(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-16
(54)【発明の名称】プラズモニック電界増強フォトディテクター及びイメージセンサー
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0248 20060101AFI20230309BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20230309BHJP
【FI】
H01L31/08 H
H01L27/146 D
H01L27/146 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022543441
(86)(22)【出願日】2021-01-14
(85)【翻訳文提出日】2022-09-14
(86)【国際出願番号】 US2021013480
(87)【国際公開番号】W WO2021146457
(87)【国際公開日】2021-07-22
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-01-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522283170
【氏名又は名称】キム,フン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,フン
【テーマコード(参考)】
4M118
5F149
5F849
【Fターム(参考)】
4M118AA01
4M118AB01
4M118BA09
4M118CA03
4M118CA40
4M118GA09
5F149AA20
5F149AB01
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5F849LA02
5F849XB15
5F849XB32
(57)【要約】
本発明は、プラズモニック電界増強フォトディテクターに関し、一実施例に係るフォトディテクターは、表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することを特徴とするフォトディテクター。
【請求項2】
前記吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成することを特徴とする、請求項1に記載のフォトディテクター。
【請求項3】
入射光を遮蔽し、遮蔽される前記入射光の光子が、誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用して、表面プラズモンポラリトンを発生する金属層、及び、
発生した前記表面プラズモンポラリトンを吸収し、吸収された前記表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が絶縁膜を介してトンネリングされるようにする光吸収層、及び、
トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させる半導体層、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフォトディテクター。
【請求項4】
前記金属層は、少なくとも一部が開放されたナノホールを含み、前記ナノホールを通じて発生した前記表面プラズモンポラリトンが前記光吸収層に吸収されることを特徴とする、請求項3に記載のフォトディテクター。
【請求項5】
前記ナノホールには、空気より誘電率の高い物質が形成されることを特徴とする、請求項4に記載のフォトディテクター。
【請求項6】
前記ナノホールは、Si
3N
4を含む物質で形成されることを特徴とする、請求項4に記載のフォトディテクター。
【請求項7】
前記金属層は、アルミニウム(Al)、金(Au)、及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項3に記載のフォトディテクター。
【請求項8】
前記金属層は、表面から前記光吸収層まで延長され、発生した前記表面プラズモンポラリトンを前記光吸収層にガイドすることを特徴とする、請求項3に記載のフォトディテクター。
【請求項9】
金属表面、
前記金属表面に形成される金属ナノホールアレイ、及び、
前記金属ナノホールアレイと対応する位置に形成されるディテクターアレイを含み、
前記ディテクターアレイは、前記金属表面に形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成するイメージセンサー。
【請求項10】
前記ディテクターアレイは、
吸収された前記表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成することを特徴とする、請求項9に記載のイメージセンサー。
【請求項11】
前記金属表面は、
入射光を遮蔽し、遮蔽される前記入射光の光子が誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用して表面プラズモンポラリトンを発生させ、
前記ディテクターアレイは、
発生した前記表面プラズモンポラリトンを吸収し、吸収された前記表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が絶縁膜を介してトンネリングされるようにする光吸収層、及び、
トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させる半導体層、
を含む、請求項9に記載のイメージセンサー。
【請求項12】
前記金属表面は、
