(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-14
(54)【発明の名称】電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車
(51)【国際特許分類】
H01M 50/184 20210101AFI20230307BHJP
H01M 50/193 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/186 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/103 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/133 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/528 20210101ALI20230307BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20230307BHJP
H01M 10/052 20100101ALI20230307BHJP
H01M 10/058 20100101ALI20230307BHJP
H01M 50/308 20210101ALI20230307BHJP
H01M 50/197 20210101ALI20230307BHJP
【FI】
H01M50/184 A
H01M50/193
H01M50/186
H01M50/103
H01M50/119
H01M50/133
H01M50/528
H01M10/04 Z
H01M10/052
H01M10/058
H01M50/308
H01M50/197
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542747
(86)(22)【出願日】2021-01-08
(85)【翻訳文提出日】2022-08-24
(86)【国際出願番号】 CN2021070924
(87)【国際公開番号】W WO2021143625
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】202021062203.0
(32)【優先日】2020-06-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020064787.9
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】朱燕
(72)【発明者】
【氏名】胡世超
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H028
5H029
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA03
5H011AA17
5H011CC06
5H011GG01
5H011HH02
5H011JJ11
5H011JJ12
5H011JJ25
5H011KK01
5H011KK02
5H011KK04
5H012AA07
5H012BB01
5H012DD04
5H012EE01
5H012GG05
5H028AA07
5H028BB01
5H028BB05
5H028BB15
5H028CC01
5H028CC05
5H028CC07
5H028CC08
5H028CC24
5H028EE01
5H028EE06
5H028HH01
5H028HH05
5H028HH09
5H029AJ14
5H029AJ15
5H029BJ02
5H029CJ05
5H029CJ28
5H029DJ02
5H029DJ03
5H029EJ01
5H029EJ12
5H029HJ04
5H029HJ15
5H043AA19
5H043BA19
5H043CA04
5H043FA11
5H043FA22
5H043HA11F
5H043HA22F
(57)【要約】
電池(100)、電池モジュール、電池パック(200)及び電気自動車であり、電池(100)は、金属ケース(11)、パッケージ部材及び複数の電極体セット(12)を含み、パッケージ部材は、対向して設けられた2つのパッケージ部(13)を含み、内部空間を有し、2つのパッケージ部(13)は、所定の位置で接合されてパッケージ部材の内部空間を複数の封止された収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの封止された収容キャビティに電極体セット(12)が設けられ、金属ケース(11)がパッケージ部材外に嵌着される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ケース、パッケージ部材、及び、複数の電極体セットを含み、
前記パッケージ部材は、互いに対向して設けられた2つのパッケージ部を含み、内部空間を有し、前記2つのパッケージ部は、所定の位置で接合されて、前記パッケージ部材の内部空間を複数の封止された収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティに前記電極体セットが設けられ、
前記金属ケースは、前記パッケージ部材の外側に嵌め合わされていることを特徴とする、電池。
【請求項2】
前記パッケージ部材は、一体に成形されたパッケージフィルムを、所定の折り目線に沿って、中折りされて形成され、2つのパッケージ部は、前記パッケージフィルムの前記折り目線の両側の部分によって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
前記2つのパッケージ部は、2つのパッケージフィルムであることを特徴とする、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記封止された収容キャビティのキャビティ壁は、前記電池の厚さ方向に沿って対向して設けられた2つの側壁を含み、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティの少なくとも1つの前記側壁は、前記封止された収容キャビティの外部へ窪んで溝を形成し、前記溝は、前記電極体セットを収容することを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電池。
【請求項5】
前記2つのパッケージ部は、所定の位置で熱溶融して接合されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の電池。
【請求項6】
前記電池は、第1の方向を含み、前記複数の電極体セットは、前記第1の方向に沿って配列され、前記電極体セットは、前記第1の方向に沿ってそれぞれ前記電極体セットの両側に位置する第1の電極と第2の電極を含むことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電池。
【請求項7】
直列接続された2つの前記電極体セットのうちの1つの電極体セットの第1の電極と、もう1つの電極体セットの第2の電極との接続箇所は、前記2つのパッケージ部に対応する接合位置に埋設されることを特徴とする、請求項6に記載の電池。
【請求項8】
前記封止された収容キャビティ内の気圧は、前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧より低いことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電池。
【請求項9】
前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧は、前記金属ケース外の気圧より低いことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の電池。
【請求項10】
前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧P1は、-100Kpa~-5Kpaであることを特徴とする、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
