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特表2023-511013EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方組成物及びその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方組成物及びその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/75 20060101AFI20230309BHJP
   A61K 36/355 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/288 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/489 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/534 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/70 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/65 20060101ALI20230309BHJP
   A61P 17/04 20060101ALI20230309BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20230309BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/756 20060101ALI20230309BHJP
   A61K 36/185 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
A61K36/75
A61K36/355
A61K36/288
A61K36/489
A61K36/534
A61K36/70
A61K36/65
A61P17/04
A61P17/00
A61P43/00 121
A61K36/756
A61K36/185
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022538276
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(85)【翻訳文提出日】2022-06-17
(86)【国際出願番号】 CN2020137615
(87)【国際公開番号】W WO2021121388
(87)【国際公開日】2021-06-24
(31)【優先権主張番号】201911327934.5
(32)【優先日】2019-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522244584
【氏名又は名称】揚子江薬業集団広州海瑞薬業有限公司
【氏名又は名称原語表記】YANGTZE RIVER PHARMACEUTICAL GROUP GUANGZHOU HAIRUI PHARMACEUTICAL CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】31 Xiangshan Road, Guangzhou Science City, Hi-tech Industrial Development Zone, Guangzhou, Guangdong 510663, China
(71)【出願人】
【識別番号】509181851
【氏名又は名称】▲揚▼子江▲薬▼▲業▼集▲団▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】YANGTZE RIVER PHARMACEUTICAL GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】1 South Yangtze River Road, Taizhou, Jiangsu 225321 CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】522244595
【氏名又は名称】揚子江薬業集団江蘇龍鳳堂中薬有限公司
【氏名又は名称原語表記】YANGTZE RIVER PHARMACEUTICAL GROUP JIANGSU LONGFENGTANG TRADITIONAL CHINESE MEDICINE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.9, Longfengtang West Road, Yonganzhou Town, Gaogang District, Taizhou, Jiangsu 225327, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100150500
