(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ソフトグリップヘッド、これを含むソフトグリップユニット、及びソフトグリップユニットを含むグリップ装置
(51)【国際特許分類】
B25J 15/06 20060101AFI20230308BHJP
【FI】
B25J15/06 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022530954
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-05-26
(86)【国際出願番号】 KR2021000508
(87)【国際公開番号】W WO2021145685
(87)【国際公開日】2021-07-22
(31)【優先権主張番号】10-2020-0005811
(32)【優先日】2020-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0024948
(32)【優先日】2020-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106251
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106250
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0106252
(32)【優先日】2020-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516149457
【氏名又は名称】韓国機械研究院
【氏名又は名称原語表記】KOREA INSTITUTE OF MACHINERY & MATERIALS
【住所又は居所原語表記】156, Gajeongbuk-ro Yuseong-gu Daejeon 34103 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100149249
【氏名又は名称】田中 達也
(72)【発明者】
【氏名】ソン スン-ヒュク
(72)【発明者】
【氏名】キム ビュンイン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒ
(72)【発明者】
【氏名】パク チャンフン
(72)【発明者】
【氏名】パク ドンイル
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンウー
(72)【発明者】
【氏名】ハン ビョン-キル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ヒュンモク
(72)【発明者】
【氏名】ソー ヨンシン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジェヨン
【テーマコード(参考)】
3C707
【Fターム(参考)】
3C707ES03
3C707ET03
3C707EV14
3C707FS01
3C707FT06
3C707FT08
3C707FT11
3C707FT15
(57)【要約】
ソフトグリップヘッド、これを含むソフトグリップユニット、及びソフトグリップユニットを含むグリップ装置において、前記ソフトグリップヘッドは、対象物と接触する吸入パッドを含む。前記吸入パッドは、隔壁と、複数の吸入セルとを含む。前記隔壁は、前記吸入パッドを両端部が開放される複数の空間に仕切る。前記吸入セルは、前記隔壁により仕切られる空間で形成される。前記吸入パッドは、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さい物質を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物と接触する吸入パッドを含むソフトグリップヘッドであって、
前記吸入パッドは、
前記吸入パッドを両端部が開放される複数の空間に仕切る隔壁と、
前記隔壁により仕切られる空間で形成される複数の吸入セルとを含み、
前記吸入パッドは、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さい物質を含むことを特徴とするソフトグリップヘッド。
【請求項2】
前記吸入パッドは、
第1の剛性を有し、前記吸入セルの幅方向に延在する第1の素材層と、
第1の剛性よりも小さい第2の剛性を有する第2の素材層とを含むことを特徴とする請求項1に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項3】
前記第1の素材層は、複数個が前記吸入セルの軸方向に沿って、所定距離離隔して配置され、
前記第2の素材層は、前記第1の素材層の間に設けられることを特徴とする請求項2に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項4】
前記吸入パッドは、更に、前記吸入セルの円周方向に沿って、前記吸入セルのそれぞれの内部に所定の間隔で複数個が固定される支持部を含むことを特徴とする請求項1に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項5】
複数の空間を仕切る隔壁、及び前記隔壁により仕切られる空間で形成され、両端部が開放される複数の吸入セルを含む吸入パッドと、前記吸入セルの内部空間に設けられ、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さいフレキシブル支持体とを含み、
前記吸入セルの内部空間に吸入力が提供されることによって、前記吸入パッドは、形状が変形し、対象物を吸着することを特徴とするソフトグリップヘッド。
【請求項6】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルのそれぞれの内部に充填又は位置し、前記吸入パッドの形状変形と共に形状が変形し、空気が通過することを特徴とする請求項5に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項7】
前記フレキシブル支持体は、スポンジ又は多孔性構造を含むことを特徴とする請求項6に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項8】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルのそれぞれの内周面に接触するコイルバネであることを特徴とする請求項6に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項9】
前記フレキシブル支持体の一端部は、前記吸入セルの入口部から所定距離だけ離隔して位置することを特徴とする請求項6に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項10】
前記吸入セルには、前記吸入セルの内周面から突出して、前記フレキシブル支持体の一端部が、前記吸入セルの入口部に移動することを抑制するストッパが形成されることを特徴とする請求項9に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項11】
前記吸入パッドは、更に、前記吸入セルのそれぞれに連続して延在し、開口される複数の芯部を含み、
前記芯部のそれぞれの断面積は、前記吸入セルのそれぞれの断面積よりも小さいことを特徴とする請求項5に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項12】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルの内部空間から前記芯部の内部空間まで延設されることを特徴とする請求項11に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項13】
前記吸入セルは、前記芯部に向かう方向に行くほど、断面幅が減少することを特徴とする請求項11に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項14】
前記吸入セルの幅方向断面は、三角形、四角形、六角形、又は多角形に形成されることを特徴とする請求項5に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項15】
更に、前記吸入セルの外郭に沿って形成され、前記吸入パッドの剛性を可変させるブロック部と、
前記ブロック部内の負圧を制御する圧力制御部とを含むことを特徴とする請求項5に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項16】
前記ブロック部内には、粒子が充填され、
前記圧力制御部により、前記ブロック部内に負圧が提供されることによって、前記粒子間の密着性が増加して、前記ブロック部の剛性が増加することを特徴とする請求項15に記載のソフトグリップヘッド。
【請求項17】
ソフトグリップヘッドと、
前記ソフトグリップヘッドを支持する固定キャップと、
