車ゾーンのパーキングディスク義務を認識若しくは検出し、必要であれば、駐車開始を知らせる然るべき時間表示を駐車ゾーンの規則に則ってドライバーの行動に関係なく出力することができる。
【0006】
一実施形態において、検出装置は、位置特定モジュール、特にGPSモジュールを有し、当該モジュールは、車両の駐車位置を特定し、車両の駐車位置を考慮して表示装置に表示を出力するように構成されている。
【0007】
これにより可能となるのは、場所に依存した情報を考慮して表示を出力することができるということである。このために、例えば、車両および/または計算ユニットのナビゲーションシステムの地図情報との比較を行なうことができる。このようにして、パーキングディスクを置く必要がある駐車場若しくは駐車ゾーンに車両がいるのかどうか見極めることができる。さらに、車両の位置特定モジュール、特にGPSモジュールにより現在時刻を取得することも可能である。これにより、ドライバーは、現在時刻を見る必要および/または知る必要もなければ、その駐車場若しくは駐車ゾーンが、パーキングディスクを置くことが必要なエリアであることを見極める必要もなくなる。
【0008】
一実施形態において、検出装置は、少なくとも一つの加速度センサを有し、当該加速度センサは、駐車位置における車両の駐車を検出し、車両の駐車を考慮して表示装置に表示を出力するように構成されている。
【0009】
これにより、装置が、加速度センサを用いて、動き、それも特に停車および/または発進といった特定の動きを検出することが可能になる。検出された動きに基づいて、表示を表示装置に出力することができる。加えて、車両が再び駐車位置を後にすることを車両の動きを介して検出することが可能になる。これは、計算ユニットが表示を停止させるのに用いることができる。このような仕方によれば、ドライバーは、車両を停車させた後、表示を手でおよび/または自分で設定する必要がない。これにより、快適さに対する付加価値と、時間の節約に対する付加価値がドライバーに与えられるとともに、発生してしまうかもしれない過料が避けられる。
【0010】
一実施形態において、装置は、通信装置を有し、この通信装置が計算ユニットと通信可能に接続され、少なくとも一つの遠隔装置とデータを交換するように構成されている。
【0011】
これにより、遠隔装置からの駐車ゾーンに関する最新の情報を考慮して表示の出力を行なうことが可能になる。従って、こういった情報、或いはナビゲーションシステムの地図資料の少なくともいずれかは、計算機ユニットにローカルに(のみ)格納されている必要はなく、遠隔装置、特にクラウドから、車両の通信装置に送信されるようにすればよい。このようにして、駐車ゾーンおよび駐車ゾーンの規則に関する最新の情報および/または更新された情報を常に用意することができる。
【0012】
一実施形態において、通信装置および/または計算ユニットはさらに、遠隔装置から駐車情報データを受信し、その駐車情報データが車両の駐車位置におけるパーキングディスク義務および/または駐車時間制限に関する情報を含み、それにより、車両の駐車位置のパーキングディスク義務および/または駐車時間制限を考慮して表示装置に表示を出力する。
【0013】
これにより、その場所で規定されている駐車ゾーン若しくは駐車場の規則に合わせて表示装置における表示を調整することが可能になる。駐車ゾーンによっては、駐車情報データを介して伝えることでのできる様々な(地域的および/またはその国特有の)規則が存在する可能性がある。例えば、(その地域の法律によっては)駐車開始の現在時刻を直近の30分に切り上げた到着時間の表示が求められる場合がある。このような情報が駐車情報データに含まれていてもよい。さらに、通信装置が、受信した駐車ゾーンの規定の駐車時間制限に基づいて、例えばまだ車両から降りる前に、駐車時間制限が一杯になる時刻をドライバーに通知することが可能である。これは、一実施形態において、車両の情報システムの情報出力によって、例えば車両の音声出力および/または表示によって行なうことができる。
【0014】
一実施形態において、通信装置および/または計算ユニットはさらに、駐車時間制限に達したことについての警告を無線でユーザ端末に送信するように構成されている。
【0015】
これにより可能になることは、駐車制限が一杯になる前に、ドライバー若しくは車両所有者に適時に警告を出すことができるということである。そのために、通信装置は、例えば、スマートフォンに警告を送信することができる。この結果、ドライバー若しくは車両所有者には、適時に自分の車両に戻ることで駐車時間制限を超えることによる過料や罰金を免れる機会が与えられる。
【0016】
一実施形態において、表示は、高さが少なくとも2cm、好ましくは少なくとも3cm、さらに好ましくは少なくとも4cmである。
【0017】
