(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】TIE-2活性化物質とプロスタグランジンの組み合わせおよびその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 45/06 20060101AFI20230308BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/5575 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/426 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/427 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/428 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20230308BHJP
A61K 31/433 20060101ALI20230308BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A61K45/06
A61P27/02
A61K31/5575
A61K31/426
A61K31/427
A61K31/428
A61K31/497
A61K31/433
A61P43/00 121
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541816
(86)(22)【出願日】2021-01-07
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021012407
(87)【国際公開番号】W WO2021142056
(87)【国際公開日】2021-07-15
(32)【優先日】2020-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522129856
【氏名又は名称】アイポイント ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ピータース, ケビン
【テーマコード(参考)】
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C084AA18
4C084MA02
4C084MA13
4C084MA17
4C084MA23
4C084MA28
4C084MA31
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA55
4C084MA56
4C084MA58
4C084MA59
4C084MA60
4C084MA65
4C084MA66
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA331
4C084ZA332
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC82
4C086BC84
4C086BC85
4C086GA02
4C086GA03
4C086GA07
4C086GA10
4C086GA16
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA58
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZA33
(57)【要約】
Tie-2の活性化およびHPTPβの阻害に効果的な化合物と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物との組み合わせが本明細書に記載される。本発明の方法および組成物は、例えば、眼の眼内圧の低下による、緑内障、上昇した眼内圧、高眼圧症、および関連する状態の処置に使用することができる。いくつかの実施形態において、本発明は、眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法を提供し、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を該被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を該被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はアンジオポエチンではない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、前記方法は、
治療有効量のTie-2活性化物質を前記被験体に投与することと;
治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を前記被験体に投与することとを含み、前記Tie-2活性化物質が、アンジオポエチンではない、方法。
【請求項2】
前記Tie-2活性化物質と、前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物とが、単位投与剤形において共製剤化されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が、少なくとも5分離れている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が、約5分離れている、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が局所的である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が1日1回である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が1日2回である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が午前中である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が夜間である、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記Tie-2活性化物質の前記治療有効量が約0.1mg~約100mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記Tie-2活性化物質の前記治療有効量が約1mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記Tie-2活性化物質の前記治療有効量が約3mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記Tie-2活性化物質が、約0.1mg/mL~約100mg/mLの濃度で組成物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記Tie-2活性化物質が、約40mg/mLの濃度で組成物中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が局所的である、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が1日1回である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が1日2回である、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が夜間である、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、約50μg/mLの濃度で製剤中に存在する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF受容体である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF2受容体である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF2α受容体である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、プロスタグランジン類似体である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、プロスタグランジンF2α類似体である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、イソプロピルエステルである、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、ラタノプロストである、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、ラタノプロステンブノドである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、トラボプロストである、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、タフルプロストである、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、ウノプロストンイソプロピルである、請求項1に記載の方法。
【請求項31】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、プロスタミドである、請求項1に記載の方法。
【請求項32】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、ビマトプロストである、請求項1に記載の方法。
【請求項33】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、プロスタグランジン受容体アゴニストのプロドラッグである、請求項1に記載の方法。
【請求項34】
前記プロスタグランジン受容体アゴニストがラタノプロスト酸である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記プロスタグランジン受容体アゴニストがトラボプロスト酸である、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記プロスタグランジン受容体アゴニストがタフルプロスト酸である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記プロスタグランジン受容体アゴニストがウノプロストン酸である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、前記被験体内で酸に加水分解される、請求項1に記載の方法。
【請求項39】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、前記被験体の眼においてエステラーゼによって加水分解される、請求項1に記載の方法。
【請求項40】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、加水分解によって活性化される、請求項1に記載の方法。
【請求項41】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、酸への加水分解によって活性化される、請求項1に記載の方法。
【請求項42】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、前記被験体の眼の角膜を通して吸収される、請求項1に記載の方法。
【請求項43】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物が、前記被験体の眼の強膜を通して吸収される、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が、前記被験体の眼からの房水の流出を増加させることにより前記被験体において眼内圧を低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項45】
前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の前記投与が、前記被験体の眼の強膜の透過性を増加させることにより前記被験体において眼内圧を低下させる、請求項1に記載の方法。
【請求項46】
前記Tie-2活性化物質の前記投与および前記プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす前記化合物の投与が、前記被験体の状態を処置する、請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記状態が眼状態である、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記眼状態が上昇した眼内圧である、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記眼状態が高眼圧症である、請求項47に記載の方法。
【請求項50】
前記眼状態が緑内障である、請求項47に記載の方法。
【請求項51】
前記Tie-2活性化物質が、以下の式の化合物
【化43】
または薬学的に許容され得るその塩であって、式中、
- アリール
1は、置換または非置換のアリール基であり;
- アリール
2は、置換または非置換のアリール基であり;
- Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSO
2R
gもしくはNHCOR
g(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、または
【化44】
であり、ここで、
- L
2は、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2が結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR
a、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し; - R
aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
bは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2、R
a、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
cは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL
2、R
a、R
bおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
dは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL
2、R
a、R
bおよびR
cのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
gは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物または薬学的に許容され得るその塩ある、請求項1に記載の方法。
【請求項52】
- アリール
1が、置換または非置換のフェニルであり;
- アリール
2が、置換または非置換のヘテロアリールであり;
- Xが、アルキレンである、
請求項51に記載の方法。
【請求項53】
アリール
2が、
【化45】
であり、式中、
- R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
請求項51に記載の方法。
【請求項54】
-アリール
1が、4-フェニルスルファミン酸であり、
-R
aが、置換または非置換のアルキルであり、
-R
bが、置換または非置換のアリールアルキルであり、
-R
eが、Hであり、
-R
fが、ヘテロアリールまたはアルキルである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記Tie-2活性化物質が、
【化46】
またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項56】
前記Tie-2活性化物質が、
【化47】
またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項57】
アリール
2が、
【化48】
であり、式中、
- R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
請求項51に記載の方法。
【請求項58】
-アリール
1が、4-フェニルスルファミン酸であり、
-R
aが、置換または非置換のアルキルであり、
-R
bが、置換または非置換のアリールアルキルであり、
-R
eが、Hであり、
-R
fが、ヘテロアリールまたはアルキルである、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記Tie-2活性化物質が、
【化49】
またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項60】
前記Tie-2活性化物質が、
【化50】
またはその薬学的に許容され得る塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項61】
眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、前記方法は、
前記被験体の眼に治療有効量の、式
【化51】
のTie-2活性化物質またはその薬学的に許容され得る塩を投与することと;
前記被験体の前記眼に治療有効量のラタノプロストを投与することとを含み、
前記Tie-2活性化物質が、約40mg/mLの濃度で組成物の一部として投与され、
前記Tie-2活性化物質が、前記被験体の前記眼に局所投与され、
前記Tie-2活性化物質が、1日1回投与され、
前記ラタノプロストが、約50μg/mLの濃度を有する製剤の一部として投与され、
前記ラタノプロストが、前記被験体の前記眼に局所投与され、
前記ラタノプロストが、1日1回投与され、
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記ラタノプロストの前記投与が、前記被験体の眼内圧を約1mmHg~約5mmHg低下させる、方法。
【請求項62】
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記ラタノプロストの前記投与が、少なくとも5分離れている、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記ラタノプロストの前記投与が、約5分離れている、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が午前中である、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記Tie-2活性化物質の前記投与が夜間である、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記ラタノプロストの前記投与が夜間である、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
前記Tie-2活性化物質の前記投与と前記ラタノプロストの前記投与が、前記被験体の状態を処置する、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
前記状態が眼状態である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記眼状態が上昇した眼内圧である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記眼状態が高眼圧症である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記眼状態が緑内障である、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
a)Tie-2活性化物質;
b)プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物;および
c)状態の処置のための前記キットの使用に関する書面による指示
を含むキットであって、
前記Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、キット。
【請求項73】
a)容器であって、前記容器が点眼器ボトルである、容器;および
b)前記点眼器ボトルに含まれる剤形であって、前記単位剤形がTie-2活性化物質とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物とを含み、前記Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、剤形
を含むキット。
【請求項74】
方法が、前記単位剤形を前記被験体に局所滴下によって投与するための書面による指示をさらに含む、請求項73に記載のキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年1月8日に出願された米国特許仮出願第62/958,348号および 2020年10月8日に出願された米国特許仮出願第63/089,144号の利益を主張し、これらはそれぞれその全文が参考として本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
緑内障は、通常、上昇した眼内圧(IOP)によって引き起こされる視神経の損傷を特徴とする状態である。眼内圧は、眼の線維柱帯において流体が十分に流出しないことから生じる。高眼圧(OHT)は、視力の検出可能な変化または眼の構造に対する損傷が無い状態で、眼の圧力が正常範囲を超えるとき生じる。高眼圧を有する人は、緑内障のリスクが高い。緑内障は、進行性で不可逆的な視力喪失をもたらし得る。
【0003】
参照による援用
本願において引用される各特許、刊行物および非特許文献は、その各々が個別に参照により援用されている場合と同様にその全体が参照により本明細書に援用される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態において、本発明は、眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法を提供し、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を該被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を該被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はアンジオポエチンではない。
【0005】
いくつかの実施形態において、本発明は、眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法を提供し、方法は、被験体の眼に治療有効量の、式
【化1】
のTie-2活性化物質またはその薬学的に許容され得る塩を投与することと;被験体の眼に治療有効量のラタノプロストを投与することとを含み、Tie-2活性化物質が、約40mg/mLの濃度で組成物の一部として投与され、Tie-2活性化物質が、被験体の眼に局所投与され、Tie-2活性化物質が、1日1回投与され、記ラタノプロストが、約50μg/mLの濃度を有する製剤の一部として投与され、ラタノプロストが、被験体の眼に局所投与され、ラタノプロストが、1日1回投与され、Tie-2活性化物質の投与とラタノプロストの投与が、被験体の眼内圧を約1mmHg~約5mmHg低下させる。
【0006】
いくつかの実施形態において、本発明は、a)Tie-2活性化物質;b)プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物;およびc)状態の処置のためのキットの使用に関する書面による指示を含むキットであって、
前記Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、キットを提供する。
【0007】
いくつかの実施形態において、本発明は、a)容器であって、容器が点眼器ボトルである、容器;およびb)点眼器ボトルに含まれる剤形であって、単位剤形がTie-2活性化物質とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物とを含み、Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、剤形を含むキットを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、1日1回のプロスタグランジン治療と併用して、化合物1で処置された被験体の、-1日目、1日目、および7日目の平均IOPの変化を示す。
【0009】
【
図2】
図2は、1日目と7日目のベースラインからの平均IOPの変化を示す。
【0010】
【
図3】
図3は、プロスタグランジンとプラセボで処置した被験体の-1日目、1日目、および7日目の平均IOPの変化を示す。
【0011】
【
図4】
図4は、プロスタグランジンと化合物1の併用、またはプラセボとプロスタグランジンの併用で処置した被験体の1日目および7日目の結膜充血の投与前のベースラインからの変化を示す。
【0012】
【
図5】
図5は、1日目と5日目のベースラインからの平均補正IOP(%)の変化を示す。
【0013】
【
図6】
図6は、1日目と5日目のベースラインからの平均補正IOP(mmHg)の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
詳細な説明
