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特表2023-511002持続分析物モニタリングシステムにおけるウェアラブル装置、ウェアラブル装置形成方法、およびウェアラブル装置のトランスミッタユニットの再利用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】持続分析物モニタリングシステムにおけるウェアラブル装置、ウェアラブル装置形成方法、およびウェアラブル装置のトランスミッタユニットの再利用方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1473 20060101AFI20230309BHJP
   A61B 5/1486 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61B5/1486
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022533437
(86)(22)【出願日】2021-01-22
(85)【翻訳文提出日】2022-06-03
(86)【国際出願番号】 EP2021051437
(87)【国際公開番号】W WO2021148596
(87)【国際公開日】2021-07-29
(31)【優先権主張番号】62/965,682
(32)【優先日】2020-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/111,347
(32)【優先日】2020-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/136,639
(32)【優先日】2021-01-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ベルクロ
(71)【出願人】
【識別番号】522093823
【氏名又は名称】アセンシア ディアベテス ケア ホールディングス エージー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】プレイス,ユージーン
(72)【発明者】
【氏名】アヴィロヴィキ,ドラガン
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,ジュニア,トーマス エー.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ヤング,キャメロン エム
(72)【発明者】
【氏名】ゴフマン,イゴール ワイ.
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL02
4C038KL09
4C038KY02
(57)【要約】
一つまたは複数の実施形態では、持続分析物モニタリングウェアラブル装置は、電源と分析物センサを有する使い捨てベースユニット、および分析物センサにバイアスを加え、分析物センサを流れる電流を測定し、および、一部の実施形態では、分析物センサを流れる測定された電流に基づいて分析物値を計算することもし得るように構成された電子回路を含む再利用可能なトランスミッタユニットを含む。使い捨てベースユニットは、再利用可能なトランスミッタユニットに連結され、持続分析物モニタリングのために、再利用可能なトランスミッタユニットの電子回路に電力を供給するように構成される。多数のその他の実施形態も提供される。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
持続分析物モニタリングウェアラブル装置であって:
トランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する基部;
少なくとも一つの電源;
前記センサアセンブリ支持位置内に位置付けられたセンサアセンブリ;ならびに、
前記基部および前記少なくとも一つの電源上に延在し、封入された基部を形成する封入層であって、前記トランスミッタユニットが前記基部の前記トランスミッタユニット支持位置に連結、およびそこから分離することができる取り付け領域を含む封入層、を含み、
前記封入された基部および少なくとも一つの電源が、使い捨てユニットを形成する、持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項2】
前記基部が電源支持位置を含み、前記少なくとも一つの電源が前記電源支持位置に位置付けられる、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項3】
前記トランスミッタユニット支持位置が、前記トランスミッタユニット支持位置内に位置付けられたトランスミッタユニットと前記少なくとも一つの電源との間を電気接続するように構成されるコネクタを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項4】
前記コネクタおよび前記コネクタと前記少なくとも一つの電源との間に延在する導電経路を含む前記基部に連結された回路基板をさらに含む、請求項3に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項5】
前記回路基板が可撓性回路基板である、請求項4に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項6】
前記センサアセンブリが、少なくとも一つのマイクロニードルを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項7】
前記センサアセンブリが、マイクロニードルの一つのアレイを含む、請求項6に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項8】
前記センサアセンブリが、間質液中のグルコース濃度を検出するように構成された分析物センサを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項9】
前記トランスミッタユニット支持位置が、前記トランスミッタユニット支持位置内に位置付けられたトランスミッタユニットと前記センサアセンブリのセンサとの間を電気接続するように構成されるコネクタを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項10】
前記トランスミッタユニット支持位置が、前記トランスミッタユニット支持位置にトランスミッタユニットを保持するように構成された少なくとも一つの保持部材を含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項11】
前記基部が、前記トランスミッタユニット支持位置の前記少なくとも一つの保持部材が前記トランスミッタユニット支持位置に位置付けられた任意のトランスミッタユニットを解放するように、前記基部が破壊することを可能にする破壊機構を含む、請求項10に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項12】
前記トランスミッタユニット支持位置に位置付けられたトランスミッタユニットをさらに含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項13】
前記トランスミッタユニットが:
回路基板;
前記センサアセンブリの分析物センサにバイアスを加え、持続分析物モニタリング中に前記分析物センサを通る電流を測定するように構成される電子回路;ならびに、
前記基部の前記トランスミッタユニット支持位置のコネクタに接続するように構成されたトランスミッタユニットコネクタ;ならびに、
前記回路基板および電子回路上に形成されたトランスミッタユニット封入層、を含む、請求項12に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項14】
前記電子回路が、前記分析物センサを通る測定された電流に関連する情報を外部CGM装置に送信するように構成されたトランスミッタをさらに含む、請求項13に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項15】
前記トランスミッタユニット封入層が、100℃未満の温度で形成された材料を含む、請求項13に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項16】
前記トランスミッタユニット封入層が、80℃未満の温度で形成された材料を含む、請求項15に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項17】
前記トランスミッタユニット封入層が、液状シリコーンゴムを含む、請求項13に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項18】
前記トランスミッタユニットが防水である、請求項13に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項19】
前記基部上に形成された前記封入層が、100℃未満の温度で形成された材料を含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項20】
前記基部上に形成された前記封入層が、80℃未満の温度で形成された材料を含む、請求項19に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項21】
前記基部上に形成された前記封入層が、液状シリコーンゴムを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項22】
前記持続分析物モニタリングウェアラブル装置が、トランスミッタユニットが前記トランスミッタユニット支持位置に位置付けられるとき、防水である、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項23】
前記基部および少なくとも一つの電源が位置付けられた予め成形された封入部分をさらに含み、前記封入層が前記予め成形された封入部分に対して封止する、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項24】
前記トランスミッタユニットが、前記トランスミッタユニット支持位置に位置付けられた再利用可能なトランスミッタユニットをさらに含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項25】
前記封入層が、開口部を通して前記トランスミッタユニットを前記基部から取り出すことを可能にする開口部を含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項26】
前記トランスミッタユニット支持位置が、前記トランスミッタユニットと接合して、前記トランスミッタユニットを前記センサアセンブリの分析物センサに、および前記トランスミッタユニットに電力を提供するように前記少なくとも一つの電源に電気的に連結するコネクタを含む、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項27】
前記分析物センサがグルコースセンサである、請求項26に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項28】
前記トランスミッタユニットが:
プロセッサ;
前記プロセッサに連結されたメモリ;ならびに、
前記プロセッサに結合されたトランスミッタ回路、を含み、
前記メモリが、その中に記憶されたコンピュータプログラムコードを含み、前記プロセッサによって実行されたときに、前記ウェアラブル装置に:
グルコースセンサおよびメモリを使用してグルコース信号を測定させ;
前記グルコース信号からグルコース値を計算させ;ならびに、
前記グルコース値を前記ウェアラブル装置のユーザに通信させる、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項29】
前記トランスミッタユニットが:
前記グルコースセンサに連結され、前記グルコースセンサによって生成された前記グルコース信号を測定するように構成される、電流検出回路;ならびに、
前記電流検出回路に連結され、前記測定されたグルコース信号からデジタル化されたグルコース信号を生成するように構成される、サンプリング回路、を含む、請求項28に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項30】
持続グルコースモニタリングシステムの部分を含み、前記持続グルコースモニタリングシステムが、携帯型ユーザ装置をさらに含み、前記携帯型ユーザ装置が、受信回路およびディスプレイを含み、前記ウェアラブル装置の前記トランスミッタ回路が、ユーザへの提示のために、前記携帯型ユーザ装置の前記受信回路に前記グルコース値を通信するように構成される、請求項28に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項31】
前記トランスミッタユニットが、少なくとも10個の新しい使い捨てベースユニットで再使用されるように構成される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項32】
前記トランスミッタユニットが、少なくとも20個の新しい使い捨てベースユニットで再使用されるように構成される、請求項31に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項33】
前記使い捨てユニットが、単一の分析物モニタリング期間の後に廃棄されるように構成され、
前記トランスミッタユニットが、前記単一の分析物モニタリング期間の後に前記使い捨てユニットから取り外され、新しい使い捨てユニットで再使用されるように構成される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項34】
前記単一の分析物モニタリング期間が7日以上である、請求項33に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項35】
前記トランスミッタユニットが電源を含まず、前記使い捨てユニットの前記少なくとも一つの電源から電力を受け取るように構成される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項36】
前記トランスミッタユニットが、前記使い捨てユニット内に嵌合するように構成される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項37】
前記使い捨てユニットと前記トランスミッタユニットの両方が防水である、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項38】