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 靖
(74)【代理人】
【識別番号】100176474
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 信彦
(72)【発明者】
【氏名】林 麗珠
【テーマコード(参考)】
4C088
【Fターム(参考)】
4C088AB12
4C088AB26
4C088AB38
4C088AB43
4C088AB58
4C088AB59
4C088AB62
4C088AC01
4C088AC03
4C088AC04
4C088AC06
4C088AC11
4C088BA07
4C088MA07
4C088MA13
4C088MA17
4C088MA28
4C088MA41
4C088MA52
4C088MA63
4C088NA06
4C088NA14
4C088ZA89
4C088ZC75
(57)【要約】
EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物であって、成分としてキンギンカ、ホコウエイ、クジン、ジフシ、ハクセンピ、ボタンピ、オウバク、ハッカを治療有効量で含有することを特徴とする組成物。該EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物は、EGFR-TKIs関連皮疹及び爪溝炎の治療に対して一定の効果を有し、各種の生薬を相互に調和させることにより、薬効を最大限に発揮することができ、患者の生存の質を明らかに向上させ、患者の生存期間を延ばすことができ、また、毒性や副作用がなく、治療費用が低い等の利点がある。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
漢方薬組成物であって、
成分としてキンギンカ、ホコウエイ、クジン、ジフシ、ハクセンピ、ボタンピ、オウバク、ハッカを治療有効量で含み、
好ましくは、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物である、ことを特徴とする漢方薬組成物。
【請求項2】
キンギンカ5~40部、ホコウエイ5~50部、クジン3~50部、ジフシ5~50部、ハクセンピ3~50部、ボタンピ5~50部、オウバク5~50部、ハッカ2~30部である、ことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項3】
キンギンカ15部、ホコウエイ15部、クジン9部、ジフシ15部、ハクセンピ10部、ボタンピ12部、オウバク12部、ハッカ6部である、ことを特徴とする請求項1に記載の漢方薬組成物。
【請求項4】
EGFR-TKIs関連皮疹を治療する製剤の調製における、請求項1~3のいずれか1項に記載の漢方組成物の使用。
【請求項5】
EGFR-TKIs関連性爪溝炎を治療する製剤の調製における、請求項1~3のいずれか1項に記載の漢方組成物の使用。
【請求項6】
塗布剤、水剤、水煎じ剤、顆粒剤、膏剤、合剤、エアゾール剤、ゲル剤、軟膏、マスク剤、クリーム剤又は軟膏である請求項4又は5に記載の製剤。
【請求項7】
7EGFR-TKIs関連皮疹又は爪溝炎を治療する方法であって、請求項1~3のいずれか1項に記載の漢方組成物を、ヒトなど、これを必要とする患者に投与することを含む、治療方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2019年12月20日に中国国家知識産権局に提出された、特許出願番号が201911327934.5、発明の名称が「EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物及びその使用」である先願の優先権を主張している。当該先願の全文は引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、漢方薬の技術分野であり、具体的には、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物及びその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
2018年世界癌年報によると、世界1800万人の新しい癌症例及び960万人の癌死亡症例のうち、中国の新しい症例数は380.4万例、死亡症例数は229.6万例に達し、世界一位になっている。新しい治療手段としての分子標的治療は、癌関連分子を標的とし、薬物、抗体などの有効成分を癌細胞及び関連成分に標的に局在化することで、癌を治療する目的を達成する。2018年中国臨床腫瘍学会(CSCO)の肺癌ガイドラインでは、IV期駆動遺伝子陽性NSCLCの第一線治療について、ゲフィチニブ、エクチニブ、エルロチニブ、アファチニブ(I類エビデンス)を推奨している。
