(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】メトトレキサート投薬形態
(51)【国際特許分類】
A61K 31/519 20060101AFI20230308BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230308BHJP
A61K 9/22 20060101ALI20230308BHJP
A61K 9/28 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20230308BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/10 20170101ALI20230308BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20230308BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20230308BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20230308BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20230308BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20230308BHJP
A61P 1/04 20060101ALI20230308BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20230308BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20230308BHJP
A61K 9/54 20060101ALI20230308BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230308BHJP
【FI】
A61K31/519
A61K9/20
A61K9/22
A61K9/28
A61K47/38
A61K47/44
A61K47/32
A61K47/10
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/42
A61K47/02
A61K47/12
A61P19/02
A61P17/06
A61P1/04
A61P35/00
A61P35/02
A61K9/54
A61K45/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544104
(86)(22)【出願日】2021-01-26
(85)【翻訳文提出日】2022-09-07
(86)【国際出願番号】 DK2021050025
(87)【国際公開番号】W WO2021151442
(87)【国際公開日】2021-08-05
(32)【優先日】2020-01-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522287514
【氏名又は名称】ロス・セラピューティクス・エ・ピ・エス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ホイゴー,ベント
(72)【発明者】
【氏名】ダムゴー・ジェンセン,ハンネ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076AA38
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(57)【要約】
本発明は、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩などの活性成分を含む製薬投薬形態、詳細には、ペレット、例えばマルチパーティクル、ミニタブレット又は粒状物の形態の投薬形態に関する。本発明はさらに、飽和反応速度論が、活性成分のより高い投薬量の経口使用を制限する、経口投薬形態に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のペレットを含み、各ペレットが、5mm以下、好ましくは3mm以下の最小径を有し、及び各ペレットが、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む、医薬組成物。
【請求項2】
複数のペレットを含み、各ペレットが、5mm以下、好ましくは3mm以下の最小径を有する、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与のための医薬組成物であって、前記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又は500mlの0.1N HCl中、37℃±0.5℃にてUSP溶出装置2において測定した際に放出される、前記医薬組成物。
【請求項3】
少なくとも10mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、前記ペレットの少なくとも1つが、前記メトトレキサートの即時放出を提供し;及び前記ペレットの少なくとも1つが、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する、請求項1~2のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項4】
少なくとも15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、以下:
a. メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b. メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び
c. メトトレキサートの遅延放出を提供し、前記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC
を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
メトトレキサートの即時放出を提供する前記少なくとも1つのペレットが、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で前記ペレットの活性成分の少なくとも90%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間以内、又は30分間以内に放出させる、請求項1~4のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
複数のペレットを含む医薬組成物であって、ここで、各ペレットがメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、
及び好ましくはここで、前記ペレットの少なくとも1つが、前記メトトレキサートの即時放出を提供し;
及び好ましくはここで、前記ペレットの少なくとも1つが、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し;
及びここで、前記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、前記医薬組成物。
【請求項7】
以下を含む、医薬組成物:
i. メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の即時放出を提供する少なくとも1つのペレット、及び
ii. 前記医薬組成物が10mgより多いメトトレキサートを含む場合、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレット;
ここで、前記医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を、投与の4時間以内に放出させる、前記医薬組成物。
【請求項8】
複数のペレットを含む医薬組成物であって、前記組成物は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、前記組成物は、以下:
a. メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b. 10mgより多い、例えば少なくとも12.5mg、より好ましくは15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む前記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び好ましくは、
c. 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む前記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供し、前記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC
を含む、前記医薬組成物。
【請求項9】
複数の、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのペレットを含み、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を提供する医薬組成物であって、ここで、前記組成物は、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットを含み;及び
12.5~30mgの投薬量については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含み;及び
20~30mgの投薬量については、さらなるメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含む、前記医薬組成物。
【請求項10】
15~50mg、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物であって、ここで、前記医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出し;及び
ここで、前記医薬組成物は、以下:
i)10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii)少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの前記含量の50%未満を1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物
を含み;
好ましくは各組成物が、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む、前記医薬組成物。
【請求項11】
15~50mg、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの前記含量の50%未満を1時間以内に放出する、遅延放出医薬組成物であって;
ここで、前記治療は、10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの放出を1時間以内に提供する少なくとも1つの即時放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、前記遅延放出製薬投薬形態及び前記即時放出医薬組成物が、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む、前記遅延放出医薬組成物。
【請求項12】
15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、10~15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及び、少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、即時放出医薬組成物であって;
ここで、前記治療は、少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、前記含量の50%未満のメトトレキサートを1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、前記遅延放出製薬投薬形態及び前記即時放出医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む、前記即時放出医薬組成物。
【請求項13】
各ペレットが、5.00mm、4.75mm、4.50mm、4.25mm、4.00mm、3.75mm、3.50mm、3.25mm、3.00mm、2.75mm、2.50mm、2.25mm、2.00mm、1.75mm、1.50mm、1.25mm、1.00mm、0.75mm、0.50mm未満、又は0.25mm未満のサイズを有する、請求項1~12のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記ペレットが、0.01~5mm、0.1~4.5mm、0.2~4mm、0.3~3.5mm、0.4~3mm、0.5~2.5mm、0.6~2mm、0.75~1.5mm、及び約1mmから選択されるサイズを有する、請求項1~13のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記ペレットの少なくとも1つが、メトトレキサートの即時放出を提供する、請求項1~14のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
少なくとも10mg、好ましくは少なくとも12.5mg、より好ましくは少なくとも15mgのメトトレキサートを含み、ここで、前記ペレットの少なくとも1つが、メトトレキサートの放出の所定の遅延を提供する、請求項1~15のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
メトトレキサートの総量の20~90%、より好ましくは30~80%、好ましくは40~70%、より好ましくは少なくとも50%が、1時間後に放出されている、請求項1~16のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項18】
メトトレキサートの総量の50~100%、より好ましくは60~95%、好ましくは65~90%、より好ましくは少なくとも70%が、2時間後に放出されている、請求項1~17のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項19】
メトトレキサートの総量の60~100%、より好ましくは70~99%、好ましくは80~98%、より好ましくは85%より多い量が、3時間後に放出されている、請求項1~18のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項20】
メトトレキサートの総量の80~100%、より好ましくは85~99%、好ましくは90~98%、より好ましくは93~97.5%が、4時間後に放出されている、請求項1~19のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項21】
少なくとも10、12.5、15、20、25及び30mgから選択される量のメトトレキサートを含む、請求項17~20のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
メトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内、好ましくは3時間以内に放出されている、請求項1~21のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレットが、500mlの0.1N HCl中でUSP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、前記ペレットの活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間以内、又は60分間以内に放出させる、請求項1~22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する前記少なくとも1つのペレットが、500mlの0.1N HCl中で、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、前記ペレットの活性成分の少なくとも80%5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~23のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項25】
遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する前記少なくとも1つのペレットが、500mlのリン酸緩衝液pH6.8中で、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、前記ペレットの活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~24のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する前記少なくとも1つのペレットが、0.9%生理食塩水中で、USP溶出装置2、パドル(37℃±0.5℃)において測定すると、活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~25のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記組成物が、500mlの0.1N HCl中で、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~26のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
前記組成物が、500mlのリン酸緩衝液pH6.8中で、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~27のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項29】
前記組成物が、0.9%生理食塩水中で、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる、請求項1~28のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項30】
前記ペレットの少なくとも1つが、メトトレキサートの放出を制御する少なくとも1種の賦形剤及び/又はコーティングを含む、請求項1~29のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項31】
前記ペレットの少なくとも1つが、メトトレキサートの放出を制御するコーティングを含み、ここで、前記コーティングが、以下の少なくとも2種の賦形剤:
a. 第1コーティング賦形剤;及び
b. 第2コーティング賦形剤
を含み、ここで、前記第2コーティング賦形剤は、好ましくは、前記第1コーティング賦形剤よりも高い溶解性を有し;好ましくは前記溶解性が、水性溶媒、例えば、水、0.1N HCl、リン酸緩衝液pH6.8、及び0.9%生理食塩水から選択される水性溶媒において測定される、請求項1~30のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項32】
前記第1コーティング賦形剤が、エチルセルロース、シェラック、セルロースアセテート、Eudragit RL(アクリルポリマー)、Eudragit RS、Eudragit NE(アクリルコポリマー)、Kollicoat SR 30 D(ポリビニルアセテート)、及びこれらのいずれかの混合物から選択される、請求項30又は31に記載の医薬組成物。
【請求項33】
前記第2コーティング賦形剤が、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール(6000)、Eudragit L、ヒプロメロースアセテートスクシネート、ポリビニルアルコール、及びこれらのいずれかの混合物から選択される、請求項30~32のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項34】
前記第1コーティング賦形剤が、エチルセルロースを含み、及び/又は前記第2コーティング賦形剤が、ヒプロメロースを含む、請求項30~33のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項35】
前記コーティングが、少なくとも15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%又は少なくとも0.1%w/wの前記第1コーティング賦形剤及び/又は前記第2コーティング賦形剤を含む、請求項1~34のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項36】
前記コーティングが、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%より多い、又は少なくとも0.1%w/wの前記第1コーティング賦形剤及び/又は前記第2コーティング賦形剤を含む、請求項1~35のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項37】
前記第1の複数のペレットが、2~20、4~15、6~10、及び約8%w/wから選択される量の前記第1コーティング賦形剤及び/又は前記第2コーティング賦形剤を含む、請求項1~36のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項38】
前記第2の複数のペレットが、0.1~15、0.25~10、0.5~5、1~4、1.5~3、及び約2%w/wから選択される量の前記第1コーティング賦形剤及び/又は前記第2コーティング賦形剤を含む、請求項1~37のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項39】
前記第3の複数のペレットが、0.1~15、0.25~10、0.5~5、1~4、1.5~3、及び約1.8%w/wから選択される量の前記第1コーティング賦形剤及び/又は前記第2コーティング賦形剤を含む、請求項1~38のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項40】
前記ペレットの少なくとも1つが、コア、例えばタブレットを含み、ここで、前記コアが、以下:
i メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩;
ii 少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラー;
iii 少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤;及び
iv 好ましくは少なくとも1種の滑沢剤滑剤.