前記封止された収容キャビティ内の気圧は、P2であり、前記P1とP2との関係は、P1>P2を満たし、かつP1/P2の範囲は、0.05~0.85であることを特徴とする、請求項10に記載の電池。
【請求項12】
P2の値は、-100Kpa~-20Kpaであることを特徴とする、請求項11に記載の電池。
【請求項13】
前記電池は、第1の方向を含み、前記複数の電極体セットは、前記第1の方向に沿って配列され、前記電極体セットの長さは、前記第1の方向に沿って延び、前記電池の長さは、前記第1の方向に沿って延び、前記電池の長さは、400mm~2500mmであることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の電池。
【請求項14】
前記電池の厚さは、第2の方向に沿って延び、前記金属ケースは、前記第2の方向に沿って対向する2つの第1の表面を有し、少なくとも1つの前記第1の表面は、前記金属ケースの内部に窪んでいることを特徴とする、請求項13に記載の電池。
【請求項15】
前記2つの第1の表面は、いずれも前記金属ケースの内部に窪んでおり、前記電極体セットを挟持していることを特徴とする、請求項14に記載の電池。
【請求項16】
前記電池は、略直方体であり、前記電池の厚さは、10mmより大きいことを特徴とする、請求項13~15のいずれか一項に記載の電池。
【請求項17】
前記電池の長さと厚さとの比率は、5~250であることを特徴とする、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記金属ケースには、空気抜き孔が設けられ、前記空気抜き孔内に封止部材が設けられることを特徴とする、請求項1~17のいずれか一項に記載の電池。
【請求項19】
前記金属ケースの壁厚さは、0.05mm~1mmであることを特徴とする、請求項1~18のいずれか一項に記載の電池。
【請求項20】
請求項1~19のいずれか一項に記載の電池を含むことを特徴とする、電池モジュール。
【請求項21】
複数の電池を含む電池列を含み、前記電池は、それぞれ、金属ケース、パッケージ部材、及び、複数の電極体セットを含み、
前記パッケージ部材は、対向して設けられた2つのパッケージ部を含み、前記2つのパッケージ部は、所定の位置で接合されて、前記パッケージ部材の内部空間を、複数の封止された収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティに電極体セットが設けられ、
前記金属ケースは、前記パッケージ部材の外側に嵌め合わされていることを特徴とする、電池パック。
【請求項22】
前記電池の厚さは、第2の方向に沿って延び、複数の前記電池は、前記第2の方向に順に配列されて前記電池列を形成し、
少なくとも2つの隣接する電池の間に隙間があり、前記隙間と前記電池の厚さとの比の値の範囲は、0.001~0.15であることを特徴とする、請求項21に記載の電池パック。
【請求項23】
前記金属ケースは、開口を有するケース本体、及び、カバープレートを含み、前記カバープレートは、前記ケース本体の開口に封止接続されて前記ケース本体の内部空間を封止し、
前記隙間は、第1の隙間d1を含み、前記第1の隙間d1は、前記2つの隣接する電池の2つのカバープレートの間の前記第2の方向に沿う最小距離であり、前記電池の厚さは、前記カバープレートの前記第2の方向に沿う寸法であり、かつ前記第1の隙間d1と前記電池の厚さとの比の値の範囲は、0.005~0.1であることを特徴とする、請求項22に記載の電池パック。
【請求項24】
前記金属ケースは、開口を有するケース本体及びカバープレートを含み、前記カバープレートは、前記ケース本体の開口に封止接続されて前記ケース本体の内部空間を封止し、
前記電池は、第2の方向に沿って対向する2つの第1の表面を有し、前記隙間は、第2の隙間d2を含み、前記第2の隙間d2は、前記2つの隣接する電池の対向する2つの第1の表面の間の最小距離であり、前記電池の厚さは、前記カバープレートの前記第2の方向に沿う寸法であることを特徴とする、請求項22又は23に記載の電池パック。
【請求項25】
前記電池の使用前の第1の隙間d1は、使用後の第2の隙間d2より大きいことを特徴とする、請求項24に記載の電池パック。
【請求項26】
請求項21~25のいずれか一項に記載の電池パックを含むことを特徴とする、電気自動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年1月13日に提出した、発明の名称が「電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車」である中国特許出願第「202020064787.9」号の優先権と、ビーワイディーカンパニーリミテッドが2020年6月10日に提出した、発明の名称が「電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車」である中国特許出願第「202021062203.0」号の優先権とを主張するものである。
【0002】
本願は、電池の分野に関し、特に、電池、電池モジュール、電池パック及び電気自動車に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車に適用される電池パックは、一般的に、電池容量を向上させるように、電池パックのケース内に取り付けられる複数の電池を含む。
【0004】
電池の製造過程において電解液を添加する必要があるため、電解液漏れを防止するために電池を密封する必要がある。従来技術において、一般的に、電極体をケース内に直接的に密封し、次にケース上の注入口から電解液を注入し、電解液注入が完了した後に注入口を密封することにより、電池を得る。しかしながら、上記方式では、電極体及び電解液を電池のケース内に直接的にパッケージ化するため、ケースが損傷すると電解液が漏れやすく、密封効果が低い。
【発明の概要】
【0005】
本願は、関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度解決することを目的とする。
【0006】
このために、本願の第1の態様に係る電池は、金属ケース、パッケージ部材及び複数の電極体セットを含み、前記パッケージ部材は、対向して設けられた2つのパッケージ部を含み、内部空間を有し、前記2つのパッケージ部は、所定の位置で接合されて前記パッケージ部材の内部空間を複数の封止された収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティに前記電極体セットが設けられ、前記金属ケースが前記パッケージ部材外に嵌着される。
【0007】
本願のいくつかの実施形態において、前記パッケージ部材は、一体成形されたパッケージフィルムにより所定の折り目線に沿って中折りされてなり、前記パッケージフィルムの前記折り目線の両側に位置する部分は、それぞれ前記2つのパッケージ部を構成する。
【0008】
本願のいくつかの実施形態において、前記2つのパッケージ部は、2つのパッケージフィルムである。
【0009】
本願のいくつかの実施形態において、前記封止された収容キャビティのキャビティ壁は、前記電池の厚さ方向に沿って対向して設けられた2つの側壁を含み、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティの少なくとも1つの側壁は、前記封止された収容キャビティの外部へ窪んで溝を形成し、前記溝は、前記電極体セットを収容する。
【0010】
本願のいくつかの実施形態において、前記2つのパッケージ部は、所定の位置で熱溶融して接合される。
【0011】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池は、第1の方向を含み、前記複数の電極体セットは、前記第1の方向に沿って配列され、前記電極体セットは、前記第1の方向に沿ってそれぞれ前記電極体セットの両側に位置する第1の電極と第2の電極を含む。
【0012】
本願のいくつかの実施形態において、直列接続された2つの前記電極体セットのうちの1つの電極体セットの第1の電極と、もう1つの電極体セットの第2の電極との接続箇所は、前記2つのパッケージ部の対応する接合位置に埋設される。
【0013】
本願のいくつかの実施形態において、前記封止された収容キャビティ内の気圧は、前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧より低い。