前記ウェアラブル装置が滅菌されている、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項39】
前記使い捨てユニットが滅菌され、前記トランスミッタユニットとは別に包装される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項40】
前記トランスミッタユニット支持位置に連結された前記トランスミッタユニットを含み、前記トランスミッタユニットが前記センサアセンブリの分析物センサにバイアスを加え、前記分析物センサを通る電流を測定し、前記分析物センサを通る測定された電流に基づいて分析物値を計算するように構成される電子回路を含み、前記使い捨てユニットが前記電子回路に電力を供給するように構成される、請求項1に記載の持続分析物モニタリングウェアラブル装置。
【請求項41】
持続分析物モニタリング中の使用のために構成されるウェアラブル装置であって:
センサアセンブリおよび電源を含む使い捨てベースユニット;ならびに、
前記使い捨てベースユニットと接合し、前記使い捨てベースユニットの前記電源から電力を受け取るように構成される再利用可能なトランスミッタユニット、を含み、
前記使い捨てベースユニットが、単一の分析物モニタリング期間の後で廃棄されるように構成され、
前記再利用可能なトランスミッタユニットが、前記単一の分析物モニタリング期間の後に前記使い捨てベースユニットから取り外され、別の使い捨てベースユニットで再使用されるように構成される、ウェアラブル装置。
【請求項42】
持続分析物モニタリングのためのウェアラブル装置であって:
電源および分析物センサを含む使い捨てベースユニット;ならびに、
前記分析物センサにバイアスを加え、前記分析物センサを通る電流を測定し、前記分析物センサを通る測定された電流に基づいて分析物値を計算するにように構成された電子回路を含む再利用可能なトランスミッタユニット、を含み、
前記使い捨てベースユニットが、前記再利用可能なトランスミッタユニットに連結され、前記再利用可能なトランスミッタユニットの前記電子回路に電力を供給するように構成される、ウェアラブル装置。
【請求項43】
持続分析物モニタリングの方法であって:
センサと電源を含む使い捨て部分、および前記使い捨て部分に連結された再利用可能部分であって、前記使い捨て部分から電力を受け取るトランスミッタユニットを含む再利用可能部分を有する、ウェアラブル装置を提供すること;
ユーザの分析物レベルをモニタリングするために前記センサ、前記電源、および前記トランスミッタユニットを採用すること;
前記トランスミッタユニットを含む前記再利用可能部分を前記使い捨て部分から分離すること;
前記再利用可能部分を、新しいセンサと新しい電源を有する新しい使い捨て部分に接続すること;ならびに、
前記新しい使い捨て部分の前記新しいセンサと前記新しい電源および前記トランスミッタユニットを採用して前記ユーザの分析物レベルをモニタリングすること、を含む、方法。
【請求項44】
持続分析物モニタリング中の使用のためのウェアラブル装置を形成する方法であって:
予め成形された部分を提供すること;
基部を前記予め成形された部分上に配置することであって、前記基部がトランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する、配置すること;
少なくとも一つの電源を前記予め成形された部分上に配置すること;
分析物センサを含むセンサアセンブリを前記センサアセンブリ支持位置内に配置すること;ならびに、
前記基部および前記少なくとも一つの電源上に延在し、前記予め成形された部分に対して封止する封入層を形成することであって、前記封入層を形成することが、前記取り付け領域で前記基部の前記トランスミッタユニット支持位置にトランスミッタユニットを取り付け、そこから取り外されることを可能にする、取り付け領域を形成することを含む、形成すること、を含む、方法。
【請求項45】
持続分析物モニタリング中の使用のためのウェアラブル装置を形成する方法であって:
トランスミッタユニット支持位置、電源支持位置、およびセンサアセンブリ支持位置を有する基部を提供すること;
少なくとも一つの電源を前記電源支持位置に配置すること;
分析物センサを含むセンサアセンブリを前記センサアセンブリ支持位置に配置すること;
開口部を有する封入部分を提供すること;ならびに、
少なくとも一つの電源およびセンサアセンブリを有する前記基部を、前記基部および封入部分が封止された使い捨てユニットを形成するように前記封入部分の前記開口部内に配置することであって、前記封止された使い捨てユニットが、トランスミッタユニットが前記基部の前記トランスミッタユニット支持位置に取り付けられ、かつそこから取り外されるように構成される、配置すること、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年1月24日に出願された「METHODS AND APPARATUS FOR REUSING TRANSMITTER ELECTRONICS OF A CONTINUOUS ANALYTE MONITORING DEVICE」と題する米国仮特許出願第62/965,682号、2020年11月09日に出願された「STERILIZED REUSABLE WEARABLE DEVICES AND WEARABLE DEVICE FORMING METHODS IN CONTINUOUS ANALYTE MONITORING」と題する米国仮特許出願第63/111,347号、および2021年1月12日に出願された「WEARABLE DEVICES, WEARABLE DEVICE FORMING METHODS, AND METHODS OF REUSE OF TRANSMITTER UNITS OF WEARABLE DEVICES IN CONTINUOUS ANALYTE MONITORING SYSTEMS」と題する米国仮特許出願第63/136,639号に対する優先権と利益を主張し、これらの各々は本出願のすべての目的のためにその全体が参照により本出願に援用される。
【0002】
本開示は、持続分析物モニタリング方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
持続グルコースモニタリング(CGM)などのインビボ持続分析物モニタリング(CAM)は、特に糖尿病ケアにおいて、ルーチン検出動作となっている。リアルタイムグルコース濃度モニタリングを提供することによって、治療/臨床行為をよりタイムリーに適用し得、血糖状態をより良好に制御し得る。
【0004】
CGM動作中、通常皮下に挿入されるCGMウェアラブル装置のバイオセンサは、組織および間質液に囲まれた環境で持続的に動作する。皮下に挿入されるバイオセンサは、CGMウェアラブル装置の無線CGMトランスミッタに信号を提供し、その信号はユーザの血糖値を示す。これらの測定は、一日を通して(例えば、数分毎、またはその他の適切な間隔で)、自動的に何度も行われ得る。
【0005】
CGMウェアラブル装置は、腹部、または上腕後部などのユーザの皮膚の外表面に貼付けられ得、一方、バイオセンサは、間質液に接触するように皮膚を通して挿入される。バイオセンサは間質液と相互作用し、間質液中に存在するグルコース量に比例する電気信号を生成する。これらの電気信号は、CGMトランスミッタに通信され、CGMリーダー装置またはソフトウェアアプリケーションを含むスマートフォンなどの外部装置にさらに通信され得、グルコース値の決定および様々な所望のフォーマットでのグルコース測定値の表示/通信を行うために使用され得る。
【0006】
患者にとって快適かつ費用対効果の良いCGMウェアラブル装置の作製は、依然として課題である。そのため、改善されたCGMウェアラブル装置、CGMシステム、およびCGM方法が望まれる。
【発明の概要】
【0007】
一部の実施形態では、持続分析物モニタリングウェアラブル装置が提供される。持続分析物モニタリングウェアラブル装置は、グルコースモニタリングなどの持続分析物モニタリングで使用するように構成される。持続分析物モニタリングウェアラブル装置は、トランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する基部;少なくとも一つの電源;センサアセンブリ支持位置に位置付けられたセンサアセンブリ;および、基部および少なくとも一つの電源上に延在し、封入された基部を形成する封入層であって、トランスミッタユニットが基部のトランスミッタユニット支持位置に連結、およびそこから分離することができる取り付け領域を含む、封入層を含む。封入された基部および少なくとも一つの電源は、使い捨てユニットを形成する。したがって、トランスミッタユニットは、新しいベースユニットから取り外し可能であり、かつ新しいベースユニットで再利用され得る。
【0008】
一部の実施形態では、持続分析物モニタリング中の使用のために、電源支持位置、トランスミッタユニット支持位置、およびセンサアセンブリ支持位置を有する基部;電源支持位置に位置付けられた少なくとも一つの電源;トランスミッタユニット支持位置に位置付けられた再利用可能なトランスミッタユニット;センサアセンブリ支持位置に位置付けられ、分析物センサを含む、センサアセンブリ;および、基部および少なくとも一つの電源上に形成された封入層であって、封入層の開口部を通して基部からトランスミッタユニットを取り出すことを可能にする開口部を含む、封入層、を含むウェアラブル装置が提供される。封入された基部および少なくとも一つの電源は、使い捨てユニットを形成する。トランスミッタユニット支持位置は、トランスミッタユニットと接合して、トランスミッタユニットをセンサアセンブリの分析物センサに、およびトランスミッタユニットに電力を提供するように少なくとも一つの電源に電気的に連結するコネクタを含む。
【0009】
一部の実施形態では、持続分析物モニタリングの間に使用するため、センサアセンブリと電源を有する使い捨てベースユニット、および使い捨てベースユニットと接合し、使い捨てベースユニットの電源から電力を受け取るように構成された再利用可能なトランスミッタユニットを含むウェアラブル装置が提供される。使い捨てベースユニットは、単一の分析物モニタリング期間後に廃棄されるように構成され、再利用可能なトランスミッタユニットは、単一の分析物モニタリング期間後、使い捨てベースユニットから取り外され、別の使い捨てベースユニットで再使用されるように構成される。
【0010】
一部の実施形態では、センサと電源を含む使い捨て部分、および使い捨て部分に連結された再利用可能部分であって、使い捨て部分から電力を受け取るトランスミッタユニットを含む再利用可能部分を有する、ウェアラブル装置を提供すること;ユーザの分析物レベルをモニタリングするためにセンサ、電源、およびトランスミッタユニットを採用すること;再利用可能部分を使い捨て部分から分離すること;再利用可能部分を、センサと電源を有する新しい使い捨て部分に接続すること;および、ユーザの分析物レベルをモニタリングするために、新しい使い捨て部分のセンサと電源、およびトランスミッタユニットを採用すること、を含む持続分析物モニタリングの方法が提供される。
【0011】
一部の実施形態では、センサおよび電源を有する使い捨てベースユニットを提供すること;センサをユーザの間質液領域に挿入すること;ベースユニットをユーザに取り付けること;再利用可能なトランスミッタユニットを、再利用可能なトランスミッタユニットが電源から電力を受信し、センサに連結されるように、使い捨てベースユニットに連結すること;トランスミッタユニットおよびセンサを、第一の所定時間にわたって、ユーザ内の分析物レベルをモニタリングするために採用すること;第一の所定時間後、使い捨てベースユニットをセンサと共にユーザから取り外すこと;再利用可能なトランスミッタユニットを使い捨てベースユニットから分離すること;新しい使い捨てベースユニットのセンサを、ユーザの間質液領域内に挿入すること;新しい使い捨てベースユニットをユーザに取り付けること;再利用可能なトランスミッタユニットを新しい使い捨てベースユニットに連結すること;および、新しい使い捨てベースユニットのトランスミッタユニットおよびセンサを、第二の所定時間にわたって、ユーザ内の分析物レベルをモニタリングするために採用すること、を含む、持続分析物モニタリングのための方法が提供される。
【0012】
一部の実施形態では、予め成形された部分を提供すること;基部を予め成形された部分上に配置することであって、基部がトランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する、配置すること;少なくとも一つの電源を予め成形された部分上に配置すること;分析物センサを含むセンサアセンブリをセンサアセンブリ支持位置に配置すること;および、基部および少なくとも一つの電源上に延在し、予め成形された部分に対して封止する封入層を形成することであって、封入層を形成することが、封入層の取り付け領域で基部のトランスミッタユニット支持位置にトランスミッタユニットを取り付け、そこから取り外されることを可能にする、取り付け領域を形成すること、を含む、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する方法が提供される。
【0013】
一部の実施形態では、少なくとも一つの電源およびセンサアセンブリをコネクタに連結すること;少なくとも一つの電源、センサアセンブリ、およびコネクタを成形ツール内に配置すること;および、取り付け領域によって、封止されたユニットのコネクタにトランスミッタユニットを取り付け、かつそこから分離させ、コネクタに取り付けられたときに少なくとも一つの電源から電力を受け取ることが可能となるように、少なくとも一つの電源およびセンサアセンブリの少なくとも一部分を封入して、取り付け領域を含む封止されたユニットを形成すること、を含む、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成するための方法が提供される。
【0014】
一部の実施形態では、トランスミッタユニット支持位置、電源支持位置、およびセンサアセンブリ支持位置を有する基部を提供すること;電源支持位置上に少なくとも一つの電源を配置すること;分析物センサを含むセンサアセンブリをセンサアセンブリ支持位置に配置すること;開口部を有する封入部分を提供すること;および、少なくとも一つの電源およびセンサアセンブリを有する基部を、基部および封入部分が封止された使い捨てユニットを形成するように封入部分の開口部内に配置することであって、封止された使い捨てユニットは、トランスミッタユニットが基部のトランスミッタユニット支持位置に取り付けられ、かつそこから取り外されるように構成される、配置すること、を含む、持続分析物モニタリング中の使用のためのウェアラブル装置を形成する方法が提供される。
【0015】