を含む、請求項1~39のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項41】
前記少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラーが、糖類及びその誘導体、例えば二糖類(ショ糖、乳糖);多糖類及びその誘導体、例えばデンプン、セルロース又は変性セルロース、例えば微結晶性セルロース、及びセルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC);糖アルコール、例えばキシリトール、ソルビトール又はマンニトール;タンパク質、例えばゼラチン;合成ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)及びポリエチレングリコール(PEG);並びにこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、請求項40に記載の医薬組成物。
【請求項42】
前記少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラーが、微結晶性セルロース、乳糖一水和物、及びそれらの混合物からなる群より選択される、請求項40又は41に記載の医薬組成物。
【請求項43】
前記少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤が、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、及びこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、請求項40~42のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項44】
前記少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤が、デンプングリコール酸ナトリウムである、請求項40~43のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項45】
前記少なくとも1種の滑沢剤が、タルク、シリカ、及び脂肪、例えば植物ステアリン、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸、及びこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、請求項40~44のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項46】
前記少なくとも1種の滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、請求項40~45のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項47】
結合剤及びフィラーの総量が、10~90、20~80、30~70、40~60、50~55、及び約52%w/wから選択される、請求項40~46のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項48】
崩壊剤及び溶解賦形剤の総量が、5~95、10~90、15~80、20~70、25~60、30~50、35~45及び約40%w/wから選択される、請求項40~47のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項49】
滑沢剤の総量が、0.1~5、0.2~3、0.3~2、0.5~1.5及び約1%w/wから選択される、請求項40~48のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項50】
前記医薬組成物が、経口投与のためのものである、請求項1~49のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項51】
全メトトレキサートの少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は少なくとも100%が、4時間以内に放出されている、請求項1~50のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項52】
前記ペレットが、0.1mg~5mgのメトトレキサート、0.15mg~2mg、0.2mg~1.5mg、0.25mg~1mg、0.3mg~0.8mg、0.35mg~0.6mg、0.4mg~0.5mg、0.45mg~0.5mg又は約0.45mgのメトトレキサートを含む、請求項1~51のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項53】
前記組成物が、少なくとも2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg又は少なくとも30mgのメトトレキサートを含む、請求項1~52のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項54】
前記組成物が、1mg~50mgの間のメトトレキサート、2mg~49mg、3mg~48mg、4mg~47mg、5mg~46mg、6mg~45mg、7mg~44mg、8mg~43mg、9mg~42mg、10mg~41mg、11mg~40mg、12mg~39mg、13mg~38mg、14mg~37mg、15mg~36mg、16mg~35mg、17mg~34mg、18mg~33mg、19mg~32mg、20mg~31mg、21mg~30mg、22mg~29mg、23mg~28mg、24~27mg、25~26mgの間、又は約25mgのメトトレキサートを含む、請求項1~53のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項55】
即時放出を提供する前記複数のペレットが、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg以下の総量のメトトレキサートを含む、請求項1~54のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項56】
前記組成物が、疾患の治療方法における使用のためのものであり、及び/又は疾患の予防における使用のためのものであり、及び/又は疾患の症候を緩和するためのものである、請求項1~55のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項57】
前記疾患が、関節炎である、請求項1~56のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項58】
前記関節炎が、関節リウマチ、多関節型若年性特発性関節炎及び又は乾癬関節炎から選択される、請求項1~57のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項59】
前記疾患が、乾癬、クローン病及び又はがんから選択される、請求項1~58のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項60】
前記がんが、乳がん、膀胱がん、絨毛がん、頭部頚部がん、リンパ腫及び白血病から選択される、請求項1~59のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項61】
患者が小児であるか、又は18歳未満である治療における使用のための、請求項1~60のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項62】
前記ペレットが、その放出特性に依存する色を有する、請求項1~61のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項63】
前記ペレットの各々が、タブレットである、請求項1~62のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項64】
複数の前記ペレットが、圧縮されてタブレットを形成する、請求項1~63のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項65】
前記タブレットが、対象の胃において崩壊するように適合されている、請求項63又は64に記載の医薬組成物。
【請求項66】
前記ペレットが、カプセル又はサシェ中に存在する、請求項1~65のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項67】
前記組成物が、1~200、1~150、1~120、1~100、1~90、1~80、1~70、1~66、1~60、2~50、3~40、4~30、5~25、6~20、7~18、8~16、9~14、10~12、及び11から選択される数のペレットを含むか、又はこの数のペレットを合わせることによって得られ得る、請求項1~66のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項68】
治療における使用のための、請求項1~67のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、ここで、前記組成物が、週に1度投与されるか、又は週に1度、12時間以内、好ましくは8時間以内に2回投与される、前記医薬組成物。
【請求項69】
請求項1~68のいずれか1項に記載の医薬組成物の、製造のための方法。
【請求項70】
以下:
i 少なくとも2種の異なるタイプのペレットであって、各タイプが、特定の放出特性を有するペレットを製造すること、及び
ii 所望の最終放出特性及びメトトレキサートの総量にしたがって、前記ペレットを混合すること
を含む、請求項1~69のいずれか1項に記載の、10mgより多いメトトレキサートを含む医薬組成物の、製造のための方法。
【請求項71】
メトトレキサートが、1種以上の活性成分と置き換えられるか、又は併用され、好ましくはここで、少なくとも1つの活性成分が、化学療法剤である、請求項1~70のいずれか1項に記載の方法又は医薬処方物。
【請求項72】
前記組成物が、その薬学的に許容可能な塩のメトトレキサートに加えて、好ましくは化学療法薬剤から選択される1種以上の活性成分をさらに含む、請求項1~71のいずれか1項に記載の方法又は医薬処方物。
【請求項73】
前記組成物が、1~15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、前記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットのみを含む、請求項1~72のいずれか1項に記載の方法又は医薬処方物。
【請求項74】
前記組成物が、10~30mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、前記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供するペレット及び遅延放出を提供するか、又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供するペレットを含む、請求項1~73のいずれか1項に記載の方法又は医薬処方物。
【請求項75】
前記組成物が、15~50mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、前記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供する第1のペレット、並びに遅延放出又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する第2の及び1つ以上のさらなるペレットを含み、ここで、1つ以上のさらなるペレットの放出は、第2のペレットのメトトレキサートの放出よりも遅い、請求項1~74のいずれか1項に記載の方法又は医薬処方物。
【請求項76】
疾患の治療のための医薬の製造における、請求項1~75のいずれか1項に記載の医薬組成物の使用であって、ここで、前記疾患が、請求項1~75のいずれか1項に記載の疾患である、前記使用。
【請求項77】
請求項1~76のいずれか1項に記載の疾患の治療方法であって、請求項1~76のいずれか1項に記載の組成物の治療有効量を投与することを含む、前記治療方法。
【請求項78】
15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む投薬形態の経口投与の方法であって、
ここで、前記投薬形態は、以下:
i)10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii)少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの前記含量の50%未満を1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物を含み、
但し、前記投薬形態は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物が、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む、前記方法。
【請求項79】
複数のペレットを含み、各ペレットが、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、前記ペレットの少なくとも1つが、前記メトトレキサートの即時放出を提供し、及び好ましくは、前記ペレットの少なくとも1つが、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する、医薬組成物であって、ここで、前記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、前記医薬組成物。
【請求項80】
メトトレキサートの総量の少なくとも50%が、1時間後に放出されている、請求項1~79のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項81】
メトトレキサートの総量の60~100%が、2時間後に放出されている、請求項1~80のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項82】
メトトレキサートの総量の80~100%が、3時間後に放出されている、請求項1~81のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項83】
メトトレキサートの総量の80~100%が、4時間後に放出されている、請求項1~82のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項84】
少なくとも10、12.5、15、20、25及び30mgから選択される量のメトトレキサートを含む、請求項1~83のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項85】
前記疾患が、炎症性疾患又はがんである、請求項1~84のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項86】
前記炎症性疾患が、関節リウマチ、若年性突発性関節炎、乾癬及び又は乾癬関節炎から選択され、及び前記がんが、急性リンパ球性白血病又は慢性リンパ球性白血病から選択される、請求項1~85のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項87】
前記ペレットが、カプセル又はサシェの中にある、請求項1~86のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項88】
前記組成物が、週に1度投与されるか、又は週に1度、12時間以内、好ましくは8時間以内に2回投与される、治療における使用のための、請求項1~87のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項89】
メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を、単独の活性成分として含む、請求項1~88のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項90】
経口投与のための、請求項1~89のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項91】
前記医薬組成物が、固形投薬形態であるか、又は固形投薬形態を含む、請求項1~90のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項92】
前記組成物が、単回用量処方物、例えばタブレット、カプセル又はサシェとして製剤化されている、請求項1~91のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項93】
前記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~92のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項94】
前記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも85%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~93のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項95】