【0004】
臨床でこのような標的薬治療を適用した場合、皮膚に関連する様々な副作用を伴い、アクネ様皮疹や爪溝炎、毛髪異常、かゆみ、皮膚乾燥などの所見が多く、これらが表皮成長因子受容体(EGFRI)に関連するため、PRIDE症候群(EGFRIsによく見られる皮膚反応はPRIDE症候群と呼ばれ、「P」は丘疹膿疱性疹、爪溝炎、「R」は毛髪成長調節変化、「I」はかゆみ、「D」は乾燥、「E」はEGFRIsを表す、)と呼ばれる。表皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKIs)の第III相臨床研究における皮疹/アクネ様皮疹の発生率は15.5%~89.1%であった。治療開始から約1~2週間後に患者の顔面、胸部や背中などの脂腺が豊富な領域にかゆみ/疼痛を伴う斑状丘疹と膿疱疹が出現し、3分の1の患者に顕著なかゆみや灼熱、38%の患者に二次的な皮膚感染が発生し、これらは患者のQOLの低下をもたらした。
【0005】
中国の国内外では、EGFR-TKIs関連皮疹の処置に対して、十分な治療的研究証拠によるサポートが不足しており、多数の証拠は予防的薬物に関する研究に基づいている。中国の国内外では、治療上に抗生物質とホルモンを用いた対症処理を主とすることを提案しているが、実際の臨床治療効果は不明確であり、また、全身治療を施すと、患者自身の抗腫瘍免疫応答レベルに影響を与えて、EGFR-TKIsの治療効果を低下させる恐れがある。また、中重度皮疹が発生した患者には、耐えられないため、減量、間歇服薬や中止を選択することが多く、これにより、この部分の患者において標的治療が機能することが制限されてしまう。
【発明の概要】
【0006】
発明者は研究を行った結果、EGFR-TKIs関連皮疹は中国医学では「薬毒疹」「湿毒瘍」「風毒腫」に属することがわかった。現代の医学者が先人の知識及び臨床経験を組み合わせて、EGFR-TKIsによる皮疹の根本的な機序は、体内では陰気が不足しており、血液に熱が侵入してしまい、毒素や邪気などが体表に蓄積することであり、治療方法としては、陰気を増やして乾燥状態を解消し、体質を改善するとともに、病邪の段階に応じて、肺の機能を高め、体内の熱を下げて、血液に侵入した熱を排出し、鬱血解消によって病因を取り除くのが有効であり、このため、「体内の熱を下げて血液に侵入した熱を解消し、乾燥状態をなくして痒みを止める」をEGFR-TKIsによる皮疹の治療の基本的な方法とし、外用疹掻痒治療処方を作成した。この処方は、主に、体内の熱を下げて血液に侵入した熱を解消し、鬱血などを解消して痒みを止める効果を果たす。処方には、キンギンカは君薬として、体内の熱を下げて毒素を除去し、風邪や熱邪を追い出す機能を果たし、ボタンピは臣薬として血液に侵入した熱を解消して血液の流れをよくする機能を果たし、クジン、ホコウエイ、オウバクは佐薬として、体内の熱を下げて、乾燥状態をなくして毒素を除去し、寄生虫などを殺して痒みを止める機能を果たし、ジフシ、ハクセンピ及びハッカは使薬として、体内の熱を下げて、乾燥状態をなくし、風邪を取り除いて痒みを止める機能を果たす。Meta分析により、この漢方薬の使用はEGFR-TKIs関連皮疹を明らかに改善し、EGFR-TKIsの治療効果に影響を与えずに患者の生活の質を改善できることが明らかになる。
【0007】
本発明は、処方理論に従って、特定の配合比で調製された組成物、好ましくはEGFR-TKIs関連皮疹を治療する組成物であって、成分としてキンギンカ、ホコウエイ、クジン、ジフシ、ハクセンピ、ボタンピ、オウバク、ハッカを治療有効量で含む組成物を提供する。
【0008】
漢方薬成分の説明:
キンギンカ:スイカズラ科植物LonicerajaponicaThunb.、キダチニンドウL.hypoglaucaMiq.、土銀花L.confucaDC.やL.dasystylaRehd.の乾燥したつぼみや初咲きの花である。体内の熱を下げて毒素を除去し、風熱を放散する効果がある。主に腫れもの、風熱による症状を伴う風邪、初期発熱、熱毒による血痢を治療する。
ホコウエイ:キク科植物タンポポTaraxacummongolicumHand.-Mazz.、セイヨウタンポポT.sinicumKitag.や同属の数種類の植物の乾燥全草である。体内の熱を下げて毒素を除去し、腫れを解消して、しこり、腫瘤や結石等を次第に消滅させ、湿邪を利水によって排出して尿を出しやすくする効果がある。主に腫れ物、乳房にできた癰、熱淋渋痛、湿熱黄疸を治療し、肝の働きを改善して視力を高める。
クジン:マメ科植物苦参SophoraflavescensAit.の乾燥根である。体内の熱を下げて乾燥状態を改善し、寄生虫などを殺して、尿を出しやすくする効果がある。主に湿熱下痢、下血、黄疸、湿熱帯下、陰部の腫れや痒み、湿疹や湿瘡、皮膚掻痒、疥癬、湿熱による小便困難を治療する。