一部の実施形態では、電源および分析物センサを含む使い捨てベースユニット;および、分析物センサにバイアスを加え、分析物センサを通る電流を測定し、分析物センサを通る測定された電流に基づいて分析物値を計算するにように構成された電子回路を含む再利用可能なトランスミッタユニット、を含む、持続分析物モニタリングのためのウェアラブル装置が提供される。使い捨てベースユニットは、再利用可能なトランスミッタユニットに連結され、再利用可能なトランスミッタユニットの電子回路に電力を供給するように構成される。
【0016】
一部の実施形態では、予め成形された部分を提供すること;基部を予め成形された部分上に配置することであって、基部がトランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する、配置すること;分析物センサを含むセンサアセンブリをセンサアセンブリ支持位置に配置すること;および、封入層を形成することが、トランスミッタユニットが基部のトランスミッタユニット支持位置に取り付けられ、かつそこから取り外されることができる取り付け領域を形成すること、およびトランスミッタユニット支持位置に取り付けられたトランスミッタユニットに電力を提供するように封入層に挿入される少なくとも一つの電源のための少なくとも一つの電源開口部を形成するように、基部上に延在し、予め成形された部分に対して封止する封入層を形成すること、を含む、持続分析物モニタリングの間に使用するためのウェアラブル装置を形成する方法が提供される。
【0017】
一部の実施形態では、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置は、コネクタ位置、少なくとも一つの電源位置、およびその中に形成されたインサータ開口部を有する封入層を形成すること;コネクタをコネクタ位置に配置すること;少なくとも一つの電源を少なくとも一つの電源位置に配置すること;少なくとも一つの電源をコネクタに連結すること;および、分析物センサをコネクタに連結すること、を含む。封入層、コネクタ、少なくとも一つの電源、および分析物センサは、再利用可能なトランスミッタと接合し封止されたユニットを形成するように構成された使い捨てユニットを形成する。
【0018】
本開示による実施形態のその他の特徴、態様、および利点は、多くの例示的な実施形態および実装を説明することによって、発明の概要、特許請求の範囲、および添付図面からより完全に明らかになるであろう。本開示による様々な実施形態はまた、他の異なる応用も可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示の範囲を逸脱することなく、様々な点で修正され得る。
【図面の簡単な説明】
【0019】
以下に説明される図面は、例示を目的としたものであり、必ずしも正確な縮尺で描かれるとは限らない。したがって、図面および詳細な説明は、本質的に例示として見なされ、制限するものとして見なされるべきではない。図面は、本開示の範囲をいかなる方法でも制限することを意図するものではない。
【0020】
図1A図1Aおよび1Bはそれぞれ、本明細書に提供される実施形態による、CAMシステムで使用するために構成された持続分析物モニタリングウェアラブル装置の上面斜視図および側面図を示す。
図1B】同上。
【0021】
図1C図1Cは、本明細書で提供される通り、封入物を別個の要素として示した、使い捨てベースユニットおよび再利用可能なトランスミッタユニットを備えたウェアラブル装置の第一の例示的実施形態の分解斜視図を示す。
【0022】
図1D図1Dは、本明細書に提供される通り、そこから連結および離脱可能な図1Cの基部およびトランスミッタユニットの拡大斜視図を示す。
【0023】
図1E図1Eは、本明細書に提供される通り、それぞれ、トランスミッタユニットが基部のトランスミッタユニット支持位置内に位置付けられ、電源が基部の電源支持位置に位置付けられた状態にある、図1Cの基部およびトランスミッタユニットの拡大斜視図を示す。
【0024】
図1F図1Fは、本明細書に提供される通り、センサがセンサアセンブリ支持位置でセンサ開口部を貫通する際に、コネクタに連結されたセンサの異なる側面斜視図を示す。
【0025】
図1G図1Gは、本明細書で提供される通り、使い捨てベースユニットおよび再利用可能なトランスミッタユニットを含むウェアラブル装置の代替的一実施形態の分解図を示す。
【0026】
図1H図1Hおよび1Iは、本明細書に提供される通り、実施形態による、トランスミッタユニットが封入層の取り付け領域で使い捨てベースユニットに取り付けられ得る、ウェアラブル装置の代替的一実施形態の側面図を示し、図1Hは、取り外された状態のトランスミッタユニットを示し、図1Iは取り付けられた状態のトランスミッタユニットを示す。
図1I】同上。
【0027】
図2図2は、本明細書に提供される実施形態による、例示的なトランスミッタユニットおよび基部の分解図を示す。
【0028】
図3A図3Aは、一部の実施形態による、トランスミッタユニットをベースユニットに挿入する前のウェアラブル装置の断面側面図を示す。
【0029】
図3B図3Bは、一部の実施形態による、トランスミッタユニットをベースユニットに挿入された後のウェアラブル装置の断面側面図を示す。
【0030】
図4A図4Aおよび4Bはそれぞれ、本明細書に提供される別の例示的なウェアラブル装置の上面斜視図および分解側面斜視図を示す。
図4B】同上。
【0031】
図4C図4Cは、本明細書に提供される、別のウェアラブル装置の底面斜視図を示す。
【0032】
図4D図4Dは、本明細書に提供される、実施形態による、単一のマイクロニードルが使用されるウェアラブル装置の代替的一実施形態の底面斜視図を示す。
【0033】
図4E図4Eは、本明細書に提供される、実施形態による、ベースユニット内に挿入されたトランスミッタユニットを示す図4Aのウェアラブル装置の一部分の拡大断面図を示す。
【0034】
図5図5は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリングのための例示的方法のフローチャートを示す。
【0035】
図6図6は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリングのための別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0036】
図7図7は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する例示的方法のフローチャートを示す。
【0037】
図8図8は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0038】
図9図9は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する別の例示的方法のフローチャートを示す。
【0039】
図10A図10Aは、本明細書に提供される実施形態による、例示的CGMシステムの高レベルブロック図を示す。
【0040】
図10B図10Bは、本明細書に提供される実施形態による、図10Aに示された実施形態に類似するものの、構成要素の異なる分割を有する、一例示的CGMシステムを示す。
【0041】
図11図11は、本明細書に提供される一部の実施形態による、ベースユニットが、トランスミッタユニットがベースユニットに挿入される、またはそこから取り外されることを可能とする開口部を有する、ウェアラブル装置の分解底面図である。
【0042】
図12A図12Aは、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するための別のウェアラブル装置の上面斜視図を示す。
【0043】
図12B図12Bは、本明細書に提供される実施形態による、挿入装置、トランスミッタユニットまたは電源を有しない12Aのベースユニットの上面図である。
【0044】
図12C図12Cは、本明細書に提供される実施形態による、図12Aのウェアラブル装置の一部分の断面側面図である。
【0045】
図13A図13Aおよび13Bは、本明細書に提供される実施形態による、使い捨てベースユニットの別の例の上面図である。
図13B】同上。
【0046】
図14図14は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する方法のフローチャートを示す。
【0047】
図15図15は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する別の方法のフローチャートを示す。
【0048】
図16図16および図17は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリングウェアラブル装置の包装を示す。
図17】同上。
【発明を実施するための形態】
【0049】
人間のグルコースレベルをより厳密にモニタリングし、グルコースレベルのあらゆる変化を検出するために、持続グルコースモニタリング(CGM)の方法、装置、およびシステムが開発されている。CGMシステムは、持続電気化学的に生成された信号など、動作中にグルコース信号を「持続的に」生成するが、生成されたグルコース信号の測定は、真に連続的ではなく、通常は数分ごとに実施される。
【0050】
CGMシステムは一般に、手持ち式モニターもしくはリーダー、スマートフォン、またはその他のコンピューティングデバイスなどの外部装置と無線で通信するウェアラブル部分(ウェアラブル装置)を有する。ウェアラブル装置は、(例えば、少なくとも7~14日以上の第一の期間など、7日以上後に)取り外しおよび交換される前に、数日間着用され得る。ウェアラブル装置は、皮膚の下に位置するように挿入されるセンサを含む。ウェアラブル装置はまた、センサにバイアスをかけ、間質液と接触したときにセンサによって生成される電流信号を測定するように構成された回路(例えば、アナログ回路)も含む。ウェアラブル装置はさらに、測定された電流信号に基づいてグルコース値を決定するため、ならびにCGMシステムの外部装置にグルコース値を伝達するためになど、電流信号を処理するように構成された処理回路を含み、CGMシステムは、ウェアラブル装置および外部装置から構成される。ウェアラブル装置は、例えば、腹部、上腕の後部、または他の適切な身体の位置など、皮膚の外表面に取り付けられ得る。血液中のグルコース濃度を測定する、血糖モニタリング(BGM)システムとは異なり、CGMシステムは、(非直接的な毛細血管血を含む)間質液中のグルコース濃度を測定する。
【0051】
CGMシステムは、こうした各測定のたびに、指刺しなどによる血液試料の採取を伴う必要がない、人間のグルコースレベルの頻繁な測定を提供し得る。CGMシステムは、場合によっては、指刺し、およびCGMシステムの較正のための、バーゼルスイスのAscensia Diabetes Care AG社によるContour NEXT One(登録商標)などのBGMシステムの使用を依然として採用し得る。
【0052】
持続分析物モニタリングシステムのウェアラブル装置は、一般的に、七日以上、十日以上、または14日以上の間着用され、その後、取り外されて新しいウェアラブル装置と交換される。持続分析物モニタリングシステムのウェアラブル装置を七日毎、またはそれより頻繁に交換しなければならないと、持続分析物モニタリングの実施に係るコストが増大する。
【0053】
したがって、先行技術の問題を考慮すると、本明細書に記載の実施形態は、使い捨て部分および再利用可能部分を含む持続分析物モニタリング中の(例えば、外部装置と共に使用するための)ウェアラブル装置を提供する。使い捨て部分は、ウェアラブル装置、ならびに分析物センサのための電源を含み、一方で再利用可能部分は、例えば、分析物センサへバイアスを提供し、分析物センサを通して電流信号を測定し、および/または信号および/または情報を外部装置に送信するために使用される電子回路を含む。一部の実施形態では、ウェアラブル装置の再利用可能部分の電子回路はさらに、測定された電流信号に基づいて、グルコース濃度値などの分析物濃度値を計算し得る。一部の実施形態では、これらの分析物濃度値は、外部装置に送信され得る。
【0054】
再利用可能部分は、本明細書では再利用可能なトランスミッタユニットとも称される。トランスミッタユニット内の例示的な回路は、分析物センサにバイアスを加え、分析物センサを通過する電流を検出するように構成されたアナログフロントエンドを含み得る。フロントエンドは、一つまたは複数のオペアンプ、電流検出回路などを含み得る。トランスミッタユニット内の他の回路は、電流信号をデジタル化するためのアナログ-デジタル変換器などの処理回路、デジタル化電流信号を記憶するためのメモリ、マイクロコントローラなどのコントローラ、または測定された電流信号に基づいて分析物濃度値を計算するためのマイクロプロセッサなど、ならびに信号および/または分析物濃度値を外部装置に送信するためのトランスミッタ回路を含み得る。
【0055】
電子回路は、一般的にウェアラブル装置の最も高価な部分であり、ウェアラブル装置が採用される期間よりも大幅に長く持続し得る。例えば、ウェアラブル装置は、通常、約七日以降に廃棄され、一方でトランスミッタユニット内の回路は、場合により無期限に持続し得る。
【0056】
持続分析物モニタリングに使用されるウェアラブル装置で交換する必要のある可能性が最も高い二つの構成要素は、電源(例えば、ウェアラブル装置の電気構成要素に給電する一つまたは複数の電池)および分析物センサである。電源(例えば、電池)およびセンサをウェアラブル装置の使い捨て部分(使い捨てベースユニットとも称される)に配置することによって、毎回使用後に交換する必要のある二つの構成要素を交換し得、一方でウェアラブル装置の電子機器を収容する再利用可能なトランスミッタユニットは、10回、20回、50回、100回、またはさらに100回を超えて再利用し得る。
【0057】
例えば、一部の実施形態では、持続分析物モニタリングの間、使用するためのウェアラブル装置は、センサアセンブリと電源を有する使い捨てベースユニット、および使い捨てベースユニットと接合し、使い捨てベースユニットの電源から電力を受け取るように構成された再利用可能なトランスミッタユニットを含み得る。使い捨てベースユニットは、単一の分析物モニタリング期間後(例えば、使用開始の7~14日後)に廃棄されるように構成され、再利用可能なトランスミッタユニットは、単一の分析物モニタリング期間後、使い捨てベースユニットから取り外され、別の使い捨てベースユニットで再使用されるように構成される。本明細書で使用される場合、分析物モニタリング期間は、使い捨てユニットのセンサが、分析物をモニタリングするように動作可能である経過時間である。これらのウェアラブル装置および他の実施形態、持続分析物モニタリングシステム、ならびにこうしたウェアラブル装置を作製および/または使用するための方法を、図1A~15を参照して以下に説明する。
