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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】高速アーク検出整合ネットワーク
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20230309BHJP
   H05H 1/00 20060101ALI20230309BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/00 A
H01L21/302 103
H01L21/302 101C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542138
(86)(22)【出願日】2021-01-09
(85)【翻訳文提出日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2021012851
(87)【国際公開番号】W WO2021142382
(87)【国際公開日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】62/959,650
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/145,228
(32)【優先日】2021-01-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520190366
【氏名又は名称】コメット テクノロジーズ ユーエスエー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100196601
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 祐市
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン イー.サバス
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドレ デ チャンブライアー
【テーマコード(参考)】
2G084
5F004
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084BB02
2G084BB14
2G084CC12
2G084CC13
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD04
2G084DD15
2G084DD23
2G084DD55
2G084FF15
2G084HH02
2G084HH08
2G084HH21
2G084HH22
2G084HH23
2G084HH25
2G084HH27
2G084HH37
2G084HH43
5F004AA01
5F004BA20
5F004BB13
5F004BB28
5F004CB05
(57)【要約】
無線周波数プラズマ処理システムにおいてプラズマ非対称性を検出する方法であって、近接するチャンバー対称軸を有する反応チャンバーに無線周波数電力を供給すること、及び複数の広帯域電磁センサーから無線周波数信号を受信することを含む、方法。また、フーリエ解析を使用して無線周波数信号を処理すること、及び無線周波数信号のフーリエ解析に基づいて、反応チャンバー内でプラズマの非対称性が発生したことを決定することを含む、方法。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線周波数発電機を制御するための自動インピーダンス整合ネットワークであって、
各信号入力ポートは、異なる広帯域無線周波数検出器に接続され、複数の信号入力ポート及び複数の広帯域無線周波数検出器を有する前記自動インピーダンス整合ネットワーク内の無線周波数絶縁区画、ここで前記複数の広帯域無線周波数検出器の各々は、周波数によって信号を分析するように構成される回路を備え、前記複数の広帯域無線周波数検出器の各々は、反応チャンバーに関連する広帯域無線周波数センサーと外部接続され、前記広帯域無線周波数センサーから信号を受信することができ、
各周波数成分の振幅と位相の間の差を決定するようにプログラムされ、前記複数の広帯域無線周波数信号検出器の複数の出力に接続される計算及び論理プロセッサ、及び
前記反応チャンバーの前記無線周波数発電機及び処理コントローラの少なくとも1つに入力データを提供するように構成される前記計算及び論理プロセッサからの出力を備える、自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項2】
前記区画内の前記計算及び論理プロセッサに内部接続し、データの格納及び前記計算及び論理プロセッサのプログラミング命令を提供する取り外し可能なデバイスにさらに接続される、少なくとも1つの追加の入力ポート及び出力ポートをさらに備える、請求項1に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項3】
インピーダンス整合ネットワークの前記区画内の複数の検出器は、前記信号入力ポートを介して前記広帯域無線周波数検出器の少なくとも1つに接続され、前記広帯域無線周波数検出器は前記反応チャンバーの内部又は近接して配置される、請求項1に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項4】
前記複数の広帯域無線周波数検出器は、前記反応チャンバーに電力を供給する第2無線周波数発電機に関連する基本波周波数及び高調波周波数を含む他の無線周波数で無線周波数信号を感知するように構成されてもよい、請求項1に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項5】
前記複数の広帯域無線周波数検出器は、前記複数の広帯域無線周波数検出器への信号入力の実行時系列の前記基本波周波数及び前記高調波周波数並びに相対位相へのフーリエ解析を実行するように構成される前記回路を含み、前記複数の広帯域無線周波数検出器の各々は、前記計算及び論理プロセッサの前記入力ポートに接続される前記出力ポートを有する、請求項1に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項6】
自動インピーダンス整合ネットワークの区画、
前記自動インピーダンス整合ネットワークの前記区画内の前記計算及び論理プロセッサ、並びに前記自動インピーダンス整合ネットワークの前記区画への前記複数の信号入力ポート、前記信号入力ポートは各々、前記反応チャンバーと関連する少なくとも1つの広帯域無線周波数検出器に外部接続され、及び
前記反応チャンバーの前記無線周波数発電機及び前記処理コントローラの少なくとも1つに入力データを提供するための前記計算及び論理プロセッサからの出力ポートを備える、自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項7】
前記区画内の計算プロセッサに内部接続し、前記計算プロセッサのデータ及びプログラミング命令を格納する取り外し可能なデバイスに接続される少なくとも1つの入力ポート及び前記出力ポートをさらに備える、請求項6に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項8】
前記自動インピーダンス整合ネットワークの前記区画内の前記少なくとも1つの広帯域無線周波数検出器は、前記信号入力ポートを介して前記広帯域無線周波数検出器の少なくとも1つに接続され、前記広帯域無線周波数検出器は、前記反応チャンバーの内部又は近接して配置される、請求項6に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項9】
前記広帯域無線周波数検出器は、前記少なくとも1つの広帯域無線周波数検出器への信号入力の実行時系列の前記基本波周波数及び前記高調波周波数への前記フーリエ解析を実行し、前記計算及び論理プロセッサに対して、前記少なくとも1つの広帯域無線周波数検出器によって受信された信号の基本波周波数成分及び高調波周波数成分の振幅及び位相を出力として提供する回路を含む、請求項1に記載の自動インピーダンス整合ネットワーク。
【請求項10】
プラズマ-ベース処理において2次プラズマを迅速に検出するための方法であって、
その無効インピーダンスを自動的に調整して、発電機からの無線周波数電力を反応チャンバーによって実質的に吸収させるインピーダンス整合ネットワークに無線周波数電力を供給すること、
計算プロセッサに接続される複数の出力を有する複数の広帯域無線周波数検出器を有する前記インピーダンス整合ネットワークの無線周波数絶縁区画を提供すること、ここで各検出器の入力は、前記反応チャンバーに関連する広帯域無線周波数センサーに外部接続され、
前記反応チャンバー内の前記センサーから信号の無線周波数スペクトル分析を実行し、各広帯域無線周波数検出器によって検出されたそれぞれの周波数成分の各周波数成分の振幅及び位相における前記広帯域無線周波数検出器の間の差を計算するようにプログラムされるプロセッサにスペクトル情報を伝導する前記複数の広帯域無線周波数検出器に信号を伝導すること、
前記反応チャンバー内の無線周波数の基本波及び高調波の非対称性を決定すること、及び
前記非対称性の決定に基づいて、前記2次プラズマに起因するプラズマの対称性に急速な変化があったかどうかを決定することを含む、方法。
【請求項11】
前記区画内の計算プロセッサに内部接続し、さらに前記計算プロセッサのデータ及びプログラミング命令を格納する取り外し可能なデバイスに接続される少なくとも1つの入力ポート及び出力ポートが存在する、前記計算プロセッサはさらに、前記取り外し可能なデバイスからアルゴリズムを検索して、無線周波数発電機及び前記インピーダンス整合ネットワークの少なくとも1つの推奨措置を計算する、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記反応チャンバー内の前記広帯域無線周波数検出器は、前記反応チャンバー内の電極の対称軸の周りに方位角方向に配列され、それにより前記電極に近接するプラズマの前記非対称性を決定する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記反応チャンバーに電力を供給する他の無線周波数発電機に関連する基本波周波数及び高調波周波数を含む他の無線周波数で無線周波数信号を分析する前記広帯域無線周波数検出器をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記電極の周りの方位角の範囲で前記広帯域無線周波数センサーからその広帯域無線周波数検出器への信号入力の実行時系列の前記基本波周波数及び前記高調波周波数、振幅、並びに相対位相へ前記フーリエ解析を実行する前記各広帯域無線周波数検出器をさらに含み、前記計算プロセッサは、方位角を有する基本波及び高調波の振幅及び位相の変化を使用して、前記電極に近接するプラズマの非対称性を決定する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
