(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】回転可能なノブインタフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/03 20060101AFI20230309BHJP
G06F 3/0362 20130101ALI20230309BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20230309BHJP
H01H 25/06 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
G06F3/03 400F
G06F3/0362 461
G06F3/044 120
H01H25/06 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022542437
(86)(22)【出願日】2021-01-21
(85)【翻訳文提出日】2022-07-11
(86)【国際出願番号】 US2021014344
(87)【国際公開番号】W WO2021150699
(87)【国際公開日】2021-07-29
(32)【優先日】2020-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】フォン、ケルヴィン
(72)【発明者】
【氏名】ボレンダー、ロバート・ジェイ
【テーマコード(参考)】
5B087
5G031
【Fターム(参考)】
5B087AA05
5B087AA09
5B087BC13
5B087BC17
5B087BC34
5G031GS21
5G031HU24
5G031KS03
5G031KS07
(57)【要約】
回転可能なデバイスは、底面及び天面を備える定置ベースを有する。底面は、取り付けられた入力デバイスの電極の第1セットから基準信号を受け取るように構成された結合電極の第1セットと、入力デバイスの電極の第2セットから結果信号を受け取るようにそれぞれ構成された結合電極の第2セット及び第3セットと、を備える。定置ベースの天面は、結合電極の第1セット、第2セット、及び、第3セットとそれぞれに接続された、上部周辺部位の第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む。回転可能なデバイスは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられ、定置ベースの天面と位置整合されるように構成された底部を有する、定置ベースに対して回転するように構成された回転ホイールを更に備える。入力デバイスの結果信号は、定置ベースと回転ホイールの相対位置によって改変される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスに取り付けるように構成される定置ベースであり、
前記入力デバイスの電極の第1セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極の前記第1セットから基準信号を受け取るように構成された結合電極の第1セットと、
前記入力デバイスの電極の第2セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極の前記第2セットから結果信号を受け取るように構成された結合電極の第2セットと、
前記入力デバイスの電極の第2セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極の前記第2セットから結果信号を受け取るように構成された結合電極の第3セットと、
とを含む底面と、
結合電極の前記第1セット、前記第2セット、及び、前記第3セットとそれぞれに接続された、上部周辺部位の第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む天面と、
を備える定置ベースと、
前記定置ベースに対して回転するように構成された回転ホイールと、
を備え、
前記回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられ、前記定置ベースの前記天面と位置整合されるように構成された底部周辺部位を含む底面を備え、
結合電極の前記第2セット及び結合電極の前記第3セットのそれぞれにおいて受信された前記結果信号は、前記定置ベースと前記回転ホイールの前記相対位置によって改変される、
回転可能な電子デバイス。
【請求項2】
前記定置ベースの結合電極の前記第2セット及び前記第3セットのそれぞれにおいて受信された結果信号は、前記定置ベースの前記上部周辺部位の前記第2領域及び前記第3領域の、前記回転ホイールの交互に設けられた前記導電性領域と前記非導電性領域との各オーバーラップの関数である、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項3】
前記定置ベース及び前記回転ホイールが共に、環状であり、実質的に等しい外径を有し、前記定置ベースが前記回転ホイールよりも小さい内径を有する、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項4】
前記定置ベースの前記天面と前記回転ホイールの底面との間に設けられた第1プラスチックベアリングと、
前記定置ベースの前記天面の内部環状領域に設けられ、前記回転ホイールの実質的に垂直な内面と隣接する、実質的に管状の第2プラスチックベアリングと、
を更に備える、
請求項3の回転可能な電子デバイス。
【請求項5】
前記回転ホイールの前記底面の交互に設けられた前記導電性領域と前記非導電性領域とが実質的に等しい大きさを有する、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項6】
前記定置ベースの前記天面の前記第2領域と前記第3領域とが等しい大きさを有する、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項7】
前記定置ベースの前記第2領域と前記第3領域の前記大きさが、前記回転ホイールの交互に設けられた前記導電性領域及び前記非導電性領域のそれぞれの大きさの半分と等しいように構成される、
請求項6の回転可能な電子デバイス。
【請求項8】
前記定置ベースの前記天面の前記第2領域及び前記第3領域と、前記回転ホイールの交互に設けられた前記導電性領域及び前記非導電性領域と、のそれぞれの前記大きさが、前記回転ホイールの異なる回転位置において、以下の状態:
前記第2領域及び前記第3領域が前記回転ホイールの導電性領域と結合する状態;
前記第2領域が前記回転ホイールの導電性領域と結合するが、前記第3領域は結合しない状態;
前記第2領域も前記第3領域も、前記回転ホイールの導電性領域と結合しない状態;
前記第2領域が前記回転ホイールの導電性領域と結合しないが、前記第3領域は結合する状態;
がそれぞれ生じるように構成される、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項9】
前記基準信号が、接地信号である、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項10】
前記定置ベースの前記底面が、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第4セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第4セットから結果信号を受信するようにそれぞれ構成された結合電極の第4セットを更に備え、
前記定置ベースの天面が、前記上部周辺部位の内側に設けられた、結合電極の前記第4セットと接続された内側リングを更に備え、
前記回転ホイールの前記底面が、前記定置ベースの前記上部周辺部位と位置整合されるように構成された内側導電性リングを更に備え、
前記回転ホイールが、前記回転ホイールの前記底面の前記導電性領域のそれぞれと電気的に接続される外側導電性領域と、前記回転ホイールの前記底面の前記内側導電性リングと電気的に接続される内側導電性領域と、を含む天面を更に備える、
請求項1の回転可能な電子デバイス。
【請求項11】
閉状態のときに前記外側導電性領域と前記内側導電性領域とを電気的に接続する、前記回転ホイールの上面に設けられた1以上のスイッチを更に備える、
請求項10の回転可能な電子デバイス。
【請求項12】
表示パネルと、処理回路部と、複数の電極と、前記表示パネルに取り付けられるように構成された回転可能な電子デバイスと、を備える入力デバイスを備える感知システムであり、
前記回転可能な電子デバイスが、
定置ベースであり、
前記入力デバイスの電極の第1セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極の前記第1セットから基準信号を受け取るように構成された結合電極の第1セットと、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットとそれぞれ位置整合され、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットからそれぞれ結果信号を受け取るように構成された結合電極の第2セット及び第3セットと、を備える底面と、
結合電極の前記第1セット、前記第2セット、及び、前記第3セットとそれぞれに接続された、第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む上部周辺部位を含む天面と、
を備える定置ベースと、
前記定置ベースの上に設けられ、前記定置ベースに対して回転するように構成された回転ホイールと、
を備え、
前記回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられ、前記定置ベースの前記天面と位置整合されるように構成された底部周辺部位を含む底面を備え、
結合電極の前記第2セット及び前記第3セットのそれぞれにおいて受信された前記結果信号は、前記定置ベースと前記回転ホイールの相対位置によって改変される、
感知システム。
【請求項13】
前記入力デバイスが、液晶ディスプレイ(LCD)又は光学発光ダイオード(OLED)ディスプレイのうちの一つを備え、
前記定置ベースが、前記入力デバイスの上面に取り付けられている、
請求項12の感知システム。
【請求項14】
前記入力デバイスが、
前記結果信号を検出し、前記回転ホイールの前記定置ベースに対する回転位置を決定するように構成された、メモリに記憶されたファームウェアを更に備える、
請求項12の感知システム。
【請求項15】
前記定置ベースの前記底面が、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第4セットと位置整合され、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第4セットから結果信号を受信するようにそれぞれ構成された結合電極の第4セットを更に備え、
前記定置ベースの天面が、前記上部周辺部位の内側に設けられた、結合電極の前記第4セットと接続された内側リングを更に備え、
前記回転ホイールの前記底面が、前記定置ベースの前記上部周辺部位と位置整合されるように構成された内側導電性リングを更に備え、
前記回転ホイールが、前記回転ホイールの前記底面の前記導電性領域のそれぞれと電気的に接続される外側導電性領域と、前記回転ホイールの前記底面の前記内側導電性リングと電気的に接続される内側導電性領域と、を含む天面を更に備え、
前記感知システムが、閉状態のときに前記外側導電性領域と前記内側導電性領域とを電気的に接続し、更に、結合電極の前記第4セットを結合電極の前記第1セットと電気的に結合する、前記回転ホイールの上面に設けられた1以上のスイッチを更に備える、
請求項12の感知システム。
【請求項16】
前記表示パネルの前記複数の電極が、1以上の電極のアレーを含み、
前記回転可能な電子デバイスが、
電極のアレーの中央部において前記表示パネルに取り付けられる;
電極の2つのアレーの境界をまたがるよう前記表示パネルに取り付けられる;又は、
前記表示パネルの端に部分的に取り付けられ、前記回転可能な電子デバイスの一部は前記表示パネルから外れて延びる;
のうちのいずれか一つである、
請求項12の感知システム。
【請求項17】
前記感知システムが、自動車に配置される、
請求項12の感知システム。
【請求項18】
回転可能なインタフェースを有する入力デバイスからの信号を処理する方法であり、
前記回転可能なインタフェースが、前記入力デバイスの電極の第1セットと位置整合及び結合される結合電極の第1セットと、前記入力デバイスの電極の対応する第2セット及び第3セットと結合される結合電極の第2セット及び第3セットと、を備え、前記回転可能なインタフェースは、前記入力デバイスの表示スクリーンに取り付けられ、
前記入力デバイスの電極の第1セットに基準信号を供給すること、
前記入力デバイスの電極の第2セット及び第3セットのそれぞれで結果信号を受信することと、
2つの前記結果信号に少なくとも部分的に基づいて、前記回転可能なインタフェースの回転位置を決定することと、
を含み、
前記結果信号のそれぞれは、前記回転可能なインタフェースによって改変される、
方法。
【請求項19】
回転可能なインタフェースが、
定置ベースであり、結合電極の前記第1セット、前記第2セット、及び、前記第3セットが設けられた定置ベースと、
結合電極の前記第1セット、前記第2セット、及び、前記第3セットと結合される回転ホイールであり、導電性領域と非導電性領域とが交互にパターン化された底面を含む回転ホイールと、
を備え、
結合電極の前記第2セットと前記第3セットの、前記回転ホイールの交互に設けられた前記導電性領域と前記非導電性領域とのそれぞれの結合に少なくとも部分的に基づいて、前記結果信号が生成される、
請求項18の方法。
【請求項20】
