(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】アブレーションカテーテルを使用する病変の光学的な分析および予測のためのシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/04 20060101AFI20230308BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20230308BHJP
A61B 1/045 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A61B18/04
A61B1/00 526
A61B1/045 618
A61B1/00 620
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542643
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2021050603
(87)【国際公開番号】W WO2021144318
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513148565
【氏名又は名称】メドルミクス,エセ.エレ.
【氏名又は名称原語表記】MEDLUMICS,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】サンチョ デュラ,フアン
(72)【発明者】
【氏名】マス ゴメス,サラ
(72)【発明者】
【氏名】ゴンサレス,デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】デュペロン,マシュー
(72)【発明者】
【氏名】サンス モレーノ,カルロス
(72)【発明者】
【氏名】ジメネス,ジョージ
(72)【発明者】
【氏名】ロモスカヌ,アレキサンドレ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C161
【Fターム(参考)】
4C160KK47
4C161AA21
4C161BB08
4C161CC07
4C161FF40
4C161FF46
4C161HH56
(57)【要約】
アブレーションにおける光信号分析および病変予測を実施するためのシステムおよび方法が、本明細書で説明されている。システムは、コンピューティングデバイスとインターフェースするコネクターを介して、複数の光ファイバーに連結されているカテーテルを含む。コンピューティングデバイスは、メモリーおよびプロセッサーを含み、プロセッサーは、組織の一部分の光学的な測定データをカテーテルから受け取るように構成されている。プロセッサーは、光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別し、また、1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定する。変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すために、モデルが生成される。所定のアブレーション時間にわたって、予測される病変深さが、モデルを使用して発生させられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の時間の期間にわたってカテーテルからのエネルギーを組織の一部分に加えることによって、アブレーションを実施するステップであって、前記カテーテルは、近位セクション、複数の光学ポートを含む遠位セクション、および、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されているシースを含む、ステップと、
前記カテーテルの中の少なくとも1つの光学ポートを使用して、前記組織の一部分から光学的な測定データを獲得するステップと、
前記カテーテルに連結されている処理デバイスを使用して前記光学的な測定データを分析することによって、前記組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するステップと、
前記組織の一部分の前記1つまたは複数の光学的特性に基づいて、前記組織の一部分の変性の時間を決定するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記カテーテルによって加えられる前記エネルギーは、パルス電界、ラジオ周波数(RF)エネルギー、レーザーエネルギー、または極低温エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記光学的な測定データは、前記組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、前記1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記変性の時間、前記1つまたは複数の光学的特性、および、前記所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるステップと、
前記モデルを使用して、前記所定の時間の期間にわたって、予測される病変深さを発生させるステップと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記予測される病変深さは、前記カテーテルによって前記組織の一部分に加えられる前記エネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記予測される病変深さは、前記変性の時間に対する前記所定の時間の期間の比率の関数である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記複数の光学ポートを使用して、前記組織の一部分に対して複数の異なる角度で前記光学的な測定データを獲得することによって、前記病変の病変進行を決定するステップであって、それぞれの光学ポートは、前記カテーテルの前記遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、ステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記光学的な測定データを獲得するために、前記カテーテルの中の前記少なくとも1つの光学ポートを選択するステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の光学ポートは、15個の光学ポートを含み、前記少なくとも1つの光学ポートは、3つ以上の光学ポートを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記3つ以上の光学ポートから受け取られる光信号を識別することに基づいて、前記アブレーションの間の前記組織の一部分と接触している前記カテーテルの前記遠位セクションの部分を決定するステップと、
前記決定するステップに基づいて、前記カテーテルの前記遠位セクションの前記部分と前記組織の一部分との間の接触力を推定するステップと、
前記接触力に基づいて、前記組織の一部分の前記変性の時間をさらに決定するステップと
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
システムであって、
近位セクション、遠位セクション、および、前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されているシースを含む、カテーテルと、
前記カテーテルの中に位置付けされている複数の光ファイバーと、
コネクターを通して前記複数の光ファイバーに連結されているコンピューティングデバイスであって、前記コンピューティングデバイスは、メモリーおよびプロセッサーを含む、コンピューティングデバイスと
を含み、
前記プロセッサーは、
アブレーションの間または後に、組織の一部分の光学的な測定データを前記光ファイバーから受け取るように構成されており、
前記光学的な測定データを分析することによって、前記組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するように構成されており、
前記組織の一部分の前記1つまたは複数の光学的特性に基づいて、前記組織の一部分の変性の時間を決定するように構成されており、
前記変性の時間、前記1つまたは複数の光学的特性、および、前記所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるように構成されており、
前記モデルを使用して、所定のアブレーション時間にわたって、予測される病変深さを発生させるように構成されている、システム。
【請求項12】
前記光学的な測定データは、前記組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、前記1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記予測される病変深さは、前記カテーテルによって前記組織の一部分に加えられる前記エネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表しており、前記予測される病変深さは、前記変性の時間に対する前記所定の時間の期間の比率の関数である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記カテーテルの前記遠位セクションは、複数の光学ポートを含み、前記コンピューティングデバイスの前記プロセッサーは、前記複数の光学ポートを使用して、前記組織の一部分に対して複数の異なる角度で前記光学的な測定データを獲得することによって、前記病変の病変進行を決定するようにさらに構成されており、それぞれの光学ポートは、前記カテーテルの前記遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記コネクターは、前記カテーテルと前記コンピューティングデバイスとの間の接続のために、それぞれの光ファイバーのアライメントのための複数のV字形状の溝部を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
コンピューティングデバイスであって、
メモリーと、
前記メモリーに連結されているプロセッサーと
を含み、
前記プロセッサーは、
アブレーションの間に所定の時間の期間にわたって組織の一部分にエネルギーを加えた後に、前記組織の一部分の光学的な測定データをカテーテルから受け取るように構成されており、
前記光学的な測定データを分析することによって、前記組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するように構成されており、
前記組織の一部分の前記1つまたは複数の光学的特性に基づいて、前記組織の一部分の変性の時間を決定するように構成されており、
前記変性の時間、前記1つまたは複数の光学的特性、および、前記所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるように構成されており、
前記モデルを使用して、前記所定の時間の期間にわたって、予測される病変深さを発生させるように構成されている、コンピューティングデバイス。
【請求項17】
前記光学的な測定データは、前記組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、前記1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記予測される病変深さは、前記カテーテルによって前記組織の一部分に加えられる前記エネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表しており、前記予測される病変深さは、前記変性の時間に対する前記所定の時間の期間の比率の関数である、請求項16に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記カテーテルは、前記カテーテルの遠位セクションにおいて複数の光学ポートを含み、前記プロセッサーは、前記複数の光学ポートを使用して、前記組織の一部分に対して複数の異なる角度で前記光学的な測定データを獲得することによって、前記病変の病変進行を決定するようにさらに構成されており、それぞれの光学ポートは、前記カテーテルの前記遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、請求項18に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
前記プロセッサーは、
前記複数の光学ポートにおける少なくとも1つの光学ポートから受け取られる光信号を識別することに基づいて、前記アブレーションの間の前記組織の一部分と接触している前記カテーテルの前記遠位セクションの部分を決定するようにさらに構成されており、
前記決定することに基づいて、前記カテーテルの前記遠位セクションの前記部分と前記組織の一部分との間の接触力を推定するようにさらに構成されており、
前記接触力に基づいて、前記組織の一部分の前記変性の時間をさらに決定するようにさらに構成されている、請求項19に記載のコンピューティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月13日に出願されたEP出願第20382014.7号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、組織アブレーション(tissue ablation)を実施するために、光信号分析を実施するために、および、アブレーションのための病変深さを予測するために、カテーテルおよびコンソールデバイスを使用するためのコンポーネント、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アブレーション(ablation)は、組織壊死を作り出すための医療技法である。それは、なかでも、癌、バレット食道、または心臓不整脈を含む、さまざまな病態を治療することを助けるために使用される。ラジオ周波数(RF)アブレーションに関して、数百kHzを上回る発振周波数を有する交流電流の適用は、ジュール効果によって熱を送達している間に、興奮性組織の刺激を回避する。組織温度の上昇は、タンパク質(たとえば、コラーゲン、ミオシン、またはエラスチンなど)を含む生体分子の変性を作り出す。従来、RFアブレーションは、患者の身体の上に外部電極を設置すること、および、患者の身体の中の治療されることとなる組織と接触して設置されているカテーテルの先端部に交流電位を加えることによって行われる。