無線周波数プラズマ処理システムにおいてプラズマ非対称性を検出する方法であって、
近接するチャンバー対称軸を有する反応チャンバーに無線周波数電力を供給すること、
複数の広帯域電磁センサーから無線周波数信号を受信すること、
フーリエ解析を使用して前記無線周波数信号を処理すること、及び
前記無線周波数信号の前記フーリエ解析に基づいて、前記反応チャンバー内で前記プラズマの非対称性が発生したことを決定することを含む、方法。
【請求項16】
前記決定することは、前記無線周波数信号の前記フーリエ解析を、前記プラズマ非対称性がいつ発生するかを示す履歴データセットと比較することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記フーリエ解析を使用して前記無線周波数信号を前記処理することは、前記反応チャンバーの異なる側で受信された基本波周波数及び高調波周波数の少なくとも1つについて、フーリエ成分の振幅及び位相の少なくとも1つを比較することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記無線周波数信号の前記フーリエ解析に基づいて非対称軌道を決定することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
前記フーリエ解析を使用して前記無線周波数信号を前記処理することは、約1マイクロ秒で行われる、請求項15に記載の方法。
【請求項20】
前記プラズマ非対称性が前記反応チャンバー内で発生したという前記無線周波数信号の前記フーリエ解析に基づく前記決定に基づいて、無線周波数発電機にプログラミング命令を提供することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連する出願への相互参照
この出願は、2020年1月10日に出願された米国仮出願第62/959,650号及び2021年1月8日に出願された米国非仮特許出願第17/145,228号に優先権を主張し、その内容を参照により本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
無線周波数(RF)プラズマ強化処理は、半導体製造において、異なるタイプのフィルムをエッチングし、低から中程度の処理温度で薄膜を堆積し、表面処理及び洗浄を実行するために広く使用される。このようなプロセスの特徴は、プラズマ、すなわち、部分的にイオン化されたガスを使用することである。それは、反応チャンバー内の前駆体から中性種及びイオンを生成し、イオン衝撃のためのエネルギーを提供し、及び/又は他の措置を実行するために使用される。そのようなプロセスの間のプラズマ密度を制御することには課題があり、反応チャンバー内のプラズマの不均一性は、ウェーハ処理の均一性及び製造される集積回路又は他のデバイスの歩留まりに影響を与える。
【発明の概要】
【0003】
反応チャンバー内の不均一なプラズマ密度は、基板全体に不均一なエッチング速度又は特定の特性を引き起こすかもしれない。特定のシステムでは、反応チャンバー内のプラズマ密度の均一性を監視することによりプローブを使用して行われる。このようなプローブは、コーティングに依存するプラズマ環境に晒されることがあり、プラズマ密度を推測するためにアクティブな電子機器を使用してもよい。このようなシステムは、プラズマの変化に応答するのに数ミリ秒以上かかることがある。また、発光分光法を使用して、反応チャンバー内のプラズマ密度のプロファイルを決定することもできるが、しかし、そのようなシステムでは、プラズマを通る複数の視線が必要であり、複雑な分析を使用して不均一性を推測することができる。これらの手法はどちらも、不均一性の問題を効果的に解決するのに充分な感度と速度がなく、実装にさらにコストがかかることはない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
本開示は、添付の図とともに読むとき、以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行により、様々な機能が一定の比率で描かれていないことが強調される。実際、議論を明確にするために、様々な機能の寸法を任意に増減することができる。
【0005】
図1】本開示の実施形態による、RFプラズマ処理システムの概略側面図である。
図2】本開示の実施形態による、電極上の様々な位置に取り付けられた高帯域幅センサーを備えたプラズマ・チャンバーの概略側面図である。
図3】本開示の実施形態による、電気接地への低いシャント静電容量を有する電気コネクタを介して電圧信号を提供するセンサーを有する二重プレート電極アセンブリの断面図である。
図4】本開示の実施形態による、埋め込み高帯域幅電圧センサーを備えたペデスタルの断面図である。
図5】本開示の実施形態による、ペデスタルの概略側面図である。
図6】本開示の実施形態による、反応チャンバー内のプラズマが軸対称であるペデスタルを横切る軸対称表面波の伝播の上面図である。
図7】本開示の実施形態による、電極を横切る横電磁表面波伝播の上面図である。
図8】本開示の実施形態による、反応チャンバー上に方位角方向に(チャンバー対称軸の周りに)取り付けられたセンサーの上面断面図である。
図9】本開示の実施形態による、反応チャンバーの電極、電極ベース、上部誘電体プレート、ビューポート、及び誘電体壁に方位角方向に取り付けられたセンサーの側面断面図である。
図10】本開示の実施形態による、いくつかのセンサー・アレイ位置を備えた容量性結合プラズマ反応チャンバーの側面断面図である。
図11】本開示の実施形態による、モデル誘導プラズマ反応チャンバーの側面断面図である。
図12】本開示の実施形態による、いくつかの可能なセンサー位置を備えたRFプラズマ処理システムの概略側面部分断面図である。
図13】本開示の実施形態による、センサーが誘導結合アンテナに近接する誘電体表面に取り付けられているRFプラズマ処理システムの誘電体壁を含む概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下に請求される主題の例証的な実施例がここで開示される。わかりやすくするために、実際の実装の全ての機能がこの仕様で説明されているわけではない。このような実際の実装の開発では、システム関連及びビジネス関連の制約への準拠など、開発者固有の目標を達成するために、実装固有の決定が多数行われることがあり、これは実装ごとに異なることを理解されたい。さらに、そのような開発努力は、たとえ複雑で時間がかかるとしても、本開示の利益を有する当業者にとって日常的な作業であることを理解されたい。
【0007】
さらに、本明細書で使用される場合、冠詞“a”は、特許技術におけるその通常の意味、すなわち“1つ又は複数”を有することを意図している。本明細書において、値に適用される場合の“約”という用語は、概して、値を生成するために使用される機器の許容範囲内を意味するか、又はいくつかの例では、特に明記されていない限り、範囲10%、又は範囲5%、又は範囲1%を意味する。さらに、本明細書で使用される“実質的に”という用語は、例えば、大部分、又はほとんど全て、又は全て、又は約51%から約100%の範囲の量を意味する。さらに、本明細書の実施例は、例証のみを目的としており、限定としてではなく、議論の目的で提示される。
【0008】
図1を参照すると、本開示の実施形態による、RFプラズマ処理システム100の概略側面図が示されている。RFプラズマ処理システム100は、第1RF発電機105及び第2RF発電機110、第1インピーダンス整合ネットワーク115、第2インピーダンス整合ネットワーク120、シース125、シャワーヘッド130又は電極などの同等の給電素子などのプラズマ給電デバイス、及びペデスタル135を含む。本明細書で使用されるように、プラズマ給電デバイスは、プラズマを生成するために電力を導入する任意のデバイスを指すことがあり、そして、例えば、シャワーヘッド130及び/又は他のタイプの電極、さらにアンテナ及び同種のものを含んでもよい。
【0009】
RFプラズマ処理システム100は、1つ又は複数のインピーダンス整合ネットワーク115、120を介して反応チャンバー140に電力を供給する1つ又は複数のRF発電機105、110を含んでもよい。RF電力は、第1RF発電機105からインピーダンス整合ネットワーク115を通って、反応チャンバー140内のプラズマ、シャワーヘッド130又は側壁、シャワーヘッド130以外の電極、又は電磁的に電力をプラズマに供給する誘導アンテナ(図示せず)に流れる。ここで、電力がプラズマから地面及び/又はペデスタル135及び/又は第2インピーダンス整合ネットワーク120に流れる。概して、第1インピーダンス整合ネットワーク115は、反応チャンバー140内の負荷インピーダンスの変動を補償するので、シャワーヘッド130及び第1インピーダンス整合ネットワーク115の組み合わされたインピーダンスは、第1インピーダンス整合ネットワーク115内の無効成分、例えば、可変コンデンサを調整することによって、第1RF発電機105、例えば、50オームの出力インピーダンスに等しい。さらに、RF電力の約範囲10パーセントの範囲内で周波数を調整すると、反射電力が修正されることがある。本明細書で使用される「約」という用語は、実際には、範囲又は値に関していくらかの不正確さが経験され、それでも満足のいく結果が得られることがあるという認識である。このような不正確さは、例えば、操作中の較正の喪失又は劣化又はドリフトに起因することがある。しかしながら、これらの状況では、表現された範囲又は値は、使用時の操作条件の名目上の目標である。