前記回転可能なインタフェースが、前記入力デバイスの電極のうちの対応する第4セットと位置整合及び結合される結合電極の第4セットを更に備え、
前記回転可能なインタフェースが、2つの状態:
ユーザのアクションの結果、結合電極の前記第4セットが結合電極の前記第1セットと電気的に結合される第1状態;及び、
結合電極の前記第4セットがフローティングしている第2状態;
を有するように更に構成され、
前記入力デバイスの電極の前記第4セットの信号に少なくとも部分的に基づいて、前記回転可能なインタフェースが、前記第1状態又は前記第2状態のいずれであるかを決定することを更に含む、
請求項18の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、“回転可能なノブインタフェース”と題された、2020年1月23日に提出された米国特許出願番号16/750,934(代理人案件番号751537/190131US01)の優先権を主張するものであり、その全内容が参照によって本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
本開示の実施形態は、回転可能なノブインタフェースに関する。
【背景技術】
【0003】
近接センサデバイスを含む入力デバイスは、様々な電子システムで使用され得る。近接センサデバイスは、その領域において近接センサデバイスが1以上の入力物体の存在、位置、力、及び/又は、動きを決定する、表面で分界される感知領域を含む場合がある。近接センサデバイスは、電子システムにインタフェースを設けるために使用され得る。例えば、近接センサデバイスは、ノートブックコンピュータまたはデスクトップコンピュータに一体化又は外付けされたタッチパッドなどの、より大きいコンピュータシステム用の入力デバイスとして使用され得る。近接センサデバイスは、携帯電話と一体化されたタッチスクリーンなどの、より小さいコンピュータシステムにも頻繁に使用され得る。加えて、近接センサデバイスは、自動車のマルチメディアエンターテイメントシステムの一部として実装され得る。このような場合、近接センサデバイスにノブを接続すると便利である。
【発明の概要】
【0004】
本要約は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念の選択を簡略化された形式で紹介するために提供される。本要約は、請求項に記載された対象の主要な構成または必須な構成を特定することを意図しておらず、請求項に記載された対象の範囲を制限することも意図されていない。
【0005】
回転可能な電子デバイスが開示される。一実施形態において、回転可能な電子デバイスは、底面及び天面を備える定置ベースを有し、入力デバイスに取り付けられるように構成される。一実施形態において、底面は、入力デバイスの電極の第1セットと位置整合され、入力デバイスの電極の第1セットから基準信号を受け取るように構成された結合電極の第1セットと、入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットとそれぞれ位置整合され、入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットからそれぞれ結果信号を受け取るように構成された結合電極の第2セット及び第3セットと、を備える。一実施形態では、天面は、結合電極の第1セット、第2セット、及び、第3セットとそれぞれに接続された、第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む上部周辺部位を含む。電子デバイスは、定置ベースの上に設けられた回転ホイールを更に備える。回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられ、ベースの上部周辺部位と位置整合されるように構成された底部周辺部位を含む。一実施形態において、結合電極の第2セット及び第3セットのそれぞれにおいて受信された結果信号は、定置ベースと回転ホイールの相対位置によって改変される。
【0006】
他の実施形態においてはまた、感知システムが開示される。感知システムは、入力デバイスと回転可能な電子デバイスとを備える。入力デバイスは、表示パネル、処理回路部、及び、複数の電極を備える。回転可能な電子デバイスは、表示パネルに取り付けられるように構成され、底面及び天面を備える定置ベースを有する。一実施形態において、底面は、入力デバイスの電極の第1セットと位置整合され、入力デバイスの電極の第1セットから基準信号を受け取るように構成された結合電極の第1セットと、入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットとそれぞれ位置整合され、入力デバイスの電極のうちの対応する第2セット及び第3セットからそれぞれ結果信号を受け取るように構成された結合電極の第2セット及び第3セットと、を備える。一実施形態では、天面は、結合電極の第1セット、第2セット、及び、第3セットとそれぞれに接続された、第1領域、第2領域、及び、第3領域を含む上部周辺部位を含む。一実施形態では、回転可能な電子デバイスは、定置ベースの上に設けられた回転ホイールを備える。回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられ、ベースの上部周辺部位と位置整合されるように構成された底部周辺部位を含む。一実施形態において、結合電極の第2セット及び第3セットのそれぞれにおいて受信された結果信号は、定置ベースと回転ホイールの相対位置によって改変される。
【0007】
更に他の実施形態において、回転可能なインタフェースを有する入力デバイスからの信号を処理する方法が開示される。回転可能なインタフェースは、入力デバイスの表示スクリーンに取り付けられる。回転可能なインタフェースは、入力デバイスの電極の第1セットと位置整合され、結合される結合電極の第1セットと、入力デバイスの電極の対応する第2セット及び第3セットとそれぞれに結合される結合電極の第2セット及び第3セットと、を備える。方法は、入力装置の電極の第1セットに基準信号を供給すること、入力デバイスの電極の第2セット及び第3セットのそれぞれで結果信号を受信することと、を含み、結果信号のそれぞれは、回転可能なインタフェースによって改変される。方法は、2つの結果信号に少なくとも部分的に基づいて、回転可能なインタフェースの回転位置を決定することを更に含む。
【0008】
該方法の他の実施形態において、回転可能なインタフェースは、結合電極の第1セット、第2セット、及び、第3セットが設けられた定置ベースと、結合電極の第1セット、第2セット、及び、第3セットと結合された回転ホイールとを備えている。回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互にパターン化された底面を備えている。結合電極の前記第2セットと前記第3セットのそれぞれの、回転ホイールの交互に設けられた導電性領域と非導電性領域とのそれぞれの結合に少なくとも部分的に基づいて、結果信号が生成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上述した特徴を詳細に理解できるように、上記で簡単に要約した本開示の、より具体的な説明は、そのいくつかを添付の図面に示した実施形態を参照して得られる。ただし、本開示が他の同等に効果的な実施形態を認め得るのであるから、添付の図面は本開示のいくつかの実施形態だけを示しており、したがってその範囲を限定するものとはみなされないことに留意されたい。
【0010】
【
図1】
図1は、1以上の実施形態に係る、回転可能なノブインタフェースを有する例示的な入力デバイスを示す。
【0011】
【
図2】
図2は、1以上の実施形態に係る、例示的な回転可能なノブインタフェースの側面断面図である。
【0012】
【
図3】
図3は、
図2の例示的な回転可能なノブインタフェースの分解図である。
【0013】
【
図4A】
図4Aは、1以上の実施形態に係る、基準電極の第1セットと、感知電極の2つのセットと、を有する、
図3に示した例示的な回転可能なノブインタフェースの定置ベースの下面図を示す。
【0014】
【
図4B】
図4Bは、1以上の実施形態に係る、電極グリッドを有する入力デバイスの例示的な部位を示す。ここで、グリッドは2セットの電極で構成されている。
【0015】
【
図4C】
図4Cは、
図4Bの例示的なセンサグリッドの上に配置された、
図4Aの例示的な回転可能なノブインタフェースの定置ベースを示す。
【0016】
【0017】
【
図6A】
図6Aは、
図3に示した例示的な定置ベースと例示的なプラスチックベアリングの分解図と合体図を示す。
【0018】
【
図6B】
図6Bは、例示的なフラットリング型ベアリングの最上部に設けられた
図3の例示的な回転ホイールを追加されている、
図6Aに示した分解図と合体図をそれぞれ示す。
【0019】
【
図7A】
図7Aは、1以上の実施形態に係る、
図3の回転ホイールの詳細底面図を示す。
【0020】
【0021】
【
図8】
図8は、1以上の実施形態に係る、
図5及び
図7Aにそれぞれに示すような例示的な定置ベースの上面図と、例示的な回転ホイールの底面図と、それらの間の容量結合を示す。
【0022】
【
図9】
図9は、1以上の実施形態に係る、定置ベースの天部の外部領域の導電性パッドのチャンネル割り当ての例を示す。
【0023】
【
図10】
図10は、1以上の実施形態に係る、例示的な回転ホイールの、
図9の例示的な定置ベースの上面との相互作用によって生成され得る、例示的なデジタル化矩形エンコーダ信号を示す。
【0024】
【
図11A】
図11Aは、1以上の実施形態に係る、
図9の定置ベースの天部の、“A”及び“B”で指定された導電性パッドと、回転ホイールの底部と、の間の例示的な4つの結合状態を示す。
【0025】
【
図11B】
図11Bは、1以上の実施形態に係る、
図9の定置ベースの天部の2つの外部領域の導電性パッド間の例示的な距離を示す。
【0026】
【
図12A】
図12Aは、1以上の実施形態に係る、例示的な回転ホイールの側面図であり、その上面に設けられ、等間隔に配置された3つの例示的なスイッチを示す。
【0027】
【
図12B】
図12Bは、1以上の実施形態に係る、
図12Aの例示的な回転ホイールの上面図であり、
図4Bに示された例示的な入力デバイスの例示的なセンサグリッドの上に提供される3つの例示的なスイッチを示す。
【0028】
【
図13A】
図13Aは、1以上の実施形態に係る、スイッチが開状態である、
図2及び
図3の例示的な回転可能なノブインタフェースのアップ位置を示す破断図である。
【0029】
【
図13B】
図13Bは、1以上の実施形態に係る、スイッチが閉状態である、
図2及び
図3の例示的な回転可能なノブインタフェースのダウン位置を示す破断図である。
【0030】
【
図14】
図14は、1以上の実施形態に係る、感知グリッドを有する入力デバイス上に実装された、例示的な回転可能なノブインタフェースを示す概略的な断面図を示す。
【0031】
【
図15A】
図15Aは、1以上の実施形態に係る、例示的なセンサグリッドの上の回転可能なノブインタフェースの第1の例示的な配置を示す。
【0032】
【
図15B】
図15Bは、1以上の実施形態に係る、例示的なセンサグリッドの上の回転可能なノブインタフェースの第2の例示的な配置を示す。
【0033】
【
図15C】
図15Cは、1以上の実施形態に係る、例示的なセンサグリッドの上の回転可能なノブインタフェースの第3の例示的な配置を示す。
【0034】
【
図16】
図16は、1以上の実施形態に係る、一部のみセンサグリッドの上に設けられる、回転可能なノブインタフェースの第3の例示的な配置を示す。
【0035】
【
図17】
図17は、1以上の実施形態に係る、例示的な入力デバイス上に回転可能なノブインタフェースを実装する方法の例を示す。
【0036】
【
図18】
図18は、1以上の実施形態に係る、回転インタフェースを有する入力デバイスからの信号を処理する方法の例を示す。
【0037】
理解を簡単にするために、可能な場合は、図面で共通する同様の要素を示すために同様の符号を用いている。1つの実施形態で開示された要素は、具体的な記述がなくても、別の実施形態で有益に使用され得ると考えられる。図面は、特に記載がない限り、縮尺のとおりに描かれていると考えられるべきではない。また、提示と説明を明確にするために、図面が簡略化され、詳細または構成要素が省略されている場合がある。図面と考察は、同様の要素を同様の名称で示す以下の原理の考察に役立つ。ここで、同様の符号は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下の説明では、天/底、入/出、上/下、等といった、視点ベースの説明を使用する場合がある。このような説明は、単に議論を容易にするためにのみ使用され、本明細書に記載の実施形態の適用を特定の方向に限定することを意図するものではない。
【0039】
以下の説明は、「一実施形態において」、「1以上の実施形態において」、または「いくつかの実施形態において」というフレーズを用いる場合があり、これらはそれぞれ、同じ又は異なる実施形態のうちの1以上を示す場合がある。さらに、本開示の実施形態に関して使用される「備える」、「含む」、「有する」、等の用語は、同義語である。
【0040】
本明細書では、特許請求の範囲を含め、「結合された」とその派生語、及び、「接続された」とその派生語の用語が使用される場合がある。「結合された」又は「接続された」は、以下のうちの1以上を意味する場合がある。「結合された」又は「接続された」とは、2以上の要素が直接に、物理的又は電気的に接していることを意味し得る。しかしながら、「結合された」又は「接続された」はまた、2以上の要素が互いに間接的に接しているが、それでも互いに協働又は相互作用することを意味し得ると共に、互いに結合または接続されたと言われた当該要素に、1以上の他の要素が結合又は接続されること意味し得る。「直接結合された」または「直接接続された」という用語は、2以上の要素が直接に接していることを意味し得る。
