(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】パルスフィールドエネルギー供給源とともに使用するための光学的にガイドされるアブレーションシステム
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20230308BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B5/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542646
(86)(22)【出願日】2021-01-13
(85)【翻訳文提出日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 EP2021050602
(87)【国際公開番号】W WO2021144317
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513148565
【氏名又は名称】メドルミクス,エセ.エレ.
【氏名又は名称原語表記】MEDLUMICS,S.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100145791
【氏名又は名称】加藤 志麻子
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】ネイギー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】デュラ,フアン サンチョ
(72)【発明者】
【氏名】ジメネス,ジョージ アチェ.
(72)【発明者】
【氏名】アラゴンシーロ,デイビッド エランス
(72)【発明者】
【氏名】グリーネ,ジェイムス エレ.
【テーマコード(参考)】
4C117
4C160
【Fターム(参考)】
4C117XB01
4C117XD24
4C117XE27
4C117XE33
4C117XE48
4C160KK03
4C160KK22
4C160KK37
4C160KK62
4C160MM38
(57)【要約】
カテーテルと、光学回路と、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源と、処理デバイスとを含むシステムが、本明細書で説明されている。カテーテルは、近位セクションと、遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシャフトとを含む。光学回路は、近位セクションから遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている。パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源は、カテーテルに連結されており、パルス状電気信号を組織サンプルに伝送するように構成されている。処理デバイスは、光学回路から受け取られた1つまたは複数の光信号を分析し、組織サンプルによって反射されたまたは散乱された光の偏光または位相遅延の変化を決定するように構成されており、偏光または位相遅延の変化に基づいて、組織サンプルの複屈折の変化を決定するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
カテーテルであって、
近位セクション、
遠位セクション、
前記近位セクションと前記遠位セクションとの間に連結されているシャフト、および、
前記近位セクションから前記遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている光学回路を含む、カテーテルと、
前記カテーテルに連結されているパルスフィールドアブレーションエネルギー供給源であって、パルス状電気信号を組織サンプルに伝送するように構成されている、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源と、
処理デバイスと
を含み、前記処理デバイスは、
前記光学回路から受け取られた1つまたは複数の光信号を分析し、前記組織サンプルによって反射されたまたは散乱された光の偏光または位相遅延の変化を決定するように構成されており、
偏光または位相遅延の前記変化に基づいて、前記組織サンプルの複屈折の変化を決定するように構成されている、システム。
【請求項2】
前記光学回路は、前記シャフトの中の偏光維持伝送媒体を少なくとも部分的に使用して、前記近位セクションから前記遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源によって伝送される前記パルス状電気信号は、単相性または二相性である、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記組織サンプルによって反射されたまたは散乱された前記光の偏光または位相遅延の前記変化は、前記組織サンプルに伝送される前記パルス状電気信号に応答している、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の光信号は、前記組織サンプルによって獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記光学回路は、前記遠位セクションから前記組織サンプルへ前記光を伝送するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記カテーテルの前記遠位セクションは、前記組織サンプルから反射されたまたは散乱された前記光を収集するように構成されている複数の光学ポートを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記パルス状電気信号の特性は、前記カテーテルのユーザーによって選択され、前記特性は、前記パルス状電気信号の周波数、振幅、および持続期間を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
患者においてアブレーションを実施するための方法であって、前記方法は、
前記患者の血管系の中へカテーテルを挿入するステップと、
前記患者の前記血管系の中のアブレーション部位に前記カテーテルの遠位端部を移動させるステップと、
前記カテーテルの前記遠位端部を通して前記アブレーション部位に送達される光を使用する光学的な手段を通して、前記カテーテルの前記遠位端部において組織接触を確立するステップと、
前記カテーテルに連結されているエネルギー供給源からのエネルギーを前記カテーテルの前記遠位端部から前記組織の中へ送達するステップと、
前記アブレーション組織部位を光学的にインタロゲートし、前記カテーテルを通して前記アブレーション組織部位に送達される光の偏光または位相遅延の変化を決定するステップと、
前記カテーテルを前記血管系から除去するステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記エネルギーは、パルス列を含み、前記エネルギー供給源は、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源を含み、前記パルス列は、パルス状電気信号を含み、前記パルス状電気信号は、単相性または二相性である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記光の偏光または位相遅延の前記変化は、前記組織に送達される前記パルス状電気信号に応答している、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記パルス状電気信号の特性は、前記カテーテルのユーザーによって選択されており、前記特性は、前記パルス状電気信号の周波数、振幅、および持続期間を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記エネルギーは、ラジオ周波数(RF)を含み、前記エネルギー供給源は、RFエネルギー供給源を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記カテーテルは、前記シャフトの中に配設されているマルチモード伝送媒体を備えたシャフトを含み、前記マルチモード伝送媒体は、前記患者の中の解剖学的構造体の深さを決定するための組織スペクトロメトリーの使用を可能にするために使用される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
心臓壁部の組織をアブレートするためのカテーテルであって、前記カテーテルは、
近位端部と、
遠位端部と、
互いから所定の距離に前記遠位端部の上に配設されている複数の電極と、
前記複数の電極に対して所定の場所において前記遠位端部の上に位置決めされている少なくとも1つの光学ポートと
を含み、
前記カテーテルは、外側シースの中に設置されるように構成されており、前記遠位端部が、血管送達に適合した真っ直ぐな構成になるようになっており、前記遠位端部は、前記シースを通して押されるときに、円形形状をとり、
前記複数の電極は、前記カテーテルの前記近位端部の上の電気コネクターを介して、外部電気的エネルギー発生デバイスにワイヤーによって接続されており、
前記複数の電極は、前記外部電気的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに、電気的エネルギーを前記心臓壁部に送達するように構成されており、
前記少なくとも1つの光学ポートは、光学コンポーネントを含み、前記光学コンポーネントは、前記カテーテルの前記近位端部の上の光学コネクターを介して、外部光学的エネルギー発生デバイスに光ファイバーによって接続されており、前記光学コンポーネントは、前記光学的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに前記心臓壁部の中へ光学的エネルギーを投射するように構成されており、前記心臓壁部から反射された光学的エネルギーを受け取って戻すように構成されており、前記反射された光学的エネルギーを前記光ファイバーおよび前記光学コネクターを通して外部光学的センシングデバイスに移送するように構成されている、カテーテル。
【請求項16】
前記遠位端部の前記円形形状は、前記心臓壁部に平行な平面の中にあり、前記心臓壁部に接触するように構成されている、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項17】
前記少なくとも1つの光学ポートの場所は、前記複数の電極の励起による組織アブレーションによって引き起こされる光学的パラメーター変化の最適な観察のために選ばれる、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項18】
前記外部電気的エネルギー発生デバイスによって送達される前記電気的エネルギーは、パルス状電気信号を含む、請求項15に記載のカテーテル。
【請求項19】
前記パルス状電気信号は、単相性または二相性である、請求項18に記載のカテーテル。
【請求項20】
前記外部電気的エネルギー発生デバイスによって送達される前記電気的エネルギーは、ラジオ周波数(RF)エネルギーを含む、請求項15に記載のカテーテル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月13日に出願されたEP出願第20382014.7号および2020年8月31日に出願されたEP出願第20382774.6号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本出願の実施形態は、アブレーションベースの病変(ablation-based lesions)に関連付けられる組織の構造的な変化を決定または予測するために光学的なフォトニック技術を利用するカテーテル、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの病状は、局所組織または末端器官の機能に影響を与えるために、健康な組織をアブレートして病変を生成させることによって治療される。そのような治療の主な例は、心臓リズム異常を伴う患者のための心筋アブレーション、高血圧を伴う患者のための腎臓神経アブレーション(たとえば、腎臓除神経)、および、てんかんを伴う患者の治療のための神経アブレーションを含む。そのような手順において、カテーテルが、血管内アクセスまたは小さい切開を介して、組織をアブレートするために必要とされるエネルギーを局所的に送達するために使用される。病変を生成させるために使用されるエネルギーは、従来のラジオ周波数(RF)ベースの熱、極低温冷却、およびパルスフィールドアブレーションを含むことが可能である。
【0004】
心房細動(AF、Atrial Fibrillation)は、一般のタイプの心臓不整脈であり、2010年において、世界中で推定3350万人の人々がこの病気を患っている。AFは、脳卒中のリスクを5倍増加させ、先進国における主要な医療問題である。AF患者の心臓のリズムを制御するための一般に使用されている利用可能な薬物療法は、有効性の観点から重大な欠点を有する可能性があり、深刻な副作用を引き起こし、患者の生活の質の低減を結果として生じさせる可能性がある。心臓カテーテルアブレーション療法は、低侵襲性の手順であることが可能であり、それは、心臓リズム異常を治療するために心臓組織の病変を生成させるためのエネルギーを使用する細い操舵可能な治療用カテーテルを用いる。療法の成功は、AF再発の原因となり得るアブレーションポイント間の任意のギャップを見逃すことなく、心臓壁部を通して組織を完全にアブレートする臨床医の能力に依存する。現在では、臨床医は、カテーテル接触の品質、収縮安定性、送達されるエネルギー、または、実施されるアブレーションの品質を、リアルタイムで決定することができない。また、従来のRF心臓アブレーションは、隣接する構造体への穿刺または意図しない熱的損傷に関連付けられる重大な合併症を結果として生じさせる可能性がある。その理由は、そのようなアブレーションが、病変を生成させるために熱的手段を使用するからである。その点において、パルスフィールドアブレーション(PFA Pulsed Field Ablation)は、電磁パルスを使用し、アブレーションプロセスの間に非熱的病変を発生させる。PFAは、電極を使用し、その中に細胞の不可逆的なエレクトロポレーションを引き起こして、最終的に、細胞死をもたらすことが可能である。この技法は、熱的損傷に関連付けられる合併症を低減させるが、熱的損傷に起因する限られたまたは最小の壊死しか、電極の表面における組織の中に存在しない可能性がある。現在の技術は、選択されたパラメーターにおいてPFAエネルギーによって生成される病変が不可逆的なエレクトロポレーションおよび後続の永久的な病変を結果として生じさせることとなるかどうかということを臨床医に示す際に限界がある。そのような情報の欠如は、かなりのレベルの細動の再発につながる可能性がある。フォトニックを使用することを通して病変生成を直接的に評価する能力を有することは、AFを治療するために、および、その再発を防止するために、臨床医が、より安全でより耐久性のある連続的な病変を生成させることを可能にすることとなる。
【0005】
てんかんは、4番目に多い一般の神経系の疾患であり、すべての年齢層の人々に影響を与える。今日までの治療オプションは、投薬治療、神経刺激療法、外科手術、およびアブレーションを含む。カテーテルを使用するレーザーアブレーションは、最近使用されている手順のうちの1つである。その理由は、それが外科手術よりも侵襲性が低く、発作を引き起こすエリアをアブレートすることによって発作の焦点を除去することができるからである。この手順に関する有効性および安全性の限界は、組織の中へ送達されるエネルギー(たとえば、熱)の量を精密に計測することができないことに関連付けられている。その理由は、多過ぎるエネルギーは周囲のニューロンを損傷させる可能性があり、少な過ぎるエネルギーは再アブレーションを必要とすることとなるからである。したがって、エネルギーの量または組織部位における局所温度を決定することができるカテーテルは、現在の技術の欠点のうちのいくつかを軽減することとなる。
【0006】
いくつかの臨床研究は、腎臓神経のアブレーションが高血圧患者の血圧を低減させることができるということを示している。この手順および他のアブレーション手順は、所望の病変幾何学形状を発生させるためのエネルギーの正しい送達によって制限され得る。少な過ぎるエネルギーは、組織の中へ十分に浸透しない可能性のある病変を結果として生じさせ、伝送ギャップおよびその後の再介入の必要性を残し、一方では、多過ぎるエネルギーは、腎動脈狭窄または解離などのような合併症を結果として生じさせる可能性がある。したがって、腎臓除神経は、アブレートされた部位におけるリアルタイム組織温度の測定に基づいて病変幾何学形状を予測することができるフォトニックベースのカテーテルの使用から利益を得ることとなる。
【0007】
低コヒーレンス干渉法(LCI、Low Coherence Interferometry)は、医療用イメージング分野において使用されることが多く、内部組織および外部組織の両方の深さ分解情報を提供する。例示的なLCI技法は、光コヒーレンス反射率測定法(OCR、Optical Coherence Reflectrometry)および光コヒーレンス断層撮影法(OCT、Optical Coherence Tomography)を含み、それは、広帯域光供給源および干渉計の検出システムによる高い軸線方向の分解能によって、深さ分解情報をそれぞれ提供することが可能である。LCI技法は、組織の構造的な特性およびアブレーション病変が起こるときのそれらの変化を決定するために使用され得る。組織特性の変化を決定するために使用され得る光学的変数のいくつかは、周波数、飛行時間、偏光、および強度である。
【0008】
弾性的な光学的な散乱、蛍光、およびRaman散乱に基づく分光学的な技法は、正常な組織および病気の組織の細胞構造体/細胞下構造体、細胞代謝状態、および分子署名をそれぞれ特徴付けることによって、病気診断を行うことができる。光学的分光法技法は、組織の中の異なる解剖学的構造体の幾何学形状を決定するために使用されており、分光法技法は、いくつかのLCI技法と比較して、浸透深さの増加の利益を有している。
【0009】
上述のように、心臓アブレーション、腎臓除神経、および神経アブレーションカテーテルベースの介入は、エネルギー(たとえば、RF、極低温、および/またはパルスフィールド)が選択された部位に送達された後に、病変進行を評価するために、臨床手順の間のリアルタイム情報の欠如に関連付けられる重大な制限に悩まされている。
【発明の概要】
【0010】
したがって、再介入の必要性を低減させるために、安全性を改善し、アブレーションの精度を保証するために、病変幾何学形状を評価するためのエネルギー送達の間および後に、LCIおよび分光法などのような光学的な技法を使用する新しいカテーテル、システム、および方法を提供する必要性が存在している可能性がある。
【0011】
したがって、カテーテル、光学的供給源、光学回路、アブレーションエネルギー供給源、およびアブレーションエネルギー回路を含む、光学的にガイドされるアブレーションシステムの実施形態が、本明細書で説明されている。さまざまな実施形態において、アブレーションシステムは、パルスフィールドアブレーションエネルギーまたはRFアブレーションエネルギーとともに使用され、心臓細動、てんかんを治療し、または、腎臓除神経を行うことが可能である。本明細書で説明されている光学ベースのカテーテルシステムによって使用される光の偏光および位相遅延の変化は、RFアブレーションの間の熱的病変幾何学形状、または、パルスフィールドアブレーション手順における細胞死に関連付けられる組織および細胞の構造的な変化を予測するために使用され得る。
【0012】
ある実施形態において、アブレーションシステムは、光導波路またはファイバー、データ処理デバイス、光学的供給源、光学回路、およびアブレーションエネルギー供給源を備えたカテーテルを含む。カテーテルは、近位セクションと、遠位セクションと、近位セクションを遠位セクションに接続するシャフトとを含む。いくつかの実施形態において、近位セクションは、臨床ユーザーとのインターフェースとしてのハンドルを含む。いくつかの実施形態において、光ファイバーおよび/または導波路、ならびに、電気ワイヤーおよび/またはケーブルは、患者の身体へ/から光信号およびアブレーションエネルギーを輸送するために、少なくとも部分的にカテーテルのシャフトを通ってトラベルする。いくつかの実施形態において、光ファイバーおよび/または導波路は、光学的供給源によって放出される光信号の伝送および制御を可能にする光学回路の一部である。ある実施形態において、光学回路は、光学スプリッターおよびまたはスイッチを含み、光学的供給源からの光信号を光学回路の異なる経路の中へ分割し、患者の身体の中のまたは表面の上の異なる場所に光信号を送るようになっている。
【0013】
いくつかの実施形態において、電気ワイヤーは、アブレーションエネルギー供給源から患者の身体の内側のまたは表面の上のアブレーション部位へアブレーションエネルギーを伝送するために使用される。いくつかの実施形態において、アブレーションエネルギー供給源は、パルスフィールドアブレーション(PFA)発生器である。いくつかの実施形態において、PFA発生器は、パルス状電気信号(単相性(monophasic)または二相性(biphasic))を送り、パルス状電気信号は、パルス状RF場を発生させ、アブレーション部位における組織の中に局所化された病変を発生させる。アブレーションエネルギー供給源の電気信号は、ワイヤーまたはケーブルを通って、カテーテルシャフト202の表面の上に位置付けされている電極へトラベルすることが可能である。病変は、アブレーション部位における組織と接触しているかまたはその中へ浸透される電極からの電界パルスによって発生させられ得る。病変は、組織の中へ伝送されるエネルギーの量に応じて、熱的であってもよくまたは非熱的であってもよい。いくつかの実施形態において、エネルギー供給源は、組織構造体の非熱的損傷にほとんど関連付けられる病変を生成させるように変調され得る。組織に進入するアブレーションエネルギーが組織の細胞の膜の中の細孔のサイズを引き起こすかまたは増加させ、細胞浮腫が引き起こされる程度に開くかまたはサイズを増加させるときに、非熱的損傷が起こる。そのような細胞浮腫は、細胞死につながるアポトーシスまたは他の遅延性細胞死プロセスの開始によって、細胞がそれに対して反応する可能性のある細胞機能を変更することが可能である。細胞壁部構造体の代替例、ならびに、アポトーシス、パイロトーシス、ネクロトーシス、および/または壊死プロセスを通したその後の細胞死は、アブレートされた組織の複屈折特性を変化させることが可能である。その理由は、細胞膜タンパク質、セルラー細胞骨格タンパク質、または、細胞外マトリックスの中のタンパク質の変性および/または断片化が、どのように光がそのようなタンパク質と相互作用するかを変更するからである。したがって、そのような変性されたまたは断片化された構造体から反射または屈折する光の光学的な特性(たとえば、偏光および位相遅延など)は、組織複屈折の変化につながる。
【0014】
いくつかの実施形態において、光学的供給源からの光信号は、同時に、または、アブレーションエネルギーが組織の中へ伝送された後に、患者の身体の中のまたは表面の上のアブレーション部位へ光学回路を通してトラベルする。いくつかの実施形態において、光学回路からの光は、組織に浸透し、光学回路の中へ反射されるか、屈折されるか、または後方散乱され得る。反射された、屈折された、または散乱された光は、少なくとも部分的に光学回路を通って光学検出器へトラベルして戻る。光学検出器は、戻る光の特性(たとえば、強度、周波数、偏光状態、飛行時間、および位相遅延など)についての光学データを集めるために使用される。いくつかの実施形態において、光学データおよび特性は、アブレーションのためのパルスフィールドエネルギーの使用に関連付けられる治療された組織の複屈折の変化を決定するために分析される。いくつかの実施形態において、戻る光信号からのデータ(組織の複屈折の変化を含む)は、次いで、光学検出器に連結されているコンピューターまたはプロセッサーユニットに送られ得る。コンピューターまたはプロセッサーユニットは、内挿、外挿、人工知能(たとえば、機械学習)、および/または、他の統計的なアルゴリズムを、戻る光信号からのデータに適用することが可能であり、受け取られる信号の変化を、アブレートされた病変の耐久性および/または幾何学形状に、ならびに、心臓細動または他のタイプの心臓ペーシング異常の起こり得る再発生に相関させるようになっている。