表面から前記光吸収層まで延長され、発生した前記表面プラズモンポラリトンを前記光吸収層にガイドすることを特徴とする、請求項11に記載のイメージセンサー。
【請求項13】
表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階、
吸収された前記表面プラズモンポラリトンを用いて光電流を生成する段階、
を含むことを特徴とする、フォトディテクターの動作方法。
【請求項14】
前記光電流を生成する段階は、
吸収された前記表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成する段階を含むことを特徴とする、請求項13に記載のフォトディテクターの動作方法。
【請求項15】
金属表面に形成される金属ナノホールアレイと、前記金属ナノホールアレイと対応する位置に形成されるディテクターアレイを用いて、光電流を生成する段階、を含み、
前記光電流を生成する段階は、
前記ディテクターアレイにおいて、前記金属表面に形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階、及び、
前記吸収した表面プラズモンポラリトンを用いて光電流を生成する段階、
を含むイメージセンサーの動作方法。
【請求項16】
前記光電流を生成する段階は、
吸収された前記表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成する段階を含むことを特徴とする、請求項15に記載のイメージセンサーの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラズモニック電界増強フォトディテクターに関し、より詳細には、光が金属表面の自由電子と相互作用(Coupling)し、自由電子の集団的振動である表面プラズモン(Surface plasmon,SP)と光波(Light wave)とが結合した形態である表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を通じて誘電体との境界面に強力な増強電場(Enhanced electric field)を発生させる現象が適用された技術に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトディテクターは、一般的なMOSFET構造と同様に、ソース、ドレインの間に電流が流れるように標準CMOS工程で製作される。
【0003】
しかしながら、光の入射をゲートに集中させると、光吸収層のあるゲート内のポリシリコンとドーピングされたイオン、酸化膜とシリコン基板との間の界面、シリコン基板などにおける光の励起活動が活発になる。また、この際にエネルギーを吸収した電荷は、酸化膜とシリコン基板との間に形成されるチャンネル領域や駆動電圧がかかっているドレイン電極などで酸化膜をトンネリングし、ゲートにその電荷が入ることになる。このようなトンネリングは、ゲートと酸化膜との間に空乏層を形成させて、ゲート全体の電荷量に変化を起こす。
【0004】
また、トンネリングによる電荷量とゲート電界の変化は、直ちにチャンネルのスレショルド電圧を下げる効果につながる。トンネリング後に、結局、ゲートに入射した光によりトランジスターのチャンネルに光電流が誘起される。なお、光を受け入れるゲートは、光に起因するチャンネルの光電流及び暗電流の大きさ、感度、ダイナミックレンジなどの出力信号の特性の調節、ピクセルリセット機能などを遂行可能に外部電極に連結されている構造で形成される。
【0005】
一般的なフォトディテクターは、ゲートに光を吸収させて光電変換を起こす構造で形成される。
【0006】
このような従来のフォトディテクターは、入射光の波長帯より小さいサイズのゲートには入射光が直接吸収されて光励起をさせることができないため、ディテクターの大きさとその構造を活用したイメージセンサーのピクセルの大きさを小さくすることに限界を有している。
【0007】
また、入射された光により直接励起された電荷から光電変換が発生する内部量子効率もさらに向上させる必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0544235号公報
【特許文献2】韓国登録特許第10-0499956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、金属層(Metal Layers)を入射光と相互作用させ、誘電率が互いに異なる接合面で発生する表面プラズモン(Surface plasmon,SP)と表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を通じて表面プラズモンポラリトンが光電流に直接寄与するように光電変換させることを目的とする。
【0010】
本発明は、入射光と金属層との相互作用により生成された表面プラズモンポラリトンと局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷を、絶縁膜を介して別の空間にトンネリングし、空間の電荷量及び空乏層の大きさの変化を起こした後、隣接した電流チャンネルのスレショルド電圧に影響を及ぼすことで、光感知能力を極大化させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一実施例に係るフォトディテクターは、表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することができる。
【0012】
一実施例に係るフォトディテクターは、前記吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させ、前記光電流を生成することができる。
【0013】