【0004】
いくつかのケースでは、冷凍アブレーションのための極低温冷却、ラジオ周波数、マイクロ波、レーザー、および光音響/超音波などを含む、さまざまなエネルギー供給源がアブレーションのために利用され得る。いくつかのケースでは、冷凍アブレーションは、組織をアブレートするために、極めて低い温度を使用することが可能であり、一方では、エレクトロポレーションアブレーションは、心房細動の治療のために特定の組織をアブレートするためにパルス電界を使用することが可能である。
【0005】
アブレーション効果は、加えられる電力、電気的接触の品質、局所組織特性、組織表面の近くの血流の存在、および、灌漑の効果を含む、多くの要因に依存する。これらのパラメーターの変動性に起因して、一貫した結果を取得することが困難である場合があり、また、アブレーションのための現在のシステムおよび方法を使用して組織の中のアブレーション効果を理解することは困難である場合がある。
【0006】
したがって、そのようなシステムおよび方法は、たとえば、組織の中に形成された病変を識別すること、および、カテーテルを通して病変のさまざまな特性を決定することなど、組織の中のアブレーションの結果を評価する際の困難および課題に起因して制限される場合がある。
【発明の概要】
【0007】
したがって、組織アブレーションを実施するための、瘢痕形成(たとえば、組織の中の病変の形成および進行)を追跡するための、および、病変深さを予測するための、新しい方法、デバイス、およびシステムを提供するための必要性が存在している可能性がある。
【0008】
本明細書に提示されている実施形態において、光学システム、コンソールまたは処理デバイス、およびカテーテルは、時間の経過に伴う光学的特性の変化をモニタリングするために、および、組織の中の病変深さを予測するために、光学的特性(たとえば、組織の複屈折、偏光、および/または位相遅延など)を理解するための光学的測定値を提供することが可能である。
【0009】
ある実施形態において、例示的な方法が説明されている。方法は、所定の時間の期間にわたってカテーテルからのエネルギーを組織の一部分に加えることによって、アブレーションを実施するステップであって、カテーテルは、近位セクション、複数の光学ポートを含む遠位セクション、および、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシースを含む、ステップを含む。方法は、カテーテルの中の少なくとも1つの光学ポートを使用して、組織の一部分から光学的な測定データを獲得するステップと、カテーテルに連結されている処理デバイスを使用して光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するステップと、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するステップとをさらに含む。
【0010】
別の実施形態では、システムは、近位セクション、遠位セクション、および、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシースを備えた、カテーテルを含む。システムは、カテーテルの中に位置付けされている複数の光ファイバーと、コネクターを通して複数の光ファイバーに連結されているコンピューティングデバイスとをさらに含む。コンピューティングデバイスは、メモリーおよびプロセッサーを含み、プロセッサーは、アブレーションの間または後に、組織の一部分の光学的な測定データを光ファイバーから受け取るように構成されている。コンピューティングデバイスのプロセッサーは、光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するようにさらに構成されており、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するようにさらに構成されており、変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるようにさらに構成されており、モデルを使用して、所定のアブレーション時間にわたって、予測される病変深さを発生させるようにさらに構成されている。
【0011】
別の実施形態では、メモリーと、メモリーに連結されているプロセッサーとを含むコンピューティングデバイスが説明されている。コンピューティングデバイスのプロセッサーは、アブレーションの間に所定の時間の期間にわたって組織の一部分にエネルギーを加えた後に、組織の一部分の光学的な測定データをカテーテルから受け取るように構成されており、光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するように構成されており、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するように構成されており、変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるように構成されており、モデルを使用して、所定の時間の期間にわたって、予測される病変深さを発生させるように構成されている。
【0012】
さらなる特徴および利点、ならびに、さまざまな実施形態の構造体および動作は、添付の図面を参照して下記に詳細に説明されている。本明細書で説明されている特定の実施形態は、限定することを意図していないということが留意される。そのような実施形態は、例示目的のみのために本明細書に提示されている。追加的な実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者に明らかになることとなる。
【0013】
添付の図面(それは、本明細書に組み込まれており、本明細書の一部を形成している)は、説明とともに本開示の実施形態を図示しており、本開示の原理を説明する役割をさらに果たしており、当業者が本開示を作製および使用することを可能にする役割をさらに果たしている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本開示の実施形態によるカテーテルの例示的なダイアグラムである。
【
図2】本開示の実施形態によるカテーテルの断面を図示する図である。
【
図3】本開示の実施形態による、アブレーションおよび病変予測のためのシステムの例示的なダイアグラムである。
【
図4】本開示の実施形態による、サンプルをイメージングするための光学システムの例示的なダイアグラムである。
【
図5】本開示の実施形態による、光信号のデータ収集の統合のフルチェーンを示す例示的なブロック図である。
【
図6】本開示の実施形態による、コネクターの断面の例示的なダイアグラムである。
【
図7A】本開示の実施形態による、マルチファイバーコネクター設計の例示的なダイアグラムである。
【
図7B】本開示の実施形態による、マルチファイバーコネクター設計の例示的なダイアグラムである。
【
図7C】本開示の実施形態による、マルチファイバーコネクター設計の例示的なダイアグラムである。
【
図8】本開示の実施形態による、組織の光学的測定値からの例示的な結果を示すグラフである。
【
図9】本開示の実施形態による、組織からの偏光感受性光コヒーレンス反射率測定法(PS-OCR、Polarization-Sensitive Optical Coherence Reflectometry)によって取得される光信号の例示的な結果および分析を示すグラフである。
【
図10】
図10Aと10Bは、本開示の実施形態による、カテーテル先端部における組織の中に形成された病変と、病変の測定とをそれぞれ示す例示的なダイアグラムである。
【
図11】本開示の実施形態による、最大病変深さを予測するための例示的な回帰モデルを示すダイアグラムである。
【
図12】本開示の実施形態による、病変深さ分析の例示的なモデルを示すダイアグラムである。
【
図13】
図13Aと13Bは、本開示の実施形態による、アブレーション時間の関数として、例示的な病変深さと病変幅とをそれぞれ示すダイアグラムである。
【
図14】本開示の実施形態による、組織との接触のための例示的なカテーテル先端部幾何学形状およびオリフィス位置のダイアグラムである。
【
図15】本開示の実施形態による、カテーテルと組織との間の例示的な接触、および、カテーテル先端部におけるビーム方向のダイアグラムである。
【
図16】本開示の実施形態による、予測される病変深さを示す例示的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を図示する図である。
【
図17】本開示の実施形態による、アブレーションのための病変深さを予測するための例示的な方法を図示する図である。
【
図18】本開示の実施形態による、コンピューターシステムの例示的なコンポーネントのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0016】
特定の構成および配置が議論されているが、これは例示目的のみのために行われているということが理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用され得るということを認識することとなる。本開示はさまざまな他の用途においても用いられ得るということが当業者に明らかになることとなる。
【0017】
本明細書における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明されている実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことが可能であるが、すべての実施形態が、その特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含むとは限らないということを示しているということが留意される。そのうえ、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明されているときには、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性を実現することは、当業者の知識の範囲内にあることとなる。
【0018】
本出願は、具体的に心臓アブレーションに言及している可能性があるが、本明細書で説明されている実施形態は、同様に、アブレーションのための追加的なエネルギー供給源(極低温、ラジオ周波数(RF)、マイクロ波、レーザー、超音波、およびパルス電界を含むがそれに限定されない)とともに、他の病態をターゲットにすることも可能であるということが留意されるべきである。他の病態を治療するためにエネルギーを使用する原理は同様であり、したがって、エネルギーを加えるために使用される技法も同様である。
【0019】
本明細書において、「電磁放射線」、「光」、および「放射線のビーム」という用語は、すべて、さまざまな説明されているエレメントおよびシステムを通って伝播する同じ電磁信号を説明するために使用されている。
【0020】
例示的なカテーテルの実施形態
図1は、本開示の実施形態によるカテーテル100を図示している。カテーテル100は、近位セクション102と、遠位セクション104と、近位セクション102と遠位セクション104との間に連結されているシース106とを含む。ある実施形態において、シース106は、ナビゲーション目的のための1つまたは複数のX線不透過性のマーカーを含む。1つの実施形態では、カテーテル100は、カテーテル100と処理デバイス108との間に通信インターフェース110を含む。通信インターフェース110は、処理デバイス108とカテーテル100との間に1つまたは複数の光ファイバーおよびコネクターを含むことが可能である。他の例では、通信インターフェース110は、無線通信(たとえば、Bluetooth、WiFi、およびセルラーなど)を可能にするインターフェースコンポーネントを含み、カテーテルシステムの中のカテーテル100または他の処理コンポーネントと通信することが可能である。
【0021】
ある実施形態において、シース106および遠位セクション104は、使い捨てである。そうであるので、近位セクション102は、新しい手順が実施されることとなるたびに、新しいシース106および近位セクション104を取り付けることによって再使用され得る。別の実施形態では、近位セクション102も、使い捨てである。
【0022】
近位セクション102は、カテーテル100の動作において使用されるさまざまな電気コンポーネントおよび光学コンポーネントを収容することが可能である。第1の光学的供給源は、近位セクション102の中に含まれ、光学的な評価のための放射線の供給源ビームを発生させることが可能である。第1の光学的供給源は、1つまたは複数のレーザーダイオードまたは発光ダイオード(LED)を含むことが可能である。光学的供給源によって発生させられる放射線のビームは、赤外線範囲の中の波長を有することが可能である。1つの例において、放射線のビームは、1.3μmの中心波長を有している。光学的供給源は、単一の波長のみにおいて放射線のビームを出力するように設計され得、または、それは、掃引供給源(swept source)であることが可能であり、所定の範囲の異なる波長を出力するように設計され得る。発生させられる放射線のビームは、シース106の中で近位セクション102と遠位セクション104との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、遠位セクション104に向けてガイドされ得る。光学的伝送媒体のいくつかの例は、シングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含む。1つの実施形態では、電気的伝送媒体および光学的伝送媒体は、電気信号および光信号の両方の伝播を可能にする同じハイブリッド媒体によって提供される。
【0023】
いくつかの実施形態において、近位セクション102は、第2の光学的供給源(たとえば、レーザーエネルギー供給源など)を含み、組織アブレーションのために遠位セクション104において加えられるレーザーエネルギーを発生させることが可能である。いくつかの実施形態において、レーザーエネルギー供給源は、980nmの波長においてまたは1060nmの波長において、レーザーエネルギーのアブレーションビームを放出することが可能である。近位セクション102における供給源からのレーザーエネルギーは、シース106の中で近位セクション102と遠位セクション104との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、カテーテル100を伝播することが可能であり、レーザーエネルギーは、カテーテル100の遠位セクション104からターゲット組織へ出力され得る。たとえば、供給源からのレーザーエネルギーは、20~30秒にわたってターゲット組織に加えられる5Wから12Wの光学的パワーを作り出し、心臓組織の中に貫壁性の病変を作り出すことが可能である。別の例では、供給源からのレーザーエネルギーは、60~90秒にわたってターゲット組織に加えられる30Wから50Wの光学的パワーを作り出すことが可能である。いくつかの実施形態において、処理デバイス108は、本明細書で説明されているような光学回路/システムの検出器、電子機器、および/または他のコンポーネントなどのような、1つまたは複数のコンポーネントを含むことが可能である。他の実施形態において、これらの1つまたは複数のコンポーネント(たとえば、光学回路/システムの検出器、電子機器、および/または他のコンポーネントなど)は、近位セクション102の中に含まれ得る。