【0015】
ある実施形態において、例示的なシステムが説明されている。システムは、カテーテルと、光学回路と、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源と、処理デバイスとを含む。カテーテルは、近位セクションと、遠位セクションと、近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシャフトとを含む。光学回路は、近位セクションから遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている。パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源は、カテーテルに連結されており、パルス状電気信号を組織サンプルに伝送するように構成されている。処理デバイスは、光学回路から受け取られた1つまたは複数の光信号を分析し、組織サンプルによって反射されたまたは散乱された光の偏光または位相遅延の変化を決定するように構成されており、偏光および位相遅延の変化に基づいて、組織サンプルの複屈折の変化を決定するように構成されている。
【0016】
別の実施形態では、患者においてアブレーションを実施するための例示的な方法が説明されている。方法は、患者の血管系の中へカテーテルを挿入するステップと、患者の血管系の中のアブレーション部位にカテーテルの遠位端部を移動させるステップと、カテーテルの遠位端部を通してアブレーション部位に送達される光を使用する光学的な手段を通して、カテーテルの遠位端部において組織接触を確立するステップと、カテーテルに連結されているエネルギー供給源からのエネルギーをカテーテルの遠位端部から組織の中へ送達するステップと、アブレーション組織部位を光学的にインタロゲートし、カテーテルを通してアブレーション組織部位に送達される光の偏光または位相遅延の変化を決定するステップと、カテーテルを血管系から除去するステップとを含む。
【0017】
別の実施形態では、心臓壁部の組織をアブレートするためのカテーテルが説明されている。カテーテルは、近位端部と、遠位端部と、互いから所定の距離に遠位端部の上に配設されている複数の電極と、複数の電極に対して所定の場所において遠位端部の上に位置決めされている少なくとも1つの光学ポートとを含む。カテーテルは、外側シースの中に設置されるように構成されており、遠位端部が、血管送達に適合した真っ直ぐな構成になるようになっており、遠位端部は、シースを通して押されるときに、円形形状をとる。複数の電極は、カテーテルの近位端部の上の電気コネクターを介して、外部電気的エネルギー発生デバイスにワイヤーによって接続されている。複数の電極は、外部電気的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに、電気的エネルギーを心臓壁部に送達するように構成されている。
【0018】
さらなる特徴および利点、ならびに、さまざまな実施形態の構造体および動作は、添付の図面を参照して下記に詳細に説明されている。本明細書で説明されている特定の実施形態は、限定することを意図していないということが留意される。そのような実施形態は、例示目的のみのために本明細書に提示されている。追加的な実施形態は、本明細書に含まれる教示に基づいて、当業者に明らかになることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の実施形態による、制御された組織アブレーションのための光学的な技術を備えた例示的なアブレーションシステムのダイアグラムである。
【
図2】本開示の実施形態による、制御されたアブレーションのために使用され得るカテーテルの例示的なコンポーネントのダイアグラムである。
【
図3A】本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セグメントの例示的な軸線方向の断面図を示すダイアグラムである。
【
図3B】本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セグメントの例示的な半径方向の断面図を示すダイアグラムである。
【
図4A】本開示の実施形態による、アブレーション部位幾何学形状を収容するために使用されるカテーテルの遠位セグメントの例示的な2Dおよび3D構成のダイアグラムである。
【
図4B】本開示の実施形態による、アブレーション部位幾何学形状を収容するために使用されるカテーテルの遠位セグメントの例示的な2Dおよび3D構成のダイアグラムである。
【
図4C】本開示の実施形態による、アブレーション部位幾何学形状を収容するために使用されるカテーテルの遠位セグメントの例示的な2Dおよび3D構成のダイアグラムである。
【
図4D】本開示の実施形態による、アブレーション部位幾何学形状を収容するために使用されるカテーテルの遠位セグメントの例示的な2Dおよび3D構成のダイアグラムである。
【
図5】本開示の実施形態による、例示的な光学回路のダイアグラムである。
【
図6】本開示の実施形態による、アブレートされていないサンプルおよびPFAアブレーションの後のサンプルに関する、心筋組織の例示的な実験的な組織学的イメージのダイアグラムである。
【
図7】本開示の実施形態による、光学的にガイドされるパルスフィールドアブレーションシステムの臨床的使用のための例示的な方法を図示する図である。
【
図8】本開示の実施形態による、円形形状を有するPFA-OCRカテーテルの例示的な遠位端部のダイアグラムである。
【
図9】本開示の実施形態による、OCR診断機能性を備えたPFAカテーテルの遠位セクションの遠位先端部部分の側面図の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図10】本開示の実施形態による、別個に可動の光学カテーテルがその光学ルーメンの中に挿入された状態のOCR診断機能性を備えたPFAカテーテルの遠位セクションの側面図の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図11】本開示の実施形態による、PFA-OCRカテーテルの遠位セクションの例示的な断面のダイアグラムである。
【
図12】本開示の実施形態による、内部コンポーネントを示す、PFAカテーテルの遠位セクションの側面図の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図13】本開示の実施形態による、PFAカテーテルの遠位セクションの側面図の別の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図14】本開示の実施形態による、2つの同心円状のカテーテルを備えたPFA-OCRカテーテルシステムの例示的な遠位端部のダイアグラムである。
【
図15】本開示の実施形態による、PFA-OCR外側カテーテルの遠位端部の例示的なセクションのダイアグラムである。
【
図16】本開示の実施形態による、PFA-OCRカテーテルシステムの外側カテーテルの中での並進のための内側カテーテルの例示的な遠位端部のダイアグラムである。
【
図17】本開示の実施形態による、PFA-OCRカテーテルシステムの外側カテーテルの中での並進のための内側カテーテルの遠位端部の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図18】本開示の実施形態による、内側カテーテルが外側カテーテルの中へ挿入されている、PFA-OCRカテーテルシステムの例示的な遠位セクションのダイアグラムである。
図18AおよびBは、カテーテルの中の電極および開口部のミスアライメント及びアライメントをそれぞれ示す図である。
【
図19】本開示の実施形態による、PFA-OCRのための2カテーテルシステムにおける内側カテーテルおよび外側カテーテルの例示的な断面のダイアグラムである。
【
図20】本開示の実施形態による、PFA-OCRのための2カテーテルシステムにおける内側カテーテルおよび外側カテーテルの例示的な断面のダイアグラムである。
【
図21】本開示の実施形態による、可動の光学カテーテルが静止した外側カテーテルの中で回転するように構成されている、PFA-OCRカテーテルシステムの遠位セクションの側面図の例示的な断面のダイアグラムである。
【
図22】本開示の実施形態による、他方のカテーテルに対する一方のカテーテルの回転によってアクティブ測定場所の選択を可能にする2カテーテルPFA-OCRシステムの例示的な断面図のダイアグラムである。
【
図23】本開示の実施形態による、コンピューターシステムの例示的なコンポーネントのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本開示の実施形態は、添付の図面を参照して説明されることとなる。
【0021】
特定の構成および配置が議論されているが、これは例示目的のみのために行われているということが理解されるべきである。当業者は、他の構成および配置が本開示の精神および範囲から逸脱することなく使用され得るということを認識することとなる。本開示はさまざまな他の用途においても用いられ得るということが当業者に明らかになることとなる。
【0022】
本明細書における「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「例示的な実施形態」などへの言及は、説明されている実施形態が、特定の特徴、構造、または特性を含むことが可能であるが、すべての実施形態が、その特定の特徴、構造、または特性を必ずしも含むとは限らないということを示しているということが留意される。そのうえ、そのような語句は、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が、実施形態に関連して説明されているときには、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特徴、構造、または特性を実現することは、当業者の知識の範囲内にあることとなる。
【0023】
本出願は、具体的に心臓アブレーションに言及している可能性があるが、本明細書で説明されている実施形態は、同様に、アブレーションのための追加的なエネルギー供給源(極低温、ラジオ周波数(RF)、マイクロ波、レーザー、超音波、およびパルス電界を含むがそれに限定されない)とともに、他の病態をターゲットにすることも可能であるということが留意されるべきである。
【0024】
本明細書で説明されているのは、医療用システムの実施形態であり、それは、組織の中の病変を生成させるためにアブレーションエネルギーが送達される間におよびその後に、光信号を使用し、組織の変化を特徴付ける。
【0025】
いくつかの実施形態において、低コヒーレンス干渉法(LCI)および/または分光法が、光信号とともに使用され、イメージングされているサンプル組織についての深さ分解情報を提供することが可能である。印加の部分は、カテーテルおよびカテーテルの一部を通した光信号の伝送に焦点を当てることが可能であるが、本明細書で議論されている実施形態は、光信号を利用する任意の医療用デバイスに適用することが可能であるということが理解されるべきである。
【0026】
例示的なシステムの実施形態
図1は、例示的なアブレーションシステムのダイアグラムを図示しており、アブレーションシステムは、カテーテル100、コンソール101、アブレーションエネルギー供給源102、冷却供給源103、およびユーザーインターフェース104を含む。いくつかの実施形態において、カテーテル100の遠位セクションは、患者107の中の組織の一部分に位置決めされている。いくつかの実施形態において、カテーテル100の外側のエレメント(たとえば、本明細書では外部エレメントと称される)は、システム設計によって決定されるように、単一のエンクロージャーの中に保持されるかまたは複数のエンクロージャーの中に保持され得る。いくつかの実施形態において、異なるエンクロージャーの中のエレメントは、外部データケーブル、光ファイバー105、および/または、電気ケーブル配線もしくはワイヤー106を通して接続され得る。いくつかの実施形態において、システムは、冷却供給源103を含まない可能性がある。いくつかの実施形態において、アブレーションシステムは、従来のラジオ周波数(RF)アブレーション手段を使用し、組織の中に熱的病変を生成させることが可能であり、それは、灌漑ポンプの形態の冷却供給源103を含み、血液の炭化を防止することが可能である。他の実施形態において、アブレーションシステムは、パルスフィールドアブレーションエネルギーまたは極低温エネルギーを使用することが可能であり、冷却供給源103は、アブレーションシステムの中に含まれない可能性がある。
【0027】
例示的なカテーテルの実施形態
図2は、本開示の実施形態によるカテーテル100を図示している。カテーテル100は、近位セクション200と、遠位セクション201と、近位セクション200と遠位セクション201との間に連結されているシャフト202とを含む。いくつかの実施形態において、近位セクション200は、臨床ユーザーとインターフェースするためのハンドルを含む。ハンドルは、カテーテルシャフト202および遠位セクション201の機械的なおよび機能的な制御を可能にする、1つまたは複数のボタン、スライダー、レバー、ライト、ダイアル、および他のエレメントを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテルの近位セクション200は、また、配線204および1つまたは複数のコネクター205を含むことが可能である。配線204は、ワイヤーハーネスまたはグループ化されたケーブルおよび光ファイバーおよび/または導波路を含むことが可能である。1つまたは複数のコネクター205は、カテーテル100のためのインターフェースとしての役割を果たすことが可能であり、アブレーションシステムの他のエレメント(アブレーションエネルギー供給源102、光学的供給源、コンソール101、および/またはユーザーインターフェース104を含む)に直接的にまたは間接的にカテーテル100を接続することが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテルの近位セクション200は、また、冷却供給源103に接続するためのポートを有することが可能である。いくつかの実施形態において、配線204、配線ハーネスエレメント、および、1つまたは複数のコネクター205は、近位セクションにおけるハンドルから取り外し可能であり得る。他の実施形態において、カテーテル100とアブレーションシステムの他のエレメントとの間の通信は、Bluetooth、WiFi、セルラーなどのような技術を使用して、無線であることが可能である。
【0028】
近位セクション200は、さらなるインターフェースエレメントを含むことが可能であり、カテーテル100のユーザーは、さらなるインターフェースエレメントによって、カテーテル100の動作を制御することが可能である。たとえば、近位セクション200は、遠位セクション201の偏向角度を制御する偏向制御メカニズムを含むことが可能である。偏向制御メカニズムは、近位セクション200の上のエレメントの機械的な移動を使用することが可能であり、または、偏向制御メカニズムは、電気的な接続を使用し、遠位セクション201の移動を制御することが可能である。近位セクション200は、さまざまなボタンまたはスイッチを含むことが可能であり、さまざまなボタンまたはスイッチは、RFエネルギーが遠位セクション201において印加されるときを、または、放射線および/もしくは光のビームが遠位セクション201から伝送されるときを、ユーザーが制御することを可能にし、光学データの獲得を可能にする。いくつかの実施形態において、これらのボタンまたはスイッチは、処理デバイスに連結されている別個のユーザーインターフェースまたはハンドル自体に位置付けされている。
【0029】
偏向制御メカニズムは、遠位セクション201の偏向角度を変化させるために遠位セクション201に信号を提供するように設計された電気的なまたは機械的なエレメントを含むことが可能である。偏向システムは、実施形態によれば、近位セクション200に設置されている機械的な制御を作動させることによって、遠位セクション201の案内を可能にする。この偏向システムは、近位セクション200における偏向メカニズム制御を遠位セクション201におけるカテーテル先端部214と接続するワイヤーと組み合わせた、遠位セクション201の一方向のまたは多方向の偏向を提供することを目的としたカテーテルシャフト202の中の一連の位置合わせされて均一に間隔を置いて配置されたカットアウトに基づくことが可能である。このように、近位セクション200の特定の移動は、遠位セクション201に投影され得る。いくつかの実施形態において、カテーテル先端部に取り付けられているいくつかの制御ワイヤーの組み合わせは、異なる方向に沿ったカテーテル先端部の偏向を可能にすることができる。
【0030】
図2は、カテーテル先端部214を示す拡大図において、遠位セクション201のエレメントをさらに図示している。ある実施形態において、カテーテルのシャフト202および遠位セグメントは、ナビゲーション目的のための1つまたは複数のX線不透過性のマーカー215を含むことが可能である。遠位セクション201は、いくつかの実施形態によれば、アブレーションのための1つまたは複数の外部電極213を含むことが可能である。電極213は、カテーテルの遠位セクション201のセグメントにわたって分配され得、または、遠位セクション201の遠位端部においてカテーテル先端部214の上に直接的に分配され得る。いくつかの実施形態において、冷却が必要とされる場合、カテーテル100の遠位セクション201は、また、1つまたは複数の灌漑オリフィス216を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、冷却供給源103によって提供される冷却流体(たとえば、圧縮性のおよび/または非圧縮性の冷却流体)は、カテーテル100のシャフト202を少なくとも部分的に通るチャネルを通ってトラベルし、次いで、灌漑オリフィス216を通して外部に出される。これらの灌漑オリフィス216は、カテーテルシャフト202、電極213、またはカテーテル先端部214の任意のセグメントに位置付けされ得る。
【0031】
図3Aおよび
図3Bは、本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セグメントの例示的な軸線方向の断面図および半径方向の断面図のダイアグラムをそれぞれ図示している。
図3Aおよび
図3Bは、カテーテル先端部における電極、ビューポート、およびレンズ-ファイバーアッセンブリの異なる構成を図示している。
【0032】
図3A~
図3Bに示されているように、カテーテルの遠位セクション201およびシャフト202は、アブレーションエネルギーを送達するための単一の電極または複数の電極213を有することが可能である。いくつかの実施形態において、PFAエネルギーが使用され得、電極213構成は、単相性のまたは二相性のパルスアプリケーションを送達するように構成され得る。いくつかの実施形態において、冷却が実装される場合、中央冷却チャネル306および冷却通信経路307は、冷却流体をシャフト202を通して遠位セクション201へガイドすることが可能であり、そのような流体は、次いで、灌漑オリフィス216を通して外部に出され、周囲組織または血液を冷却することが可能である。
【0033】
また、遠位セクション201は、複数の光学ビューポート308を含み、遠位セクション201からさまざまな角度で光を伝送/収集することが可能である。いくつかの実施形態において、光学ビューポート308は、遠位セクション201の外側にわたって分配され得、複数の個別の視認方向を結果として生じさせ、いくつかの実施形態において、複数の視認方向のそれぞれは、実質的に同一平面上にない。
【0034】
図3A~
図3Bに図示されているいくつかの実施形態において、光は、光ファイバー105によって、シャフト202および遠位セクション201を通して輸送される。そのような光ファイバー105は、コーティングされていてもよく、または、コーティングされていなくてもよい。いくつかの実施形態において、光ファイバー105は、保護、絶縁、および構造的な完全性のために、ポリマーによってコーティングされている。いくつかの実施形態において、光ファイバー105は、レンズ300に取り付けられており、光を集束させ、光は、次いで、組織の中へ入ることとなる。いくつかの実施形態において、ファイバーは、グルーまたは接着剤305を通して、機械的にまたは化学的に取り付けられ得る。いくつかの実施形態において、グルーまたは接着剤305は、機械的な強度を提供するように、また、光学指数整合を提供するように選択され得る。
図3Bに図示されているように、いくつかの実施形態において、レンズ300および/またはファイバー105は、内部支持構造体304によって支持され、レンズ300およびファイバー105を適切な位置に局所化および配向することが可能である。他の実施形態において、レンズ300は、シャフト202、電極213、およびカテーテル先端部214の構成によって局所化および/または配向され得る。いくつかの実施形態において、レンズ300は、ファイバー105に対する外部エレメントではない可能性があり、ファイバー105およびファイバーコアの遠位端部の上に直接的に製造された(たとえば、エッチングされた、機械加工された、レーザーカットされた、または、化学的に形成された)湾曲によって生成され得る。いくつかの実施形態において、遠位セクション201は、複数の光学ビューポート308のそれぞれへ/から光をガイドするためのパターン化された導波路および光学的な集束または指向エレメント(たとえば、レンズおよびミラーなど)を備えた基板を含むことが可能である。基板は、ポリイミド、ポリエチレングリコール、パリレン、またはポリジメチルシロキサン(PDMS)などのような材料から作製された可撓性のまたは部分的に可撓性の基板であることが可能である。
【0035】
いくつかの実施形態において、
図3Aに示されているように、レンズ300は、光ファイバーに接続されており、カテーテルの中の凹部303の中に設置され得る。いくつかの実施形態において、レンズは、カテーテル表面(たとえば、シャフト、電極、もしくは先端部)と同一平面301上にあることが可能であり、または、カテーテルシャフト202、電極213、もしくは先端部214の表面302を越えて延在することが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル表面と同一平面301上にあるかまたは表面302を越えて延在するレンズは、外部組織との接触点であることが可能である。いくつかの実施形態において、冷却が実装される場合、カテーテルの中に埋め込まれており、光の通過を可能にするためにビューポート308を使用するレンズは、これらの同じビューポート308を灌漑オリフィス216として使用することも可能である。いくつかの実施形態において、ビューポート308および灌漑オリフィス216は、個別のおよび別個のエレメントであることが可能である。
【0036】
図4A~
図4Dは、本開示の実施形態による、カテーテルの遠位セクション201の例示的な2次元の(2D)および3次元の(3D)幾何学形状のダイアグラムを図示している。
図4A~
図4Dに示されているように、カテーテルの遠位セクション201は、異なる2Dおよび3D幾何学形状をとることが可能である。いくつかの実施形態において、遠位セクションの2Dおよび3D幾何学形状は、その無負荷の状態におけるカテーテルの実際の幾何学形状であることが可能である。いくつかの実施形態において、カテーテル幾何学形状は、患者の中の血管系を容易に通過するために送達シースの中に一時的にフィットするように偏向および/または再形成され得る。他の実施形態において、遠位セクションの2Dおよび3D幾何学形状は、近位セクション200から制御される機械的な力または電磁力に関連付けられる変形を通して、比較的に真っ直ぐなカテーテル遠位セクションから生成され得、血管系の少なくともセクションを通過した後に、および、アブレーションエネルギー送達の前に、遠位セクションが、そのような2Dおよび3D幾何学形状を形成し、カテーテルと局所的な解剖学的構造との表面接触を改善するようになっている。
【0037】
図4A~
図4Dに図示されているように、そのような2Dまたは3D幾何学形状は、電極213を有することが可能であり、電極213は、カテーテルの中の異なる場所に設置され、アブレーションが必要とされ得る解剖学的構造(たとえば、組織アブレーション部位)への電極接触および光学的なアクセスを最大化するようになっている。いくつかの実施形態において、カテーテルの電極213および他のコンポーネントは、シャフト202、遠位セグメント201、または先端部214を通して配置されているレンズ/光学ビューポートを備えた、