【0058】
図1Aおよび1Bはそれぞれ、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用されるように構成されたウェアラブル装置100の上面斜視図および側面図を示す。図1Aを参照すると、ウェアラブル装置100は、使い捨てベースユニット102および使い捨てベースユニット102と接合する再利用可能なトランスミッタユニット104を含む。再利用可能なトランスミッタユニット104は、以下にさらに記載されるように、使い捨てベースユニット102内に配置された電源から電力を受け取り、使い捨てベースユニット102に関連付けられた分析物センサから電気信号を受信するように構成され得る。一部の実施形態では、使い捨てベースユニット102は、単一の分析物モニタリング期間(例えば、7日、10日、14日以上、またはその他の適切な長い期間)の後に廃棄されるように構成され、一方で、再利用可能なトランスミッタユニット104は、単一の分析物モニタリング期間後に使い捨てベースユニット102から取り外され、新しい使い捨てベースユニットと再使用されるように構成される。例えば、トランスミッタユニット104は、2回、5回、10回、50回、100回、またはさらには100回を超えて再利用され得る。使い捨てベースユニット102およびトランスミッタユニット104の実施形態の例を、以下に記載する。
【0059】
図1Cは、本明細書で提供される通り、使い捨てベースユニット102の第一の例示的実施形態の分解斜視図、およびまた斜視図で示された再利用可能なトランスミッタユニット104を示す。図1Cを参照すると、使い捨てベースユニット102は、一つまたは複数の電源支持位置108a~108bを有する基部106、トランスミッタユニット支持位置110、およびセンサアセンブリ支持位置112を含む。図1Dは、図1Cの基部106とトランスミッタユニット104の拡大斜視図を示す。
【0060】
一部の実施形態では、基部106は、可塑性樹脂、例えば、限定されるものではないが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)から形成され得る。他の材料を使用し得る。
【0061】
電源支持位置108a~108bは、トランスミッタユニット104に電力を供給するために使用される一つまたは複数の電源を支持するための位置を提供する。例えば、一つまたは複数の電源114a~114bは、電源支持位置108a、108bに位置付けられ得る。電源支持位置108a、108bは、上面図(例えば、長方形、正方形、丸など)の任意の適切な形状であり得、示される多極コネクタなど、一つまたは複数の電源114a~114bのそれぞれの極と電気的に接触するように構成される、任意の適切な構成の電気接点を含み得る。こうした多極コネクタは、例えば、金属または金属テープなどの任意の導電性材料で形成され得る。さらに、支持位置108a、108bは、電気接点から、したがってトランスミッタユニット104へのコネクタ122への電力接続を可能にする導電性電気接点トレースの任意の適切な構成を含み得る。
【0062】
図1Eはさらに、トランスミッタユニット104がトランスミッタユニット支持位置110内に位置付けられ、電源114aおよび114bが基部106の電源支持位置108aおよび108bにそれぞれ位置付けられた状態にある(図1D)、図1Cの基部106およびトランスミッタユニット104の拡大斜視図を示す。一部の実施形態では、電源114aまたは114bは、電池、蓄電コンデンサ、太陽電池、発電機、またはこれに類するものであり得る。二つのバッテリ電源114a、114bが図1Cおよび1Eに示されるが、それよりも少ない、より多くの、および/または異なる電源が使用され得ることが理解されよう。さらに、電源114aおよび114bを固定および接続するための電気接点の任意の適切な構造を使用し得る。
【0063】
トランスミッタユニット支持位置110は、持続分析物モニタリング中に、使い捨てベースユニット102に連結された、またはそうでなければ取り付けられたトランスミッタユニット104を保持するように構成される。一部の実施形態では、トランスミッタユニット支持位置110は、例えば図1Eにおいて示されるように、トランスミッタユニット104と接合および/またはそれに押し付けられて、トランスミッタユニット104と基部106との連結を保持する、一つまたは複数の保持機構116a~116dを含み得る。トランスミッタユニット104を基部106に固定するために、より少ない、より多くの、および/または異なる保持機構を使用し得る。保持機構116a~116dは、例えば、トランスミッタユニット104の開口部と係合する突起、トランスミッタユニット104の突起と係合する開口部、磁石、ベルクロ、接着剤を有する表面、または他の任意の適切な連結機構を含み得る。任意選択で、突起は、トランスミッタユニット104上に形成され得、基部のトランスミッタユニット支持位置110内に形成される開口部内に受容され得る。
【0064】
一部の実施形態では、トランスミッタユニット支持位置110は、他の使い捨てベースユニットで再利用されるために、トランスミッタユニット104が使い捨てベースユニット102/基部106から取り外されるとき、保持機構116a~116dがトランスミッタユニット104から取り外されおよび/またはそれを解放するように基部106が湾曲および/破壊することができる、例えば、チャネル、溝、ケガキ線などの断裂位置118(図1C、1D、および1E)を含み得る。他の解放および/または断裂位置または解放機構を使用し得る。
【0065】
回路基板、可撓性回路基板などの基材120は、トランスミッタユニット支持位置110内に少なくとも部分的に位置し得、トランスミッタユニット104に接続するための電気インターフェースを提供するコネクタ122を含み得る。例えば、コネクタ122は、電源114a、114bと導電経路(図示せず)を介して電気的に接続され得、トランスミッタユニット104がトランスミッタユニット支持位置110内に位置付けられるとき、電源114a、114bがトランスミッタユニット104に電力を供給することを可能にする。こうした導電経路は、部分的に基材120上および/または基部106上に形成され得る。
【0066】
センサアセンブリ支持位置112は、例えば、挿入装置124および挿入装置キャップ126を含み得る、分析物センサアセンブリの取り付けおよび支持位置を提供する。挿入装置124は、例えば、ハンドル部分130に連結された挿入部分128を含み得る。挿入装置124の挿入部分128は、以下にさらに記載されるように、皮膚を穿刺して分析物センサ132をユーザの皮下領域に導入する、先鋭化された端部131(図1C)を有する。挿入部分128はまた、挿入シャフト、針、トロカール、鋭利物などと称され得る。
【0067】
挿入装置124の挿入部分128は、例えば、ステンレス鋼などの金属、またはプラスチックなどの非金属から作製され得る。他の材料を使用し得る。一部の実施形態では、挿入部分128は、限定されるものではないが、丸型Cチャネル管、丸型Uチャネル管、角型U字形に折り畳まれたプレス板金部品、Uチャネル形状の成形/鋳造、レーザー切断または機械加工された金属部品、またはそこにエッチングまたは研磨された角型Uチャネルを有する中実金属円筒であり得る。他の挿入部分形状を使用し得る。
【0068】
一部の実施形態では、挿入装置124のハンドル部分130は、例えば、限定されるものではないが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などの成形ポリマー(例えば、プラスチック)から形成され得る。他の適切な材料を使用し得る。
【0069】
ハンドル部分130は、基部106のセンサアセンブリ支持位置112の上面上に存在し得、一方で挿入部分128は、例えば、基部106のセンサアセンブリ支持位置112においてセンサ開口部134(図1)を貫通し得る。分析物センサ132は、トランスミッタユニット支持位置110のコネクタ122に電気接続され、これにより、分析物センサ132を、トランスミッタユニット支持位置110で位置付けられた任意のトランスミッタユニット104に電気接続する。コネクタ122に連結された導電経路は、電源104a、104bにさらに接続し得る。
【0070】
図1Fは、センサ132がセンサアセンブリ支持位置112でセンサ開口部134を貫通する際に、コネクタ122に連結されたセンサ132の代替的な側面斜視図を示す。示されるように、スロット135は、センサ132のコネクタ122への接続を容易にするために、センサアセンブリ支持位置112内に提供され得る。コネクタ122は、金属接点を有するエラストマーコネクタ、または分析物センサ132、ならびに電源104a、104bから電力を供給する導電体123a、123bにも電気的に連結する別のコネクタタイプなどの任意の適切なコネクタであり得る。
【0071】
図1A~1Cを再度参照すると、一部の実施形態では、基部106が封止される。例えば、封入層136(図1Cに別途示される)は、図1A~1Bに示されるように、基部106と電源114a、114bの上に形成され得る。一部の実施形態では、封入層136は、開口部138を通して、基部106のトランスミッタユニット支持位置110からトランスミッタユニット104を取り付けおよび/または取り外すことができる、その中に形成された開口部138を含み得る。他の実施形態では、図1H~1Iでさらに記載されるように、トランスミッタユニット104は、封入層136の頂部に(またはさもなければそれに取り付けられて)着座し得る。一部の実施形態では、封入層136は、基部106およびその内部構成要素の周りに防水シールを形成し、(挿入装置124が基部106を貫通して挿入装置キャップ126に入るために開口部140(図1C)を残したまま)センサアセンブリ支持位置112に対して封止する。したがって、ベースユニット102は防水である。コネクタ122は、トランスミッタユニット支持位置110内に露出したままであり得、トランスミッタユニット104は、電源114a、114bおよびセンサ132に電気接続し、それぞれセンサ132からの電力および電流信号をトランスミッタユニット104に供給し得る。
【0072】
封入層136は、単層または複数層から形成され得る。例えば、封入層136は、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)などの一つまたは複数の層から形成され得る。他の適切な鋳造または成形材料を使用し得る。一部の実施形態では、封入層136は、100℃未満の温度で、一部の実施形態では80℃未満の温度で形成され得る。図1A~Cの実施形態では、封入層136は、二層から形成され得る。例えば、底部の、予め成形された封入層142が提供され、その上に基部106が位置付けられる。基材120は、コネクタ122を有するトランスミッタユニット支持位置110内に位置付けら得、挿入装置124およびセンサ132などのセンサアセンブリ構成要素は、(センサ132がコネクタ122に接続された状態で)センサアセンブリ位置112内に位置付けられ得る。電源114aおよび/または114bは、電源支持位置108a、および/または108bに位置付けられ得る。その後、上部封入層144は、基部106および電源114a、114bの上に形成され得、一方で、トランスミッタユニット104が基部106に取り付けられ、そこから取り外され、その中に挿入され、かつ/またはそこから除去されるのを可能にする開口部138(または別の取り付け領域)を残し得る。使い捨てベースユニット102を組み立てる追加的な方法は、図7~9を参照して以下にさらに説明される。
【0073】
図1Gは、本明細書に提供される基部106およびトランスミッタユニット104の代替的な実施形態を示す。図1Gの実施形態では、トランスミッタユニット104は、基部106上の対応する保持機構(保持機構152のみが示されている)と接合する、二つの保持機構(保持機構150のみが示されている)を含む。他の保持機構の番号、タイプおよび/または位置を使用し得る。
【0074】
本明細書に記載の保持機構は、持続分析物モニタリング中に、再利用可能なトランスミッタユニット104を使い捨てベースユニット102内に固定する一方で、持続分析物モニタリング期間後にトランスミッタユニット104を取り外して再利用することを可能にする。例えば、再利用可能なトランスミッタユニット104は、使い捨てベースユニット102の電源114aおよび/または114bから電力を受けるように、使い捨てベースユニット102と接合するように構成され得る。使い捨てベースユニット102は、単一の分析物モニタリング期間後に廃棄されるように構成され得る一方、再利用可能なトランスミッタユニット104は、単一の分析物モニタリング期間後に使い捨てベースユニット102から取り外され、別の使い捨てベースユニットで再使用されるように構成され得る。一部の実施形態では、単一の分析物モニタリング期間は、少なくとも7~10日間(例えば、最大14日間以上)であり得る。トランスミッタユニット104は、使い捨てベースユニット102から取り外され、毎回、新しいセンサおよび新しい電源を含む新しい使い捨てベースユニットと共に(例えば、5、10、20、50、100回以上)再利用される。
【0075】
図1Hおよび1Iは、本明細書に提供される実施形態による、トランスミッタユニット104が封入層136の取り付け領域154で使い捨てベースユニット102に取り付けられた状態の、ウェアラブル装置100の代替的一実施形態の側面図を示す。こうした実施形態では、トランスミッタユニット104は、例えば、封入層136の上部に存在し得る。他の実施形態では、トランスミッタユニット136は、封入層136の底部上の取り付け領域(図示せず)に取り付けられ得る。
【0076】
図2は、本明細書に提供される実施形態による、一例示的なトランスミッタユニット104の分解図である。図2を参照すると、トランスミッタユニット104は、基材202およびそれらの上に連結または形成された任意の電気または電子構成要素を覆い、および封止するために、(例えば、オーバーモールド部分であり得る)底部カバー206を形成する前に、上部カバー204に連結する基材202を含み得る。基材202は、回路基板、可撓性回路基板、またはトランスミッタユニット104内で使用される電子回路の別の取り付け位置であり得る。
【0077】
一部の実施形態では、トランスミッタユニット104は、分析物センサ132に電圧を適用し、分析物センサ132を通る電流を検出するように構成されたアナログフロントエンド208を含み得る。トランスミッタユニット104はまた、アナログフロントエンド208によって検出された電流信号を処理し、信号および/または情報を外部装置に送信するための処理回路210を含み得る。例えば、一部の実施形態では、処理回路210は、アナログ電流信号をデジタル電流信号に変換し、電流信号を格納し、電流信号に基づいて分析物濃度値を計算し、電流信号および/または分析物濃度情報を外部装置(例えば、外部CGM装置)などに送信し得る。一部の実施形態では、処理回路210は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどのプロセッサ、メモリ、アナログ-デジタル変換器、トランスミッタ回路などを含み得る。アナログフロントエンド208および処理回路210は、他の、より少ない、および/またはより多くの機能を実行し得る。