前記ソフトグリップヘッドに吸入力を提供する吸入力発生部と、
前記吸入力発生部と前記固定キャップを連結する連結ラインとを含み、
前記ソフトグリップヘッドは、
複数の空間を仕切る隔壁、及び前記隔壁により仕切られる空間で形成され、両端部が開放される複数の吸入セルを含む吸入パッドと、前記吸入セルの内部空間に設けられ、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さいフレキシブル支持体とを含み、
前記吸入セルの内部空間に吸入力が提供されることによって、前記吸入パッドは、形状が変形し、対象物を吸着し、
前記固定キャップは、前記吸入セルのそれぞれに連結される貫通孔を含むことを特徴とするソフトグリップユニット。
【請求項18】
互いに隣接する前記吸入セルの中心間の間隔は、互いに隣接する前記貫通孔の間隔よりも小さいことを特徴とする請求項17に記載のソフトグリップユニット。
【請求項19】
更に、前記連結ラインに設けられ、前記連結ラインを開閉する逆止弁を含み、
前記対象物が吸着されない吸入セルに連結される連結ラインに設けられる逆止弁は、該当吸入セルの吸入力により密閉されることを特徴とする請求項17に記載のソフトグリップユニット。
【請求項20】
胴部と、
前記胴部から外側に延在する連結部と、
前記連結部の一端部に設けられる請求項17に記載のソフトグリップユニットと、
前記胴部から前記ソフトグリップユニットの外側方向に延在する少なくとも1つのアームと、
前記アームの端に連結され、前記ソフトグリップユニットと共に、前記対象物を固定する保持部とを含むことを特徴とするグリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソフトグリップヘッド、これを含むソフトグリップユニット、及びソフトグリップユニットを含むグリップ装置に関し、より詳しくは、吸着による物体の把持性能が向上したソフトグリップヘッド、これを含むソフトグリップユニット、及びソフトグリップユニットを含むグリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
真空グリッパーは、真空ポンプにより与えられた負圧を用いて、把持対象物を吸着して把持する装置である。一般に、真空グリッパーは、物品を移送するための移送装置に設置して使用している。
【0003】
把持対象物のサイズに応じて、真空グリッパーは、単一の真空パッドを用いるか、又は、複数個が配列された真空パッドを用いる。
【0004】
単一の真空パッドを用いる場合、真空パッドによって覆われる領域に貫通される孔がある把持対象物の場合、吸着力が発生し難いため、把持が不可となる問題点がある。このような問題点を解決するために、小さい真空パッドを用いて、把持対象物の貫通領域を避けた部分に真空パッドを付着することもできるが、この場合、真空が維持される面積が小さくなることで、把持力が小さくなるという問題が生じる。
【0005】
また、把持対象物が曲面状をなす場合、真空パッドが曲面状に沿わせてよく変形するように、柔軟性が増えた真空パッドを用いることができるが、この場合、真空パッドの枠が内側に巻き込まれる問題が生じることがある。また、このような問題点を解決するためには、真空パッドの枠にガイドを挿入するなどの更なる構成が必要となるという問題点がある。
【0006】
一方、複数個が配列された真空パッドを用いる場合、配列された真空パッドの間に隙間が生じるため、全体的な吸着面積が減少することで、吸着効率性が低くなる。
【0007】
また、負圧を提供する負圧ラインは分けられて、それぞれの真空パッドに連結されるため、個別の真空パッドが把持対象物に完全に吸着されないと、相対的に吸着力が低くなり、把持が失敗する可能性が高くなる。
【0008】
これに関する先行技術文献としては、登録特許公報第1784780号がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
前記のような問題点を解決するために、本発明が解決しようとする技術的課題は、吸着による物体の把持性能が向上したソフトグリップヘッド、これを含むソフトグリップユニット、ソフトグリップユニットを含むグリップ装置、及びグリップ装置制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記した本発明の目的のための一実施例によるソフトグリップヘッドは、対象物と接触する吸入パッドを含む。前記吸入パッドは、隔壁と、複数の吸入セルとを含む。前記隔壁は、前記吸入パッドを両端部が開放される複数の空間に仕切る。前記吸入セルは、前記隔壁により仕切られる空間で形成される。前記吸入パッドは、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さい物質を含むことを特徴とする。
【0011】
前記吸入パッドは、第1の剛性を有し、前記吸入セルの幅方向に延在する第1の素材層と、第1の剛性よりも小さい第2の剛性を有する第2の素材層とを含むこ。
【0012】
前記第1の素材層は、複数個が前記吸入セルの軸方向に沿って、所定距離離隔して配置され、前記第2の素材層は、前記第1の素材層の間に設けられる。
【0013】
前記吸入パッドは、更に、前記吸入セルの円周方向に沿って、前記吸入セルのそれぞれの内部に所定の間隔で複数個が固定される支持部を含む。
【0014】
前記した本発明の目的のための他の実施例によるソフトグリップヘッドは、吸入パッドと、フレキシブル支持体とを含む。前記吸入パッドは、複数の空間を仕切る隔壁、及び前記隔壁により仕切られる空間で形成され、両端部が開放される複数の吸入セルを含む。前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルの内部空間に設けられ、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さい。前記吸入セルの内部空間に吸入力が提供されることによって、前記吸入パッドは、形状が変形し、対象物を吸着する。
【0015】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルのそれぞれの内部に充填又は位置し、前記吸入パッドの形状変形と共に形状が変形し、空気が通過する。
【0016】
前記フレキシブル支持体は、スポンジ又は多孔性構造を含む。
【0017】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルのそれぞれの内周面に接触するコイルバネである。
【0018】
前記フレキシブル支持体の一端部は、前記吸入セルの入口部から所定距離だけ離隔して位置する。
【0019】
前記吸入セルには、前記吸入セルの内周面から突出して、前記フレキシブル支持体の一端部が、前記吸入セルの入口部に移動することを抑制するストッパが形成される。
【0020】
前記吸入パッドは、更に、前記吸入セルのそれぞれに連続して延在し、開口される複数の芯部を含み、前記芯部のそれぞれの断面積は、前記吸入セルのそれぞれの断面積よりも小さい。
【0021】
前記フレキシブル支持体は、前記吸入セルの内部空間から前記芯部の内部空間まで延設される。
【0022】
前記吸入セルは、前記芯部に向かう方向に行くほど、断面幅が減少する。
【0023】
前記吸入セルの幅方向断面は、三角形、四角形、六角形、又は多角形に形成される。
【0024】
更に、前記吸入セルの外郭に沿って形成され、前記吸入パッドの剛性を可変させるブロック部と、前記ブロック部内の負圧を制御する圧力制御部とを含む。
【0025】
前記ブロック部内には、粒子が充填され、前記圧力制御部により、前記ブロック部内に負圧が提供されることによって、前記粒子間の密着性が増加して、前記ブロック部の剛性が増加する。
【0026】
前記した本発明の目的のための更に他の実施例によるソフトグリップユニットは、ソフトグリップヘッドと、固定キャップと、吸入力発生部と、連結ラインとを含む。前記固定キャップは、前記ソフトグリップヘッドを支持する。前記吸入力発生部は、前記ソフトグリップヘッドに吸入力を提供する。前記連結ラインは、前記吸入力発生部と前記固定キャップを連結する。この場合、前記ソフトグリップヘッドは、複数の空間を仕切る隔壁、及び前記隔壁により仕切られる空間で形成され、両端部が開放される複数の吸入セルを含む吸入パッドと、前記吸入セルの内部空間に設けられ、前記吸入セルの延在方向である軸方向の剛性が、前記軸方向に垂直な幅方向の剛性よりも小さいフレキシブル支持体とを含む。前記吸入セルの内部空間に吸入力が提供されることによって、前記吸入パッドは、形状が変形し、対象物を吸着し、前記固定キャップは、前記吸入セルのそれぞれに連結される貫通孔を含むことを特徴とする。
【0027】
互いに隣接する前記吸入セルの中心間の間隔は、互いに隣接する前記貫通孔の間隔よりも小さい。
【0028】
更に、前記連結ラインに設けられ、前記連結ラインを開閉する逆止弁を含み、前記対象物が吸着されない吸入セルに連結される連結ラインに設けられる逆止弁は、該当吸入セルの吸入力により密閉される。
【0029】