図3と同様の構成を有することが可能である。いくつかの幾何学形状において、(
図4Bに示されているように)カテーテル201の遠位セクション201は、アブレーションの間にループ構成401を少なくとも部分的に有することが可能である。いくつかの実施形態において、ループ構成401を備えた幾何学形状は、血管系における動脈および静脈の周りの周辺部のアブレーションの間に有益である可能性がある。いくつかの実施形態において、
図4Aに示されている放射状の花弁状の構成400は、周囲組織とのより良好な接触のために外向きに延在することが可能である。他の実施形態において、3D球体構成402(
図4Cに示されているようなもの)、円錐、円柱、または、他の不規則な形状構成は、遠位セクション201の表面から拡張し、より良好な組織係合のためにその全体的な直径を増加させることが可能である。いくつかの実施形態において、そのような拡張された幾何学形状は、内部直径もしくは血管系の組織をアブレートするときに、または、人体の内側のもしくは表面の上の画定された組織キャビティーまたはチャンバーの中の組織をアブレートするときに、有益である可能性がある。いくつかの実施形態において、
図4Cに示されている拡張された3D幾何学形状構成は、遠位セクション201の幾何学形状を変化させるためにバルーン、ロッド、ワイヤー、または、他の機械的なエレメントを使用することによって、機械的な偏向を通して発生させられ得る。いくつかの実施形態において、形状記憶材料(たとえば、形状記憶金属合金(たとえば、ニチノールなど)または形状記憶ポリマーなど)が、そのような幾何学形状/構成を発生させるために使用され得る。遠位セクションの3D構造体の他の実施形態は、
図4Dに示されているように、螺旋構造体403、404を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、螺旋構造体403、404は、血管系の内側ルーメンまたはキャビティーをアブレートするために使用され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルの遠位セクション201幾何学形状は、従来のRF、PFAまたは極低温エネルギーを使用するアブレーションの間に実装され得る。遠位セクション201が手順の間に幾何学形状を変化させる、上記に説明されている例示的な実施形態のうちのいくつかでは、前記遠位セクション201またはシャフト202に対する光ファイバー105(それは、軸線方向にリジッドである傾向がある)の相対運動を可能にするメカニズムが存在していることが可能であり、光ファイバー105の望まれないテザーリングまたは曲げおよび起こり得る機械的な故障を防止するようになっている。
【0038】
いくつかの実施形態において、カテーテルは、近位セクション200を遠位セクション201と相互接続する以下のエレメントのうちのいくつかまたはすべてを含むことが可能であり、それは、シャフト、灌漑チャネル、RF導電性媒体、偏向メカニズム、電気的な接続、および光学的伝送媒体を含むがそれに限定されない。いくつかの実施形態において、電気的な接続は、光学的な変調コンポーネントに、または、遠位セクション201に位置付けされているアブレーティングエレメントに、信号を提供するために使用され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の光学的伝送媒体は、光学的供給源(たとえば、暴露光)から発生させられる光を遠位セクション201に向けてガイドすることが可能であり、一方では、光学的伝送媒体の別のサブセットは、遠位セクション201(たとえば、散乱光または反射光)から戻る光を近位セクション200にガイドして戻す。いくつかの実施形態において、同じ1つまたは複数の光学的伝送媒体が、両方の方向に光をガイドする。いくつかの実施形態において、光学的伝送媒体は、偏光維持(PM)ファイバーもしくはシングルモードファイバー、マルチモードファイバー、または導波路(シングルモードまたはマルチモード)を含む。いくつかの実施形態において、同じ光学的伝送媒体が、カテーテルの長さの少なくともセクションを通して、暴露光および(散乱されたまたは反射された)組織から戻る光の両方を輸送するために使用され、双方向の通信経路を結果として生じさせる。
【0039】
いくつかの実施形態において、カテーテルの遠位セクション201は、1つまたは複数のサーマルセンサー、圧力センサー、力センサー、電気センサー、光学スプリッター、光学ミラー、およびマルチプレクサーなどのような、他のエレメントを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、光学的な干渉計またはRFエネルギー供給源エレメントは、また、カテーテルの近位セクション200/ハンドルの中に含まれ得る。いくつかの実施形態において、エネルギー供給源102および光学干渉法エレメントのほとんどまたはすべては、外部アブレーションエネルギー供給源102、コンソール101、またはユーザーインターフェース104などのような、カテーテルに対する外部エレメントの中に含まれ得る。いくつかの実施形態において、コンソール101、エネルギー供給源102、およびユーザーインターフェース104は、単一のエンクロージャーまたは複数のエンクロージャーの中に含まれ得る。
【0040】
アブレーションエネルギー回路の例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、アブレーションエネルギー回路は、アブレーションエネルギー供給源102および電気的輸送エレメント(たとえば、必要に応じて、ワイヤーおよびケーブル、絶縁エレメント、スイッチ、抵抗器、キャパシター、変圧器、変調エレメント、コネクター、および電極など)を含むことが可能であり、エネルギー供給源が、電気的エネルギーを送達することができるようになっており、電気的エネルギーは、電極を通して組織の中へカテーテルの中を輸送され、病変をアブレートおよび生成させるようになっている。いくつかの実施形態において、アブレーションエネルギーは、PFAシステムのためのパルスフィールドを通して送達される。いくつかの実施形態において、電磁パルスの周波数、振幅、持続期間、および、他の特性は、選択されたアブレーション部位における選択されたパルス治療を送達する前に、臨床医によって選択され得る。いくつかの実施形態において、PFAは、二相性の様式または単相性の様式で送達され得る。いくつかの実施形態において、PFAエネルギーパルスは、ECG/EKGまたは他のセンシング手段を使用して心臓電気信号(たとえば、QRS複合体)をセンシングすることによって、および、次いで、心臓信号を基準として使用することによって、心臓リズムと同期化され、同期化されたPFAエネルギーパルスを心臓の中の選択されたアブレーション部位に送達することが可能である。
【0041】
光学回路の例示的な実施形態
図5は、本開示の実施形態による、例示的な光学回路500のダイアグラムを図示している。いくつかの実施形態において、
図5に図示されている光学回路500のエレメントは、カテーテル100の中に存在しており、また、外部エレメント(たとえば、カテーテル100の外部)として存在している。いくつかの実施形態において、光学回路500の外部エレメントは、複数のまたは単一のエンクロージャーの中に収容され得る。いくつかの実施形態において、光学回路500の外部エレメントは、コンソール101の中に収容されており、それは、ユーザーインターフェース104およびアブレーションエネルギー供給源102と同じエンクロージャーの中に収容されていてもよく、または、収容されていなくてもよい。
【0042】
光学回路500は、光学的供給源502を有しており、光学的供給源502は、1つまたは複数のレーザーダイオードまたは発光ダイオード(LED)を含むことが可能である。たとえば、LEDは、時間領域および/またはスペクトル領域の分析を実施するときに使用され得、一方では、チューナブルレーザーが、所定の範囲の波長にわたって光の波長を掃引するために使用され得る。光学的供給源502によって発生させられる放射線のビームは、赤外線範囲(たとえば、750nmから1mm)の中の波長を有することが可能であり、一方では、他の光学的供給源502は、可視範囲(たとえば、400nmから750nm)または紫外線範囲(たとえば、400nmから10nm)の中で働くことが可能である。例では、放射線のビームは、1000nmから1600nmの間の中心波長を有している。光学的供給源502は、単一の波長のみにおいて放射線のビームを出力するように設計され得、または、それは、掃引供給源であることが可能であり、所定の範囲の異なる波長を出力するように設計され得る。波長の範囲は、近赤外線スペクトル範囲または中赤外線スペクトル範囲の中に見出される任意の波長を含むことが可能である。発生させられた放射線のビームは、シャフト202の中の近位セクション200と遠位セクション201との間に接続されている光学的伝送媒体を介して、遠位セクション201に向けてガイドされ得る。光学的伝送媒体のいくつかの例は、シングルモード光ファイバーおよびマルチモード光ファイバー、ならびに、集積光導波路を含む。いくつかの実施形態において、電気的伝送媒体および光学的伝送媒体は、電気信号および光信号の両方の伝播を可能にする同じハイブリッド媒体によって提供される。
【0043】
いくつかの実施形態において、光学回路500は、光学的供給源から発生させられる光を使用してLCIを実施するために、干渉計の1つまたは複数のコンポーネントを含む。いくつかの実施形態において、LCIを実施する際に、光学回路500は、干渉計のデータを分析することが可能である。干渉計のデータ分析は、組織によって反射されたまたは散乱された光の偏光状態の変化を理解することに関連付けられ得、それは、組織の複屈折の変化の評価を可能にすることができる。いくつかの実施形態において、遠位セクション201へおよび遠位セクション201から光をガイドするために使用される光学的伝送媒体は、光の偏光の状態および程度に影響を与えない可能性がある(たとえば、シングルモード光ファイバー)。他の実施形態において、そのようなLCI回路に関して、光学的伝送媒体は、一定のおよび可逆的な方式で、偏光に影響を与えることが可能である。光学回路500のさらなる実施形態において、組織によって反射または散乱されて戻された光の光学的な分析は、組織分光法に関連付けられる方法を含むことが可能である。組織分光法によって、遠位セクション201へおよび遠位セクション201から光をガイドするために使用される光学的伝送媒体は、複数のモードの光を可能にすることができる(たとえば、マルチモード光ファイバーなど)。光学回路500のさらなる実施形態において、シングルモードファイバーおよびマルチモードファイバーの両方は、1つまたは複数の光学的供給源から遠位セクション201へのおよび戻り方向への異なる経路を決定するために使用され得、LCI方法および分光法方法の両方が、システムによって使用され、アブレーション手順をより良好に制御することができるようになっている。
【0044】
本出願のさまざまな実施形態は、(たとえば、アブレーション組織部位における)サンプル510の光学的インタロゲーションのためのカテーテル100などのような医療用デバイスの中に一体化されたLCIシステムを含む。いくつかの実施形態において、LCIシステムは、光学回路500によって実装され得、光学回路500は、本明細書ではLCIシステムと称され得る。光学回路500は、ディレイユニット512を含むことが可能であり、ディレイユニット512は、さまざまな光変調エレメントを含むことが可能である。これらの変調エレメントは、位相および/または周波数変調を実施し、光の中の望ましくない光学的な効果を打ち消すこと、および、イメージングされることとなるサンプルの1つまたは複数の深さを選択することが可能である。「光」という用語の使用は、任意の範囲の電磁スペクトルを指すことが可能である。ある実施形態において、「光」という用語は、赤外線放射線を指す。
【0045】
光学回路は、スプリッティングエレメント504、サンプルアーム506、参照アーム508、および検出器514をさらに含む。示されている実施形態では、ディレイユニット512は、参照アーム508の中に位置付けされている。しかし、ディレイユニット512は、その代わりに、サンプルアーム506の中に位置付けされてもよいということが理解されるべきである。代替的に、ディレイユニット512のさまざまなエレメントは、サンプルアーム506および参照アーム508の両方の中に存在していてもよい。たとえば、可変ディレイを光に導入するディレイユニット512のエレメントは、サンプルアーム506の中に位置付けされ得、一方では、光の異なる偏光モードを変調させるエレメントは、参照アーム508の中に位置付けされ得る。別の例では、光の異なる偏光モードを変調させるディレイユニット512のエレメントは、サンプルアーム506の中に位置付けされ得、一方では、可変ディレイを光に導入するエレメントは、参照アーム508の中に位置付けされ得る。1つの例において、サンプルアーム506および参照アーム508は、光導波路(たとえば、パターン化された導波路または光ファイバーなど)である。ある実施形態において、LCIシステムのコンポーネントのすべては、平面的光波回路(PLC:planar lightwave circuit)の上に一体化されている。別の実施形態では、少なくともディレイユニット512の中のコンポーネントは、PLCの同じ基板の上に一体化されている。たとえば、光ファイバーシステム、自由空間光学システム、フォトニック結晶システムなど、他の実装形態も同様に考えられ得る。
【0046】
LCIシステムは、明確化のために示されていない任意の数の他の光学エレメントを含むことが可能であるということが理解されるべきである。たとえば、LCIシステムは、サンプルアーム506または参照アーム508の経路に沿って、ミラー、レンズ、グレーティング、スプリッター、マイクロ機械的なエレメントなどを含むことが可能である。
【0047】
スプリッティングエレメント504は、光学的供給源502から受け取られた光をサンプルアーム506および参照アーム508の両方に方向付けるために使用される。スプリッティングエレメント304は、たとえば、双方向カップラー、光学スプリッター、調節可能なスプリッティング比のカップラー、光学スイッチ、または、単一の光のビームを2つ以上の光のビームに変換する任意の他の変調光学デバイスであることが可能である。いくつかの実施形態において、スプリッティングエレメント504は、光を1つまたは複数の参照アームおよび複数のサンプルアームへとスプリットし、複数のサンプルアームからの光/放射線が、遠位セクション201における異なる場所または方向においてサンプルを光学的にインタロゲートすることができるようになっている。いくつかの実施形態において、最初のスプリッターエレメントは、光を参照アーム508およびサンプルアーム506の中へ方向付け、第2のスプリッターエレメントは、サンプルアーム506を複数のビームへとさらにスプリットすることが可能である。放射線/光の経路の異なるパーツにおける1つまたは複数の数のスプリッターエレメント504の任意の組み合わせは、参照のための複数のビームを生成させるために、および、光学的な分析手順によって必要とされるのに応じて、サンプルをインタロゲートするために使用され得るということが理解される。
【0048】
サンプルアーム506をトラベルする光は、最終的にサンプル510の上に衝突する。サンプル510は、イメージングされることとなる任意の適切なサンプル(たとえば、組織など)であることが可能である。光は、サンプル510の中のさまざまな深さから散乱および反射して戻り、散乱された/反射された放射線は、サンプルアーム506の中へ戻されて収集される。別の実施形態では、散乱された/反射された放射線は、伝送導波路とは異なる導波路の中へ戻されて収集される。スキャン深さは、ディレイユニット512の中の光に課されるディレイを介して選ばれ得る。
【0049】
サンプルアーム506および参照アーム508の中の光は、検出器514において受け取られる前に再び組み合わせられる。示されている実施形態では、光は、スプリッティングエレメント504によって再び組み合わせられる。別の実施形態では、光は、スプリッティングエレメント504とは異なる光学カップリングエレメントにおいて再び組み合わせられる。検出器514は、任意の数のフォトダイオード、電荷結合デバイス、および/またはCMOS構造体を含み、受け取られた光を電気信号へと変換することが可能である。電気信号は、サンプル510に関係付けられる深さ分解光学データを含んでおり、処理モジュールによって受け取られ得る。処理モジュールは、インターフェースを有しており、インターフェースは、そのような電気信号をデジタルデータへと変換し、デジタルデータは、次いで、標準的な処理ユニット(たとえば、コンピューター、データプロセッサー、再プログラム可能なハードウェア、ASIC、または、任意の他のタイプのデジタルデータ処理回路またはシステムなど)によって処理および分析され得る。
【0050】
本明細書で使用されているように、「深さ分解」という用語は、イメージングされるサンプルの特定の深さに関係付けられるデータの1つまたは複数の部分が識別され得るデータを定義する。LCIシステムは、実施形態によれば、Michelson干渉計と同様の干渉計設計として図示されている。しかし、Mach-Zehnder干渉計設計またはMireau干渉計設計を含む、他の干渉計設計も同様に可能である。
【0051】
システムの外部エレメントの例示的な実施形態
図1に図示されているように、システムのいくつかのエレメントは、カテーテル100の外部にあることが可能であり、カテーテル100に直接的にまたは間接的に接続され得る。そのようなエレメントは、複数のエンクロージャーまたは単一のエンクロージャーの中に含まれ得る。
図1に示されている構成では、コンソール101、ユーザーインターフェース104、およびアブレーションエネルギー供給源102は、独立したエンクロージャーの中に収容されている。いくつかの実施形態において、光学回路500の一部は、コンソール101の中に包み込まれており、一部は、カテーテル100の中に包み込まれている。さらなる実施形態において、アブレーションエネルギー供給源102は、また、コンソール101の中に包み込まれ得る。ユーザーインターフェース104のエレメントは、コンソール101の中に囲まれ得、他のエレメントは、ディスプレイモジュールの中に囲まれ得る。いくつかの実施形態において、システムの外部エレメントは、また、処理モジュールを含み、処理モジュールは、(たとえば、コンソール101の中など)他の外部エレメントのいずれかと組み合わせて包み込まれ得る。処理モジュールは、光学回路500のエレメントのうちのいくつかを含むか、または、単に光学回路500からの信号を受け取ることが可能である。また、処理モジュールは、追加的な回路を含み、光学検出器514において発生させられる信号を測定することが可能であり、それを使用し、さらに処理および分析され得るデータを作り出すことが可能である。いくつかの実施形態において、処理モジュールの処理ユニット、処理モジュールの他のエレメント、カテーテル100、アブレーションエネルギー供給源102、およびコンソール101は、ユーザーインターフェース104に直接的にまたは間接的に接続され得る。ユーザーインターフェース104は、聴覚、視覚、および/または触覚データをユーザーに送り、アブレーションエネルギーが送達される前に、その間に、および/または、その後に、サンプル510の特性およびアブレーションシステムのステータスおよび治療変数をユーザーに知らせることが可能である。ユーザーインターフェース104によって提供されるデータは、臨床医によって使用され、アブレーション治療についてより良好な情報に基づいた決定を下すことが可能である。
【0052】
組織の複屈折を決定することの例示的な実施形態
複屈折は、材料の光学的特性であり、それは、光の偏光および伝播方向に関連付けられる。ほとんどの生存可能なヒト軟部組織は、一般的に複屈折であると考えられている(たとえば、心筋、腎臓、および脳組織など)。この複屈折は、それらの内部コンポーネントおよび構造体の組織化および幾何学形状に由来している。特に、タンパク質の組織化および幾何学形状、ならびに/または、組織の中の細胞の組織化およびアライメントは、組織複屈折の重要な決定要因である。組織の内部タンパク質のうちのいくらかが正常な状態から変性状態へ移るときに、光学的な複屈折が組織の中で変化する。その理由は、タンパク質自体の幾何学形状およびマトリックスの中のそれらの配置が変化するからである。コラーゲン、エラスチン、およびフィブリンは、細胞外マトリックスタンパク質であり、それは、変性されるときに、組織の複屈折特性に影響を与えることが可能である。その理由は、そのような細胞外マトリックスから反射または散乱された光が、これらのタンパク質が正常な状態にあるときに受け取られる光信号と比較して、異なる偏光状態(たとえば、偏光および位相遅延)を有することができるからである。さらに、変性されるときの細胞膜および細胞内細胞骨格の中の他のタンパク質も、変性されるときに、または、細胞膜もしくは細胞骨格の幾何学形状が変化するときに、光の偏光状態の変化を発生させることが可能であり、組織の異方性に影響を与える。
【0053】
RFアブレーションおよび組織の複屈折を決定することの例示的な実施形態
RFカテーテルまたは他の医療用送達デバイスを使用することによって、RFエネルギーは、組織の中へ送達され、加熱を引き起こすことが可能である。組織がおおよそ50℃に到達した後に、永久的な熱的病変が、壊死を通して起こる可能性がある。タンパク質変性は、おおよそ70℃において起こる可能性がある。したがって、本明細書で説明されているようなカテーテルシステムは、偏光感受性LCIを使用し、アブレートされたサンプルの光学的状態をインタロゲートし、組織が深さ分解方式で70℃に到達するときに、光信号の飛行時間、周波数、および振幅のさらなる情報とともに、反射および散乱された光の信号、ならびに、その偏光状態および位相遅延を分析することによって、リアルタイムでの直接的な可視化を可能にする。追加的な実施形態において、外挿、統計的適合、内挿、または人工知能(たとえば、機械学習)を使用する予測アルゴリズムは、病変ライブラリに適用され、恒久的にアブレートされた病変の幾何学形状(たとえば、病変の幅、長さ、および/または深さ)をより良好に予測することが可能である。いくつかの実施形態において、アルゴリズムは、70℃に到達するように直接的に可視化された病変の幾何学形状を考慮し、50℃に到達した組織サンプルの幾何学形状を計算することが可能である。50℃に到達した病変の幾何学形状は、心臓リズム電気伝導性を有することとならない恒久的にアブレートされた組織の領域を決定する。そのような幾何学形状を決定することおよび可視化することは、病変が組織壁部を完全に浸透したかまたはアブレーションの部位において所望の構造体に到達したかということ、および、アブレーションラインの中にギャップが存在しているかどうかということを、臨床医が評価することを可能にする。
【0054】
光学的にガイドされるアブレーションシステムのいくつかの構成において、光の浸透深さ(それは、直接的な可視化のために使用され得る)および50℃における病変サイズのその外挿は、組織壁部の中へ完全な浸透を決定するには十分でない可能性がある。そのようなケースでは、その特定の病変におけるアブレーション時間が、組織における直接的な光学的評価のために使用される光の浸透の最大深さにおいて複屈折の変化に到達するのにかかる時間を超える必要があるときに、数学的アルゴリズムが、病変サイズを予測するために使用され得る。本明細書で説明されているシステムを使用する実験は、変性までの時間に対する合計のアブレーション時間の比率が、統計的適合アルゴリズム(たとえば、内挿、外挿、回帰、最小残差、ANOVA、MANOVA、など)または人工知能アルゴリズム(たとえば、機械学習)において使用されるときに、病変サイズの主要予測因子である可能性があるということを示した。いくつかの実施形態において、変性までの時間は、既知の深さにおいて70℃における変性に到達するために必要とされる時間として定義され得る。いくつかの実施形態において、使用される既知の深さは、偏光深さの変化に関して分析されることとなる分解可能な光信号のための最大深さであることが可能であり、それは、赤外線/近赤外線に関しておおよそ1.5mmであることが可能である。したがって、光学的にガイドされるアブレーションシステムの処理ユニットは、そのようなアルゴリズムと組み合わせて使用され、直接的な可視化のための深さを超える病変深さをリアルタイムで予測し、ユーザーインターフェース104を通してそのような情報を臨床医に伝送することが可能である。