ジフシ:タデ科植物コキアKochiascoparia(L.)Schradの成熟果実である。尿を出しやすくし、体内の熱を下げて湿邪を尿とともに排出し、痒みを止める効果がある。主に淋病、陰部のかゆみや帯下、風疹、湿疹を治療する。
ハクセンピ:ミカン科植物ハクセンDictamnusdasycarpusTurcz.の乾燥根皮である。体内の熱を下げて乾燥状態を改善し、風邪を取り除いて毒素を除去する効果がある。主に湿熱瘡毒、湿疹、疥癬、湿熱黄疸、風湿熱痺を治療する。
ボタンピ:キンポウゲ科植物牡丹PaeoniasuffruticosaAndr.の乾燥根皮である。体内の熱を下げて血液に侵入した熱を排出し、血の流れをよくして鬱血を解消する効果がある。主に温毒による斑の発生、血熱や吐血、温病傷陰、陰虚発熱、夜熱早涼、無汗骨蒸、血滞経閉や生理痛、打撲傷、瘡腫れや瘡毒を治療する。
オウバク:ミカン科植物キハダPhellodendronchinenseSchneid.の乾燥樹皮である。体内の熱を下げて乾燥状態を改善し、体内に蓄積した熱毒を取り除いて毒素を除去し、骨蒸しを治療する効果がある。主に湿熱帯下、熱淋渋痛、湿熱下痢、黄疸、湿熱による脚気、瘻証、骨蒸労熱、寝汗、遺精、瘡、瘍や腫れの毒素、湿疹掻痒を治療する。
ハッカ:ラテン学名haMentha haplocalyx Briq.、一般名は「銀丹草」であり、シソ科植物であり、同属の他の乾燥全草である。風邪を排出し、熱邪を追い出す効果がある。主に風熱風邪、頭痛、目赤、咽喉腫痛、歯痛、皮膚掻痒を治療する。
【0009】
本発明に使用される生薬はいずれも一般の漢方薬局から購入可能であり、その規格は中国薬局方基準に適合している。
【0010】
本発明の1つの好ましい態様として、前記組成物は、以下の重量部の成分をさらに含む。
キンギンカ5~40部、ホコウエイ5~50部、クジン3~50部、ジフシ5~50部、ハクセンピ3~50部、ボタンピ5~50部、オウバク5~50部、ハッカ2~30部。
【0011】
本発明の好ましい実施形態によれば、キンギンカの重量部は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39又は40部であってもよく、
【0012】
ホコウエイの重量部は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0013】
クジンの重量部は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0014】
ジフシの重量部は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0015】
ハクセンピの重量部は、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0016】
ボタンピの重量部は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0017】
オウバクの重量部は、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49又は50部であってもよく、
【0018】
ハッカの重量部は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30部であってもよい。
【0019】
本発明の最も好ましい態様として、前記組成物は、以下の重量部の成分をさらに含む。
キンギンカ15部、ホコウエイ15部、クジン9部、ジフシ15部、ハクセンピ10部、ボタンピ12部、オウバク12部、ハッカ6部。
【0020】
本発明はまた、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する製剤の調製における上述した漢方組成物、例えばEGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方組成物の使用を提供する。
【0021】
本発明はまた、EGFR-TKIs関連性爪溝炎を治療する製剤の調製における上述した漢方組成物、例えばEGFR-TKIs関連性皮疹を治療する漢方組成物の使用を提供する。
【0022】
好ましくは、前記製剤は、塗布剤、水剤、水煎じ剤、顆粒剤、膏剤、合剤、エアゾール剤、ゲル剤、軟膏、マスク剤、クリーム剤又は軟膏である。
【0023】
本発明はまた、EGFR-TKIs関連皮疹又は爪溝炎を治療する方法であって、前記漢方組成物を、ヒトなど、これを必要とする患者に投与することを含む方法を提供する。
【0024】
EGFR-TKIによる治療を受けてから4~8週間後、患者の指の爪や足指の爪に変化が生じ、通常、指(足指)の爪の付け根の縁から発赤、腫れ、痛みが現れ、その後、両側の爪溝に炎症、潰瘍、化膿性肉芽組織などの症状が現れ、指(足指)の爪が埋め込まれて、患者の働きが不便になる。甲溝炎の主な臨床所見は以下のとおりである。(1)皮疹は甲周皮膚から発生する。(2)肉芽組織が形成される。(3)塗抹標本では、グラム陽性菌(gram positive bacteria、G+)、グラム陰性菌(gram negative bacteria、G-)及びカンジダ・アルビカンスの感染が認められる。本発明の漢方薬組成物は、膏剤として調製され、患部に2週間塗布すると症状が改善される。