【0078】
例示的なCGMの一実施形態では、プロセッサ回路210は、プロセッサ、プロセッサに連結されたメモリ、およびプロセッサに連結されたトランスミッタ回路を含み得る。メモリは、それに記憶されたコンピュータプログラムコードを含み得、プロセッサによって実行されたときに、トランスミッタユニット104およびウェアラブル装置100に、(a)グルコースセンサを使用してグルコース信号を測定させ;(b)測定されたグルコース信号からグルコース値を計算させ;および(c)ウェアラブル装置100に、Bluetooth(登録商標)または他の無線通信プロトコルなどによって、通信接続された外部装置にグルコース値を通信させる。例えば、コネクタ122(および後述するインターフェース212)を通してセンサ132に連結されたトランスミッタユニット104の電流検出回路は、センサ132によって生成されるグルコース(電流)信号を測定し得る。サンプリング回路は、電流検出回路に連結され、測定されたグルコース信号からデジタル化されたグルコース信号を生成するように構成され得る。次に、これらのデジタル化されたグルコース信号を使用して、ユーザへの通信(例えば、表示)のために外部CGM装置に送信されるグルコース値を決定し得る。随意に、未加工の信号を外部CGM装置に送信し、それによって送信された信号からデジタル化されたグルコース信号を生成し得る。
【0079】
基材202はまた、トランスミッタユニット104が基部106のトランスミッタユニット支持位置110に位置付けられるとき、ベースユニット102のコネクタ122と接合するように構成されたインターフェース212を含み得る。底部カバー206の開口部214は、例えば、インターフェース212がベースユニット102のコネクタ122と連結することを可能にするために提供され得る。一部の実施形態では、アナログフロントエンド208は、ベースユニット102のインターフェース212およびコネクタ122を通して、センサ132に連結され得る。同様に、アナログフロントエンド208および処理回路210は、コネクタ122およびインターフェース212を通して、ベースユニット102の電源114aおよび/または114bから電力を受け取り得る。
【0080】
一部の実施形態では、上部カバー204は、基材202が(例えば、成形プロセスによる)底部カバー206の形成前にその中に位置付けられる、予め成形された基部であり得る。代替的に、底部カバー206は、上部カバー204の形成または追加の前に基材202がその中に位置付けられる、予め成形された基部であり得る。他の組立プロセスを使用し得る。
【0081】
一部の実施形態では、上部カバー204および/または底部カバー206は、単層または複数層から形成され得る。例えば、上部カバー204および/または底部カバー206は、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)などの一つまたは複数の層から形成され得る。限定するものではないが、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、および低密度ポリエチレン(LDPE)など、他の材料が使用され得る。他の適切な材料を使用し得る。
【0082】
それによってその中の電子機器に損傷を与えないように、一部の実施形態では、上部カバー204および/または底部カバー206は100℃未満の温度で、一部の実施形態では80℃未満の温度で形成され得る。上部カバー204および底部カバー206は、(例えば、トランスミッタユニット104が防水され、インターフェース212のみが露出するように)基材202、アナログフロントエンド208、および処理回路210を封止し得る。
【0083】
一部の実施形態では、底部カバー206は、ベースユニット102の開口部138の側壁に対して封止するように構成されたリップまたは類似の機構などの封止部材216を含み得(以下図4Eも参照)、そのため、トランスミッタユニット104およびベースユニット102が、トランスミッタユニット104がベースユニット102内に位置付けられるときに、封止されたユニットを形成する。一部の実施形態では、上部カバー204は、トランスミッタユニット支持位置110内の保持機構(例えば、保持機構116a~116dのうちの一つまたは複数)と接合するように構成された、一つまたは複数の保持機構218a~218dを含み得る。こうした保持機構は、使用中にトランスミッタユニット104をベースユニット102にしっかりと連結および保持し、コネクタ122をインターフェース212に接触させたまま維持する。他の実施形態では、上部カバー204は、封止部材を含み得、および/または底部カバー206は、一つまたは複数の保持機構を含み得る。
【0084】
図3Aは、一部の実施形態による、トランスミッタユニット104をベースユニット102に挿入する前のウェアラブル装置100の断面側面図である。図3Bは、一部の実施形態による、トランスミッタユニット104をベースユニット102に挿入した後のウェアラブル装置100の断面側面図である。上述のように、トランスミッタユニット104およびベースユニット102は両方とも、トランスミッタユニット104のインターフェース212およびベースユニット102のコネクタ122のみが露出したままの状態の、封止されたユニット(例えば、防水)であり得る。トランスミッタユニット104がベースユニット102に挿入されると、コネクタ122およびインターフェース212は、封止部材216によってなど、任意の外部環境から封止され得る。
【0085】
トランスミッタユニット104は、ベースユニット102から(コネクタ122およびインターフェース212を通して)電力を受け取ることができるため、トランスミッタユニット104は別個の電源を必要としない。そのため、使い捨てベースユニット102が分析物モニタリング期間の終了時に交換されるとき、トランスミッタユニット104は取り外されて他の新しい使い捨てベースユニットと繰り返し使用され得る。
【0086】
ベースユニット102および/またはトランスミッタユニット104は、任意の適切な形状(例えば、円形、楕円形、正方形、長方形など)であり得る。例えば、図4Aおよび4Bはそれぞれ、本明細書に提供される例示的なウェアラブル装置400の上面斜視図および分解斜視図を示す。ウェアラブル装置400は、主に長方形の形状を有し、医療用包帯に似たサイズおよび形状とされる。この場合、ベースユニット102は長方形である。トランスミッタユニット104は、任意の適切な形状であり得る。本明細書に記載される他の実施形態と同様に、ベースユニット102は使い捨て式であり、トランスミッタユニット104は再利用可能である。すなわち、一部の実施形態では、ベースユニット102は、単一の分析物モニタリング期間の後に廃棄されるように構成され、一方、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102から取り外され、例えば、ベースユニット102の正確なコピーであり得る他の(新しい)ベースユニットと何度も再利用されるように構成される。
【0087】
ここで、図4Aおよび4Bを参照すると、一部の実施形態では、ウェアラブル装置400は、示される一連のマイクロニードルなど、一つまたは複数のマイクロニードルを含むセンサアセンブリ402を採用し得る。より少ないまたはより多くのマイクロニードルが使用され得る。ウェアラブル装置400は、マイクロニードルが貫通する開口部405を有する底部部材404を含む。底部部材404は、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリカーボネート、ナイロン、アセタール、ポリフタルアミド(PPA)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)などの任意の適切な材料から形成され得る。他の適切な材料を使用し得る。底部部材404は、ウェアラブル装置400をユーザの皮膚に固定するために使用される感圧接着剤439(図4D参照)などの接着剤を含み得る。
【0088】
マイクロニードルアレイを含むセンサアセンブリ402は、プラスチックまたは類似の基材などの適切な基材406上に形成され得、接着剤などの任意の適切な手段によって回路基板408(例えば、可撓性回路基板)および底部部材404に取り付けられ、電気的に連結され得る。電源114aおよび/または114bは、基部106および継手122を介して回路基板408に連結され得、電源114aおよび/または114bを固定し、回路基板408に電力を供給するように構成された適切な電気接点をこの上に含み得る。基部106は、図4Eに示すように、開口部440に受容され得る。
【0089】
回路基板408は、マイクロニードルアレイ402に連結され、電源114aおよび/または114bにも連結されるコネクタ122を含み得る。コネクタ122は、トランスミッタユニット104がベースユニット102内に設置されるとき、トランスミッタユニット104に電力を供給するために、トランスミッタユニット104のインターフェース212と接合するようさらに構成される。加えて、コネクタ122は、トランスミッタユニット104がマイクロニードルアレイ402にバイアスを加え、一つまたは複数のマイクロニードルを通る電流を検出することを可能にする。トランスミッタユニット104は、前述したように、検出された電流を使用して間質液内の分析物レベルを計算し得る。
【0090】
図4Cは、本明細書に提供される実施形態による、ウェアラブル装置400の底面斜視図を示す。図4Dは、単一のマイクロニードル412が使用され、ウェアラブル装置をユーザの皮膚に固定するために使用される透明なテープ439が適用されている、ウェアラブル装置400の代替的一実施形態の底面図を示す。図4Eは、本明細書に提供される実施形態による、ベースユニット102内に挿入され、マイクロニードルアレイ402を含む、トランスミッタユニット104を示す、ウェアラブル装置400の拡大部分を示す。
【0091】
図4Eに示すように、一部の実施形態では、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102内の開口部138の側壁に(図1Cおよび4E)、溝または類似した機構などの受容表面414と接合する(例えば、封止ビーズまたはリップなどの)封止部材216を含み得る。このように、ベースユニット102およびトランスミッタユニット104は、(例えば、コネクタ122および/またはインターフェース212を液体から保護する)封止されたユニットを形成し得る。
【0092】
図4Eはまた、ベースユニット102の保持機構416が、トランスミッタユニット104の対応する保持機構418と接合して、ベースユニット102の開口部138内にトランスミッタユニット104をしっかりと保持し得ることを表す断面側面図を示す。示される保持機構416および/または418はまた、使用中、コネクタ122がインターフェース212内にしっかりと保持されることを確実にし得る。(例えば、前述の保持機構116a~116dなど、2つ、3つ、4つまたはそれ以上の)より少ないまたはより多くの保持機構が使用され得る。一部の実施形態では、トランスミッタユニット104は、異なる形状を有するベースユニットで使用され得る。例えば、トランスミッタユニット104は、あるとき円形ベースユニットで使用され、その後、長方形ベースユニットで再利用され得、またはその逆も可能である。また、図1Eでは、基部106が開口部138の下の開口部440内に受容され、回路基板408によってその中に固定されることが示される。
【0093】
図5は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリングのための例示的方法500のフローチャートである。図5を参照すると、方法500は、センサと電源を含む使い捨て部分、および使い捨て部分に連結された再利用可能部分であって、使い捨て部分から電力を受け取るトランスミッタユニットを含む再利用可能部分を有する、ウェアラブル装置が提供される、ブロック502に始まる。例えば、使い捨てベースユニット102が、センサ(例えば、分析物センサ、マイクロニードル、マイクロニードルアレイなど)および電源(例えば、電池または他の電源)を含む、ウェアラブル装置100または400が提供され得る。再利用可能なトランスミッタユニット104は、使い捨てベースユニット102と接合し、ベースユニット102から電力を受け取り得る。
【0094】
ブロック504では、センサ、電源、およびトランスミッタユニットが、ユーザの分析物レベルをモニタリングするために採用される。例えば、センサ132がユーザに挿入された後、センサ132、電源114aおよび/または114b、ならびにトランスミッタユニット104は、持続分析物モニタリングプロセス(例えば、およそ7~21日間)の間に、ユーザの分析物レベルをモニタリングするために採用され得る。分析物モニタリングの後、ウェアラブル装置は、分析物センサ132を含めて、ユーザから取り外され得る。ブロック506では、ウェアラブル装置の再利用可能部分は、ウェアラブル装置の使い捨て部分から取り外される。例えば、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102から取り外され得、ベースユニット102は廃棄され得る。一般に、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102がユーザから取り外される前または取り外された後に、ベースユニット102から取り外され得る。その後、ブロック508では、ウェアラブル装置の再利用可能部分は、新しい使い捨て部分に接続される。例えば、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102から切り離されて、(例えば、新しい電源および新しい分析物センサを有する)新しいベースユニット102に挿入され得、またはそうでなければそれに連結され得る。ブロック510では、新しい使い捨て部分のセンサおよび電源、ならびにトランスミッタユニットが、ユーザの分析物レベルをモニタリングするために採用され得る。一部の実施形態では、トランスミッタユニット104は、少なくとも10個の異なるセンサおよび電源と共に使用され得る。トランスミッタユニット104は、ベースユニット102がユーザに取り付けられる前または取り付けられた後に、ベースユニット102に連結され得る。
【0095】