【0055】
PFAおよび組織の複屈折を決定するための方法の例示的な実施形態
パルスフィールドアブレーション(PFA)は、電磁パルスを使用し、アブレーションプロセスの間に組織の中に病変を発生させる。一般的に、PFAパルスは、一度に2つの電極を横切って印加され、2つの電極は、病変が望まれる組織のセグメントの上に比較的に近接して間隔を置いて配置されている。一連の高い電圧パルス(単相性のまたは二相性のいずれか)が、電極を横切って課され、それらの間の組織を高強度電界に短期間に暴露する。いくつかの実施形態において、一連のパルスは、本明細書では、パルス列と称され得る。いくつかの実施形態において、パルス列のエネルギー密度、強度、および全体的な強度が、熱的損傷を通して細胞/組織壊死を引き起こすのに十分である場合には、PFAのための臨床的な適用およびプロトコルは、細胞アポトーシスまたは他のタイプの非ネクローシス遅延性細胞死を通して、非熱的病変を生成させることを目的とすることが可能である。
【0056】
PFAのための臨床プロトコルの間に、既知の周波数、振幅、および持続期間のパルス列が、アブレーション部位において2つ以上の電極(たとえば、組織に接触しているかまたは組織に極めて近接している)の間に適用され、ターゲットにされた組織セグメントの中の細胞の細胞膜の中に細孔が開くことを引き起こす。そのような細孔が開くことは、細胞浮腫を引き起こし、そのような浮腫が十分である場合には、アポトーシス(または、他の遅延性細胞死)メカニズムが、細胞の中で活性化させられ、その後の細胞死につながる。したがって、70℃におけるタンパク質変性に起因する組織複屈折の変化を決定することに向けられた偏光感受性LCI方法は、PFAを使用するときに十分でない可能性がある。その理由は、その温度が組織において到達されない可能性があり、または、電極と直接的に接触している組織の最小表面積のみが、変性および壊死を受ける可能性があるからである。いくつかの実施形態において、インタロゲートされた組織サンプルのすべてのまたは大半が、非熱的損傷によって遅延性細胞死を受ける可能性がある。
【0057】
本明細書で説明されている偏光感受性LCIアブレーションシステムを使用する実験は、熱的損傷がないときのPFAエネルギートレインの適用に関連付けられる組織の複屈折の変化に対して敏感であるということを示した。
図6は、本開示の実施形態による、アブレートされていないサンプルおよびPFAアブレーションの後のサンプルに関して、心筋組織600の例示的な実験的な組織学的イメージのダイアグラムを図示している。とりわけ、
図6は、アブレートされていない組織とPFAアブレートされた組織(それは、偏光感受性LCIシステムにおける複屈折の変化を示した)とを比較した組織学的結果を示している。PFAアブレーショントレインが適用された後に、パルスは、細胞膜および細胞膜タンパク質における破壊を引き起こし、組織の完全性および構造の損失によって、
図6に示されているように、細胞浮腫およびその後のアポトーシス(遅延性細胞死)につながる。
【0058】
心筋組織サンプル600は、2つの非常に異なる構造を有する2つの隣接するエリアを示している。アブレートされていないエリア601は、細胞膜、細胞内細胞骨格、および細胞外マトリックスによって支持されている、組織化された密に詰まった細胞構造体を示している。PFAアブレートされた組織602のサンプルは、完全に破壊された細胞膜および細胞内細胞骨格、そのような膜の外側の細胞核604、ならびに、細胞構造体および細胞外マトリックスにおける拡大したギャップ603を示している。
【0059】
細胞構造体における維持および組織化を担う、ひいては、組織の異方性(たとえば、複屈折)を担うタンパク質および構造体は、細胞外マトリックス(たとえば、コラーゲン、エラスチン)、細胞骨格/鞭毛または繊毛(たとえば、チューブリン、アクチン、またはラミン)、および細胞膜タンパク質(たとえば、内在性/膜貫通型タンパク質)を含む。いくつかの実施形態において、PFAアブレートされた組織サンプル602は、アブレーションの後にLCIシステムにおける複屈折の変化を示した。実験の間の異なるPFAアブレーション病変に関して、複屈折の変化は、組織へのPFAエネルギー(たとえば、パルス列)の送達の後に、数秒以内(たとえば、30秒未満)または数分以内(たとえば、最大で40分まで)に観察された。複屈折の変化の検出のための時間は、強度(たとえば、パルスの振幅)、タイプ(単相性、二相性)、周波数(たとえば、パルスの周波数)、および、パルス列の持続期間(たとえば、すべてのパルスが組織に送達されるための合計時間)に依存する。
【0060】
いくつかの実施形態において、複屈折の遅延性変化は、即時の壊死メカニズムではなく、遅延性アポトーシス/遅延性細胞死/リモデリング応答である可能性がある。複屈折の遅延性変化は、組織構造の異方性の遅延性変化(低減)に関連付けられ得る。PFAアブレートされた組織602の組織学において見られるように、構造的な完全性ならびに幾何学的なおよび組織的な変化は、組織および細胞レベルにおいて見られる。組織化されたマトリックスを備えた細胞構造体のアブレートされていないサンプル601における組織化は、組織の異方性を決定し、それは、アポトーシスおよび細胞浮腫の後の後続の細胞死に起因して、(サンプル602に示されているように)PFAアブレーションの後に喪失される。したがって、PFAアブレーションの後の組織の異方性の喪失、および、後続の細胞骨格の故障、タンパク質変性、または断片化は、複屈折の喪失につながり、それは、LCI光学的にガイドされるアブレーションシステムによる偏光および位相遅延の変化に起因して検出可能であり得る。細胞浮腫からのアポトーシスプロセスは、細胞内細胞骨格、その構造的なタンパク質、たとえば、チューブリン(マイクロチューブルのタンパク質コンポーネント)、アクチン(マイクロフィラメントのコンポーネント)、およびラミン(中間フィラメントのコンポーネント)など、および、細胞外マトリックスへの接続に直接的に影響を与える可能性がある。細胞骨格と細胞外マトリックスとの間のそのような接続の破壊は、組織セグメントの構造体および組織化の全体的な喪失につながる可能性がある。したがって、細胞骨格完全性の喪失は、本明細書で説明されているLCI方法論によって検出され得る組織の上の異方性および複屈折の喪失につながる主要な要素である可能性がある。
【0061】
心臓アブレーションのための光学的にガイドされるPFA手順の例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、心臓アブレーションのための光学的にガイドされるPFAシステムの使用のために、カテーテル100が、直接的にまたはアクセスシースを通して、ヒト血管系の中へ導入される。カテーテルの遠位セクション201は、ガイドワイヤー、アクセスシース、操舵可能なシース、または、カテーテル100自体の偏向を使用して、アブレーションの部位に移動させられる。アブレーション部位(たとえば、心房、心室、動脈、静脈など)において、カテーテル遠位セクション201の表面の上の少なくとも1つのまたは複数の電極213が、アブレーション部位における組織と直接的に接触して設置される。光学的供給源によって放出される光または他の形態の放射線を使用して(それは、少なくとも部分的にPM光学的伝送媒体を通ってカテーテル100の遠位セクション201へトラベルする)、遠位セクション201と組織アブレーション部位との間に、接触または接触安定性が確立され得る。接触または接触安定性が確立された後に、PFAパルス列が組織に伝送され得、ここで、パルス列の特性(たとえば、周波数、振幅、強度、または持続期間)は、臨床ユーザーによって決定される。アブレーションパルス列の送達の間および/または後に、インタロゲートされた組織の複屈折の変化は、カテーテル100を通して組織の中へ送られる、反射された/散乱された光信号の偏光状態および位相遅延の変化の評価を通してモニタリングされ得る。複屈折の変化または低減が所定のタイムフレーム(たとえば、1秒から1時間など)の中で検出されない場合には、臨床医は、同じまたは異なる特性を有するパルス列を使用して、組織を再アブレートすることが可能である。
【0062】
いくつかの実施形態において、数学的な、統計的な、または人工知能予測アルゴリズムまたは等式は(それは、複屈折の損失までの時間、または、アブレートされた組織における複屈折の量の変化/差の尺度を使用する)、PFA病変が永久的であるかどうかを予測するために使用され得、したがって、心臓細動の再発の確率と関連付けられ得る。そのようなアルゴリズムは、選択されたアブレーション部位において組織を再アブレートする必要性を決定するために、臨床医によって使用され得る。いくつかの実施形態において、そのような予測アルゴリズムは、アブレーションシステムの中へ直接的にプログラムされ得、結果は、ユーザーインターフェース104を通して臨床医に伝達され得、または、そのようなアルゴリズムもしくは等式は、それらのオフラインの使用のために臨床医に提供され得る。
【0063】
アブレーション手順の他の実施形態では、アブレーション部位における組織接触を確立する前に、カテーテル100の遠位セクション201は、幾何学的な変化を受け、それに限定されないが
図4A~
図4Dに示されているものと等しい2Dおよび3D構造体を生成させ、より良好な接触を提供するか、または、局所的な解剖学的構造にカテーテルを適応させることが可能である。
【0064】
PFA光学的にガイドされるアブレーション手順のいくつかの実施形態において、カテーテルは、アブレーションの後に(そこでは、複屈折の変化が起こることが予期される)必要とされる所定の量の時間にわたって、適切な位置に保持され得る。手順の他の実施形態では、アブレーションの後に、カテーテル100は、身体の中の別のアブレーション部位に移動させられる。所定の量の時間の後に、カテーテル100は、第1のアブレーション部位に移動して戻され、PFAパルスが組織の複屈折の変化を発生させたかどうかをモニタリングする。さらなる実施形態では、カテーテルは、身体から除去され得、同じカテーテル100または別の同様のカテーテルが、後の再介入のときに再使用され、第1のアブレーション部位に再び移動させられ、組織が初期のPFAパルス列に起因して複屈折の変化を示したかどうかをモニタリングすることが可能である。
【0065】
光学的にガイドされる腎臓除神経手順の例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、腎臓除神経のための光学的にガイドされるアブレーションシステムの使用に関して、カテーテル100が、直接的にまたはアクセスシースを通して、ヒト血管系の中へ導入される。カテーテルの遠位セクション201は、ガイドワイヤー、アクセスシース、操舵可能なシース、または、カテーテル100自体の偏向を使用して、アブレーションの部位(たとえば、腎動脈)に移動させられる。アブレーション部位(たとえば、腎動脈)において、カテーテル遠位セクション201の表面の上の少なくとも1つのまたは複数の電極213が、アブレーション部位における組織と直接的に接触して設置される。光学的供給源によって放出される光または他の形態の放射線を使用して(それは、少なくとも部分的にPM光学的伝送媒体を通ってカテーテル100の遠位セクション201へトラベルする)、遠位セクション201と組織アブレーション部位との間に、接触または接触安定性が確立され得る。接触または接触安定性が確立された後に、RFエネルギーが組織に伝送され得、ここで、RFエネルギーの特性(たとえば、パワー、持続期間など)は、臨床ユーザーによって決定される。アブレーションRFエネルギーの送達の間に、インタロゲートされた組織の複屈折の変化は、カテーテル100を通して組織の中へ送られる、反射された/散乱された光信号の偏光状態および位相遅延の変化の評価を通してモニタリングされ得る。RFエネルギーは、システムの中のアルゴリズムまたは等式によって予測されるように(それは、予測変数として、変性までの時間、または、合計のアブレーション時間と変性までの時間との間の比率を使用する)、組織が所望の深さまでアブレートされるまで印加され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルは、腎動脈の完全な周囲部を通してアブレーションを完了するために、必要に応じて移動させられ得る。
【0066】
腎臓除神経のための光学的にガイドされるアブレーション方法のいくつかの実施形態において、ユーザーは、カテーテルをアブレーション部位に移動させ、光信号を使用して、組織を再度インタロゲートし、ギャップが存在しないことを保証するために、周囲部を通した複屈折の損失を決定することが可能である。
【0067】
腎臓除神経のためのアブレーション手順の他の実施形態では、アブレーション部位における組織接触を確立する前に、カテーテル100の遠位セクション201は、幾何学的な変化を受け、それに限定されないが
図4A~
図4Dに示されているものと等しい2Dおよび3D構造体を生成させ、より良好な接触を提供するか、または、局所的な解剖学的構造にカテーテルを適応させることが可能である。
【0068】
上記に説明されている腎臓除神経手順のいくつかの実施形態において、アブレーションエネルギーの送達の前に、少なくとも部分的にマルチモード光学的伝送媒体(マルチモードファイバーまたは導波路)を通ってトラベルする放射線/光が使用され得、光は、光学的分光法方法を使用して処理および分析され、腎臓神経が腎動脈壁部に対して位置付けされている深さを決定する。いくつかの実施形態において、システムは、独立したシングルモード光学的経路およびマルチモード光学的経路の両方を含み、同じアブレーションカテーテルシステムにおいてLCIおよび分光法の両方を使用することが可能である。いくつかの実施形態において、超音波技術も、LCIカテーテルに追加され得る。そのような例示的な超音波技術カテーテルでは、超音波信号は、アブレーションの前に、腎臓神経の深さを決定するために使用され得る。
【0069】
てんかんの治療のための光学的にガイドされるアブレーションの例示的な実施形態
いくつかの実施形態において、てんかんの治療のための光学的にガイドされるアブレーションシステムの使用に関して、カテーテル100が、直接的にまたはアクセスシースを通してヒト血管系の中へ導入される。カテーテルの遠位セクション201は、ガイドワイヤー、アクセスシース、操舵可能なシース、または、カテーテル100自体の偏向を使用して、アブレーションの部位に移動させられる。アブレーション部位(たとえば、離散的なてんかん病巣)において、カテーテル遠位セクション201の表面の上の少なくとも1つのまたは複数の電極213が、アブレーション部位における組織と直接的に接触して設置される。光学的供給源によって放出される光または他の形態の放射線を使用して(それは、少なくとも部分的にPM光学的伝送媒体を通ってカテーテル100の遠位セクション201へトラベルする)、遠位セクション201と組織アブレーション部位との間に、接触または接触安定性が確立され得る。接触または接触安定性が確立された後に、RFエネルギーが組織に伝送され得、ここで、RFエネルギーの特性(たとえば、パワー、持続期間など)は、臨床ユーザーによって決定される。アブレーションRFエネルギーの送達の間に、インタロゲートされた組織の複屈折の変化は、カテーテル100を通して組織の中へ送られる、反射された/散乱された光信号の偏光状態および位相遅延の変化の評価を通してモニタリングされ得る。RFエネルギーは、システムの中のアルゴリズムまたは等式によって予測されるように(それは、予測変数として、変性までの時間、または、合計のアブレーション時間と変性までの時間との間の比率を使用する)、組織が所望の深さまでアブレートされるまで印加され得る。いくつかの実施形態において、カテーテルは、所望の通りに他のてんかん病巣に移動させられ、アブレーションステップを繰り返すことが可能である。
【0070】
図7は、本開示の実施形態による、光学的にガイドされるパルスフィールドアブレーション(PFA)システムの臨床的使用のための例示的な方法を図示している。いくつかの実施形態において、方法は、患者の身体の中へカテーテルを挿入するステップと、組織アブレーション部位にナビゲートするステップと、カテーテルを通して組織の中へ伝送される光信号を使用して、組織アブレーション部位との接触を確立するステップとを含むことが可能である。方法は、カテーテルを通して組織にPFA電磁パルス列を送るステップと、光信号の偏光および/または位相遅延の変化に関してモニタリングすることによって、LCI光学システムを使用して組織の変化に関してモニタリングするステップとをさらに含む。
【0071】
一体化されたオプティクスを備えたパルスフィールドアブレーションカテーテルの例示的な実施形態
本明細書で説明されているように、カテーテルデバイスは、パルスフィールドアブレーション(PFA)を送達するように構成され得る。特定の用途は、心房細動を治療するために、非侵襲的な手順で心臓の左心房に送達されるPFAを含む。
【0072】
一般的に、PFAパルスは、一度に2つの電極を横切って印加され、2つの電極は、病変が望まれる組織のセグメントの上に比較的に近接して間隔を置いて配置されている。一連の高い電圧パルス(単相性のまたは二相性のいずれか)が、電極を横切って課され、それらの間の組織を高強度電界に短期間に暴露する。パルス列は、500~1500Vpp(電圧ピーク-ピーク)のオーダーになっていることが可能であり、また、ゼロボルトを中心としたものであるか(二相性)、または、ゼロからピーク電圧に至るシングルエンドのものであることが可能である。いくつかのケースでは、パルスは、矩形または正弦波であることが可能であり、それぞれのパルスは、典型的に、10~100マイクロ秒の持続期間のものであり、10から25の間のパルスが、0.5秒から2秒の間の間隔で印加される。電界(ひいては、組織の中の結果として生じる病変)は、一方の電極から他方の電極へ延在することが可能である。病変ゾーンにおける最も低い電流密度は、電極間の中間点にあることとなり、いずれかの電極に接近するにつれて電流密度は増加する。電界は、その中の細胞の不可逆的なエレクトロポレーションを引き起こすことが意図されており、それは、最終的に遅延性細胞死を引き起こす。フィールドの中の細胞の場所に応じて、その遅延性細胞死は、アポトーシス、パイロトーシス、およびネクロトーシスなどを通して処理され得る。
【0073】
正しく送達されたときには、PFAは、選択された場所において組織を効果的にアブレートし、偽の電気信号が心房壁部を横切ってさらに心臓の中へ伝播することを防止する永久的な病変を生成させ、さらなる望まれない細動を防止することが示されている。しかし、PFAパルスが最適に送達されない場合には、病変は、不完全である可能性があり、偽の信号を中断することができず、リモデリングを結果として生じさせる可能性があり、リモデリングは、その後の細動の再開につながる(たとえば、ときには、手順の数年後というように長い間)。準最適なPFA送達が、多数の原因から結果として生じる可能性があり、それは、電極の不適正な位置決め、不十分な電極接触、送達の間の接触運動、または、パルス列パラメーター(たとえば、電圧、電流、パルス幅、パルスの数、パルス持続期間、減衰時間、単相性対二相性のモダリティなど)の不適切な組み合わせを含む。これらのパラメーターのいずれかにおける欠陥が、手順の数日または数年後に細動の再開につながる場合には、第2の手順が必要とされ得、患者を追加的なリスクに暴露し、追加的なコストを発生させる。
【0074】
また、医療用カテーテルは、パラメーター(たとえば、なかでも、心内膜壁部接触している、組織生存率、病変形成、ならびに、病変深さおよび幅など)をセンシングするために光コヒーレンス反射率測定法(OCR)を使用する光学システムを含むことが可能である。OCR方法は、接触品質、細胞ステータス、および病変寸法を決定するために、反射振幅、複屈折、偏光の程度などを測定することを含むことが可能である。いくつかのデバイスは、ターゲット組織を探査するためのカテーテルの中のマイクロ-オプティクスと、光ファイバーケーブルとを組み込んでおり、光ファイバーケーブルは、カテーテルを通って延在し、外部コンソールに近位に接続しており、外部コンソールは、光学的供給源およびレシーバー、スイッチ、参照アーム、制御電子機器、データ処理、およびディスプレイを提供する。しかし、現在の光学デバイスは、一般的に、PFAではなくラジオ周波数アブレーション(RFA)を用いる組み合わせの光学的なおよび電気的なカテーテルに向けられている。
【0075】
したがって、単一の低侵襲性の外科的手順の間に、PFAによって永久的な病変を生成させる確率を増加させる信頼性の高いデバイスおよび方法に対する満たされていないニーズが存在している。その手段は、手順を実施する医師が、手順の間にリアルタイムで、(i)刺激電極とターゲット解剖学的構造との間の接触、および、(ii)刺激が印加された後のアブレーションの有効性(病変の深さおよび面積を含む)を評価することを可能にするべきである。不十分な接触が検出される場合には、医師は、カテーテルの電極にエネルギーを印加する前に、カテーテルを再位置決めすることが可能である。不十分な病変深さまたは幅が検出される場合には、医師は、満足のいく病変が観察されるまで、追加的なPFAパルスを問題のエリアに印加することが可能である。これらの評価は、手術のときに、医師が中断のない効果的な病変を生成および検証することを可能にすることとなり、したがって、細動再発のリスクを低減させ、手順を繰り返すことを低減させる。
【0076】
一般的に、PFAパルスは、一度に2つの電極を横切って印加され、2つの電極は、病変が望まれる心房壁部のセグメントの上に比較的に近接して間隔を置いて配置されている。これは、典型的に、4つの肺静脈口のそれぞれを取り囲む心房壁部エリアの中にある。一連の高い電圧パルス(単相性のまたは二相性のいずれか)が、電極を横切って課され、それらの間の組織を高強度電界に短期間に暴露する。例示的な実施形態において、パルス列は、500~1500Vppのオーダーになっていることが可能であり、また、ゼロボルトを中心としたものであるか(二相性)、または、ゼロからピーク電圧に至るシングルエンドのものであることが可能である。パルスは、矩形であることが可能であり、それぞれのパルスは、典型的に、10~100マイクロ秒の持続期間のものであり、10から25の間のパルスが、0.5秒から2秒の間の間隔で印加される。電界(ひいては、結果として生じる病変)は、一方の電極から他方の電極へ延在することとなる。病変ゾーンにおける最も低い電流密度は、電極間の中間点にあることとなり、いずれかの電極に接近するにつれて電流密度は増加する。電界は、その中の細胞の不可逆的なエレクトロポレーションを引き起こすことが意図されており、それは、最終的にアポトーシスを引き起こす。
【0077】
病変を光学的に評価するために、少なくとも1つの光学ビューポートは、電極間の空間における精密に知られたポイント(中間点または何らかの他のポイントのいずれか)において設置され得る。実際には、そのような設置は、場所可視化システム(たとえば、X線透視法、超音波、RF-ベースの、または、他のマッピング/ナビゲーションシステムなど)の精密度限界に起因して困難である。
【0078】
選択される特定の光学的測定技術および電気的刺激に応じて、電圧の印加とアブレートされた細胞における検出可能な変化の出現との間に、タイムラグが存在していることが可能である。このタイムラグは、30秒から30分の範囲で続くことが可能である。電気的刺激が印加されると、所望の変化を観察するために、および、成功的なまたは非成功的なアブレーションを確認するために、タイムラグの間にデバイスを同じ場所に保持することが必要である可能性がある。
【0079】
図8は、本開示の実施形態による、円形形状を有するPFA-OCRカテーテルの例示的な遠位端部のダイアグラムを図示している。PFA-OCRカテーテル800の実施形態(
図8に示されている)は、その遠位端部において、外見上は、一般的な円形のマッピングカテーテルに似ていることが可能である。円形形状が、例示的な実施形態として示されているが、カテーテル遠位セクションは、円形、長円形、もしくは、任意の多角形、または、多角形の組み合わせとして構成され得る。その形状は、肺静脈口を取り囲むように構成され得、送達カテーテルを通して展開され得る。