【0010】
特定の実施例では、第1RF発電機105は、約400kHzから150MHzの間のRF周波数で電力を供給してもよい、一方、ペデスタル135に接続された第2RF発電機110は、第1RF発電機105のRF周波数よりも低いRF周波数で電力を供給することができる。しかしながら、特定の実装では、第2RF発電機110は、第1RF発電機105のRF周波数よりも低いRF周波数で電力を供給しないことがある。典型的には、第1及び第2RF発電機105、110の周波数は、第1RF発電機105が、第2RF発電機110の周波数の整数倍でも整数分数でもないRF周波数にあるようなものである。また、第1及び第2RF発電機105、110のうちの1つ又は複数は、反射電力を変更するために周波数を調整することもできる。
【0011】
インピーダンス整合ネットワーク115、120は、負荷インピーダンスがソース・インピーダンスと一致するように、それらの内部無効素子に調整を加えるように設計されている。概して、低反射電力は正であると見なされるが、本開示の実施形態は、供給された電力が反応チャンバー140内に維持され、第1及び第2RF発電機105、110に向かって反射され、反射電力は比較的高く、関連するインピーダンス整合ネットワーク115、120は、反応チャンバー140との間の順方向及び反射電力を監視し、モーター-ドライバ・システムを使用して、調整可能な無効素子、例えば、真空可変コンデンサを調整することができる。特定の実施形態では、電子可変コンデンサのためのピン・ダイオードなどの電子制御コンデンサを使用することができる。インピーダンス整合ネットワーク115、120は、信号の位相及び大きさを測定して、意図された負荷からの順方向及び反射電力のレベルを決定するための回路を含んでもよい。したがって、本開示の実施形態は、反射電力の量が高い場合でさえ有効であってもよい。1次周波数にかなりの量の反射電力がある場合、コンデンサは、反射電力が最小化されるまで、例えば、その期間に亘って約5ワット未満及び/又は約1パーセント未満に、又は特定の実施形態では、1ワット未満に変化する。通常、高調波周波数での反射電力を含め、高調波周波数信号は測定されない。さらに、周波数は、RF電力の約範囲10パーセントの範囲内で調整されることがあり、これにより、反射電力を修正することができる。
【0012】
RFプラズマ処理システム100は多くの利点を有するが、それらは、多段階プロセスを通してプラズマ密度の制御を維持するために歴史的に挑戦されてきた。例えば、公称値に対して同じオーダーの密度範囲で、1%程度の不均一性の設計公差は依然として課題である。形状が約3nm未満に縮小し、層の厚さが約10nm未満であるため、ありとあらゆるウェーハで最適な集積回路(IC)の歩留まりを達成するには、プラズマと中性種の均一性を1%レベルさらに少ないレベルまで段階的に厳密に制御する必要がある。不均一なプラズマ密度、又は反応チャンバー内で所望の範囲を超えて所望の値から逸脱している平均密度は、チャンバーのゆっくりとした変化、RF回路の変化、又は寄生プラズマ又は2次プラズマの急速な成長(1ミリ秒未満のオーダー)によって引き起こされる可能性があり、それはエッチング速度が不均一であるために、処理されたウェーハ全体でナノ-スケールの特徴が不均一につながる可能性がある。
【0013】
ウェーハ全体で1パーセントのエッチング速度の差でさえ、高度な技術の歩留まりの問題を引き起こす可能性があるため、また歩留まりの損失を確認するためにウェーハ処理を完了するのにかなりの時間がかかることが多いため、不均一なプラズマ密度又は反応チャンバー内の所望の範囲から逸脱するプラズマ密度を、所望の特徴プロファイルからのウェーハの不可逆的な逸脱を回避するために約1ミリ秒未満である必要があるかもしれない期間に迅速かつ正確に検出する必要がある。
【0014】
当業者は、電磁(EM)表面波が、反応チャンバー140内のRF駆動プラズマ内の表面上を伝播できることを理解するだろう。これらの表面波は、基本RF駆動周波数及びRF高調波の両方でかなりのエネルギーを有する。高調波の平均パワー及びパワー分布は、プラズマ密度及び不均一性の敏感な関数である。本明細書では、高調波プロファイルは、RFプラズマ-ベースの反応チャンバー140の基本駆動周波数の整数倍である周波数を有する表面波のスペクトルとして定義される。例えば、2MHzのRF駆動電力が反応チャンバー140に提供される場合、注入された電力は、プラズマと内部反応チャンバー140表面との間の界面に沿って伝播するその周波数で表面波を生成する。RF電力の約範囲10パーセントで周波数を調整すると、それにより、反射電力が変更されることがある。整数の複数の周波数の高調波表面波も生成されることがある。例えば、2MHzの電磁波は、4、6、又は8MHzの表面波を生成してもよい。奇数次と偶数次の両方の高調波(2次、3次、4次、5次など)が現れることがあるが、いくつかの実施例では、奇数次高調波が有力であってもよい。
【0015】
本開示の態様は、反応チャンバー140及びその構成要素の周辺のセンサー位置を提供し、これにより、RF表面波を検出及び分析して、反応チャンバー140内又は近接する複数の点での基本波及び高調波の振幅及び位相を見つけることができる。基本波及び高調波は、チャンバーの構成要素の表面の基本波周波数及び高調波周波数でのrf電圧又はrf電流を感知することによって検出することができる。いくつかの実施形態では、電圧のためのセンサーは、電極、ペデスタル・ベース、チャンバー壁、又はストラップの表面に、及びピックアップからコネクタ又はケーブルに信号を伝達する導線に近接して構成されるピックアップを含むであろう。電流センサーは、1つ又は複数のループ又は部分ループ又は線形導体を含む導電性素子を含んでもよく、導電性素子の一端は、局所的な電気接地であってもよい基準電位にある。
【0016】
複数のセンサー、例えば、2つ以上のセンサーは、そのような表面波に関連する表面電圧又は表面電流を測定するために、チャンバー対称軸の周りに異なる角度で、以下で詳細に説明される特定のチャンバー構成要素に位置してもよい。ここで、チャンバーの基準点から対称軸を中心に測定された角度は、方位角として定義される。いくつかの実施形態では、そのようなセンサーは、チャンバーの対称軸からほぼ同じ距離に位置してもよい。
【0017】
センサーは、反応チャンバー及び/又はその構成要素又はその周辺の様々な場所に取り付けてもよい。例えば、センサーは、ペデスタル135及び/又はシャワーヘッド130などの電極の表面に取り付けてもよい。センサーは、真空内又は真空環境外のいずれかで電極のベースに取り付けてもよい。センサーは、反応チャンバー140の1つ又は複数の金属壁表面のチャンバー内に、及び誘電体材料を含む壁領域の内側又は外側、又はプラズマに誘導的に電力を供給するために使用できるアンテナに取り付けてもよい。また、センサーは、プラズマの境界に近接する、又は第1又は第2インピーダンス整合ネットワーク115、120を、例えば、ペデスタル135及び/又はシャワーヘッド130、アンテナ、又は反応チャンバー140内のプラズマに電力を伝達する他の構成要素などの、電極に接続する複数の導電性バス又はストラップ又は近接するEM波を感知するために使用できるパッシブ・アンテナに配置してもよい。また、センサーは、電気接地に接続してもよい。それにより、センサーは、信号がそれぞれの構成要素の表面を伝播するときに、RFプラズマ処理システム100の異なる部分からの信号を受信することができる。
【0018】
RF高調波のスペクトルは、電極-プラズマ界面、例えば、図1のシース125で生成され、RF高調波は全ての方向に伝播するため、その結果、全ての波成分の振幅と位相の両方が電極又はサポート・ベース上の位置によって変化する。また、このようなRF高調波は、プラズマに近接する金属壁の内面に沿って伝播し、プラズマに近接する可能性のある任意の誘電体壁を通って伝播する。そのような波の振幅及び位相は、応答時間が数マイクロ秒のオーダー又はそれ未満で、プラズマの変化、例えば、プラズマ密度及び不均一性に応答して変化する。さらに、電極-プラズマ界面を伝播するRF高調波表面波の周波数及び位相分布は、電極又はプラズマ-壁界面、又は壁に接続された表面のインピーダンス整合ネットワーク115、120に向かって電極ベースの表面を伝播するRF高調波表面波の周波数及び位相分布を決定する。異なるセンサー位置での基本波と高調波の信号の振幅と位相により、周波数ごとの全EM波動場のどの部分が方位角対称で、どの部分が非対称であるかを判断することができる。
【0019】
誘導プラズマの場合、プラズマからの信号、例えば、基本波及び高調波は、アンテナに伝播して戻り、次いで、アンテナに電力を供給するインピーダンス整合ネットワークに伝播してもよい。基本波RF波と高調波RF波の両方の周波数と位相の分布は、そのような表面に取り付けられたセンサーを使用してマイクロ秒以上のタイムスケールで監視することができる。また、プラズマの非対称性又はプラズマ密度や電気伝導率の変化の指標として、指定された範囲と位相の関係と比較してもよい。このようなセンサーからの信号は、ケーブル又は別の方法で、信号の成分周波数を分析して各センサー位置の周波数成分ごとの振幅と位相の値を生成する検出器に送信してもよい。
【0020】
特定の実装では、検出されたRF高調波成分の振幅及び位相は、別個の金属ボックス又はシャーシであるか、又はインピーダンス整合ネットワーク115、120の内部の一部又は接続されていることがある信号分析成分内の回路(検出器)によって迅速に決定することができる。そのような振幅及び位相は、アルゴリズム及びプラズマ不均一性較正を適用することにより、半径方向分布及びプラズマの非対称性を含む状態を決定するために使用することができる。センサーからの信号は、事実上、連続スペクトル分析を実行するのに充分な速度の専用回路(検出器)によってフーリエ解析され、可能な限り頻繁に更新され、高速データ・ストリームが生成される。例えば、13.56MHzのプラズマ電力の場合、512周期はフーリエ解析で処理するのに50マイクロ秒未満かかることがあり、パルスの各素子が5kHzで発生するパルス・プラズマの場合、これにより、プラズマ・ステータスを10kHzのレートで更新することができる。
【0021】