前記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~94のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項96】
前記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~95のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項97】
前記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも85%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~96のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項98】
前記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、請求項1~97のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩などの活性成分を含む製薬投薬形態、詳細には、経口投与のための固形投薬形態に関し、詳細には、マルチパーティクル(multiparticulates)、ミニタブレット(mini-tablets)及び粒状物を含む、ペレットの形態での投薬形態に関する。本発明はさらに、飽和反応速度論が活性成分のより高い投薬量を制限する経口投薬形態に関する。
【背景技術】
【0002】
技術背景
タブレット(tablets)の形態のメトトレキサート経口処方物は、市販されている。2.5mgのメトトレキサートを含むタブレットは、TEVA、Sandoz他の会社によって販売されている。
【0003】
Goodmanら(Goodman et al,Outcomes Related to Methotrexate Dose and Route of Administration in Patients with Rheumatoid Arthritis: A Systematic Literature Review,Clin Exp Rheumatol,2015)によると、メトトレキサートの効能及び毒性は、投与経路ではなく、メトトレキサートの吸収用量に関連するようである。バイオアベイラビリティは非経口的なメトトレキサートの方が大きいが、メトトレキサートの経口用量を分割することが、メトトレキサートの非経口的な投与よりも有益性が低く、安全性が高いか、又は耐薬性が高いという証拠はない。しかし、より高用量のメトトレキサートで最初に治療し、その後、経口用量の臨床応答が不充分になった場合に、メトトレキサートの非経口投与に切り替えることが、有益であると考えられる。
【0004】
Taylorら(Taylor et al,How to Get the Most from Methotrexate(MTX)Treatment for Your Rheumatoid Arthritis Patients? - MTX in the Treat-to-Target Strategy”,Journal of Clinical Medicine,2019)によると、メトトレキサートの非経口投与は、バイオアベイラビリティを最大化し、胃腸の不耐性を軽減し、及びコンプライアンス及びアドヒアランスを向上させる可能性が高いという利点を有する。
【0005】
国際特許出願WO2007040997は、胃腸管において吸収ウィンドウを有する(すなわち、通常は十二指腸及び/又は空腸において吸収されるか、又は胃腸管の近くに治療部位を有するか、又は結腸において崩壊する)吸収ウィンドウ活性薬剤の制御放出のための医薬送達系に関する発明を記載する。
【0006】
制御放出投薬形態は、吸収ウィンドウ活性薬剤の良好なバイオアベイラビリティを提供し得る。この発明のために好適であるらしい抗腫瘍薬剤としては、5-シスプラチン、ドキソルビシン、エトポシド、フルオロウラシル、メトトレキサート、マイトマイシン、セムスチン、又はそれらの混合物が挙げられると、本文献は記載している。
【0007】
WO2009132050は、耳の疾患及び症状を治療するための耳用処方物を開示する。この医薬成分は、活性成分の即時放出及び遅延放出を含む、拍動性様式で送達されてもよいことが示唆されている。しかし、開示された処方物は、耳における局所投与を意図されており、経口投与に好適ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2007/040997号
【特許文献2】国際公開第2009/132050号
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Goodman et al,Outcomes Related to Methotrexate Dose and Route of Administration in Patients with Rheumatoid Arthritis: A Systematic Literature Review,Clin Exp Rheumatol,2015
【非特許文献2】Taylor et al,How to Get the Most from Methotrexate(MTX)Treatment for Your Rheumatoid Arthritis Patients? - MTX in the Treat-to-Target Strategy”,Journal of Clinical Medicine,2019
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
発明の要旨
メトトレキサートのような狭い治療指数を有する特定の活性成分について、投与経路及び投薬量の選択の際に、非常に慎重に、副作用が効能に対して釣り合っている必要がある。このような活性成分について、各患者個人について、投薬量が変動可能であることが望ましい。しかし、メトトレキサートなどのいくつかの活性成分については、使用が、飽和反応速度論によってさらに制限される。単回の投薬形態における活性成分の量の増加は、腸管内腔から血流への能動輸送メカニズムの飽和ゆえに、わずかな臨床効果しか提供しないか、又は全く臨床効果を提供しない場合があり、他方で、非標的細胞における取り込みゆえの副作用は増大する。このような活性成分について、投薬形態における活性成分の量を変動することができるのみでなく、投薬形態における性成分の量にしたがって、例えば経口投薬形態の放出プロフィールを変えることもできることが、望ましい場合がある。
【0011】
薬物の工業製造のためには、異なる力価及び放出特性を有する、多数の異なる医薬処方物を製造することは、費用がかさみ、かつ扱いにくい。
【0012】
本構想は、1種以上の活性成分によって使用され得、かつさらに化学療法薬剤などの他の活性成分と共に用いられ得ることが想定される。
【0013】
メトトレキサートの皮下投与と経口投与とを比較すると、即時放出処方物の経口投与は、単回投薬量が約10~15mgを超えるメトトレキサート又はメトトレキサートの薬学的等価物である場合に、飽和反応速度論が優勢となるという不利益を被る。しかし、経口投与は、患者にとって非常に便利である。
【0014】
当該分野では、メトトレキサートは葉酸トランスポーターによって補助されて活発に取り込まれ、及び取り込みは主に空腸の近くで起こるという、一般的な理解がある。メトトレキサートの利用可能量が特定の限界を超える場合に、吸収は飽和を示すことが記載されている。例えばBannwarth et al.1996,Clin.Pharmacokinet.Vol 30 p.194-210;Grim et al 2003,Clin.Pharmacokinet.Vol 42 p.139-151;Hoekstra et al.2004,J.Rheumatol.Vol.31 p.645-648;及びInoue and Yuasa 2014,Drug Metab.Pharmacokinet.Vol.29 p.12-19を参照されたい。幾人かの著者ら、例えばvan Roon and van der Laar 2010,Clin Exp Rheumatol Vol 28 (Suppl 61) p.S27-S32は、取り込みにおけるこの観察限界値に対処するために、メトトレキサートのより高い投薬量を分割することを示唆している。
【0015】
理論に縛られることはないが、メトトレキサートは、胃腸管のより遠位の部位においても効率的に取り込まれると、本発明者らは推測しており、メトトレキサートの少なくとも一部が遅延放出プロフィールで放出されることによってメトトレキサートの全量が放出される前に通り過ぎることが予測され得るような、メトトレキサートを含む医薬組成物を調合することによって、空腸近くにおけるメトトレキサート取り込みの限界を回避し得ることを示唆している。
【0016】
より高い用量レベル(例えば、15mg以上)で増大したメトトレキサートのバイオアベイラビリティを有する経口医薬組成物に対する需要が存在する。さらに、15mg以上の用量レベルでメトトレキサートのバイオアベイラビリティが用量比例増加する経口医薬組成物に対する需要が存在する。加えて、組成物の内容を食事に混ぜることによって投与を容易にすることを、患者に選択可能にする経口医薬組成物に対する需要が存在する。また、多くの異なる力価で市販されることを予期される医薬品のより容易な製造方法に対する需要も存在する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
ミニタブレット又はペレット処方物は、用量が、投薬から最長4時間以内に腸において送達されるために、即時放出プロフィールを有するように、及び遅延時間/バースト放出プロフィールを有するように開発される。次いで、従来のタブレットと比較してバイオアベイラビリティを増大することを企図して、これらの異なる処方物が、カプセル又はサシェの中で組み合わされてもよい。活性成分(単数又は複数)の特に好ましい放出プロフィールを有する製薬投薬形態を得るために、異なるミニタブレット又はペレットが、単回医薬処方物、例えばカプセル又はサシェの中で組み合わされてもよい。
【0018】
メトトレキサートは、酸(分子量:454.4g/mol)又は二ナトリウム塩(分子量:498.40g/mol)のいずれかとして存在する。医薬品において、メトトレキサートは、酸として申告されているが、しばしば、水中に溶けやすい二ナトリウム塩(換算計数1.096)として添加されている;酸は、実質的に水中に不溶性である。ここで、疑義がある場合には、用語「メトトレキサート」は、メトトレキサート及びその薬学的に許容可能な塩をいう。メトトレキサートの量は、酸形態で表されてもよく、また、その二ナトリウム塩などの塩の薬学的等価物で表されてもよい。
【0019】
メトトレキサートはまた、N-[4-[[2、4-ジアミノ-6-プテリジニル)メチル]メチルアミノ]ベンゾイル]-L-グルタミン酸;4-アミノ-N10-メチルプテロイルグルタミン酸、4-アミノ-10-メチル葉酸、メチルアミノプテリン、アメトプテリン、MTX、及びC20H22N8O5などの名称及び式でも知られている。
【0020】
特定の実施形態において、医薬組成物は、国際特許出願WO2018011181(その全ては全体が参考として組み込まれる)において見いだされる技術によって、製造される。
【0021】
Contera Pharma及びSolural Pharmaの名の下の国際特許出願WO2018011181は、レボドパ及びカルビドパを含むDOPAデカルボキシラーゼインヒビターの小腸における遅延バースト放出を可能にし、それによってパーキンソン病患者におけるモーニングアキネシアの管理の改善を提供する、拍動性薬物送達系を記載する。この出願は、a.レボドパ及びDOPAデカルボキシラーゼインヒビターと、b.所定の遅延時間の後に上記レボドパ及び上記DOPAデカルボキシラーゼインヒビターのパルス放出を提供する拍動性放出構成成分とを含む、拍動性放出医薬組成物を提供する局面を含む。この出願は、a.所定の遅延時間の後にレボドパのパルス放出を提供する、レボドパを含む第1拍動性放出構成成分と、b.所定の遅延時間の後にDOPAデカルボキシラーゼインヒビターのパルス放出を提供するDOPAデカルボキシラーゼインヒビターを含む第2拍動性放出構成成分とを、別個に又は一緒に含む、拍動性放出医薬組成物を提供する局面を、さらに記載する。2.8、3.0、4.0mgのレボドパを含むミニタブレット及び2.6mgのカルビドパを含むミニタブレットが記載された。33の25%重量増加までコーティングされたレボドパミニタブレットと10のフィルムコーティングされたカルビドパミニタブレットを混合し、及びハードシェルゼラチンカプセルサイズ0の中に充填する。このカプセルは、100mgのレボドパ+25mgのカルビドパの用量を保持し、この活性構成成分は、遅延時間の後に放出される;カルビドパが放出された後に、レボドパが放出される。
【0022】
1つの局面によれば、本発明は、複数のペレットを含む、医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、5mm以下、好ましくは3mm以下の最小径を有し、及びここで、各ペレットは、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含むか、又はメトトレキサートを含まず、及び/又は別の活性成分を含む。ペレットは、1つ以上の活性医薬成分を含んでもよい。したがって、ペレットは、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を、単独の活性成分として含んでもよい。
【0023】
医薬組成物は、好ましくは、例えば、工業生産、販売承認、並びに/又はヒト及び/もしくは動物への投与のために好適な、薬学的に許容可能な組成物である。
【0024】
「ペレット」は、円形、球形又は円筒形の物体又は薬として定義され得る。用語「ペレット」は、さらに、任意の物質の小球状又は筒状の小片を含み得る。「ペレット」はまた、小さなタブレット、すなわちミニタブレット、粒状物、又はマルチパーティクルをいう場合がある。本発明のペレットは、好ましくは、楕円形又は球形であるが、原則的に、別の好適な形状を有してもよい。
【0025】
用語「最小径」は、ペレットが通過可能な円形開口の有する径を意味し、例えば、円筒形物体の場合はこの物体の径であってもよく、径という用語は、ペレットが球形であるということを必ずしも意味しない。
【0026】
幽門括約筋は、胃の幽門部と小腸の十二指腸との間の連結部にある平滑筋の帯である。これは、消化において重要な役割を果たし、ここで、胃から小腸への部分的に消化された食物の流れを制御するための弁として作用する。液体及びより小さい物質は、幽門括約筋を通って迅速に輸送される。よい大きい物質は、消化の間に、括約筋が断続的に弛緩し開口が開く際に輸送される。したがって、好ましくは3mm以下の径を有する小さい医薬組成物は、対象が飲食していたかいないかにかかわらず、胃内容排出とは無関係に胃から排出されて十二指腸に輸送される。
【0027】
別の局面によれば、本発明は、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与のための医薬組成物に関し、この医薬組成物は、複数のペレットを含み、ここで、各ペレットは、5mm以下の最小径を有し、及びここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%は、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0028】
別の局面によれば、本発明は、複数のペレットを含み、各ペレットがメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩などの活性成分を含む医薬組成物に関し、及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、メトトレキサートなどの上記活性成分の即時放出を提供し;及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、遅延放出及び/又は10又は15mg又はそれより多い投薬量についての上記活性成分の放出より前の所定の遅延時間を提供し、及びここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%は、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0029】
別の局面によれば、本発明は、複数のペレットを含み、各ペレットがメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関し、及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの即時放出を提供し;及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し;及びここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%は、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0030】
投与後に放出されるメトトレキサートの総量は、好ましくは、USP溶出装置2、パドル(37℃±0.5℃)において測定されてもよい。
【0031】
別の局面によれば、本発明は、以下を含む医薬組成物に関する:
i. 少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレット又はその薬学的に許容可能な塩、及び
ii. 10又は15mg又はそれより多い組成物の総投薬量について、少なくとも1つのメトトレキサートの遅延放出を提供するペレット;