【0014】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧は、前記金属ケース外の気圧より低い。
【0015】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースと前記パッケージ部材との間の気圧P1は、-100Kpa~-5Kpaである。
【0016】
本願のいくつかの実施形態において、前記封止された収容キャビティ内の気圧は、P2であり、前記P1とP2との関係は、P1>P2を満たし、かつP1/P2の範囲は、0.05~0.85である。
【0017】
本願のいくつかの実施形態において、P2の値は、-100Kpa~-20Kpaである。
【0018】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池は、第1の方向を含み、前記複数の電極体セットは、前記第1の方向に沿って配列され、前記電極体セットの長さは、前記第1の方向に沿って延び、前記電池の長さは、前記第1の方向に沿って延び、前記電池の長さは、400mm~2500mmである。
【0019】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池の厚さは、第2の方向に沿って延び、前記金属ケースは、前記第2の方向に沿って対向する2つの第1の表面を有し、少なくとも1つの前記第1の表面は、前記金属ケースの内部に窪む。
【0020】
本願のいくつかの実施形態において、前記2つの第1の表面は、いずれも前記金属ケースの内部に窪んで、前記電極体セットを挟持する。
【0021】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池は、ほぼ直方体であり、前記電池の厚さは、10mmより大きい。
【0022】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池の長さと厚さとの比率は、5~250である。
【0023】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースには、空気抜き孔が設けられ、前記空気抜き孔内に封止部材が設けられる。
【0024】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースの壁厚さは、0.05mm~1mmである。
【0025】
本願の第2の態様に係る電池モジュールは、上記いずれかの実施形態に記載の電池を含む。
【0026】
本願の第3の態様に係る電池パックは、複数の電池を含む電池列を含み、前記電池は、金属ケース、パッケージ部材及び複数の電極体セットを含み、前記パッケージ部材は、対向して設けられた2つのパッケージ部を含み、前記2つのパッケージ部は、所定の位置で接合されて前記パッケージ部材の内部空間を複数の封止された収容キャビティに仕切り、少なくとも1つの前記封止された収容キャビティに電極体セットが設けられ、
前記金属ケースが前記パッケージ部材外に嵌着される。
【0027】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池の厚さは、第2の方向に沿って延び、複数の前記電池は、前記第2の方向に沿って順に配列されて前記電池列を形成し、
少なくとも2つの隣接する電池の間に隙間があり、前記隙間と前記電池の厚さとの比率範囲は、0.001~0.15である。
【0028】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースは、開口を有するケース本体及びカバープレートを含み、前記カバープレートは、前記ケース本体の開口に封止接続されて前記ケース本体の内部空間を封止し、
前記隙間は、第1の隙間d1を含み、前記第1の隙間d1は、前記2つの隣接する電池の2つのカバープレートの間の前記第2の方向に沿う最小距離であり、前記電池の厚さは、前記カバープレートの前記第2の方向に沿う寸法であり、かつ前記第1の隙間d1と前記電池の厚さとの比率範囲は、0.005~0.1である。
【0029】
本願のいくつかの実施形態において、前記金属ケースは、開口を有するケース本体及びカバープレートを含み、前記カバープレートは、前記ケース本体の開口に封止接続されて前記ケース本体の内部空間を封止し、
前記電池は、第2の方向に沿って対向する2つの第1の表面を有し、前記2つの隣接する電池の間の隙間は、第2の隙間d2を含み、前記第2の隙間d2は、前記2つの隣接する電池の対向する2つの第1の表面の間の最小距離であり、前記電池の厚さは、前記カバープレートの前記第2の方向に沿う寸法である。
【0030】
本願のいくつかの実施形態において、前記電池の使用前の第1の隙間d1は、使用後の第2の隙間d2より大きい。
【0031】
本願の第4の態様に係る電気自動車は、上記いずれかの実施形態に記載の電池パックを含むことを特徴とする。
【0032】
従来の技術に比べて、本願の有益な効果は、以下のとおりである。まず、本願の電池において、電極体セットをパッケージ部材内にパッケージ化し、次にパッケージ部材外に金属ケースを嵌着して、二次密封を行うことにより、パッケージ部材と金属ケースの二層密封作用により密封効果を効果的に向上させることができ、次に、パッケージ部材内に複数の封止された収容キャビティを有し、隣接する2つの電極体セットを分離することにより、電極体セットの間の電解液が相互に流通することを回避し、このように、電極体セットは、互いに影響を与えず、かつ電極体セット中の電解液は、電位差が大きすぎて分解することがなく、また、2つのパッケージフィルムが所定の位置で接合されて一体に形成されることにより、製造プロセスを大幅に減少させ、製造効率を向上させ、自動化作業に更に適する。更に、1つの金属ケース内に複数の電極体セットをパッケージ化し、長い電池をより容易に製造することができるため、本願の解決手段により長く、強度の高い電池を容易に製造することができ、これにより、電池を電池パックのケース内に取り付ける場合、電池パック内の横ビームと縦ビームなどの支持構造の設置を減少させ、電池自体を支持体として電池を電池パックのケースに直接的に取り付けることができ、これにより、電池パックの内部空間を節約し、電池パックの体積利用率を向上させることができ、かつ電池パックの重量を低減することに役立つ。
【0033】
本願の追加の態様及び利点は、一部が以下の説明において示され、一部が以下の説明において明らかになるか、又は、本願の実践により把握される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本願の実施例に係る電池の立体構造の概略図である。
【
図3】本願の実施例に係る電極体セットがパッケージフィルム内にパッケージ化された概略図である。
【
図4】本願の実施例に係る金属ケースの第1の表面に凹部が形成された概略図である。
【
図5】本願の実施例に係る電池列の概略構成図である。
【
図6】本願の実施例に係る電池パックの概略構成図である。
【
図7】本願の実施例に係る、1つのパッケージ部に溝が設けられる、一体成形されたパッケージフィルムで形成されたパッケージ部材の概略構成図である。
【
図8】本願の実施例に係る、2つのパッケージ部に溝が設けられる、一体成形されたパッケージフィルムで形成されたパッケージ部材の概略構成図である。
【
図9】本願の実施例に係る電池モジュールと電池との関係概略図である。
【
図10】本願の実施例に係る電気自動車と電池パックの関係概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、本願の実施例を詳細に説明し、上記実施例の例は、図面に示され、全体を通して同一又は類似の符号は、同一又は類似の部品、或いは同一又は類似の機能を有する部品を示す。以下、図面を参照して説明される実施例は、例示的なものであり、本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を限定するためのものとして理解すべきではない。
【0036】