基本波及び高調波の専用フーリエ解析の結果は、信号分析区画に関連付けられた分析プロセッサによって読み取られ、及び/又は書き込まれる別個の記憶媒体に記憶されてもよい。記憶された結果又はリアルタイム信号のいずれかを高速計算プロセッサに送り、基本波と高調波の各々の非対称パラメータを決定してもよい。非対称パラメータは、アルゴリズム(また、別個の記憶媒体に又は異なる記憶媒体にも記憶できる)を使用して、別個の記憶媒体(又は異なる記憶媒体)に以前に記憶された値と比較して、“プラズマ故障”状態を非常に迅速に認識することができる。次いで、分析プロセッサは、適切なコマンドを送信して、例えば、現在の状況下でプロセスを継続するか、又は、第1及び第2RF発電機105、110、並びに特定の実装では、2つ以上のRF発電機、及び適切な場合、これらの発電機に関連するインピーダンス整合ネットワークにプロセス条件に必要な変更を加えてもよい。特定の実装では、3つ、4つ、又はそれ以上のRF発電機を使用してもよい。次いで、第1及び第2RF発電機105、110は、提供される電力を継続、停止、変更し、RF電力の約範囲10パーセントだけ周波数を変更して反射電力を修正し、又は他の適切な方法で応答してもよい、例えば、プラズマ故障又はその他の許容できない状況の間の不適切なウェーハ処理を回避するために、低電力モード又はパルス・モードに進入し、又は特定の修正措置、例えば、アラーム・トリガー、電源遮断などを命令してもよい。
【0022】
表面波(の電界及び磁界)を検出及び特徴付けるためのセンサーの位置は、いくつかの実施形態では、ウェーハによって覆われる領域の外側のペデスタル135の周辺表面(裸又は誘電体によって覆われる)であってもよい。例えば、反応チャンバー140が半径150mmの円形ウェーハを処理するとき、ペデスタルに取り付けられたセンサーは、ウェーハ中心から150mmよりも大きい半径に配置されてもよいし、場合によっては、それはエッジ効果を制御するための環状周辺誘電体の下にあってもよい。センサーは、追加的又は代替的に、ウェーハに面するシャワーヘッド130の表面又は周辺に、又はペデスタル135のベース又はシャワーヘッド130のベースの表面に、これらの場所が真空プロセス環境の内外にあるかどうかにかかわらず配置されてもよい。また、センサーは、以下で詳細に説明する他の様々な場所に配置することもでき、プロセス・プラズマの均一性を提供するために継続的又は定期的に監視することができる。
【0023】
真空プロセス環境の外部、例えば、ベースをインピーダンス整合ネットワーク115、120の1つ又は複数に接続するストラップ又はバス内でセンサーを使用することで、ペデスタル135及び/又はシャワーヘッド130のベースは、真空フィードスルーを介して信号を通過させること、又は反応チャンバー140の真空容積内に伝達ケーブルを設置することを必要としない場合がある。そのような場所のセンサーは、基本波及び高調EM波を実質的に連続的に監視することができる。これにより、RFプラズマ処理システム100は、プラズマ密度の均一性を継続的に提供し、非常に短い時間内に、故障状態が発生したかどうか、又は適切なウェーハ又は基板処理が継続するかどうかを決定することができる。
【0024】
特定の例示的な実装では、本開示は、RFプラズマ処理システム100内の必要な“プロセス・ウィンドウ”からのプラズマの逸脱を検出するための装置及び方法を提供することができる。RFプラズマ処理システム100は、反応チャンバー140を含んでもよい。反応チャンバー140は、反応チャンバー140に反応ガスを注入するためのシャワーヘッド130を含み、また、ウェーハ・サポート・ペデスタル135を含んでもよい。しかしながら、他の実装では、シャワーヘッド130は、反応チャンバー140にガスを注入することができない。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド130は、その中心が反応チャンバー140の近似対称軸の近くに取り付けられ、対称軸の周りの選択された方位角に配置された複数のセンサーが備えられてもよい。追加的又は代替的に、そのようなセンサーは、ウェーハが処理されている間に伝播するEM表面波を検出及び測定するために、シャワーヘッド130の周辺領域のウェーハに面する表面上に配置されてもよい。
【0025】
さらに、いくつかの実施形態では、RFの高調波表面波及び基本波表面波の振幅と位相の両方を検出するために、ウェーハが占める領域の外側で、ウェーハ・サポート・ペデスタル135の外面に取り付けられる複数のセンサーがあってもよい。このようなセンサーは、プラズマに晒されるか、誘電体又は誘電体と金属のカバーで覆われていることもある。追加的又は代替的に、センサーは、ペデスタル135ベースの周辺、排気されたボリュームの内側又は外側、及び/又はウェーハによって決定された平面の下に配置してもよい。いくつかの実装では、センサーは、ペデスタルのウェーハ・サポート領域に向かって、又はペデスタル・ベースの表面で伝播する表面電磁波を検出するために、ペデスタル・ベースに配置されてもよい。特定の実施形態では、センサーは、ウェーハ面(例えば、10センチメートル未満)の近くに取り付けられてもよい。
【0026】
あるいは、センサーは、金属又は別の導電性材料であって、大気条件において反応チャンバー140の真空領域の外側に配置されたペデスタル135の一部に取り付けられてもよい。真空領域の外側に配置されたセンサーは、最大ペデスタル135の半径の少なくとも50%、又は最大ペデスタル135半径の75%を超えるペデスタル対称軸からの半径でペデスタル135の領域に取り付けられてもよい。そのようなセンサーは、いくつかの実施形態では、支持ペデスタル135、例えば、Oリングのための真空シールの数センチメートル以内の近くに配置することができる。いくつかの実施形態では、ウェーハの縁部からセンサーまでの半径方向及び軸方向の伝播距離の合計は、約25cm未満、又はいくつかの実施形態では約15cm未満、又はたとえ約10cmであってもよい。本開示の実施形態によるセンサーの特定の位置及び向きは、以下で詳細に論じられる。
【0027】
図2を参照すると、本開示の実施形態による、電極の様々な位置に取り付けられた高インピーダンス・センサーを備えたプラズマ・チャンバーの概略側面図が示されている。電極として機能する2つの構成要素、すなわち、ペデスタル235及びシャワーヘッド230、又は同等の他の給電素子の各々は、別個のRF発電機205又は210及びインピーダンス整合ネットワーク215及び220を使用することができる。あるいは、電極は、それに電力を供給する複数の発電機及び整合ネットワークを有してもよい。ペデスタル235の表面に沿った矢印245は、インピーダンス整合ネットワーク220を介してペデスタル235と電気的に接続される底部(バイアス)RF発電機210からのRF電流及び電力の流れの内向きの半径方向を示す。シャワーヘッド235又は他の給電素子の下面に沿って、最終的には、シャワーヘッド230又は他の給電素子のためのインピーダンス整合ネットワーク215内の選択的接地回路に沿って、生成された電界は、電極間のプラズマ(図示せず)の形成、及び矢印250によって示される電流及び電力の半径方向外向きの逆流に寄与する。
【0028】
特定の実施形態では、第1及び第2RF発電機205、210並びにインピーダンス整合ネットワーク215、220からのRF電力を有する反応チャンバー240は、誘電体260によって覆うことができるペデスタル235の周辺にセンサー255を含んでもよい。通信線265は、センサー255の各々から信号を送信することができ、いくつかの実施形態では、それはペデスタル対称軸から、各センサー255によって受信される基本波周波数と高調波周波数の表面波の両方の振幅及び位相を計算するフーリエ解析回路(図示せず)にほぼ等距離であってもよい。
【0029】
いくつかの実装では、フーリエ解析回路は、周期的な電磁表面波形の基本波及び高次高調波の大きさ及び位相を計算することができる。結果として得られる一連の大きさは、フーリエ級数と呼ばれ、それらの位相は、時間の領域の関数と周波数の領域の関数の間の関係に由来する。
【0030】
さらに、開示されたマッチング・ネットワーク220の実施形態のいくつかは、信号分析区画275又はマッチング・ネットワーク220の付属物を含み、これは、RF電力処理及びインピーダンス整合回路又は整合ネットワーク220の構成要素から分離され、RF絶縁される。信号分析区画275は、センサー信号を分析し、RF基本波及び高調波のデジタル振幅及び位相を生成するためのフーリエ解析回路(検出器)を含んでもよい。また、信号分析区画275は、高調波周波数での信号の相対的な大きさ及び位相を分析し、各周波数での軸対称及び非軸対称の高調波成分の相対的な大きさ、及びそれらの相対的な位相を特徴付ける定量的パラメータを導出するための高速デジタル論理又は計算プロセッサを含んでもよい。さらに、いくつかの実施形態では、開示された整合ネットワーク220は、非常に高速なネットワークを介して、第2RF発電機210、及びセンサー255が配置される反応チャンバー240又はRFプラズマ処理システム200のコントローラ(図示せず)に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、開示された拡張インピーダンス整合ネットワーク220は、コマンドを第1RF発電機205に送信し、その計算されたパラメータを処理チャンバー・コントローラ及び/又はツール制御システムに通信することができることがある。
【0031】
さらに、別の第1RF発電機205及びインピーダンス整合ネットワーク215もまた、反応チャンバー240内のシャワーヘッド230であってもよい他の電極に電気的に結合されてもよい。1つの実装では、第1RF発電機205は、第2RF発電機210に比べて異なる周波数で作動してもよいし、その周波数は、第2RF発電機210の周波数の整数倍でなくてもよい。
【0032】
同様に、インピーダンス整合ネットワーク215は、電極及び処理チャンバー240からの反射電力を監視し、電極からの大きな反射電力がある場合に調整を行うことができる。いくつかの実施形態では、第2RF発電機210は、400kHzのRF発電機、2MHzのRF発電機、又は13.56MHzのRF発電機又は他のものであってもよいし、一方、第1RF発電機205は、いくらか高い周波数で作動してもよい。いくつかの実施形態では、第1RF発電機205は、25MHzよりも大きい周波数、例えば、60MHz、100MHz、又はそれ以上で作動することができる。
