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特表2023-510712顧客構内設備、アンテナ制御方法及び非一時的記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】顧客構内設備、アンテナ制御方法及び非一時的記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H01Q 3/04 20060101AFI20230308BHJP
   H01Q 21/24 20060101ALI20230308BHJP
   H04B 1/38 20150101ALI20230308BHJP
【FI】
H01Q3/04
H01Q21/24
H04B1/38
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022539716
(86)(22)【出願日】2020-12-31
(85)【翻訳文提出日】2022-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2020142248
(87)【国際公開番号】W WO2021147647
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202010070347.9
(32)【優先日】2020-01-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516227559
【氏名又は名称】オッポ広東移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】GUANGDONG OPPO MOBILE TELECOMMUNICATIONS CORP., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 18 Haibin Road,Wusha, Chang’an,Dongguan, Guangdong 523860 China
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100203105
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 能弘
(72)【発明者】
【氏名】ジア ユーフー
【テーマコード(参考)】
5J021
5K011
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AA07
5J021AA09
5J021DA04
5J021FA13
5J021FA26
5J021GA02
5J021HA10
5K011AA06
5K011DA02
(57)【要約】
顧客構内設備(10)、アンテナ制御方法及び非一時的記憶媒体は提供される。前記顧客構内設備(10)は、アンテナ信号を送受信するように構成されるミリ波アンテナと、各アンテナ信号の一つのネットワーク情報を測定するように構成されるRF回路(242)と、ドライバモジュール(25)と、プロセッサ(22)とを備える。前記プロセッサ(22)は、前記ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、前記複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築し、前記間隔ステップストラテジーに基づいて前記ミリ波アンテナを回転駆動するように前記ドライバモジュール(25)を制御し、前記ミリ波アンテナによって前記複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得し、前記複数のネットワーク情報によって目標ブロックを決定し、かつ前記ミリ波アンテナを前記目標ブロックまで回転させるように構成される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミリ波帯のアンテナ信号を送受信するように構成されるミリ波アンテナと、
前記ミリ波アンテナに結合されており、前記アンテナ信号を送受信するように前記ミリ波アンテナを制御し、各アンテナ信号の一つのネットワーク情報を測定するように構成される無線周波数回路(242)と、
前記ミリ波アンテナに結合されて前記ミリ波アンテナを回転駆動するドライバモジュール(25)と、
前記無線周波数回路(242)と前記ドライバモジュール(25)に結合されたプロセッサ(22)とを備え、前記プロセッサ(22)は、
前記ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、前記複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築し、
前記間隔ステップストラテジーに基づいて、前記ミリ波アンテナを回転駆動するように前記ドライバモジュール(25)を制御して、前記複数のブロックを間隔で走査し、
前記ミリ波アンテナによって前記複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得し、
前記複数のネットワーク情報によって前記ミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ前記目標ブロックまで回転させるように前記ミリ波アンテナを制御するように構成される、ことを特徴とする顧客構内設備(10)。
【請求項2】
前記複数のブロックの走査範囲は同じであり、各ブロックの走査範囲は予め設定された角度より小さい、請求項1に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項3】
前記プロセッサ(22)はさらに、
前記複数のブロックの前記走査範囲を取得し、
前記複数のブロックの前記走査範囲によって複数のステップ値を決定し、各ステップ値が現在ブロックと前のブロックとの間の走査範囲であり、また、
前記複数のステップ値によって、前記間隔ステップストラテジーを決定するように構成される、請求項2に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項4】
各ステップ値は、少なくとも1つのブロックに対応する少なくとも1つの走査範囲を含む、請求項3に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項5】
前記間隔ステップストラテジーにおける少なくとも2つのステップ値は等しいまたは異なる、請求項3または4に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項6】
前記プロセッサ(22)はさらに、
前記ミリ波アンテナによって現在ブロックで測定された一つのネットワーク情報と、前記ミリ波アンテナによって前のブロックで測定された一つのネットワーク情報を取得し、また、
前記ミリ波アンテナによって現在ブロックで測定された前記ネットワーク情報と、前記ミリ波アンテナによって前のブロックで測定された前記ネットワーク情報によって、前記間隔ステップストラテジーを更新するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項7】
前記ミリ波アンテナは、複数の放射ユニットを含み、前記プロセッサ(22)はさらに、
前記複数の放射ユニットによって現在ブロックで受信された前記アンテナ信号の複数のネットワークデータパケットを取得し、各ネットワークデータパケットが、対応する放射ユニットによって異なる方向に受信された前記アンテナ信号の信号品質情報を含み、また、
前記複数の放射ユニットによって前記現在ブロックで得られた前記複数のネットワークパケットによって、前記間隔ステップストラテジーを更新するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項8】
前記顧客構内設備(10)は非スタンドアロンネットワーキングモードで動作し、前記プロセッサ(22)はさらに、
第1のネットワークシステムに基づいて基地局より送られた測定命令を受信し、前記測定命令は少なくとも、前記アンテナ信号を測定するよう前記顧客構内設備に指示するように前記基地局によって設置された時間情報を含み、前記第1のネットワークシステムは4Gネットワークシステムであり、また、
前記測定命令に従って、前記間隔ステップストラテジーに基づいて前記ミリ波を回転駆動するように前記ドライバモジュール(25)を制御するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項9】
前記測定命令は、第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる閾値をさらに含み、前記第2のネットワークシステムは5Gネットワークシステムであり、前記プロセッサ(22)はさらに、いずれかの前記ネットワーク情報が前記第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる前記閾値以上である場合、第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる前記閾値以上の前記ネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとして決定するように構成される、請求項8に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項10】
前記測定命令は、第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる閾値をさらに含み、前記第2のネットワークシステムは5Gネットワークシステムであり、前記プロセッサ(22)はさらに、各ブロックで、一つのネットワーク情報が前記第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる前記閾値以上である場合、前記第2のネットワークシステムにアクセスし、前記ミリ波アンテナによって受信された前記アンテナ信号の複数のビーム情報を取得してから、前記第2のネットワークシステムを脱退し、また、
少なくとも1つのブロックでの少なくとも1つの前記ビーム情報に基づいて前記目標ブロックを決定するように構成される、請求項8又は9に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項11】
前記プロセッサ(22)はさらに、
前記ミリ波アンテナによって各ブロックで測定された前記アンテナ信号の一つのネットワーク情報によって、前記ミリ波アンテナの前記目標ブロックを決定し、または、
前記基地局に全方向性ネットワークデータを送信し、前記全方向性ネットワークデータが、ミリ波アンテナによって各ブロックで測定された前記アンテナ信号の前記ネットワーク情報を含み、前記全方向性ネットワークデータによって前記目標ブロックを決定するよう前記基地局に指示するように設置される取得要求を持っているように構成される、請求項1~10のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項12】
前記プロセッサ(22)はさらに、
前記目標ブロックで第2のネットワークシステムにアクセスし、前記第2のネットワークシステムは5Gネットワークシステムであり、
前記第2のネットワークシステムに基づいて、前記ミリ波アンテナと前記基地局との間に接続された現在ビームの複数のビーム情報を取得し、また、
前記複数のビーム情報に従って、予め設定された回転範囲内で回転させるように前記ミリ波アンテナを制御して、前記ミリ波アンテナの方向を前記基地局への指向に校正するように構成される、請求項1~11のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の顧客構内設備(10)に適用される方法であって、
前記ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、前記複数のブロックに基づいて間隔ステップ策略ストラテジーを構築すること;
前記間隔ステップストラテジーに基づいて前記ミリ波アンテナを回転駆動するように前記ドライバモジュール(25)を制御して前記複数のブロックを間隔で走査すること;
前記ミリ波アンテナによって前記複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得すること;および
前記複数のネットワーク情報によって前記ミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ前記目標ブロックまで回転させるように前記ミリ波アンテナを制御することを備える、ことを特徴とするアンテナ制御方法。
【請求項14】
前記複数のブロックに基づいて前記間隔ステップストラテジーを構築することは、
前記複数のブロックの前記走査範囲を取得すること;
前記複数のブロックの前記走査範囲によって複数のステップ値を決定することであって、各ステップ値が現在ブロックと前のブロックとの間の走査範囲であること;および
前記複数のステップ値によって、前記間隔ステップストラテジーを決定することを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
プロセッサ(22)によって実行されたときに、請求項13~14のいずれか一項に記載の方法が実現される命令を記憶する非一時的記憶媒体(21)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線通信技術の分野に関し、特に、顧客構内設備、アンテナ制御方法および非一時的記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信技術の発展に伴い、ネットワーク技術も更新されている。例えば、5Gネットワークも誕生し、そのピーク理論伝送速度は毎秒数十Gbを達成可能であり、これは4Gネットワークの伝送速度より数百倍も速くなる。そのため、十分なスペクトルリソースを持つミリ波帯は、ネットワークシステム(例えば、5G通信システムや5G通信システムの以降に発展した公衆地上移動通信ネットワーク(PLMN))の動作周波数帯域の一つとなる。
【0003】
通信用の顧客構内設備にはミリ波アンテナが固定されることが一般的である。ミリ波アンテナは複数のアンテナモジュールから構成され、これら複数のアンテナモジュールは顧客構内設備の異なる位置に固定されており、それぞれの放射方向が互いに異なるようになる。これにより、顧客構内設備と基地局との間のアライメント方向を向上することができる。しかしながら、複数のアンテナモジュールを設定することにかかるコストが高い。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、コストを節約するために顧客構内設備、アンテナ制御方法及び非一時的記憶媒体を提供する。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態による顧客構内設備は提供される。前記顧客構内設備は、ミリ波帯のアンテナ信号を送受信するように構成されるミリ波アンテナと、前記ミリ波アンテナに結合されており、前記アンテナ信号を送受信するように前記ミリ波アンテナを制御し、各アンテナ信号の一つのネットワーク情報を測定するように構成される無線周波数回路と、前記ミリ波アンテナに結合されて前記ミリ波アンテナを回転駆動するドライバモジュールと、それぞれ前記無線周波数回路と前記ドライバモジュールに結合されたプロセッサとを備える。前記プロセッサは、前記ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、前記複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築し、前記間隔ステップストラテジーに基づいて、前記ミリ波アンテナを回転駆動するように前記ドライバモジュールを制御して、前記複数のブロックを間隔で走査し、前記ミリ波アンテナによって前記複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得し、前記複数のネットワーク情報によって前記ミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ前記目標ブロックまで回転させるように前記ミリ波アンテナを制御するように構成される。
【0006】