一実施例に係るフォトディテクターは、入射光を遮蔽し、前記遮蔽される入射光の光子が誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用して表面プラズモンポラリトンを発生する金属層、及び前記発生した表面プラズモンポラリトンを吸収し、前記吸収された表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が、絶縁膜を介してトンネリングされるようにする光吸収層、及び前記トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させる半導体層を含むことができる。
【0014】
一実施例に係る前記金属層は、少なくとも一部が開放されたナノホールを含み、前記ナノホールを通じて前記発生した表面プラズモンポラリトンが前記光吸収層に吸収されてよい。
【0015】
一実施例に係る前記ナノホールには、空気より誘電率の高い物質が形成されることを特徴とする。
【0016】
一実施例に係る前記ナノホールは、Si3N4を含む物質から形成されてよい。
【0017】
一実施例に係る前記金属層は、アルミニウム(Al)、金(Au)、及び銀(Ag)のうち少なくとも一つを含んでよい。
【0018】
一実施例に係る前記金属層は、表面から前記光吸収層まで延長され、前記発生した表面プラズモンポラリトンを前記光吸収層にガイドすることができる。
【0019】
一実施例に係るイメージセンサーは、金属表面、前記金属表面に形成される金属ナノホールアレイ、及び前記金属ナノホールアレイと対応する位置に形成されるディテクターアレイを含み、前記ディテクターアレイは、前記金属表面で形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することができる。
【0020】
一実施例に係る前記ディテクターアレイは、前記吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成することができる。
【0021】
一実施例に係る前記金属表面は、入射光を遮蔽し、前記遮蔽される入射光の光子が誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用して表面プラズモンポラリトンを発生し、前記ディテクターアレイは、前記発生した表面プラズモンポラリトンを吸収し、前記吸収された表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が、絶縁膜を介してトンネリングされるようにする光吸収層、及び前記トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させる半導体層を含むことができる。
【0022】
一実施例に係る前記金属表面は、表面から前記光吸収層まで延長され、前記発生した表面プラズモンポラリトンを前記光吸収層にガイドすることができる。
【0023】
一実施例に係るフォトディテクターの動作方法は、表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階、及び前記吸収された表面プラズモンポラリトンを用いて光電流を生成する段階を含むことができる。
【0024】
一実施例に係る前記光電流を生成する段階は、前記吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成する段階を含むことができる。
【0025】
一実施例に係るイメージセンサーの動作方法は、金属表面に形成される金属ナノホールアレイと、前記金属ナノホールアレイと対応する位置に形成されるディテクターアレイを用いて光電流を生成する段階を含み、前記光電流を生成する段階は、前記ディテクターアレイにおいて、前記金属表面で形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階、及び前記吸収した表面プラズモンポラリトンを用いて光電流を生成する段階を含むことができる。
【0026】
一実施例に係る前記光電流を生成する段階は、前記吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、前記光電流を生成する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0027】
一実施例によれば、金属層(Metal Layers)を入射光と相互作用させ、誘電率が互いに異なる接合面で発生する表面プラズモン(Surface plasmon,SP)と表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を通じて表面プラズモンポラリトンが光電流に直接寄与するように光電変換させることができる。
【0028】
一実施例によれば、入射光と金属層との相互作用により生成された表面プラズモンポラリトンと局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷を、絶縁膜を介して別の空間にトンネリングし、空間の電荷量及び空乏層の大きさの変化を起こした後、隣接した電流チャンネルのスレショルド電圧に影響を及ぼすことで、光感知能力を極大化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の一実施例に係るフォトディテクターの構造を説明する図である。
【
図2】本発明の一実施例に係るイメージセンサーを説明する図である。
【
図3】エネルギーバンドダイヤグラムの光電流の生成メカニズムを説明する図である。
【
図4】光電流チャンネルにおいて、表面プラズモンポラリトンを直接生成する実施例を説明する図である。
【