【0041】
特許請求の範囲を含め、本明細書で使用される場合、「回路部」という用語は、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit)(ASIC)、電子回路、1以上のソフトウェアまたはファームウェアプログラムを実行する(共有された、専用の、またはグループの)プロセッサ及び/又は(共有された、専用の、またはグループの)メモリ、組み合わせ論理回路、及び/又は、説明された機能を提供する他の適切なコンポーネントそのものをいう場合があり、それらの一部である場合があり、又は、それらを含む場合がある。
【0042】
図1は、本開示の実施形態に係る、例示的な電子デバイス100のブロック図である。電子デバイス100は、電子システム(図示せず)に入力を供給するように、及び/又は、1以上の機器を更新するように、構成されていてもよい。本明細書で用いるとき、「電子システム」(または「電子デバイス」)という用語は、情報を電子的に処理することのできるあらゆるシステムを幅広く指す。電子システムの非限定的ないくつかの例は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、ネットブックコンピュータ、タブレット、ウェブブラウザ、電子書籍リーダおよび個人情報端末(Personal Digital Assistant)(PDA)などの、全ての寸法および形状のパーソナルコンピュータを含む。電子システムの追加の例は、電子デバイス100と、分離されたジョイスティックまたはキースイッチとを含む物理キーボードなどの複合的な入力デバイスを含む。電子システムの更なる例には、データ入力デバイス(リモートコントローラとマウスを含む)とデータ出力デバイス(表示画面とプリンタを含む)などの周辺機器が挙げられる。他の例として、リモート端末、キオスク、ビデオゲーム機(例えば、据え置き型ゲーム機、携帯型ゲーム機、など)を含む。他の例は、通信機器(スマートフォンなどの携帯電話を含む)と、メディア機器(テレビ、セットトップボックス、音楽再生機器、デジタルフォトフレームおよびデジタルカメラなどの、記録デバイス、編集デバイスおよび再生デバイスを含む)と、が挙げられる。更に、電子システムは、入力デバイスのホストであってもスレーブであってもよい。他の実施形態において、電子システムは自動車の一部であり、電子デバイス100は自動車の1以上の感知デバイスを表してもよい。一実施形態において、自動車は複数の電子デバイス100を含んでもよい。ここで、それぞれの電子デバイス100は互いに異なる構成であってもよい。
【0043】
電子デバイス100は、電子システムの物理的な一部として実装されていてもよく、または、電子システムから物理的に分離されていてもよい。必要に応じて、電子デバイス100は、バス、ネットワーク、及び、その他の有線または無線による相互接続のうちの1以上を用いて、電子システムの一部と通信してもよい。例示的な通信プロトコルとしては、I2C(Inter-Integrated Circuit:アイ・アイ・シー)、SPI(Serial Peripheral Interface:シリアル・ペリフェラル・インタフェース)、PS/2(Personal System/2:ピー・エス・ツー)、ユニバーサル・シリアル・バス(Universal Serial Bus)(USB)、ブルートゥース(登録商標)、高周波無線通信(Radio Frequency)(RF)、及び、赤外線通信規格(Infrared Data Association)(IrDA)、が挙げられる。
【0044】
1以上の実施形態では、電子デバイス100は、センサコンポーネントおよび感知技術の任意の組み合わせを利用して、ユーザ入力を検出する場合がある。例えば、
図1に示されるように、電子デバイス100は、物体を検出する、又は、1以上のデバイスを更新するために駆動され得る1以上の電極125を備える。一実施形態では、電極125は、容量性感知デバイスのセンサ電極である。そのような実施形態では、電極125は、1以上の共通電圧電極を含む。他の実施形態では、電極125は、画像感知デバイス、レーダ感知デバイス、及び、超音波感知デバイスの電極である。さらにまた、電極125は、表示デバイスの表示電極である場合がある。いくつかの実施形態では、電子デバイス100の電極125は、共通の電極から構成され、共通の形状を有する。本明細書で説明されるいくつかの例は、マトリックスセンサー入力デバイスを含む。以下で詳細に説明するように、電子デバイス100は、電極125のうちいくつか、又は、電極125の全てと相互作用し得る回転可能なノブインタフェース150を備える場合がある。
【0045】
センサ電極125はいかなる形状、寸法、及び/又は、方向性を有していてもよい。例えば、
図1に示すように、センサ電極125は2次元の配列に配置されていてもよい。センサ電極125のそれぞれは、形状が実質的に長方形であってもよい。別の実施形態において、センサ電極125は他の形状を有していてもよい。さらに、センサ電極125のそれぞれは同一の形状および/または寸法を有していてもよい。他の実施形態において、少なくとも1つのセンサ電極は他のセンサ電極とは異なる形状および/または寸法を有していてもよい。様々な実施形態において、センサ電極125は菱形であってもよく、電界結合を強化するために噛み合っている櫛形を有していてもよく、かつ/または、付近の導電体への浮遊容量を低減するために内部に浮遊カットアウトを有していてもよい。
【0046】
一以上の実施形態において、いくつかの容量型実装はセンサ電極と入力物体の間の容量結合の変化に基づく「自己容量」(または「絶対容量」)感知法を使用している。様々な実施形態において、センサ電極の近傍にある、例えば指またはスタイラス145のような入力物体は、センサ電極125の近傍の電界を変化させ、こうして、測定される容量結合を変化させる。1つの実装において、絶対容量感知の方法は基準電圧(例えば、システムの接地)に対してセンサ電極を変調し、センサ電極と入力物体の間の容量結合を検知することによって動作する。
【0047】
容量のいくつかの実装は、センサ電極間の容量結合の変化に基づく「相互容量」(または「トランス容量」)感知法を使用する。様々な実施形態において、センサ電極の近傍の入力物体はセンサ電極間の電界を変化させ、こうして、測定される容量結合を変化させる。一実施形態において、トランス容量感知法は、1以上の送信センサ電極(「送信電極」または「トランスミッタ」とも)と1以上の受信センサ電極(「受信電極」または「レシーバ」とも)の間の容量結合を検知することによって動作する。送信センサ電極は、送信信号を送信するために、基準電圧(例えば、システムの接地)に対して変調されてもよい。受信センサ電極は、基準電圧に対して実質的に一定に保持されていてもよく、または、結果信号の受信を容易にするために送信センサ電極に対して変調されてもよい。結果信号は、1以上の送信信号、および/または、1以上の環境干渉源(例えば、他の電磁信号)に対応する効果を含んでいてもよい。センサ電極は、送信専用もしくは受信専用であってもよいし、または送受信両用として構成されていてもよい。
【0048】
容量感知デバイスは、入力デバイスの近傍にある入力物体、および/または、入力デバイスに接触した入力物体を検知するために使用されてもよい。さらに、容量感知デバイスは、指紋の特徴を感知するために使用されてもよい。さらにその上、
図1の例のように、1以上の実施形態において、容量感知デバイスは、容量感知デバイスに電気的に結合された回転可能なノブインタフェースを備えていてもよく、回転ノブの回転位置を感知するために使用されてもよい。回転可能なノブインタフェースを含むいくつかの実施形態において、回転可能なノブインタフェースはホーム位置と押下位置を有していてもよく、感知デバイスは、回転ノブがいつホーム位置にあり、いつ押下位置にあるかを、1以上の電極125の容量結合の変化に基づいて判定するために用いられてもよい。
【0049】
図1を参照しながら続けると、処理システム110は電子デバイス100の一部として示されている。処理システム110は、電子デバイス100のハードウェアを作動させるように構成されている。
図1に示したように、処理システム110はドライバモジュール140を備え、ドライバモジュール140は信号生成器を含んでいてもよい。1以上の実施形態において、ドライバモジュール140は電極125を駆動するための感知信号を生成する。様々な実施形態において、処理システム110は1以上の集積回路(Integrated Circuit)(IC)および/または他の回路構成要素の、一部または全部を備える。
【0050】
いくつかの実施形態において、処理システム110は、ファームウェアコード、ソフトウェアコードおよび/または同様のものなどの、電子的に読み出し可能な命令をさらに備える。いくつかの実施形態において、処理システム110を構成する構成要素は、例えば電子デバイス100の感知要素の近くなどに、一緒に配置されている。他の実施形態において、処理システム110の構成要素は、電子デバイス100の感知要素に近い1以上の構成要素とその他の1以上の構成要素から、物理的に離間されている。例えば、電子デバイス100はデスクトップコンピュータに結合された周辺機器であってもよく、処理システム110は、このデスクトップコンピュータの中央演算ユニット(Central Processing Unit)(CPU)と、このCPUとは個別の1以上のIC(恐らくは関連するファームウェアを有する)とで実行されるように構成されたソフトウェアを備えていてもよい。別の例として、電子デバイス100は電話に物理的に統合されていてもよく、処理システム110はこの電話のメインプロセッサの一部である回路およびファームウェアを備えていてもよい。さらに、処理システム110は自動車に実装されていてもよく、処理システム110は当該自動車の1以上の電子制御ユニット(Electronic Control Unit)(ECU)の一部である回路およびファームウェアを備えていてもよい。いくつかの実施形態において、処理システム110は電子デバイス100を実装する専用のものである。他の実施形態において、処理システム110は表示画面を動作させる、触覚アクチュエータを駆動する、などのような他の機能も行う。
【0051】
処理システム110は、処理システム110の異なる機能を扱う1以上のモジュール(例えば、ドライバモジュール140または決定モジュール141)として実装されていてもよい。それぞれのモジュールは、処理システム110の一部である回路、ファームウェア、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを備えていてもよい。様々な実施形態において、モジュールの異なる組み合わせを使用してもよい。モジュールの例として、センサ電極と表示画面のようなハードウェアを動作させるためのハードウェア作動モジュールと、センサ信号と位置情報のようなデータを処理するためのデータ処理モジュールと、情報を報告するための報告モジュールと、が挙げられる。モジュールのさらなる例として、入力を検知するために感知要素を作動させるように構成されたセンサ作動モジュールと、モード変更ジェスチャのようなジェスチャを認識するように構成された認識モジュールと、作動モードを変更するためのモード変更モジュールと、が挙げられる。いくつかの実施形態において、処理システム110は、チップとして、または、1以上のチップとして、実装されていてもよい。いくつかの実施形態において、電子デバイス100は電子デバイス100の、コントローラまたはコントローラの一部を備えていてもよい。
【0052】
1以上の実施形態において、ディスプレイドライバ(例えば、ドライバモジュール140)は、表示の更新と感知入力の両方を行うように構成されていてもよく、また、例えば、タッチ表示ドライバ統合(Touch and Display Driver Integration)(TDDI)技術を含むとされていてもよい。このような実施形態において、ドライバモジュール140はTDDIチップまたはTDDIチップの一部として実装されていてもよい。1以上の実施形態において、電子デバイスはマトリックスセンサーを含んでもよく、また、TDDI技術を含んでいてもよい。
【0053】
1以上の実施形態において、処理システム110は決定モジュール141をさらに含む。1以上の実施形態において、決定モジュール141は変調されたそれぞれのセンサ電極と、入力物体145のような入力物体との間の容量結合における変化を、結果信号から判定するように構成されていてもよい。一実施形態において、全てのセンサ電極125は、それぞれのセンサ電極から異なる結果信号が同時に受信されるように、または、2つ以上のセンサ電極から共通結果信号が同時に受信されるように、絶対容量感知のために同時に作動されてもよい。別の実施形態において、いくつかのセンサ電極125は、第1期間の間、絶対容量感知のために動作してもよく、他のセンサ電極125は第1期間に重ならない第2期間の間、絶対容量感知のために動作してもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、処理システム110は、1以上のアクションを引き起こすことによって、ユーザ入力(またはユーザ入力の欠如)に直接に応答する。アクションの例として、作動モードの変更と、カーソル移動、選択、メニューナビゲーション並びに他の機能のようなGUI(Graphic User Interface:グラフィカル・ユーザ・インタフェース)のアクションと、が挙げられる。いくつかの実施形態において、処理システム110は入力(または入力の欠如)についての情報を、電子システムのいずれかの部分(例えば、もしそのような別個の中央演算処理システムが存在するなら、この電子システムの、処理システム110とは個別の中央演算処理システム)に提供する。いくつかの実施形態において、電子システムのいずれかの部分は処理システム110から受け取った情報を処理して、モード変更アクションとGUIアクションを含むあらゆる種類のアクションを容易にするなどの行動を、利用者による入力に応じて行う。さらに、いくつかの実施形態において、処理システム110は1以上の目標物体を認識し、これらの目標物体までの距離を認識するように構成されている。いくつかの実施形態において、処理システム110はノブインタフェース150の1以上の回転変化、または、ノブインタフェース150の1以上の状態変化、または両方を認識し、これらの変化を所望のアクションにマッピングするように構成されている。