図8は、肺静脈口の中へ見る正面図を提供しており、肺静脈は、ページの平面の中へ延在している。いくつかの実施形態において、送達カテーテルは、サイズ8Frまたはそれよりも小さいものであることが可能である(たとえば、2.66mmまたはそれよりも小さい)。カテーテル800の円形遠位端部の本体部801は、非導電性ポリマー(たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、またはPeBax(登録商標)など)から形成され得る。本体部801は、金属電極802を有することが可能であり、金属電極802は、その長さに沿って均一に間隔を置いて配置されており、生体適合性材料(たとえば、プラチナ、プラチナイリジウム、金、またはステンレス鋼、ならびに、他の金属または金属メッキなど)から作製されている。
図8に示されているカテーテル800は、8個の電極を図示しているが、デバイスは、24個から32個の間の電極802を有することが可能である。電極802は、ポリマー本体部801の外側にあり、心内膜壁部との接触を可能にするために暴露されている。電極802は、本体部801を部分的にまたは完全に包囲することが可能であるが、表面の凸凹を考慮して、血管壁部に接触するのに十分な面積を有することが可能である。本体部801の中のルーメンの内側では、それぞれの電極802は、カテーテルのシャフトの下に延在することができるワイヤーに取り付けることが可能であり、ワイヤーは、近位端部における電気コネクターにおいて終端している。コネクターは、専用コンソールの中へ差し込まれ得、専用コンソールは、電気的エネルギーおよび光学的エネルギーをカテーテルに提供し、カテーテルから戻ってくる光学的なおよび電気信号をセンシングする。
【0080】
近隣の電極802のそれぞれの対の間には、光学ポート803があり、光学ポート803は、心内膜に面する本体部801の側(
図8における本体部801の裏側)にある開口部として構成され得る。
図8は、例示目的のために8個の光学ポート803を示しているが、任意の数のポートカウントが使用され得る。いくつかの実施形態において、任意の数の光学ポート803および電極802は、ポート803が電極802と同じ場所にない限り、任意の構成で設置され得、最小で2つの電極802および1つのポート803を備えている。いくつかの実施形態において、光学ポート803は、本明細書では、カテーテル本体部801の中に形成されたオリフィスまたは開口部(たとえば、
図9に示されているように開口部803Aおよび803B)と称され得る。
【0081】
図9は、カテーテル800の円形遠位端部の遠位先端部の拡大側断面図を提供している。明確化のために、それは、その送達カテーテル(図示せず)の中に含まれているときのように、真っ直ぐなカールしていない位置で示されている。展開されたときに、カテーテル800の遠位端部は、
図8および
図9のように、その円形形状の遠位平面が心内膜壁部901と接触した状態で位置決めされる。カテーテル本体部801の外側は、電極802Aおよび802Bを提供されており、追加的な電極802が本体部801に沿って間隔を置いて配置された状態になっている(
図8に示されているが、
図9には示されていない)。電極802Bは、一部を切り取って示されているが、本体部801の外側表面を完全にまたは部分的に包囲することが可能である。電極802は、本体部801の上に位置決めされており、それぞれの電極802の少なくとも一部分が、本体部801の円形形状の遠位平面に面するようになっており、穏やかな力がカテーテルに印加されるときに壁部901に接触するようになっている。
【0082】
カテーテル本体部801の内側では、少なくとも1つのワイヤールーメン902が、カテーテルの長さに延在することが可能である。ワイヤールーメン902に沿って間隔を置いて設けられた孔部、スキブ(skive)、またはスロットは、電極802のそれぞれに接続するために、電気ワイヤーの通過を可能にすることができる。電極ワイヤー(図示せず)は、ワイヤールーメン902の長さに延在することが可能であり、カテーテルの近位端部(図示せず)における電気コネクターにおいて終端することが可能である。ワイヤーは、はんだ、圧着、ウェッジボンド、超音波溶接、レーザー溶接、導電性エポキシ、または他の手段によって、電極802に取り付けることが可能である。1つの実施形態では、それぞれの電極802は、専用ワイヤーに取り付けられており、コンソール(図示せず)の中の制御回路によって、それぞれの電極802が同様にアクセスされることを可能にする。コンソール電子機器は、(i)PFA刺激を印加するために、(ii)エレクトログラム信号を測定するために、(iii)ナビゲーションまたはマッピングシステムとインターフェースするために、または、(iv)組織インピーダンスを測定するために、いくつかの機能のために電極802を使用することが可能である。電極802は、これらの機能のいくつかにわたって多重使用され得、または、単一の機能に特化され得る。電極802のセットは、単一使用の電極または複数使用の電極の任意の組み合わせを含むことが可能である。
【0083】
代替的な実施形態において、複数の電極802は、単一のノードを形成するために並列に一緒に接続され得る。たとえば、
図8の電極802を参照すると、ユーザーは、反時計回り方向に円形の周りにシーケンシャルに移動し、1つおきの他の電極802を一緒に接続することが可能である。したがって、第1の、第3の、第5の、および第7の電極802は、1つのノードを形成することが可能であり、第2の、第4の、第6の、および第8の電極802は、第2のノードを形成することが可能である。この構成では、PFA刺激事象は、偶数番号の電極802を一方の極として使用することが可能であり、奇数番号の電極802を他方の極として使用することが可能であり、したがって、円形エリア全体を一度にアブレートすることが可能である。
【0084】
単一のワイヤールーメン902が
図9に示されているが、他の実施形態は、複数のルーメンを提供することが可能であり、それぞれは、システムの中で使用される電気ワイヤーのサブセットを含んでいる。
【0085】
図9の断面に戻ると、カテーテル本体部801は、内部光学ルーメン903をさらに提供することが可能であり、内部光学ルーメン903は、カテーテル800の長さに延在することが可能である。光学ルーメン903は、心内膜壁部表面901と接触している800の円形遠位部分の遠位平面の近くに位置付けされ得るか、または、それと当接して位置付けされ得る。1つまたは複数の開口部803(たとえば、開口部803A、803B)が、光学ルーメン903の中に提供されており、光学ルーメン903をカテーテルの外側に暴露することが可能である。開口部803は、カテーテルから外へおよび心内膜壁部901の中へ、光を投射するために使用され得、また、測定のためにカテーテルの中へ後方反射された光を受け取るために使用され得る。開口部803は、カテーテル本体部801の中に形成された孔部、スロット、またはスキブであることが可能である。それらは、外側に開放していることが可能であり、または、適当な光学的に透明な被覆(たとえば、ガラス、ポリマー、もしくは、他のセラミック材料など)によってカバーされ得る。
図9は、2つの開口部803Aおよび803Bを示しているが、任意の数の開口部が、
図9および
図8に示されているようなカテーテル800の円形の遠位セクションの周りの任意の所望の場所に設置され得る。別の実施形態では、カテーテル800の遠位セクション本体部801は、光学的に透明な材料から全体的に作製され得る。いくつかの実施形態において、開口部803A、803Bは、光学的な分析のために使用される波長において、光学ルーメン903と心内膜壁部901との間の光学的な透明性を保証することが可能である。
【0086】
図10は、
図9に示されているデバイスを図示しているが、光学カテーテル1001が左側における近位端部から光学ルーメン903の中へ挿入された状態になっている。光学カテーテル1001は、メインカテーテル800システムの遠位端部から独立して移動させられ得る。光学カテーテル1001の移動は、システム(図示せず)の近位端部における制御装置によって達成され得る。制御装置は、近位ハンドルアッセンブリの一部であることが可能であり、または、カテーテルが接続する外部デバイスのうちの1つの中に存在することが可能である。制御装置は、単純なプッシュ/プルワイヤーであることが可能である。制御装置は、ロータリーノブ、ホイール、レバー、スライダー、またはプッシュボタンなどであることが可能である。制御装置は、光学ルーメン903を通る光学カテーテル1001の精密移動を提供するために、ギア式またはピニオン式であることが可能である。制御装置は、ロッキング機能を提供し、光学ルーメン903に対して光学カテーテル1001を適切な位置に保持し、新しい場所への移動のためにそれをリリースすることが可能である。制御装置は、手動または電動であることが可能である(ステッパーモーターまたはリニア変位ドライブを含む)。それは、ユーザーインターフェースを提供し、システムの光学ルーメン903または他の物理的なコンポーネントに対する光学カテーテル1001の場所を示すことが可能である。ユーザーインターフェースは、視覚的な、聴覚的な、または触覚的なフィードバックをカテーテルオペレーターに提供することが可能である。
【0087】
光学的な開口部1003が、光学カテーテル1001の遠位端部の近くにある。コンソールが光学カテーテル1001を通して光学的エネルギー1002を投射するときに、それは、開口部1003を通ってカテーテル1001を退出することが可能である。開口部1003が外側カテーテル本体部801における開口部803のうちの1つと位置合わせされるときに、光学的エネルギー1002は、カテーテル本体部801を退出し、心内膜901に進入することが可能である。さらに、光学的エネルギー1002の少なくともいくらかは、心内膜901の表面における組織またはその下方の組織から反射して戻り、光学カテーテル1001に再進入することが可能である。
【0088】
光学ルーメン開口部1003は、外側カテーテル本体部801における開口部803に関して先に説明された形態のいずれかをとることが可能である。開口部1003の形態は、開口部803とは異なっていることが可能である。光学ルーメン903および光学カテーテル1001は、開口部1003と開口部803との間の回転アライメントを保証するための特徴を提供することが可能である。カテーテルオペレーターは、光学ルーメン903に沿って光学カテーテル1001を前進および後退させることが可能であり、光学カテーテルの開口部1003が外側カテーテル本体部801の上の開口部803と位置合わせする任意の場所において停止させることが可能である。これらの場所において、オペレーターは、光学的な読み取りを行い、関心の組織パラメーターを評価することが可能である。システムは、カテーテル800がターゲット解剖学的構造(それは、心臓であることが可能である)の中へ導入されるときに、光学カテーテル1001が光学ルーメン903の中へ部分的にまたは完全にすでに挿入されている状態で構成され得る。代替的な実施形態において、カテーテル800は、光学ルーメン903が空の状態でターゲット解剖学的構造に進入することが可能であり、光学カテーテル1001が手順の後半で導入される。
【0089】
他の実施形態において、異なるタイプのカテーテルが、光学カテーテル1001と交換され得る。光学ルーメン903は、カテーテル本体部801の上の開口部803と位置合わせされるときに異なる機能を果たすことができる代替的なカテーテルを収容することが可能である。交換可能な代替的なカテーテルの例は、OCR、近赤外線分光法を含む分光法、偏光均一性程度、または他の光学的測定、PFAまたはラジオ周波数エネルギーによる電気刺激またはアブレーション、エレクトログラムまたはインピーダンス測定を含む電気的なセンシング、ピンクリップなどのようなマーカーまたは縫合ワイヤーの設置を含む機械的な場所マーキング、透視観察のための、超音波観察のための、または、互換性がある電気生理学ナビゲーションシステムのための、色素注入または組織染色を含む他の場所マーキング、生検、組織の中への薬物注入、または、血液ストリームの中への溶出、写真またはビデオ撮影、化学的特性測定、デュロメーターを含む機械的特性測定、局所超音波、レーザー縫合またはアブレーションのためのカテーテルを含む。カテーテル800の外側構造体は、これらのおよび他の例示的なカテーテルタイプのためのウィンドウ(たとえば、開口部803)におけるカテーテルの精密な設置、および、場所の精密なターゲッティングを可能にすることができる。オペレーターは、手順の全体を通して所望の通りに、異なるカテーテルタイプを交換することが可能である(同じカテーテルタイプのバリエーションを含む)。
【0090】
図11は、電極802(図示せず)間のまたは電極802の外側の場所における、近位端部から遠位端部に向けて見た、カテーテル800の遠位端部の断面を提供している。図は、心内膜壁部901がカテーテル800の右側にあるように配向されている。カテーテル800の本体部801の中には、ワイヤールーメン902、光学ルーメン903、および光学カテーテル1001があり、それは、以前の図とは異なる縮尺で描かれている。光学ルーメン903は、心内膜壁部901に接触するように構成されているカテーテル本体部801の側部に当接している。開口部803および1003は、2つの水平方向のハッシュド線(hashed lines)によって示されている場所において、カテーテル本体部801、光学ルーメン903、および光学カテーテル1001の中へそれぞれ切り込まれており、光学的エネルギー1002が光学カテーテル1001を退出および再進入することを可能にする。光学ルーメン903は、溝部1101を提供されており、光学カテーテル1001の上の舌部1102を受け入れる。舌部1102および溝部1101は、カテーテル800の長さに延在しており、開口部803と1003との間の回転アライメントを保証する。光学カテーテル1001は、開口部803および1003の位置合わせを誤ることなく、光学ルーメン903に対して近位または遠位に(図のページの平面の中へまたは外へ)並進され得る。この実施形態では、舌部-および-溝部(tongue-and-groove)アライメントが示されているが、他の実施形態は、異なるアライメント手段を用いることが可能であり、それは、光学カテーテル1001および光学ルーメン903のための卵形の、多角形の、または他のインターロッキング断面形状、複数の多角形の舌部-および-溝部形状、光学カテーテル1001の内側のより小さいルーメンの中へフィットする光学ルーメン903に延在するガイドワイヤーを含むがそれに限定されない。
【0091】
図12は、いくつかの内部構造体を示す、光学カテーテル1001の遠位端部の側断面図である。カテーテル本体部1201は、
図11の舌部1102として例示されている回転ロッキング特徴(
図12には示されていない)を含むことが可能である。本体部1201は、金属コイルなどのような構造体(図示せず)を含んでおり、導入の間に曲がりくねった解剖学的構造をナビゲートするために、および、
図8に示されている円形または他の形状に対処するために、フレキシビリティーを保ちながら、開口部803間の遠位運動および近位運動を促進させることが可能である。本体部1201の内側では、集束レンズ1203が、本体部1201にリジッドに固定されている。レンズ1203は、ガラス、溶融シリカ、二酸化ケイ素、サファイヤ、または、他の材料から作製されたマイクロレンズであることが可能である。光ファイバーケーブル1202は、指数整合エポキシなどのような接着剤、レーザー溶接、または、他の手段によって、レンズ1203に接続され得る。ある実施形態において、光ファイバーケーブル1202の遠位端部は、レンズとして作用するように直接的に研磨され得る。光ファイバーケーブル1202は、カテーテル800の長さに延在することが可能であり、カテーテル800の近位端部における光学コネクター(図示せず)において終端することが可能である。光学コネクターは、コンソール(図示せず)に接続し、コンソールとカテーテルとの間で光学的エネルギーを移送することが可能である。集束された光学的エネルギー1002は、図の中の左から右へレンズ1203を退出することが可能であり、角度付きミラー1204によってターンされ、開口部1003を通って心内膜901(図示せず)の中へ投射することが可能である。光学的エネルギー1002は、心内膜901の組織層を浸透することが可能であり、その一部分は、それが進入したのと同じ経路に沿って光学カテーテル1001の中へ後方反射することが可能である。また、ターニングミラー1204は、光学カテーテル本体部1201にリジッドに固定され得、レンズ1203、ミラー1204、開口部1003、および回転位置決め舌部1102(
図12には示されていない)の間の相対運動を除外することによって、光学的なアライメントを保存する。
【0092】
図13は、光学カテーテル1001の代替的な実施形態を図示するための側断面図を提供している。いくつかの実施形態において、ミラー1204は、
図13に示されているように必要でない可能性がある。その代わりに、高度に可撓性の光ファイバー1202が用いられ、それは、レンズ1203への取り付けポイントにおいて90度ターンすることが可能であり、レンズ1203は、接着剤、別個のホルダー、レンズを受け入れるための成形構造体、または、他の手段によって、開口部1003に直接的にリジッドに貼付されている。光学的なものの中の光学コンポーネントの内部配置の他の概念
【0093】
カテーテル800の中の外部構造体および内部で移動可能な光学カテーテル1001の両方は、X線透視、ナビゲーションマッピング、超音波、コンピューター断層撮影、または、他のイメージングシステムの上での可視化を促進させる選択された場所において、コーティングまたは材料を提供され得る。
【0094】
代替的な実施形態において、電極802および開口部803は、
図14に示されているように側部に取り付けられている別個のカテーテルの上に位置付けされ得る。この例では、外側カテーテル1401は、
図8に示されているカテーテル本体部801の円形遠位端部に似ていることが可能であり、その上に間隔を置いて位置決めされている電極802を有することが可能であり、それぞれの電極802は、内部ワイヤーに接続されており、ワイヤーは、
図8から
図12の実施形態のように、カテーテル800を通って近位に延在することが可能である。しかし、
図14の実施形態では、内側カテーテル1402は、外側カテーテル1401に横方向に取り付けることが可能であり、その2つが同心円状の形状を形成するようになっている。内側カテーテル1402は、内側カテーテル1402の中および外へ光が移送することを可能にするための開口部803を提供され得る。内側カテーテル1402は、本質的に、中空のシースであることが可能であり、中空のシースは、
図10の光学ルーメン903の様式で、光学カテーテル1001を受け入れ、配向させ、およびガイドすることが可能である。代替的に、内側カテーテル1402は、外側カテーテル1401の内側にあるスロット、ワイヤーフレーム、トラック、またはレールであることが可能であり、それは、光学カテーテル1001を直接的に受け入れ、光学カテーテル1001が押されるときに、内側カテーテル1402の内側の周りにそれをルーティングする。これらの実施形態では、内側カテーテル1402は、外側被覆を有することとならず、ガイドトラックなどのみを有することとなり、カテーテル1001の外側は、外側に暴露されることとなる。この説明図および他の説明図では、開口部803は、離散的なウィンドウとして示されているが、他の実施形態では、それらは、スロット状のウィンドウであることが可能であり、見る場所におけるより多くのフレキシビリティーを可能にする。また、内側カテーテル1402は、最大の場所的なフレキシビリティーのために、光学的に透明な材料から完全に作製され得る。
【0095】
別の実施形態では、内側カテーテル1402および外側カテーテル1401の位置は、外側カテーテル1401が光学的な開口部を提供し、内側カテーテル1402が電極を提供するように逆にされ得る。
【0096】
別の実施形態では、内側カテーテル1402に似ている第3のカテーテル(図示せず)が、外側カテーテル1401の外側に設置され得る。この3つのカテーテルの実施形態では、中間のカテーテルは、開口部803を有することが可能であり、外側の2つのカテーテルは、電極802を有することが可能であり、または、その逆もまた同様である。異なる実施形態は、病変を評価するためにより大きな観察エリアを有することに対して、より大きな病変を生成させる際に有利であることが可能である。
【0097】
別の実施形態では、内側カテーテル1402および外側カテーテル1401の両方は、
図8のように電極802および開口部803の両方を提供され得る。ここで、オペレーターは、2つの間で選択し、可動の光学カテーテル1001を一方もしくは他方を通して挿入することが可能であり、または、複数の場所を見るためにそれぞれのものに同時に光学カテーテル1001を挿入することが可能である。代替的に、カテーテル800のシャフトは、単一の光学ルーメン903を含むことが可能であり、単一の光学ルーメン903は、遠位部分の近くのポイントにおいて、一方または他方のカテーテル1401または1402に操舵可能であり得、ここで、カテーテル1401および1402は、「Y」字接続を形成することが可能である。
【0098】
図15から
図20は、代替的な実施形態を図示している。
図15は、
図8および
図9に示されている外側カテーテル1500の簡単化されたバージョンの拡大断面を図示している。このバージョンでは、外側本体部1501は、
図8および
図9に説明されている同じ様式で、電極1502および開口部1503を提供され得る。先の実施形態と同様に、導電性電極1502は、カテーテル本体部1501の外側に暴露され得、本体部1501の内側からワイヤーへの接続を提供することが可能である。しかし、この実施形態では、外側カテーテル1501の本体部は、ワイヤーまたはワイヤーをルーティングするための内側ルーメンを含んでいなくてもよい。
【0099】
図16は、外側カテーテル1500の中を線形に並進するように構成されている内側カテーテル1504の遠位端部の側面図である。カテーテル本体部1505は、曲がりくねった解剖学的構造をナビゲートするのに十分に可撓性の材料から形成されており、先に開示されている制御タイプのカテーテル1500ハンドル(図示せず)の中の制御装置によって、遠位に押されるおよび近位に引っ張られるのに十分硬い。カテーテル本体部1505は、押し込み性のために金属ブレイド(図示せず)を含むことが可能である。少なくとも2つの導電性電極1506は、本体部1505の外側表面の上に配設され得、それは、PFAエネルギーの印加のために、または、インピーダンス、心臓信号、またはカテーテル場所の電気的なセンシングのために、所望の距離において間隔を離して配置されている。電極1506は、ワイヤーへの接続のために、カテーテル本体部1505の内側部分に接続することが可能であり、
図8および
図9からの電極802と同様であることが可能である。少なくとも1つの開口部1003は、電極1506間に配設されており、
図8および
図9からの開口部803と同様である。それは、完全に開いたアパーチャーであることが可能であり、または、それは、光学的に透明な材料によってカバーされ得る。光学的エネルギー1002は、開口部1003の中へおよびそこから外へ通ることが可能である。本体部1505に沿った開口部1003および電極1506のサイズ、数、および設置は、異なる実施形態において変化することが可能であり、組み立ての複雑さに対する機能性のロバスト性の間の設計トレードオフを可能にするということが当業者に明らかになることとなる。
【0100】
図17は、内部コンポーネントを示す、内側カテーテル1504の側断面図を図示している。本体部1505は、ワイヤールーメン1508を含んでおり、ワイヤールーメン1508は、内側カテーテル1504の長さに部分的にまたは完全に延在することが可能である。ワイヤールーメン1508は、ワイヤー1509を含んでおり、それは、電極1506ごとに少なくとも1つある。
図8および
図9と同様に、ワイヤーは、先に説明されたさまざまな手段によって、電極に接続され得、それは、
図17では、それぞれのワイヤー1509の終端部において黒丸として示されている。また、本体部1505は、本体部1505にリジッドに固定されている1セットの光学コンポーネントを含むことが可能である。これらのコンポーネントは、