【0033】
1つの実施形態では、第1RF発電機205の主な機能は、反応チャンバー240に電力を供給して、シャワーヘッド230又は電極及びペデスタル235などの別の電源との間にプラズマを生成し、両方ともフッ素、塩素、又はそれらの組成物などの反応性化学種を生成し、及び生成されたプラズマからイオンを加速させ、ペデスタル235に配置されたウェーハに衝突させてもよい。
【0034】
上部電極表面、すなわち、シャワーヘッド230に配置され、下部電極、すなわち、ペデスタル235に面することにより、その電極に接続された最高周波数であるRF発電機の周波数の約10倍を超える帯域幅を有する1式のセンサー280であってもよい。いくつかの実施形態では、これらの各々は、約100オームを超えるインピーダンスを有してもよいし、またいくつかの実施形態では、500オームを超えるインピーダンスを有してもよい。センサー280は、電圧又は電流センサーであってもよいし、又は単一のパッケージ内に両方の機能を組み合わせることができ、例えば、電流センサーが、静電シールドによって覆われてもよいワイヤーの1つ又は複数のセグメントを含むことができる。
【0035】
いくつかの実施形態では、センサー280は、インピーダンス整合ネットワーク215の信号分析区画285内のフーリエ解析回路への電気的接続を有する。フーリエ解析回路は、センサー280の各々から異なる周波数成分の振幅及び位相を出力し、それらを他のセンサー280及び/又はメモリに記憶されている基準レベルと比較することができる。いくつかの実施形態における信号の分析は、振幅又は位相、あるいはその両方のパターン認識、又はニューラル・ネットワーク又はセンサー280からの信号の従来のデジタル・アルゴリズム処理を使用することができる学習アルゴリズムを使用する人工知能(AI)を含んでもよい。
【0036】
振幅と位相の両方の基本波及び高調波成分信号を見つけるためのフーリエ解析回路による信号処理は、約10マイクロ秒未満で行うことができ、好ましい実施形態では、センサー信号の各々について1マイクロ秒以下で行うことができる。インピーダンス整合ネットワーク215の絶縁信号分析区画285は、超高速論理ICを使用する超高速(<1nsサイクル時間)回路を備えた実質的な計算能力を有する少なくとも1つの計算又は論理プロセッサを組み込むことができる。いくつかの実施形態では、信号分析区画285内のプロセッサはプログラム可能であり、その結果、処理チャンバー240の供給者又はユーザーが、インピーダンス整合ネットワーク215で提供されるコンピューティング“プラットフォーム”で独自のアルゴリズム又は分析ソフトウェアを提供又は実装することができる。
【0037】
いくつかの実施形態では、信号の振幅及び位相からパラメータを計算するためのソフトウェア・プログラム、及び許容可能なプラズマ条件からの偏位の処理均一性への影響を決定するためのさらなる論理アルゴリズムは、データ・ストレージを含み信号処理区画に接続する取り外し可能な“プラグ-イン”構成要素に存在してもよい。このソフトウェア又はロジックは、公称又は適切な動作条件の特性から、RF電磁表面波スペクトルの偏位の範囲を計算する。これに基づいて、コントローラに関連付けられたプロセッサは、ウェーハが誤って処理される前に、約1ミリ秒以内にプロセスの修正措置又は終了で“決定”することができる。いくつかの実施形態では、プロセスの均一性又は他の特性に対する偏位の予想される効果に関する定量的判断は、発生から約500マイクロ秒以内に行うことができ、その結果、修復措置は1ミリ秒以内に開始することができる。さらに、その時点で反応チャンバー240で処理されるウェーハ又は基板への損傷が最小限であるか、又は全くないように、それにより、そのウェーハ又は基板での歩留まりの損失を回避するように行動をとることができる。
【0038】
インピーダンス整合ネットワーク215の信号分析区画285で行われる評価及び/又は決定は、いくつかの実施形態では、プラグ-イン・ストレージ及び/又は取り外し可能データ処理デバイスに存在するアルゴリズムを使用する非常に高速な計算又は分析システムによって実行することができる。さらに他の実施形態では、信号分析区画285で行われる評価決定は、アナログ又はニューラル・ネット型プロセッサを使用して実行することができる。そのような決定は、取り外し可能ストレージ又は処理デバイスに存在することがある決定アルゴリズムをさらに使用することができる。次いで、是正措置の命令は、高速データ・ラインによって、インピーダンス整合ネットワーク215の区画275からRF発電機205に迅速に送信することができ、これにより、プラズマへの電力を一時的に中断、変更、又は終了することができる。このことは、工場管理者がその処理チャンバー240及びRFプラズマ処理システム200に対して是正措置を迅速に講じるか又は計画できることを保証する。
【0039】
また、図2に示されているのは、大気条件において反応チャンバー240内の真空領域の外側で、シャワーヘッド230のベース295の外面に構成される1組のセンサー290である。いくつかの実施形態では、追加のセンサー296は、ペデスタル・ベース297に取り付けられ、センサー290と同様に、高速信号ケーブルにより、インピーダンス整合ネットワーク220の開示された信号処理区画275に接続されてもよい。反応チャンバー240の真空環境の外側に配置されたセンサー296は、真空供給が必要とされないので、実質的により安価であり、情報及び処理ネットワークに統合するのはより困難ではない。
【0040】
センサー255は、ペデスタル235の表面の電圧及び/又は電流を感知するためにいくつかの構成で配置されてもよいし、誘電体カバー260によってプラズマから覆われ、保護することができる。このタイプ及び位置のセンサーは、ウェーハ及び/又は基板に近接しているため、プラズマの非対称性を示す特定のモードのEM表面波を検出する際に感度の利点を有することがある。これは、プラズマの不均一性の重要なタイプである。これらの室内センサー255は、フィードスルーを介して真空壁を通過する通信ラインを使用することができ、又はいくつかの実施形態では、光又はより低い周波数で動作する無線通信リンクを使用する。
【0041】
一般に、シャワーヘッド230及びペデスタル235の表面のEM表面波の各周波数の位相及び振幅パターンは、電圧、電流、位相、又は組み合わせセンサー255、280、290、及び296のグループのいずれかからの信号の分析によって決定することができる。一般に、特定の周波数のEM表面波は、他の周波数の信号と位相関係を有する電圧及び電流信号を生成する。各周波数及び各ポイントでの電圧の大きさは、電極表面全体の全てのポイントから発生するその周波数の全ての波からの電圧の合計である。電力が対称的に供給され、プラズマが軸対称である軸対称電極表面の場合、軸対称表面波モードは、電極の全ての部分及び反応チャンバー240内の他の表面からの波の重ね合わせから生じる。一般に、チャンバーの対称軸を中心とする対称電極を備えた対称チャンバー内の完全に対称なプラズマは、主に、ペデスタル235の中心を中心とする円の形で等しい位相及び振幅の対称線を有するであろう。
【0042】
図3を参照すると、本開示の実施形態による、電極の周囲領域及び電気接地への低いシャント静電容量を有する電気コネクタを介して電圧信号を提供する広帯域幅センサーを有する二重プレート電極アセンブリの断面図が示されている。いくつかの実施形態では、シャワーヘッド330などの電極は、ほぼ平行に構成され、中心が整列され、基板又はウェーハと概ね同じ形状を有する2つの導電性プレート331、332を含んでもよい。第2プレート332から見て外方を向いている第1プレート331の表面は、真空環境及びプラズマに晒されることがある。第1プレート331は、誘電体スタンドオフサポート333の長さ分の距離だけ、第2プレート332から分離されている。第1プレート331は、そのパック又はピックアップが導電性材料であり、その表面が第2プレート332から見て外方を向いている第1プレート331の表面とほぼ同一平面上にあるセンサー334が埋め込まれていてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、センサー334は、石英又はいくつかの他の適切な材料などの低誘電率を有する誘電体336によって囲まれて、第1プレート331に取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、誘電体336は5未満の誘電率を有することがあり、いくつかの実施形態では、石英に基づくエアロゲルなどの無機材料の誘電率は2未満であってもよい。センサー334は、100kHzからそのチャンバーに接続された最高駆動周波数の少なくとも10倍に及ぶ高帯域幅を有することがあり、これは、300MHzと同じかそれ以上であってもよいし、表面電圧、表面電流、又は両方を感知できることがある。いくつかの実施形態におけるセンサー334の感度は、反応チャンバーで使用される主要な基本波RF周波数の高調波の周波数の範囲に亘って30%未満しか変化しない可能性がある。いくつかの実施形態では、各センサーからの少なくとも1つのリード線337は、真空電気信号フィードスルー339の内部導体338に接続され、そのベース341は、電気的に接地された第2プレート215に取り付けられる。いくつかの実施形態では、各センサーからのリード線は、各周波数成分の振幅及び位相を決定するために、各センサーに1つずつ、接地面及び検出器回路を有する332と同様の位置に配置された回路基板に直接接続することができる。
【0044】
センサー334とリード線337と地面へのフィードスルー339とからの総シャント静電容量は、5ピコファラッド未満でなければならず、いくつかの実施形態では、3ピコファラッド未満でなければならないように、フィードスルー339の内部導体338は、接地された第2プレート332に取り付けられたフィードスルー339のベース341に対して小さなシャント静電容量、例えば、5ピコファラッド未満、及びいくつかの実施形態では、2ピコファラッド未満など、を有することができる。いくつかの実施形態では、接地された第2プレート332に取り付けられたベース341からの出力は、減衰器(図示せず)に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、減衰器は、約100オームを超える抵抗を有する電気抵抗器を含んでもよい。電気抵抗器404と並列に、接地405へのシャント抵抗器があってもよい。シャント抵抗器の抵抗は、例えば、50オームであることもあれば、あるいは、減衰器を通信ネットワーク又はプラズマ・チャンバーのコントローラに接続するケーブルのインピーダンスに等しいこともある。検出器が図のようにコネクタの代わりに図3に配置されている場合、検出器からの信号出力は、そのセンサーの各周波数での電圧又は電流の振幅と位相であり、分析プロセッサに送信され、マッチング・ネットワークの区画にあってもよい。