【0055】
例えば、いくつかの実施形態において、感知領域における入力(または入力の欠如)を表す電気信号(結果信号)を生成するために、処理システム110は電極125を作動させる。処理システム110は、電子システムに供給される情報を生成する際に、電気信号に対して任意の適切な量の処理を行ってもよい。例えば、処理システム110は、電極125から得られたアナログ電気信号をデジタル化してもよい。別の例として、処理システム110はフィルタリングまたは他の信号調整を行ってもよく、または、さらに別の例として、処理システム110は、情報が電気信号とベースラインの差を反映するように、ベースラインを差し引いてもよく、またはベースラインを計算に含むようにしてもよい。さらに別の例として、処理システム110は位置情報の決定、入力のコマンドとしての認識、手書き認識、指紋情報の認識、目標物体までの距離の認識、などを行ってもよい。
【0056】
本明細書で用いる「位置情報」は、絶対位置、相対位置、速度、加速度およびその他の種類の空間情報を広く包含する。例示的な「ゼロ次元」の位置情報には、近/遠、または、接触/非接触、の情報が含まれる。例示的な「1次元」の位置情報には、軸に沿った位置が挙げられる。例示的な「2次元」の位置情報には、平面内の移動が含まれる。例示的な「3次元」の位置情報には、空間内の瞬間的または平均的な速度が含まれる。さらなる例には空間情報の他の表現が含まれる。例えば経時的な位置、動作または瞬間速度を追跡する履歴データを含む、1以上の種類の位置情報に関する履歴データもまた、決定及び/又は保存される場合がある。
【0057】
本開示の多くの実施形態が完全に機能するデバイスの文脈で説明されている一方で、本開示の機構は様々な形態のプログラム製品(例えば、ソフトウェア)として配布され得ることを理解されたい。例えば、本開示の機構は、電子プロセッサによって読み取り可能な情報担持媒体上のソフトウェアプログラムとして実装及び配布され得る(例えば、コンピュータで読み取り可能、かつ/または、記録可能/書き込み可能で、処理システム110によって読み取り可能な、非一時的情報担持媒体)。加えて、本開示の実施形態は、配布を行うために使用される媒体の具体的な種類に関わらず、等しく適用される。非一時的で電子的に読み取り可能な媒体の例として、様々なディスク、メモリースティック、メモリーカード、メモリーモジュールなどが挙げられる。電子的に読み取り可能な媒体は、フラッシュ、光学、磁気、ホログラフィーまたは任意の他のストレージ技術に基づいていてもよい。
【0058】
1以上の実施形態において、処理システム110はディスプレイ更新インターバル中と入力感知インターバル中に電極125を駆動するための電圧信号をそれぞれ生成するように構成されている。このような実施形態において、ディスプレイ更新インターバル中に電極125を駆動するために生成された電圧信号は実質的に一定または固定の電圧であり、入力感知インターバル中に電極125を駆動するために生成された電圧信号は、電圧が周期的に変化する波形を有する感知信号と呼ばれてもよい。1以上の実施形態において、ディスプレイ更新インターバル中に電極125を駆動するための電圧信号の値は、予め決定される場合がある。例えば、電圧値は電子デバイス100および/または電極125のメーカーから提供されてもよく、電子デバイス100に固有のものであってもよい。
【0059】
一実施形態において、ドライバモジュール140は感知信号を供給するように構成された回路を含む。例えば、ドライバモジュール回路は発振器、1以上のカレントコンベア、および/または、デジタル信号生成回路を含んでいてもよい。一実施形態において、ドライバモジュール回路はクロック信号、発振器の出力および上述したパラメータに基づいて電圧信号を生成する。
【0060】
上述のとおり、1以上の実施形態において、ドライバモジュール140は、ディスプレイ更新期間中と入力感知更新期間中のそれぞれで電極125を駆動するための信号を生成する。このような実施形態において、入力感知更新期間は、2つのディスプレイ更新期間の間に設けられており、その長さはディスプレイ更新期間より短い。このような実施形態において、表示フレームごとに複数のディスプレイ更新期間と入力感知更新期間がある。1以上の実施形態において、連続する入力感知期間にわたって結果信号を取得することによって、回転可能なノブインタフェース150の回転は、ノブインタフェース150がホーム状態であるか押下状態であるかと共に、追跡され得る。
【0061】
上述のとおり、1以上の実施形態において、電子デバイス100のディスプレイパネル120の上に、例えば回転可能なノブインタフェース150などの、追加の入力デバイスを設けてもよく、追加の入力デバイスは、その近くまたは下にある電極125の一部または全てと電気的に結合される場合がある。1以上の実施形態において、追加のデバイスが、ユーザが電子デバイス100に入力を供給するための、表示画面に指またはスタイラス145で接触または近くでのホバリングをする以外の別の方法を提供する場合がある。
図1に示した例では、回転可能なノブインタフェース150がディスプレイパネル120上に搭載されており、ディスプレイパネル120と(
図1に示す通り)完全に、あるいは、部分的に重なる場合がある。記載のとおり、1以上の実施形態において、回転可能なノブインタフェース150は、定置ベース(
図1の上面図では見えない)を有している。定置ベースには、感知信号が提供される電極の1以上のセットや基準信号が供給される電極の1以上のセットのような、表示パネル120の電極のそれぞれのセットと結合するように構成された結合電極の様々なセットが設けられる。1以上の実施形態では、定置ベースは、対応する結合電極のセットとそれぞれに接続される、異なる導電性領域を含む場合がある。
【0062】
1以上の実施形態では、回転可能なノブインタフェース150はまた、定置ベースの上に位置し、定置ベースに対して回転する回転ホイールを含む。このような実施形態では、回転ホイールの下側は、周辺領域152の様々な導電性および非導電性領域でパターン化され、定置ベースの導電性領域と回転ホイールの周辺領域152の様々な導電性及び非導電性の領域と電気的な結合が存在するように、定置ベースの導電性領域と位置整合するように構成される。これらの構成要素は、回転ホイールが回転するとこれらの電気的な結合が変化するようにさらに構成され、表示パネルで受信された結果信号に対する当該電気的な結合の変化による影響を検出することによって、入力デバイスはノブインタフェースの回転又は回転の変化を決定し得る。1以上の実施形態では、パターン化領域152は、導電性領域および非導電性領域の多数の可能な配置例を有し得ると共に、回転ホイールが回転するときに回転ホイール及び定置ベースを電気的に相互作用させる様々な方法があり得る。したがって、定置ベースの導電性領域と、回転ホイールの導電性及び非導電性の領域と、の両方に、代替的な構成および相対的な配置が可能である。これらはすべて本開示の範囲内にある。
【0063】
1以上の実施形態では、相対的または絶対的のいずれの意味であっても、ユーザによって回転可能なノブインタフェースに与えられる回転は、電子デバイス100によって検出され得る。1以上の実施形態では、回転可能なノブインタフェース150はまた、ユーザによって押下される場合があり、そのため、2つの位置、すなわち、ホーム又は「非圧縮」の位置と、例えば、1以上の付勢ばねに逆らってノブインタフェース150を押下することによってユーザが保持する「圧縮」位置と、を有し得る。1以上の実施形態では、回転可能なノブインタフェース150はカバーを有する。代替的な実施形態では、回転可能なノブインタフェースは、複数の位置で静止するように押下される場合があり、したがって、「非圧縮」の位置と「完全に圧縮された」位置との間の複数の状態を有し得る。ホーム位置では、圧縮位置と比べて、カバーは回転ホイールから最も離れた位置にある。1以上の実施形態では、回転ホイールは、それとカバーとの間にいくつかのスイッチを備えている場合があり、これらのスイッチは、付勢ばねを備えていてもよい。そのような実施形態では、回転可能なノブインタフェース150は、同じく感知信号で駆動される入力デバイスの電極に結合する第4セットの結合電極を備えていてもよい。
図1の例では、結合電極の第4セットは、定置ベースに設けられた内側リングに接続され、これは、回転ホイールに設けられた同じ形状の内側リング153と位置整合する。このような実施形態では、ユーザが回転可能なノブインタフェースのカバーを押下して、回転可能なノブインタフェース150が「圧縮」位置にあるとき、回転ホイールの内側リング153をパターン化領域152に設けられた全ての導電性領域と接続するように、スイッチは閉状態になる。これは、定置ベースの第4セットの結合電極を、定置ベースの第1セットの結合電極に電気的に結合するのに役立ち、それによって、ディスプレイパネルの対応する第4セットの電極を基準信号に結合する。しかしながら、ユーザがカバーを押下しなくなると、ノブインタフェースの結合電極の第4セットは単純にフローティングになる。1以上の実施形態では、回転の方向及び程度は、ユーザが回転可能なノブインタフェース150を押下すること又は押下をやめることと共に、処理システム110によって(例えば、決定モジュール141によって)解釈される場合があり、そして、様々なユーザ入力のアクション、信号、又は、指示にマッピングされる場合がある。
【0064】
1以上の実施形態では、ユーザは様々な方法、例えば、回転可能なノブインタフェースの外側のハウジングをつかんでそれを回す、回転可能なノブインタフェースの上部若しくは回転可能なノブインタフェースの側面から突出したフランジをつかんでそれを回す、又は、回転可能なノブインタフェースの上面の凹まったチャンネルの中若しくは上に1以上の指先を置く、といった方法で回転可能なノブインタフェース150を回転させ得ることに留意されたい。
【0065】
1以上の実施形態において、
図1の電子デバイス100は自動車に設けられていてもよい。例えば、電子デバイス100はダッシュボードの中央部分に設けられた実質的に垂直な表示画面に貼り付けられてもよい。1以上の実施形態では、電極125が領域155(以下で説明する)の内側にあるか外側にあるかにかかわらず、回転可能なノブインタフェース150によって物理的にブロックされていないすべての電極がアクティブのままである。したがって、このような実施形態では、ノブから離れるタッチとノブの回転との両方が、電極125によって同時に検出され、報告される。
【0066】
代替的な実施形態では、回転可能なノブインタフェース150を介して受け取られる以外のすべての形態のユーザ入力が、電子デバイス上で無効にされる場合がある。したがって、そのような実施形態では、電極125は、それらの標準的な感知機能を実行するためには、感知インターバル中に駆動されない。結果として、指または他の物体145がその近傍へと、またはその近傍から離れるように動かされた場合、結果信号は得られない、あるいはたとえ得られたとしても、それは処理されない。そのような代替的な実施形態では、このことは、安全対策として、自動車の運転者が運転中にディスプレイ120にタッチしようとすることを防ぐとともに、そして回転可能なノブインタフェース150を介してのみ電子デバイス100を操作するために行われる場合がある。そのような代替的な実施形態では、電極125の標準的な感知機能の無効化は、自動車の特定の活動中に実施され得るが、他の活動中には実施されない場合がある。たとえば、電極125の標準的な機能の無効化は、自動車が実際に動いている間には実施される場合があるが、他のすべての場合においては、電極125のいくつか、例えば、回転可能なノブインタフェースがそれらから取得された信号を妨害するほど十分に近くない電極については、上記したような標準的な感知を実施するために作動される場合がある。
【0067】
したがって、いくつかの代替的な実施形態では、自動車の実際の運転中であっても、どのようなときであっても、それぞれの場合に、すべての電極125が標準的な感知から無効にされるときには、運転者が電子デバイス100へ入力を提供可能な方法は、回転可能なノブインタフェース150の回転及び/又は押すことのあらかじめ定められた組み合わせを用いて、回転可能なノブインタフェース150を介してする入力のみとなる。これらの動作は、感知期間中に電子デバイス100によって受信された結果信号を改変し、次に、例えば、決定モジュール141を用いてそれらを解釈する。結果信号は、回転可能なノブインタフェース150の容量結合によって改変された後には、ドライバモジュール140が電極125を駆動する感知信号と同じ信号であり得る。
【0068】
別の代替的な実施形態において、例えば、電極125のうちのいくつか、特に回転可能なノブインタフェース150の近くまたは下にあるもののみが、標準的な容量性の感知を無効化されており、電子デバイス100上の残りの電極125は標準的な容量性の感知の動作が可能であってもよい。このような代替的な実施形態において、標準的な容量性の感知を無効化される電極は、これらを標準的な容量性の感知に駆動することが回転可能なノブインタフェース150に電気的に結合されている電極125の様々なセットから取得される結果信号に干渉し得るほどに十分に回転可能なノブインタフェース150に近い電極である。この特徴を図示するために、