図5】金属組成による表面プラズモンポラリトンを光吸収層まで直接伝播する実施例を説明する図である。
【
図6】本発明に係る分光感度(IPCE,Incident photon to current efficiency)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に開示されている本発明の概念に係る実施例に対して特定の構造的又は機能的説明は、単に本発明の概念に係る実施例を説明するための目的で例示されたものであり、本発明の概念に係る実施例は、様々な形態で実施されてよく、本明細書に説明された実施例に限定されない。
【0031】
本発明の概念に係る実施例は、様々な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるので、実施例を図面に例示し、本明細書に詳細に説明しようとする。ただし、これは、本発明の概念に係る実施例を特定の開示形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる変更、均等物、又は代替物を含む。
【0032】
第1又は第2などの用語は、様々な構成要素を説明するために使われるが、前記構成要素は前記用語により限定されることはない。前記用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ、例えば本発明の概念による権利範囲から離脱しないまま、第1構成要素は第2構成要素と命名されてよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる、又は「接続されて」いると言及されたときは、他の構成要素に直接連結されていたり又は接続されていてもよいが、その中間にさらに他の構成要素が存在してもよいと理解しなければならない。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる、又は「直接接続されて」いると言及されたときは、その中間にさらに他の構成要素が存在しないものと理解しなければならない。構成要素間の関係を説明するための表現、例えば「~間に」と「直接~間に」又は「~に直接隣接する」なども同様に解釈しなければならない。
【0034】
本明細書で用いられた用語は単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は、説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものが存在するということを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解しなければならない。
【0035】
特に定義がない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使われる全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使われる辞典に定義されているような用語は、関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されない。
【0036】
以下、実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。ただし、特許出願の範囲がこのような実施例により制限されたり限定されるものではない。各図面に提示された同一な参照符号は同一な部材を示す。
【0037】
図1は、本発明の一実施例に係るフォトディテクター100の構造を説明する図である。
【0038】
一実施例に係るフォトディテクター100は、表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階と、光電流を生成する段階で動作することができる。この際、フォトディテクター100は、光電流を生成するため、吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、光電流を生成することができる。
【0039】
また、フォトディテクター100は、吸収された表面プラズモンポラリトンにより発生するトンネリングにより光電流を誘起させて、光電流を生成することができる。
【0040】
具体的に、一実施例に係るフォトディテクター100は、金属層102、光吸収層104、及び半導体層105,106,107,108を含んでよい。
【0041】
金属層102は、入射光101を遮蔽し、遮蔽される入射光101の光子が誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用して、表面プラズモンポラリトンを発生させる。
【0042】
また、光吸収層104は、発生した表面プラズモンポラリトンを吸収し、前記吸収された表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が、絶縁膜を介して半導体層105,106,107,108にトンネリングされるようにする。
【0043】
半導体層105,106,107,108は、トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させることができる。
【0044】
そのため、ノードA106、ノードB107、ノードD108は、シリコン基板に不純物のドーピング極性と濃度の差をおき、
図1のように形成されてよい。また、絶縁体105を挟んでいるノードC104は、ポリシリコンや金属から形成されてよい。
【0045】
一実施例においては、光が入射される表面部の全体を金属層102によりシールドし、ノードCは光吸収層104であって、上部には金属以外の誘電率の大きい誘電体をおき、金属層のないナノホール(Nano hole)103を人為的に形成して、フォトディテクター100を生成することができる。