図6は、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリングのための別の例示的方法600のフローチャートである。図6を参照すると、方法600は、センサおよび電源を有する使い捨てベースユニット(例えば、センサ132を有する使い捨てベースユニット102)が提供される、ブロック602に始まる。その後、ブロック604では、センサがユーザの間質液領域に挿入され、ブロック606では、ベースユニットが(例えば、ウェアラブル装置の底部上の接着剤を介して)ユーザに取り付けられる。ブロック608では、再利用可能なトランスミッタユニットは、再利用可能なトランスミッタユニットが電源から電力を受け取り、センサに連結されるように、使い捨てベースユニットに連結される(例えば、再利用可能なトランスミッタユニット104は、使い捨てベースユニット102に取り付けられ、コネクタ122を通して電力およびセンサ信号を受信する)。再利用可能なトランスミッタユニット104は、センサ132がユーザの間質液領域に挿入される前または挿入された後に、使い捨てベースユニット102に取り付けられ得る。ブロック610では、トランスミッタユニットおよびセンサは、第一の所定時間にわたって、ユーザ内の分析物レベルをモニタリングするために採用される。例えば、トランスミッタユニット104およびセンサ132は、7日、10日、14日、または別の日数の間、グルコースまたは別の分析物レベルをモニタリングするために使用され得る。
【0096】
第一の所定時間の後、方法600は、センサを備えた使い捨てベースユニットをユーザから取り外すこと(ブロック612)、および再利用可能なトランスミッタユニットを使い捨てベースユニットから分離させること(切り離すこと)(ブロック614)を含む。例えば、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102から分離され得、ベースユニット102は廃棄され得る。再利用可能なトランスミッタユニット104は、使い捨てベースユニット102およびセンサ132がユーザから取り外される前または取り外された後に、使い捨てベースユニット102から分離され得る。ブロック616では、新しい使い捨てベースユニットのセンサは、ユーザの間質液領域内に挿入され得る。ブロック618では、新しい使い捨てベースユニットは、ユーザに取り付けられ得る。ブロック620では、再利用可能なトランスミッタユニットは、トランスミッタユニットが新しい使い捨てベースユニットから電力を受け取り、新しい使い捨てベースユニットのセンサに連結されるように、新しい使い捨てベースユニットに連結され得る。再利用可能なトランスミッタユニット104は、センサ132がユーザの間質液領域に挿入される前または挿入された後に、新しい使い捨てベースユニット102に取り付けられ得る。ブロック622では、新しい使い捨てベースユニットのトランスミッタユニットおよびセンサは、第二の所定時間にわたって、ユーザ内の分析物レベルをモニタリングするために採用され得る。例えば、トランスミッタユニット104および新しい使い捨てベースユニット102は、さらに7日、10日、14日、または他の日数にわたって使用され得る。上述のように、トランスミッタユニット104は、10、20、50、100回以上(毎回新しい使い捨てベースユニットで)使用され得る。
【0097】
図7は、本明細書に提供される、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する一例示的方法700のフローチャートである。図7を参照すると、ブロック702では、予め成形された部分が提供される(例えば、予め成形された封入層142)。例えば、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート、高デュロメーターシリコーン、または別の適切な材料が、成形ツール内に配置され得る。予め成形された部分142は、(例えば、オーバーモールドなど)成形する前に、ウェアラブル装置の構成要素を適切な位置に固定するか、またはそうでなければそれらを支持するように採用され得る。ブロック704では、基部は予め成形された部分上に配置され、基部はトランスミッタユニット支持位置およびセンサアセンブリ支持位置を有する。例えば、基部106は、予め成形された部分142上に配置され得る。ブロック706では、少なくとも一つの電源が予め成形された部分上に配置される。一部の実施形態では、電源114aおよび/または114bは、予め成形された部分142上に直接配置され得、一方で他の実施形態では、電源114aおよび/または114bは、基部106の電源支持位置108aおよび/または108b上に配置され得る。一部の実施形態では、ブロック708では、分析物センサを含むセンサアセンブリは、センサアセンブリ支持位置内に配置され得る。他の実施形態では、挿入装置124に類似した形状のダミー挿入装置は、センサアセンブリ支持位置(成形前)内に配置されて、センサを保護し、挿入装置124の開口部140が適切に形成されることを確実にし得る。ダミー挿入装置が採用される場合、ダミー挿入装置は成形後に取り外され得、挿入装置124は開口部140内に配置され得る。センサアセンブリ支持位置112内のセンサアセンブリの配置は、コネクタ122をトランスミッタユニット支持位置110内に配置すること、およびコネクタ122をセンサ132に接続することを含み得る。コネクタ122はまた、前述したように、電源114aおよび/または114bに接続され得る。
【0098】
ブロック710では、基部および少なくとも一つの電源の上に延在する封入層が形成され、予め成形された部分に対して封止する。封入層形成中、封入層の取り付け領域における基部のトランスミッタユニット支持位置にトランスミッタユニットを取り付け、かつそこから取り外すことを可能にする、取り付け領域(例えば、開口部138、取り付け領域154)が提供される。これは、例えば、成形前に、基部106のトランスミッタユニット支持位置110内に配置されたダミートランスミッタユニットを使用することによって実施され得る。
【0099】
一部の実施形態では、封入層は100℃未満、一部の実施形態では、80℃未満の温度で形成され得る。封入層用の例示的なポリマー材料は、例えば、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)などを含み得る。
【0100】
封入層(例えば、封入層136)は、使用前にトランスミッタユニット104を受容し得る封止された使い捨てベースユニット(ベースユニット102)を形成する。封入層の形成後、接着層が予め成形された部分の底部上に提供され、ウェアラブル装置を用いた持続分析物モニタリング中にベースユニット102をユーザに固定するために使用される。その後、使い捨てベースユニット102は、前述のように、使用のために(例えば、トランスミッタユニット104から分離して)滅菌および包装され得る。例えば、電子ビーム滅菌または別の滅菌方法を使用して、センサ132、挿入装置124、挿入装置キャップ126などの使い捨てベースユニット102の様々な構成要素を滅菌し得る。包装例1650は、取り外し可能なプラスチックもしくはホイルシールを有するプラスチックハウジング1650H、または図16に示すような他の封止カバー1650Cを含み得、滅菌された使い捨てベースユニット102を封止するが、任意の適切な滅菌包装も使用され得る。別の例では、滅菌された使い捨てベースユニット102は、図17に示すように、積層ホイルおよびプラスチックシート1750の筐体に受容され、封止され得る。ウェアラブル装置は、滅菌されたベースユニットをその滅菌包装から取り外すこと、再利用可能なトランスミッタユニット104をベースユニット102に挿入すること、ベースユニット102の底部から接着ストリップを取り外すこと、およびベースユニット102をユーザの皮膚に取り付ける間にセンサ132をユーザに挿入することによって採用され得る。センサ132をユーザの間質液領域に挿入するために、任意の適切な挿入装置が使用され得る。
【0101】
図8は、本明細書に提供される、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する別の例示的方法800のフローチャートである。図8を参照すると、ブロック802では、少なくとも一つの電源およびセンサアセンブリは、コネクタに連結される(例えば、センサ132であり得るように、電源114aおよび/または114bはコネクタ122に連結され得る)。ブロック804では、少なくとも一つの電源、センサアセンブリ、およびコネクタは、成形ツール内に配置される。一部の実施形態では、挿入装置および分析物センサを含むセンサアセンブリは、基部106のセンサアセンブリ支持位置に配置され得る。他の実施形態では、挿入装置124に類似した形状のダミー挿入装置は、センサアセンブリ支持位置(成形前)内に配置されて、センサ132が保護され、挿入装置124の開口部140が適切に形成されることを確実にし得る。ダミー挿入装置が採用される場合、ダミー挿入装置は成形後に取り外され得、挿入装置124は開口部140内に配置され得る。
【0102】
ブロック806では、基部、少なくとも一つの電源、およびセンサアセンブリの少なくとも一部分が、成形ツールを使用して封入され、封止されたユニットを形成する。こうした封入化は、トランスミッタユニット104が基部106のトランスミッタユニット支持位置110に取り付けられ、かつそこから取り外されることを可能にする、封止されたユニット内の取り付け領域(例えば、138)を形成することを含む。これは、例えば、成形中に、基部106のトランスミッタユニット支持位置110に配置されたダミートランスミッタユニットを使用することによって実施され得る。
【0103】
一部の実施形態では、基部106および少なくとも一つの電源114a、114bを封入することは、100℃未満、および一部の実施形態では80℃未満の温度で実施され得る。基部106および少なくとも一つの電源114a、114bを封入するための例示的材料は、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)などを含む。他の適切な封入材料を使用し得る。
【0104】
基部106および電源114a、114bを封入することにより、使用前にトランスミッタユニット104を受容し得る封止された使い捨てベースユニット(例えば、ベースユニット102)が形成される。使い捨てベースユニット102の形成後、接着層がベースユニット102の底部上に提供され、ウェアラブル装置を用いた持続分析物モニタリング中にベースユニット102をユーザに固定するために使用され得る。その後、使い捨てベースユニットは、前述のように、使用のために(例えば、トランスミッタユニットから分離して)滅菌および包装され得る。
【0105】
図9は、本明細書に提供される、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置を形成する別の例示的方法900のフローチャートである。ブロック902の図9を参照すると、基部(例えば、図3A~3Bの基部106を参照)は、トランスミッタユニット支持位置(例えば、トランスミッタユニット支持位置110)、電源支持位置(例えば、電源支持位置108a、108b)、およびセンサアセンブリ支持位置(例えば、センサアセンブリ支持位置112)を有する。ブロック904では、少なくとも一つの電源(例えば、電源114a、114b)は、基部(例えば、基部106)の電源支持位置(例えば、電源支持位置108a、108b)に配置される。ブロック906では、分析物センサ(例えば、分析物センサ132)および/または挿入装置(例えば、挿入装置124)を含むセンサアセンブリは、センサアセンブリ支持位置(例えば、センサアセンブリ支持位置112)内に配置され得る。センサアセンブリ支持位置112内のセンサアセンブリの配置は、コネクタ122をトランスミッタユニット支持位置110内に配置すること、およびコネクタ122をセンサ132に接続することを含み得る。コネクタ122はまた、本明細に記載のように、電源114aおよび/または114bに接続され得る。
【0106】
ブロック908では、封入部分(例えば、封入部分136)は、基部106の開口部(例えば、開口部340)を有する。例えば、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、熱硬化性もしくは熱可塑性ポリマー、または類似の封入部分136が提供され、その中に形成された開口部440を含み、それによって基部106が封入部分136の開口部440に挿入されることが可能になる。少なくとも一つの電源(例えば、電源114a、114b)および/またはセンサアセンブリ(例えば、132)は、基部106に連結され得る。
【0107】
ブロック910では、基部(例えば、少なくとも一つの電源114a、114bを有する基部106、およびそれに連結されたセンサアセンブリ132)は、封入部分136の開口部340内に配置される。この実施形態では、基部106は、開口部340に封止され得、基部106の縁は、基部106および封入部分136が封止された使い捨てユニットを形成するように、封入部分136に封止されて得る。封止された使い捨てユニットは、トランスミッタユニット104が基部106のトランスミッタユニット支持位置110に取り付けられ、かつそこから取り外されるように構成される。一部の実施形態では、挿入装置124および/または挿入装置キャップ126は、基部が封入部分136を含む予め成形された部分に挿入された後、ベースユニット102に連結され得る。
【0108】
基部106、センサ132および電源114a、114bを封入部分136内に配置することにより、使用前にトランスミッタユニット104を受容し得る封止された使い捨てベースユニット(例えば、ベースユニット102)が形成される。使い捨てベースユニット102の形成後、接着層がベースユニット102の底部上に提供され、ウェアラブル装置100を用いた持続分析物モニタリング中にベースユニット102をユーザに固定するために使用され得る。その後、使い捨てベースユニット102は、前述のように、使用のために(例えば、トランスミッタユニットから分離して)滅菌および包装され得る。
【0109】
本明細書に記載されるウェアラブル装置は、任意の所望の分析物の分析物濃度をモニタリングするために使用され得る。検出され得る例示的分析物は、グルコース、コレステロール、乳酸、尿酸、アルコールなどが含まれる。一部の実施形態では、センサ132および/またはセンサアセンブリ402(例えば、マイクロニードルアレイ)は、Ag/AgCl電極、または複合基準対極などの基準電極に対して、一定の電位で連続的に動作し得る。センサ132および/またはセンサアセンブリ402は二つの作用電極で動作し得、一つは、グルコースオキシダーゼなどのグルコース特異的酵素による、グルコースなどの特定の関心ポイントの分析物の測定専用となる。その他の電極は、尿酸、アセトアミノフェン、またはこれに類するものなどの干渉種から生じる、バックグラウンド信号の測定専用となる。この二重電極動作スキームでは、干渉信号は、単純な減算法または別のアルゴリズム法のいずれかによって、関心点の分析物の主信号から絶えず減算され得る。