ここで、上記医薬組成物は、全メトトレキサートの少なくとも80%を投与の4時間以内に放出させる。
【0032】
別の局面によれば、本発明は、以下を含む医薬組成物に関する:
i. 少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレット又はその薬学的に許容可能な塩、及び
ii. 上記医薬組成物が10mgより多いメトトレキサートを含む場合、さらに、少なくとも1つのメトトレキサートの遅延放出を提供するペレット;
ここで、上記医薬組成物は、全メトトレキサートの少なくとも80%を投与の4時間以内に放出させる。
【0033】
別の局面によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、上記組成物は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物は、以下を含む:
a メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b 少なくとも5mg、好ましくは7.5mg、より好ましくは10mgのメトトレキサート、好ましくは12.5mg、より好ましくは15mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び好ましくは、
c 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供し、上記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC。
【0034】
別の局面によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、上記組成物は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物は、以下を含む:
a メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b 10mgより多い、例えば少なくとも12.5mg、より好ましくは15mgのメトトレキサート、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び好ましくは、
c 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供し、上記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC。
【0035】
別の局面によれば、本発明は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を提供する、複数の、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのペレットを含む医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットを含み;及び
12.5~30mgの投薬量についてはさらに、メトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含み;及び
20~30mgの投薬量については、さらなるメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含む。
【0036】
別の局面によれば、本発明は、15~50、好ましくは20~30mg総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物に関し、ここで、上記医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出し;及びここで、上記医薬組成物は、以下を含む:
i) 10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii) 少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含む、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物、
ここで、上記遅延放出医薬組成物は、上記含量の50%未満のメトトレキサートを1時間以内に放出し;好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0037】
別の局面によれば、本発明は、15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート、又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、少なくとも2.5mg含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの上記含量の50%未満を1時間以内に放出する遅延放出医薬組成物に関し;
ここで、上記治療は、10~15mgのメトトレキサートを含み及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する少なくとも1つの即時放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、上記遅延放出製薬投薬形態及び上記即時放出医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0038】
別の局面によれば、本発明は、15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、10~15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及び、少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、即時放出医薬組成物に関し;
ここで、上記治療は、少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、上記含量の50%未満のメトトレキサートを1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、上記遅延放出製薬投薬形態及び上記即時放出医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0039】
異なる放出特性を有する少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのペレットを有する医薬処方物は、対象における飽和を超えることなく、飽和条件に近いメトトレキサートの放出を可能にする。
【0040】
異なる放出プロフィールを有するペレットを組み合わせることは、例えば異なる投薬量について、少数の異なる種類のペレットを組み合わせることによって、種々の放出プロフィールが得られ得るという、製造の視点からも利点を有し得る。例として、30の異なる投薬量について、2つ又は3つの異なる種類のペレットを混合することによって、30の異なる放出プロフィールが得られ得る。このことは、異なる強度及び放出プロフィールを有する、各々が特定の組成を有する30の異なるタブレットが製造されなければならない場合と比較して、製造プロセスの単純化を提供する。少数の異なる種類のペレットのみを用いて多数の異なる製薬投薬形態を製造することは、物流管理及び保管を単純化し、及び/又は多数の異なる製薬投薬形態を取り扱うことに付随する廃棄物を減らし得る。
【0041】
さらに、異なる量のメトトレキサートを含む医薬組成物が同様の製薬投薬形態を利用可能であるという事実は、患者が、メトトレキサートの量が変化した場合でも慣れ親しんだ同じ投薬形態を用い続けることができるので、患者コンプライアンスを増大し得る。この方法において、活性成分(単数又は複数)の量が随時調整されることがある場合にも、患者は、生涯を通して慣れ親しんだ同じ投薬形態を摂取し続けてよい。
【0042】
投薬形態の放出プロフィール対強度を調整する能力は、飽和反応速度論及び/もしくは有害作用を最小化すること、並びに/又は治療の効能改善を可能にする。
【0043】
一実施形態によれば、ペレット処方物は、即時放出で開発され、及び、投薬から最大4時間以内に用量を腸内に送達するための遅延時間/バースト放出で開発される。次いで、これらの異なる処方物は、カプセル又はサシェ中で組み合わされてもよい。メトトレキサートの即時放出及び遅延放出の組み合わせは、従来のタブレットと比較してバイオアベイラビリティを増大し得る。
【0044】
別の局面によれば、本発明は、複数の、少なくとも2つ、好ましくは少なくとも3つのペレットを含み1~30mgの総投薬量のメトトレキサートを提供する医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットを含み;及び7.5~20mgの投薬量については、さらにメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含み;15~30mgの投薬量については、さらなるメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含む。
【0045】
別の局面によれば、本発明は、本発明による医薬組成物の製造のための方法に関する。
【0046】
別の局面によれば、本発明は、以下を含む、本発明による医薬組成物の製造のための方法に関する:
i. 各々特定の放出特性を有する少なくとも2つの異なる種類のペレットを製造すること、及び
ii. 所望の最終放出特性及びメトトレキサートの総量にしたがって、上記ペレットを混合すること。
【0047】
本発明による製造の方法は、摂取が摂取飽和によって制限される場合に、下限を下回る量である低量、例えば1~10mgのメトトレキサート(例えば1mg、2.5mg又は5mgのメトトレキサート)を含む、活性成分(単数又は複数)の即時放出を提供するペレットのみを含む医薬組成物の製造をも可能にする。
【0048】
別の局面によれば、本発明は、疾患の治療のための医薬の製造における、本発明による医薬組成物の使用に関し、ここで、上記疾患は、本発明による疾患である。
【0049】
別の局面によれば、本発明は、治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む、本発明による疾患を治療する方法に関する。
【0050】
別の局面によれば、本発明は、15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む投薬形態の、経口投与の方法に関し、ここで、上記投薬形態、以下を含む:
i) 10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii) 少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含む、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物、
ここで、上記遅延放出医薬組成物は、メトトレキサートの上記含量の50%未満を1時間以内に放出するが;但し、上記投薬形態が、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件である;好ましくは各組成物、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0051】
別の局面によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの即時放出を提供し;及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し;及びここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0052】
1つの局面によれば、本発明は、本発明の方法にしたがって得られ得る医薬組成物に関する。
【0053】
詳細な開示
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、5mm以下、好ましくは3mm以下の最小径を有し、ここで、各ペレットは、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む。
【0054】
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含む、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む経口投与のための医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、5mm以下の最小径を有し、ここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0055】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの即時放出を提供し;及びペレットの少なくとも1つは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する。
【0056】
一実施形態によれば、以下を含む、本発明は、少なくとも15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む本発明による医薬組成物に関する:
a. メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b. メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び
c. メトトレキサートの遅延放出を提供する、上記ペレットBよりも遅い放出を提供する少なくとも1つのペレットC。
【0057】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレットは、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも90%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間以内、又は30分間以内に放出させる。
【0058】
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの即時放出を提供し;及び好ましくはここで、ペレットの少なくとも1つは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し;及びここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0059】
用語「遅延放出」は、即座に崩壊して活性成分(単数又は複数)を体内に放出しない経口薬をいい、また、バースト放出又は延長放出をもいう。
【0060】
用語「即時放出」は、活性成分(単数又は複数)が体内に遅延なく放出される経口薬をいう。好ましくは、即時放出は、活性成分の少なくとも90%を、30分間以内に放出すること、より好ましくは15分間以内に少なくとも95%、好ましくは5分間以内に少なくとも98%放出することをいう。
【0061】
投与後に放出されたメトトレキサートの総量は、好ましくはUSP溶出装置2、パドル(37℃±0.5℃)において測定されてもよい。
【0062】
放出された活性成分、例えばメトトレキサートの量は、例えば、500mlの0.1N HCl;500mlのリン酸緩衝液pH6.8;又は500mlの0.9%生理食塩水において測定されてもよい。
【0063】
一実施形態によれば、本発明は、以下を含む医薬組成物に関する:
i. メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の即時放出を提供する少なくとも1つのペレット、及び
ii. メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレット;
ここで、上記医薬組成物は、全メトトレキサートの少なくとも80%を投与の4時間以内に放出させる。
【0064】
一実施形態によれば、本発明は、以下を含む医薬組成物に関する:
i. メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の即時放出を提供する少なくとも1つのペレット、及び
ii. 上記医薬組成物が10mgより多いメトトレキサートを含む場合。さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレット;
ここで、上記医薬組成物は、全メトトレキサートの少なくとも80%を投与の4時間以内に放出させる。
【0065】
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、上記組成物は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物は、以下を含む:
a. メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA、
b. 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び好ましくは、
c. 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供し、上記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC。
【0066】
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含む医薬組成物に関し、上記組成物は、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物は、以下を含む:
a. メトトレキサートの即時放出を提供する少なくとも1つのペレットA.