本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法は提供される。前記アンテナ制御方法は上記実施形態による顧客構内設備に適用される。前記方法は、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、前記複数のブロックに基づいて間隔ステップ策略ストラテジーを構築すること;前記間隔ステップストラテジーに基づいて前記ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して前記複数のブロックを間隔で走査すること;前記ミリ波アンテナによって前記複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得すること;および前記複数のネットワーク情報によって前記ミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ前記目標ブロックまで回転させるように前記ミリ波アンテナを制御することを備える。
【0007】
本開示のいくつかの他の実施形態による非一時的記憶媒体は提供される。前記非一時的記憶媒体には、プロセッサによって実行されたときに上記実施形態による方法が実現される命令を記憶する。
【0008】
前記顧客構内設備のプロセッサは、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御しており、これに対応して、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を測定するようになる。前記プロセッサは、目標ブロックまで速く回転させるようにミリ波アンテナを制御すること、すなわちミリ波アンテナの放射方向を自動的に調整することができる。したがって、ミリ波アンテナは基地局のアンテナビームに正確に指向することができる。そのため、アライメント効率と通信品質を向上させることができる。同時に、前記プロセッサはミリ波アンテナの数を減らすことができ、1つのミリ波アンテナだけで広範囲のカバレージを実現でき、コストダウンにつながる。前記プロセッサは、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して複数のブロックを間隔で走査するように構成される。隣接する2つのステップ回転の干渉性が最小化され、信号干渉が低減され、全方向のセル探索を迅速に完了できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の実施形態に記載される技術的解決手段をより明確にするために、実施形態を説明するために必要とされる図面について簡潔に説明する。もちろん、以下に説明する図面は例示のためのものに過ぎず、制限的なものではない。当業者であれば、創造的な労働を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることを理解されたい。
図1】本開示のいくつかの実施形態によるネットワークシステムアーキテクチャの構造の概略図である。
図2】本開示のいくつかの実施形態による顧客構内設備の内部構造の概略図である。
図3】本開示のいくつかの他の実施形態による顧客構内設備の内部構造の概略図である。
図4a】本開示のいくつかの実施形態による間隔ステップストラテジーのステップシーケンス図である。
図4b】本開示の図4aのいくつかの他の実施形態による間隔ステップストラテジーのステップシーケンス図である。
図5a】本開示のいくつかの他の実施形態による間隔ステップストラテジーのステップシーケンス図である。
図5b】本開示の図5aのいくつかの他の実施形態による間隔ステップストラテジーのステップシーケンス図である。
図6】本開示のいくつかの他の実施形態による間隔ステップストラテジーのステップシーケンス図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図8】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図9】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図10】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図11】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図12】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
図13】本開示のいくつかの他の実施形態によるアンテナ制御方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の理解を容易にするために、以下、本開示について添付図面を参照しながらより完全に説明する。本開示の好ましい実施形態は図面に示される。しかしながら、本開示は多くの異なる形で実施されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されない。むしろ、これらの実施形態は、本開示がより完全に理解されるように提供される。
【0011】
本開示において、本開示に使用される「に構成される」などの表現は、例えば「に適用される」、「に使用される」、「ができる」、「に設計される」などに関連付けられる。場合によっては、「に構成されるデバイス/設備/素子」という表現は、ある機能を実現「できる」ために、このデバイス/設備/素子とともに他のデバイスまたは部品を使用してもよい意味であってもよい。例えば、「A、BおよびCを行うように構成されるプロセッサ」は、記憶デバイスに記憶された1つまたは複数のソフトウェアプログラムを実行することによって、対応する工程を行うプロセッサを意味しても良い。
【0012】
図1を参照すると、図1は、本開示のいくつかの実施形態によるネットワークシステムアーキテクチャの構造の概略図である。図1に示すようなネットワークシステムアーキテクチャでは、顧客構内設備10(ネットワーク通信端末または無線ルータCPEとも呼ばれる)は、第1のネットワークシステムにおける第1の基地局に接続され、この第1の基地局20を介してコアネットワークにアクセスすることができる。顧客構内設備10は、ネットワークアクセス機能を実現し、オペレータの公共ネットワークWANをユーザの宅内LANに変換するために使用されてもよく、かつ複数の携帯端末30が同時にネットワークにアクセスすることをサポートすることができる。また、顧客構内設備10の近所で、第2のネットワークのセルおよび第2の基地局を配備してもよく、または、第2のネットワークシステムのセルおよび第2の基地局を配備しなくてもよい。第1のネットワークシステムは、第2のネットワークシステムとは異なるものであってもよく、例えば、第1のネットワークシステムは4Gシステムであってもよく、第2のネットワークシステムは5Gシステムであってもよく、あるいは、第1のネットワークシステムは5Gシステムであってもよく、第2のネットワークシステムは5Gの以降に発展した未来のPLMNシステムであってもよい。第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムの通信システムは、本開示の実施形態において限定されない。
【0013】
顧客構内設備10が5Gシステムにアクセスすると、顧客構内設備10は5Gミリ波アンテナによるビームを介して、対応する基地局とデータの送受信を行うことができる。前記ビームは、対応する基地局のアンテナビームに位置合わせる必要があり、これにより、顧客構内設備10が基地局にアップリンクデータを送信したり、基地局より送信されたダウンリンクデータを受信したりするのを容易にすることができる。
【0014】
顧客構内設備10は、ネットワークアクセス機能を実現し、オペレータの公共ネットワークWANをユーザの宅内LANに変換するために使用されてもよい。インタネットブロードバンドアクセスモードには、家庭までの光ファイバ(FTTH)、デジタル加入者線(DSL)、有線、モバイル(mobile、つまり、無線顧客構内設備(CPE))などがある。顧客構内設備10は、モバイル信号を受信し、このモバイル信号を変換することで形成された無線WiFi信号を送信するモバイル信号アクセスデバイスであってもよい。顧客構内設備10は、高速の4Gまたは5G信号をWiFi信号に変換し、かつ複数の携帯端末30が同時にネットワークにアクセスすることをサポートすることができるデバイスであってもよい。図2を参照すると、本開示のいくつかの実施形態によれば、顧客構内設備が提供される。この顧客構内設備10は、少なくとも一つのコンピュータ読み取り可能記憶媒体を含む非一時的プログラム記憶媒体21、プロセッサ22、周辺インターフェース23、無線周波数(RF)システム24、ドライバモジュール25、および入出力(I/O)サブシステム26を備えても良い。これらの部品は、1つまたは複数の通信バスまたは信号線29を介して通信しても良い。当業者であれば、図2に示す顧客構内設備は、本開示の実施形態で説明した技術的解決手段をより明確にするためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。顧客構内設備は、図2に示されているものよりも多いまたは少ない部品を備えてもよく、またはいくつかの部品を組み合わせてもよく、または異なる部品配置を備えてもよい。図2に示す部品は、ハードウェア、ソフトウェア、または両方の組合せとしても良く、1つまたは複数の信号処理プログラムおよび/または特定用途向け集積回路を含む。
【0015】
非一時的プログラム記憶媒体21は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、また、1つまたは複数のディスク記憶デバイス、フラッシュメモリデバイス、または他の不揮発性固体記憶デバイスなどの不揮発性メモリを含んでもよい。いくつかの実施形態において、非一時的プログラム記憶媒体21に記憶されたソフトウェア部品は、オペレーティングシステム211、通信モジュール(または命令セット)212、グローバルポジショニングシステム(GPS)モジュール(または命令セット)213などを含んでも良い。
【0016】
プロセッサ22および他の制御回路(RF回路24における制御回路)は、顧客構内設備10の動作を制御するように構成されても良い。プロセッサ22と他の制御回路は処理回路システムを構成してもよい。処理回路システムは、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電源管理ユニット、オーディオデコーダチップ、特定用途向け集積回路(ASIC)などによることができる。
【0017】
プロセッサ22は、顧客構内設備10におけるアンテナの使用を制御する制御アルゴリズムを実装するように構成されてもよい。例えば、プロセッサ22は、信号の送信および/または受信のために、ミリ波アンテナを目標ブロックまで回転させるようにドライバモジュール25を制御するように構成されてもよい。
【0018】
I/Oサブシステム26は、顧客構内設備10上でのキーボードやその他の入力制御デバイスなどの入出力周辺機器を周辺インターフェース118に結合する。オプションとして、I/Oサブシステム26は、タッチスクリーン、ボタン、ジョイスティック、トラックパッド、キーパッド、キーボード、トーン発生器、加速度計(モーションセンサー)、周囲光センサーやその他のセンサー、発光ダイオードやその他の状態インジケータ、データポートなどを含んでもよい。ユーザは、I/Oサブシステム26を介してコマンドを提供することにより顧客構内設備10の動作を制御してもよく、また、I/Oサブシステム26の出力リソースを利用して、顧客構内設備10から状態情報やその他の出力を受信しても良い。
【0019】
外部ポート27は、外部の電子デバイスと通信するためのイーサネット(Ethernet)カードや無線ネットワークカードなどであっても良い。
【0020】
RFシステム24はアンテナ241を含んでもよく、このアンテナ241は任意の適切なタイプのアンテナからなっても良い。例えば、アンテナ241は、アレイアンテナ構造、ループアンテナ構造、パッチアンテナ構造、スロットアンテナ構造、ヘリカルアンテナ構造、ストリップラインアンテナ、モノポールアンテナ、ダイポールアンテナなどのアンテナ構造の少なくとも一つからなる、共振素子を有するアンテナを含んでもよい。異なるタイプのアンテナは、異なる周波数帯域や帯域の組み合わせを送受信するために使用できる。顧客構内設備10は、例えば、ミリ波帯を送受信するためのミリ波アンテナ、サブ6GHz帯域を送受信するための複数の5Gアンテナ、および2G、3G、4G帯域を送受信するための複数の2G/3G/4Gアンテナなど、複数のアンテナを含んでもよい。これらのアンテナは、指向性アンテナ、無指向性アンテナ、固定アンテナ、または回転調整可能なアンテナであってもよい。
【0021】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナは、ミリ波アンテナアレイと無線周波数送受信機チップとを含むことができる。ミリ波アンテナアレイはミリ波信号の送受信を実現してもよく、ミリ波RF送受信機チップはミリ波信号のアップコンバート処理とダウンコンバート処理を実現しても良い。さらに、ミリ波信号の伝送中の挿入損失を低減し、かつRF性能を向上するように、ミリ波アンテナアレイとRF送受信機チップを同じ印刷回路板(PCB)上に配置してもよい。
【0022】
RFシステム24は、異なる周波数帯域のRF信号を処理するための複数のRF回路242をさらに含んでも良い。例えば、1575MHz衛星測位信号を受信するための衛星測位RF回路、2.4GHzおよび5GHz帯域のIEEE 802.11通信を処理するためのWiFiおよびブルートゥース(登録商標)送受信機RF回路、ならびに携帯電話の周波数帯域(例えば850MHz、900MHz、1800MHz、1900MHzおよび2100MHz、またはその他の5Gミリ波、サブ6G帯域)の無線通信をハンドリンするための携帯電話送受信機RF回路が挙げられる。
【0023】
図3を参照すると、いくつかの実施形態において、RF回路242はベースバンドプロセッサ2421と、RF送受信機ユニット2422と、RFフロントエンドユニット2423とをさらに含んでもよい。ベースバンドプロセッサ2421は、プロセッサ22にネットワーク情報を提供しても良い。前記ネットワーク情報は、例えば、受信電力、送信電力、参照信号受信電力(reference signal receiving power、RSRP)、参照信号受信品質(reference signal receiving quality、RSRQ)や、受信信号強度インジケータ(received signal strength indicator、RSSI)、信号対雑音比(signal to noise ratio、SNR)、多入力多出力(multiple-input multiple-output、MIMO)チャネル行列のランク、搬送波対干渉および雑音比(carrier to interference plus noise ratio、RS-CINR)、フレームエラーレート、ビットエラーレート、信号品質データ(例えば、Ec/Loやc/Noデータ)に基づくチャネル品質測定、携帯端末からの要求に対応する応答が基地局から受信されているかどうかに関する情報、ネットワークアクセス処理が成功したかどうかに関する情報など、受信したアンテナ信号の無線性能測定に関連する元の情報と処理後の情報を含んでも良い。
【0024】
プロセッサ22は、受信したネットワーク情報を分析し、これに応答して、プロセッサ22(またはベースバンドプロセッサ2421)は、RFシステム24または駆動機構を制御するための制御コマンドを発行してもよい。例えば、プロセッサ22は、制御コマンドを発行して、ミリ波アンテナを回転駆動するように駆動機構を制御しても良い。
【0025】
RF送受信機ユニット2422は少なくとも1つのRF送受信機、例えば少なくとも1つの送受信機2424(例えば、アンテナ間で共有される少なくとも1つの送受信機、一つのアンテナに対応する一つの送受信機等)を含んでも良い。いくつかの実施形態において、少なくとも1つの送受信機2424は、少なくとも1つの送信機(例えば送信機TX)又は受信機(例えば受信機Rx)を含んでも良い。即ち、少なくとも1つの送受信機2424は、送信機(例えば送信機TX)と受信機(例えば受信機Rx)とを含んでも良いし、あるいは受信機(例えば受信機Rx)のみ又は送信機(例えば送信機TX)のみを含んでも良い。例えば、前記送受信機は、中間周波数信号とベースバンド信号との間の周波数変換のために、または/および、中間周波数信号と高周波信号との間の周波数変換処理を実現するなどのために使用されることができる。
【0026】
ベースバンドプロセッサ2421は、プロセッサ22から送信されるデジタルデータを受信してもよく、また、RF送受信機ユニット2422を介して対応するアンテナ信号を送信しても良い。RFフロントエンドユニット2423は、RF送受信機ユニット2422とアンテナ241との間に結合されても良く、送信機2424、2426によって生成されたRF信号をアンテナ241に送信するために使用されても良い。RFフロントエンドユニット2423は、RFスイッチ、インピーダンス整合回路、フィルタ、およびアンテナ241とRF送受信機との間のインターフェースを形成するための他の回路を含んでもよい。