【0045】
各センサー334は、プラズマに電力を供給する全てのRF発電機の基本波周波数及び高調波周波数を構成要素として有する、組み合わされた電磁表面波モードの電圧又は電流振幅を測定することができる。約10kHzから約500MHz以上と同じ範囲の基本波周波数及び高調波周波数の範囲に亘る。他の実施形態では、センサーは、約100kHzから約1GHzの範囲の基本波周波数及び高調波周波数で電圧を測定することができる。
【0046】
図4は、本開示の実施形態による、埋め込み広帯域電圧センサーを備えたペデスタルの断面図を示す。電圧センサー401は、ペデスタル400などの電極に取り付けてもよい。いくつかの実施形態では、センサー401は、抵抗器を介して電気接地406に接続してもよい。センサー401の先端又はパックは、誘電体403(状況に応じて、空気又は真空にすることができる)で囲まれたリード線402を有してもよい。いくつかの実施形態では、センサー401からのリード線402は、シャント抵抗器405を備えた抵抗器404などの減衰器を通過することができ、シャント抵抗器405は、いくつかの実施形態では、約50オームであってもよく、また、電気接地406に接続されてもよい。そのような抵抗器404は、非誘導性であってもよいし、約100オームから約100,000オームの間の範囲の抵抗を有してもよい。いくつかの実施形態では、抵抗は、約500オームから約10,000オームの間であってもよい。また、抵抗器405は、非誘導性であってもよい。
【0047】
さらに、誘電体403は、概ね非磁性であり、低損失接線を有し、いくつかの実施形態では約0.01未満、又は他の実施形態では約0.001未満であるべきである。センサー401の先端と接地電極へのリード線402との間のシャント静電容量は、約5ピコファラッド未満、又はいくつかの実施形態では約2ピコファラッド未満であるべきであり、その結果、センサー401とペデスタル400又は電極との間のリアクタンスは300MHzで約100オームより大きくあるべきである。このような低いシャント静電容量の目的は、センサー401による表面波の負荷を低減して、その結果、波エネルギーを最小限に吸収し、センサー401がない場合と同じように波を伝播させることである。そのような条件の下で、検出される表面電位は、そのようなセンサー401がない電極にある場合と大きく異ならないであろう。
【0048】
図5を参照すると、本開示の実施形態による、関連するRF及び制御構成要素を備えたペデスタルの概略側面図が示される。ペデスタル501給電回路は、RF発電機405及びインピーダンス整合ネットワーク506を含む。高速信号線、例えば、ケーブル511、512は、センサー502、503から、いくつかの実施形態ではインピーダンス整合ネットワーク506内にあるか又はそれに接続されてもよい区画に信号を運ぶ。データネットワークの高速ライン513は、インピーダンス整合ネットワーク506から、反応チャンバー、発電機、又はツール又は工場(図示せず)のコントローラ514に情報を取り込む。センサー502、503は、ペデスタル501のベース504又はその近くに取り付けられ、ペデスタル501は、反応チャンバーの真空領域の内側又は外側にあってもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、信号分析、例えば、インピーダンス整合ネットワーク506に関連する故障検出区画510があってもよい。信号分析区画510は、インピーダンス整合ネットワーク506の真空コンデンサ及び高電圧電子機器など特定の構成要素から電気的に及び/又はRF絶縁されてもよい。信号分析区画510は、ケーブル511、12を介してセンサー502、503から信号を受信する。次いで、信号分析区画510は、各センサー502、503からの信号を、検出器と呼ばれてもよいし、トランジスタ及び受動構成要素などの電子構成要素を含むことができる内部回路に導く。振幅と位相が周波数成分ごとのセンサーに直接近接して見られる代替の実施形態では、信号分析区画に来る信号は、生の信号よりはむしろ、周波数成分ごとの振幅と位相であってもよい。
【0050】
区画510内の各検出器(図示せず)は、1つのセンサー502、503からの、又は並行して分析してもよいセンサーのグループからの信号のRFスペクトル分析を実行することができる。分析は、ノイズ低減のために、センサーのグループ、又は1つ又は複数のセンサー502、503の信号を経時的に平均化することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、各センサー502、503によって得られる信号の各周波数成分、例えば、基本波及び高調波について、振幅及び位相の各検出器からの出力があってもよい。次いで、各検出器からの出力を各高調波信号のアナログ-デジタル変換器に入力して、測定された各高調波の振幅と位相の両方のデジタル化された値を生成してもよい。
【0051】
周波数成分及びセンサーごとのこれらのデジタル振幅値及び位相値は、開示されたインピーダンス整合ネットワークに関連する信号分析区画内の高速デジタル・プロセッサに、遅延がほとんどないか全くなしで、例えば、10マイクロ秒未満で入力することができる。デジタル・プロセッサは、センサーからの基本波と各高調波の振幅と位相の両方の情報を分析し、基本波と高調波の両方について、軸対称モードと非軸対称モードを含む様々な表面波モードの相対的な大きさを決定する。周波数成分ごとに異なる非軸対称モードが存在することもあるし、そのうちの1つ又は複数がプラズマの不均一性の指標であることもある。
【0052】
いくつかの実施形態では、そのような非軸対称モードは、プラグ-インに存在するアルゴリズムによって迅速に識別されてもよい。非軸対称モードの大きさとプラズマの不均一性のパーセンテージを相関させる基準データベースも、このプラグ-イン又は取り外し可能なプロセッサに存在することもある。また、デジタル・プロセッサは、波動モードの振幅の変化率及び1つ又は複数の波動モードの振幅の加速度を計算して、近い将来の故障の可能性を決定することができる。所与の周波数での非軸対称モードの大きさの1つの尺度は、円形電極の中心から同じ半径方向距離を有し、軸対称チャンバーで対称的に配置された異なるセンサー位置での所与の周波数表面波の位相間の差であってもよい。あるいは、非軸対称モードの第2指標は、軸対称チャンバー内に対称的に配置された円形電極の中心から同じ半径距離を有する異なるセンサー位置での所与の周波数表面波の振幅間の差であってもよい。
【0053】
マルチチャネル検出器システム(図示せず)を含む隔離された区画510を有する整合ネットワーク506は、ペデスタル501の様々な場所で伝播するEM波の電圧振幅及び位相を同時にフーリエ解析、デジタル化、及び記録することができる。固有のノイズのために、決定された電圧振幅及び位相の各々は、必要に応じて短い時間間隔に亘って平均化することができ、またセンサー502、503のグループについて平均化して、比較的多数のパルスに亘る相対的な大きさ又は時間の平均を決定することができる。
【0054】
センサーのグループ又はアレイを備えたシャワーヘッド、ペデスタル、又は電極などの他の給電素子を、EM波モードのスペクトルと空間パターンの関係、及びRFプロセス中のプラズマ密度の様々な不均一性を特徴づけて記録するためのデータを生成するための試験システムとして使用してもよい。これらのデータは、いくつかの実施形態では、プラズマの挙動を特徴付けて分類し、整合するネットワーク区画又は他のコントローラ又は監視システムに接続できるプラグ-イン・ストレージ・デバイスに格納できるデータベースに入れるために、エンジニアによってオフラインで分析してもよい。
【0055】
非軸対称及び軸対称EMモードの振幅及び位相パターン特性と、プロセス及びプラズマの不均一性又は適切な条件からの逸脱との間の関係は、マッチング・ネットワークの開示された信号分析区画に接続するプラグ-インに格納してもよい。RFプラズマ処理システムが製造ツールとして使用されてもよい実装において、プラズマ及びプロセスの不均一性は、それにより、チャンバーの動作が監視されているときに迅速に検出することができる。例えば、図2に示されるように構成された、図4に示されるように開示されたタイプのセンサーは、図1に示されるようなRFプラズマ・システムに後付けされてもよい。
【0056】
プロセス・プラズマがプラズマ故障状態を経験した可能性があるかどうかを決定するために、インピーダンス整合ネットワークに関連する信号分析区画内の分析プロセッサは、一部の電極又はアンテナの駆動周波数の事前に指定された高調波の1組の各々について、非軸対称EMモードの大きさに部分的に基づいてパラメータを計算してもよい。次いで、いくつかの実施形態のプロセッサは、これらのパラメータをデータベース内の基準範囲と比較することができる。そのような基準データベースは、インピーダンス整合ネットワーク内の区画であるか、又はインピーダンス整合ネットワークに関連付けられる区画の可能性がある信号分析区画に接続されるプラグ-インに存在することがある。
【0057】
データベースは、許容可能な“プロセス・ウィンドウ”からのプラズマ偏位がどれほど深刻であるか、及びどの程度深刻であるかを決定するのを助けるために、様々なプラズマ状態を特徴付けるパラメータを格納することができる。いくつかの実施形態では、分析は、電極の中心から所与の距離にある全てのセンサー又はそのグループからの各高調波の位相の比較を含んでもよい。任意の方位角に関するセンサー又はセンサーのグループのそのような位相の分散は、その高調波モードの生成及び/又は伝播の非対称性の尺度であってもよい、したがって、プラズマの非対称性及び不均一性の尺度であってもよい。いくつかの実施形態では、分析は、対称軸から所与の距離にあるセンサー又はセンサーのグループ間の振幅の差の計算を含んでもよい。方位角の範囲内のセンサー又は近接するセンサーのグループのそのような振幅の分散は、その高調波モードの生成及び/又は伝播の非対称性の尺度であってもよい、したがって、プラズマの非対称性及び不均一性の尺度であってもよい。