これにより、車両の外から良く見える若しくは良く読めるように表示を構成することが可能になる。また、例えば、駐車ゾーン若しくは(地域の法律で規定された)規則により、表示の最小サイズが定められているという理由から、受信した駐車情報データに基づいて、表示の大きさや高さを調整することも可能である。
【0018】
一実施形態において、装置は、表示の出力を起動および/または停止する入力装置を有している。
【0019】
これにより、車両のドライバーは、表示を手動で起動したり若しくは停止したりすることを、ドライバーがそれを必要とみなせば、行なえることが可能になる。
【0020】
一実施形態において、表示装置は、表示を表示するために、ディスプレイおよび/またはプロジェクタを有している。
【0021】
これにより、車両のフロントガラス越しにおよび/またはフロントガラス上に車両の外からはっきり見えるように表示を表示することが可能になる。このとき、カラー表示またはモノクロ表示の少なくともいずれかで実現することができる。さらに、このような表示は、多様なデザインオプションをもたらす。到着時間を表示することに加えて、例えば、テキストフィールドおよび/または少なくとも一つのグラフィックシンボルを表示に挿入することができる。表示装置上における表示の出力のこのようなデザインオプションは、例えば受信した駐車情報データを考慮して行なうことができるか或いはそのために設けられた計算ユニットのシステムを用いてドライバー若しくは車両所有者により作成することができるかの少なくともいずれかである。
【0022】
特に、本発明の課題は、到着時間を表示するための組み込み型の装置、特に上記の装置を備えた車両、特に自動車によっても解決され、この車両は、車両のダッシュボードに配設された表示装置を有し、ダッシュボードのこの表示装置は、表示が好ましくは車両のフロントガラス上および/またはフロントガラス越しに車両の外において認識できるように構成されている。
【0023】
この結果、車両の到着時間を表示するための装置に関連して既に説明したのと同じ長所がもたらされる。加えて、車両のダッシュボードに装置を配設することにより、到着の表示と、駐車場および/または駐車ゾーンにおける車両の駐車期間の開始とを常に同じ位置および/または正しく表示することが可能になる。これにより、駐車期間の開始が車両の外からはっきりと必ず認識できるので、常に駐車ゾーンの(法的な)規則に則ることが可能になる。従って、ドライバーは、パーキングディスクを置くことについて考えなくてもよい。これにより、駐車時間長さを超過することによる費用と時間とが節約される。
【0024】
特に、本発明の課題は、車両、特に自動車の到着時間を表示するための方法によっても解決され、その方法は、以下の:
-車両の駐車位置を検出するステップ、それも、好ましくは位置特定モジュールおよび/または加速度センサを有する車両の検出装置を用いて検出するステップ;
-車両の駐車位置および/または駐車を考慮して表示装置に表示を出力するステップであって、表示装置が、好ましくは車両のダッシュボードに配設され、表示が、好ましくは車両のフロントガラス上および/またはフロントガラス越しに車両の外で認識可能であるステップ;
を有する:
【0025】
この結果、車両の到着時間を表示するための装置若しくは車両の到着時間を表示するためのシステムに関連して既に説明したのと同じ長所がもたらされる。
【0026】
一実施形態において、この方法は、
-車両の通信装置を用いて遠隔装置から駐車情報データを受信するステップであって、駐車情報データは、車両の位置におけるパーキングディスク義務および/または駐車時間制限に関する情報を含むステップ、
-その位置のパーキングディスク義務および/または駐車時間制限を考慮して表示装置に表示される表示を調整するステップ、
を有する。
【0027】
一実施形態において、この方法は、駐車時間制限に達したことについての警告を車両の通信装置によりユーザ端末に無線で送信するステップを有する。
【0028】
また、この結果、車両の到着時間を表示するための装置若しくは車両の到着時間を表示するためのシステムに関連して既に説明したのと同じ長所がもたらされる。
【0029】
一実施形態においては、駐車時間制限に達する好ましくは15分前、さらに好ましくは20分前、さらにまだ好ましくは30分前に警告を無線でユーザ端末に送信するか或いは要求信号がユーザ端末により車両の通信装置に送られて、その要求信号を受信すると警告を無線でユーザ端末に送信するかの少なくともいずれかである。
【0030】
これにより、ドライバー若しくは車両所有者は、駐車時間制限が一杯になる前に、適時にユーザ端末、例えばスマートフォンを介して通知を受け、場合によっては、駐車時間制限が一杯になる前に駐車した車両にたどり着く時間が十分あるということが可能になる。代替的または追加的に、ドライバー若しくは車両所有者は、自分のユーザ端末、例えばスマートフォンを用いて、車両制限が一杯になるまでの時間を尋ねることができる。このようにして、ドライバー若しくは車両所有者は、駐車時間の長さを超過することにより発生する費用から身を守ることができる。