【0027】
ドライバモジュール25は、回転制御ユニット251(例えばマイクロプロセッサやマイクロコントローラ、または対応する制御回路)と駆動機構252とを含んでもよい。ミリ波アンテナは駆動機構252に取り付けられてもよく、回転制御ユニット251の制御の下で駆動機構252によって回転駆動されることができる。具体的には、ミリ波アンテナの回転軸は、顧客構内設備10の長さ方向に沿って延伸してもよい。ミリ波アンテナが回転軸を中心に回転する間に、回転毎にミリ波アンテナの放射面の方向を変化させることができ、これにより、最終的にミリ波アンテナの水平面内での360度回転を実現して全方向走査を行うようになる。
【0028】
具体的には、ミリ波アンテナの放射面は回転軸に対して平行に配置されることができる。ミリ波アンテナの放射面はミリ波アンテナにおける放射パッチによる平面と理解され得る。
【0029】
さらに、駆動機構252は、ミリ波アンテナの走査範囲内での回転角度を測定するための検出アセンブリを含んでもよい。具体的には、検出アセンブリは磁石と磁気コーディングチップを含んでも良い。本開示の実施形態において、ミリ波アンテナは、回転時に磁石を回転駆動することで磁界変化を起こすことができる。磁気コーディングチップは磁石の回転による磁界変化を正確に測定し、そしてミリ波アンテナの回転角度を正確に記録することができ、これにより閉ループ制御は形成される。
【0030】
ミリ波アンテナが1回転するとともに360度の範囲内でのネットワーク情報を測定した後、磁気コーディングチップで記録された回転角度情報と合わせて、プロセッサ22はミリ波アンテナがネットワーク信号を受信することに最適なブロックを取得することができる。プロセッサ22は、回転制御ユニット251に対応する制御命令を送って、ミリ波アンテナをミリ波アンテナによるネットワーク信号の受信に最適なブロックまで回転駆動するように駆動機構252を制御することができる。具体的には、いくつかの実施形態において、磁気コーディングチップによって絶対ゼロ点を設定することができ、かつこの絶対ゼロ点を初期位置とすることができる。ミリ波アンテナの現在位置と初期位置での回転角度を記録することができる。もちろん、他の実施形態において、角度測定方法はミリ波アンテナの現在位置と最後位置との間の回転角度を記録することにも使用され得る。
【0031】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割し、これら複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築するように構成されてもよい。プロセッサ22はまた、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュール25を制御して、複数のブロックを間隔で走査し、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得するように構成されてもよい。プロセッサ22はまた、複数のネットワーク情報によってミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナの走査範囲は水平面内の360度の全方向であってもよい。すなわち、駆動機構252は、360度の全方向回転を実現するようにミリ波アンテナを駆動することができる。
【0033】
プロセッサ22は、ミリ波アンテナの走査範囲によって、対応するブロックの数を取得するように構成されてもよい。複数のブロックの走査範囲は同じであってもよく、すなわち、複数のブロックに対応する走査範囲の夾角も等しくてもよい。各ブロックの対応する走査範囲の夾角は180度、120度、90度、75度、60度、45度、30度、15度などとすることができる。各ブロックの対応する走査範囲の夾角はAで表されても良い。各ブロックの夾角からブロックの数が得られ、この数はaで表されても良い。この数を計算するための式はa=360/Aであってもよい。例えば対応する走査範囲の夾角が180度のとき、対応する数は2であってもよく、ミリ波アンテナは2回転して全方向カバレッジを実現することができる。対応する走査範囲の夾角が120度のとき、対応する数は3であってもよく、ミリ波アンテナは3回転して全方向カバレッジを実現することができる。対応する走査範囲の夾角が90度のとき、対応する数は4であってもよく、ミリ波アンテナは4回転して全方向カバレッジを実現することができる。対応する走査範囲の夾角が75度のとき、対応する数は5であってもよく、ミリ波アンテナは5回転して全方向カバレッジを実現することができる。
【0034】
なお、各ブロックに対応する走査範囲の具体的な値は、これ以上制限されない。具体的には、各ブロックに対応する走査範囲の夾角は、予め設定された角度より小さい。いくつかの実施形態において、予め設定された角度は120度とすることができる。全方向カバレッジストラテジーによると、ブロックの数は3より大きくてもよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナの回転による走査範囲はφとしてもよく、このφは360度未満であってもよい。つまり、駆動機構252は、部分的なカバレッジ回転を実現するために、一部の方位を走査させるようにミリ波アンテナを回転駆動することができる。具体的には、プロセッサ22は、ミリ波アンテナの回転による走査範囲によって、対応する複数のブロックの数を取得するように構成されても良い。複数のブロックに対応する走査範囲は同じであってもよく、すなわち、複数のブロックに対応する走査範囲の夾角も等しくてもよい。各ブロックに対応する走査範囲の夾角によって、複数のブロックの数を取得することができる。各ブロックの対応する走査範囲の夾角はAで表されても良い。複数のブロックの数はbで表されても良い。この数を計算するための式はb=φ/Aであってもよい。
【0036】
さらに、駆動機構252は、回転ステップに従って、360度の全方向カバレッジ回転または部分的なカバレッジ回転を実現するようにミリ波アンテナを駆動することができる。回転ステップはnで表されても良い。回転ステップはブロックの走査範囲以下としてもよい。たとえば、ブロックの走査範囲が30度の場合、対応する回転ステップは5度、10度、15度、30度などとしてもよい。本開示のいくつかの実施形態において、ブロックの走査範囲と回転ステップを等しく設定することができる。
【0037】
なお、回転ステップは、ミリ波アンテナの走査カバレッジとスペクトル特性によって決定されても良い。ミリ波アンテナの走査カバレッジが広いほど、回転ステップが大きくなる。
【0038】
プロセッサ22は、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築するように構成されても良い。具体的には、プロセッサ22は、各ブロックの走査範囲を取得し、各ブロックの走査範囲によって、ステップ値を決定し、また、ステップ値によって、間隔ステップストラテジーを決定するように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態において、間隔ステップストラテジーについて、回転中に、時計回りまたは反時計回りに回転することなく、間隔ステップ回転して現在ブロックから次のブロックへと進むことが理解され得る。間隔ステップ回転は、1つまたは複数のブロックをスキップするように行われる現在ブロックと前のブロックとの間のステップ回転、または1つまたは複数のブロックをスキップするように行われる現在ブロックと次のブロックとの間のステップ回転と理解され得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、間隔ステップストラテジーは、ミリ波アンテナを第1のブロック、第2のブロック、第3のブロック……第aのブロックの順に回転駆動するように駆動機構252を制御することに用いられる。第1のブロックと第2のブロックとの間には、時計回りまたは反時計回りに進むことなく、間隔ステップ回転して進み、つまり、第1のブロックと第2のブロックの間に間隔がある。第1のブロックと第2のブロックとの間の間隔をステップ値としても良い。現在ブロックをブロックIと仮定してもよく、前のブロックはブロックI-1、次のブロックはブロックI+1と成りうる。いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が75度である場合、対応するブロックの数は5であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3、4および5は識別され得る。さらに、各ブロックに対応する走査範囲によってステップ値を決定することができる。ステップ値は、現在ブロックと前のブロックとの間の走査範囲として理解され得る。ステップ値は、少なくとも1つのブロックに対応する走査範囲であってもよく。
【0041】
図4aと図4bを参照すると、いくつかの実施形態において、ステップ値が一つのブロックに対応する走査範囲である場合、このステップ値による間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック5、ブロック2、ブロック4の順に、またはブロック1、ブロック4、ブロック2、ブロック5、ブロック3の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものであってもよい。
【0042】
図5aと図5bを参照すると、いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が90度である場合、対応するブロックの数は4であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3および4は識別され得る。ステップ値が一つのブロックに対応する走査範囲である場合、このステップ値による間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック2、ブロック4の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものであっても良い。または、このステップ値による間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック4、ブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものであっても良い。
【0043】
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が45度である場合、対応するブロックの数は8であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3、4、5、6、7および8は識別され得る。各ブロックに対応する走査範囲によってステップ値を決定することができる。ステップ値の数は2つとすることができる。一方のステップ値は2つのブロックに対応する走査範囲であってもよく、他方のステップ値は3つのブロックに対応する走査範囲であってもよい。このステップ値に対応する間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック5、ブロック8、ブロック4、ブロック7、ブロック3、ブロック6およびブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものであっても良い。なお、ブロック1は開始ブロックとしてもよい。ブロック1の初期位置は限定されず、360度の円周上の何れかの位置とすることができる。全方向カバレッジストラテジーによると、360度の全方向の領域を複数のブロックに分割することができる。複数のブロックの数はaで表されてもよい。第(a-2)のブロックから第(a-1)のブロックまたは第aのブロックへと進む時、順次ステップ回転しか実現できない場合、順次ステップ回転に従ってミリ波アンテナの回転を制御することができる。
【0044】
さらに、ブロックに対応する走査範囲とブロックの数aによってステップの値を設定することができる。開始ブロックから開始ブロックに対する次のブロックへと進むとき、開始ブロックと次のブロックとの間のステップ値は、(a-1)/2-1ブロックに対応する走査範囲、またはa/2-1ブロックに対応する走査範囲とすることができる。いくつかの実施形態において、ステップ値による間隔ステップストラテジーが、ブロック1、ブロック5、ブロック8、ブロック4、ブロック7、ブロック3、ブロック6、ブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものである場合、ブロック1は開始ブロックであり、ブロック5は開始ブロックに対する次のブロックである。
【0045】
いくつかの実施形態において、RF回路は、ミリ波アンテナが回転しているときに、ミリ波アンテナによって各ブロックで受信されたアンテナ信号のネットワーク情報を測定できる。プロセッサ22は、RF回路から、ミリ波アンテナによって各ブロックで受信されたアンテナ信号の一つのネットワーク情報を取得するように構成されても良い。いくつかの実施形態において、アンテナ信号はミリ波信号であってよい。RF回路は、ミリ波アンテナが回転しているときに、ミリ波アンテナによって各ブロックで受信されたミリ波信号のネットワーク情報を測定できる。
【0046】
具体的には、上記の各ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報は、各ブロックにおいて何れかの回転角度に対応して測定されたアンテナ信号のネットワーク情報、または各ブロックにおいて複数の回転角度に対応して測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報の平均、または各ブロックにおいて複数の回転角度に対応して測定されたアンテナ信号の最大ネットワーク情報として理解され得る。
【0047】
オプションとして、現在ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報は、現在ブロックと次のブロックとの間の臨界点に対応する回転角度で測定されたネットワーク情報として理解され得る。例えば、第iのブロックで測定されたネットワーク情報は、第iのブロックと第i+1のブロックとの間の臨界点に対応する回転角度で測定されたネットワーク情報として理解され得る。
【0048】
回転角度はミリ波アンテナの初期位置から現在位置までの回転角度として理解され得る。
【0049】
いくつかの実施形態において、磁気コーディングチップによって絶対ゼロ点を設定することができ、かつこの絶対ゼロ点を初期位置とすることができ、磁気コーディングチップはミリ波アンテナの現在位置と初期位置との間の回転角度を記録することができる。もちろん、他の実施形態において、角度測定方法はミリ波アンテナの現在位置と最後位置との間の回転角度を記録することにも使用され得る。回転角度は、水平回転角度を含み、ベクトルでありうる。
【0050】
ネットワーク情報は、例えば、アンテナ信号の参照信号受信電力(RSRP)、参照信号受信品質(RSRQ)、受信信号強度インジケータ(RSSI)、信号対雑音比(SNR)、およびMIMOチャネル行列のランクの少なくとも1つの信号パラメータを含んでもよい。本開示の実施形態において、ネットワーク情報の具体的な情報はこれ以上制限されない。
【0051】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はまた、複数のネットワーク情報によってミリ波アンテナの目標ブロックを決定し、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御するように構成される。プロセッサ22は、間隔ステップストラテジーに従って、360度の全方向に回転させるようにミリ波アンテナを制御することができ、これにより、全方向にニューラジオ(new radio、NR)セルを探索し、また、異なるブロックにおけるミリ波アンテナモジュールに基づいてアンテナ信号の複数のネットワーク情報を測定するようになる。さらに、プロセッサは測定された複数のネットワーク情報を記録し、そして複数のネットワーク情報から目標ネットワーク情報を決定することもできる。目標ネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとしてもよい。
【0052】
いくつかの実施形態において、複数のネットワーク情報の少なくとも1つの信号パラメータから参照信号パラメータを選択してもよく、複数のネットワーク情報から最大値を有する参照信号パラメータを選択してもよく、かつこの最大値を有する参照信号パラメータを目標ネットワーク情報としてもよい。本開示の実施形態において、ネットワーク情報である参照信号受信電力を説明する例とすることができる。すなわち、プロセッサ22は、ミリ波アンテナの複数のブロックでの複数の参照信号受信電力を取得し、参照信号受信電力の最大値を取得し、かつ最大値を有する参照信号受信電力を目標ネットワーク情報とするように構成されることができる。目標ネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとしてもよい。目標ブロックを取得すると、ミリ波アンテナを目標ブロックまで回転させることができるので、ミリ波アンテナは正確に基地局へ指向することができる。