【0046】
一実施例によると、ナノホール103には空気より誘電率の高い物質が形成されてよい。例えば、ナノホール103はSi3N4を含む物質から形成されてよい。
【0047】
このような構造で、可視光と近赤外光の光が表面に到達すれば、波長がナノホール103のサイズより大きいため、金属のない部分を直接通過してしまい、半導体のエキシトンを生成できない状況となる。
【0048】
その代り、入射光が金属と相互作用(Coupling)を起こし、表面プラズモンポラリトンに変換される。変換された表面プラズモンポラリトンは、表面の金属層102と誘電体の界面を伝播(Propagation)しながらナノホール103と出会う。
【0049】
表面プラズモンポラリトンは、金属層102と誘電体が出会う周縁部分にLSP(Localized surface plasmon)を形成する。形成された表面プラズモンポラリトンは、強い電界増強(Electric Field enhancement)を伴うため、シリコン基板方向への電界を発生させる原因となる。
【0050】
また、表面プラズモンポラリトンは、入射光から変換された波数(Wave vector)に基づいて運動量とエネルギーが増加し、ポリシリコン、シリコン酸化膜と基板におけるエキシトン(Exiciton)とより効率的に作用し、多くの電荷を励起させる。
【0051】
この際、励起された電荷が金属表面のナノホール103の周縁(Edge)部分の強力な増強電界(Enhanced electric field)によりシリコン酸化膜をトンネリングしてノードC104に入り、ノードC104の全体電荷量を変化させる。
【0052】
結局、ノードC104の電荷量の変化は、シリコン酸化膜とシリコン界面に形成されている電流チャンネルのスレショルド電圧を変化させ、光電流を誘起する結果につながる。
【0053】
もし、ノードC104が、多量の電子が流入されるか或いは金属から形成された場合には、入射光により変換される表面プラズモンポラリトンがノードA106とノードB107との間に生成され、光電流として直接寄与する場合も考えることができる。
【0054】
本発明では、ナノフォトニックス(Nano photonics)の世界において光束は一定でなく、光を停止させることもでき、光が金属表面の自由電子と相互作用(Coupling)して、自由電子の集団的振動である表面プラズモン(Surface plasmon,SP)及びそれと光波(Light wave)とが結合した形態である表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を通じて、誘電体との境界面に強力な増強電場(Enhanced electric field)を発生させる現象を、フォトディテクターに適用する。
【0055】
このような現象は、一般的な光が金属と相互作用して表面プラズモンポラリトンに変換されたことであるが、光の波長が圧縮されて運動量とエネルギーが増加した形態である新しい物理的性質によって半導体と反応することになる。また、表面金属層のサイズと構造を変化させることによって、表面プラズモンポラリトンの共鳴(Resonance)スペクトラムや散乱ピーク(Dispersion peak)を制御することも可能になる。そうすると、フォトディテクターの動作及び構造上でいくつかの特殊な量子力学的(Quantum Mechanical)設計(Design)を通じて、非常に効率的かつ画期的な光電変換(Photo electric conversion)特性を得ることができる。
【0056】
PN接合(Junction)構造を基本とする光ディテクターや既存のPAT-PD(Photon Assisted Tunneling-Photo Detector)の光感知特性は、入射光の光子エネルギーから直接励起された電荷を電流や電圧に変換させる原理を適用している。したがって、ディテクターのサイズや入射光の角度などにより光電変換における内部量子効率が大きく影響され得る。しかし、本発明では、光と金属との相互作用で発生する表面プラズモンポラリトンと量子トンネリング現象を結合した構造及び動作原理を新概念の光ディテクターに適用すれば、その特性をイメージセンサーに拡張することができる。
【0057】
すなわち、金属と誘電体の接合面に存在する表面プラズモン(Surface plasmon)に光を入射させて生成された表面プラズモンポラリトンが、ナノサイズの人為的金属構造体に出会うと、局所的な(Localized)電界増強(Plasmonic Field-Enhanced)を起こし、入射光に比べて波数(Wave vector)が大きくなる現象が発生する。この際、波数が大きくなるということは、入射光に比べてエネルギーと運動量は大きくなり、波長(Wave length)は小さくなることを意味するが、入射光が半導体に直接吸収されてエキシトン(Electron-Hole Pair)を生成するよりは、入射光を金属の表面で表面プラズモンポラリトンに変換し、半導体と相互作用(Coupling)させて光励起に活用すれば、非常に高い内部量子効率の光電変換特性を得ることができる。これは、表面プラズモンポラリトンを効率的に生成して活用するためには、大きい誘電定数を有する物質を選択する他、構造的に特別に製作もしなければならないという意味でもある。
【0058】