b. 10mgより多い、例えば少なくとも12.5mg、より好ましくは15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供する少なくとも1つのペレットB、及び好ましくは、
c. 少なくとも15mg、好ましくは17.5mg、より好ましくは20mgのメトトレキサートを含む上記組成物については、さらに、メトトレキサートの遅延放出を提供し、上記ペレットBよりも遅い放出を提供する、少なくとも1つのペレットC。
【0067】
異なる放出プロフィールを有するペレットを組み合わせることは、例えば異なる投薬量について、少数の異なる種類のペレットを組み合わせることによって種々の放出プロフィールが得られ得るという、製造の視点からの利点を有する。例として、30の異なる投薬量についての30の異なる放出プロフィールが、異なる強度及び放出プロフィールを有する30の異なるタブレットを製造する代わりに、2つ又は3つの異なる種類のペレットを混合することによって得られ得る。
【0068】
投薬形態の放出プロフィール対強度を調整する能力は、飽和反応速度論及び/もしくは有害作用を最小化すること、並びに/又は治療の効能改善を可能にする。
【0069】
一実施形態によれば、ペレット処方物は、即時放出で開発され、及び、投薬から最大4時間以内に用量を腸内に送達するための遅延時間/バースト放出で開発される。次いで、これらの異なる処方物は、例えばカプセル又はサシェ中で組み合わされてもよい。メトトレキサートの即時放出及び遅延放出の組み合わせは、従来のタブレットと比較してバイオアベイラビリティを増大し得る。
【0070】
一実施形態によれば、本発明は、複数の、少なくとも1つ、好ましくは2つ、及び任意選択的に少なくとも3つのペレットを含み、1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を提供する医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットを含み;及び7.5~20mgの投薬量については、さらにメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含み;15~30mgの投薬量については、好ましくはさらなるメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含む。
【0071】
一実施形態によれば、本発明は、複数の、少なくとも1つ、好ましくは2つ、及び任意選択的に少なくとも3つのペレットを含み1~30mgの総投薬量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を提供する医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットを含み;及び12.5~30mgの投薬量については、さらにメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含み;20~30mgの投薬量については、好ましくはさらなるメトトレキサートの遅延放出を提供するペレットを含む。
【0072】
一実施形態によれば、本発明は、15~50mg、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物を含み、上記医薬組成物は、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の総量の少なくとも80%を4時間以内に放出し;及び
ここで、上記医薬組成物は、以下:
i)10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii)少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの上記含量の50%未満を1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物
を含み;好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0073】
一実施形態によれば、本発明は、15~50mg、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの上記含量の50%未満を1時間以内に放出する、遅延放出医薬組成物を含み;
ここで、上記治療は、10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの放出を1時間以内に提供する少なくとも1つの即時放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、上記遅延放出製薬投薬形態及び上記即時放出医薬組成物が、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0074】
一実施形態によれば、本発明は、15~50、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の経口投与を含む治療における使用のための、10~15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及び、少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、即時放出医薬組成物を含み;
ここで、上記治療は、少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、上記含量の50%未満のメトトレキサートを1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物の投与をさらに含むが、但し、上記遅延放出製薬投薬形態及び上記即時放出医薬組成物は、メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物は、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0075】
一実施形態によれば、本発明は、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg又はそれより高量のメトトレキサートを含む医薬組成物を提供する。
【0076】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、各ペレットは、5.00mm、4.75mm、4.50mm、4.25mm、4.00mm、3.75mm、3.50mm、3.25mm、3.00mm、2.75mm、2.50mm、2.25mm、2.00mm、1.75mm、1.50mm、1.25mm、1.00mm、0.75mm、0.50mm未満、又は0.25mm未満のサイズを有する。
【0077】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットは、0.01~5mm、0.1~4.5mm、0.2~4mm、0.3~3.5mm、0.4~3mm、0.5~2.5mm、0.6~2mm、0.75~1.5mm、及び約1mmから選択されるサイズを有する。
【0078】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットの少なくとも1つは、メトトレキサートの即時放出を提供する。
【0079】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10又は15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットの少なくとも1つは、メトトレキサートの放出の所定の遅延を提供する。
【0080】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10mg、好ましくは少なくとも12.5mg、より好ましくは少なくとも15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットの少なくとも1つは、メトトレキサートの放出の所定の遅延を提供する。
【0081】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の0~40%、より好ましくは5~35%、好ましくは10~30%、より好ましくは15~25%、好ましくは約20%が、1時間後に放出されている。
【0082】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の20~80%、より好ましくは25~70%、好ましくは30~60%、より好ましくは35~50%、好ましくは約40%が、2時間後に放出されている。
【0083】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の30~100%、より好ましくは40~90%、好ましくは50~80%、より好ましくは60~70%、好ましくは約60%が、3時間後に放出されている。
【0084】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の40~100%、より好ましくは50~95%、好ましくは60~90%、より好ましくは70~85%、好ましくは約80%が、4時間後に放出されている。
【0085】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の20~90%、より好ましくは30~80%、好ましくは40~70%、より好ましくは少なくとも50%が、1時間後に放出されている。
【0086】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の50~100%、より好ましくは60~95%、好ましくは65~90%、より好ましくは少なくとも70%が、2時間後に放出されている。
【0087】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の60~100%、より好ましくは70~99%、好ましくは80~98%、より好ましくは85%より多くが、3時間後に放出されている。
【0088】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の80~100%、より好ましくは85~99%、好ましくは90~98%、より好ましくは93~97.5%が、4時間後に放出されている。
【0089】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10、12.5、15、20、25及び30mgから選択される量のメトトレキサートを含む、本発明による医薬組成物に関する。
【0090】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、放出の上限は、少なくとも10、15、20、25及び30mgから選択される量のメトトレキサートの医薬組成物の総含量について有効である。
【0091】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、メトトレキサートの総量の少なくとも80%は、投与の4時間、好ましくは3時間以内に放出されている。
【0092】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレットは、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%又は90%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間以内、又は60分間以内に放出させる。
【0093】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのメトトレキサートの即時放出を提供するペレットは、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%又は90%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間以内、又は30分間以内に放出させる。
【0094】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%又は90%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0095】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0096】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1リン酸緩衝液pH6.8中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0097】
一実施形態によれば、本発明は、先の請求項のいずれか1項に記載の医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、0.9%生理食塩水中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0098】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10又は15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の少なくとも80%又は90%を、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0099】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10又は15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の20%未満を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0100】