図1では破線の境界155が示されている。境界155の中の電極125は「ブラックアウト・ゾーン」の内にあり、標準的な感知信号で駆動されない。むしろ、詳細は後述するが、ブラックアウト・ゾーン内の、回転可能なノブインタフェースに電気的に結合されている任意の電極は、後述するように回転可能なノブインタフェースの回転と押下を検知するように駆動される。
【0069】
一般的に、ブラックアウト・ゾーン内で、電極125の第1セット、第2セット、及び、第3セットは、回転可能なノブインタフェース150の定置ベースの結合電極のうちの対応する第1セット、第2セット、及び、第3セットと結合される。実施形態において、第1セットは基準信号で駆動され、第2セット及び第3セットは、定置ベースと回転可能なノブインタフェース150の回転ホイールの現在の相対的な回転関係によって改変された結果信号を取得するために、感知信号で駆動される。したがって、これらの別の実施形態のそれぞれにおいて、ブラックアウト・ゾーンの境界155の内にある全ての電極は、常時、標準的な容量性の感知が無効化される場合がある。
【0070】
本明細書で用いられる場合、「無効化された電極」という用語は、電極を全く駆動されない電極、ガード信号で駆動される電極、または、一定の信号で駆動される電極を示し得る。
【0071】
図1を参照して続けると、上述のとおり、電子デバイス100のうちのいくつかのセットは、回転可能なノブインタフェース150の結合電極のうちの対応するセットと電気的に結合される。したがって、入力検知期間の間、基準信号は、ドライバモジュール140によって電極125の第1セットに供給され、検知信号は電極125の第2セット及び第3セットに供給される。1以上の実施形態では、基準信号は、処理システム110によって提供される設定可能な直流(direct current)(DC)出力であり得る。いくつかの実施形態では、DC信号は、電子デバイス100の接地信号であり得る。いくつかの実施形態では、結果信号は、電極125の第2セットおよび第3のセットのそれぞれから取得され、ここで、結果信号は、回転可能なノブインタフェース150の回転状態によって改変される感知信号である、結果信号は、回転可能なノブインタフェース150の回転を決定するために、決定モジュール141によって解釈される。1以上の実施形態では、回転は、例えば、以前の位置からの差動角度の差といった相対的な意味で、あるいは、例えば、ホーム位置からの正または負の角度の差といった絶対的な意味で、決定される場合がある。いくつかの実施形態では、回転可能なノブが完全に360度以上回転した場合、それがカバーした全体の回転距離も測定される場合がある。そのような実施形態では、1以上のユーザコマンドが絶対回転距離にマッピングされる場合がある。代替的な実施形態では、開始位置と終了位置との間の全体的な角度の差、又は、最終的な絶対角度位置のうち、一方または両方のみが測定される。
【0072】
図2は、1以上の実施形態に係る、例示的な回転可能なノブインタフェースの6つの主要な構成要素を示している。これを参照して、例示的なデバイスの底から始めて、定置ベース231が示されている。いくつかの実施形態では、定置ベース231は、ユーザが例示的なノブインタフェースを回転させても動かない。したがって、いくつかの実施形態では、それは、例えば接着剤によって、例示的な入力デバイスの表面に貼り付けられる。いくつかの実施形態では、定置ベース231は、半永久的または永久的な方法で入力デバイスに貼り付けられ、入力デバイスに提供される電極のグリッドと位置整合するようにその上に配置される。定置ベース231の上に、回転ホイール230が設けられる。例えば、以下に説明するように、カバーキャップ215をつかんで回すことといったことによって、ユーザがノブインタフェースを回転させると、回転ホイール230は回転する。回転ホイール230の内側には、垂直リングベアリング225が設けられている。垂直リングベアリング225は非導電性であり、例えばプラスチック製であり得、リング形状を有している場合がある。垂直リングベアリング225は、実質的に管状の形状を有する場合がある。1以上の実施形態に係る、
図2には示されていないが、
図3を参照して以下に説明されるものとして、回転ホイール230がその上に置かれる追加的な実質的に水平なリング状のベアリングがある。両方のベアリングを使用することにより、定置ベース231と回転ホイール230との間の摩擦力が低減され得る。
【0073】
図2を参照して続けると、回転ホイール230の上部に1以上のスイッチ220が設けられている。例えば、スイッチ220は、ドームスイッチであり得る。3つのスイッチ220が存在する場合があり、当該スイッチは、回転ホイール230の上面に等距離に配置される場合がある。以下により完全に説明するように、1以上の実施形態では、スイッチは、ノブインタフェースの2つの状態、すなわち、スイッチが閉じている圧縮状態と、スイッチが開いたままである非圧縮状態と、を区別するために使用される。ノブインタフェースの圧縮状態は、その内部の回転位置と直交している。そのため、ノブインタフェースは、圧縮状態又は非圧縮状態(および、2つの状態の間の任意の位置)のいずれにある間にも回転することができ、その回転を感知及び測定し得る。同様に、ノブインタフェースが「ホーム」又は非圧縮状態か、又は、圧縮状態か、とそれぞれに対応する、スイッチが開いているか閉じているかの状態は、回転可能なノブインタフェースが回転的に静止しているか、または回転しているかどうかにかかわらず検出され得る。
【0074】
最後に、
図2を参照して続けると、図に示すように、ノブインタフェースはインナーキャップ210とカバーキャップ215とを有する。作動中、ユーザは、例えば、カバーキャップ215をつかみ、定置ベース231に対して回転ホイール230を回転させることによって、または、カバーキャップ215を押下してノブインタフェースを圧縮し、スイッチ220を閉じることによって、カバーキャップ215を物理的に操作する。図示されるように、インナーキャップ210は、突起(prong)211によって、垂直リングベアリング225の内面に設けられたリップに取り付けられている。カバーキャップ215は、外側キャップ215を回転させると回転ホイール230が回転するように、インナーキャップ210に取り付けられる。
【0075】
図3は、
図2の例示的な回転可能なノブインタフェースの分解図であり、さまざまな構成要素の上側を示す。
図3を参照すると、図の下部から始めて、定置ベース231の上面が示されている。当該上面には、回転ノブがそこに取り付けられるべき、入力デバイスの基準信号に結合される導電性の周辺リング235が設けられている。図示のように、上面にはまた、内側導電性リング232のほか、2個の導電性パッド237及び導電性パッド238が示されている。1以上の実施形態では、これらの3つの導電性領域は、入力デバイスの感知信号に結合されるように構成される。これらの領域の詳細、それらの機能、および回転ノブが置かれている入力デバイスとの相互作用については、以下で詳細に説明する。
【0076】
図3を参照して続けると、垂直リングベアリング225、およびその上を摺動するように構成された水平リング状ベアリング226もまた示されている。1以上の実施形態では、定置ベース231は回転ホイール230よりも内径が小さいため、定置ベース231の内側周辺に、垂直リングベアリング225が置かれ得る棚が存在する。垂直リングベアリング225はそして、水平リングベアリング226の内径の内側にフィットし、定置ベース231の内周上に収まるように構成される。2個のベアリングはそして、上記のように、定置ベース231と回転ホイール230との間に物理的なインタフェースを提供する。これによって、回転ホイール230が移動するときにそれらの間でおこる摩擦が減少する。
【0077】
図3をさらに参照して続けると、回転ホイール230の上面の周りに設けられた3つのスイッチ220もまた示されている。前述のように、これらのスイッチは、たとえばドームスイッチである場合がある。スイッチ220の上に、垂直リングベアリング225の内側にフィットするように構成され、3個の突起211によって垂直リングベアリング225に固定されるように構成されたインナーキャップ210が示される。1以上の実施形態では、突起211もまた垂直リングベアリング225の内側垂直面の周りに等距離に配置される。図示されたように、インナーキャップ210は、実質的に水平な上側リング、および、下側中空円筒状部位を有する。そのため、1以上の実施形態では、インナーキャップ210の下部円筒状部位の外径は、垂直リングベアリング225の内径内にフィットし、そして、突起211によって垂直リングベアリング225の底面にクランプするように設計されている。突起211は、インナーキャップ210がホーム位置または非圧縮位置にあるとき、そのような底面の下にわずかに突出する。最後に、
図3を参照すると、図示のように、カバーキャップ215がインナーキャップ210の上部リング部分に取り付けられている。
【0078】
次に説明する
図4Aから
図4Cは、定置ベース231の天面の対応する導電性領域にそれぞれ接続される、定置ベース231の底面に設けられた結合電極と、例示的な入力デバイスに設けられたグリッド内の電極と、の空間的な関係を示している。
【0079】
図4Aは、1以上の実施形態に係る、例示的な入力デバイスの電極401のグリッド上に重ねられた、
図3に示される例示的な回転可能なノブインタフェースの定置ベース231の下面図を示す。これを参照すると、定置ベース231の底または下側は、3セットの電極を有する。斜線で示されている第1セット430は、入力デバイスから基準信号を受信するように構成された、接続された電極のセットである。残る2セットに分類される3個の電極410、電極420、電極411は、入力デバイスの感知波形を受信するように構成される。電極410および電極411を含む第2セットは、ノブインタフェースの回転を感知するように構成される。電極420を含む第3セットは、例えば、ユーザがノブインタフェースをその圧縮状態に押し込んだときに、“クリック”、又は、スイッチ220の閉鎖を感知するように構成される。図示のように、感知電極410、感知電極411、及び、感知電極420はそれぞれ、可能な範囲で、グリッド401の入力デバイスの電極全体(例えば、正方形)と完全に重なるように設計されている。他方、電極430のセットは、電極430のセットが例示的な入力デバイスの上面のグリッド401上の対応する基準電極403(
図4B参照)からの信号のみをピックアップし、隣接する感知電極からの寄生容量をピックアップしないように、グリッド401の複数の電極のうちの一部にそれぞれオーバーラップするが電極全体にはオーバーラップしないように設計されてもよい。この分離は、
図4Aにおいて、2つの特徴によって示されている。第1に、感知電極410、感知電極411、及び、感知電極420の右側に感知ピクセルの空列412があり、この空列412が感知電極410、感知電極411、及び、感知電極420と、電極のセット430と、の間にギャップを提供する。第2に、電極430(全線網掛け)のセットは、基準電極403(点線網掛け)に対して、それぞれ、例えば、1.5-2mm程度、内側に凹んでいる。この凹みは、電極430のセットが基準電極信号のみをピックアップし、感知電極402上の近くの感知信号の寄生結合をはるかに少なくピックアップすることを助ける。さらに、この特徴はまた、例示的な回転可能なノブインタフェースの、入力デバイスに対する公差の調整を助ける。
【0080】
図4Bは、1以上の実施形態に係る、2種類の電極に分割された
図4Aの例示的なグリッド401を示す図である。一般に、入力デバイスのグリッドの各電極は、感知波形に駆動されるか、または、例えば、接地若しくは他の基準信号といった基準信号で駆動されるか、選択的に選択され得る。1以上の実施形態において、入力デバイスのグリッドは、
図4Aに示すようにそのグリッドを定置ベースの下側の電極と調整するために、
図4Bに示すように配置される場合がある。そして、
図4Bの斜線のグリッド電極403は、入力デバイスによって基準信号で駆動されてもよく、グリッド電極402は、入力デバイスによって感知信号で駆動されてもよい。一以上の実施形態において、この方式が実施される場合、定置ベース231の下側と、入力デバイスのグリッド401の電極と、の間にペアリングが生じる。これは、
図4Cの重ね合わせ図に示されている。
【0081】
図4Cは、そして、1以上の実施形態に係る、
図4Bの例示的な入力デバイスの電極グリッド401の上に配置された、
図4Aの定置ベース231の下側を示す。図示のように、感知電極410、感知電極411、及び、感知電極420は、ノブインタフェース上での感知のために構成されているが、それぞれに感知波形で駆動されるようにグリッド電極402と実質的に完全に位置合わせされる。一実施形態では、それらは、同じ感知波形で駆動される。同様に、電極430のセットは、入力デバイスの基準信号と結合するように構成されているのであるが、入力デバイスによって基準信号で駆動されるべき複数のグリッド電極403の上にそれぞれ設けられる。1以上の実施形態において、定置ベース231は静止していて、入力デバイスとの相対的な位置が固定されているため、図示のように、まず入力デバイスの電極と位置合わせされ、そして、1以上の実施形態において、入力デバイスのガラス面に恒久的に取り付けられる
【0082】
次に、
図5を参照して、定置ベースの上面が説明される。これを参照して、1以上の実施形態に係る、定置ベース231の天面に対する入力デバイスの電極領域402及び電極領域403の位置を示す上面透視
図510が示されている。上面透視図に示されるように、また、底面
図520を上面
図530と比較することによって示されるように、定置ベース231の天面は、その底面とは幾分異なって構成される。天面および底面上の導電性パッドの相対的な位置を完全に理解するために、底面