【0031】
特に、本発明の課題は、コンピュータにより読み取り可能な記憶媒体によっても解決され、この記憶媒体は、少なくとも一つの計算ユニット、特に車両のオンボードコンピュータに、上で説明したような方法を実行させる命令を保持していいる。
【0032】
この結果、車両の到着時間を表示するための装置若しくは車両の到着時間を表示するためのシステム若しくは車両の到着時間を表示するための方法に関連して既に説明したのと同じ長所がもたらされる。
【0033】
さらに有利な実施形態は、従属請求項に基づいてもたらされる。
【0034】
以下に、図に基づいて詳細に説明される実施例に基づき、本発明についてさらに他の特徴および長所に関しても述べることにする。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】到着時間を表示するための本発明による装置を備えた車両の概略上面図である。
図2】到着時間を表示するための本発明による装置を備えた車両の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1には、到着時間を表示するための装置を備えた車両10の一実施例が上面視して概略的に示されている。
【0037】
この車両10はここで、一実施例において、少なくとも一つの表示装置11を有している。表示装置は、例えば、表示11aがフロントガラス15上および/またはフロントガラス15越しに車両10の外から見て分かるように、ディスプレイおよび/またはプロジェクタを有している。
【0038】
一実施例において、このプロジェクタは、車両のヘッドアップディスプレイのプロジェクタとして構成されている。
【0039】
一実施例において、表示11aは、駐車場若しくは駐車ゾーンPにおける車両10の駐車開始時点を反映した時刻を示す。
【0040】
一実施例において、表示11aに表示される駐車開始の時刻は、実際の現在時刻からずれていることがある。というのも、場合によっては(駐車ゾーンPの規則によっては)、表示された時刻が例えば直近の30分に切り上げられることが必要だからである。本発明によれば、駐車ゾーンPの(地域的なおよび/または国特有の)規則に応じて、上記の切り上げからずれた切り上げが行なわれることもあるし、或いは、駐車を開始した実際の現在時刻が表示11aに出力されることもある。
【0041】
車両10はさらに、駐車場若しくは駐車ゾーンPにおける車両10の駐車および/またはローカルな若しくは局所的な駐車位置を検出し、対応する信号を出力するように構成された検出装置12を有している。
【0042】
車両10はさらに、検出装置12および表示装置11と通信可能に接続され、上記信号を考慮して表示装置11に表示11aを出力するように構成された計算ユニット13を有している。
【0043】
一実施例において、通信可能な接続には例えば、FlexRayおよび/またはCAN-BUSおよび/またはイーサネット接続などのBUSシステムが含まれ得る。
【0044】
検出装置12は、位置特定モジュール12aを有している。一実施例において、位置特定モジュール12aは、車両10のGPSモジュールとして構成されている。位置特定モジュール12aは、車両10のナビゲーションシステムを有していてもよい。
【0045】
計算ユニット13は、一実施例において、少なくとも一つのオンボードコンピュータにより構成されていてもよい。このオンボードコンピュータに、車両のナビゲーションシステムのための地図資料が保存されていてもよい。
【0046】
位置特定モジュール12aは、例えば車両10の場所特定および/または車両のGPS座標特定により車両10の駐車位置を特定し、車両10の位置に関する対応する信号を計算ユニット13に出力するように構成されている。
【0047】
このように、表示11aは、特に地図資料と比較しながら、車両10の駐車位置若しくはGPS座標を考慮して表示装置11上に出力することができる。
【0048】
このような仕方で、位置特定モジュール12aおよび/または計算ユニット13は、その駐車場若しくは駐車ゾーンPがパーキングディスク義務のある駐車ゾーンPであるのかどうかを識別することができる。
一実施例において、表示11aの出力は、例えば、位置特定モジュール12aを介した位置特定により起動および/または停止することができる。
【0049】
検出装置12は、少なくとも一つの加速度センサ12bを有し、当該加速度センサは、車両10の、その駐車位置における然るべき(特有の)動きの変化を介して車両10の駐車を検出し、動きの変化に関する対応する信号を計算ユニット13に出力するように構成されている。
【0050】
加速度センサ12bはこのとき、車両10の駐車若しくは停車および/または発進に関するデータを収集することができ、加速度センサ12bにより収集されたこのデータを考慮して、表示装置11に表示11aを出力することができる。一実施例において、表示11aの出力は、例えば、車両10の停車により起動するおよび/または車両10の発進により停止することができる。