緑内障、上昇した眼内圧および高眼圧を処置するためにTie-2活性化物質およびプロスタグランジンを使用する併用治療が本明細書中に記載される。本開示のTie-2活性化物質は、タンパク質のリン酸化(例えば、Tie-2タンパク質のリン酸化)を促進することによって、Tie-2シグナル伝達を活性化させ得る。
【0015】
Tie-2(免疫グロブリンおよび上皮成長因子相同ドメイン2を有するチロシンキナーゼ)は、主に血管内皮細胞および、造血幹細胞(HSC)とマクロファージのサブセットにおいて発現される膜レセプターチロシンキナーゼである。Tie-2リン酸化の主要制御因子は、アンジオポエチン1(Ang-1)およびアンジオポエチン2(Ang-2)である。Ang-1は、Tie-2のアゴニストであり、Ang-1がTie-2に結合すると、レセプターのリン酸化が促進される。Ang-2は、状況依存的なアンタゴニスト性またはアゴニスト性の様式で作用するTie-2リガンドである。Ang-1がTie-2に結合すると、内在性Tie-2レセプターリン酸化のレベルが増加し、下流のAKTシグナル伝達が開始される。この結合は、高度に秩序立てられた血管新生を介した特徴的な血管リモデリングおよび内皮細胞のジャンクションを強固にすること(内皮細胞の近接)を誘導し得るシグナル伝達カスケードを開始する。血管内皮内では、Ang-1-Tie-2シグナル伝達は、内皮細胞の近接を促進する。HSC微小環境では、Ang-1-Tie-2シグナル伝達は、パラクリン様式でHSCの長期の再増殖に寄与する。
【0016】
生理学的条件下では、Tie-2リン酸化の持続時間は、Tie-2レセプターからホスフェートを除去するヒトタンパク質チロシンホスファターゼベータ(HPTPβまたはHPTPベータと省略されることが多い)によって制御される。HPTPβを阻害することによって、Tie-2リン酸化のレベルは実質的に上昇し、そうすることで適切な内皮細胞の近接および機能が回復する。HPTPβは、内皮細胞の生存能、分化、透過性および周皮細胞、被蓋細胞、および平滑筋細胞などの炎症および内皮支持細胞との相互作用において機能的な役割を果たす。HPTPβおよび血管内皮タンパク質チロシンホスファターゼ(VE-PTP;HPTPβのマウスオルソログ)は、発生の間中、血管内皮細胞においておよび成人の血管において発現される。本開示の小分子は、HPTPβ/VE-PTPを阻害することによって、Tie-2の下流のシグナル伝達を活性化させ得る。アンジオポエチン(Angpt)/Tie-2経路の活性化は、従来の流出経路を標的化することによって眼内圧を低下させ得る。
【0017】
本開示の併用治療は、上昇した眼内圧を処置するために使用され得る。眼内圧は、眼の内側の流体圧の増加によって生じる。眼の内部の圧力は、毛様体を通って眼に入ってくる流体と線維柱帯を通って眼から出て行く流体との間のバランスによって維持される。眼内圧の正常範囲は、約10mmHg~約21mmHgである。緑内障の非存在下の上昇した眼内圧は、高眼圧と称され、これは、線維柱帯を損傷し得る。眼における圧上昇は、視神経を損傷させ得、中心視および周辺視を損ない得る。
【0018】
IOP、OHTまたは緑内障の症状を診断または処置できないと、永久の視力喪失に至り得る。緑内障は、例えば、原発性緑内障、偽剥脱性緑内障、色素性緑内障、原発性若年性緑内障、開放隅角緑内障(OAG)、広隅角緑内障、閉塞隅角緑内障(close-angle glaucoma)、急性閉塞隅角緑内障、正常圧緑内障、先天性緑内障、後天性緑内障、続発性緑内障、炎症性緑内障、水晶体形態性緑内障(phacomorphic glaucoma)、続発性閉塞隅角緑内障または血管新生緑内障であり得る。いくつかの場合において、本開示のTie-2活性化物質は、線維柱帯に関連する血管構造を安定化させ、そうすることで眼内圧を低下させ得、高眼圧を処置し得る。
【0019】
OAGは、失明の主な原因である。OAGは、視神経と神経網膜の異常および進行性の視野欠損を特徴とする。上昇したIOPまたはOHTは、OAGの修正可能な主な危険因子であり、IOPを低下させることは、OAGに起因する視力喪失を遅らせるかまたはその可能性を低減するのに効果的であり得る。
【0020】
線維柱帯とシュレム管からなる従来の流出(CO)経路は、眼のIOPを制御する。CO経路は、OAGにおいて房水流出に対する抵抗が増加する部位である。COを修正できないと、OAGにおいてCO経路が継続的に悪化し、時間とともにIOPが徐々に増加する一因となり得る。したがって、COの病理を直接標的化する化合物は、単剤治療としてまたは他の抗緑内障薬と併用して、OAGの進行を阻害するための効力を改善することができる。
【0021】
シュレム管は、出生後に強膜内静脈叢から発達する。シュレム管は、リンパ管系と血液内皮血管系の両方と機能的特徴を共有するハイブリッド型血管と考えられている。Tie-2は、血液とリンパの両方の内皮細胞で発現しており、両方の血管系の発達に必要である。Tie-2は、正常な成人の血液血管系において構成的に発現し、活性化される。Tie-2経路は、内皮機能の維持と血管安定性に重要な役割を果たしている。Tie-2は、発生期のシュレム管内皮細胞および成熟した血管で発現し、活性化されている。Tie-2は、シュレム管の成熟した内壁内皮に最も高度に発現する。マウスでTie-2経路を破壊すると、シュレム管の形成不全、アポトーシスの増加、および、CO経路の障害と一致する巨大な液胞の形成の減少をもたらされ得る。したがって、シュレム管のTie-2経路の活性化は、CO経路を介した房水流出を回復させることにより、OAGに効果的な処置となり得る。
【0022】
IOPは、線維柱帯を迂回する、従来とは異なる流出経路によっても調節される。房水は、2つの従来とは異なる経路、すなわち、房水が強膜を通過して排水されて眼窩血管に再吸収されるブドウ膜強膜経路と、房水が脈絡膜に入り、渦静脈を通じて排水されるブドウ膜渦経路(uveovortex pathway)によって排水され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、CO経路だけでなく、従来とは異なる流出経路を介してもIOPを調節することができる。
【0023】
Tie-2活性化物質
本明細書中に開示される化合物は、Tie-2活性化物質として有効であり得る。該化合物は、その活性を、例えば、HPTPβに結合するかまたはHPTPβを阻害することによって、促進し得る。したがって、本明細書中に開示される化合物は、HPTPβを阻害剤として有効であり得る。そのような化合物は、例えば、リン酸化された化合物などの天然の基質の結合機序を模倣することによって、HPTP-βに結合し得る。ある化合物は、ホスフェート模倣物またはバイオアイソスター、例えば、スルファミン酸であり得る。また、該化合物は、アミノ酸基本構成要素から誘導されても、合成を効率的にするためおよび節約するためのアミノ酸骨格を含んでもよい。
【0024】
Tie-2活性化物質の限定されない例には、Ang-1アゴニスト、Ang-1抗体、Ang-1組み換えタンパク質、Ang-1キメラ融合タンパク質(例えば、Hepta-ANG1またはC4BP-ANG1)、Ang-1模倣薬、Ang-1ペプチド、Ang-2アンタゴニスト、Ang-2抗体、HPTPβ阻害剤、VE-PTP阻害剤、PTPRB阻害剤、TEK活性化物質、Tie-2ペプチド模倣薬、MAN-01、およびMAN-11が含まれる。
【0025】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される化合物は、以下の式の化合物
【化2】
またはそれらの薬学的に許容され得る塩、互変異性体もしくは両性イオンであり、式中、アリール
1は、置換または非置換のアリール基であり;アリール
2は、置換または非置換のアリール基であり;Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、スルホン結合(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または化学結合であり;Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSO
2R
gもしくはNHCOR
g(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)または
【化3】
であり、式中、Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR
a、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;R
aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;R
bは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはL、R
a、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;R
cは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R
a、R
bおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;R
dは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL、R
a、R
bおよびR
cのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;R
gは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
【0026】
いくつかの実施形態において、アリール1は、置換または非置換のフェニルであり、アリール2は、置換または非置換のヘテロアリールであり、Xは、アルキレンである。いくつかの実施形態において、アリール1は、置換フェニルであり、アリール2は、置換ヘテロアリールであり、Xは、メチレンである。
【0027】
いくつかの実施形態において、ある化合物は、以下の式の化合物
【化4-1】
【化4-2】
であり、式中、アリール
1は、パラ置換フェニルであり、アリール
2は、置換ヘテロアリールであり;Xは、メチレンであり;Lは、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であるか、またはLが結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であり;R
aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;R
bは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;R
cは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであり;R
dは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルである。
【0028】
いくつかの実施形態において、アリール1は、パラ置換フェニルであり;アリール2は、置換チアゾール部分であり;Xは、メチレンであり;Lは、Lが結合している窒素原子と一体となって、カルバメート結合を形成し;Raは、置換または非置換のアルキルであり;Rbは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Rcは、Hであり;Rdは、Hである。
【0029】
いくつかの実施形態において、アリール
2は、
【化5】
であり、式中、R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。
【0030】
いくつかの実施形態において、Reは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;Rfは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、Reは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり、Rfは、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、アリール1は、4-フェニルスルファミン酸であり;Raは、置換または非置換のアルキルであり;Rbは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Reは、Hであり;Rfは、ヘテロアリールである。いくつかの実施形態において、アリール1は、4-フェニルスルファミン酸であり;Raは、置換または非置換のアルキルであり;Rbは、置換または非置換のアリールアルキルであり;Reは、Hであり;Rfは、アルキルである。
【0031】
いくつかの実施形態において、アリール
2は、
【化6】
であり、式中、R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり、R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキル、アルコキシ基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、アルキルまたはアルコキシ基(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)であり;R
fは、アルキル、アリール、ヘテロシクリルまたはヘテロアリール(これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である)である。いくつかの実施形態において、アリール
1は、4-フェニルスルファミン酸であり;R
aは、置換または非置換のアルキルであり;R
bは、置換または非置換のアリールアルキルであり;R
eは、Hであり;R
fは、ヘテロアリールである。
【0032】
いくつかの実施形態において、置換フェニル基は、
【化7】
であり、式中、R
ph1、R
ph2、R
ph3、R
ph4およびR
ph5の各々は、独立して、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、スルファミン酸、トシレート、メシレート、トリフレート、ベシレート、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、スルフヒドリル基、ニトロ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルである。
【0033】
例証的な化合物としては、以下が挙げられる。
【化8-1】
【化8-2】
【0034】
化学基に対する任意選択の置換基
任意選択の置換基の非限定的な例としては、ヒドロキシル基、スルフヒドリル基、ハロゲン、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホンアミド基、カルボキシル基、カルボキサルデヒド基、イミン基、アルキル基、ハロアルキル基、アルケニル基、ハロアルケニル基、アルキニル基、ハロアルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アリールアルコキシ基、ヘテロシクリル基、アシル基、アシルオキシ基、カルバメート基、アミド基およびエステル基が挙げられる。
【0035】
アルキルおよびアルキレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルキルおよびアルキレン基が挙げられる。アルキル基は、例えば、置換または非置換の、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
【0036】
直鎖アルキル基の非限定的な例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシルが挙げられる。
【0037】
分枝状アルキル基には、任意の数のアルキル基で置換された任意の直鎖アルキル基が含まれる。分枝状アルキル基の非限定的な例としては、イソプロピル、イソブチル、sec-ブチルおよびt-ブチルが挙げられる。
【0038】
環式アルキル基の非限定的な例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル(cycloheptlyl)およびシクロオクチル基が挙げられる。環式アルキル基には、縮合二環式化合物(bicycles)、架橋二環式化合物およびスピロ二環式化合物、ならびに高次の縮合系、架橋系およびスピロ系も含まれる。環式アルキル基は、任意の数の直鎖、分枝状または環式のアルキル基で置換され得る。
【0039】
アルケニルおよびアルケニレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルケニル基が挙げられる。アルケニル基のオレフィン(単数または複数)は、例えば、E、Z、cis、trans、末端またはエキソ-メチレンであり得る。アルケニルまたはアルケニレン基は、例えば、置換または非置換の、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
【0040】
アルキニルまたはアルキニレン基の非限定的な例としては、直鎖、分枝状および環式のアルキニル基が挙げられる。アルキニル(alkylnyl)またはアルキニレン基の三重結合は、内部または末端に存在し得る。アルキニルまたはアルキニレン基は、例えば、置換または非置換の、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20、C21、C22、C23、C24、C25、C26、C27、C28、C29、C30、C31、C32、C33、C34、C35、C36、C37、C38、C39、C40、C41、C42、C43、C44、C45、C46、C47、C48、C49またはC50基であり得る。
【0041】
ハロアルキル基は、任意の数のハロゲン原子、例えば、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子で置換された任意のアルキル基であり得る。ハロアルケニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された任意のアルケニル基であり得る。ハロアルキニル基は、任意の数のハロゲン原子で置換された任意のアルキニル基であり得る。
【0042】
アルコキシ基は、例えば、任意のアルキル、アルケニルまたはアルキニル基で置換された、酸素原子であり得る。エーテルまたはエーテル基は、アルコキシ基を含む。アルコキシ基の非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびイソブトキシが挙げられる。
【0043】
アリール基は、複素環式または非複素環式であり得る。アリール基は、単環式または多環式であり得る。アリール基は、本明細書中に記載される任意の数の置換基、例えば、ヒドロカルビル基、アルキル基、アルコキシ基およびハロゲン原子で置換され得る。アリール基の非限定的な例としては、フェニル、トルイル、ナフチル、ピロリル、ピリジル、イミダゾリル、チオフェニルおよびフリルが挙げられる。
【0044】
アリールオキシ基は、例えば、任意のアリール基で置換された酸素原子、例えば、フェノキシであり得る。
【0045】
アラルキル基は、例えば、任意のアリール基で置換された任意のアルキル基、例えば、ベンジルであり得る。
【0046】
アリールアルコキシ基は、例えば、任意のアラルキル基で置換された酸素原子、例えば、ベンジルオキシであり得る。
【0047】
複素環は、炭素ではない環原子、例えば、N、O、S、P、Si、Bまたは他の任意のヘテロ原子を含む任意の環であり得る。複素環は、任意の数の置換基、例えば、アルキル基およびハロゲン原子で置換され得る。複素環は、芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であり得る。複素環の非限定的な例としては、ピロール、ピロリジン、ピリジン、ピペリジン、スクシンアミド、マレイミド、モルホリン、イミダゾール、チオフェン、フラン、テトラヒドロフラン、ピランおよびテトラヒドロピランが挙げられる。
【0048】
アシル基は、例えば、ヒドロカルビル、アルキル、ヒドロカルビルオキシ、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アラルキル、アリールアルコキシまたは複素環で置換されたカルボニル基であり得る。アシルの非限定的な例としては、アセチル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、メトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルが挙げられる。
【0049】
アシルオキシ基は、アシル基で置換された酸素原子であり得る。エステルまたはエステル基は、アシルオキシ基を含む。アシルオキシ基またはエステル基の非限定的な例は、アセテートである。
【0050】
カルバメート基は、カルバモイル基で置換された酸素原子であり得、ここで、該カルバモイル基の窒素原子は、非置換であるか、または一つもしくは複数のヒドロカルビル、アルキル、アリール、ヘテロシクリルもしくはアラルキルで一置換されるかもしくは二置換される。窒素原子が、二置換されるとき、その二つの置換基は、窒素原子と一体となって、複素環を形成し得る。
【0051】
薬学的に許容され得る塩
本開示は、本明細書中に記載される任意の化合物の薬学的に許容され得る塩の使用を提供する。薬学的に許容され得る塩には、例えば、酸付加塩および塩基付加塩が含まれる。酸付加塩を形成するために化合物に付加される酸は、有機酸または無機酸であり得る。塩基付加塩を形成するために化合物に付加される塩基は、有機塩基または無機塩基であり得る。いくつかの実施形態において、薬学的に許容され得る塩は、金属塩である。いくつかの実施形態において、薬学的に許容され得る塩は、アンモニウム塩である。
【0052】
金属塩は、本開示の化合物への無機塩基の付加によって生じ得る。その無機塩基は、塩基性対イオン、例えば、水酸化物イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオンまたはリン酸イオンと対になった金属カチオンからなる。その金属は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属または典型金属元素(main group metal)であり得る。いくつかの実施形態において、上記金属は、リチウム、ナトリウム、カリウム、セシウム、セリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、カルシウム、ストロンチウム、コバルト、チタン、アルミニウム、銅、カドミウムまたは亜鉛である。
【0053】
いくつかの実施形態において、金属塩は、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、セシウム塩、セリウム塩、マグネシウム塩、マンガン塩、鉄塩、カルシウム塩、ストロンチウム塩、コバルト塩、チタン塩、アルミニウム塩、銅塩、カドミウム塩または亜鉛塩である。
【0054】
アンモニウム塩は、本開示の化合物へのアンモニアまたは有機アミンの付加によって生じ得る。いくつかの実施形態において、上記有機アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、N-メチルモルホリン、ピペリジン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、ジベンジルアミン、ピペラジン、ピリジン、ピラゾール、ピピラゾール(piprazole)、イミダゾールまたはピラジンである。
【0055】
いくつかの実施形態において、アンモニウム塩は、トリエチルアミン塩、ジイソプロピルアミン塩、エタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モルホリン塩、N-メチルモルホリン塩、ピペリジン塩、N-メチルピペリジン塩、N-エチルピペリジン塩、ジベンジルアミン塩、ピペラジン塩、ピリジン塩、ピラゾール塩、ピピラゾール塩、イミダゾール塩またはピラジン塩である。
【0056】
酸付加塩は、本開示の化合物への酸の付加によって生じ得る。いくつかの実施形態において、上記酸は、有機酸である。いくつかの実施形態において、上記酸は、無機酸である。いくつかの実施形態において、上記酸は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、亜硫酸、リン酸、イソニコチン酸、乳酸、サリチル酸、酒石酸、アスコルビン酸、ゲンチシン酸、グルコン酸、グルクロン酸(glucaronic acid)、サッカリン酸(saccaric acid)、ギ酸、安息香酸、グルタミン酸、パントテン酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、フマル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、クエン酸、シュウ酸またはマレイン酸である。
【0057】
いくつかの実施形態において、塩は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酒石酸塩、アスコルビン酸塩、ゲンチシン酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩(glucaronate salt)、サッカリン酸塩(saccarate salt)、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、パントテン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩またはマレイン酸塩である。
【0058】
本明細書中の化合物は、酸性基の塩、例えば、
【化9-1】
【化9-2】
であり得る。
【0059】
本明細書中の化合物は、強酸から形成される塩基性基の塩、例えば、
【化10-1】