【0024】
ある実施形態において、近位セクション102は、第2の光学的供給源から発生させられる光を使用して低コヒーレンス干渉法(LCI)を実施するために、干渉計の1つまたは複数のコンポーネントを含む。干渉計のデータ分析の性質に起因して、ある実施形態において、遠位セクション104へおよび遠位セクション104から光をガイドするために使用される光学的伝送媒体は、光の偏光の状態および程度に影響を与えない。別の実施形態では、光学的伝送媒体は、一定の可逆的な方式で、偏光に影響を与える。
【0025】
近位セクション102は、さらなるインターフェースエレメントを含むことが可能であり、カテーテル100のユーザーは、さらなるインターフェースエレメントによって、カテーテル100の動作を制御することが可能である。たとえば、近位セクション102は、偏向制御メカニズムを含むことが可能であり、偏向制御メカニズムは、遠位セクション104の偏向角度を制御する。偏向制御メカニズムは、近位セクション102の上のエレメントの機械的な移動を必要とする可能性があり、または、偏向制御メカニズムは、遠位セクション104の移動を制御するために電気的な接続を使用することが可能である。近位セクション102は、さまざまなボタンまたはスイッチを含むことが可能であり、ボタンまたはスイッチは、遠位セクション104においてレーザーエネルギーが加えられるときに、または、放射線のビームが遠位セクション104から伝送されるときに、ユーザーが制御することを可能にし、光学データの獲得を可能にする。いくつかの実施形態において、近位セクション102は、遠位セクション104に連結されている1つまたは複数のプルワイヤーを制御するための偏向制御メカニズムを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、偏向制御メカニズムおよび1つまたは複数のプルワイヤーは、カテーテル100の遠位セクションの操舵を可能にし、アブレーションのために特定の組織領域の中で操縦してターゲットにするようになっている。
【0026】
遠位セクション104は、複数の光学ビューポートを含む。いくつかの実施形態において、複数の光学ビューポートは、本明細書では、カテーテル先端部の中のオリフィスと称され得る。ある実施形態において、光学ビューポートのうちの1つまたは複数は、遠位セクション104の外側本体部の中へ機械加工されている。光学ビューポートは、遠位セクション104の外側にわたって分配されており、複数の個別の視認方向を結果として生じさせる。いくつかの実施形態において、光学ビューポートは、遠位セクション104からさまざまな角度において光(たとえば、光信号)を伝送および収集することが可能である。また、光学ビューポートは、光学ビューポートのうちの1つまたは複数を通してレーザーエネルギーが組織アブレーションのために方向付けられ得る複数の方向(たとえば、ビーム方向)を可能にする。ある実施形態において、複数の視認方向のそれぞれは、実質的に同一平面上にない。また、光学ビューポートは、アブレーションの間に遠位セクション104および周囲組織を冷却するための灌漑機能性を備えて設計され得る。
【0027】
図2Aおよび
図2Bは、本開示の実施形態によるシース106の断面図を図示している。シース106は、近位セクション102を遠位セクション104と相互接続するエレメントのすべてを含むことが可能である。シース106aは、灌漑チャネル202、偏向メカニズム206、電気的な接続208、および光学的伝送媒体210を収容する実施形態を図示している。
図2Aは、電気的な接続208および光学的伝送媒体210の両方に巻き付けられた保護カバー212を図示している。電気的な接続208は、遠位セクション104の中に位置付けされている光学的な変調コンポーネントに信号を提供するために使用され得る。他の実施形態において、光学的伝送媒体212およびコンポーネントは、電気的な接続208が収容される保護カバー212とは別個の保護カバーの中に位置付けされ得る。1つまたは複数の光学的伝送媒体210は、光学的供給源(暴露光)から発生させられる光を遠位セクション104に向けてガイドし、一方では、光学的伝送媒体210の別のサブセットは、遠位セクション104から戻る光(散乱光または反射光)を近位セクション102にガイドする。別の例では、同じ1つまたは複数の光学的伝送媒体210は、両方の方向に光をガイドする。いくつかの実施形態において、光学的伝送媒体210は、1つまたは複数のシングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含む。
【0028】
灌漑チャネル202は、冷却流体を遠位セクション104に向けてガイドするために使用される中空のチューブであることが可能である。灌漑チャネル202は、流体の温度に影響を与えるためにチャネルに沿って配設されている加熱および/または冷却エレメントを含むことが可能である。別の実施形態では、灌漑チャネル202は、遠位セクション104を取り囲む流体を近位セクション102に向けて引き戻すための通路としても使用され得る。
【0029】
偏向メカニズム206は、遠位セクション104の偏向角度を変化させるために、遠位セクション104に信号を提供するように設計されている電気的なまたは機械的なエレメントを含むことが可能である。偏向システムは、実施形態によれば、近位セクション102の中に設置されている機械的な制御を作動させることによって、遠位セクション104の案内を可能にする。このシステムは、近位セクション102における偏向メカニズム制御を遠位セクション104におけるカテーテル先端部と接続するワイヤーと組み合わせた、遠位セクション104の一方向の偏向を提供することを目的としたシース106の中の一連の位置合わせされて均一に間隔を置いて配置されたカットアウトに基づくことが可能である。このように、近位セクションの特定の移動は、遠位セクションに投影され得る。カテーテル先端部に取り付けられているいくつかの制御ワイヤーの組み合わせを含む他の実施形態は、異なる方向に沿ったカテーテル先端部の偏向を可能にすることができる。
【0030】
図2Bは、シース106bの断面を図示している。シース106bは、電気的な接続208が存在していないことを除いて、
図2Aからのシース106aと同じエレメントのほとんどを有する実施形態を示している。シース106bは、発生させられた放射線のビームの変調(たとえば、多重化)が近位セクション102において実施される状況において使用され得る。いくつかの実施形態において、シース106bは、レーザーまたは極低温のアブレーションのために使用される診断カテーテルの中に実装され得る。
【0031】
例示的なカテーテルシステムおよびコンソールの実施形態
光コヒーレンス断層撮影法(OCT、Optical Coherence Tomography)および/または光コヒーレンス反射率測定法(OCR、Optical Coherence Reflectometry)、屈折率測定法、または、他の方法を使用し、組織アブレーションを実施し、リアルタイムで瘢痕形成を追跡し、組織の中の瘢痕パターンを直接的に観察することによって病変幾何学形状および隔離をモニタリング/検証する、アブレーションカテーテルおよびコンソールシステムの実施形態が、本明細書で開示されている。瘢痕が形成されているかどうかを評価するために、本明細書で説明されている方法、デバイス、およびシステムは、光学的に反射された/屈折された光を組織から獲得し、(たとえば、強度および偏光を測定することによって、ならびに、測定値に基づいて組織の位相遅延および/または複屈折をコンピューター計算することによって)反射光の光学的特性を決定し、変化をモニタリングする。その理由は、健康な組織と比較されるとき、組織が瘢痕化されるときにこれらの光学的特性が変化するからである。組織の光学的特性の変化を識別することによって、組織の中の病変深さおよび変性時間が、本明細書で説明されているように、さまざまなアブレーション時間に関して予測され得る。
【0032】
図3は、本開示の実施形態による、アブレーションおよび病変予測を実施するためのシステム300の例示的なダイアグラムを図示している。システム300は、カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、ディスプレイ325、および灌漑ポンプ330を含む。カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、ディスプレイ325、および灌漑ポンプ330は、有線接続および/または無線接続を介して、一緒に通信可能に連結され得る。いくつかの実施形態において、カテーテル302は、
図1に示されているカテーテル100の例示的な実施形態を表すことが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル302の遠位セクションは、患者304の組織の一部分に位置決めされている。本明細書で説明されている実施形態は、生体内でおよび/または生体外で使用され得るということが理解される。
【0033】
いくつかの実施形態において、カテーテル302は、信号発生器320によって発生させられるエネルギーを使用して、アブレーションの対象となる組織の一部分に位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、信号発生器320は、アブレーションのためのラジオ周波数(RF)、極低温、またはエレクトロポレーション(たとえば、パルス電界)信号を発生させるように構成された電子デバイスであることが可能である。信号発生器320は、直接的にまたはコンソール310を介して、カテーテル302に連結され得、カテーテル302にエネルギーを送り、選択された組織部位において、組織の一部分をアブレートすることが可能である。いくつかの実施形態において、組織の一部分は、心筋組織、心臓筋肉組織、または骨格組織などを含むことが可能である。エネルギーは、カテーテル302の遠位セクションの中の光学ビューポートを通して、組織の一部分に加えられ得る。エネルギーを加えた後に、組織の中の構造的な変化が、カテーテル302の1つまたは複数の光学ビューポートを介して光信号を獲得することによって観察され得る。
【0034】
コンソール310は、コンピューティングデバイスを含むことが可能であり、コンピューティングデバイスは、カテーテル302から光信号を獲得するように構成されており、光信号を分析し、組織の光学的特性の変化を検出するように構成されている。いくつかの実施形態において、コンソール310は、ハードウェア(たとえば、回路)、ファームウェア、ソフトウェア、または、それらの任意の組み合わせを含み、本明細書で説明されているように、光信号の分析を実施し、病変深さおよびアブレーション時間を予測するためのモデルを発生させることが可能である。いくつかの実施形態において、コンソール310は、それ自体の中のおよびカテーテル302の中の光学回路を通して組織の中へ光を送り、瘢痕の進行、組織とカテーテル302との間の接触、および、組織の他の特性をモニタリングすることが可能である。いくつかの実施形態において、コンソール310は、本明細書では、制御コンソール、処理デバイス、および/またはコントローラーと称され得る。コンソール310は、ディスプレイ325に連結され得、ディスプレイ325は、光信号分析および病変予測からの結果を提示することが可能であり、カテーテル302、コンソール310、信号発生器320、および/または灌漑ポンプ330の動作に関係するパラメーターを、ユーザーが選択すること/見ること、修正すること、および/または制御することを可能にすることができる。
【0035】
いくつかの実施形態において、灌漑ポンプ330は、チュービングを介してカテーテル302に連結され得る。いくつかの実施形態において、灌漑ポンプ330は、流体がチュービングを通してポンプ送りされること、および、カテーテル302を通して(たとえば、光学ビューポートを通して、または、カテーテル302の遠位セクションにおける別個の灌漑スリットを通して)組織部位においてリリースされることを可能にすることができる。灌漑ポンプ330からの流体は、アブレーションの間にカテーテル302の遠位セクションおよび周囲組織を冷却することが可能であり、また、アブレーションの間および/または後に任意のデブリを洗い流すことが可能である。
【0036】
いくつかの実施形態において、カテーテル302は、1つまたは複数の光学的な接続312および1つまたは複数の電気的な接続314を介して、コンソール310に連結され得る。光学的な接続312は、さらなる分析のためにカテーテル302およびコンソール310からの光信号の獲得および/またはそれへの光信号の伝送を可能にするシングルモード光ファイバーおよび/またはマルチモード光ファイバーを含むことが可能である。電気的な接続314は、アブレーションのために信号発生器320からカテーテル302へ電力およびエネルギーを供給するために使用される配線、ピン、および/またはコンポーネントを含むことが可能である。
【0037】
いくつかの実施形態において、光学的な接続312および電気的な接続314は、通信インターフェース316を介してコンソール310に接続され得る。通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間でのさまざまな信号(たとえば、光学信号および電気信号)の伝送を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、通信インターフェース316は、カテーテル302とコンソール310との間での光ファイバーの適正なアライメントを促進させるコネクターを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、コネクター設計は、電気的なエクステンションラインおよび光学的なエクステンションラインの両方を含むことが可能である。