なお、本願の説明において、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などで示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本願を容易に説明し説明を簡略化するためのものに過ぎず、示された装置又は部品が特定の方位を有するとともに、特定の方位で構成され動作しなければならないことを指示するか又は示唆するものではないため、本願を限定するものであると理解すべきではない。
【0037】
図1~
図5に示すように、本願に係る電池100は、金属ケース11、パッケージ部材15及び複数の電極体セット12を含み、電極体セット12は、少なくとも1つの電極体を含み、パッケージ部材15は、対向して設けられた2つのパッケージ部13を含み、内部空間を有し、2つのパッケージ部13は、所定の位置で接合されてパッケージ部材15の内部空間を複数の封止された収容キャビティ16に仕切り、少なくとも1つの封止された収容キャビティ16に電極体セット12が設けられ、金属ケース11がパッケージ部材15外に嵌着される。
【0038】
本願において、言及された電極体は、動力電池の分野での一般的な電極体であり、電極体及び電極体セット12は、電池100のケース内部の構成部分であり、電池100自体として理解されるべきではなく、電池100は、単電池であり、本願における電極体は、巻回して形成された電極体であってもよく、積層の方式で製造された電極体であってもよく、一般的に、電極体は、少なくとも正極板、セパレータ及び負極板を含む。なお、本願において言及された電池100は、独立した単電池であり、複数の電極体を含むため、電池モジュール300又は組電池として簡単に理解すべきではない。
【0039】
本願における電池100は、液系電池であってもよく、すなわち、電極体に電解液を含有し、固体電池であってもよく、電極体に固体電解質又はゲルポリマー電解質を含有する。
【0040】
本願において、電極体セット12は、1つの独立した電極体で構成されてもよく、少なくとも2つの電極体を含んでもよく、かつ少なくとも2つの電極体が並列接続されて電極体セット12を構成する。例えば、2つの電極体が並列接続されて電極体セット12を構成するか、又は4つの電極体が並列接続されて電極体セット12を構成する。
【0041】
「所定の位置」は、隣接する2つの電極体セット12の間隔箇所及び2つのパッケージ部13の外縁であると理解することができ、封止された収容キャビティ16の数は、限定されず、2つ、3つ又は複数であってもよい。
【0042】
複数の電極体セット12は、直列接続されてもよく、並列接続されてもよい。
【0043】
上記技術手段により、本願の電池100において、電極体セット12をパッケージ部材15内にパッケージ化し、次にパッケージ部材15外に金属ケース11を嵌着して、二次密封を行うことにより、パッケージ部材15と金属ケース11の二層密封作用により密封効果を効果的に向上させることができ、パッケージ部材15が複数の封止された収容キャビティ16に仕切られ、隣接する2つの電極体セット12を分離することにより、電極体セット12の間の電解液が互いに流通することを回避し、このように、電極体セット12は、互いに影響を与えず、かつ電極体セット12中の電解液は、電位差が大きすぎて分解することがなく、また、1つの金属ケース11内に複数の電極体セット12をパッケージ化することにより、長い電池100をより容易に製造することができるため、本願の解決手段により長い電池100を容易に製造することができ、これにより、電池100を電池パック200のケース内に取り付ける場合、電池100自体を横ビーム又は縦ビームとして使用し、更に電池パック200のケース内の横ビーム及び縦ビームなどの支持構造の追加設置を減少させ、電池100自体を支持体として電池100を電池パック200のケースに直接的に取り付けることができ、これにより、電池パック200の内部空間を節約し、電池パック200の体積利用率を向上させることができ、かつ電池パック200の重量を低減することに役立つ。
【0044】
いくつかの実施形態において、2つのパッケージ部13は、一体に設けられ、
図7及び
図8に示すように、パッケージ部材15は、一体成形されたパッケージフィルム17により所定の折り目線に沿って中折りされてなり、パッケージフィルム17の折り目線の両側に位置する部分は、それぞれ2つのパッケージ部13を構成する。
【0045】
パッケージ部材15は、1つのパッケージフィルム17を中折りしてなるため、2つのパッケージ部13の間の接合プロセスを省略することができ、これにより、プロセス及び製造コストを節約する。
【0046】
他の実施形態において、2つのパッケージ部13は、別体に設けられてもよく、パッケージ部材15は、対向して設けられた2つのパッケージフィルム17を含み、各パッケージフィルム17は、パッケージ部13を構成する。
【0047】
各封止された収容キャビティ16内に、1つの電極体セット12を設けてもよく、複数の電極体セット12を設けてもよい。
【0048】
本願のいくつかの実施形態において、少なくとも1つのパッケージフィルム17には、複数の電極体セット12を収容する溝141が設けられる。
【0049】
該実施形態において、2つのパッケージフィルム17にいずれも溝141が設けられてもよく、1つのパッケージフィルム17のみに溝141が設けられてもよく、2つのパッケージフィルム17にいずれも溝141が設けられる場合、
図8に示すように、2つのパッケージフィルム17上の溝141が対向して設けられてもよく、2つのパッケージフィルム17上の溝141が間隔を隔てて設けられてもよい。
【0050】
2つのパッケージフィルム17を所定の位置に接合する具体的な方式は、限定されず、例えば、2つのパッケージフィルム17を接合位置131で熱溶融して接続してもよく、結束バンドにより2つのパッケージフィルム17を接合位置131で一体に結びつけてもよい。
【0051】
本願のいくつかの実施形態において、封止された収容キャビティ16のキャビティ壁は、電池100の厚さ方向に沿って対向して設けられた2つの側壁を含み、少なくとも1つの封止された収容キャビティ16の少なくとも1つの側壁は、封止された収容キャビティ16の外部へ窪んで、電極体セット12を収容する溝141を形成する。
【0052】
上記実施形態において、2つのパッケージ部13は、封止された収容キャビティ16の電池100の厚さ方向に沿って対向して設けられた2つの側壁を構成し、少なくとも1つのパッケージ部13は、封止された収容キャビティ16の外部へ窪んで、電極体セット12に収容空間を提供できる溝141を形成する。
【0053】
封止された収容キャビティ16のキャビティ壁に1つ以上の溝141が形成されてもよく、各溝141は、1つ以上の電極体セット12を収容することができる。
【0054】
該実施形態において、2つのパッケージ部13は、いずれも封止された収容キャビティ16の外部へ窪んで、電極体セット12を収容する溝141を形成してもよく、1つのパッケージ部13が窪んで電極体セット12を収容する溝141を形成し、もう1つのパッケージ部13に溝141が設けられなくてもよく、2つのパッケージ部13にいずれも溝141が形成される場合、
図8に示すように、2つのパッケージ部13に形成された溝141は、対向して設けられてもよく、間隔を隔てて設けられてもよい。
【0055】
2つのパッケージ部13を所定の位置で接合する具体的な方式は、限定されず、結束バンドにより2つのパッケージ部13を接合位置で一体に結び付けることができ、いくつかの実施形態において、例えば、パッケージ部材15がパッケージフィルム17である場合、パッケージフィルム17の接合位置を加熱して溶融し、次に一体に圧着することができ、他の部品を必要とせず、パッケージ部材15の内部を複数の封止された収容キャビティ16に仕切ることができ、製造プロセスがより簡単である。
【0056】