【化10-2】
であり得る。
【0060】
本明細書中の化合物は、双性イオンの形態、例えば、
【化11】
としても存在し得る。
製剤
【0061】
本開示の医薬組成物は、治療有効量のTie-2の活性化物質またはHPTPβの阻害剤を提供することができる。本開示の医薬組成物は、治療有効量のTie-2の活性化物質を提供することができる。
【0062】
開示される製剤は、単独でまたは組み合わさって本明細書中の化合物または薬学的に許容され得るその塩を可溶化する1種または複数種の薬学的に許容され得る作用物質を含み得る。
【0063】
いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約0.1μg/mL~約100μg/mL、約0.1μg/mL~約1μg/mL、約0.1μg/mL~約5μg/mL、約5μg/mL~約10μg/mL、約10μg/mL~約15μg/mL、約15μg/mL~約20μg/mL、約20μg/mL~約25μg/mL、約25μg/mL~約30μg/mL、約30μg/mL~約35μg/mL、約35μg/mL~約40μg/mL、約40μg/mL~約45μg/mL,約45μg/mL~約50μg/mL、約50μg/mL~約55μg/mL、約55μg/mL~約60μg/mL、約60μg/mL~約65μg/mL、約65μg/mL~約70μg/mL、約70μg/mL~約75μg/mL,約75μg/mL~約80μg/mL、約80μg/mL~約85μg/mL、約85μg/mL~約90μg/mL、約90μg/mL~約95μg/mLまたは約95μg/mL~約100μg/mLの量で製剤中に存在する。
【0064】
いくつかの実施形態において、化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約0.5μg/mL、約1μg/mL、約2μg/mL、約3μg/mL、約4μg/mL、約5μg/mL、約6μg/mL、約7μg/mL、約8μg/mL、約9μg/mL、約10μg/mL、約11μg/mL、約12μg/mL、約13μg/mL、約14μg/mL、約15μg/mL、約16μg/mL、約17μg/mL、約18μg/mL、約19μg/mL、約20μg/mL、約21μg/mL、約22μg/mL、約23μg/mL、約24μg/mL、約25μg/mL、約26μg/mL、約27μg/mL、約28μg/mL、約29μg/mL、約30μg/mL、約31μg/mL、約32μg/mL、約33μg/mL、約34μg/mL、約35μg/mL、約36μg/mL、約37μg/mL、約38μg/mL、約39μg/mL、約40μg/mL、約41μg/mL、約42μg/mL、約43μg/mL、約44μg/mL、約45μg/mL、約46μg/mL、約47μg/mL、約48μg/mL、約49μg/mL、約50μg/mL、約51μg/mL、約52μg/mL、約53μg/mL、約54μg/mL、約55μg/mL、約56μg/mL、約57μg/mL、約58μg/mL、約59μg/mL、約60μg/mL、約61μg/mL、約62μg/mL、約63μg/mL、約64μg/mL、約65μg/mL、約66μg/mL、約67μg/mL、約68μg/mL、約69μg/mL、約70μg/mL、約71μg/mL、約72μg/mL、約73μg/mL、約74μg/mL、約75μg/mL、約76μg/mL、約77μg/mL、約78μg/mL、約79μg/mL、約80μg/mL、約81μg/mL、約82μg/mL、約83μg/mL、約84μg/mL、約85μg/mL、約86μg/mL、約87μg/mL、約88μg/mL、約89μg/mL、約90μg/mL、約91μg/mL、約92μg/mL、約93μg/mL、約94μg/mL、約95μg/mL、約96μg/mL、約97μg/mL、約98μg/mL、約99μg/mL、約100μg/mL、約150μg/mL、約200μg/mL、約250μg/mL、約300μg/mL、約350μg/mL、または約400μg/mLの量で製剤中に存在する。
【0065】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約0.1mg/mL~約100mg/mL、約0.1mg/mL~約1mg/mL、約0.1mg/mL~約5mg/mL、約1mg/mL~約50mg/mL、約5mg/mL~約10mg/mL、約10mg/mL~約15mg/mL、約15mg/mL~約20mg/mL、約20mg/mL~約25mg/mL、約25mg/mL~約30mg/mL、約30mg/mL~約35mg/mL、約35mg/mL~約40mg/mL、約40mg/mL~約45mg/mL、約45mg/mL~約50mg/mL、約50mg/mL~約55mg/mL、約55mg/mL~約60mg/mL、約60mg/mL~約65mg/mL、約65mg/mL~約70mg/mL、約70mg/mL~約75mg/mL、約75mg/mL~約80mg/mL、約80mg/mL~約85mg/mL、約85mg/mL~約90mg/mL、約90mg/mL~約95mg/mL、または約95mg/mL~約100mg/mLの量で製剤中に存在する。例えば、本明細書中に開示される化合物は、約0.01mg/mL、約0.015mg/mL、約0.02mg/mL、約0.03mg/mL、約0.04mg/mL、約0.05mg/mL、約0.06mg/mL、約0.07mg/mL、約0.08mg/mL、約0.09mg/mL、約0.1mg/mL、約0.2mg/mL、約0.3mg/mL、約0.4mg/mL、約0.5mg/mL、約0.6mg/mL、約0.7mg/mL、約0.8mg/mL、約0.9mg/mL、または約1mg/mLの量で製剤中に存在する。
【0066】
いくつかの実施形態において、本明細書中に開示される化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/mL、約2mg/mL、約3mg/mL、約4mg/mL、約5mg/mL、約6mg/mL、約7mg/mL、約8mg/mL、約9mg/mL、約10mg/mL、約11mg/mL、約12mg/mL、約13mg/mL、約14mg/mL、約15mg/mL、約16mg/mL、約17mg/mL、約18mg/mL、約19mg/mL、約20mg/mL、約21mg/mL、約22mg/mL、約23mg/mL、約24mg/mL、約25mg/mL、約26mg/mL、約27mg/mL、約28mg/mL、約29mg/mL、約30mg/mL、約31mg/mL、約32mg/mL、約33mg/mL、約34mg/mL、約35mg/mL、約36mg/mL、約37mg/mL、約38mg/mL、約39mg/mL、約40mg/mL、約41mg/mL、約42mg/mL、約43mg/mL、約44mg/mL、約45mg/mL、約46mg/mL、約47mg/mL、約48mg/mL、約49mg/mL、約50mg/mL、約51mg/mL、約52mg/mL、約53mg/mL、約54mg/mL、約55mg/mL、約56mg/mL、約57mg/mL、約58mg/mL、約59mg/mL、約60mg/mL、約61mg/mL、約62mg/mL、約63mg/mL、約64mg/mL、約65mg/mL、約66mg/mL、約67mg/mL、約68mg/mL、約69mg/mL、約70mg/mL、約71mg/mL、約72mg/mL、約73mg/mL、約74mg/mL、約75mg/mL、約76mg/mL、約77mg/mL、約78mg/mL、約79mg/mL、約80mg/mL、約81mg/mL、約82mg/mL、約83mg/mL、約84mg/mL、約85mg/mL、約86mg/mL、約87mg/mL、約88mg/mL、約89mg/mL、約90mg/mL、約91mg/mL、約92mg/mL、約93mg/mL、約94mg/mL、約95mg/mL、約96mg/mL、約97mg/mL、約98mg/mL、約99mg/mL、または約100mg/mLの量で製剤中に存在する。
【0067】
本明細書中に開示される製剤は、ある添加物または作用物質を加えることによって、可溶性が高められ得る。製剤の溶解度の改善によって、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%約80%、約85%、約90%、約95%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、約150%、約160%、約170%、約180%、約190%、約200%、約225%、約250%、約275%、約300%、約325%、約350%、約375%、約400%、約450%または約500%上昇し得る。
【0068】
本明細書中に開示される製剤は、約1日間、約2日間、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約2週間、約4週間、約6週間、約8週間、約10週間、約12週間、約3か月間、約4か月間、約5か月間、約6か月間、約7か月間、約8か月間、約9か月間、約10か月間、約11か月間または約1年間安定であり得る。本明細書中に開示される製剤は、例えば、約0℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約60℃、約70℃または約80℃において安定であり得る。
【0069】
アルコール
可溶化剤の非限定的な例としては、有機溶媒が挙げられる。有機溶媒の非限定的な例としては、アルコール、例えば、C1-C4直鎖アルキル、C3-C4分枝状アルキル、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、2-ヒドロキシプロパノール、マルチトール、ソルビトール、キシリトール;置換または非置換アリールおよびベンジルアルコールが挙げられる。
【0070】
シクロデキストリン
シクロデキストリンの非限定的な例としては、β-シクロデキストリン、メチルβ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリンナトリウム塩、ヒドロキシエチル-β-シクロデキストリン(HE-β-CD)、ヘプタキス(2,6-ジ-O-メチル)-β-シクロデキストリン(DMβCD)、2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリンおよび2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリンが挙げられる。シクロデキストリンは、大きな環式構造を有し得、その構造の中心をチャネルが通っている。シクロデキストリンの内部は、疎水性であり得、疎水性分子と好ましく相互作用する。シクロデキストリンの外部は、バルク溶媒に曝露されたいくつかのヒドロキシル基に起因して、高度に親水性であり得る。本明細書中に開示される化合物などの疎水性分子をシクロデキストリンのチャネルの中に捕捉することにより、非共有結合性の疎水性相互作用によって安定化された複合体が形成され得る。その複合体は、水に可溶性であり得、捕捉された疎水性分子をバルク溶媒に運び得る。
【0071】
開示される可溶化系は、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン(HPβ-CD)を含む。2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン[CAS No.128446-35-5]は、Cavitron(商標)として商業的に入手可能である。2-ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-ベータ-シクロデキストリンまたはHPβCDとしても知られており、以下の式
【化12】
のいずれかによって表され得る。
【0072】
Cavitron(商標)の平均分子量は、およそ1396Daであり、平均置換度は、一つの環グルコース単位あたり約0.5~約1.3単位の2-ヒドロキシプロピルである。
【0073】
開示される可溶化系は、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン(HPγCD)を含む。2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン[CAS No.128446-34-4]は、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、2-ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-γ-シクロデキストリン、またはHPGCDとしても知られており、以下の式:
【化13】
で表すことができる。
【0074】
一つの実施形態において、本明細書中に開示される製剤は、約20部の本明細書中の化合物または薬学的に許容され得るその塩と約1部の可溶化系との比(約20:約1)から、約1部の本明細書中の化合物または薬学的に許容され得るその塩と約20部の可溶化系との比(約1:約20)までを含み得る。例えば、約100mgの本明細書中の化合物または薬学的に許容され得るその塩を含む製剤は、約5mg~約2000mgの可溶化剤、例えば、シクロデキストリンを含み得る。別の実施形態において、その比は、可溶化系の数またはモルと比較した数またはモルまたは化合物に基づき得る。
【0075】
以下は、本明細書中の化合物と、可溶化剤、例えば、シクロデキストリンとの比の非限定的な例である。あるいは、以下の例は、可溶化剤、例えば、シクロデキストリンと本明細書中の化合物との比を記載する。その比は、約20:約1、約19.9:約1、約19.8:約1、約19.7:約1、約19.6:約1、約19.5:約1、約19.4:約1、約19.3:約1、約19.2:約1、約19.1:約1、約19:約1、約18.9:約1、約18.8:約1、約18.7:約1、約18.6:約1、約18.5:約1、約18.4:約1、約18.3:約1、約18.2:約1、約18.1:約1、約18:約1、約17.9:約1、約17.8:約1、約17.7:約1、約17.6:約1、約17.5:約1、約17.4:約1、約17.3:約1、約17.2:約1、約17.1:約1、約17:約1、約16.9:約1、約16.8:約1、約16.7:約1、約16.6:約1、約16.5:約1、約16.4:約1、約16.3:約1、約16.2:約1、約16.1:約1、約16:約1、約15.9:約1、約15.8:約1、約15.7:約1、約15.6:約1、約15.5:約1、約15.4:約1、約15.3:約1、約15.2:約1、約15.1:約1、約15:約1、約14.9:約1、約14.8:約1、約14.7:約1、約14.6:約1、約14.5:約1、約14.4:約1、約14.3:約1、約14.2:約1、約14.1:約1、約14:約1、約13.9:約1、約13.8:約1、約13.7:約1、約13.6:約1、約13.5:約1、約13.4:約1、約13.3:約1、約13.2:約1、約13.1:約1、約13:約1、約12.9:約1、約12.8:約1、約12.7:約1、約12.6:約1、約12.5:約1、約12.4:約1、約12.3:約1、約12.2:約1、約12.1:約1、約12:約1、約11.9:約1、約11.8:約1、約11.7:約1、約11.6:約1、約11.5:約1、約11.4:約1、約11.3:約1、約11.2:約1、約11.1:約1、約11:約1、約10.9:約1、約10.8:約1、約10.7:約1、約10.6:約1、約10.5:約1、約10.4:約1、約10.3:約1、約10.2:約1、約10.1:約1、約10:約1、約9.9:約1、約9.8:約1、約9.7:約1、約9.6:約1、約9.5:約1、約9.4:約1、約9.3:約1、約9.2:約1、約9.1:約1、約9:約1、約8.9:約1、約8.8:約1、約8.7:約1、約8.6:約1、約8.5:約1、約8.4:約1、約8.3:約1、約8.2:約1、約8.1:約1、約8:約1、約7.9:約1、約7.8:約1、約7.7:約1、約7.6:約1、約7.5:約1、約7.4:約1、約7.3:約1、約7.2:約1、約7.1:約1、約7:約1、約6.9:約1、約6.8:約1、約6.7:約1、約6.6:約1、約6.5:約1、約6.4:約1、約6.3:約1、約6.2:約1、約6.1:約1、約6:約1、約5.9:約1、約5.8:約1、約5.7:約1、約5.6:約1、約5.5:約1、約5.4:約1、約5.3:約1、約5.2:約1、約5.1:約1、約5:約1、約4.9:約1、約4.8:約1、約4.7:約1、約4.6:約1、約4.5:約1、約4.4:約1、約4.3:約1、約4.2:約1、約4.1:約1、約4:約1、約3.9:約1、約3.8:約1、約3.7:約1、約3.6:約1、約3.5:約1、約3.4:約1、約3.3:約1、約3.2:約1、約3.1:約1、約3:約1、約2.9:約1、約2.8:約1、約2.7:約1、約2.6:約1、約2.5:約1、約2.4:約1、約2.3:約1、約2.2:約1、約2.1:約1、約2:約1、約1.9:約1、約1.8:約1、約1.7:約1、約1.6:約1、約1.5:約1、約1.4:約1、約1.3:約1、約1.2:約1、約1.1:約1、または約1:約1であり得る。
【0076】
ポリビニルピロリドン(Polyvinylpyrrolidione)
可溶化剤の別の非限定的な例は、以下の式
【化14】
を有するポリビニルピロリドン(PVP)であり、式中、添え字nは、約40~約200である。PVPは、約5500g/mol~約28,000g/molの平均分子量を有し得る。一つの非限定的な例は、およそ10,000g/molの平均分子量を有するPVP-10である。
【0077】
ポリアルキレンオキシド(Polyakyleneoxides)およびそのエーテル
可溶化剤の別の非限定的な例としては、ポリアルキレンオキシド、およびアルコールまたはポリオールのポリマーが挙げられる。ポリマーは、混合され得るか、または単一のモノマーリピートサブユニットを含み得る。例えば、約200~約20,000の平均分子量を有するポリエチレングリコール(PEG)、例えば、PEG200、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG1450、PEG1500、PEG4000、PEG4600およびPEG8000である。同じ実施形態において、組成物は、PEG400、PEG1000、PEG1450、PEG4600およびPEG8000から選択される一つまたはそれより多くのポリエチレングリコールを含む。
【0078】
他のポリアルキレンオキシドは、以下の式
HO[CH(CH3)CH2O]xH
を有するポリプロピレングリコールであり、式中、添え字xは、そのポリマー中のプロピレンオキシ単位の平均数を表す。添え字xは、整数または分数によって表され得る。例えば、8,000g/molの平均分子量を有するポリプロピレングリコール(PEG8000)は、以下の式
HO[CH(CH3)CH2O]138H または
HO[CH(CH3)CH2O]137.6H
によって表され得るか、またはそのポリプロピレングリコールは、通常の簡易表記:PEG8000によって表され得る。
【0079】
ポリプロピレングリコールの別の例は、約1,200g/mol~約20,000g/molの平均分子量を有し得、すなわち、約8,000g/molの平均分子量を有するポリプロピレングリコール、例えば、PEG8000であり得る。
【0080】
別の可溶化剤は、Polysorbate80(Tween(登録商標)80)であり、これは、ソルビトールおよびソルビトール無水物の1モルに対しておよそ20モルのエチレンオキシドと共重合した、ソルビトールおよびその無水物のオレイン酸エステルである。Polysorbate80は、ソルビタンモノ-9-オクタデカノエートポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)誘導体から構成されている。
【0081】
可溶化剤には、以下の式
HO(CH2CH2)y1(CH2CH2CH2O)y2(CH2CH2O)y3OHを有するポロキサマーも含まれ、これは、二つのポリエチレンオキシ単位に隣接したポリプロピレンオキシ単位から構成される非イオン性ブロック共重合体である。添え字y1、y2およびy3は、上記ポロキサマーが約1000g/mol~約20,000g/molの平均分子量を有するような値を有する。
【0082】
賦形剤
本開示の薬学的組成物は、本明細書中に記載される任意の薬学的化合物と、他の化学的構成要素、例えば、キャリア、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または賦形剤との組み合わせであり得る。その薬学的組成物は、生物への化合物の投与を容易にする。薬学的組成物は、例えば、静脈内、硝子体内、鼻腔内、気管内、肺内、経粘膜、皮下、筋肉内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経皮、膣、耳、鼻および局所投与をはじめとする、様々な形態および経路によって、薬学的組成物として治療有効量で投与され得る。
【0083】
薬学的組成物は、必要に応じてデポーまたは徐放製剤として、例えば、器官に化合物を直接注射することによって、局所または全身に投与され得る。薬学的組成物は、急速放出製剤の形態で、持続放出製剤の形態で、または中速度(intermediate)放出製剤の形態で提供され得る。急速放出型は、即時放出を提供し得る。持続放出製剤は、制御放出または持続性の遅延放出を提供し得る。
【0084】
医薬組成物は、1日の何時でも、例えば、午前、午後、または夜に投与することができる。いくつかの実施形態において、1日の特定の時間に投与される医薬組成物は、優れた治療効果をもたらす。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物は、夜に投与される。
【0085】
経口投与の場合、薬学的組成物は、活性な化合物を薬学的に許容され得るキャリアまたは賦形剤と組み合わせることによって、容易に製剤化され得る。そのようなキャリアを使用することにより、被験体による経口摂取のための、錠剤、散剤、丸剤、糖衣錠、カプセル剤、液剤、ゲル剤、シロップ剤、エリキシル剤、スラリー剤、懸濁剤などを製剤化することができる。
【0086】
経口使用のための薬学的調製物は、1種または複数種の固体賦形剤を本明細書中に記載される化合物の1種または複数種と混合し、得られた混合物を必要に応じて粉砕し、その顆粒の混合物を加工して、所望であれば好適な補助剤を加えた後に、錠剤または糖衣錠コアを得ることによって、得ることができる。コアは、好適なコーティングを伴って提供され得る。この目的上、濃縮された糖溶液を使用することができ、上記糖溶液は、賦形剤、例えば、アラビアガム、タルク、ポリビニルピロリドン、カーボポールゲル、ポリエチレングリコールまたは二酸化チタン、ラッカー溶液、ならびに好適な有機溶媒または溶媒混合物を含み得る。例えば、識別のため、または活性な化合物の用量の異なる組み合わせを特徴づけるために、染料または顔料を錠剤または糖衣錠コーティングに加えることができる。
【0087】
経口的に使用され得る薬学的調製物には、ゼラチンから作製された押し込み型カプセル、ならびにゼラチンおよび可塑剤、例えば、グリセロールまたはソルビトールから作製された密封軟カプセルが含まれる。いくつかの実施形態において、上記カプセルは、薬学的ゼラチン、ウシゼラチンおよび植物ゼラチンの一つまたは複数を含む硬ゼラチンカプセルを含む。ゼラチンは、アルカリ処理され得る。押し込み型カプセルは、ラクトースなどの充填剤、デンプンなどの結合剤またはタルクもしくはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、ならびに安定剤と混合した状態で活性成分を含み得る。軟カプセルにおいて、活性な化合物は、好適な液体、例えば、脂肪油、流動パラフィンまたは液体ポリエチレングリコールに溶解し得るかまたは懸濁し得る。安定剤が加えられ得る。経口投与のためのすべての製剤は、そのような投与に適した投薬量で提供される。
【0088】
頬側または舌下投与の場合、組成物は、錠剤、舐剤またはゲル剤であり得る。
【0089】
非経口注射剤は、ボーラス注射または持続注入用に製剤化され得る。上記薬学的組成物は、油性または水性ビヒクルにおける滅菌された懸濁物、溶液またはエマルジョンとして非経口注射に適した形態であり得、製剤化剤(formulatory agents)、例えば、懸濁化剤、安定化剤または分散剤を含み得る。非経口投与のための薬学的製剤には、水溶性の形態の活性な化合物の水溶液が含まれる。活性な化合物の懸濁物は、油性の注射用懸濁物として調製され得る。好適な親油性溶媒またはビヒクルとしては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドなどの合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。水性注射用懸濁物は、懸濁物の粘度を高める物質、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールまたはデキストランを含み得る。上記懸濁物は、好適な安定剤、または化合物の溶解度を高めることにより高度に濃縮された溶液の調製を可能にする作用物質も含み得る。あるいは、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌された発熱物質非含有水で構成するための粉末の形態であり得る。
【0090】
活性な化合物は、局所的に投与され得、種々の局所的に投与可能な組成物、例えば、溶液、懸濁物、ローション、ゲル、ペースト、薬用スティック、バルム剤(balms)、クリームおよび軟膏に製剤化され得る。そのような薬学的組成物は、可溶化剤、安定剤、張度向上剤、緩衝剤および保存剤を含み得る。
【0091】
