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特表2023-510978ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル
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  • 特表-ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-15
(54)【発明の名称】ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20230308BHJP
【FI】
A61B34/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022544135
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(85)【翻訳文提出日】2022-07-19
(86)【国際出願番号】 CN2020083457
(87)【国際公開番号】W WO2021147177
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】202010067542.6
(32)【優先日】2020-01-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522287673
【氏名又は名称】上海奥朋医▲療▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 蒙
(72)【発明者】
【氏名】王 坤▲東▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陸▼ 清声
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 道志
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 奕▲コン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲虞▼ 忠▲偉▼
(57)【要約】
本発明は、ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルを提供し、スライドガイドレール、固定底板、接続ロッド、操作グリップ、圧力感知装置、回転駆動装置及びリニアモータを含み、回転駆動装置、スライドガイドレール及びリニアモータの固定子部は固定底板に設けられ、圧力感知装置、リニアモータの可動子部はスライダを介してスライドガイドレールに接続され、スライドガイドレールに沿って往復移動することができ、接続ロッドの一端に操作グリップが設けられ、接続ロッドは圧力感知装置、回転駆動装置を順番に貫通し、接続ロッドの他端は引張圧力センサを介してリニアモータの可動子部に接続される。本発明は、前端のガイドワイヤー/カテーテルの推進プロセスにおける接触力をリアルタイムにフィードバックして、抵抗に変換して操作者の手にフィードバックし、医師に良好な臨場感を提供することができ、操作ハンドルの操作精度が高くなり、且つ技術的な実現難易度及びコストが低くなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライドガイドレールと、固定底板と、接続ロッドと、操作グリップと、圧力感知装置と、回転駆動装置と、リニアモータと、を含み、
前記回転駆動装置、前記スライドガイドレール及び前記リニアモータの固定子部は、前記固定底板に設けられ、
前記圧力感知装置及び前記リニアモータの可動子部は、スライダを介して前記スライドガイドレールに接続され、前記スライドガイドレールに沿って往復移動することができ、
前記接続ロッドの一端には、前記操作グリップが設けられ、前記接続ロッドは、前記圧力感知装置、前記回転駆動装置を順番に貫通し、前記接続ロッドの他端は、引張圧力センサを介して前記リニアモータの前記可動子部に接続される、
ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項2】
前記圧力感知装置は、薄膜圧力センサと、第1すべり軸受と、回転スライドリングと、を含み、
前記薄膜圧力センサは、前記操作グリップの表面に包まれ、
前記第1すべり軸受及び前記回転スライドリングは、前記スライドガイドレールに設けられ、
前記薄膜圧力センサは、前記回転スライドリングに電気的に接続され、前記回転スライドリングは、メインコントローラに外部接続される、
請求項1に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項3】
第2すべり軸受をさらに含み、前記第2すべり軸受は、前記固定底板に固定され、前記第1すべり軸受及び前記第2すべり軸受は、前記接続ロッドを支持する、
請求項2に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項4】