【0053】
この実施形態において、プロセッサ22は、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動させるように駆動機構252を制御するように構成されてもよく、これにより、異なるブロックに対応するアンテナ信号の複数のネットワーク情報を測定するようになる。プロセッサ22は目標ブロックまで速く回転させるようにミリ波アンテナを制御すること、すなわちミリ波アンテナの放射方向を自動的に調整することもできる。したがって、ミリ波アンテナは基地局のアンテナビームに正確に位置合わせることができ、これにより、アライメント効率と通信品質を向上することができる。同時に、ミリ波アンテナの数は低減されることができる。1つのミリ波アンテナだけで広範囲のカバレージを実現でき、コストを削減できる。加えて、プロセッサ22は、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するように駆動機構252を制御するように構成されてもよい。隣接する2つのステップ回転の干渉性は最小化され、信号干渉は低減されて、全方向のNRセル探索を迅速に完了できる。いくつかの実施形態において、プロセッサ22はさらに、ミリ波アンテナによって現在ブロックと前のブロックにおいて測定された2つのネットワーク情報を取得し、かつ上記ミリ波アンテナによって現在ブロックと前のブロックにおいて測定された2つのネットワーク情報によって間隔ステップストラテジーを更新するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、各ブロックの夾角が90度である場合、対応するブロックの数は4であり、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3、4は識別され得る。対応する間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック2およびブロック4の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものであってもよい。
【0055】
プロセッサ22は、RF回路から、ブロック1とブロック3でのネットワーク情報を取得するように構成されることができる。ブロック3でのネットワーク情報の参照信号パラメータがブロック1よりも大きければ、ブロック2、ブロック3およびブロック4の中から目標ブロックを決定しても良い。ブロック1でのネットワーク情報の参照信号パラメータがブロック3より大きければ、ブロック1、ブロック2およびブロック4の中から目標ブロックを決定しても良い。
【0056】
例えば、ブロック2、ブロック3およびブロック4の中から目標ブロックを決定する必要がある場合、間隔ステップストラテジーを、ブロック1、ブロック3、ブロック4、ブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものに変更することができる。ブロック4での参照信号パラメータがブロック3より大きければ、ブロック4を目標ブロックとしても良い。このような状況の下で、顧客構内設備10は、ミリ波アンテナを回転させるように制御しなくなった。ブロック3での参照信号パラメータがブロック4より大きければ、ミリ波アンテナはブロック3、ブロック2の順に回転するように制御されてもよく、かつ間隔ステップストラテジーはブロック1、ブロック3、ブロック2のように変更されてもよい。ブロック3での参照信号パラメータがブロック2より大きければ、ブロック3を目標ブロックとしてもよく、かつ間隔ステップストラテジーをブロック1、ブロック3のように変更される。
【0057】
顧客構内設備10は、更新された間隔ステップストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができ、また、いくつかのブロックを探索すると目標ブロックを取得することができ、これにより目標ブロックの決定速度とネットワークの探索効率を向上する。
【0058】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナは複数の放射ユニットを含んでもよい。RF回路は、放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の振幅と位相に応じて、放射ユニットの放射ビームの角度を制御することができ、これにより、複数の放射ユニットは複数のアンテナ信号を受信して、一定の方向角を有するビームを合成してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態において、複数の放射ユニットは全体として扱われてもよく、したがって、プロセッサ22は、RF回路から各放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の一つのネットワーク情報を取得し、そして複数の放射ユニットによって現在の回転方向に受信されたアンテナ信号のネットワーク情報を統合的に算出できるように構成されてもよい。算出されたネットワーク情報は、複数の放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報の平均値、最大値などとして理解され得る。なお、本開示の実施形態において、算出されたネットワーク情報の意味はこれ以上限定されない。
【0060】
プロセッサ22はさらに、対応する複数の放射ユニットによって現在ブロックにおいて受信されたアンテナ信号の複数のネットワークデータパケットを取得し、このネットワークデータパケットが各放射ユニットによって異なる方向に受信されたアンテナ信号の信号品質情報を含んでもよく、また、複数の放射ユニットによって現在ブロックで得られた複数のネットワークデータパケットによって、間隔ステップストラテジーを更新するように構成されてもよい。
【0061】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナは、同一平面に1次元リニアアレイに配列され、または2×2の2次元アレイに配列されることができる4つの放射ユニットを含んでもよい。4つの放射ユニットの位置情報はそれぞれP(x,y)、P(x,y)、P(x,y)、P(x,y)で表されることができる。同じタイミングで、4つの放射ユニットのうち1つだけが動作中でありうる。RF回路は、いずれかの放射ユニットが動作しているときに、この放射ユニットによって異なる方向に受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得することができる。
【0062】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、各放射ユニットのそれぞれQP1、QP2、QP3及びQP4で表されるネットワークデータパケットを取得するように構成されてもよい。同時に、ネットワークデータパケットは、各放射ユニットの空間位置情報と、各放射ユニットの各方向のビーム指向性情報、すなわち各放射ユニットによって全ての方向に受信されたミリ波アンテナの信号品質情報を含むことができる。
【0063】
プロセッサ22は、複数の放射ユニットによって現在ブロックで得られた複数のネットワークデータに基づいて間隔ステップストラテジーを更新するように構成されてもよい。具体的に、プロセッサ22は、4つのネットワークデータパケットQP1、QP2、QP3及びQP4の中から最大値Qmaxをフィルタリングし、最大値Qmaxを取得してから目標放射ユニットを決定するように構成される。顧客構内設備10は、目標放射ユニットから、目標放射ユニットの空間位置情報と各方向のビームの信号品質を取得することができる。同時に、最大の信号品質を備えるビームに対応する方位を決定することができる。この方位を目標追跡方位とし、プロセッサ22は、目標追跡方位によって、ミリ波アンテナの次の成分のブロックを取得し、そして間隔ステップストラテジーを更新するように構成されることができる。
【0064】
顧客構内設備10は、現在のミリ波アンテナの放射ユニットの空間位置情報と各送受信機ユニットによって受信された一つのネットワーク情報とを組み合わせることで、ミリ波アンテナの回転を制御することができ、この場合、高い結合度が得られる。360度の全方向測定の効率を向上させることができる。
【0065】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備10は、非スタンドアロンネットワーキングモードまたはスタンドアロンネットワーキングモードで動作可能である。第3世代の移動体通信システムの標準化プロジェクト(the third generation partnership project、3GPP(登録商標))は、5Gのニューラジオ(NR)ネットワークに対して、スタンドアロン(SA)ネットワークと非スタンドアロン(NSA)ネットワークという2つのスキームを規定した。顧客構内設備10が5G通信を必要とする場合、顧客構内設備10は、非スタンドアロンネットワーキングまたはスタンドアロンネットワーキングをサポートすることができるセルにアクセスし、異なるネットワーキング方法によってニューラジオ(NR)にアクセスすることで、5Gサービスを享受することができる。
【0066】
顧客構内設備10が非スタンドアロンネットワーキングモードで動作する場合、プロセッサ22はさらに、第1のネットワークシステムに基づいて基地局より送られた測定命令を受信するように構成されても良い。測定命令は、少なくとも、第2のネットワークシステムでサポートされるアンテナ信号の時間情報を測定するよう顧客構内設備10に指示するように、基地局によって設置された命令を含んでもよい。第1のネットワークシステムは4Gネットワークシステムであってもよく、第2のネットワークシステムは5Gネットワークシステムであってもよい。測定命令に従って、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動するように駆動機構252を制御してもよい。
【0067】
具体的に、プロセッサ22は、第1のネットワークシステムのネットワークアクセスプロセスを能動的に開始し、第1のネットワークシステムに常駐するように構成されてもよい。第1のネットワークシステムの常駐に成功すると、顧客構内設備10は、第1のネットワークシステムを介して基地局より送られた測定命令を受信することができる。測定命令は、少なくとも基地局によって設置された時間情報と、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムに常駐することに用いられるネットワークアクセス閾値を含むべきである。時間情報は、第2のネットワークシステムの時間を測定するよう顧客構内設備10に指示するために使用されても良い。いくつかの実施形態において、時間情報は顧客構内設備10が第2のネットワークシステムを測定するための周期的な情報または非周期的な情報であってもよい。周期的な情報は、顧客構内設備10が隣接する2つの測定を行う場合一つ目の測定の開始時刻と二番目の測定の開始時刻との間の間隔、一つ目の測定の終了時刻と二番目の測定の開始時刻との間の間隔、または一つ目の測定の終了時刻と二番目の測定の終了時刻との間の時間間隔であってもよい。
【0068】
第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムは異なる周波数帯域の範囲に対応することができる。いくつかの実施形態において、第1のネットワークシステムは4Gネットワークであってもよく、対応するネットワークシステムはLTEシステムであってもよい。第2のネットワークシステムは5Gネットワークであってもよく、対応するネットワークシステムは5G NRシステムであってもよい。
【0069】
測定命令は基地局によって設置される。基地局はNRシステムのネットワークの密度に応じて異なる時間情報を設定することができる。いくつかの実施形態において、時間情報は1秒、5秒、10秒などとすることができる。例えば、基地局は、顧客構内設備10の位置するLTEセルの周りのNRセルのネットワーク分布が密集しており、NRシステムが顧客構内設備10の位置する領域を良好にカバーしていると判断した場合、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムを測定するための時間情報を延長するように制御し、これにより顧客構内設備10の電力消費をよりよく低減することができる。基地局は、顧客構内設備10の位置するLTEセルの周りに配列されたNRセルのネットワーク分布が疎していると判断した場合、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムを測定するための時間情報を短縮するように制御し、これにより顧客構内設備10が第2のネットワークシステムによるカバレージをタイムリーに検出できることは確保される。
【0070】
オプションとして、顧客構内設備10が常駐するネットワークが第1のネットワークシステム(4Gネットワーク)であり、第2のネットワークシステムが5Gネットワークでありうる場合、第1のネットワークシステム(LTEシステム)はNSA機能、すなわち第2のネットワークシステム(NRシステム)との結合ネットワーキングをサポートしてもよい。
【0071】
具体的には、プロセッサ22が測定命令に従ってミリ波アンテナを回転させるように制御し、それに対応してミリ波アンテナによって各ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報を取得するように構成される場合、顧客構内設備10は、NRセルを探索するために、測定命令に含まれる時間情報に従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。ミリ波アンテナが回転するたびに、各ブロックでアンテナ信号のネットワーク情報を一回測定することができる。
【0072】
プロセッサ22は、基地局によって設置される測定命令に従ってアンテナ信号を周期的に測定するように構成されてもよく、これにより、アンテナ信号をリアルタイムかつ連続的に測定することによる顧客構内設備10の電力消費の増加という欠点を回避することができる。
【0073】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はまた、顧客構内設備10によって受信された時間情報がネットワークを脱退する条件を満たしたときに、第1のネットワークシステムを脱退し、第1のネットワークシステムに再常駐して、基地局より送られた測定命令を受信するように構成されてもよい。
【0074】
時間情報は、周期的な情報と非周期的な情報のいずれでありうる。時間情報が非周期的な情報である場合、ネットワークを脱退する条件は満たされる。時間情報が周期的な情報であり、かつ、時間情報が第1の予定期間より長い場合は、ネットワークを脱退する条件は満たされる。第1の予定期間は、顧客構内設備10が時間情報に従って第2のネットワークシステムを探索できなかった時間として理解され得る。
【0075】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はまた、周期的な情報が第2の予定期間よりも大きく、かつ第1の予定期間よりも小さい場合、調整要求を基地局に送るように構成されてもよい。調整要求は、測定命令に含まれる時間情報を調整するよう基地局に指示するために使用されてもよい。
【0076】
プロセッサ22はまた、基地局によって伝送された時間情報に従ってアンテナ信号を周期的に探索するようにミリ波アンテナを制御するように構成されてもよい。周期的な情報が第2の予定時間より大きいと、周期的な時間情報に従ってアンテナ信号を探索できるが、探索効率が低く、顧客構内設備10の探索による消費電力が大きくなる可能性がある。顧客構内設備10は調整要求を基地局に送ることができ、基地局は受信した調整要求に応じて測定命令に含まれる時間情報を調整することができる。調整要求はさらに目標時間情報を持つことができる。基地局は、調整要求に持たせる目標時間情報によって、周期的な時間情報を短縮するように測定命令を調整でき、これにより顧客構内設備10による第2のネットワークシステムの探索効率を向上させ、顧客構内設備10の消費電力を低減させる。
【0077】