活性な化合物の経皮投与に適した製剤は、経皮送達デバイスおよび経皮送達パッチを使用し得、ポリマーまたは接着剤に溶解したまたは分散した、親油性エマルジョンまたは緩衝水溶液であり得る。そのようなパッチは、薬学的化合物の連続的送達、拍動性送達または応需型送達のために構築され得る。経皮送達は、イオントフォレーシスパッチを用いて達成され得る。さらに、経皮パッチは、制御送達を提供し得る。吸収速度は、律速膜を使用することによって、またはポリマーマトリックス内もしくはゲル内に化合物を捕捉することによって、遅くすることができる。逆に、吸収促進剤を用いることによって、吸収を高めることができる。吸収促進剤またはキャリアには、皮膚を通過するのを助ける吸収性の薬学的に許容され得る溶媒が含まれ得る。例えば、経皮デバイスは、裏打ち材、化合物およびキャリアを含むレザバー、長時間にわたって制御された所定の速度で被験体の皮膚に化合物を送達する律速バリア、ならびにそのデバイスを皮膚または眼に固定する接着剤を含む包帯の形態であり得る。
【0092】
吸入による投与の場合、活性な化合物は、エアロゾル、蒸気、ミストまたは粉末としての形態であり得る。吸入は、鼻送達、経口送達または両方を介して生じ得る。薬学的組成物は、好適な噴霧体、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ジフルオロエタン、二酸化炭素、窒素、酸素または他の好適なガスを使用して、加圧パック、ネブライザーまたはアトマイザーからのエアロゾルスプレーの提示の形態で便利に送達される。ネブライザーは、ジェットネブライザー、超音波ネブライザー、または振動メッシュネブライザーとして使用できる。ジェットネブライザーは圧縮空気で作動する。超音波ネブライザーは、圧電トランスデューサーを使用して、開放された液体リザーバから液滴を生成する。振動メッシュネブライザーは、環状圧電素子によって作動する振動有孔膜(メッシュ)を使用する。膜の穴は、液体供給側の断面直径が広く、液滴が出てくる側の断面直径が狭い。
【0093】
加圧エアロゾルの場合、投薬量の単位は、例えば定量吸入器(MDI)を使用して、定量を送達するバルブを提供することによって決定され得る。吸入器または注入器において使用するための、例えばゼラチンの、カプセルおよびカートリッジは、化合物と好適な粉末基剤、例えば、ラクトースまたはデンプンとの粉末混合物を含むように製剤化され得る。粉末エアロゾルは、乾燥粉末吸入器(DPI)によって投与され得る。また、エアロゾルは、フェイスマスクインターフェースによって投与され得る。これは、5歳未満の小児患者に好ましい送達経路であり得る。適した吸入デバイスの選択は、活性化合物およびその製剤の性質、目的の送達部位、および肺の病態生理学などの好みに依存する。
【0094】
鼻投与または鼻腔内投与は、鼻を介した化合物の吹送を伴い、それには点鼻剤および鼻スプレーが含まれる。この投与経路は、局所的および/または全身的な効果をもたらし得る。吸入器または吹送デバイスは、本明細書に記載される化合物の鼻から肺への送達に使用され得る。
【0095】
化合物は、従来の坐剤基剤、例えば、カカオバターまたは他のグリセリド、ならびに合成ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドンおよびPEGを含む直腸用組成物、例えば、浣腸、直腸ゲル、直腸フォーム、直腸エアロゾル、坐剤、ゼリー坐剤または停留浣腸としても、製剤化され得る。坐剤の形態の組成物では、低融点ろう、例えば、脂肪酸グリセリドまたはカカオバターの混合物が使用され得る。
【0096】
本明細書中に提供される処置または使用の方法を実施する際、治療有効量の本明細書中に記載される化合物が、処置される疾患または状態を有する被験体に薬学的組成物として投与される。いくつかの実施形態において、上記被験体は、哺乳動物、例えば、ヒトである。治療有効量は、疾患の重症度、被験体の年齢および相対的な健康状態、使用される化合物の効力、ならびに他の因子に応じて大幅に変わり得る。上記化合物は、単独で、または混合物の構成要素として1種もしくは複数種の治療剤と組み合わせて、使用され得る。
【0097】
薬学的組成物は、活性な化合物を、薬学的に使用され得る調製物に加工するのを容易にする賦形剤および補助剤を含む1種または複数種の生理的に許容され得るキャリアを用いて製剤化され得る。製剤は、選択される投与経路に応じて改変され得る。本明細書中に記載される化合物を含む薬学的組成物は、例えば、混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、湿式粉砕(levigating)、乳化、カプセル封入、捕捉または圧縮プロセスによって、製造され得る。
【0098】
薬学的組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容され得るキャリア、希釈剤または賦形剤、および遊離塩基もしくは薬学的に許容され得る塩の形態の、本明細書中に記載される化合物を含み得る。本明細書中に記載される方法および薬学的組成物には、結晶型(多形としても知られる)および同じタイプの活性を有するこれらの化合物の活性な代謝産物の使用が含まれる。
【0099】
本明細書中で記載される化合物を含む組成物を調製するための方法は、該化合物を1種または複数種の不活性な薬学的に許容され得る賦形剤またはキャリアとともに製剤化して、固体、半固体または液体の組成物を形成する工程を含む。固体の組成物には、例えば、散剤、錠剤、分散性顆粒剤、カプセル剤、カシェ剤および坐剤が含まれる。液体の組成物には、例えば、化合物を溶解させた溶液、化合物を含むエマルジョン、または本明細書中に開示されるような化合物を含むリポソーム、ミセルもしくはナノ粒子を含む溶液が含まれる。半固体の組成物としては、例えば、ゲル、懸濁物およびクリームが挙げられる。上記組成物は、液体の溶液もしくは懸濁物、使用前の液体への溶解または懸濁に適した固体の形態、またはエマルジョンとして存在し得る。これらの組成物は、微量の無毒性の補助物質、例えば、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝剤および他の薬学的に許容され得る添加物も含み得る。
【0100】
本開示において使用するのに適した剤形の非限定的な例としては、飼料、食物、ペレット、舐剤、液剤、エリキシル剤、エアロゾル、吸入剤、スプレー、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、ゲル剤、ゲルタブ(geltab)、ナノ懸濁剤、ナノ粒子、マイクロゲル、坐剤、トローチ剤、水性または油性の懸濁剤、軟膏、パッチ、ローション、歯磨剤、エマルジョン、クリーム、滴剤、分散性の散剤または顆粒剤、硬または軟ゲルカプセル内のエマルジョン、シロップ剤、植物性医薬品(phytoceuticals)、栄養補助食品およびそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0101】
被験体に投与される個々の用量は、約0.5μg、約1μg、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、約100μg、約150μg、約200μg、約250μg、約300μg、約350μg、約400μg、約450μg、約500μg、約550μg、約600μg、約650μg、約700μg、約750μg、約800μg、約850μg、約900μg、約950μg、約1mg、約1.1mg、約1.2mg、約1.3mg、約1.4mg、約1.5mg、約1.6mg、約1.7mg、約1.8mg、約1.9mg、約2mg、約2.1mg、約2.2mg、約2.3mg、約2.4mg、約2.5mg、約2.6mg、約2.7mg、約2.8mg、約2.9mg、約3mg、約3.1mg、約3.2mg、約3.3mg、約3.4mg、約3.5mg、約3.6mg、約3.7mg、約3.8mg、約3.9mg、約4mg、約4.1mg、約4.2mg、約4.3mg、約4.4mg、約4.5mg、約4.6mg、約4.7mg、約4.8mg、約4.9mgまたは約5mgの本開示の化合物であり得る。
【0102】
本開示において使用するのに適した薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例としては、造粒剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、甘味剤、滑剤、抗接着剤、帯電防止剤、界面活性物質、抗酸化剤、ゴム、コーティング剤、着色剤、香味剤、コーティング剤、可塑剤、保存剤、懸濁化剤、乳化剤、抗菌剤、植物セルロース系材料および球形化剤ならびにそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0103】
本開示の組成物は、例えば、即時放出形態または制御放出製剤であり得る。即時放出製剤は、化合物の迅速な作用を可能にするように製剤化され得る。即時放出製剤の非限定的な例としては、容易に溶解可能な製剤が挙げられる。制御放出製剤は、薬物放出速度および薬物放出プロファイルが、生理学的要求および時間治療学的要求に合致し得るように適合されたか、あるいは、プログラムされた速度で薬物の放出をもたらすように製剤化された、薬学的製剤であり得る。制御放出製剤の非限定的な例としては、顆粒剤、遅延放出顆粒剤、ヒドロゲル(例えば、合成または天然起源)、他のゲル化剤(例えば、ゲル形成食物繊維)、マトリックスベースの製剤(例えば、少なくとも一つの活性成分が分散したポリマー材料を含む製剤)、マトリックス内の顆粒剤、ポリマー混合物および顆粒塊が挙げられる。
【0104】
開示される組成物は、必要に応じて、約0.001%~約0.005%(重量/体積)の薬学的に許容され得る保存剤を含み得る。好適な保存剤の一つの非限定的な例は、ベンジルアルコールである。
【0105】
いくつかの実施形態において、制御放出製剤は、遅延放出型である。遅延放出型は、化合物の作用を長時間にわたって遅延させるように製剤化され得る。遅延放出型は、有効用量の1種または複数種の化合物の放出を、例えば、約4、約8、約12、約16または約24時間遅延させるように製剤化され得る。
【0106】
制御放出製剤は、徐放型であり得る。徐放型は、例えば、化合物の作用を長時間にわたって持続するように製剤化され得る。徐放型は、有効用量の本明細書中に記載される任意の化合物を約4、約8、約12、約16または約24時間にわたって提供する(例えば、生理的に有効な血液プロファイルを提供する)ように製剤化され得る。
【0107】
開示される組成物は、任意の投与頻度で投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される化合物は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、毎週、週2回、2週間に1回、または毎月投与される。
【0108】
開示される組成物は、任意の体積で投与され得る。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は、局所点眼薬として投与され、各点眼薬の体積は約20μL、約25μL、約30μL、約31μL、約32μL、約33μL、約34μL、約35μL、約40μL、約45μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、または約100μLである。いくつかの実施形態において、点眼薬は、罹患した眼の結膜嚢に投与される。
【0109】
薬学的に許容され得る賦形剤の非限定的な例は、例えば、Remington:The
Science and Practice of Pharmacy,Nineteenth Ed(Easton,Pa.:Mack Publishing Company,1995);Hoover,John E.,Remington’s Pharmaceutical Sciences,Mack Publishing Co.,Easton,Pennsylvania 1975;Liberman,H.A.and Lachman,L.,Eds.,Pharmaceutical Dosage Forms,Marcel Decker,New York,N.Y.,1980;およびPharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,Seventh Ed.(Lippincott Williams & Wilkins1999)(これらの各々が、その全体が参照により組み込まれる)に見られる。
【0110】
開示される方法は、Tie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩を薬学的に許容され得るキャリアとともに投与する工程を含む。そのキャリアは、活性成分の任意の分解を最小限に抑えるように、かつ被験体における任意の有害な副作用を最小限に抑えるように選択され得る。
【0111】
開示される方法は、Tie-2活性化物質、またはその薬学的に許容され得る塩を、薬学的に許容され得るキャリアと併用して投与することを含む。キャリアは、活性成分のあらゆる分解を最小限に抑え、被験体におけるあらゆる有害な副作用を最小限に抑えるように選択され得る。
【0112】
本明細書中のTie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩は、1種または複数種の薬学的に許容され得るキャリアから構成される薬学的組成物に便利に製剤化され得る。例えば、本明細書中に記載される化合物の製剤の調製とともに使用され得る、代表的なキャリアおよび薬学的組成物を調製する従来の方法を開示するRemington’s Pharmaceutical Sciences,最新版,E.W.Martin
Mack Pub.Co.,Easton,PA(これは、本明細書中に参照により組み込まれる)を参照のこと。そのような医薬は、組成物をヒトおよび非ヒトに投与するための標準的なキャリアであり得、それらには、溶液、例えば、滅菌水、食塩水および生理学的pHの緩衝液が含まれる。他の組成物は、標準的な手順に従って投与され得る。例えば、薬学的組成物は、1種または複数種のさらなる活性成分、例えば、抗菌剤、抗炎症剤および麻酔薬も含み得る。
【0113】
薬学的に許容され得るキャリアの非限定的な例としては、食塩水、リンガー溶液およびデキストロース溶液が挙げられる。上記溶液のpHは、約5~約8であり得、約7~約7.5であり得る。さらなるキャリアとしては、徐放調製物、例えば、Tie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩を含む固体の疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは、成形された物品、例えば、フィルム、リポソーム、微小粒子およびマイクロカプセルの形態である。
【0114】
開示される方法は、Tie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩を薬学的組成物の一部として投与することに関する。開示される方法は、HPTPβ阻害剤またはその薬学的に許容され得る塩を医薬組成物の一部として投与することに関する。様々な実施形態において、本開示の組成物は、溶液、懸濁物またはその両方の形態の、活性な作用物質を含む液体を含み得る。液体組成物には、ゲルが含まれ得る。一つの実施形態において、液体組成物は、水性である。あるいは、上記組成物は、軟膏の形態をとり得る。別の実施形態において、上記組成物は、インサイチュゲル化可能水性組成物である。いくつかの実施形態において、上記組成物は、インサイチュゲル化可能水溶液である。
【0115】
薬学的製剤は、本明細書中に開示される化合物に加えて、さらなるキャリアならびに増粘剤、希釈剤、緩衝剤、保存剤および界面活性剤を含み得る。薬学的製剤は、1種または複数種のさらなる活性成分、例えば、抗菌剤、抗炎症剤、麻酔薬なども含み得る。
【0116】
賦形剤は、不活性な充填剤と同程度に単純かつ直接的な役割を務め得るか、または本明細書中で使用されるような賦形剤は、上記成分を胃に安全に送達するのを保証するpH安定化系またはコーティングの一部であり得る。
【0117】
Tie-2活性化物質もしくはHPTPβ阻害剤、または薬学的に許容され得るその塩は、活性な治療剤をエアロゾルの形態で、身体の腔、例えば、鼻、咽喉または気管支の通路に送達するための液体、エマルジョンまたは懸濁物としても存在し得る。これらの調製物におけるTie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩と他の配合剤との比は、剤形が要求する場合に変わり得る。
【0118】
意図される投与様式に応じて、開示される方法の一部として投与される薬学的組成物は、固体、半固体または液体の剤形、例えば、錠剤、坐剤、丸剤、カプセル剤、散剤、液剤、懸濁剤、ローション、クリーム、ゲルの形態、例えば、正確な投薬量の単一投与に適した単位剤形であり得る。上記組成物は、上で述べたように、有効量のTie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩を薬学的に許容され得るキャリアとともに含み得、さらに、他の薬剤、医薬品、キャリア、佐剤、希釈剤などを含み得る。
【0119】
固体組成物の場合、無毒性の固体キャリアとしては、例えば、製薬グレードのマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロースおよび炭酸マグネシウムが挙げられる。一つの実施形態において、Tie-2活性化物質または薬学的に許容され得るその塩を、0.1mLの液体あたりおよそ4mgの量で含む組成物が、調製される。その液相は、滅菌水および適切な量のサッカライドまたは多糖を含む。
【0120】
薬学的組成物
本明細書中に記載される化合物を含む薬学的組成物は、予防的処置または治療的処置のために投与され得る。組成物は任意の数の活性剤を含み得る。治療的用途において、上記組成物は、疾患または状態にすでに罹患している被験体に、上記疾患もしくは状態を治癒するのに十分か、またはその疾患もしくは状態の症状を少なくとも部分的に停止するのに十分か、またはその疾患もしくは状態を治癒するか、治すか、改善するか、低減させるか、低下させるかもしくは回復させるのに十分な量で、投与され得る。化合物は、状態を発症する可能性、状態にかかる可能性または状態を悪化させる可能性を低下または低減させるためにも投与され得る。この使用にとって有効な量は、上記疾患または状態の重症度および経過、以前の治療、被験体の健康状態、体重、薬物に対する応答、ならびに処置している医師の判断に基づいて変わり得る。
【0121】
複数種の治療剤が、任意の順序でまたは同時に投与され得る。同時の場合、上記複数種の治療剤は、単一の一体化した形態、または複数の形態、例えば、複数の別個の丸剤または注射として、提供され得る。上記化合物は、単一の包装または複数の包装の中に、共にまたは別々に包装され得る。上記治療剤の1種またはすべてが、複数回投与で投与され得る。同時でない場合、複数回投与の間のタイミングは様々であり得る。
【0122】
本明細書中に記載される化合物および組成物は、キットとしてまとめられ得る。いくつかの実施形態において、本開示は、キットを提供し、該キットは、本明細書中に開示される化合物または薬学的に許容され得るその塩、および本明細書中に記載される状態の処置においてそのキットを使用する際の書面の指示書を備える。いくつかの実施形態において、本開示は、キットを提供し、該キットは、本明細書中に開示される化合物または薬学的に許容され得るその塩、抗体、および本明細書中に記載される状態の処置においてそのキットを使用する際の書面の指示書を備える。
【0123】
本明細書中に記載される化合物は、疾患または状態が発生する前、発生している間、または発生した後に投与され得、化合物を含む組成物を投与するタイミングは、様々であり得る。例えば、上記化合物は、予防薬として使用され得、状態または疾患の傾向を有する被験体に、該疾患または状態が発生する可能性を低下または低減させるために連続的に投与され得る。上記化合物および組成物は、該症状が発生している間、またはその症状が発生した後できるだけ早く、被験体に投与され得る。上記化合物の投与は、症状の発生の最初の48時間以内、症状の発生の最初の24時間以内、症状の発生の最初の6時間以内または症状の発生の3時間以内に開始され得る。最初の投与は、任意の実用的な経路を介して、例えば、本明細書中に記載される任意の経路によって、本明細書中に記載される任意の製剤を用いて行われ得る。化合物は、疾患または状態の発生が検出された後または疑われた後にできる限り早く、かつその疾患の処置に必要な長さの時間、例えば、約1ヶ月間~約3ヶ月間にわたって、投与され得る。処置の長さは、各被験体ごとに異なり得る。
【0124】
本明細書中に記載される薬学的組成物は、正確な投薬量の単一投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形において、上記製剤は、適切な量の1種または複数種の化合物を含む単位用量に分割される。いくつかの実施形態において、化合物が投与され得る時間の長さは、約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1か月、約5週間、約6週間、約7週間、約8週間、約2か月、約9週間、約10週間、約11週間、約12週間、約3か月、約13週間、約14週間、約15週間、約16週間、約4か月、約17週間、約18週間、約19週間、約20週間、約5か月、約21週間、約22週間、約23週間、約24週間、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、約1年、約13か月、約14か月、約15か月、約16か月、約17か月、約18か月、約19か月、約20か月、約21か月、約22か月約23か月、約2年、約2.5年、約3年、約3.5年、約4年、約4.5年、約5年、約6年、約7年、約8年、約9年または約10年であり得る。処置の長さは、それぞれの被験体について変動し得る。
【0125】
本明細書中に記載される薬学的組成物は、正確な投薬量の単一投与に適した単位剤形であり得る。単位剤形において、上記製剤は、適切な量の1種または複数種の化合物を含む単位用量に分割される。その単位剤形は、別々の量の製剤を含む包装の形態であり得る。非限定的な例は、包装された注射剤、バイアルまたはアンプルである。水性懸濁物組成物は、単回投与用の再び密閉できない容器に包装され得る。複数回投与用の再び密閉できる容器も、例えば、保存剤と併用してまたは保存剤なしで、使用され得る。非経口注射用の製剤は、単位剤形、例えば、アンプルとして、または保存剤を含む複数回投与用の容器の中に、提供され得る。
【0126】
本明細書中に記載される化合物は、約1mg~約5mg、約5mg~約10mg、約10mg~約15mg、約15mg~約20mg、約20mg~約25mg、約25mg~約30mg、約30mg~約35mg、約35mg~約40mg、約40mg~約45mg、約45mg~約50mg、約50mg~約55mg、約55mg~約60mg、約60mg~約65mg、約65mg~約70mg、約70mg~約75mg、約75mg~約80mg、約80mg~約85mg、約85mg~約90mg、約90mg~約95mg、約95mg~約100mg、約100mg~約125mg、約125mg~約150mg、約150mg~約175mg、約175mg~約200mg、約200mg~約225mg、約225mg~約250mgまたは約250mg~約300mgの用量で被験体に投与され得る。
【0127】
本明細書中に記載される化合物は、約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、約100mg、約125mg、約150mg、約175mg、約200mg、約225mg、約250mgまたは約300mgの用量で被験体に投与され得る。
【0128】
本明細書中に記載される化合物は、約0.1μg、約0.2μg、約0.3μg、約0.4μg、約0.5μg、約0.6μg、約0.7μg、約0.8μg、約0.9μg、約1μg、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2.0μg、約2.1μg、約2.2μg、約2.3μg、約2.4約2.5μg、約2.6μg、約2.7μg、約2.8μg、約2.9μg、約3.0μg、約3.1μg、約3.2μg、約3.3μg、約3.4μg、約3.5μg、約3.6μg、約3.7μg、約3.8μg、約3.9μg、約4.0μg、約4.1μg、約4.2μg、約4.3μg、約4.4μg、約4.5μg、約4.6μg、約4.7μg、約4.8μg、約4.9μg、または約5.0μgの用量で被験体に投与され得る。
併用治療
【0129】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、眼内圧を調節するかまたは緑内障を処置する1またはそれを超える追加の薬剤と併用して投与され得る。追加の薬剤には、プロスタグランジンアゴニスト、β-アドレナリン受容体アンタゴニスト(β遮断薬)、炭酸脱水酵素阻害剤、α-アドレナリンアゴニスト、Rhoキナーゼ阻害剤、縮瞳薬、およびコリンアゴニストが含まれる。β遮断薬は、眼液(ocular fluid)の産生を減少させ得る。β遮断薬の全身性副作用は、適用後に目を閉じるか、または涙点閉鎖術(punctal occlusion)と呼ばれる、薬物が涙液排出管(tear drainage duct)および全身循環に入るのを防ぐ技術を使用することによって最小限に抑えることができる。αアドレナリンアゴニストは、眼液の産生を減少させ、排液を増加させることができる。炭酸脱水酵素阻害剤は、房水の産生を減少させることによって眼内圧を低下させる。Rhoキナーゼ阻害剤は、房水の排出を増加させ得る。
【0130】
追加の薬剤の限定されない例としては、チモロール、ベフノロール、ベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、メチプラノロール、メピンドロール、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ジクロフェナミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、エピネフリン、ブリモニジン、アプラクロニジン、リパスジル、ネタルスジル、ピロカルピン、カルバコール、およびエコチオパートヨウ化物が挙げられる。
プロスタグランジンアゴニスト併用治療