本願の電池100において、電極体セット12をパッケージフィルム17内にパッケージ化し、更にパッケージフィルム外に金属ケース11を嵌着して、二次密封を行うことにより、パッケージフィルム17と金属ケース11の二層密封作用により密封効果を効果的に向上させることができ、パッケージフィルム17が、一体の膜であり、複数の封止された収容キャビティを有することにより、隣接する2つの電極体セット12を分離して、電極体セット12の間の電解液が相互に流通することを回避し、このように、電極体セット12は、互いに影響を与えず、かつ電極体セット12中の電解液は、電位差が大きすぎて分解することがなく、また、1つの金属ケース11内に複数の電極体セット12をパッケージ化することにより、長い電池100をより容易に製造することができるため、本願の解決手段により長く、強度の高い電池を容易に製造することができ、これにより、電池を電池パックのケース内に取り付ける場合、電池パック内の横ビームと縦ビームなどの支持構造の設置を減少させ、電池自体を支持体として電池を電池パックのケースに直接的に取り付けることができ、これにより、電池パックの内部空間を節約し、電池パックの体積利用率を向上させることができ、かつ電池パックの重量を低減することに役立つ。
【0057】
なお、上記実施形態において、パッケージ部材15に液体注入口を別途設けず、2つのパッケージ部13が完全に接合される前に電解液を注入してもよく、パッケージ部材15に液体注入口を別途設けてもよく、2つのパッケージ部13が所定の位置で接合された後、別途設けられた液体注入口により電解液を注入してもよい。
【0058】
電極体セット12は、第1の電極121及び第2の電極122を含み、更に、電極体セット12は、電極体セット本体123と、電極体セット本体123に電気的に接続されて電流を引き出す第1の電極121及び第2の電極122とを含み、直列接続された2つの電極体セット12のうちの1つの電極体セット12の第1の電極121は、もう1つの電極体セット12の第2の電極に接続される。複数の電極体セット12を直列接続することにより、単一の電池により容量及び電圧の向上を実現し、製造プロセス及びコストを低減することができる。
【0059】
いくつかの実施形態において、直列接続された2つの電極体セット12のうちの1つの電極体セット12の第1の電極121と、もう1つの電極体セット12の第2の電極122との接続箇所は、2つのパッケージ部13の対応する接合位置131に埋設される。これにより、第1の電極121と第2の電極122との接続箇所が電解液によって腐食されることを回避することができる。
【0060】
実際の応用において、例えば、
図3、
図7及び
図8に示すように、まず複数の電極体セット12を直列接続し、次に1つのパッケージフィルム17を利用して直列接続された電極体セット12を包み、例えば、直列接続された電極体セット12をパッケージフィルム17の一部の領域に配置(又はパッケージフィルム17の一部の領域に溝141を予め付けて、次に直列接続された複数の電極体セット12を該溝141内に配置)し、次にパッケージフィルム17の他の一部の領域を電極体セット12の方向に向けて中折りし、その後に熱溶融処理により2つの領域のパッケージフィルム17を熱融着して結合することにより、直列接続された電極体セット12を同一のパッケージフィルム17内にパッケージ化することができる。
【0061】
2つのパッケージ部13が第1の電極121及び/又は第2の電極122との相対位置で接合されて隣接する2つの電極体セット本体123を分離し、かつ隣接する2つの電極体セット12のうちの1つの電極体セット12の第1の電極121と、もう1つの電極体セット12の第2の電極122のうちの少なくとも1つは、接合位置131内に位置する。このような実施形態により、複数の電極体セット本体123を分離し、複数の電極体セット12の間の電解液が互いに流通することを回避し、複数の電極体セット12は、互いに影響を与えず、かつ複数の電極体セット12中の電解液は、電位差が大きすぎて分解することがなく、電池100の安全性及び耐用年数を保証することができる。
【0062】
なお、本実施例の直列接続方式としては、隣接する電極体セット12が直列接続されてもよく、実現される具体的な方式としては、隣接する電極体セット12の第1の電極121と第2の電極122が直接的に接続されてもよく、追加の導電部材により電気的接続を実現してもよい。電極体セット12が1つの電極体のみを含む場合、第1の電極121と第2の電極122は、それぞれ電極体の正極タブと負極タブであってもよいか、又はそれぞれ電極体の負極タブと正極タブであってもよい。電極体セット12が複数の電極体を含む場合、第1の電極121は、複数の電極体の正極タブを複合溶接して形成された引出部材であってもよく、第2の電極122は、複数の電極体の負極タブを複合溶接して形成された引出部材であってもよく、或いは、第1の電極121は、複数の電極体の負極タブを複合溶接して形成された引出部材であってもよく、第2の電極122は、複数の電極体の正極タブを複合溶接して形成された引出部材であってもよい。第1の電極121及び第2の電極122の「第1」及び「第2」は、名称の区別のみに用いられ、数を限定するものではなく、例えば、第1の電極121は、1つであってもよく、複数であってもよい。
【0063】
金属ケース11は、開口部を有するケース本体111と、カバープレート112とを含む。カバープレート112は、ケース本体11の開口に封止接続されてケース本体11の内部空間を封止し、複数の電極体セット12は、該内部空間に位置する。複数の電極体セット12は、直列接続されて電極体列を形成し、電極体列の両端は、それぞれ第1の電極121と第2の電極122を含み、該電極体列の第1の電極121は、該電極体列の一端に位置する電極体セット12の第1の電極121であり、該電極体列の第2の電極122は、該電極体列の他端に位置する電極体セット12の第2の電極122である。電極体列の第1の電極121と第2の電極122は、それぞれカバープレート112から引き出される。
【0064】
一実施例において、カバープレート112は、2つ設けられ、かつケース本体111の対向する両端に設けられてケース本体111の内部空間を密封し、第1の電極121と第2の電極122は、同一のカバープレート112から引き出される。他の実施例において、第1の電極121は、1つのカバープレート112から引き出され、第2の電極122は、もう1つのカバープレート112から引き出される。
【0065】
すなわち、ケース本体111は、両端が開口してもよく、カバープレート112の数は、2つであってもよいため、2つのカバープレート112は、それぞれケース本体111の両端の開口に封止接続されることにより、ケース本体111の内部空間を封止する。このような方式において、電極体列の第1の電極121と第2の電極122は、同一のカバープレート112から引き出されてもよく、それぞれ2つのカバープレート112から引き出されてもよく、これを限定しない。
【0066】
いくつかの実施形態において、ケース本体111には、一端のみに開口が設けられてもよく、カバープレート112の数は1つであるため、1つのカバープレート112は、ケース本体111の一端の開口に封止接続される。このような方式において、電極体列の第1の電極121と第2の電極122は、同一のカバープレート112から引き出される。
【0067】
本願の実施例において、電極体セット12は、パッケージ部材15内にパッケージ化され、すなわち、金属ケース11と電極体セット12との間にパッケージ部材15が更に設けられる。パッケージ部材15と金属ケース11により電極体セット12に対する二次パッケージを実現することができ、電池100の密封効果を向上させることに役立つ。パッケージ部材15内に電解液が更に注入されることを理解されたい。したがって、上記方式により、更に電解液と金属ケース11との接触を回避し、金属ケース11の腐食又は電解液の分解を回避することができる。
【0068】
いくつかの実施形態において、封止された収容キャビティ16内の気圧は、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧より低い。これにより、パッケージ部材15と電極体セット12との結合をより緊密にし、電極体セット12の強度を向上させる。
【0069】
他の実施形態において、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧は、金属ケース11外の気圧より低い。
【0070】
本願において、「気圧」は、大気圧の略称である。それは、単位面積当たりに作用する気体の圧力を指し、すなわち単位面積において、大気上界まで上方に延びる垂直空気柱の重量に等しい。
【0071】