前記回転駆動装置は、固定座と、ロータリエンコーダと、回転駆動板と、回転駆動ロッドと、を含み、
前記ロータリエンコーダは、前記固定座に取り付けられ、前記回転駆動ロッドは、前記ロータリエンコーダの回転子に接続され、
前記回転駆動板は、前記接続ロッドに固定され、前記回転駆動板の両端には、接続孔があり、前記回転駆動板は、前記接続孔を介して前記回転駆動ロッドに接続され、
前記接続ロッドは、前記回転駆動板を回転させ、さらに前記回転駆動ロッドを介して前記ロータリエンコーダを回転させることができる、
請求項1に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項5】
前記回転駆動板は、前記接続孔を介して前記回転駆動ロッド上をスライドすることができる、
請求項4に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項6】
スラスト軸受をさらに含み、前記スラスト軸受は、一端が前記接続ロッドに接続され、他端が前記引張圧力センサに接続される、
請求項1に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項7】
前記リニアモータは、センサを介して前記リニアモータの可動子の移動距離及び速度をメインコントローラに返送する、
請求項1に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【請求項8】
前記センサは、格子スケール、磁気スケール、距離計又はPCB基板距離センサを含む、
請求項7に記載のガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術ロボットの操作分野に関し、具体的には、ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、心脳血管疾患は、徐々に人々の身体健康を脅かす主要な要因の1つとなっている。低侵襲介入手術は、精確で、高速で、創傷が小さいという利点を有するため、徐々に心血管疾患を治療する主な手段の1つとなっている。しかしながら、血管介入手術は、X線の補助の下で完了する必要があり、手術医師は、長期にわたってX線に暴露しなければならない。介入手術医師の作業環境を緩和するために、医師の代わりに血管介入ロボットが工学的に開発されて低侵襲介入手術を完了し、医師は、遠隔操作又は遠隔制御操作により、X線のない環境で血管介入手術ロボットを制御して血管介入手術を完了させる。現在、介入手術ロボットの制御を実現する方式には、タッチスクリーンと操作ハンドルの2種がある。血管介入手術は、操作医師によるガイドワイヤーカテーテルの制御及びフィードバックの感覚に依存するため、操作ハンドルは、例えば、ガイドワイヤーの進退、回転などの操作コマンドを手術ロボットに発行することを完了できる必要があるだけでなく、ガイドワイヤーカテーテルの推進プロセスにおける抵抗を操作者の手にフィードバックして、医師が現在のガイドワイヤー/カテーテルの血管での状態を判断するのを助ける必要がある。ガイドワイヤー/カテーテルの推進抵抗フィードバックの重要性は、医師の手術臨場感を高め、手術の安全性を向上させ、医療事故のリスクを低減させることである。
【0003】
タッチスクリーンによる制御とは、タッチスクリーンの仮想ボタンを介して血管介入手術ロボットがガイドワイヤー/カテーテルの推進又は回転動作を行うように制御することである。この制御方式は、医師の実際の手術動作とは何の関係もない。
【0004】
Catheter Robotics社により開発されたAmigo遠隔血管介入手術ロボットシステムは、内視鏡の制御ハンドルと同様の操作ハンドルを用いて血管介入手術ロボットの移動を制御して、ガイドワイヤー/カテーテルの軸方向移動、回転移動及びカテーテルの前端の曲げ角度を制御する。Corindus Vascular Robotics社により開発されたCorpathシステムは、ゲームパッドのようなものを用いて介入ロボットによるカテーテル/ガイドワイヤーの制御を完了する。以上の2種の制御ハンドルは、同様に医師の実際の手術動作とは何の関係もない。
【0005】
カナダのウェスタンオンタリオ大学は、実際のカテーテルガイドワイヤーに基づいて血管介入手術ロボットの操作ハンドルを体系的に開発している。実際のガイドワイヤーカテーテルと同様の操作方式を用いるため、このハンドルは、医師の介入手術における手部動作を完全に再現することができる。しかしながら、依然としてガイドワイヤー/カテーテルの血管内部での触覚フィードバックを医師に提供することができない。
【0006】
いくつかの学術機関は、血管内介入手術におけるガイドワイヤーカテーテルの力フィードバックを研究している。日本の芝浦工業大学は、電気粘性流体を電流制御することによりガイドワイヤー/カテーテルの血管での抵抗の状況をフィードバックする。中国のハルビン工業大学は、ローラの方式で制御し、且つガイドワイヤー/カテーテルの操作及び制御を行い、ローラの回転抵抗を用いてロボットの操作前端の抵抗を反映する。天津理工大学は、力フィードバック媒体として磁気レオロジー液体を用いることを探索している。深セン先進技術研究院は、モータを用いて力フィードバックを行って主端の操作を実現する。