【発明の効果】
【0025】
発明の有益な効果
本発明のEGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物の使用は、EGFR-TKIs関連皮疹及び爪溝炎の治療に対して一定の効果を有し、各種の生薬を相互に調和させることにより、薬効を最大限に発揮することができ、患者の生存の質を明らかに向上させ、患者の生存期間を延ばすことができ、また、毒性や副作用がなく、治療費用が低い等の利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の漢方薬組成物によるEGFR-TKIs関連皮疹の治療におけるWoMoスケールシートのC部分スコアの変化傾向の模式図である。
図2】本発明の漢方薬組成物によるEGFR-TKIs関連皮疹の治療におけるWoMoスケールシートの総スコアの変化傾向の模式図である。
図3】実施例4における症例1のEGFR-TKIs関連性爪溝炎の治療前後の比較である(aは治療前、bは治療後)。
図4】実施例4における症例2のEGFR-TKIs関連性爪溝炎の治療前後の比較(aは治療前、bは治療後)である。
図5】実施例5における症例1のEGFR-TKIs関連皮疹の治療前後の比較(aは治療前、bは治療後)である。
図6】実施例5における症例2のEGFR-TKIs関連皮疹の治療前後の比較(aは治療前、bは治療後)である。
図7】実施例5における症例3のEGFR-TKIs関連皮疹の治療前後の比較(aは治療前、bは治療後)である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の技術的解決手段、目的及び利点をより簡潔かつ明瞭に示すために、以下では、具体的な実施例及びその図面を参照して本発明をさらに詳細に説明する。
【0028】
実施例1
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ15g、ホコウエイ15g、クジン9g、ジフシ15g、ハクセンピ10g、ボタンピ12g、オウバク12g、ハッカ6g(後下)。処方全体は94gとし、水で煎じて50mlに濃縮し、1 mlあたり生薬1.88gを含んだ。
【0029】
実施例2
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ5部、ホコウエイ5部、クジン3部、ジフシ5部、ハクセンピ、ボタンピ5部、オウバク5部、ハッカ2部。
【0030】
実施例3
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ15部、ホコウエイ10部、クジン8部、ジフシ10部、ハクセンピ12部、ボタンピ6部、オウバク8部、ハッカ10部。
【0031】
実施例4
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ20部、ホコウエイ18部、クジン20部、ジフシ20部、ハクセンピ25部、ボタンピ10部、オウバク10部、ハッカ12部。
【0032】
実施例5
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ40部、ホコウエイ50部、クジン50部、ジフシ50部、ハクセンピ50部、ボタンピ50部、オウバク50部、ハッカ30部。
【0033】
実施例6
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方組成物の調製方法を提供した。
(1)上記組成物を秤量し、その体積に対して10倍の水を加えて浸漬し、40~60min煎じた後にろ過し、第1の薬液を得た。
(2)ステップ(1)で得られた薬滓にその体積に対して10倍の水を加え、30~40min煎じた後にろ過し、第2の薬液を得た。
(3)ステップ(1)及びステップ(2)で得られた濾液を併せて遠心分離し、濾液を濃縮することにより、煎じ液を得た。
上記調製ステップにおいて、所定時間まで2回煎じた後、煎じ液の冷却後に一部の成分が析出して失われることを避けるため、2回煎じた薬液を熱いうちにろ過した。
(4)ステップ(3)の煎じ液を強火で加熱して沸騰し、その後、弱火でゆっくり煎じて、溶液を微沸騰状態に維持し、このように、水分の揮発を減らし、溶液の水分が全て揮発されたり、焦げたりすることを防止するとともに、また、漢方薬の中の有効成分の抽出を促進する。
(5)好ましい態様として、濾液濃度が1.88g/ml(すなわち、濃縮液1ml当たり1.88gの薬物を含有する煎じ物)になるように前記濾液を濃縮することにより、後続の投薬量の制御が容易になり、より良好な薬効が発揮される。