前記した本発明の目的のための更に他の実施例によるグリップ装置は、胴部と、連結部と、前記ソフトグリップユニットと、少なくとも1つのアームと、保持部とを含む。前記連結部は、前記胴部から外側に延在する。前記ソフトグリップユニットは、前記連結部の一端部に設けられる。前記アームは、前記胴部から前記ソフトグリップユニットの外側方向に延在する。前記連結部は、前記アームの端に連結され、前記ソフトグリップユニットと共に、前記対象物を固定する。
【発明の効果】
【0030】
本発明の実施例によると、ソフトグリップヘッドにおいて、隔壁により複数の吸入セルが仕切られ、吸入セルのそれぞれは、軸方向の剛性よりも幅方向の剛性が大きいように維持されることで、対象物に対する吸着を行うことにおいて、吸入セルの開口部が塞がることを防止し、吸着面積が増加することで、効率よい吸着を行うことができる。
【0031】
この場合、ソフトグリップヘッドを構成する材質は、幅方向の剛性が相対的に大きく維持されるように形成されるか、又は、吸入セル内に充填又は位置するフレキシブル支持体により、前記対象物の吸着に際して、吸入セルの形状を適切に維持し、吸入力が効率よく提供される。
【0032】
さらには、このようなソフトグリップヘッドは、吸入力が提供される構成を含めて、ソフトグリップユニットとして構成され、様々な形状のソフトグリップ装置に設計されて、様々な形状の対象物に対する効果的な把持を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す断面図である。
【
図4】
図4は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図3のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットを示す断面図である。
【
図6】
図6aは、従来技術によるソフトグリップユニットが対象物を把持する状態を示す断面図であり、
図6bは、
図5のソフトグリップユニットが対象物を把持する状態を示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図5のソフトグリップユニットに逆止弁を結合した状態を示す断面図である。
【
図10】
図10は、
図3のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットの他の例を示す断面図である。
【
図14】
図14は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【
図16】
図16は、
図14のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットが対象物を把持する状態を示す断面図である。
【
図17】
図17は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【
図18】
図18は、
図17のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットが対象物を把持する状態を示す断面図である。
【
図19】
図19は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【
図20】
図20は、
図19のソフトグリップヘッドを用いて、対象物を吸着する状態を示す断面図である。
【
図21】
図21は、
図19のソフトグリップヘッドにおいて、 吸入セル1330内に支持部が形成された例を示す断面図である。
【
図22】
図22は、
図19のソフトグリップヘッドにおいて、吸入セル1330内に支持部が形成された他の例を示す断面図である。
【
図23】
図23は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドと、これに結合される固定キャップを示す分解斜視図である。
【
図24】
図24aは、
図23のソフトグリップヘッドと固定キャップを示す断面図であり、
図24bは、
図23のソフトグリップヘッドと固定キャップの結合状態を示す断面図である。
【
図26】
図26は、
図23のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットを示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
100、101、102、1100、1200、1300、1400: ソフトグリップヘッド
110、1110、1210、1310、1410: 吸入パッド
111、1111、1220、1320、1420: 隔壁
112: ストッパ
113、1113、1230、1330、1430:吸入セル
115、1115、1240、1440: フレキシブル支持体
117: 載置溝
118: 芯部
120、1250、1500: 固定キャップ
130: 連結ライン
140: 吸入力発生部
150: 逆止弁
200、201、2000、2001、2002: ソフトグリップユニット
300: 胴部
400: 連結部
500: アーム
550: 保持部
600、601: グリップ装置
1260: ブロック部
1261: 粒子
1340: 支持部
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明は、様々な変更を加えることができ、様々な形状を有することができるところ、実施例を本文で詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を、特定の開示形態に対して限定しようとすることではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むことと理解すべきである。各図面を説明することに当たり、同様な図面符号を同様な構成要素に対して使用している。第1、第2などの用語は、様々な構成要素の説明に使用され得るが、前記構成要素が前記用語に限定されてはいけない。
【0036】
前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。本出願で使用した用語は、単に、特定の実施例を説明するために使われており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。
【0037】
本出願において、「含む」又は「なる」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、又はこれらを組み合わせたものの存在、又は付加可能性を予め排除しないことと理解すべきである。
【0038】
異なって定義されない限り、技術的や科学的な用語を含めて、ここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により、一般的に理解されることと同一の意味を有している。一般に使用される辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有することと解析すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解析されない。
【0039】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好適な実施例をより詳細に説明しようとする。
【0040】
図1は、本発明の一実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
図2は、
図1のソフトグリップヘッドの断面図である。
【0041】
図1及び
図2に示しているように、本実施例によるソフトグリップヘッド100は、吸入パッド110と、フレキシブル支持体115とを含む。
【0042】
吸入パッド110は、隔壁111と、隔壁111で仕切られて形成される複数の吸入セル113とを有する。
【0043】
すなわち、前記隔壁111は、両端部がいずれも開くように、前記吸入パッド110を、複数の空間に仕切り、このように前記隔壁111により仕切られる複数の空間は、前記吸入セル113として形成される。
【0044】
隔壁111は、フレキシブルな素材からなり、隔壁111で仕切られて形成される吸入セル113は、両端部がいずれも開くように貫設される。
【0045】
吸入セル113の内側空間には、外部から吸入力が提供される。吸入パッド110の一端部に形成される入口部116には、対象物が接触され、吸入パッド110の他端部から吸入力が提供されると、対象物は、吸入パッド110に吸着される。
【0046】
また、隔壁111は、空気が通過しない素材からなる。例えば、吸入パッド110は、フレキシブルなポリマー素材で形成される。そこで、ある吸入セル113に吸入される空気は、隔壁111を通して、他の吸入セル113に移動されない。
【0047】
吸入セル113間の隔壁111は、いずれも厚さが同一である。そして、吸入セル113は、吸入セル113の軸方向(A1)に垂直な幅方向(A2)の断面が、形状及びサイズが同一の多角形状である。多角形状は、例えば、三角形、四角形、及び六角形のいずれか1つである。
【0048】
但し、本実施例では、説明の便宜上、前記幅方向(A2)の断面が六角形状であると説明しており、これによると、吸入パッド110は、ハニカム形状である。吸入セル113は、隔壁111により仕切られるので、吸入セル113間の隙間が減ることになり、全体的な吸着面積が増加し、吸着効率性が高くなる。