【0038】
例示的な光学システムおよびコンソールの実施形態
図4は、本開示の実施形態による、サンプル420をイメージングするための例示的な光学システム401のダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、光学システム401のコンポーネントは、コンソール310の中に実装され、カテーテル302を使用してサンプル420の光学的測定値を獲得することが可能である。いくつかの実施形態において、サンプル420は、患者の身体の中の組織表面であることが可能である。
【0039】
いくつかの実施形態において、光学システム401は、低コヒーレンス干渉法(LCI)、光コヒーレンス断層撮影法(OCT)、および/もしくは光コヒーレンス屈折率測定法、または、他の光学的なモダリティーを利用し、イメージングを実施することが可能である。光学システム401は、光学的供給源402、偏光スプリッター403、カップリング/スプリッティングエレメント404、サンプルアーム406、偏光スイッチ407、参照アーム408、光学スイッチ409、出力ファイバー410、ディレイユニット412、および検出器414を含むことが可能である。光学システム401は、明確化のために示されていない任意の数の他の光学エレメントを含むことが可能であるということが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、光学システム401は、サンプルアーム406または参照アーム408の経路に沿って、ミラー、レンズ、グレーティング、スプリッター、および、マイクロ機械的なエレメントなどを含むことが可能である。
【0040】
いくつかの実施形態において、光学的供給源402は、1つまたは複数のファイバーを介してカップリング/スプリッティングエレメント404に連結されている放射線の供給源ビームを発生させることが可能である。カップリング/スプリッティングエレメント404は、光学的供給源402から受け取られた光をサンプルアーム406および参照アーム408の両方に方向付けるために使用される。カップリング/スプリッティングエレメント404は、たとえば、カップリングエレメント(たとえば、双方向カップラー)、光学スプリッター、調節可能なスプリッティング比のカップラー、または、単一の光のビームを2つ以上の光のビームに変換する任意の他の変調光学デバイスであることが可能である。いくつかの実施形態において、光学的供給源402からの光は、光学減衰器を通過することも可能である。
【0041】
サンプルアーム406をトラベルする光は、偏光スイッチ407および光学スイッチ409を通ってトラベルすることによって、最終的に、サンプル420の上に衝突する。いくつかの実施形態において、偏光スイッチ407は、サンプルアーム406の上に含まれ得るが、LCIシステムの入力に(たとえば、スプリッティング/カップリングエレメント404の前に)あることも可能である。いくつかの実施形態において、偏光スイッチ407を通過した後に、光学スイッチ409は、複数の出力ファイバー410のうちの1つまたは複数に光を方向付けることが可能である。いくつかの実施形態において、複数の出力ファイバー410は、コネクターを介してカテーテル302のファイバーに連結されているコンソール310におけるファイバーを表している。
【0042】
いくつかの実施形態において、サンプル420は、イメージングされることとなる任意の適切なサンプル(たとえば、組織など)であることが可能である。光は、サンプル420の中のさまざまな深さから散乱および反射して戻り、散乱された/反射された放射線は、サンプルアーム406の中へ戻されて収集される。スキャン深さは、ディレイユニット412の中の光に課されるディレイを介して選ばれ得る。
【0043】
いくつかの実施形態において、ディレイユニット412は、さまざまな光変調エレメントを含むことが可能である。これらの変調エレメントは、位相および/または周波数変調を実施し、光の中の望ましくない光学的な効果を打ち消し、また、イメージングされることとなるサンプル420の1つまたは複数の深さを選択することが可能である。いくつかの実施形態において、ディレイユニット412は、また、参照アームの光の偏光を制御し、偏光を変調させることが可能である。いくつかの実施形態において、参照アーム408の上の変調スキームは、参照アームの中のスイッチングエレメントの必要性を簡単化することが可能であり、時間多重化から周波数/位相/コード/偏光多重化へのシフトを可能にすることができる。「光」という用語の使用は、任意の範囲の電磁スペクトルを指すことが可能である。ある実施形態において、「光」という用語は、約1.3μmの波長における赤外線放射線を指す。
【0044】
示されている実施形態では、ディレイユニット412は、参照アーム408の中に位置付けされている。しかし、ディレイユニット412は、その代わりに、サンプルアーム406の中に位置付けされてもよいということが理解されるべきである。代替的に、ディレイユニット412のさまざまなエレメントは、サンプルアーム406および参照アーム408の両方の中に存在していてもよい。たとえば、可変ディレイを光に導入するディレイユニット412のエレメントは、サンプルアーム406の中に位置付けされ得、一方では、光の異なる偏光モードを変調させるエレメントは、参照アーム408の中に位置付けされ得る。別の例では、光の異なる偏光モードを変調させるディレイユニット412のエレメントは、サンプルアーム406の中に位置付けされ得、一方では、可変ディレイを光に導入するエレメントは、参照アーム408の中に位置付けされ得る。1つの例において、サンプルアーム406および参照アーム408は、光ファイバーである。たとえば、光ファイバーシステム、自由空間光学システム、フォトニック集積回路など、他の実装形態も同様に考えられ得る。
【0045】
ある実施形態において、光は、1つまたは複数のファイバーを介して光学的供給源402からカップリング/スプリッティングエレメント404へ連結され得、また、光は、1つまたは複数のファイバーを介して、または、直接的な自由空間カップリングによって、スプリッティングエレメント404から偏光スプリッター403へ、そして検出器414へ連結され得る。
【0046】
いくつかの実施形態において、光学スイッチ409は、複数の出力ファイバー410を通る1つまたは複数のビームの選択を可能にする。いくつかの実施形態において、一度に1つのビームがアクティブになることが可能であり、サンプル420から戻ってくる信号が、参照アーム408と組み合わせられ、次いで、偏光スプリッター403を使用して検出器414の中の異なるチャネルへとスプリットされ得るようになっている。いくつかの実施形態において、これは、組織の複屈折および他の光学的特性が一度に1つのチャネルから測定されることを可能にすることができる。他の実施形態において、いくつかのビームが、同時にアクティブになり、マルチプレクサーまたは他のタイプのビームスプリッターによってスプリットされ得、そこでは、それぞれの経路からのそれぞれのビームが、それらの周波数、波長、振幅、または、ビームの光の他の光学的な特性によって判別される。
【0047】
いくつかの実施形態において、サンプルアーム406および参照アーム408の中の光は、カップリング/スプリッティングエレメント404によって(または、異なる光学的なカップリングエレメントによって)再び組み合わせられ、次いで、検出器414において受け取られる前に、偏光スプリッター403によってスプリットされる。いくつかの実施形態において、光は、カップリング/スプリッティングエレメント404によるカップリングの前に偏光され得る。他の実施形態において、光は、参照アーム408においてスプリットされ得る。検出器414は、任意の数のフォトダイオード、電荷結合デバイス、および/またはCMOS構造体を含み、受け取られた光を電気信号へと変換することが可能である。電気信号は、サンプル420に関係付けられる深さ分解光学データを含んでおり、さらなる分析および信号処理手順のために処理デバイスによって受け取られ得る。本明細書で使用されているように、「深さ分解」という用語は、イメージングされるサンプルの特定の深さに関係付けられるデータの1つまたは複数の部分が識別され得るデータを定義する。
【0048】
ある実施形態において、光学的供給源402、検出器414、およびディレイユニット412は、カテーテル100の近位部102の中に位置付けされている。別の実施形態では、光学的供給源402、検出器414、およびディレイユニット412は、処理デバイス108の中に位置付けされている。カップリング/スプリッティングエレメント404、偏光スプリッター403、偏光スイッチ407、光学スイッチ409、ならびに、サンプルアーム406および参照アーム408のうちの一方または両方の少なくとも一部は、処理デバイス108の中に位置付けされ得るか、または、カテーテル100の近位部102もしくは遠位部104のいずれかの中に位置付けされ得る。別の実施形態では、光学システム401のエレメントのいずれかは、処理デバイス108の中に位置付けされているか、または、
図3に示されているカテーテルシステム300のコンソール310の中に位置付けされている。いくつかの実施形態において、検出器414は、カテーテル100のハンドルの中に位置付けされ得、一方では、光学的供給源402は、処理デバイス108の中に位置付けされ得る。光学的供給源402は、1つもしくは複数の発光ダイオード(LED)またはレーザーダイオードを含むことが可能である。たとえば、LEDは、時間領域および/またはスペクトル領域の分析を実施するときに使用され得、一方では、チューナブルレーザーが、所定の範囲の波長にわたって光の波長を掃引するために使用され得る。別の実施形態では、光学システム401のコンポーネントのいずれかは、カテーテル100またはカテーテル302の外部に(たとえば、処理デバイス108の中に、または、コンソール310の中に)位置付けされている。いくつかの実施形態において、光学システム401は、Michelson干渉計と同様の干渉計設計として図示されている。しかし、Mach-Zehnder干渉計設計またはMireau干渉計設計を含む、他の干渉計設計も同様に可能である。いくつかの実施形態において、光学システム402の中のコンポーネントは、スペクトル領域のOCT構成に適合され得る。たとえば、光学的供給源402は、スーパールミネッセントダイオード(SLED)または発光ダイオード(LED)であることが可能であり、検出器414は、組織の光学的分光法を実行するためにスペクトロメーターであることが可能である。
【0049】
図5は、本開示の実施形態による、光信号のデータ収集の統合のフルチェーンを示す例示的なブロック図を図示している。光信号のデータ収集および処理は、コンソール310によって実装され得る。いくつかの実施形態において、複数のシングルエンドの信号は、信号処理目的のための参照干渉計とともに、並列のまたは単一の処理段階においてコンソール310によってデジタル化および読み取られ得る。いくつかの実施形態において、処理は、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで(たとえば、約50msまたは同様の値)実装され得る。いくつかの実施形態において、任意の数の信号がデジタル化され得る。これらの信号は、組織の光学的特性(たとえば、複屈折、組織安定性、およびドラッギング速度(dragging speed)など)を測定するために組み合わせられて処理され得る。処理された信号は、ディスプレイ(たとえば、ディスプレイ325)の上に提示されているグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の上に示され得る。いくつかの実施形態において、GUIは、検出器の複数のチャネル(たとえば、15チャネル)が一度に表されるようにリフレッシュされ得る。いくつかの実施形態において、コンソール310は、すべてのまたは複数のチャネルからの光学データをバッファーリングすることが可能であり、データが処理されると、データは、リフレッシュされてGUIの中に提示され得る。
【0050】
いくつかの実施形態において、データ転送およびデータ処理は、異なるソフトウェア抽象化層において最適化され得、GUIにおけるリフレッシュ時間を改善しながらデータ完全性が維持されるようになっている。光学データ(たとえば、OCT構造/偏光データ)が取得されると、クラスター方法または他の方法を使用する組織検出アルゴリズムが、他のアーチファクトから組織を分離するために実装され得る。いくつかの実施形態において、アブレーションから形成された病変の3Dモデルは、光ファイバーからの個々のビームのそれぞれから取得され得る。いくつかの実施形態において、ドラッギングアルゴリズムは、病変モデルアルゴリズムと組み合わせられ、カテーテルが移動しているときに病変を適正に予測することが可能である。
【0051】
そのうえ、最適化アルゴリズムは、異なる光学的経路ディレイにおいて外部参照干渉計を使用して切り替えながら、光学的供給源の非線形性および位相ノイズを補償するために適用され得る。いくつかの実施形態において、追加的な自動較正方法が実装され、手動の相互作用なしに偏光状態を最適化し、モーターおよびリトロリフレクターを使用して光ファイバー長さを自動調節することが可能であり、コヒーレンス範囲がそれぞれのファイバーに対して最適化されるようになっている。
【0052】
例示的なコネクターの実施形態
図6は、本開示の実施形態による、コネクター600の断面の例示的なダイアグラムを図示している。
図6に示されているコネクター600は、コンソールとカテーテルとの間で(たとえば、コンソール310とカテーテル302との間の通信インターフェース316などにおいて)ファイバー同士を接続するための対面コネクターにおいて使用され得る。いくつかの実施形態において、コンソール-カテーテルインターフェースにおいて、小さい断面(たとえば、50~80um)を有するファイバーは、より大きい断面(たとえば、125um)を有する他のファイバーにスプライスされ(spliced)得、カテーテルとコンソールとの間の標準的なサイズのコネクター(たとえば、125umファイバーをフィットするように構成されている)によって使用されるようになっている。しかし、ファイバーを個別にスプライスすることは、時間がかかり、高価である可能性がある。したがって、カスタムコネクター(たとえば、