いくつかの実施形態において、測定命令はさらに、第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられるネットワークアクセス閾値を含む。プロセッサ22はさらに、いずれかのネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合、ネットワークアクセス閾値以上のネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとするように構成されてもよい。
【0078】
ネットワークアクセス閾値は、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる基準値の要求を満たす。なお、基準値は、最低基準値、最高基準値、または最低基準値と最高基準値のいずれかとすることができる。
【0079】
具体的には、ミリ波アンテナの回転中に、ミリ波アンテナが回転するたびに、現在ブロックでアンテナ信号のネットワーク情報を一回測定してもよく、かつ得られたネットワーク情報とネットワークアクセス閾値とを比較する。ネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上であると、現在ブロックを目標ブロックとし、そして目標ブロックでアクセス要求を基地局に送っても良い。アクセス要求は、顧客構内設備10に第2のネットワークシステムへのアクセスコマンドを発行するよう基地局に指示するために使用されてもよく、これにより、顧客構内設備10がアクセスコマンドに従ってネットワークアクセスを開始し、そして第2のネットワークシステムに常駐するようになる。
【0080】
この実施形態において、プロセッサ22は、得られたネットワーク情報が、得られたネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上であるというネットワークアクセス条件を満たす場合に、直ちに、ミリ波アンテナを回転させるように制御することを停止するように構成されても良く、これにより、ミリ波アンテナによるアンテナ信号の探索を停止するようになる。従って、顧客構内設備10によるアンテナ信号の探索効率を向上させることができ、そして、顧客構内設備10による第2のネットワークシステムへのアクセス速度を向上させることができる。
【0081】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はさらに、各ブロックで得られたネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合、第2のネットワークシステムにアクセスし、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の複数のビーム情報を取得し、第2のネットワークシステムを脱退し、かつ少なくとも1つのブロックでの少なくとも1つのビーム情報に従って目標ブロックを決定するように構成されてもよい。
【0082】
各ブロックにおいて、顧客構内設備10は、対応してミリ波アンテナによって測定された第2のネットワークシステムのネットワーク情報を取得し、得られたネットワーク情報をアクセス閾値と比較することができる。ネットワーク情報がネットワークアクセス閾値より大きい場合、得られたネットワーク情報はネットワークアクセス条件を満たし、得られたネットワーク情報が対応するブロックで第2のネットワークシステムにアクセスすることができる。顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスすると、顧客構内設備10は、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の複数のビーム情報を基地局から取得することができる。ビーム情報とは、ミリ波アンテナの受信されたアンテナ信号のゲイン情報を指すことができる。複数のビーム情報が取得されたとき、顧客構内設備10は、第2のネットワークシステムを退出することができる。すなわち、プロセッサ22は、各ブロックでのネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合、第2のネットワークシステムにアクセスし、複数のビーム情報を取得し、そして第2のネットワークシステムを退出するという工程を行うように構成され得る。
【0083】
プロセッサ22は、ミリ波アンテナの回転中に、ミリ波アンテナによって少なくとも1つのブロックで受信された少なくとも1つのビーム情報を取得するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ22は対応して複数のビーム情報を取得するように構成されても良い。ビーム情報の数は「m」で表され、mは1以上であってもよい。プロセッサ22は、複数のビーム情報から最大値を有するビーム情報をフィルタリングし、最大値を有するビーム情報に対応するブロックを目標ブロックとするように構成されても良い。プロセッサ22は、目標ブロックが決定されると、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスできるために、目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御するように構成されてもよい。
【0084】
この実施形態において、ミリ波アンテナの回転を制御している間に、プロセッサ22は予め設定された条件で第2のネットワークシステムにアクセスし、ミリ波アンテナによって受信された複数のビーム情報を取得し、複数のビーム情報に従って目標ブロックを決定することができ、これにより、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスするときの通信品質を向上することができる。
【0085】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はさらに、全方向性ネットワークデータを基地局に送信するように構成されても良い。ネットワークデータは、ミリ波アンテナによって各ブロックで測定されたアンテナ信号の1つのネットワーク情報を含んでもよく、かつ全方向性ネットワークデータに基づいて目標ブロックを決定するよう基地局に指示するために使用され得る取得要求を持っている。
【0086】
全方向性ネットワークデータは、いくつかのブロックでの複数のネットワーク情報と、各ブロックに対応するNRセルのセル標識とを少なくとも含んでも良い。また、複数のネットワーク情報はさらにその情報を持っても良い。言い換えれば、全方向性ネットワークデータは、すべてのブロックでの複数のネットワーク情報、または顧客構内設備10が閾値によってフィルタリングしたいくつかのブロックでの複数のネットワーク情報とすることができる。この全方向性ネットワークデータを受信すると、基地局は全方向性ネットワークデータから第2のネットワークシステムの空間全体での信号配列を取得し、そして顧客構内設備10がアクセスすることに適したNR目標セルを決定し、NR目標セルに応じて目標ブロックとマッチングすることができる。いくつかの実施形態において、基地局は、各NRセルの負荷および他の情報の総合的な考慮に基づいて、NR目標セルを決定することができる。基地局は決定した目標ブロックを顧客構内設備10に送っても良い。
【0087】
この実施形態において、プロセッサ22は、得られた全方向性ネットワークデータを基地局に送るように構成され得る。基地局は、NRセルの負荷および他の情報によって、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスする目標ブロックを決定してもよく、これにより、NRセルのアクセスリソースを合理的に割り当て、その後の顧客構内設備10による第2のネットワークシステムへのアクセス効率を向上することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22はさらに、目標ブロックで第2のネットワークシステムにアクセスし、第2のネットワークシステムに基づいて基地局に接続されたミリ波アンテナの現在ビームの一つのビーム情報を取得し、ビーム情報に従って予め設定された回転範囲内で回転させるようにミリ波アンテナを制御して、ミリ波アンテナと基地局との間のアライメント方向を校正するように構成されてもよい。
【0089】
ミリ波アンテナが目標ブロックまで回転したとき、プロセッサ22は目標ブロックで第2のネットワークシステムにアクセスすることができる。いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、ミリ波アンテナが目標ブロックまで回転したときに、第2のネットワークシステムへのアクセスを要求するアクセス要求を基地局に送るように構成されてもよい。基地局はアクセス要求に応じて、第2のネットワークシステムへのアクセスコマンドを顧客構内設備10に送っても良い。プロセッサ22は、アクセスコマンドに従って第2のネットワークシステムにアクセスするように構成されても良い。
【0090】
プロセッサ22は、第2のネットワークシステムにアクセスするときに第2のネットワークシステムの信号を送受信するように構成されてもよく、かつ基地局に接続されたミリ波アンテナの現在ビームの1つのビーム情報を取得することができる。このビーム情報は、ミリ波アンテナの全ての方向におけるゲイン情報を少なくとも含んでも良い。
【0091】
プロセッサ22は、ビーム情報に基づいて予め設定された範囲で回転させるようにミリ波アンテナを制御して、ミリ波アンテナと基地局との間のアライメント方向を微調整するように構成されても良い。いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、ミリ波アンテナの各方向におけるゲイン情報を取得するように構成されてもよい。例えば、方向βにおけるゲイン情報が最も大きい。このような状況の下で、顧客構内設備10はミリ波アンテナを回転させるように制御することで、ミリ波アンテナの位置する平面を方向βに垂直させ、そしてミリ波アンテナを基地局に位置合わせることができ、これによりミリ波アンテナのゲインの最大化を実現するようになる。
【0092】
この実施形態において、回転可能なミリ波アンテナを設けることで、ミリ波アンテナによって受信された信号品質および他の情報に応じて、ミリ波アンテナの回転を制御でき、ミリ波アンテナの放射方向を自動的に調整して、基地局のアンテナビームに正確に位置合わせることができ、これにより、アライメント効率と通信品質を向上することができる。
【0093】
いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得するように構成されてもよい。信号品質情報が予め設定された長さの時間に続けて予め設定された品質閾値未満である場合、顧客構内設備10は再び校正回転ストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御する。
【0094】
具体的に、プロセッサ22は、顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスするとき、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得するように構成されても良い。信号品質情報は、受信信号強度の表示、信号対雑音比、参照信号受信電力などを含むことができる。顧客構内設備10が第2のネットワークシステムにアクセスしたあと、ミリ波アンテナがそれと接続されている基地局のビームを受信するとき、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質は、顧客構内設備10の現在の環境によって変化する。信号品質情報が予め設定された期間に続けて予め設定された品質閾値未満である場合、顧客構内設備10はネットワークから外れる可能性がある。このような状況の下で、プロセッサ22は、校正回転ストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御して、ミリ波アンテナの方向を前記基地局への指向に調整するように構成されることができ、これにより顧客構内設備10の通信品質を向上させる。
【0095】
なお、予め設定された品質閾値と予め設定された期間は、ミリ波アンテナのアンテナ性能パラメータやミリ波アンテナによって送受信される第2のネットワークシステムの周波数帯域などに応じて設定されることができる。本開示の実施形態において、予め設定された品質閾値と予め設定された期間。
【0096】
いくつかの実施形態において、校正回転ストラテジーは、ミリ波アンテナに基づく自動校正を含んでもよい。
【0097】
具体的に、プロセッサ22は、無線周波数回路から、基地局から送られた識別要求を取得するように構成されてもよい。識別要求は、設備校正タイプを取得するよう顧客構内設備10に指示するために使用されてもよい。プロセッサ22は、識別要求に応じて設備校正タイプの結果を基地局に報告するように構成されてもよい。プロセッサ22は、基地局より送られた校正命令に従ってミリ波アンテナの放射方向を自動的に校正するように構成されてもよい。
【0098】
設備校正タイプとして、自動校正設備とパッシブ校正設備を含んでも良い。自動校正設備について、顧客構内設備10がミリ波アンテナの放射方向の自動校正をサポートすることを理解でき、パッシブ校正装置について、顧客構内設備10がミリ波アンテナの放射方向の自動校正をサポートせず、他の補助デバイスを用いてミリ波アンテナの放射方向を自動校正する必要があることを理解できる。
【0099】
校正命令は、顧客構内設備10によって報告される設備校正タイプの結果に従って、基地局によって決定されてもよい。設備校正タイプの結果が自動校正設備である場合、基地局は対応する校正命令を生成し、生成された校正命令を顧客構内設備10に送る。
【0100】
いくつかの実施形態において、校正回転ストラテジーは、記録されたミリ波アンテナの各ブロックに対応するネットワーク情報によって、ミリ波アンテナを再回転させるように制御することを含んでもよい。いくつかの実施形態において、プロセッサ22は、各ブロックで測定されたネットワーク情報に基づいて、第2のネットワークシステムにアクセスすることに適合する複数のアクセスブロックを決定し、各アクセスブロックに対応するネットワーク情報によって回転優先度を決定し、回転優先度に応じてミリ波アンテナを回転させるように制御するように構成されてもよい。例えば、複数のアクセスブロックは、第1のアクセスブロック、第2のアクセスブロック、第3のアクセスブロック、……第Nのアクセスブロックとして記録されても良い。対応する回転優先度は高い順に設定されても良い。顧客構内設備10は第1のアクセスブロック、第2のアクセスブロック、……第Nのアクセスブロックの回転手順に従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。回転するたびに、受信した信号品質情報が予め設定された期間に続けて予め設定された品質閾値未満であるかどうかを判断する必要がある。
【0101】
さらに、プロセッサ22は、ミリ波アンテナの方向を基地局への指向に校正するために、各アクセスブロックに対応するネットワーク情報によってミリ波アンテナを目標アクセスブロックまで回転させるように構成されてもよい。
【0102】
本開示のいくつかの実施形態によれば、上記のいずれかの実施形態における顧客構内設備に適用されても良いアンテナ制御方法は提供される。顧客構内設備は、ミリ波帯のアンテナ信号を送受信するためのミリ波アンテナと、ミリ波アンテナと接続されており、アンテナ信号を送受信するようにミリ波アンテナを制御し、各アンテナ信号の一つのネットワーク情報を測定するように構成されるRF回路と、ミリ波アンテナと接続されており、ミリ波アンテナを回転駆動するように構成されるドライバモジュールとを備える。
【0103】
図7を参照すると、いくつかの実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック702~708に示される以下の工程を含んでも良い。
【0104】
ブロック702において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0105】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナ回転による走査範囲は水平面内の360度の全方向であってもよい。すなわち、駆動機構252は、360度の全方向カバレッジ回転を実現するようにミリ波アンテナを駆動することができる。顧客構内設備はミリ波アンテナ回転による走査範囲を複数のブロックに分割することができる。複数のブロックの走査範囲は同じであってもよい。すなわち、複数のブロックに対応する走査範囲の夾角も等しくてもよい。各ブロックに対応する走査範囲の夾角は180度、120度、90度、75度、60度、45度、30度、15度などとすることができる。
【0106】