【0049】
フレキシブル支持体115は、吸入セル113の内側空間に設けられる。フレキシブル支持体115は、吸入セル113を基準に、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が大きく形成される。そして、フレキシブル支持体115は、少なくとも一部が、吸入セル113の内周面に接触するコイルバネである。
【0050】
コイルバネは、円形に巻き取られる形状であるが、これに限定されるものではなく、吸入セル113の幅方向の断面形状に対応する形状に形成することができる。すなわち、吸入セル113の幅方向の断面が六角形である場合、コイルバネも、六角形状に形成される。
【0051】
吸入セル113の入口部116から吸入セル113の他端部の方向に吸入力が提供される状態で、吸入セル113の入口部116に対象物が密着すると、吸入力により対象物は、吸入セル113の入口部116に吸着される。対象物が吸着されると、対象物により、吸入セル113の入口部116が押圧されて、形状が変形することになる。ところが、吸入セル113が変形する過程で、吸入セル113の隔壁111が陥没して、吸入セル113が塞がることになると、多くの吸入力が提供されても、吸入流量が減少して、対象物に対する吸着力が減少される。
【0052】
しかし、本実施例では、フレキシブル支持体115は、幅方向(A2)の剛性が軸方向(A1)の剛性よりも大きいので、隔壁111が陥没して、吸入セル113の幅方向収縮の変形が生じても、これに対する抵抗力を提供することで、吸入セル113が陥没して形状が崩れることを最小化して、吸入セル113が塞がることを防止することができ、もって、対象物に対する吸着力が安定して発生することになる。
【0053】
そして、フレキシブル支持体115は、フレキシブル支持体115の一端部が、吸入セル113の入口部116から、所定の基準距離(G)だけ離隔して位置する。これにより、入口部116は、フレキシブル支持体115により支持されず、自由に形状が変形する。入口部116は、対象物の表面に密着して、吸入セル113を塞ぐ吸着カップ(suction cup)の役割を果たすが、入口部116がフレキシブル支持体115により支持されないようにすると、変形の制限が少なくなり、対象物の表面によく付着される。
【0054】
この場合、フレキシブル支持体115により支持されない入口部116の長さ、すなわち、基準距離(G)は、入口部116が、吸入セル113の内側に巻かれても、吸入セル113を密閉しない程度の長さに形成するのが望ましい。例えば、吸入セル113が円形断面を有すると仮定すると、フレキシブル支持体115により支持されない基準距離(G)は、吸入セル113の半径よりも小さいのが望ましい。
【0055】
対象物の表面にムラがある場合、吸入セル113の入口部116のうち、対象物の表面から離隔する部分は、吸入力により、吸入セル113の内側に巻き込まれる。フレキシブル支持体115は、吸入セル113の内側で、吸入セル113の幅方向の収縮量を効果的に抑制することで、吸入セル113の入口部116が、基準距離(G)を超えて内側空間に巻き込まれないようにする。
【0056】
また、吸入セル113に吸着した対象物が除去されたとき、吸入セル113は、フレキシブル支持体115の復元力により、初期形状に効率よく復元される。特に、フレキシブル支持体115は、吸入セル113を基準に、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が大きくなるように形成されるので、吸入セル113は、幅方向(A2)の断面が初期形状に安定して復元される。
【0057】
吸入セル113は、ストッパ112を有する。ストッパ112は、基準距離(G)に該当する地点で、吸入セル113の内周面に突設される。ストッパ112は、吸入セル113に挿入されたフレキシブル支持体115の一端部を拘束することで、挿入されたフレキシブル支持体115が、吸入セル113の入口部116の方向に動かないように抑制する。そこで、ストッパ112は、フレキシブル支持体115が吸入セル133から抜け出ることを防止することができる。
【0058】
また、ストッパ112は、吸着された対象物が除去されて、吸入セル113が初期形状に復元すると、フレキシブル支持体115がストッパ112を押すことになって、吸入セル113が軸方向(A1)に開いて、効率よく初期形状に復元することができる。
【0059】
吸入パッド110は、吸入セル113の他端部に設けられる芯部118を有する。芯部118は、吸入セル113が形成される数と同数に形成され、それぞれの芯部118は、それぞれの吸入セル113に連続して延び、開口される孔として形成される。
【0060】
この場合、前記吸入セル113の断面積は、これに連結される前記芯部118の断面積よりも大きく形成される。
【0061】
すなわち、それぞれの芯部118は、それぞれの吸入セル113と同一の中心軸を有し、吸入セル113を支持するベースの役割を果たす。一方、それぞれの芯部118の内側の開口した幅は、それぞれの吸入セル113の内側の開口した幅よりも小さく形成され、これにより、フレキシブル支持体115の他端部は、芯部118と吸入セル113の間に形成される段差に密着することで、吸入セル113の内側に安定して設けられる。
【0062】
図3は、本発明の他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す断面図である。
【0063】
本実施例によるソフトグリップヘッド101は、フレキシブル支持体の挿入位置を除き、
図1及び
図2で説明した前記ソフトグリップヘッド100と同様であるので、重複する説明は、省略する。
【0064】
図3に示しているように、本実施例における前記ソフトグリップヘッド101において、フレキシブル支持体115aは、吸入セル113はもちろん、芯部118まで挿入されて位置する。
【0065】
すなわち、フレキシブル支持体115aは、吸入セル113の内側に位置する部分では、吸入セル113の内側の断面幅に該当する第1の直径(D1)を有し、芯部118の内側に位置する部分では、芯部118の内側の断面幅に該当する第2の直径(D2)を有する。この場合、図示しているように、第2の直径(D2)は、第1の直径(D1)よりも小さい。
【0066】
このように、フレキシブル支持体115aが芯部118まで挿入されるように形成することで、フレキシブル支持体115aの軸方向の長さは、より長くなる。これにより、フレキシブル支持体115aの圧縮可能な長さが増加し、フレキシブル支持体115aのバネ定数は、小さくなる。そこで、小さな吸入力でもフレキシブル支持体115aは、効率よく圧縮され得るので、フレキシブル支持体115aにより、吸入セル113の自然な変形が妨げられない。
【0067】
また、吸入セル113は、内周面に螺旋形状に陥没形成され、フレキシブル支持体115aが挿入して載置される載置溝117を有する。吸着された対象物が除去されて、吸入セル113が初期形状に復元するに際して、フレキシブル支持体115aが載置溝117に挿入して復元されると、吸入セル113は、より効率よく初期形状に復元可能である。
【0068】
一方、詳しく示していないが、前記載置溝117に代えて、
図2で説明した前記ストッパ112を形成してもよく、前記載置溝117と共に、前記ストッパ112を同時に形成してもよい。
【0069】
図4は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す断面図である。
【0070】
本実施例によるソフトグリップヘッド102は、吸入セル113の形状及びこれによるフレキシブル支持体115bの形状を除き、
図1及び
図2で説明した前記ソフトグリップヘッド100と同様であるので、重複する説明は、省略する。
【0071】
図4に示しているように、本実施例によるソフトグリップヘッド102では、吸入パッド110aの吸入セル113は、入口部116から芯部118の方向に行くほど、断面幅が小さく形成される。この場合、フレキシブル支持体115bも、吸入セル113の形状に対応するように、吸入セル113の入口部116から芯部118方向へ行くほど、小径を有するように形成することができる。
【0072】
このように、フレキシブル支持体115bが、吸入セル113の入口部116付近の径が最も大きく形成されるようにすることで、入口部116付近で、フレキシブル支持体115b及び隔壁111の密着力が大きくなるようにすることができる。これにより、入口部116が極めて陥没されることを効率よく防止することができる。
【0073】
この場合、フレキシブル支持体115bは、芯部118まで延設することができ、ここで、載置溝117又はストッパ112が選択的に又は全て形成できることは、前述したようである。
【0074】
図5は、
図3のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットを示す断面図である。
【0075】
図5に示しているように、ソフトグリップユニット200は、更に、ソフトグリップヘッド101と、固定キャップ120と、吸入力発生部140と、連結ライン130とを含む。この場合、前記ソフトグリップユニット200が、