【0007】
現在の解決手段及び方案から見れば、血管介入手術ロボットの操作ハンドルは、主に介入手術ロボットのコントローラを主とし、遠隔介入手術ロボットに移動指令を発行し、カテーテル/ガイドワイヤーの回転、押し引き及び複合動作を制御する。この機能を満たす方案及び手段は成熟している。現在の難点は、依然としてガイドワイヤー/カテーテルの血管での抵抗を反映する力フィードバックを操作医師に提供することであり、特に、医師の実際の操作動作をシミュレートできると同時に、力フィードバックを提供できる操作ハンドルの解決方案を提供することである。特に、リアルタイム性能、動的性能、回転及び進退並進移動の間の作用力結合などでは、新たな原理及び構造を探索する必要がある。
【0008】
現在、国際的にも国内的にも、血管内介入手術プロセスにおける医師の操作動作を回復できるだけでなく、ガイドワイヤー/カテーテルの血管内移動中の抵抗のフィードバックを医師に提供できるという成熟した操作ハンドルの方案はまだない。現在の解決方案は、依然として実験段階にあり、その製造難易度が高く、技術的要件が高く、制御難易度、研究開発及び製造コストが高い。
【発明の概要】
【0009】
従来技術における欠陥に対して、本発明の目的は、ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルを提供することである。
【0010】
本発明に係るガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルは、スライドガイドレール、固定底板、接続ロッド、操作グリップ、圧力感知装置、回転駆動装置及びリニアモータを含み、
回転駆動装置、スライドガイドレール及びリニアモータの固定子部は、固定底板に設けられ、
圧力感知装置及びリニアモータの可動子部は、スライダを介してスライドガイドレールに接続され、スライドガイドレールに沿って往復移動することができ、
接続ロッドの一端には、操作グリップが設けられ、接続ロッドは、圧力感知装置、回転駆動装置を順番に貫通し、接続ロッドの他端は、引張圧力センサを介してリニアモータの可動子部に接続される。
【0011】
好ましくは、前記圧力感知装置は、薄膜圧力センサ、第1すべり軸受及び回転スライドリングを含み、
薄膜圧力センサは、操作グリップの表面に包まれ、
第1すべり軸受及び回転スライドリングは、スライドガイドレールに設けられ、
薄膜圧力センサは、回転スライドリングに電気的に接続され、回転スライドリングは、メインコントローラに外部接続される。
【0012】
好ましくは、第2すべり軸受をさらに含み、第2すべり軸受は、固定底板に固定され、第1すべり軸受及び第2すべり軸受は、接続ロッドを支持する。
【0013】
好ましくは、前記回転駆動装置は、固定座、ロータリエンコーダ、回転駆動板及び回転駆動ロッドを含み、
ロータリエンコーダは、固定座に取り付けられ、回転駆動ロッドは、ロータリエンコーダの回転子に接続され、
回転駆動板は、接続ロッドに固定され、回転駆動板の両端には、接続孔があり、回転駆動板は、接続孔を介して回転駆動ロッドに接続され、
接続ロッドは、回転駆動板を回転させ、さらに回転駆動ロッドを介してロータリエンコーダを回転させることができる。
【0014】
好ましくは、回転駆動板は、接続孔を介して回転駆動ロッド上をスライドすることができる。
【0015】
好ましくは、スラスト軸受をさらに含み、前記スラスト軸受は、一端が接続ロッドに接続され、他端が引張圧力センサに接続される。
【0016】
好ましくは、前記リニアモータは、センサを介してリニアモータの可動子の移動距離及び速度をメインコントローラに返送する。
【0017】
好ましくは、前記センサは、格子スケール、磁気スケール、距離計又はPCB基板距離センサを含む。
【0018】
従来技術に比べて、本発明は以下の有益な効果を有する。
【0019】
1、本発明により設計された操作ハンドルの操作方式は、医師の実際の手術動作を完全に複製し、医師は、わずかな学習プロセスによりハンドルの操作方式に適応することができる。
【0020】
2、本発明に係る操作ハンドルは、前端のガイドワイヤー/カテーテルの推進プロセスにおける接触力をリアルタイムにフィードバックして、抵抗に変換して操作者の手にフィードバックし、医師に良好な臨場感を提供することができる。
【0021】
3、本発明に係る操作ハンドルは、操作精度が高く、直線距離分解能が7μmに達し、回転角度分解能が0.08°に達し、力フィードバック分解能が0.5gに達することができる。
【0022】
4、本発明に係る操作ハンドルで使用されるすべての部品は完成品であり、技術的な実現難易度及びコストが低く、実際の応用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
以下の図面を参照して非限定的実施例に対して行った詳細な説明を閲読することにより、本発明の他の特徴、目的及び利点はより明らかになる。
図1図1は血管介入手術ロボットの操作ハンドルの構成図である。
図2図2は血管介入手術ロボットの操作ハンドルの構成図である。