図12に示されているように、レンズ1203およびターニングミラー1204を含むことが可能である。リジッドに固定された光学コンポーネントは、先に説明されたように、開口部1003を通して、内側カテーテル1504と外側との間で光学的エネルギー1002を伝達することが可能である。光ファイバー1202は、先に説明されたように、レンズ1203に接続することが可能であり、内側カテーテル1504の長さを通して両方の方向に光学的エネルギーをガイドすることが可能である。
【0101】
図13に示されているものおよび本明細書のどこかで示されているものを含む、光学コンポーネントの他の配置およびタイプも可能であるということが当業者に明らかになることとなる。追加的に、
図17に示されている別個のワイヤールーメン1508は、部分的にまたは完全に省略され得、本体部1505の中の体積全体は、内側カテーテル1504の長さのいくらかまたはすべてにわたってワイヤー1509および光ファイバーまたはファイバー1202を含むために使用され得る。
【0102】
図18Aおよび
図18Bは、外側カテーテル1500の中に設置されているときの内側カテーテル1504の並進を示すダイアグラムを図示している。
図18Aでは、内側カテーテル1504は、その2つの電極1506が外側カテーテル1500の電極1502と位置合わせされていない場所において示されており、結果的に、内側カテーテル1500の開口部1003も外側カテーテル開口部1503と位置合わせされていない。内側電極と外側電極との間に電気的な接続が存在していないので、電気的な機能性(刺激またはセンシング)が可能でない。同様に、内側開口部および外側開口部が位置合わせされていないので、光学的エネルギー1002は、カテーテルシステムと心内膜組織901との間で移送することができない。内側カテーテル1504を遠位に並進させることは、
図18Bに示されているように、内側電極1506が外側電極1502と位置合わせすることを引き起こし、組織901とコンソール(図示せず)との間の電気回路および光学的経路を完成させることによって、カテーテルシステムに対する完全な電気的なおよび光学的な機能性を可能にする。
【0103】
電極およびウィンドウのアライメントまたはミスアライメント、ならびに、心内膜壁部との接触は、コンソールまたはカテーテルの中の回路を使用して内側電極1506間の電気的なインピーダンスを測定することによって、PFA-OCRシステムによって検出され得る。位置合わせされていないカテーテルは、高いインピーダンスを登録することとなる。良好な心内膜接触を有する位置合わせされたカテーテルは、心内膜壁部のインピーダンスを示すこととなる(典型的に、数十オームから数百オーム)。同様に、OCRシステムは、内側開口部1003と外側開口部1503との間のアライメントを検出するために使用され得る。その理由は、外側カテーテル本体部1501の内側壁部から反射された光学的エネルギー1002が、典型的に、心内膜組織901から反射された光学的エネルギー1002とは測定可能に異なる反射を提供することとなるからである。
【0104】
他の実施形態に関連して議論されているように、内側カテーテル1504を外側カテーテル1500の中へ挿入するための手段は、ハンドルにおける近位端部に提供され得、ハンドルは、外側カテーテル1500に対する内側カテーテル1504の精密な並進のためのさまざまな制御を提供することが可能である。また、システムは、相対的なカテーテル場所、位置、およびアライメントステータスを示すためのディスプレイを提供することが可能である。他の実施形態と同様に、内側カテーテル1504は、外側カテーテル1500の全長にわたって事前に装填され得る。代替的に、内側カテーテル1504は、カテーテル1500がターゲット解剖学的構造の中へ導入された後に、手順の後半において外側カテーテル1500の中へ導入され得る。部分的な事前装填も可能である。
【0105】
図19は、外側カテーテル1500および内側カテーテル1504を含むカテーテルシステム実施形態の断面であり、
図11と同様にカテーテルの長さを見下ろしている。ここで、内側カテーテル1504の外側本体部1505は、その内部コンポーネントが示されていない状態で、断面で示されている。外側カテーテル1500本体部1501は、内部機械的構造体1510を提供することが可能であり、内部機械的構造体1510は、カテーテルの長さの下に溝部1511または同様のガイド特徴を提供している。溝部1511は、内側カテーテル本体部1505の上の舌部1512または同様の特徴とインターフェースし、回転安定性を保証することが可能であり、
図11に説明されているシステムと同様に、内側カテーテル開口部1003と外側カテーテル開口部1503(図示せず)との間に適正なアライメントを保証する。
図11と同様に、内部ガイドは、また、心内膜901に最も近くなることとなる側において、内側カテーテル本体部1505が外側カテーテル本体部1501の表面に当接するように配向されることを保証することが可能であり、内側カテーテル1504の中の光学コンポーネント(図示せず)を心内膜901に可能な限り近付ける。
【0106】
図19の断面は、内側カテーテル1504および外側カテーテル1500の両方の上のポイントにおいてとられたものであり、そこでは、電極1506または1502が配設されていない。それとは対照的に、
図20は、同じ断面を提示しているが、それは、内側カテーテル1504および外側カテーテル1500の両方がそれらのそれぞれの電極1506または1502のうちの1つを提供されている場所におけるものである。外側カテーテルの電極1502(白色のドットを伴った黒色で示されている)は、外側カテーテル1500を外部から包囲し、カテーテル本体部1501に浸透し、機械的なガイディング構造体1510の上の内側壁部の表面の上に、または、1510の溝部の中に、内部から配設され得る。電極1502の内部部分は、図の左側に示されているように、ガイディング構造体1510の近くのエリアにおいて、より厚くなっていることが可能である。内側カテーテル1504の電極1506は、内側カテーテル1504の外側表面を包囲することが可能であり、カテーテル1504の内部の中へ浸透し、そのワイヤーに接続することが可能である(内部浸透およびワイヤーは示されていない)。電極1502および1506の両方は、それらが位置合わせされているときに良好な電気的接触を提供することとなるが、電極を通して近位におよび遠位に内側カテーテル1500の完全な並進運動を可能にすることとなるように配置され得る。当業者は、材料選択、設置、および厚さを慎重に設計することによって、これを達成するためのさまざまな手段を認識することとなる。外側カテーテル1500の壁部は、電極が接触しているときにわずかに変形するように設計され得、金属を一緒に押し付けるための弾性的なエネルギーを提供し、カテーテルの非接触領域に応力を与えることなく、および、さらなる並進を抑制することなく、低抵抗接触を保証することが可能である。接触している電極間のわずかにきついフィットは、触覚的なフィードバックをカテーテルシステムオペレーターに提供し、いつ電極が位置合わせされたかを示すことが可能である。
【0107】
別の実施形態では、外側カテーテル1500は、
図15に示されているような電極1502を含まなくてもよい。ここで、外側カテーテル本体部1501は、単純なチューブであるが、光学的な開口部1503と並んでその長さに沿って配設されているアパーチャーを提供され得る。内側カテーテル1504(
図16)の上の電極1506は、アパーチャーと位置合わせされていないときに、可撓性の外側カテーテル1500を変形させるようにサイズ決めされ得るが、電極1506がアパーチャーと位置合わせされているときには、電極1506は、十分な距離だけアパーチャーを通って突出することとなり、心内膜901との低オーミック接触を保証する。内側電極1506は、アパーチャーに位置合わせされている内側カテーテル1504の側において、より厚い領域(または、突出するカム)を伴って形成され得る(
図20の1506の右側、突出するカムは図に示されていない)。
【0108】
いくつかの実施形態において、開口部またはアパーチャーは、離散的な開口部の形態をとることが可能であり、または、より多くのエリアをカバーする細長いスロットであることが可能であり、精密な場所と距離のカバー率との間の設計トレードオフを可能にする。
【0109】
さらに別の実施形態において、外側カテーテル1500は、完全なチューブでなくてもよく、リジッドのガイドレール構造体であることが可能であり、ガイドレール構造体は、
図8と同じ円形形状をとるか、または、心内膜壁部に平行な平面の中へ形成された異なる円形もしくは多角形の形状をとる。内側カテーテル1504は、
図16に示されているように、電極およびオプティクスの両方を備えることが可能であるが、ガイドレール構造体に取り付けるための機械的な手段を提供され得る。ガイドレール構造体は、電極1506が心内膜表面901に接触することを可能にし、表面901の十分に近くに開口部1003を位置付けし、典型的に、約500μm未満の距離において、それを光学的に効果的に探査することが可能である。ガイドレール構造体は、ワイヤーフレームの形態をとることが可能であり、長手方向のワイヤーが、円形または半円形の支持ワイヤーによって間隔を置いて接続された状態になっている。また、ガードレール構造体は、舌部-および-溝部もしくは同様の取り付け特徴を備えた単一のレールであることが可能であり、または、心内膜901に面する側に長手方向に走る幅の広いスロットまたはスロットを備えた完全なチューブであることが可能である。別の実施形態では、ガイドレール構造体は、適当な丸みを帯びた形状を提供する単一の太くてリジッドのまたは半リジッドのワイヤーの形態をとることが可能である。内側カテーテル1504は、そのメインシャフトの外部または内部にルーメンを含み、大きいワイヤーに接続することが可能である。
【0110】
先に議論されているように、さまざまな実施形態における開口部1003および1503は、完全に開いたアパーチャーであることが可能であり、または、システムによって使用される波長に対して光学的に透明な材料によってカバーされ得る。開いたアパーチャーが使用される場合には、血液または他の光学的に不透明な材料が光学的エネルギー経路1002を遮断することを防止するための手段を提供することが必要である可能性がある。生体適合性の光学的に透明な液体(たとえば、生理食塩水溶液など)によるカテーテルシステムの灌漑は、熱的な制御のために、および、RFアブレーションシステムの先端部における組織の蓄積を防止するために使用され得る。先に開示されたカテーテルシステムは、それらの近位端部において灌漑ポートを含むことが可能であり、開口部1003または1503の強制的な灌漑がそれらを光学的にクリアに保つことを可能にし、または、カテーテルシステムの中への血液の逆流を防止することを可能にする。灌漑流体媒体は、医療グレードの生理食塩水溶液、または、生体適合性のおよび光学的に透明な任意の液体であることが可能である。光学的な伝送または流体特性(たとえば、粘度または潤滑性など)を改善するために、指数整合液体または他の材料を含む溶液を調合することが望ましい可能性がある。液体の代わりに、粘性のあるゲルが、開口部の後ろの空間に追加され得、光学的経路をクリアに維持するためにそこに留まることが可能である。
【0111】
別の実施形態では、移動するカテーテルは、先の実施形態と同様に、比較的に静止したカテーテルに連結されているが、このケースでは、相対運動は、並進ではなく回転であることが可能である。
図21は、PFA-OCRカテーテル2100の遠位部分の断面図を図示しており、カテーテルの長手方向軸線が、ページの上で左から右へ走っている。これは、2カテーテルシステムであることが可能であり、ここでは、内側光学カテーテル2102が、外側カテーテル2101の中に存在することが可能である。光学的な開口部2103は、先に説明されている実施形態と同様に、心内膜(図示せず、図の下部)に接触する側部に沿って外側カテーテル2101に沿って配設され得る。内側光学カテーテル2102の内側には、複数の光学タップアッセンブリ2104があることが可能であり、光ファイバー2105が、光学タップアッセンブリ2104を通って長さ方向に走っていることが可能である。図の全体を通して、光学的エネルギーは、両方向の中実の黒い矢印によって象徴されている。それぞれの光学タップアッセンブリ2104は、コンソール(図示せず)の中のレーザー供給源からファイバー2105を通ってその中へ流れる光学的エネルギーの一部分をタップするように構成され得、内側カテーテル2101開口部2106を通る集束および伝送のためのマイクロ-レンズ1203に、タップされた部分を伝送することが可能である。入って来る光学的エネルギーのタップされない部分は、ファイバーを通って次の光学アッセンブリ2104へ継続することが可能である。たとえば、コンソールレーザー供給源からの光学的エネルギーは、ファイバー2105に沿って左から右へ(近位から遠位へ)トラベルすることが可能である。入力光学的エネルギー2107Bが光学アッセンブリ2104Bに進入するときに、それは、半反射ターニングミラー1204Bに遭遇することが可能である。このミラーは、部分的に反射性のコーティングによって製造され得、入力エネルギー2108Bの一部分が所定の角度(例示的な図では90度)で反射されることを引き起こし、入力エネルギー2109Bの残りの部分は、ミラー1204Bを通して、さらに遠位に向けて、ファイバー2105を通して伝送され得る。タップされた光学的エネルギー2108Bは、レンズ1203Bによって集束され得、内側カテーテル開口部2106Bを通って投射することが可能である。内側カテーテル2102は、その長手方向軸線(図の中の左から右へ)の周りに回転するように構成され得、一方では、外側カテーテル2102は、静止したままであるように構成され得る。例示的な図では、内側カテーテル2102は、外側カテーテル2101に対して回転させられ、開口部2106Bおよび2103Bが位置合わせするようになっており、光学的エネルギー2108Bがカテーテルを離れることおよび心内膜(図示せず)に進入することを可能にする。投影される光2108Bは、次いで、心内膜または他の組織から反射し、それが進入した同じ経路に沿って逆方向にトラベルして戻り、ファイバー2105に連結されて戻り、信号獲得および測定のためにコンソールに運ばれる。
【0112】
光学アッセンブリ2104は、
図21および
図22に示されているように、それぞれの独自の角度で、内側カテーテル2102の長手方向軸線の周りに配向される。図では、3つの光学アッセンブリ2104が、互いに90度に配向されている。
図21では、光学アッセンブリ2104A(開口部2106Aを含む)は、そのレンズおよびタップされた光学的エネルギーがページから外に向く状態で示されており、開口部2106Bを含むアッセンブリ2104Bは、タップされた光学的エネルギー2108Bを下向きに送るように配向されており、開口部2106Cを含む光学アッセンブリ2104Cは、そのタップされた光学的エネルギーを上向きに送るように配向されている。内側カテーテル2102の中のすべてのアイテムは、カテーテルに対して固定され得、また、カテーテルの近位端部における制御装置からオペレーターが内側カテーテル2102を回転させるときに、一緒に回転することが可能である。光学アッセンブリ2104および内側カテーテル開口部2106は、任意の所与の時間において、最大でも1つの光学アッセンブリの開口部2106のみが外側カテーテル開口部2103と位置合わせするように配向され得る。すべての光学アッセンブリ2104は、ファイバー2105に恒久的に固定され得るので、それらは、エネルギーがコンソールによって印加されるときに、光学的エネルギー2108を同時にすべて通すことが可能である。光学アッセンブリ2104(その開口部2106は、外側ウィンドウ2103と位置合わせしていない)は、外側カテーテル2101の内側壁部の中へ光学的エネルギー2108を投射することが可能である。外側カテーテル2101の内側壁部は、非反射性材料から作製されるかまたは非反射性材料によってコーティングされ得、非反射性材料は、システムによって使用される波長において光を吸収し、光学的エネルギーがほとんどファイバー2105の中へ反射して戻ることとならないかまたは全く反射して戻ることとならないということを保証する。
【0113】
図22は、
図21に示されているカテーテルセクションの遠位端部に向けて見ている、2カテーテルシステム2100の断面図を提供している。光学アッセンブリ2104は、2104Aが最も暗く陰影付けされた状態で示されており、それが見る人に対して最も近位にあるということを示しており、2104Bがそれよりも明るく陰影付けされた状態で示されており、それが2104Aよりも遠位にあるということを示しており、2104Cがすべての中で最も明るく陰影付けされた状態で示されており、それが最も遠位にあるということを示している。この図は、ユーザーによるアクティブ光学的測定開口部の回転選択の概念を明確化している。
【0114】
部分的に反射するターニングミラーが
図21および
図22に示されているが、ファイバー2105からの光学的エネルギーのタッピング、および、戻るエネルギーをファイバー2105の中へ再び組み合わせることは、他の手段によっても達成され得る。これらは、光学スプリッター/カップラーデバイスを含み、それは、タップポートへの/からの合計の光学的エネルギーの所望の部分を連結またはスプリットするように設計され得る。また、それらは、受動的なデバイス(たとえば、グレーティングまたはプリズムなど)を含み、異なる波長における光を異なる空間的方向に方向転換させることが可能であり、それは、多波長または広帯域光と組み合わせて使用される。
【0115】
明らかに、追加的な光学アッセンブリ2104が、異なる角度で配設され、所望の通りにカテーテルシステム2100の中のより多くのビューポートを可能にすることができる。
図21および
図22は電極を示していないが、電極およびワイヤーは、先に開示されている実施形態におけるものと類似のまたは同様の様式で追加され得るということが明らかになることとなる。たとえば、
図22の断面は、専用ルーメンの中、または、2101のメインルーメンの中のいずれかに、先の実施形態における電極ワイヤーを収容するために、直径に関して外側カテーテル2101をより大きくするように修正され得る。追加的に、
図21および
図22に示されている光学的なものに類似する回転式の電極選択的スイッチは、容易に可視化され得、カムまたは他の突出する内側電極が、内側カテーテル2102の中に配設されており、それは、内側電極および外側電極が位置合わせすることを引き起こす特定の回転角度が選択されるときのみに、開口部を通って突出するか、または、そうでなければ、静止した外側電極に接触する。回転方向に位置合わせする電極および光学アッセンブリは、カテーテル2101の中で一緒に組み合わせられ得、両方が、それらの先に説明されている並進的な類似物と同様に、所望のときに同時に係合されるようになっている。マルチファイバーおよびシングルファイバーの任意の組み合わせ、または、ワイヤー組み合わせは、特定のユーザーのニーズおよび製造制限を満たすように設計され得る。
【0116】
説明された回転方向に選択可能な2カテーテルシステムは、内側カテーテル2102が外側カテーテル2101の中で並進することができないようにロックされ得る。回転可能な内側カテーテル2102は、複数の機械的な手段のいずれかによって、2101の遠位端部に恒久的に固定され得る。しかし、他方のカテーテルに対する一方のカテーテルの並進運動および回転運動の両方を可能にするシステムの組み合わせ的な実施形態が可能であり、特定の設計のために用いられ得るということが本開示から明らかになることとなる。
【0117】
他の実施形態において、PFA-OCRカテーテルの遠位端部は、連続的なループを形成しない複数の別個のブランチを有することが可能である。本開示の一般的な原理は、そのようなマルチループアーキテクチャーと互換性がある。同じ全体的なカテーテルシステムの中のそれぞれのブランチに対して、単に、別個の並列システムを提供することが可能である。代替的に、システムの静止した部分の平行ブランチを生成させることが可能であり、それは、たとえば、
図9の固定された外側カテーテル本体部800または
図15の1500に対応する。平行ブランチは、最も近位の開口部または電極の直ぐ近位にある交差点において一緒になることが可能である。
図10の単一の可動の内側カテーテル1001または
図16の1504は、次いで、交差点のポイントまで挿入され得る。機械的なガイド特徴は、可動の内側カテーテルを所望のブランチへ操舵することを促進させることが可能である。
【0118】
他の実施形態において、本開示のPFA-OCRカテーテルシステムは、場合によってはバルーンデバイスによって形状決めされている、3次元のバスケットの形態の遠位端部とともに使用され得る。いくつかの実施形態において、バスケットは、上記に説明されているように、ループまたはブランチを用いることが可能である。
【0119】
図に示されている例示的な実施形態は、並進可能な内側カテーテルの中の単一の光学アッセンブリ(ファイバー、レンズなど)を示している。他の実施形態において、複数のファイバー-レンズアッセンブリは、システムの光学的な部分を含むことが可能であり、可動のカテーテルまたは静止したカテーテルのいずれかの本体部に静止して固定され得る。
図12または
図13に例示されているタイプの光学アッセンブリの複数のインスタンスが、単一のカテーテルの中に配設され得る。1つの実施形態では、複数のファイバーは、カテーテルの長さに少なくとも1つの近位光学コネクターまで延在することが可能である。別の実施形態では、単一の光ファイバーは、カテーテル長さのほとんどを通って延在しているが、遠位端部の近くの場所において、単一のファイバーは、光学マルチプレクサーを介して複数のファイバーへと扇形に広がり、それぞれの下流のファイバーは、少なくとも1つの別個の光学的なチャネルに接続されている。光学的な多重化/逆多重化は、(i)回折格子(光を空間的に転向させるためのプリズム)を使用する波長分割多重化、(ii)可動のマイクロミラーを使用するビームステアリング、(iii)偏光フィルターを使用する偏光分割多重化、(iv)チューナブル波長フィルター(音響光学チューナブルフィルターを含む)、(v)液晶スイッチデバイスを含む、多くのマイクロ光学コンポーネントの配置によって達成され得る。いくつかの実施形態において、光学的な多重化およびスイッチングは、1つの光ファイバーから複数のファイバーへ扇形に広がる光学的な開口部1003、1503の近位にある単一の多重化デバイスによって実施され得る。他の実施形態は、それぞれの所望の光学的センシング場所においてタップされた単一のファイバーの形態をとることが可能である。タップされた光学的エネルギー1002は、光学スイッチを通して短いファイバー/レンズアッセンブリにルーティングされ得る。タップは、光学カップラー/スプリッター、または、部分的に反射性のミラー配置の形態をとることが可能である。個々の光学的なパス/ブロックスイッチは、波長フィルター、偏光フィルター、液晶スイッチ、音響光学スイッチ、または、他のデバイスとして実装され得る。そのようなスイッチを使用する実施形態のための電子機器制御ラインは、ハンドルの上の電気コネクターにルーティングされて戻されることとなる。
【0120】
少数のファイバーがカテーテルの長さのほとんどを通過することを可能にするように、光学的エネルギー1002が多重化され得るので、電気的エネルギーは、カテーテルを横断するために必要とされる長いワイヤーの数を低減させるために多重化され得る。そのような実施形態では、電子マルチプレクサーは、カテーテル近位端部からはるかに遠位にあるポイントに提供され得るが、最も近位の電子コンポーネント(光学マルチプレクサーのための電極802、1502、1506または制御電子機器)の近位にあるポイントに提供され得る。スイッチング制御は、無数のデジタル制御方法のいずれかによって増大させられ得、集積回路を含むことが可能である。物理的なスイッチは、マイクロ機械的リレーまたはソリッドステートスイッチとして実装され得る。電気スイッチは、また、それぞれの電極の近くに局所的に設置され得る。1つの実施形態では、単一のワイヤーが、複数の電極に接触することが可能であり、それぞれの電極は、それ自体の局所化されたスイッチおよび制御電子機器を有しており、制御電子機器は、刺激パワーまたは信号を運ぶためにも使用される単一のワイヤーの上の独自の制御信号をそれが検出するときにのみ、そのスイッチを開ける。この実施形態では、独自の制御信号は、ビットシーケンスまたは独自の周波数であることが可能である。
【0121】