図3で説明した前記ソフトグリップヘッド101を含むことを示しているが、これに限定されず、前記ソフトグリップユニット200は、
図1の前記ソフトグリップヘッド100、又は
図4の前記ソフトグリップヘッド102を含むこともできる。
【0076】
一方、前記ソフトグリップヘッド101は、前述したことと同様であり、重複する説明は、省略する。
【0077】
固定キャップ120は、吸入パッド110の他端部に結合される。固定キャップ120は、吸入セル113にそれぞれ連結される貫通孔121を有する。吸入パッド110が芯部118を有する場合、固定キャップ120は、芯部118に結合される。
【0078】
吸入力発生部140は、吸入力を発生する。
【0079】
連結ライン130は、吸入力発生部140及び固定キャップ120を連結して、吸入力発生部140で発生する吸入力を、吸入パッド110の各吸入セル113に導く。
【0080】
連結ライン130は、複数個設けられ、連結ライン130の一端部は、吸入力発生部140に連結され、他端部は、貫通孔121に個別に連結される。吸入力発生部140から提供される吸入力は、それぞれの連結ライン130を介して、それぞれの吸入セル113に均一に伝達される。
【0081】
図6aは、従来技術によるソフトグリップユニットが、対象物を把持する状態を示す断面図であり、
図6bは、
図5のソフトグリップユニットが、対象物を把持する状態を示す断面図である。
【0082】
図6aに示しているように、従来のソフトグリップユニット20が、対象物10により押圧されると、一面21が全体として圧縮されるが、対象物10と接触する部分22の面積は、相対的に狭く形成される。
【0083】
また、従来のソフトグリップユニット20では、内部の気孔が互いに連結されているので、対象物10に適用される吸入力が相対的に減少する限界がある。
【0084】
これとは異なり、
図6bを参照すると、本実施例によるソフトグリップユニット200の場合、吸入パッド110の入口部116に対象物10が吸着されると、吸入パッド110の入口部116は、対象物10により押圧される。
【0085】
但し、この場合、吸入パッド110は、隔壁111で仕切られる吸入セル113を有するので、対象物10に接触する吸入セル113aは、対象物10により押圧されて形状が変形するが、残りの吸入セル113bは、形状が変形しない。また、入口部116を含めて、対象物10により押された部分114の殆どは、対象物10の表面と接触することになる。
【0086】
これにより、従来技術とは異なり、吸入パッド110が対象物10と接触される部分の面積は、相対的に増えることになり、もって、対象物10に適用される吸入力が大きくなるので、吸着力がより大きくなる。
【0087】
また、空気は、隔壁111を通過しないので、対象物10が吸着された吸入セル113aの吸入力は、対象物10に専ら適用されるので、吸着力が更に大きくなる。
【0088】
図7は、
図5のソフトグリップユニットに、逆止弁を結合した状態を示す断面図である。
【0089】
図7に示しているように、前記ソフトグリップユニット200において、固定キャップ120と連結ライン130の間に、逆止弁150が設けられることで、前記連結ライン130の開閉が制御される。
【0090】
この場合、逆止弁150は、ソケット151と、フランジ153と、ボール155と、止め具156と、弾性部材157と、結合リング158と、圧着カバー159とを含む。
【0091】
ソケット151は、固定キャップ120の貫通孔121と螺合152して固定される。ソケット151の中心は、軸方向に貫設される。
【0092】
フランジ153は、ソケット151の一端部に設けられ、中央には、筒孔154が形成される。
【0093】
ボール155は、ソケット151の内側に設けられる。ボール155は、フランジ153の筒孔154よりも大径に形成される。
【0094】
止め具156は、ソケット151の内側に、ソケット151の軸方向に延設される。止め具156の中央は、軸方向に貫設され、フランジ153の筒孔154と同一の中心軸を有する。 止め具156の内径は、ボール155の直径よりも小さく形成される。
【0095】
弾性部材157は、止め具156を抱き込むように設けられる。弾性部材157の一端部は、ソケット151に密着され、他端部は、ボール155に密着されて、ボール155をフランジ153の方向に弾持する。初期状態において、ボール155は、弾性部材157により弾持されて、筒孔154を密閉することができる。
【0096】
結合リング158は、連結ライン130の一端部に結合され、ソケット151の他端部に結合される。
【0097】
圧着カバー159は、ソケット151の他端部に結合されて、結合リング158を固定する。圧着カバー159は、ソケット151と螺合される。
【0098】
図8a、
図8b、
図9a及び
図9bは、
図7の逆止弁が作動する状態を示す断面図である。この場合、
図8a及び
図8bは、対象物が吸着された吸入セルに連結された逆止弁の作動を示しており、
図9a及び
図9bは、対象物が吸着されない吸入セルに連結された逆止弁の作動を示している。
【0099】
図8a及び
図8bに示しているように、連結ライン130を介して吸入力が提供されると、吸入力により、空気(SA)は吸入されることになり、ボール155は、上向きに移動することになる。すると、弾性部材157が圧縮されて、筒孔154は開き、吸入力が続けて提供されると、対象物10は、該当吸入セル113aに続けて吸着される。一方、対象物10が該当吸入セル113を完全に密閉することになると、吸入される空気流量はなくなり、該当ラインは、真空状態となり、弾性部材157の弾性復元力により、ボール155は、再度下降して、筒孔154を塞ぐことになる。
【0100】
一方、対象物10が吸入パッド110に吸着しない状態で、それぞれの吸入セルに吸入される空気流量を第1の流量とすると、前述のように、対象物が吸着される吸入セルでは、ボール155が筒孔154を塞いで、空気の流れが発生しなくなるので、対象物が吸着されない吸入セルでは、第1の流量よりも大きい第2の流量が発生することになる。
【0101】
すると、
図9a及び
図9bに示してるように、弾性部材157は、更に圧縮され、ボール155は、止め具156を密閉することになる。すなわち、逆止弁のうち、対象物が吸着されない吸入セル113bに連結される連結ラインに設けられる逆止弁は、該当吸入セルの吸入力により密閉される。このように、吸入パッド110の全体の吸入セル113で空気の吸入が行われなくなると、対象物10は、吸入セル113aで更に強く吸着される。
【0102】
一方、
図5に示しているように、逆止弁150は、連結ライン130の一地点(B)に設けられこともでき、これにより、逆止弁150の一端部及び他端部がいずれも、連結ライン130に結合されるように設けることができる。
【0103】
図10は、
図3のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットの他の例を示す断面図である。
【0104】
図10に示しているように、前記ソフトグリップヘッド201において、連結ライン130aは、単一の連結ラインからなる。この場合、連結ライン130aは、一端部が吸入力発生部140に連結され、他端部は、固定キャップ120に連結され、連結ライン130aの内側に、複数の貫通孔121が全て位置するようにすることができる。
【0105】
このように、連結ライン130aが単一の形状を有する場合でも、図示してはいないが、前述した逆止弁150は、各貫通孔121に結合される。この場合、逆止弁150は、一端部が貫通孔121に連結され、他端部は、連結ライン130aの内側に開くように設けられ、前述したように作動する。
【0106】
【0107】
図11に示しているように、前記グリップ装置600は、胴部300と、連結部400と、ソフトグリップユニット200、201と、アーム500と、保持部550とを含む。
【0108】
連結部400は、胴部300に連結され、胴部300の外側に延びる。そして、ソフトグリップユニット200、201は、連結部400の一端部に設けられる。連結部400は、ソフトグリップユニット200、201が胴部300に近く又は遠くなるように移動することができる。この場合、連結部400は、ソフトグリップユニット200が胴部300に近く又は遠くなるように直線移動する。
【0109】
ソフトグリップユニット200、201が対象物の上面を吸着すると、連結部400は、ソフトグリップユニット200、201を上側に上げることができる。
【0110】
この場合、ソフトグリップユニット200、201の連結ライン130、130aは、連結部400の内側に設けられる。
【0111】
アーム500は、複数個設けることができ、一端部は、胴部300にそれぞれ結合される。アーム500の他端部は、互いに離隔して設置され、互いに離れた他端部が近くなるように移動可能である。アーム500は、胴部300にヒンジ結合されるが、これに限定されるものではない。
【0112】
保持部550は、アーム500の他端部に設けられる。保持部550は、アーム500が互いに近くなるように移動すると、対象物10の側面を押圧して保持させる。