【0034】
実施例7
実施例1で調製された漢方組成物は、EGFR-TKIs関連皮疹の治療に使用され、具体的には以下の通りである。
【0035】
1.治療計画
(1)治療対象の特徴:EGRF-TKIを服用し、関連性皮疹が出現した患者40例。平均年齢54.70±12.00歳、最年少30歳、最年長82歳、男性25人、女性15人であった。IV期32例(80.00%)、III期8例(20.00%)を組み入れた。19エクソン変異12例(30.00%)、L858R変異19例(47.50%)、詳細不明9例(22.50%)。標的薬は、アファチニブ15例(37.50%)、エルロチニブ7例(17.50%)、ゲフィチニブ7例(17.50%)、エクチニブ5例(12.50%)、オセチニブ4例(10.00%)、ダコミチニブ2例(5.00%)であり、皮疹発生までの期間は13.03±15.18日であった。
【0036】
【表1】
【0037】
(2)使用方法:外用、皮疹患者の場合、顔部に塗布。1回50ml、1日2回、1回30分、患部に外用や浸した。各被験者は、毎日朝晩1回ずつ、2週間持続して、疹掻痒治療処方の水煎じ剤を顔部に塗布した。
【0038】
2.評価指標
(1)主な研究結果:WoMoスケールシートを用いて、EGFR-TKI関連性皮疹に対する、疹掻痒治療処方の治療効果を評価した。治療前後のWoMoスケールシートスコアの低下に差があるかどうかを比較した。また、前後の差を1.96と設定し、標準誤りを最小限の臨床的差異(MICD)とした。
(2)不良反応:研究中に出現した有害事象を記録した。
【0039】
3.統計的分析
すべての計数データについてカイ二乗検定を用い、期待計数が5未満のものが20%以下であり、最小期待計数が1以上の場合、pearsonカイ二乗を用い、20%を超える期待の計数が5未満であり、且つ最小期待計数が1以上である場合、連続性により補正し、最小期待計数<1又はn<40の場合、fisher又は尤度比法を用いる。測定データは平均±標準偏差(mean±SD)で表され、すべての測定データは分散均一性検定を用いた。逆の場合、群間比較にはMann-Whitney U検定又はt’検定を用い、群内比較にはWilcoxon signed-rank検定又はWilcoxon符号順位検定を用いた。
研究の臨床成果はWoMoスケールシートスコアの変化を含み、例えば、ベースライン(T0)、1週間の介入後(T1)、2週間の介入後(T2)などは繰り返し測定データであり、繰り返し測定用の一般化推定方程式(GEE:Generalized Estimating Equation)を用いて計算した。
p<0.05は統計的な差があるとされている。すべての信頼区間は両側95%信頼区間であり、2群間の差異を比較すると、すべての統計は両側検定(2-side test)であるとされている。分析(www.empowerstats.com;X&Y solutions Inc.,Boston,MA)及びR(http://www.R-project.org)にはEmpowerstatsが使用された。
【0040】
4.治療結果
(1)本発明の漢方薬組成物は、WoMoスケールシートスコアを低下させることができる。
一般化推定方程式を用いて患者が治療を2週間受けた前後のWoMoスケールシートスコアの変化を比較した。図1と表2から分かるように、分析では、従属変数はベースライン時間をベースラインとし、異なる時点での比較では、1週目(Time1)と2週目(Time2)の偏回帰係数はそれぞれ-2.4809、-3.5863とされ、いずれも統計的に有意であった(P値はいずれも0.0001未満)。時間が長くなるにつれて、WoMoスコアスケールシートのC部分は顕著に減少する傾向があり、治療の有効性が示唆された。
【表2】
図2及び表3から分かるように、一般化推定方程式を用いてWoMoスケールシートの総スコアを分析したところ、分析では、従属変数はベースライン時間をベースラインとし、異なる時点での比較では、1週目(Time1)及び第2週目(Time2)の偏回帰係数はそれぞれ-10.4973及び-15.5509とし、いずれも統計的に有意であった(P値はいずれも0.0001未満)。時間が長くなるにつれて、WoMoスコアスケールシートのC部分は顕著に減少する傾向があり、治療の有効性が示唆された。
【表3】
(2)不良反応:治療中にいかなる薬物の不良反応も発見されなかった。
【0041】
実施例8
実施例1で調製された漢方組成物は、EGFR-TKIs関連爪溝炎の治療に使用され、具体的には以下の通りである。
【0042】
1.治療計画
(1)治療対象の特徴:EGRF-TKIを服用し、爪溝炎が出現した患者16例。平均年齢53.81±11.99歳、男性8人、女性8人であった。IV期12例(75.00%)、IIIB期4例(25.00%)を組み入れた。19エクソン変異10例(62.50%)、L858R変異5例(31.25%)、861Q変異1例(6.25%)。このうち、15例はアファチニブ、1例はゲフィチニブの治療を受けた。