【0110】
図10Aは、本明細書に提供される実施形態による、例示的持続分析物モニタリング(CAM)装置1000の高レベルブロック図を示す。図10Aには示されていないが、当然のことながら、様々な電子構成要素および/または回路は、限定されるものではないが、電池などの電源に連結するように構成される。CAM装置1000は、CAMセンサ1004に連結するよう構成され得るバイアス回路1002を含む。バイアス回路1002は、連続DCバイアスなどのバイアス電圧を、分析物含有流体にCAMセンサ1004を通して適用するように構成され得る。この例示的実施形態では、分析物含有流体は、ヒト間質液であり得、バイアス電圧は、CGMセンサ1004の一つまたは複数の電極1005(例えば、作用電極、バックグラウンド電極など)に適用され得る。
【0111】
一部の実施形態では、CAMセンサ1004は、二つの電極を含み得、バイアス電圧は、一対の電極を横切って適用され得る。このような場合、電流は、CAMセンサ1004を通して測定され得る。他の実施形態では、CAMセンサ1004は、作用電極、対極、および基準電極などの三つの電極を含み得る。このような場合、バイアス電圧は、作用電極と基準電極との間に適用され得、電流は、例えば、作用電極を通して測定され得る。CAMセンサ1004は、還元酸化反応において分析物(例えば、グルコース)と反応する化学物質を含み得、電荷担体の濃度およびCAMセンサ1004の時間依存性インピーダンスに影響を与える。例示的なグルコース反応のための化学物質は、グルコースオキシダーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼなどを含む。一部の実施形態では、グルコース反応のためのフェリシアン化物またはフェロセンのような媒介物が採用され得る。一部の実施形態では、CAMセンサ1004は、マイクロニードル、またはマイクロニードルアレイなどの複数のマイクロニードルを含むセンサアセンブリを含み得る。
【0112】
バイアス回路1002によって生成および/または適用されるバイアス電圧は、例えば、基準電極に対して約0.1~1ボルトの範囲であり得る。他のバイアス電圧を使用し得る。
【0113】
バイアス電圧に応答する分析物含有流体中のCAMセンサ1004を流れる電流は、CAMセンサ1004から電流測定(Imeas)回路1006(電流検出回路とも称される)に伝達され得る。電流測定回路1006は、(例えば、適切な電流-電圧変換器(CVC)などを使用して)CAMセンサ1004から伝達される電流の大きさを示す大きさを有する、電流測定信号を検出および/または記録するように構成され得る。一部の実施形態では、電流測定回路1006は、既知の名目値および既知の名目精度(例えば、一部の実施形態では、0.1%~5%、またはさらに0.1%未満)を有する抵抗器を含み得、これを通ってCAMセンサ1004から伝達される電流が通過する。電流測定回路1006の抵抗器を横切って発生する電圧は、電流の大きさを表し、電流測定信号(または未加工の分析物(例えば、グルコース)信号SignalRaw)と称され得る。
【0114】
一部の実施形態では、サンプル回路1008は、電流測定回路1006に連結され得、電流測定信号をサンプリングするように構成され得、電流測定信号(例えば、デジタル化されたグルコース信号)を表すデジタル化された時間領域サンプルデータを作製し得る。例えば、サンプル回路1008は、アナログ信号である電流測定信号を受信し、所望のビット数を出力として有するデジタル信号に変換するように構成される、任意の適切なA/D変換器回路であり得る。サンプル回路1008によって出力されるビット数は、一部の実施形態では、16ビットであり得るが、他の実施形態では、より多いまたはより少ないビットが使用され得る。一部の実施形態では、サンプル回路1008は、毎秒約10サンプル~毎秒1000サンプルの範囲内のサンプリング速度で、電流測定信号をサンプリングし得る。より速いまたはより遅いサンプリング速度を使用し得る。例えば、約10kHz~100kHzなどのサンプリング速度を使用して、ダウンサンプリングし、信号対雑音比をさらに低減し得る。任意の適切なサンプリング回路が採用され得る。
【0115】
さらに図10Aを参照すると、プロセッサ1010は、サンプル回路1008に連結され得、メモリ1012にさらに連結され得る。一部の実施形態では、プロセッサ1010およびサンプル回路1008は、有線経路を介して(例えば、直列または並列接続を介して)互いに直接的に通信するように構成される。他の実施形態では、プロセッサ1010とサンプル回路1008との連結は、メモリ1012によるものであり得る。この配置では、サンプル回路1008は、メモリ1012にデジタルデータを書き込み、プロセッサ1010は、メモリ1012からデジタルデータを読み出す。
【0116】
メモリ1012は、(電流測定回路1006および/またはサンプル回路1008からの)未加工のグルコース信号に基づいて補正されたグルコース値を決定する際に使用するための一つまたは複数のゲイン関数1014を、その中に記憶し得る。例えば、一部の実施形態では、三つ以上のゲイン関数が、それぞれ異なるセグメント(期間)のCAMで収集されたデータとともに使用するために、メモリ1012に記憶され得る。メモリ1012はまた、複数の命令をその中に記憶し得る。様々な実施形態では、プロセッサ1010は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、内蔵マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、マイクロコントローラとして動作するよう構成されるフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの計算リソースであってもよいが、それらに限定されない。
【0117】
一部の実施形態では、メモリ1012に記憶された複数の命令は、プロセッサ1010によって実行されたときに、プロセッサ1010に(a)CAM装置1000が(バイアス回路1002、CAMセンサ1004、電流測定回路1006、および/またはサンプル回路1008を介して)間質液からの分析物信号(例えば、電流信号)を測定させ;(b)分析物信号をメモリ1012に記憶させ;(c)測定および/または保存された分析物信号に基づいて、分析物値(例えば、濃度)を計算させ;および(e)分析物値をユーザに通信させる命令を含む。
【0118】
メモリ1012は、限定されるものではないが、揮発性メモリおよび/または不揮発性メモリのうちの一つまたは複数などの、任意の適切なタイプのメモリであり得る。揮発性メモリは、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、またはダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)を含み得るが、それらに限定されない。不揮発性メモリは、限定されるものではないが、電気的にプログラム可能な読み取り専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(例えば、NOR構成もしくはNAND構成のいずれかで、および/または積み重ねもしくは平面配置のいずれかで、および/またはシングルレベルセル(SLC)、マルチレベルセル(MLC)、もしくはSLC/MLCの組み合わせの配置のいずれかでのタイプのEEPROM)、抵抗メモリ、フィラメント状メモリ、金属酸化物メモリ、相変化メモリ(例えば、カルコゲニドメモリ)、または磁気メモリを含み得る。メモリ1012は、例えば、単一のチップとして、または複数のチップとしてパッケージ化され得る。一部の実施形態では、メモリ1012は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)などの集積回路に、一つまたは複数の他の回路とともに組み込まれ得る。
【0119】
上述のように、メモリ1012は、プロセッサ1010によって実行されたときに、プロセッサ1010に、記憶された複数の命令のうちの一つまたは複数によって指定される様々な操作を実施させる、そのメモリに記憶された複数の命令を有し得る。メモリ1012は、複数の命令のうちの一つまたは複数の命令の実行に応答する、プロセッサ1010による読み取りまたは書き込み動作に使用され得る、一つまたは複数の「スクラッチパッド」記憶領域用に確保された部分をさらに有し得る。
【0120】
図10Aの実施形態では、バイアス回路1002、CAMセンサ1004、電流測定回路1006、サンプル回路1008、プロセッサ1010、およびメモリ1012は、CAM装置1000のウェアラブルセンサ部分1016(例えば、上述のウェアラブル装置100または400)内に配置され得る。一部の実施形態では、ウェアラブルセンサ部分1016は、分析物濃度情報などの情報を(例えば、外部装置を使用しないで)表示するためのディスプレイ1017を含み得る。ディスプレイ1017は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどであるがこれに限定されない、任意の適切なタイプの人感ディスプレイであり得る。
【0121】
一部の実施形態では、CAM装置1000内のすべての電子回路は、バイアス回路1002、電流測定回路1006、サンプル回路1008、プロセッサ1010、メモリ1012、トランスミッタ/受信回路1024aおよび/またはディスプレイ1017など、本明細書に記載の再利用可能なトランスミッタユニット(例えば、再利用可能なトランスミッタユニット104)内に収容され得る。CAMセンサ1004および任意の電源は、使い捨てベースユニット(例えば、使い捨てベースユニット102)内に配置され得る。
【0122】
さらに図10Aを参照すると、CAM装置1000は、携帯型ユーザ装置部分1018をさらに含み得る。プロセッサ1020およびディスプレイ1022は、携帯型ユーザ装置部分1018内に配置され得る。ディスプレイ1022は、プロセッサ1020に連結され得る。プロセッサ1020は、ディスプレイ1022によって示されるテキストまたは画像を制御し得る。ウェアラブルセンサ部分1016および携帯型ユーザ装置部分1018は、通信可能に連結され得る。一部の実施形態では、ウェアラブルセンサ部分1016および携帯型ユーザ装置部分1018の通信連結は、例えば、ウェアラブルセンサ部分1016の送信/受信回路TxRx 1024aおよび携帯型ユーザ装置部分1018の送信/受信回路TxRx 1024bなどのトランスミッタ回路/または受信回路を介した無線通信によるものとし得る。こうした無線通信は、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルなどの標準ベースの通信プロトコルを含むが、これに限定されない、任意の適切な手段によるものとし得る。様々な実施形態では、ウェアラブルセンサ部分1016と携帯型ユーザ装置部分1018との間の無線通信は、代替的に、近距離通信(NFC)、無線周波数(RF)通信、赤外線(IR)通信、または光通信によるものし得る。一部の実施形態では、ウェアラブルセンサ部分1016、および携帯型ユーザ装置部分1018は、一つまたは複数のワイヤによって接続され得る。
【0123】
ディスプレイ1022は、液晶ディスプレイ(LCD)、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイなどであるがこれに限定されない、任意の適切なタイプの人感ディスプレイであり得る。
【0124】
ここで図10Bを参照すると、図10Aに示される実施形態と同様であるが、構成要素の異なる分割を有する、一例示的CAM装置1050が示される。CAM装置1050では、ウェアラブルセンサ部分1016は、CAMセンサ1004に連結されたバイアス回路1002、およびCAMセンサ1004に連結された電流測定回路1006を含む。CAM装置1050の携帯型ユーザ装置部分1018は、プロセッサ1020に連結されたサンプル回路1008、およびプロセッサ1020に連結されたディスプレイ1022を含む。プロセッサ1020は、その中に記憶されるゲイン関数1014を有する、メモリ1012にさらに連結される。一部の実施形態では、CAM装置1050内のプロセッサ1020はまた、例えば、図10AのCAM装置1000のプロセッサ1010によって実施される前述の機能を実施し得る。CAM装置1050のウェアラブルセンサ部分1016は、サンプル回路1008、プロセッサ1010、メモリ1012などが含まれていないため、図10AのCAM装置1000よりも小さく、軽く、したがって侵襲性が低いものであり得る。他の構成要素の構成が採用され得る。例えば、図10BのCAM装置1050の変形として、サンプル回路1008は、(携帯型ユーザ装置1018が、ウェアラブルセンサ部分1016からデジタル化分析物(例えば、グルコース)信号を受信するように)ウェアラブルセンサ部分1016上に留まり得る。
【0125】
一部の実施形態では、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102の上面に取り外し可能および/または挿入可能であるとして示されているが、他の実施形態では、トランスミッタユニット104は、ベースユニット102の他の表面に取り外し可能および/または挿入可能であると理解されるであろう。例えば、図11は、一部の実施形態による、上述のような、トランスミッタユニット104がベースユニット102に挿入されること、またはそこから取り外されることを可能にする開口部1102を有するベースユニット102の底部斜視図を示す。トランスミッタユニット104は、一部の実施形態では、ベースユニット102から電力および分析物信号(例えば、分析物電流信号)を受信し得る。ベースユニット102およびトランスミッタユニット104によって形成されるウェアラブル装置100がユーザの皮膚に固定されるように、ベースユニット102の底部に接着層1104が提供され得る。接着層1104の開口部1106は、トランスミッタユニット104をベースユニット102に挿入し、そこから取り外すことを可能にする。
【0126】
図12Aは、本明細書に提供される実施形態による、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置100の別の実施形態の上面斜視図を示す。図12Bは、本明細書に提供される実施形態による、挿入装置124、トランスミッタユニット104または電源114aおよび114bが据付けられていない状態の図12Aのベースユニット102の上面図である。図12Cは、本明細書に提供される実施形態による、図12Aのウェアラブル装置100の斜視側面図である。