図6に示されている断面を有するコネクター600など)が、ファイバーを一緒にリンク接続するために使用され得る。いくつかの実施形態において、コネクター600は、複数のV字形状の溝部602を備えたマルチファイバーコネクターであることが可能であり、複数のV字形状の溝部602は、カテーテルとコンソールとの間の接続部においてファイバーを位置合わせすることを助ける。V字形状の溝部602は、それぞれの個々のファイバーが+/-1umの精度によって溝部602の中に位置合わせされて位置決めされるように形成および構成され得る。いくつかの実施形態において、それぞれのファイバーは、ファイバーを溝部の中に押し下げる蓋とともに、それぞれのV字形状の溝部602の底部の中に置くことが可能である。
【0053】
いくつかの実施形態において、2つのコネクター600は、オス-メス接続で組み合わせられ、コンソールとカテーテルとの間のファイバーの適正なアライメントを可能にすることができる。いくつかの実施形態において、2つのコネクター600(たとえば、カテーテルの中のコネクター、および、コンソールの中のコネクター)は、アライメントピンを使用することが可能であり、ファイバーのコア同士が互いに出会うようになっている。いくつかの実施形態において、コネクター600は、シリコン、ガラス(たとえば、石英など)、またはポリマー材料からエッチングプロセスによって形成され得る。コネクター600は、最終的に、ファイバーのアライメントおよび位置決めを強化し、カテーテルおよび光学システムの中のオプティクスの精度を改善することが可能である。
【0054】
図7A~
図7Cは、本開示の実施形態による、マルチファイバープッシュオン(MPO)コネクター設計の例示的なダイアグラムを図示している。
図7A~
図7Cに示されているMPOコネクター設計は、製造およびコンソールへの接続性を容易にするために、単一のコネクターを交換するために利用され得る。
図7Aは、MPOコネクターのための糊付けプロセスを図示しており、一方では、
図7Bは、ガラスフェルールと組み立てられたコネクターを図示している。
図7Cに示されているように、MPOコネクター設計は、その前により小さい孔部(たとえば、54um)を備えた特注コンポーネントを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、特注コンポーネントは、カテーテル側およびコンソール側の両方に互換性があることが可能であり、この設計は、ファイバーを通すプロセスおよび糊付けプロセスをさらに促進させることが可能である。いくつかの実施形態において、追加的なコネクター設計は、MPOコネクターを使用すること、および、コネクターフェルールのフロントパネルの上により小さい孔部を備えたカスタムセクションを追加することを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、この方法は、非標準的なファイバー直径を使用することのカップリング効率を改善することが可能であるが、既存のマルチファイバーコネクターオプションの使用から利益を得ることも可能である。
【0055】
光学的な分析および病変予測の例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、光信号は、カテーテルによって取得され得、コンソールの中の光学システムは、光信号の分析を実施し、本明細書で説明されているように、病変深さおよびアブレーション時間を予測するためのモデルを発生させることが可能である。いくつかの実施形態において、予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に加えられるエネルギーによって形成される病変の高さおよび幅を表すことが可能である。
【0056】
アブレートされた組織からの光学的特性測定値を使用して病変深さ予測アルゴリズムを開発するために、例示的な研究が実行された。その研究では、組織サンプルが豚の心臓から摘出され、カテーテルの遠位端部が、マイクロ-ポジショナーを使用して組織の心内膜表面に垂直方向に位置決めされた。組織サンプルは、右心房自由壁部、上大静脈、左心房天蓋、僧帽弁輪、および左心耳を含んでおり、カテーテルは、一定の接触力を維持するために、および、接触力の記録に対する外部機械的振動の影響を低減させるために、スプリングから組織の上方に吊り下げられた。マイクロ-ポジショナーは、所望の接触力値を実現するように調節され、力は、計量スケールを使用して測定された。
【0057】
いくつかの実施形態において、カテーテルと組織との間の接触は、直接的な可視化(たとえば、光学システム401を使用する)およびスケールの上の重量の変化によって分析され得る。いくつかの実施形態において、0g、2g、もしくは10g、またはそれ以上の接触力は、カテーテルと組織との間の接触なし、ソフトな接触、または、強力な接触をそれぞれ示すことが可能である。いくつかの実施形態において、マイクロ-ポジショナーによって測定されるプラスの距離は、組織がカテーテル先端部と接触していないということを示すことが可能であり、一方では、マイクロ-ポジショナーによって測定されるマイナスの距離は、カテーテル先端部が組織に導入されたということを示すことが可能である。
【0058】
いくつかの実施形態において、カテーテルの遠位端部からのRFエネルギーは、20Wから40Wの間のレベルにおけるパワーおよび5秒から45秒の間の範囲にあるRFアブレーション時間によって、組織サンプルに加えられた。いくつかの実施形態において、焦点RFアブレーションが、さまざまなパラメーター(たとえば、さまざまなパワー値、時間、灌漑流量、およびカテーテル接触力値を含む)の下で、右心房および左心房の両方において実施された。病変深さを予測するための関心の光学的なパラメーターを識別するために、組織の光学的測定値が、干渉法、OCT、および/またはOCR技法を使用して取得された。いくつかの実施形態において、光学的測定値は、本明細書で説明されているように、
図4の光学システム401を使用することによって取得され得る。
【0059】
図8Aおよび
図8Bは、本開示の実施形態による、組織の光学的測定値からの例示的な結果を示すグラフを図示している。とりわけ、
図8Aは、本開示の実施形態による、5秒の時間窓におけるAMスキャンの平均として計算された例示的な構造的なイメージのグラフを図示している。いくつかの実施形態において、組織深さの関数としての光学的パワーは、光学的測定値から分析され、カテーテル灌漑流量および入射角度値(たとえば、カテーテルの遠位セクションにおける光学ビューポートのうちの1つまたは複数から退出するビームのビーム方向)に基づいて、組織の中の異なる場所におけるカテーテル先端部(たとえば、カテーテルの遠位セクションの端部)および組織距離および光信号品質をさらに評価することが可能である。
【0060】
いくつかの実施形態において、組織表面が検出され、
図8Aの中の2つの垂直方向の破線によって示されているように、レンズおよび組織インターフェース距離が、2つのピークの距離に基づいて評価され得る。いくつかの実施形態において、最大イメージ深さ(たとえば、組織の中の光学的な浸透)は、
図8Aに示されている第3の垂直方向の線によって示されているように、光学的パワーがノイズ背景を5dB上回っているときの深さに関する第1の組織インターフェースの間の距離の関数として計算され得る。いくつかの実施形態において、線形回帰モデル(たとえば、局所的に推定される散布図平滑化(LOESS:locally estimated scatterplot smoothing)曲線フィッティング回帰など)が、データに適用され得る。
【0061】
図8Bは、本開示の実施形態による、構造的なイメージのAスキャンの平均として計算される例示的な平均位相遅延のグラフを図示している。いくつかの実施形態において、位相遅延傾きは、最大位相遅延を有する(
図8Bに示されている2つの垂直方向の線によって示されているような)組織インターフェースから測定される傾きと対応することが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、システム(たとえば、カテーテルシステム300および光学システム401)は、組織の強度および偏光を測定し、位相遅延データおよび組織特性(たとえば、複屈折など)が、それから抽出され得る。いくつかの実施形態において、組織の中の構造的な変化は、Aスキャンおよび/または強度測定に関係付けられ得る。位相遅延データは、組織の中の病変深さおよび構造的な変化に関する情報(たとえば、壊死および組織変性など)を含む、組織についての情報を提供することが可能である。とりわけ、心臓壁部は、3つの層(外側の心外膜、中間の心筋、および、内側の心内膜)を含み、そのうちの心筋は、心臓の筋肉組織であり、心臓筋肉細胞(心筋細胞)から構成されている。心臓筋肉細胞は、ブランチ状の筋原線維およびサルコメアを有する高度に組織化された細胞構造体を有している。顕微鏡的には、心臓筋肉の中のサルコメアおよび筋原線維の配置は、筋状の外観を結果として生じさせる。いくつかの実施形態において、アブレートされていない未治療の心筋組織は、高レベルの細胞組織を有することが可能であり、それは、反平行の偏光状態の間の有意な位相遅延(PR)を示す。高レベルの細胞組織は、累積的な位相遅延の上にπの周りで位相がラップする偏光された光を反射することにつながる可能性がある。いくつかの実施形態において、複屈折の大きさに比例するレートで光が心筋組織を通ってより深くトラベルするにつれて、位相遅延は累積することが可能である。したがって、心臓筋肉組織の筋肉構造体の中の組織化が少ないことは、組織複屈折の特性に対する直接的な影響を有する可能性がある。
【0063】
図8Bは、0からπ(位相ラッピング)の間の組織表面に対するそれぞれの深さにおける累積された位相遅延を示している。いくつかの実施形態において、平均位相遅延は、5秒の時間窓におけるAスキャンの平均として計算され得る。平均PRにおいて取得された情報は、次いで、心臓組織の中のコラーゲンおよび細胞の量および配置に関係付けられ得る。
【0064】
いくつかの実施形態において、位相遅延データの傾きにおける変曲点が、組織表面の数百ミクロン後に識別され得る。いくつかの実施形態において、この深さは、組織の中の心内膜(コラーゲン)と心筋(主に、心筋細胞)との間の移行に対応することが可能である。いくつかの実施形態において、平均PR傾き、R2値、二乗平均平方根誤差(RMSE)値、および、心内膜壁部の推定の終わりから最大値まで計算された最大PRと最小PRとの間の比率は、心筋の中の心筋細胞の配置に関連付けられ得る。
【0065】
いくつかの実施形態において、組織の組織学的分析(たとえば、染色技法を使用する)が、偏光感受性光コヒーレンス反射率測定法(PS-OCR)を組織の中の筋線維の配置と相関付けるために実施され得、たとえば、PS-OCRイメージの中のコラーゲンおよび心筋細胞を識別すること、ならびに、線形回帰モデルにおいて使用される測定値から任意の異常な微細解剖学を除外することなどが可能である。
【0066】
いくつかの実施形態において、線形回帰モデルに関連付けられるR2値および二乗平均平方根誤差(RMSE)は、組織の中の細胞組織に関係付けられ得、したがって、小さいR2値(たとえば、<0.8)または高いRMSE値(たとえば、>0.025)は、細胞外マトリックスの中の過剰なコラーゲンまたは心内膜の厚い壁部を示すことが可能であり、それは、細胞組織を低減させる可能性がある。
【0067】
図9A、
図9B、および
図9Cは、本開示の実施形態による、組織からの偏光感受性光コヒーレンス反射率測定法(PS-OCR)によって取得される光信号の例示的な結果および分析を示すグラフを図示している。とりわけ、
図9Aは、生体外RFアブレーション手順の間に取得される、PS-OCRの光信号の時間進行を示している。
【0068】
いくつかの実施形態において、加熱の第1のインスタンスの後に、直交する偏光状態間のPRにおける周期的変動の大きなダイナミックレンジが存在しているときに、したがって、ダイナミックレンジを背景ノイズレベルまで低減させるときに、
図9Aにおいて突然の変化が観察され得る。このPR変化は、最適な接触条件においておおよそ単調である可能性があり、ファイバー変性が起こったときに閾値が推定され得るようになっている。この位相遅延測定に関して、Aスキャンラインは、一緒にグループ化され、2D信号としてフィルタリングされ得、深さおよび時間コヒーレンスを活用するようになっている。最初に、信号は、30サンプルの標準偏差を有するGaussianカーネルによって畳み込まれ得る。次に、結果として生じる平滑化された信号は、より小さなサポート(たとえば、3x3)のメディアンフィルターによって処理され、局所的な不均質性を除去することが可能である。
【0069】
最後に、信号は、考慮されるタイムフレームの中の最大位相遅延の80%に等しい固定された所定の閾値によってバイナリー化され得る(たとえば、バイナリーに変換される)。いくつかの実施形態において、タンパク質変性分画の約20%の損失は、タンパク質変性および細胞生存率の低減をもたらす可能性があるため、所定の閾値が選択され得る。結果として生じる信号は、組織表面からほとんど~1mm深さまでの組織に関して、データクラスターとして
図9Bに図示されている。とりわけ、
図9Bは、時間および深さの関数として光信号のバイナリー化された位相遅延を示す例示的なダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、変性時間(t
D)は、最大位相遅延の80%に等しい一定の所定の閾値よりも複屈折が小さくなる瞬間として仮定され得る。いくつかの実施形態において、獲得システム(たとえば、光学システム401)およびRF光信号は、外部クロックに同期化され、タイムベースを保証することが可能である。
【0070】
信号が成功的にバイナリー化されると、それぞれのスキャンのポイントの数の総計は、x軸に投影され得、アレニウスフィットがその結果に適用され得る。
図9Cは、本開示の実施形態による、
図9Bの結果のアレニウスフィット曲線の例示的なグラフを示している。いくつかの実施形態において、合計変性時間(t
D)および組織が変性される速度は、アレニウスの式の傾きに従って、以下の式に従って計算され得る。
【0071】
【0072】
いくつかの実施形態において、C
0およびC
Tは、それぞれ、初期の生存細胞の数、および、一定の加熱レートBにおいて加熱された後の温度Tにおける生存細胞の数である。いくつかの実施形態において、AおよびEaは、それぞれ、細胞死プロセスに関する周波数要因および活性化エネルギー値である。結果として、変性時間(t
D)は、時間的にデータの2つのクラスターの間の移行から推測され得る。いくつかの実施形態において、ファイバー変性は、アレニウス曲線が0.01秒の時間窓におけるyオフセットに到達する最小時間において起こることが可能である。いくつかの実施形態において、
図9Cの中の垂直方向の破線は、この基準を使用して、推定されたt
Dを示すことが可能であり、t