【0131】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、状態、例えば、本明細書に記載される眼の状態の処置のためにプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす1またはそれを超える化合物と併用して投与され得る。プロスタグランジンは、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物である。これらの化合物は、プロスタグランジンF2α受容体を刺激することにより眼圧降下活性を媒介する。プロスタグランジンは、プロスタグランジンアゴニストまたはプロスタグランジン類似体としても知られ、緑内障、上昇した眼内圧、または高眼圧症の処置に使用され得る眼圧降下薬である。プロスタグランジン類似体は、眼圧降下活性を有するプロスタグランジンの構造類似体である。例えば、プロスタグランジンは、線維柱帯およびシュレム管を通ってブドウ膜強膜流出を増加させるかまたは房水流出を増加させることにより、眼の眼内圧を低下させることができる。
【0132】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、プロスタグランジンF2α類似体である。プロスタグランジンF受容体(FP)は、プロスタグランジンF2α(PGF2α)に結合し、その生物学的作用を媒介する。眼の毛様体筋細胞および線維柱帯細胞に位置するFP受容体を刺激すると、ブドウ膜強膜経路として公知の、これらの細胞により形成された排出路を広げることができる。これらの排出路は、前眼房からシュレム管を通って眼球の外側に流れる房水の流出を増加させる。FP受容体の活性化によって引き起こされる房水の流出の増加は、眼内圧を低下させる。
【0133】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす本明細書に記載される化合物は、プロスタグランジンアゴニストのプロドラッグである。このプロドラッグは、被験体内で生物学的に活性な形態に代謝され得る。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、角膜支質でエステラーゼによって生物学的に活性な遊離酸形態に加水分解されるイソプロピルエステルプロドラッグである。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、プロスタミドである。プロスタミドの限定されない例には、ビマトプロストおよびプロスタミドF2αが含まれる。
【0134】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化15】
〔式中、
A)Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;かつ
X
2は、-C(=O)-、または-CH(OH)-である;あるいは
B)Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;かつ
X
2は-CH(G)-であり、ここで、GおよびBは、GおよびBが結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルケニルを形成する;あるいは
C)Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-CH(G)-であり、ここで、GおよびAは、GおよびAが結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルケニルを形成し;かつ
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-である〕
またはその薬学的に許容され得る塩である。
【0135】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化16】
であり、ここで、
A)Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;かつ
X
2は、-C(=O)-、または-CH(OH)-である;あるいは
B)Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;かつ
X
2は-CH(G)-であり、ここで、GおよびBは、GおよびBが結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルケニルを形成する;あるいは
C)Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-CH(G)-であり、ここで、GおよびAは、GおよびAが結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルケニルを形成し;かつ
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-である。
【0136】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化17】
であり、ここで、
Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
Gは、メチレンまたはOであり;
Vは、結合またはメチレンであり;かつ
Wは、-(O)
s(CH
2)
nC(=O)OR
1、-(CH
2)
nC(=O)N(R
1)R
2、-(CH
2)
nOR
1、または-(O)
s(CH
2)
nR
1であり、ここで、
R
1およびR
2は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
sは、0または1であり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である。
【0137】
いくつかの実施形態において、Bは、
【化18】
であり、ここで、
各々の
【化19】
は、単結合または二重結合を示し;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり(ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルである);かつ
Z
2は、-(CH
2)
nC(=O)OR
7、-(CH
2)
nC(=O)N(R
7)R
8-(CH
2)
nOR
7、または-(CH
2)
nR
9であり(ここで、R
7およびR
8は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールである);
R
9は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールであり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である。
【0138】
いくつかの実施形態において、Z2は、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、またはヘキサ-4-イン-2-イルである。
【0139】
いくつかの実施形態において、J1は、メチレン、ヒドロキシメチレン、フルオロメチレン、またはジフルオロメチレンである。
【0140】
いくつかの実施形態において、Wは、-(O)s(CH2)nCO2Hである。
【0141】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化20】
であり、ここで、
A)各々の
【化21】
は、単結合または二重結合を示し;
Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
Y
1は、Hであり;かつ
Z
1は、-(CH
2)
nC(=O)OR
4、-(CH
2)
nC(=O)N(R
4)R
5-(CH
2)
nOR
4、または-(CH
2)
nR
6であり(ここで、R
4およびR
5は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
R
6は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールであり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である);あるいは
B)各々の
【化22】
は、単結合または二重結合を示し;
Bは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、CH-Gであり、ここで、GおよびY
1は、GおよびY
1が結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、または置換ヘテロシクリルアルケニルを形成し;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;かつ
Z
1は、-(CH
2)
nC(=O)OR
4、-(CH
2)
nC(=O)N(R
4)R
5-(CH
2)
nOR
4、または-(CH
2)
nR
6である(ここで、R
4およびR
5は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
R
6は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールであり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である)。
【0142】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化23】
であり、ここで、
A)各々の
【化24】
は、単結合または二重結合を示し;
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
Y
2は、Hであり;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり、ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;かつ
Z
2は、-(CH
2)
nC(=O)OR
7、-(CH
2)
nC(=O)N(R
7)R
8-(CH
2)
nOR
7、または-(CH
2)
nR
9であり(ここで、R
7およびR
8は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
R
9は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールであり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である);あるいは
B)各々の
【化25】
は、単結合または二重結合を示し;
Aは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アレニル、ヒドロキシアルキル、またはアルコキシアルキルであり、これらはいずれも置換されているかまたは非置換であり;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
X
2は-CH(G)-であり、ここで、GおよびY
2は、GおよびY
2が結合している原子と一体になって、置換シクロアルキル、置換シクロアルケニル、置換ヘテロシクリルアルキル、置換ヘテロシクリルアルケニル、置換アリール、または置換ヘテロアリール環を形成し;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり、ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;かつ
Z
2は、-(CH
2)
nC(=O)OR
7、-(CH
2)
nC(=O)N(R
7)R
8-(CH
2)
nOR
7、または-(CH
2)
nR
9である(ここで、R
7およびR
8は、各々独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
R
9は、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、または置換もしくは非置換のアリールであり;かつ
nは、0、1、2、3、4、または5である)。
【0143】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化26】
であり、ここで、
各々の
【化27】
は、独立に、単結合または二重結合を示し;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり、ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;かつ
Z
1およびZ
2は、各々独立に、-(CH
2)
nC(=O)N(R
10)R
11、-(CH
2)
mC(=O)OR
12、-(CH
2)
oOR
13、-C(R
14)(R
15)C(R
16)(R
17)R
18、または-(CH
2)
pR
19である(ここで、
各R
10、R
11、R
12、R
13、R
18、およびR
19は、独立に、H、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6アルケニル、C
1~C
6アルキニル、C
1~C
6シクロアルキル、-SO
2Me、または置換もしくは非置換のアリールであり;
各R
14、R
15、R
16、およびR
17は、独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;かつ
各m、n、o、およびpは、独立に、0、1、2、3、4、または5である)。
【0144】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、以下の式の化合物
【化28】
であり、ここで、
各々の
【化29】
は、独立に、単結合または二重結合を示し;
X
1は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
X
2は、-C(=O)-または-CH(OH)-であり;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり、ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;かつ
R’は、-CO
2Me、-CO
2Et、-CO
2i-Pr、-CO
2H、-CO
2NHMe、-CO
2NHEt、または-CO
2NHSO
2Meであり;かつ
R’’は、-CH
2CH
2Ph、-CH
2CH
2Cy、-OPh、3-(トリフルオロメチル)フェノキシ、3-クロロフェノキシ、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシルである。
【0145】
いくつかの実施形態において、RAはHであり、RBはヒドロキシである。
【0146】
いくつかの実施形態において、RAはメチルであり、RBはヒドロキシである。
【0147】
いくつかの実施形態において、RAおよびRBは、フルオロである。
【0148】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、
【化30】
であり、ここで、
各々の
【化31】
は、独立に、単結合または二重結合を示し;
J
1は、-C(=O)-、-CH
2C(R
A)(R
B)-、または-C(R
A)(R
B)-であり、ここで、R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;
R’は、-CO
2Me、-CO
2Et、-CO
2i-Pr、-CO
2H、-CO
2NHMe、-CO
2NHEt、または-CO
2NHSO
2Meであり;かつ
R’’は、-CH
2CH
2Ph、-CH
2CH
2Cy、-OPh、3-(トリフルオロメチル)フェノキシ、3-クロロフェノキシ、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシルである。
【0149】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、
【化32】
であり、ここで、
R
AおよびR
Bは、各々独立に、H、ヒドロキシル、フルオロ、クロロ、ブロモ、メチル、またはエチルであり;
R’は、-CO
2Me、-CO
2Et、-CO
2i-Pr、-CO
2H、-CO
2NHMe、-CO
2NHEt、または-CO
2NHSO
2Meであり;かつ
R’’は、-CH
2CH
2Ph、-CH
2CH
2Cy、-OPh、3-(トリフルオロメチル)フェノキシ、3-クロロフェノキシ、n-ブチル、n-ペンチル、またはn-ヘキシルである。
【0150】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、
【化33-1】
【化33-2】
【化33-3】
またはその薬学的に許容され得る塩である。
【0151】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、ラタノプロスト、ジノプロストン、トレプロスチニル、エンプロスチル、ビマトプロスト、カルボプロスト、ベラプロスト、ルビプロストン、トラボプロスト、プロスタグランジンD2、プロスタグランジンE2、ジノプロストン、アルプロスタジル、ミソプロストール、タフルプロスト、エポプロステノール、ウノプロストン、イロプロスト、プロスタグランジンF2α、スルプロストン、ウノプロストン、ウノプロストンイソプロピル、ゲメプロスト、アルファプロストール、クロプロステノール、ラタノプロステンブノド、またはその薬学的に許容され得る塩である。
【0152】
ラタノプロステンブノドは、線維柱帯とブドウ膜強膜の両方の経路を介して房水の流出を増加させることによってIOPを低下させる。局所眼投与後、ラタノプロステンブノドは眼で急速に代謝されてラタノプロスト酸(活性部分)、F2αプロスタグランジン類似体、および一硝酸ブタンジオールになる。プロスタグランジン類似体部分(ラタノプロスト酸)は、ブドウ膜強膜流出を増加させ、一方、酸化窒素供与部分(一硝酸ブタンジオール)により放出された酸化窒素は、線維柱帯とシュレム管を通る流出を増加させる。
【0153】
トラボプロストは、ブドウ膜強膜流出を増加させることによってIOPを低下させる。トラボプロストは、イソプロピルエステルプロドラッグであり、角膜でエステラーゼによって加水分解されて、その生物学的に活性な遊離酸になる。
【0154】
タフルプロストは、プロスタグランジンF2αのフッ素化類似体である。タフルプロストは、エステルプロドラッグであり、眼内で加水分解されてその生物学的に活性な酸代謝産物になる。タフルプロスト酸は、ブドウ膜強膜流出を増加させることにより眼内圧を低下させ得る。
【0155】
ウノプロストンおよびウノプロストンイソプロピルは、プロスタグランジンF2αの構造類似体である。ウノプロストンおよびその誘導体は、従来の線維柱帯経路を介してブドウ膜強膜流出を増加させるかまたは房水流出を増加させることにより、上昇したIOPを低下させ得る。点眼後、ウノプロストンは角膜エステラーゼによって加水分解されて、その活性型であるウノプロストン遊離酸になる。ウノプロストンは、眼の中に入ると、虹彩および毛様体エステラーゼによってさらに代謝を受ける。ウノプロストンは、カリウムチャネル(BK)および塩化物チャネル(CIC-2型)を活性化し、それにより線維柱帯の弛緩と従来の経路を通る房水の流出増加をもたらし得る。
【0156】
ビマトプロストは、眼圧降下活性のある合成プロスタミド類似体である。ビマトプロストは、天然に存在する物質であるプロスタミドの作用を選択的に模倣する。ビマトプロストは、線維柱帯とブドウ膜強膜の両方の経路を介して房水の流出を増加させることによってIOPを低下させ得る。ビマトプロストは、角膜からよく吸収される。
【0157】
Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、緑内障、上昇した眼内圧、または高眼圧症の処置のために、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす1またはそれを超える化合物と、共製剤化されるか、同時投与されるか、または併用投与され得る。
【0158】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、2つの異なる製剤中に存在する。いくつかの実施形態において、この2つの異なる製剤は、同時にまたは付随して投与される。いくつかの実施形態において、この2つの異なる製剤は、同時にまたは逐次的に投与される。いくつかの実施形態において、治療量以下の量のプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が投与される。いくつかの実施形態において、治療上有効な量のプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が投与される。
【0159】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、逐次的に投与される、すなわち、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与の前または後のいずれかで投与される。連続投与の限定されない例には、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を、少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間、またはそれを超える時間を隔てて投与することが含まれる。いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、約1分、約5分、約10分、約20分、約30分、約1時間、約6時間、約8時間、または約12時間の時間を隔てて逐次的に投与される。Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤、あるいはプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物のいずれかが最初に投与される。Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、別々の組成物に含められてよく、それらは同一または異なる包装に含められてよい。
【0160】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与は、同時発生的である、すなわち、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤の投与期間と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与期間は互いに重なりあっている。いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与は同時発生的でない。例えば、いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤の投与は、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が投与される前に終了する。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与は、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤が投与される前に終了する。これらの2つの非同時発生的投与の間の期間は、数日から数週間の範囲で離れていてよい。
【0161】
Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与頻度は、投与する医師の判断に基づいて、処置の過程で調整することができる。別々に投与する場合、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、異なる投与頻度または間隔で投与され得る。例えば、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、1日2回投与され得るが、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、より多い頻度またはより少ない頻度で投与され得る。または、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、1日1回投与され得るが、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、より多い頻度またはより少ない頻度で投与され得る。さらに、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、同じ投与経路を使用して、または異なる投与経路を使用して投与され得る。
【0162】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、単一の医薬組成物で投与される。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、薬学的に許容され得る希釈剤またはキャリアをさらに含む。特定の実施形態によれば、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、異なる医薬組成物内で投与される。
【0163】
本明細書に開示される化合物は、例えば、静脈内、硝子体内、鼻腔内、気管内、肺内、経粘膜、皮下、筋肉内、経口、直腸、エアロゾル、非経口、眼、肺、経皮、膣、耳、鼻、および局所投与をはじめとする、様々な形態および経路によって、治療有効量で投与され得る。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、局所用点眼薬として投与される。
【0164】
本明細書に開示される化合物は、任意の投与頻度で投与され得る。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、1日1回、1日2回、1日3回、毎週、週2回、2週間に1回、または毎月投与される。