図3図3は力フィードバックハンドルの制御ロジック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、具体的な実施例を参照しながら、本発明について詳細に説明する。以下の実施例は、当業者が本発明をさらに理解するのに寄与するものであるが、任意の形式で本発明を制限するものではない。なお、当業者であれば、本発明の発想から逸脱することなく、さらに複数の変化や改良を行うことができる。これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【0025】
図1図3に示すように、本発明に係るガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルは、血管介入手術における医師の操作動作をシミュレートし、血管介入手術中に医師がガイドワイヤー/カテーテルを推進及び回転する動作を再現し、それにより前端の介入手術ロボットを制御してカテーテル、ガイドワイヤーの把持、押し込み及び回転を完了させる。医師の操作動作が複合動作であるため、操作ハンドルは、医師の操作動作を分離する必要がある。また、力センサ及び動力アクチュエータにより押し込みプロセスにおけるガイドワイヤーカテーテルの血管での抵抗を操作ハンドルにフィードバックして、操作医師に伝達することにより、医師が、介入手術におけるガイドワイヤーカテーテルの推進がスムーズであるか否かを判断するのを助ける。二自由度(直線移動及び回転)機構が血管介入手術における医師の操作動作を再現することを実現する。具体的には、ガイドワイヤーカテーテルの推進抵抗フィードバックを備えた血管介入ロボットの操作ハンドルは、薄膜圧力センサ1、支持すべり軸受2、回転スライドリング3、接続ロッド4、回転駆動ロッド5、回転駆動板6、ロータリエンコーダ7、固定座8、双方向スラスト軸受9、引張圧力センサ10、リニアモータ11、スライドガイドレール12、固定底板13及び操作グリップ14を含む。ガイドレール12、リニアモータ11の固定子部及び固定座8は固定底板13に固定される。回転スライドリング3、リニアモータ11の可動子部及び1つのすべり軸受2はスライダを介してスライドガイドレール12に接続され、スライドガイドレール12に沿って直線移動することができる。中空型のロータリエンコーダ7は固定座8を介して底板に固定される。操作グリップ14、回転駆動板6、スラスト軸受9及び引張圧力センサ10は接続ロッド4に接続される。接続ロッド4は支持すべり軸受2により支持され、支持すべり軸受2内を直線的にスライド及び回転することができる。薄膜圧力センサ1は操作グリップ14の表面に貼り付けられる。回転駆動板6は接続ロッド4に固定され、両端に開孔があり、開孔を介して回転駆動ロッド5に接続される。回転駆動板6は接続孔を介して回転駆動ロッド5上をスライドすることができる。回転駆動ロッド5はロータリエンコーダの回転子に接続される。スラスト軸受9は、一端が接続ロッド4に接続され、他端が引張圧力センサ10に接続される。最後に、引張圧力センサ10を介して接続ロッド4とリニアモータ11の可動子を接続する。また、他の引張圧力センサ10は、遠隔介入操作ロボットのガイドワイヤー/カテーテル推進機構に配置され、ガイドワイヤー/カテーテルの推進プロセスにおける推進力を測定することに用いられる。
【0026】
本発明はさらに変形例を提供し、薄膜圧力センサ1、支持すべり軸受2、回転スライドリング3、接続ロッド4、ロータリエンコーダ7、引張圧力センサ10、リニアモータ11、固定座8、スライドガイドレール12を含む。スライドガイドレール12、リニアモータ11の固定子部及び固定座8は固定底板13に固定される。回転スライドリング3、ロータリエンコーダ7、リニアモータ11の可動子部及び支持すべり軸受2はスライダを介してスライドガイドレール12に接続され、スライドガイドレール12に沿って直線移動することができる。操作グリップ14、ロータリエンコーダ7は接続ロッド4に接続される。接続ロッド4は支持すべり軸受2及びロータリエンコーダ7の回転端により支持され、支持すべり軸受2内を直線的にスライド及び回転することができる。薄膜圧力センサ1は操作グリップ14の表面に貼り付けられる。ロータリエンコーダ7の固定端は引張圧力センサ10を介してリニアモータ11の可動子部に接続される。
【0027】
本発明の作動原理は以下のとおりである。
【0028】
血管内介入手術の動作は、医師の指の把持/解放動作(ガイドワイヤー/カテーテルを把持する)、医師の手部の直線押し込み動作(ガイドワイヤー/カテーテルを直線前進するように押し込む)、及び医師の指のひねり動作(ガイドワイヤー/カテーテルを回転する回転移動)の3つの基本的な動作で構成される。
【0029】