Dの傾きは、組織変性が到達される速度であることが可能である。
【0073】
いくつかの実施形態において、統計的な分析が、取得される光学的な測定データ(たとえば、
図8A~
図9C)に対して実施され得る(データの分散の分析(ANOVA)のためのパワー分析、T-検定、および線形回帰を適用し、変数間の関係をモデル化することを含む)。いくつかの実施形態において、組織変性および壊死に対応する複屈折における損失を示す光学的な測定データは、本明細書で説明されているように、病変深さを予測するための回帰モデルの開発の中に含まれ得る。
【0074】
いくつかの実施形態において、予測病変深さモデルは、RFアブレーションを実施する間または後の組織における病変進行を理解するのに有益である可能性がある。いくつかの実施形態において、高温温熱療法は、50℃から90℃の温度範囲において組織を破壊する可能性がある。43℃から45℃の付近の温度において、不可逆的な細胞損傷(たとえば、膜崩壊、タンパク質変性、およびミトコンドリア機能障害など)は、より長い暴露時間(たとえば、30~60分)の後に、細胞を破壊する可能性がある。より高い温度において(たとえば、60℃を上回る温度など)、急速なタンパク質変性および細胞死が、しばしば数秒以内に起こる可能性がある。
【0075】
病変の形状を特徴付けるために、および、リアルタイムで測定される生物物理的なパラメーターを光学システムによって取得される光学的測定値に相関させるために、組織は、RFアブレーションが実施された後に、(たとえば、塩化テトラゾリウム(TTC)によって)さらに染色され、目視検査およびイメージングを介して分析され得る。
図10Aおよび
図10Bは、本開示の実施形態による、カテーテル先端部における組織の中に形成された病変、および、病変の測定値をそれぞれ示す例示的なダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、病変サイズは、
図10Bの中のラベルA~Gによって表される測定値のうちの1つまたは複数を取得することによって測定され得る。いくつかの実施形態において、病変サイズは、最大病変深さ(A)、最大病変幅(B)、最大病変幅における深さ(C)、表面における断面直径または病変直径(D)、組織深さまたは厚さ(E)、病変のカテーテル圧痕深さ、または、アブレーションの後の組織変形の深さ(F)、軸線から-45°における病変深さ(G)、および、軸線から45°における病変深さ(H)のうちの少なくとも1つによって表され得る。いくつかの実施形態において、病変深さと病変幅との間に高い相関関係が存在している可能性があり、それは、病変幅値の推定を可能にすることが可能である。いくつかの実施形態において、病変サイズ測定値は、病変深さモデルを発生させる際に使用され得、イメージ処理は、深さ分解組織構造体の関数として光学的なパラメーターおよび光学的な組織特性を評価するために実施され得る。
【0076】
いくつかの実施形態において、予測病変モデルは、さまざまなパラメーターを有するカテーテルを使用して複数のRFアブレーションを実施することから取得される光学的な測定データの分析から生成され得る。例として、RFアブレーションは、以下のパラメーターによって実施され得る:20Wから60Wの間のレベルにおけるパワー、10秒から50秒の間のアブレーション時間、8mL/minに固定された灌漑流量、および、20gに固定されたカテーテル接触力。いくつかの実施形態において、光学的な測定データは、RFアブレーションから取得され、複屈折の損失を検出するために(たとえば、光学システム401を使用して)分析され得、それは、壊死および筋線維変性と相関付けられ得る。いくつかの実施形態において、複屈折の損失は、カテーテルから出力されるビームのうちの少なくとも1つ(たとえば、カテーテル100の遠位セクション104における光学ビューポートのうちの1つまたは複数から退出するビームのうちの1つ)において検出され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルの1つまたは複数の光学ビューポートは、組織と接触していることが可能であり、1つまたは複数のビームは、組織の光学的インタロゲーションのために一度に出力され得る。
【0077】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、垂直の配向(そこでは、カテーテル先端部が組織に対して垂直になっている)、45°の角度(そこでは、カテーテル先端部が組織に対して45°の角度にある)、平行な配向(そこでは、カテーテル先端部が組織に対して平行になっている)、または他の配向を含む、さまざまな構成で組織に位置決めされ得る。カテーテル先端部の例示的な異なる配向は、
図14に示されており、さらに詳細に下記に説明されることとなる。組織においてカテーテルを位置決めすることに基づいて、光学ビューポートからの1つまたは複数のビームは、組織から光学的測定値を取得するために、(たとえば、光学システム401の中の光学スイッチ409を使用して)スイッチオンまたはスイッチオフされ得る。
【0078】
いくつかの実施形態において、ビームのさまざまな入射角度における変性時間に対するアブレーション時間に比率(tA/tD)の関数としての病変深さが、対数回帰モデルとして計算されて表され得る。いくつかの実施形態において、ビームの入射角度は、1つまたは複数のビームがカテーテル先端部の光学ビューポートを退出するさまざまなビーム方向を示すことが可能である。例では、45°の入射角度を有する組織において垂直の構成で位置決めされているカテーテルによって実施されるRFアブレーションは、他の配向よりも深い病変を結果として生じさせることが可能である。
【0079】
いくつかの実施形態において、たとえば、(たとえば、RFアブレーションの前の)組織と接触している先端部の表面と関連付けられる初期のインピーダンス、および、RFアブレーションの間のインピーダンス値の降下など、回帰モデルのための追加的な要因が含まれ得る。いくつかの実施形態において、機械学習アルゴリズム(たとえば、サポートベクトルマシンおよび/またはニューラルネットワークなど)が、回帰モデルを構築するために適用され得る。
【0080】
図11は、本開示の実施形態による、最大病変深さを予測するための例示的な回帰モデルを示すダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、回帰モデルは、アブレーション時間と変性までの時間との間の相関関係、初期インピーダンス、および、ファイバーの変性を検出するビームの入力によって、10個の隠された層を備えたニューラルネットワークから計算され得る。
【0081】
図12は、本開示の実施形態による、病変深さ分析の例示的なモデルを示すダイアグラムを図示している。とりわけ、
図12は、さまざまな温度を有するカテーテルアブレーションのための病変深さモデルの生体外での異なる測定値を示している。いくつかの実施形態において、カテーテルの光学システムは、光の散乱に起因して、深さに関して1.5mmの物理的制限を有することが可能であり、カテーテルシステムは、1.5mmを超えるより深い深さを評価することができない可能性がある。しかし、本明細書で説明されている方法、デバイス、およびシステムは、時間の経過に伴う光学的特性の変化をモニタリングするために、および、1.5mmを超える病変深さを予測するために、光学的特性(たとえば、組織の複屈折、偏光、および位相遅延など)の測定を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、特定の組織部位における組織の一部分は、1.5mmよりも厚くなっていることが可能であり、それは、組織の中への2~5mm深さからの光学的な情報を取得することを必要とする可能性がある。したがって、生体外モデル(
図12に示されているように)は、アブレーションの後に変性された組織の1.5mmに到達するために必要とされる推定された時間(たとえば、変性時間)を考慮に入れ、どのようにエネルギーがより深い病変深さにおける組織に加えられるかということをさらに評価する。
【0082】
病変深さをアブレーション時間に相関させることによって、および、異なるサイズへの病変進行を評価することによって、生体外モデルは、光学的な測定データおよび相関関係を使用して構築され得る。いくつかの実施形態において、1.5mmの深さの情報を提供する光信号は、より深い組織レベルにおける病変深さデータを予測するために外挿され得る。
【0083】
図13Aおよび
図13Bは、本開示の実施形態による、アブレーション時間の関数として、例示的な病変深さおよび病変幅をそれぞれ示すダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、
図13Aおよび
図13Bは、50℃および70℃の温度において実施されたアブレーションに関して、病変深さおよび病変幅をそれぞれ示している。いくつかの実施形態において、病変深さおよび病変幅は、光学的な測定データを分析することによって、および、
図8A~
図12を参照して議論されているように、病変深さを予測するための回帰モデルを使用することによって取得され得る。
【0084】
図14は、本開示の実施形態による、組織との接触のためのカテーテル先端部幾何学形状およびオリフィス位置の例示的なダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、
図14は、さまざまな入射角度(0°、29°、45°、62°、および90°を含む)におけるカテーテル先端部の配向を示している。
図14の中の上部パネルは、カテーテル先端部の中の複数のオリフィスまたは光学ビューポートの場所を図示しており、そこでは、3つのオリフィスが、組織と接触するように位置決めされ得る。
図14の中の底部パネルは、カテーテル先端部において50umだけ変位された上部パネルのオリフィス場所を図示している。いくつかの実施形態において、組織と接触しているオリフィスの数は、対応する光ビームから検出される信号に基づいて決定され得る。決定に基づいて、接触力は、直接的な数学的関係または統計的な外挿によって計算され得る。いくつかの実施形態において、カテーテル先端部におけるオリフィスは、光信号を獲得するために、および、組織の中のカテーテル先端部の位置決めに対して複数の異なる角度から組織の中の病変進行を決定するために利用され得る。
【0085】
図15は、本開示の実施形態による、カテーテルと組織の間の接触、および、カテーテル先端部のビーム方向の例示的なダイアグラムを図示している。
図15の上部列におけるダイアグラムは、例示的な直径、および、異なるレベルの接触を示すカテーテル先端部から組織までの距離の例示的な値を図示している。たとえば、約0.32mm、0.73mm、および1.15mmのカテーテル-組織距離は、カテーテルと組織との間のソフトな接触、中間の接触、および、強力な接触をそれぞれ表すことが可能である。いくつかの実施形態において、
図15の中間列は、カテーテル先端部における横方向の図を図示しており、そこでは、カテーテル先端部における光学ビューポートからの1つから3つのビームが、組織と接触しており、組織を光学的に評価するために使用され得る。いくつかの実施形態において、
図15の底部列は、カテーテル先端部の正面図を図示しており、そこでは、光学ビューポートからの1つから3つのビームが、組織と接触しており、組織を光学的に評価するために使用され得る。いくつかの実施形態において、カテーテル先端部において15個の光学ポートが存在していることが可能であり、任意の数の光学ポートが、1つまたは複数のビームを組織に提供するために選択され得る。いくつかの実施形態において、4つ以上のビームが、光学的な分析のために使用され得、複数の光学ビューポートからの1つまたは複数のビームを使用することは、病変深さを予測するための、および、組織の中の病変形状およびサイズの進行を理解するための、より正確なモデルを提供することが可能である。
【0086】
図16は、本開示の実施形態による、予測される病変深さを示す例示的なグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)1600を図示している。いくつかの実施形態において、GUI1600は、コンソール310に連結されているディスプレイ325の上に提示され得、コンソール310の中では、光学的な測定データが、光学システム401によって取得され得る。GUI1600は、アブレーションプロセスのために、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで、(たとえば、コンソール310によって処理されるような)光学的な測定データを提供する。いくつかの実施形態において、GUI1600は、カテーテル先端部におけるさまざまな光学ビューポートに対応する異なるセクション1604~1606を示す、カテーテル先端部の正面
図1602を含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、GUI1600の正面
図1602は、カテーテル先端部のどの光学ビューポートが組織と接触しているかということ、および、異なる光学ビューポートからのどのビームが動作中であるかということを示すことが可能である。たとえば、正面
図1602の濃い灰色のセクション1604は、カテーテルと組織との間の強力な接触を示すことが可能であり、薄い灰色のセクション1605は、カテーテルと組織との間の最小のまたは中間の接触を示すことが可能であり、白色のセクション1606は、接触がないことを示すことが可能である。いくつかの実施形態において、異なるセクション1604~1606は、また、組織から光学的測定値を取得するために、どのビームがスイッチオンまたはスイッチオフされているかということを示すことが可能である。いくつかの実施形態において、濃い灰色のセクション1604および薄い灰色のセクション1605は、対応する光学ビューポートからのビームがターンオンされているということを示すことが可能であり、一方では、白色のセクション1606は、対応する光学ビューポートがターンオフされているということを示すことが可能である。
【0088】
いくつかの実施形態において、GUI1600は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションに関して光学的な読み取り値を示す複数のタイル1608をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、複数のタイル1608は、正面