【0113】
ソフトグリップユニット200、201及び保持部550の作動手順は、特に限定されない。例えば、
図11aに示しているように、ソフトグリップユニット200、201に対象物10が先に吸着した状態で、連結部400が上向き移動し、その後、
図11bに示しているように、アーム500が互いに近くなるように移動して、保持部550が対象物10の側面を押圧して保持され、もって、対象物10は、更に安定して保持可能となる。
【0114】
または、ソフトグリップユニット200、201が対象物10の上面を吸着すると共に、保持部550は、対象物10の側面を押圧して、対象物10を保持することもできる。
【0115】
【0116】
図12に示しているように、保持部550は、対象物10により押圧して変形し、フレキシブルカバー551と、粉末体552とを含む。
【0117】
フレキシブルカバー551は、フレキシブルカバー551の一側面を形成し、対象物10に密着される保持面551aと、フレキシブルカバー551の他側面を形成し、アーム500に結合される結合面551bとを有し、内側には、収容空間551cを設ける。
【0118】
フレキシブルカバー551は、柔軟性を有する薄膜形状からなり、空気が通じない素材からなる。
【0119】
粉末体552は、ポケット555に満たされる。粉末体552は、粉末状をなす。
【0120】
フレキシブルカバー551に対象物10が押圧されると、ポケット555及び粉末体552は、押圧される対象物10の形状に対応して変形する。ここで、粉末体552が変形するとは、押圧される対象物10により、粉末が押されて形状が変形することを意味する。
【0121】
吸入力発生部140は、ポケット555に連結される。吸入力発生部140は、吸入管141を更に有し、吸入管141は、収容空間551cの内側に延びる。吸入力発生部140は、吸入管141により、ポケット555の空気を吸入する。ポケット555は、通気孔555aを有する。
【0122】
吸入力発生部140により、収容空間551cの空気が吸入されると、フレキシブルカバー551は収縮され、収縮されるフレキシブルカバー551により、粉末体552が圧着されて、強固に固定される。
【0123】
対象物10が保持面551aを押圧した状態で、吸入力発生部140が収容空間551cの空気を吸入すると、粉末体552は、押圧された対象物10により形状が変形した状態で、フレキシブルカバー551が収縮することによって、互いに圧着され、粉末体552とフレキシブルカバー551は、固く固まることになる。すなわち、保持面551aに対象物10が押圧されることによって変形した粉末体552は、変形した状態に固くことになり、保持面551aに押圧された対象物10の側面は、フレキシブルカバー551により、安定して保持される。
【0124】
一方、保持部550の構成は、前述した形状、すなわち、通常は軟らかい状態にあり、吸入力により固くなる形状に限定されるものではなく、例えば、スポンジのような形状でもよい。
【0125】
【0126】
図13a及び
図13bに示しているように、前記グリップ装置601の場合、連結部400aが、ソフトグリップユニット200が胴部300と近く又は遠くなるように伸縮される形状からなり、前記グリップ装置の他の構成は、
図11a及び
図11bにおける説明と同様である。
【0127】
図14は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図であり、
図15は、
図14のソフトグリップヘッドの一部底面図である。
【0128】
図14及び
図15に示しているように、本実施例による前記ソフトグリップヘッド1100は、吸入パッド1110と、フレキシブル支持体1115とを含む。
【0129】
吸入パッド1110は、隔壁1111と、隔壁1111により仕切られて形成される複数の吸入セル1113とを含む。
【0130】
前記フレキシブル支持体1115は、前記吸入セル1113内に充填されるもので、本実施例の場合、前記フレキシブル支持体1115を除くと、
図1で説明した前記ソフトグリップヘッド100と同様であるので、重複する説明は、省略する。
【0131】
すなわち、前記隔壁1111及び前記吸入セル1113の構造、材料、形状などは、
図1で説明した前記隔壁111及び前記吸入セル113の構造、材料、形状などと同様である。
【0132】
フレキシブル支持体1115は、吸入セル1113の内側空間に充填されるもので、フレキシブル支持体1115は、形状変形が可能であり、内部に空気が通過可能な材質であり、例えば、スポンジ構造又は多孔性構造などで形成される。
【0133】
以上のように、フレキシブル支持体1115が吸入セル1113の内側空間に満たされることにより、吸入セル1113の一端部から他端部の方向に吸入力が提供される状態で、吸入セル1113の一端部に対象物が密着すると、吸入力により対象物は、吸入セル1113の一端部に吸着される。対象物が吸着されると、対象物により、吸入セル1113の一端部が押圧されて、形状が変形することになるが、特に、対象物の表面にムラがある場合、吸入セル1113の一端部のうち、対象物の表面から離れる部分は、吸入力により、吸入セル1113の内側に巻き込まれる。フレキシブル支持体1115は、吸入セル1113の内側で吸入セル1113を支持することで、吸入セル1113の一端部が内側空間に巻き込まれないようにすることができる。
【0134】
以上のように、前記フレキシブル支持体1115が前記吸入セル1113を十分支持して、吸入セル1113が内側空間に巻き込まれることを防止するため、前記フレキシブル支持体1115は、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が更に大きく形成される。
【0135】
図16は、
図14のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットが対象物を把持する状態を示す断面図である。
【0136】
図16に示しているように、本実施例による前記ソフトグリップヘッド1100は、固定キャップ120により固定され、連結ライン130が連結されて、ソフトグリップユニット2000で構成される。
【0137】
この場合、前記ソフトグリップユニット2000を構成する前記固定キャップ120及び前記連結ライン130は、
図5における説明と同様である。
【0138】
本実施例でのように、前記ソフトグリップユニット2000が対象物10を把持する場合、従来技術と比較して、吸入パッド1110が対象物10と接触する部分の面積が相対的に増加して、対象物10に適用される吸着力が増加することになる。
【0139】
また、本実施例の場合、吸入過程で、空気が隔壁1111を通過しないので、対象物10に対する吸入力が増加することになる。
【0140】
すなわち、吸入過程で、空気が隔壁1111を通過しないことによって、対象物10が吸着される吸入セル1113a及びこれに位置するフレキシブル支持体1115による吸入力は、対象物10にのみ専ら適用され、これにより、該当吸入セル1113a及びフレキシブル支持体1115だけが吸着により変形し、一方、対象物10が吸着されない吸入セル1113b及びこれに位置するフレキシブル支持体1115は、変形することなく、状態が維持される。
【0141】
特に、フレキシブル支持体1115は、吸入セル1113の一端部から一定距離だけ離隔して満たされ、これにより、隔壁1111の一端部1111aは、フレキシブル支持体1115により支持されない。隔壁1111の一端部1111aは、対象物の表面に密着して、吸入セル1113を塞ぐ吸着カップの役割を果たすが、隔壁1111の一端部1111aがフレキシブル支持体1115により支持されないようにすると、変形の制限が少なくなり、対象物の表面によく付着される。
【0142】
この場合、フレキシブル支持体115により支持されない隔壁1111の一端部1111aの長さは、隔壁1111の一端部1111aが吸入セル1113の内側に巻かれても、吸入セル1113を密閉しない程度の長さに形成するのが望ましい。すなわち、吸入セル1113が円形断面を有すると仮定すると、フレキシブル支持体1115により支持されない隔壁1111の一端部1111aの長さは、吸入セル1113の半径よりも小さいのが望ましい。
【0143】
図17は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【0144】
図17に示しているように、本実施例によるソフトグリップヘッド1200は、吸入パッド1210と、フレキシブル支持体1240と、ブロック部1260とを含む。
【0145】
この場合、前記吸入パッド1210が、隔壁1220と、隔壁1220により仕切られる複数の吸入セル1230とを含むことは、前述したことと同様であり、前記フレキシブル支持体1240が、前記吸入セル1230内に設けられることも、前述したことと同様である。
【0146】
本実施例の場合も、前記隔壁1220及び前記吸入セル1230の構造、材料、形状などは、
図1で説明した前記隔壁111及び前記吸入セル113の構造、材料、形状などと同様である。
【0147】