【表4】
(2)使用方法:外用、1回50ml、1日2回、1回30分、患部に塗布又は浸した。毎日朝晩1回ずつ、2週間持続した。
【0043】
2.評価指標
(1)主な研究結果:爪溝炎の等級は2017年にNCIが発表したCTCAE 5.0標準等級を参照にした。具体的には、表5に示すように、治療により1級下がる場合を有効、2級下がる場合を著効、爪溝炎が消失した場合を完治とした。
【表5】
(2)不良反応:研究中に出現した有害事象を記録した。
【0044】
3.統計的分析
(1)すべての計数データについてカイ二乗検定を用い、期待計数が5未満のものが20%以下であり、最小期待計数が1以上の場合、pearsonカイ二乗を用い、20%を超える期待の計数が5未満であり、且つ最小期待計数が1以上である場合、連続性により補正し、最小期待計数<1又はn<40の場合、fisher又は尤度比法を用いる。測定データは平均±標準偏差(mean±SD)で表される。
p<0.05は統計的な差があるとされている。すべての信頼区間は両側95%信頼区間であり、2群間の差異を比較すると、すべての統計的仮定は両側検定(2-side test)である。分析(www.empowerstats.com;X&Y solutions Inc.,Boston,MA)及びR(http://www.R-project.org)にはEmpowerstatsが使用された。
【0045】
4.治療結果
(1)疹掻痒治療処方の2週間の外用による爪溝炎の治療効果
表6に示す結果から、爪溝炎患者のうちCTCAE 5.0等級によれば、2級は16人(100.00%)であった。治療後3人(18.750%)は全快(0級)、13人(81.250%)はCTCAE 5.0等級が1級に下がった。有効は16人であり、有効率は100.00%であり、著効/全快は3人であり、著効率は18.750%に達した。
治療前後のCTCAE等級は統計学的に有意差があった(P=0.012)。
【表6】
注:カイ二乗検定を用いて治療前後の差を比較したところ、計数変数の理論数は10未満であり、Fisher正確確率検定を行ったところ、P=0.012であった。
(2)不良反応:治療中にアレルギーや、感染などの薬物の不良反応が認められなかった。
【0046】
実施例4:EGFR-TKIs関連爪溝炎に対する本発明の漢方薬組成物の臨床実験
【0047】
1.症例1
症例1、患者呉XX、女性、49歳。2019年6月に肺腺癌と診断され、IV期、遺伝子検査:19エクソン変異、アファチニブ40mg QDを服用して治療し、2ケ月後に爪溝炎が出現し、次第に悪化し、肉芽様組織生成が認められた(図3a)。2019年8月3日より外用疹治療処方を用いて1日2回浸漬したところ、1週間後に肉芽様組織が消え、爪郭の水腫のみが残った(図3b)。CTCEA等級は2級から1級に下がった。
【0048】
2.症例2
症例2、関XX、男性、59歳。2019年8月に肺腺癌と診断され、IV期、遺伝子検査:19エクソン変異、アファチニブ40mg QDを服用して治療し、1ケ月後に爪溝炎が出現し、次第に悪化し、両側の親指の外側縁に爪郭の水腫や疼痛が認められた(図4a)。2019年8月25日より外用疹治療処方を用いて1日2回浸漬したところ、1週間後に爪郭の水腫は消え、痛みや不快感はなくなり、ほぼ全快した(図4b)。CTCAE等級は2級から全快になった。
【0049】
実施例9:EGFR-TKIs関連皮疹に対する本発明の漢方薬組成物の臨床実験
【0050】
1.症例1
患者黄XX、男性、57歳、左肺上葉腺癌術後に全身骨の多発転移を伴うと診断された。2017-12~2018-10にゲフチナットを内服したが、10月余りの後に腫瘍が行進し、投薬して4月余りに深刻な皮疹が現れた。2018-11に遺伝子検査を行った結果:Exon-21(L858R変異)、TP53病原変異。2018-11に本病院外来初診からオシメルチニブ内服に変更した。2019年3月に来診したときに、患者の皮疹は進行的に悪化し、その時、顔面の皮疹は主に左右の頬部に分布し、丘疹と紅斑が主で、暗赤色で、WoMoの総スコアが50点であり、WoMo のC部分のスコアが9点であった(図5a)。本計画を用いて2週間の介入治療を行った結果、顔面の皮疹は好転し、顔面の丘疹と紅斑は明らかに解消し、WoMoの総スコアは30点、WoMo のC部分のスコアは5点であった(図5b)。
【0051】
2.症例2
患者沈XX、男性、60歳。両肺、両鎖上骨、縦隔、右肺門多発M(IVa期)を合併した左肺下葉腺癌と診断された。2018-11-14からペメトレキセド+シスプラチン化学療法+アバスチン及び免疫治療を開始し合計7コースとした。2019-5-9にアファチニブ(30mg)+アンロチニブ(8mg)を投与し、16日目に皮疹が出現した。患者の顔面皮疹は主に鼻部、両側頬部、下顎部に分布し、特に鼻部皮疹は明らかであり、同時に紅斑、丘疹や膿腫が存在する(図6a)。WoMoの総スコアは60点、WoMo のC部分のスコアは13点であり、疹掻痒治療処方を2週間塗布後、WoMoの総スコアは30点、WoMoのC部分スコアは7点であった。鼻の膿瘍はほとんど解消し、わずかな丘疹と紅斑のみは残った(図6b)。