顧客構内設備は各ブロックに対応する走査範囲の夾角によって、ブロックの数を取得することができる。この数にはaを付けても良い。この数を計算するための式はa=360/Aであってもよい。Aは各ブロックに対応する走査範囲の夾角を指す。例えば走査範囲の夾角が180度のとき、対応する数は2であってもよい。即ち、ミリ波アンテナは2回転して全方向カバレッジを実現することができる。走査範囲の夾角が120度のとき、対応する数は3であってもよい。即ち、ミリ波アンテナは3回転して全方向カバレッジを実現することができる。走査範囲が90度のとき、対応する数は4であってもよい。即ち、ミリ波アンテナは4回転して全方向カバレッジを実現することができる。走査範囲が75度のとき、対応する数は5であってもよい。即ち、ミリ波アンテナは5回転して全方向カバレッジを実現することができる。
【0107】
なお、各ブロックに対応する走査範囲の夾角の具体的な値は、これ以上制限されない。具体的には、各ブロックに対応する走査範囲の夾角は、予め設定された角度より小さくても良い。予め設定された角度は120度とすることができる。全方向カバレッジストラテジーによると、ブロックの数は3より大きくてもよい。
【0108】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナの回転による走査範囲はφとしてもよい。このφは360度未満であってもよい。つまり、駆動機構252は、部分的なカバレッジ回転を実現するために、一部の方位を走査させるようにミリ波アンテナを回転駆動することができる。具体的には、顧客構内設備は、対応するミリ波アンテナの回転による走査範囲によって、ブロックの数を取得しても良い。複数のブロックに対応する走査範囲は同じであってもよく、すなわち、複数のブロックに対応する走査範囲の夾角も等しくてもよい。各ブロックに対応する走査範囲の夾角によって、複数のブロックの数が取得される。この数にはbを付けても良い。bを計算する式はb=360/Aであってもよい。Aは各ブロックの対応する走査範囲の夾角を指す。
【0109】
さらに、駆動機構252は、回転ステップに従って、360度の全方向カバレッジ回転または部分的なカバレッジ回転を実現するようにミリ波アンテナを駆動することができる。回転ステップにはnを付けても良い。回転ステップは各ブロックに対応する走査範囲以下としてもよい。たとえば、各ブロックに対応する走査範囲が30度の場合、対応する回転ステップは5度、10度、15度、30度などとしてもよい。いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲と回転ステップを等しく設定することができる。
【0110】
なお、回転ステップnは、ミリ波アンテナの走査カバレッジ範囲とスペクトル特性によって決定されても良い。ミリ波アンテナの走査カバレッジ範囲が広いほど、回転ステップが大きくなる。
【0111】
一つの実施形態において、間隔ステップストラテジーについて、ミリ波アンテナが回転中に現在ブロックから次のブロックへと進むとき、時計回りまたは反時計回りに順次に進むことなく、間隔ステップ回転を採用することが理解され得る。間隔ステップ回転は、前のブロックから1つまたは複数のブロックによって分離された現在ブロックへのステップ回転、または現在ブロックから1つまたは複数のブロックによって分離された次のブロックへのステップ回転と理解され得る。
【0112】
いくつかの実施形態において、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築することは、具体的に、各ブロックの走査範囲を取得すること;各ブロックの走査範囲によって、ステップ値を決定すること;また、ステップ値によって、間隔ステップストラテジーを決定することを含んでも良い。
【0113】
間隔ステップストラテジーは、第1のブロック、第2のブロック、第3のブロック、……第aのブロックの順にミリ波アンテナを回転駆動するように駆動機構を制御するものであってもよいと仮定する。第2のブロックは第1のブロックと時計回りまたは反時計回りに隣接せず、第1のブロックから1つまたは複数のブロックによって分離されても良い。つまり、第1のブロックと第2のブロックとの間には間隔があっても良い。第1のブロックと第2のブロックとの間の間隔をステップ値としても良い。仮に現在ブロックをブロックIとすると、前のブロックはブロックI-1、次のブロックはブロックI+1と成りうる。
【0114】
いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が75度である場合、ブロックの数は5であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3、4および5は識別され得る。さらに、各ブロックに対応する走査範囲によってステップ値を決定することができる。ステップ値は、現在ブロックと前のブロックとの間の走査範囲として理解され得る。ステップ値は、少なくとも1つのブロックに対応する走査範囲を含んでも良い。図4aと図4bを参照すると、例えば、ステップ値が一つのブロックに対応する走査範囲である場合、このステップ値によって決定された間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック5、ブロック2およびブロック4の順に、またはブロック1、ブロック4、ブロック2、ブロック5、ブロック3の順にステップ回転を行うものであってもよい。
【0115】
図5aと図5bを参照すると、いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が90度である場合、対応するブロックの数は4であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3および4は識別され得る。ステップ値が一つのブロックに対応する走査範囲である場合、このステップ値によって決定された間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック2およびブロック4の順に、またはブロック1、ブロック3、ブロック4およびブロック2の順にステップ回転を行うものであってもよい。
【0116】
図6を参照すると、いくつかの実施形態において、各ブロックに対応する走査範囲が45度であり、対応するブロックの数は8であってもよい場合、各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、ブロック1、2、3、4、5、6、7および8は識別され得る。各ブロックに対応する走査範囲によってステップ値を決定することができる。ステップ値の数は2つとすることができ、一方は2つのブロックに対応する走査範囲であってもよく、他方は3つのブロックに対応する走査範囲であってもよい。このステップ値によって決定された間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック5、ブロック8、ブロック4、ブロック7、ブロック3、ブロック6およびブロック2の順にステップ回転を行うものであってもよい。
【0117】
なお、ブロック1を開始ブロックとして使用できる。ブロック1の初期位置は限定されず、360度の円周上の何れかの位置とすることができる。全方向カバレッジストラテジーによると、360度の全方向を複数のブロックに分割することができる。ブロックの数にはaを付けても良い。第(a-2)のブロックから第(a-1)のブロックまたは第aのブロックへの進む態様は、順次ステップ回転だけである場合、順次ステップ回転に従ってミリ波アンテナの回転を制御することができる。
【0118】
さらに、各ブロックに対応する走査範囲とブロックの数によってステップの値を設定することができる。開始ブロックが開始ブロックに対する次のブロックへと移動するとき、開始ブロックと次のブロックとの間のステップ値は、(a-1)/2-1ブロックに対応する走査範囲、またはa/2-1ブロックに対応する走査範囲とすることができる。例えば、間隔ステップストラテジーが、ブロック1、ブロック5、ブロック8、ブロック4、ブロック7、ブロック3、ブロック6、およびブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するものである場合、ブロック1は開始ブロックであり、ブロック5は開始ブロックに対する次のブロックである。
【0119】
ブロック704において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。
【0120】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、構築された間隔ステップストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。例えば、間隔ステップストラテジーがブロック1、ブロック3、ブロック5、ブロック2、およびブロック4の順に回転するようなステップとすることができる場合、顧客構内設備はブロック1、ブロック3、ブロック5、ブロック2、およびブロック4の順にミリ波アンテナを回転駆動することができる。間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転させるように制御している間に、ミリ波アンテナがブロック1からブロック3へと進む場合、ブロック2をスキップして、ミリ波アンテナが直接ブロック3の走査範囲を走査するように制御されることができる。
【0121】
ブロック706において、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得しても良い。
【0122】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナが回転している間に、RF回路は、対応してミリ波アンテナによって各ブロックで受信されたアンテナ信号の一つのネットワーク情報を測定できる。顧客構内設備は、RF回路から、ミリ波アンテナによって各ブロックで受信されたアンテナ信号のネットワーク情報を取得できる。
【0123】
具体的には、各ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報は、各ブロックにおいて何れかの回転角度で測定されたアンテナ信号のネットワーク情報、または各ブロックにおいて複数の回転角度で測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報の平均、または各ブロックにおいて複数の回転角度で測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報の最大値として理解され得る。
【0124】
オプションとして、現在ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報は、現在ブロックと次のブロックとの臨界点間における回転角度で測定されたネットワーク情報として理解され得る。例えば、第iのブロックで測定されたネットワーク情報は、第iのブロックと第(i+1)のブロックとの臨界点間における回転角度で測定されたネットワーク情報として理解され得る。
【0125】
回転角度はミリ波アンテナの初期位置から現在位置までの走査角度として理解され得る。いくつかの実施形態において、磁気コーディングチップによって絶対ゼロ点を設定することができ、かつこの絶対ゼロ点を初期位置とすることができる。磁気コーディングチップはミリ波アンテナの現在位置と初期位置との間の回転角度を記録することができる。もちろん、他の実施形態において、角度測定方法はミリ波アンテナの現在位置と最後位置との間の回転角度を記録することにも使用され得る。
【0126】
ブロック708において、複数のネットワーク情報によってミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつミリ波アンテナが目標ブロックまで回転するように制御されても良い。
【0127】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は複数のネットワーク情報に基づいてミリ波アンテナの目標ブロックを決定しても良く、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御しても良い。顧客構内設備は、間隔ステップストラテジーに従って同一平面内の360度の範囲に回転させるようにミリ波アンテナを制御できる。これにより、全方向にNRセルを探索することができ、異なるブロックに対応するミリ波アンテナの複数のネットワーク情報を測定し、複数のネットワーク情報を記録し、そして複数のネットワーク情報から目標ネットワーク情報を決定するすることができる。目標ネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとしてもよい。
【0128】
いくつかの実施形態において、参照信号パラメータは、ネットワーク情報の少なくとも1つの信号パラメータから選択されてもよい。複数のネットワーク情報から最大値を有する参照信号パラメータを選択してもよく、かつこの最大値を有する参照信号パラメータが含まれるネットワーク情報を目標ネットワーク情報としてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態において、参照信号受信電力をネットワーク情報としてもよい。すなわち、顧客構内設備は、複数のブロックでミリ波アンテナの複数の参照信号受信電力を取得し、複数の参照信号受信電力から参照信号受信電力の最大値を取得し、かつ最大値を有する参照信号受信電力を目標ネットワーク情報とすることができる。目標ネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとしてもよい。目標ブロックを取得した後、ミリ波アンテナを目標ブロックまで回転させることができるので、ミリ波アンテナは正確に基地局へ指向することができる。
【0130】
この実施形態において、顧客構内設備は、異なるブロックでアンテナ信号の複数のネットワーク情報を測定するために、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動させるように駆動機構を制御でき、かつミリ波アンテナを目標ブロックまで速く回転させる、すなわちミリ波アンテナの放射方向を自動的に調整することができる。したがって、ミリ波アンテナは基地局のアンテナビームへ正確に指向することができ、これにより、アライメント効率と通信品質を向上することができる。その上に、ミリ波アンテナの数を低減することができる。1つのミリ波アンテナだけで広範囲のカバレージを実現でき、これにより、コストを削減できる。加えて、顧客構内設備は、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動するように駆動機構を制御することができる。隣接する2つのステップ回転同士の干渉性は最小化され、信号干渉は低減される。全方向のNRセル探索を迅速に完了できる。
【0131】
図8を参照すると、いくつかの他の実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック802~810に示される以下の工程を含んでも良い。
【0132】
ブロック802において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0133】
ブロック804において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。
【0134】
ブロック806において、ミリ波アンテナによって現在ブロックで測定された一つのネットワーク情報と、ミリ波アンテナによって前のブロックで測定された一つのネットワーク情報を取得しても良い。
【0135】
例えば、いくつかの実施形態において、各ブロックの走査範囲が90度であってもよい。対応する複数のブロックの数は4であってもよく、かつ各ブロックは時計回りまたは反時計回りに識別されることができ、例えば、1、2、3および4となる。対応する間隔ステップストラテジーは、ブロック1、ブロック3、ブロック2、およびブロック4の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御するするものであっても良い。
【0136】
ブロック808において、ミリ波アンテナによって現在ブロックで測定されたネットワーク情報と、ミリ波アンテナによって前のブロックで測定されたネットワーク情報によって、間隔ステップストラテジーを更新してもよい。
【0137】
顧客構内設備がブロック1、ブロック3、ブロック2、ブロック4の順に間隔で回転させるようにミリ波アンテナを制御している間に、ブロック1からブロック3に進むとき、ブロック1とブロック3に対応する2つのネットワーク情報を取得でき、かつブロック1とブロック3に対応する2つのネットワーク情報によって間隔ステップストラテジーを更新することができる。
【0138】