一実施形態によれば、本発明は、10又は15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記少なくとも1つのペレットは、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供し、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記ペレットの活性成分の20%未満を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間以内、又は60分間以内に放出させる。
【0101】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0102】
HClは、塩酸と呼ばれてもよい。
【0103】
溶解実験は、慎重に制御された条件下で化合物が溶解して溶液を形成する速度及び程度を評価し得る。
【0104】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlの0.1N HCl中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0105】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlのリン酸緩衝液pH6.8中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0106】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、500mlのリン酸緩衝液pH6.8中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0107】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、0.9%生理食塩水中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、5分間、10分間、15分間、20分間、25分間、30分間、35分間、40分間、45分間、50分間、55分間、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0108】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、USP溶出装置2、パドル、(37℃±0.5℃)において測定すると、0.9%生理食塩水中で上記組成物の活性成分の少なくとも80%を、60分間、65分間、70分間、75分間、80分間、85分間、90分間、95分間、100分間、105分間、110分間、115分間、120分間、125分間、130分間、135分間、140分間、145分間、150分間、155分間、160分間、165分間、170分間、175分間、180分間、185分間、190分間、195分間、200分間、205分間、210分間、215分間、220分間、225分間、230分間、235分間以内、又は240分間以内に放出させる。
【0109】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10又は15mgのメトトレキサートを含む本発明による医薬組成物に関し、ここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの放出を制御する少なくとも1種の賦形剤及び/又はコーティングを含む。
【0110】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、ペレットの少なくとも1つは、上記メトトレキサートの放出を制御する少なくとも1種の賦形剤及び/又はコーティングを含む。
【0111】
一実施形態によれば、本発明は、ペレットの少なくとも1つがメトトレキサートの放出を制御するコーティングを含む医薬組成物に関し、ここで、上記コーティングは、少なくとも2種の賦形剤:
a. 第1コーティング賦形剤;及び
b. 第2コーティング賦形剤を含み、ここで、上記第2コーティング賦形剤は、好ましくは、上記第1コーティング賦形剤よりも高い溶解性を有し;好ましくは、上記溶解性は、水性溶媒、例えば水、0.1N HCl、リン酸緩衝液pH6.8、及び0.9%生理食塩水から選択されるにおいて、測定される。
【0112】
一実施形態によれば、本発明は、上記第1コーティング賦形剤が、エチルセルロース、シェラック、セルロースアセテート、Eudragit RL(アクリルポリマー)、Eudragit RS、Eudragit NE(アクリルコポリマー)、Kollicoat SR 30 D(ポリビニルアセテート)、及びこれらのいずれかの混合物から選択される、医薬組成物に関する。
【0113】
一実施形態によれば、本発明は、上記第2コーティング賦形剤が、ヒプロメロース、メチルセルロース、ポリエチレングリコール(6000)、Eudragit L、ヒプロメロースアセテートスクシネート、ポリビニルアルコール、及びこれらのいずれかの混合物から選択される、医薬組成物に関する。
【0114】
一実施形態によれば、本発明は、上記第1コーティング賦形剤が、エチルセルロースを含み、及び/又は上記第2コーティング賦形剤が、ヒプロメロースを含む、医薬組成物に関する。
【0115】
一実施形態によれば、本発明は、上記コーティングが、少なくとも15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%又は少なくとも0.1%w/wの上記第1コーティング賦形剤及び/又は上記第2コーティング賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0116】
一実施形態によれば、本発明は、上記コーティングが、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%又は少なくとも0.1%w/wより多くの上記第1コーティング賦形剤及び/又は上記第2コーティング賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0117】
一実施形態によれば、本発明は、上記第1複数のペレットが、2~20、4~15、6~10、及び約8%w/wから選択される量の上記第1コーティング賦形剤及び/又は上記第2コーティング賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0118】
一実施形態によれば、本発明は、上記第2複数のペレットが、0.1~15、0.25~10、0.5~5、1~4、1.5~3、及び約2%w/wから選択される量の上記第1コーティング賦形剤及び/又は上記第2コーティング賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0119】
一実施形態によれば、本発明は、上記第3複数のペレット約0.1~15、0.25~10、0.5~5、1~4、1.5~3、及び約1.8%w/wから選択される量の上記第1コーティング賦形剤及び/又は上記第2コーティング賦形剤を含む、医薬組成物に関する。
【0120】
一実施形態によれば、本発明は、ペレットの少なくとも1つがコア、例えばタブレットを含み、ここで、上記コアが、以下:
i. メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩;
ii. 少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラー;
iii. 少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤;並びに
iv. 好ましくは少なくとも1種の滑沢剤滑剤
を含む、医薬組成物に関する。
【0121】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラーが、糖類及びその誘導体、例えば二糖類(ショ糖、乳糖);多糖類及びその誘導体、例えばデンプン、セルロース又は変性セルロース、例えば微結晶性セルロース、及びセルロースエーテル、例えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC);糖アルコール、例えばキシリトール、ソルビトール又はマンニトール;タンパク質、例えばゼラチン;合成ポリマー、例えばポリビニルピロリドン(PVP)及びポリエチレングリコール(PEG);並びにこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、医薬組成物に関する。
【0122】
好ましくは、少なくとも1種の賦形剤が、好適な結合特性を有し、及び少なくとも1種の賦形剤が、好適な充填特性を有する。これは、好適な結合特性及び充填特性の両方を有する同じ賦形剤であってもよい。
【0123】
好ましい実施形態によれば、少なくとも1種の第1賦形剤が、好適な結合特性を有し、他方で、少なくとも1種の第2賦形剤が、好適な充填特性を有する。
【0124】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の結合剤及び/又はフィラーが、微結晶性セルロース、乳糖一水和物、及びそれらの混合物からなる群より選択される、医薬組成物に関する。
【0125】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤が、デンプングリコール酸ナトリウム、架橋ポリマー、例えば架橋ポリビニルピロリドン(クロスポピドン)又は架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロースナトリウム)、及びこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、医薬組成物に関する。
【0126】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の崩壊剤及び/又は溶解賦形剤が、デンプングリコール酸ナトリウムである、医薬組成物に関する。
【0127】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の滑沢剤が、タルク、シリカ、及び脂肪、例えば植物ステアリン、ステアリン酸マグネシウム又はステアリン酸、及びこれらのいずれかの混合物からなる群より選択される、医薬組成物に関する。
【0128】
一実施形態によれば、本発明は、上記少なくとも1種の滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、医薬組成物に関する。
【0129】
一実施形態によれば、本発明は、結合剤及びフィラーの総量が、10~90、20~80、30~70、40~60、50~55、及び約52%w/wから選択される、医薬組成物に関する。
【0130】
一実施形態によれば、本発明は、崩壊剤及び溶解賦形剤の総量が、5~95、10~90、15~80、20~70、25~60、30~50、35~45及び約40%w/wから選択される、医薬組成物に関する。
【0131】
一実施形態によれば、本発明は、滑沢剤の総量が、0.1~5、0.2~3、0.3~2、0.5~1.5及び約1%w/wから選択される、医薬組成物に関する。
【0132】
一実施形態によれば、本発明は、上記メトトレキサートの放出を制御する上記賦形剤及び/又はコーティングが、エチルセルロース及び/又はヒプロメロース(HPMCと呼ばれてもよい)である、医薬組成物に関する。
【0133】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記メトトレキサートの放出を制御する上記賦形剤及び/又はコーティングは、ヒプロメロースを加えたエチルセルロースである。
【0134】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記コーティングは、少なくとも15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%又は少なくとも0.1%のヒプロメロースを含む。
【0135】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記コーティングが、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4.5%、4%、3.5%、3%、2.9%、2.8%、2.7%、2.6%、2.5%、2.4%、2.3%、2.2%、2.1%、2%、1.9%、1.8%、1.7%、1.6%、1.5%、1.4%、1.3%、1.2%、1.1%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%又は少なくとも0.1%より多くのヒプロメロースを含む。
【0136】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記第1複数のペレットは、約8%のヒプロメロースを含む(これが、ペレットAであってもよい)。
【0137】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記第2複数のペレットは、約2%のヒプロメロースを含む(これが、ペレットBであってもよい)。
【0138】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記第3複数のペレットは、約1.8%のヒプロメロースを含む(これが、ペレットCであってもよい)。
【0139】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記医薬組成物は、経口投与のためのものである。
【0140】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、全メトトレキサートの少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又は少なくとも100%は、4時間以内に放出されている。
【0141】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットは、0.1mg~5mgのメトトレキサート、0.15mg~2mg、0.2mg~1.5mg、0.25mg~1mg、0.3mg~0.8mg、0.35mg~0.6mg、0.4mg~0.5mg、0.45mg~0.5mg又は約0.45mgのメトトレキサートを含む。