電池の製造過程において、電極体セット12を金属ケース11の内部に入れやすくするために、金属ケース11に対向して設けられた2つの内壁の間の距離は、電極体セット12の厚さより大きく、電極体セット12を金属ケース11の内部に入れた後、電極体セット12と金属ケース11の内壁との間に一定の隙間が残され、電極体セット12と金属ケース11の内壁とが十分に密着せず、電極体セット12が金属ケース11の内部で移動しやすく、これにより、集電体が破損し、セパレータが皺になり、活性材料が脱落するなどの問題が発生し、電池の安定性を低下させる。
【0072】
これに基づいて、本願は、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧、すなわち金属ケース11とパッケージ部材15との間の空間内に位置する気圧を規定し、該気圧は、金属ケース11外の気圧より低く、すなわち、金属ケース11とパッケージ部材15との間は、負圧状態にあり、金属ケース11は、内外の圧力差の作用下で窪むか又は変形し、金属ケース11と電極体セット12との間の隙間は、それに伴って小さくなり、電極体セット12が移動するか又は互いに変位する空間は小さくなり、更に電極体セット12の移動及び電極体セット12同士の相対変位を減少させ、電池100の安定性、強度及び安全性能を向上させることができる。
【0073】
例えば、金属ケース11とパッケージ部材15との間の空間に空気抜き処理を行うことにより、金属ケース11とパッケージ部材15との間の空間を負圧状態にすることにより、金属ケース11をその内部に位置する電極体セット12にできるだけ近接させ、内部の空隙を小さくし、電極体セット12が金属ケース11内で移動することを防止するとともに、電極体セット12同士が相対変位することを防止し、集電体が破損し、セパレータが皺になり、活性材料が脱落するなどの状況の発生を減少させ、電池100全体の機械的強度を向上させ、電池100の耐用年数を長くし、電池100の安全性能を向上させる。
【0074】
一実施形態において、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧P1の値の範囲は、-100Kpa~-5Kpaであってもよく、一実施例において、P1の値は、-75Kpa~-20Kpaであってもよい。勿論、当業者は、実際の必要に応じてP1の値を設定することができる。
【0075】
いくつかの実施形態において、封止された収容キャビティ16内の気圧は、P2であり、P1とP2との関係は、P1>P2を満たし、かつP1/P2の範囲は、0.05~0.85である。
【0076】
一実施例において、P2の値の範囲は、-100Kpa~-20Kpaである。
【0077】
本願における電極体セット12は、二次密封のモードを採用し、まず、電極体セット12をパッケージ部材15内にパッケージ化し、内部の気圧が大きすぎてパッケージ部材15が外向きに膨出することによるパッケージ部材15の破損の問題を回避するために、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧がパッケージ部材15内の気圧より大きいことを規定する。同時に、本願の出願人は、多くの実験により、P1、P2及びP1/P2を上記範囲内に限定することにより、電池100の二次密封の信頼性をよく保証するとともに、電池100の極板の間の界面を保証し、極板間の隙間を小さくし、リチウムイオンをよりよく伝導させることを検証した。
【0078】
本願の実施例において、複数の電極体セット12の配列方向は、第1の方向Aであり、電極体セット12の長さ方向は、第1の方向Aに沿って延び、電池100の長さも第1の方向Aに沿って延び、すなわち、複数の電極体セット12は、電池100の長さ方向に沿って順に配列され、かつ電極体セット12の第1の電極121及び第2の電極122は、第1の方向Aに沿って電極体セット12の両側にそれぞれ位置し、すなわち、複数の電極体セット12は、「ヘッドトゥーヘッド」の配列方式を使用し、この配列方式により電極体セット12同士の2つずつの直列接続を容易に実現することができ、接続構造が簡単である。また、このような配列方式により長い電池100を容易に製造することができ、これにより、電池100を電池200のケース内に取り付ける場合、横ビーム及び縦ビームなどの支持構造を設ける必要がなく、電池100自体の金属ケース11を支持体として電池100を電池パック200のケースに直接的に取り付けることができ、これにより、電池パック200の内部空間を節約し、電池パック200の体積利用率を向上させることができ、かつ電池パック200の重量を低減することに役立つ。
【0079】
電極体を1つのみ設ける従来の方式に比べて、電池内に複数の電極体セット12を設けることにより、長い電池をより容易に製造することができ、従来の電池において、電池が長くなると、集電体として使用される内部の銅アルミニウム箔の長さがそれに応じて増加して、電池の内部の抵抗を大幅に大きくし、現在ますます高くなる電力及び急速充電の要件を満たすことができない。電池の長さが同じである場合、本願の実施例は、電池の内部の抵抗を大幅に小さくし、高電力出力、急速充電などの場合の電池の過熱などによる問題を回避することができる。
【0080】
電池100は、ほぼ直方体であり、電池100の長さLは、400mm~2500mm(ミリメートル)であり、例えば500mm、1000mm又は1500mmなどであってもよい。
【0081】
電池100の厚さDは、10mmより大きくてもよく、例えば13mm~75mmの範囲であってもよい。
【0082】
本願の実施例において、電池100の長さと厚さとの比率は、5~250である。
【0083】
本願の実施例において、電池100の厚さは、第1の方向Aに垂直な第2の方向Bに沿って延び、金属ケース11は、第2の方向Bに沿って対向する2つの第1の表面113を有し、該第1の表面113は、電池100の最大表面で、すなわち、電池100の「大きな表面」である。少なくとも1つの第1の表面113は、金属ケース11の内部に窪むことにより、金属ケース11と電極体セット12をできるだけ貼り合わせることができる。
【0084】
金属ケース11は、厚さが小さく、薄いシートであるため、金属ケース11の第1の表面113上の凹部114は、例えば、金属ケース11内から空気抜きする場合に形成された凹部であってもよい。すなわち、金属ケース11とパッケージ部材15との間の空間に対して空気抜き処理を行うことにより金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧が金属ケース11外の気圧より低い場合、空気抜きの進行に伴い、金属ケース11の第1の表面113は、金属ケース11内に窪んで凹部114を形成しやすい。
【0085】
電池が正常に使用される過程において、材料自体の膨張、電解液のガス発生などにより、電池は、一般的に膨張し、通常、膨張変形が最大の領域は、電池の大きな表面に位置する。本願における技術を使用して、電池の初期状態の場合に、真空引きにより大きな表面がわずかに内側に窪むように形成され、電池膨張後の電池の間の押圧を効果的に緩和し、電池及びシステム全体の耐用年数、安全性能等を向上させることができる。
【0086】
他のいくつかの実施例において、
図4に示すように、金属ケース11の第1の表面113に凹部114を予め形成し、次に金属ケース11内に空気抜き処理を行うことであってもよい。金属ケース11の第1の表面113上の凹部114は、複数あってもよく、例えば、第1の表面113に複数の凹部114を予め形成し、各凹部の位置は、1つの電極体セット12の所在する位置に対応する。
【0087】
いくつかの実施形態において、金属ケース11の対向する2つの第1の表面113は、いずれも内部に窪んで、窪んだ領域により電極体セット12を挟持する。
【0088】
金属ケース11に空気抜き孔を設け、該空気抜き孔により金属ケース11とパッケージ部材との間の空間に対して空気抜き操作を行うことができる。該空気抜き孔を密封する必要があるため、空気抜き孔内には、空気抜き孔を密封する封止部材が更に設けられる。該封止部材は、プラグ、ゴム部材などであってもよく、これを限定しない。
【0089】