例えば、ブロック3でのネットワーク情報の参照信号パラメータがブロック1でのネットワーク情報より大きければ、ブロック2、ブロック3およびブロック4の中から目標ブロックを決定しても良い。ブロック1での参照信号パラメータがブロック3より大きければ、ブロック1、ブロック2およびブロック4の中から目標ブロックを決定できる。
【0139】
ブロック810において、更新された間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動させるようにドライバモジュールを制御して、ミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御してもよい。
【0140】
例えば、ブロック2、ブロック3およびブロック4の中から目標ブロックを決定する必要がある場合、間隔ステップストラテジーを、ブロック1、ブロック3、ブロック4、およびブロック2の順の間隔回転に変更することができる。ブロック4での参照信号パラメータがブロック3より大きければ、ブロック4を目標ブロックとする。このような状況の下で、顧客構内設備は、ミリ波アンテナを回転させるように制御しなくなった。ブロック3での参照信号パラメータがブロック4より大きければ、ブロック3およびブロック2の順に回転させるようにミリ波アンテナを制御してもよく、かつ間隔ステップストラテジーを、ブロック1、ブロック3およびブロック2の順の間隔回転に変更しても良い。ブロック3での参照信号パラメータがブロック2より大きければ、ブロック3を目標ブロックとしてもよく、かつ間隔ステップストラテジーを、ブロック1およびブロック3の順の間隔回転に変更する。
【0141】
顧客構内設備は、更新された間隔ステップストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。いくつかのブロックを探索すると目標セルを取得することができ、これにより目標ブロックの決定速度とネットワークの探索効率が向上される。
【0142】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナは複数の放射ユニットを含んでもよい。RF回路は、各放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の振幅と位相に応じて、各放射ユニットの放射ビームの角度を制御することができる。これにより、複数の放射ユニットは複数のアンテナ信号を受信して、一定の方向角を有するビームを合成してもよい。
【0143】
いくつかの実施形態において、複数の放射ユニットは一体と見なすことができる。RF回路は各放射ユニットによって受信されたアンテナ信号のネットワーク情報を取得でき、そして複数の放射ユニットによって現在の回転角度で受信されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を統合的に算出してもよい。算出されたネットワーク情報は、複数の放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報の平均値または最大値として理解され得る。なお、本開示の実施形態において、算出されたネットワーク情報の意味はこれ以上限定されない。
【0144】
図9を参照すると、いくつかの他の実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック902~910に示される以下の工程を含んでも良い。
【0145】
ブロック902において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0146】
ブロック904において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査するようになる。
【0147】
ブロック906において、現在ブロックで複数の放射ユニットによって受信されたアンテナ信号の複数のネットワークデータパケットを取得してもよく、かつ各ネットワークデータパケットは対応する放射ユニットによって異なる方向に受信されたアンテナ信号の信号品質情報を含んでもよい。
【0148】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナは4つの放射ユニットを含んでもよい。これら4つの放射ユニットを同一平面に1次元リニアアレイに配列され、または2×2の2次元アレイに配列することができる。4つの放射ユニットの位置情報はP(x,y)、P(x,y)、P(x,y)およびP(x,y)で表されることができる。同じタイミングで、4つの放射ユニットのうち1つ放射ユニットだけが動作できる。RF回路は、いずれかの放射ユニットによって異なる方向に受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得することができる。
【0149】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、各放射ユニットのネットワークデータパケットを取得でき、4つの放射ユニットのネットワークデータパケッはそれぞれQP1、QP2、QP3及びQP4によって表されることができる。加えて、各ネットワークデータパケットは、対応する放射ユニットの空間位置情報と、各放射ユニットの各方向におけるビーム指向性情報、すなわち対応する放射ユニットによって全ての方向に受信されたミリ波アンテナの信号品質情報を含むことができる。
【0150】
ブロック908において、複数の放射ユニットによって現在ブロックで得られた複数のネットワークデータパケットによって間隔ステップストラテジーを更新してもよい。
【0151】
ブロック910において、更新された間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、ミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつミリ波アンテナを目標ブロックまで回転させるように制御してもよい。
【0152】
具体的に、顧客構内設備は、4つのネットワークデータパケットQP1、QP2、QP3及びQP4の中から最大値Qmaxを選別でき、最大値Qmaxを取得することで目標放射ユニットを決定することができる。顧客構内設備は、目標放射ユニットの空間位置情報とビームの全ての方向における信号品質情報を取得することができる。同時に、最大の信号品質を備えるビームに対応する方位角を決定してもよく、この方位角を目標追跡方位角としても良い。顧客構内設備は、目標追跡方位角によって、ミリ波アンテナの次のブロックを取得し、そして間隔ステップストラテジーを更新することができる。
【0153】
更新された間隔ステップストラテジーによれば、顧客構内設備はミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、ミリ波アンテナの目標ブロックを決定でき、かつミリ波アンテナを目標ブロックまで回転させるように制御することができる。顧客構内設備は更新された間隔ステップストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。いくつかのブロックを探索すると目標セルを取得することができ、これにより目標ブロックの決定速度とネットワークの探索効率が向上される。
【0154】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、非スタンドアロンネットワーキングモードまたはスタンドアロンネットワーキングモードで動作可能である。第3世代の移動体通信システムの標準化プロジェクト(3GPP)は、5Gのニューラジオ(NR)のネットワーキングに対して、スタンドアロン(SA)と非スタンドアロン(NSA)という2つのスキームを規定した。顧客構内設備が5G通信を必要とする場合、顧客構内設備は、非スタンドアロンネットワーキングまたはスタンドアロンネットワーキングをサポートすることができるセルにアクセスし、異なるネットワーキングモードによってNRにアクセスすることで、5Gサービスを享受することができる。
【0155】
図10を参照すると、いくつかの実施形態において、顧客構内設備が非スタンドアロンネットワーキングモードで動作する場合、顧客構内設備のアンテナ制御方法は、ブロック1002~1010で示される以下の工程を含んでも良い。
【0156】
ブロック1002において、第1のネットワークシステムに基づいて、基地局により送られた測定命令を受信してもよく、測定命令は、少なくとも、基地局によって設置された時間情報を含んでもよく、この時間情報は第2のネットワークシステムでサポートされるアンテナ信号を測定するよう顧客構内設備10に指示するためのものである。
【0157】
具体的に、顧客構内設備は、第1のネットワークシステムにアクセスするネットワークアクセスプロセスを能動的に開始し、第1のネットワークシステムに常駐することができる。第1のネットワークシステムの常駐に成功すると、顧客構内設備は、第1のネットワークシステムを介して基地局より送られた測定命令を受信することができる。測定命令は、少なくとも基地局によって設置された時間情報と、顧客構内設備が第2のネットワークシステムに常駐することに用いられるネットワークアクセス閾値を含むべきである。時間情報は、第2のネットワークシステムの時間を測定するよう顧客構内設備に指示するために使用されても良い。
【0158】
第1のネットワークシステムと第2のネットワークシステムは異なる周波数帯域の範囲に対応してもよい。例えば、第1のネットワークシステムは4Gネットワークであってもよく、対応するネットワークシステムはLTEシステムであってもよい。第2のネットワークシステムは5Gネットワークであってもよく、対応するネットワークシステムは5G NRシステムであってもよい。
【0159】
測定命令は基地局によって設置されてもよい。基地局はNRシステムのネットワークの密度に応じて異なる時間情報を設定することができる。いくつかの実施形態において、時間情報は1秒、5秒、10秒などとすることができる。例えば、基地局は、顧客構内設備の位置するLTEセルの周りのNRセルのネットワーク分布が密集しており、NRシステムが顧客構内設備の位置する領域をより良好にカバーしていると判断した場合、顧客構内設備が第2のネットワークシステムを測定するための時間情報を延長するように制御することができる。これにより顧客構内設備の電力消費を低減することができる。基地局は、顧客構内設備の位置するLTEセルの周りのNRセルのネットワーク分布が疎していると判断した場合、顧客構内設備が第2のネットワークシステムを測定するための時間情報を短縮するように制御し、これにより顧客構内設備が第2のネットワークシステムによるカバレージの有無をタイムリーに検出できることは確保される。
【0160】
オプションとして、顧客構内設備が常駐するネットワークが第1のネットワークシステム(4Gネットワーク)であってもよく、第2のネットワークシステムが5Gネットワークでありうる場合、第1のネットワークシステム(LTEシステム)はNSA機能、すなわち第2のネットワークシステム(NRシステム)との結合ネットワーキングをサポートする。
【0161】
ブロック1004において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0162】
ブロック1006において、測定命令に従って、間隔ステップストラテジーに基づいてミリ波アンテナを回転させるようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査しても良い。
【0163】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備が測定命令に従ってミリ波アンテナを回転させるように制御し、対応してミリ波アンテナによって各ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報を取得する場合、顧客構内設備は、NRセルを探索するために、測定命令に含まれる時間情報に従ってミリ波アンテナを回転させるように制御することができるとともに、各ブロックでアンテナ信号のネットワーク情報を測定することができる。
【0164】
顧客構内設備は、基地局によって設置される測定命令に従ってアンテナ信号を周期的に測定してもよい。これにより、アンテナ信号をリアルタイムかつ連続的に測定することによる顧客構内設備の電力消費の増加という欠点を回避することができる。
【0165】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、顧客構内設備によって受信された時間情報がネットワークを脱退する条件を満たしたときに、第1のネットワークシステムを脱退し、第1のネットワークシステムに再常駐して、基地局より送られた測定命令を再び受信することができる。具体的に、時間情報は、周期的な情報と非周期的な情報でありうる。時間情報が非周期的な情報である場合、ネットワークを脱退する条件は満たされる。時間情報が周期的な情報であり、かつ、時間情報が第1の予定期間より大きい場合、ネットワークを脱退する条件は満たされる。第1の予定期間は、顧客構内設備が時間情報に従って第2のネットワークシステムを探索できなかった時間として理解され得る。
【0166】
いくつかの実施形態において、周期的な情報が第2の予定期間よりも大きく、かつ第1の予定期間よりも小さい場合、基地局に調整要求を送ってもよい。調整要求は、測定命令に含まれる時間情報を調整するよう基地局に指示するために使用されてもよい。具体的に、顧客構内設備は、基地局より送られた時間情報に従ってアンテナ信号を周期的に探索するようにミリ波アンテナを制御することができる。周期的な情報が第2の予定時間より大きいと、周期的な情報に従ってアンテナ信号を探索できるが、探索効率が低く、顧客構内設備の探索による消費電力が大きくなる可能性がある。顧客構内設備は調整要求を基地局に送ることができ、基地局は受信した調整要求に応じて測定命令に含まれる時間情報を調整することができる。調整要求は目標時間情報を持っても良い。基地局は、目標時間情報によって測定命令を調整して、周期的な情報を短縮することができる。これにより、顧客構内設備による第2のネットワークシステムへの探索効率を向上させることができ、顧客構内設備の消費電力を低減させることができる。
【0167】
ステップ1008において、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得して、ミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御しても良い。
【0168】
いくつかの実施形態において、測定命令はさらに、第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられるネットワークアクセス閾値を含んでも良い。いずれかのネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合、ネットワークアクセス閾値以上のネットワーク情報に対応するブロックを目標ブロックとしても良い。ネットワークアクセス閾値は、顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる基準値の要求を満たす。なお、基準値は、最低基準値、最高基準値、または最低基準値と最高基準値のいずれかとすることができる。
【0169】
具体的には、ミリ波アンテナが回転している間に、現在ブロックでアンテナ信号のネットワーク情報を一回測定でき、かつ取得されたネットワーク情報とネットワークアクセス閾値とを比較することができる。取得されたネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上であると、現在ブロックを目標ブロックとしても良い。そして目標ブロックでアクセス要求を基地局に送ってもよい。アクセス要求は、顧客構内設備に第2のネットワークシステムへのアクセスコマンドを発行するよう基地局に指示するために使用されてもよく、これにより、顧客構内設備がアクセスコマンドに従ってネットワークアクセスを開始し、そして第2のネットワークシステムに常駐するようになる。
【0170】
この実施形態において、顧客構内設備は、取得されたネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合に、直ちに、ミリ波アンテナを回転させるように制御することを停止し、これにより、ミリ波アンテナによるアンテナ信号の探索を停止させても良い。従って、顧客構内設備によるアンテナ信号の探索効率を向上させることができ、そして、顧客構内設備による第2のネットワークシステムへのアクセス速度は向上される。
【0171】
いくつかの実施形態において、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報を取得して目標ブロックを決定しても良い工程は具体的に、全方向性ネットワークデータが基地局に送られるという工程を含むことができる。全方向性ネットワークデータは、ミリ波アンテナによって各ブロックで測定されたアンテナ信号のネットワーク情報を含んでもよく、かつ取得要求を持っても良い。取得要求は、全方向性ネットワークデータによって目標ブロックを決定するよう基地局に指示することに使用されても良い。