【0165】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、約0.001%~約20%の重量/重量、質量/質量、重量/体積、質量/体積、または体積/体積パーセンテージの量で組成物または用量中に存在し得る。いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%のパーセンテージで組成物中に存在し得る。
【0166】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、約1μg~約5μg、約5μg~約10μg、約10μg~約15μg、約15μg~約20μg、約20μg~約25μg、約25μg~約30μg、約30μg~約35μg、約35μg~約40μg、約40μg~約45μg、約45μg~約50μg、約50μg~約55μg、約55μg~約60μg、約60μg~約65μg、約65μg~約70μg、約70μg~約75μg、約75μg~約80μg、約80μg~約85μg、約85μg~約90μg、約90μg~約95μg、または約95μg~約100μgの範囲で組成物または用量に存在し得る。
【0167】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、約0.5μg、約1μg、約1.5μg、約2μg、約2.5μg、約3μg、約3.5μg、約4μg、約4.5μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約55μg、約60μg、約65μg、約70μg、約75μg、約80μg、約85μg、約90μg、約95μg、約100μg、約150μg、約200μg、約250μg、約300μg、約350μg、約400μg、約450μg、約500μg、約550μg、約600μg、約650μg、約700μg、約750μg、約800μg、約850μg、約900μg、約950μg、または約1000μgの量で組成物または用量に存在し得る。
【0168】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、約0.001%~約5%の重量/重量、質量/質量、重量/体積、質量/体積、または体積/体積パーセンテージの量で組成物または用量中に存在し得る。例えば、本明細書に開示される化合物は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.006%、約0.007%、約0.008%、約0.009%、約0.01%、約0.02%、約0.03%、約0.04%、約0.05%、約0.06%、約0.07%、約0.08%、約0.09%、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%、約3%、約4%、または約5%の量で組成物または用量中に存在し得る。
【0169】
いくつかの実施形態において、本明細書に開示される化合物は、局所点眼薬として投与され、各点眼薬の体積は、約20μL、約25μL、約30μL、約31μL、約32μL、約33μL、約34μL、約35μL、約40μL、約45μL、または約50μLである。
【0170】
いくつかの実施形態において、Tie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物と併用して、2回の治療の投与の間が少なくとも1分、少なくとも2分、少なくとも3分、少なくとも4分、少なくとも5分、少なくとも6分、少なくとも7分、少なくとも8分、少なくとも9分、少なくとも10分、少なくとも15分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも60分、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも7時間、少なくとも8時間、少なくとも9時間、少なくとも10時間であるか、またはそれを超える、別々の点眼投与で投与される。
【0171】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物と併用して投与されるTie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、眼内圧を約1mmHg~約20mmHg、約1mmHg~約10mmHg、約1mmHg~約5mmHg、約2mmHg~約8mmHg、約3mmHg~約6mmHg、約5mmHg~約10mmHg、または約6mmHg~約8mmHg低下させることができる。
【0172】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物と併用して投与されるTie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、眼内圧を約1mmHg、約2mmHg、約3mmHg、約4mmHg、約5mmHg、約6mmHg、約7mmHg、約8mmHg、約9mmHg、約10mmHg、約11mmHg、約12mmHg、約13mmHg、約14mmHg、約15mmHg、約16mmHg、約17mmHg、約18mmHg、約19mmHg、約20mmHg、または20mmHgを超えて低下させることができる。
【0173】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物と併用して被験体に投与されるTie-2活性化物質またはHPTPβ阻害剤は、被験体の睫毛の成長を増強するか、または睫毛の肥厚化を引き起こし得る。
ラタノプロストの組み合わせ
【0174】
いくつかの実施形態において、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物は、ラタノプロストである。いくつかの実施形態において、ラタノプロストは、0.005%(50μg/mL)ラタノプロスト点眼液として投与される。いくつかの実施形態において、この点眼液は、pHが約6.7、質量オスモル濃度が約267mOsmol/kgのラタノプロストの無菌の等張緩衝水溶液である。ラタノプロスト点眼液は、1mLあたり50μgのラタノプロストを含有し得る。塩化ベンザルコニウム0.02%を防腐剤として添加することができる。不活性成分には、塩化ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム一水和物、リン酸水素二ナトリウム無水物、および注射用水が含まれ得る。1滴には約1.5μgのラタノプロストが含まれている。
【0175】
ラタノプロストは、プロスタノイド選択的FP受容体アゴニストであり、房水の流出を増加させることにより、例えば、ブドウ膜強膜流出を増加させることにより、IOPを低下し得る。上昇したIOPは、緑内障性視野喪失の主要な危険因子である。IOPのレベルが高いほど、視神経損傷および視野喪失の可能性が高くなる。
薬物動態学/薬力学
【0176】
吸収:ラタノプロストは、角膜を通して吸収され、そこでイソプロピルエステルプロドラッグは加水分解されて酸の形態になり、生物学的に活性となる。ヒトでの研究では、局所投与から約2時間後房水中でピーク濃度に達し得ることが示されている。
【0177】
分布:ヒトでの分布体積は、0.16±0.02L/kgであり得る。ラタノプロストの酸は、最初の4時間は房水中で測定され得、血漿中では、局所投与後の最初の1時間の間だけ測定され得ることもある。
【0178】
代謝:イソプロピルエステルプロドラッグであるラタノプロストは、角膜のエステラーゼによって加水分解されて生物学的に活性な酸になり得る。全身循環に到達するラタノプロストの活性酸は、主に肝臓で脂肪酸のβ酸化を介して1,2-ジノールおよび1,2,3,4-テトラノール代謝物に代謝され得る。
【0179】
排泄:ラタノプロストの酸のヒト血漿からの除去は、静脈内投与後も局所投与後も急速であり得る(例えば、t1/2=17分)。全身クリアランスは、約7mL/分/kgであり得る。肝臓のβ酸化の後、代謝物は主に腎臓から排泄され得る。いくつかの実施形態において、局所投与後および静脈内投与後に、投与された用量の約88%および98%がそれぞれ尿中に回収され得る。
動物実験
【0180】
いくつかの実施形態において、ラタノプロストは、虹彩の色素沈着の増加を誘導し得る。色素沈着の増加のメカニズムは、例えば、増殖性の変化が観察されない、虹彩のメラニン細胞でのメラニン産生の刺激であり得る。虹彩の色の変化は永久的なものであり得る。
適応症および使用法
【0181】
ラタノプロストは、開放隅角緑内障または高眼圧症の患者において上昇したIOPを低下させるために使用され得る。
臨床研究
【0182】
いくつかの実施形態において、多施設無作為化比較対照試験で6カ月間処置された、平均ベースライン眼内圧が24~25mmHgの対照試験の患者は、IOPにおける6~8mmHgの低下を実証し得る。
禁忌
【0183】
禁忌には、例えば、ラタノプロスト、塩化ベンザルコニウム、またはラタノプロスト点眼液中の他の成分に対する過敏症が含まれ得る。
注意
【0184】
類嚢胞黄斑浮腫を含む黄斑浮腫が、ラタノプロストによる処置中に、例えば、無水晶体患者、水晶体後嚢が破れた偽水晶体患者、または黄斑浮腫の既知の危険因子をもつ患者において起こる可能性がある。いくつかの実施形態において、ラタノプロストは、無傷の後嚢を持っていない患者、または黄斑浮腫の既知の危険因子を有する患者に、注意して使用されるべきである。
【0185】
いくつかの実施形態において、コンタクトレンズは、ラタノプロストの投与前に外され、投与の15分後に再び挿入され得る。
有害反応
【0186】
ラタノプロスト点眼液に関連する眼の有害事象ならびに眼の徴候および症状の非限定的な例としては、かすみ目、焼灼感(burning)および刺痛、結膜充血、異物感、そう痒、虹彩の色素沈着の増加、点状上皮角膜症、ドライアイ、涙の過剰分泌、眼の痛み、眼瞼痂皮、眼瞼の不快感/痛み、眼瞼浮腫、眼瞼紅斑、羞明、結膜炎、複視、目やに、網膜動脈塞栓、網膜剥離、および糖尿病性網膜症による硝子体出血、上気道感染症/風邪/インフルエンザ、胸痛/狭心症、筋肉/関節/背痛、および発疹/アレルギー性皮膚反応が挙げられる。
【0187】
ラタノプロスト点眼液に関連する有害事象の非限定的な例としては:喘息および喘息憎悪;角膜浮腫および角膜びらん;呼吸困難;睫毛および軟毛の変化(長さ、厚さ、色素沈着、および数の増加);眼瞼皮膚の黒ずみ;ヘルペス性角膜炎;眼内炎症(虹彩炎/ブドウ膜炎);角膜炎;類嚢胞黄斑浮腫を含む黄斑浮腫;眼の刺激をもたらすことのある睫毛の乱生;めまい、頭痛、および中毒性表皮壊死症;眼瞼溝の深化をもたらす眼窩周囲と瞼の変化が挙げられる。
投与量および投与
【0188】
投与量の例は、夜に1日1回、1または複数の罹患した眼に1滴(1.5μg)であり得る。1回の用量を逃した場合、通常どおり次の用量で処置を継続することができる。
【0189】
いくつかの実施形態において、ラタノプロスト点眼液の投与量は、1日1回を超えない。
【0190】
いくつかの実施形態において、眼内圧の低下は、投与から約3~4時間後に始まり、約8~12時間後に最大の効果に達する。
供給方法
【0191】
ラタノプロスト点眼液は、例えば、ラタノプロスト0.005%(50μg/mL)の無色透明で等張性の緩衝保存溶液であり得る。この溶液は、透明な低密度ポリエチレン製の点眼器先端部、ターコイズの高密度ポリエチレン製ねじ口、および不正開封防止の(tamper-evident)透明な低密度ポリエチレン製オーバーキャップを備えた5mLの透明な低密度ポリエチレン製ボトル中の2.5mL溶液として供給され得る。
【0192】
保存:製品は、遮光保存され得る。製品は、1または複数の未開封ボトルにおいて、2℃~8℃(36°F~46°F)の冷蔵下で保存され得る。患者への輸送中、ボトルは40℃(104°F)までの温度で、例えば8日間を超えない期間維持され得る。使用するためにボトルを開封したら、それは、25℃(77°F)までの室温で6週間保存することができる。
Tie-2活性化物質による被験体の処置
【0193】
本開示は、上昇した眼内圧に苦しむ被験体をTie-2の活性化物質またはHPTPβの阻害剤で処置するための方法を開示する。その被験体は、ヒトであり得る。処置は、臨床試験においてヒトを処置することを含み得る。処置は、本開示全体に記載される1つまたはそれを超えるTie-2の活性化物質を含む薬学的組成物を被験体に投与することを含み得る。処置は、Tie-2分子のリン酸化を促進する治療を被験体に施すことを含み得る。
【0194】
いくつかの実施形態において、本発明は、上昇した眼内圧、高眼圧または緑内障の処置において使用するためのTie-2活性化物質を提供する。いくつかの実施形態において、本発明は、上昇した眼内圧、高眼圧または緑内障を処置するための医薬の製造において使用するためのTie-2活性化物質を提供する。
【0195】
いくつかの実施形態において、眼内圧または高眼圧は、緑内障が原因である。いくつかの実施形態において、緑内障は、開放隅角緑内障である。いくつかの実施形態において、緑内障は、原発解放隅角緑内障である。いくつかの実施形態において、緑内障は、炎症性または血管新生緑内障である。
【0196】
投与される可能性のある被験体の非限定的な例としては、以下が挙げられる。被験体は、ヒト、非ヒト霊長類(例えば、チンパンジーならびに他の類人猿およびサル種);農場動物(例えば、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ);家庭動物(例えば、ウサギ、イヌおよびネコ);および実験動物(ラット、マウスおよびモルモットを含む)であり得る。被験体は、任意の年齢であり得る。被験体は、例えば、高齢者、成年、青年、前青年期の者(pre-adolescent)、小児、幼児および乳児であり得る。
【0197】
いくつかの状態が、Ang-2レベルの増加をもたらし得、循環中のAng-1/Ang-2の比を変化させ得る。いくつかの態様において、治療は、循環中のAng-1/Ang-2の比を変化させることによって、疾患状態、例えば、眼内圧増加または緑内障、の転帰を改善し得る。治療は、約1:約1、約2:約1、約3:約1、約4:約1、約5:約1、約6:約1、約7:約1、約8:約1、約9:約1または約10:約1のAng-1/Ang-2比またはAng-2/Ang-1比を提供し得る。
【実施例】
【0198】
実施例1.HPTPβに対する阻害活性を有する化合物。
例示的な化合物のHPTPβ IC
50(μM)活性の非限定的な例を表1に列挙する。
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
【表1-8】
【表1-9】
【表1-10】
【表1-11】
【表1-12】
【表1-13】
【表1-14】
【表1-15】
【表1-16】
【表1-17】
【表1-18】
【表1-19】
【表1-20】
【表1-21】
【表1-22】
【表1-23】
【表1-24】
【表1-25】
【表1-26】
【表1-27】
【表1-28】
実施例2.Tie-2活性化物質とプロスタグランジンの併用は、原発解放隅角緑内障のヒト患者の眼内圧を低下させた。
【0199】
無作為化二重盲検フェーズ1b試験をデザインして、高眼圧症(OHT)または原発解放隅角緑内障(POAG)の処置のためのプロスタグランジン補助的療法としてのTie-2活性化物質(化合物1)の安全性、忍容性および有効性を評価した。この研究では、3:1に無作為化されて化合物1またはプラセボを7日間受けた12名の被験体の4つの逐次的なコホートにおいて、点眼薬として局所投与された漸増濃度の化合物1(5mg/mL QD、15mg/mL QD、40mg/mL QD、および40mg/mL BID)の効果を評価した。結膜充血およびIOPは、-1日目(ベースライン)、1日目(化合物1の投与初日)、および7日目(投与最終日)の0(投与前)、投与から2時間後、4時間後、および8時間後に評価した。
【0200】
この研究の選択基準は以下の通りであった:
-男性、および非妊娠、非授乳中の女性
-18歳~80歳(両端を含む)。
-肥満度指数が35kg/m2以下であるか、または範囲外の場合には、治験責任医師が臨床的に重要でないとみなされた場合。
-スクリーニング中の2つの別の日に、少なくとも1つの眼(同じ目でなければならない)でIOPが17mmHg以上、そしてスクリーニング中の2つの別の日に両眼でIOP27mmHg以下である。
-コホート5の場合、ベースライン(-1日目)のすべての時点で36mmHg以下。
-中心角膜厚が480~600μm(両端を含む)。
-意思疎通し研究全体に参加する意思があり、かつそれらができなければならない。
-書面によるインフォームドコンセントを提供しなければならない。
-OAGまたはOHTの診断。
-スクリーニングの前に少なくとも4週間の現行のプロスタグランジン治療を行わなければならない。追加の炭酸脱水酵素阻害治療またはコリンアゴニスト治療を受けている被験体は、-1日目の前に少なくとも7日間ウォッシュアウトされた;現在その他のIOP低下治療中の被験体は適格ではない。
【0201】
この研究の除外基準は以下の通りであった:
-1日10本を超えるタバコの喫煙者またはそれに準ずる者。
-妊娠中または授乳中の女性、または今後3か月以内に妊娠する予定の女性。
-許容され得る避妊方法(例えば、1つの非常に効果的な避妊方法[失敗率1%未満]、または2つの効果的な避妊方法の組合せ)を用いていない、出産の可能性のある女性。
-スクリーニングの90日以内の全身または眼の副腎皮質ステロイド処置の使用、または研究期間中にその使用を必要とする可能性が高いこと。皮膚科用副腎皮質ステロイド(顔面の皮膚科用副腎皮質ステロイド以外)および鼻腔内ステロイドは許可された。安定な用量の吸入ステロイドは許可された。
-臨床的に重要な疾患または障害の病歴があること。これは、治験責任医師の見解によると、研究への参加のために被験体が危険にさらされ得るか、被験体が研究に参加する能力に影響を及ぼし得るか、または被験体の研究結果の解釈を妨げる可能性がある。確立された薬物療法でベースラインの医学的状態が安定している被験体は、治験責任医師の判断により、含められてよい;例えば、良好に管理された高血圧症、2型糖尿病、または吸入副腎皮質ステロイドによる処置を必要としない軽度で安定した喘息など。医療用大麻の使用は除外される。
-1日目よりも前に30日または治験薬の5半減期のいずれか長い方の期間内に治験薬またはデバイスを使用すること、あるいは本試験中から最後の来診までの間に別の調査研究に継続的に参加していることまたは参加を予定していること。
-偽落屑緑内障または色素散乱成分緑内障(pigment dispersion component glaucoma)を有している被験体、あるいは閉塞隅角または狭い虹彩角膜隅角(以前の周辺虹彩切開術を含む)の病歴がある被験体、あるいは隅角鏡検査で隅角の狭小化または隅角の閉塞のエビデンスのある被験体、あるいは以前に緑内障の切開手術またはレーザー手術、またはスクリーニングから1年経過していない屈折矯正手術を受けたことのある被験体、あるいはスクリーニングから6か月以内に行った視野で中心窩の10度以内に暗点がある被験体。スクリーニングから1年を超えて経過した屈折矯正手術の病歴は、治験責任医師の判断により許容され得る。
-スクリーニング期間中に任意の点眼薬(潤滑滴剤(lubricating drop)/人工涙液を含む)を使用すること、研究参加期間中に点眼薬(PMプロスタグランジン点眼薬以外)を必要とすること。
-スクリーニングから6か月以内の臨床的に重要な眼の外傷。
-スクリーニングから6か月以内の眼内眼科手順。
-スクリーニングから90日以内の眼炎症またはいずれかの眼の再発性ブドウ膜炎の病歴。
-既知のあらゆる慢性眼疾患(初発白内障または屈折異常、またはOAG/OHT以外)のある被験体。
-有効な圧平眼圧測定を妨げるあらゆる状態;例えば、臨床的に重要な角膜疾患、屈折矯正手術。
-研究およびスクリーニング評価中にコンタクトレンズの装用を中止できないこと。
-視力(VA)がいずれかの眼で20/100よりも悪いこと。
-治験実施施設の従業員、または治験実施施設もしくは治験依頼者の従業員の近親者である被験体。
-過去2年間に薬物またはアルコールの乱用の履歴があること。
-男性で週21単位超、女性で週14単位超の定期的なアルコール消費(1単位=1/2パイントのビール、40%の蒸留酒25mL、または125mLのグラスワイン)。
-治験責任医師の判断による、処置を必要とする薬物過敏症を含む、臨床的に重要なアレルギーの病歴があること。
-その他の理由で、参加への適合性を治験責任医師に納得させることができない場合。
【0202】
この研究では、OHT/POAGを有し、ベースラインIOP測定値が17~27mmHg(両端を含む)の間であり、1日1回プロスタグランジン治療を受けている36名のヒト被験体が採用された。被験体を3:1に無作為化して、朝(AM)に7日間、1日1回の40mg/mLの化合物1(27名)、またはプラセボ(9名)を投与し、夜(PM)に1日1回のプロスタグランジン治療を継続した。化合物1(40mg/mL)は、15%HPβCDおよび1%マンニトールに処方されたナトリウム塩であった。化合物1の点眼液は、滅菌濾過の前に1N塩酸および/または1N水酸化ナトリウムでpH6.5~7.5に調整された。プラセボは、化合物1点眼液のビヒクルと同じ溶液であった。試験薬(化合物1またはプラセボ)の各用量は、各被験体の眼あたり1滴(30μL)の投与溶液として投与された。化合物1を、点眼薬を送達する点眼器ボトルを使用する局所眼経路によって各眼に投与した(ただし、コホート1の1日目および2日目は右眼のみに化合物1を受容した)。化合物1は、毎日の朝の単回投与として7日間投与された。プロスタグランジン治療、例えば、ラタノプロスト0.005%(50μg/mL)、トラボプロスト0.004%(40μg/mL)、ビマトプロスト0.01%(100μg/mL)または0.03%(300μg/mL)、タフルプロスト0.0015%(15μg/mL)、またはラタノプロステンブノド0.024%(240μg/mL)は、1日1回夜に両眼に投与された。
【0203】
IOPは、-1日目、1日目、および7日目の投与前(0時間)、投与から2時間後、4時間後、および8時間後に測定した。昼間の時点でのIOPの評価は、1日目と7日目に両眼で実施した(投与前と投与から2、4、および8時間後)。視野試験、結膜充血およびIOPも評価した。IOPは、示されるようにスクリーニング時、ベースライン時、および処置中に両眼のゴールドマン圧平眼圧測定によって評価した。IOPは次のように実行される:2回測定し、不一致の場合は3回目を測定する。
【0204】
図1は、プロスタグランジン治療と併用して化合物1で処置された被験体の、-1日目、1日目、および7日目の平均IOPの変化を示す。7日目の投与前を含むすべての投与後の時点でベースラインからのIOPの統計学的に有意な低下が観察された。7日目の日内平均低下は、プラセボの0.06mmHg(p=0.462)と比較して、-1.58mmHg(p<0.0001)であった。
【0205】
図2は、1日目と7日目のベースラインからの平均IOPの変化を示す。
【0206】
化合物1+プロスタグランジンは、プロスタグランジン単独(プラセボを含む)と比較して、7日目の投与から0、4、および8時間後にIOP(ベースラインからのプラセボ補正変化)の統計学的に有意な低下をもたらし(0時間-2.26mmHg、p=0.007;2時間-1.24mmHg、p=0.138;4時間-1.47mmHg;p=0.048;8時間-1.80mmHg;p=0.041)、化合物1をプロスタグランジン治療と併用することの一貫した持続的な利益が示唆された。
【0207】
表2は、7日目の日内IOP低下の分類別分析を示す。約40%の患者は、日内IOPが16mmHg未満であり、日中IOPが2mmHg以上低下していた。
【表2】
【0208】
表3は、1日目および7日目の0、2、4、および8時間でのベースライン(-1日目)からのプラセボ補正平均IOP変化を示す。
図3は、プロスタグランジンとプラセボで処置した被験体の-1日目、1日目、および7日目の平均IOPの変化を示す。7日目のプラセボ補正されたベースラインからの変化は、-1.24から-2.26の範囲であり、4つの時点のうち3つで統計学的に有意であった。7日目のプラセボ補正された日内平均IOP低下は、-1.66であった(p=0.0103)。
【表3】
【0209】
表4は、来診および研究時点の研究眼と他眼の眼内圧(IOP、mmHg)の平均の分類を示す。
【表4】
【0210】
図4は、投与前1日目から7日目までの化合物1とプロスタグランジン(Cpd1+PG)またはプロスタグランジンとプラセボ(PG)についての充血スコアの変化を示す。
【0211】
結膜充血のスコアリングは次の通りであった:
なし(0)-正常。白く見え、少数の結膜血管が容易に観察される。
最小(1)-眼球結膜または眼瞼結膜のいずれかのかすかにピンクがかった色。
軽度(2)-眼球結膜と眼瞼結膜の両方の目立つピンクがかった赤色。
中程度(3)-眼球結膜および眼瞼結膜の緋赤色。
重度(4)-点状出血を伴う「牛肉様の赤(Beefy Red)」。膜下出血の証拠を伴うまたは伴わない暗赤色の眼球結膜および眼瞼結膜。
【0212】
化合物1の局所眼投与は、7日間の研究にわたって良好な忍容性を示した。化合物1+プロスタグランジンで処置した投与アームでは、18.8%の被験体が充血を経験したが、それと比較して、プロスタグランジン単独アームでは9.1%の被験体が充血を経験した。すべての症例において、この充血は重症度が最小から軽度であって持続時間は一過性であり、一般に有害でないと考えられた。7日間の投与中の点眼による結膜出血または疼痛の報告はなかった。健康な被験体と同様に、化合物1で処置した被験体は、2時間で充血がベースラインを超えてわずかに増加したが、投与後8時間までにベースラインレベルに戻った。
実施例3.Tie-2活性化物質は、正常圧の犬においてプロスタグランジン誘発性IOP低下を増大する。
【0213】