【0142】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、少なくとも2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg又は少なくとも30mgのメトトレキサートを含む。
【0143】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg又は30mgより多くのメトトレキサートを含む。
【0144】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、1mg~50mgの間のメトトレキサート、2mg~49mg、3mg~48mg、4mg~47mg、5mg~46mg、6mg~45mg、7mg~44mg、8mg~43mg、9mg~42mg、10mg~41mg、11mg~40mg、12mg~39mg、13mg~38mg、14mg~37mg、15mg~36mg、16mg~35mg、17mg~34mg、18mg~33mg、19mg~32mg、20mg~31mg、21mg~30mg、22mg~29mg、23mg~28mg、24~27mg、25~26mgの間、又は約25mgのメトトレキサートを含む。
【0145】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、複数のペレット少なくとも2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mgの総量、又は少なくとも30mgの総量のメトトレキサートを含む即時放出を提供する。
【0146】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、複数のペレットは、2.5mg、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg以下の総量のメトトレキサートを含む即時放出を、提供する。
【0147】
本発明の医薬組成物は、改善されているか、及び/又は優れた保存安定性を有し得る。
【0148】
一実施形態において、上記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、医薬組成物におけるメトトレキサートの総量の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0149】
別の実施形態において、上記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、医薬組成物におけるメトトレキサートの総量の少なくとも80%、好ましくは少なくとも85%、より好ましくは少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0150】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、疾患の治療方法における使用のためのものであり、及び/又は疾患の予防及び/もしくは疾患の症候の緩和のためのものである。
【0151】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記疾患は、関節炎である。
【0152】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記関節炎は、関節リウマチ、若年性突発性関節炎(及びその部分集合、例えば多関節型)及び又は乾癬関節炎から選択される。
【0153】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記疾患は、乾癬、クローン病及び又はがんから選択される。
【0154】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記がんは、乳がん、膀胱がん、絨毛がん、頭部頚部がん、リンパ腫及び白血病から選択される。
【0155】
一実施形態によれば、本発明は、治療における使用のための、本発明による医薬組成物に関し、ここで、対象は、児童又は18歳未満である。
【0156】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、ペレットは、その放出特性に依存する色を有する。
【0157】
放出特性に依存して、異なるペレットについて異なる色を用いることは、ペレットが混合されて医薬組成物を形成した後に、視認によって品質確認することを可能にする。さらに、患者は、投薬量を確認することが可能であり得、及び異なる色は、患者、詳細には児童などのより若年の患者、及び彼らが治療を受けることを補助する親に、コンプライアンスを増大する。
【0158】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットの各々は、タブレットである。
【0159】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、複数の上記ペレットは、圧縮されて、タブレットを形成する。
【0160】
一実施形態によれば、本発明は、上記タブレットが対象の胃及び/又は小腸において崩壊するように適合されている、医薬組成物に関する。
【0161】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記ペレットは、カプセル又はサシェの中にある。
【0162】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、1~200、1~150、1~120、1~100、1~90、1~80、1~70、1~66、1~60、2~50、3~40、4~30、5~25、6~20、7~18、8~16、9~14、10~12、及び11から選択される数のペレットを組み合わせることを含むか、又は組み合わせることによって得られ得る。
【0163】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物に関し、ここで、上記組成物は、週に1度投与されるか、又は週に1度、12時間以内、好ましくは8時間以内に2回投与される。
【0164】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物の製造のための方法に関する。
【0165】
一実施形態によれば、本発明は、本発明による医薬組成物の製造のための方法に関し、この方法は、以下を含む:
i.少なくとも2種の異なるタイプのペレットであって、各タイプが、特定の放出特性を有するペレットを、製造すること、及び
ii. 所望の最終放出特性及びメトトレキサートの総量にしたがって、上記ペレットを混合すること。
【0166】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサートが、1種以上の活性成分と置き換えられるか、又は併用され、好ましくはここで、少なくとも1つの活性成分が、化学療法剤である、本発明による方法又は医薬処方物に関する。
【0167】
一実施形態によれば、本発明は、上記組成物が、その薬学的に許容可能な塩のメトトレキサートに加えて、好ましくは化学療法薬剤から選択される1種以上の活性成分をさらに含む、本発明による方法又は医薬処方物に関する。
【0168】
一実施形態によれば、本発明は、上記組成物が、1~15mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供するペレットのみを含む、本発明による方法又は医薬処方物に関する。
【0169】
一実施形態によれば、本発明は、上記組成物が、10~30mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供するペレット及び遅延放出を提供するか、又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供するペレットを含む、本発明による方法又は医薬処方物に関する。
【0170】
一実施形態によれば、本発明は、上記組成物が、15~50mgのメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、及びここで、上記組成物が、メトトレキサートの即時放出を提供する第1のペレット、並びに遅延放出又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する第2の及び1つ以上のさらなるペレットを含み、ここで、1つ以上のさらなるペレットの放出は、第2のペレットのメトトレキサートの放出よりも遅い、本発明による方法又は医薬処方物に関する。
【0171】
一実施形態によれば、本発明は、疾患の治療のための医薬、例えば本発明による医薬組成物の製造のための、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩の使用に関する。
【0172】
一実施形態によれば、本発明は、治療有効量の本発明の組成物を投与することを含む、本発明による疾患の治療の方法に関する。
【0173】
一実施形態によれば、本発明は、15~50mg、好ましくは20~30mgの総量のメトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含む投薬形態の経口投与の方法に関し、
ここで、上記投薬形態は、以下:
i) 10~15mgのメトトレキサートを含み、及び少なくとも8~10mgのメトトレキサートの1時間以内の放出を提供する、少なくとも1つの即時放出医薬組成物;及び
ii) 少なくとも2.5mgの含量のメトトレキサート、より好ましくは少なくとも5mgのメトトレキサートを含み、メトトレキサートの上記含量の50%未満を1時間以内に放出する、少なくとも1つの遅延放出医薬組成物を含み、
但し、上記投薬形態メトトレキサートの総量の少なくとも80%を4時間以内に放出するという条件であり;
好ましくは、各組成物が、1つ以上のペレット、例えば1つ以上のタブレットを含む。
【0174】
一実施形態によれば、本発明は、複数のペレットを含み、各ペレットが、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を含み、上記ペレットの少なくとも1つが、上記メトトレキサートの即時放出を提供し、及び好ましくは、上記ペレットの少なくとも1つが、遅延放出及び/又はメトトレキサートの放出前の所定の遅延時間を提供する、医薬組成物に関し、ここで、上記医薬組成物のメトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される。
【0175】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサートの総量の少なくとも50%が、1時間後に放出されている、医薬組成物に関する。
【0176】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサートの総量の60~100%が、2時間後に放出されている、医薬組成物に関する。
【0177】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサートの総量の80~100%が、3時間後に放出されている、医薬組成物に関する。
【0178】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサートの総量の80~100%が、4時間後に放出されている、医薬組成物に関する。
【0179】
一実施形態によれば、本発明は、少なくとも10、12.5、15、20、25及び30mgから選択される量のメトトレキサートを含む、医薬組成物に関する。
【0180】
一実施形態によれば、本発明は、上記疾患が炎症性疾患又はがんである、医薬組成物に関する。
【0181】
一実施形態によれば、本発明は、上記炎症性疾患が、関節リウマチ、若年性突発性関節炎、乾癬及び又は乾癬関節炎から選択され、及び上記がんが、急性リンパ球性白血病又は慢性リンパ球性白血病から選択される、医薬組成物に関する。
【0182】
一実施形態によれば、本発明は、上記ペレットが、カプセル又はサシェの中にある、医薬組成物に関する。
【0183】
一実施形態によれば、本発明は、上記組成物が、週に1度投与されるか、又は週に1度、12時間以内、好ましくは8時間以内に2回投与される、治療における使用のための、医薬組成物に関する。
【0184】
一実施形態によれば、本発明は、メトトレキサート又はその薬学的に許容可能な塩を、単独の活性成分として含む、医薬組成物に関する。
【0185】
一実施形態によれば、本発明は、経口投与のための医薬組成物に関する。
【0186】
一実施形態によれば、本発明は、固形投薬形態であるか、又は固形投薬形態を含む、医薬組成物に関する。
【0187】
一実施形態によれば、本発明は、単回用量処方物、例えばタブレット、カプセル又はサシェとして調合される、医薬組成物に関する。
【0188】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【0189】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも85%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【0190】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて3カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【0191】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも80%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【0192】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも85%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【0193】
一実施形態によれば、本発明は、上記医薬組成物が室温にて6カ月間保存された後に、メトトレキサートの総量の少なくとも90%が、投与の4時間以内に放出され、及び/又はUSP溶出装置2において、500mlの0.1N HCl中で37℃±0.5℃にて測定した際に放出される、医薬組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