【0172】
全方向性ネットワークデータは、いくつかのブロックでの複数のネットワーク情報と、前記ブロックに対応するNRセルのセル標識とを少なくとも含んでも良い。複数のネットワーク情報はさらにブロックの情報を持っても良い。言い換えれば、全方向性ネットワークデータは、すべてのブロックでの全方向における複数のネットワーク情報、または顧客構内設備が閾値によってフィルタリングしたいくつかのブロックでの複数のネットワーク情報とすることができる。この全方向性ネットワークデータを受信すると、基地局は全方向性ネットワークデータから第2のネットワークシステムの空間全体での信号配列を把握し、そして顧客構内設備がアクセスすることに適したNR目標セルを決定し、NR目標セルに応じて目標ブロックとマッチングすることができる。いくつかの実施形態において、基地局は、各NRセルの負荷および他の情報の総合的な考慮に基づいて、NR目標セルを決定することができる。基地局は決定した目標ブロックを顧客構内設備に送ることができる。
【0173】
この実施形態において、顧客構内設備は、得られた全方向性ネットワークデータを基地局に送ることができ、基地局は、NRセル負荷および他の情報によって、顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスする目標ブロックを決定する。これにより、NRセルのアクセスリソースが合理的に割り当てられ、顧客構内設備による第2のネットワークシステムへのアクセス効率が向上される。
【0174】
図11に示すように、いくつかの他の実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック1102~1114に示される以下の工程を含んでも良い。
【0175】
ブロック1102において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0176】
ブロック1104において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。
【0177】
ブロック1106において、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得しても良い。
【0178】
ブロック1108において、複数のネットワーク情報によってミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御しても良い。
【0179】
ブロック1102~1108における工程は、上記実施形態によるブロック702~708における工程に対応しているため、詳細な説明を省略する。
【0180】
ブロック1110において、目標ブロックで第2のネットワークシステムにアクセスしてもよい。
【0181】
ブロック1112において、第2のネットワークシステムに基づいてミリ波アンテナと基地局との間に接続された現在ビームの複数のビーム情報を取得しても良い。
【0182】
ブロック1114において、複数のビーム情報に従って、予め設定された回転範囲内でミリ波アンテナを回転させるように制御して、ミリ波アンテナの方向を基地局への指向に校正してもよい。
【0183】
具体的に、顧客構内設備は、ミリ波アンテナが目標ブロックまで回転したときに、第2のネットワークシステムにアクセスするためにアクセス要求を基地局に送ることができる。基地局はアクセス要求に応じて、第2のネットワークシステムにアクセスするというネットワークアクセスコマンドを顧客構内設備に送ることができる。顧客構内設備は、ネットワークアクセスコマンドに従って第2のネットワークシステムにアクセスすることができる。
【0184】
顧客構内設備は、第2のネットワークシステムにアクセスするときに、ミリ波アンテナを介して第2のネットワークシステムの信号を送受信してもよく、かつミリ波アンテナと基地局との間に接続された現在ビームのビーム情報を取得することができる。このビーム情報は、ミリ波アンテナの全ての方向におけるゲイン情報を少なくとも含んでも良い。
【0185】
顧客構内設備は、ビーム情報に従って、予め設定された範囲内で回転させるようにミリ波アンテナを制御して、ミリ波アンテナを基地局へ指向させるようにミリ波アンテナの方向を微調整しても良い。いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、ミリ波アンテナの全ての方向におけるゲイン情報を取得できる。例えば、方向βにおけるゲイン情報が最も大きい。このような状況の下で、顧客構内設備はミリ波アンテナを回転させるように制御することで、ミリ波アンテナの位置する平面を方向βに垂直させ、そしてミリ波アンテナを基地局に位置合わせて、ミリ波アンテナのゲインの最大化を実現することができる。
【0186】
本開示の実施形態において、回転可能なミリ波アンテナを設けることで、ミリ波アンテナによって受信された信号品質および他の情報に応じて、さまざまな実用シナリオで回転させるようにミリ波アンテナを制御することができる。ミリ波アンテナを基地局のアンテナビームに正確に位置合わせるように、ミリ波アンテナの放射方向を自動的に調整することができ、これにより、アライメント効率と通信品質を向上することができる。
【0187】
図12を参照すると、いくつかの他の実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック1202~1206に示される以下の工程を含んでも良い。
【0188】
ブロック1202において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0189】
ブロック1204において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。
【0190】
ブロック1206において、各ブロックで測定された1つのネットワーク情報が第2のネットワークシステムにアクセスすることに用いられる閾値以上でありうる場合に、第2のネットワークシステムにアクセスしても良い。ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の複数のビーム情報を取得してもよい。第2のネットワークシステムを脱退してもよく、少なくとも1つのブロックでの少なくとも1つのビーム情報に基づいて目標ブロックを決定してもよい。
【0191】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、対応してミリ波アンテナによって各ブロックにおいて測定された第2のネットワークシステムのネットワーク情報を取得し、取得したネットワーク情報をネットワークアクセス閾値と比較することができる。ネットワーク情報がネットワークアクセス閾値より大きい場合、このネットワーク情報がネットワークアクセス条件を満たし、顧客構内設備はこのネットワーク情報に対応するブロックで第2のネットワークシステムにアクセスすることができる。
【0192】
顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスすると、顧客構内設備は、基地局からミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の複数のビーム情報を取得することができる。ビーム情報とは、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号のゲイン情報を指すことができる。複数のビーム情報が取得されると、顧客構内設備は、第2のネットワークシステムを退出することができる。すなわち、顧客構内設備は、各ブロックでのネットワーク情報がネットワークアクセス閾値以上である場合に、第2のネットワークシステムにアクセスして複数のビーム情報を取得してから、第2のネットワークシステムを退出するという工程を行うことができる。
【0193】
顧客構内設備は、ミリ波アンテナの回転中に、ミリ波アンテナによって少なくとも1つのブロックにおいて受信された少なくとも1つのビーム情報を取得することができる。例えば、顧客構内設備は対応して複数のビーム情報を取得することができる。複数のビーム情報の数はmとすることができ、mは1以上であってもよく、複数のビーム情報から最大値を有するビーム情報を選択してもよく、かつ最大値を有する1つのビーム情報に対応するブロックを目標ブロックとしても良い。
【0194】
この実施形態において、顧客構内設備は、ミリ波アンテナを回転させるように制御している間に、予め設定された条件で第2のネットワークシステムにアクセスし、ミリ波アンテナによって受信された複数のビーム情報を取得し、複数のビーム情報に従って目標ブロックを決定することができる。これにより、顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスするときの通信品質を向上することができる。
【0195】
図13を参照すると、いくつかの他の実施形態において、アンテナ制御方法は、ブロック1302~1314に示される以下の工程を含んでも良い。
【0196】
ブロック1302において、ミリ波アンテナの走査範囲を複数のブロックに分割してもよく、複数のブロックに基づいて間隔ステップストラテジーを構築してもよい。
【0197】
ブロック1304において、間隔ステップストラテジーに基づいて、ミリ波アンテナを回転駆動するようにドライバモジュールを制御して、複数のブロックを間隔で走査してもよい。
【0198】
ブロック1306において、ミリ波アンテナによって複数のブロックで測定されたアンテナ信号の複数のネットワーク情報を取得してもよい。
【0199】
ブロック1308において、複数のネットワーク情報によってミリ波アンテナの目標ブロックを決定してもよく、かつ目標ブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御してもよい。
【0200】
ブロック1310において、目標ブロックで第2のネットワークシステムにアクセスしてもよい。
【0201】
ブロック1312において、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得しても良い。
【0202】
ブロック1314において、信号品質情報が予め設定された期間に続けて予め設定された品質閾値未満である場合、顧客構内設備は再び校正回転ストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御しても良い。
【0203】
顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスすると、顧客構内設備はミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質情報を取得することができる。信号品質情報は、信号対雑音比、受信信号品質などを含んでも良い。顧客構内設備が第2のネットワークシステムにアクセスしたあと、ミリ波アンテナがそれと接続されている基地局のビームを受信するとき、ミリ波アンテナによって受信されたアンテナ信号の信号品質情報は、顧客構内設備の現在の環境によって変化する。信号品質情報が予め設定された期間に続けて予め設定された品質閾値未満である場合、顧客構内設備はネットワークから外れる可能性がある。このような状況のしたで、顧客構内設備は、校正回転ストラテジーに従ってミリ波アンテナを回転させるように制御して、ミリ波アンテナと基地局との間のアライメント方向を調整することができ、そして顧客構内設備の通信品質を向上させる。
【0204】
なお、予め設定された品質閾値と予め設定された期間は、ミリ波アンテナのアンテナ性能パラメータやミリ波アンテナによって送受信される第2のネットワークシステムの周波数帯域、他の情報に応じて設定されることができる。本開示の実施形態において、予め設定された品質閾値と予め設定された期間はこれ以上限定されない。
【0205】
いくつかの実施形態において、校正回転ストラテジーは、記録されたミリ波アンテナの各ブロックに対応するネットワーク情報によって、ミリ波アンテナを再回転させるように制御することを含んでもよい。
【0206】
いくつかの実施形態において、顧客構内設備は、各ブロックで測定されたネットワーク情報によって、第2のネットワークシステムにアクセスすることに適合する複数のアクセスブロックを決定し、複数のアクセスブロックに対応する複数のネットワーク情報によって回転優先度を決定し、回転優先度に応じてミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。例えば、複数のアクセスブロックは、第1のアクセスブロック、第2のアクセスブロック、…第nのアクセスブロックとして記録されても良い。複数のアクセスブロックは高い順の回転優先度を有する。顧客構内設備は第1のアクセスブロック、第2のアクセスブロック、…、第nのアクセスブロックの回転手順にミリ波アンテナを回転させるように制御することができる。回転するたびに、受信した信号品質情報が予め設定された期間に続けて予め設定された品質閾値未満であるかどうかを判断する必要がある。
【0207】
さらに、顧客構内設備は、ミリ波アンテナと基地局との間のアライメント方向を校正するために、複数のアクセスブロックに対応する複数のネットワーク情報によって目標アクセスブロックまで回転させるようにミリ波アンテナを制御することができる。
【0208】
図7~13のフローチャートにおけるブロックを矢印で示された手順に示しているが、これらのブロックは矢印で示された手順に実行される必要はないことを理解されたい。ここで明示されていない限り、これらのステップの実行には厳密な手順制限がなく、これらのステップは他の手順に実行され得る。さらに、図7~13における少なくとも一部のブロックは複数のサブブロックまたはサブステージを含んでもよい。複数のサブブロックまたはサブステージは、必ずしも同時に完了する必要がなく、異なるタイミングで実行され得る。これらのサブステップまたはサブステージの実行手順は、必ずしも順番に実行する必要がなく、少なくともいくつかの他のブロックおよびサブブロックと一緒に順番にまたは交互に実行することもできる。
【0209】
本開示のいくつかの他の実施形態による顧客構内設備は提供される。この顧客構内設備はメモリとプロセッサを備えても良い。メモリはコンピュータプログラムを記憶しても良い。プロセッサがコンピュータプログラムを実行するとき、プロセッサは、上記実施形態の何れかにおける一つのアンテナ制御方法及び複数のアンテナ制御方法の工程を実行する。
【0210】
本開示のいくつかの他の実施形態によるコンピュータ読み取り可能記憶媒体は提供される。このコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータ実行可能な命令を含有する1つまたは複数の不揮発性コンピュータ読み取り可能記憶媒体を含んでも良い。少なくとも1つのプロセッサがコンピュータ実行可能な命令を実行するとき、少なくとも1つのプロセッサは、1つのアンテナ制御方法と複数のアンテナ制御方法の工程を行う。
【0211】
命令を含有するコンピュータプログラム製品がコンピュータ上で働くとき、コンピュータは1つのアンテナ制御方法と複数のアンテナ制御方法の工程を行う。
【0212】
上記の本開示の非一時的記憶媒体は、少なくとも1つの不揮発性メモリと揮発性メモリとを含んでも良い。不揮発性メモリには、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的プログラマブルROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、またはフラッシュメモリを含んでも良い。揮発性メモリには、外部キャッシュメモリとして働くランダムアクセスメモリ(RAM)が含まれ得る。例として、RAMは、例えばスタティックRAM(SRAM)、ダイナミックRAM(DRAM)、同期DRAM(SDRAM)、ダブルデータレートSDRAM(DDR SDRAM)、拡張SDRAM(ESDRAM)、シンクリンクDRAM(SLDRAM)、ラムバスダイレクトRAM(RDRAM)、ダイレクトラムバスダイナミックRAM(DRDRAM)、およびラムバスダイナミックRAM(RDRAM)などの多くの形で使用可能であるが、これらに限定されない。
【0213】
以上の説明は、本開示の実施形態を説明するためのものであり、本開示の範囲を制限するものではない。本開示の図面および明細書に基づいて行われる、他の関連分野に直接および間接的に適用される任意の等価の構造またはプロセス変換は、本開示の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】