無作為化二重盲検フェーズ1b試験をデザインして、Tie-2活性化物質(化合物1)の単独での、またはプロスタグランジン治療に対する補助的療法としての安全性、忍容性および有効性を評価した。4%化合物1の単回または反復局所眼投与を、単独でまたは0.005%ラタノプロストとともに、正常圧の雌ビーグル犬に投与した。研究デザインは表5にまとめられている。
【表5】
MF、市販製剤のXalatan(登録商標)。
OU、両眼。
VC、ビヒクルコントロール[15%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPβCD)+1%マンニトール]。
a1日目にのみOUに投与される35μLの局所眼用量。
b1日1回、5日間OUに投与される35μLの局所眼用量。
c1日1回、MF中0.005%ラタノプロスト35μLの局所眼用量。5分後、35μLのVC中4%化合物1(フェーズ4a)またはVC(フェーズ4b)のいずれかを局所眼用量。この投与レジメンをOUに5日間投与した。
【0214】
眼内圧は、フェーズ1のすべての動物について、-1日目および1日目の(1日目の投与時間に対して)投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間に測定され、フェーズ2のすべての動物について1日目の投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間に測定された。フェーズ1のベースライン(-1日目)のIOP測定値をフェーズ2のベースラインとして使用した。フェーズ3および4のすべての動物について、-1日目および1日目の投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間、4日目の投与後0および2時間、そして5日目の投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間にIOPを測定した。
【0215】
委員会認定の獣医学眼科医が、投与前(フェーズ1の前)にすべての動物の眼科検査を実施し、フェーズ3では-2日目および4日目に、フェーズ4では-2、4、および13日目に実施した。
【0216】
すべての犬は、初回投与の前少なくとも4週間にわたって反跳式眼圧計(TonoVet(登録商標))を使用するIOP測定手順に事前条件付け(訓練)され、犬が条件付けされたままであることを確実にするためにウォッシュアウト期間中にも測定が実施された。この研究は、非無作為化クロスオーバーデザインを採用し、同じ群の12匹をフェーズ1~3に使用し、最初の6匹をフェーズ4aに使用し、残りの6匹をフェーズ4bに使用した。フェーズ1と2の間に2日間のウォッシュアウト期間、フェーズ2と3の間に13日間のウォッシュアウト期間、フェーズ3と4の間に9日間のウォッシュアウト期間が生じた。
【0217】
IOP測定値は、各犬についてフェーズ間で評価され、次のフェーズの開始前には投与前のベースライン測定値の少なくとも80%に戻っていた。すべてのフェーズにおいて、犬に1日1回、35μLの両側局所眼用量の記載された1または複数の試験物質を投与した。フェーズ1では、すべての犬にビヒクルコントロール(15%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン[HPβCD]+1%マンニトール)を1日目にのみ投与した。フェーズ2では、すべての犬に市販製剤のXalatan(登録商標)(0.005%ラタノプロスト)を1日目にのみ投与した。フェーズ3では、すべての犬にビヒクル製剤中4%化合物1を1日目から5日目まで投与した。フェーズ4では、すべての犬に、局所眼用量の0.005%ラタノプロスト(Xalatan(登録商標))を投与した後、ビヒクルコントロール製剤中4%化合物1(動物D0001~D0006;フェーズ4a)またはビヒクルコントロール(動物D0007~D0012;フェーズ4b)を1日目から5日目まで投与した。
【0218】
4%化合物1のみの反復局所眼投与(フェーズ3)により、24眼のうち21眼が結膜充血(4日目に観察されたスコアは13眼で1+、8眼で2+)がもたらされたが、瞳孔サイズに識別可能な変化はなく、トロピカミドに対して正常な応答が観察された。0.005%ラタノプロストの反復局所眼投与と、続いて直ちにビヒクルコントロールまたは4%化合物1のいずれかの局所眼投与(フェーズ4)を行った結果、トロピカミドの局所眼適用後に激しい縮瞳が生じ、瞳孔の散大が起こらなくなった。縮瞳は、ラタノプロストの局所眼投与に関連している。0.005%ラタノプロストおよびビヒクルコントロールを投与した眼の4日目の結膜充血スコア(10眼で1+、2眼で2+)は、0.005%ラタノプロストと4%化合物1を投与した眼で観察されたスコア(4眼で1+、6眼で2+、2眼で3+)よりも低かった。0.005%ラタノプロストと4%化合物1を投与した眼の結膜充血スコアも、いずれかの薬物を単独で投与した場合に観察されたスコアよりも大きかった。
【0219】
単回局所眼投与の後、ベースライン補正値またはベースラインIOP値からの変化%のEmaxおよびAUECで評価したIOPの最大の低下は、0.005%ラタノプロストと4%化合物1の投与(フェーズ4a);続いて0.005%ラタノプロストを単独で(フェーズ2)またはビヒクルコントロールとの(フェーズ4b)投与;次に4%化合物1の単独での投与(フェーズ3);最後にビヒクルコントロールの投与(フェーズ1)で観察された。5日間の投与後、化合物1単独(フェーズ3)および0.005%ラタノプロストとその直後のビヒクルまたは化合物1(フェーズ4)のIOP低下効果は、1日目のそれぞれのIOP低下効果と一致したままだった。さらに、5日目の時間0に測定された補正IOPは、フェーズ4aの1日目の時間0よりも低く、IOP低下は、ラタノプロストと同時投与した場合に、化合物1の投与後少なくとも24時間持続することが示唆された。
【0220】
補正IOP値およびベースラインからの変化のパーセンテージから評価されるように、ビヒクルコントロール(フェーズ1)の局所眼投与の後にIOPのわずかな低下が観察され;投与後0時間と1時間の補正IOP値は他の処置フェーズの値と比較して概してわずかに低かった。この知見は、ビヒクルコントロールのベースライン補正IOPパラメータ値が、ビヒクルコントロールと比較して他の処置フェーズの有効性の過小評価をもたらした可能性があることを示唆する。
【0221】
全体として、ビヒクルコントロールの局所眼投与の後、IOPの低下が観察され、Emax値は10.8%/-1.85mmHg、AUEC0-tは33.2h%/-5.36h mmHgであった。ビヒクルコントロール中4%化合物1の単回局所眼投与の後、ビヒクルコントロール単独の投与の後と比較して、より大きいIOPの低下が観察され、Emax値は17.3%/-3.58mmHg、AUEC0-tは70.3h %/-13.7h mmHgであった。MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロール中4%化合物1の単回(1日目)局所眼投与の後、より大きいIOPの低下(Emax値が34.7%/-5.64mmHg、AUEC0-tが151h %/-24.6h mmHg)が、MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールの投与後(Emax値が28.7%/-4.50mmHg、AUEC0-tが130h %/-19.6%h mmHg)と比較して観察された。
ビヒクルコントロール(フェーズ1、3、および4)
【0222】
ビヒクルコントロール(15%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン[HPβCD]と1%マンニトール)は、注射用滅菌水(SWFI)を用いて処方された。
動物と飼育
系統と供給源
【0223】
雌純血種ビーグル犬は、初回投与前の少なくとも6週間、研究条件に順応させた。初回投与時、動物の体重は7.8~8.8kgであり、月齢は10~11か月であった。
収容
【0224】
順化および試験期間中、動物はステンレス鋼のケージに収容された。動物は、必要に応じて、SOPに従って混合された;動物は、試験物質に関連するあらゆる影響のモニタリングを可能にするために、試験物質投与後少なくとも24時間は混合されなかった。動物は、研究関連手順のため、あるいは行動または健康上の理由で個々に収容された。
飼料と水
【0225】
Certified Canine Diet #5007C(PMI、Inc.)が自由に与えられた。水は毎日新鮮な状態で自由に与えられた。
エンリッチメントとおやつ(treats)
【0226】
環境的および心理的エンリッチメントのため、適用されるSOPに従って、様々なケージおよび/または餌のエンリッチメント(分析を必要としない)が提供された。食餌は、SOPに従って適切なおやつ(分析を必要としない)で補充された。
環境
【0227】
動物飼育室の環境制御は、温度20℃~26℃、相対湿度50%±20%、および12時間の明/12時間の暗サイクルを維持するように設定された。必要に応じて、12時間の暗サイクルを中断し、研究手順に適応させた。
動物の選択
【0228】
動物は無作為化されなかった。動物は、全体的な健康、体重、順化行動、およびIOP測定値に基づいて研究で使用するために選択された。
識別
【0229】
動物は、個々のケージカードと埋め込み型マイクロチップ識別デバイス(IMID)によって識別された。
用量の調製および分析
【0230】
すべての製剤は、無菌技術を使用して層流フード内で調製された。
フェーズ1および4(ビヒクルコントロール)
【0231】
ビヒクルコントロール(滅菌水中15%HPβCDおよび1%マンニトール)を調製し、光から保護して周囲温度で保存した。フェーズ4では、毎日の分配のためにビヒクル溶液をアリコートに分けた。
【0232】
フェーズ1:HPβCD粉末(750.24mg)をSWFI(約4mL)に添加し、溶解するまで磁気的に撹拌した。マンニトール(50.46mg)を添加し、微粒子のない溶液が得られるまで磁気的に攪拌した。この製剤は、無色透明の溶液であった。製剤のpHを測定し(初期pH:4.88)、0.1N水酸化ナトリウム(NaOH)でpHを6.26に調整した。製剤はSWFIで最終体積を5mLとされ、最終pHは6.30であった。0.22ミクロンのPVDFフィルタを使用して製剤を滅菌濾過した。
【0233】
フェーズ4:HPβCD粉末(1501.7mg)をSWFI(約8mL)に添加し、溶解するまで磁気的に撹拌した。マンニトール(100.2mg)を添加し、微粒子のない溶液が得られるまで磁気的に攪拌した。この製剤は、無色透明の溶液であった。製剤のpHを測定した(初期pH:7.54)。製剤はSWFIで最終体積を10mLとされ、最終pHは7.22であった。0.22ミクロンのPVDFフィルタを使用して製剤を滅菌濾過した。
フェーズ2およびフェーズ4(Xalatan(登録商標))
【0234】
0.005%ラタノプロスト製剤(Xalatan(登録商標))を、供給されたまま投与した。製剤を保存場所から取り出し、周囲温度に到達させた。フェーズ4では、無菌技術を使用して層流フード内で毎日分配するために、製剤をアリコートに分けた。この製剤は、無色透明の溶液であった。
フェーズ3および4[ビヒクルコントロール(15%HPβCDおよび1%マンニトール)中4%化合物1]
【0235】
化合物1の用量製剤を、フェーズ3用に1回、フェーズ4用に1回調製し、周囲温度で保存し、光から保護し、毎日の分配のためにアリコートに分けた。
【0236】
フェーズ3:HPβCD粉末(2254.8mg)をSWFI(約12mL)に添加し、溶解するまで磁気的に撹拌した。化合物1(639.6mg)をこのHPβCD溶液に添加し、製剤を少なくとも2時間磁気的に撹拌し、完全な混合を確実にするために7分間超音波処理した。マンニトール(149.2mg)を添加し、微粒子のない溶液が得られるまで製剤を少なくとも30分間磁気的に撹拌した。この製剤は、無色透明の溶液であった。製剤のpHを測定し(初期pH:9.72)、1.0N塩酸(HCl)でpH7.0に調整した。製剤をSWFIで最終pH6.90の15mLの最終体積にし、0.22ミクロンのPVDFフィルタを使用して滅菌濾過した。
【0237】
フェーズ4:HPβCD粉末(2249.4mg)をSWFI(約12mL)に添加し、溶解するまで磁気的に撹拌した。化合物1(641.3mg)をこのHPβCD溶液に添加し、製剤を少なくとも2時間磁気的に撹拌し、完全な混合を確実にするために5分間超音波処理した。マンニトール(149.8mg)を添加し、微粒子のない溶液が得られるまで製剤を少なくとも30分間磁気的に撹拌した。この製剤は、無色透明の溶液であった。製剤のpHを測定し(初期pH:9.57)、1.0N HClおよび0.1N NaOHでpH6.68に調整した。製剤をSWFIで最終pH6.79で最終体積15mLにし、0.22ミクロンのPVDFフィルタを使用して滅菌濾過した。
用量投与
【0238】
動物は絶食させなかった。
【0239】
各製剤は、容積式ピペットを介して角膜の中央部または上部への局所眼用量として投与され、眼の表面全体に広げられた。用量が投与された後、眼を自然に閉じさせた。その後、SOPに従って各動物を約1分間拘束して眼をこすらないようにした。
【0240】
投与時に不規則性または局所刺激は観察されなかった。
動物の観察
生前の観察
【0241】
到着日に、動物の死亡と、疼痛および苦痛の徴候を1回(午後に)観察した。到着の翌日から、動物の死亡と、疼痛および苦痛の徴候を1日2回(午前と午後に)観察し、ケージの側面から全体的な健康と外見を1日1回観察した。
体重
【0242】
体重は、到着から5日以内に測定し、必要に応じて、順化中は毎週測定した。また、動物選択時、各フェーズの最初の投与日、そして必要に応じて研究の残りの期間を通して毎週、動物の体重を測定した。
眼科検査
【0243】
委員会認定の獣医学眼科医が、投与前(フェーズ1の前)にすべての動物の眼科検査を実施し、フェーズ3および4では-2日目および4日目に実施した。フェーズ4の13日目に追加の眼科検査が実施された。
【0244】
各時点では、両眼が肉眼で検査され、修正されたHackett-McDonald Scoring Systemを使用して等級分けされた。細隙灯生体顕微鏡を使用して、各眼の付属器と前眼部を検査した。さらに、眼を散瞳剤(トロピカミド)で散大させ、倒像検眼鏡を使用して各眼の眼底を検査した。瞳孔の光反射は、瞳孔の散大の前に評価した。角膜のフルオレセイン染色を各間隔で行った。
眼内圧の条件付け
【0245】
少なくとも1週間の順化の後に、すべての動物は、研究特有の手順に従って、投与の初日の少なくとも4週間前から週に3回、各日ほぼ同じ時間(午前)に、IOP測定手順(TonoVet(登録商標)を使用)に事前条件付け(訓練)された。
【0246】
また、IOP測定は、動物が手順に条件付けられたままであることを確実にするために、フェーズ間のウォッシュアウト期間中にも実施された。測定は、フェーズ3と4の前のウォッシュアウト期間中に3回行われ、可能であれば、IOP測定の時間は、投与後に行われるIOP測定の予定日の同じ時間と相関させた。IOP測定値は、次のフェーズを開始する前の犬の投与前のベースライン測定値の少なくとも80%であった。フェーズ1と2の間にはウォッシュアウト日が1日しかないため、これらのフェーズ間で条件付けIOP測定は行われなかった。
眼内圧測定(フェーズ1および2)
【0247】
IOPは、フェーズ1のすべての動物について、-1日目および1日目の(1日目の投与時間に対して)投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間に測定され、フェーズ2のすべての動物について1日目の投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間に測定された。フェーズ1のベースライン(-1日目)のIOP測定値をフェーズ2のベースラインとして使用した。読み取りは、TonoVet(登録商標)を用いて行われ、3つの有効な読み取り/眼を用いて平均IOP測定値を決定した。
眼内圧測定(フェーズ3および4)
【0248】
IOPは、フェーズ3および4のすべての動物について、-1日目の投与後-1、0、1、2、4、6、および8時間(投与の前日、1日目の投与時間に基づく);1日目の投与後-1、0(投与直前)、1、2、4、6、および8時間;4日目の投与後0(4日目の投与の直前)および2時間;そして5日目の投与後-1、0(5日目の投与の直前)、1、2、4、6、および8時間に測定された。フェーズ4では、投与後のIOP測定は、第2の用量(化合物1またはビヒクルコントロール)に基づいた。TonoVet(登録商標)を用いて各時点で3回の読み取り/眼が実施された。
薬力学的解析
【0249】
各場合における各動物から、各眼について3つのIOP測定値を収集し、3つの測定値(左目または右目)の平均値を薬力学的解析に使用した。投与1時間前に収集した測定値(その日の最初の測定値)は、薬力学的解析から除外した。フェーズ4の記述統計は、このフェーズの2回の処置の各々について別個に報告された。
【0250】
個々の動物の平均IOP測定値は、各眼の各時点での-1日目の測定値を差し引くか(単位はmmHg)、または各眼の各時点での-1日目の測定値からの変化パーセンテージを計算することにより、ベースラインおよび時間依存性変化について補正された。フェーズ2の-1日目にはデータが収集されなかったため、フェーズ1の-1日目のデータを用いてこの補正を行った。フェーズ3および4では、それぞれのフェーズの-1日目のデータを用いて1日目および5日目を補正した。補正後のIOP変化が0より大きい(処置によりIOPが上昇した)場合は、記述統計および薬力学的解析において0として扱った。補正された平均IOP測定値は、mmHgの単位でベースラインからの変化%として解析された。
【0251】
非コンパートメント解析が個々の補正IOPデータに適用された。
【0252】
以下のパラメータは可能な限り推定した:
Emax、補正IOPで観察された最大効果;
Tmax、補正IOPで観察された最大効果の時間;
AUEC0-t、時間0から最後に測定可能な補正IOPまでの効果時間曲線下面積、線形台形公式により推定;
Tlast、最後に測定可能な補正IOPの時間;および
測定可能なIOPの数、補正後に観察された測定可能な効果をもつ補正IOPの数。
【0253】
左右の眼を合わせたパラメータは、各試料を採取する機会に各眼のベースライン補正済みIOP結果を組み合わせることによって計算された。これらのパラメータは、左右の眼について別々に計算された平均パラメータ値の平均ではない。データはコンピュータで生成され、報告に含めるために適切に丸められている。データの整合性も解釈も、これらの違いによる影響を受けなかった。
データ解析に関連する予期せぬ結果
【0254】
フェーズ3の1日目、投与後4時間の動物D0007の3回目の測定値は、143mmHgと記録された。この値は、外れ値と判断され、記述統計および薬力学的解析から除外された。残りの2つの測定値は含められた;したがって、この事象は本研究の薬力学的部分からの全体的な推論に影響を及ぼさなかった。
結果および考察
順化
【0255】
すべての動物は、順化を通して臨床的に健康であるように見えたため、順化から解放され、研究での使用が承認された。
体重および投与された用量
【0256】
体重への有害事象は認められなかった。フェーズ2および4のために調製された化合物1含有製剤の各々について測定された化合物1の濃度は、目標の40mg/mL(4%)濃度に対して、それぞれ、39.8および38.1mg/mLであった。
臨床知見
【0257】
すべての動物は健康に見え、研究を通して明白な毒性の徴候を示さなかった。
眼科検査
【0258】
12匹すべての動物が、投与前の間期(interval)で眼科検査が正常であった。
【0259】
フェーズ3(ビヒクルコントロール中4%化合物1)の-2日目では、検査所見には動物D0010の両眼の軽度(スコア1+)の結膜充血があった。4日目には、所見は、24眼中21眼の結膜充血(13眼で1+、8眼で2+)に限られた。
【0260】
フェーズ4の-2日目では、12匹すべての動物が、眼科検査が正常であった。4日目、0.005%ラタノプロストと4%化合物1を投与された犬(動物D0001~D0006)について、所見には、すべての眼にトロピカミドを局所適用した後も変化のない縮瞳と結膜充血(4眼で1+、6眼で2+、2眼で3+)があった。さらに、動物D0004の右眼では、虹彩の前面の曲線状の領域が破壊され、それにより虹彩の下層の青色が透けて見えることが観察された。虹彩は瞳孔と同心円状で、眼内炎症または他の虹彩変化の徴候と関連していなかった。そのため、この知見は、通常の虹彩組織のひだに隠れていて、試験物質が極端な縮瞳を誘発するまで認識されなかった、虹彩の正常な変化と考えられた。4日目、0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールを投与された犬(動物D0007~D0012)の場合、所見には、瞳孔の縮瞳(すべての眼にトロピカミドを局所適用した後も変化しなかった)、および結膜充血(10眼で1+、2眼で2+)があった。13日目(最終投与から8日後)、眼科的所見は、0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールを投与された12眼中4眼の軽度(1+)の結膜充血に限られた;0.005%ラタノプロストと4%化合物1を投与された動物には眼科的所見は見られなかった。以前に指摘された動物D0004の右眼の虹彩表面の破壊は、虹彩のひだで一部不明瞭になっていることが観察された。
眼内圧読み取りと薬力学
【0261】
平均補正IOPの結果は、
図5および
図6にグラフで表されている。平均薬力学的パラメータの要約は、表6および表7に示されている。平均薬力学パラメータの全体的な要約は、表8に示されている。
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
【表8】
【0262】
表9に要約されているように、E
maxおよびAUC値は、化合物1が、正常圧の犬でのTO投与後のラタノプロストによるIOP低下を増強することを示している。
【表9】
【0263】
どのフェーズでも左眼または右眼の間に一貫したIOPの違いは観察されなかった;そのため、結果および考察は組み合わされた眼の値に基づいている。
【0264】
本研究の各フェーズの異なる製剤の局所眼投与後、IOPの低下が観察され、補正IOP(mmHg)の平均Tmax値は、フェーズ1ではビヒクルコントロールの投与後1.00時間、フェーズ2では市販の製剤(MF、Xalatan(登録商標))中0.005%ラタノプロストの投与後6.17時間、フェーズ3ではビヒクルコントロール中4%化合物1の投与後3.92時間および4.58時間(それぞれ、1日目および5日目)であった。MF中0.005%ラタノプロストによる前処置と、ビヒクルコントロール(フェーズ4aと呼ばれる、動物D0001~D0006)またはビヒクルコントロール中4%化合物1(フェーズ4bと呼ばれる、動物D0007~D0012)の投与後も、IOPの低下が観察され、ビヒクルコントロールの平均Tmax値は、単回投与後7.00時間、5回の毎日投与後5.67時間であり、ビヒクルコントロール中4%化合物1の平均Tmax値は、単回投与後または5回の毎日投与後4.50時間であった。
【0265】
単回局所眼投与の後、ベースライン補正値またはベースラインIOP値からの変化%のEmaxおよびAUECで評価したIOPの最大の低下は、0.005%ラタノプロストと4%化合物1の投与(フェーズ4a);続いて0.005%ラタノプロストを単独で(フェーズ2)またはビヒクルコントロールとの(フェーズ4b)投与;次に4%化合物1の単独での投与(フェーズ3);最後にビヒクルコントロールの投与(フェーズ1)で観察された。5日間の投与後、化合物1単独(フェーズ3)および0.005%ラタノプロストとその直後のビヒクルまたは化合物1(フェーズ4)のIOP低下効果は、1日目のそれぞれのIOP低下効果と一致したままだった。さらに、フェーズ4aでは、5日目の時間0に測定した補正IOPは、1日目の時間0に観察されたものよりも低かった。この結果は、ラタノプロストと同時投与した場合、化合物1の投与後少なくとも24時間はIOP低下が持続することを示唆している。
【0266】
ビヒクルコントロール(フェーズ1)の局所眼投与の後、補正IOP値およびベースラインからの変化パーセンテージから評価されるように、わずかなIOPの低下が観察され、投与後0および1時間の補正IOP値は他の処置フェーズの値と比較して概してわずかに低かった。この知見は、ビヒクルコントロールのベースライン補正IOPパラメータ値が、ビヒクルコントロールと比較して他の処置フェーズの有効性の過小評価をもたらした可能性があることを示唆する。全体として、ビヒクルコントロールの局所眼投与の後、IOPのわずかな低下が観察され、Emax値は10.8%/-1.85mmHg、AUEC0-tは33.2h%/-5.36h mmHgであった。ビヒクルコントロール中4%AKB-9778の単回局所眼投与の後、ビヒクルコントロール単独の投与の後と比較して、より大きいIOPの低下が観察され、Emax値は17.3%/-3.58mmHg、AUEC0-tは70.3h %/-13.7h mmHgであった。MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロール中4%化合物1の単回(1日目)局所眼投与の後、より大きいIOPの低下(Emax値が34.7%/-5.64mmHg、AUEC0-tが151h %/-24.6h mmHg)が、MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールの投与後(Emax値が28.7%/-4.50mmHg、AUEC0-tが130h %/-19.6%h mmHg)と比較して観察された。
結論
【0267】