いくつかの実施形態において、金属ケース11から空気抜きする前に、電極体セット12と金属ケース11の内表面との間に隙間が設けられ、該隙間により電極体セット12を金属ケース11の内部に取り付けやすく、金属ケース11から空気抜きした後、金属ケース11が第2の方向に沿って電極体セット12の外表面に押圧されて上記電極体セット12を挟持することにより、電極体セット12が金属ケース11内部に移動する空間を小さくし、電池100の安全性能を向上させる。
【0090】
本願の実施例において、金属ケース11の強度が高く、放熱効果が高く、金属ケース11は、アルミニウムケース又は鋼ケースを含むが、それらに限定されない。
【0091】
いくつかの実施例において、金属ケース11の厚さは、0.05mm~1mmである。
【0092】
金属ケース11の厚さが厚いと、電池100の重量を増加させ、電池100の容量を低下させるだけでなく、金属ケース11の厚さが厚すぎると、大気圧によって、金属ケース11が電極体セット12側に窪むか又は変形しにくく、金属ケース11と電極体セット12との間の間隔を小さくせず、更に電極体セット12を位置決めする役割を効果的に果たすことができない。それだけでなく、金属ケース11が厚すぎると、空気抜きのコストを増加させるため、製造コストを増加させる。
【0093】
本願は、金属ケース11の厚さを上記範囲内に限定することにより、金属ケース11の強度を保証するだけでなく、電池100の容量を低下させることもない。負圧の状態で、金属ケース11がより変形しやすく、金属ケース11の厚さを上記範囲内に限定することにより、更に金属ケース11と電極体セット12との間の間隔を小さくすることにより、電極体セット12の金属ケース11の内部の移動及び電極体セット12同士の相対変位を減少させることができる。
【0094】
本願の実施例において、パッケージフィルム17は、積層された非金属外層フィルム及び非金属内層フィルムを含み、内層フィルムは、外層フィルムと電極体セット12との間に位置する。
【0095】
内層フィルムは、化学的安定性が高く、例えば、耐電解液腐食性を有する材料、例えば、ポリプロピレン(PP、Polypropylene)、ポリエチレン(PE、Polyethylene)、ポリエチレンテレフタレート(PET、Polyethylene terephthalate)、又は上記材料のうちの複数種の組み合わせを使用してもよい。
【0096】
外層フィルムは、保護層であり、外層フィルムを利用して空気、特に水蒸気、酸素などの浸透を阻止することができ、その材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド(PA、Polyamide)又はポリプロピレンであってもよく、上記材料の複数種の組み合わせであってもよい。
【0097】
本実施例のパッケージフィルム17において、外層フィルムの融点が内層フィルムの融点より大きいため、熱溶融して密封する場合、外層フィルムが溶融されず、内層フィルムがタイムリーに溶融することにより優れた密封性を保証することができる。一実施例において、外層フィルムと内層フィルムの融点差は、30℃~80℃の間にあってもよく、例えば、両者の融点差は、50℃又は70℃などであってもよく、具体的な材料は、実際の必要に応じて選択することができる。
【0098】
非金属外層フィルムと非金属内層フィルムとの間は、接着剤で接着して複合される。例えば、接着して複合フィルムを形成するために、外層フィルムの材料は、PPであってもよく、内層フィルムの材料は、PETであってもよく、両者を接着する接着剤は、例えば、ポリオレフィン系接着剤であってもよい。
【0099】
本実施例は、二層非金属フィルムを使用してパッケージフィルム17を形成して電極体セット12をパッケージ化し、非金属のパッケージフィルム17を使用して、引張強度及び破断伸度がより高くなり、電池100の厚さに対する制限を減少させることができるため、製造された電池100は、厚さがより大きくなる。本実施例の電池100の厚さは、拡張可能な範囲が大きく、例えば10mmより大きく、例えば、13mm~75mmの範囲にあってもよい。
【0100】
本願のいくつかの実施形態において、パッケージフィルム17は、アルミラミネートフィルムである。
【0101】
本願の一実施例において、電池は、リチウムイオン電池である。
【0102】
本願の別の態様に係る電池モジュール300は、上記いずれかの実施例の電池100を含む。本願に係る電池モジュール300を使用することにより、密封性が高く、組立プロセスが少なく、電池100のコストが低い。
【0103】
図6及び
図7を参照して、本願は、電池列21を含む電池パック200を更に提供し、電池列21は、複数の電池100を含み、電池100は、上記いずれかの実施例に記載の電池100であるため、電池100の具体的な構造についてはここでは説明を省略する。
【0104】
電池列21は、1つであっても複数であってもよく、各電池列21における電池100は、1つあっても複数であってもよく、実際の製造において、電池100の数は、実際の需要に応じて設定することができ、電池列21の数も、実際の必要に応じて設定することができ、本願は、これを具体的に限定しない。
【0105】
本願の実施例において、電池100の長さ方向は、第1の方向Aに沿って延び、その厚さ方向は、第1の方向Aに垂直な第2の方向Bに沿って延び、複数の電池100は、第2の方向Bに沿って順に配列されて電池列21を形成する。少なくとも2つの隣接する電池100の間に隙間があり、該隙間と電池100の厚さの比率範囲は、0.001~0.15である。
【0106】
なお、2つの隣接する電池100の隙間は、電池の動作時間の増加に伴って変化するが、動作中又は動作後又は電池の出荷前であっても、電池の間の隙間と厚さの比率範囲が本願に限定された範囲内にあれば、いずれも本願の保護範囲内にある。
【0107】
本願において、電池100の間に残した一定の隙間は、電池100が膨張する場合に緩衝空間とすることができる。
【0108】
電池100の膨張は、電池100の厚さに関連し、電池100の厚さが大きいほど、電池100が膨張しやすく、本願は、電池100の間の隙間と電池100の厚さの比率を0.001~0.15に限定し、電池パック200の空間を十分に利用し、電池パック200の利用率を向上させるだけでなく、電池100の膨張に対して優れた緩衝効果を果たすことができる。
【0109】
また、電池100が膨張する場合に発熱するため、電池100の間に一定の隙間を残し、該隙間は、更に放熱通路、例えば、空気ダクトとして機能することができ、電池100の面積の大きい面の放熱効果がより高いため、電池パック200の放熱効率を向上させ、電池パック200の安全性能を向上させることができる。
【0110】
上記解決手段において、電池100の間の隙間は、電池100の間にいかなる構造部材が設けられず、単純に一定の空間を残すと理解することができ、更に、電池100に他の構造部材が設けられることにより電池100と電池100とが該構造部材により隔てられると理解することができる。
【0111】
なお、電池100の間に構造部材が設けられる場合、電池100の間の隙間は、該構造部材と電池100との間の間隔ではなく、該構造部材の両側の電池100の間の距離であると理解すべきである。
【0112】
なお、構造部材と該構造部材の両側の電池100との間には、一定の隙間を残してもよく、直接的に接触してもよく、構造部材が両側の電池100と直接的に接触する場合、構造部材は、一定の可撓性を有する必要があり、電池100が膨張する場合に緩衝作用を果たすことができる。構造部材としては、エアロゲル、熱伝導性構造用接着剤又は断熱綿を含むが、それらに限定されない。
【0113】
本願において、電池列21が複数ある場合、隙間は、異なる電池列21における隣接する2つの電池100の間の間隔ではなく、同一の電池列21における隣接する2つの電池100の間の間隔を指すべきである。また、同一の電池列21において、全ての隣接する2つの電池100の間にいずれも一定の隙間を残してもよく、一部の隣接する2つの電池100の間に一定の隙間を残してもよい。
【0114】
一実施形態において、2つの隣接する電池100の間の隙間は、第1の隙間d1を含み、第1の隙間d1は、2つの隣接する電池100の2つのカバープレート112の間の第2の方向Bに沿う最小距離として定義され、電池100の厚さは、カバープレート112の第2の方向Bに沿う寸法である。第1の隙間d1と上記電池100の厚さとの比率範囲は、0.005~0.1である。