【0052】
3.症例3
患者陳XX、男性、57歳。2018年8月20日に患者のCT検査で左上肺癌を示した。病理検査:肺腺癌。EGFR検査:Exon 19変異。その後、漢方医薬を用いて治療し、2019年5月22日にCTにより左上肺腺癌が前より増大し、肝転移を伴ったことを示した。その後、アファチニブを服用した。2019年9月10日に再検査CTにより左上肺癌が50%縮小したことを示した。左肺、肝転移腫瘍のアブレーション術を行い、肝転移に先行小病巣が出現し、2019年10月15日、2019年11月14日に「ペメトレキセド二ナトリウム1g+ベバシズマブ0.5g」を同時に使用して治療した。治療中に患者には深刻な皮疹が出現し、同時に嚢腫、膿腫、丘疹や紅斑が存在し、WoMo総スコアは80点、WoMoのC部分スコアは10点であった(図7a)。2019年10月27日から疹掻痒治療処方を用いて治療始し、4日目から明らかな好転が現れ、膿腫は癒合し始め、丘疹、嚢腫は解消し、紅斑面積は減少し、WoMoスコアは合計50点、WoMoのC部分スコアは5点であり(図7b)、治療効果は顕著であった。
【0053】
前記実施例は、本発明のいくつかの実施形態を示したにすぎず、その説明は具体的かつ詳細であるが、発明特許の範囲に対する制限として理解することはできない。なお、当業者にとっては、本発明の構想を逸脱することなく、さらにいくつかの変形や改良を行うことができ、これらは本発明の保護範囲に属する。したがって、本発明の特許の保護範囲は、添付された請求項に基づいて定まれたものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-06-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
臨床でこのような標的薬治療を適用した場合、皮膚に関連する様々な副作用を伴い、アクネ様皮疹や爪溝炎、毛髪異常、かゆみ、皮膚乾燥などの所見が多く、これらが表皮成長因子受容体阻害剤(EGFRI)に関連するため、PRIDE症候群(EGFRIsによく見られる皮膚反応はPRIDE症候群と呼ばれ、「P」は丘疹膿疱性疹、爪溝炎、「R」は毛髪成長調節変化、「I」はかゆみ、「D」は乾燥、「E」はEGFRIsを表す、)と呼ばれる。表皮成長因子受容体チロシンキナーゼ阻害剤(EGFR-TKIs)の第III相臨床研究における皮疹/アクネ様皮疹の発生率は15.5%~89.1%であった。治療開始から約1~2週間後に患者の顔面、胸部や背中などの脂腺が豊富な領域にかゆみ/疼痛を伴う斑状丘疹と膿疱疹が出現し、3分の1の患者に顕著なかゆみや灼熱、38%の患者に二次的な皮膚感染が発生し、これらは患者のQOLの低下をもたらした。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
実施例2
本実施例は、EGFR-TKIs関連皮疹を治療する漢方薬組成物を提供した。
キンギンカ5部、ホコウエイ5部、クジン3部、ジフシ5部、ハクセンピ3部、ボタンピ5部、オウバク5部、ハッカ2部。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0046】
実施例:EGFR-TKIs関連爪溝炎に対する本発明の漢方薬組成物の臨床実験
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0049】
実施例10:EGFR-TKIs関連皮疹に対する本発明の漢方薬組成物の臨床実験
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
1.症例1
患者黄XX、男性、57歳、左肺上葉腺癌術後に全身骨の多発転移を伴うと診断された。2017-12~2018-10にゲフチナットを内服したが、10月余りの後に腫瘍が行進し、投薬して4月余りに深刻な皮疹が現れた。2018-11に華夏遺伝子社にて遺伝子検査を行った結果:Exon-21(L858R変異)、TP53病原変異。2018-11に本病院外来初診からオシメルチニブ内服に変更した。2019年3月に来診したときに、患者の皮疹は進行的に悪化し、その時、顔面の皮疹は主に左右の頬部に分布し、丘疹と紅斑が主で、暗赤色で、WoMoの総スコアが50点であり、WoMo のC部分のスコアが9点であった(図5a)。本計画を用いて2週間の介入治療を行った結果、顔面の皮疹は好転し、顔面の丘疹と紅斑は明らかに解消し、WoMoの総スコアは30点、WoMo のC部分のスコアは5点であった(図5b)。
【国際調査報告】