図520が更に示され、曲矢印521によって示されるように、上面
図530において、上面の対応する位置も更に示される。この上面
図530は、底面
図520に示されるような定置ベース231が(定置ベース231の右側と左側がそれぞれ520の視点と530の視点とで同じであるように)水平軸を中心に反転した場合、見られる得る光景を示している。
図5を参照して続けると、上面
図530は、4個の導電性領域、すなわち、内側リング232(スイッチが開状態か閉状態かを感知するために使用される)、2個の導電性パッド237及び導電性パッド238(回転を感知するために使用される)、及び、周辺リング235を示す。1以上の実施形態において、これらの各々は、定置ベース231の底面上の対応する導電性領域にビアによって電気的に接続される。特に、周辺リング235は、上述のように、基準信号で駆動される入力デバイスの電極と結合するために、対応する電極430のセットに電気的に接続され、2個の導電性パッド237、導電性パッド238は感知電極410、411とそれぞれに接続され、内側リング232は感知電極420と電気的に接続される。いくつかの実施形態では、上述のように、導電性パッド237および導電性パッド238の両方は、内側リング232とともに、感知信号で駆動される入力デバイスの電極に結合するように構成される。
【0083】
したがって、図示の実施形態では、定置ベース231の上部は、その外側周辺部に、互いに近くにあり周辺リング235によって囲まれた2個の小さな導電性パッド237および導電性パッド238を有する。周辺リング235は基準信号を受信し、2個のパッド237およびパッド238はそれぞれ感知信号を受信する。この2個のパッドは、回転を感知するために用いられる。周辺リング235の内側の、より細い第2リング232は、スイッチが閉状態かを感知するための感知信号を更に受信するように構成される。スイッチを閉じることは、スイッチを閉じるときに鳴る音から「クリック」とも呼ばれる場合がある。
【0084】
図6Aは、
図3で示された例示的な定置ベース231と例示的な垂直リングベアリング225と水平リングベアリング226(例えば、プラスチックのベアリング)の分解
図601と合体
図603を示す。これらの要素は以前に説明されたので、ここでは再び説明しない。注目すべきは、1以上の実施形態において、合体
図603に示されているように、水平リングベアリング226は、回転ホイール230を安置可能な滑らかな表面を上部に有し、垂直リングベアリング225は、回転ホイール230がその周りを回転可能な滑らかな外側円筒構造を有することである。
【0085】
図6Bは、
図6Aに示された例示的な定置ベース231及びベアリング225、ベアリング226のそれぞれの分解
図610および合体
図603を示しており、例示的なフラットリング状ベアリング226上に設けられた
図3の例示的な回転ホイール230が追加されている。図示のように、垂直リングベアリング225は、回転ホイール230よりも高さが大きく、その結果それは、回転ホイール230を超えて突出する。分解
図610および合体
図603のそれぞれには、回転ホイール230の上面に設けられた、スイッチのセット(図示せず)と接続するための3セットのパッド221が見える。これは、回転ホイール230の底面の構成が説明された後、以下でより詳細に説明される。
【0086】
図7Aは、
図3の回転ホイールの詳細な底面図を示す。これを参照すると、定置ベースの天面の場合のように、2つのリング状構造が本質的に存在する。すなわち、1以上の実施形態に係る、第1導電性領域710および非導電性領域720を交互に含む外側周辺リング701、および、単一の接続された第2導電性領域730を含む内側リングである。さらに、リング状領域702はまた、外側周辺リング701と、内側リングの第2導電性領域730と、の間に設けられており、非導電性である。1以上の実施形態では、第1導電性領域710は回転を感知するために使用され、内側リングの第2導電性領域730は“クリック”を感知するために使用される。
【0087】
図7Bは、
図3の例示的な回転ホイールの詳細な上面図を示している。
図7Bの視点は、それぞれがスイッチに接続される3セットのパッド221を示す
図6Bに図示された回転ホイール230の天面の視点に対応する。上記のように、スイッチは、例えば、ドームスイッチである場合がある。しかしながら、
図7Bの上面図は、パッド221の各セットがそれぞれそこに結合される、下部の導電性リングを、前述の定置ベースの底面および上面の他の導電性領域と共に示すために、透視図として描かれている。これらには、ここで透明度をもって示されるように、また
図4Aで更に図示されるように、定置ベース231の底面上において、感知電極410と感知電極420と感知電極411、及び、入力デバイスの基準信号に結合される電極のセット430が含まれ、定置ベース231の天面上において、周辺リング235の一部、および、導電性パッド237と導電性パッド238が含まれる。
【0088】
1以上の実施形態において、導電性領域710は、導電性パッド237及び導電性パッド238と、周辺リング235と共に、例えば、銅、銀、金、アルミニウム、あるいは、他の導体、又は、例えば、これらどうしの任意の組み合わせの様々な合金、またはこれらと異なる元素もしくは化合物との組み合わせの様々な合金といった、既知の導体で作られてもよい。同様に、1以上の実施形態において、非導電性領域720は、金属が堆積されていないプリント回路基板又は基板の領域であってよく、したがって、例えば、エポキシ樹脂及びガラス繊維で作られてよく、又は、例えば、非導電性領域720は、例えば、二酸化ケイ素(SiO2)層などの絶縁層を堆積することにより形成されてもよい。
【0089】
図7Bに示すように、例えば、回転ホイール230の上面側の表面の直下に設けられた、2つのリング状の導電性領域、すなわち、外側リング領域712および内側リング領域732が存在する。外側リング領域712は、
図7Aに示すように、回転ホイールの底面側の第1導電性領域710の各々とビア(図示せず)により電気的に接続される。同様に、回転ホイール230の上面側の内側周辺に設けられた内側リング領域732は、同じく
図7Aに示される回転ホイールの底面側の第2導電性内側リング領域730とビア(図示せず)により電気的に接続される。加えて、
図7Bに示された例では、3個のスイッチが接続されるべき3セットのパッド221の位置は示されているが、それらにそれぞれに接続されるべきスイッチは示されていない。そこで、ユーザがカバーキャップ215(
図2および
図3に示す)をクリック音またはそれに相当する音を発するまで押下することによって、スイッチが閉じられると、各パッドの内側部分が各パッドの外側部分に電気的に接続され、これによって領域712および領域732が電気的に接続される。
図7Aを参照すると、これによって更に、第1導電性領域710の全てがそれぞれに内側リングの第2導電性領域732と接続される。代替の実施形態においては、より多くのまたはより少ないスイッチと、及び、それらが接続されるスイッチパッドの対応するセットと、が存在してもよい。いくつかの実施形態では、図示のように、スイッチパッド221は回転ホイール230の周りに等距離に配置される場合がある。いくつかの実施形態では、スイッチは、2つより多い状態を有し、よって、“圧縮”又は閉状態と、“非圧縮”又は開状態よりも多くの位置を有する場合がある。そのような実施形態では、スイッチは、“圧縮”と“非圧縮”との間に1以上の中間状態を有する場合がある。ユーザは、カバーキャップ215を押し下げて、“非圧縮”又は完全な開状態と、中間状態の各々と、完全な閉状態と、の間で移動させ得る。このような実施形態において、スイッチの各位置は、例えば、スイッチの各状態における電気的結合の信号強度によって感知され得る。
【0090】
定置ベース231及び回転ホイール230のそれぞれの天面及び下面に関する上記の説明を考慮した上で、
図8は、回転ホイール230が定置ベース231の上に位置したときに、1以上の実施形態において、組み立てられた回転ノブインタフェース内で互いに向き合った定置ベース231の天面と回転ホイール230の底面との間の電気結合を示す。これを参照すると、破線矢印801は、例示的な定置ベース231の天面の内側リング232と、例示的な回転ホイール230の底面の内側リング730との間の電気的結合を示している。加えて、破線矢印802は、導電性パッド237及び238を含む例示的な定置ベース231の天面の周辺リング235と、例示的な回転ホイール230の底面の外側周辺リング701の様々な導電性領域710との間の電気的結合を示している。上述したように、回転ホイール230の底面の外側周辺リング701の領域720は、図示のように、外側周辺リング701と内側導電性リング730との間に設けられた非導電性の仕切リング702と同様に、非導電性である。1以上の実施形態において、
図6Aを参照して上述したように、破線矢印801及び破線矢印802によってそれぞれに示される領域対は、2つの表面の間に位置する非導電性の水平プラスチックベアリング226を前提として、容量的に結合されている。
【0091】
図8に示すように、回転ホイール230が定置ベース231の上に位置(両者の間に水平ベアリングが存在)すると、それらの周辺リング領域のそれぞれの間に様々な電気的結合が存在し得る。入力デバイスの基準信号と結合される周辺リング235は、一般に、電極430のセットを介して常に回転ホイール下側の多数の導電性領域710と容量結合されるであろうが、導電性パッド237、導電性パッド238の一方または両方が回転ホイール下側の導電性パッド710と結合されるかどうかは、回転ホイール230と定置ベース231の相対的な回転位置により決まる。
【0092】
1以上の実施形態において、回転を感知するために、定置ベース231の天面上の2個の導電性パッド237、導電性パッド238は、感知信号でそれぞれに駆動される入力デバイスの表面上の電極と結合される場合がある。
図4Aを参照して上述したように、定置ベース231の天面上の導電性パッド237、導電性パッド238は、定置ベース231の底面上に設けられた感知電極410、感知電極411とそれぞれビアによって電気的に接続される。順に、感知電極410及び感知電極411は、例えば
図4Cに示すように、感知信号で駆動される対応する入力デバイスの電極に結合される。1以上の実施形態において、定置ベースの感知電極410及び感知電極411とそれぞれに結合される入力デバイスの電極を感知信号で駆動することで、定置ベース231の天面上の2個の導電性パッド237及び導電性パッド238の各々と、回転ホイール230の下面上の導電性パッド710及び非導電性領域720の配列との間の容量結合の関数として異なる結果信号が、それらの入力デバイス電極によって受信される。
【0093】
図9は、定置ベースの天面の周辺リングのうち、おそらく35度の角度に対応する、小さな円弧状の部分である。図示された当該部分は、導電性パッド237及び導電性パッド238を含む、
図7Bに示された画像の部分に対応する。各導電性パッドと結合された信号を区別するために、
図9を参照して、いくつかの実施形態では、導電性パッド237はチャンネルAに割り当てられ、導電性パッド238はチャンネルBに割り当てられる。便宜上、本明細書において、例えば、導電性パッド237は時に“チャンネルAパッド”と呼ばれ、導電性パッド238は時に“チャンネルBパッド”と呼ばれる場合がある。導電性パッド237及び導電性パッド238の各々にそれぞれ結合されている入力デバイス上の電極によって受信される結果信号を異なる時点で測定することによって、2つのデータ点の間でどれだけの回転が、どの方向に発生したかを決定し得る。また、
図9には、周辺リング235(これは、入力デバイスの電極430のセットに結合され、そして、それらを駆動する基準信号に結合される)、および、内側リング導電性領域232が示されている。以下に詳細に説明するように、内側リング導電性領域232は、スイッチが閉じる「クリック」を感知するために用いられる。
【0094】
図10は、1以上の実施形態に係る、回転ホイール230がユーザによって回転されるとき、
図9に示される例示的なチャンネルとの割当てを有する例示的な定置ベースの導電性パッド237及び238と、回転ホイール230の底面上の外部周辺リングの交互に設けられた導電性領域710及び非導電性領域720との相互作用によって発生し得る、例示的なデジタル化直交エンコーダ信号を示す図である。生成された信号は、時計回り回転についてのあるシーケンス1010、及び、反時計回り回転についての別のシーケンス1020を有する。いくつかの実施形態では、相対的な回転は、連続するシーケンスを比較することによってファームウェアで決定される場合がある。図示のように、チャンネルA及びチャンネルBに使用されるそれぞれの信号は、同一であるが、位相が90度シフトしている。これらの信号は、次に説明する
図11Aに示されるように、定置ベース231の導電性パッド237及び導電性パッド238と、回転ホイール230の下側のパターンと、のオーバーラップの可能な状態の全てを参照することにより、より良く理解され得る。次に説明するように、反時計回りの回転シーケンス1020の4つのデータポイント1030は、
図11Aに示される。
【0095】
図11Aは、1以上の実施形態に係る、
図9の定置ベース231の上部にある「A」及び「B」で示される導電性パッド237、導電性パッド238の、回転ホイール230の底にある外側周辺リングに交互に設けられた導電性領域710及び非導電性領域720のパターンとの4通りの可能な結合状態、すなわち、結合状態1110-結合状態1140を示す。
図11Aでは、定置ベースの周辺リング235のうち、導電性パッド237及び導電性パッド238が設けられた近辺の小部分のみが図示されている。回転ホイール230の下側に対する導電性パッド237、導電性パッド238の相対位置が、図示された信号を発生させる。