さらには、前記フレキシブル支持体1240は、吸入セル1230を基準に、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が大きく形成され、フレキシブル支持体1240は、少なくとも一部が吸入セル1230の内周面に接触されるコイルバネであることも、前述したことと同様である。
【0148】
但し、本実施例の場合、前記ブロック部1260が、前記吸入パッド1210の外郭に沿って形成されることに特徴がある。
【0149】
すなわち、前記ブロック部1260は、前記ソフトグリップヘッド1200を形成する外枠の内側に複数形成され、前記吸入セル1113は、前記ブロック部1260により外郭が覆われて、前記ブロック部1260の内側に位置する。この場合、前記ブロック部1260内には、粒子1261が位置するが、これについては、
図18で後述する。
【0150】
図18は、
図17のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットが、対象物を把持する状態を示す断面図である。
【0151】
図18に示しているように、本実施例による前記ソフトグリップヘッド1200は、固定キャップ1250により固定され、連結ライン130が連結されて、ソフトグリップユニット2001で構成される。
【0152】
この場合、前記ソフトグリップユニット2001を構成する前記固定キャップ1250及び前記連結ライン130は、
図5で説明したことと同様である。但し、本実施例において、前記固定キャップ1250は、前記ブロック部1260の構造を考えて、前記ブロック部1260の上面と前記固定キャップ1250の内側に、固定プレート1251を介在する。
【0153】
前記ブロック部1260は、前記吸入セル1230の外側に配置され、前述したように、内部には、粒子1261が充填される。
【0154】
このように、前記粒子1261が前記ブロック部1260内に充填されることによって、前記ソフトグリップヘッド1200は、所定の形状を維持することができる。
【0155】
一方、図示していないが、前記ブロック部1260内の負圧を制御する圧力制御部(図示せず)を更に設けることができる。
【0156】
前記圧力制御部は、前記ブロック部1260に連結され、前記ブロック部1260内の負圧を制御して、前記粒子1261間の密着程度を制御することができ、これにより、前記ソフトグリップヘッド1200の全体的な剛性を変えることができる。
【0157】
例えば、前記ソフトグリップユニット2001が対象物10を吸着しない状態では、前記ブロック部1260内に別の負圧が提供されないので、全体として、前記ブロック部1260は、内部の粒子1261間の密着性が高くないため、柔軟な形状変形が可能な状態に維持することができる。
【0158】
しかし、
図18に示しているように、前記ソフトグリップユニット2001が対象物10を吸着した状態で、前記ブロック部1260内に負圧が提供されると、前記ブロック部1260内の粒子1261間の密着性が向上し、これにより、前記ブロック部1260の剛性は、増加することになる。
【0159】
このように、前記ブロック部1260の剛性が増加することになると、全体として、前記ソフトグリップヘッド1200の側面を所定の剛性で維持するので、対象物10を吸着した状態を更に強固に維持することができ、外部から与えられる外力などに対する抵抗力が増加することによって、対象物10に対する吸着状態をより安定して維持することができる。
【0160】
一方、
図18に示している前記ソフトグリップユニット2001の対象物10に対する把持状態の場合、従来技術と比較して、吸入パッド1210が対象物10と接触する部分の面積が相対的に増加して、対象物10に適用される吸着力が増加することになる。
【0161】
また、吸入過程で、空気が隔壁1220を通過しないので、対象物10に対する吸入力が増加する。
【0162】
すなわち、吸入過程で、空気が隔壁1220を通過しないことによって、対象物10が吸着される吸入セル1230a及びこれに位置するフレキシブル支持体1240による吸入力は、対象物10にのみ専ら適用され、これにより、該当吸入セル1230a及びフレキシブル支持体1240だけが吸着により変形し、一方、対象物10が吸着されない吸入セル1230b及びこれに位置するフレキシブル支持体1240は、変形することなく、状態が維持される。
【0163】
図19は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドを示す斜視図である。
【0164】
図19に示しているように、本実施例によるソフトグリップヘッド1300は、吸入パッド1310を含み、前記吸入パッド1310は、隔壁1320と、前記隔壁1320により仕切られて形成される複数の吸入セル1330とを含む。この場合、前記吸入パッド1310は、結果として、前記ソフトグリップヘッド1300の胴体を形成するもので、前記吸入パッド1310が一体に形成され、且つ、前記隔壁1320が同時に製作される。
【0165】
本実施例の場合、前記吸入セル1330内が、別のフレキシブル支持体などの構造体が充填又は配置されず、開口した状態を有する。
【0166】
但し、本実施例の場合、前記フレキシブル支持体などの構造体が充填又は配置されないので、前記吸入パッド1310が、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が大きいメタマテリアルを含むことができる。
【0167】
この場合、前記隔壁1320も、前記吸入パッド1310と一体に製作され、前記吸入パッド1310と同一の前記メタマテリアルを含むことになる。
【0168】
前記メタマテリアルは、自然界に存在しない特性を具現するために、光の波長よりも非常に小さなサイズで作った金属や誘電物質に設計されたメタ原子(Meta Atom)の周期的な配列からなる物質を意味する。
【0169】
本実施例において、前記吸入パッド1310は、幅方向の剛性が軸方向の剛性よりも大きい特性を具現するように、人為的に製造されたメタマテリアルであり、
図19に示しているように、第1の素材層1311と、第2の素材層1312とを含む。
【0170】
この場合、第1の素材層1311は、プレート形状であり、吸入セル1330の幅方向(A2)に偏平に延びる。第1の素材層1311は、吸入セル1330の軸方向(A1)に沿って、所定の間隔で離隔配置される。第1の素材層1311は、第1の剛性を有する。
【0171】
また、第2の素材層1312は、第1の素材層1311の間に設けられ、第1の剛性よりも小さい第2の剛性を有する。第2の素材層1312は、フレキシブルなポリマーで形成される。第2の素材層1312は、第1の素材層1311よりも剛性が小さいので、前記ソフトグリップヘッド1300が軸方向(A1)に圧縮されるとき、第2の素材層1312が相対的に容易に圧縮され、もって、前記ソフトグリップヘッド1300は、軸方向(A1)への圧縮が容易に行われる。
【0172】
これに対して、第1の素材層1311は、第2の素材層1312よりも剛性が大きいので、前記ソフトグリップヘッド1300が軸方向(A1)に圧縮される場合、幅方向(A2)への変形が相対的に小さく維持され、これにより、吸入セル1330の幅方向の収縮変形に対する抵抗力が提供される。
【0173】
以上のように、前記隔壁1320の材質を除き、前記隔壁1320及び前記吸入セル1330の構造、形状などは、
図1で説明した前記隔壁111及び前記吸入セル113の構造、形状などと同様である。
【0174】
図20は、
図19のソフトグリップヘッドを用いて、対象物を吸着する状態を示す断面図である。
【0175】
図20を参照すると、前述したように、前記吸入セル1330内に、別のフレキシブル支持体などが充填又は位置しない場合でも、前記ソフトグリップヘッド1300が、幅方向の剛性が軸方向の剛性よりも大きい場合、効果的な対象物10の吸着が可能となる。
【0176】
すなわち、前記ソフトグリップヘッド1300が、幅方向の剛性が軸方向の剛性よりも大きい場合、吸入セル1330の幅方向の収縮変形に対する抵抗力が相対的に大きく生じるので、対象物10の吸着により、吸入セル1330が、軸方向(A1)に圧縮されても、幅方向(A2)への変形が相対的に少なく維持される。
【0177】
これにより、吸入セル1330が塞がることを防止し、吸入セル1330により吸入力が続けて発生するので、対象物10に対する吸着性能が向上する。
【0178】
図21は、
図19のソフトグリップヘッドにおいて、吸入セル1330内に支持部が形成された例を示す断面図である。
【0179】
図21に示しているように、前記吸入セル1330内に、支持部1340が形成され、前記支持部1340は、前記幅方向(A2)に沿って延び、前記軸方向(A1)に沿って、所定の間隔で離隔して配置される。
【0180】
すなわち、前記支持部1340は、前記吸入セル1330内に、前記吸入セル1330の円周方向に沿って延び、前記幅方向(A2)への収縮変形に対する抵抗力を提供することができる。
【0181】
また、前記支持部1340の外面は、前記吸入セル1330の内面、すなわち、前記隔壁1320に接触するように形成され、これにより、前記支持部1340が前記吸入セル1330の内周面に内接するように配置される。