【0051】
代替的または追加的に、検出装置12が、車両10の運転席に配設されている少なくとも一つの圧力センサを有していてもよい。このように、圧力センサを介して運転席にかかる圧力を求めることができる。運転席にかかるこの圧力は、(ドライバーが運転席から離れることで)ドライバーが車両10から降りたかどうかおよび/または(ドライバーが運転席に着席することで)ドライバーが車両10に乗り込んだかどうかに関する一つの指標である。ここで、代替的または追加的に、車両10の停車(および/または発進)に加えて、ドライバーが車両を後にするおよび/または車両10に乗り込むとただちに表示11aの出力が起動若しくは停止される。
【0052】
さらに、計算ユニット13は、特に、表示装置11上におよび/または表示装置11により表示11aをグラフィカルに表示するために、ビデオデータを表示装置11に出力するように構成されたグラフィックモジュールを有している。
【0053】
一実施例において、車両10は、計算ユニット13に通信可能に接続され、少なくとも一つの遠隔装置30とデータを交換するように構成された通信装置16を有している。
【0054】
遠隔装置30はここで、例えば、車両メーカーおよび/または第三者のサプライヤーのセンターおよび/またはクラウドにより構成されていてもよく、遠隔装置は、駐車ゾーンおよび/または駐車時間制限についての駐車情報データを送信するが、このデータが、車両10の通信装置16により受信されるか、処理のために、特に表示装置11によるおよび/または表示装置11を用いた表示11aの出力を考慮するために、通信装置16から計算ユニット13に転送されるか、の少なくともいずれかとされるのでもよい。
【0055】
駐車情報データは、例えば、(法律上の)規格、特に、表示11aのサイズ、フォントまたは記号の少なくともいずれかおよび/または追加の情報、特に表示11a上でテキストフィールドが分かるかどうかといった、表示11aをどのように表示するかの規格を含んでいてもよい。
【0056】
さらに、駐車情報データは、車両10が位置している駐車ゾーンPの駐車時間制限を含んでいる。
【0057】
駐車情報データは、代替的または追加的に、計算ユニット13のメモリに格納されおよび/またはそこに格納されたままにすることができる。
【0058】
一実施例において、通信装置16は、ユーザ端末40にメッセージを送信するように構成されている。特に、これにより、ユーザ端末のユーザ、このユーザは好ましくは車両10のドライバー若しくは車両所有者であるが、そのユーザは、許可された駐車時間の長さが(間もなく)一杯になることについて指摘を受けることができる。
【0059】
一実施例において、車両10は、表示11aの出力を起動および/または停止するように構成されている入力装置17を有している。入力装置17は例えば、スイッチ素子を介しておよび/または音声入力を通して、好ましくはドライバーにより操作することができる。
【0060】
図2には、到着時間を表示するための装置を備えた車両10の一実施例が正面視して概略的に示されている。
【0061】
車両10は、フロントガラス15を有している。さらに、車両10は、ダッシュボード14を有している。一実施例において、表示装置11は、表示11aがフロントガラス15越しにおよび/またはフロントガラス15上に車両10の外から良く見えるように車両10のダッシュボード14に固定的に組み込まれている。
【0062】
一実施例において、表示11aは例えば、車両10の助手席側に配置されている。代替的な一実施例において、表示11aは、運転席側に配置されている。
【0063】
具体的な実施例において、表示11aは、例えば、テキストフィールド、好ましくは“到着時間”、そしてさらに、時間表示および/またはグラフィカル表示を含むことができ、時間表示は、駐車開始を知らせる時刻に即したものである。(地域的な)規則によっては、現在時刻から直近の30分に切り上げられる時間表示になる場合もある。
【0064】
一実施例において、表示11aは、例えば、デジタル式の時間表示を有していてもよい。代替的な一実施例では、表示11aは、アナログ式の時間表示のグラフィカルな表示を有していてもよい。
【0065】
ここで、上で述べた全ての部分は、単独でみても、特に図に示した詳細の任意の組み合わせにおいても、本発明に本質的なものとして権利主張されるものであることを指摘しておく。
【符号の説明】
【0066】
10 車両
11 表示装置
11a 表示
12 検出装置
12a 位置特定モジュール
12b 加速度センサ
13 計算ユニット
14 ダッシュボード
15 フロントガラス
16 通信装置
17 入力装置
30 遠隔装置
40 ユーザ端末
P 駐車ゾーン若しくは駐車場
図1
図2
【国際調査報告】