【0115】
なお、電池100が2つのカバープレート1011を有する場合、ある電池列21に対して、第1の隙間d1は、上記2つの隣接する電池100の同じ側に位置する2つのカバープレート1011の第2の方向Bに沿う最小距離である。
【0116】
電池100が1つのカバープレート1011のみを有する場合、ある電池列21に対して、2つの隣接する電池100のカバープレートが同じ側に位置すると、第1の隙間d1は、上記2つの隣接する電池100の同じ側に位置する2つのカバープレート1011の第2の方向Bに沿う最小距離である。
【0117】
電池100が1つのカバープレート1011のみを有する場合、ある電池列21に対して、2つの隣接する電池100のカバープレート1011が異なる側に位置すると、第1の隙間d1は、上記2つの隣接する電池100の2つのカバープレート1011の第2の方向Bに沿う最小距離であり、第1の隙間d1は、上記2つの隣接する電池100の2つのカバープレート1011の第1の方向Aに沿う最小距離であると理解することができない。
【0118】
「第2の方向Bに沿う最小距離」は、隣接する2つの電池100のカバープレート1011の第2の方向Bに沿った投影の距離であると理解することができる。或いは、2つのカバープレート1011の隣接する表面の間の距離であると理解することができ、「隣接する表面の間の距離」は、隣接する2つの電池100のカバープレート1011の隣接面の距離である。
【0119】
上記実施形態において、カバープレート112は、強度が高いため、ケース本体111に対して、膨張しにくく、電池100が一定の期間動作した後に、内部に化学反応が発生し、電池100が膨張して隣接する電池100を押圧し、第1の隙間d1が変化しても(例えば、徐々に増大する)、該変化の程度が小さく、無視することができ、或いは、変化しても、第1の隙間d1と電池100の厚さの比率は、依然として上記範囲を満たす。上記実施形態において、ケース本体111の両端にそれぞれカバープレート112が設けられ、電池100が厚さ方向に沿って電池列21に配列される場合、2つの電池100の間の隙間は、電池100の異なる端部に位置する2つのカバープレート112の間の間隔ではなく、電池列21の同一の端部に位置する2つのカバープレート112の間の最小間隔を指す。
【0120】
一実施形態において、2つの隣接する電池100の間の隙間は、第2の隙間d2を含み、第2の隙間d2は、2つの隣接する電池100の対向する2つの第1の表面113の間の最小距離である。電池100の使用前の第1の隙間d1は、使用後の第2の隙間d2より大きい。
【0121】
「使用前」は、電池100が組立完了後に出荷する前又は出荷されたが、外部に電力を供給し始める前であると理解することができ、「使用後」は、電池100が外部に電力を供給した後であると理解することができる。例えば、電池パック200は、電気自動車400に組み立てられる場合、使用前の状態は、新車の状態として理解することができ、使用後の状態は、車両が一定の距離走行した後の状態であるべきである。
【0122】
該実施形態において、第2の隙間は、2つの隣接する電池100の対向する2つの第1の表面113の間の最小間隔を指すべきであり、該間隔は、電池の使用時間の増加に伴って徐々に小さくなり、主に、電池が膨張した後、隣接する2つの大きな表面の間の間隔が徐々に小さくなるためである。
【0123】
本願の実施例において、電池パック200は、電池カバー及びトレイ22を更に含み、
図7のグラフにおいて電池カバーが示されない。電池カバーとトレイ22は、封止接続されて電池収容キャビティを形成し、電池列21は、電池収容キャビティ内に位置する。トレイ22は、支持部材221を含み、電池100の金属ケース11に支持領域が形成され、電池100は、支持領域により支持部材221に当接して支持部材221に支持される。
【0124】
一実施例において、トレイ22は、支持部材221であるサイドビームを含み、電池100は、その長さ方向に沿う両端がそれぞれサイドビームに支持される。
【0125】
本願の実施例の電池100において、金属ケース11とパッケージ部材15との間の気圧は、負圧であり、電池100全体の強度を向上させることができるため、電池100を自体の強度で支持してトレイ22に直接的に取り付けることができ、これにより、トレイ22に横ビーム又は縦ビームなどの構造を設けて電池100を支持する必要がなく、電池パック200の内部空間の利用率を向上させることに役立つ。
【0126】
電気自動車400は、上記電池パック200を含む。本願に係る電気自動車400を使用すると、航続能力が高く、コストが低い。
【0127】
なお、本願の説明において、別に明らかな規定及び限定がない限り、用語「取付」、「連結」、「接続」は、広義に理解されるべきであり、例えば、固定接続であっても、着脱可能な接続であっても、一体的な接続であってもよく、機械的な接続であっても、電気的な接続であってもよく、直接的な連結であっても、中間媒体を介した間接的な連結であってもよく、2つの部品の内部の連通であってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本願における上記用語の具体的な意味を理解することができる。
【0128】
本明細書の説明において、用語「実施例」、「具体的な実施例」、「例」などを参照する説明は、該実施例又は例を組み合わせて説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性が本願の少なくとも1つの実施例又は例に含まれることを意味する。本明細書において、上記用語の例示的な表現は、必ずしも同一の実施例又は例に限定されるものではない。また、説明された具体的な特徴、構造、材料又は特性は、任意の1つ以上の実施例又は例において適切に組み合わせることができる。
【0129】
本願の実施例を例示して説明したが、当業者であれば理解できるように、本願の原理及び趣旨から逸脱しない場合、これらの実施例に対して、様々な変更、修正、置換及び変形を行うことができ、本願の範囲は、特許請求の範囲及びその均等物によって限定される。
【符号の説明】
【0130】
100 電池
11 金属ケース
12 電極体セット
13 パッケージ部
141 溝
15 パッケージ部材
16 封止された収容キャビティ
17 パッケージフィルム
111 ケース本体
112 カバープレート
113 第1の表面
114 凹部
121 第1の電極
122 第2の電極
123 電極体セット本体
131 接合位置
200 電池パック
300 電池モジュール
400 電気自動車
21 電池列
22 トレイ
221 支持部材
L 電池の長さ
D 電池の厚さ
A 第1の方向
B 第2の方向
【手続補正書】
【提出日】2022-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0078
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0078】
本願の実施例において、複数の電極体セット12の配列方向は、第1の方向Aであり、電極体セット12の長さ方向は、第1の方向Aに沿って延び、電池100の長さも第1の方向Aに沿って延び、すなわち、複数の電極体セット12は、電池100の長さ方向に沿って順に配列され、かつ電極体セット12の第1の電極121及び第2の電極122は、第1の方向Aに沿って電極体セット12の両側にそれぞれ位置し、すなわち、複数の電極体セット12は、「ヘッドトゥーヘッド」の配列方式を使用し、この配列方式により電極体セット12同士の2つずつの直列接続を容易に実現することができ、接続構造が簡単である。また、このような配列方式により長い電池100を容易に製造することができ、これにより、電池100を電池パック200のケース内に取り付ける場合、横ビーム及び縦ビームなどの支持構造を設ける必要がなく、電池100自体の金属ケース11を支持体として電池100を電池パック200のケースに直接的に取り付けることができ、これにより、電池パック200の内部空間を節約し、電池パック200の体積利用率を向上させることができ、かつ電池パック200の重量を低減することに役立つ。
【国際調査報告】