図1602の中の異なるセクション1604~1606にそれぞれ対応することが可能である。それぞれのタイル1608は、カテーテルの中のそれぞれの光学ビューポートセクションから取得される光信号および/または光学的測定値をコンソールによって処理することから結果として生じるイメージを表すことが可能である。いくつかの実施形態において、個々のタイル1608は、特定の光学ビューポートセクションが所与の時間においてアクティブであることに基づいて、スイッチオンまたはスイッチオフされ得る(または、出現するかもしくは消失することが可能である)。いくつかの実施形態において、GUI1600は、アブレーションエネルギーデータ(たとえば、RFパワー)、複屈折データ、位相データ、および、予測される病変深さデータを示す、1つまたは複数のグラフ1610を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、GUI1600は、カテーテル先端部と組織との間の安定した接触の発生、複屈折の損失、アブレーションエネルギーのステータス(たとえば、オン/オフ)、および、予測される病変深さを示す、1つまたは複数のパネルまたはインジケーター1612を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、GUI1600は、アブレーションのために、または、アブレーションの間にカテーテルと動作させるために選択されるパラメーターのユーザー選択および/またはカスタマイゼーションを可能にする、1つまたは複数のボタンまたはテキストボックスを含むことが可能である。
【0089】
動作の方法の例示的な実施形態
本明細書で説明されているカテーテル、コンソール、およびシステムは、組織の光学的な分析および病変深さ予測を実施するために使用され得る。本明細書で説明されている光学的な分析および病変予測方法を利用することによって、本明細書で開示されているカテーテルおよび光学システム(たとえば、カテーテルシステム300および光学システム401)は、精度、感度、および特異性の値がそれぞれ93.5%、92.9%、および96.6%の状態で、リアルタイムでまたはほぼリアルタイムで、組織の中の病変形成の評価を可能にすることができる。
【0090】
これまで説明されているカテーテルおよびシステムのさまざまな方法および他の実施形態は、たとえば、
図1に示されているカテーテル100、
図3に示されているシステム300(カテーテル302およびコンソール310を含む)、
図4に示されている光学システム401、および、
図5~
図16に示されている実施形態を使用して実装され得る。
【0091】
図17は、本開示の実施形態による、アブレーションのための病変深さを予測するための例示的な方法1700を図示している。いくつかの実施形態において、方法1700は、本明細書で説明されているように、
図3のコンソール310、カテーテル302、および/または、
図4の光学システム401によって実施され得る。
【0092】
ブロック1702において、アブレーションが、所定の時間の期間にわたってカテーテルからのエネルギーを組織の一部分に加えることによって実施され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルは、近位セクションと、複数の光学ポートを含む遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシースとを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテルによって加えられるエネルギーは、パルス電界、ラジオ周波数(RF)エネルギー、レーザーエネルギー、極低温エネルギー、または超音波エネルギーのうちの少なくとも1つであることが可能である。
【0093】
ブロック1704において、光学的な測定データが、カテーテルの中の少なくとも1つの光学ポートを使用して、組織の一部分から獲得され得る。いくつかの実施形態において、光学的な測定データは、組織の一部分から獲得された1つまたは複数の光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号および/または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、光学的な測定データは、
図5のブロック図に示されているコンポーネントによって、光学システム410によって、および/または、コンソール310によって獲得され得る。
【0094】
ブロック1706において、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性は、カテーテルに連結されている処理デバイスを使用して光学的な測定データを分析することによって識別され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報(たとえば、組織からの分光学的な情報またはイメージング情報)のうちの少なくとも1つを含む。
【0095】
ブロック1708において、組織の一部分の変性の時間が、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて決定され得る。いくつかの実施形態において、組織の変性の時間は、位相遅延測定値、および、所定の閾値を下回る組織における複屈折の損失に関連付けられ得る。
【0096】
ブロック1710において、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルが、変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して生成され得る。いくつかの実施形態において、モデルは、線形回帰モデルであることが可能であり、機械学習アルゴリズム(たとえば、サポートベクトルマシンおよび/またはニューラルネットワークなど)を使用して生成され得る。
【0097】
ブロック1712において、予測される病変深さが、モデルを使用して所定の時間の期間にわたって発生させられ得る。いくつかの実施形態において、予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に加えられるエネルギーによって形成された病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表すことが可能である。いくつかの実施形態において、予測される病変深さは、変性の時間に対する所定の時間の期間の比率の関数であることが可能である。いくつかの実施形態において、病変の病変進行は、カテーテルの遠位セクションにおける複数の光学ポートを使用して、組織の一部分に対して複数の異なる角度で光学的な測定データを獲得することによって決定され得、それぞれの光学ポートは、カテーテルの遠位セクションにおけるそれぞれの角度に対応する異なる場所に位置付けされ得る。
【0098】
例示的なコンピューティングの実施形態
図18は、コンピューターシステム1800の例示的なコンポーネントのブロック図である。1つまたは複数のコンピューターシステム1800は、たとえば、本明細書で議論されている実施形態のいずれか、ならびに、その組み合わせおよびサブコンビネーションを実装するために使用され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンピューターシステム1800は、
図17に示されている方法1700、および/または、本明細書で説明されているようなコンソール310、信号発生器320、およびディスプレイ325を実装するために使用され得る。コンピューターシステム1800は、1つまたは複数のプロセッサー(中央処理装置またはCPUとも呼ばれる)(たとえば、プロセッサー1804など)を含むことが可能である。プロセッサー1804は、通信インフラストラクチャーまたはバス1806に接続され得る。
【0099】
また、コンピューターシステム1800は、ユーザー入力/出力インターフェース1802(たとえば、モニター、キーボード、ポインティングデバイスなど)を含むことが可能であり、それは、ユーザー入力/出力インターフェース1803を通して通信インフラストラクチャー1806と通信することが可能である。
【0100】
プロセッサー1804のうちの1つまたは複数は、グラフィックス処理ユニット(GPU)であることが可能である。ある実施形態において、GPUは、数学的に集約的なアプリケーションを処理するために設計された特殊化した電子回路であるプロセッサーであることが可能である。GPUは、大きいブロックのデータ(たとえば、コンピューターグラフィックスアプリケーションに共通の数学的に集約的なデータ、イメージ、ビデオなど)の並列処理に効率的である並列構造体を有することが可能である。
【0101】
また、コンピューターシステム1800は、メインメモリーまたは1次メモリー1808(たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)など)を含むことが可能である。メインメモリー1808は、1つまたは複数のレベルのキャッシュを含むことが可能である。メインメモリー1808は、その中に記憶された制御ロジック(すなわち、コンピューターソフトウェア)および/またはデータを有することが可能である。いくつかの実施形態において、メインメモリー1808は、カテーテルによって組織から取得される光学的測定値の分析を実施するように、および、病変予測を決定するように構成されている光学的なロジックを含むことが可能である。
【0102】
また、コンピューターシステム1800は、1つまたは複数の2次ストレージデバイスまたはメモリー1810を含むことが可能である。2次メモリー1810は、たとえば、ハードディスクドライブ1812および/またはリムーバブルストレージドライブ1814を含むことが可能である。
【0103】
リムーバブルストレージドライブ1814は、リムーバブルストレージユニット1818と相互作用することが可能である。リムーバブルストレージユニット1818は、コンピューター使用可能なまたは読み取り可能なストレージデバイスを含むことが可能であり、ストレージデバイスは、その中に記憶されたコンピューターソフトウェア(制御ロジック)および/またはデータを有している。リムーバブルストレージユニット1818は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスの中に見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースであることが可能である。リムーバブルストレージドライブ1814は、リムーバブルストレージユニット1818から読み取り、および/または、リムーバブルストレージユニット1818に書き込むことが可能である。
【0104】
2次メモリー1810は、コンピュータープログラムおよび/または他のインストラクションおよび/またはデータがコンピューターシステム1800によってアクセスされることを可能にするための他の手段、デバイス、コンポーネント、方便、または、他のアプローチを含むことが可能である。そのような手段、デバイス、コンポーネント、方便、または、他のアプローチは、たとえば、リムーバブルストレージユニット1822およびインターフェース1820を含むことが可能である。リムーバブルストレージユニット1822およびインターフェース1820の例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスにおいて見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースを含むことが可能である。
【0105】
コンピューターシステム1800は、通信またはネットワークインターフェース1824をさらに含むことが可能である。通信インターフェース1824は、(個別におよび集合的に(参照数字1828によって参照されている))外部デバイス、外部ネットワーク、外部エンティティーなどの任意の組み合わせとコンピューターシステム1800が通信および相互作用することを可能にすることができる。たとえば、通信インターフェース1824は、コンピューターシステム1800が通信経路1826を介して外部またはリモートデバイス1828と通信することを可能にすることができ、通信経路1826は、有線および/または無線(または、それらの組み合わせ)であることが可能であり、それは、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含むことが可能である。制御ロジックおよび/またはデータは、通信経路1826を介して、コンピューターシステム1800へおよびコンピューターシステム1800から伝送され得る。いくつかの実施形態において、コンピューターシステム1800は、通信インターフェース1824におけるコネクターおよび光学的なおよび電気的な接続を介して(光ファイバーおよび電気配線、ピン、および/またはコンポーネントを含む)、カテーテルに連結され得る。
【0106】
また、コンピューターシステム1800は、いくつかの非限定的な例を挙げると、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デスクトップワークステーション、ラップトップコンピューターまたはノートブックコンピューター、ネットブック、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチまたは他のウェアラブル、家電、インターネットオブシングスの一部、および/または、埋め込まれたシステム、または、それらの任意の組み合わせのいずれかであることが可能である。
【0107】
コンピューターシステム1800は、クライアントまたはサーバーであることが可能であり、それに限定されないが、リモートまたは分散型のクラウドコンピューティングソリューション、ローカルまたはオンプレミスソフトウェア(「オンプレミス」クラウドベースのソリューション)、「アズアサービス」モデル(たとえば、コンテンツアズアサービス(CaaS)、デジタルコンテンツアズアサービス(DCaaS)、ソフトウェアアズアサービス(SaaS)、マネージドソフトウェアアズアサービス(MSaaS)、プラットフォームアズアサービス(PaaS)、デスクトップアズアサービス(DaaS)、フレームワークアズアサービス(FaaS)、バックエンドアズアサービス(BaaS)、モバイルバックエンドアズアサービス(MBaaS)、インフラストラクチャーアズアサービス(IaaS)など)、および/または、先述の例もしくは他のサービスもしくはデリバリーパラダイムの任意の組み合わせを含むハイブリッドモデルを含む、任意のデリバリーパラダイムを通して、任意のアプリケーションおよび/またはデータにアクセスまたはホストすることが可能である。
【0108】