【0182】
一方、図面には、前記支持部1340が、互いに異なる吸入セル1330で互いに同一の高さに配置されることを示しているが、前記支持部1340は、吸入セル1330毎に互いに異なる高さで配置されることもできる。
【0183】
図22は、
図19のソフトグリップヘッドにおいて、吸入セル1330内に支持部が形成された他の例を示す断面図である。
【0184】
図22における前記支持部1340は、隔壁1320との固定状態を除くと、
図21で説明したことと同様である。
【0185】
すなわち、
図22に示しているように、前記吸入セル1330内に形成される支持部1340が、前記隔壁1320の内側に陥入して位置する。
【0186】
すなわち、前記隔壁1320上に、所定の溝部1321が形成され、前記溝部1321上に、前記支持部1340の外面が挿入して載置され、これにより、前記支持部1340は、より安定して、前記吸入セル1330内にその位置が固定される。
【0187】
図23は、本発明の更に他の実施例によるソフトグリップヘッドと、これに結合される固定キャップを示す分解斜視図である。
【0188】
図23に示しているように、本実施例による前記ソフトグリップヘッド1400は、吸入パッド1410と、フレキシブル支持体1440と、フランジ1430とを含み、前記固定キャップ1500は、ベース1510と、ソケット1520とを含む。この場合、前記ソケット1520には、貫通孔1521が形成される。
【0189】
この場合、前記吸入パッド1410は、隔壁1420と、隔壁1420により仕切られて形成される複数の吸入セル1430とを含み、前記フレキシブル支持体1440が、前記吸入セル1430内に設けられることは、前述したことと同様である。
【0190】
また、本実施例の場合も、前記隔壁1420及び前記吸入セル1430の構造、材料、形状などは、
図1で説明した前記隔壁111及び前記吸入セル113の構造、材料、形状などと同様である。
【0191】
さらには、前記フレキシブル支持体1440は、吸入セル1430を基準に、軸方向(A1)の剛性よりも幅方向(A2)の剛性が大きく形成され、フレキシブル支持体1440は、少なくとも一部が、吸入セル1430の内周面に接触されるコイルバネであることも、前述したことと同様である。
【0192】
但し、本実施例の場合、前記フランジ1430が、前記吸入パッド1410上に設けられ、前記フランジ1430は、前記ベース1510と互いに結合される。
【0193】
すなわち、前記固定キャップ1500のベース1510は、前記フランジ1430と互いに結合され、これにより、前記固定キャップ1500と前記ソフトグリップヘッド1400とが互いに結合される。
【0194】
前記ソケット1520は、複数個が前記ベース1510から突出するが、前記ソケット1520が形成される位置及び配列は、前記吸入セル1430の位置及び配列と同様である。
【0195】
かくして、前記固定キャップ1500と前記ソフトグリップヘッド1400が互いに結合される場合、前記ソケット1520のそれぞれは、前記吸入セル1430のそれぞれの内部に挿入して位置することになる。
【0196】
この場合、前記ソケット1520の直径は、前記吸入セル1430の内径よりも大きく形成される。前記吸入セル1430を形成する前記隔壁1420は、フレキシブルな材質を含むので、伸縮性を有し、これにより、前記ソケット1520の直径が、前記吸入セル1430の内径よりも大きく形成されることが、前記ソケット1520と前記吸入セル1430のより安定した結合に有利であり、もって、空気の漏れを防止することができる。
【0197】
一方、前記固定キャップ1500は、突部1530を含み、前記突部1530は図示してはいないが、前記フランジ1430の上面に形成される載置溝と互いに結合される。これにより、前記固定キャップ1500と前記ソフトグリップヘッド1400がより安定して結合され、吸入空気が漏れることを防止することができる。
【0198】
図24aは、
図23のソフトグリップヘッドと固定キャップを示す断面図であり、
図24bは、
図23のソフトグリップヘッドと固定キャップの結合状態を示す断面図である。
【0199】
図24aに示しているように、互いに隣接する吸入セル1430の中心間の間隔(P1、第1の間隔)は、互いに隣接するソケット1520の中心間の間隔(P2、第2の間隔)よりも小さく形成される。
【0200】
これにより、
図24bに示しているように、前記固定キャップ1500を、前記ソフトグリップヘッド1400に結合する場合、前記ソフトグリップヘッド1400の上に、所定の引張力(F)を与えて、前記第1の間隔(P1)を増加した状態で、前記ソケット1520を、前記吸入セル1430の内側に位置させる。
【0201】
この後、前記与えられた引張力(F)を解除すると、前記第1の間隔(P1)は元状態に戻し、且つ、前記ソケット1520と前記吸入セル1430は、更に密着した状態で、互いに固定される。
【0202】
図25a及び
図25bは、
図23のソフトグリップヘッドが対象物を吸着する状態を示す断面図である。
【0203】
前記
図24bでのように、前記ソフトグリップヘッド1400と固定キャップ1500を互いに結合することになると、
図25aに示しているように、前記ソフトグリップヘッド1400の上部、すなわち、前記固定キャップ1500に連結される部分は、伸張した状態となり、前記対象物10と吸着する部分に行くほど、前記ソフトグリップヘッド1400の断面が減少する形状が維持される。
【0204】
すなわち、前記ソフトグリップヘッド1400が、いわゆる吸着カップの効果を奏する。
【0205】
かくして、
図25aでのように、特に、前記対象物10が楕円状又は円状のようなラウンド形状を有する場合、対象物10が、前記ソフトグリップヘッド1400上に接触すると、前記ソフトグリップヘッド1400と前記対象物10の間の間隔(G)が相対的に小さく維持される。
【0206】
すなわち、前記ソフトグリップヘッド1400が全体として端が凹設されるので、中央に位置する吸入セル1430aは、対象物10と相対的に容易に密着され、縁に位置する吸入セル1430bは、対象物10と相対的に少なく密着されるが、間隔(G)を相対的に小さく維持することができる。
【0207】
この後、
図25bに示しているように、前記吸入セル1430内に吸入力が発生すると、前記縁に位置する吸入セル1430bは、対象物10に対して、より一層密着が行われ、全体として、前記対象物10を抱き込む形状に固定することになる。すなわち、対象物10に吸着される吸入セル1430の表面積が相対的に増加することになって、前記対象物10に対して、より効率よい吸着が行われる。
【0208】
この場合、吸入セル1430内に位置するフレキシブル支持体1440により、幅方向の収縮変形に対する抵抗力が維持されるので、吸入セル1430の間隔が狭すぎることを防止し、対象物10に対する安定した吸着が行われる。
【0209】
図26は、
図23のソフトグリップヘッドを含むソフトグリップユニットを示す断面図である。
【0210】
図26に示しているように、本実施例による前記ソフトグリップヘッド1400は、上部に結合した前記固定キャップ1500と、前記固定キャップ1500を通して連結される連結ライン130と、前記連結ライン130に吸入力を提供する吸入力発生部140と共に、前記ソフトグリップユニット2002を構成する。
【0211】
この場合、前記連結ライン130は、その一端が、前記固定キャップ1500の各ソケット1520を貫設する貫通孔1521に連結され、他端は、前記吸入力発生部140に連結される。
【0212】
一方、前記連結ライン130が前記貫通孔1521と連結される部分に、
図7で説明した前記逆止弁150が設けられるが、これに関する説明は、重複するので省略する。さらには、前記吸入力発生部140が、前記連結ライン130を介して、前記吸入セル1430のそれぞれに吸入力を発生することも、前述したことと同様である。
【0213】
前記した本発明の実施例によると、ソフトグリップヘッドにおいて、隔壁により、複数の吸入セルが仕切られ、吸入セルのそれぞれは、軸方向の剛性よりも幅方向の剛性が大きいように維持されることにより、対象物に対する吸着を行うことにおいて、吸入セルの開口部が塞ぐことを防止し、吸着面積が増加して、効率よい吸着を行うことができる。
【0214】
この場合、ソフトグリップヘッドを構成する材質が、幅方向の剛性が相対的に大きく維持されるように形成されるか、又は、吸入セル内に充填又は位置するフレキシブル支持体により、前記対象物の吸着に際して、吸入セルの形状を適切に維持して、吸入力を効果的に提供することができる。
【0215】
さらには、このようなソフトグリップヘッドは、吸入力が提供される構成を含めて、ソフトグリップユニットで構成され、様々な形状のソフトグリップ装置に設計されて、様々な形状の対象物に対する効率よい把持を行うことができる。
【0216】
前記では、本発明の好適な実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を様々に修正及び変更できることを理解するだろう。
【国際調査報告】