【0058】
次いで、1組の高調波の各々の非対称性の定量的測定値であるパラメータが、プラグ-イン・ユニットに格納されてもよいし、またデータ・ネットワークを介してチャンバー及びツール・コントローラに送信してもよい。さらに、パラメータの傾向及び加速度を計算し、故障状態が発生したかどうかを判断するプロセスの一部として、データベース内の基準値及び判断基準と比較することができる。いくつかの実施形態では、そのような故障状態が発生するとき、プラグ-インに格納できるアルゴリズム及び判断基準は、区画にあるプロセッサで実行されて、修復又は予防措置のコースを決定してもよい。次いで、そのような動作は、RF発電機及び/又はチャンバー及び/又はツール・コントローラに迅速に送信してもよい。
【0059】
いくつかの実施形態では、パラメータ、パラメータの変化率、及びパラメータの加速度を比較するためのパラメータ、アルゴリズム、判断基準、及び仕様の全てのそのようなデータベースは、信号分析区画の入力/出力ポートであるポートに接続されてもよいデータ・ストレージ・デバイス又は取り外し可能なプロセッサ上に存在することがある。センサーからの信号とそこから導出されたパラメーターに基づく表面波モードの分析は、プロセッサーによって非常に迅速に実行されるため、故障宣言と修復措置の順序をRF発電機に送信することができ、発生から5ミリ秒以内に、ネットワークを介してチャンバー又はシステムのコントローラに報告される。いくつかの実施形態では、故障状態及び指定された是正措置命令は、1ミリ秒以内に発電機に送信することができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、所望のプラズマ均一性からの多くのタイプのプラズマ偏位は、ウェーハ又は基板が誤って処理される前に、ツール又はチャンバー・コントローラがプラズマ故障状態を修正するための措置を講じることができるほど迅速に検出することができる。状況によっては、指定された是正措置として、RF電力フォーマット(連続波(CW)やパルスなど)を短時間変更したり、電源を短時間完全にオフにしたり、現在のウェーハの処理を停止して後で処理するために保存されたウェーハ又は廃棄されたウェーハ、又はメンテナンスのために反応チャンバーがシャット・ダウンされることがある。したがって、RF電力の約範囲10パーセントの範囲内で周波数を調整すると、それにより反射電力が変更されることがある。
【0061】
特定の実施形態では、プラズマ故障状態の検出時に、マッチング・ネットワークに関連する開示された信号分析区画は、RF発電機によって、及び/又はいくつかの実施形態ではマッチング・ネットワークによって実行される適切な是正措置を命じることができる。例えば、RFプロセス発電機は、シャワーヘッド及び/又はペデスタル上のセンサーによって測定される信号に応答して、ウェーハの処理を終了するための終了プロセスを開始することができる。特定の実施形態では、頻度を調整することができ、すなわち、約1パーセントの10分の1から10パーセント以内で増加又は減少させることができる。あるいは、2次プラズマが停止又は大幅に減少するように、プラズマを停止又はパルス化するために、RFプラズマ処理堆積システムによって、電力が中断されてもよい。場合によっては、ごく短時間の中断の後、指定された修復措置により、処理を続行できるようになることがある。特定の実装では、修復措置は、例えば、機械学習及び/又は歩留まりデータ又は他のウェーハ診断に基づくプログラムされた修復プログラムを通じて決定することができる。
【0062】
図6を参照すると、本開示の実施形態による、反応チャンバー内のプラズマが軸対称であるペデスタルを横切る軸対称表面波の伝播の上面図が示されている。図6において、円601は、軸対称表面波モードの基本波周波数成分及び高調波周波数成分の一定の位相及び振幅の曲線である。円は電極と同心である。これらのモードは、チャンバー内で電極とプラズマが全て軸対称で同軸であるときに非常に有力である。任意の周波数での表面波の伝播ベクトル602は放射状になる。波は中心に向かって、そして中心から離れる方向に伝播し、それらが伝播するにつれて、そのような波はプラズマに電力を注入する。
【0063】
図7を参照すると、本開示の実施形態による、電極を横切る横電磁表面波伝播の上面図が示されている。図7において、特定の単一の非軸対称モードの一定の位相及び等しい振幅の線701~704は、基本波周波数であろうとその高調波周波数であろうと、ほぼ真っ直ぐで平行である。このような表面波は、RFプラズマ蒸着システムのペデスタル又はシャワーヘッドに配置されるセンサーによって検出することができる。このモードは“横方向”と呼ばれることがあり、これは、伝播ベクトル705~707に見られるように、伝播の方向が電極表面を横切って一方の側から他方の側に、又は中心面から左側と右側の両方にあることを意味する。一定の位相の線が、電極の中心から変位した曲率の中心を有する曲線である可能性がある他の非軸対称モードが存在することがある。周波数ごとの検出器の読み取り値は、プラズマの主要な不均一性を反映する軸対称モードと(しばしば少数の)非軸対称モードの合計に分解することができる。典型的には、分解は、横モード成分及び/又は1つの主要な“中心から外れた”又は変位した放射状モードの識別を可能にし、これらのいずれかは、プラズマ不均一性の構成の特徴である。プラズマの不均一性の構成と特定の非軸対称モードとの相関は、プラグ-イン・ユニット又は他の場所に存在する可能性のあるデータベースの構築の一部として、生産処理の前に行われる。
【0064】
図8を参照すると、本開示の実施形態による、反応チャンバーのための1つの好ましい方位角センサーの配置の上面図が示されている。この実施形態では、複数のセンサー800が、反応チャンバーの1つ又は複数の構成要素の周りに、及び/又は反応チャンバー自体に方位角方向に配置されてもよい。上で簡単に説明したように、この実施形態では4つあってもよい複数のセンサー800は、表面波に関連する表面電圧又は電流を測定するために、チャンバー対称軸805の周りに異なる角度で、シャワーヘッド及び/又はペデスタルなどの特定のチャンバー構成要素に配置されてもよい。この場合、90度間隔であるが、いくつかの実施形態では、方位角の不規則な間隔であってもよい。
【0065】
センサー800は、変化する電位又は磁界を受信する受動センサー800を含んでもよい。センサー800は、チャンバー対称軸805に対して異なるタイプの伝播モードを有するEM波を検出するために異なる方位角に配置されてもよい。センサー800は、チャンバー対称軸805及び/又は反応チャンバー内の構成要素、又は反応チャンバー自体の周りの等距離の位置に配置されてもよい。同様に、センサー800は、センサー800と対称軸との間の間隔がほぼ同じであってもよいように、互いに正反対に配置されてもよい。例えば、センサー800-1と800-2の間の距離は、800-3と800-4の間の距離とほぼ同じである。同様に、各センサー800は、チャンバー対称軸805から同じ距離に配置されている。センサー800の間隔及び位置の例は、以下でより詳細に論じられる。
【0066】
図示されているように、センサー800は、正反対の位置に配置される。例えば、センサー800-1はセンサー800-3と全く正反対であり、一方、センサー800-2はセンサー800-4と全く正反対である。したがって、非軸対称プラズマのためのセンサー800は、反応チャンバー及び/又はその構成要素の異なる側で波形の違いを見つけ、波形の違いが生じたときに、上記で説明したように通知を提供して、その結果、是正又は予防的措置をとってもよい。例えば、センサー800-1及びセンサー800-4が、それらの全く正反対の位置から波形の違いを感知して報告する場合、そのような違いは、高調波の位相がずれているか、振幅が異なることを示していることがある。これは、それにより、プラズマの不均一性と非対称性があることを示していることがある。このような波形の違いは、反対側のセンサーによって受信された信号の1つ又は複数の高調波の相対的な位相又は振幅に、全く正反対の検出器の間に違いがあるときに発生する。
【0067】
特定の実施形態では、図8に示されているように、4つのセンサー800を使用してもよい。しかしながら、他の実施形態では、6、8、12、14、16、18、20、以上のセンサー800などの異なる数のセンサー800を使用してもよい。いくつかの実施形態では、センサーの間の方位角は等しくないことがあるが、それにもかかわらず、非方位角対称プラズマ・モードの同じ特性がセンサーによって観察することができる。特定の実装では、6~12個のセンサー800を有することが有益であることがある。センサー800の数が多いほど、より多くのデータを収集することができ、それにより、不均一性を認識するためのノイズ及び感度を識別する強化能力を提供することができる。しかしながら、センサー800の数を増やすことにより、データ処理が遅くなることがあるが、それにより、よりゆっくりと起こる修復及び予防措置がもたらされる。当業者は、センサー800の数と所望のレベルのデータの粒度とのバランスをとることにより、それによってRFプラズマ・プロセスを最適化することができることを理解するだろう。したがって、計算能力が増加し、データを処理できる速度が増加するにつれて、センサー800の数を増やすことが有益であることがある。特定の実施形態では、特定のセンサー800を選択的にオフ及びオンにし、それによりコントローラが 特定の必要なデータにアクセスすることができる。例えば、8つのセンサーを有するシステムでは、4つのセンサーを選択してオフにすることで、それにより生成されるデータ量を減らすことができる。他の実施形態では、追加センサーを追加するか、又は操作から削除することができ、それにより生成されるデータ量を変更することができる。
【0068】
また、センサー800は、円形及び他の形状の両方の様々なタイプのセンサーを含むことができる。特定の実施形態では、センサー800は、約0.1平方センチメートルから約10平方センチメートルの間の面積を有する円形であってもよい。センサー800は、反応チャンバー内のプラズマ又は反応種からセンサー800を保護するための表面絶縁体層又はコーティングをさらに含むことができ、また、電流センサーのためのファラデー・シールド、アルミニウム・コーティング、及び同種のものの他の任意のコーティング及び層を含んでもよい。