【0127】
図12Aおよび12Bを参照すると、ウェアラブル装置100は、基部106(特に図示せず)を予め成形された封入層142上に置き、基部106上に上部封入層144を形成することによって形成され得る。図12Bは、例えば成形によって、上部封入層144の形成中に、トランスミッタユニット104に開口部138が形成され、挿入装置124に開口部140が形成され、それぞれ電源114aおよび114bに開口部1202aおよび1202bが形成され、電源114aおよび114bのために凹部1204がカバー1206に形成される(図12C参照)。一部の実施形態では、カバー1206は、トランスミッタユニット104が使い捨てベースユニット102の開口部138内に配置されるとき、トランスミッタユニット104に連結される、および/またはその一部となり、凹部1204内にスナップ、枢動、および/または蝶着し得る。他の実施形態では、カバー1206は、トランスミッタ104から分離し得る。カバー1206は、電源114aおよび114bを覆うように位置付けられるとき、(例えば、予め成形された封入層142および上部封入層144と共に)封入層136の一部を形成し得る。カバー1206は、例えば、液状シリコーンゴム(LSR)、熱可塑性エラストマー(TPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリカーボネート、高デュロメーターシリコーン、または別の適切な材料から形成され得る。
【0128】
開口部138、開口部140、開口部1202aおよび1202b、ならびに凹部1204を有するベースユニット102の形成後、開口部1202aおよび1202bに電源114aおよび114bが取り付けられ得、開口部140には挿入装置124が取り付けられ得る。次に、ベースユニット102は、前述のように持続分析物モニタリング中にトランスミッタユニット104で使用するために、電子ビーム滅菌を使用することなどによって滅菌され得る。ダミートランスミッタユニット、挿入装置124、電源114aおよび114b、および/またはカバー1206は、開口部138、140、1202aおよび1202b、および凹部1204が形成されるように、上部封入層144の形成中に、成形インサートなどとして提供されるように、採用され得る。
【0129】
一部の実施形態では、開口部1202aおよび1202bは、開口部138に挿入されたトランスミッタユニット104に電力を供給するために、開口部138に提供されるコネクタ122に電源114aおよび114bを連結する電気接続1208a、1208bを含み得る。コネクタ122はまた、前述のようにウェアラブル装置100の使用中に挿入装置124によって挿入される分析物センサに連結するように構成された電気接続1208cを含み得る。
【0130】
図13Aおよび13Bは、本明細書に提供される実施形態による、使い捨てベースユニット102の別の例の上面図である。図13Aを参照すると、前述のように、使い捨てベースユニット102は、トランスミッタユニット104を(電力を受け取るため、および分析物センサに接続するため)使い捨てベースユニット102に連結させ、そこから分離させるように構成された取り付け領域1310を含む。取り付け領域1310は、コネクタ122(図13B)がそこに位置し得るコネクタ位置1312、および一つまたは複数の電池などの一つまたは複数の電源が位置し得る電源位置1314a、1314bを含む。図13Bに示すように、コネクタ122(図13)および電源114a、114bはコネクタ位置1312、電源位置1214a、1214bにそれぞれ位置付けられ得る。トランスミッタユニット104が取り付け領域1310に位置付けられるとき、コネクタ122および電源114a、114bが密封および/または封入化されるように、ベースユニット102と防水シールを形成し得る。
【0131】
図13Aおよび13Bを参照すると、ウェアラブル装置100(図13B)は、予め成形された封入層142を提供し、コネクタ位置1312およびその中に形成された電源領域1314a、1314b(ならびに、開口部または凹部などの取り付け位置1310)を有する上部封入層144を形成することによって形成され得る。図13Aに示すように、上部封入層144の形成中、トランスミッタユニット104のために取り付け領域1310が形成され、挿入装置124を受容するために開口部140が形成され、コネクタ122のためにコネクタ位置1310が形成され、電源114aおよび114bを受容するために開口部1314aおよび1314bが形成される。
【0132】
取り付け領域1310、コネクタ位置1312、開口部140、ならびに電源位置1314aおよび1314bを有するベースユニット102の形成後、コネクタ122をコネクタ位置1312に配置し、電源114aおよび114bを電源位置1314aおよび1314bに取り付け、また挿入装置124を開口部140に取り付け得る。電源114a、114bは、開口部140に延在し、挿入装置124と連結する、分析物センサ(例えば、点線で示されるセンサ132)と共に、コネクタ122に連結され得る。
【0133】
ベースユニット102は、次いで、前述のように持続分析物モニタリング中にトランスミッタユニット104で使用するために滅菌され得る。取り付け位置1310、コネクタ位置1312、開口部140、および電源位置1314aおよび1314bが適切に形成されるように、上部封入層144の形成(例えば、成形)中に、ダイプラグまたはインサートまたはダミートランスミッタユニット、挿入装置、電源、および/またはインサータが使用され得る。
【0134】
一部の実施形態では、図14のフローチャートに示すように、持続分析物モニタリングで使用するために適合されたウェアラブル装置(例えば、ウェアラブル装置100)を形成する方法1400は、ブロック1402で、コネクタ位置、少なくとも一つの電源位置、およびその中に形成されたインサータ開口部(例えば、コネクタ位置1312、電源位置1314a、1314b、および開口部140)を有する封入層(例えば、封入層136)を形成することを含む。方法1400は、ブロック1404で、コネクタ(例えば、コネクタ122)をコネクタ位置に配置し、ブロック1406で、少なくとも一つの電源(例えば、電源114aおよび/または114b)を;少なくとも一つの電源位置(例えば、電源位置1314a、1314b)に配置することをさらに含む。コネクタ122を配置することは、少なくとも一つの電源(例えば、電源114aおよび/または114b)への電気接続を達成するための任意の適切な方法によるものであり得、ピンコネクタおよび/またははんだ接続を含み得る。ブロック1408では、方法1400は、コネクタ122と少なくとも一つの電源(例えば、電源114aおよび/または114b)との間の電気接続を通してなど、少なくとも一つの電源(例えば、電源114aおよび/または114b)をコネクタ(例えば、コネクタ122)に連結することを含む。方法1400は、ブロック1410で、分析物センサ(例えば、点線で示されるセンサ132)をコネクタ(例えば、コネクタ122)に連結することを含む。コネクタ122を連結することは、コネクタ122と分析物センサ(例えば、点線で示されるセンサ132)との間の電気接続を達成するための任意の適切な方法によるものであり得、例えば、ピンコネクタおよび/またははんだ接続を含み得る。封入層(例えば、封入層136)、コネクタ(例えば、コネクタ122)、少なくとも一つの電源(例えば、電源位置114a、114b)、および分析物センサ(例えば、センサ132)は、再利用可能なトランスミッタユニット(例えば、再利用可能なトランスミッタユニット104)と接合し、封止されたユニット(例えば、図13Bのベースユニット102の封止されたユニットおよび再利用可能なトランスミッタユニット104)を形成するように構成された使い捨てユニットを形成する。
【0135】
一部の実施形態では、例えば、図15のフローチャートに示されるように、持続分析物モニタリングにおける使用のために構成されるウェアラブル装置(例えば、図12A~12Cのウェアラブル装置100)を形成する方法1500が提供される。方法1500は、ブロック1502で、予め成形された部分(例えば、予め成形された封入層142)を提供すること;ブロック1504で、予め成形された部分上に基部(例えば、基部106)を配置することであって、基部がトランスミッタユニット支持位置(例えば、トランスミッタユニット支持位置1210)およびセンサアセンブリ支持位置(例えば、センサアセンブリ支持位置112)を有する、配置すること;および、ブロック1506で、分析物センサ(例えば、センサ132)を含むセンサアセンブリをセンサアセンブリ支持位置(例えば、センサ支持位置112)に配置すること;および、ブロック1508で、基部(例えば、基部106)上に延在し、予め成形された部分(予め成形された封入層142)に対して封止する封入層(例えば、封入層144)を形成することを含む。
【0136】
上部封入層144を形成することは、トランスミッタユニット(例えば、図12Aのトランスミッタユニット104)が、トランスミッタユニット支持位置1210(およびコネクタ122)に取り付けられ、かつそこから取り外されるなど、基部106のトランスミッタユニット支持位置1210に取り付けられ、かつそこから取り外されることを可能にする取り付け領域(例えば、開口部138または領域154)を形成することを含み得る。上部封入層144を形成することは、少なくとも一つの電源のための少なくとも一つの電源開口部(例えば、開口部1202aおよび/または1202b)を形成することを含み得る(トランスミッタユニット支持位置1210に取り付けられたトランスミッタユニット104に電力を提供するように、上部封入層144に挿入される)。方法1500はまた、コネクタ(例えば、コネクタ122)をトランスミッタユニット支持位置1210内に形成すること、および分析物センサ(例えば、分析物センサ132)をコネクタ(例えば、コネクタ122)に連結することを含み得る。封入層、コネクタ、少なくとも一つの電源114a、114b、および分析物センサ132は、再利用可能なトランスミッタユニットと接合するように構成された使い捨てユニット102を形成し(例えば、封止されたウェアラブル装置100を形成する)。
【0137】
一部の実施形態では、持続分析物モニタリング中に使用するためのウェアラブル装置は、100℃未満、および一部の実施形態では80℃未満の温度で形成される。ウェアラブル装置は、電源を有する使い捨てベースユニット、およびウェアラブル装置用の電子機器を有する再利用可能なトランスミッタユニットを含み得る。トランスミッタユニットは、それが連結される使い捨てベースユニットからのみ電力を受け、別個の電源を有しなくてもよい。
【0138】
一部の実施形態では、サムネイル溝、タブ、または他の把持または抉じ開け機構がトランスミッタユニット104および/またはベースユニット102上に提供され、トランスミッタユニット104の取り外しを容易にし得る。
【0139】
一つまたは複数の実施形態では、持続分析物モニタリングのためのウェアラブル装置(例えば、ウェアラブル装置100または400)は、再利用可能なトランスミッタユニット(例えば、トランスミッタユニット104)と接合する使い捨てベースユニット(例えば、ベースユニット102)を含み得る。使い捨てベースユニットは、電源および分析物センサを含み得、再利用可能なトランスミッタユニットを受容するように構成され得る。再利用可能なトランスミッタユニットは、分析物センサにバイアスを加える、分析物センサを通る電流を測定する、分析物センサを通る測定された電流に基づいて分析物値を計算する、および分析物値をユーザに(直接的にまたは外部装置を介して)通信するための、すべての電子回路を含み得る。使い捨てベースユニットは、再利用可能なトランスミッタユニットを受容し、再利用可能なトランスミッタユニットの電子回路に電力を供給するように構成され得る。使い捨てベースユニットは、滅菌され、再利用可能なトランスミッタユニットとは別個に包装され得る。
【0140】
センサアセンブリは、センサ、センサから延在する電気リード、および/またはセンサを挿入するために用いられる挿入装置(例えば、センサ、センサおよび電気リード、センサおよび挿入装置、センサ、電気リードおよび挿入装置、など)のうちの一つまたは複数を含み得る。
【0141】
本明細書に提供される実施形態は、柔軟で超薄型の持続分析物モニタリングシステムを可能にする。一部の実施形態では、システムの高さは、約2.5mm未満であり得る。全体の高さをこのように減少させることにより、衣服との接触を低減させ、より目立たなくすることができ、システム全体の装着感を改善させ得る。柔軟な構造および構成要素により、センサシステムは、様々な動作でユーザの身体にフィットさせることができ、全体的なユーザの快適さを高めるのに役立つ。重要な構成要素は、全体的な柔軟性を維持しながら、特定の場所の剛直な補強材によって支持され得る。使用される電源は、並列に配置される複数の電池などの、薄く湾曲可能な材料から形成され得る。
【0142】
一部の実施形態では、使用される材料(例えば、LSR)、可撓性回路基板などは、衣服の下に快適に着用され得る装置を提供し、薄型であって、衝撃を回避し、柔らかい柔軟な感触および外観を提示し、ならびに組織の屈曲、膨張および収縮の動態にフィットして動く。開示された装置はまた、流体侵入および他の使用上の危険からセンサ部位および内部ハードウェアを保護し、簡単かつ快適に適用され、皮膚接着部分に通気性/空気の流れを提供し、概してユーザにとってより使いやすい体験を創出することができる。
【0143】
可撓性回路基板は、アナログフロントエンド回路およびトランスミッタモジュールなどの電子構成要素を支持するために使用され得る。可撓性回路基板は、銅、カプトン、ポリエステル(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリミド、グラスファイバー、アクリル系接着剤などの材料から作製され得る。可撓性回路基板は、プリント回路および電子構成要素の形態の電子構成要素を含み得る。
【0144】
例示的な電源は、可撓性リチウムポリマー電池、リチウムマンガン、酸化銀、およびアルカリコイン電池(例えば、CR 2032、SR516、およびLR60タイプのコイン電池)などのコイン電池を含む。他の回路基板および/または電源タイプが使用され得る。
【0145】
前述の説明は、例示の実施形態のみを開示する。この開示の範囲内にある上記開示の装置および方法の変更が、当業者にとって容易に明らかであろう。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図1I
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14
図15
図16
図17
【国際調査報告】