電極は、先に説明されているように、刺激、測定、またはモニタリングの機能を果たすことが可能である。電極は、複数の機能を果たすように構成され得、または、単一の機能に特化され得る。1つの実施形態では、異なる電極は、エレクトログラム機能性を同時に刺激して測定するように構成されている。また、電極は、患者の心電図(ECG)機能をモニタリングすることが可能であり、ECGサイクルの部分の間に(その間に、外部電気刺激が、細動または他の望まれない反応を引き起こす可能性がある)、PFA刺激を抑制することが可能である。そのようなPFA刺激抑制システムの例は、ECGをモニタリングするために1つまたは複数の電極を使用することと、いつECGサイクルの「T」部分が起こるかを決定するために信号を処理することと、サイクルの「T」部分の間に刺激を抑制することとを含むことが可能である。システムは、たとえば、「T」波が終了した後に、ECGサイクルの次の安全な部分が起こるまで、刺激の印加を遅延させることが可能である。信号処理は、コンソールの中で起こることが可能であり、または、カテーテルの中の電子機器によって実施され得る。それは、心臓サイクルにおける十分に定義された事象(たとえば、「R」波の下降など)を測定することと、次いで、「R」波の後の生理学的に合理的な期間にわたって刺激を抑制することとを含むことが可能である。抑制期間の長さは、すべての心臓サイクルに関して同じであってもよく、または、それは、心拍数または他のパラメーターの最近の測定値に基づいて自動的に変化することが可能である。
【0122】
本開示の他の実施形態において、カテーテルシステムは、PFAと同様に、RFアブレーション(RFA)を実施するように構成され得る。システムは、RFA機能性のために独自に設置されている電極を有することが可能であり、PFA機能性のために他の電極を有することが可能である。代替的に、同じ電極が、コンソールの中の回路を使用して異なる電気刺激(PFAまたはRFA)を所望の電極の中へ切り替えることによって、離散的な時間において、PFAおよびRFAの両方のために使用され得る。RFAモードにおいて使用されるときには、分散性パッドが、患者の背中に設置され、RF電流を分散させ、戻り経路を提供することが可能である。このケースでは、本開示の電極のうちの1つのみが、一度にRFエネルギーによって励起され得る。所望の場合には、RFAは、システムの電極のうちの2つを横切って印加され得る。ユーザーは、カテーテルの上のまたはコンソールにおける制御を提供され、PFAモードとRFAモードとの間でシステムをトグルすることが可能である。光学システムは、両方のモードに関して同じ光学的パラメーターを測定および表示することが可能であり、または、それぞれのモードに関して独自のパラメーターを測定および表示するように構成され得る。灌漑孔部およびチャネルは、RFAのために意図された電極の上にまたはその近くに提供され得る。
【0123】
他の実施形態において、本開示は、極低温のアブレーションを実現するように修正され得る。1つの実施形態では、カテーテルは、その遠位端部に貼付されたバルーンを有することが可能であり、それは、コンソールまたは他の外部デバイスによって提供される極低温の液体(たとえば、液体窒素など)によって充填するように構成されている。本開示の内部および外部カテーテルは、連続的な直列パターンでバルーンを取り囲むように構成され得、または、先に説明されているように選択され得る複数の並列の遠位セクションとして構成され得る。
【0124】
RF、極低温、またはPFAの実施形態において、本開示は、アブレーション刺激(電気的なまたは極低温の)場所に対する光学的な観察場所の設置のフレキシビリティーの特徴を有している。すなわち、設計者は、病変品質を評価する際に最も関心のあるものであることとなる生成された病変の周りの観察場所を選択することが可能である。
【0125】
いくつかの実施形態において、本開示のカテーテルの遠位部分の形状を調節するための手段が提供され得る。これは、ユーザーによって制御されるプルワイヤーまたはプッシュロッドを含むことが可能である。調節手段は、カテーテルシステムの遠位端部における円形の直径または多角形形状のサイズを増加または減少させるために使用され得る。
【0126】
図11、
図19、
図20、および
図22に示されている本開示の断面は、円形の断面を示しているが、遠位セクションのための他の幾何学形状も有利である可能性がある。平坦な側が心内膜901に面した状態の半円形は、それぞれの電極によって心内膜壁部のより多くのエリアをカバーするという利点を有し、より良好な電気的接触を提供することが可能である。それは、また、光学的な開口部と心内膜との間の距離を低減させ、心内膜組織の中への光学的エネルギーのより深い浸透を可能にすることが可能である。
【0127】
別の実施形態では、さまざまな開示されている実施形態における外側カテーテルは、ユーザーによって回転可能であり、心内膜とインターフェースするように外側カテーテル開口部または電極をより良好に位置決めすることが可能である。
【0128】
他の実施形態において、さまざまな特徴が、本開示に追加され、外側カテーテル開口部および電極と心内膜壁部との間の接触を改善することが可能である。それらは、カテーテル遠位セクションを壁部に押し付けるためのバルーンまたは他の機械的構造体、滑りを低減させるためにわずかに粗くされたまたは研磨性の表面を含むことが可能である。
【0129】
本開示の説明は、心臓パルスフィールドおよびRFアブレーション(具体的には、肺静脈口の近くの心内膜組織のアブレーション)からの例示的な実施形態を使用している。しかし、本開示の原理は、組織アブレーションが臨床的価値を有する可能性のある他の解剖学的構造体に適用することが可能である。これらは、癌性のもしくは前癌性の腫瘍、皮膚細胞、腎臓除神経などのような手順のための神経組織、他の神経細胞、脳細胞、または、たとえば肺浮腫を引き起こす可能性のある粘液もしくは他の鬱血性材料を含むがそれに限定されない。
【0130】
追加的な例示的な実施形態
例示的な実施形態セット#1
実施形態1: 心臓壁部の組織をアブレートするためのシステムであって、前記システムは、
カテーテルであって、外側シースの中に設置されるように構成されており、その遠位端部が、血管送達に適合した真っ直ぐな構成になるようになっており、前記遠位端部は、前記シースを通して押されるときに円形形状をとり、前記円形形状は、前記心臓壁部に平行な平面の中にあり、前記心臓壁部に接触するように構成されている、カテーテルと、
互いから所定の距離に前記遠位端部の上に配設されている複数の電極であって、前記電極は、前記カテーテルの近位端部の上の電気コネクターを介して、外部電気的エネルギー発生デバイスにワイヤーによって接続されており、前記電極は、前記電気的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに、電気的エネルギーを前記心臓壁部に送達するように構成されている、複数の電極と、
少なくとも1つの光学ポートであって、前記ポートは、光学コンポーネントを含み、光学コンポーネントは、前記カテーテルの近位端部の上の光学コネクターを介して、外部光学的エネルギー発生デバイスに光ファイバーによって接続されており、前記光学コンポーネントは、前記光学的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに前記心臓壁部の中へ光学的エネルギーを投射するように構成されており、前記心臓壁部から反射された光学的エネルギーを受け取って戻すように構成されており、前記反射されたエネルギーを前記ファイバーおよび前記光学コネクターを通して外部光学的センシングデバイスに移送するように構成されている、少なくとも1つの光学ポートと、
を含み、
前記少なくとも1つの光学ポートは、前記電極に対して所定の場所において前記カテーテルの前記遠位端部の上に位置決めされており、前記場所は、前記電極の前記励起による組織アブレーションによって引き起こされる光学的パラメーター変化の最適な測定のために選ばれる、システム。
【0131】
実施形態2: 前記心臓壁部に接触するように構成されている前記カテーテルの側部は、前記カテーテルの半円形断面を生成させるために平坦化されており、前記平坦化された側部は、前記側部と前記心臓壁部との接触面積を最大化する、実施形態1に記載のシステム。
【0132】
実施形態3: 前記円形形状は、卵形の形状、多角形の形状、または、卵形の形状および多角形の形状の組み合わせである、実施形態1に記載のシステム。
【0133】
実施形態4: 前記複数の電極の中の少なくとも2つの電極は、専用ワイヤーに接続されており、前記複数の専用ワイヤーは、前記電極の近位に位置付けされているマルチプレクサーに接続されており、前記マルチプレクサーは、前記専用電極ワイヤーと少なくとも1つの近位ワイヤーとの間で選択的に切り替えるように構成されており、前記近位ワイヤーは、前記マルチプレクサーから前記カテーテルの前記近位端部の上のコネクターへ延在している、実施形態1に記載のシステム。
【0134】
実施形態5: 前記複数の電極のサブセットは、単一の電気ノードを形成するために一緒に配線されている、実施形態1に記載のシステム。
【0135】
実施形態6: システムは、複数の前記光学ポートを含み、前記光学ポートの近位に位置付けされている光学マルチプレクサーをさらに含み、前記光学マルチプレクサーは、複数の光ファイバーと少なくとも1つの近位ファイバーとの間で選択的に切り替えるように構成されており、それぞれの前記ファイバーは、前記光学ポートのうちの1つに特化されており、前記近位ファイバーは、前記マルチプレクサーから前記カテーテルの前記近位端部の上のコネクターへ延在している、実施形態1に記載のシステム。
【0136】
実施形態7: 前記光学コンポーネントは、集束レンズ、ターニングミラー、回折格子、GRINレンズ、光学タップ、光学カップラー、光学偏光子から選択される、実施形態1に記載のシステム。
【0137】
実施形態8: 前記複数の電極によって前記心臓壁部に送達される前記電気的エネルギーは、ラジオ周波数アブレーション、熱的アブレーション、パルスフィールドアブレーション、または不可逆的なエレクトロポレーションから選択される少なくとも1つのプロセスによって、心臓壁部の組織をアブレートするように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
【0138】
実施形態9: システムオペレーターは、前記外部電気的エネルギーデバイスの上の制御装置によって送達される前記電気的エネルギーのタイプを選択することが可能である、実施形態8に記載のシステム。
【0139】
実施形態10: 前記外部光学的エネルギー発生デバイス、前記少なくとも1つの光学ポート、および前記外部光学的センシングデバイスは、光コヒーレンス断層撮影法、光コヒーレンス反射率測定法、低コヒーレンス干渉法、偏光均一性程度測定、偏光感受性光コヒーレンス断層撮影法、反射強度、分光法、Raman分光法、および近赤外線分光法から選択される少なくとも1つのプロセスによって、光学的パラメーター変化の前記光学的測定を実施するように構成されている、実施形態1に記載のシステム。
【0140】
実施形態11: 前記光学的測定は、外部デバイスによって処理および表示され得、前記光学ポートと前記心臓壁部との間の接触安定性、組織生存率、組織タイプ、組織深さ、組織組成のうちの少なくとも1つを示すことが可能である、実施形態10に記載のシステム。
【0141】
実施形態12: 前記処理および表示された光学的測定は、測定されている組織の中への少なくとも1ミリメートルの深さに関するデータを提供する、実施形態11に記載のシステム。
【0142】
実施形態13: 前記外部デバイスは、病変の推定された深さを計算して表示するためのアルゴリズムを含む、実施形態11に記載のシステム。
【0143】
実施形態14: 前記システムは、前記心臓壁部の組織の複屈折を測定する、実施形態10に記載のシステム。
【0144】
実施形態15: 光学的パラメーター変化の最適な測定のために選ばれる前記場所は、パルスフィールドアブレーション刺激のためのプラスのノードおよびマイナスのノードとしての役割を果たすように構成されている2つの電極の間の中間点にある、実施形態1に記載のシステム。
【0145】
実施形態16: 前記電極のうちの少なくとも1つは、前記カテーテルの前記近位端部の上の前記電気コネクターを介して少なくとも1つの外部デバイスに接続されるときに、複数の機能を果たすように構成されており、前記機能は、電気的刺激、エレクトログラム測定、心電図測定、組織インピーダンス測定から選択される、実施形態1に記載のシステム。
【0146】
実施形態17: 前記光学的パラメーターの前記測定は、前記送達の効果を評価するために、前記電気的エネルギーの前記送達の前に、その間に、または、その後に行われる、実施形態1に記載のシステム。
【0147】
実施形態18: 遠位端部は、複数のいくつかの遠位端部を含み、それぞれの遠位端部は、それ自体の電極および光学ポートを提供されており、複数のライン、円形形状、または多角形を含む平行な形状で構成されている、実施形態1に記載のシステム。
【0148】
実施形態19: 前記複数の遠位端部は、3次元の回転楕円体形状で構成されている、実施形態18に記載のシステム。
【0149】
例示的な実施形態セット#2
実施形態20: 心臓壁部の組織をアブレートするためのシステムであって、前記システムは、
第1のカテーテルであって、前記第1のカテーテルは、外側シースの中に設置されるように構成されており、その遠位端部が、血管送達に適合した真っ直ぐな構成になるようになっており、前記遠位端部は、前記シースを通して押されるときに円形形状をとり、前記円形形状は、前記心臓壁部に平行な平面の中にあり、前記心臓壁部に接触するように構成されている、第1のカテーテルと、
第2のカテーテルであって、前記第2のカテーテルは、長手方向に前記第1のカテーテルに接続するように構成されており、前記第1のカテーテルに沿って、遠位にまたは近位に並進するように構成されている、第2のカテーテルと、
を含み、
前記第2のカテーテルは、複数の電極をさらに含み、前記複数の電極は、互いから所定の距離に前記第2のカテーテルの遠位端部の上に配設されており、前記電極は、前記第2のカテーテルの近位端部の上の電気コネクターを介して、外部電気的エネルギー発生デバイスにワイヤーによって接続されており、前記電極は、前記電気的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに、電気的エネルギーを前記心臓壁部に送達するように構成されており、
前記第2のカテーテルは、少なくとも1つの光学ポートをさらに含み、前記ポートは、光学コンポーネントを含み、光学コンポーネントは、前記第2のカテーテルの近位端部の上の光学コネクターを介して、外部光学的エネルギー発生デバイスに光ファイバーによって接続されており、前記光学コンポーネントは、前記光学的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに前記心臓壁部の中へ光学的エネルギーを投射するように構成されており、前記心臓壁部から反射された光学的エネルギーを受け取って戻すように構成されており、前記反射されたエネルギーを前記ファイバーおよび前記光学コネクターを通して外部光学的センシングデバイスに移送するように構成されており、
前記少なくとも1つの光学ポートは、前記電極に対して所定の場所において前記第2のカテーテルの前記遠位端部の上に位置決めされており、前記場所は、前記電極の前記励起による組織アブレーションによって引き起こされる光学的パラメーター変化の最適な測定のために選ばれる、システム。
【0150】
実施形態21: 前記第1のカテーテルは、前記心臓壁部に対して固定された平面的な経路を提供するように構成されており、前記第2のカテーテルがオペレーターによって前記経路について遠位にまたは近位に並進される間に、適切な位置に留まるように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0151】
実施形態22: 前記第2のカテーテルは、前記第2のカテーテルの上に配設されているルーメンによって、前記第1のカテーテルに接続しており、前記第1のカテーテルは、前記ルーメンの中にフィットするように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0152】
実施形態23: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルの上に配設されているルーメンによって前記第1のカテーテルに接続しており、前記第2のカテーテルは、前記ルーメンの中にフィットするように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0153】
実施形態24: 前記第1のカテーテルは、前記外部電気的なデバイスに接続されている少なくとも1つの前記電極、または、前記外部光学デバイスに接続されている少なくとも1つの前記光学ポートをさらに含む、実施形態20に記載のシステム。
【0154】
実施形態25: 前記心臓壁部に面する前記第1のカテーテルの側部の少なくとも一部分は、少なくとも1つの光学的に透明な開口部を提供されており、前記第2のカテーテルの前記少なくとも1つの光学ポートは、その場所に並進されるときに、前記開口部と位置合わせするように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0155】
実施形態26: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルに対してその長手方向軸線の周りに回転させられ得る、実施形態20に記載のシステム。
【0156】
実施形態27: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルの中で回転方向に位置合わせされ、その前記光学ポートが前記心臓壁部に向けて方向付けられることを保証し、さらに、前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルに対してその長手方向軸線の周りの回転を禁止するための手段を含む、実施形態20に記載のシステム。
【0157】
実施形態28: 前記第1および前記第2のカテーテルは、少なくとも1つの電極をそれぞれの提供されており、前記電極の対は、前記第2のカテーテルが特定の場所に並進されるときに、互いに電気的接触をしており、前記電気的接触は、外部電気的なデバイスから前記心臓壁部と接触している前記電極の対のうちの一方への接続を確立している、実施形態20に記載のシステム。
【0158】
実施形態29: 前記第1および前記第2のカテーテルの長手方向軸線は、同心円状になっている、実施形態20に記載のシステム。
【0159】
実施形態30: 前記第1および前記第2のカテーテルの長手方向軸線は、別個になっており、平行になっている、実施形態20に記載のシステム。
【0160】
実施形態31: 前記心臓壁部に接触するように構成されている前記第2のカテーテルの側部は、前記カテーテルの半円形断面を生成させるために平坦化されており、前記平坦化された側部は、前記側部と前記心臓壁部との接触面積を最大化するように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0161】
実施形態32: 前記円形形状は、卵形の形状、多角形の形状、または、卵形の形状および多角形の形状の組み合わせである、実施形態20に記載のシステム。
【0162】
実施形態33: 前記光学コンポーネントは、集束レンズ、ターニングミラー、回折格子、GRINレンズ、光学タップ、光学カップラー、光学偏光子から選択される、実施形態20に記載のシステム。
【0163】
実施形態34: 前記複数の電極によって前記心臓壁部に送達される前記電気的エネルギーは、ラジオ周波数アブレーション、熱的アブレーション、パルスフィールドアブレーション、または不可逆的なエレクトロポレーションから選択される少なくとも1つのプロセスによって、心臓壁部の組織をアブレートするように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0164】
実施形態35: システムオペレーターは、前記外部電気的エネルギーデバイスの上の制御装置によって送達される前記電気的エネルギーのタイプを選択することが可能である、実施形態34に記載のシステム。
【0165】
実施形態36: 前記外部光学的エネルギー発生デバイス、前記少なくとも1つの光学ポート、および前記外部光学的センシングデバイスは、光コヒーレンス断層撮影法、光コヒーレンス反射率測定法、低コヒーレンス干渉法、偏光均一性程度測定、偏光感受性光コヒーレンス断層撮影法、反射強度、分光法、Raman分光法、および近赤外線分光法から選択される少なくとも1つのプロセスによって、光学的パラメーター変化の前記光学的測定を実施するように構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0166】
実施形態37: 前記光学的測定は、外部デバイスによって処理および表示され得、前記光学ポートと前記心臓壁部との間の接触安定性、組織生存率、組織タイプ、組織深さ、組織組成のうちの少なくとも1つを示すことが可能である、実施形態36に記載のシステム。
【0167】
実施形態38: 前記処理および表示された光学的測定は、測定されている組織の中への少なくとも1ミリメートルの深さに関するデータを提供する、実施形態37に記載のシステム。
【0168】
実施形態39: 前記外部デバイスは、病変の推定された深さを計算して表示するためのアルゴリズムを含む、実施形態37に記載のシステム。
【0169】
実施形態40: 前記システムは、前記心臓壁部の組織の複屈折を測定する、実施形態36に記載のシステム。
【0170】
実施形態41: 光学的パラメーター変化の最適な測定のために選ばれる前記場所は、パルスフィールドアブレーション刺激のためのプラスのノードおよびマイナスのノードとしての役割を果たすように構成されている2つの電極の間の中間点にある、実施形態20に記載のシステム。
【0171】
実施形態42: 前記電極のうちの少なくとも1つは、前記カテーテルの前記近位端部の上の前記電気コネクターを介して少なくとも1つの外部デバイスに接続されるときに、複数の機能を果たすように構成されており、前記機能は、電気的刺激、エレクトログラム測定、心電図測定、組織インピーダンス測定から選択される、実施形態20に記載のシステム。
【0172】
実施形態43: 前記光学的パラメーターの前記測定は、前記送達の効果を評価するために、前記電気的エネルギーの前記送達の前に、その間に、または、その後に行われる、実施形態20に記載のシステム。
【0173】
実施形態44: 遠位端部は、複数のいくつかの遠位端部を含み、それぞれの遠位端部は、それ自体の電極および光学ポートを提供されており、複数のライン、円形形状、または多角形を含む平行な形状で構成されている、実施形態20に記載のシステム。
【0174】
実施形態45:前記複数の遠位端部は、3次元の回転楕円体形状で構成されている、実施形態44に記載のシステム。
【0175】
実施形態46: 前記第2のカテーテルは、それがその中へ並進することとなる遠位端部を選択するように操舵可能である、実施形態44に記載のシステム。
【0176】
実施形態47: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルに対して完全に遠位に並進される、実施形態20に記載のシステム。
【0177】
実施形態48: 前記第1のカテーテルは、前記第2のカテーテルなしに前記血管送達の間に前記外側シースの中へ挿入され、前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルが前記シースを通して押された後に、前記第1のカテーテルの遠位部分に並進される、実施形態20に記載のシステム。
【0178】
実施形態49: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルに対する長手方向の並進を防止するように固定されている、実施形態20に記載のシステム。
【0179】
実施形態50: 前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルに対して選択的に回転するように構成されており、さらに、前記光学ポートは、前記第2のカテーテルの周囲部の周りに配設されており、1つだけのポートが、所与の回転角度にわたって前記心臓壁部に直接的に面することとなるようになっている、実施形態49に記載のシステム。
【0180】
実施形態51: システムは、前記第1のカテーテルに対する前記第2のカテーテルの精密な移動を促進させるように構成されているユーザー制御をさらに含む、実施形態20に記載のシステム。