【0069】
図9を参照すると、本開示の実施形態による、反応チャンバーに方位角方向に取り付けられたセンサーの側面断面図が示されている。この実施形態では、反応チャンバー940は、シャワーヘッド930の中心からペデスタル935を通って長手方向に延びる対称軸905を有する。他の実施形態では、対称軸05は、アンテナなどの別の電極の中心から長手方向に延びてもよい。複数のセンサー900は、反応チャンバー940の周囲及び内部の様々な位置、及びシャワーヘッド930及び/又はペデスタル935などの特定の構成要素の周囲又は関連して方位角方向に配置してもよい。図9は断面図であり、位置ごとの2つのセンサー900のみが示されているが、図8に関して詳細に論じられるように、RFプラズマ監視プロセスの実装の間に、より多くのセンサー900を使用してもよい。
【0070】
特定の実施形態では、センサー900-1は、シャワーヘッド930の縁部又は周辺に配置してもよい。そのような実装では、センサー900-1は、シャワーヘッド900-1内に少なくとも部分的又は完全に埋め込まれて配置されてもよいし、センサー900-1の外面は、絶縁層でコーティングされてもよい、それにより、センサー900-1を反応チャンバー940内の環境から保護することができる。そのような実施形態では、2つ以上のセンサー900-1がシャワーヘッド930の縁部の周りに方位角方向に配置されてもよいし、好ましくは4つ以上のセンサーがそれによってRFプラズマ処理における不均一性及び非対称性の検出を可能にする。
【0071】
他の実施形態では、センサー900-2は、反応チャンバー940の真空内でペデスタル935の縁部に沿って配置してもよい。センサー900-1に関して上記で説明したように、センサー900-2は、ペデスタル935に部分的に又は完全に埋め込まれてもよいし、その外面に配置された絶縁層を含むことも、又は含まないこともある。さらに、いくつかの実施形態では、センサー900-2は、それらを覆う誘電体保護部分を有してもよい。真空内のペデスタル935の周りに配置されたセンサー900-2に加えて、他のセンサー900-3及び900-4は、反応チャンバー940の真空の外側及びペデスタル935の周りに配置されてもよい。そのようなセンサー900-3及び900-4は、ペデスタル935及び/又はそのベース部分に沿って金属表面に配置されてもよい。また、センサー900は、ペデスタル935の他の支持構造に、又はそれに関連して配置されてもよい。
【0072】
さらに他の実施形態では、センサー900-5は、反応チャンバー940の側壁に配置及び/又は他の方法で組み込まれてもよい。壁が誘電体であるそのような実施形態では、センサー900-5は、外側のチャンバー壁915の反応チャンバー940の外側に配置されてもよい。又はセンサー900-5が反応チャンバー940の真空内にあるように側壁に組み込まれてもよい。金属壁の場合、センサーは、チャンバー内のEMフィールドを感知できるように、それらのピックアップを壁の内面に露出させるべきである。他のセンサー900-6は、外側のチャンバー壁915に沿って位置するビューポート920に配置されてもよい。そのような実施形態では、ビューポート内のセンサー900-6は、反応チャンバー940の真空の外側に配置されてもよいし、又は反応チャンバー940内に配置されてもよい。
【0073】
さらに他の実施形態では、センサー900-7は、例えば、シャワーヘッド930の周りに位置する誘電体に配置されてもよい、一方、他の実装では、センサー900-7は、ペデスタル935の周囲に位置する誘電体に配置されてもよい。センサー900の特定の位置が本明細書で論じられているが、センサー900は、反応チャンバー940内及びその周囲の様々な他の場所に配置されてもよい。例えば、センサー900は、アンテナ又は他の構成要素の近くの誘電体壁の内側又は外側に配置されてもよい。さらに、センサー900は、反応チャンバー940の金属壁内の様々な他の場所に配置されてもよい。
【0074】
特定の実施形態では、RFプラズマ処理をより正確に監視するために、センサー900-1~900-7の組み合わせを使用してもよい。例えば、シャワーヘッド930の縁部の周りのセンサー900-1は、ペデスタル935の縁部の周りのセンサー900-2と組み合わせてもよい。同様に、反応チャンバー940の外側のセンサー900-5の組み合わせは、反応チャンバー940内に位置するセンサー900-1/900-2と組み合わせてもよい。さらに他の実施形態では、センサー900の位置の3、4、5、6、7、又はそれ以上の変形の組み合わせを使用して、RFプラズマ処理の監視をさらに最適化することができる。
【0075】
図10を参照すると、本開示の実施形態によるモデル反応チャンバーの側面断面図が示されている。この実施形態では、この実施例でペデスタル1035である下部電極の周りに配置された、方位角方向に配置された複数のセンサー1000の好ましい位置が示されている。図9に関して上記で論じたセンサー1000と同様に、図10は、様々な場所に配置されたセンサー1000を示している。センサー1000-1は、ペデスタル1035の外縁部の周りに配置される。1000-2として示されているセンサーの方位角位置は、反応チャンバー1040の内側の周りに配置され、一方、センサーの方位角位置1000-3は、近接するビューポートの反応チャンバー1040の外周の周りに配置される。
【0076】
この実施形態では、12個のセンサー1000が各場所に示されているが、しかしながら、他の実装では、より少ない及びより多い両方のセンサー1000の他の数を使用することができる。また、明示的に示されているセンサー1000の位置に加えて、他のセンサー1000の位置もまた、RFプラズマ処理をさらに強化するために使用することができる。
【0077】
図11を参照すると、本開示の実施形態による反応チャンバーの概略側面断面図が示されている。この実施形態では、センサー1100は、誘導結合プラズマ源1105のアンテナの周りに配置されて示されている。したがって、センサー1100は、反応チャンバー1140内に配置されたプラズマ源からのRF電流又は電圧を感知することができる。
【0078】
図12を参照すると、本開示の実施形態による、RFプラズマ処理システムの部分断面図が示されている。この実施形態では、RFプラズマ処理システム1200は、ペデスタル1235を含む。ペデスタル1235は、ペデスタル1235の上部外縁部に沿って配置されるセンサー1240を含む。上記のように、センサー1240は、ペデスタル1235内に埋め込まれた上部外縁部に配置されてもよいし、又は、交互に反応チャンバーの真空の内側又は外側のいずれかの外縁部の周りに配置することができる。
【0079】
また、RFプラズマ処理システム1200は、通信線1250を介してセンサー1240に接続される回路1245を含む。センサー1240は、RFプラズマ処理システム1200から感知されたデータを受信するので、データは、処理のために回路1245に送信することができる。回路1245はセンサー1240に比較的近いので、感知されたデータをそれらの間で転送するのにかかる時間を短縮することができる。したがって、センサー1240によって感知される電気的特性に関する初期計算は、より迅速に実行することができ、次いで、RFプラズマ処理システム1200の他の構成要素1255に転送することができる。他の構成要素1255は、例えば、RF発電機、インピーダンス整合ネットワーク、故障検出区画、反応チャンバーのための操作コントローラ、ツールのための操作コントローラ、プラグ-イン・デバイス、信号分析区画、又はRFプラズマ処理システム1200に接続される他の構成要素を含んでもよい。
【0080】
次いで、1255又は示されていない他のいずれかの1200の構成要素は、RFプラズマ処理システム1200の態様を調整して、センサー1240によって検出され、回路1245内で少なくとも部分的に処理される故障を修正することができる。回路1245は、反応チャンバー内の状態から回路1245を保護するために、隔離された構造で反応チャンバーの真空の外側のペデスタル1235内に配置してもよい。他の実施形態では、回路1245は、ペデスタル1235のベース、又はペデスタル1235に近接する他の領域に配置してもよい。
【0081】
図12は、RFプラズマ処理システム1200の構成要素の断面を示し、当業者は、回路1245が、ペデスタル1235の周りの異なる方位角でほぼ同じ半径に配置されてもよいことを理解するだろう。したがって、独立した回路1245は、センサー1240ごとに利用可能であってもよい、又はセンサー1240は、ペデスタル1235の周囲及び/又は内部の1つ又は複数の選択された位置に配置される集中回路1245に接続されてもよい。
【0082】
図13を参照すると、本開示の実施形態による、誘導結合されたRFプラズマ処理システムの部分断面図が示されている。センサー1340は、誘導アンテナ1330に近接して構成されて示され、アンテナに近接する誘電体壁(図示せず)の外側又は内側に取り付けることができる。
【0083】
前述の記述は、説明の目的で、本開示の完全な理解を提供するために特定の命名法を使用した。しかしながら、本明細書に記載のシステム及び方法を実施するために特定の詳細が必要とされないことは、当業者には明らかであろう。特定の実施例の前述の記述は、例証及び記述の目的で提示されている。それらは、この開示を網羅すること、又はこの開示を記述された正確な形式に限定することを意図するものではない。明らかに、上記の教えを考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施例は、本開示の原理及び実際の適用を最もよく説明するために示され、記述され、それにより、当業者が本開示及び企図される特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施例を最もよく利用できるようにする。この開示の範囲は、以下の特許請求の範囲及びそれらの同等物によって定義されることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
【国際調査報告】