【0194】
【
図1】15mg MTXのPO(経口)投与後のMTXの濃度-時間プロフィール、及び15mg MTXのSC(皮下)投与後のMTXの濃度-時間プロフィールを示す。
【
図2】IR(即時放出)ミニタブレットの0.1N HCl中の放出プロフィールを示す。
【
図3】IR(即時放出)ミニタブレットのリン酸緩衝液pH6.8中の放出プロフィールを示す。
【
図4】25% HPMCフィルムでコーティングされたミニタブレットからの放出を示す。
【
図5】22.5% HPMCフィルムでコーティングされたミニタブレットからの放出を示す。
【
図6】経口即時放出投薬5~25mg(ng/ml
*min)の薬物動態学プロフィールのシミュレーションを示す。
【
図7】2時間間隔で与えられた2用量のMTXの薬物動態学プロフィールの計算値を示す。10mgの迅速放出及び5mgの遅い放出:第1用量についてのKaは、1.48(即時放出)であり、第2用量についてのKaは、0.7である。AUC(0~24h)=1711ng/mL
*hr。
【
図8】2時間間隔で与えられた2用量のMTXの薬物動態学プロフィールの計算値を示す:10mgの迅速放出及び10mgの遅い放出:第1用量についてのKaは、1.48(即時放出)であり、第2用量についてのKaは、0.22である。第2用量についてのF=80%。AUC(0~24h)=2000ng/mL
*hr。
【
図9】2時間間隔で与えられた2用量のMTXの薬物動態学プロフィールの計算値を示す:12.5mgの迅速放出及び12.5mgの遅い放出:第1用量についてのKaは、1.48(即時放出)であり、第2用量についてのKaは、0.22である。AUC(0~24h)=2657ng/mL
*hr。Cmaxは、「飽和レベル」の時点である。
【
図10】遅延放出ミニタブレットの溶解プロフィールを示す(120分間以内に80%放出された)。
【
図11】遅延放出ミニタブレットの溶解プロフィールを示す(180分間以内に80%放出された)。
【
図12】遅延放出ミニタブレットの溶解プロフィールを示す(240分間以内に80%放出された)。
【
図13】本発明の好ましい実施形態の溶解プロフィールのシミュレーションを示す。直線は、放出が線形であった場合にプロフィールがどのように見えるかを示す。
【発明を実施するための形態】
【0195】
挙げられた全ての参考文献は、参考として組み込まれる。
【0196】
添付の図面及び実施例は、本発明を限定するよりもむしろ説明するために提示される。本発明の局面、実施形態、請求項及び任意の事項が、組み合わせられてもよいことは、当業者には明らかであろう。
【0197】
別段に言及しない限り、全ての百分率は、重量/重量である。別段に言及しない限り、全ての測定は、標準的条件(周囲温度及び周囲圧)の下で行われる。別段に言及しない限り、試験条件は、European Pharmacopoeia 8.0にしたがう。
【実施例】
【0198】
実施例1
メトトレキサートミニタブレットの開発
ミニタブレット(又はペレット)処方物を、用量を腸内に投薬から最大4時間以内に送達するために、即時放出で及び遅延時間/バースト放出で開発する。次いで、これらの異なる処方物は、カプセル中に組合され得、従来のタブレットと比較してバイオアベイラビリティを増大し得る。異なる処方物が、所望の量のメトトレキサート及び所望の放出プロフィール(単数又は複数)を提供し得る。
物質:メトトレキサート二ナトリウム、微結晶性セルロース、乳糖一水和物、乳糖一水和物(噴霧乾燥)、デンプングリコール酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、エチルセルロース7cps、ヒプロメロース3cps、エタノール96%、精製水。
【0199】
メトトレキサートは、酸(分子量:454.4)又は二ナトリウム塩(分子量:498.40)のいずれかとして存在する。医薬品においては、メトトレキサートは、酸として申告されているが、しばしば、水中に溶けやすい二ナトリウム塩(換算計数1.096)として添加されている;酸は、実質的に水中に不溶性である。
【0200】
メトトレキサート二ナトリウム塩を、Fermion、Finlandから供給した。
【0201】
初期フィルムコーティング実験のために、偽薬ミニタブレットを社内で製造し、乳糖一水和物(67%)、微結晶性セルロース(27%)、クロスカルメロースナトリウム(5%)及びステアリン酸マグネシウム(1%)で構成して、及びメトトレキサートミニタブレットについて使用したサイズと類似した器具で圧縮した。
【0202】
使用した主要な装置を表1に挙げる。
【0203】
【0204】
方法
目的は、2つ又は3つの放出プロフィールを有する15mgの用量のメトトレキサートである。第1プロフィールは、即時放出(IR)であって、後者のプロフィールは、投薬後3~4時間以内に用量を送達しなければならない。
【0205】
3つまでの放出プロフィールについて、各プロフィールは、5mgの用量を保持できる。これを、小さなカプセルサイズ(3×11ミニタブレット)中に含まれるように、各7.0mgのタブレット重量を有する11のミニタブレットに調合する。
【0206】
賦形剤を、市販の製品(例えば微結晶性セルロース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、二酸化ケイ素及び乳糖一水和物を含むEmthexate(TEVA))において使用されているものから選択した。
【0207】
メトトレキサート溶解
メトトレキサート溶解を、以下のパラメーターを使用して試験した:
USP溶解<711>、装置2
溶出溶媒:0.1N HCl
500mL溶出溶媒、75RPM
サンプル採取時間:30分毎、6時間まで。
サンプルを、HPLC又は303nmでのUV吸光を用いて定量した。
【0208】
結果及び考察
実験室実験
第1の混合実験は、直接圧縮が可能であったか、又は造粒が導入されるべきであったか否かの試験であった。調合は、類似の調合原則による、より初期の実験に基づいていた(表2)。第2の調合においては、微結晶性セルロースを乳糖一水和物で置き換えたが、他の調合は同一であった。
【0209】
ステアリン酸マグネシウムを除く成分を、350mL容器において、Turbulaミキサー内で22rpmにて5分間にわたり混合した。ステアリン酸マグネシウムを添加し、1分間にわたって混合した。
【0210】
【0211】
ミニタブレットを、2mm器具を用い、Diafシングルパンチタブレットプレスにおいて圧縮した。工程内対照は、タブレット重量(40ミニタブレット)及びタブレット厚及び破砕性(1gの生成物を、5分間にわたり、45rpmにて、Turbulaミキサーにおいて試験した)であった。この混合物を十分に圧縮した;データを、表3に提示する。
【0212】
第3バッチであるRD1907-3-T1を、RD1907-1-T1と同じ組成で圧縮し、コーティング実験のために充分なミニタブレットを得た。
【0213】
【0214】
活性ミニタブレットを、偽薬ミニタブレットと混合し、STREA流動床におけるフィルムコーティングを可能にした。活性タブレットは、APIからの黄色であり、ミニタブレットは、コーティング後に容易に選別できた。典型的に、10gの活性ミニタブレットを使用した;コーティングバッチサイズは、300gであった。
【0215】
IR処方物を達成するために、ミニタブレットを、HPMCフィルムでコーティングした(表4)。エチルセルロースに基づきフィルム中に孔を形成するためにヒプロメロースを加えた、種々のバリアフィルムを製造し、ミニタブレットの上にコーティングして、遅延バースト放出を達成した。フィルム中のヒプロメロースの含量を減らすことにより、フィルムの遅延放出が改善した。
【0216】
【0217】
表5は、STREA流動床におけるフィルムコーティングについての、標準的プロセスパラメーターを示す。特定の重量を得ると、流動床が停止し、サンプルを、溶解について試験するために採取した。
【0218】
【0219】
IR製品
バッチRD1907-1-T1を、HPMCフィルムでコーティングし、バッチRD1907-1-T1-C1とした。このコーティングプロセスを、15%重量獲得時に停止し、ミニタブレットを、3種の媒体(0.1N HCl、リン酸緩衝液pH6.8及び0.9%生理食塩水)における溶解において試験した。5mgのメトトレキサートに相当する11のミニタブレットを、500mL媒体中75rpmにて試験した。メトトレキサートが使用した媒体に対して個別に15分間以内に放出されたことを証明する結果を、
図2及び
図3に示す。
【0220】
遅延放出製品
バッチRD1907-1-T1及びRD1907-2-T1を、20% HPMCフィルムでコーティングしてそれぞれバッチRD1907-1-T1-C2及びRD1907-2-T1-C1とし、15%、17.5%及び20%重量獲得後にサンプル採取した(
図5)。放出速度は、放出が開始する前の遅延を達成することがない場合に遅すぎること、及び4時間以内に完全に(80%を超えて)放出されるバッチがなかったことが、分かった。さらに、バッチRD1907-2-T1-C1は、バッチRD1907-1-T1-C2と比較してよりゆっくりと及びより不完全に放出され、これは、異なるフィラーを有するコアタブレットによって起きたことに間違いなかった。このコア組成は、本処方物について最適ではないかもしれない。
【0221】
より急速な放出及び遅延時間を達成するために、バッチRD1907-1-T1及びRD1907-3-T1を、第125% HPMCフィルム(
図4)でコーティングし、次に22.5% HPMCフィルムでコーティングした(
図5)。
【0222】
25% HPMCフィルムにより、放出のない遅延時間が、15%又はそれより多い重量獲得によって達成された。放出は、最初に開始されたときは20% HPMCフィルムよりも速かったが、フィルム厚/重量獲得によって減速した。
【0223】
20%重量獲得により、1時間~1時間半の遅延時間が達成され、用量の80%が、3時間後に放出された。しかし、2時間以降の放出速度は、低かった(30分毎に10%)。
【0224】
22.5% HPMCフィルムによって非常に類似した結果が達成されたが、重量獲得はより低かった。このフィルムによる15%の重量獲得は、25% HPMCフィルムによる20%の重量獲得と同じ結果を出した。22.5% HPMCフィルムにより、より長い遅延時間を達成すること及びなお許容可能な放出速度を有することが可能であった。
【0225】
結論
全て15分間と4時間との間にメトトレキサートを放出する、異なる放出プロフィールを有するミニタブレットを、開発した。これらの処方物から、2つ又は3つの放出プロフィールを選択し、胃と腸にわたって間隔をあけて用量を送達することができる。
【0226】
2つの等用量の、即時放出のMTX(ka=1.48)及びゆっくりした放出のMTX(第1用量の2時間後に放出される(ka=0.22)とシミュレーションした)の組み合わせは、MTXの高曝露を与えるとみられる。第2用量は、小腸のより低い部分からの吸収効力の低さに起因して、第1用量と比較してより低い、80%のバイオアベイラビリティを有すると予測される。およそ200ng/mlより低い血漿濃度をもたらす放出は、MTXの胃からの吸収の線形範囲であると考えられる。異なるインビトロ放出プロフィールを有するミニタブレットの組み合わせは、MTXの皮下投薬の薬物動態学プロフィールを模倣する、より良いバイオアベイラビリティをもたらし得る。
【0227】
この実験及び計算は、RD1907-3-T1-C1 20% WG及びRD1907-3-T1-C2 17.5% WGと組み合わせた即時放出プロフィールが、ミニタブレットの最良の組み合わせを提供すると信じられることを示す。
【0228】
【0229】
【0230】
【0231】
【0232】
【0233】
【0234】
【0235】
シミュレーションし、提案された組み合わせは、以下のデータ及び結果に基づいている:
【0236】
【0237】
【0238】
【0239】
実施例2
本実施例において、本質的に実施例1において記載した方法を用いて、ミニタブレットを調製した。
【0240】
以下の成分の混合物を調製した:
微結晶性セルロース 260g
デンプングリコール酸ナトリウム 520g
乳糖 404.82g
ステアリン酸マグネシウム 13g
メトトレキサート 102.18g
【0241】
この混合物を、ステアリン酸マグネシウムを除く成分を5分間にわたってTurbalaミキサー内で5分間にわたって混合し、その後、ステアリン酸マグネシウムを加えてさらに60秒間撹拌し続けることによって得た。
【0242】
この混合物を、Diafシングルパンチタブレットプレスを用い、2mm器具を用いて圧縮して、ミニタブレットにした。
【0243】
形成したミニタブレットは、各々0.417mgのメトトレキサートを含んでいた(12のミニタブレットが、合計で5mgのメトトレキサートを含むことに相当する)。ミニタブレットを、コーティングし、放出プロフィールにしたがって着色した。以下のミニタブレットを、調製した。
即時放出 赤
ERミニタブレットA 黄
ERミニタブレットB 白。
【0244】
ERミニタブレットは、メトトレキサートの遅延放出を提供し、メトトレキサートの放出は、ERミニタブレットAと比較して、ERミニタブレットBについてよりゆっくりであった。
【0245】
後続の医薬組成物を、カプセルの形態で、これらのミニタブレットの組み合わせを用いて調製した:
【0246】
【0247】
実施例3
即時放出ペレットのみを含む5mg又は10mgのメトトレキサートを含むカプセル、及び即時放出ペレットと遅延放出ペレットとの両方を含む15mg、20mg又は25mgを含むカプセルを、実施例1に記載の通りに提供した。
【0248】
カプセルを、室温(25℃)及び60%総体湿度で閉鎖容器内に置き、3ヶ月間保存した。
【0249】
カプセルについての溶解プロフィールを、開始時(T=0)及び3ヶ月保存の後で決定した。
【0250】
【0251】
この結果は、上記医薬組成物が、所望の放出プロフィールである、4時間後に80%を超える放出を有すること、及び選択した条件(25℃、60%相対湿度)の下での3ヶ月保存後に所望の放出プロフィールを維持していることを示す。
【国際調査報告】