一実施例に係る光電変化の動作原理及び構造は、次の通りである。受光部としては、量子効率(Quantum efficiency)の低いPN接合で構成されたディテクターを用いない。特に、受光部は、光により金属表面で生成された表面プラズモンポラリトンを、半導体で発生したエキシトン(Exciton)と相互作用させ、この際に励起された電子(Electrons)を短時間で、絶縁体を挟んでいる特定空間にトンネリング(Tunneling)させた後、そのトンネリングされた電子の電界(Electric field)効果により光電流(Photo current)を誘起させる形態の構造で製作する。この際、効率的なトンネリングを発生させる電界は、主に表面プラズモンポラリトンとナノ構造体により生成されたLSP(Localized Surface Plasmon)とプラズモニック電界強化(Plasmonic Field-Enhanced)効果を主に活用する。より具体的には、部分的に電界増強(Electric Field Enhancement)が発生するように受光部の表面金属層を数十から数百ナノサイズにオープンしながら残り部分を全て遮蔽(Shield)させる。金属のないオープンされた部分の物質には、主に空気(Air)に比べて誘電率(Dielectric Constant)が大きいSi3N4のような物質を用いて、入射光(Induced Light)が誘電体と金属の境界面までうまく到達できるように厚さなどを調節する。そうすると、金属との境界面には光子が表面プラズモンと相互作用し、表面プラズモンポラリトンが発生する。この際、金属表面に伝播される表面プラズモンポラリトンがナノサイズの非金属(non metallic)誘電体に出会うと、LSPの発生と共に金属が終端する周縁(Edge)部分に電界増強現象を起こす。この電界増強が表面プラズモンポラリトンにより励起された電荷をトンネリングさせ、光電流を効率的に誘起させる。
【0059】
ところが、入射光がエネルギーと運動量の大きい表面プラズモンポラリトンに変換されてエキシトンと相互作用をしても、シリコンのバンドギャップエネルギーより小さいエネルギーを有する長波長帯、例えば1200nm以上の波長のエキシトンの励起は、次のように別途の処理をしなければならない。
【0060】
まず、光が吸収(Absorb)される経路の特定部分に人為的な(Artifial)局所界面準位(Localized Interface States)をシリコンのバンドギャップの内部に生成させる。普通は、装置を製造する前段階で、いくつかのシリコン基板の表面クリーニングなどにより初期シリコンのダングリングボンド(dangling bond)の結合状態(Bonding state)を調整(Control)することによって、長波長の吸収にエキシトンがうまく形成されるように制御する。ところが、別途のN、Geのような物質の1~2モノレイヤをシリコン表面と結合させた後、酸化膜(Oxide Layer)を形成して、局所準位(Localized States)を別途に生成させることもできる。このようにバンドギャップの内部に形成された局所量子準位(Localized Quantum States)は、表面プラズモンポラリトンとの相互作用を通じて電子正孔対(Electron-Hole Pair)を遷移(Transition)し、また、電気的信号に変換(Conversion)できるようになる。
【0061】
そうすると、このような場合、普通は局所量子準位(Localized Quantum States)の密度が高くないため、効率的な光電変換(Photo electric conversion)特性は期待しにくい。ところが、本発明では、1200nm以上の長波長を有する入射光がエキシトンを直接生成させず、金属と先に接触させて表面プラズモンポラリトンを発生させ、入射光の波数(Wave vector)より表面プラズモンポラリトンの波数が大きくなる現象を用いた光電変換を行わせる。
【0062】
すなわち、入射光が、振動数(Frequency)は同一であるが光速(Light Speed)が変わった表面プラズモンポラリトンに変換され、ナノサイズの受光部(Light Receiving Area)に伝播(Propagation)されることが可能になり、局所量子準位(Localized Quantum States)に捕獲された(Trapped)電子を非常に効率的に励起(Excite)させることが可能になる。
【0063】
一般的な光ディテクターであるPN接合ダイオードの場合は、光吸収層(受光部)の面積が受光効率に直接的な影響を与えるため、高感度特性のためには光入射面積を大きくせざるを得ないのが現状である。しかし、本発明のように、ナノサイズの金属薄膜のナノホールの周辺で発生するプラズモン電界強化効果によりトンネリングされた電荷により、ゲートの電荷量が変わって光電流が誘起される構造及び動作原理上では、かえって光吸収面積が小さいほど光電変換効率が向上する。
【0064】
これは、入射光の波数(Wave vector)より金属との相互作用で生成された表面プラズモンポラリトンの波数が大きくなり、エキシトンを励起させられるエネルギーと運動量が増加したからである。すなわち、金属ホールの大きさが小さくなると、単位面積当たりに発生する局所電界(Localized Electric Field)の密度が増加し、励起された電荷が酸化膜をトンネリングする確率がより大きくなり、それによる光電流も大量に生成されるため、光電変換効率が大きくなるのである。この際、金属層としては、一般にアルミニウムを用いることができるが、金(Au)や銀(Ag)のような貴金属(Precious Metal)を表面にさらにコーティングし、表面プラズモンポラリトンの生成をより活性化させることもできる。
【0065】
図2は、本発明の一実施例に係るイメージセンサー200を説明する図である。
【0066】
一実施例に係るイメージセンサー200は、金属表面202、金属表面202に形成される金属ナノホールアレイ201、及び金属ナノホールアレイ201と対応する位置に形成されるディテクターアレイ203を含むことができる。