I:医師の指の把持/解放動作の実現:医師は、操作グリップ14を握ってハンドルを操作し、把持力の大きさを制御することにより把持力を制御する。操作グリップ14の表面に薄膜圧力センサ1が包まれる。薄膜圧力センサ1は、医師の把持力を電流信号に変換して回転スライドリング3を介してメインコントローラに返送する。メインコントローラは、薄膜圧力センサ1の電流の有無により医師の把持動作を判断する。薄膜圧力センサ1が圧力を検出した場合、医師が把持動作を行うことが示され、このとき、遠隔介入ロボットの把持機構がガイドワイヤー/カテーテルを把持するように制御する。薄膜圧力センサ1が圧力を検出していない場合、医師が解放動作を行うことが示され、このとき、遠隔介入ロボットの把持機構がガイドワイヤー/カテーテルを解放するように制御する。薄膜圧力センサ1はアナログ量信号であり、アナログ量信号の大きさにより医師の把持力の大きさを検出し、それにより遠隔介入ロボットの把持機構の把持力の大きさを調整する。
【0030】
II:医師の手部の直線押し込み動作の実現:医師は、操作グリップ14を介して接続ロッド4の移動を直線的に引張又は推進することによりガイドワイヤー/カテーテルの直線推進移動を制御する。接続ロッド4は双方向スラスト軸受9を介してリニアモータ11の可動子を移動させる。リニアモータ11の格子スケール(又は、磁気スケール、距離計、PCB基板距離センサ)により可動子の移動距離及び速度をメインコントローラに返送する。この距離及び速度は、医師の手部の押し込み距離及び速度を反映し、この距離及び速度により、遠隔介入手術ロボットの押し込み機構がガイドワイヤー/カテーテルを押し込む距離及び速度を制御する。
【0031】
III:医師がガイドワイヤーを回転するひねり動作の実現:医師は、操作グリップ14をひねることにより接続ロッド4を回転させてガイドワイヤー/カテーテルの回転移動を制御する。接続ロッド4の回転移動は回転駆動板6を回転させ、それにより回転駆動ロッド5を回転させる。回転駆動ロッド5の回転はロータリエンコーダ7を回転させて、医師のひねり動作の回転角度及び回転速度を得て、メインコントローラにフィードバックし、それにより、遠隔介入手術ロボットの回転機構がガイドワイヤー/カテーテルを回転する角度及び速度を制御する。
【0032】
遠隔介入手術ロボットの推進機構にも引張圧力センサが設けられ、前記引張圧力センサは、ガイドワイヤー/カテーテルの推進プロセスにおける抵抗の大きさを検出して、電気信号に変換してメインコントローラに返送する。メインコントローラは、ハンドル上の引張圧力センサ10が得た電流値が前端の引張圧力センサにより測定された電流値に等しくなるまで、前端の抵抗の電流の大きさに基づいてリニアモータ11の電流の大きさを調整して対応する推力又は張力を発生させる。操作者は、このとき、操作グリップ14を制御するため、リニアモータの推力/張力が接続ロッドを介して操作者にフィードバックすることができる。それにより、医師の手がガイドワイヤー/カテーテルの前進を推進するのと同様の抵抗が操作者に与えられる。
【0033】
本発明は、操作変位測定及びカテーテル/ガイドワイヤーの抵抗フィードバックとしてリニアモータ11を用いる。リニアモータ11自体の特性を用い、医師の押し込み距離を測定するセンサとしてその位置フィードバックが使用される。その位置制御モードを用いて操作ロッドを駆動して中間位置に自動的に戻し、そのトルク制御モードを用いて医師に推進力フィードバックを提供する。本発明は、回転スライドリング3、クランク状の揺動ロッド機構及びスラスト軸受(又は磁石)分離機構の多自由度と単一部材の単一自由度の移動衝突、及びケーブル無限回転の巻回防止の問題を解決する。中空の回転スライドリング3により、把持力センサの移動及び固定ケーブルの制約を分離する。把持力センサは、操作ロッドに固定接続され、操作ロッドに伴って直線移動及び回転移動することができ、その導線も操作ロッドとともに移動する。中空の回転スライドリング3により回転移動と直線移動を分離してケーブルの巻回問題を解決する。すべり軸受及びクランク状構造により操作ロッドの移動及びロータリエンコーダ7の回転移動を分離する。接続ロッド4、回転駆動板6及び回転駆動ロッド5はクランク構造を形成し、それにより接続ロッド4の直線移動に干渉することなく、接続ロッド4の回転角度及び回転速度を測定する。双方向スラスト軸受9又は磁石により操作ロッドの回転移動及びリニアモータ11の直線移動を分離する。接続ロッド4は、直線移動及び回転移動があり、二自由度移動に属する。リニアモータ11は、直線移動しかできない。双方向スラスト軸受9又は磁石により接続ロッド4の二自由度移動及びリニアモータ11の単一自由度移動を分離する。
【0034】
以上、本発明の具体的な実施例が説明されている。理解されるように、本発明は、上記特定の実施形態に限定されず、当業者は、本発明の実質的な内容に影響することなく、特許請求の範囲内に様々な変化や修正を行うことができる。矛盾がない場合、本願の実施例及び実施例における特徴を任意に互いに組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0035】
薄膜圧力センサ1
支持すべり軸受2
回転スライドリング3
接続ロッド4
回転駆動ロッド5
回転駆動板6
ロータリエンコーダ7
固定座8
双方向スラスト軸受9
引張圧力センサ10
リニアモータ11
スライドガイドレール12
固定底板13
操作グリップ14
図1
図2
図3
【国際調査報告】