コンピューターシステム1800における任意の適用可能なデータ構造体、ファイルフォーマット、およびスキームは、それに限定されないが、JavaScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Yet Another Markup Language(YAML)、Extensible Hypertext Markup Language(XHTML)、Wireless Markup Language(WML)、MessagePack、XML User Interface Language(XUL)、または、任意の他の機能的に同様の表現を単独でまたは組み合わせて含む、標準から導出され得る。代替的に、排他的に、または、公知のもしくはオープンな標準と組み合わせてのいずれかで、独自のデータ構造体、フォーマット、またはスキームが使用され得る。
【0109】
いくつかの実施形態において、その上に記憶された制御ロジック(ソフトウェア)を有する有形の非一時的なコンピューター使用可能なまたは読み取り可能な媒体を含む有形の非一時的な装置または製造の物品は、本明細書では、コンピュータープログラム製品またはプログラムストレージデバイスとも称され得る。これは、コンピューターシステム1800、メインメモリー1808、2次メモリー1810、ならびに、リムーバブルストレージユニット1818および1822、ならびに、先述のものの任意の組み合わせを具現化する有形の製造の物品を含むが、それに限定されない。そのような制御ロジックは、1つまたは複数のデータ処理デバイス(たとえば、コンピューターシステム1800など)によって実行されるときに、そのようなデータ処理デバイスが本明細書で説明されているように動作することを引き起こすことが可能である。
【0110】
詳細な説明のセクション(および、発明の概要および要約のセクションではない)は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されているということが認識されるべきである。発明の概要および要約のセクションは、本発明者によって企図されているような本開示の1つまたは複数の(しかし、すべてではない)例示的な実施形態を記載する可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定すること意図していない。
【0111】
本開示の実施形態は、その特定の機能および関係の実装を図示する機能的なビルディングブロックの補助によって上記に説明されてきた。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、説明の便宜のために、本明細書において任意に定義されている。その特定の機能および関係が適当に実施される限りにおいて、代替的な境界が定義され得る。
【0112】
特定の実施形態の先述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に完全に明らかにすることとなるので、他の人は、当技術分野の技能の中の知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態をさまざまな用途に関して容易に修正および/または適合させることが可能である。したがって、そのような適合例および修正例は、本明細書に提示されている教示および指針に基づいて、開示されている実施形態の意味および均等物の範囲の中にあるということが意図される。本明細書における言い回しまたは専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定のためのものではなく、本明細書の専門用語または言い回しが教示および指針に照らして当業者によって解釈されるべきであるようになっているということが理解されるべきである。
【0113】
本開示の広さおよび範囲は、上記に説明されている例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみに従って定義されるべきである。
【0114】
そのうえ、以下の態様が明示的に開示されている:
【0115】
1. 所定の時間の期間にわたってカテーテルからのエネルギーを組織の一部分に加えることによって、アブレーションを実施するステップであって、カテーテルは、近位セクション、複数の光学ポートを含む遠位セクション、および、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシースを含む、ステップと、
カテーテルの中の少なくとも1つの光学ポートを使用して、組織の一部分から光学的な測定データを獲得するステップと、
カテーテルに連結されている処理デバイスを使用して光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するステップと、
組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するステップと
を含む、方法。
【0116】
2. カテーテルによって加えられるエネルギーは、パルス電界、ラジオ周波数(RF)エネルギー、レーザーエネルギー、または極低温エネルギーのうちの少なくとも1つを含む、態様1に記載の方法。
【0117】
3. 光学的な測定データは、組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、態様1または態様2に記載の方法。
【0118】
4. 変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるステップと、
モデルを使用して、所定の時間の期間にわたって、予測される病変深さを発生させるステップと
をさらに含む、態様1から3のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
5. 予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に加えられるエネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表している、態様4に記載の方法。
【0120】
6. 予測される病変深さは、変性の時間に対する所定の時間の期間の比率の関数である、態様5に記載の方法。
【0121】
7. 複数の光学ポートを使用して、組織の一部分に対して複数の異なる角度で光学的な測定データを獲得することによって、病変の病変進行を決定するステップであって、それぞれの光学ポートは、カテーテルの遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、ステップをさらに含む、態様5に記載の方法。
【0122】
8. 光学的な測定データを獲得するために、カテーテルの中の少なくとも1つの光学ポートを選択するステップをさらに含む、態様4に記載の方法。
【0123】
9. 複数の光学ポートは、15個の光学ポートを含み、少なくとも1つの光学ポートは、3つ以上の光学ポートを含む、態様8に記載の方法。
【0124】
10. 3つ以上の光学ポートから受け取られる光信号を識別することに基づいて、アブレーションの間の組織の一部分と接触しているカテーテルの遠位セクションの部分を決定するステップと、
決定するステップに基づいて、カテーテルの遠位セクションの部分と組織の一部分との間の接触力を推定するステップと、
接触力に基づいて、組織の一部分の変性の時間をさらに決定するステップと
をさらに含む、態様9に記載の方法。
【0125】
11. システムであって、
近位セクション、遠位セクション、および、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシースを含む、カテーテルと、
カテーテルの中に位置付けされている複数の光ファイバーと、
コネクターを通して複数の光ファイバーに連結されているコンピューティングデバイスであって、コンピューティングデバイスは、メモリーおよびプロセッサーを含む、コンピューティングデバイスと
を含み、
プロセッサーは、
アブレーションの間または後に、組織の一部分の光学的な測定データを光ファイバーから受け取るように構成されており、
光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するように構成されており、
組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するように構成されており、
変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるように構成されており、
モデルを使用して、所定のアブレーション時間にわたって、予測される病変深さを発生させるように構成されている、システム。
【0126】
12. 光学的な測定データは、組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、態様11に記載のシステム。
【0127】
13. 予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に加えられるエネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表しており、予測される病変深さは、変性の時間に対する所定の時間の期間の比率の関数である、態様11または態様12に記載のシステム。
【0128】
14. カテーテルの遠位セクションは、複数の光学ポートを含み、コンピューティングデバイスのプロセッサーは、複数の光学ポートを使用して、組織の一部分に対して複数の異なる角度で光学的な測定データを獲得することによって、病変の病変進行を決定するようにさらに構成されており、それぞれの光学ポートは、カテーテルの遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、態様13に記載のシステム。
【0129】
15. コネクターは、カテーテルとコンピューティングデバイスとの間の接続のために、それぞれの光ファイバーのアライメントのための複数のV字形状の溝部を含む、態様11から14のいずれか1つに記載のシステム。
【0130】
16. コンピューティングデバイスであって、
メモリーと、
メモリーに連結されているプロセッサーと
を含み、
プロセッサーは、
アブレーションの間に所定の時間の期間にわたって組織の一部分にエネルギーを加えた後に、組織の一部分の光学的な測定データをカテーテルから受け取るように構成されており、
光学的な測定データを分析することによって、組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性を識別するように構成されており、
組織の一部分の1つまたは複数の光学的特性に基づいて、組織の一部分の変性の時間を決定するように構成されており、
変性の時間、1つまたは複数の光学的特性、および、所定の時間の期間を使用して、病変深さとアブレーション時間との間の相関関係を表すモデルを生成させるように構成されており、
モデルを使用して、所定の時間の期間にわたって、予測される病変深さを発生させるように構成されている、コンピューティングデバイス。
【0131】
17. 光学的な測定データは、組織の一部分から獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含み、1つまたは複数の光学的特性は、偏光またはスペクトルの情報のうちの少なくとも1つを含む、態様16に記載のコンピューティングデバイス。
【0132】
18. 予測される病変深さは、カテーテルによって組織の一部分に加えられるエネルギーによって形成される病変の深さおよび幅のうちの少なくとも1つを表しており、予測される病変深さは、変性の時間に対する所定の時間の期間の比率の関数である、態様16または態様17に記載のコンピューティングデバイス。
【0133】
19. カテーテルは、カテーテルの遠位セクションにおいて複数の光学ポートを含み、プロセッサーは、複数の光学ポートを使用して、組織の一部分に対して複数の異なる角度で光学的な測定データを獲得することによって、病変の病変進行を決定するようにさらに構成されており、それぞれの光学ポートは、カテーテルの遠位セクションにおいて異なる角度で位置付けされている、態様18に記載のコンピューティングデバイス。
【0134】
20. プロセッサーは、
複数の光学ポートにおける少なくとも1つの光学ポートから受け取られる光信号を識別することに基づいて、アブレーションの間の組織の一部分と接触しているカテーテルの遠位セクションの部分を決定するようにさらに構成されており、
決定することに基づいて、カテーテルの遠位セクションの部分と組織の一部分との間の接触力を推定するようにさらに構成されており、
接触力に基づいて、組織の一部分の変性の時間をさらに決定するようにさらに構成されている、態様19に記載のコンピューティングデバイス。
【符号の説明】
【0135】
100 カテーテル
102 近位セクション
104 遠位セクション
106 シース
106a シース
106b シース
108 処理デバイス
110 通信インターフェース
202 灌漑チャネル
206 偏向メカニズム
208 電気的な接続
210 光学的伝送媒体
212 保護カバー
300 システム
302 カテーテル
304 患者
310 コンソール
312 光学的な接続
314 電気的な接続
316 通信インターフェース
320 信号発生器
325 ディスプレイ
330 灌漑ポンプ
401 光学システム
402 光学的供給源
403 偏光スプリッター
404 カップリング/スプリッティングエレメント
406 サンプルアーム
407 偏光スイッチ
408 参照アーム
409 光学スイッチ
410 出力ファイバー
412 ディレイユニット
414 検出器
420 サンプル
600 コネクター
602 V字形状の溝部
1600 グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)
1602 正面図
1604 濃い灰色のセクション
1605 薄い灰色のセクション
1606 白色のセクション
1608 タイル
1610 グラフ
1612 パネル、インジケーター
1800 コンピューターシステム
1802 ユーザー入力/出力インターフェース
1803 ユーザー入力/出力デバイス
1804 プロセッサー
1806 通信インフラストラクチャー
1808 メインメモリー
1810 2次メモリー
1812 ハードディスクドライブ
1814 リムーバブルストレージドライブ
1818 リムーバブルストレージユニット
1820 インターフェース
1822 リムーバブルストレージユニット
1824 通信インターフェース
1826 通信経路
1828 リモートデバイス、ネットワーク、エンティティー
【国際調査報告】