【0067】
また、一実施例に係るイメージセンサー200の動作方法は、金属表面に形成される金属ナノホールアレイと、金属ナノホールアレイと対応する位置に形成されるディテクターアレイを用いて光電流を生成することができる。
【0068】
なお、光電流を生成するため、一実施例に係るイメージセンサー200の動作方法は、ディテクターアレイにおいて、前記金属表面で形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収する段階と、吸収した表面プラズモンポラリトンを用いて光電流を生成する段階とを含むことができる。
【0069】
一実施例に係る金属表面202は、入射光を遮蔽し、遮蔽される入射光の光子が誘電体との接合面で生成される表面プラズモンと相互作用し、表面プラズモンポラリトンを発生することができる。
【0070】
また、一実施例に係るディテクターアレイ203は、光吸収層206と半導体層207,208,209,210を含むことができる。
【0071】
ノードCで示される光吸収層206は、発生した表面プラズモンポラリトンを吸収し、前記吸収された表面プラズモンポラリトンと、局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷が、絶縁膜を介してトンネリングされるようにすることができる。
【0072】
また、半導体層207,208,209,210は、トンネリングされる電子の電界効果(Electric field)に基づいて光電流を誘起させることができる。
【0073】
例えば、ディテクターアレイ203は、金属表面202で形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することができる。
【0074】
一実施例によれば、ディテクターアレイ203の真上に金属ナノホールアレイ201を形成させることができる。形成される各金属ナノホール間の距離は、少なくとも数マイクロメーターであり、実質的に表面プラズモンポラリトンが伝播されて隣接した金属ナノホールまで影響を及ぼしにくい構造である。
【0075】
図2に示すように、表面プラズモンポラリトンは、入射光204から変換された波数(Wave vector)に基づいて運動量とエネルギーが増加する。また、運動量とエネルギーが増加された表面プラズモンポラリトンは、ポリシリコン、シリコン酸化膜と基板におけるエキシトン(Exiciton)とより効率的に作用し、多くの電荷を励起させることができる。
【0076】
この際、励起された電荷が金属表面の金属ナノホール201の周縁(Edge)部分の強力な増強電界(Enhanced electric field)によりシリコン酸化膜をトンネリングして光吸収層に該当するノードC206に入り、ノードC206の全体電荷量を変化させることができる。また、変化された全体電荷量により、酸化膜と隣接した部分に空乏領域が生成されてチャンネルの電界に影響を及ぼす。結局、ノードC206における電荷量の変化は、シリコン酸化膜とシリコン界面に形成されている電流チャンネルのスレショルド電圧を変化させて、光電流を誘起する結果につながる。また、ノードC206の電圧を外部で調節すれば、感度、ダイナミックレンジ、信号の線形性などの出力特性なども自由に調節することができる。
【0077】
図3は、エネルギーバンドダイヤグラムの光電流生成メカニズムを説明する図である。
【0078】
図3は、フォトディテクター300に対する301方向の断面によるエネルギー準位に基づく動作原理、302方向の断面によるエネルギー準位に基づく動作原理を説明する図である。
【0079】
まず、図面符号310においては、表面プラズモンポラリトンがポリシリコンゲート(Poly-Silicon Gate)、ストレインドシリコン層(Strained Silicon Layer)、バルクシリコン(Bulk Silicon)でそれぞれのエネルギー準位と相互作用し、電子-正孔対(Electron-Hole Pair)を生成させることができる。また、電子-正孔対(Electron-Hole Pair)の生成と同時に励起された電子は、図面符号310に示すように電界によりシリコン界面に形成されたチャンネルとノードBなどで酸化膜をトンネリングする。また、電子は、トンネリングと共にP型にドーピングされたノードCと酸化膜間のノードC領域を空乏化させる。
【0080】
図面符号320をみると、このように電子のトンネリングにより空乏化が発生したノードCは、全体電荷量が変わる。これは、実質的にノードA、ノードB間のスレショルド電圧(Threshold Voltage)に影響を及ぼすことになる。これは、ノードCの電荷量の変化に影響を受ける電流チャンネル間の電界の大きさが変わったことと同一な効果があり、チャンネルコンダクタンス(Conductance)の変化量による光電流がチャンネルを通じて生成されることになる。
【0081】
この際、最終的にチャンネルコンダクタンスに影響を及ぼすのは、結局表面プラズモンポラリトンにより励起された電子のトンネリングによる現象である。すなわち、表面プラズモンポラリトンとの相互作用により各エネルギー準位が実質的に光ディテクターの波長反応特性を決定することになる。もし、光の入射が中断され、ダーク(Dark)状態に置かれて表面プラズモンポラリトンの発生と相互作用が消えると、トンネリングされてノードCを空乏化させた電子が再びノードAとチャンネル領域に再トンネリングし、ノードCの電荷量が元の状態に復元される。また、空乏層が減る方向に進み、チャンネルにおける表面プラズモンポラリトンによる光電流も自然に消える。
【0082】
図4は、光電流チャンネルにおいて、表面プラズモンポラリトンを直接生成する実施例400を説明する図である。