図11Aはまた、
図9に示され、上述したように、定置ベース231の上部の周辺リング235の小部分を図示し、これは導電性パッド237および238を取り囲むものである。
図11Aに描かれた4つの状態はそれぞれ、次に説明するように、
図10のエンコーダ信号における対応するデータポイントを有する。
図11Aは、定置ベース231の天面の下から上方を見た図であり、導電性パッド237と導電性パッド238、および、周辺リング235が透明に示されており、回転ホイール230の底面にある交互に設けられた導電性710と非導電性720の周辺領域が背景として見える。導電性領域710と非導電性領域720を区別するために、導電性領域710は左上から右下に走る斜線(「バックスラッシュ」)を用いて影を付け、非導電性領域720は左下から右上に走る斜線(「フロントラッシュ」)で、図示のように影を付けている。
【0096】
図11Aに図示された例では、交互に設けられた導電性領域710と非導電性領域720は、同じ形状及び大きさを有する。また、
図11Aに図示された例では、定置ベース231の天面上のチャンネルA及びチャンネルBをそれぞれ担持する導電性パッド237及び238のパッド幅W1が、回転ホイールの底面の導電性領域710又は非導電性領域720の幅W2の1/2の大きさで、導電性パッド237又は導電性パッド238の二つが、一つの導電性領域710又は非導電性領域720の内側に、あるいは、その下にフィットし得るような大きさを有する。さらに、導電性パッド237と導電性パッド238は、2つの導電性パッド幅W1、又は、1つの領域(710、720)の幅W2によって互いに分離されている。4つの状態は、図示のように、定置ベース231に対する回転ホイール230の反時計回りの回転を示す。したがって、前述のように、視点が定置ベース231の天面の下から回転ホイール230の底面を見たものであるため、チャンネルA及びチャンネルBをそれぞれ担持する導電性パッド237及び導電性パッド238は、実際には静止しているが、回転ホイール230の底面に対して反時計方向に移動しているように見える。
【0097】
第1状態1110から始めて、定置ベース231の上面のチャンネルAのパッド237は、回転ホイール230の底面の導電性領域710Aに結合されるが、チャンネルBのパッド238は、図示のように、回転ホイール230の底面の非導電性領域720Bの下にあり、結合されない。そのため、“導電性領域710と結合”=1、“非導電性領域720と結合”=0という規約に従った
図10のエンコーダ信号からすると、チャンネルAは1、チャンネルBは0、つまり全体の(A,B)値は(1,0)である。回転ホイール230の、パッド1個分の幅W1の右への回転(導電性領域または非導電性領域の幅W2の1/2の回転)を示す第2状態1120において、Aパッド237を次の非導電性パッド720Aの下で左側に移動させ、Bパッド238を非導電性パッド720Bの左下に移動させると、今度はAパッドもBパッドも導電性領域710と結合されないため、チャンネルA、チャンネルBともに値が0、すなわち全体の(A,B)値が(0,0)となる。
図10では、(A,B)=(1,0)から(0,0)への変化が、反時計回りの信号セット1020の例において、シーケンスの3番目と4番目のデータ点として示されている。第3状態1130において、今度は、W1一個分左に回転移動して、Aパッド237は非導電性領域720Aの左側の下にあり、したがってAパッドは未だ結合していないが、BパッドはW1一個分を移動して、導電性領域710Aの右側の下にあり、今度は結合している。従って、チャンネルAの値が0、チャンネルBの値が1となり、全体として(0,1)値となる。最後に、第4状態1140において、パッドA及びBは、追加でW1の一個分左へ回転移動し、上の回転ホイールが右へさらにW1だけ回転移動したことに対応する。今度は、Aチャンネルのパッド237とBチャンネルのパッド238の両方が、回転ホイール下側の導電性領域に結合されている。Aパッド237は導電性領域710Bの右側に移動し、Bパッド238は導電性領域710Aの左側に移動しているので、AチャンネルとBチャンネルの両方の値は1であり、全体として(A,B)=(1,1)である。
【0098】
したがって、
図11Aの4つの状態を通るデータ点(A,B)の進行は、(1,0)から、(0,0)と、(0,1)と、を介して(1,1)までである。
図10の1030に示すように、このシーケンスは反時計回りの回転を示す。上述したように、ここでは、定置ベース231の導電性パッド237または導電性パッド238が回転ホイール230の下側の導電性領域710と位置整合するとき、その信号値=1、および導電性パッド237または導電性パッド238が回転ホイール230の下側の非導電性領域720と位置整合するとき、その信号値=0となると仮定している。代替的な実施形態では、逆の規則が用いられてもよい。
【0099】
1以上の実施形態において、導電性パッド237及び導電性パッド238の幅(同じ幅であるW1を有する)と、導電性領域710又は非導電性領域720の幅(同じ幅であるW2を有する)との間に関係が存在する。1以上の実施形態において、定置ベース231に対する回転ホイール230の回転が検出され得る解像度を決定するのは、W1とW2の相対的な幅である。一実施形態では、
図11Aに示すように、導電性パッド237及び導電性パッド238の各々の幅W1は、下側の導電性領域710又は非導電性領域720の幅W2の1/2である。したがって、このような実施形態では、導電性パッド237または導電性パッド238がW1だけ移動するたびに、回転の変化を検出することができる。これは、
図11Aにおいて非導電性領域720Bの一方の側から当該領域の他方の側へと移動する導電性パッド238について示されているように、導電性パッド237又は導電性パッド238は、第1状態と第2状態の間で、領域710又は領域720の一方の側の下から他方の側へW1サイズのステップで移動するからである。あるいは、例えば
図11Aにおいて導電性領域710Aの第2の側から非導電性領域720Aの第1の側へ移動する導電性パッド237について示されているように、W1サイズのステップで導電性パッド237または導電性パッド238が領域710又は領域720の第2の側から、他のタイプの隣接領域の第1の側へ移動するからである。
【0100】
図11Bは、定置ベース231の導電性パッドA237と導電性パッドB238との間の例示的な距離1160を、導電性パッドの幅W1で示したものである。ここで、
図11Bの視点は、今度は定置ベース231全体の下から、本質的には、
図4Cと
図5を上向きに見たものであり、定置ベースの底面の3個の感知電極411、感知電極410、感知電極420と、定置ベースの天面の2つの導電性パッドA237、導電性パッドB238とが、全て透視モードで示されている。図示のように、導電性パッドA237と導電性パッドB238の間には、導電性パッド幅W1の16個分の隔たりが存在する。その間には、それぞれ幅W2である導電性領域710/非導電性領域720が7個あり、幅W1の領域が更に2個存在する。幅W1の領域の一方はAパッド237の右側であり、他方はBパッド238の左側である。導電性パッド237及び導電性パッド238は、定置ベースの下側において、その対応する結合電極411及び結合電極410の上にそれぞれ配置される。パッド237及びパッド238を16W1と等しい距離だけ離すことは、他の隣接する感知ピクセルからの寄生結合を減らすようにするためである。そのため、いくつかの実施形態では、結合電極411及び結合電極410は、
図4Cに図示され上述されたように、グリッドと位置整合する特定の位置を有するので、導電性パッド237及び238は、特定の領域に限定される。
図11Bの例示的な構成では、2個の導電性パッド237及び導電性パッド238はいずれも、回転ホイールの下側の導電性領域に結合されていない。図示のように、両者は非導電性領域720に結合されている。しかしながら、1回、右に回転すれば、Bチャンネルを担持する導電性パッド238が隣接する導電性領域と結合するように移動し、又はそのかわりに、1回、左に回転すれば、Aチャンネルを担持する導電性パッド237が隣接する導電性領域710に結合するように移動する。
【0101】
次に、スイッチを閉じるように押すクリック、又は、機械的な応答機能と、1以上の実施形態においてそれがどのように検出されるかについて説明する。それに関連して、
図12Aは、1以上の実施形態による、例示的な回転ホイール230の側面図であり、その上面に設けられ、等距離に配置された3個の例示的なスイッチ220を示す。いくつかの実施形態において、スイッチ220は、ドームスイッチである。同様に、
図12Bは、
図12Aの例示的な回転ホイールの上面図であり、1以上の実施形態に係る、
図4Bで説明したような電極領域402および電極領域403と共に、
図4Bで図示したような例示的な入力デバイスのセンサグリッドの上に設けられた3個の例示的なスイッチを示している。スイッチ220が閉じられると、
図7Bに示されるような2つの導電性領域712及び導電性領域732が電気的に接続されるが、このことは入力デバイスによって感知される。上述のように、1つ以上の実施形態において、ユーザによるノブインタフェースの回転と、スイッチを閉じるようにノブインタフェースを押下することは、直交する動作であり、互いに干渉しない。これは、スイッチ220が閉じられるかどうかは、定置ベース231と回転ホイール230の相対的な回転、又は、ユーザがそれらをさらに回転させる能力に影響を与えないからである。
【0102】
上述したように、ユーザは、
図3の外側キャップ215を押下することによって、スイッチを閉じる。
図13Aは、1つ以上の実施形態による、
図2及び
図3の例示的な回転可能なノブインタフェースの、スイッチ220が開状態である、アップ位置1301を示す切断図である。
図13Aはまた、スイッチが開状態のときの、回転ホイール及び定置ベースのそれぞれの上面及び下面の状態も示す。
図13Aに示すように、ドローイング1321は、回転ホイールの天面を示している。ここで、スイッチ220が開状態のときに、図示されているように、回転ホイールの上面付近に設けられた上述した2つの導電性リング712及び導電性リング732の間には接続がない。その結果、ドローイング1322で示されるように、回転ホイールの底面上の対応する領域710及び領域730も、互いに電気的に絶縁される。したがって、さらなる結果として、ドローイング1323で示すように、定置ベース231の天面において、内側導電性リング232は、定置ベースの下側の電極430のセットを介して基準信号に結合される周辺リング235から絶縁されたままであり、したがって、ドローイング1324で示すように、定置ベースの底において、電極420(感知信号により駆動される)と電極のセット430(基準信号により駆動される)は互いに電気的に分離されたままである。
【0103】
同様に、
図13Bは、1以上の実施形態に係る、ドローイング1321で示されるように、スイッチ220が閉状態のときの、
図2および3の例示的な回転可能なノブインタフェースのダウン位置1302を例示する切断図である。この場合、再び
図13Aを参照すると、(
図7Bを参照して上述したように)回転ホイールの天面付近に設けられた2つのリング712及びリング732の間に電気的接続があり、したがって、ドローイング1322で示すように回転ホイールの底面の対応する導電性領域、すなわち導電性領域710(その全てが互いに電気的に接続されている)及び内側リング730の間にも接続がある。さらに、ドローイング1323で示すように、内側導電性リング232は、今度は定置ベース231の上部で周辺リング235に電気的に接続され、その結果、ドローイング1324で示すように、定置ベース231の底部で、電極420は、入力デバイスの基準信号に結合されている電極430のセットに電気的に結合されている。ここで、スイッチが閉状態のとき、導電性領域710は、周辺リング235に結合されるのに加えて、定置ベース231の上部の導電性パッド237及び導電性パッド238にも部分的に結合される。したがって、スイッチが閉状態のときに、内側リング730上の信号(電極420を介して)に若干の影響があり得る。特に、スイッチが閉状態のとき、回転についての信号がわずかに低下するであろう。また、電極410及び電極411も、それらと対応する上部導電性パッド237及び上部導電性パッド238が共に回転ホイールの下側の導電性領域710に結合されている場合(
図11A、第4状態1140に示されたように)、信号にわずかな低下が見られ得る。これは、2個の電極410及び電極411のみが接地と結合されている代わりに、スイッチが閉じていることにより、このときには更に第3電極420が更に接地に結合されており、したがって、
図4Bに示すように、入力デバイスの領域403により提供される接地(基準)信号の一部を共有される。信号強度のこの小さな変化にかかわらず、上述のように、いくつかの実施形態では、ホイールの回転の検出は、スイッチが閉じている間でも完全に動作する。
【0104】
図14は、1以上の実施形態に係る、感知グリッドを有する例示的な入力デバイス上に実装された、例示的な回転可能なノブインタフェースを示す概略的な断面図を示す。そこを参照すると、
図14の底部から始めて、例示的な入力デバイスの上部、すなわちガラス層1429と、その下の2個の例示的な電極402および電極403とが示されている。一貫性のために、類似の要素に対して
図4Aから
図4Cで使用されたものと同じ索引番号が、ここで使用されている。示された実施形態では、ガラス層1429は、例えば、自動車のインフォテインメントシステムにおけるディスプレイのような、例示的な入力デバイスの上面であってよい。2個の代表的な電極402及び電極403は、例えば、
図4Bで図示されたそれらの同等物である。