4%化合物1のみの反復局所眼投与により、24眼のうち21眼に結膜充血(4日目の観察では13眼で1+、8眼で2+)がもたらされたが、瞳孔サイズにもトロピカミドに対する応答性にも識別可能な変化はなかった。0.005%ラタノプロスとビヒクルコントロールまたは4%化合物1とを併用した局所眼投与を行った結果、トロピカミドの局所眼適用後に激しい縮瞳が生じ、瞳孔の散大が起こらなくなった。0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールを投与した眼の結膜充血スコア(10眼で1+、2眼で2+)は、0.005%ラタノプロストと4%化合物1を併用して投与した眼で観察されたスコア(4眼で1+、6眼で2+、2眼で3+)よりも低かった。0.005%ラタノプロストと4%化合物1を投与した眼の結膜充血スコアも、いずれかの薬物を単独で投与した場合(4%化合物1)またはビヒクルコントロールとともに投与した場合に観察されたスコアよりも大きかった。
【0268】
単回局所眼投与の後、ベースライン補正値またはベースラインIOP値からの変化%のEmaxおよびAUECで評価したIOPの最大の低下は、0.005%ラタノプロストと4%化合物1の投与(フェーズ4a);続いて0.005%ラタノプロストを単独で(フェーズ2)またはビヒクルコントロールとの(フェーズ4b)投与;次に4%化合物1の単独での投与(フェーズ3);最後にビヒクルコントロールの投与(フェーズ1)で観察された。5日間の投与後、化合物1単独(フェーズ3)および0.005%ラタノプロストとその直後のビヒクルまたは化合物1(フェーズ4)のIOP低下効果は、1日目のそれぞれのIOP低下効果と一致したままだった。さらに、5日目の時間0に測定された補正IOPは、フェーズ4aの1日目の時間0よりも低く、IOP低下は、ラタノプロストと同時投与した場合に、化合物1の投与後少なくとも24時間持続することが示唆された。
【0269】
補正IOP値およびベースラインからの変化のパーセンテージから評価されるように、ビヒクルコントロール(フェーズ1)の局所眼投与の後にIOPのわずかな低下が観察され;投与後0時間と1時間の補正IOP値は他の処置フェーズの値と比較して概してわずかに低かった。この知見は、ビヒクルコントロールのベースライン補正IOPパラメータ値が、ビヒクルコントロールと比較して他の処置フェーズの有効性の過小評価をもたらした可能性があることを示唆する。
【0270】
全体として、ビヒクルコントロールの局所眼投与の後、IOPのわずかな低下が観察され、Emax値は10.8%/-1.85mmHg、AUEC0-tは33.2h%/-5.36h mmHgであった。ビヒクルコントロール中4%化合物1の単回局所眼投与の後、ビヒクルコントロール単独の投与の後と比較して、より大きいIOPの低下が観察され、Emax値は17.3%/-3.58mmHg、AUEC0-tは70.3h %/-13.7h mmHgであった。MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロール中4%化合物1の単回(1日目)局所眼投与の後、より大きいIOPの低下(Emax値が34.7%/-5.64mmHg、AUEC0-tが151h %/-24.6h mmHg)が、MF中0.005%ラタノプロストとビヒクルコントロールの投与後(Emax値が28.7%/-4.50mmHg、AUEC0-tが130h %/-19.6%h mmHg)と比較して観察された。
実施形態
【0271】
以下の非限定的な実施形態は、本開示の方法の例示的な例を提供するが、本開示の方法の範囲を限定するものではない。
【0272】
実施形態1.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、方法は、
治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与することと;
治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することとを含み、Tie-2活性化物質が、アンジオポエチンではない、方法。
【0273】
実施形態2.Tie-2活性化物質と、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物とが、単位投与剤形において共製剤化されている、実施形態1の方法。
【0274】
実施形態3.Tie-2活性化物質の投与とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が、少なくとも5分離れている、実施形態1の方法。
【0275】
実施形態4.Tie-2活性化物質の投与とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が、約5分離れている、実施形態1の方法。
【0276】
実施形態5.Tie-2活性化物質の投与が局所的である、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0277】
実施形態6.Tie-2活性化物質の投与が1日1回である、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0278】
実施形態7.Tie-2活性化物質の投与が1日2回である、実施形態1~5のいずれか1つの方法。
【0279】
実施形態8.Tie-2活性化物質の投与が午前中である、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0280】
実施形態9.Tie-2活性化物質の投与が夜間である、実施形態1~7のいずれか1つの方法。
【0281】
実施形態10.Tie-2活性化物質の治療有効量が約0.1mg~約100mgである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0282】
実施形態11.Tie-2活性化物質の治療有効量が約1mgである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0283】
実施形態12.Tie-2活性化物質の治療有効量が約3mgである、実施形態1~9のいずれか1つの方法。
【0284】
実施形態13.Tie-2活性化物質が、約0.1mg/mL~約100mg/mLの濃度で組成物中に存在する、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
【0285】
実施形態14.Tie-2活性化物質が、約40mg/mLの濃度で組成物中に存在する、実施形態1~12のいずれか1つの方法。
【0286】
実施形態15.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が局所的である、実施形態1~14のいずれか1つの方法。
【0287】
実施形態16.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が1日1回である、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0288】
実施形態17.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が1日2回である、実施形態1~15のいずれか1つの方法。
【0289】
実施形態18.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が夜間である、実施形態1~17のいずれか1つの方法。
【0290】
実施形態19.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、約50μg/mLの濃度で製剤中に存在する、実施形態1~18のいずれか1つの方法。
【0291】
実施形態20.プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF受容体である、実施形態1~19のいずれか1つの方法。
【0292】
実施形態21.プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF2受容体である、実施形態1~20のいずれか1つの方法。
【0293】
実施形態22.プロスタグランジン受容体がプロスタグランジンF2α受容体である、実施形態1~21のいずれか1つの方法。
【0294】
実施形態23.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、プロスタグランジン類似体である、実施形態1~22のいずれか1つの方法。
【0295】
実施形態24.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、プロスタグランジンF2α類似体である、実施形態1~23のいずれか1つの方法。
【0296】
実施形態25.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、イソプロピルエステルである、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
【0297】
実施形態26.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、ラタノプロストである、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0298】
実施形態27.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、ラタノプロステンブノドである、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0299】
実施形態28.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、トラボプロストである、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0300】
実施形態29.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、タフルプロストである、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0301】
実施形態30.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、ウノプロストンイソプロピルである、実施形態1~25のいずれか1つの方法。
【0302】
実施形態31.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、プロスタミドである、実施形態1~24のいずれか1つの方法。
【0303】
実施形態32.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、ビマトプロストである、実施形態1~24および31のいずれか1つの方法。
【0304】
実施形態33.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、プロスタグランジン受容体アゴニストのプロドラッグである、実施形態1~30のいずれか1つの方法。
【0305】
実施形態34.プロスタグランジン受容体アゴニストがラタノプロスト酸である、実施形態33の方法。
【0306】
実施形態35.プロスタグランジン受容体アゴニストがトラボプロスト酸である、実施形態33の方法。
【0307】
実施形態36.プロスタグランジン受容体アゴニストがタフルプロスト酸である、実施形態33の方法。
【0308】
実施形態37.プロスタグランジン受容体アゴニストがウノプロストン酸である、実施形態33の方法。
【0309】
実施形態38.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、被験体内で酸に加水分解される、実施形態33の方法。
【0310】
実施形態39.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、被験体の眼においてエステラーゼによって加水分解される、実施形態33の方法。
【0311】
実施形態40.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、加水分解によって活性化される、実施形態33の方法。
【0312】
実施形態41.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、酸への加水分解によって活性化される、実施形態33の方法。
【0313】
実施形態42.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、被験体の眼の角膜を通して吸収される、実施形態1~41のいずれか1つの方法。
【0314】
実施形態43.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物が、被験体の眼の強膜を通して吸収される、実施形態1~42のいずれか1つの方法。
【0315】
実施形態44.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が、被験体の眼からの房水の流出を増加させることにより被験体において眼内圧を低下させる、実施形態1~43のいずれか1つの方法。
【0316】
実施形態45.プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が、被験体の眼の強膜の透過性を増加させることにより被験体において眼内圧を低下させる、実施形態1~44のいずれか1つの方法。
【0317】
実施形態46.Tie-2活性化物質の投与およびプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物の投与が、被験体の状態を処置する、実施形態1~45のいずれか1つの方法。
【0318】
実施形態47.状態が眼状態である、実施形態46の方法。
【0319】
実施形態48.眼状態が上昇した眼内圧である、実施形態47の方法。
【0320】
実施形態49.眼状態が高眼圧症である、実施形態47の方法。
【0321】
実施形態50.眼状態が緑内障である、実施形態47の方法。
【0322】
実施形態51.Tie-2活性化物質が、以下の式の化合物
【化34】
または薬学的に許容され得るその塩であって、式中、
- アリール
1は、置換または非置換のアリール基であり;
- アリール
2は、置換または非置換のアリール基であり;
- Xは、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、ウレイド結合、スルホン結合または化学結合であり、ここで、該アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、エーテル結合、アミン結合、アミド結合、エステル結合、チオエーテル結合、カルバメート結合、カーボネート結合、スルホン結合のいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- Yは、H、アリール、ヘテロアリール、NH(アリール)、NH(ヘテロアリール)、NHSO
2R
gもしくはNHCOR
g(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、または
【化35】
であり、ここで、
- L
2は、アルキレン、アルケニレンもしくはアルキニレン(これらのいずれもが置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2が結合している窒素原子と一体となって、アミド結合、カルバメート結合もしくはスルホンアミド結合を形成するか、または化学結合であるか、またはR
a、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し; - R
aは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2、R
b、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
bは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールもしくはヘテロアリールアルキル(これらのいずれもが、置換されているかもしくは非置換である)であるか、またはL
2、R
a、R
cおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
cは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL
2、R
a、R
bおよびR
dのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
dは、Hまたは置換もしくは非置換のアルキルであるか、またはL
2、R
a、R
bおよびR
cのいずれかと一体となって、置換もしくは非置換の環を形成し;
- R
gは、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
化合物または薬学的に許容され得るその塩ある、実施形態1~50のいずれか1つの方法。
【0323】
実施形態52.- アリール1が、置換または非置換のフェニルであり;
- アリール2が、置換または非置換のヘテロアリールであり;
- Xが、アルキレンである、
実施形態51の方法。
【0324】
実施形態53.アリール
2が、
【化36】
であり、式中、
- R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
実施形態51の方法。
【0325】
実施形態54.-アリール1が、4-フェニルスルファミン酸であり、
-Raが、置換または非置換のアルキルであり、
-Rbが、置換または非置換のアリールアルキルであり、
-Reが、Hであり、
-Rfが、ヘテロアリールまたはアルキルである、実施形態53の方法。
【0326】
実施形態55.Tie-2活性化物質が、
【化37】
またはその薬学的に許容され得る塩である、実施形態1~54のいずれか1つの方法。
【0327】
実施形態56.Tie-2活性化物質が、
【化38】
またはその薬学的に許容され得る塩である、実施形態1~54のいずれか1つの方法。
【0328】
実施形態57.アリール
2が、
【化39】
であり、式中、
- R
eは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換であり;
- R
fは、H、OH、F、Cl、Br、I、CN、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ基、エーテル基、カルボン酸基、カルボキサルデヒド基、エステル基、アミン基、アミド基、カーボネート基、カルバメート基、チオエーテル基、チオエステル基、チオ酸基、アリール、アリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、ヘテロアリールまたはヘテロアリールアルキルであり、これらのいずれもが、置換されているかまたは非置換である、
実施形態51または52の方法。
【0329】
実施形態58.-アリール1が、4-フェニルスルファミン酸であり、
-Raが、置換または非置換のアルキルであり、
-Rbが、置換または非置換のアリールアルキルであり、
-Reが、Hであり、
-Rfが、ヘテロアリールまたはアルキルである、実施形態57の方法。
【0330】
実施形態59.Tie-2活性化物質が、
【化40】
またはその薬学的に許容され得る塩である、実施形態1~52、57および58のいずれか1つの方法。
【0331】
実施形態60.Tie-2活性化物質が、
【化41】
またはその薬学的に許容され得る塩である、実施形態1~52、57および58のいずれか1つの方法。
【0332】
実施形態61.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、方法は、
被験体の眼に治療有効量の、式
【化42】
のTie-2活性化物質またはその薬学的に許容され得る塩を投与することと;
被験体の眼に治療有効量のラタノプロストを投与することとを含み、
Tie-2活性化物質が、約40mg/mLの濃度で組成物の一部として投与され、
Tie-2活性化物質が、被験体の眼に局所投与され、
Tie-2活性化物質が、1日1回投与され、
ラタノプロストが、約50μg/mLの濃度を有する製剤の一部として投与され、
ラタノプロストが、被験体の眼に局所投与され、
ラタノプロストが、1日1回投与され、
Tie-2活性化物質の投与とラタノプロストの投与が、被験体の眼内圧を約1mmHg~約5mmHg低下させる、方法。
【0333】
実施形態62.Tie-2活性化物質の投与とラタノプロストの投与が、少なくとも5分離れている、実施形態61の方法。
【0334】
実施形態63.Tie-2活性化物質の投与とラタノプロストの投与が、約5分離れている、実施形態61の方法。
【0335】
実施形態64.Tie-2活性化物質の投与が午前中である、実施形態61~63のいずれか1つの方法。
【0336】
実施形態65.Tie-2活性化物質の投与が夜間である、実施形態61~63のいずれか1つの方法。
【0337】
実施形態66.ラタノプロストの投与が夜間である、実施形態61~65のいずれか1つの方法。
【0338】
実施形態67.Tie-2活性化物質の投与とラタノプロストの投与が、被験体の状態を処置する、実施形態61~66のいずれか1つの方法。
【0339】
実施形態68.状態が眼状態である、実施形態67の方法。
【0340】
実施形態69.眼状態が上昇した眼内圧である、実施形態68の方法。
【0341】
実施形態70.眼状態が高眼圧症である、実施形態68の方法。
【0342】
実施形態71.眼状態が緑内障である、実施形態68の方法。
【0343】
実施形態72.a)Tie-2活性化物質;
b)プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物;および
c)状態の処置のためのキットの使用に関する書面による指示
を含むキットであって、
Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、キット。
【0344】
実施形態73.a)容器であって、容器が点眼器ボトルである、容器;および
b)点眼器ボトルに含まれる剤形であって、単位剤形がTie-2活性化物質とプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物とを含み、Tie-2活性化物質がアンジオポエチンではない、剤形
を含むキット。
【0345】
実施形態74.方法が、単位剤形を被験体に局所滴下によって投与するための書面による指示をさらに含む、実施形態73のキット。
【0346】
実施形態75.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質;および、チモロール、ベフノロール、ベタキソロール、カルテオロール、レボブノロール、メチプラノロール、メピンドロール、アセタゾラミド、ブリンゾラミド、ジクロフェナミド、ドルゾラミド、メタゾラミド、エピネフリン、ブリモニジン、アプラクロニジン、リパスジル、ネタルスジル、ピロカルピン、カルバコール、またはエコチオパートヨウ化物である化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はアンジオポエチンではない。
【0347】
実施形態76.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はホスファターゼ結合剤である、方法。
【0348】
実施形態77.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はタンパク質チロシンホスファターゼ結合剤である、方法。
【0349】
実施形態78.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はVE-PTP結合剤である、方法。
【0350】
実施形態79.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はホスファターゼ阻害剤である、方法。
【0351】
実施形態80.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はVE-PTP阻害剤である、方法。
【0352】
実施形態81.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させるための方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、Tie-2活性化物質はタンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤である、方法。
【0353】
実施形態82.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、投与後の被験体の眼内圧の低下は、Tie-2活性化物質またはプロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物のいずれかを単独で投与した後の被験体の眼内圧の低下よりも大きい。
【0354】
実施形態83.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含み、ここで、被験体の眼内圧は、投与後少なくとも2mmHg低下する。
【0355】
実施形態84.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のTie-2活性化物質を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物をその被験体に投与することを含み、ここで、被験体の眼内圧の低下は、投与後少なくとも24時間持続する。
【0356】
実施形態85.眼内圧の低下を必要とする被験体において眼内圧を低下させる方法であって、該方法は、治療有効量のHPTPβ阻害剤を被験体に投与すること;および、治療有効量の、プロスタグランジン受容体の受容体活性化作用を引き起こす化合物を被験体に投与することを含む。
【国際調査報告】