【0083】
入射光により生成された表面プラズモンポラリトンは、金属層401の表面を伝播するが、金属ナノホールと誘電率が異なる誘電体に出会うと、表面プラズモンポラリトンの波数が変わる現象が発生する。このように、新しく生成された表面プラズモンポラリトンは、半導体基板403の方向に伝播される。この際、ナノホールのサイズによって共鳴周波数(Resonance Frequency)が変化するので、検出しようとする入射光の波長によってナノホールの大きさを調節することができる。
【0084】
特に、新しく生成された表面プラズモンポラリトンをシリコン基板と酸化膜402の間のチャンネルまで誘導すれば、ノードAとノードBの間の電極にはバイアスがかかっており、表面プラズモンポラリトンが直接光電流としてノードBを通じて流れていく。
【0085】
そして、ノードCに多量の電子がトンネリングされ、金属と類似の特性を有する。このような電子は、ノードCと接触した酸化膜402誘電体の境界面に表面プラズモンポラリトンが直接誘起される現象が発生し、表面プラズモンポラリトンとエキシトン(Exiciton)との相互作用による現象に加え、光電流に直接寄与する状況を作り出すことができる。
【0086】
図5は、金属組成による表面プラズモンポラリトンを光吸収層まで直接伝播する実施例を説明する図である。
【0087】
一実施例に係る金属表面501は、表面から光吸収層502まで延長されて発生した表面プラズモンポラリトンを光吸収層502にガイドすることができる。
【0088】
ディテクターアレイは、金属表面で形成された表面プラズモン(Surface plasmon,SP)に光波(Light wave)の光子(Photon)が結合して生成される表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を吸収し、光電流を生成することができる。
【0089】
実施例500は、表面プラズモンポラリトンによる光電変換をより極大化する方案であり、金属表面501を半導体の深さ方向に延長し、表面プラズモンポラリトンをガイドできる構造である。表面プラズモンポラリトンがノードCに直接接触すると、ナノホールのLSP効果に加え、表面プラズモンポラリトンが直接チャンネルに電界増強(Electric Field Enhancement)をすることができる。したがって、電荷のトンネリングによるスレショルド電圧の変調に依存しなくても、効率的な光電流の誘起を行うことができる。また、酸化膜とその界面に存在するストレインド層(Strained Layer)に表面プラズモンポラリトンが相互作用する確率がより高くなり、効率よく拡張された長波長反応特性を得ることができる。
【0090】
図6は、本発明に係る分光感度(Incident photon to current efficiency,IPCE)を示すグラフ600である。
【0091】
グラフ600の横軸は波長(Wavelength)(nm)であり、縦軸は効率(Efficiency)のことを示す。
【0092】
グラフ600では、入射光と金属層との相互作用による表面プラズモンポラリトンが発生させた増強電場(Enhanced electric field)とトンネリング効果を活用した光電変換効率性を確認することができる。具体的に、グラフ600は、200nmサイズのナノホール金属層を有するディテクター構造に入射光の波長帯を変えながらIPCEを測定した結果である。グラフ600の測定値は、入力された入射光の光子数に対して光電変換された出力電流の電荷数を百分率で計算したものである。
【0093】
グラフ600に見られるように、入射光の光子が半導体に直接吸収されてエキシトンを生成できない450~950nm領域で非常に高い光電変換効率(6000~16000%)を示すことが確認できる。
【0094】
特に、グラフ600において、入射光の波長が大きくなるほど効率が高くなることは、ナノホールサイズにより、LSPの増強電場(Enhanced electric field)の共鳴条件(Resonance condition)が入射光の800nm波長帯の付近にあることが分かる。
【0095】
結局、本発明によると、金属層(Metal Layers)を入射光と相互作用させて、誘電率が互いに異なる接合面で発生する表面プラズモン(Surface plasmon,SP)と表面プラズモンポラリトン(Surface plasmon polariton,SPP)を通じて、表面プラズモンポラリトンが光電流に直接寄与するように光電変換させることができる。
【0096】
また、入射光と金属層との相互作用により生成された表面プラズモンポラリトンと局所電界(Localized Electric Field)効果により励起された電荷を、絶縁膜を介して別の空間にトンネリングし、空間の電荷量及び空乏層の大きさの変化を起こした後、隣接した電流チャンネルのスレショルド電圧に影響を及ぼして、光感知能力を極大化させることができる。
【0097】
以上のように、実施例がたとえ限定された図面により説明されたが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上記の記載から様々な修正及び変形が可能である。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法と異なる形態で結合又は組合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替又は置換されても適切な結果が達成可能である。
【0098】
そのため、他の具現、他の実施例及び特許請求の範囲と均等なものも、後述する特許請求の範囲に属する。
【国際調査報告】