図14の例では、これらの電極は、感知グリッドの一部である。図示のように、電極403は、例えば接地などの基準信号1402で駆動され、電極402は、上述したように、感知波形1406で駆動される。
【0105】
図14を参照しながら続けると、ガラス層1429の上に粘着層1427が設けられており、実施形態では、この粘着層で、例示的なノブインタフェースの定置ベースがガラス表面1429に(したがって例示的な入力デバイスに)固定される。粘着層1427から図の最上部まで、例示的なノブインタフェースの構成要素が図示される。したがって、上述したような定置ベース231と回転ホイール230があり、それらの間に薄いプラスチックの水平ベアリング236が設けられている。定置ベース231は、上述したように、底面及び天面を有する。底面は結合電極410及び結合電極430を備え、
図14の断面図は定置ベース231の底面の結合電極の全てを含んではいないという注意点があるが、
図4Cを参照して上述したように、結合電極430は例示的な入力デバイスの基準信号電極403に結合し、結合電極410は例示的な入力デバイスの感知電極402に結合する。定置ベース231の天面は、周辺リング235を含む。周辺リング235は、図示のように、電極430のセットに接続され、それ自体が基準信号を伝達する電極403に結合される。定置ベース231の天面はまた、電極410に電気的に接続された導電性パッド238を含む。
【0106】
図14を参照してさらに続けると、図示のように、定置ベース231の天面の上には水平な薄いプラスチックベアリング236があり、薄いプラスチックベアリング236の上には回転ホイール230が設けられる。図示のように、回転ホイール230は、上述のように、導電性領域710と非導電性領域720の両方が設けられた底面を有する。
図14では、図示を容易にするために、これらは半径方向に並んでいるように示されている。しかし、
図8の例で示したように、これら2つの領域は、実際には、ホイールの周縁部において、中心から半径方向に同距離で並んで設けられている(例えば、
図14のページから出ていく次元で、一方が他方の前に出ている)。コネクタ712によって更に示されるように、回転ホイールの導電性領域710の全てが、
図7Bを参照して上述したように、互いに電気的に接続される。1以上の実施形態において、回転ホイール230が回転すると、ホイールの導電性領域710がベースの導電性パッド238と重なるときに回路が結合され、ホイールの非導電性領域720がベースの導電性パッド238と重なるときに回路が電気的に切り離される。このことにより、回転ホイール230と定置ベース231との間に電圧差1451が生じる。電圧差1451は、1以上の実施形態において、入力デバイスによって測定される。同様に、
図14の断面図には示されていないが、ベースの導電性パッド237が回転ホイール230の下側の導電性領域710の真下にあり、したがって導電性領域710と結合されているときに回路が結合され、ホイールの非導電性領域720がベースの導電性パッド237に重なるときに回路が電気的に切り離される。
【0107】
図14に示すように、回転ホイール230の回転により導電性パッド238の結合が絶縁体720から導体Cu710へと変化すると、静電容量1451が変化する。この変化は、1以上の実施形態において、差動電圧1450によって測定され得る。この測定値は、上述したように、定置ベース231に対する回転ホイール230の相対的な回転位置を検出するために使用される。
【0108】
図15A、
図15B、
図15Cおよび
図16は、入力デバイスの表示パネル上の回転可能なノブインタフェース150の例示的な位置決めを示す図である。
図15Aは、1以上の実施形態に係る、一つの例示的なセンサグリッドの上に中心を置いた、回転可能なノブインタフェース150の第1の例示的な配置を示す。図示のように、例示的なセンサグリッドは、いくつかの(この例では8つの)センサアレーを含む。センサアレーは、各々が20個のセンサを有する6列から構成されている。回転可能なノブインタフェース150は、示された8つのアレーのうちの1つ、左から4番目のアレーに中心がある。この配置例では、基準信号、例えば接地信号を受信する定置ベースの底面上の結合電極は、最大の面積を有する。これは、
図15Aから
図15Cに示す種類のセンサグリッドにおいて、図示のように、ディスプレイのタッチ領域が異なるスライス1501に分離されるからである。この例では、各スライス1501が6列のタッチピクセルを持ち、合計で8つのスライスが示されている。本例のセンサグリッドの種類では、8つのスライスのうちの1つのスライス1501(「mux」とも呼ばれる場合がある)だけが一度に感知され得る。したがって、ノブを一度で感知するためには、図示のように、全体が1つのmuxに位置しなければならない。このことは、ノブをセンサグリッド全体に対して中央合わせをするのではなく、6列のスライス1501の一つ内にのみ中央合わせをしなければならないことを意味する。他の配置では、おそらくより視覚的に対称的であり、基準信号(例えば、接地)を受信する結合電極の数はより少ない。これについては、次に説明する。
【0109】
図15Bは、1以上の実施形態に係る、センサグリッドの上の回転可能なノブインタフェースの第2の例示的な配置を示す図である。ここでは、回転可能なノブインタフェース150は、全体としてディスプレイパネルの中央に配置されており、視覚的にはより対称的であるが、8つのスライス1501(センサアレー)のうちの2つにまたがっており、一度にはそのうちの1つしか感知されない場合がある。その結果、定置ベース底面の電極のうち基準信号を受け取る面積はかなり小さくなり、
図15Aの配置例に対して1/4のオーダーである。一部のユーザが好むようにノブを画面の中央に配置するためには、ノブの半分だけが導電性パッドを有することになる。その半分は、そのため、ノブの回転を感知する所望のmuxに配置される。スペースが限られることによって基準接地のための導電性領域が減少するため、ノブが有する信号は減少し得る。
【0110】
図15Cは、1以上の実施形態に係る、回転可能なノブインタフェース150の第3の例示的配置を示す。この例では、インタフェースの一部のみがセンサグリッド上に設けられる、この例示的な実施形態では、接地との十分な接続を提供するために、図示のように、外部接地金具1610が使用される。
図16に示すように、電極430のセットを含む回転可能なノブインタフェースの下部1620は、
図15Cの外部接地金具1610と電気的に結合される。
図16が更に示すように、この例示的な配置の実施形態では、感知信号はセンサグリッドの電極からのみ到来し得るため、感知信号で駆動される入力デバイスの電極と結合される電極410、電極411及び電極420は、ノブインタフェースの端部の上方に設けられる。この配置例は、入力デバイスの表示パネルへの視覚的な妨害を最小にする。
【0111】
図17は、1以上の実施形態に係る、例示的な電子デバイス上に回転可能なノブインタフェースを実装し、回転可能なノブインタフェースの位置及び/又は状態を決定するための方法1700を示す処理フローチャートである。例えば、電子デバイスは、例えば、上述したように、TDDI技術を含むものといった、表示と感知を組み合わせたデバイスであってもよい。
【0112】
方法1700は、ブロック1710からブロック1750を含む。代替的な実施形態では、方法1700は、より多くの、またはより少ない、ブロックを有していてもよい。方法1700はブロック1710で始まる。ブロック1710では、回転可能なノブインタフェースが入力デバイスに提供され、回転可能なノブインタフェースは定置ベースと回転ホイールとを備え、定置ベースは底面上に第1、第2、及び、第3セットの結合電極と、第1、第2、及び、第3セットの結合電極の各々に電気的に結合された第1、第2、及び、第3領域を含む周辺部分を有する上面と、を有する。回転ホイールは、導電性領域と非導電性領域とが交互に設けられた底面を有する。例えば、回転可能なノブインタフェースは、
図1から
図14に図示され、上述したもののいずれでもよい。
【0113】
ブロック1710から、方法1700はブロック1720に進む。ブロック1720では、ノブインタフェースの結合電極の第1セットは、基準信号を提供するように構成された入力デバイスの第1セットの電極に容量的に結合される。例えば、電極の第1のセットは、
図4Aの電極430であってもよい。あるいは、例えば、第1の電極のセットは、単一の電極を含んでもよい。基準信号に関しては、例えば、
図1の電子デバイス100の処理回路110など、電子デバイスの処理回路によって生成された接地信号であり得る。別の例として、基準信号は、任意に選択されたアナログフロントエンドからTDDIデバイスが出力した接地信号であってもよい。
【0114】
ブロック1720から、方法1700はブロック1730に進む。ブロック1730では、ノブインタフェースの結合電極の第2セット及び第3セットは、入力デバイスの電極の第2セット及び第3セットに容量結合される。電極の第2セット及び第3のセットは、感知信号を受信するように構成される。例えば、結合電極の第2セット及び第3のセットは、
図4Aの電極410及び電極411であってもよく、それらは全て、
図4Bの入力デバイス電極402のうちのいくつかと結合されてもよい。いくつかの実施形態では、同じ感知信号が
図4Bのデバイス電極402の全てに提供される。そのため、結合電極の第2セット及び第3のセットは、同じ信号に結合される。
【0115】
ブロック1730から、方法1700はブロック1740に進む。ブロック1740では、2つの異なる時点のそれぞれで、入力デバイスの電極の第1セットに基準信号が供給され、次に、入力デバイスの電極の第2セット及び第3セットで結果信号が受信される。上述のように、結果信号は、それが測定されるとき、例えば
図10、
図11A及び11Bを参照して上述したように、回転可能なノブインタフェースの定置ベース及び回転ホイールの相対的な回転位置によって改変されていることを除いて、第2セット及び第3セットの電極のそれぞれを駆動するのに使用されるものと同じ信号である。上述のとおり、入力デバイスの電極の第2セット及び第3セットは、同じ感知信号によって駆動される場合がある。
【0116】
ブロック1740から、方法1700はブロック1750に進む。ブロック1750では、2つの異なる時点のそれぞれで取得したデータに少なくとも部分的に基づいて、ノブインタフェースの回転位置の変化と、回転方向と、が決定される。1以上の実施形態において、この決定は、入力デバイスのメモリに記憶されたファームウェアによって実行されてもよい。方法1700は、ブロック1750で終了する。
【0117】
図18は、回転可能なノブインタフェースが取り付けられた、例示的な複合的な表示及び感知デバイス(“入力デバイス”)からの信号を処理するための方法1800を示す処理フローチャートである。ノブインタフェースは、例えば、
図2、
図3、
図12、及び、
図13に図示し、上述したように、様々な実施形態に係る、スイッチなどの“クリック”感知装置を追加的に備えている。したがって、例示的な回転可能なノブインタフェースは、「圧縮」状態に加えて、ホーム、すなわち「非圧縮」状態を有する。例えば、電子デバイスは、上述のようにTDDI技術を含んでもよく、回転可能なノブインタフェースは、上述の
図1-14に例示された回転可能なノブのいずれでもよい。
【0118】
方法1800は、ブロック1810から1830を含む。代替的な実施形態では、方法1800は、より多くの、またはより少ないブロックを有していてもよい。方法1800はブロック1810で始まる。ブロック1810では、基準信号が、入力デバイスに取り付けられた回転可能なノブインタフェースの結合電極の第1セットに電気的に結合された入力デバイスの電極の第1セットに提供される。例えば、電極の第1のセットは、
図4Aの電極430であってもよく、例えば、基準信号は、入力デバイスの接地信号、または、例えば、入力デバイスの処理回路部によって生成される別の信号であってもよい。
【0119】
ブロック1810から、方法1800はブロック1820に進む。ブロック1820では、回転可能なノブインタフェースの結合電極の第2セットと電気的に結合された入力デバイスの電極の第2セットで、結果信号を受信する。結果信号は回転可能なノブインタフェースによって改変される。例えば、第2のセットの電極は、
図4Aの電極420であってもよく、それは、
図4Bの入力デバイス電極402のうちの1個と結合されてもよい。
【0120】
ブロック1820から、方法1800はブロック1830に進む。ブロック1830では、入力デバイスの第1電極に供給された基準信号の強さに少なくとも部分的に基づいて、回転可能なノブインタフェースが、
図13Aに示されたようなスイッチが開状態であるホーム位置にあるか、又は、
図13Bに示されたようなスイッチが閉状態である閉位置にあるか、が決定される場合がある。上述したように、ホーム、又は開位置にあるときは、スイッチ220が開状態であるため、接続がなく、回転ホイールの底面の内側リング730はフローティングである。一方、回転可能なノブインタフェースが、
図13Bに示されるような圧縮位置にあるとき、スイッチ220が今や閉状態であるため、その結果電気接続が存在し、回転ホイールの底面の内側リング730は回転ホイールの導電性領域710の全てに電気的に接続される。方法1800は、その後、ブロック1830で終了する。
【0121】
このように、本明細書に記載した実施形態と例を、本技術とその特定の用途による実施形態を最もよく説明し、当業者が本開示を作製し利用できるようにするために、示した。ただし、当業者は、上記の記載と例が図示と例示だけの目的で示されたことを認識するであろう。記載された説明は、網羅的であること、または、開示された正確な形態に開示を限定することを意図していない。
【0122】
上記を考慮して、本開示の範囲は、以降の請求項によって決定される。
【国際調査報告】