【0181】
実施形態52: 前記ユーザー制御は、前記システムのカテーテルハンドル、前記カテーテルに接続されている外部デバイスのうちの1つに位置付けされている、実施形態51に記載のシステム。
【0182】
実施形態53: 前記ユーザー制御は、モーター、ステッパーモーター、ギアリングシステム、回転ノブ、スライダースイッチ、コンピュータースクリーンおよび入力デバイス、精密な場所を示すディスプレイのうちの少なくとも1つを含む、実施形態51に記載のシステム。
【0183】
例示的な実施形態セット#3
実施形態54: 心臓組織をアブレートするための方法であって、前記方法は、
第1のカテーテルデバイスを含むシースを心腔の中へ挿入するステップと、
前記第1のカテーテルデバイスを前記シースを通して押すステップであって、前記第1のカテーテルは、平面的な形状をとるように構成されており、前記形状の前記平面は、心腔壁部に対して平行に配向されている、ステップと、
前記第1のカテーテルに沿って長手方向に第2のカテーテルを並進させるステップであって、前記第2のカテーテルは、前記第1のカテーテルの前記形状によって画定される経路を辿るように構成されており、前記第2のカテーテルは、電極をさらに配設されており、前記電極は、電気的なパラメーターをセンシングし、電気的エネルギーを送達するように構成されており、前記第2のカテーテルは、光学ポートをさらに配設されており、光学ポートは、光学的エネルギーを前記心臓壁部に送達するように構成されており、反射された光学的エネルギーを外部に接続されている光学的測定デバイスに移送して戻すように構成されている、ステップと、
前記平面的な形状の前記経路の周りの所望の場所において前記第2のカテーテルの並進を一時停止し、心臓壁部組織を選択的にアブレートするための電気的エネルギーを送達するステップと、
光学的エネルギーを印加し、反射されたエネルギーを測定し、接触安定性、組織生存率、ならびに、病変サイズおよび深さを示す光学的パラメーターを評価するステップと、
前記第1のカテーテルの位置を固定しながら、前記第2のカテーテルの遠位並進または近位並進のステップを繰り返し、電気刺激を印加し、必要に応じて、光学的測定を行い、連続的な病変が所望の場所にあることを保証するステップと、
前記カテーテルシステムを除去するステップと
を含む、方法。
【0184】
実施形態55: カテーテルシステムは、実施形態20~55からのカテーテルシステムのいずれかを含む、実施形態54に記載の方法。
【0185】
例示的なコンピューティングの実施形態
図23は、コンピューターシステム2300の例示的なコンポーネントのブロック図である。1つまたは複数のコンピューターシステム2300は、たとえば、本明細書で議論されている実施形態のいずれか、ならびに、その組み合わせおよびサブコンビネーションを実装するために使用され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のコンピューターシステム2300は、本明細書で説明されているように、方法、コンピューティング、および処理デバイスを実装するために使用され得る。コンピューターシステム2300は、1つまたは複数のプロセッサー(中央処理装置またはCPUとも呼ばれる)(たとえば、プロセッサー2304など)を含むことが可能である。プロセッサー2304は、通信インフラストラクチャーまたはバス2306に接続され得る。
【0186】
また、コンピューターシステム2300は、ユーザー入力/出力インターフェース2302(たとえば、モニター、キーボード、ポインティングデバイスなど)を含むことが可能であり、それは、ユーザー入力/出力インターフェース2303を通して通信インフラストラクチャー2306と通信することが可能である。
【0187】
プロセッサー2304のうちの1つまたは複数は、グラフィックス処理ユニット(GPU)であることが可能である。ある実施形態において、GPUは、数学的に集約的なアプリケーションを処理するために設計された特殊化した電子回路であるプロセッサーであることが可能である。GPUは、大きいブロックのデータ(たとえば、コンピューターグラフィックスアプリケーションに共通の数学的に集約的なデータ、イメージ、ビデオなど)の並列処理に効率的である並列構造体を有することが可能である。
【0188】
また、コンピューターシステム2300は、メインメモリーまたは1次メモリー2308(たとえば、ランダムアクセスメモリー(RAM)など)を含むことが可能である。メインメモリー2308は、1つまたは複数のレベルのキャッシュを含むことが可能である。メインメモリー2308は、その中に記憶された制御ロジック(すなわち、コンピューターソフトウェア)および/またはデータを有することが可能である。いくつかの実施形態において、メインメモリー2308は、カテーテルによって組織から取得される光学的測定値の処理および分析を実施するように、および、病変予測を決定するように構成されている光学的なロジックを含むことが可能である。
【0189】
また、コンピューターシステム2300は、1つまたは複数の2次ストレージデバイスまたはメモリー2310を含むことが可能である。2次メモリー2310は、たとえば、ハードディスクドライブ2312および/またはリムーバブルストレージドライブ2314を含むことが可能である。
【0190】
リムーバブルストレージドライブ2314は、リムーバブルストレージユニット2318と相互作用することが可能である。リムーバブルストレージユニット2318は、コンピューター使用可能なまたは読み取り可能なストレージデバイスを含むことが可能であり、ストレージデバイスは、その中に記憶されたコンピューターソフトウェア(制御ロジック)および/またはデータを有している。リムーバブルストレージユニット2318は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスの中に見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースであることが可能である。リムーバブルストレージドライブ2314は、リムーバブルストレージユニット2318から読み取り、および/または、リムーバブルストレージユニット2318に書き込むことが可能である。
【0191】
2次メモリー2310は、コンピュータープログラムおよび/または他のインストラクションおよび/またはデータがコンピューターシステム2300によってアクセスされることを可能にするための他の手段、デバイス、コンポーネント、方便、または、他のアプローチを含むことが可能である。そのような手段、デバイス、コンポーネント、方便、または、他のアプローチは、たとえば、リムーバブルストレージユニット2322およびインターフェース2320を含むことが可能である。リムーバブルストレージユニット2322およびインターフェース2320の例は、プログラムカートリッジおよびカートリッジインターフェース(たとえば、ビデオゲームデバイスにおいて見られるものなど)、リムーバブルメモリーチップ(たとえば、EPROMまたはPROMなど)および関連のソケット、メモリースティックおよびUSBポート、メモリーカードおよび関連のメモリーカードスロット、ならびに/または、任意の他のリムーバブルストレージユニットおよび関連のインターフェースを含むことが可能である。
【0192】
コンピューターシステム2300は、通信またはネットワークインターフェース2324をさらに含むことが可能である。通信インターフェース2324は、(個別におよび集合的に(参照数字2328によって参照されている))外部デバイス、外部ネットワーク、外部エンティティーなどの任意の組み合わせとコンピューターシステム2300が通信および相互作用することを可能にすることができる。たとえば、通信インターフェース2324は、コンピューターシステム2300が通信経路2326を介して外部またはリモートデバイス2328と通信することを可能にすることができ、通信経路2326は、有線および/または無線(または、それらの組み合わせ)であることが可能であり、それは、LAN、WAN、インターネットなどの任意の組み合わせを含むことが可能である。制御ロジックおよび/またはデータは、通信経路2326を介して、コンピューターシステム2300へおよびコンピューターシステム2300から伝送され得る。いくつかの実施形態において、コンピューターシステム2300は、通信インターフェース2324におけるコネクターおよび光学的なおよび電気的な接続を介して(光ファイバーおよび電気配線、ピン、および/またはコンポーネントを含む)、カテーテルに連結され得る。
【0193】
また、コンピューターシステム2300は、いくつかの非限定的な例を挙げると、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、デスクトップワークステーション、ラップトップコンピューターまたはノートブックコンピューター、ネットブック、タブレット、スマートフォン、スマートウォッチまたは他のウェアラブル、家電、インターネットオブシングスの一部、および/または、埋め込まれたシステム、または、それらの任意の組み合わせのいずれかであることが可能である。
【0194】
コンピューターシステム2300は、クライアントまたはサーバーであることが可能であり、それに限定されないが、リモートまたは分散型のクラウドコンピューティングソリューション、ローカルまたはオンプレミスソフトウェア(「オンプレミス」クラウドベースのソリューション)、「アズアサービス」モデル(たとえば、コンテンツアズアサービス(CaaS)、デジタルコンテンツアズアサービス(DCaaS)、ソフトウェアアズアサービス(SaaS)、マネージドソフトウェアアズアサービス(MSaaS)、プラットフォームアズアサービス(PaaS)、デスクトップアズアサービス(DaaS)、フレームワークアズアサービス(FaaS)、バックエンドアズアサービス(BaaS)、モバイルバックエンドアズアサービス(MBaaS)、インフラストラクチャーアズアサービス(IaaS)など)、および/または、先述の例もしくは他のサービスもしくはデリバリーパラダイムの任意の組み合わせを含むハイブリッドモデルを含む、任意のデリバリーパラダイムを通して、任意のアプリケーションおよび/またはデータにアクセスまたはホストすることが可能である。
【0195】
コンピューターシステム2300における任意の適用可能なデータ構造体、ファイルフォーマット、およびスキームは、それに限定されないが、JavaScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Yet Another Markup Language(YAML)、Extensible Hypertext Markup Language(XHTML)、Wireless Markup Language(WML)、MessagePack、XML User Interface Language(XUL)、または、任意の他の機能的に同様の表現を単独でまたは組み合わせて含む、標準から導出され得る。代替的に、排他的に、または、公知のもしくはオープンな標準と組み合わせてのいずれかで、独自のデータ構造体、フォーマット、またはスキームが使用され得る。
【0196】
いくつかの実施形態において、その上に記憶された制御ロジック(ソフトウェア)を有する有形の非一時的なコンピューター使用可能なまたは読み取り可能な媒体を含む有形の非一時的な装置または製造の物品は、本明細書では、コンピュータープログラム製品またはプログラムストレージデバイスとも称され得る。これは、コンピューターシステム2300、メインメモリー2308、2次メモリー2310、ならびに、リムーバブルストレージユニット2318および2322、ならびに、先述のものの任意の組み合わせを具現化する有形の製造の物品を含むが、それに限定されない。そのような制御ロジックは、1つまたは複数のデータ処理デバイス(たとえば、コンピューターシステム2300など)によって実行されるときに、そのようなデータ処理デバイスが本明細書で説明されているように動作することを引き起こすことが可能である。
【0197】
結論
上記に説明されている臨床的なアブレーション手順は、説明されているようなステップのすべてを含む必要はなく、そのようなステップは、提示されてきた正確な順序である必要はないということが当業者に明らかである。
【0198】
詳細な説明のセクション(および、発明の概要および要約のセクションではない)は、特許請求の範囲を解釈するために使用されることが意図されているということが認識されるべきである。発明の概要および要約のセクションは、本発明者によって企図されているような本開示の1つまたは複数の(しかし、すべてではない)例示的な実施形態を記載する可能性があり、したがって、本開示および添付の特許請求の範囲を決して限定すること意図していない。
【0199】
本開示の実施形態は、その特定の機能および関係の実装を図示する機能的なビルディングブロックの補助によって上記に説明されてきた。これらの機能的なビルディングブロックの境界は、説明の便宜のために、本明細書において任意に定義されている。その特定の機能および関係が適当に実施される限りにおいて、代替的な境界が定義され得る。
【0200】
特定の実施形態の先述の説明は、本開示の一般的な性質を十分に完全に明らかにすることとなるので、他の人は、当技術分野の技能の中の知識を適用することによって、過度の実験なしに、本開示の一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態をさまざまな用途に関して容易に修正および/または適合させることが可能である。したがって、そのような適合例および修正例は、本明細書に提示されている教示および指針に基づいて、開示されている実施形態の意味および均等物の範囲の中にあるということが意図される。本明細書における言い回しまたは専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定のためのものではなく、本明細書の専門用語または言い回しが教示および指針に照らして当業者によって解釈されるべきであるようになっているということが理解されるべきである。
【0201】
本開示の広さおよび範囲は、上記に説明されている例示的な実施形態のいずれかによって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲およびそれらの均等物のみに従って定義されるべきである。
【0202】
そのうえ、以下の態様が明示的に開示されている:
【0203】
1. システムであって、
カテーテルであって、
近位セクション、
遠位セクション、
近位セクションと遠位セクションとの間に連結されているシャフト、および、
近位セクションから遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている光学回路を含む、カテーテルと、
カテーテルに連結されているパルスフィールドアブレーションエネルギー供給源であって、パルス状電気信号を組織サンプルに伝送するように構成されている、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源と、
処理デバイスと
を含み、処理デバイスは、
光学回路から受け取られた1つまたは複数の光信号を分析し、組織サンプルによって反射されたまたは散乱された光の偏光または位相遅延の変化を決定するように構成されており、
偏光または位相遅延の変化に基づいて、組織サンプルの複屈折の変化を決定するように構成されている、システム。
【0204】
2. 光学回路は、シャフトの中の偏光維持伝送媒体を少なくとも部分的に使用して、近位セクションから遠位セクションへ、および、その逆に、少なくとも部分的に光を輸送するように構成されている、態様1に記載のシステム。
【0205】
3. パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源によって伝送されるパルス状電気信号は、単相性または二相性である、態様1または態様2に記載のシステム。
【0206】
4. 組織サンプルによって反射されたまたは散乱された光の偏光または位相遅延の変化は、組織サンプルに伝送されるパルス状電気信号に応答している、態様1から3のいずれか1つに記載のシステム。
【0207】
5. 1つまたは複数の光信号は、組織サンプルによって獲得される光コヒーレンス断層撮影法(OCT)信号または光コヒーレンス反射率測定法(OCR)信号を含む、態様1から4のいずれか1つに記載のシステム。
【0208】
6. 光学回路は、遠位セクションから組織サンプルへ光を伝送するように構成されている、態様1から5のいずれか1つに記載のシステム。
【0209】
7. カテーテルの遠位セクションは、組織サンプルから反射されたまたは散乱された光を収集するように構成されている複数の光学ポートを含む、態様1から6のいずれか1つに記載のシステム。
【0210】
8. パルス状電気信号の特性は、カテーテルのユーザーによって選択され、特性は、パルス状電気信号の周波数、振幅、および持続期間を含む、態様1から7のいずれか1つに記載のシステム。
【0211】
9. 患者においてアブレーションを実施するための方法であって、方法は、
患者の血管系の中へカテーテルを挿入するステップと、
患者の血管系の中のアブレーション部位にカテーテルの遠位端部を移動させるステップと、
カテーテルの遠位端部を通してアブレーション部位に送達される光を使用する光学的な手段を通して、カテーテルの遠位端部において組織接触を確立するステップと、
カテーテルに連結されているエネルギー供給源からのエネルギーをカテーテルの遠位端部から組織の中へ送達するステップと、
アブレーション組織部位を光学的にインタロゲートし、カテーテルを通してアブレーション組織部位に送達される光の偏光または位相遅延の変化を決定するステップと、
カテーテルを血管系から除去するステップと
を含む、方法。
【0212】
10. エネルギーは、パルス列を含み、エネルギー供給源は、パルスフィールドアブレーションエネルギー供給源を含み、パルス列は、パルス状電気信号を含み、パルス状電気信号は、単相性または二相性である、態様9に記載の方法。
【0213】
11. 光の偏光または位相遅延の変化は、組織に送達されるパルス状電気信号に応答している、態様10に記載の方法。
【0214】
12. パルス状電気信号の特性は、カテーテルのユーザーによって選択されており、特性は、パルス状電気信号の周波数、振幅、および持続期間を含む、態様11に記載の方法。
【0215】
13. エネルギーは、ラジオ周波数(RF)を含み、エネルギー供給源は、RFエネルギー供給源を含む、態様9から12のいずれか1つに記載の方法。
【0216】
14. カテーテルは、シャフトの中に配設されているマルチモード伝送媒体を備えたシャフトを含み、マルチモード伝送媒体は、患者の中の解剖学的構造体の深さを決定するための組織スペクトロメトリー(tissue sprctrometry)の使用を可能にするために使用される、態様9から13のいずれか1つに記載の方法。
【0217】
15. 心臓壁部の組織をアブレートするためのカテーテルであって、カテーテルは、
近位端部と、
遠位端部と、
互いから所定の距離に遠位端部の上に配設されている複数の電極と、
複数の電極に対して所定の場所において遠位端部の上に位置決めされている少なくとも1つの光学ポートと
を含み、
カテーテルは、外側シースの中に設置されるように構成されており、遠位端部が、血管送達に適合した真っ直ぐな構成になるようになっており、遠位端部は、シースを通して押されるときに、円形形状をとり、
複数の電極は、カテーテルの近位端部の上の電気コネクターを介して、外部電気的エネルギー発生デバイスにワイヤーによって接続されており、
複数の電極は、外部電気的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに、電気的エネルギーを心臓壁部に送達するように構成されており、
少なくとも1つの光学ポートは、光学コンポーネントを含み、光学コンポーネントは、カテーテルの近位端部の上の光学コネクターを介して、外部光学的エネルギー発生デバイスに光ファイバーによって接続されており、光学コンポーネントは、光学的エネルギー発生デバイスによって励起されるときに心臓壁部の中へ光学的エネルギーを投射するように構成されており、心臓壁部から反射された光学的エネルギーを受け取って戻すように構成されており、反射された光学的エネルギーを光ファイバーおよび光学コネクターを通して外部光学的センシングデバイスに移送するように構成されている、カテーテル。
【0218】
16. 遠位端部の円形形状は、心臓壁部に平行な平面の中にあり、心臓壁部に接触するように構成されている、態様15に記載のカテーテル。
【0219】
17. 少なくとも1つの光学ポートの場所は、複数の電極の励起による組織アブレーションによって引き起こされる光学的パラメーター変化の最適な観察のために選ばれる、態様15または態様16に記載のカテーテル。
【0220】
18. 外部電気的エネルギー発生デバイスによって送達される電気的エネルギーは、パルス状電気信号を含む、態様15から17のいずれか1つに記載のカテーテル。
【0221】
19. パルス状電気信号は、単相性または二相性である、態様18に記載のカテーテル。
【0222】
20. 外部電気的エネルギー発生デバイスによって送達される電気的エネルギーは、ラジオ周波数(RF)エネルギーを含む、態様15から19のいずれか1つに記載のカテーテル。
【符号の説明】
【0223】
100 カテーテル
101 コンソール
102 アブレーションエネルギー供給源
103 冷却供給源
104 ユーザーインターフェース
105 光ファイバー
106 電気ケーブル配線、ワイヤー
107 患者
200 近位セクション
201 遠位セクション
202 シャフト
204 配線
205 コネクター
213 外部電極
214 カテーテル先端部
215 X線不透過性のマーカー
216 灌漑オリフィス
300 レンズ
301 同一平面
302 表面
303 凹部
304 スプリッティングエレメント
305 グルー、接着剤
306 中央冷却チャネル
307 冷却通信経路
308 光学ビューポート
400 花弁状の構成
401 ループ構成
402 3D球体構成
403 螺旋構造体
404 螺旋構造体
500 光学回路
502 光学的供給源
504 スプリッティングエレメント
506 サンプルアーム
508 参照アーム
510 サンプル
512 ディレイユニット
514 検出器
600 心筋組織
601 アブレートされていないエリア
602 PFAアブレートされた組織
603 ギャップ
604 細胞核
800 PFA-OCRカテーテル
801 本体部
802 電極
802A 電極
802B 電極
803 光学ポート、開口部
803A 開口部
803B 開口部
901 心内膜壁部
902 ワイヤールーメン
903 光学ルーメン
1001 光学カテーテル
1002 光学的エネルギー
1003 開口部
1101 溝部
1102 舌部
1201 カテーテル本体部
1202 光ファイバーケーブル
1203 レンズ
1203B レンズ
1204 ミラー
1401 外側カテーテル
1402 内側カテーテル
1500 外側カテーテル
1501 本体部
1502 電極
1503 開口部
1504 内側カテーテル
1505 カテーテル本体部
1506 電極
1508 ワイヤールーメン
1509 ワイヤー
1510 内部機械的構造体
1511 溝部
1512 舌部
2100 PFA-OCRカテーテル
2101 外側カテーテル
2102 内側光学カテーテル
2103 開口部
2103B 開口部
2104 光学アッセンブリ
2104A 光学アッセンブリ
2104B 光学アッセンブリ
2104C 光学アッセンブリ
2105 光ファイバー
2106 開口部
2106A 開口部
2106B 開口部
2106C 開口部
2107B 入力光学的エネルギー
2108B 光学的エネルギー
2300 コンピューターシステム
2302 ユーザー入力/出力インターフェース
2303 ユーザー入力/出力デバイス
2304 プロセッサー
2306 通信インフラストラクチャー
2308 メインメモリー
2310 2次メモリー
2312 ハードディスクドライブ
2314 リムーバブルストレージドライブ
2318 リムーバブルストレージユニット
2320 インターフェース
2322 リムーバブルストレージユニット
2324 通信インターフェース
2326 通信経路
2328 リモートデバイス、ネットワーク、エンティティー
【国際調査報告】